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特許7378869体感距離情報生成プログラム、体感距離情報生成方法および体感距離情報生成装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】体感距離情報生成プログラム、体感距離情報生成方法および体感距離情報生成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20130101AFI20231107BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20231107BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20231107BHJP
   G06F 16/958 20190101ALI20231107BHJP
【FI】
G06F3/048
G06T11/60 100A
G06Q50/00
G06F16/958
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023526379
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2021038864
(87)【国際公開番号】W WO2023067746
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-04-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513084229
【氏名又は名称】データ・サイエンティスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(72)【発明者】
【氏名】榊原 直也
(72)【発明者】
【氏名】廣部 祐樹
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-048636(JP,A)
【文献】特開2010-140209(JP,A)
【文献】特開2021-064068(JP,A)
【文献】特開2020-071534(JP,A)
【文献】特開2001-337762(JP,A)
【文献】特開2020-160746(JP,A)
【文献】特開2007-164555(JP,A)
【文献】特開2010-044617(JP,A)
【文献】特開2021-071785(JP,A)
【文献】特開2000-353122(JP,A)
【文献】特開2001-243147(JP,A)
【文献】特開2003-271779(JP,A)
【文献】特開平09-198408(JP,A)
【文献】特開平07-037058(JP,A)
【文献】特開平09-288556(JP,A)
【文献】特開平11-265331(JP,A)
【文献】特表2012-515382(JP,A)
【文献】米国特許第10534512(US,B2)
【文献】国際公開第2004/111879(WO,A1)
【文献】村田 剛志,対象の参照度に基づく視覚化手法,第43回 知識ベースシステム研究会資料,日本,社団法人人工知能学会,1999年03月23日,(SIG-KBS-9803-17),pp.99-104.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
G06T 11/60
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、として機能させ、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースの表示位置と、体感距離との関係について所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースの表示位置と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成プログラム。
【請求項2】
前記所定の基準は、前記インターフェースの表示位置が上であるほど、または、左であるほど、体感距離が短くなるよう、定められている、請求項1に記載の体感距離情報生成プログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、として機能させ、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースにアクセスするために要するユーザ操作と、体感距離との関係について所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースにアクセスするために要するユーザ操作と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成プログラム。
【請求項4】
前記所定の基準は、前記インターフェースにアクセスするために要する操作デバイスの移動量が短いほど、または、操作デバイスに対する操作数が少ないほど、体感距離が短くなるよう、定められている、請求項3に記載の体感距離情報生成プログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、として機能させ、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースの表示態様と、体感距離との関係について所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースの表示態様と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成プログラム。
【請求項6】
前記所定の基準は、前記インターフェースが大きいほど、太いほど、または、濃いほど、体感距離が短くなるよう、定められている、請求項3に記載の体感距離情報生成プログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、として機能させ、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースをユーザがアクセス可能になるまでの時間が短いほど、体感距離が短くなるよう、所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースをユーザがアクセス可能になるまでの時間と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、として機能させ、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースをユーザがアクセスしてから該インターフェースにリンクされた画面に遷移するまでの時間が短いほど、体感距離が短くなるよう、所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースをユーザがアクセスしてから前記第2画面に遷移するまでの時間と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成プログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、前記体感距離に基づいて、前記第1画面と前記第2画面との関係を示す体感距離情報を生成する体感距離情報生成部として機能させる、請求項1乃至8の何れかに記載の体感距離情報生成プログラム。
【請求項10】
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、を備え、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースの表示位置と、体感距離との関係について所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースの表示位置と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成装置。
【請求項11】
体感距離算出部が、第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出するステップと、
出力制御部が、前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発するステップと、を含み、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースの表示位置と、体感距離との関係について所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースの表示位置と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成方法。
【請求項12】
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、を備え、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースにアクセスするために要するユーザ操作と、体感距離との関係について所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースにアクセスするために要するユーザ操作と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成装置。
【請求項13】
体感距離算出部が、第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出するステップと、
出力制御部が、前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発するステップと、を含み、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースにアクセスするために要するユーザ操作と、体感距離との関係について所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースにアクセスするために要するユーザ操作と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成方法。
【請求項14】
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、を備え、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースの表示態様と、体感距離との関係について所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースの表示態様と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成装置。
【請求項15】
体感距離算出部が、第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出するステップと、
出力制御部が、前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発するステップと、を含み、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースの表示態様と、体感距離との関係について所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースの表示態様と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成方法。
【請求項16】
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、を備え、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースをユーザがアクセス可能になるまでの時間が短いほど、体感距離が短くなるよう、所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースをユーザがアクセス可能になるまでの時間と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成装置。
