(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】周知業務を支援する方法、システム、プログラム、記録媒体、およびサーバー
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20231107BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2020050563
(22)【出願日】2020-03-23
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000170130
【氏名又は名称】パーパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】井出 圭一
(72)【発明者】
【氏名】上坂 剛士
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 邦裕
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 龍一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 淳
【審査官】小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-204026(JP,A)
【文献】特開2003-242071(JP,A)
【文献】特開2004-246463(JP,A)
【文献】特開2003-016228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバーが、
配布先情報に関係付けられた周知文書情報を生成する工程と、
前記配布先情報を含む顧客情報から前記配布先情報を抽出する工程と、
周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開する工程と、
前記周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開した旨のメッセージ通知を前記配布先情報に関係付けられた顧客端末に送信する工程と、
前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末から前記周知情報公開サイトの閲覧があったかを判定する工程と、
前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末であって、前記周知情報公開サイトを閲覧していない顧客端末に対し前記メッセージ通知を繰り返し送信する工程と、
前記メッセージ通知の送信回数を計数する工程と、
前記送信回数が閾値を超えたとき、前記周知文書情報に代えて周知文書の送付を指示する指示情報を生成し提示する工程と、
を含む
各工程を実行する、周知業務支援方法。
【請求項2】
さらに、
前記管理サーバーが、
前記周知文書情報を記録する工程と、
前記周知文書情報に関係付けられた前記配布先情報を記録する工程と、
前記配布先情報に関係付けられたメッセージ通知情報を記録する工程と、
前記メッセージ通知の送信回数を記録する工程と、
前記周知文書の送付を記録する工程と、
を含む
各工程を実行する、請求項1に記載の周知業務支援方法。
【請求項3】
周知文書情報を管理するサーバーと、
前記サーバーからメッセージ通知を受ける顧客端末と、
前記サーバーから指示情報を受け、該指示情報を提示する情報提示部と、
を備え、
前記サーバーは、配布先情報に関係付けられた周知文書情報を生成し、前記配布先情報を含む顧客情報から前記配布先情報を抽出し、周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開し、前記周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開した旨のメッセージ通知を前記配布先情報に関係付けられた前記顧客端末に送信し、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末から前記周知情報公開サイトの閲覧があったかを判定し、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末であって、前記周知情報公開サイトを閲覧していない顧客端末に対し前記メッセージ通知を繰り返し送信し、前記閲覧がない顧客端末に対して送信されたメッセージ通知の送信回数を計数し、該送信回数が閾値を超えたとき、前記周知文書情報に代えて周知文書の送付を指示する指示情報を生成し前記情報提示部に提示する、システム。
【請求項4】
前記サーバーは、さらに、データベースに前記周知文書情報を記録し、前記周知文書情報に関係付けられた前記配布先情報を記録し、前記配布先情報に関係付けられたメッセージ通知情報を記録し、前記メッセージ通知の送信回数を記録し、前記指示情報を記録する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
