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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】塗料飛散防止装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 16/80 20180101AFI20231107BHJP
   E04G 21/30 20060101ALI20231107BHJP
   E04G 21/32 20060101ALI20231107BHJP
   B05D 1/02 20060101ALN20231107BHJP
【FI】
B05B16/80
E04G21/30 A
E04G21/32 C
B05D1/02 J
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020009855
(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2021115510
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】514112374
【氏名又は名称】株式会社ミラクール
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】深江 典之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 重宣
(72)【発明者】
【氏名】大久保 廉
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-178356(JP,A)
【文献】実開平07-000554(JP,U)
【文献】特開平01-136899(JP,A)
【文献】実開昭58-156562(JP,U)
【文献】特開平02-198680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 14/00-16/80
B05D 1/00- 7/26
E04G 21/24-21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレー塗装作業範囲の周囲側面を囲むシート部材を有し、塗装面に沿って自在に移動可能な塗装ブースと、
前記シート部材の少なくとも一部の下端に沿って設置され、前記塗装面に向かってエアを吹出すエアカーテン形成手段と、
前記エアカーテン形成手段に空気を供給する空気供給手段とを備えており、
前記エアカーテン形成手段は、前記シート部材の下端に沿って設けられた筒状部材から形成され、前記筒状部材の軸方向に沿ってエアを吹出すための吹き出し口が設けられ、
前記筒状部材の両端部に前記空気供給手段が内装されていることを特徴とする塗料飛散防止装置。
【請求項2】
前記塗装ブースは矩形形状を有しており、
前記塗装ブースの左右両側面の前記シート部材の下端に沿って前記エアカーテン形成手段がそれぞれ設置されていることを特徴とする請求項1に記載の塗料飛散防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレー塗装において、特に工場、倉庫、商業施設等の構造物の屋根等を塗装する際に、スプレー塗装に伴う塗料の飛散を防止することができる塗料飛散防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外での塗装方法は一般的にローラーと刷毛が使用されている。しかし、ローラーと刷毛での塗装は技術力が必要となり、品質を一定に保つことが難しく、かつ塗装作業に時間がかかるという欠点があった。そのため、先端から塗料を噴射するスプレーガンを使用するスプレー塗装が多く利用されている。スプレー塗装は膜厚を均一に確保できるため、仕上がりが良好である上、作業時間の短縮が図れる。しかし、スプレー塗装は、スプレーされたミスト状の塗料の微粒子が周囲に飛散し、周辺建物や車両、備品等に付着するという問題があるため普及には課題があった。特に、工場や倉庫等の構造物の屋根を塗装する場合、屋根に波状の段差を有するため、塗装面の周囲を囲むようにしても波状の段差の凹部隙間から塗料が飛散する課題があった。
【0003】
そのため、屋根塗装用の塗料飛散防止装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の塗料飛散防止装置は、屋根の塗装面の周囲を囲う包囲体を備え、該包囲体の内部でスプレー塗装するための屋根塗装用の塗料飛散防止装置であり、包囲体の下部には、屋根の形状に合わせたアタッチメントを備えている。このアタッチメントは取り替えできるように構成されている。
【0004】
また、波状の段差を有する構造物の屋根を塗装する際に使用できる塗料飛散防止具が提案されている(特許文献2)。
【0005】
特許文献2に記載の塗料飛散防止具は、下部フレーム、上部フレーム及び支柱とを有するフレームと、このフレームの外周と上部とを閉塞する複数のシート体と、シート体の外側から内側に塗装用スプレーガンを挿入するための開口又は隙間と、フレームの下部に配置された車輪とを備えている。下部フレームには、シート状となされ複数のスリットが形成されてなると共に下端は屋根の表面に近接するスカート部材が配置されている。この塗料飛散防止具では、塗装作業においては、作業中に開放される部位は必要最小限の範囲にとどまると共に、下部フレームの下方はスカート部材により閉塞されているため、塗料の飛散を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-176208号公報