【請求項17】
体感距離算出部が、第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出するステップと、
出力制御部が、前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発するステップと、を含み、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースをユーザがアクセス可能になるまでの時間が短いほど、体感距離が短くなるよう、所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースをユーザがアクセス可能になるまでの時間と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成方法。
【請求項18】
第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出する体感距離算出部と、
前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部と、を備え、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースをユーザがアクセスしてから該インターフェースにリンクされた画面に遷移するまでの時間が短いほど、体感距離が短くなるよう、所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースをユーザがアクセスしてから前記第2画面に遷移するまでの時間と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成装置。
【請求項19】
体感距離算出部が、第1画面から第2画面へ遷移する際の体感距離を算出し、かつ、前記第1画面と前記第2画面との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出するステップと、
出力制御部が、前記体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発するステップと、を含み、
前記第1画面に含まれるインターフェースに対するユーザ操作によって前記第2画面に遷移し、
インターフェースをユーザがアクセスしてから該インターフェースにリンクされた画面に遷移するまでの時間が短いほど、体感距離が短くなるよう、所定の基準が予め定められており、
前記体感距離算出部は、前記インターフェースをユーザがアクセスしてから前記第2画面に遷移するまでの時間と、前記所定の基準とに基づいて前記体感距離を算出する、体感距離情報生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体感距離情報生成プログラム、体感距離情報生成方法および体感距離情報生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には「サイトの構造を視覚化することおよび検索結果またはリンクされたページのためのサイトナビゲーションを可能にすること」と題して、階層データを提示する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2012-515382公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の階層データでは、体感的な距離を把握するのは困難である。
【0005】
そこで、本発明の課題は、Webページなど任意の電子媒体間の体感的な距離を示す情報を生成する体感距離情報生成プログラム、体感距離情報生成方法および体感距離情報生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、コンピュータを、第1電子媒体から第2電子媒体へ遷移する際の第1体感距離を、前記第1電子媒体を解析することによって算出する体感距離算出部と、前記第1体感距離に基づいて、前記第1電子媒体と前記第2電子媒体との関係を示す体感距離情報を生成する体感距離情報生成部と、として機能させる、体感距離情報生成プログラムが提供される。
【0007】
前記第1電子媒体は第1画面であり、前記第2電子媒体は第2画面であってよい。
【0008】
前記第1電子媒体は第1Webページであり、前記第2電子媒体は第2Webページであってよい。
【0009】
前記体感距離算出部は、所定の基準を適用して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0010】
前記所定の基準は、第1基準および第2基準を含み、前記体感距離算出部は、前記第1基準を適用した場合の、前記第1電子媒体から前記第2電子媒体へ遷移する際の第2体感距離と、前記第2基準を適用した場合の、前記第1電子媒体から前記第2電子媒体へ遷移する際の第3体感距離と、を、所定の重みを用いて足し合わせた値に基づいて、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0011】
前記体感距離算出部は、前記第1電子媒体から前記第2電子媒体へ遷移する際の複数の第2体感距離を所定の重みを用いて足し合わせた値に基づいて、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0012】
前記第1電子媒体は第1画面であり、前記第2電子媒体は第2画面であり、前記体感距離算出部は、前記第1画面が表示される第1デバイスに表示される場合の、前記第1電子媒体から前記第2電子媒体へ遷移する際の第2体感距離と、前記第1画面が表示される第2デバイスに表示される場合の、前記第1電子媒体から前記第2電子媒体へ遷移する際の第3体感距離と、を所定の重みを用いて足し合わせた値に基づいて、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0013】
前記重みは、ユーザが設定可能であってよい。
【0014】
前記体感距離算出部は、前記第1電子媒体に含まれる、前記第1電子媒体から前記第2電子媒体へ遷移するためのインターフェースに基づいて、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0015】
前記第1電子媒体は第1画面であり、前記第2電子媒体は第2画面であり、前記インターフェースは、リンクであってよい。
【0016】
前記第1電子媒体は第1画面であり、前記第2電子媒体は第2画面であり、前記体感距離算出部は、前記第1電子媒体における前記インターフェースの表示位置に基づいて、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0017】
前記第1電子媒体には、前記第1電子媒体から前記第2電子媒体へ遷移するためのインターフェースに加え、前記第1電子媒体から第3電子媒体へ遷移するための追加のインターフェースが含まれ、前記体感距離算出部は、前記インターフェースおよび前記追加のインターフェースの位置関係を考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0018】
前記体感距離算出部は、前記インターフェースにアクセスするために要するユーザ操作を考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0019】
前記体感距離算出部は、前記インターフェースにアクセスするために要する操作デバイスに対するユーザ操作数を考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0020】
前記体感距離算出部は、前記インターフェースにアクセスするためにユーザが操作デバイスを移動させる必要がある距離を考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0021】
前記体感距離算出部は、前記インターフェースの認知のされやすさを考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0022】
前記体感距離算出部は、前記インターフェースの大きさ、太さ、色、位置および文字フォントの少なくとも1つを考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0023】
前記体感距離算出部は、前記インターフェースをユーザがアクセス可能になるまでの時間を考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0024】
前記体感距離算出部は、前記インターフェースをユーザがアクセスしてから前記第2電子媒体に遷移するまでの時間を考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0025】
前記体感距離算出部は、前記第1電子媒体から前記第2電子媒体に遷移するまでに要する時間を考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0026】
前記体感距離算出部は、前記第1電子媒体から前記第2電子媒体への遷移が行われた実績を考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0027】
前記第1電子媒体は第1画面であり、前記第2電子媒体は第2画面であり、前記体感距離算出部は、前記第1画面が表示されるデバイスを考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0028】
前記体感距離算出部は、前記第1電子媒体から複数の第3電子媒体へ遷移する際の第4体感距離を、前記第1電子媒体を解析することによって算出し、前記第4体感距離が所定条件を満たす前記第3電子媒体を前記第2電子媒体として前記第1体感距離を算出するが、前記第3体感距離が前記所定条件を満たさない前記第3電子媒体については前記第1体感距離を算出しなくてもよい。
【0029】
前記体感距離算出部は、前記第1電子媒体と前記第2電子媒体との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出し、前記コンピュータを、さらに、前記第1体感距離と前記意味距離とが所定関係を満たす場合にアラートを発する出力制御部として機能させてもよい。
【0030】
前記所定関係は、前記第1体感距離が第1閾値以上、かつ、前記意味距離が第2閾値以下であること、前記第1体感距離が第3閾値以下、かつ、前記意味距離が第4閾値以上であること、または、前記第1体感距離と前記意味距離との差が第5閾値以上であること、であってよい。
【0031】
前記コンピュータを、複数の電子媒体を示す情報をディスプレイに表示させる出力制御部と、前記複数の電子媒体から選択された電子媒体を前記第1電子媒体に設定し、他の電子媒体の少なくとも1つを前記第2電子媒体に設定する設定部と、として機能させてもよい。
【0032】
前記出力制御部は、前記第2電子媒体と関連付けて、前記第1体感距離をディスプレイに表示させてもよい。
【0033】
前記体感距離算出部は、前記第1電子媒体と前記第2電子媒体との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出し、前記出力制御部は、前記第2電子媒体と関連付けて、前記意味距離をディスプレイに表示させてもよい。
【0034】
前記出力部は、前記第1体感距離の順に、前記複数の電子媒体を並び替えてディスプレイに表示させてもよい。
【0035】
前記コンピュータを、さらに、前記体感距離情報をサイトマップとして表示させる出力制御部として機能させてもよい。
【0036】
前記サイトマップは、前記第2電子媒体に対応するシンボルを含み、前記シンボルの表示位置および表示態様の少なくとも1つが、前記第1体感距離に対応してもよい。
【0037】
前記体感距離算出部は、前記第1電子媒体と前記第2電子媒体との内容がどの程度近いかを示す意味距離を算出し、前記シンボルの表示位置および表示態様の他の少なくとも1つが、前記意味距離に対応してもよい。
