(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/653 20140101AFI20231107BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231107BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20231107BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20231107BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20231107BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231107BHJP
H01M 50/224 20210101ALI20231107BHJP
【FI】
H01M10/653
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/6568
H01M10/6551
H01M50/204 401H
H01M50/224
(21)【出願番号】P 2022518303
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 KR2021009647
(87)【国際公開番号】W WO2022045597
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106332
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ホング・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ソプ・ユン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-051883(JP,A)
【文献】特開2018-170211(JP,A)
【文献】特開2014-192094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60 -10/667
H01M 50/20 -50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、
前記モジュールフレームの底部下側に形成されて、前記複数の電池セルを冷却させるヒートシンクとを含み、
前記ヒートシンクは、下部プレートと、冷媒の流動経路を形成する隔壁部とを含み、
前記隔壁部は、形状記憶合金で形成され、温度に応じて前記隔壁部の形態が変形することによって、前記冷媒の流動を変更
し、
最高温度が形成された部分において、前記隔壁部は、前記冷媒の流動経路上に複数の突出部が追加的に形成されるように変形する、電池モジュール。
【請求項2】
前記隔壁部は、前記冷媒の流動方向に向かって斜め方向に突出する複数の突出部が追加的に形成されるように変形する、請求項
1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記複数の突出部は、前記冷媒の流動経路の両側に交互に配置される、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
最低温度が形成された部分において、前記隔壁部は、前記最低温度が形成される部分に形成された冷媒の流動経路が迂回経路となるように、近道経路が新設されるように変形する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記隔壁部は、前記近道経路上に形成された隔壁部分が分離されるように変形することによって、前記近道経路が新設される、請求項
4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
分離された前記隔壁部分は、前記近道経路に向かって曲線形態に曲がり分離される、請求項
5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記近道経路は、前記迂回経路よりも短い経路である、請求項
4に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記ヒートシンクは、冷媒が流入するインレットと、冷媒が排出されるアウトレットとを含み、前記インレットと前記アウトレットは、前記ヒートシンクの一部分に共に形成された、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項9】
請求項1に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2020年8月24日付の韓国特許出願第10-2020-0106332号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より詳しくは、冷却性能を向上させる電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、モバイル機器および電気自動車などの多様な製品群においてエネルギー源として大いなる関心を受けている。このような二次電池は、化石燃料を使用する既存の製品の使用を代替できる有力なエネルギー資源であって、エネルギーの使用による副産物が発生せず、環境にやさしいエネルギー源として注目されている。
【0004】
最近、二次電池のエネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量の二次電池構造に対する必要性が高まるにつれ、多数の二次電池が直列/並列に連結された電池モジュールを集合させたマルチモジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0005】
