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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】治療補助器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/50 20160101AFI20231107BHJP
   B25J 17/02 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
A61B90/50
B25J17/02 H
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022544133
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2020011061
(87)【国際公開番号】W WO2022039296
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2022-07-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522287628
【氏名又は名称】ゴ ムーサン
【氏名又は名称原語表記】GO, Moo Saeng
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ゴ ムーサン
【審査官】神ノ田 奈央
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2009-0058590(KR,A)
【文献】特開2005-204999(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0247919(US,A1)
【文献】特開2003-325436(JP,A)
【文献】国際公開第2019/117896(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0076172(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/50
B25J 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
一側が前記ベースに結合されて相対運動する第1のジョイントと、
一側端部が前記第1のジョイントの他側に回動可能に結合される第1のアームと、
一側が前記第1のアームの他側端部に回動可能に結合される第2のジョイントと、
一側端部に第1のアダプターが相対運動するように結合され、前記第1のアダプターは、前記第2のジョイントの他側に回動可能に結合されるアダプターアームと、
前記第1のジョイントに配置され、前記第1のアームを回動させる第1の駆動部と、
前記第2のジョイントに配置され、前記アダプターアームを回動させる第2の駆動部と、
前記第1のアダプターの相対運動を拘束または解除する加圧部と、
医療用椅子のヘッドレストに配置されて圧力を感知するセンサと、
前記第1の駆動部、前記第2の駆動部、前記加圧部、および前記センサを制御する制御部と、を含み、
前記第1のアダプターは、前記アダプターアームに対してボールジョイントで結合されるが、第1の弾性体によって拘束され、前記制御部によって前記加圧部が動作することによって解除され、
前記制御部は、前記センサから感知される圧力が予め設定された数値よりも小さい場合、前記第1の駆動部、第2の駆動部を制御することによって、前記ヘッドレストの前方に予め設定された第1の位置, 前記第1の位置に対して前記ヘッドレストを中心に反対面に位置する第2の位置および前記ヘッドレストから離れるように予め設定された第3の位置の中前記第2のジョイントの他側が前記第3の位置に位置するように制御する治療補助器具。
【請求項2】
ベースと、
一側が前記ベースに結合されて相対運動する第1のジョイントと、
一側端部が前記第1のジョイントの他側に回動可能に結合される第1のアームと、
一側が前記第1のアームの他側端部に回動可能に結合される第3のジョイントと、
一側端部が前記第3のジョイントの他側に回動可能に結合される第2のアームと、
一側が前記第2のアームの他側端部に回動可能に結合される第2のジョイントと、
一側端部に第1のアダプターが相対運動するように結合され、前記第1のアダプターは、前記第2のジョイントの他側に回動可能に結合されるアダプターアームと、
前記第1のジョイントに配置され、前記第1のアームを回動させる第1の駆動部と、
前記第2のジョイントに配置され、前記アダプターアームを回動させる第2の駆動部と、
前記第3のジョイントに配置され、前記第2のアームを回動させる第3の駆動部と、
前記第1のアダプターの相対運動を拘束または解除する加圧部と、
医療用椅子のヘッドレストに配置されて圧力を感知するセンサと、
前記第1の駆動部、前記第2の駆動部、前記第3の駆動部、前記加圧部、および前記センサを制御する制御部と、を含み、
前記第1のアダプターは、前記アダプターアームに対してボールジョイントで結合されるが、第1の弾性体によって拘束され、前記制御部によって前記加圧部が動作することによって解除され、
前記制御部は、前記センサから感知される圧力が予め設定された数値よりも小さい場合、前記第1の駆動部、第2の駆動部および前記第3の駆動部を制御することによって、前記ヘッドレストの前方に予め設定された第1の位置、前記第1の位置に対して前記ヘッドレストを中心に反対面に位置する第2の位置および前記ヘッドレストから離れるように予め設定された第3の位置の中前記第2のジョイントの他側が前記第3の位置に位置するように制御する治療補助器具。
【請求項3】
前記アダプターアームの他側端部には、前記アダプターアームに対して相対運動する第2のアダプターが配置され、前記加圧部は、前記第2のアダプターの相対運動を拘束または解除する、請求項1に記載の治療補助器具。
【請求項4】
前記第1のアダプターおよび前記第2のアダプターは、前記アダプターアームに対してボールジョイントで結合されて自在に相対運動するが、前記制御部によって前記加圧部が動作する時点の状態に固定される、請求項3に記載の治療補助器具。
【請求項5】