【0038】
前記サイトマップは、前記第1電子媒体に対応する第1シンボルと、前記第2電子媒体に対応するシンボルと、前記第1シンボルおよび前記第2シンボルに関連付けられたパスと、を含み、前記パスの表示態様が、前記第1体感距離に対応してもよい。
【0039】
前記第1シンボルおよび前記第2シンボルが、前記第1電子媒体と前記第2電子媒体の階層関係に基づいて配置されてもよい。
【0040】
前記第1電子媒体は第1画面であり、前記第2電子媒体は第2画面であり、前記第1画面は、前記第1画面から前記第2画面へ遷移するためのリンクを含み、前記体感距離算出部は、前記リンクの表示位置を考慮して、前記第1体感距離を算出してもよい。
【0041】
前記コンピュータを、ディスプレイ上の各位置にアイコンを順次に表示させ、表示されたアイコンの選択をユーザから受け付け、前記アイコンが前記ディスプレイ上に表示されてから前記ユーザによって選択されるまでの時間に基づいて、前記ディスプレイ上の位置と、体感距離との関係を示す体感距離算出基準を生成する設定部として機能させ、前記体感距離算出部は、前記リンクの表示位置と、前記体感距離算出基準と、に基づいて、前記体感距離を算出してもよい。
【0042】
前記コンピュータを、ディスプレイの表示領域を分割して複数の分割領域を表示させ、前記複数の分割領域のそれぞれに対する体感距離の長短に関する情報をユーザから受け付け、前記受け付けた情報に基づいて、前記ディスプレイ上の位置と、体感距離との関係を示す体感距離算出基準を生成する設定部として機能させ、前記体感距離算出部は、前記リンクの表示位置と、前記体感距離算出基準と、に基づいて、前記体感距離を算出してもよい。
【0043】
前記コンピュータを、ディスプレイ上の各位置にアイコンを表示させ、各アイコンに対する体感距離の長短に関する情報をユーザから受け付け、前記受け付けた情報に基づいて、前記ディスプレイ上の位置と、体感距離との関係を示す体感距離算出基準を生成する設定部として機能させ、前記体感距離算出部は、前記リンクの表示位置と、前記体感距離算出基準と、に基づいて、前記体感距離を算出してもよい。
【0044】
一実施形態によれば、体感距離算出部が、第1電子媒体から第2電子媒体へ遷移する際の第1体感距離を、前記第1電子媒体を解析することによって算出し、体感距離情報生成部が、前記第1体感距離に基づいて、前記第1電子媒体と前記第2電子媒体との関係を示す体感距離情報を生成する、体感距離情報生成方法が提供される。
【0045】
一実施形態によれば、第1電子媒体から第2電子媒体へ遷移する際の第1体感距離を、前記第1電子媒体を解析することによって算出する体感距離算出部と、前記第1体感距離に基づいて、前記第1電子媒体と前記第2電子媒体との関係を示す体感距離情報を生成する体感距離情報生成部と、を備える、体感距離情報生成装置が提供される。
【発明の効果】
【0046】
Webページなど任意の電子媒体間の体感的な距離を示す情報を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A】3つのWebページW0~W2のURLを示す図。
図1B】WebページW0を模式的に示す図。
図2A】WebページW0~W2の階層関係(ディレクトリ構造)に基づくサイトマップを示す図。
図2B】本実施形態に係るサイトマップの一例を示す図。
図3】一実施形態に係るサイトマップ生成装置の概略構成を示すブロック図。
図4A】リンクL11~L19を含む基準WebページW0を模式的に示す図。
図4B】物理距離(逆N字型)を説明する図。
図4C】物理距離(Z字型)を説明する図。
図4D】物理距離(逆Z字型)を説明する図。
図4E】物理距離(F型)を説明する図。
図5A】基準Webページのレイアウトがシングルカラム形式である場合の物理距離算出基準との関係を例示する図。
図5B】基準Webページのレイアウトがマルチカラム形式である場合の物理距離算出基準との関係を例示する図。
図5C】基準Webページのレイアウトがグリッド形式である場合の物理距離算出基準との関係を例示する図。
図6A】デバイス移動量と操作距離との関係を説明する図。
図6B】デバイス移動量を説明する図。
図7】デバイス操作数を説明する図。
図8A】デバイス操作数を説明する図。
図8B】デバイス操作数を説明する図。
図9】デバイス依存の体感距離を説明する図。
図10】体感距離算出の概念を模式的に示す図。
図11A】サイトマップ生成装置の処理動作の一例を示すフローチャート。
図11B】サイトマップ生成装置の処理動作の別の例を示すフローチャート。
図12A】ディスプレイ6に表示される設定画面の一例を模式的に示す図。
図12B】ディスプレイ6に表示される設定画面の別の例を模式的に示す図。
図13A】サイトマップの一例を示す模式図。
図13B】サイトマップの一例を示す模式図。
図14A】サイトマップの別の例を示す模式図。
図14B】サイトマップの別の例を示す模式図。
図15】サイトマップの別の例を示す模式図。
図16】サイトマップの別の例を示す模式図。
図17】サイトマップの別の例を示す模式図。
図18A】サイトマップの別の例を示す模式図。
図18B】サイトマップの別の例を示す模式図。
図19A】サイトマップ生成装置の処理動作の一例を説明する図。
図19B】サイトマップ生成装置の処理動作の一例を説明する図。
図19C】サイトマップ生成装置の処理動作の一例を説明する図。
図20A】サイトマップ生成装置の処理動作の別の例を説明する図。
図20B】サイトマップ生成装置の処理動作の別の例を説明する図。
図21A】物理距離算出基準のユーザ設定手法の一例を説明する図。
図21B】物理距離算出基準のユーザ設定手法の一例を説明する図。
図21C】物理距離算出基準のユーザ設定手法の一例を説明する図。
図22】物理距離算出基準のユーザ設定手法の一例を説明する図。
図23】物理距離算出基準のユーザ設定手法の一例を説明する図。
図24】物理距離算出基準のユーザ設定手法の別の例を説明する図。
図25】物理距離算出基準のユーザ設定手法の別の例を説明する図。
図26】物理距離算出基準のユーザ設定手法の別の例を説明する図。
図27A】物理距離算出基準のユーザ設定手法の別の例を説明する図。
図27B】物理距離算出基準のユーザ設定手法の別の例を説明する図。
図28】物理距離算出基準のユーザ設定手法の別の例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0049】
<本実施形態の概要>
図1Aに示すように、3つのWebページW0~W2があり、そのURLは以下のとおりであるとする。すなわち、ディレクトリ構造としては、WebページW0の1階層下にWebページW1,W2がある。
W0:http://aaa.com/home
W1:http://aaa.com/home/A1
W2:http://aaa.com/home/A2
【0050】
そして、図1Bに示すように、WebページW0は、WebページW1へのリンクL1と、WebページW2へのリンクL2を含んでいる。ただし、リンクL1はWebページW0上部のクリックしやすい位置に配置されるのに対し、リンクL2はWebページW0下部のクリックしづらい位置に配置される。
【0051】
これらWebページW0~W2を含むWebサイトの構造を示すサイトマップとして、従来の方法では、図2Aに示すように、WebページW0~W2の階層関係(ディレクトリ構造)に基づくものが考えられる。図2Aのサイトマップは、WebページW0~W2にそれぞれ対応するシンボルS0~S2を含み、シンボルS0の下にシンボルS1,S2が配置される。このようなサイトマップによれば、WebページW0を基準として、その1階層下にWebページW1,W2があることが分かる。
【0052】
しかし、図2Aのサイトマップでは、シンボルS0とシンボルS1との距離と、シンボルS0とシンボルS2との距離が等しく表示される。そのため、WebページW0とWebページW1,W2とのユーザにとっての体感的な距離(以下「体感距離」という。)は分からない。
【0053】
階層構造としては、WebページW1,W2のいずれもWebページW0の直下にあるが、図1Bに示すようなWebページW0におけるリンクL1,L2の配置位置によれば、WebページW1へのリンクL1の方がクリックしやすいから、WebページW0からWebページW1への体感距離の方が、WebページW0からWebページW2への体感距離より短いはずである。
【0054】
このように、図2Aに示す階層構造に基づくサイトマップは体感距離を反映したものになっていない。その結果、このようなサイトマップを参照したWebサイトの制作者は、体感距離を近くするべき内容の関連性が強いWebページどうしを体感的に遠くしてしまったり、体感距離を遠くするべき内容の関連性が弱いWebページどうしを体感的に近くにしてしまったりすることがある。
【0055】
そのようなWebサイトが構築されてしまうと、Webサイトのユーザは、閲覧しているWebページから内容の関連性が強いWebページに移動しようとする際、そのようなWebページへのリンクが見つけづらい(体感距離が長い)ことがある。また、見つけやすい(体感距離が短い)リンクをクリックすることによって意図せず内容の関連性が低いWebページに移動してしまうことが起こり得る。
【0056】
そこで、本実施形態においては、図2Bに示すように、体感距離を考慮してサイトマップを生成する。図2Bのサイトマップでは、シンボルS0とシンボルS1との距離が、シンボルS0とシンボルS2との距離より短くなるようシンボルS0~S2が配置される。このようなサイトマップを生成すれば、WebページW0からWebページW1への体感距離の方が、WebページW0からWebページW2への体感距離より短いことが分かる。
【0057】
このように、本実施形態では、あるWebページから他のWebページへ遷移する際の体感距離を指標化し、それによってサイトマップを自動生成することを1つの目的とする。以下、体感距離に応じたサイトマップの生成について詳しく説明する。
【0058】
<サイトマップ生成装置の構成>
図3は、一実施形態に係るサイトマップ生成装置の概略構成を示すブロック図である。サイトマップ生成装置(体感距離情報生成装置)は、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンであって、入力インターフェース1と、設定部2と、体感距離算出部3と、サイトマップ生成部4(体感距離生成部)と、出力制御部5と、ディスプレイ6とを備えている。
【0059】
入力インターフェース1は、例えばタッチパネル、マウス、キーボード、マイク、カメラ、アイトラッキングモジュールなどである。ユーザは入力インターフェース1を用いてサイトマップ生成装置に入力操作を行う。
【0060】
設定部2は、入力インターフェース1を介したユーザからの入力操作を受け付けるなどにより、種々の設定を行う。
【0061】
一例として、設定部2は体感距離計測の基準となるWebページ(以下「基準Webページ」という。)W0を設定する。基準WebページW0は、計測対象の起点ページということもできる。具体例として、設定部2はユーザからURLの入力を受け付け、URLによって特定されるWebページを基準WebページW0としてもよい。基準WebページW0は任意のWebページであってよく、例えばWebサイトにおけるトップページ(ホームページ)、末端ページ、中間ページであってよい。
【0062】
また、設定部2は基準WebページW0からの体感距離算出の対象となるWebページ(以下「対象Webページ」という。)を設定する。対象Webページは1つでもよいし、複数あってもよい。
【0063】
具体例として、設定部2はユーザから1以上のURLの入力を受け付け、URLによって特定される1以上のWebページを対象Webページとしてもよい。別の具体例として、設定部2はユーザから上限クリック数(操作数)Nmaxの入力を受け付け、基準WebページW0からNmax回以下のクリックで遷移可能なWebページを対象Webページとしてもよい。また別の具体例として、設定部2は基準WebページW0と同一ドメインのWebページを対象Webページとしてもよい。また別の具体例として、設定部2は、ユーザから任意のドメインの入力を受け付け、このドメインに属するWebページを対象Webページとしてもよい。その他、任意の手法で設定部2は対象Webページを設定する。