配布先情報に関係付けられた周知文書情報を生成する機能と、
前記配布先情報を含む顧客情報から前記配布先情報を抽出する機能と、
周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開する機能と、
前記周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開した旨のメッセージ通知を前記配布先情報に関係付けられた顧客端末に送信する機能と、
前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末から前記周知情報公開サイトの閲覧があったかを判定する機能と、
前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末であって、前記周知情報公開サイトを閲覧していない顧客端末に対し前記メッセージ通知を繰り返し送信する機能と、
前記メッセージ通知の送信回数を計数する機能と、
前記送信回数が閾値を超えたとき、前記周知文書情報に代えて周知文書の送付を指示する指示情報を生成し提示する機能と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
さらに、前記周知文書情報を記録する機能と、
前記周知文書情報に関係付けられた前記配布先情報を記録する機能と、
前記配布先情報に関係付けられたメッセージ通知情報を記録する機能と、
前記メッセージ通知の送信回数を記録する機能と、
前記周知文書の送付を記録する機能と、
を前記コンピュータに実行させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のプログラムを格納した記録媒体。
【請求項8】
周知文書情報を管理するサーバーであって、
配布先情報に関係付けられた前記周知文書情報を生成し、前記配布先情報を含む顧客情報から前記配布先情報を抽出し、周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開し、メッセージ通知を受けた顧客端末から前記周知情報公開サイトの閲覧があったかを判定し、前記周知情報公開サイトを閲覧していない顧客端末に送信されたメッセージ通知の送信回数を計数し、前記メッセージ通知の送信回数が閾値を超えたとき、前記周知文書情報に代えて周知文書の送付を指示する指示情報を生成する処理部と、
前記周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開した旨のメッセージ通知を前記配布先情報に関係付けられた前記顧客端末に送信し、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末であって、前記周知情報公開サイトを閲覧していない前記顧客端末に対し前記メッセージ通知を繰り返し送信する送信部と、
前記指示情報を提示する情報提示部と、
を備える、サーバー。
【請求項9】
前記処理部は、さらに、データベースに前記周知文書情報を記録し、前記周知文書情報に関係付けられた前記配布先情報を記録し、前記配布先情報に関係付けられたメッセージ通知を記録し、前記メッセージ通知の送信回数を記録し、前記指示情報を記録する、請求項8に記載のサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば、LPG(Liquefied Petroleum Gas :液化石油ガス)などのガス供給先に販売店から提供する保安対策情報などの周知業務の支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料ガスやガス機器などの販売店における周知業務には、LPガス保安ガイドなどを提供する業務が含まれる。
この情報配信に関し、周知させたい情報を端末に送信および表示させる際に、既読または未読に応じた処理を行い、サーバーと端末の情報を共有することが知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガスユーザーの安全を確保するため、LPガス保安ガイドなど、周知を義務づけられた文書(周知文書)は、販売店からガスユーザーに適宜に配布する必要がある。斯かる周知文書の配布は、販売店の主要業務のひとつであり、保安対策上の重要な管理に位置づけられる。斯かる周知文書は、給湯器、ガスこんろ、発電機など、複数のガス機器に対応させるため、多岐に亘り、しかも最新情報を周知させなければならない。
【0005】
斯かる周知文書をたとえば、Webサイトに公開すれば、顧客はWebサイトを閲覧し、必要に応じて印刷し、文書として取得することができるが、このような手続きは顧客にとっては厄介なことである。つまり、Webサイトに公開しただけでは、周知文書の配布にはならないし、本来必要とする顧客がその周知文書を取得するとは限らない、という課題がある。