前記加圧部は、流体圧力、磁力、または電磁気力によって、前記ボールジョイントを加圧して前記第1のアダプターおよび前記第2のアダプターを固定させる、請求項4に記載の治療補助器具。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の駆動部、前記第2の駆動部、および前記第3の駆動部を制御することによって、前記ベースに対して予め設定された第1の位置に前記第2のジョイントの他側が位置するように制御する、請求項2に記載の治療補助器具。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の駆動部、前記第2の駆動部、および前記第3の駆動部を制御することによって、前記第2のアームと前記第1のアームが重なり、前記第2の位置に前記第2のジョイントの他側が位置するように制御する、請求項2に記載の治療補助器具。
【請求項8】
前記制御部は、前記センサから感知される圧力が予め設定された数値よりも小さい場合、前記加圧部の圧力を除去する、請求項2に記載の治療補助器具。
【請求項9】
前記第2のアームは、
前記予め設定された第1の位置に前記第2のジョイントの他側を移動させる第1のポジションスイッチと、
前記予め設定された第2の位置に前記第2のジョイントの他側を移動させる第2のポジションスイッチと、
前記予め設定された第3の位置に前記第2のジョイントの他側を移動させる第3のポジションスイッチと、をさらに含む、請求項2に記載の治療補助器具。
【請求項10】
前記第3のポジションスイッチは、前記加圧部の圧力を除去する、請求項9に記載の治療補助器具。
【請求項11】
前記第2のアームは、
前記第2のアームの一側端部と他側端部の間に第1の方向に向かって配置される第1の照明と、
前記第2のアームの一側端部と他側端部の間に前記第1の方向とは反対の第2の方向に向かって配置される第2の照明と、をさらに含む、請求項2に記載の治療補助器具。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1の照明および前記第2の照明を制御し、
前記制御部は、前記第2のアームを時計方向に回動させる場合、前記第1の照明を点灯し、前記第2のアームを反時計方向に回動させる場合、前記第2の照明を点灯するように制御する、請求項11に記載の治療補助器具。
【請求項13】
前記アダプターアームは、少なくとも1つ以上配置される、請求項1に記載の治療補助器具。
【請求項14】
前記ベースは、リング形状であり、外周面にスライドレールが形成され、前記第1のジョイントは、前記スライドレールと結合されてスライド運動する、請求項1に記載の治療補助器具。
【請求項15】
前記ベースは、リング形状であり、第1のベースリングおよび前記第1のベースリングの外周面に沿って回転する第2のベースリングを含み、前記第1のジョイントは前記第2のベースリングと結合された、請求項1に記載の治療補助器具。
【請求項16】
前記ベースは、医療用椅子のヘッドレストに結合される、請求項1に記載の治療補助器具。
【請求項17】
前記第2のアダプターは、前記アダプターアームに対してボールジョイントで結合されるが、第2の弾性体によって拘束され、前記制御部によって前記加圧部が動作することによって解除される、請求項3に記載の治療補助器具。
【請求項18】
前記加圧部は、流体圧力、磁力、または電磁気力によって前記第1の弾性体および前記第2の弾性体を加圧して前記第1のアダプターおよび前記第2のアダプターの拘束を解除する、請求項17に記載の治療補助器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の治療過程において、治療行為を補助できる治療補助器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な歯科治療過程や、外科用手術または治療のような行為のときには、医師の治療活動が円滑かつ効率的に行われるように多様な医療機器が活用され得る。例えば、内視鏡、ドリル、サクション、およびミラーのような医療機器が活用され得る。
【0003】
このような医療機器の使用は、医師が治療過程において直接使用することもあるが、場合によって補助人員を活用するか、または簡単な器具に装着して活用されている。但し、補助人員を通じて医療機器を活用する場合、医療機器を長時間正確な位置に固定することが困難であり、器具に装着して使用する場合、所望する位置に医療機器を配置させることが困難で、医療機器の位置変更が容易ではないことがあり得る。従って、このような問題点を解決するための治療補助器具に関する研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
治療過程において、医療機器を所望する位置に迅速かつ正確に移動させられる治療補助器具を提供することができる。
【0005】
医療機器の位置調整および固定が容易な治療補助器具を提供することができる。
【0006】
他の構造物に付着して活用できる治療補助器具を提供することができる。
【0007】
携帯性および移動性を増大させて、複数の位置の患者に汎用的に活用できる治療補助器具を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る治療補助器具は、ベース、一側前記ベースに結合されて相対運動する第1のジョイント、一側端部が前記第1のジョイントの他側に回動可能に結合される第1のアーム、一側が前記第1のアームの他側端部に回動可能に結合される第2のジョイント、一側端部に第1のアダプターが相対運動するように結合され、前記第1のアダプターは、前記第2のジョイントの他側に回動可能に結合されるアダプターアーム、前記第1のジョイントに配置され、前記第1のアームを回動させる第1の駆動部、前記第2のジョイントに配置され、前記アダプターアームを回動させる第2の駆動部、前記第1のアダプターの相対運動を拘束または解除する加圧部、および前記第1の駆動部、前記第2の駆動部、および前記加圧部を制御する制御部を含むことができる。
【0009】
また、前記第1のアームの他側端部と前記第2のジョイントの一側の間に配置され、一側が前記第1のアームの他側端部に回動可能に結合される第3のジョイント、一側端部が前記第3のジョイントの他側に回動可能に結合され、他側が第2のジョイントの一側に回転可能に結合される第2のアーム、および前記第3のジョイントに配置され、前記第2のアームを回動させる第3の駆動部をさらに含み、前記制御部は前記第3の駆動部を制御することができる。
