(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20231107BHJP
【FI】
H05B47/105
(21)【出願番号】P 2020062770
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 康広
(72)【発明者】
【氏名】羽生田 有美
(72)【発明者】
【氏名】清水 智章
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章裕
(72)【発明者】
【氏名】石北 徹
(72)【発明者】
【氏名】横田 聖冬
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-084723(JP,A)
【文献】特開2010-040400(JP,A)
【文献】特開2003-230183(JP,A)
【文献】特表2013-525989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を点灯させるとともに、前記光源の点灯状態を変更可能な点灯装置と、
を備え、
前記点灯装置は、
第1直流電圧を第2直流電圧に変換し、前記第2直流電圧を前記光源に供給する変換回路と、
外部から前記変換回路の停止または動作を制御する状態信号及び前記光源の調光度を制御する調光信号の入力を受け、前記状態信号及び前記調光信号に基づいて前記変換回路の動作を制御する制御回路と、
を具備し
、
前記制御回路は、前記状態信号または前記調光信号の少なくともいずれか一方の入力が無いときは、前記変換回路の動作を停止させることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
光源と、
前記光源を点灯させるとともに、前記光源の点灯状態を変更可能な点灯装置と、
を備え、
前記点灯装置は、
第1直流電圧を第2直流電圧に変換し、前記第2直流電圧を前記光源に供給する変換回路と、
外部から前記変換回路の停止または動作を制御する状態信号及び前記光源の調光度を制御する調光信号の入力を受け、前記状態信号及び前記調光信号に基づいて前記変換回路の動作を制御する制御回路と、
を具備し、
前記制御回路は、前記状態信号として前記変換回路を停止する信号が入力されたときに、0%よりも大きい調光度の前記調光信号が入力されたときは、前記変換回路を動作させ前記光源を前記調光信号に基づいて制御することを特徴とす
る照明装置。
【請求項3】
光源と、
前記光源を点灯させるとともに、前記光源の点灯状態を変更可能な点灯装置と、
を備え、
前記点灯装置は、
第1直流電圧を第2直流電圧に変換し、前記第2直流電圧を前記光源に供給する変換回路と、
外部から前記変換回路の停止または動作を制御する状態信号及び前記光源の調光度を制御する調光信号の入力を受け、前記状態信号及び前記調光信号に基づいて前記変換回路の動作を制御する制御回路と、
を具備し、
前記制御回路は、前記状態信号として前記変換回路を停止する信号が入力されている状態において、前記状態信号および前記調光信号の少なくとも一方の入力が途切れた場合には、入力が途切れたタイミングから所定時間が経過するまでは前記変換回路を動作させることを特徴とす
る照明装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記状態信号として前記変換回路を停止する信号が入力されたときに、前記変換回路の動作を停止させることを特徴とする
請求項1~3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記状態信号として前記変換回路を停止する信号が入力されている状態において、0%よりも大きい調光度で前記光源を制御している状態から消灯する場合、所定時間が経過するまでは前記光源を消灯した状態で前記変換回路を動作させることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スタジオや舞台などで用いられる照明装置が知られている。照明装置は、電源から供給された電力を、制御情報に基づいてLED(Light Emitting Diode)などの光源に対応した電力に変換し、変換後の電力を光源に供給することにより、光源を点灯させる点灯装置を備えている。
【0003】