【0064】
また、設定部2は、体感距離算出手法を定める基準や、サイトマップ表示における種々の条件を設定する。この設定はユーザ操作に基づくものであってもよい。
【0065】
体感距離算出部3はWebページ間の体感距離を算出する。具体例として、体感距離算出部3は、基準WebページW0(第1電子媒体、第1画面)から対象Webページ(第2電子媒体、第2画面)へ遷移する際の体感距離を、基準WebページW0を解析することによって算出する。さらなる具体例として、体感距離算出部3は、基準WebページW0に含まれる、対象Webページへ遷移するためのリンク(インターフェース)に基づいて体感距離を算出することができる。またさらなる具体例として、体感距離算出部3は基準Webページにおけるリンクの表示位置に基づいて体感距離を算出してもよい。
【0066】
体感距離算出の詳細な例は後述する。なお、体感距離は数値として定量的に算出されてもよいし、長/中/短といった複数段階のいずれかに分類されてもよい(これも「算出」に含むものとする)。
【0067】
サイトマップ生成部4は、算出された体感距離に基づき、基準WebページW0と対象Webページとの関係を示すサイトマップ(体感距離情報)を生成する。このサイトマップは基準WebページW0および/または対象Webページに対応するシンボルを含んでいてもよく、シンボルの配置位置やシンボル間の距離が体感距離に対応し得る。サイトマップの詳細な例は後述する。
【0068】
出力制御部5は生成されたサイトマップを含む画面をディスプレイ6に表示させる。あるいは、出力制御部5はサイトマップを紙媒体などに印刷したり、外部の記録媒体に出力したりしてもよい。
【0069】
ディスプレイ6には、設定部2による制御に応じて種々の設定に必要な画面が表示されたり、出力制御部5による制御に応じてサイトマップが表示されたりする。
【0070】
なお、設定部2、体感距離算出部3、サイトマップ生成部4および出力制御部5の一部または全部は、サイトマップ生成装置のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0071】
<体感距離算出の具体例>
体感距離として様々な種類が考えられる。以下、例示として、物理距離、操作距離、リンク経路距離、認知距離、時間距離、ユーザ行動距離を挙げる。また、1つの種類の体感距離においても、算出基準(ルール)が複数あり得る。複数種類の体感距離、および/または、複数の基準に基づく複数の体感距離を総合的に考慮して最終的な体感距離が算出されてもよい。
【0072】
どのような種類・基準の体感距離を考慮するかは、予め定められていてもよいし、体感距離算出部3が基準WebページW0および/または対象Webページを解析するなどによって動的に定めてもよいし、設定部2を介してユーザが設定できてもよい。
【0073】
<物理距離>
体感距離算出部3は、基準WebページW0における対象Webページへのリンクの物理的な配置位置に基づいて体感距離を算出してもよく、このような体感距離を「物理距離」と呼ぶ。
【0074】
具体例として、図4Aに示すように、基準WebページW0が複数の対象WebページW11~W19へのリンクL11~L19を含んでおり、これらL11~L19が図示の配置になっているとする。基準WebページW0と対象WebページW11~W19との物理距離をそれぞれD11~D19とする。
【0075】
この場合、体感距離算出部3はリンクL11~L19の位置関係(相対的な位置関係)を考慮して対象WebページW11~W19への体感距離D11~D19を算出する。位置関係と体感距離との関係は所定の基準(ルール)が適用される。
【0076】
基準の一例として、図4Bに示すように、逆N字型に体感距離が定められてもよい。この場合、基準WebページW0と対象WebページW11~W19の各体感距離D11~D19は以下の関係となる。
D11<D12<D13<D16<D15<D14<D17<D18<D19
または、
D11<D12<D13<D15<D17<D18<D19<D14<D16
【0077】
基準の別の例として、図4Cに示すように、Z字型に体感距離が定められてもよい。この場合、基準WebページW0と対象WebページW11~W19の各体感距離D11~D19は以下の関係となる。
D11<D14<D17<D18<D15<D12<D13<D16<D19
または、
D11<D14<D17<D15<D13<D16<D19<D12<D18
【0078】
基準のまた別の例として、図4Dに示すように、逆Z字型に体感距離が定められてもよい。この場合、基準WebページW0と対象WebページW11~W19の各体感距離D11~D19は以下の関係となる。なお、逆Z字型は右から左に文字を読む言語圏において有用である。
D17<D14<D11<D12<D15<D18<D19<D16<D13
または、
D17<D14<D11<D15<D19<D16<D13<D18<D12
【0079】
基準のまた別の例として、図4Eに示すように、F型に体感距離が定められてもよい。この場合、基準WebページW0と対象WebページW11~W19の各体感距離D11~D19は以下の関係となる。
D11<D14<D17<D12<D15<D18<D13<D16<D19
または、
D11<D14<D17<D12<D15<D13<D18<D16<D19
【0080】
以上述べた逆N字型、Z字型、逆Z字型およびF字型は例示にすぎず、位置関係と体感距離との関係を予め定めた任意の1以上の基準(ルール)を適用してよい。いずれの基準を適用して体感距離を算出するかを、設定部2を介してユーザが設定できてもよい。その手法の例については、後述する。
【0081】
一般的には、体感距離算出部3は、1以上の基準を適用して1以上の物理距離を算出し、それらを所定の重みで合算したものを最終的な物理距離としてもよい。この重みは、予め定められていてもよいし、ユーザが設定部2を介して設定できてもよい。ある基準kに基づく物理距離をxkとし、基準kに適用される重みをwkとしたとき、最終的な物理距離l0は下式で算出される。
【0082】
【数1】
【0083】
例えば、k=1~2であり、k=1が逆N字型を示し、k=2がZ字型を示すとする。また、重みw1=0.3、w2=0.7とする。そして、逆N字型を適用した場合の物理距離x1=3、Z字型を適用した場合の物理距離x2=5である場合、最終的な物理距離l0=4.4(=0.3*3+0.7*5)となる。
【0084】
種々の基準(k=1、2、・・・)を用意しておき、重みwkを適宜設定する(考慮しない基準については、重みを0にする)ことで、体感距離算出部3は所望の物理距離を算出できる。なお、上記(1)式では、最終的な物理距離l0は、各物理距離xkに対して線形な関係であるが、非線形な関係であってもよい。この点は後述する(2)式以降についても同様である。
【0085】
また、基準WebページW0のレイアウト(構成)によって、逆N字型になったりZ字型になったりF字型になったりすることがある。よって、体感距離算出部3は基準WebページW0のレイアウトを考慮して重みwを変更してもよい。
【0086】
例えば、基準WebページW0のレイアウトが図5Aに示すようなシングルカラム形式であったとする。この場合、ヘッダー部に配置されるリンクに対応する対象Webページとの物理距離が、ナビゲーション部など他の部分に配置されるリンクに対応する対象Webページとの物理距離より短くされる。ヘッダー部に複数のリンクが配置される場合、Z字型で物理距離が定められる。
【0087】
ヘッダー部に配置されるリンクに次いで、ナビゲーション部に配置されるリンクに対応する対象Webページとの物理距離が短くされる。ナビゲーション部に複数のリンクが配置される場合、Z字型で物理距離が定められる。
【0088】
以下、図示の順で物理距離が定められる。図5Bに基準Webページのレイアウトがマルチカラム形式の場合の、図5Cに基準Webページのレイアウトがグリッド形式の場合の基準を例示しておく。なお、この基準をユーザが設定できてもよく、その手法の例については後述する。
【0089】
体感距離算出部3は、基準Webページがいずれのレイアウトであるかを解析し、レイアウトに応じた基準を適用する(重みを設定する)ようにしてもよい。
【0090】
基準WebページW0のレイアウトと、重みwとの関係は、予め定められていてもよい。また、機械学習技術を利用してレイアウトと適切な重みwとの関係を予め学習しておき、設定部2が基準WebページW0のレイアウトに応じて適切な重みを特定してもよい。また、体感距離算出部3は、基準WebページW0ごとに予め計測されたユーザの視線の動きの実績などに応じて、重みwを設定してもよい。このような実績は図示しない外部の装置から取得してもよい。
【0091】
<操作距離>
体感距離算出部3は、基準WebページW0における対象Webページへのリンクにアクセスするために要するユーザ操作を考慮して体感距離を算出してもよく、このような体感距離を「操作距離」と呼ぶ。
【0092】
操作距離算出の基準として、リンクにアクセスするためにユーザがマウス等の操作デバイスを移動させる必要がある量(以下「デバイス移動量」ということがある。)を適用することができる。なお、デバイス移動量と、操作距離との関係は、比例でもよいし、非線形でもよい。どのような関係にするかを設定部2を介してユーザが設定できてもよい。
【0093】
デバイス移動量の一例として、マウスポインタの移動距離が挙げられる。この場合、基準Webページにおける所定位置から対象Webページへのリンクへの距離が長いほど体感距離が大きくなる。所定位置は、例えば対象Webページにおける予め定めた固定位置(例えば左上)でもよいし、対象Webページに遷移する前のWebページにおける対象Webページに遷移するためのリンクの位置に応じた位置でもよいし、設定部2を介してユーザが設定できてもよい。
【0094】
デバイス移動量の算出にマウスポインタなどの移動距離を用いる際に、体感距離(操作距離)との関係は、比例でもよいが、非線形であってもよい。例えば、スマートフォンを片手で保持し、保持している手の親指で操作する際に、マウスポインタの移動距離に相当する値をタッチパネルを操作する親指の移動距離と考えると、親指の移動距離と体感的な距離が比例関係にないケースがあるためである。
【0095】
具体的には、スマートフォンを持ちかえることなく届く距離d0以下であれば、その範囲においてデバイス移動量と操作距離とが比例していてもよい(図6A)。一方、スマートフォンを持ちかえなければわずかに届かない距離(すなわちd0より大きい距離)であれば、デバイス移動量が小さくとも持ち替えの動作が発生するため、マウスポインタの移動距離(デバイス移動量)と体感距離(操作距離)が比例関係から大きくずれると考えられる。移動距離と体感距離の間に、任意の非線形な対応関係を持たせることで、近似的に上記のような例に対応を行ってもよい。
【0096】
デバイス移動量の別の例として、スクロール距離が挙げられる。例えば、図6Bに示すように、基準WebページW0の上部(基準WebページW0を表示させた時の状態)には対象WebページW21へのリンクL21が表示されておらず、下方にスクロールさせる(具体例として、タッチパネルやマウスを用いてスクロールバーを移動させる、マウスホイールを回転させる等)ことによってリンクL21が現れる場合、スクロール量が長いほど(下方にリンクL22があるほど)体感距離は長くなる。
【0097】
なお、スクロールには、図6Bに示す縦スクロールの他、横スクロールもある。体感距離算出部3は、縦スクロールにおけるスクロール量と横スクロールにおけるスクロール量とを等しく評価して操作距離を算出してもよいし、そうでなくてもよい。例えば、操作デバイスがマウスである場合、一般的には縦スクロールはマウスホイールにより簡便に行える。よって、縦スクロールにおけるスクロール量と、横スクロールにおけるスクロール量が等しい場合、体感距離算出部3は後者の操作距離を長くするのが望ましい。
【0098】
