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特許7378909大型機械を出荷するための変換可能な支持構造体
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  • 特許-大型機械を出荷するための変換可能な支持構造体 図1
  • 特許-大型機械を出荷するための変換可能な支持構造体 図2
  • 特許-大型機械を出荷するための変換可能な支持構造体 図3
  • 特許-大型機械を出荷するための変換可能な支持構造体 図4
  • 特許-大型機械を出荷するための変換可能な支持構造体 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】大型機械を出荷するための変換可能な支持構造体
(51)【国際特許分類】
   F16M 5/00 20060101AFI20231107BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20231107BHJP
   F01D 25/24 20060101ALI20231107BHJP
   F01D 25/28 20060101ALI20231107BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20231107BHJP
   F02C 7/20 20060101ALI20231107BHJP
   F16M 1/00 20060101ALI20231107BHJP
   F16M 7/00 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
F16M5/00 B
F01D25/00 X
F01D25/24 J
F01D25/28 C
F02C7/00 Z
F02C7/20 A
F16M1/00 P
F16M1/00 R
F16M7/00 B
F16M7/00 L
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017104044
(22)【出願日】2017-05-26
(65)【公開番号】P2017215041
(43)【公開日】2017-12-07
【審査請求日】2020-05-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-12
(31)【優先権主張番号】15/169,974
(32)【優先日】2016-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・デミアノビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ディネシュ・ベヌゴパルセティ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・パトリック・ミルズ
(72)【発明者】
【氏名】リキース・レディ・アサーニ
【合議体】
【審判長】藤井 昇
【審判官】八木 誠
【審判官】中村 則夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6170141(US,B1)
【文献】特開平1-237230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M1/00, 5/00, 7/00
F01D25/00, 25/24, 25/28
F02C7/00, 7/20
B64F5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体の外形を有する大型機械のための出荷スタンドであって、
出荷作業中に大型機械を支持するように構成された第1の構成要素を含む一次支持構造体と、
大型機械に取り付け可能であり、一次支持構造体と協働可能な二次支持構造体とを含み、二次支持構造体は、出荷作業中に大型機械を支持するように構成された第2の構成要素を含み、
出荷スタンドは、一次支持構造体と二次支持構造体の両方を使用する完全支持構成と、二次支持構造体のみを使用する個別支持構成であって、一次支持構造体が個別支持構成の出荷スタンドの一部を形成しない個別支持構成との間で選択的に構成可能であり、出荷スタンドの1以上の物理的特性は、完全支持構成と個別支持構成の両方で大型機械が車両輸送のために支持されるように完全支持構成と個別支持構成との間で変更され、
完全支持構成では、二次支持構造体が一次支持構造体によって受け入れられ、
一次支持構造体は、前端ベース部材と、後端ベースと、前端ベース部材と後端ベースとの間に配置された支持レールとを含み、
二次支持構造体は、ブラケット支持ベース及びジブプレートを含み、完全支持構成では、ブラケット支持ベースは一次支持構造体の前端ベース部材上に配置され、ジブプレートは後端ベース上に配置され、
ジブプレートとブラケット支持ベースは、回転体の回転軸に沿って互いに離れた位置で大型機械を支持し、
ブラケット支持ベースに取り付けられ、各々が機械ピンを受け入れるように位置決めされた一対のスタンド脚部と、
ジブプレート及び大型機械に機械加工されたポケットに取り付け可能な接続キーと、
をさらに含む、出荷スタンド。
【請求項2】
回転体の外形を有する大型機械のための出荷スタンドであって、
出荷作業中に大型機械を支持するように構成された第1の構成要素を含む一次支持構造体と、
大型機械に取り付け可能であり、一次支持構造体と協働可能な二次支持構造体とを含み、二次支持構造体は、出荷作業中に大型機械を支持するように構成された第2の構成要素を含み、
出荷スタンドは、一次支持構造体と二次支持構造体の両方を使用する完全支持構成と、二次支持構造体のみを使用する個別支持構成との間で選択的に構成可能であり、出荷スタンドの1以上の物理的特性は、完全支持構成と個別支持構成の両方で大型機械が車両輸送のために支持されるように完全支持構成と個別支持構成との間で変更され、
