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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】ゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/792 20140101AFI20231107BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20231107BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20231107BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20231107BHJP
【FI】
A63F13/792
A63F13/69
A63F13/533
G06Q30/0207 324
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018248227
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020103840
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】入江 正樹
(72)【発明者】
【氏名】星名 利佳
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-156224(JP,A)
【文献】モンパス(モンストパスポート)とは買うべき?お得?これ損してない?,社会の狭間でニートを叫ぶ [online],2017年09月13日,URL: <https://jpneet.com/diary/monpass/>,[令和5年1月26日検索日]
【文献】関心の強い「英語の早期教育」 費用や内容、どんなレッスンがあるのか調べました。,マネーの達人 [online],2018年09月02日,URL: <https://manetatsu.com/2018/09/141366/>,[令和5年6月12日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
G06Q 30/0207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータを、
契約の開始時点と終了時点とがユーザによらず一律に予め固定されている契約期間内において提供するサービスについて、該サービスの対価の支払処理をユーザから受け付ける受付手段と、
前記支払処理を前記ユーザから受け付けたことに応答して、前記契約期間内において前記終了時点が到来するまで前記サービスを前記ユーザに提供する提供手段と、
前記開始時点以降の前記契約期間内において、前記支払処理を前記ユーザから受け付けたことに応答して、該支払処理にかかるサービスの契約期間の前記開始時点から該支払処理が受け付けられた支払時点までに経過した経過期間を特定する特定手段と、
特定された前記経過期間の長さに応じて、前記ユーザに付与する、ゲーム内で利用可能な特典を決定する決定手段と、
決定された前記特典を前記ユーザに付与する付与手段と、して機能させ
前記決定手段は、前記経過期間が長いほど、前記ゲーム内における価値が高くなるように、前記ユーザに付与する前記特典を決定する、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記決定手段は、前記経過期間が長いほど、前記ユーザに付与する前記特典の数量を多くする、請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記提供手段は、前記サービスとして、前記契約期間内において前記終了時点が到来するまで、各日に、前記ゲーム内で利用可能なゲーム媒体を前記ユーザに付与し、
前記決定手段は、前記開始時点から前記支払時点までの経過日数分の前記ゲーム媒体、または、該経過日数分の前記ゲーム媒体に相当するゲーム内価値を有する別のゲーム媒体を、前記ユーザに付与する前記特典として決定する、請求項またはに記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記決定手段は、前記ゲーム内で利用可能な、前記経過日数に応じた数量の仮想通貨を、前記ユーザに付与する前記特典として決定する、請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記提供手段は、前記サービスとして、前記契約期間内において前記終了時点が到来するまで、ポイントを獲得できるステージを各日に所定回数プレイできる権利を前記ユーザに提供し、
前記決定手段は、前記開始時点から前記支払時点までの経過日数が多いほど、前記ポイントの収集に有益となるように、前記ユーザに付与する前記特典を決定する、請求項からのいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記決定手段は、前記特典として前記ユーザに付与する前記ポイントの数量を、前記経過日数に応じて決定する、請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記決定手段は、前記経過日数が多いほど、前記所定回数を超えてより多く前記ステージをプレイできる権利を前記ユーザに付与する前記特典として決定する、請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記決定手段は、前記経過日数が所定日数を超えている場合に、回数に制限なく前記ステージをプレイできる権利を、前記ユーザに付与する前記特典として決定する、請求項からまでのいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記サービスの対価を支払うための入力操作を前記ユーザが行うためのユーザインターフェース(以下、UI)画面を、該ユーザが操作する前記コンピュータ、または、前記コンピュータと通信する該ユーザが操作する別のコンピュータが備える表示部に表示させ、
前記UI画面において、該UI画面を表示させる時点が前記支払時点であるとした場合の前記経過期間の長さに応じて付与される特典を表示する、請求項1からまでのいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はゲームプログラム、ゲームプログラムを実行する方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一定期間毎に設定されたゲーム料金を支払ったユーザに、一定期間分の特典を一括で付与する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-89338号公報(2018年6月14日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームを提供する側には、ゲームを通じて供給されるサービスを、より多くのユーザによりたくさん利用してほしいという要望がある。そこで、課金に対するユーザの満足度をより高めるという観点からゲームにおける課金の仕組みを構築することが求められる。
【0005】
本開示の一態様は、課金に対するユーザの満足度を高め、ゲーム内で提供されるサービスの利用をユーザに促すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行される。ゲームプログラムは、プロセッサに、契約の開始時点と終了時点とがユーザによらず一律に予め固定されている契約期間内において提供するサービスについて、該サービスの対価の支払処理をユーザから受け付けるステップと、支払処理をユーザから受け付けたことに応答して、契約期間内において終了時点が到来するまでサービスをユーザに提供するステップと、支払処理をユーザから受け付けたことに応答して、該支払処理にかかるサービスの契約期間の開始時点から該支払処理が受け付けられた支払時点までに経過した経過期間を特定するステップと、特定された経過期間の長さに応じて、ユーザに付与する特典を決定するステップと、決定された特典をユーザに付与するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、課金に対するユーザの満足度を高め、ゲーム内で提供されるサービスの利用をユーザに促すという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ゲームシステムのハードウェア構成を示す図である。
図2】ユーザ端末およびサーバの機能的構成を示すブロック図である。
図3】ゲームシステムが提供する月極サービスにおける、契約期間の定め方の一例を説明する図である。
図4】本実施形態に係るゲームプログラムに基づいて、ゲームシステムにおいて実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図5】(A)~(D)は、特典算定規則のデータ構造の一例を示す図である。
図6】(A)および(B)は、特典算定規則のデータ構造の一例を示す図である。
図7】(A)および(B)は、特典算定規則のデータ構造の一例を示す図である。
図8】(A)および(B)は、特典算定規則のデータ構造の一例を示す図である。
図9】特典算定規則のデータ構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0010】
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
【0011】
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0012】
ユーザ端末100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。なお、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15に代えて、または、加えて、ユーザ端末100本体とは別に構成されたディスプレイ(表示部)を接続可能な入出力IF14を備えていてもよい。
【0013】
また、図1に示すように、ユーザ端末100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、ユーザ端末100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値をユーザ端末100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、および、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値をユーザ端末100へ送信する。