【0006】
発明者は、斯かる周知文書の配布に関し、顧客端末と管理サーバーとの対話の活用で周知文書の配布およびその管理を行うことが周知文書の配布の実行性を高める上で有益であるとの知見を得た。
そこで、本発明の目的は、たとえば、SNS(Social networking service:社会的ネットワーク) などの通信ネットワークサービスの活用を可能にし、顧客端末との対話を基軸に周知文書の配布を効率化し、促進することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の周知業務支援の一側面によれば、管理サーバーが、配布先情報に関係付けられた周知文書情報を生成する工程と、前記配布先情報を含む顧客情報から前記配布先情報を抽出する工程と、周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開する工程と、前記周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開した旨のメッセージ通知を前記配布先情報に関係付けられた顧客端末に送信する工程と、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末から前記周知情報公開サイトの閲覧があったかを判定する工程と、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末であって、前記周知情報公開サイトを閲覧していない顧客端末に対し前記メッセージ通知を繰り返し送信する工程と、前記メッセージ通知の送信回数を計数する工程と、前記送信回数が閾値を超えたとき、前記周知文書情報に代えて周知文書の送付を指示する指示情報を生成し提示する工程とを含む各工程を実行する。
この周知業務支援方法において、さらに、前記管理サーバーが、前記周知文書情報を記録する工程と、前記周知文書情報に関係付けられた前記配布先情報を記録する工程と、前記配布先情報に関係付けられたメッセージ通知情報を記録する工程と、前記メッセージ通知の送信回数を記録する工程と、前記周知文書の送付を記録する工程とを含む各工程を実行してよい。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のシステムの一側面によれば、周知文書情報を管理するサーバーと、前記サーバーからメッセージ通知を受ける顧客端末と、前記サーバーから指示情報を受け、該指示情報を提示する情報提示部とを備え、前記サーバーは、配布先情報に関係付けられた周知文書情報を生成し、前記配布先情報を含む顧客情報から前記配布先情報を抽出し、周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開し、前記周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開した旨のメッセージ通知を前記配布先情報に関係付けられた前記顧客端末に送信し、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末から前記周知情報公開サイトの閲覧があったかを判定し、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末であって、前記周知情報公開サイトを閲覧していない顧客端末に対し前記メッセージ通知を繰り返し送信し、前記閲覧がない顧客端末に対して送信されたメッセージ通知の送信回数を計数し、該送信回数が閾値を超えたとき、前記周知文書情報に代えて周知文書の送付を指示する指示情報を生成し前記情報提示部に提示する。
このシステムにおいて、前記サーバーは、さらに、データベースに前記周知文書情報を記録し、前記周知文書情報に関係付けられた前記配布先情報を記録し、前記配布先情報に関係付けられたメッセージ通知情報を記録し、前記メッセージ通知の送信回数を記録し、前記指示情報を記録してよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、配布先情報に関係付けられた周知文書情報を生成する機能と、前記配布先情報を含む顧客情報から前記配布先情報を抽出する機能と、周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開する機能と、前記周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開した旨のメッセージ通知を前記配布先情報に関係付けられた顧客端末に送信する機能と、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末から前記周知情報公開サイトの閲覧があったかを判定する機能と、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末であって、前記周知情報公開サイトを閲覧していない顧客端末に対し前記メッセージ通知を繰り返し送信する機能と、前記メッセージ通知の送信回数を計数する機能と、前記送信回数が閾値を超えたとき、前記周知文書情報に代えて周知文書の送付を指示する指示情報を生成し提示する機能とを前記コンピュータに実行させる。