一方、複数の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、電池セルからなる電池モジュールを構成し、このような少なくとも1つの電池モジュールを用いてその他の構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。
【0006】
このような電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体と、電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、複数の電池セルを冷却させるヒートシンクとを含む。
【0007】
図1は、従来のヒートシンクと結合された電池モジュールを示す図である。
【0008】
図1を参照すれば、従来の電池モジュールは、複数の電池セル10が積層形成された電池セル積層体と、電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、前記モジュールフレームの底部20と前記電池セル積層体との間に位置する熱伝導性樹脂層15とを含む。このような電池モジュールは、モジュールフレームの底部20の下に形成されて、複数の電池セル10に冷却機能を提供するヒートシンク30と結合して電池パックを形成することができる。ここで、電池モジュールの底部20とヒートシンク30との間に熱伝導層18がさらに形成される。この時、ヒートシンクは、下部プレート31および上部プレート29を含み、下部プレート31と上部プレート29との間に冷媒が流動することができる。
【0009】
従来は、電池モジュールおよび/または電池パックの冷却性能を向上させるために、電池パック単位で別途の冷却構造、例えば、ヒートシンクを必要とする。したがって、冷却構造が複雑になる傾向があり、冷媒と電池セル積層体との間が上部プレート29、モジュールフレームの底部20などからなる多層構造に形成されることによって、電池セルを間接的に冷却するしかないという限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は、冷却性能を向上させる電池モジュールおよび電池パックを提供することである。
【0011】
本発明の課題は上記の課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を実現するための、本発明の一実施例による電池モジュールは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、前記電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、前記モジュールフレームの底部下側に形成されて、前記複数の電池セルを冷却させるヒートシンクとを含み、前記ヒートシンクは、下部プレートと、冷媒の流動経路を形成する隔壁部とを含み、前記隔壁部は、形状記憶合金で形成され、温度に応じて前記隔壁部の形態が変形することによって、前記冷媒の流動を変更する。
【0013】
最高温度が形成された部分において、前記隔壁部は、前記冷媒の流動経路上に複数の突出部が追加的に形成されるように変形できる。
【0014】
前記隔壁部は、前記冷媒の流動方向に向かって斜め方向に突出する複数の突出部が追加的に形成されるように変形できる。
【0015】
前記複数の突出部は、前記冷媒の流動経路の両側に交互に配置される。
【0016】
最低温度が形成された部分において、前記隔壁部は、前記最低温度が形成される部分に形成された冷媒の流動経路が迂回経路となるように、近道経路が新設されるように変形できる。
【0017】
前記隔壁部は、前記近道経路上に形成された隔壁部分が分離されるように変形することによって、前記近道経路が新設される。
【0018】
分離された前記隔壁部分は、前記近道経路に向かって曲線形態に曲がり分離される。
【0019】
前記近道経路は、前記迂回経路よりも短い経路であってもよい。
【0020】
前記ヒートシンクは、冷媒が流入するインレットと、冷媒が排出されるアウトレットとを含み、前記インレットと前記アウトレットは、前記ヒートシンクの一部分に共に形成される。
【0021】
本発明の他の実施例による電池パックは、前記電池モジュールを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例によれば、温度に応じて冷媒の流動経路を変更して温度偏差を減少させることによって、電池モジュールの冷却性能を向上させることができる。
【0023】
また、モジュールフレームとヒートシンクとを一体化した冷却構造により、冷却構造の単純化を実現することができる。
【0024】
本発明の効果は上記の効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来のヒートシンクと結合された電池モジュールを示す図である。
【
図2】本発明の一実施例による電池モジュールの分解斜視図である。
【
図3】
図2の電池モジュールの構成が組立てられた様子を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例による隔壁部が最高温度部で変形した様子を示す図である。
【