【0010】
また、前記アダプターアームの他側端部には、前記アダプターアームに対して相対運動する第2のアダプターが配置され、前記加圧部は、前記第2のアダプターの相対運動を拘束または解除させることができる。
【0011】
また、前記第1のアダプターおよび前記第2のアダプターは、前記アダプターアームに対してボールジョイントで結合されて自在に相対運動するが、前記制御部によって前記加圧部が動作する時点の状態に固定され得る。
【0012】
また、前記加圧部は、流体圧力、磁力、または電磁気力によって、前記ボールジョイントを加圧して前記第1のアダプターおよび前記第2のアダプターを固定させることができる。
【0013】
また、前記制御部は、前記第1の駆動部、前記第2の駆動部、および前記第3の駆動部を制御することによって、前記ベースに対して予め設定された第1の位置に前記第2のジョイントの他側が位置するように制御することができる。
【0014】
また、前記制御部は、前記第1の駆動部、前記第2の駆動部、および前記第3の駆動部を制御することによって、前記第1のアームと前記第2のアームが重なり、前記ベースを中心に第1の位置の反対面に位置する第2の位置に前記第2のジョイントの他側が位置するように制御することができる。
【0015】
また、圧力を感知するセンサをさらに含み、前記制御部は、前記センサから感知される圧力値に基づいて、前記第1の駆動部、第2の駆動部、第3の駆動部、および前記加圧部を制御することができる。
【0016】
また、前記制御部は、前記センサから感知される圧力が予め設定された値よりも小さい場合、前記第1の駆動部、第2の駆動部、および第3の駆動部を制御することによって、前記第2のジョイントの他側が前記ベースから離れるように予め設定された第3の位置に前記第2のジョイントの他側が位置するように制御することができる。
【0017】
また、前記制御部は、前記センサから感知される圧力が予め設定された数値よりも小さい場合、前記加圧部の圧力を除去することができる。
【0018】
また、前記第2のアームには、予め設定された第1の位置に前記第2のジョイントの他側を移動させる第1のポジションスイッチ、予め設定された第2の位置に前記第2のジョイントの他側を移動させる第2のポジションスイッチ、および予め設定された第3の位置に前記第2のジョイントの他側を移動させる第3のポジションスイッチをさらに含むことができる。
【0019】
また、第3のポジションスイッチは、前記加圧部の圧力を除去することができる。
【0020】
また、前記第2のアームは、前記第2のアームの一側端部と他側端部の間に第1の方向に向かって配置されたる第1の照明および前記第2のアームの一側端部と他側端部の間に前記第1の方向と反対の第2の方向に向かって配置される第2の照明をさらに含むことができる。
【0021】
また、前記制御部は、前記第1の照明および前記第2の照明を制御し、前記制御部は、前記第2のアームを時計方向に回動させる場合、前記第1の照明を点灯し、前記第2のアームを反時計方向に回動させる場合、第2の照明を点灯するように制御することができる。
【0022】
さらに、前記アダプターアームは、少なくとも1つ以上が配置され得る。
【0023】
また、前記ベースは、リング形状であり、外周面にスライドレールが形成され、前記第1のジョイントは、前記スライドレールと結合されてスライド運動することができる。
【0024】
また、前記ベースは、リング形状であり、第1のベースリングおよび前記第1のベースリングの外周面に沿って回転する第2のベースリングを含み、前記第1のジョイントは、前記第2のベースリングと結合され得る。
【0025】
また、前記ベースは、医療用椅子のヘッドレストに結合され得る。
【0026】
また、前記第1のアダプターおよび前記第2のアダプターは、前記アダプターアームに対してボールジョイントで結合されるが、第1の弾性体および第2の弾性体によって拘束され、前記制御部によって前記加圧部が動作することによって解除され得る。
【0027】
また、前記加圧部は、流体圧力、磁力、または電磁気力によって、前記第1の弾性体および前記第2の弾性体を加圧して前記第1のアダプターおよび前記第2のアダプターの拘束を解除することができる。
【発明の効果】
【0028】
既存の医療用椅子のような治療器具に付着して活用することができる。
【0029】
別途の本体として移動形式になる場合、携帯性が高まり多様な治療環境に汎用的に活用され得る。
【0030】
治療過程において、必要な医療機器をユーザーの所望する位置に移動させることが容易であり、医療機器位置の固定が迅速に行われ得る。
【0031】
ユーザーが任意に設定した位置を記憶し、簡単な操作で該当位置に医療機器を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】(a)は本発明の一実施形態に係る治療補助器具が他の医療器具に設置された正面図であり、(b)は治療補助器具の側面図である。
図2】(a)は本発明の一実施形態に係るベースの正面図であり、(b)はベースの側面図であり、(c)はベースの固定レバーを示した図面である。
図3】(a)は本発明の一実施形態に係る第1のアームおよび第2のアームの正面図であり、(b)は第1のアームおよび第2のアームの側面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るアダプターアームを示した図面である。
図5】本発明の一実施形態に係るアダプターアームの分解図である。
図6】本発明のさらに他の実施形態に係るアダプターアームを示した図面である。
図7】本発明のさらに他の実施形態に係るアダプターアームの分解図である。
図8】本発明の一実施形態に係る治療補助器具が第1の位置に位置した状態を示した図面である。
図9】本発明の一実施形態に係る治療補助器具が第2の位置に位置した状態を示した図面である。
図10】本発明の一実施形態に係る治療補助器具が第3の位置に位置した状態を示した図面である。
図11】本発明の一実施形態に係る治療補助器具の操作部を示した図面である。
図12】本発明の一実施形態に係る治療補助器具に装着されて活用される医療機器を示した図面である。
図13】本発明の一実施形態に係る治療補助器具に装着されて活用されるさらに他の医療機器を示した図面である。