こうした照明装置では、調光や調色などの制御情報を受けてから素早く制御を実行するため、点灯装置を常に駆動させている。このため、光源から光を照射していない消灯状態でも、制御情報を受信可能な待機状態の場合には電力を消費している。
【0004】
このため、照明装置では、動作の遅れを抑制しつつ、消灯時の消費電力を抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
動作の遅れを抑制しつつ、消灯時の消費電力を抑制できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、光源と、前記光源を点灯させるとともに、前記光源の点灯状態を変更可能な点灯装置と、を備え、前記点灯装置は、第1直流電圧を第2直流電圧に変換し、前記第2直流電圧を前記光源に供給する変換回路と、外部から前記変換回路の停止または動作を制御する状態信号及び前記光源の調光度を制御する調光信号の入力を受け、前記状態信号及び前記調光信号に基づいて前記変換回路の動作を制御する制御回路と、を具備し、前記制御回路は、前記状態信号または前記調光信号の少なくともいずれか一方の入力が無いときは、前記変換回路の動作を停止させることを特徴とする照明装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、動作の遅れを抑制しつつ、消灯時の消費電力を抑制できる照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
【
図2】実施形態に係るDC/DC変換回路を模式的に表すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る制御回路の動作の一例を模式的に表す表である。
【
図4】実施形態に係る制御回路の別の動作の一例を模式的に表す表である。
【
図5】実施形態に係る照明装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明装置10は、光源12と、点灯装置14と、を備える。照明装置10は、例えば、スタジオや舞台などに設置して使用される演出用の照明装置である。
【0012】
光源12は、例えば、発光素子12aを有する。光源12は、例えば、複数の発光素子12aを有する。複数の発光素子12aは、直列に接続される。複数の発光素子12aは、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。発光素子12aの数は、任意でよい。発光素子12aの数は、例えば、1つでもよい。
【0013】
発光素子12aには、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が用いられる。光源12は、例えば、複数のLEDを有するLEDモジュールである。発光素子12aは、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。但し、光源12は、発光素子12aを有するものに限ることなく、例えば、電球などでもよい。光源12は、直流電流の供給によって点灯する任意の光源でよい。
【0014】
点灯装置14は、光源12を点灯させるとともに、光源12の点灯状態を変更可能である。点灯装置14は、例えば、交流電源2と接続され、交流電源2から供給される交流電圧Vacを所定の電圧に変換して光源12に供給することにより、光源12を点灯させる。
【0015】
点灯装置14は、AC/DC変換回路20と、DC/DC変換回路22(変換回路)と、制御回路24と、信号変換部26と、を有する。
【0016】
AC/DC変換回路20は、交流電源2から供給された交流電圧Vacを第1直流電圧Vdc1に変換する。
【0017】
DC/DC変換回路22は、第1直流電圧Vdc1を第2直流電圧Vdc2に変換し、第2直流電圧Vdc2を光源12に供給する。なお、点灯装置14に供給される電力は、交流電力に限ることなく、直流電力などでもよい。例えば、第1直流電圧Vdc1を点灯装置14に供給してもよい。この場合、AC/DC変換回路20は、省略可能である。
【0018】
制御回路24は、外部からの設定信号の入力を受け、設定信号に基づいてDC/DC変換回路22の動作を制御することにより、設定信号に応じた点灯状態で光源12を点灯させる。設定信号は、例えば、外部機器4から照明装置10の点灯装置14に入力される。外部機器4は、例えば、上位のコントローラである。外部機器4は、例えば、調光卓などと呼ばれる場合もある。
【0019】