このプログラムにおいて、さらに、前記周知文書情報を記録する機能と、前記周知文書情報に関係付けられた前記配布先情報を記録する機能と、前記配布先情報に関係付けられたメッセージ通知情報を記録する機能と、前記メッセージ通知の送信回数を記録する機能と、前記周知文書の送付を記録する機能とを前記コンピュータに実行させてよい。
上記目的を達成するため、本発明の記録媒体の一側面によれば、前記プログラムを格納した記録媒体である。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のサーバーの一側面によれば、周知文書情報を管理するサーバーであって、配布先情報に関係付けられた前記周知文書情報を生成し、前記配布先情報を含む顧客情報から前記配布先情報を抽出し、周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開し、メッセージ通知を受けた顧客端末から前記周知情報公開サイトの閲覧があったかを判定し、前記周知情報公開サイトを閲覧していない顧客端末に送信されたメッセージ通知の送信回数を計数し、前記メッセージ通知の送信回数が閾値を超えたとき、前記周知文書情報に代えて周知文書の送付を指示する指示情報を生成する処理部と、前記周知情報公開サイトに前記周知文書情報を公開した旨のメッセージ通知を前記配布先情報に関係付けられた前記顧客端末に送信し、前記メッセージ通知を受けた前記顧客端末であって、前記周知情報公開サイトを閲覧していない前記顧客端末に対し前記メッセージ通知を繰り返し送信する送信部と、前記指示情報を提示する情報提示部とを備える。
このサーバーにおいて、前記処理部は、さらに、データベースに前記周知文書情報を記録し、前記周知文書情報に関係付けられた前記配布先情報を記録し、前記配布先情報に関係付けられたメッセージ通知を記録し、前記メッセージ通知の送信回数を記録し、前記指示情報を記録してよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 配布先情報に関係付けられた周知文書情報を顧客情報から抽出された配布先の顧客端末に通知することができ、周知文書の配布効率を高めることができる。
(2) 配布先情報に関係付けられた顧客端末にサーバーからのメッセージ通知により周知文書情報の公開を通知し、顧客端末のサイト閲覧によって周知文書情報を配布できるので、周知文書情報の配布精度を高めることができる。
【0012】
(3) サーバーが顧客端末によるサイト閲覧を監視し、配布先の顧客端末によって周知文書情報の閲覧をしない配布先に対して周知文書の送付を行うので、たとえば、紙媒体による周知文書の送付ロスを低減できる。
(4) 周知文書情報の配布先に係る顧客端末へのメッセージ通知の送信回数を管理し、この送信回数が閾値を超えた場合に文書送付を行い、サイト閲覧ないし周知文書の送付を完了するので、周知文書情報の管理および手続きに対する管理者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施の形態に係る周知業務支援工程を示すフローチャートである。
【
図2】第1の実施の形態に係る周知業務支援システムを示す図である。
【
図6】第2の実施の形態に係る周知業務支援システムを示す図である。
【
図7】管理サーバーおよび管理端末のハードウェアを示す図である。
【
図9】周知文書情報の送出処理画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る周知業務支援工程を示している。
図1に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この周知業務支援工程には周知文書情報の生成(S101)、配布先情報の抽出(S102)、周知文書情報の公開(S103)、配布管理(S104)、メッセージ通知機能の起動(S105)、メッセージ通知の送信(S106)、サイト閲覧の管理(S107)、閲覧の判定(S108)、閲覧完了情報の記録(S109)、閲覧未了情報の記録(S110)、メッセージ通知の送信回数の計数および記録(S111)、送信回数の判定(S112)、周知文書の送付指示情報の生成および提示(S113)などが含まれる。
【0015】