図14】(a)は本発明のさらに他の実施形態に係る治療補助器具が他の医療器具に設置された正面図であり、(b)は治療補助器具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本文書の多様な実施形態が添付された図面を参照して記載する。実施形態およびこれに使用された用語は、本文書に記載された技術を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、該当実施形態の多様な変更、均等物、および/または代替物を含むものとして理解されなければならない。図面の説明に関連して、類似の構成要素に関しては、類似の参照符号が使用され得、これに関する重複する説明は省略するものとする。添付された図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものであるだけで、添付図面によって本明細書に開示された技術的思想は制限されない。
【0034】
以下の説明において使用される構成要素に対する接尾辞の「モジュール」および「部」は、明細書作成の容易さのみが考慮されて付与されるか混用されるものであって、それ自体に互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含み得る。
【0035】
本文書において、「AまたはB」、または「Aおよび/またはBのうち少なくとも1つ」などの表現は、共に羅列された項目のすべての可能な組み合わせを含むことができる。「第1」、「第2」、「1番」または「2番」などの表現は、該当構成要素を、順序または重要度に関係なく修飾することができ、1つの構成要素を他の構成要素と区分するために使用されるだけで、該当構成要素を限定しない。ある(例:第1)構成要素が他の(例:第2)構成要素に「(機能的にまたは通信的に)連結されて」いるか、「接続されて」いると言及されたときには、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結されるか、他の構成要素(例:第3の構成要素)を通じて連結され得る。
【0036】
本文書において、「~するように構成された(または設定された)(configured to)」は、状況によって、例えば、ハードウェア的またはソフトウェア的に「~に適合した」、「~する能力を有する」、「~するように変更された」、「~するように作られた」、「~をすることができる」、または「~するように設計された」と相互互換的に(interchangeably)使用され得る。ある状況においては「~するように構成された装置」という表現は、その装置が他の装置または部品と共に「~することができる」ことを意味し得る。
【0037】
本文書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたもの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されなければならない。
【0038】
図1の(a)は、本発明の一実施形態に係る治療補助器具100が他の医療器具に設置された正面図であり、図1の(b)は、治療補助器具100の側面図である。
【0039】
本発明の一実施形態に係る治療補助器具100は、ベース110、第1のジョイント120、第1のアーム130、第3のジョイント160、第2のアーム170、第2のジョイント140、およびアダプターアーム150を含むことができる。
【0040】
図1の(a)ないし図1の(b)の治療補助器具100は、医師の治療過程において、患者が着席できる医療用椅子に装着されて活用される形態として、医療用椅子のヘッドレストH後面にベース110が装着される形態である。この場合、既存に使用されていた医療用椅子のような医療器具に治療補助器具100を付加的に装着して活用することができるため、経済的かつ汎用的に活用され得る利点がある。図1の(a)ないし図2の(b)においては、ベース110が医療用椅子の後面に装着される場合を例に挙げて示したが、これに局限されず、ヘッドレストの側面に結合されてもよい。
【0041】
図1の(a)ないし図1の(b)においては、ベース110が医療用椅子に付着されて活用される例を図示したが、これに局限されない。例えば、ベース110は、移動可能な形態の本体(図示せず)に付着されて活用され得る。本体は、移動が容易なように車輪のような移動手段が装着され、本発明の一実施形態に係る治療補助器具100が装着されて動作しても倒れないように安定的な基盤を提供できる形態であれば、制限なく活用され得る。例えば、三角または四角形の支持台または箱形などが活用され得る。一実施形態に係る治療補助器具100のさらに他の活用例を説明することにおいて、ベース110が本体に付着される形態に関して説明したが、ベース110が本体と一体に形成されるか、ベース110自体が前述した本体の形態として代替されてもよい。ベース110を通じて治療補助器具100の移動が自由になることで、医療用椅子が複数台あるとしても一つの治療補助器具100を移動させて活用することによって、治療補助器具100の活用度を高めることができる。
【0042】
一実施形態に係る治療補助器具100は、第1のアーム(arm)130、第2のアーム(arm)170、およびアダプター(adapter)アーム150が第1のジョイント(joint)120、第2のジョイント(joint)140、および第3のジョイント(joint)160によって連結されて、相互間において回動可能に連結されることによって、多関節ロボットアームとして動作することができる。多関節ロボットアーム形態の治療補助器具100は、末端のアダプターアーム150に図12ないし図13と共に後述する医療機器400、500を装着して活用することができる。本発明の一実施形態に係る治療補助器具100は、容易かつ迅速に医療機器400、500(図12ないし図13参照)をユーザーが所望する位置に移動させて固定することができる。例えば、ヘッドレストHの前方から患者の頭と所定の距離に離隔された任意の地点に第2のジョイント140の他側140b(図3参照)が位置するようにして、該当位置を制御部が記憶するようにすることによって、治療補助器具100の移動を容易にすることができる。これと共に、自在に相対運動するアダプターアーム150をユーザーが操作して位置させた後、スイッチ操作などを通じてアダプターアーム150を固定することによって、最終的にユーザーが所望する位置に医療機器400、500を位置させることができる。より詳細な事項は、以下の図面と共に後述する。