操作距離算出の別の基準として、対象Webページに遷移するために必要となる、操作デバイスに対する操作数(以下「デバイス操作数」ということがある。)を適用することができる。デバイス操作数と、操作距離との関係は、比例でもよいし、非線形でもよい。どのような関係にするかを設定部2を介してユーザが設定できてもよい。なお、操作がクリックである場合の操作距離をクリック距離と呼ぶこともできる。
【0099】
デバイス操作数の一例として、対象Webページに遷移するために必要となる、操作デバイスであるキーボードにおけるキーの押下数が挙げられる。
【0100】
例えば、図7に示すように、基準WebページW0がオブジェクト(テキストや画像等)O1,O2および対象WebページW22へのリンクL22を含んでいるとする。そして、基準WebページW0を表示させた状態でキーボードのタブキーが1回押下されるとオブジェクトO1が選択され、次いでタブキーが1回押下されるとオブジェクトO2が選択され、次いでタブキーが1回押下されるとリンクL22が選択される。リンクL22が選択された状態でエンターキーが押下されると、対象WebページW22が表示される。
【0101】
この場合、体感距離算出部3はタブキーの押下が3回必要(デバイス操作数が3回)であることに基づいて操作距離を算出する。
【0102】
デバイス操作数の別の例を示す。図8Aに示す基準WebページW01では、これに含まれる「家電」と書かれたボタンB21を選択(例えば、タッチ、クリックなどのユーザ操作)すると、「テレビ」と書かれたボタンB22が現れ、これを選択すると、「A社製テレビ」に関する対象WebページW31へのリンクL31と、「B社テレビ」に関する対象WebページW32へのリンクL32が現れるとする。つまり、ボタンB21、ボタンB22を展開してリンクL31,L32を表示させるためには、基準WebページW01を表示させた後に2回のユーザ操作が必要である。
【0103】
一方、図8Bに示す基準WebページW02では、予めリンクL31,L32が表示されている。つまり、リンクL31,L32を表示させるために、基準WebページW02を表示させた後にさらなるユーザ操作は不要である。
【0104】
この場合、体感距離算出部3は、基準WebページW01から対象WebページW31への操作距離D11を、基準WebページW02から対象WebページW31への操作距離D12より長くしてもよい(D12<D11)。前者の方がユーザ操作が多く必要だからである。
【0105】
なお、図8Aに示す基準WebページW01と同様にボタンB21が配置されるが、ボタンB21にマウスカーソルを重ねると(クリック等の選択をしなくても)ボタンB22が現れ、ボタンB22にマウスカーソルを重ねると(クリック等の選択をしなくても)リンクL31,L32が現れる構成の基準WebページW03も考えられる。この場合、基準WebページW03から対象WebページW31への操作距離D13について、体感距離算出部3はD12<D13<D11となるようにしてもよい。リンクL31を表示させるために、基準WebページがW03では、さらなるユーザ操作が不要である基準WebページW02よりは多くのユーザ操作が必要であるが、ボタンB21,B22の選択(クリック等)を必要とする基準WebページW01よりはユーザ操作が少なくて済むためである。
【0106】
デバイス操作数のまた別の例として、基準WebページW0から対象Webページへ遷移するために必要となる入力文字数が挙げられる。
【0107】
一般的には、体感距離算出部3は、1以上の基準を適用して操作距離を算出し、それらを所定の重みで合算したものを最終的な操作距離としてもよい。この重みは、予め定められていてもよいし、ユーザが設定できてもよい。ある基準k(k=0:デバイス移動量、k=1:デバイス操作数等)に基づく操作距離をxkとし、それに適用される重みをwkとしたとき、最終的な操作距離l1は下式で算出される。
【0108】
【数2】
【0109】
例えば、k=1~2であり、k=1がデバイス移動量を示し、k=2がデバイス操作数を示すとする。また、重みw1=0.3、w2=0.7とする。そして、デバイス移動量を適用した場合の操作距離x1=3、デバイス操作数を適用した場合の操作距離x2=5である場合、最終的な操作距離l1=4.4(=0.3*3+0.7*5)となる。
【0110】
種々の基準(k=1、2、・・・)を用意しておき、重みwkを適宜設定する(考慮しない基準については、重みを0にする)ことで、体感距離算出部3は所望の操作距離を算出できる。
【0111】
<リンク経路距離>
体感距離算出部3は、基準WebページW0から対象Webページに遷移するために必要となるリンクの選択(クリック等)数(例えば最短経路における選択数)に基づいて体感距離を算出してもよく、このような体感距離を「リンク経路距離」と呼ぶ。
【0112】
例えば、基準Webページからリンクを選択して別のWebページに遷移し、さらに当該別のWebページにおけるリンクを選択することによって対象Webページに遷移する場合、リンク経路距離は2である。
【0113】
<認知距離>
体感距離算出部3は、ユーザにとってのリンクの認知のされやすさに基づいて体感距離を算出してもよく、このような体感距離を「認知距離」と呼ぶ。
【0114】
認知距離算出の基準として、リンク(あるいはリンクにおける文字、以下同じ。)の大きさ、太さ、色、位置、文字フォントを挙げることができる。具体的には、例えば、リンク文字が大きいほど、太いほど、あるいは、濃いほど体感距離を短くしてもよい。基準となるリンクの色とは、リンク自体の色でもよいし、リンクと背景との差(輝度差、色相の違い、彩度差、任意の色空間(例えばL空間)における距離など)であってもよい。
【0115】
体感距離と色との関係は、所定のルール(予め定めたルール、あるいは設定部2を介してユーザが設定したルール)を適用してもよい。例えば、文字の色が赤であるリンクに関連付けられた対象Webページへの体感距離は短く、青であるリンクに関連付けられた対象Webページへの体感距離は長くなるようにしてもよい。フォントについても同様である。
【0116】
一般的には、体感距離算出部3は、1以上の基準を適用して認知距離を算出し、それらを所定の重みで合算したものを最終的な認知距離としてもよい。この重みは、予め定められていてもよいし、ユーザが設定できてもよい。具体的には、ある基準k(k=0:大きさ、k=1:太さ、k=2:色、k=3:位置、k=4:文字フォント等)に基づく認知距離をxkとし、それに適用される重みをwkとしたとき、最終的な認知距離l2は下式で算出される。
【0117】
【数3】
【0118】
なお、認知距離はユーザの属性(例えば、年代、性別、どのような傷病を有するか)によって異なり得る。よって、対象ユーザによって重みwを変えてもよい。
【0119】
<時間距離>
体感距離算出部3は、対象Webページを表示するまでに要する時間を考慮して体感距離を算出してもよく、そのような体感距離を「時間距離」と呼ぶ。
【0120】
時間距離算出の基準として、リンクにアクセス可能になるまでの時間が挙げられる。例えば、基準WebページW0において、アニメーション動画の表示が終わったあとにリンクが現れる(または選択可能となる)場合、体感距離算出部3はそのリンクに関連付けられた対象Webページへの時間距離を長くしてもよい。また、体感距離算出部3は、基準Webページのロード時間が長いほど、時間距離を長くしてもよい。このような時間は基準WebページW0を解析することによって把握できる。
【0121】
時間距離算出の別の基準として、基準WebページW0から対象Webページへ遷移するための操作(例えば、マウスのクリックや、タッチパネルへのタッチ)をユーザが操作デバイスに対して行ってから、対象Webページが表示される(現れる)までの時間を考慮して、体感距離を算出してもよい。このような時間は、Webブラウザが対象Webページを読み込んでから表示するまでの時間であり、Webブラウザが計測可能である。必要に応じて、Webブラウザ等から対象Webページが表示されるまでの時間についての情報を体感距離算出部3が取得すればよい。
【0122】
<ユーザ行動距離>
体感距離算出部3は、基準WebページW0から対象Webページへの遷移が行われた実績(ユーザの行動)を考慮して体感距離を算出してもよく、このような体感距離を「ユーザ行動距離」と呼ぶ。
【0123】
例えば、基準WebページW0から対象WebページW1へ遷移したユーザは多いが、基準WebページW0から対象WebページW2へ遷移したユーザは少ない場合、基準WebページW0から対象WebページW1への体感距離は、基準WebページW0から対象WebページW2への体感距離より短くなる。
【0124】
どのWebページからどのWebページへ遷移したかの実績は既存の技術(アクセス解析ツール等)を用いて容易に把握可能である。必要に応じて、アクセス解析ツール等から実績についての情報を体感距離算出部3が取得すればよい。
【0125】
<その他の体感距離>
基準WebページW0から対象Webページへの遷移は必ずしもリンクの選択に限られない。例えば、音声、ジェスチャー、視線等で基準WebページW0から対象Webページへ遷移できることもある。この場合、体感距離算出部3はこれらの遷移も考慮して体感距離を算出してもよい。一例として、1クリックによる遷移を体感距離1とした場合、音声による遷移を体感距離0.9にする等である。
【0126】
<デバイス依存の体感距離>
体感距離算出部3は、基準WebページW0が表示される対象デバイスを基準として、体感距離を算出してもよい。例えば、図9に示すように、基準WebページW0は、左上に配置された対象WebページW11へのリンクL11と、右下に配置された対象WebページW12へのリンクL12を含んでいる。
【0127】
対象デバイスがパソコンであって、パソコンが有するディスプレイあるいはパソコンに接続された外部ディスプレイに基準Webページが表示される場合、ユーザは左上に設けられたリンクL11の方がクリックしやすいと考えられる。よって、この場合、体感距離算出部3は、基準WebページW0から対象WebページW11への体感距離を、基準WebページW0から対象WebページW12への体感距離より短くする。
【0128】
一方、対象デバイスがスマートフォンであって、スマートフォンが有するタッチパネル付きディスプレイに基準WebページW0が表示される場合、多くのユーザはスマートフォンを右手で持つため、リンクL12の方がクリックしやすいと考えられる。よって、この場合、体感距離算出部3は、基準WebページW0から対象WebページW11への体感距離を、基準WebページW0から対象WebページW12への体感距離より長くする。
【0129】
また、基準WebページW0が表示されるデバイスによって、表示領域や表示サイズが異なる。例えば、パソコンのように相対的に大きなデバイスでは、基準Webページにおける大きな領域が表示される。一方、スマートフォンのように相対的に小さなデバイスには、基準Webページにおける小さな領域しか表示されない。よって、体感距離算出部3は、基準WebページW0が表示される領域、および/または、表示されるデバイスのサイズを考慮して体感距離を算出してもよい。
【0130】
<体感距離の算出>
以上述べたように、体感距離算出部3は様々な基準に基づいて様々な種類の体感距離を算出し得る。体感距離算出部3は、上述した1以上の種類の体感距離を、1以上の基準に基づいて算出し、これらを総合的に足し合わせて最終的な体感距離を算出してもよい。
【0131】
体感距離算出の概念を図10に例示する。
最終的な体感距離L(第1体感距離)は1以上の対象デバイスiについての体感距離di(第2、第3体感距離)を所定の重みwiで足し合わせたものとすることができる。すなわち、最終的な体感距離Lは下式で算出される。一例として、i=0:対象デバイスがパソコン、i=1:対象デバイスがスマートフォン、等である。
【0132】
【数4】
【0133】
対象デバイスiについての体感距離diは、種類jの体感距離lij(第2、第3体感距離)を所定の重みwijで足し合わせたものとすることができる。すなわち、対象デバイスiについての体感距離diは下式で算出される。一例として、j=0:物理距離、j=1:操作距離、等である。
【0134】
【数5】
【0135】