周知文書情報の生成(S101): 管理サーバー4は、配布すべき周知文書情報を生成し、周知文書情報データベース(DB)10-2に格納する。この周知文書情報の生成には既存文書情報の流用も含まれる。周知文書情報には、ガス機器の操作マニュアル、保安対策マニュアルなど、各種の情報が含まれる。この情報は、一般的な周知情報の他、顧客情報に関係付けられた個別的な情報であってよい。
【0016】
配布先情報の抽出(S102): 管理サーバー4は、周知文書情報に関係付けられた配布先を表す配布先情報を顧客情報DB10-1にある顧客情報から抽出する。
周知文書情報の公開(S103): 管理サーバー4は、周知情報公開サイトに周知文書情報を公開する。
配布管理(S104): 管理サーバー4は、周知情報公開サイトに公開した周知文書情報の配布について、配布先、文書情報内容、周知のためのメッセージ通知などの管理を行う。
【0017】
メッセージ通知機能の起動(S105): 管理サーバー4は、周知文書情報の配布通知を周知情報公開サイトに公開したことを契機に、顧客端末6に対するメッセージ通知機能を起動する。
メッセージ通知の送信(S106): 管理サーバー4は、周知文書情報に関係付けられた配布先の顧客端末6を選別し、その顧客端末6に周知文書情報を周知情報公開サイトに公開したこと、閲覧を要請することなどを含むメッセージ通知を送信する。
【0018】
サイト閲覧の管理(S107): 管理サーバー4は、メッセージ通知の後、通知を受けた顧客端末6からのサイト閲覧を監視する。
閲覧の判定(S108): 管理サーバー4は、該当する顧客端末6からの閲覧があるかを判定する。
閲覧完了情報の記録(S109): 管理サーバー4は、該当する顧客端末6からの閲覧があれば(S108のYES)、閲覧完了情報を生成し、この閲覧完了情報を配布管理DB10-3に記録する。
【0019】
閲覧未了情報の記録(S110): 管理サーバー4は、該当する顧客端末6からの閲覧がなければ(S108のNO)、閲覧未了情報を生成し、この閲覧未了情報を配布管理DB10-3に記録する。
メッセージ通知の送信回数の計数および記録(S111): 管理サーバー4は、該当する顧客端末6に対してメッセージ通知を繰り返し送信するので、このメッセージ通知の送信回数の管理としてその計数および記録を行う。この記録は配布管理DB10-3に対して行う。
送信回数の判定(S112): 管理サーバー4にはメッセージ通知の送信回数について、予め上限回数を表す閾値が設定される。この閾値の設定は、管理者が行う。
【0020】
管理サーバー4は、メッセージ通知の送信回数が閾値を超えたかを判定する。メッセージ通知の送信回数が閾値に到達するまで、つまり、該当する顧客端末6がサイト閲覧を行うまで繰り返しメッセージ通知を受けることになる。
周知文書の送付指示情報の生成および提示(S113): メッセージ通知の送信回数が閾値を超えれば(S112のYES)、管理サーバー4は、周知文書情報に関係付けられる周知文書の送付指示情報(アラート)を生成し、その提示を情報提示部68に行う。この提示に基づき、管理者は周知文書情報の閲覧未了の顧客に対し、周知文書情報に代えて周知文書たとえば、紙媒体による周知文書の送付を行えばよい。
【0021】
<周知文書の送付指示情報(アラート)>
情報提示部68に提示される周知文書の送付指示情報は、周知文書の送付を促すアラートである。この場合、管理サーバー4は、送信回数が閾値を超えたとき、印刷モードを実行し、該当する周知文書の印刷を出力してもよい。
このとき、該当する顧客の氏名、住所などの印刷出力を生成する処理を実行してもよい。
【0022】
<周知業務支援システム2>
図2は、周知業務支援システム2を示している。
図2に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この周知業務支援システム2は管理サーバー4、複数の顧客端末6(=6-1、6-2、・・・、6-N)を含み、管理サーバー4と各顧客端末6がネットワーク8に有線接続または無線接続により連携されている。
管理サーバー4には顧客管理DB10が備えられる。この顧客管理DB10には顧客情報DB10-1、周知文書情報DB10-2、配布管理DB10-3などが含まれる。
顧客端末6は携帯電話機、スマートフォンなどの情報端末である。ネットワーク8はたとえば、公衆回線網である。
【0023】
<管理サーバー4の情報処理>
管理サーバー4の情報処理には
ア)周知文書情報の生成および記録
イ)顧客情報の記録
ウ)顧客情報から配布先情報の抽出および記録
エ)周知文書公開サイトおよび閲覧管理
オ)メッセージ通知の生成、記録および通知
カ)顧客端末6の登録
キ)メッセージ通知の送信回数の管理
ク)周知文書の生成および送付指示管理
などの処理が含まれる。
【0024】
<顧客情報DB10-1>
図3は、顧客情報DB10-1の一例を示している。この顧客情報DB10-1は顧客情報の情報源であり、顧客に関する登録情報が格納される。