信号変換部26は、外部機器4と通信を行う。信号変換部26は、外部機器4から入力された設定信号を受け、入力された設定信号を制御回路24に対応した形式の設定信号に変換する。そして、信号変換部26は、変換後の設定信号を制御回路24に入力する。なお、信号の変換が必要無い場合などには、外部機器4から入力された設定信号を直接的に制御回路24に入力してもよい。信号変換部26は、点灯装置14に必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0020】
図2は、実施形態に係るDC/DC変換回路を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、DC/DC変換回路22は、定電流回路30と、調光回路40と、を有する。
【0021】
定電流回路30は、光源12に供給される直流電流が一定になるように、出力電流を制御する。定電流回路30は、一対の入力端子30a、30bと、一対の出力端子30c、30dと、を有する。一対の入力端子30a、30bは、AC/DC変換回路20の出力端子と電気的に接続される。これにより、第1直流電圧Vdc1が定電流回路30に供給される。出力端子30cは、光源12の発光素子12aの一端と電気的に接続される。出力端子30dは、光源12の発光素子12aの他端と電気的に接続される。これにより、定電流回路30から出力された直流電流が、光源12に供給される。
【0022】
定電流回路30は、例えば、スイッチング素子31と、インダクタ32と、ダイオード33と、を有する。スイッチング素子31は、電極31a~31cを有する。スイッチング素子31は、例えば、nチャネル形のFETである。例えば、電極31aは、ドレインであり、電極31bは、ソースであり、電極31cは、ゲートである。スイッチング素子31は、例えば、pチャネル形のFETでもよいし、バイポーラトランジスタなどでもよい。
【0023】
電極31aは、入力端子30aと電気的に接続されている。電極31bは、インダクタ32の一端に接続されている。インダクタ32の他端は、高電位側の出力端子30cと電気的に接続されている。ダイオード33のカソードは、スイッチング素子31の電極31bと電気的に接続されている。ダイオード33のアノードは、低電位側の入力端子30b及び出力端子30dと電気的に接続されている。
【0024】
電極31cは、制御回路24と電気的に接続されている。スイッチング素子31は、制御回路24からの信号に応じてスイッチングする。定電流回路30は、例えば、スイッチング素子31をスイッチングすることにより、光源12に供給する直流電流が一定になるように制御する。
【0025】
また、この例において、定電流回路30は、いわゆる降圧チョッパ回路である。定電流回路30は、第1直流電圧Vdc1の電圧値を、光源12に対応した電圧値に降圧する。なお、定電流回路30の構成は、上記に限ることなく、光源12に実質的に一定な電流を供給可能な任意の構成でよい。
【0026】
調光回路40は、光源12に対して並列に接続されるスイッチング素子42を有する。スイッチング素子42は、電極42a~42cを有する。スイッチング素子42には、スイッチング素子31に関して説明したものと同様のものを用いることができる。
【0027】
電極42aは、定電流回路30の出力端子30cと電気的に接続されている。電極42bは、定電流回路30の出力端子30dと電気的に接続されている。これにより、スイッチング素子42が、光源12と並列に接続される。電極42cは、制御回路24と電気的に接続されている。スイッチング素子42は、制御回路24からの信号に応じてスイッチングする。
【0028】
調光回路40(DC/DC変換回路22)及び制御回路24は、外部機器4から入力された設定信号に応じてスイッチング素子42のオン・オフを切り替え、光源12への第2直流電圧Vdc2(直流電流)の供給及び供給の停止を周期的に切り替えることにより、光源12から照射される光の調光制御を行う。このため、点灯装置14では、調光回路40よりも光源12側(出力側)には、電圧を平滑するような比較的大きな容量の電荷蓄積素子(例えばコンデンサなど)が設けられていない。これにより、例えば、パルス状に変化する第2直流電圧Vdc2の立上りや立下りが遅れ、不本意な調光度となってしまうことを抑制することができる。
【0029】