【文献】特開2007-237136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の塗料飛散防止装置は、塗装により汚れたアタッチメントを何度も交換する必要があるため、大面積を塗装するには非効率である。また、屋根の凹凸形状は様々であり、それらの形状に合わせた多数のアタッチメントを用意しなければならないという問題点もあった。
【0008】
また、特許文献2に記載の塗料飛散防止具は、工場や倉庫等の構造物の屋根を塗装する際に、通常屋根には波状の段差が形成されている場合、波状の段差の突起部により下部フレームの左右両側のスカート部材が内側又は外側に折り曲げた状態になり、塗装作業後このスカート部材が塗料により硬くなり、頻繁に交換する必要があり、時間とコストがかかるという問題点があった。また、波状の段差の突起部によりスカート部材が内側に折り曲げた状態になると、塗装面の仕上がり状態に影響するという問題点もあった。さらに、塗料飛散防止具を移動する際に、スカート部材が塗装面に引きずられることで、塗装の仕上がり状態に影響するという問題点もあった。
【0009】
従って、本発明は従来技術の上述した問題点を解消するものであり、その目的は、工場、倉庫、商業施設等の構造物の屋根等の塗装にも利用でき、スプレー塗装に伴う塗料の飛散を極力防止することができる塗料飛散防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、塗料飛散防止装置は、スプレー塗装作業範囲の周囲側面を囲むシート部材を有し、塗装面に沿って自在に移動可能な塗装ブースと、シート部材の少なくとも一部の下端に沿って設置され、塗装面に向かってエアを吹出すエアカーテン形成手段と、エアカーテン形成手段に空気を供給する空気供給手段とを備えている。
【0011】
塗料飛散防止装置は、塗装ブースのシート部材の少なくとも一部の下端に沿って塗装面に向かってエアを吹出すエアカーテン形成手段を設置することにより、従来のようにアタッチメント又はスカート部材を頻繁に交換する必要がなく、コストを削減でき、塗装面の仕上がり状態を影響することなく、かつ移動する際に塗装の仕上がり状態を影響することなく、工場、倉庫、商業施設等の構造物の屋根等の塗装にも利用でき、スプレー塗装に伴う塗料の飛散を極力防止することができる。なお、本明細書において、スプレー塗装作業範囲とは、塗装ブースにより囲まれた内側でスプレー塗装を実行する範囲である。
【0012】
エアカーテン形成手段は、シート部材の下端に沿って設けられた筒状部材から形成され、筒状部材の軸方向に沿ってエアを吹出すための吹き出し口が設けられ、筒状部材の一端には空気供給手段が接続され、他端が封止されているように構成されていることが好ましい。
【0013】
塗装ブースは矩形形状を有しており、塗装ブースの左右両側面のシート部材の下端に沿ってエアカーテン形成手段がそれぞれ設置されていることが好ましい。
【0014】
空気供給手段は、塗装ブースと共に移動するように設置されていることが好ましい。
【0015】
空気供給手段は、塗装ブースとは独立した位置に設置され、エア供給用ホースで筒状部材に接続されていることが好ましい。
【0016】
筒状部材の両端部に空気供給手段が内装されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、塗料飛散防止装置は、塗装ブースのシート部材の少なくとも一部の下端に沿って塗装面に向かってエアを吹出すエアカーテン形成手段を設けることにより、従来のようにアタッチメント又はスカート部材を頻繁に交換する必要がなく、時間とコストを削減でき、塗装面の仕上がり状態に影響することなく、工場、倉庫、商業施設等の構造物の屋根等の塗装にも利用でき、スプレー塗装に伴う塗料の飛散を極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態における塗料飛散防止装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図2図1の塗料飛散防止装置のエアカーテン形成手段の構成を概略的に示す斜視図である。
図3】屋根の塗装を行う際にエアカーテン形成手段のエアを吹出す状態を概略的に示す側面図である。
図4】エアカーテン形成手段の他の構成例を概略的に示す斜視図である。
図5図1の塗料飛散防止装置を用いてスプレー塗装を行う際の状態を概略的に示す斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態における塗料飛散防止装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図7】空気供給手段の他の設置例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る塗料飛散防止装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態における塗料飛散防止装置100の全体の構成を示しており、図2は塗料飛散防止装置のエアカーテン形成手段20の構成を示しており、図3は屋根の塗装を行う際にエアカーテン形成手段20のエアを吹出す状態を示している。図4はエアカーテン形成手段20Aの構成を示している。図5は塗料飛散防止装置100を用いてスプレー塗装を行う際の状態を示している。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る塗料飛散防止装置100は、スプレー塗装作業範囲の周囲側面を囲むシート部材11を有し、塗装面Aに沿って自在に移動可能な塗装ブース10と、シート部材11の下端の少なくとも一部の下端に沿って設置され、塗装面Aに向かってエアを吹出すエアカーテン形成手段20(20a及び20b)と、エアカーテン形成手段20に空気を供給する空気供給手段30と、空気供給手段30へ電力を供給するための電源ドラム40とを備えている。
