(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20231107BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231107BHJP
【FI】
G06F30/13
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022209657
(22)【出願日】2022-12-27
【審査請求日】2023-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511190395
【氏名又は名称】株式会社ディーフレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】秋庭 正明
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/163015(WO,A1)
【文献】米国特許第06506056(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第109816320(CN,A)
【文献】古屋翠 外1名,コンサート会場の座席自動配置システムの提案,情報処理学会研究報告 グループウェアとネットワークサービス(GN),情報処理学会,2016年03月,Vol. 2016-GN-98, No. 5,pp. 1-6
【文献】小平行秀,LSIにおけるセル配置手法を用いた身体的距離を考慮した座席レイアウト手法,電子情報通信学会技術研究報告,一般社団法人電子情報通信学会,2020年11月10日,Vol. 120, No. 235,pp. 127-131
【文献】後藤花穂 外1名,イベント会場における座席配置支援システム,インタラクション2022論文集,情報処理学会,2022年02月21日,pp. 637-640
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/398
G06Q 10/00 -50/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会場における人が座る椅子を含む座席の位置を自動で設定する情報処理装置であって、
前記会場の画像を平面的に表示する表示部と、
前記会場の広さおよび形状を設定し、当該会場の広さおよび形状に基づき会場レイアウトデータを設定する会場設定部と、
前記会場で登壇するためのステージの位置および大きさを設定し、前記会場設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記ステージの位置および大きさを反映した会場レイアウトデータを設定するステージ設定部と、
前記会場の利用用途に応じて前記会場に配置する複数の座席の位置を設定するパーティ形式、スクール形式、シアター形式のいずれか一の形式であって、前記ステージ設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記会場に配置する前記複数の座席を反映した会場レイアウトデータを設定する形式設定部と、
前記椅子の幅を設定し、前記形式設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記椅子の幅を反映した会場レイアウトデータを設定するサイズ設定部と、
前記座席同士の間の通路の本数と前記通路の幅を設定し、前記サイズ設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記座席同士の間の通路の本数と前記通路の幅を反映した会場レイアウトデータを設定する通路設定部と、
を備え、
前記形式設定部が前記パーティ形式を設定した場合、円卓のサイズおよび椅子の数を設定し、前記ステージ設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記会場に配置する前記円卓および前記椅子の数を反映した会場レイアウトデータを設定する前記サイズ設定部と、
センター通路の有無およびセンター通路の幅を設定し、前記サイズ設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記センター通路の
有無と前記センター通路の幅を反映した会場レイアウトデータを設定する前記通路設定部と、
さらに前記円卓が縦横一列に均等に並んだ基準から前記円卓を互い違いにずらしたオフセットを有し、前記通路設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記オフセットを反映した会場レイアウトデータを設定する調整部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
