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  • 特許-コーンバー収納構造およびコーンバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】コーンバー収納構造およびコーンバー
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/02 20060101AFI20231107BHJP
   E01F 13/00 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
E01F13/02 A
E01F13/00 301
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023137829
(22)【出願日】2023-08-28
【審査請求日】2023-08-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511173169
【氏名又は名称】株式会社トップ
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】河江 宏幸
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特許第7162319(JP,B1)
【文献】特開2022-029370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/02
E01F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐状の本体部と、本体部の下側に本体部よりも幅広の台座部と、を備えた保安器具であるロードコーンに、本体部と本体部の間に架設するコーンバーを収納させるコーンバー収納構造であって、
ロードコーンの本体部に上から掛けて止める掛止部をコーンバーに設け
掛止部は、ロードコーンの本体部上部外周に掛け止める環状体であることを特徴としたコーンバー収納構造。
【請求項2】
環状体は、コーンバーに対して折曲自在であることを特徴とした請求項記載のコーンバー収納構造。
【請求項3】
円錐状の本体部と、本体部の下側に本体部よりも幅広の台座部と、を備えた保安器具であるロードコーンに、本体部と本体部の間に架設するコーンバーを収納可能にするコーンバーであって、
ロードコーンの本体部に上から掛けて止める掛止部、
を備え
掛止部は、ロードコーンの本体部上部外周に掛け止める環状体であることを特徴とするコーンバー。
【請求項4】
環状体は、コーンバーに対して折曲自在であることを特徴とした請求項3記載のコーンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、保安器具であるロードコーン(いわゆるカラーコーン:登録商標)にコーンバーを収納させるためのコーンバー収納の仕組みに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロードコーンとコーンバーが交互に並んでいる状態において、工事車両などが出入りする際には、ロードコーンとコーンバーを移動させ、「工事車両が出入りするスペース」を確保する必要がある。
【0003】
具体的には、図6(A)で図示するように、1個のロードコーン50とその両脇にある2本のコーンバー60,60を移動させて、図6(B)で図示するように、工事車両70(2t~4tトラック等)などが出入りするスペースを確保している。
また、図7(A)で図示するように、工事車両71が大型(10tクラスのトラック等)になると、スペースを確保するために、図7(B)で図示するように、ロードコーン50を2個とコーンバー60を3本移動させることになる。
【0004】
この時、外したコーンバーは「手に持ったまま」では誘導の邪魔になるため、ほとんどの場合は「放り投げて道路上に放置する」ことになる。
【0005】
その場合、次のような問題点がある。
(1)道路上にコーンバーが横倒しに置かれることにより、約4cmの厚み(コーンバーの直径)が段差となり、歩行者や自転車が転倒する危険がある。
(2)道路上にコーンバーが横倒しに置かれることにより、約1.5m~2.0mの長さ(コーンバーの長さ)の棒が道路上に「場所をとる(占拠する)状態になる」ため、歩行者や自転車の進行を妨害する危険がある。
(3)ロードコーンとコーンバーを移動させる場合、片手にロードコーンを持ち、もう一方の片手にコーンバーを持つので、両手がふさがる状態となる。危険を知らせるために、警笛を吹く場合や、手で合図を行う場合など、どちらかの手を離すことになるので危険を知らせる行動が遅れる。
(4)コーンバーを道路上に置くことにより、土や砂、雨水などの汚れが付き、コーンバーの材質が劣化して、視認性が低くなり、歩行者や車両に十分な警告機能を果たさなくなる。また、道路上に放置されたコーンバーは、作業現場である道路の美観を損ねる。さらに、通行人(歩行者や車両等)や近隣住民などから苦情のおそれがある。
(5)コーンバーを「放り投げて道路上に置く」ため、壊れやすい。
(6)コーンバーは長尺のため、手で持って移動する際には、歩行者や車両等と接触する危険性がある。
【0006】
一方、上記問題点とは若干異なるが、特許文献1では『コーンバーを三角コーンに取り付けるとき、作業車からコーンバーを1本ずつ取り出していると手間と時間がかかってしまうという問題があった。コーンバーは長尺であり、作業車から取り出しにくいという問題があった。また、道路上で複数本のコーンバーを抱えて作業すると、抱えたコーンバーを落としてしまうという問題があった。交通量の多い車道にコーンバーを落としてしまうと非常に危険である。』(特許文献1発明の詳細な説明[0005]及び[0006])という問題点を解決するために、三角コーン(ロードコーン)にコーンバーテープ(テープ状のコーンバー)を内蔵させた発明を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2020-84523号公報
【文献】特許第7162319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の発明は、コーンバーテープを三角コーンに内蔵させることで問題点を解決したが、三角コーンに内蔵させるために一般的な硬質のコーンバーではなく、巻取り可能なコーンバーテープを使用する。また、三角コーン内部にコーンバーテープを内蔵させるので、三角コーンの特徴(利便性)の1つである「積み重ね」(=コンパクトな収納・保管・運搬を実現)ができないというデメリットがある。
【0009】
これに対して、本願発明者は、現在一般に広く使用されている硬質のコーンバーをそのまま使用しつつ、上記問題点を解決することを目指し、思索を重ねた。その結果、コーンバーをロードコーンに「立てた状態で収納」することに辿り着き、特許文献2を完成させた。本願発明は、これに続く発明である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明の第1の発明は、円錐状の本体部と、本体部の下側に本体部よりも幅広の台座部と、を備えた保安器具であるロードコーンに、本体部と本体部の間に架設するコーンバーを収納させるコーンバー収納構造であって、ロードコーンの本体部に上から掛けて止める掛止部をコーンバーに設けることを特徴としたものである。