対象デバイスiについての種類jの体感距離lijは、基準kを適用した場合の体感距離xijk(第2、第3体感距離)を所定の重みwijkで足し合わせたものとすることができる。すなわち、対象デバイスiについての種類jの体感距離lijは下式で算出される。一例として、j=0(物理距離)の場合、k=0:逆N字型、k=1:Z字型、等である。
【0136】
【数6】
【0137】
以上の(4)~(6)式に示す一般式において、重みwを適宜設定することで、どのような種類の体感距離を、どのような基準を適用して算出するか、を調整できる。重みwは、予め定めていてもよいし、設定部2を介してユーザが設定できてもよい。また、体感距離設定部2が基準WebページW0に基づいて動的に設定してもよい。
【0138】
なお、本実施形態では、基準WebページW0と対象Webページとのディレクトリ距離(ディレクトリ構造で何階層離れているか)そのものを体感距離とはしない。ただし、ディレクトリ距離を1つの種類とし、他の種類の体感距離と組み合わせて体感距離を算出することはできる。この場合、基準WebページW0と対象Webページとが同一階層である場合、ディレクトリ距離を0としてもよいし、2としてもよいし、ユーザが設定できてもよい。
【0139】
また、本実施形態では、基準WebページW0と対象Webページとの意味距離(2つのWebページの内容がどの程度近いか)そのものを体感距離とはしない。ただし、意味距離を1つの種類とし、他の種類の体感距離と組み合わせて体感距離を算出することはできる。意味距離は公知の手法を適用して体感距離算出部3により算出される。一例として、体感距離設定部2は自然言語処理を行って意味距離を算出してよく、具体的には、基準Webページの内容に基づく多次元特徴ベクトルと、対象Webページの内容に基づく多次元特徴ベクトルと、の距離に基づいて意味距離を算出してもよい(特許第6680956号参照)。
【0140】
<サイトマップ生成装置の処理動作>
図11Aは、サイトマップ生成装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0141】
設定部2はユーザから基準Webページの入力を受け付けることにより、基準Webページを設定する(ステップS1)。また、設定部2はユーザから対象Webページの入力を受け付けることにより、対象Webページを設定する(ステップS2)。さらに、設定部2はユーザから体感距離算出手法の入力を受け付けることにより、体感距離算出手法を設定する(ステップS3)。なお、ステップS1~S3の順序は適宜入れ替えてもよい。
【0142】
これらの設定のために、設定部2は図12Aに例示するような画面をディスプレイ6に表示させる。
【0143】
ユーザは基準WebページとしたいWebページのURLを基準WebページURL入力欄A1に入力する。これに応じて、設定部2は基準Webページを設定する。
【0144】
ユーザは対象WebページとしたいWebページに関連付けられたチェックボックスにチェックを入れる。これに応じて、設定部2は対象Webページを設定する。
【0145】
いずれのチェックボックスもチェックされない場合、設定部2は基準Webページと同一サイト(すなわち同一ドメインを有する)内の下位階層ディレクトリのWebページのみを対象Webページに設定する。チェックボックスB1がチェックされた場合、設定部2は基準Webページと同一サイト内の別ディレクトリのWebページも対象Webページに設定する。チェックボックスB2がチェックされた場合、設定部2は基準WebページのサブドメインにあるWebページも対象Webページに設定する。チェックボックスB3がチェックされた場合、設定部2は基準Webページとは別ドメインにあるWebページも対象Webページに設定する。チェックボックスB4がチェックされた場合、設定部2は広告のWebページも対象Webページに設定する。
【0146】
ユーザは体感距離算出の際に考慮したい事項(種類や基準)に関連付けられたチェックボックスにチェックを入れる。これに応じて、設定部2は体感距離算出手法を設定する。体感距離算出手法の設定とは、例えば上記(4)~(6)式の重みの設定である。
【0147】
図11Aに戻り、ステップS1~S3による設定に基づいて、体感距離算出部3は基準Webページから対象Webページへの体感距離を算出する(ステップS4)。そして、算出された体感距離に基づいてサイトマップ生成部4がサイトマップを生成し、出力制御部5によりサイトマップがディスプレイ6に表示される(ステップS5)。
【0148】
なお、表示されたサイトマップに問題があるとユーザが判断した場合(直感と大きくづれている等)、体感距離算出手法を再設定し(ステップS3)、サイトマップ生成をやり直してもよい。
【0149】
なお、図11Aの処理では、図11AのステップS2および図12Aで設定された全ての対象Webページについて、体感距離が算出される。しかし、対象Webページに含まれているとしても、ほとんど認識されないようなWebページについてまで体感距離算出の対象とすると、意味が乏しい体感距離となってしまうこともあり得る。
【0150】
そこで、体感距離算出前に、意味が乏しい対象Webページを除外して体感距離を算出してもよい。その具体的な手法の例として、基準となる体感距離を定め(例えば、認知距離)、その体感距離が所定条件を満たす(例えば、基準値より短い)対象Webページについてのみ、体感距離を算出してよい。以下、具体的に述べる。
【0151】
図11Bは、サイトマップ生成装置の処理動作の別の例を示すフローチャートである。また、図12Bは、設定部2によってディスプレイに表示される画面の別の例を示す図である。図11Bおよび図12Bでは、図11Aおよび図12Aとそれぞれ共通する処理には共通する符号を付している。
【0152】
設定部2は図12Bに示す画面を用いるなどにより、基準Webページ、対象Webページおよび体感距離算出手法を設定する(ステップS1,S2’,S3)。さらに、設定部2は基準体感距離(第4体感距離)および基準値(所定条件)を設定する(ステップS11)。
【0153】
このステップS2’で設定される対象Webページは仮のもの(第3電子媒体)である。例えば、図12Bにおいて、チェックボックスB1~B4のそれぞれをチェックするか否かに応じて仮の対象Webページが設定される(この点は図11AのステップS2と同様である)。
【0154】
ユーザは、意味が乏しい体感距離を除外したい場合、図12BのチェックボックスC1をチェックする。また、ユーザは、基準体感距離設定欄C2に基準となる体感距離(基準体感距離)を設定するとともに、基準値設定欄C3に閾値を設定する。基準体感距離は上述した体感距離のいずれかであってよく、例えば認知距離である。以上により、設定部2は基準体感距離および基準値を設定する。なお、基準体感距離および/または基準値は、ユーザ設定でなく、予め定められていてもよい。
【0155】
続いて、体感距離算出部3は基準Webページから仮の対象Webページへの基準体感距離を算出する(ステップS12)。そして、設定部2は、仮の対象Webページのうち、基準体感距離が基準値より短いものを対象Webページに設定する(ステップS2)。言い換えると、設定部2は、仮の対象Webページのうち、基準体感距離が基準値以上のものを対象Webページから除外する。
【0156】
そして、体感距離算出部3は、ステップS2で設定された対象Webページについて、体感距離を算出する(ステップS4)。言い換えると、ステップS4において、仮の対象Webページのうち、基準体感距離が基準値以上のものについては、体感距離は算出されない。
【0157】
このように、基準体感距離が基準値以上となるWebページへのリンクを無効なリンクとみなし、対象Webページから除外することができる。これにより、より実態に合った体感距離を算出できる。また、体感距離を算出する対象Webページを減らすことができ、体感距離算出部3の処理を軽減できる。
【0158】
<サイトマップの具体例>
サイトマップ生成部4は、基準WebページW0と対象Webページとの間の体感距離に基づき、これらの関係を示すサイトマップ(体感距離情報)を生成する。生成されたサイトマップはディスプレイ6に表示されたり、印刷されたりする。これにより、基準WebページW0と対象Webページとの間の関係が可視化される。ディスプレイ6上で可視化されることにより、基準WebページW0と対象Webページとの間の関係を短時間で直感的に把握できる。そのため、サイトマップをディスプレイ6上に表示する時間を短縮でき、ディスプレイ6の消費電力を削減できる。
【0159】
一例として、表示あるいは印刷されるサイトマップは、基準WebページW0に対応するノード(シンボル)と、対象Webページに対応するノード(シンボル)と、ノードどうしを接続するエッジ(パス)と、のうちの一部または全部を含み得る。
【0160】
サイトマップにて可視化される基準Webページと対象Webページとの関係としては、これらの最終的な体感距離(上記(4)式の体感距離L)、特定の対象デバイスiにおける体感距離(上記(5)式の距離di)、特定の対象デバイスiおよび特定の種類jにおける体感距離(上記(6)式の距離lij)、特定の対象デバイスi、特定の種類jおよび特定の基準kにおける体感距離(上記(6)式中のxijk)のうちの1または2以上であってよい。2以上である場合、そのうちの1つは、基準Webページと対象Webページとの意味距離またはディレクトリ距離であってよい。
【0161】
また、このような関係は、ノードの表示位置(x座標および/またはy座標、3次元表示であれば、さらにz座標。)や表示態様といった要素によって示され得る。表示態様とは、例えばノードの大きさ、エッジの太さ、ノードおよび/またはエッジの色(明度、彩度、透明度、色相など)、模様(基準Webページからの体感距離が所定距離以内の対象Webページに対応するノードを同一模様で表示する等)、アニメーション表示(体感距離に応じた速度での点滅、拡大縮小等)である。
【0162】
どのような関係をどの要素によって表すか、は予め定められていてもよいし、ユーザが設定部2を介して設定可能であってもよい。
【0163】
図13Aおよび図13Bは、サイトマップの一例を示す模式図である。いずれも、横軸(x軸)はスマートフォンにおける基準WebページW0との体感距離であり、縦軸(y軸)はパソコンにおける基準WebページW0との体感距離である。すなわち、スマートフォンにおける体感距離およびパソコンにおける体感距離という情報をノードの表示位置(x座標およびy座標)という要素によって表した例である。
【0164】
図13AにおけるノードN1(対象WebページWt1に対応)の配置位置は、基準WebページW0と対象WebページWt1とのスマートフォンにおける体感距離はx1であり、パソコンにおける体感距離はy1であることを意味している。同様に、ノードN2(対象WebページWt2に対応)の配置位置は、基準WebページW0と対象WebページWt2とのスマートフォンにおける体感距離はx2であり、パソコンにおける体感距離はy2であることを意味している。
【0165】
図13Aによれば、x1<x2かつy1<y2であるから、基準WebページW0に対する対象WebページWt1,Wt2の体感距離はデバイス(スマートフォンであるかパソコンであるか)にはあまり依存しないことが分かる。
【0166】
図13BにおけるノードN11(対象WebページWt11に対応)の配置位置は、基準WebページW0と対象WebページWt11とのスマートフォンにおける体感距離はx11であり、パソコンにおける体感距離はy11であることを意味している。同様に、ノードN12(対象WebページWt12に対応)の配置位置は、基準WebページW0と対象WebページWt12とのスマートフォンにおける体感距離はx12であり、パソコンにおける体感距離はy12であることを意味している。
【0167】
図13Bによれば、x11<x12であるがy11>y12であるから、基準WebページW0に対する対象WebページWt11,Wt12の体感距離はデバイス(スマートフォンであるかパソコンであるか)によって異なっていることが分かる。
【0168】
このようにして、体感距離がデバイスによってギャップがあるかどうかの検証が可能となる。xとyとが比例関係に近いほど、デバイスによるギャップが少ないと言える。
【0169】
