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▶ ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイスの特許一覧

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  • 特許-同軸管に対する側方からの潤滑 図1
  • 特許-同軸管に対する側方からの潤滑 図2
  • 特許-同軸管に対する側方からの潤滑 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】同軸管に対する側方からの潤滑
(51)【国際特許分類】
   G04B 31/08 20060101AFI20231106BHJP
   G04B 13/02 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
G04B31/08 Z
G04B13/02 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022529805
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2020081192
(87)【国際公開番号】W WO2021104830
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】19211207.6
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】バルメ,エム・ラファエル
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-159173(JP,A)
【文献】特開昭62-87882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00-99/00
F16C 33/10
G01D 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの同軸管(110)または少なくとも2つのパイプ(110)、を備える計時器用機構(100)の、前記少なくとも2つの同軸管(110)または前記少なくとも2つのパイプ(110)を潤滑する方法(500)であって、
前記少なくとも2つの同軸管(110)または前記少なくとも2つのパイプ(110)に、互いに整列することができる側方の開口(111)が形成されており、
前記同軸管(110)または前記少なくとも2つのパイプ(110)を組み付ける組み付けステップ(510)と、
前記側方の開口(111)を整列させる整列ステップ(520)と、及び
前記側方の開口(111)内に潤滑剤を注入する注入ステップ(530)と、
のうちの少なくとも1つのステップを行う
ことを特徴とする方法(500)
【請求項2】
前記計時器用機構(100)は、前記少なくとも2つの同軸管(110)または前記少なくとも2つのパイプ(110)、を受けるように構成している外側管(120)または外側パイプ(120)、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の方法(500)
【請求項3】
前記外側管(120)または前記外側パイプ(120)に、側方の開口(111)が形成されている
ことを特徴とする請求項に記載の方法(500)
【請求項4】
前記組み付けステップ(510)は、前記外側管(120)または前記外側パイプ(120)内に、前記少なくとも2つの同軸管(110)または前記少なくとも2つのパイプ(110)、を挿入するステップ(515)を少なくとも1回行う
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携行型時計の分野に関し、特に、同軸管の分野に関する。特に、本発明は、インジケータのためのパイプの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
携行型時計の製造の分野において、インジケータの同軸管は、より一般的にはパイプと呼ばれ、同軸に組み付けられた管である。しかし、これらの管の潤滑は難しく、関連部品の組み付け後に潤滑剤が所望の場所に適切に存在するかどうかを確認することは当然にできることではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実際に、組み付け前に管のコイル上に潤滑剤が塗布され、その後で管が軸方向に互いに重なり合うように組み付けられる。この組み付け中に、管の1つによって塗布した油が押し込まれることがある。その管は、管の1つの面上にある潤滑剤を移動させ、場合によっては、機構において、多くの場合2つの車の間の又は管の1つとの接着が発生してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、少なくとも2つの同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプを備える計時器用機構に関し、前記少なくとも2つの同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ、のうちの2つに、互いに整列することができる側方の開口が形成されている。
【0005】
この構成のおかげで、前記少なくとも2つの同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ、をこれらの同軸管の数に依存せずに、1回の操作で潤滑することができる。また、前記少なくとも2つの同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ、の潤滑が確実になる。
【0006】
一実施形態において、前記計時器用機構は、前記少なくとも2つの同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ、を受けるように構成している外側管、好ましくは外側パイプ、を備える。
【0007】
この構成のおかげで、前記外側管、好ましくは外側パイプ、はその囲いに潤滑剤を閉じ込め、高回転速度での潤滑剤の飛び出しを避ける。なぜなら、前記外側管、好ましくは外側パイプ、に側方の開口がない場合があるからである。
【0008】
一実施形態において、前記外側管、好ましくは前記外側パイプに、側方の開口が形成されている。
【0009】
この構成のおかげで、前記少なくとも2つの同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ、及び前記外側管、好ましくは外側パイプ、を潤滑することが可能となる。
【0010】
本発明は、さらに、本発明に係る計時器用機構の同軸管を潤滑する方法に関し、この方法は、
前記同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ、を組み付ける組み付けステップと、
前記側方の開口を整列させる整列ステップと、及び
前記側方の開口内に潤滑剤を注入する注入ステップと、
のうちの少なくとも1つのステップを行う。
【0011】
この構成のおかげで、同軸管の数に依存せずに、前記少なくとも2つの同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ、を1回の操作で潤滑することが可能となる。また、前記少なくとも2つの同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ、の潤滑が確実になる。
【0012】
一実施形態において、前記潤滑方法は、少なくとも1回の前記注入の後に、組み付けステップは、前記外側管、好ましくは前記外側パイプ内に、前記少なくとも2つの同軸管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ、を挿入するステップを少なくとも1回行う。
【0013】
以下、添付の図面を参照しながら例を用いて、本発明について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る計時器用機構100の部分的断面図である。
図2】本発明に係る計時器用機構100の上側の部分的断面図である。
図3】本発明に係る同軸管の潤滑方法500を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
計時器用機構においてパイプを組み付けるときに、特に、2つの管を同軸に挿入するときに、いくつかの問題が発生する。なぜなら、管を他の管内に挿入するときに発生する摩擦によって、事前に注入された潤滑剤を部分的又は完全に掻き落としてしまうためである。
【0016】
このために、出願人は、少なくとも2つの同軸管110、好ましくは少なくとも2つのパイプ110、を備える計時器用機構100であって、いくつかの実施形態において、さらに、前記少なくとも2つの同軸管110、好ましくは少なくとも2つのパイプ110、を受けるように構成している、外側管120、好ましくは外側パイプ120、を備えるような計時器用機構100を提案する。
【0017】
実際に、図1に示すように、前記少なくとも2つの同軸管110、好ましくは少なくとも2つのパイプ110、はまず潤滑方法500にしたがって、より詳細には潤滑方法500の少なくとも1つの組み付けステップ510にて、組み付けられる。図1に示している、前記少なくとも2つの管、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ110は、例えば秒車、分車及び/又は時車である、歯車に取り付けられる管であり、典型的には、Berner著の文献「Illustrated Professional Dictionary of Horology」において定義されているようにパイプと呼ばれる。
【0018】
潤滑方法500の少なくとも1つの整列(アライメント)ステップ520にしたがって、前記少なくとも2つの同軸管110、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ110、が同軸に組み付けられ、側方の開口111どうしが整列520される。
【0019】
前記少なくとも1つの整列ステップ520の後に、側方の開口111内に潤滑剤を注入する少なくとも1つの注入ステップ530を行う。
【0020】
前記少なくとも1つの注入ステップ530を行った後に、計時器用機構100は潤滑され、少なくとも1つの挿入ステップ540の間に、前記少なくとも2つの同軸管110、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ110、が外側管120、好ましくは外側パイプ120、に挿入され、これによって、外側管120、好ましくは外側パイプ120、がその囲いの中に潤滑剤を閉じ込めて、高回転速度における潤滑剤の飛び出しを避けるようにする。なぜなら、この実施形態において、前記外側管120、好ましくは外側パイプ120には、側方の開口111がない場合があるからである。
【0021】
したがって、前記少なくとも2つの同軸管110、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ110、を単一の操作で、同軸管の数に依存せずに、潤滑することができる。また、前記少なくとも2つの同軸管110、好ましくは前記少なくとも2つのパイプ110、の潤滑が確実になる。
【0022】
いくつかの実施形態において、組み付け後も計時器用機構100を潤滑することができるように、前記外側管120、好ましくは外側パイプ120、にも側方の開口111が形成されていることができる。
図1
図2
図3