(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】ヒト皮膚線維芽細胞内の小胞体シャペロンの産生促進用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/122 20060101AFI20231107BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20231107BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231107BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20231107BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20231107BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231107BHJP
A23L 5/43 20160101ALN20231107BHJP
A61K 36/05 20060101ALN20231107BHJP
【FI】
A61K31/122
A61K8/67
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61Q1/04
A61Q5/00
A61Q19/00
A23L5/43
A61K36/05
(21)【出願番号】P 2018035211
(22)【出願日】2018-02-28
【審査請求日】2020-11-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】小林 豊明
(72)【発明者】
【氏名】越智 洋絵
【合議体】
【審判長】杉江 渉
【審判官】中西 聡
【審判官】岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】Marine Drugs,2017年,Vol.15,No.6,Article 185,p.1~16
【文献】Biochemical and Biophysical Research Communications,2004年,Vol.317,No.2,p.390-396
【文献】Biochemical Journal,2002年,Vol.366,No.3,p.825-830
【文献】ASCB 50th Annual Meeting,2010年,Abstract Number:1657/B1156,p.1207
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99,31/00-31/327,36/00-36/9068
A61P 1/00-43/00
A61Q 1/00-90/00
A23L 5/40-5/49,31/00-33/29
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスタキサンチン類を有効成分とし、皮膚
線維芽細胞に作用し、
前記アスタキサンチン類の含有量が、0.000006~0.1質量%である、ヒト皮膚
線維芽細胞内
の小胞体シャペロン
の産生促進用剤
であって、
前記小胞体シャペロンは、Binding immunoglobulin Protein(BiP)である、小胞体シャペロンの産生促進用剤。
【請求項2】
前記アスタキサンチン類の含有量が、0.000006~0.0006質量%である、請求項
1に記載のヒト皮膚
線維芽細胞内
の小胞体シャペロン
の産生促進用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小胞体シャペロン産生促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
小胞体シャペロン(「小胞体分子シャペロン」、「ER分子シャペロン」とも称される)とは、小胞体内において、他の蛋白質分子が正しい折りたたみ(フォールディング)をして機能を獲得するのを助ける蛋白質の総称である。この小胞体シャペロンは、小胞体ストレスによって発現が誘導される小胞体固有の分子(folding酵素)であり、小胞体内での新生分泌蛋白質や膜蛋白質の折り畳みに極めて重要な役割を果たしている。また、蛋白質の品質管理(例えば、複合体形成、輸送、リフォールデング、脱凝集等)も担っている。
【0003】
特許文献1には、小胞体シャペロンの発現を誘導する作用を有する化合物が開示されており、当該化合物が小胞体ストレスに対する細胞死抑制や、神経変性疾患治療といった用途で用いられることが示唆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、小胞体シャペロン産生促進効果を有する物質への要求は多様であるため、依然として、当該効果を有する新規物質への需要が存在するという実情があった。
【0006】
そこで、本発明では、小胞体シャペロン産生促進効果を有する新規な物質を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、アスタキサンチン類が小胞体シャペロン産生促進効果を有することを見出した。