調光回路40では、光源12と並列に接続されるスイッチング素子42をオフにすることにより、光源12に直流電流を供給することができる。一方、スイッチング素子42をオンにすると、スイッチング素子42に電流が流れることにより、光源12側への直流電流の供給が停止される。
【0030】
定電流回路30は、例えば、検出部34をさらに有する。検出部34は、光源12及びスイッチング素子42の下流側に設けられ、スイッチング素子42がオフになり、光源12に直流電流が流れた時に、光源12に流れる直流電流の電流値を検出し、スイッチング素子42がオンになり、光源12への直流電流の供給が停止された時に、スイッチング素子42に流れる直流電流の電流値を検出する。検出部34は、制御回路24と電気的に接続され、制御回路24に検出結果を入力する。
【0031】
検出部34は、例えば、光源12の低圧側の端子及びスイッチング素子42の電極42bの接続点と低電位側の入力端子30bとの間に設けられる。検出部34は、例えば、直流電流の電流値を検出するための検出抵抗である。検出部34は、例えば、磁束の変化などを計測するクランプ型の電流計などでもよい。
【0032】
制御回路24及び定電流回路30は、検出部34の検出結果に基づいて、スイッチング素子31をスイッチングすることにより、光源12及びスイッチング素子42に流れる直流電流の電流値が一定になるように制御する。また、制御回路24及び調光回路40は、前述のように、設定信号に基づいてスイッチング素子42をスイッチングさせることにより、調光回路40の調光制御を行う。これにより、設定信号に応じた所望の明るさで、光源12を点灯させることができる。
【0033】
制御回路24及び調光回路40の行う調光制御は、例えば、パルス幅変調方式及びパルス密度変調方式のいずれかを含む。パルス幅変調方式では、例えば、調光度が大きい程、スイッチング素子42のオン期間を長くすることにより、光源12から照射される光の明るさを調光する。パルス密度変調方式では、例えば、調光度が大きい程、スイッチング素子42のオン期間の密度を高くすることにより、光源12から照射される光の明るさを調光する。
【0034】
スタジオや舞台などに設置して使用される演出用の照明装置10では、例えば、消灯状態から点灯状態とする際に、素早く所望の明るさにすることが望まれる。照明装置10では、定電流回路30を動作させつつ、調光回路40のスイッチング素子42をオン状態とし、実質的に一定の直流電流をスイッチング素子42に流すことにより、直流電流をスイッチング素子42側に流した状態のまま光源12を消灯状態とすることができる。
【0035】
これにより、照明装置10では、スイッチング素子42をオフ状態とすることで、光源12を消灯した状態から素早く所望の明るさで点灯させることができる。例えば、定電流回路30の動作を停止させ、直流電流の供給を完全に停止させた状態から光源12を点灯させる場合などと比べて、光源12を素早く所望の明るさで点灯させることができる。このように、照明装置10では、光源12を消灯状態から点灯状態に切り替える場合などに、高い応答性を得ることができる。
【0036】
図3は、実施形態に係る制御回路の動作の一例を模式的に表す表である。
図3に表したように、制御回路24は、通常動作モードと、停止動作モードと、待機動作モードと、を有する。通常動作モードは、設定信号に基づいてDC/DC変換回路22の動作を制御する動作モードである。停止動作モードは、DC/DC変換回路22の動作を停止させて光源12を消灯状態とする動作モードである。待機動作モードは、DC/DC変換回路22の少なくとも一部を動作させることにより、光源12を消灯状態としつつ、光源12を消灯状態から点灯状態に切り替える際の応答速度を停止動作モードよりも速くした動作モードである。
【0037】
図3に表したように、設定信号は、状態信号と、調光信号と、を有する。状態信号は、光源12の点灯状態及び消灯状態の切り替えを表す信号である。調光信号は、光源12の調光度を表す信号である。
【0038】
設定信号は、例えば、256チャンネルの信号を256段階で制御することができるDMX信号である。状態信号は、例えば、DMX信号のチャンネルである。
図3に表したように、例えば、0チャンネルがDC/DC変換回路22の停止状態に対応し、1~255チャンネルがDC/DC変換回路22の動作状態に対応する。調光信号は、状態信号とは異なる信号として照明装置10に割り当てられており、例えば、各チャンネルの256段階の設定である。これにより、光源12の調光度を256段階の諧調で制御することができる。また、例えば、調光信号の「0」は、光源12の調光度の0%に相当する。換言すれば、調光信号の「0」は、光源12の消灯状態に対応する。このように、この例では、状態信号及び調光信号によって、DC/DC変換回路22と光源12を制御することができる。
