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特許7378864オンラインゲーム用サーバ及びプログラム
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  • 特許-オンラインゲーム用サーバ及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】オンラインゲーム用サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/85 20140101AFI20231107BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20231107BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20231107BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20231107BHJP
【FI】
A63F13/85
A63F13/825
A63F13/69
A63F13/35
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023091417
(22)【出願日】2023-06-02
【審査請求日】2023-06-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518260552
【氏名又は名称】株式会社ミラティブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】栗田 健悟
(72)【発明者】
【氏名】北村 青樹
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0258433(US,A1)
【文献】特開2022-002702(JP,A)
【文献】特開2018-086124(JP,A)
【文献】特開2016-049437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0244792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ毎に育成対象物を育成可能であって、かつ一のユーザが他のユーザの前記育成対象物を訪問可能なゲームを提供するゲーム提供部と、
前記一のユーザが移動操作により前記他のユーザの前記育成対象物を訪問すると、前記一のユーザに対して前記ゲーム内で有利な効果を生じる特典を付与する特典付与部と、
前記育成対象物を訪問したユーザに贈与可能な贈与物を前記他のユーザの設定操作により前記育成対象物に対して設定する贈与物設定部と、
を備えるオンラインゲーム用サーバ。
【請求項2】
前記贈与物は前記育成対象物に使用可能なアイテムである請求項1に記載のオンラインゲーム用サーバ。
【請求項3】
前記育成対象物は農園および前記農園内で育成される農作物であり、前記贈与物は前記農作物である請求項1に記載のオンラインゲーム用サーバ。
【請求項4】
前記特典付与部は、前記一のユーザが前記他のユーザの前記育成対象物を訪問し、前記他のユーザに対する協力作業を行うと前記特典を付与する請求項1に記載のオンラインゲーム用サーバ。
【請求項5】
前記特典付与部は、前記一のユーザが前記他のユーザの前記育成対象物を訪問すると、前記他のユーザに対しても前記特典を付与する請求項1に記載のオンラインゲーム用サーバ。
【請求項6】
前記特典は、前記育成対象物の育成促進効果を付与するアイテムである請求項1乃至の何れか1項に記載のオンラインゲーム用サーバ。
【請求項7】
前記特典は、前記ゲーム内におけるプレイヤーの活動可能量の増加である請求項1乃至の何れか1項に記載のオンラインゲーム用サーバ。
【請求項8】
前記特典は、ユーザが前記贈与物を受け取れる最大量の増加効果である請求項1乃至の何れか1項に記載のオンラインゲーム用サーバ。
【請求項9】
ユーザ毎に育成対象物を育成可能であって、かつ一のユーザが他のユーザの前記育成対象物を訪問可能なゲームを提供するゲーム提供部と、
前記一のユーザが前記他のユーザの前記育成対象物を訪問すると、前記一のユーザに対して前記ゲーム内で有利な効果を生じる特典を付与する特典付与部と、
前記育成対象物を訪問したユーザに贈与可能な贈与物を前記育成対象物に対して設定する贈与物設定部と、
を備え、
前記一のユーザが前記他のユーザの前記育成対象物を訪問し、前記他のユーザに対する協力作業を行うと、前記一のユーザが受け取れる前記贈与物の最大量が増加するオンラインゲーム用サーバ。
【請求項10】
ユーザ毎に育成対象物を育成可能であって、かつ一のユーザが他のユーザの前記育成対象物を訪問可能なゲームを提供するゲーム提供工程と、
