IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ミツギロンの特許一覧

特許7378834チェーン連結具、及びこれを備えるリンクチェーン
<>
  • 特許-チェーン連結具、及びこれを備えるリンクチェーン 図1
  • 特許-チェーン連結具、及びこれを備えるリンクチェーン 図2
  • 特許-チェーン連結具、及びこれを備えるリンクチェーン 図3
  • 特許-チェーン連結具、及びこれを備えるリンクチェーン 図4
  • 特許-チェーン連結具、及びこれを備えるリンクチェーン 図5
  • 特許-チェーン連結具、及びこれを備えるリンクチェーン 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】チェーン連結具、及びこれを備えるリンクチェーン
(51)【国際特許分類】
   F16G 15/02 20060101AFI20231107BHJP
【FI】
F16G15/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021133772
(22)【出願日】2021-08-19
(65)【公開番号】P2023028209
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】592141754
【氏名又は名称】株式会社ミツギロン
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(74)【代理人】
【識別番号】100150762
【弁理士】
【氏名又は名称】阿野 清孝
(72)【発明者】
【氏名】森本 典志
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-093751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のチェーンリンクが多数連結されてなるリンクチェーンの一定間隔ごとに挿設されるチェーン連結具であって、
全体が一部品からなり、
隣接する2つの環状部と、
前記2つの環状部の外周面どうしを連結するとともに前記2つの環状部と一体的に設けられる接合部と
を備え、
当該チェーン連結具に連結される2つのチェーンリンクが前記2つの環状部の異なる環状部に連結されていることを特徴とするチェーン連結具。
【請求項2】
前記2つの環状部は、その軸方向が互いの連結方向に垂直かつ平行に設けられており、
前記接合部は、前記連結方向、及び前記軸方向に垂直な方向からなる上下に谷部を有する請求項1に記載のチェーン連結具。
【請求項3】
前記2つの環状部は、その軸方向が互いの連結方向に垂直にかつ平行に設けられており、
前記接合部は、前記軸方向に平行な方向からなる前後に窪みを有する請求項1に記載のチェーン連結具。
【請求項4】
環状のチェーンリンクが多数連結されてなるリンクチェーンの一定間隔ごとに挿設されるチェーン連結具であって、
隣接する2つの環状部と、
前記2つの環状部の外周面どうしを連結する接合部と
を備え、
当該チェーン連結具に連結される2つのチェーンリンクが前記2つの環状部の異なる環状部に連結されており、
前記環状部に前記一定間隔の長さが表示されていることを特徴とするチェーン連結具。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のチェーン連結具を一定間隔ごとに設けたリンクチェーン。
【請求項6】
チェーンリンクと前記チェーン連結具の色が異なる請求項5に記載のリンクチェーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、環状のチェーンリンクを連結するチェーン連結具に関し、特に、チェーンを長さにより測り売りする際に、切断箇所の目印となるよう他のリンクとは異なる形態を施したリンクからなるチェーン連結具、及びこれを備えるリンクチェーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チェーンを販売する際には、コイルに巻かれたチェーンから長さを測って切り売りしている。ところが、メジャーや物指を用いてチェーンの長さを測定するのは、チェーンがだぶついたりするため誤差が生じるという問題や、店員がその都度測定するため店員の手間が取られるという問題があった。
【0003】
そこで、特許文献1では、1mごとに切断用の目印を付けたリングチェーンが提案されている。特許文献1のリングチェーンでは、+や*、||のように、切断すべき中央が明確に分かり、かつ切断後も判別可能な目印を施すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-127752号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のリングチェーンでは、切り売りする際に目印をつけたチェーンリンクを切断して開く必要があるため、切断したチェーンリンクを廃棄しなくてはならないという問題や、その分チェーンリンクが短くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、切り売りする際にメジャー等で長さを図る必要がなく、かつ切断箇所のリンクを廃棄する必要のないチェーン連結具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、環状のチェーンリンクが多数連結されてなるリンクチェーンの一定間隔ごとに挿設されるチェーン連結具であって、全体が一部品からなり、隣接する2つの環状部と、前記2つの環状部の外周面どうしを連結するとともに前記2つの環状部と一体的に設けられる接合部とを備え、当該チェーン連結具に連結される2つのチェーンリンクが前記2つの環状部の異なる環状部に連結されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のチェーン連結具は、このように、当該チェーン連結具に連結される2つのチェーンリンクを2つの環状部の異なる環状部に連結するようにしたので、接合部で切断することで、環状部をそのまま1つのチェーンリンクとして利用しながらリンクチェーンを2つに切断することができる。
【0009】
本発明のチェーン連結具は、前記2つの環状部が、その軸方向が互いの連結方向に垂直かつ平行に設けられており、前記接合部は、前記連結方向、及び前記軸方向に垂直な方向からなる上下に谷部を有することがこのましい。こうすることで、当該チェーン連結具を、容易に接合部で切断することができる。
尚、ここで「上下」とは、2つの環状部の連結する方向、及び2つの環状部の軸方向に