会場における人が座る椅子を含む座席の位置を自動で設定する情報処理装置であって、
前記会場の画像を平面的に表示する表示部と、
前記会場の広さおよび形状を設定し、当該会場の広さおよび形状に基づき会場レイアウトデータを設定する会場設定部と、
前記会場で登壇するためのステージの位置および大きさを設定し、前記会場設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記ステージの位置および大きさを反映した会場レイアウトデータを設定するステージ設定部と、
前記会場の利用用途に応じて前記会場に配置する複数の座席の位置を設定するパーティ形式、スクール形式、シアター形式のいずれか一の形式であって、前記ステージ設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記会場に配置する前記複数の座席を反映した会場レイアウトデータを設定する形式設定部と、
前記椅子の幅を設定し、前記形式設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記椅子の幅を反映した会場レイアウトデータを設定するサイズ設定部と、
前記座席同士の間の通路の本数と前記通路の幅を設定し、前記サイズ設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記座席同士の間の通路の本数と前記通路の幅を反映した会場レイアウトデータを設定する通路設定部と、
を備え、
前記形式設定部が前記スクール形式を選択した場合、長机のサイズおよび椅子の数を設定し、前記ステージ設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記会場に配置する前記長机のサイズおよび前記椅子の数を反映した会場レイアウトデータを設定する前記サイズ設定部と、
縦通路の数と縦通路の幅、および横通路の数と横通路の幅を設定し、前記サイズ設定部が設定した会場レイアウトデータに対して前記縦通路の数と縦通路の幅、および前記横通路の数と横通路の幅を反映した会場レイアウトデータを設定する前記通路設定部と、
さらに前記会場の両端に位置する長机の位置を斜めにする設定を有し、前記通路設定部が設定した会場レイアウトデータに対して斜めにする設定を反映した会場レイアウトデータを設定す
る調整部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から会場に机や椅子を配置するには、会場の大きさ、人数、形式などを考えて、図面をおこして机や椅子を配置していた。都度、図面をおこす必要があるため、手間かかり煩わしかった。また、図面をおこすに当たり図面作成ソフトを使用する技術を持った人員を必要とした。
会議室などに机や椅子を所定の位置に配置する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、「レイアウト情報に基づいて、室内に備えられた複数の机又は椅子を所定の位置に自動的に配置する自動レイアウトシステムであって、前記複数の机又は椅子の脚部にそれぞれ設けられた磁性体と、前記室内の床板下に設けられ、当該床板を介して前記磁性体を吸引しながら移動する配置手段と、
前記レイアウト情報に基づいて前記机又は椅子を前記所定の位置に配置するように前記配置手段を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする自動レイアウトシステム。」と記載されている。
しかし、特許文献1は、会議室などに机や椅子を所定の位置に配置する際の具体的に実施する発明であって、事前に机や椅子の配置についてレイアウト情報を作成するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態である情報処理装置によれば、事前に机や椅子の配置についてレイアウト情報を作成することができる。
本開示の一実施形態である情報処理装置は、会場における人が座る椅子を含む座席の位置を自動で設定する。会場の画像を平面的に表示する表示部と、表示部に表示される会場の広さを設定する会場設定部と、表示部に表示される会場で登壇するためのステージの位置および大きさとを設定するステージ設定部と、表示部に表示される会場の利用用途に応じて会場に配置する複数の座席の位置を設定する形式設定部と、表示部に表示される椅子の幅を設定するサイズ設定部と、表示部に表示される前記座席同士の間の通路の本数と通路の幅を設定する通路設定部とを備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態である情報処理装置によれば、会場に配置する卓や椅子のレイアウト情報を自動で作成し、最大収容人数および最大テーブル数を算出することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態における情報処理装置100により作成した会場の概略図である。