この顧客情報DB10-1は、複数の顧客情報ファイル12(=12-1、12-2、・・・、12-N)が含まれる。各顧客情報ファイル12には、顧客情報部14、機器情報部16、周知頻度部18が設定されている。
【0025】
顧客情報部14には、顧客名部14-1、住所部14-2、端末情報部14-3などが設定される。顧客名部14-1には顧客を特定するための顧客名などの識別情報が格納される。住所部14-2には顧客の所在地、住所、居所などの情報が格納される。端末情報部14-3には顧客情報に関係付けられた顧客端末6の情報が格納される。
【0026】
機器情報部16には顧客宅でたとえば、使用中の機器情報が格納される。この機器情報部16には機種名部16-1、ガス使用量部16-2、設置年月日部16-3、保証期限部16-4などが設定される。機種名部16-1には設置機種の識別情報が格納される。ガス使用量部16-2にはガス消費量などが格納される。設置年月日部16-3には顧客宅で使用されている機器、その購入日などの機器情報が格納される。保証期限部16-4には機器の保証期限情報が格納される。
周知頻度部18には、顧客の機器ごとに周知させる周知頻度たとえば、1年ごとあるいは2年ごとを表す頻度情報が格納される。
【0027】
<周知文書情報DB10-2>
図4は、周知文書情報DB10-2の一例を示している。この周知文書情報DB10-2は配布先に配布すべき周知文書情報が配布先情報に関係付けられて格納されている。
この周知文書情報DB10-2には周知文書情報ファイル22が含まれる。周知文書情報ファイル22には、周知文書情報部24、配布先情報部26、メッセージ通知情報部28、履歴情報部30が設定されている。
【0028】
周知文書情報部24には識別情報部24-1、要約情報部24-2、文書情報部24-3、周知文書部24-4が設定されている。識別情報部24-1には周知文書情報を識別するための識別情報が格納されている。要約情報部24-2には各周知文書情報の要約が識別情報に関係付けられて格納されている。文書情報部24-3には周知文書情報の全容情報が格納されている。周知文書部24-4には周知文書情報に代わる周知文書の提示情報が格納されている。
配布先情報部26には顧客情報から抽出された配布先情報が格納される。メッセージ通知情報部28にはメッセージ通知情報が格納されている。履歴情報部30には周知文書情報、周知文書、メッセージ通知などの通知記録を表す履歴情報が格納されている。
【0029】
<配布管理DB10-3>
図5は、配布管理DB10-3の一例を示している。この配布管理DB10-3はたとえば、周知文書情報の配布に関する管理情報が格納される。この配布管理DB10-3には配布管理情報ファイル32が含まれる。
【0030】
この配布管理DB10-3には配布先情報部34、配布日情報部36、周知文書情報部37、履歴情報部38および受領種別部39が設定されている。配布先情報部34には顧客情報から抽出された配布先情報が格納される。配布日情報部36には周知文書情報の配布日を表す配布日情報が格納される。周知文書情報部37には配布先に関係付けられた周知文書情報が格納される。履歴情報部38には周知文書情報の配布履歴などの履歴情報が格納される。受領種別部39には、手渡し、郵送、公開サイト経由など、周知文書または周知文書情報の受領種別情報が格納される。
【0031】
<第1の実施の形態の効果>
この第1の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 周知文書情報を生成させるとともに、この周知文書情報を公開サイトに公開した後、顧客情報から抽出した配布先に配布するので、周知文書の配布精度を高めることができる。
(2) 管理サーバー4が顧客端末6との通知処理を行い、公開サイトに対する閲覧の有無を確認した上で、該当する顧客端末6に対してメッセージ通知を行って閲覧を促すので、周知文書の周知性を高めることができる。
(3) メッセージ通知の送信回数を管理し、送信回数が閾値を超えたとき、周知文書を送付するので、周知文書の送付数を削減でき、周知文書情報の送付コストを低減できる。
【0032】
〔第2の実施の形態〕
図6は、第2の実施の形態に係る周知業務支援システム2を示している。
図6に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
図6において、
図2と共通部分には同一符号を付してある。
この周知業務支援システム2はコンピュータを支援手段とし、情報処理を以てガス事業者やガス販売会社などの管理者における周知業務管理を支援する。この実施の形態の周知業務支援システム2には、ガス管理システム40、ネットワークシステム42、複数の顧客端末6が含まれる。
【0033】
ガス管理システム40は、ガス事業者、ガス販売会社などの管理者に属するコンピュータシステムであり、管理サーバー4および管理端末44が含まれる。