前記一のユーザが移動操作により前記他のユーザの前記育成対象物を訪問すると、前記一のユーザに対して前記ゲーム内で有利な効果を生じる特典を付与する特典付与工程と、
前記育成対象物を訪問したユーザに贈与可能な贈与物を前記他のユーザの設定操作により前記育成対象物に対して設定する贈与物設定工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインゲームを提供するオンラインゲーム用サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の各種デバイスの高性能化、高機能化と、インターネットによる通信の高速化とに伴い、各種のオンラインゲームが普及している。
【0003】
こうしたオンラインゲームの一例として、箱庭や農園等の、ユーザが自身に割り振られた仮想空間に任意のオブジェクトを配置していき当該仮想空間を育成する等、自身の育成対象物を育成する種々の育成ゲームがある。
【0004】
また、このような育成ゲームにおいては、ユーザ間で多様なコミュニケーションを可能とすべく、種々の機能が実装されている。
【0005】
例えば、ユーザが他のユーザの育成対象物に訪問する機能と共に、ユーザ間でメッセージの送受信を行う機能を実装することで、育成対象物に関する話題を介してユーザ同士のコミュニケーションを促進することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2021-083945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、育成ゲームでは自身の育成対象物を育成するために多くの時間を割く必要があるため、時間を割いて他のユーザの育成対象物を訪問するというモチベーションが生じにくいという問題があった。そして、他のユーザの育成対象物への訪問が行われないと、当該他のユーザとのコミュニケーションが促進されないという問題もあった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザに対して他のユーザの育成対象物を訪問するモチベーションを高め、他のユーザとのコミュニケーションを促進することができるオンラインゲーム用サーバおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ユーザ毎に育成対象物を育成可能であって、かつ一のユーザが他のユーザの前記育成対象物を訪問可能なゲームを提供するゲーム提供部と、前記一のユーザが移動操作により前記他のユーザの前記育成対象物を訪問すると、前記一のユーザに対して前記ゲーム内で有利な効果を生じる特典を付与する特典付与部と、前記育成対象物を訪問したユーザに贈与可能な贈与物を前記他のユーザの設定操作により前記育成対象物に対して設定する贈与物設定部と、を備えるオンラインゲーム用サーバであることを特徴とする。
【0010】
上記オンラインゲーム用サーバにおいて、前記贈与物は前記育成対象物に使用可能なアイテムであることが好ましい。
【0011】
また、上記オンラインゲーム用サーバにおいて、前記育成対象物は農園および前記農園内で育成される農作物であり、前記贈与物は前記農作物であることが好ましい。
【0013】
上記オンラインゲーム用サーバにおいて、前記特典付与部は、前記一のユーザが前記他のユーザの前記育成対象物を訪問し、前記他のユーザに対する協力作業を行うと前記特典を付与することが好ましい。
【0014】
また、上記オンラインゲーム用サーバにおいて、前記特典付与部は、前記一のユーザが前記他のユーザの前記育成対象物を訪問すると、前記他のユーザに対しても前記特典を付与することが好ましい。
【0015】
また、上記オンラインゲーム用サーバにおいて、前記特典は前記育成対象物の育成促進効果を付与するアイテムであることが好ましい。
【0016】
また、上記オンラインゲーム用サーバにおいて、前記特典は、前記ゲーム内におけるプレイヤーの活動可能量の増加であることが好ましい。
【0017】
また、上記オンラインゲーム用サーバにおいて、前記特典は、ユーザが前記贈与物を受け取れる最大量の増加効果であることが好ましい。
【0018】
また、上記オンラインゲーム用サーバにおいて、前記一のユーザと前記他のユーザとにコミュニケーション機能を提供するコミュニケーション提供部をさらに備えることが好ましい。
【0019】
また、本発明は、ユーザ毎に育成対象物を育成可能であって、かつ一のユーザが他のユーザの前記育成対象物を訪問可能なゲームを提供するゲーム提供部と、前記一のユーザが前記他のユーザの前記育成対象物を訪問すると、前記一のユーザに対して前記ゲーム内で有利な効果を生じる特典を付与する特典付与部と、前記育成対象物を訪問したユーザに贈与可能な贈与物を前記育成対象物に対して設定する贈与物設定部と、を備え、前記一のユーザが前記他のユーザの前記育成対象物を訪問し、前記他のユーザに対する協力作業を行うと、前記一のユーザが受け取れる前記贈与物の最大量が増加するオンラインゲーム用サーバであることを特徴とする。