【
図2】本開示の一実施形態における情報処理システム1の構成図である。
【
図3】本開示の一実施形態における情報処理装置100のブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態における情報処理端末装置120のブロック図である。
【
図5】本開示の一実施形態における会場10の大きさを設定するための画面例200である。
【
図6】本開示の一実施形態における会場10の異形エリアを設定するための画面例210である。
【
図7】本開示の一実施形態における会場10の形式を設定するための画面例220である。
【
図8】本開示の一実施形態におけるパーティ形式を設定するための画面例230である。
【
図9】本開示の一実施形態におけるスクール形式を設定するための画面例240である。
【
図10】本開示の一実施形態におけるシアター形式を設定するための画面例250である。
【
図11】本開示の一実施形態におけるデータ構造である。
【
図12】本開示の一実施形態における会場10の座席を設定するフローチャート(前半)である。
【
図13】本開示の一実施形態における会場10の座席を設定するフローチャート(後半)である。
【
図14】本開示の一実施形態における既存データがある場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本開示に係る発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。また、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
[1.構成]
本開示の一実施形態である情報処理装置100は、会場10における人が座る椅子13を含む座席の位置を自動で設定する。会場10の画像を平面的に表示する表示部124と、表示部124に表示される会場10の広さを設定する会場設定部105と、表示部124に表示される会場で登壇するためのステージ11の位置および大きさとを設定するステージ設定部106と、表示部124に表示される会場10の利用用途に応じて会場10に配置する複数の座席の位置を設定する形式設定部107と、表示部124に表示される椅子13の幅を設定するサイズ設定部108と、表示部124に表示される前記座席同士の間の通路の本数と通路の幅を設定する通路設定部109とを備える情報処理装置である。
また、情報処理装置100は、表示部124に表示される会場10における椅子13に座った人が利用する卓を含む座席の位置を自動で設定し、表示部124に表示される卓の大きさを設定することを含むサイズ設定部108を備えていてもよい。
また、情報処理装置100は、表示部124に表示される会場10で行われるイベントの進行操作を行う電子機器を載せる進行卓を会場10のどこに配置するかを設定する進行卓設定部109を備えていてもよい。
さらに、会場全体として感染症対策を施すための座席の数を減らし、座席の間隔を広くする再調整する調整部111を備えていてもよい。
なお、座席とは、人が座る椅子13を含む概念、または人が座る椅子13および椅子13に座った人が利用する卓12を含む概念をいう。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態における情報処理装置100により作成した会場10のレイアウト図である。
情報処理装置100により作成した会場10の前方中央にステージ12を設定している。また、会場10に円卓12を複数卓配置している。1つの円卓11に8つ椅子13を設定している。さらに、会場10の左後方にイベントの進行や操作を行う電子機器が載せられている進行卓14などを設置することができる。
適切な間隔で卓椅子を自動で配置する。会場10の右上に会場10に収容することができる最大人数15を算出できる。
【0011】
図2は、本開示の一実施形態における情報処理システム1の構成図である。
情報処理システム1は、情報処理装置100と、情報処理端末装置120と、通信ネットワーク130とを備えている。
【0012】