二次支持構造体は、ブラケット支持ベース及びジブプレートを含み、
ジブプレートとブラケット支持ベースは、回転体の回転軸に沿って互いに離れた位置で大型機械を支持し、
一次支持構造体が個別支持構成の出荷スタンドの一部を形成しない、出荷スタンド。
【請求項3】
個別支持構成の出荷スタンドの高さは、完全支持構成よりも小さく、
個別支持構成の出荷スタンドの重量は、完全支持構成よりも小さく、
個別支持構成の出荷スタンドの幅は、完全支持構成よりも小さい、請求項1または2に記載の出荷スタンド。
【請求項4】
二次支持構造体が、大型機械の前端に配置されるブラケット支持ベース(22)と大型機械の後端に配置され、ブラケット支持ベース(22)に接続されないジブプレート(24)とを含み、
二次支持構造体は、ブラケット支持ベース(22)とジブプレート(24)と接続する支持レールを含まない、請求項2に記載の出荷スタンド。
【請求項5】
ブラケット支持ベース(22)が底面を有し、
ジブプレート(24)が底面を有し、
一次支持構造体は、ブラケット支持ベース(22)の底面が載置される平坦な上面を備える前端ベース部材(16)と、ジブプレート(24)の底面が載置される平坦な上面を備える後端ベース部材(18)と、前端ベース部材(16)と後端ベース部材(18)との間に配置される一対の支持レール(20)により構成される、請求項4に記載の出荷スタンド。
【請求項6】
ブラケット支持ベースに取り付けられた一対のスタンド脚部をさらに備え、
大型機械が、
一対のタービンケーシングピン(28)を備えるガスタービン含み、
一対のスタンド脚部が一対のタービンケーシングピン(28)を受け入れ、
スタンド脚部(26)と接続キー(32)は、個別支持構成における出荷のための3点支持構成を提供する、請求項1乃至5のいずれかに記載の出荷スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型機械のための出荷支持構造体に関し、より具体的には、タービンなどの大型機械が、標準的な出荷支持体を用いては実現することができない1以上の出荷基準を満たすことを可能にする出荷支持構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
タービン技術の進歩により、タービンのサイズが大きくなっている。タービン及び他の大型機械メーカーは、あらゆる輸送手段を使用して世界中に製品を出荷している。しかし、既存のインフラストラクチャは、より大きなサイズの機械に対応するように簡単に変更されず、最終目的地に製品を届けるのが難しくなる。したがって、ヘビーデューティガスタービンなどの大型機械を出荷する際に、高さ、幅及び重量制限を含む通常の世界的な出荷制限に対応するための課題が生じる。
【0003】
現在、これらの製品を挑戦的な場所に出荷することを可能にするためには、特別で時間のかかる迂回経路や高価な回避策が必要である。多くの場合、経路は、例えば低い橋や狭い通路などの挑戦を与える1つの障害によって制限される。出荷外囲容器の限界を克服するための既存の方法には、横方向及び縦方向に移動する調節可能なレールカー又は道路車両が含まれる。障害物の拘束を避けるために、別の経路計画も利用可能である。しかしながら、これらの選択肢は、調整可能な容器の選択肢が多くなく、これらの容器にも限界があるため、好ましくない。これらの選択肢はまた、利用するのに費用がかかる。単一構成の出荷支持体は、構成可能ではない経路上の最も困難な障害を満たすように設計することができる。しかし、この解決策は他の要件を妥協するか、コストが高くなる。
【0004】
これらの欠点を克服し、重機械が最小の遅延で最も経済的なルートで出荷されることを可能にすることが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2014/0013768号明細書
【発明の概要】
【0006】
例示的な実施形態では、大型機械用の出荷スタンドは、出荷作業中に大型機械を支持するように構成された第1の構成要素を有する一次支持構造体と、大型機械に取り付け可能であり、一次支持構造体と協働可能な二次支持構造体とを含む。二次支持構造体は、出荷作業中に大型機械を支持するように構成された第2の構成要素を含む。出荷スタンドは、一次支持構造体及び二次支持構造体の両方を使用する完全支持構成と、二次支持構造体のみを使用する個別支持構成との間で選択的に構成可能である。出荷スタンドの1以上の物理的特性は、完全支持構成と個別支持構成との間で変化する。
【0007】
別の例示的な実施形態では、段階的出荷スタンドは、第1段組立体と、第2段組立体とを含み、第1段組立体と第2段組立体とが共に第1のプロファイルを画成し、第2段組立体のみが第1のプロファイルよりも小さい第2のプロファイルを画成する。第2段組立体は、負荷に直接取り付け可能である。第2段組立体は、個別支持構成では独立して動作可能であり、完全支持構成では第1段組立体と選択的に協働可能である。
【0008】
さらに別の例示的な実施形態では、出荷スタンドを使用して大型機械を出荷する方法は、大型機械及び二次支持構造体を一次支持構造体上に位置決めするステップと、出荷前又は出荷中に、大型機械が二次支持構造体上にのみ支持されるように、一次支持構造体を取り除くことによって、出荷スタンドの一以上の物理的特性を変更するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】記載した実施形態による出荷スタンドの斜視図である。
図2】スタンドの一部を機械負荷に接続する構成要素を示す詳細図である。
図3】出荷作業中に、記載した実施形態の段階的出荷スタンドを利用するガスタービンを示す。
図4】出荷作業中に、記載した実施形態の段階的出荷スタンドを利用するガスタービンを示す。