【0039】
制御回路24は、設定信号が入力されていないとき(
図3の動作1)、設定信号が入力されているが、状態信号が停止状態(0)で調光信号が消灯状態(調光度0%)のとき(
図3の動作2)は停止動作モードで動作し、DC/DC変換回路22の動作を停止させる。また、制御回路24は、設定信号が入力されているときに、調光信号が調光度0%よりも大きい時に、入力された状態信号の内容にかかわらず通常動作モードを実行する(
図3の動作3、動作5)。なお、
図3の動作3においては停止動作モードで動作させるようにしてもよい。
【0040】
制御回路24は、通常動作モードにおいては、検出部34の検出結果に基づいて、スイッチング素子31をスイッチングすることにより、光源12及びスイッチング素子42に流れる直流電流の電流値が一定になるように制御するとともに、調光信号の表す調光度に基づいてスイッチング素子42をスイッチングさせることにより、調光回路40の調光制御を行う。これにより、調光信号の表す調光度に応じた明るさで、光源12を点灯させることができる。
【0041】
制御回路24は、入力された設定信号の状態信号が動作状態であるとともに調光信号が消灯状態(調光度0%)である時に、待機動作モードを実行する(
図3の動作4)。
【0042】
制御回路24は、待機動作モードにおいては、検出部34の検出結果に基づいて、スイッチング素子31をスイッチングすることにより、光源12及びスイッチング素子42に流れる直流電流の電流値が一定になるように制御するとともに、スイッチング素子42をオン状態とし、光源12側への直流電流の供給を抑制することにより、光源12を消灯させる。これにより、待機動作モードにおいては、調光信号の調光度が0%よりも大きくなった際に、消灯した状態から所望の明るさで点灯する状態に、比較的速く光源12を遷移させることができる。待機動作モードは、換言すれば、通常動作モードにおいて調光度を0%にした状態である。待機動作モードは、例えば、通常動作モードの動作の一部と考えてもよい。
【0043】
制御回路24は、入力された設定信号の状態信号が停止状態であるときに調光信号の調光度が0%から0%よりも大きい値に変化した場合、停止動作モードから通常動作モードに遷移する(
図3の動作3)。このように、制御回路24は、状態信号が停止状態を表す信号であっても、調光信号が点灯状態を表す信号である場合には、調光信号側を優先し、通常動作モードの動作を実行する。
【0044】
制御回路24は、入力された設定信号の状態信号が停止状態であるとともに調光信号の調光度が0%である時に、停止動作モードを実行する(
図3の動作2)。
【0045】
制御回路24は、停止動作モードにおいては、スイッチング素子31への信号の入力を停止し、定電流回路30の動作を停止させるとともに、スイッチング素子42への信号の入力を停止し、調光回路40の動作を停止させることにより、DC/DC変換回路22の動作を停止させて光源12を消灯状態とする。
【0046】
このように、光源12を消灯状態とする際に、停止動作モードにおいては、定電流回路30及び調光回路40の動作を停止させ、待機動作モードにおいては、定電流回路30及び調光回路40を動作させる。これにより、停止動作モードにおいては、待機動作モードよりも消灯時の消費電力を抑制することができる。反対に、待機動作モードにおいては、停止動作モードよりも消灯状態から点灯状態とする際の動作の遅れを抑制することができる。
【0047】
制御回路24は、停止動作モードにおいては、例えば、設定信号の検出のみを実行する。すなわち、停止動作モードでは設定信号の受信のみを行うことで、設定信号に基づく動作は実行可能としながら消灯時の消費電力をより抑制することができる。
【0048】
そして、制御回路24は、設定信号を検出していない時に、停止動作モードを実行する(
図3の動作1)。制御回路24は、例えば、外部機器4に電源が入っていない場合や外部機器4と点灯装置14との間の配線が抜けている場合など、外部機器4から点灯装置14に設定信号が入力されていない時に、停止動作モードを実行する。このように、制御回路24は、設定信号を検出していない時に停止動作モードを実行するとともに、状態信号が停止状態の時に停止動作モードを実行する。