情報処理装置100は、一般的なサーバPC装置である。情報処理装置100にアクセスする際には、所定の認証手続を行う。所定の認証手続とは、例えば、情報処理装置100にアクセスする際には、ID情報とパスワード情報を入力し、予め登録したID情報とパスワード情報と照合し、合致した場合には、情報処理装置100にアクセスすることができる。
【0013】
情報処理端末装置120は、一般的なPC装置である。情報処理端末装置120タブレットやスマホであってもよい。
【0014】
通信ネットワーク130は、インターネット、イントラネット、無線LAN、及び4Gや5G携帯電話システムネットワークにより構成される。
【0015】
図3は、情報処理装置100のブロックである。情報処理装置100は、制御部101と、記憶部102と、通信部103と、表示部104と、会場設定部105と、ステージ設定部106と、形式設定部107と、サイズ設定部108と、通路設定部109と、進行卓設定部110と、調整部111とを備えている。
【0016】
制御部101は、主にCPUである。制御部101は、情報処理装置100にインストールされたアプリケーション(ソフトウェアプログラム)を実行して、情報処理装置100を統括制御する。
制御部101は、記憶部102に格納された情報を読み込み、読み込んだ情報を表示部104に表示する命令などを行う。
本開示では、例えば、記憶部102に格納された会場10のレイアウト情報を読み込み、レイアウト情報を表示部104に表示する。
【0017】
記憶部102は、表示部104に表示する文字情報、画像情報等のデータを格納する。記憶部102には、一時記憶としてメモリがあり、永久記憶としてHDDやSSDがある。
メモリは、制御部101が処理を行う際のワークエリアとして機能するものである。メモリは、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)などである。
本開示においては、記憶部102には、会場10のレイアウト情報、各設定値などが保存されている。
【0018】
通信部103は、情報処理装置100が情報処理装置100の外部と情報のやり取りを行うものである。具体的には、通信部103は、インターネット、無線LAN等で情報処理装置100の外部と接続される。
【0019】
表示部104は、記憶部102に格納されたテキストデータ、画像データなどを出力する。表示部104は、ディスプレイ等である。
【0020】
会場設定部105は、会場10の広さを設定する。具体的には、会場設定部105は、会場10の縦寸法、および横寸法を設定する。
既存の会場レイアウトのデータが存在する場合には、会場設定部105は、制御部101の指令により、記憶部102から会場レイアウトデータを読み込む。制御部101は、会場レイアウトデータを情報処理端末装置120の表示部124に表示させる指令を行う。
【0021】
ステージ設定部106は、会場10で講演者が登壇するステージ11の位置、および大きさを設定する。ステージ11は、通常会場10の前方に位置し、講演者が話をする舞台である。ステージ設定部106は、ステージ11の大きさと、すなわち、縦、横、高さを設定する。
制御部101は、ステージ設定部106が設定した会場レイアウトデータを情報処理端末装置120の表示部124に表示させる指令を行う。
【0022】
形式設定部107は、会場の利用用途に応じて、会場10に配置する複数の座席を設定する。形式設定部107は、パーティ形式、スクール形式、およびシアター形式の中からいずれか一の形式を設定する。例えば、結婚式であれば、パーティ形式、セミナーであれば、スクール形式、講演会であれば、シアター形式などである。
制御部101は、形式設定部107が設定した会場レイアウトデータを情報処理端末装置120の表示部124に表示させる指令を行う。
【0023】
サイズ設定部108は、卓のサイズや椅子13の幅を設定する。サイズ設定部108は、会場10に配置することができる最大の卓の数と椅子13の数を算出して、自動的に配置する。卓とは、円卓、テーブルや机などを指す物を置く台をいう。
制御部101は、サイズ設定部108が設定した会場レイアウトデータを情報処理端末装置120の表示部124に表示させる指令を行う。
なお、サイズ設定部108は、会場10の壁から一定のクリアランスを確保している。壁にべったりと卓や椅子13を設置することは非現実的だからである。
【0024】
通路設定部109は、卓や椅子13を会場10に設置したのちに、どこに何本の通路を設定するかを決める。通路には、縦通路、横通路がある。通路設定部109は、自動的に会場10に配置することができる最大の卓の数と椅子13の数を算出して、配置する。