【0008】
本発明では、アスタキサンチン類を有効成分とし、皮膚線維芽細胞に作用し、前記アスタキサンチン類の含有量が、0.000006~0.1質量%である、ヒト皮膚線維芽細胞内の小胞体シャペロンの産生促進用剤であって、前記小胞体シャペロンは、Binding immunoglobulin Protein(BiP)である、小胞体シャペロンの産生促進用剤を提供する。
更に、本発明では、前記アスタキサンチン類の含有量が、0.000006~0.0006質量%であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小胞体シャペロン産生促進効果を有する新規な物質を提供することができる。
なお、本発明の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】アスタキサンチンのBiP mRNA発現促進効果を示す図面代用グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の小胞体シャペロン産生促進剤は、アスタキサンチン類を有効成分とする。本発明は、アスタキサンチン類がヒト皮膚線維芽細胞において、小胞体シャペロン産生促進効果を有することを初めて明らかにしたものである。
【0012】
1.アスタキサンチン類
本明細書において「アスタキサンチン類」は、カロテノイドの一種であり、特に断りのない限り、アスタキサンチン、及びアスタキサンチンエステルなどのアスタキサンチン誘導体を含めた概念である。本発明において、前記アスタキサンチン類は、アスタキサンチン及びアスタキサンチン誘導体から選択することができる。
【0013】
一般的に、アスタキサンチンは、自然界に広く分布し、通常、アスタキサンチン脂肪酸エステルとして存在すること、甲殻類などで蛋白質と結合したアスタキサンチン蛋白(オボルビン、クラスタシアニン)としても存在することが知られている。通常、天然由来のアスタキサンチンの抽出では、所定の効能が好適に発揮するようにアスタキサンチン及びアスタキサンチン脂肪酸エステルの割合を高めて製品としている。
【0014】
アスタキサンチン誘導体とは、天然由来アスタキサンチンエステル以外にも、適宜合成したアスタキサンチンの塩、酸化体、還元体、幾何異性体、光学異性体、配糖体、エステル体等が挙げられる。より具体的には、例えば、グリシン、アラニン等のアミノ酸エステル類、酢酸エステル、クエン酸エステル等のカルボン酸エステル及びその塩類;リン酸エステル、硫酸エステル等の無機酸エステル及びその塩類;グルコシド等の配糖体類;エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸、オレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸、パルミチン酸やステアリン酸等の飽和脂肪酸から選択される脂肪酸エステル類などから選択される、モノエステル体及び同種又は異種のジエステル体等が挙げられる。前記脂肪酸は、例えば、炭素数2~4の低級脂肪酸、炭素数5~12の中級脂肪酸、炭素数13以上(例えば、炭素数16~22等)の高級脂肪酸を挙げることができる。
【0015】
狭義でのアスタキサンチンは、476nm(エタノール)、468nm(ヘキサン)に吸収極大を持つ赤色の色素でキサントフィル類に分類され、化学構造は3,3’-dihydroxy-β,β-carotene-4,4’-dione(C40H52O4、分子量596.82)である。アスタキサンチンは、分子の両端に存在する環構造の3(3’)-位の水酸基の立体配置により異性体が存在する3S,3S’-体、3S,3R’-体(meso-体)、3R,3R’-体の三種で、更に、分子中央の共役二重結合のcis-、trans-の異性体も存在する。例えば、全cis-、9-cis体と13-cis体などの如くである。3,3’-位の水酸基は脂肪酸とエステルを形成することができる。オキアミから得られるアスタキサンチンは、脂肪酸二個結合したジエステル体、Haematococcuspluvialisから得られるものは3S,3S’-体である。脂肪酸一個結合したモノエステル体が多く含まれている、赤色酵母のPhaffiaRhodozymaより得られるアスタキサンチンは、3R,3R’-体で、通常天然に見出される3S,3S’-体と反対の構造を持っている。
【0016】
本発明において、アスタキサンチン類としては、動物類、植物類、藻類及びバクテリアや菌類のいずれのものから抽出、精製されたものも含まれる。また天然由来のものに限定されず、常法に従って得られるもの(有機合成品)であればいずれのものも使用できる。また、これらを適宜混合して使用することも可能である。なお、天然由来のアスタキサンチン類とは、生物が産生したアスタキサンチン類に由来するものである。
【0017】
本発明に用いられるアスタキサンチン類は、例えば、オキアミ、サケ、マス、福寿草、赤色酵母、ヘマトコッカス藻等の天然物から抽出したものや合成品を用いることができる。本発明では、これらの中でも、ヘマトコッカス藻から抽出されたもの(以下、「ヘマトコッカス藻抽出物」とも称する)が、品質、生産性の点から特に好ましい。