また、本発明は、ユーザ毎に育成対象物を育成可能であって、かつ一のユーザが他のユーザの前記育成対象物を訪問可能なゲームを提供するゲーム提供工程と、前記一のユーザが移動操作により前記他のユーザの前記育成対象物を訪問すると、前記一のユーザに対して前記ゲーム内で有利な効果を生じる特典を付与する特典付与工程と、前記育成対象物を訪問したユーザに贈与可能な贈与物を前記他のユーザの設定操作により前記育成対象物に対して設定する贈与物設定工程と、をコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上述した構成からなる本発明によれば、ユーザに対して他のユーザの育成対象物を訪問するモチベーションを高め、他のユーザとのコミュニケーションを促進することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバが適用されるオンラインゲーム提供システムを示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバの構成ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバの機能ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバと通信を行う端末に表示されるプレイ画面の具体例を示す模式図である。
図5】本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバによる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバが適用されるオンラインゲーム提供システムについて説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバ2が適用されるオンラインゲーム提供システム1を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態に係るオンラインゲーム提供システム1は、オンラインゲーム用サーバ2(以下、単に「サーバ2」ともいう)と、サーバ2にネットワークNを介して接続されたN個の端末3(3A、3B、3C、…、3N)を備えて構成されている。
【0024】
オンラインゲーム提供システム1は、本実施形態においてはユーザ毎に育成対象物としての農園およびそこで栽培される農作物を育成および収穫可能であって、かつ一のユーザが他のユーザの農園を訪問可能な農園育成ゲームをユーザに提供するシステムである。
【0025】
具体的には、オンラインゲーム提供システム1では、サーバ2は農園育成ゲームを提供し、各ユーザは自身が所有する端末3からサーバ2にアクセスすることにより、端末3からゲームの操作情報をサーバ2に送信し、サーバ2は当該操作情報に基づきゲーム内の各種の情報処理を行い、プレイ画面情報を含む当該情報処理の結果をユーザの端末3に送信し、ユーザの端末3は当該情報処理の結果に基づきプレイ画面を表示する。すなわち、ユーザの端末3は、ゲームの操作情報の生成と送信、およびプレイ画面情報の受信とプレイ画面の描画のみを行い、その他のゲームに関する情報処理は全てサーバ2により行われる。
【0026】
また、当該ゲームをプレイする一のユーザが他のユーザの農園に訪問を希望する場合には、当該一のユーザの端末3に自身の農園に加えて当該他のユーザの農園も表示されると共に、当該一のユーザに対応するアイコンに加えて当該他のユーザに対応するアイコンも表示されるようになっている(図5参照)。
【0027】
端末3は、通信機能、音声通話機能、録音録画機能、操作機能及び表示機能等を備える端末であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末およびPC等、インストールされたプログラムを介してサーバ2にアクセスすることにより、サーバ2により提供される農園育成ゲームをプレイすることができる端末である。また、端末3は、チャット機能や通話機能を備えている。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバ2の構成ブロック図である。図2に示すように、サーバ2は、サーバ2の全体を制御する制御部21と、記憶手段25と、通信部26とを備えている。
【0029】
制御部21は、制御部21全体を制御するCPU22と、CPU22上で動作する制御プログラム等を格納したROM23と、各種データを一時的に格納するためのRAM24とを備えて構成されている。
【0030】