図5】本発明の一実施例による隔壁部が最低温度部で変形した様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に説明される実施例は発明の理解のために例として示したものであり、本発明は、ここで説明される実施例と異なって多様に変形して実施できることが理解されなければならない。ただし、本発明を説明するにあたり、かかる公知の機能あるいは構成要素に関する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにしうると判断された場合、その詳細な説明および具体的な図示を省略する。また、添付した図面は発明の理解のために実際に縮尺通りに示されたものではなく、一部の構成要素の寸法が誇張されて示される。
【0027】
本出願で使用される第1、第2という用語は多様な構成要素を説明するのに使用できるが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0028】
また、本出願で使用される用語は単に特定の実施例を説明するために使用されたもので、権利範囲を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」、「なる」または「構成される」などの用語は、明細書上記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0029】
以下、
図2および
図3を参照して、本発明の一実施例による電池モジュールの構成について説明する。
【0030】
図2は、本発明の一実施例による電池モジュールの分解斜視図である。
図3は、
図2の電池モジュールの構成が組立てられた様子を示す図である。
【0031】
図2および
図3を参照すれば、本発明の一実施例による電池モジュールは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体100と、電池セル積層体100を収容するモジュールフレーム200と、モジュールフレーム200の下側に形成されて、複数の電池セルを冷却させるヒートシンク(Heat sink)500とを含む。
【0032】
本実施例による電池セルは二次電池であって、パウチ型二次電池で構成される。このような電池セルは複数構成され、複数の電池セルは、相互電気的に連結できるように相互積層されて電池セル積層体100を形成することができる。複数の電池セルはそれぞれ、電極組立体と、セルケースと、電極組立体から突出した電極リードとを含むことができる。
【0033】
モジュールフレーム200は、電池セル積層体100を収容する。本実施例によれば、モジュールフレーム200は、底部210および両側面部220を含み、電池セル積層体100の両側面および底面をカバーすることができる。電池セル積層体100の上側面には上部プレート300が形成されて、電池セル積層体100の上面部をカバーすることができる。
【0034】
電池セル積層体100の前後面にはエンドプレート400が形成される。エンドプレート400は、電池セル積層体100の前後面をカバーすることができる。モジュールフレーム200、上部プレート300およびエンドプレート400は、内部に収容された電池セル積層体100を物理的に保護することができる。
【0035】
ヒートシンク500は、モジュールフレーム200の下部に形成される。ヒートシンク500は、ヒートシンク500の骨格を形成し、モジュールフレーム200の底部210と接触する下部プレート510と、ヒートシンク500の一側に形成されて、外部からヒートシンク500の内部に冷媒を供給するインレット530と、ヒートシンクの一側に形成されて、ヒートシンクの内部で流動した冷媒がヒートシンクの外部に流出するようにするアウトレット540と、インレット530とアウトレット540とを連結し、冷媒の流動経路を形成する隔壁部520とを含むことができる。この時、インレット530とアウトレット540は、ヒートシンク500の一部分に共に形成される。
【0036】
具体的には、冷媒が流動する流路は、下部プレート510と、下部プレート510の上側に形成されたモジュールフレームの底部210と、モジュールフレームの底部210と下部プレート510との間に形成された隔壁部520とにより形成される。言い換えれば、本実施例による電池モジュールは、モジュールフレーム200の底部がヒートシンク500の上部プレート300に対応する役割を果たす冷却一体型構造を有することができる。
【0037】
従来は、モジュールフレームの下側に冷媒が流れる構造が別途に形成されていて、モジュールフレームを間接的に冷却するしかないので、冷却効率が低下し、別途の冷媒流動構造が形成されていて、電池モジュールおよび電池モジュールが装着された電池パック上の空間活用率が低くなる問題があった。しかし、本発明の一実施例によれば、モジュールフレーム200の下部にヒートシンク500を一体化させた構造を採用して、下部プレート510とモジュールフレームの底部210との間に冷媒が直接流動可能になることによって、直接冷却による冷却効率が上昇し、ヒートシンク500がモジュールフレームの底部210と一体化された構造により、電池モジュールおよび電池モジュールが装着された電池パック上の空間活用率をより向上させることができる。
【0038】
以下、
図2、
図4および
図5を参照して、温度に応じた隔壁部の変形について説明する。
【0039】
図4は、本発明の一実施例による隔壁部が最高温度部で変形した様子を示す図である。
図5は、本発明の一実施例による隔壁部が最低温度部で変形した様子を示す図である。
【0040】
図2、
図4および
図5を参照すれば、本実施例による隔壁部520は、形状記憶合金(SMA、Shape Memory Alloy)で形成され、温度に応じて隔壁部520の形態が変形することによって、それによる冷媒の流動を変更する。
【0041】
本実施例のように、電池セルが12個~24個からなる電池セル積層体が収容される大面積電池モジュールでは、モジュールの大型化によって高温状態で電池モジュール内での電池セルの温度偏差が大きく発生することがあり、大きな温度偏差が発生した場合、電池セルの性能低下が憂慮される。