管理サーバー4には、顧客情報DB10-1、周知文書情報DB10-2、配布管理DB10-3が格納されている。管理端末44は、管理サーバー4の情報提示手段であるとともに、情報入力手段に用いられる。
ネットワークシステム42は通信機能を備えたコンピュータを媒介として公的な情報通信を担うシステムであり、既述のネットワーク8(
図2)と連係される。このネットワークシステム42には管理サーバー46が備えられる。
【0034】
<管理サーバー4および管理端末44のハードウェア>
図7は、管理サーバー4および管理端末44のハードウェアの一例を示している。管理サーバー4は通信機能を備えるコンピュータであり、プロセッサ48、記憶部50、情報入出力部(I/O)52、通信部54およびカウンタ56を備える。
プロセッサ48は、記憶部50にあるOS(Operating System)や周知業務支援プログラムを実行する処理部の一例である。
記憶部50は、周知業務支援に用いられる各種プログラムを格納する記録媒体の一例である。この記憶部50にはROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などの記憶素子が用いられる。
【0035】
I/O52はプロセッサ48の制御により各種情報の出力や取得を行う。通信部54は管理端末44との無線または有線による通信を確立する一方、各種情報機器やネットワークシステム42と有線接続または無線接続を媒介としてプロセッサ48の制御により各種情報の送受を行う。
カウンタ56は、プロセッサ48の制御により、メッセージ通知の送信回数の計数を行う。このカウンタ56は、ハードウェアで構成してもよく、ソフトウェアで送信回数の管理を行う構成でもよい。
【0036】
管理端末44は管理サーバー4と同様に通信機能を備えるコンピュータであり、プロセッサ58、記憶部60、I/O62、通信部64、情報入力部66および情報提示部68を備える。プロセッサ58、記憶部60、I/O62、通信部64は、管理サーバー4と同様の機能を備えており、その説明を割愛する。
情報入力部66は、管理サーバー4に対する情報入力に用いられる。情報提示部68は、管理サーバー4からの情報提示や、周知文書の送付指示情報(アラート情報)の告知に用いられる。
【0037】
<顧客管理画面70>
図8は、管理サーバー4の制御により情報提示部68に提示される顧客情報の管理画面70を示している。この管理画面70は、管理端末44により情報提示部68に提示され、顧客情報登録の際に用いられる。
この管理画面70にはタイトル部72、識別情報部74、顧客情報部76-1、76-2が含まれる。タイトル部72には顧客情報の管理情報を表すタイトル情報が提示される。
識別情報部74には顧客を特定するためのコードや氏名などの識別情報が格納されて提示される。顧客情報部76-1、76-2には顧客を特定するための顧客情報が格納されて提示される。
【0038】
<周知文書情報の送出処理画面80>
図9は、管理サーバー4の制御により情報提示部68に提示される周知文書情報の送出処理画面80を示している。この送出処理画面80は管理端末44により情報提示部68に提示される。
この送出処理画面80にはタイトル部82の他、抽出条件や抽出される対象顧客を提示するための抽出条件部84、対象顧客部86、印刷指定部88などが含まれる。
タイトル部82には周知文書情報を表すタイトル情報が提示される。
抽出条件部84には顧客情報から配布先情報を抽出するための条件情報などが含まれる。
【0039】
<顧客端末6による情報提示>
図10は、管理サーバー4から周知文書情報の配布先の顧客端末6に展開されるメッセージ通知画面94を示している。このメッセージ通知画面94には、タイトル部100、メッセージ部102などが含まれる。
タイトル部100にはガス事業者名やガス販売会社名が表示される。メッセージ部102には周知文書情報の配布メッセージとして
a)周知文書情報のタイトルや要約などの識別情報
b)配布形態として公開サイトへの提示情報
などが通知される。
【0040】
<周知文書情報の提示画面108>
図11は、顧客端末6に周知文書情報公開サイトの周知文書情報の提示画面108を示している。この提示画面108は、ユーザー操作を受けてメッセージ通知画面94から遷移する画面である。この提示画面108には周知文書情報公開サイトに提示された周知文書情報110がトップページから展開される。この周知文書情報110では一例として「家庭用LPガス保安ガイド」のトップページ「安全・安心にお使いいただくために」が表示されている。
【0041】
<顧客端末6の応答画面112>
図12は、顧客端末6に展開された応答画面112を示している。この応答画面112には、周知文書情報の配布先が応答するテーマ情報部114、回答期限部116、回答部118が提示されている。
テーマ情報部114には、管理サーバー4はサイト閲覧を実行した顧客端末6に対し、確認内容としてたとえば、「電子的な方法での周知文書送付の承諾確認」を求める。