【0049】
制御回路24は、停止動作モードにおいて、0%よりも大きい調光度の調光信号が入力された際に、停止動作モードから通常動作モードに切り替わる。すなわち、制御回路24は、
図3の動作1から動作3または動作5に、もしくは
図3の動作2から動作3または動作5に切り替わる。
【0050】
また、制御回路24は、通常動作モードにおいて、設定信号の入力が途切れた場合には、設定信号の入力が途切れたタイミングから所定時間が経過するまでは通常動作モードを継続し、所定時間の経過に応じて通常動作モードから停止動作モードに切り替わる。所定時間は、例えば、180秒程度である。これにより、設定信号の瞬時的な途絶によって光源12が瞬時的に消灯してしまうことを抑制することができる。さらに、制御回路24は、状態信号が停止動作のときに、通常動作モードから停止動作モードに変更となる場合、すなわち調光度が0%以上の状態から消灯状態に変化したとき、調光信号が消灯状態に変化したタイミングから所定時間が経過するまでは通常動作モード(DC/DC変換回路22を動作させつつ光源12を消灯させた状態)を継続し、所定時間の経過に応じて通常動作モードから停止動作モードに切り替わるようにしてもよい。所定時間は、同様に、例えば180秒程度である。これにより、一時的に停止動作モードとなっても、次の点灯状態の調光信号を受信したときに素早く制御を実行することが可能となる。
【0051】
上述した所定時間は、例えば、外部機器4などの外部から入力される信号に基づいて変更できるようにしてもよい。あるいは、照明装置10に操作部を設け、操作部の操作に基づいて所定時間を変更できるようにしてもよい。制御回路24は、外部から入力される信号、あるいは操作部から入力された信号などに基づいて、所定時間を変更してもよい。
【0052】
以上、説明したように、本実施形態に係る照明装置10では、制御回路24が、DC/DC変換回路22の動作を停止させて光源12を消灯状態とする停止動作モードを有する。これにより、光源12の消灯時の消費電力を抑制することができる。また、制御回路24は、設定信号に基づいてDC/DC変換回路22の動作を制御し、光源12を点灯させる通常動作モードにおいて、調光信号の調光度を0%とした際に、待機動作モードになる。制御回路24は、待機動作モードにおいては、DC/DC変換回路22の少なくとも一部を動作させることにより、光源12を消灯状態としつつ、光源12を消灯状態から点灯状態に切り替える際の応答速度を停止動作モードよりも速くする。これにより、動作の遅れを抑制することができる。
【0053】
例えば、演出の途中などで一時的に光源12を消灯させる場合などには、制御回路24を待機動作モードに設定する。これにより、次に光源12を点灯させる際に、光源12が所望の明るさとなるまでの時間を短くし、動作の遅れを抑制することができる。例えば、光源12を長時間使用しない場合などには、制御回路24を停止動作モードに設定する。これにより、消灯時の消費電力を抑制することができる。従って、照明装置10では、動作の遅れを抑制しつつ、消灯時の消費電力を抑制することができる。
【0054】
なお、DC/DC変換回路22の構成は、定電流回路30と調光回路40とを有する構成に限定されるものではない。DC/DC変換回路22の構成は、光源12への第2直流電圧Vdc2の供給及び供給の停止を周期的に切り替えることにより、光源12から照射される光の調光制御を行う構成に限定されるものではない。DC/DC変換回路22の構成は、例えば、調光信号の調光度に応じて直流電流の電流値を変化させることにより、光源12から照射される光の調光制御を行う構成などでもよい。DC/DC変換回路22の構成は、調光信号に応じた明るさで光源12を点灯させることができる任意の構成でよい。
【0055】
待機動作モードにおける制御回路24の動作は、定電流回路30及び調光回路40の動作を制御する動作に限ることなく、DC/DC変換回路22の少なくとも一部を動作させることにより、光源12を消灯状態としつつ、光源12を消灯状態から点灯状態に切り替える際の応答速度を停止動作モードよりも速くすることができる任意の動作でよい。
【0056】