【0043】
図2の(a)は本発明の一実施形態に係るベース110の正面図であり、図2の(b)はベース110の側面図であり、図2の(c)はベース110の固定レバー119を示した図面である。
【0044】
図2の(a)ないし図2の(b)を参照して検討すると、本発明の一実施形態に係るベース110は、第1のベースリング111および第2のベースリング113を含むことができる。第1のベースリング111は、ヘッドレストHの後面部と結合して固定される役割をし得る。第1のベースリング111とヘッドレストHの結合は、多様な方法からなり得る。例えば、図2の(a)に図示されたように、締結ホール115を貫通するボルトを通じてヘッドレストHと締結され得る。第2のベースリング113は、第1のベースリング111と同心円を形成し、第1のベースリング111の外周面に沿って回転することができる。一実施形態に係る第1のジョイント120の一側120a(図3参照)は、第2のベースリング113と結合することができる。これを通じて、第1のジョイント120は、第1のベースリング111に対してスライド回転運動をすることができる。第1のベースリング111と第2のベースリング113のスライド回転運動は、図2の(c)に図示された固定レバー119を通じて固定され得る。第2のベースリング113には、半径方向に貫通して形成された固定ホール117が配置され、固定レバー119が固定ホール117を貫通して第1のベースリング111の外周面を加圧することによって、第1のベースリング111と第2のベースリング113のスライド回転運動を停止させ固定することができる。
【0045】
図2の(a)ないし図2の(b)においては、第1のベースリング111と第2のベースリング113で形成されたベース110を図示しているが、他の形態も可能である。例えば、第1のベースリング111の外周面に円周方向に沿ってスライドレール(図示せず)が形成され、第1のジョイント120の一側120aがスライドレールに沿ってスライド移動するように結合されてもよい。
【0046】
図3の(a)は、本発明の一実施形態に係る第1のアーム130および第2のアーム170の正面図であり、図3の(b)は、第1のアーム130および第2のアーム170の側面図である。
【0047】
図3を参照して検討すると、第1のアーム130ないし第2のアーム170はロッド形態であり得、例えば、四角パイプが活用され得る。第1のアーム130の一側端部130aはベース110と連結され、他側端部130bは第2のアーム170と連結され得る。第1のアーム130は、第2のアーム170がヘッドレストH(図1参照)と干渉せず自由に移動するようにすることができる。例えば、ベース110の大きさよりも大きいヘッドレストHに装着されても、第1のアーム130の他側端部130bがヘッドレストHの外郭よりも突出されることによって、第2のアーム170にヘッドレストHを迂回して自由に移動するようにすることができる。第2のアーム170は、第1のアーム130よりも相対的に長く形成され得る。第2のアーム170は、ヘッドレストHに位置する患者の頭部を超えて、患者の顔面の前方空間に第2のアーム170の他側端部170bが位置するようにすることができる。
【0048】
一実施形態に係る第1のアーム130および第2のアーム170は、第1のジョイント120ないし第3のジョイント160によって、互いに連結されて多関節ロボットアームのように動作することができる。
【0049】
一実施形態に係る第1のジョイント120は、一側120aがベース110(図1参照)と結合され、他側120bが第1のアーム130の一側端部130aと結合され得る。第1のジョイント120は、第1のアーム130とベース110を結合させるが、第1のアーム130がベース110に対して回動可能なように少なくとも1つ以上の回転軸を提供することができる。例えば、ベース110の外周面の接線方向と平行に形成された1つの回転軸を中心に1自由度を有し、第1のアーム130が回動するようにすることができる。一実施形態に係る第1のジョイント120は、第1の駆動部121を含むことができる。第1の駆動部121は、第1のアーム130をベース110に対して回動させる動力を提供することができる。第1の駆動部121は、例えば、モーターであり得る。
【0050】
一実施形態に係る第1のジョイント120を説明することにおいて、1つの回転軸に対して回動する場合を例に挙げて説明するが、立体空間を定義する3軸によって自由度を増加させることもでき、この場合、動力を提供する駆動部の個数も増加させることができる。
【0051】
一実施形態に係る第3のジョイント160は、一側160aが第1のアーム130の他側端部130bと結合され、他側160bが第2のアーム170の一側端部170aと結合され得る。第3のジョイント160は、第1のアーム130と第2のアーム170を結合させるが、第2のアーム170が第1のアーム130に対して回動可能なように少なくとも1つ以上の回転軸を提供することができる。例えば、第1のアーム130と第2のアーム170が、関節のように曲げたり、伸ばすことができる方向に回転軸を提供することができる。一実施形態に係る第3のジョイント160は、第3の駆動部161を含むことができる。第3の駆動部161は、第2のアーム170を第1のアーム130に対して回動させる動力を提供することができる。第3の駆動部161は、例えば、モーターであり得る。
【0052】
一実施形態に係る第2のジョイント140は、一側140aが第2のアーム170の他側端部170bと結合され、他側140bがアダプターアーム150(図4参照)の第1のアダプター151(図4参照)と結合され得る。第2のジョイント140は、第2のアーム170とアダプターアーム150を結合させるが、アダプターアーム150が第1のアーム130に対して回動可能なように少なくとも1つ以上の回転軸を提供することができる。例えば、第2のアーム170とアダプターアーム150が、関節のように曲げたり、伸ばすことができる方向に回転軸を提供することができる。一実施形態に係る第2のジョイント140は、第2の駆動部141を含むことができる。第2の駆動部141は、アダプターアーム150を第2のアーム170に対して回動させる動力を提供することができる。第2の駆動部141は、例えば、モーターであり得る。