図3は、本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバ2の機能ブロック図である。図3に示すように、制御部21は、CPU22がROM23に格納されているプログラムをRAM24に展開して実行することにより、ゲーム提供部221、育成対象物管理部222、特典付与部223、贈与物設定部224およびコミュニケーション提供部225として機能する。
【0031】
ゲーム提供部221は、記憶手段25に保存されている農園育成ゲームのゲームデータに基づき、端末3にゲームを提供する。上述したように端末3はゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ画面の描画のみを行い、その他のゲームに関する情報処理は全てゲーム提供部221により行われる。すなわち、ゲーム提供部221は、端末3から送信される操作情報に基づきゲーム内の各種の情報処理を行い、当該情報処理の結果を端末3に送信する。そして、端末3は、受信したゲーム提供部221による情報処理の結果に基づいてプレイ画面を表示する。
【0032】
ゲーム提供部221が提供する農園育成ゲームは、育成対象物として農園自体と、当該農園において栽培される農作物を育成および収穫可能な育成ゲームである。農園の育成とは、農園のレイアウトのアレンジ、各種装飾物の配置、土壌改良等を行うことである。そして、農園で育成される農作物は種々のものがあり、育成に所定の時間を要し、収穫可能な状態まで育成した段階でユーザにより収穫されるものである。また、この農園育成ゲームでは、収穫された農作物は売却することで換金可能であり、換金により得たゲーム内資金により、ゲーム内で使用される農作物の種子や肥料、農機具等を購入可能になっている。さらに、この農作物は、他のユーザに贈与することも可能になっている。
【0033】
また、ゲーム提供部221が提供する農園育成ゲームでは、種々の条件(例えば、農作物を売却する、ミッションをクリアする等)を達成する度に、スコアを獲得可能になっている。そして、獲得したスコアが段階的に設けられている所定の閾値を超える度に、育成対象物である農園のレベルが上がるようになっている。
【0034】
さらに、ゲーム提供部221が提供する農園育成ゲームでは、ユーザ間で農園を訪問し合うことが可能になっている。そして、一のユーザが他のユーザの農園を訪問した際に、当該一のユーザが他のユーザの農園で種まきや収穫作業を手伝ったり、農園で使用可能なアイテムや収穫物等の贈与物を当該他のユーザに贈与したりすることができる。このように、ユーザ間で収穫作業の手伝いや贈与物の贈与が可能であることにより、ユーザ間で親密なコミュニケーションを形成するきっかけを付与することができる。
【0035】
育成対象物管理部222は、各農園において栽培可能な農作物を、農作物データベース(不図示)として記憶手段25に保存する。本実施形態においては、農園のレベルに応じて育成可能な農作物や、農作物の収穫までに要する時間が異なるようになっている。
【0036】
特典付与部223は、一のユーザが他のユーザの農園を訪問すると、当該一のユーザに対してゲーム内で有利な効果を生じる特典を付与する。この特典は、例えば農作物の育成促進効果を付与する堆肥や肥料等のアイテムである。また、ゲーム内におけるプレイヤーの活動可能量(スタミナ)が設定されていて、スタミナを消費するとスタミナが回復するまで活動できないように設定されているゲームである場合には、スタミナの増加を特典としてもよい。このような特典付与を行うことにより、一のユーザが他のユーザの農園を訪問するモチベーションを高めることができる。
【0037】
また、特典付与部223は、ユーザが他のユーザの農園を訪問した際に、当該他のユーザに対しても特典を付与してもよい。これにより、各ユーザは他のユーザに自身の農園を訪問してもらえるように農園の育成に励むようになり、農園育成のモチベーションを高めることができる。
【0038】
贈与物設定部224は、ユーザの設定操作に基づき、農園を訪問した他のユーザに贈与可能な贈与物を農園に対して設定する。本実施形態においては、贈与物は農園で使用可能な種子や苗等のアイテムや、農園内で育成された農作物である。あるユーザの農園を訪問した他のユーザに対して贈与物が贈与されるように設定することで、当該他のユーザによる訪問を促進することが可能になる。
【0039】
なお、上述した特典付与部223が、ユーザの農園を訪問した他のユーザへの特典付与だけでなく、当該ユーザ自身に対する特典付与も行う態様であってもよい。この場合、贈与物設定部224により設定された贈与物の贈与を通じて当該他のユーザの訪問を促進し、さらに自身への特典付与の機会も増進することが可能になる。このように、特典付与部223と贈与物設定部224とが協働することにより、ユーザ同士が互いに農園を訪問し合うモチベーションを高めることができる。
【0040】