【0022】
図1及び図2に示すように、塗装ブース10は、スプレー塗装作業範囲の周囲側面を囲むシート部材11(11a、11b、11c及び11d)と、シート部材11を支持するフレーム12と、塗装面Aに沿って自在に移動する移動手段としてのキャスター13とを備えている。なお、本実施形態では、塗装ブース10が、図1の矢印方向に自在に移動可能とすることを想定している。塗装ブース10は矩形形状を有しており、その内部がスプレー塗装作業範囲とされる。フレーム12の前後、左右の4面には、4枚のシート部材11a、11b、11c及び11dが着脱可能に配置されている。シート部材11は、例えば、透明又は半透明の樹脂材料から構成されている。また、シート部材11は、マスカーテープ又はメッシュシート等が用いることもできる。また、塗装ブース10の前方のシート部材11dの下部にシート状材料からなるスカート部材11eは設けられている。このスカート部材11eはシート部材11dと一体に構成しても良い。さらに、塗装ブース10の前方のシート部材11dの高さHdは後方のシート部材11cの高さHcより高く形成されている。前方のシート部材11dを高くすることで、前方からの塗料飛散を抑制することができる。後方のシート部材11cの高さを比較的に低くすることで、塗装作業に邪魔せず、作業しやすい効果がある。フレーム12は、角型又は丸型の棒材又は管材から形成されている。また、フレーム12の下部4箇所(例えば、四隅)にそれぞれキャスター13が配置されている。なお、塗装ブース10の上面に捲り上げることによりエアレススプレー機B先端部のスプレーガンBsを挿入できる開口部を形成することができる透明な上部シート部材を設けても良い。また、塗装ブース10の後方のシート部材11cの下部にもシート状材料からなるスカート部材を設けるようにしても良い。
【0023】
エアカーテン形成手段20は、シート部材11a及び11bの下端に沿って設けられた筒状部材20a及び20b(21)から形成され、筒状部材21の軸方向に沿ってエアを吹出すための吹き出し口としてのスリット22が設けられ、筒状部材21の一端21aには空気供給手段30が接続され、他端21bが封止されているように構成されている。本実施形態において、エアカーテン形成手段20は、1対のエアカーテン形成手段20a及び20bからなり、塗装作業者から見て塗装ブース10の左右両側面のシート部材11a及び11bの下端にそれぞれ連結して設置されている。図1~3に示すように、エアカーテン形成手段20(20a及び20b)のスリット22が下向きに設置され、このスリット22から吹き出すエアが塗装面Aとの間にエアカーテンCを形成し、シート部材11の下部隙間から塗料の飛散を防止することができる。特に、凹凸を有する屋根の塗装を行う際に、シート部材11の下部隙間が大きく、エアカーテンCを形成することで凹凸部から塗料の飛散を効果的に防止することができる(図3参照)。
【0024】
なお、エアカーテン形成手段20の代わりに、図4に示すようなエアカーテン形成手段20Aを用いても良い。図4に示すように、エアカーテン形成手段20Aは、筒状部材21から形成され、筒状部材21の軸方向に沿ってエアを吹出すための吹き出し口としての複数の貫通穴22Aが設けられている。この場合、複数の貫通穴22Aは、一列に配置されても良いし、複数列に配置されても良い。また、エアカーテン形成手段20又は20Aの吹き出し口は、塗装面Aに対して垂直又は所定角度に傾斜してエア吹き出すように形成されている。
【0025】
空気供給手段30は、エアカーテン形成手段20に空気を供給するものであり、ブロワ、コンプレッサー又はファンを用いることができる。また、空気を供給する公知の種々の構成のものが適用可能である。この空気供給手段30は、エアカーテン形成手段20の一端21aに連結されており、かつ塗装ブース10と共に移動するように設置されている。本実施形態において、2つの空気供給手段30がエアカーテン形成手段20a及び20bのそれぞれに接続されている。なお、1つの空気供給手段30を同時に2つのエアカーテン形成手段20a及び20bに接続し空気を供給するようにしても良い。
【0026】
電源ドラム40は、回転部に引き出し可能に巻き取った空気供給手段30に電力を供給するための電源ケーブルを有するものであり、この電源ドラム40は、塗装ブース10と共に移動するように設置されている。なお、電源ドラム40は、塗装ブース10と離れた位置に設置されても良い。
【0027】
図5に示すように、スプレー塗装作業を行う際に、塗料飛散防止装置100を塗装作業範囲に設置し、作業範囲の周囲を囲むようにする。次に、空気供給手段30を起動し、エアカーテン形成手段20(又は20A)に空気を供給しエアカーテンCを形成する。次に、エアレススプレー機BのスプレーガンBsを塗装ブース10の上から囲まれた塗装作業範囲に挿入し、塗装面Aに塗料を噴射し塗装する。この塗装作業範囲の塗装が完了すると、塗料飛散防止装置100を次の塗装作業範囲(左又は右方向)へ移動する。これにより、特に工場、倉庫、商業施設等の構造物の屋根を塗装する場合、シート部材11の下部隙間から塗料の飛散を効果的に防止することができる。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の塗料飛散防止装置100は、スプレー塗装作業範囲の周囲側面を囲む塗装ブース10と、シート部材11の下端に連結して設置され、塗装面Aに向かってエアを吹出すエアカーテン形成手段20(又は20A)と、エアカーテン形成手段20に空気を供給する空気供給手段30と、空気供給手段30へ電力を供給するための電源ドラム40とを備えている。