同時に、管理サーバー4は、回答期限部116に回答期限情報を提供する。
【0042】
そして、回答部118には、周知確認を表す応答情報について、
ア)確認の承諾事項
イ)二者択一(「はい」、「いいえ」による確認)
が提示される。二者択一はたとえば、ラジオボタンによって選択可能である。
この応答内容は、配布先情報に関係付けられて顧客端末6から管理サーバー4に通知される。
【0043】
<周知業務支援シーケンス>
図13は、周知業務支援シーケンスを示している。この周知業務支援シーケンスは、管理サーバー4および管理端末44と顧客端末6との間で情報交換が行われる。
管理サーバー4では、周知文書情報を生成し(S201)、顧客情報から配布先情報を抽出し(S202)、周知文書情報公開サイトに周知文書情報を公開する(S203)。管理サーバー4は配布管理を実行し(S204)、公開サイトへの公開を契機にメッセージ通知機能を起動し(S205)、配布先情報に関係付けられた顧客端末6に対し、メッセージ通知を送信する(S206)。メッセージ通知を受けた顧客端末6には、情報提示が行われる(S207)。
【0044】
管理サーバー4は顧客端末6を通したサイト閲覧の管理を実行し(S208)、該当する顧客端末6が公開サイトを閲覧したかを判定する(S209)。
顧客端末6による公開サイトの閲覧は顧客端末6からの応答(S210)により確認できる。
管理サーバー4は、該当する顧客端末6からの閲覧があれば(S209のYES)、閲覧完了情報を生成し、この閲覧完了情報を配布管理DB10-3に記録する(S211)。
【0045】
管理サーバー4は、該当する顧客端末6からの閲覧がなければ(S209のNO)、閲覧未了情報を生成し、この閲覧未了情報を配布管理DB10-3に記録する(S212)。そして、管理サーバー4は、該当する顧客端末6に対してメッセージ通知を繰り返し送信し、このメッセージ通知の送信回数の管理としてその計数および記録を行う(S213)。この記録は配布管理DB10-3に対して行う。
【0046】
管理サーバー4は、メッセージ通知の送信回数が予め設定された閾値を超えたかを判定する(S214)。メッセージ通知の送信回数が閾値を超えれば(S214のYES)、管理サーバー4は、周知文書情報に代わる周知文書を送付すべき旨の指示情報(アラート)を生成し、その提示を情報提示部68に行う(S215)。この提示に基づき、管理者は周知文書情報の閲覧未了の顧客に対し、周知文書が周知情報の配布先に送付される。
【0047】
<第2の実施の形態の効果>
(1) 第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
(2) 周知業務支援において、情報配信を含む情報交換にはSNSのたとえば、LINE(登録商標)の通信サービスを活用することができる。
【0048】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、顧客情報から抽出された配布先情報に関係付けられた周知文書情報の配布を配布先との意思疎通を図りながら実現し、周知文書情報に代わる周知文書の送付数を削減し、周知業務の効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0050】
2 周知業務支援システム
4、46 管理サーバー
6、6-1、6-2、・・・、6-N 顧客端末
8 ネットワーク
10 顧客管理DB
10-1 顧客情報DB
10-2 周知文書情報DB
10-3 配布管理DB
12、12-1、12-2、・・・、12-N 顧客情報ファイル
14 顧客情報部
14-1 顧客名部
14-2 住所部
14-3 端末情報部
16 機器情報部
16-1 機種名部
16-2 ガス使用量部
16-3 設置年月日部
16-4 保証期限部
18 周知頻度部
22 周知文書情報ファイル
24 周知文書情報部
24-1 識別情報部
24-2 要約情報部
24-3 文書情報部
24―4 周知文書部
26 配布先情報部
28 メッセージ通知情報部
30 履歴情報部
32 配布管理情報ファイル
34 配布先情報部
36 配布日情報部
37 周知文書情報部
38 履歴情報部
39 受領種別部
40 ガス管理システム
42 ネットワークシステム
44 管理端末
48 プロセッサ
50 記憶部
52 情報入出力部(I/O)
54 通信部
56 カウンタ
58 プロセッサ
60 記憶部
62 I/O
64 通信部
66 情報入力部
68 情報提示部
70 顧客管理画面
72、82、100 タイトル部
74 識別情報部
76-1、76-2 顧客情報部
80 送出処理画面
84 抽出条件部
86 対象顧客部
88 印刷指定部
94 メッセージ通知画面
102 メッセージ部
108 提示画面
110 周知文書情報
112 応答画面
114 テーマ情報部
116 回答期限部
118 回答部