制御部101は、通路設定部109が設定した会場レイアウトデータを情報処理端末装置120の表示部124に表示させる指令を行う。
【0025】
進行卓設定部110は、会場10で行われるイベントの進行・映像機器・音響機器・照明機器・収録機器のための卓を設定する。進行卓14とは、具体的には、操作のための卓の数、プロジェクタ台の数、カメラ台の数などに応じたサイズの卓をいう。
制御部101は、進行卓設定部110が設定した会場レイアウトデータを情報処理端末装置120の表示部124に表示させる指令を行う。
【0026】
調整部111は、会場10全体として感染症対策のための座席の数を減らし、座席の間隔を1m間隔に設定する再調整する。調整部111は、通常(平均的)、ぎりぎり(最大収容)、ゆったり、感染症対策(1m間隔)などを設定できる。
また、調整部111は、オフセットを設定したり、円卓12の配置、空き椅子の設定をする。
【0027】
図4は、本開示の一実施例である情報処理端末装置120である。情報処理端末装置120は、制御部121と、記憶部122と、通信部123と、表示部124などを備えている。情報処理端末装置120は、通常のPC装置である。
【0028】
図5は、本開示の一実施例である会場設定部105の画面例200である。
情報処理装置100の記憶部102に会場情報のデータが格納されている場合には、情報処理端末装置120に予めインストールされている本開示にかかるプログラム(アプリケーション)を起動して、そのデータを読み出すことができる。
【0029】
新たな会場10に卓や椅子の配置を行う場合には、会場10を指定する。情報処理端末装置120に予めインストールされている本開示にかかるプログラム(アプリケーション)を起動する。
【0030】
会場設定部105は、都道府県、開催地、施設種類などの場所201を設定する。会場設定部105は、次に名称202を設定する。会場設定部105は、次にその会場10の縦寸法横寸法で会場サイズ203を設定する。
会場10の縦寸法、および横寸法は、メートル(m)で設定してもよいし、センチメートル(cm)設定してもよいし、ミリメートル(mm)設定してもよい。寸法単位のデフォルトは、メートル(m)である。以下、同様である。
【0031】
会場設定部105は、会場10を使用する方向である縦横使204を設定する。縦使いでもよいし、横使いでもよい。デフォルトは、横使いである。
制御部101は、記憶部102に格納されている会場レイアウトのデータを呼び出す指令を行う。制御部101は、呼び出された会場レイアウトを情報処理端末装置120の表示部124に表示する制御を行う。
【0032】
図6は、本開示の一実施例である会場10の異形エリア211を設定する画面例210である。
一般的に、会場10は、長方形とは限らない。会場10の縁が張り出したり、柱があったり、端部が丸み処理をされているなどである。
会場設定部105は、長方形でない形状の会場10にも対応できるよう形状を修正することができる。
【0033】
会場設定部105は、異形エリア211の「有り」、「無し」を設定する。会場設定部105は、プラスマイナス処理212を行う。飛び出ている場合には、プラスの処理をおこない、凹んでいる場合にはマイナスの処理を行う。角上の処理を行う場合には、長方形を選択し、円形状の処理を行う場合には、楕円形を選択する。
【0034】
例えば、会場10の長方形エリア213に、角柱状のでっぱり部分や円柱状の柱があり、さらに側面部に余分なスペースがある。この場合には、会場設定部105は、異形エリア211でプラスマイナス処理212、および213を行い実際の会場10に近いエリアである近似エリア214にすることが可能である。
【0035】
図7は、本開示の一実施例である形式を設定する際の画面例220である。
形式は、パーティ形式、スクール形式、シアター形式などがある。これらの形式に限られない。
【0036】
パーティ形式は、結婚式のように座席で取り囲んだ円卓12を室内に複数設置するレイアウトである。
形式設定部107は、パーティ形式を設定するパーティ形式画面例230により、円卓12のサイズを設定する。円卓12のサイズは、「2m」、「1.8m」、「1.5m」、および「1.2m」の直径サイズがある。円卓12のデフォルトは、「1.8m」である。
【0037】
スクール形式は、学校や塾のように全ての机・椅子13が演台の方向を向いているレイアウトである。
形式設定部107は、スクール形式を設定するスクール形式画面例240により、長机のサイズを設定する。長机のサイズは、横縦の順に「1.8m×600cm」、「1.8m×450cm」、「1.8m×300cm」、「1.5m×600cm」、「1.5m×450cm」、および「1.5m×300cm」がある。長机のデフォルトは、「1.8m×450cm」である。