【0053】
一実施形態に係る第1のアーム130または第2のアーム170の外面には、第1の照明171と第2の照明172が配置され得る。例えば、第3のジョイント160の動作によって第2のアーム170と第1のアーム130が互いに対向する面の中で第2のアーム170側に第1の照明171が配置され得、その反対面に第2の照明172が配置され得る。または、第1のアーム130側の互いの反対面に第1の照明(図示せず)と第2の照明(図示せず)が配置され得る。または、面ではなく端に照明が配置され得る。例えば、第2のアーム170と第1のアーム130が互いに対向する面の端の中で第2のアーム170側に第1の照明(図示せず)が配置され、その反対面の端に第2の照明(図示せず)が配置され得る。同様に、第2のアーム170側ではなく、第1のアーム130側の互いの反対面の端に第1の照明(図示せず)と第2の照明(図示せず)が配置され得る。
【0054】
一実施形態に係る第1のアーム130または第2のアーム170の外面には、第1のポジションスイッチ173、第2のポジションスイッチ174、および第3のポジションスイッチ175が配置され得る。第1のポジションスイッチ173ないし第3のポジションスイッチ175は、後述する第1の位置(図8参照)ないし第3の位置(図10参照)に第2のジョイント140の他側140bを移動させることができる。本発明の一実施形態に係る他の治療補助器具100を説明することにおいて、第1の位置ないし第3の位置に対応して第1のポジションスイッチ173ないし第3のポジションスイッチ175に関して説明したが、これは例示的なものであり、その個数は制御部に保存する位置の個数に対応して増加されるか、減少され得る。
【0055】
一実施形態に係る治療補助器具100は、第1の駆動部121、第2の駆動部141、第3の駆動部161、第1の照明171、および第2の照明172を制御する制御部(図示せず)を含むことができる。制御部は、第1の駆動部121ないし第3の駆動部161の動作可否、回転方向、および回転速度を制御し、第2のジョイント140の他側140bの位置を制御することができる。より具体的な事項は、図8ないし図10と共に後述する。制御部は、第3の駆動部161の動作方向によって第1の照明171および第2の照明172の点灯有無を制御することができる。例えば、第3の駆動部161の動作によって第2のアーム170と第1のアーム130が接近する場合、第1の照明171を点灯し、第1のアーム130と第2のアーム170が離れる場合、第2の照明172を点灯することができる。照明の点灯位置を通じて第2のアーム170の駆動方向を直感的に把握することができる。
【0056】
一実施形態に係る制御部は、駆動する第1の駆動部121ないし第3の駆動部161の組み合わせによって、第1の照明171ないし第2の照明172の色が変わるように制御することができる。例えば、第1の駆動部121のみを駆動する場合、第1の色(例:赤色)が点灯され、第1の駆動部121と第2の駆動部141が共に動く場合、第2の色(例:青色)点灯され、第1の駆動部121と第3の駆動部161が共に動く場合、第3の色(例:黄色)が点灯されるように制御することができる。
【0057】
図4は、本発明の一実施形態に係るアダプターアーム150を示した図面であり、図5は、本発明の一実施形態に係るアダプターアーム150の分解図である。
【0058】
一実施形態に係るアダプターアーム150は、第1のアダプター151および第2のアダプター153を含むことができる。一実施形態に係る第1のアダプター151は、第2のジョイント140の他側140bと結合されて第2のアーム170とアダプターアーム150を結合させることができる。第1のアダプター151は、ボールジョイント形態のアダプターであり、ボールジョイントが許容する範囲内で自在に相対運動することができる。従って、アダプターアーム150は、第2のアーム170に対して第1のアダプター151が許容する範囲内で自由に動くことができる。例えば、アダプターアーム150の長手方向軸に対してピッチング(pitching)、ヨーイング(yawing)、ローリング(rolling)が可能である。一実施形態に係るアダプターアーム150は、複数個が配置され得る。
【0059】
一実施形態に係る第2のアダプター153は、アダプターアーム150の他側端部に配置され、治療補助器具100に装着される医療機器400、500(図12ないし図13参照)と結合され得る。例えば、図12ないし図13の医療機器400、500が結合され得る。第2のアダプター153も第1のアダプター151と同様にピッチング(pitching)、ヨーイング(yawing)、ローリング(rolling)が可能なようにして、これによって医療機器400、500がアダプターアーム150に対して第2のアダプター153が許容する範囲内で自由に動くことができる。
【0060】
一実施形態に係る第1のアダプター151および第2のアダプター153は、アダプターアーム150に配置された加圧部によって固定され得る。制御部は、加圧部を制御して第1のアダプター151および第2のアダプター153を固定することができる。
【0061】
図5を参照してアダプターアーム150の詳細構造を検討すると、アダプターアーム150は、プッシュロッドガイド155、第1のプッシュロッド1517、第1のキャップ157、第1のアダプター151、第2のプッシュロッド1537、第2のキャップ159、第2のアダプター153を含むことができる。プッシュロッドガイド155、第1のプッシュロッド1517、第1のキャップ157、第2のプッシュロッド1537、および第2のキャップ159を加圧部とすることができる。
【0062】