垂直な方向をいうものとする。
【0010】
前記2つの環状部は、その軸方向が互いの連結方向に垂直にかつ平行に設けられており、前記接合部は、前記軸方向に平行な方向からなる前後に窪みを有することが好ましい。こうすることで、接合部を当該窪みに沿って切断できるため、当該チェーン連結部を容易に切断することができる。
【0011】
本発明は、環状のチェーンリンクが多数連結されてなるリンクチェーンの一定間隔ごとに挿設されるチェーン連結具であって、隣接する2つの環状部と、前記2つの環状部の外周面どうしを連結する接合部とを備え、当該チェーン連結具に連結される2つのチェーンリンクが前記2つの環状部の異なる環状部に連結されており、前記環状部に前記一定間隔の長さが表示されていることを特徴とするチェーン連結具を含む。このように、前記環状部に前記一定間隔の長さが表示されていることで、チェーン連結具を数えるだけでチェーンの長さを測定することができる。
【0012】
本発明は、上記いずれかのチェーン連結具が一定間隔ごとに設けられたリンクチェーンを含む。この場合において、チェーンリンクと前記チェーン連結具の色が異なることが好ましい。こうすることで、チェーン連結具をチェーンリンクから容易に見分けることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明のチェーン連結具、及びリンクチェーンによれば、切断した後もチェーン連結具を廃棄せずに用いることができ、リンクチェーンが短くならない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一の実施形態に係るリンクチェーンのチェーン連結具周辺を示す斜視図である。
図2図1に示したリンクチェーンをチェーン連結具で切断した様子を示す斜視図である。
図3図1に示したチェーン連結具の斜視図である。
図4図1に示したチェーン連結具の正面図である。
図5図1に示したチェーン連結具の平面図である。
図6図1のチェーン連結具の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
図1乃至図6は、本発明の一の実施形態に係るリンクチェーン100を示している。リンクチェーン100は、長さにより測り売りする際に、切断箇所の目安となるチェーン連結具10を一定間隔(図示の例では0.5m)ごとに備えている。リンクチェーン100は、チェーン連結具10が、多数(複数と同義)の無端環状のチェーンリンク20,20,…の一定個数置き(図6の例では8個置き)に挿設されている。
【0017】
チェーン連結具10は、図1に示すように、隣接する2つの環状部1,1と、2つの環状部1,1の外周面1a,1aどうしを連結する接合部2とを備えている。チェーン連結具10に連結される2つのチェーンリンク20,20は、それぞれ2つの環状部1,1の異なる環状部1に連結されている。換言すると、1つの環状部1には1つのチェーンリンク20のみが連結されている。従って、接合部2で2つの環状部1,1を切断すると、図2に示すように、2つのチェーンリンク20,20は分離した状態になる。環状部1は、軸方向に貫通する挿通孔3を有し、チェーンリンク20は、挿通孔3を通るようにして、環状部1に連結されている。
【0018】
チェーン連結具10は、接合部2は、環状部1,1の連結方向(図4における左右)、及び環状部1,1の軸方向(図5における上下方向)に垂直な方向からなる上下(図4における上下)に、環状部1の上下方向の幅よりも接合部の上下方向の幅を小さくすることで形成された略V字をなす一対の谷部5,5を備えている。また、接合部2は、環状部1,1の軸方向に平行な方向からなる前後(図5における上下)には、環状部1の前後方向の厚みよりも接合部2の前後方向の厚みを小さくすることで形成された断面が略V字をなす窪み6,6が設けられている。谷部5,5、及び窪み6,6により、接合部2がより切断しやすくなっている。
【0019】
チェーン連結具10は、チェーンリンク20とは異なる色が施されていることが好ましい。こうすることで、チェーン連結具10を容易に判別することができる。
【0020】
環状部1には、図5に示すように、矩形の凹部からなる表裏一対の表示部4,4を備えている。表示部4には、メーカー名等の商標(図示の例では「ABC」)や、チェーン連結具10が配置される間隔(図示の例では「0.5M」)が表示される。図6に示すように、チェーン連結具10は、表示部4の表示に合わせて、リンクチェーン100の0.5m置きに挿設されている。このように、チェーン連結具10が配置される間隔を表示することで、容易にリンクチェーン100の長さを測定できる。尚、図5において、表示部4の「ABC」、及び「0.5M」の文字は省略している。
【0021】
チェーン連結具10の材質としては、樹脂、金属、木材その他のリンクチェーンに一般に用いられる公知の材料を適宜に用いることができる。チェーン連結具10を樹脂により成型する場合は、射出成型により一体的に形成することが好ましい。
【0022】
リンクチェーン100を樹脂により形成する場合は、図6に示した0.5mのスパンのうち、チェーン連結具10と向きが異なる9つのチェーンリンク20A,20A,…を予め射出成型しておき、これを8つのチェーンリンク20B,20B,…の間に1つずつインサートした状態で、8つのチェーンリンク20B,20B,…を射出成型する。こうして形成された17個のチェーンリンク20からなるリンクチェーン100aをインサートした状態で、チェーン連結具10を射出成型して、リンクチェーン100を形成する。
【0023】
リンクチェーン100を販売する際には、例えば、購入者が自分で必要なメートル数に合わせて、チェーン連結具の数を数えて長さを測定し、ニッパーや糸鋸等で切断部を切断する。
【0024】
以上、本発明のチェーン連結具は、上述した実施形態に限らず、例えば、全体が樹脂製のものに限らず、全体、又は一部が金属製や木製であってもよい。チェーン連結具の間隔は、0.5mごとに限らず、1m置きでもよく、その他適宜の長さに設定できる、チェーン連結具は、チェーンリンク17個置きに限らず、適宜の個数置きに配置できる。チェーン連結具とチェーンリンクは同じ色でもよい。表示部は表面と裏面のいずれか一方に設けてもよいし、全く設けなくともよい。環状部1は、無端環状であれば特に限定されず、トラック形に限らず、楕円、円形等公知の形状を適宜に選択できる。
【符号の説明】
【0025】
100 リンクチェーン
10 チェーン連結具
1 環状部
1a 外周面
20 チェーンリンク
2 接合部
5 谷部
6 窪み
図1
図2
図3
図4
図5
図6