【0038】
シアター形式は、映画館のように座席のみの配置で、座席が全て舞台の方向を向いているレイアウトである。
形式設定部107は、シアター形式を設定するシアター形式画面250により、椅子13の幅を設定する。
椅子13の幅は、「45cm」から1cm刻みで「60cm」までである。椅子13のデフォルトは、「50cm」である。椅子13の幅は、入力することも可能だし、スクロールで選択することも可能だし、プルダウンで選択することも可能である。
【0039】
図8は、パーティ形式の場合の円卓12に配置する椅子13、通路などを設定する画面例230である。
サイズ設定部108は、選択した円卓12に配置する椅子13の数を設定する。
通路設定部109は、複数の円卓12を仕切るセンター通路を設定するセンター画面232により、センターの有無(「空ける」または「空けない」)を設定する。センターのデフォルトは、「空けない」である。
【0040】
通路設定部109は、センターを空ける場合、センターの幅を設定するセンター幅画面233により、センターの幅を設定する。センターの幅は、「180cm」から10cm刻みで「360cm」までである。センター幅のデフォルトは、「270cm」である。センター幅は、入力することも可能だし、プルダウンで選択することも可能である。
【0041】
調整部111は、オフセットを設定するオフセット画面234により、セオフセットを設定する。オフセットとは、基準から円卓12の位置をずらすことを意味する。オフセットを設定することで、前方に座っている人の影にならず、座席からステージ11がより見やすくなる。オフセットのデフォルトは、「整列」である。
【0042】
調整部111は、円卓12に配置する椅子13の位置が、時計の12時、3時、6時、9時をベースに配置しているか否かも設定できる。円卓12に配置する椅子13の位置を時計の12時、3時、6時、9時からずらした位置に配置してもよい。
デフォルトが、時計の12時、3時、6時、9時をベースに椅子13を配置する。
さらに、調整部111は、ステージ11に背を向ける椅子13の配置を除去する設定もできる。デフォルトは、「前空け」のため椅子13する除去ではなく、椅子13を「均等」に配置するである。
【0043】
図9は、スクール形式の場合の長机に配置する椅子13、通路などを設定する画面例240である。
サイズ設定部108は、選択した長机1つに配置する椅子13の数を設定する画面241により椅子13の数を設定する。椅子13の数は、3脚、2.5脚、2脚、1脚である。ここで、2.5脚は、2つの長机で5脚という意味である。デフォルトは、3脚である。
【0044】
通路設定部109は、長机を仕切る通路を設定する縦通路画面242と、243とより縦通路の本数と幅を設定する。また、横通路画面244と、245とにより、横通路の本数と幅を設定する。
通路設定部109は、長机何本で縦通路を入れるか、また縦通路の幅を設定する。縦通路を入れる長机の数は、「4本」、「3本」、「2本」、および、「1本」である。また、縦通路の幅は、「80cm」から10cm刻みで「180cm」までである。デフォルトは、長机2本ごとに縦通路を入れ、「120cm」幅である。
通路設定部109は、長机何列で横通路を入れるか、また横通路の幅を設定する。横通路を入れる長机の数は、「10列」、「9列」、「8列」、「7列」、「6列」、「5列」、「4列」、および、「無し」である。また、横通路の幅は、「80cm」から10cm刻みで「180cm」までである。デフォルトは、長机6列ごとに横通路を入れ、120cm幅である。
【0045】
調整部111は、両端の長机を斜めに向ける設定をすることができる。これは、会場10の両端に配置されている長机からはステージ11が見ずらい傾向にある。特に前方の両端の長机は、首を曲げないといけなくため、長机自体を斜めにすることが望ましい。
【0046】
図10は、シアター形式の場合の配置する椅子13、通路などを設定する画面例250である。
形式設定部107は、配置する椅子13の幅を設定する画面250により椅子13の幅を設定する。椅子13の幅は、「45cm」から1cm刻みで「60cm」までである。椅子13のデフォルトは、「50cm」である。椅子13の幅は、入力することも可能だし、プルダウンで選択することも可能である。
【0047】
通路設定部109は、椅子13を仕切る通路を設定する縦通路画面251、252より縦通路の本数と幅を設定する。また、横通路画面253、254により横通路の本数と幅を設定する。