一実施形態に係るプッシュロッドガイド155はパイプ形状であり、アダプターアーム150の基本形態を提供し、内部には第1のプッシュロッド1517を含むことができる。プッシュロッドガイド155は、ユーザーが直接把持して使用することができ、第1のプッシュロッド1517は、プッシュロッドガイド155によって直線運動をすることができる。プッシュロッドガイド155には、第1の油圧ホール155aないし第3の油圧ホール155cが形成され得る。中央に位置する第3の油圧ホール155cに流体が流入すると、第1のプッシュロッド1517と第2のプッシュロッド1537を同時に加圧することができる。第3の油圧ホール155cを通じた流体の流入を中断させることによって、第1のプッシュロッド1517および第2のプッシュロッド1537に加えられていた圧力を除去することができる。しかし、より確実かつ迅速に第1のプッシュロッド1517および第2のプッシュロッド1537に加えられていた圧力を除去できるように、第1の油圧ホール155aおよび第2の油圧ホール155bを配置することができる。例えば、第1の油圧ホール155aに流体を流入させると、第1のプッシュロッド1517に加えられていた圧力を迅速に除去することができ、第2の油圧ホール155bに流体を流入させると、第2のプッシュロッド1537に加えられていた圧力を迅速に除去することができる。
【0063】
一実施形態に係る第1のアダプター151は、プッシュロッドガイド155の一側端部に配置され得る。第1のアダプター151は、第1のボールホルダー1515、第1のボールマウント1513、第1のボールチップ1511を含むことができる。第1のボールチップ1511は、球形の本体からロッド形状のチップが突出した形態であり得、チップが突出した反対面は、所定の領域が平坦に形成され得る。第1のボールチップ1511のチップ部分が第2のジョイント140の他側140bと結合され得る。第1のボールマウント1513は、第1のボールチップ1511がアダプターアーム150から完全に離脱されることを防止するだけでなく、第1のボールチップ1511が自由に運動するようにすることができる。第1のボールホルダー1515は、第1のプッシュロッド1517の力を受けて第1のボールチップ1511に力を伝達し、第1のボールチップ1511を固定させることができる。
【0064】
一実施形態に係る第2のアダプター153は、プッシュロッドガイド155の他側端部に配置され得る。第2のアダプター153は、第2のボールホルダー1535、第2のボールマウント1533、第2のボールチップ1531を含むことができる。第2のボールホルダー1535、第2のボールマウント1533は、前述した第1のボールホルダー1515および第1のボールマウント1513と同一または類似し得る。第2のボールチップ1531のチップ部分が医療機器400、500と結合され得る。
【0065】
一実施形態に係るアダプターアーム150を説明することにおいて、油圧を通じて第1のアダプター151と第2のアダプター153を固定する方式を説明したが、これに局限されない。例えば、電気力を用いたソレノイドを活用してプッシュロッドを加圧してもよく、永久磁石と微量の電源を活用したon/offマグネットまたは電磁石などを活用してプッシュロッドを加圧してもよい。
【0066】
図6は、本発明のさらに他の実施形態に係るアダプターアーム150を示した図面であり、図7は、本発明のさらに他の実施形態に係るアダプターアーム150の分解図である。
【0067】
さらに他の実施形態に係るアダプターアーム150は、図5ないし図6のアダプターアーム150のように、第1のアダプター151および第2のアダプター153を含むことができる。第1のアダプター151および第2のアダプター153は、ボールジョイント形態のアダプターであり、ボールジョイントが許容する範囲内で自在に相対運動することができる。例えば、ピッチング(pitching)、ヨーイング(yawing)、ローリング(rolling)が可能である。第2のアダプター153は、治療補助器具100に装着される医療機器400、500(図12ないし図13参照)と結合され得る。
【0068】
図7を参照してアダプターアーム150の詳細構造を検討すると、アダプターアーム150は、プッシュロッドガイド155、第1のプッシュロッド1517、第1の弾性体1519、第1のキャップ157、第1のアダプター151、第2のプッシュロッド1537、第2の弾性体1539、第2のキャップ159、第2のアダプター153を含むことができる。プッシュロッドガイド155、第1のプッシュロッド1517、第1の弾性体1519、第1のキャップ157、第2のプッシュロッド1537、第2の弾性体1539、および第2のキャップ159を加圧部とすることができる。
【0069】
さらに他の実施形態に係るプッシュロッドガイド155はパイプ形状であり、アダプターアーム150の基本形態を提供し、内部には第1のプッシュロッド1517を含むことができる。プッシュロッドガイド155は、ユーザーが直接把持して使用することができ、第1のプッシュロッド1517は、プッシュロッドガイド155によって直線運動をすることができる。プッシュロッドガイド155には、第1の油圧ホール155aおよび第2の油圧ホール155bが形成され得る。一実施形態に係るプッシュロッドガイドと比較して、相違点は、第1の弾性体1519および第2の弾性体1539をさらに含む点である。第1の弾性体1519は、第1のプッシュロッド1517が第1のボールホルダー1515を加圧する方向に弾性力を提供することができ、第2の弾性体1539は、第2のプッシュロッド1537が第2のボールホルダー1535を加圧する方向に弾性力を提供することができる。この状態において、第1の油圧ホール155aに流体が流入すると、油圧が第1の弾性体1519の弾性力を克服し、第1のプッシュロッド1517を押し出して第1のボールホルダー1515を解除し、第1のボールチップ1511の動きが自由になり得る。同様に、第2の油圧ホール155bに流体が流入すると、油圧が第2の弾性体1539の弾性力を克服し、第2のプッシュロッド1537を押し出して第2のボールホルダー1535を解除し、第1のボールチップ1531の動きが自由になり得る。
【0070】
つまり、図4ないし図5のアダプターアーム150と比較して、第1のボールチップ1511および第2のボールチップ1531の動きが第1の弾性体1519および第2の弾性体1539によって常時固定されていて、流体の流入を通じて第1のボールチップ1511および第2のボールチップ1531の動きが自由になるという点において違いがある。
【0071】
図8は、本発明の一実施形態に係る治療補助器具100が第1の位置に位置した状態を示した図面である。
【0072】