図14Aおよび図14Bは、サイトマップの別の例を示す模式図である。いずれも、横軸(x軸)は基準WebページW0に対するリンク経路距離であり、色相は基準WebページW0に対する意味距離である。なお、便宜上、図14Aおよび図14Bのドット模様(ノードN1,N2,N11,N13)がある色相であり、基準WebページW0と似た意味を持つものとする。また。斜線模様(ノードN3,N12)は別の色相であり、基準WebページW0とは異なる意味を持つものとする。
【0170】
図14Aによれば、基準WebページW0と似た意味を持つ対象WebページWt1,Wt2にそれぞれ対応するノードN1,N2がxの値が小さいところで互いに近接して配置される。一方、基準WebページW0と異なる意味を持つ対象WebページWt3に対応するノードN3は、xの値が大きいところでノードN1,N2と離れて配置されている。
【0171】
このような図14Aによれば、基準WebページW0において、基準WebページW0と似た意味を持つ対象WebページWt1,Wt2はいずれもリンク経路距離が短く、異なる意味を持つ対象WebページWt3はリンク経路距離が長くなっていることが分かる。
【0172】
図14Bによれば、基準WebページW0と似た意味を持つ対象WebページWt11に対応するノードN11はxの値が小さいところに配置されるが、同じく基準WebページW0と似た意味を持つ対象WebページWt12に対応するノードN13はxの値が大きいところに配置される。また、基準WebページW0と異なる意味を持つ対象WebページWt12に対応するノードN12はxの値が小さいところでノードN11と近接して配置される。
【0173】
このような図14Bによれば、基準WebページW0において、対象WebページWt13は基準WebページW0と似た意味を持つにも関わらずリンク経路距離が長くなってしまっていることが分かる。また、基準WebページW0において、対象WebページWt12は基準WebページW0と異なる意味を持つにも関わらずリンク経路距離が短くなってしまっていることが分かる。
【0174】
このようにして、基準WebページW0と似た意味を持つ対象Webページが、リンク経路距離が短くなっているかの検証が可能となる。
【0175】
なお、図14Aおよび図14Bにおいて、横軸を認知距離としてもよい。これにより、基準WebページW0と似た意味を持つ対象Webページが、認知されやすくなっているかの検証が可能となる。
【0176】
このように、体感距離算出部3が体感距離および意味距離を算出することにより、両者の関係を把握できる。出力制御部5は体感距離および意味距離が所定の関係にある場合、アラートを発してもよい。所定の関係とは、例えば基準Webページと対象Webページとの間で、意味距離が所定値以下(意味が似ている)にもかかわらず、体感距離が所定値以上(体感的に離れている)場合や、逆に意味距離が所定値以上(意味が異なる)にもかかわらず、体感距離が所定値以上(体感的に近い)場合である。
【0177】
図15は、サイトマップの別の例を示す模式図である。横軸は基準WebページW0に対する物理距離であり、縦軸は基準WebページW0に対する操作距離である。また、ノードの大きさが認知距離であり、大きいほど認知距離が短いことを意味している。このように、異なる種類の体感距離をサイトマップにおける異なる要素で示してもよい。その他、同一種類の体感距離を基準に対する重みを変えて複数算出し、それらをサイトマップにおける複数の要素で示してもよい。
【0178】
図16は、サイトマップの別の例を示す模式図である。このサイトマップは、基準WebページW0に対応するノードN0と、対象WebページWt11~Wt13,Wt21にそれぞれ対応するノードN11~N13,N21とを含んでいる。
【0179】
このサイトマップにおける縦軸(y軸)は、基準WebページW0から対象Webページのそれぞれに到達するまでに要するクリック距離に対応する。例えば、基準WebページW0から対象WebページWt11~Wt13に到達するまでに要するクリック数は1であり、基準WebページW0から対象WebページWt21に到達するまでに要するクリック数は2である。
【0180】
横軸(x軸)は、基準WebページW0から対象Webページのそれぞれとの体感距離に対応する。例えば、基準WebページW0と対象WebページWt11~Wt13のそれぞれとの体感距離L11~L13の関係はL11<L12<L13である。
【0181】
2つのノード間に設けられるエッジパスの長さは、そのノードに対応するWebページ間の体感距離に対応する。例えば、ノードN0とノードN11との間に設けられるエッジE11は、基準WebページW0と対象WebページWt11との体感距離L11に対応する。なお、「対応する」とは、エッジの長さと体感距離が必ずしも1対1に対応している(例えば比例している)必要はなく、複数の体感距離間の大小関係を把握できる程度でもよい。
【0182】
以上のようなサイトマップにおいて、ユーザが種々の設定を可能であってもよい。例えば、ノードにおいて、対応するWebページのURL、HTMLファイルにおけるtitle, meta keywords, meta description, h1といった各種のタグ、被リンクanchor、被リンクaltを表示するか否かを設定できてもよい。また、ノードにおいて、対応するWebページがどのような意味をどの程度の割合で有しているのか(特許第6680956号参照)を表示できてもよい。また、エッジの色や態様をユーザが設定できてもよい。エッジは、Webページ間が一方向リンクであるか双方向であるかに応じた形状で表示されてもよい。
【0183】
図17は、サイトマップの別の例を示す模式図である。図示のように、表(リスト)形式でサイトマップを表示してもよい。この図では、対象WebページWt1~Wt3がノードとして表示され、最終的な体感距離、物理距離、操作距離が関連付けて示される。表形式で出力される場合、出力制御部5は体感距離順に対象Webページをソートできるのが望ましい。
【0184】
図18Aおよび図18Bは、サイトマップの別の例を示す模式図である。出力制御部5は図18Aに示すように、複数のWebページのディレクトリ構造を表示させる。なお、各ノードNiが各WebページWiに対応している。図2Aを用いて説明したように、ディレクトリ構造に基づくサイトマップでは体感距離は分からない。
【0185】
ユーザはいずれかのノード(すなわちWebページ)を選択できる。これにより、設定部2は、選択されたWebページを基準Webページに設定し、他のWebページを対象Webページに設定する。ここでは、ノードN32(WebページW32)が選択されたとする。
【0186】
そして、サイトマップ生成部4は、図18Bに示すように、ノードN32を起点として他のノードへのエッジを生成する。このエッジの表示態様(例えば、太さ)が体感距離に対応する。
【0187】
例えば、ノードN32からノードN41へのエッジは太い。よって、WebページW32と、その一階層下のWebページW41との体感距離は短いことが分かる。一方、ノードN32からノードN43へのエッジは細い。よって、WebページW43はWebページW32の一階層しか離れていないが、WebページW32との体感距離は長いことが分かる。
【0188】
サイトマップ生成部4は、基準Webページに対応するノードと、他の全ての対象Webページに対応するノードとの間にエッジを生成してもよいし、体感距離が閾値以下である対象Webページに対応するノードとの間にみにエッジを生成してもよいし、体感距離が短い順に所定数のエッジを生成してもよい。この閾値や所定数は、予め定められていてもよいし、ユーザが設定できてもよい。
【0189】
図19A図19Cは、サイトマップ生成装置の処理動作の一例を説明する図であり、矛盾が生じない限り上述した任意の実施形態と組み合わせてよい。
【0190】
図19Aに示すように、出力制御部5はディスプレイ6に複数のWebページを示す情報を表示させる。一例として、Webページを示す情報は、WebページのIDと、WebページのURLであってよい。また、表示形式は表形式であってよい。なお、図19Aでは、複数のWebページとして、URLに"abc.com"を含むもの(WebページWa)と、その下の1階層下のWebページを例示しているが、特に制限はなく、出力制御部5は任意のWebページの情報を表示させてよい。
【0191】
この状態において、図19Aに示す表には体感距離を表示する欄があるが、いずれのWebページを基準Webページとするかが定まっていないため、体感距離は表示されない。
【0192】
ユーザは基準Webページに設定したいWebページを入力インターフェース1を介して選択する。例えば、図19Bに示すように、WebページWbが選択されたとする。この場合、設定部2は、選択されたWebページWbを基準Webページに設定し、他のWebページWa,Wc,Wdを対象Webページに設定する。なお、設定部2は他のWebページWa,Wc,Wdのうちの一部のみ(例えばディレクトリ距離が所定値以下のもの)を対象Webページに設定してもよい。
【0193】
そして、体感距離算出部3は基準WebページWbと、他の対象WebページWa,Wc、Wdとの体感距離を算出する。さらに、出力制御部5は算出された体感距離を各対象Webページと関連付けて表示させる。具体的には、出力制御部5は、図19Bに示す表における体感距離を表示する欄に、算出された体感距離を表示させる。図19Bにおいて、例えば基準WebページWbと対象WebページWaとの体感距離は「2」である。なお、基準WebページWbの体感距離は、図示のように「0」としてもよいし、「-」(ハイフン)でもよい、表示しなくてもよい。いずれにしても、どのWebページが基準Webページであるかが分かるようにするのが望ましい。
【0194】
ここで、ユーザが所定のソート指示(例えば、体感距離を表示する列またはタイトル部を選択)した場合、図19Cに示すように、出力制御部5は対象WebページWa,Wc,Wdを体感距離の順に並び替える。並び順は、体感距離が近い順または遠い順のいずれでもよい。
【0195】
図20A及び図20Bは、サイトマップ生成装置の処理動作の別の例を説明する図であり、矛盾が生じない限り上述した任意の実施形態と組み合わせてよい。
【0196】
図20Aに示すように、図19Aと同様、出力制御部5はディスプレイ6に複数のWebページを示す情報を表示させる。この状態において、図20Aに示す表には体感距離および意味距離を表示する欄があるが、いずれのWebページを基準Webページとするかが定まっていないため、体感距離および意味距離は表示されない。
【0197】
ユーザは基準Webページに設定したいWebページを入力インターフェース1を介して選択する。例えば、図20Bに示すように、WebページWbが選択されたとする。この場合、設定部2は、選択されたWebページWbを基準Webページに設定し、他のWebページWa,Wc,Wdを対象Webページに設定する。なお、設定部2は他のWebページWa,Wc,Wdのうちの一部のみ(例えばディレクトリ距離が所定値以下のもの)を対象Webページに設定してもよい。
【0198】
そして、体感距離算出部3は基準WebページWbと、他の対象WebページWa,Wc、Wdとの体感距離および意味距離を算出する。さらに、出力制御部5は、算出された体感距離および意味距離を、各対象Webページと関連付けて表示させる。具体的には、出力制御部5は、図20Bに示す表における体感距離を表示する欄および意味距離を表示するに、算出された体感距離および意味距離をそれぞれ表示させる。図20Bにおいて、例えば基準WebページWbと対象WebページWaとの体感距離は「2」であり、意味距離は「3」である。なお、基準WebページWbの意味距離は、図示のように「0」としてもよいし、「-」(ハイフン)でもよい、表示しなくてもよい。いずれにしても、どのWebページが基準Webページであるかが分かるようにするのが望ましい。
【0199】
さらに、出力制御部5は、体感距離と意味距離とのギャップを、各対象Webページと関連付けて表示させてもよい。ギャップの算出手法は任意であるが、一例として体感距離と意味距離の差の絶対値である。ここで、図19A図19Cを用いて説明したように、体感距離(あるいは意味距離)を基準としてWebページの並び替えを行ってもよい。