通路設定部109は、椅子13何脚で縦通路を入れるか、また縦通路の幅を設定する。縦通路を入れる椅子13の数は、8脚から12脚である。また、縦通路の幅は、「80cm」から10cm刻みで「180cm」までである。デフォルトは、10脚ごとに縦通路を入れ、「120cm」幅である。
【0048】
通路設定部109は、椅子13何脚で横通路を入れるか、また横通路の幅を設定する。横通路を入れる椅子13の数は、8脚から12脚である。また、横通路の幅は、「80cm」から10cm刻みで「180cm」までである。デフォルトは、10脚ごとに縦通路を入れ、「120cm」幅である。
【0049】
通路設定部109は、センター設定画面255でセンター位置を客席にするか通路にするかを設定する。デフォルトは、通路センターである。
【0050】
図11は、本開示における情報処理装置100の記憶部102に記憶されているデータ構造の概念図である。
図11(a)は、パーティ形式、スクール形式、シアター形式における通路の本数と、通路の幅に関するデータ構造である。
図11(b)は、卓のサイズに関するデータ構造である。円卓12の場合、2m」、「1.8m」、「1.5m」、および「1.2m」の直径をとり得る。机の場合、「1.8m×600cm」、「1.8m×450cm」、「1.8m×300cm」、「1.5m×600cm」、「1.5m×450cm」、および「1.5m×300cm」をとり得る。
【0051】
制御部101の指令により、各段階でパラメータ値が設定される。各段階でパラメータが設定された後、制御部101は、記憶部102に各パラメータ値を記憶する。制御部101は、各段階でパラメータの値を反映した会場レイアウトを情報処理端末装置120の表示部124に表示させる制御を行う。
例えば、形式設定部107において、シアター形式が設定され、椅子の幅が50cmと設定された場合、制御部101は、これらのパラメータ値を反映して、最大収容数の座席とともに会場レイアウトを情報処理端末装置120の表示部124に表示させる。
【0052】
図12は、本開示の一実施形態情である報処理装置100におけるフローチャートである。
予め必要な情報をまとめてテンプレートにして読み込むことで一挙に処理してもよい。
【0053】
会場設定部105は、会場10の大きさを設定する(S100)。様々な会場10がある。例えば、ホテルのパーティの会場であったり、球場のコンサートであったり、屋外の場合もある。
【0054】
会場設定部105は、会場10の異形エリアの設定する(S102)。会場10の形状は必ずしも長方形とは限らないからである。会場設定部105は、会場10の異形エリアについては、会場10から長方形状と円形状の足し算および引き算で、現実に近い会場10の形状に調整する。
【0055】
ステージ設定部106は、会場10の前方に配置するステージ11を設定する(S104)。ステージ11とは、発表者などが登壇する舞台である。
ステージ設定部106は、ステージの奥行とステージの幅を設定する。ステージの奥行は、「1.2m」、「2.4m」、「3.6m」、「4.8m」、および「6m」から選択される。ステージの奥行の数値は、スクロールで選択することも可能だし、プルダウンで選択することも可能である。
【0056】
形式選択部107は、会場10の使用用途に応じて、パーティ形式、スクール形式、シアター形式からいずれか1つを設定する(S106)。
【0057】
形式選択部107は、パーティ形式を設定した場合(S108)、円卓12と椅子13の数を設定する(S110)。
通路設定部109は、センター通路と通路の幅を設定する(S112)。調整部111は、オフセットや円卓12の椅子13の配置、空椅子の設定を行う(S114)。
【0058】
形式選択部107は、スクール形式を設定した場合(S116)、長机と椅子13の数を設定する(S118)。
通路設定部109は、縦通路、横通路の幅を設定する(S120)。調整部111は、椅子13の斜め向けの設定を行う(S122)。
【0059】
形式選択部107は、シアター形式を設定した場合(S124)、椅子13の幅を設定する(S126)。
通路設定部108は、縦通路、横通路の幅を設定する(S128)。調整部111は、センター位置の設定を行う(S130)。
【0060】
進行卓設定部110は、進行・映像・音響・照明・収録のための必要な進行卓14を設定する(
図11、S132)。進行卓14とは、具体的には、操作のための卓の数、プロジェクタ台の数、カメラ台の数などをいう。
【0061】
調整部111は、会場10の収容数を全体として調整する(S134)。調整部111は、通常(平均的)、ぎりぎり(最大収容)、ゆったり、感染症対策(1m間隔)など間隔を設定したり、オフセット、円卓12の配置、空き椅子13の設定をする。