一実施形態に係る第1の位置は、ヘッドレストHを基準に第2のジョイント140の他側140b(図3参照)が前方に位置する任意の場所を意味し得る。例えば、医療用椅子に患者が着席した状態において患者の顔面付近の任意の地点であり得る。ユーザーは、第1の駆動部121(図3参照)ないし第3の駆動部161(図3参照)を操作して第2のジョイント140の他側140bの位置を調整することができ、この位置は、アダプターアーム150を操作すると、医療機器400、500を患者に接近させるのに容易な地点を意味し得る。ユーザーは、このときの第2のジョイント140の他側140bの位置を保存することができ、第1のポジションスイッチ173を押して直ぐに移動させることができる。
【0073】
図9は、本発明の一実施形態に係る治療補助器具100が、第2の位置に位置した状態を示した図面である。
【0074】
一実施形態に係る第2の位置は、ヘッドレストHを基準に第2のジョイント140の他側140b(図3参照)が後方に位置する任意の場所を意味し得る。例えば、医療用椅子を使用しない場合、周辺の物品と衝突するか、または移動する人と衝突するなどの妨げにならないように治療補助器具100を整理するための位置であり得る。ユーザーは、第1の駆動部121(図3参照)ないし第3の駆動部161(図3参照)を操作して第2のジョイント140の他側140bの位置を調整することができ、このときの第2のジョイント140の他側140bの位置を保存することができる。第2の位置は、第2のポジションスイッチ174を押して直ぐに移動させることができる。
【0075】
図10は、本発明の一実施形態に係る治療補助器具100が、第3の位置に位置した状態を示した図面である。
【0076】
一実施形態に係る第3の位置は、ヘッドレストHを基準に第2のジョイント140の他側140b(図3参照)が離れるようにした任意の位置を意味し得る。例えば、治療のために医療機器が固定された状態において患者が頭部を揺らす場合、医療機器400、500によって負傷する場合が発生し得る。このような予期せぬ状況が発生する場合に備えて、制御部は一定の条件が感知されると、第3の位置に第2のジョイント140の他側140bが位置するように制御することができる。
【0077】
具体的には、治療補助器具100は、ヘッドレストH側に配置されるセンサ200を含むことができる。例えば、圧力感知センサ200を含むことができる。制御部は、圧力感知センサ200を通じて患者の頭部による圧力を感知して、突然圧力値が減少して患者が頭部を揺らすと判断される場合、第3の位置に第2のジョイント140の他側140bが位置するよう制御すると同時に、第1のアダプター151および第2のアダプター153に加えた圧力を解除して患者の負傷を防ぐことができる。
【0078】
第3の位置は、ユーザーが第1の駆動部121ないし第3の駆動部161を操作して設定することができ、第3のポジションスイッチ175を押して直ぐに移動させることができる。つまり、第3のポジションスイッチ175は、緊急ボタンの役割をし得る。
【0079】
本発明の一実施形態に係る治療補助器具100を説明することにおいて、図8ないし図10のように制御部が3つの位置を保存する場合を例に挙げて説明したが、これに局限されず、保存する位置は増加または減少し得る。
【0080】
図11は、本発明の一実施形態に係る治療補助器具100の操作部300を示した図面である。
【0081】
一実施形態に係る治療補助器具100の操作部300は、ユーザーが足で操作することが容易なようにペダル形態であり得る。一実施形態に係る操作部300は、複数個のスイッチ301、303、305、307、309を含むことができる。
【0082】
例えば、第1のスイッチ301を通じて操作するモーターを選択し、第2のスイッチ303を通じてモーターの回転方向を選択することができ、第3のスイッチ305を通じてモーターを駆動させることができる。第4のスイッチ307を通じて第1のアダプター151を固定または解除することができ、第5のスイッチ309を通じて第2のアダプター153を固定または解除することができる。前記のようなスイッチに対応する説明は、例示的なものであり、スイッチの個数を増加させて、より多くの機能を遂行できるように変更することができる。それだけでなく、各スイッチに対応させる機能も互いに交替または変形するなど、多様に活用することができる。
【0083】
図12ないし図13は、本発明の一実施形態に係る治療補助器具100に装着されて活用される医療機器400、500を示した図面である。
【0084】
例えば、患者の歯牙を観察するための鏡400や、患者の治療過程において使用し得るサクションチップ500などを第2のアダプター153に結合させて活用することができる。図12ないし図13に図示された医療機器400、500は例示的なものであり、これ以外にも多様な医療機器が装着されて活用され得る。
【0085】
図14の(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る治療補助器具100が他の医療器具に設置された正面図であり、図14の(b)は、治療補助器具100の側面図である。
【0086】
図14の(a)ないし図14の(b)は、図1の(a)ないし図1の(b)と類似するが、治療補助器具100を構成するアームの個数に相違点がある。さらに他の実施形態に係る治療補助器具100は、ベース110、第1のジョイント120、第1のアーム130、第2のジョイント140、およびアダプターアーム150を含むことができる。図1の(a)ないし図1の(b)の実施形態と比較して、ベース110の大きさがヘッドレストHよりも大きく形成され得るようにすることによって、治療補助器具100を構成するアームの個数を減少させることができる。但し、医療機器の稼働範囲が狭くなり得るが、より簡単な構造を通じて原価を削減させ得る効果がある。
【0087】
本発明は、本発明の精神および必須的特徴から逸脱しない範囲において他の特定の形態として具体化され得ることは、該当技術分野の通常の技術者には自明である。
【0088】
前記の詳細な説明は、すべての面において制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付された請求項の合理的解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的範囲内におけるすべての変更は、本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14