【0042】
このようなデメリットを克服するために、従来、電池モジュールの冷却システムを設けて電池モジュール内部の温度を調節しようとする試みがあったが、供給される冷媒の流量または温度の調節だけで電池セルの温度偏差を縮小するには限界があった。
【0043】
そこで、本実施例によれば、一定の温度に反応する形状記憶合金を、冷却システムとして機能するヒートシンク500の隔壁部520に適用した。これによって、隔壁部520が一定の温度に応じて変形することによって、冷媒の流動経路を変更することができる。より詳しくは、温度が高い地点では、相対的に冷媒の流動速度が減少するように流動経路を調節して、温度が高い地点の温度を相対的に大きく低下させ、温度が低い地点では、相対的に冷媒の流動速度が高くなるように流動経路を調節して、温度が低い地点の温度は相対的に小さく低下させることができる。
【0044】
図4には、隔壁部520が最高温度部で変形した様子が示されている。
【0045】
本実施例によれば、最高温度が形成された部分において、隔壁部520は、冷媒の流動経路上に複数の突出部520aが追加的に形成されるように変形できる。隔壁部520は、冷媒の流動方向に向かって斜め方向に突出する複数の突出部520aが追加的に形成されるように変形できる。また、複数の突出部520aは、冷媒の流動経路の両側に交互に配置される。
【0046】
図4に示されているように、最高温度部が形成された地点の前方で隔壁部520が複数の突出部520aを有するように変形することによって、複数の突出部520aに出会った流動は、突出部の表面部で渦流が形成されるなど、隔壁部の突出構造の形成により全般的な流動進行速度が顕著に減少できる。そして、流動速度が減少した場合、最高温度部が形成された地点に冷媒が留まる時間が相対的に増加して、最高温度部で発生する熱を相対的に多く受けることによって、当該部分の温度を相対的に大きく低下させることができる。
【0047】
また、
図4に示されているように、アウトレット540と相対的に近い所に最高温度部が形成されていて、インレット530を通して流入した冷媒が流路を通ってアウトレット540に近づくにつれて相対的に冷媒の温度が上昇した状態であるとしても、流速自体が遅くなる以上、当該部分の温度を相対的に大きく低下させることができる。
【0048】
本実施例では、最高温度部を中心に説明したが、隔壁部の変形が最高温度地点でのみ発生するわけではなく、他の地点より相対的に温度がより高い地点の場合、当該位置の隔壁部が突出して冷媒の流速を減少させることによって、当該部分の温度を他の地点に対比してより低下させることができる。
【0049】
図5には、隔壁部520が最低温度部で変形した様子が示されている。
【0050】
本実施例によれば、最低温度が形成された部分において、隔壁部520は、冷媒の流動経路が迂回経路となるように、近道経路Sが新設されるように変形できる。この時、隔壁部520は、近道経路S上に形成された隔壁520b部分が分離されるように変形することによって、近道経路Sが新設される。本実施例によれば、分離された隔壁520b部分は、近道経路Sに向かって曲線形態に曲がり分離される。
【0051】
図5に示されているように、最低温度部が形成された地点の隔壁520b部分が分離されて、既存の迂回経路よりも短い近道経路Sが新設される。したがって、近道経路Sの新設により迂回経路および近道経路の2つの冷媒流動経路が形成され、相対的に迂回経路に流動する冷媒の流量が減少して、冷媒に伝達される熱の量が減少することによって、当該部分の温度を相対的に小さく低下させることができる。
【0052】
また、迂回経路を通る冷媒の流速が近道経路Sが新設される前の流速より増加して、最低温度部が形成された地点に冷媒が留まる時間が相対的に減少することによって、最低温度部で発生する熱を相対的に少なく受けて、最低温度部の温度を他の地点より相対的に小さく低下させることができる。
【0053】
本実施例では、最低温度部を中心に説明したが、隔壁部の変形が最低温度地点でのみ発生するわけではなく、他の地点より相対的に温度がより低い地点の場合、当該位置の隔壁部が分離されて新たな経路が新設される。これによって新たな経路への流量分散が行われて、当該位置を通過する流量が減少することによって、当該部分の温度を他の地点に対比してより小さく低下させることができる。
【0054】
上述した電池モジュールは、電池パックに含まれる。電池パックは、本実施例による電池モジュールを1つ以上まとめて電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)と冷却装置などを追加してパッキングした構造であってもよい。
【0055】
前記電池パックは、多様なデバイスに適用可能である。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールを用いることができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施例について図示および説明したが、本発明は上述した特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることはもちろんであり、このような変形実施は本発明の技術的な思想や展望から個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0057】
100:電池セル積層体
200:モジュールフレーム
210:モジュールフレームの底部
220:モジュールフレームの側面部
300:上部プレート
400:エンドプレート
500:ヒートシンク
510:下部プレート
520:隔壁部
520a:突出部
520b:分離された隔壁
530:インレット
540:アウトレット
S:近道経路