なお、贈与物の付与は、単一の贈与物を用意した後、自身の農園を最初に訪問した他のユーザに対してのみ行う態様でもよく、あるいは贈与物を複数用意可能であると共に当該贈与物の数に対応した複数の他のユーザに対して贈与される態様であってもよい。また、ユーザ毎に受け取れる贈与物の最大量が設定されている場合には、例えば一のユーザが他のユーザの農園を訪問して、水やりや草むしり、収穫作業の手伝い等の協力作業を行うと、当該最大量が増加してもよい。これによって、ユーザ間のコミュニケーションを促進することが可能になる。さらに、上述した特典付与部223により付与される特典として、ユーザが受け取れる贈与物の最大量の増加効果が含まれてもよい。これによって、一のユーザが他のユーザの農園を訪問するモチベーションを高めることができる。
【0041】
コミュニケーション提供部225は、ユーザの端末3に対して農園育成ゲーム内で他のユーザとチャットや音声通話等のコミュニケーション機能を提供する。上述したように、ユーザ同士が互いの農園を訪問し合うことで共通の話題が生まれ、さらにコミュニケーション提供部225により提供されるコミュニケーション機能を利用してユーザ同士がコミュニケーションを行うことにより、ユーザ同士が親密になる機会を付与することができる。
【0042】
図2に戻り、サーバ2は、制御部21に加えて、記憶手段25と、通信部26とを備えている。
【0043】
記憶手段25は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成されている。記憶手段25は、サーバ2が機能するために必要になる、農園育成ゲームに関するデータや、農作物データベース等の各種のデータベースを記憶する。
【0044】
通信部26は、ネットワークインターフェースであり、ネットワークNを介して端末3と通信する。通信部26は、端末3から受信した各種データを制御部21に渡すと共に、制御部21が生成したデータを端末3に送信する。
【0045】
次に、上述した構成を備えるオンラインゲーム提供システム1により提供されるゲームの様子について説明する。図4は、本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバ2と通信を行う端末3に表示されるプレイ画面の具体例を示す模式図である。図4に示すように、サーバ2と通信して農園育成ゲームを行う際、端末3には、プレイ画面ウィンドウVと、チャットウィンドウCと、チャット入力ウィンドウIと、各種操作メニューを呼び出すメニューボタンLとが表示される。
【0046】
プレイ画面ウィンドウVは、ゲーム提供部221から配信されるゲームのプレイ画面が表示されるウィンドウである。
【0047】
プレイ画面ウィンドウVには、本実施形態においては端末3を介して農園育成ゲームを行うユーザ(ゲーム内におけるユーザ名が「あおい」)自身のアイコンA1と、あおいの農園F1と、農園F1内で育成されている農作物B1と、農園F1内に配置されるオブジェクトである家O1が表示されている。
【0048】
また、プレイ画面ウィンドウVには、さらに所定の操作(例えば、不図示の検索機能を用いた検索やランダム表示機能等)により抽出された他のユーザ(ゲーム内におけるユーザ名が「ひなた」)のアイコンA2と、他のユーザの農園F2と、農園F2内で育成されている農作物B2と、農園F2内に配置されているオブジェクトである家O2が表示されている。
【0049】
ユーザ(あおい)は農園育成ゲーム内でアイコンA1を操作することにより、農作物B1を栽培および収穫したり、家O1を改築したりすることができる。また、ユーザはアイコンA1を操作して移動することにより、他のユーザ(ひなた)の農園F2を訪問したり、当該農園F2において他のユーザと一緒に農作物B2を収穫する等の協力作業を行ったりすることができる。アイコンA1(およびA2)は、ユーザが任意にデザインすることができると共に、各種の装飾品を装備することが可能になっている。
【0050】
チャットウィンドウCは、文字や絵文字によるチャットが表示されるウィンドウであり、発言者である視聴者の名前(「あおい」、「ひなた」)と、各発言者による発言(「はじめまして!」や「こちらこそはじめまして!よろしく!」)が表示される。
【0051】
チャット入力ウィンドウIは、チャットウィンドウCに表示される発言を入力するためのウィンドウである。発言を希望する視聴者が、このチャット入力ウィンドウI内に端末4の文字入力機能を用いて文字や絵文字を入力して当該文字データをサーバ2に送信することにより、それぞれのユーザが所持する端末3のチャットウィンドウCに当該文字が表示される。
【0052】
次に、上述した構成及び機能を有するサーバ2の動作についてフローチャートを用いて説明する。図5は、本発明の実施形態に係るオンラインゲーム用サーバ2による処理を示すフローチャートである。