【0200】
また、出力制御部5は、ギャップに応じて(言い換えると、体感距離および意味距離に応じて)、アラートを発してもよい。例えば、ギャップが閾値以上である対象Webページがある場合、その対象Webページを特定するアラートを発してもよい。図20Bにおいて、閾値が3であるとすると、対象WebページWcについてのギャップが閾値以上であるとしてアラートが発せられる。このアラートは、意味距離が短い(すなわち体感距離を近くすべき)にもかかわらず体感距離が長くなっている、あるいは、意味距離が長い(すなわち体感距離を長くすべき)にもかかわらず体感距離が短くなっている、という望ましくない状態を示す。
【0201】
上記例の体感距離と意味距離とのギャップが差の絶対値ではなく、差とした場合は負値をとり得る。その時、アラートを発する基準は、ひとつの閾値による判定ではなく、ギャップが一定の範囲内、あるいは範囲外にあったときとしても良い。
【0202】
<体感距離算出における基準のユーザ設定>
上述した操作距離に対し、基準をユーザが設定できてもよい。その手法の具体例を示す。
【0203】
設定部2は、出力制御部5を介して、ディスプレイ5上のある位置にアイコンA1を表示させる(図21A参照)。そして、ユーザは、入力インターフェース1を介して、表示されたアイコンA1をできるだけ早く選択する。すなわち、設定部2は表示されたアイコンA1の選択をユーザから受け付ける。設定部2は、アイコンA1をディスプレイ5に表示させてから、ユーザによって選択されるまでの時間を把握する。
【0204】
続いて、設定部2は、ディスプレイ5上の別の位置にアイコンA2を表示させる(図21B参照)。そして、ユーザは、入力インターフェース1を介して、表示されたアイコンA2をできるだけ早く選択する。すなわち、設定部2は表示されたアイコンA2の選択をユーザから受け付ける。設定部2は、アイコンA2をディスプレイ5に表示させてから、ユーザによって選択されるまでの時間(以下「選択時間」という。)を把握する。
【0205】
以上の処理動作をディスプレイ5上の各位置において行う。すなわち、設定部2はディスプレイ上の各位置にアイコンを順次に表示させる。そして、設定部2は表示されたアイコンの選択をユーザから受け付ける。なお、アイコンは、ディスプレイ5上の全位置に表示されてもよいし、一部の位置のみに表示されてもよい。また、1つの位置に複数回アイコンを表示させてもよい。
【0206】
ディスプレイ5上の各位置におけるアイコンの表示およびユーザによる選択が完了すると、設定部2はアイコンの位置と選択時間との関係をディスプレイ2に表示させてもよい。一例として、図22に示すように、各位置に配置されたアイコンと、その位置にアイコンが表示された際の選択時間と、を含む画面が表示される。
【0207】
そして、設定部2は選択時間に基づいて操作距離算出における基準を生成する。具体例とし、基準WebページW0において、選択時間が長いアイコンに対応する位置に表示されるリンクに関連付けられた対象Webページほど、操作距離が長くなるような基準が生成される。例えば、基準WebページW0において、図22のアイコンA3に対応する位置に表示されるリンクL3(図23参照)に関連付けられた対象Webページの体感距離が「1」となり、アイコンA4に対応する位置に表示されるリンクL4(図23参照)の関連付けられた対象Webページの体感距離が「5」となるよう、基準が設定される。
【0208】
なお、設定部2は図21Aおよび図21Bに示すアイコンを表示するデバイスをユーザから予め受け付けてもよい。例えばスマートフォンである場合、設定部2はスマートフォン用の基準を生成する。
【0209】
また、設定部2は、左手で選択操作を行うか右手で選択操作を行うかを、ユーザから予め受け付けてもよい。例えば左手で選択操作を行う場合、設定部2は左手用の基準を生成する。そして、体感距離算出部3は左手で選択操作を行うことを想定した操作距離を算出することとなる。
【0210】
また、設定部2は、選択時間に加え、選択成功率(または失敗率)を計測してもよい。例えば、図21Aに示す位置にアイコンA1を10回表示し、正しくアイコンA1が選択された回数が8回、アイコンA1とは異なる場所が選択された回数が1回、所定の制限時間以内に選択操作を行えなかった回数が1回である場合、成功率は80%である。そして、設定部2は、成功率が高いほど操作距離が短くなるよう、基準を生成してもよい。なお、図22の画面において、成功率(または失敗率)が表示されてもよい。
【0211】
さらに、設定部2は選択失敗の際のずれ距離を計測してもよい。ずれ距離は、表示したアイコンの位置と、ユーザによって選択された位置との距離である。そして、設定部2は、ずれ距離が長いほど操作距離が長くなるよう、基準を生成してもよい。なお、図22の画面において、選択失敗の際のずれ距離が表示されてもよい。
【0212】
また、設定部2は図21Cに示すように複数の位置に複数のアイコンA5,A6を同時に表示させてもよい。そして、ユーザは入力インターフェース1を介してアイコンA5,A6を選択しやすいと感じる順にできるだけ早く選択する。そして、設定部2は先に選択順も考慮して基準を生成してもよい。また、設定部2は、先に選択されたアイコンと、後に選択されたアイコンとの選択時間差を考慮して基準を生成してもよい。例えば、選択時間差が長いほど、先に選択されたアイコンの位置に対応する操作距離と、後に選択されたアイコンの位置に対応する操作距離と、の差が大きくなるようにしてもよい。
【0213】
その他、設定部2は、表示するアイコンの表示態様(形状、サイズ、色、枠線の色、枠線の太さ等)の設定をユーザから受け付けてもよい。これにより、リンクの表示態様に応じた基準を生成できる。
【0214】
また、設定部2は、アイコンの表示位置および/またはアイコンどうしの間隔の設定をユーザから受け付けてもよい。表示位置の設定が多いほど、また、間隔を小さく設定するほど、より正確な基準を生成できる。一方、表示位置の設定が少ないほど、また、間隔を大きく設定するほど、より短時間で基準を生成できる。
【0215】
また、設定部2は、アイコンの表示速度、表示時間、表示時間、同時に表示するアイコン数、アイコンをどのような順番で表示するか、の設定をユーザから受け付けてもよい。その他、設定部2は任意の設定をユーザから受け付け、受け付けた情報を考慮して基準を設定してもよい。
【0216】
続いて、物理距離算出における基準設定の例を示す。
Webページのレイアウトパターンとして、例えばシングルカラム形式(図24A)、マルチカラム形式(図25)、グリッド形式(図26)などがある。例えば、シングルカラム形式では、ディスプレイの表示領域が、ヘッダー部、ナビゲーション部、コンテンツ部、フッター部といった複数の領域に分割されている。
【0217】
設定部2は、出力制御部5を介して、あるレイアウトパターンをディスプレイ5に表示させる(図27参照。シングルカラム形式を例示)。この画面には、例えば各領域に順序設定欄D1,D2等が設けられており、ユーザは各領域について物理距離の順序を任意に設定できる。例えば、ユーザが、ヘッダー部、ナビゲーション部、コンテンツ部(左)、コンテンツ部(中央)、コンテンツ部(右)、コンテンツ部(下)、フッター部の順に物理距離を短く設定したい場合、図27のように順序を設定する。
【0218】
このように、設定部2は各領域に対する体感距離の長短(順序)に関する情報の設定をユーザから受け付ける。そして、設定部2は設定された情報に基づいて物理距離算出の基準を生成する。例えば、図27の例によれば、基準Webページがシングルカラム形式である場合、ヘッダー部に配置されたリンクに対応する対象Webページへの物理距離は、ナビゲーション部に配置されたリンクに対応する対象Webページへの物理距離より短くなる。
【0219】
また、レイアウトパターンにおける各領域の中に複数のリンクが配置されることもあり得る。よって、設定部2は領域内での基準を生成してもよい。
【0220】
その具体例として、図28(シングルカラム形式を例示)のようなレイアウトパターンをディスプレイ5に表示させる。この画面には、例えば各領域内に複数のアイコンE1,E2等が配置されており、ユーザは領域内の各アイコンについて物理距離の順序を任意に設定できる。
【0221】
例えば、ユーザが、ヘッダー部内のリンクはZ字型とし、ナビゲーション部内のリンクは逆N字型としたい場合、図28のように順序を設定する。
【0222】
このように、設定部2はディスプレイの各位置にアイコンを表示させ、各アイコンに対する体感距離の長短(順序)に関する情報の設定をユーザから受け付ける。そして、設定部2は設定された情報に基づいて物理距離算出の基準を生成する。例えば、図28の例によれば、基準Webページがシングルカラム形式である場合において、ヘッダー部内に配置された複数のリンクについてはZ字型で物理距離が算出され、ナビゲーション部内に配置された複数のリンクについては逆N字型で物理距離が算出される。
【0223】
なお、図28のように複数のアイコンを表示させて物理距離の設定をユーザから受け付ける場合、必ずしも表示領域を複数の領域に分割することを前提としなくてもよい。
【0224】
このように、本実施形態によれば、Webページ間の体感距離を示す情報を生成でき、サイト制作者にとって有用である。
【0225】
以上の実施形態では、主にWebページ間の体感距離を採り上げたが、Webページ以外にも本発明は適用可能である。例えば、ディスプレイに表示される任意の画面間の体感距離にも適用できる。より具体的な例として、複数の画面間を遷移するアプリ、ゲーム、ATM(現金自動預払機)モニターなどの電子案内において、ある基準画面から対象画面への体感距離を算出し、体感距離情報が生成されてよい。さらに、Webページや画面にも限られず、任意の電子媒体間の体感距離にも適用できる。
【0226】
また、以上の実施形態では、主にリンクの選択による遷移を採り上げたが、音声、ジェスチャー、視線等、任意のユーザイベントによる遷移について、本発明を適用可能である。
【0227】
本明細書で言及したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録して頒布されてもよいし、インターネットなどの通信回線(無線通信も含む)を介して頒布されてもよいし、任意の端末にインストールされた状態で頒布されてもよい。
【0228】
本明細書で説明した各発明は、上述した個々の実施形態には限定されるものではなく、適宜、種々の追加、変更、組み合わせおよび部分的削除が可能である。
例えば、本明細書において1台の装置として説明されるもの(図面において1台の装置のように描かれているものを含む)を複数の装置によって実現してもよい。
【0229】
また、矛盾が生じない範囲で、ある実施形態の一部を他の実施形態に組み込んでもよい。さらに、本明細書に記載された事項の全てが必須の要件というわけではない。特に、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載されていない事項は任意の付加的事項である。
【0230】
なお、本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄の文献に記載された文献公知発明を知っているというにすぎず、本明細書に記載された各発明は必ずしも同文献公知発明における課題を解決することを目的とするものではない。特許請求の範囲に記載された発明が解決しようとする課題は本明細書全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する場合(明示の記載がある場合に加え、構成から読み取れる場合も含む)、当該所定の効果の裏返しとなる課題が解決されるということもできる。ただし、必ずしもそのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【符号の説明】
【0231】
1 入力インターフェース
2 設定部
3 体感距離算出部
4 サイトマップ生成部
5 出力制御部
6 ディスプレイ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図28