第2の発明は、掛止部が、ロードコーンの本体部上部外周に掛け止める環状体であることを特徴とした上記第1の発明に係るコーンバー収納構造である。
第3の発明は、環状体が、コーンバーに対して折曲自在であることを特徴とした上記第2の発明に係るコーンバー収納構造である。
第4の発明は、掛止部が、ロードコーンの本体部の頂部に形成された開口縁に掛け止めるフック体であることを特徴とした上記第1の発明に係るコーンバー収納構造である。
第5の発明は、フック体と嵌合する凹部をロードコーンの本体部の頂部に形成された開口縁に設けることを特徴とした請求項4記載のコーンバー収納構造。
第6の発明は、円錐状の本体部と、本体部の下側に本体部よりも幅広の台座部と、を備えた保安器具であるロードコーンに、本体部と本体部の間に架設するコーンバーを収納可能にするコーンバーであって、ロードコーンの本体部に上から掛けて止める掛止部、を備えたことを特徴とするものである。この掛止部は、上記第2の発明にあるように、環状体であってもよいし、上記第4の発明にあるように、フック体であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本願発明によれば、現在一般に広く使用されている硬質のコーンバーをロードコーンに「立てかけた状態で収納」することができる。
これにより、上記する問題点(1)~(6)が解決できる。
また、本願発明によれば、ロードコーンの本体部にコーンバーの掛止部を上から掛けて止めるので、収納作業がしやすい。
さらに、本願発明によれば、ロードコーンの本体部にコーンバーの掛止部を上から自由(本体部の水平方向360度自由)に掛け止めできる(掛止部の位置が限定されない)。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(1)。
図2】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(2)。
図3】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(3)。
図4】本願発明の第2実施形態を説明する説明図。
図5】本願発明の第3実施形態を説明する説明図。
図6】これまでのロードコーンとコーンバーの使用状態を説明する説明図(1)。
図7】これまでのロードコーンとコーンバーの使用状態を説明する説明図(2)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願発明に係るコーンバー収納構造の実施形態を、図面に基いて説明する。
なお、以下に説明する実施形態は本願発明の一例であり、これに限定されるものではない。
【0014】
図1図3は、本願発明に係るコーンバー収納構造の第1実施形態を説明する説明図である。
図1に図示するように、コーンバー20は、バー本体21に掛止部としての環状体22を備える。それにより、その環状体22をロードコーン10の本体部11へ上から掛け止めることができて、コーンバー20をロードコーン10に「立てかけた状態で収納」することができる。この場合、本体部11及び環状体22は円形であるので、360度自由に掛け止めることができる。
【0015】
なお、収納されたコーンバー20の両端部29は、ロードコーン10の台座部18と当接することになるが、台座部18に両端部29を係止する係止溝を設けてもよい(その他の実施形態においても同じ)。
【0016】
図2は、環状体22の構造(折曲自在)について図示したものである。
図2(a)では、環状体22とコーンバー20のバー本体21とが、ヒンジ構造23で連結されており、折曲自在であるとともに、マグネット機構30(30A及び30B)を備えて、使用時に起立させた環状体22を((a)-1)、非使用時にはバー本体21に沿うように折り曲げた状態で固定できる((a)-2)。
【0017】
図2(b)では、マグネット機構30に替えて、雄部35A及び雌部35Bの嵌合機構35で、使用時に起立させた環状体22を((b)-1)、非使用時にはバー本体21に沿うように折り曲げた状態で固定できる((b)-2)。
【0018】
図3は、環状体22のヒンジ構造23について図示したものである。
図3(a)は、シングルタイプのヒンジ構造23Aを図示し、図3(b)は、ダブルタイプのヒンジ構造23Bを図示した。
【0019】
図4は、本願発明に係るコーンバー収納構造の第2実施形態を説明する説明図である。
図4に図示するように、コーンバー20は、バー本体21に掛止部としてのフック体25を備える。そのフック体25を、ロードコーン10の本体部11の頂部12に形成された開口縁13に上から掛け止める。これによって、コーンバー20をロードコーン10に「立てかけた状態で収納」することができる。この場合、開口縁13は環状であるので、フック体25は360度自由に掛け止めることができる。
【0020】
図5は、本願発明に係るコーンバー収納構造の第3実施形態を説明する説明図である。
第3実施形態は、図4に図示した第2実施形態を一部改良したものである。すなわち、フック体25と嵌合する切欠溝14を、ロードコーン10の本体部11の頂部12に形成された開口縁13に設けた。
これにより、フック体25と切欠溝14とが嵌合し、フック体25を確実に掛け止めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本願発明に係るコーンバー収納構造は、現在一般に広く使用されている硬質のコーンバーに対応したコーンバーの収納技術として、工事現場・その他に幅広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0022】
10 ロードコーン
11 本体部
12 頂点
13 開口縁
14 切欠溝
18 台座部
20 コーンバー
21 バー本体
22 環状体(掛止部)
23 ヒンジ構造
25 フック体(掛止部)
29 両端部
30 マグネット機構
35 嵌合機構
50 ロードコーン
60 コーンバー
70 工事車両
71 工事車両(大型)
【要約】
【課題】 現在一般に広く使用されている硬質のコーンバーをそのまま使用しつつ、コーンバーを確実にロードコーンに収納できるコーンバー収納構造を提供することにある。
【解決手段】 コーンバー20は、バー本体21に掛止部としてのフック体25を備える。そのフック体25を、ロードコーン10の本体部11の頂部12に形成された開口縁13に上から掛け止める。これによって、コーンバー20をロードコーン10に「立てかけた状態で収納」することができる。この場合、開口縁13は環状であるので、フック体25は360度自由に掛け止めることができる。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7