【0053】
図5に示すように、まず、ゲーム提供部221によりユーザに農園育成ゲームが提供される(ステップS1)。当該農園育成ゲームでは、各ユーザが農園内で農作物を栽培し収穫している。
【0054】
次に、特典付与部223は、農園育成ゲーム内でユーザが他のユーザの農園を訪問した場合(ステップS2:YES)、当該ユーザに対して特典を付与する(ステップS3)。
【0055】
次に、贈与物設定部224は、ユーザの農園に贈与物が設定されている場合(ステップS4:YES)、特典が付与された他のユーザに、さらに贈与物を付与し(ステップS5)、特典と贈与物の付与に関する処理が終了し、ゲーム提供部211によるゲームの提供が継続される。
【0056】
また、ステップS2においてユーザが他のユーザの農園を訪問しない場合(ステップS2:NO)、特典の付与は行われずに、特典と贈与物の付与に関する処理が終了し、ゲーム提供部211によるゲームの提供が継続される。
【0057】
また、ステップS4において農園に贈与物が設定されていない場合(ステップS4:NO)、贈与物の付与は行われずに、特典と贈与物の付与に関する処理が終了し、ゲーム提供部211によるゲームの提供が継続される。
【0058】
上述した本実施形態に係るオンラインゲーム用サーバ2によれば、他のユーザの育成対象物を訪問したユーザに対して特典が付与されることにより、当該ユーザの他のユーザの育成対象物を訪問するモチベーションを高めることができる。また、ユーザが自身の育成対象物を訪問した他のユーザに対して贈与物を付与することにより、他のユーザによる育成対象物の訪問を促進することが可能になる。そして、他のユーザの育成対象物への訪問機会を増やすことにより、ユーザ間のコミュニケーションを促進することが可能になる。
【0059】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形を採用することができる。
【0060】
例えば、上述した実施形態においては、端末3は、ゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ画面の描画のみを行い、その他のゲームに関する情報処理は全てサーバ2により行われていたが、本発明においてはこれに限らず、端末3が、ゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ画面の描画以外の、上述した実施形態においてサーバ2が担っていた情報処理の少なくとも一部を行ってもよい。
【0061】
また、上述した実施形態においては育成対象物として農園および農作物を育成する農園育成ゲームを例に説明したが、本発明においてはこれに限らず、育成対象物が動物である動物育成ゲームや、育成対象物が都市である都市建築ゲーム等であってもよい。
【0062】
また、特典付与部223は、ユーザが他のユーザの育成対象物を訪問し、所定の行為を行った場合に当該ユーザ(または当該ユーザと他のユーザ)に特典を付与する態様であってもよい。例えば、上述した実施形態に係る農園育成ゲームでは、ユーザが他のユーザの農園を訪問し、当該農園で農作物の種まきや水やり、収穫を手伝う等の、他のユーザに対する協力作業をした場合に特典を付与する態様であってもよい。このような態様によっても、当該協力作業に対する話題(お礼等)を介してコミュニケーションを促進することができる。
【符号の説明】
【0063】
1:オンラインゲーム提供システム
2:オンラインゲーム用サーバ
3:端末
21:制御部
22:CPU
23:ROM
24:RAM
25:記憶手段
26:通信部
221:ゲーム提供部
222:育成対象物管理部
223:特典付与部
224:贈与物設定部
225:コミュニケーション提供部
A1、A2:アイコン
B1、B2:農作物
C:チャットウィンドウ
F1、F2:農園
I:チャット入力ウィンドウ
L:メニューボタン
O1、O2:家
V:プレイ画面ウィンドウ
【要約】
【課題】ユーザに対して他のユーザの育成対象物を訪問するモチベーションを高め、他のユーザとのコミュニケーションを促進することができるオンラインゲーム用サーバおよびプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザ毎に育成対象物を育成可能であって、かつ一のユーザが他のユーザの前記育成対象物を訪問可能なゲームを提供するゲーム提供部221と、前記一のユーザが前記他のユーザの前記育成対象物を訪問すると、前記一のユーザに対して前記ゲーム内で有利な効果を生じる特典を付与する特典付与部223と、育成対象物を訪問したユーザに贈与可能な贈与物を育成対象物に対して設定する贈与物設定部224と、を備えるオンラインゲーム用サーバ2。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5