【0018】
天然物からアスタキサンチン類を得る場合の抽出溶媒については、水系溶媒でも有機溶媒であってもよい。前記有機溶媒としては、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等を用いることができる。また、超臨界状態の二酸化炭素等を用いることもできる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0019】
前記ヘマトコッカス藻抽出物の由来としては、具体的には、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcuspluvialis)、ヘマトコッカス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(Haematococcus capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバゲンシス(Haematococcusdroebakensis)、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス(Haematococcuszimbabwiensis)等が挙げられる。
【0020】
本発明では、市販されているアスタキサンチンを用いてもよく、これらは、例えば、マリン大王株式会社製のASTAX(登録商標)-S、武田紙器株式会社製のアスタッツ(登録商標)-SS、アスタッツ-S、アスタッツ-10O、アスタッツ-ECS、アスタッツ-2.0PW、アスタッツ-1.0PW、アスタッツ-1.5MBなど、富士化学工業株式会社製のアスタリールオイル(登録商標)50F、アスタリールオイル5F、アスタリールパウダー20F、水溶性アスタリール液、アスタリールWS液など、東洋酵素化学株式会社製のBioAstin(登録商標)、オリザ油化社製のアスタキサンチン-5Cなどとして入手できる。
【0021】
本発明の小胞体シャペロン産生促進剤へのアスタキサンチン類の含有量は、特に限定されないが、当該剤に対して、好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.0001質量%以上の濃度を採用することができる。また、含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下の濃度を採用することができる。
【0022】
2.小胞体シャペロン
本明細書における「小胞体シャペロン」は、小胞体内において、他の蛋白質分子が正しい折りたたみ(フォールディング)をして機能を獲得するのを助ける蛋白質の総称である。小胞体シャペロンとしては、8つのグルコース調節蛋白質(GRP)、すなわち、Binding immunoglobulin Protein(「BiP」、「GRP78」、「HSPA5」、「免疫グロブリン結合蛋白質」とも称される、以下、単に「BiP」と称する)、GRP94/ERp99、ORP150/GRP170、ERp72、GRP58/ERp60/ERp61、カルレティキュリン、プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)、FKBP13、HSPファミリー等が挙げられる。
【0023】
本発明において、小胞体シャペロンとしては、前述したものの中でも、BiPが特に好ましい。BiPは、異常な立体構造を形成した蛋白質を認識するセンサーとして知られ、異常な蛋白質を修復する機構や再利用する機構、或いは過剰産生を抑制する機構のトリガーとなる蛋白質であることが知られている(Y.Kimata, et al., Mol Biol Cell., 14, 2559-2569(2003))。そのため、BiPの産生を促進することで、異常な蛋白質をコントロールし、様々な用途への応用することができる。
【0024】
また、従来、BiPの産生を促進する技術としては、グルコース欠乏状態にすることが知られているが、人体に応用した場合、低血糖による悪影響が考えられる。その他にも、紫外線照射によりBiPが誘導されることが知られているが、紫外線の直接作用により細胞毒性を示すことが懸念される。更に、ツニカマイシン投与によりBiPが誘導されることも知られているが、ツニカマイシンは細胞毒性が強く、やはり人体への悪影響が懸念される。
【0025】
これに対し、本発明では、広く食品添加物や化粧料にも使用され、人体への安全性が高いアスタキサンチン類が、BiPの産生促進効果(発現誘導効果)を有することを見出した。すなわち、本発明の小胞体シャペロン産生促進剤は、これらの問題が生じることはなく、BiPを誘導できる点で非常に有用であり、長期に渡る使用(例えば、皮膚への塗布、摂取等)も可能である。
【0026】
3.小胞体シャペロン産生促進剤の剤形
本技術に係る小胞体シャペロン産生促進剤は、化粧料、医薬部外品、医薬品、飲食品など幅広い分野での利用が可能であり、その剤形は特に限定されない。具体的には、例えば、クリーム状、ゲル状、液状、懸濁状、粉末状、フォーム状、シート状、固形のもの等が挙げられる。
【0027】
4.小胞体シャペロン産生促進剤の化粧料(薬用化粧料)