【0029】
これにより、スプレー塗装作業を行う際に、エアカーテン形成手段20(又は20A)の吹き出し口から吹き出すエアがエアカーテン形成手段20(又は20A)と塗装面との間にエアカーテンCを形成し、シート部材11の下部隙間から塗料の飛散を防止することができる。特に工場、倉庫、商業施設等の構造物の屋根を塗装する場合、シート部材11の下部と凹凸形状の屋根Dとの間の隙間から塗料の飛散を効果的に防止することができる。従って、本発明の塗料飛散防止装置100は、従来のようにアタッチメント又はスカート部材を頻繁に交換する必要がなく、コストを削減でき、塗装面Aの仕上がり状態に影響することなく、かつ移動する際に塗装の仕上がり状態に影響することなく、工場、倉庫、商業施設等の構造物の屋根等の塗装にも利用でき、スプレー塗装に伴う塗料の飛散を極力防止することができる。
【0030】
また、空気供給手段30は、塗装ブース10と共に移動するように設置されているため、塗料飛散防止装置100を次の塗装作業範囲へ移動する作業が容易になり、便利性が向上する。
【0031】
図6は本発明の他の実施形態における塗料飛散防止装置200の構成を概略的に示している。図6に示すように、本実施形態に係る塗料飛散防止装置200は、スプレー塗装作業範囲の周囲側面を囲むシート部材11を有し、塗装面Aに沿って自在に移動可能な塗装ブース10と、シート部材11の下端に沿って設けられ、塗装面Aに向かってエアを吹出すエアカーテン形成手段20(20a及び20b)と、エアカーテン形成手段20に空気を供給する空気供給手段30Aとを備えている。空気供給手段30Aへ電力を供給するために電源ドラム(図示せず)を用いても良い。塗料飛散防止装置200において、空気供給手段30A及び電源ドラム(使用する場合)は、塗装ブース10と離れた位置に設置されている以外は、上述した塗料飛散防止装置100と同様な構成を有している。
【0032】
この場合、空気供給手段30Aは、例えば、コンプレッサーである。エアカーテン形成手段20と空気供給手段30Aとの間はエア供給用ホース50で接続されている。エア供給用ホース50の長さは必要に応じて設定することができる。また、塗装ブース10の後方のシート部材11cの下部にもシート状材料からなるスカート部材11eが設けられている。なお、エアカーテン形成手段20の代わりに、図4に示すようなエアカーテン形成手段20Aを用いても良い。
【0033】
なお、上述した実施形態の塗料飛散防止装置100及び200において、塗装ブース10の左右両側面のシート部材11a及び11bの下端にそれぞれエアカーテン形成手段20(20a及び20b)が連結して設置されている例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、塗装ブース10の左右、前後の4つの側面のシート部材11a、11b、11c及び11dの下端の一周にわたってエアカーテン形成手段20を設するようにしても良い。この場合、道路表面等比較的にフラットな表面の塗装にも利用できる。
【0034】
また、上述した実施形態の塗料飛散防止装置100及び200において、塗装ブース10の前方のシート部材11dの高さHdは後方のシート部材11cの高さHcより高く形成されている例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前方のシート部材11dと後方のシート部材11cを同じ高さに形成しても良い。
【0035】
さらに、上述した実施形態の塗料飛散防止装置100及び200において、塗装ブース10は水平断面が矩形形状である例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、水平断面が多角形状又は円形状であっても良い。
【0036】
さらにまた、上述した実施形態の塗料飛散防止装置100及び200において、エアカーテン形成手段20(20a及び20b)の一端に空気供給手段30が接続されている例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、エアカーテン形成手段20の筒状部材21の両端21a及び21bの内部に空気供給手段としてのファン30a及び30bを嵌入するように設置しても良い。これにより、装置全体がコンパクトになり、塗装作業の邪魔にならない。かつデザイン性を向上できる。なお、筒状部材21の両端21a及び21bに内装する代わりに、ファン30a及び30bを筒状部材21の両端21a及び21bの端部(外部)に設けても良い。
【0037】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、スプレー塗装において、特に工場、倉庫、商業施設等の構造物の屋根等を塗装する際に、スプレー塗装に伴う塗料の飛散を防止する目的に利用できる。
【符号の説明】
【0039】
10 塗装ブース
11、11a、11b、11c、11d シート部材
11e スカート部材
12 フレーム
13 キャスター
20、20a、20b エアカーテン形成手段
21 筒状部材
21a、21b 筒状部材端部
22 スリット
22A 貫通穴
30、30A 空気供給手段
30a、30b ファン(空気供給手段)
40 電源ドラム
50 エア供給用ホース
100、200 塗料飛散防止装置
A 塗装面
B エアレススプレー機
Bs スプレーガン
C エアカーテン
D 屋根
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7