調整部111は、配色の設定ができる。例えば、白黒であったり、卓は緑、椅子13は赤など着色することが可能である。また、色を反転させることもできる。
調整部111は、会場レイアウトを横または縦に変更することができる。
【0062】
情報処理装置100の制御部101は、設定された会場レイアウトを情報処理端末装置120の表示部に出力する制御をする(S136)。情報処理装置100の制御部101は、設定された会場レイアウトのデータを記憶部102に保存する。
【0063】
調整部111は、最終的な会場レイアウトを手動で微調整することができる。例えば、車椅子の来場者が予定されている場合に、椅子13を外すなどである。
調整部111は、卓や椅子13をクリックまたはダブルクリックすることで選択し、削除することが可能である。
【0064】
情報処理端末装置120の記憶部に設定された会場レイアウトのデータがPDF、JPEGなどの形式で保存される。xlsx形式の会場データを読み込んで、会場レイアウトを作成することも可能である。
設定された会場レイアウトのデータを多数集めて、会場データを入力し、ディープラーニングなどにより機械学習を行うことで、適切な会場レイアウトを生成することが可能である。この際の教師データは、設定された会場レイアウトの情報である。
【0065】
図14は、既存データが存在している場合の動作を示したフローチャートである。
情報処理装置100の記憶部102に会場レイアウトのデータが格納されている場合には、情報処理端末装置120に予めインストールされている本開示にかかるプログラム(アプリケーション)を起動して、その会場レイアウトのデータを読み出すことができる。
情報処理装置100の制御部101は、既存データがあるか否かを情報処理端末装置120の表示部に表示する制御を行う(S200)。
【0066】
既存データがない場合には、
図14に従い入力処理が行われる(S202)。
既存データがある場合には、制御部101は、ファイル名を指定の要求をする(S206)。制御部101は、指定されたファイルを記憶部102か呼び出す指令を行い、データを読み込み、情報処理端末装置120の表示部に表示させる制御を行う。以前作成した会場レイアウトを修正することで新たに作る手間を省くことができる(S208)。
【0067】
制御部101は、いずれの場合にも最終的な会場レイアウトを情報処理端末装置120の表示部に出力する(S204)。必要な個所の修正を行われ、会場レイアウトと最大収容人数および最大テーブル数15が表示される。
【0068】
[2.効果]
本開示の一実施形態である情報処理装置100によれば、会場10に配置する卓12や椅子13のレイアウト情報を自動で作成し、最大収容人数および最大テーブル数15を算出することができるという効果を有する。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理システム
10 会場
11 ステージ
12 円卓
13 椅子
14 進行卓
15 最大収容人数
100 情報処理装置
101 制御部
102 記憶部
103 通信部
104 表示部
105 会場設定部
106 ステージ設定部
107 形式設定部
108 サイズ設定部
109 通路設定部
110 進行卓設定部
111 調整部
120 情報処理端末装置
130 通信ネットワーク
200 会場設定部の画面例
210 異形エリアの画面例
220 形式設定部の画面例
230 パーティ形式の画面例
240 スクール形式の画面例
250 シアター形式の画面例
【要約】 (修正有)
【課題】会場に配置する卓や椅子のレイアウト情報を自動で作成し、最大収容人数を把握する情報処理装置および情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置と、情報処理端末装置と、通信ネットワークとを備える情報処理システムにおいて、会場における人が座る椅子を含む座席の位置を自動で設定する情報処理装置100であって、会場レイアウトの画像を平面的に表示する情報処理端末装置の表示部に表示される会場の広さを設定する会場設定部105と、前記表示部に表示される、会場で登壇するためのステージの位置および大きさとを設定するステージ設定部106と、前記表示部に表示される会場の利用用途に応じて会場に配置する複数の座席の位置を設定する形式設定部107と、前記表示部に表示される椅子の幅を設定するサイズ設定部108と、表示部に表示される前記座席同士の間の通路の本数と通路の幅を設定する通路設定部109と、を備える。
【選択図】
図3