本発明の小胞体シャペロン産生促進剤を化粧料・薬用化粧料に適用する場合、特に限定されないが、例えば、皮膚化粧料、口唇化粧料に配合されることが好ましい。具体的には、ハンドクリーム、化粧水、乳液、美容液、フェイスクリーム、クレンジングクリーム、洗顔石鹸、パック、日焼けクリーム、日焼けローション、日焼け止めクリーム、化粧下地、ファンデーション、おしろい、パウダー、口紅、リップグロス、リップクリーム、アイクリーム、アイシャドウ、シャンプー、リンス、コンディショナー、ボディシャンプー、ボディローション、育毛剤等の製品にすることができる。
【0028】
本技術に係る小胞体シャペロン産生促進剤には、小胞体シャペロン産生促進のための有効成分であるアスタキサンチン類の他に、化粧料に用いられる他の各種成分、例えば、基剤、保湿剤、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、血行促進剤、細胞賦活剤、紫外線吸収剤等を適宜配合することができる。
【0029】
また、本技術に係る小胞体シャペロン産生促進剤には、賦形剤、崩壊剤、結合剤、可塑剤、乳化剤、滑沢剤、増粘剤、糖類、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、キレート剤、色素、pH調整剤、香料、清涼剤、収斂剤、増泡剤等を含めてもよい。
【0030】
5.小胞体シャペロン産生促進剤の皮膚外用剤(医薬品・医薬部外品)
本発明の小胞体シャペロン産生促進剤を皮膚外用剤に適用する場合、例えば、外用液剤、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、スプレー剤、点鼻液剤、リニメント剤、ローション剤、ハップ剤、硬膏剤、噴霧剤、エアゾール剤等の剤形にすることができる。
【0031】
本発明の小胞体シャペロン産生促進剤の適用方法は、肌や口唇に適量を塗布、噴霧、散布、浸潤、湿布などで適用することが好ましいが、特に限定されない。なお、本発明の小胞体シャペロン産生促進剤に係る化粧料、薬用化粧料、又は医薬部外品のいずれにおいても皮膚外用剤と同様に適用できる。
【0032】
本発明の小胞体シャペロン産生促進剤には、小胞体シャペロン産生促進のための有効成分であるアスタキサンチン類の他に、上述した化粧品に用いられる各種成分や、医薬品に用いられる各種成分を適宜配合することができる。例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、可塑剤、乳化剤、滑沢剤、増粘剤、糖類、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、キレート剤、色素、pH調整剤、角質溶解剤、創傷治療剤、抗菌剤、抗アレルギー剤等を含めてもよい。薬理学的に許容される添加剤及び医薬製剤の分野で通常使用し得る添加剤を、1種以上又は2種以上組み合わせて適宜含有させることができる。
【0033】
医薬品、医薬部外品などを製造する際は医薬品などの製造技術分野において慣用の方法、例えば、医薬品であれば、日本薬局方に記載の方法、或いはそれに準じる方法に従って製造することができる。
【0034】
6.小胞体シャペロン産生促進剤の飲食品
本発明の小胞体シャペロン産生促進剤を飲食品に適用する場合、液状、ペースト状、固体、粉末等の形態を問わず、錠菓、流動食、飼料(ペット用を含む)等の他、例えば、小麦粉製品、即席食品、農産加工品、水産加工品、畜産加工品、乳・乳製品、油脂類、基礎調味料、複合調味料・食品類、冷凍食品、菓子類、飲料、これら以外の市販食品等にすることができる。
【0035】
また、小胞体シャペロン産生促進効果から想定される用途が表示された飲食品とすることも可能であり、これを機能性食品(例えば、特定保健用食品、サプリメント等)として提供することもできる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0037】
<実施例>
ヒト皮膚線維芽細胞をアスタキサンチン存在下で培養し、BiP遺伝子(mRNA)の発現量を確認した。具体的には、ヒト皮膚線維芽細胞を、薬剤なし(Control)、又はアスタキサンチン(10μM、1μM、0.1μM)存在下で2日間、37℃で培養し、培養後の細胞から精製したtotalRNAをもちいて、BiP mRNA発現量をqPCR(バイオラッド社製、Real-timePCR Detection System)で測定した。
【0038】
図1は、アスタキサンチンのBiP mRNA発現促進効果を示す図面代用グラフである。
図1において、縦軸はControlのBiP mRNA発現量を1とした時の相対量を示している。10μMのアスタキサンチンを添加した場合は、2.1倍、1μMのアスタキサンチンを添加した場合は、1.3倍、0.1μMのアスタキサンチンを添加した場合では、1.6倍のBiPmRNA発現量の上昇が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の小胞体シャペロン産生促進剤は、広く食品添加物や化粧料にも使用され、人体への安全性が高いアスタキサンチン類が有効成分であるため、長期に渡る使用が可能であり、また、化粧料、医薬部外品、医薬品、飲食品など幅広い分野での利用が可能である。