図5】出荷作業中に、記載した実施形態の段階的出荷スタンドを利用するガスタービンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照すると、本発明の実施形態は、2以上の構成からなる出荷支持構造体に関するものであり、一次支持構造体が大部分の出荷輸送モードで使用され、二次支持構造体は、制限された又は挑戦的なモードもしくはセグメントで選択的に使用される。いくつかの実施形態では、一次支持構造体と二次支持構造体は、完全支持構成では一緒に使用される。一次支持構造体を取り外すことができ、二次支持構造体を残して、個別支持構成で機械を支持することができる。個別支持構成は、全体的な出荷高さを数インチ減少させることができ、高さが制限される障害物の下の通過を可能にする。他の実施形態では、特別な構成は、出荷全体の幅又は重量を一時的に減少させることができる。
【0011】
一次支持構造体は、第1段組立体と呼ばれてもよく、二次支持構造体は、第2段組立体と呼ばれてもよい。第1段組立体と第2段組立体とが共に第1のプロファイルを画成し、第2段組立体のみが第1のプロファイルよりも小さい第2のプロファイルを画成する。いくつかの実施形態では、第2段組立体は、負荷に直接取り付け可能であり、個別支持構成では独立して動作可能である。第2段組立体は、完全支持構成では第1段組立体と選択的に協働可能である。
【0012】
図1を参照すると、例示的なガスタービンを支持する出荷スタンド10が示されている。出荷スタンド10は、出荷作業中に大型機械を支持するように構成された第1の構成要素を含む一次支持構造体12を含む。二次支持構造体14は、大型機械に取り付け可能であり、一次支持構造体12と協働可能である。二次支持構造体14は、出荷作業中に大型機械を支持するように同様に構成された第2の構成要素を含む。一般に、出荷スタンド10は、一次支持構造体12及び二次支持構造体14の両方を使用する完全支持構成と、二次支持構造体14のみを使用する個別支持構成との間で選択的に構成可能である。出荷スタンドの1以上の物理的特性、例えば、高さ、幅、重量は、全支持構成と個別支持構成との間で変化する。
【0013】
いくつかの実施形態では、一次支持構造体12は、前端ベース部材16と、後端ベース部材18と、前端ベース16と後端ベース18との間に配置された支持レール20とを含む。後端ベース18は、例示的なレールと共に図1に示されている。二次支持構造体14は、ブラケット支持ベース22及びジブプレート24を含むことができる。完全支持構成では、ブラケット支持ベース22は、一次支持構造体12の前端ベース部材16上に配置され、ジブプレート24は後端ベース18上に配置される。このようにして、二次支持構造体14は、完全支持構成では一次支持構造体12によって受け入れられる。
【0014】
スタンドは、一対のスタンド脚部26をさらに含むことができる(図1ではタービンの対向する側に第2のスタンド脚部を有する)。スタンド脚部26は、ブラケット支持ベース22に取り付けられ、各々が機械に固定されたタービンケーシングピン28などのピンを受け入れるようにそれぞれ配置されている。
【0015】
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、接続キー32が、ジブプレート24及び機械に機械加工されたポケットに取り付け可能である。スタンド脚部26と共に接続キー32は、出荷のための3点支持構成を提供する。
【0016】
図3図5は、記載した実施形態の出荷スタンド10を使用するガスタービンなどの大型機械の出荷方法を示す。前述したように、出荷スタンド10は、一次支持構造体12と二次支持構造体14とを含む。製造現場40では、例えば、機械が出荷のために準備されているとき、機械及び二次支持構造体は、完全支持構成では一次支持構造体上に配置される。出荷50前又は出荷50中に、個別支持構成で大型機械が二次支持構造体上にのみ支持されるように、一次支持構造体を取り除くことによって、出荷スタンドの一以上の物理的特性を変更することができる。個別支持構成では、スタンド高さなどの出荷スタンドの物理的特性を大幅に低減することができる。必要に応じて、例えば、低い橋などに対応するために出荷の高さを一時的に下げるなど、短時間の間、個別支持構成にスタンドを構成することができる。個別支持構成では、速度制限などの追加の出荷制限が適用される場合がある。障害物が一旦除去されると、変更された物理的特性は、一次支持構造体を交換することによって変更されなくてもよく、その結果、機械は、輸送の残りの間、又は別の障害物が発生するまで、一次支持構造体及び二次支持構造体の両方によって支持される。その最終目的地60では、機械は、運転台などに設置される。
【0017】
記載した実施形態の段階的出荷スタンドは、重機械を困難なルートを通って出荷することを可能にし、出荷制限なしでサイズ増大のための継続的な技術開発を解放する。出荷スタンドは、重機械のためのより短くて迅速な出荷を可能にし、それによって出荷コストを低減させる。スタンドは、出荷ルートのより多くの選択肢を可能にし、より多くの目的地が経済的に実現することを可能にする。
【0018】
現在最も実際的で好ましい実施形態であると考えられるものに関して本発明を記載しているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、添付した特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれる好ましい変更及び等価な構成を包含することを意図していることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0019】
10 出荷スタンド
12 一次支持構造体
14 二次支持構造体
16 前端ベース部材
18 後端ベース部材
20 支持レール
22 ブラケット支持ベース
24 ジブプレート
26 スタンド脚部
28 タービンケーシングピン
32 接続キー
40 製造現場
50 出荷
60 最終目的地
図1
図2
図3
図4
図5