上記実施形態では、DMX信号を状態信号と調光信号の2つの設定信号に用いることで、変換回路22の停止と動作、光源12の調光を、それぞれ0~255チャンネルに割り当てることで実現している。つまり、状態信号の0チャンネルをDC/DC変換回路22の停止状態、1~255チャンネルを変換回路22の動作状態に割り当てている。停止状態の割り当てチャンネルを動作状態の割り当てチャンネルよりも少なくしておくことで、設定ミス等の誤動作を防止することができる。また、調光信号の0チャンネルを光源12の消灯状態、1~255チャンネルを調光度に合わせて割り当てている。なお、消灯状態及び点灯状態のチャンネルの割り当ては、上記に限ることなく、任意に設定してよい。また、設定信号は、DMX信号に限定されるものではない。設定信号は、例えば、状態信号と調光信号とを有する任意の信号でよい。
【0057】
図4は、実施形態に係る制御回路の別の動作の一例を模式的に表す表である。
図4に表したように、この例では、0チャンネル及び1チャンネルを停止状態に対応させ、2~255チャンネルを動作状態に対応させている。
【0058】
制御回路24は、入力された設定信号の状態信号が0チャンネルの停止状態であるとともに調光信号の調光度が0%よりも大きい時に、通常動作モードを実行する(
図4の動作13)。このように、制御回路24は、状態信号が0チャンネルの停止状態で、調光信号が点灯状態を表す信号である場合には、調光信号側を優先し、通常動作モードの動作を実行する。
【0059】
一方、制御回路24は、設定信号の入力を検知し、入力された設定信号の状態信号が1チャンネルの停止状態であるとともに調光信号の調光度が0%よりも大きい時に、停止動作モードを実行する(
図4の動作15)。このように、制御回路24は、状態信号が1チャンネルの停止状態で、調光信号が点灯状態を表す信号である場合には、状態信号側を優先し、停止動作モードの動作を実行する。
【0060】
このように、状態信号の設定により、調光信号側を優先するモードと、状態信号を優先するモードと、の2つの消灯状態を選択できるようにしてもよい。これにより、照明装置10の利便性をより向上させることができる。
【0061】
図5は、実施形態に係る照明装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、照明装置10aでは、光源12が、複数の発光素子12a~12cを有するとともに、点灯装置14aが、複数のDC/DC変換回路22を有する。複数のDC/DC変換回路22は、それぞれ第2直流電圧Vdc2を生成し、複数の第2直流電圧Vdc2のそれぞれを複数の発光素子12a~12cのそれぞれに供給する。複数のDC/DC変換回路22は、例えば、
図2に表した回路を複数設けることによって実現することができる。この場合、調光信号は各発光素子12a~12c毎にそれぞれ0~255チャンネルが割り当てられ、例えば、照明装置10aに対して状態信号として1つ、それぞれの発光素子12a~12cの調光信号として3つ、計4つの制御信号が割り当てられる。
【0062】
発光素子12aは、例えば、電圧の印加により、赤色光を照射する。発光素子12bは、例えば、電圧の印加により、緑色光を照射する。発光素子12cは、例えば、電圧の印加により、青色光を照射する。複数のDC/DC変換回路22は、設定信号に基づいて各発光素子12a~12cのそれぞれに供給する第2直流電圧Vdc2変化させることにより、各色の光の強度を変化させる。これにより、光源12から任意の色の光を照射することができる。いわゆる調色制御を行うことができる。複数の発光素子12a~12cは、赤色光、緑色光、青色光に限ることなく、色温度の異なる光を照射する発光素子などでもよい。
【0063】
このように、点灯装置14aは、複数の第2直流電圧Vdc2を生成する複数のDC/DC変換回路22を有する構成としてもよい。なお、光源12の発光素子の数は、3つに限ることなく、4つ以上でもよい。DC/DC変換回路22の数は、発光素子の数に応じた任意の数でよい。また、例えば、照明装置10aに複数の光源12を設け、複数のDC/DC変換回路22は、電圧値の異なる複数の第2直流電圧Vdc2を複数の光源12のそれぞれに供給してもよい。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
2 交流電源、 4 外部機器、 10、10a 照明装置、 12 光源、 12a~12c 発光素子、 14、14a 点灯装置、 20 AC/DC変換回路、 22 DC/DC変換回路、 24 制御回路、 26 信号変換部、 30 定電流回路、 31 スイッチング素子、 32 インダクタ、 33 ダイオード、 34 検出部、 40 調光回路、 42 スイッチング素子