【0014】
なお、ユーザ端末100がカメラ17および測距センサ18を備えることに代えて、または、加えて、コントローラ1020がカメラ17および測距センサ18を有していてもよい。
【0015】
ユーザ端末100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前またはログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、ユーザ端末100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
【0016】
ユーザ端末100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200などの他の装置と通信せずに、該1台のユーザ端末100でマルチプレイを実現することができる。また、各ユーザ端末100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)ことで、複数台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、ユーザ端末100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数のユーザ端末100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
【0017】
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、ユーザ端末100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける成績または勝敗等のプレイ結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
【0018】
また、コントローラ1020は、ユーザ端末100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、ユーザ端末100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線によりユーザ端末100とコントローラ1020とが結合している場合は、ユーザ端末100とコントローラ1020とは、有線を介して信号を送受信する。
【0019】
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラム及びデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
【0020】
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
【0021】
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15、カメラ17、および、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
【0022】
例えば、操作部が、カメラ17および測距センサ18の少なくともいずれか一方で構成される場合、該操作部が、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出し、当該物体の検出結果から入力操作を特定する。一例として、物体1010としてのユーザの手、予め定められた形状のマーカーなどが検出され、検出結果として得られた物体1010の色、形状、動き、または、種類などに基づいて入力操作が特定される。より具体的には、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0023】
あるいは、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、ユーザ端末100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
【0024】
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0025】
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
【0026】
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0027】
本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。なお、ユーザ端末100とサーバ200との協働により実現されるゲームは、一例として、ユーザ端末100において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを複数のユーザ端末100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとは、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、ならびに、ユーザ端末100とサーバ200との間または複数のユーザ端末100間で送受信する指示または通知を含んでいる。
【0028】
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0029】
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0030】
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタン、カメラ、マイク、または、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0031】
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0032】
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
【0033】
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
【0034】
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
【0035】
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は、例えば、パルス変換した光を発する光源と、光を受ける受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、該光源から発せられた光が測定対象物にあたって反射されて生じる反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、指向性を有する光を発する光源を有することとしてもよい。
【0036】
ここで、ユーザ端末100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17および測距センサ18は、例えば、ユーザ端末100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置および可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
【0037】
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)~(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザが行ったジェスチャを特定する。例えば、プロセッサ10は、指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、および、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて、ユーザ端末100の近傍の物体1010(ユーザの手など)とユーザ端末100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手がユーザ端末100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるのか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるのかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手がユーザ端末100に接近しているのか遠ざかっているのかを検出してもよい。(5)カメラ17の撮影画像の画像認識結果等に基づいて、ユーザの手が検出されている状態で、ユーザ端末100とユーザの手との距離が変化していることが判明した場合、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体が検出されたりされなかったりする場合に、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
【0038】
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、ユーザがこの手をどのように移動させているかを検出する。また、プロセッサ10は、ユーザがこの手をユーザ端末100に対して接近させているのか遠ざけているのかを検出する。このような操作は、例えば、マウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。ユーザ端末100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、タッチスクリーン15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、ユーザ端末100は、ユーザが選択操作を継続中であると認識する。選択操作の継続とは、例えば、マウスがクリックされて押し込まれた状態が維持されること、または、タッチパネルに対してタッチダウン操作がなされた後タッチされた状態が維持されることに対応する。また、ユーザ端末100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、このような一連のジェスチャを、スワイプ操作(またはドラッグ操作)に対応する操作として認識することもできる。また、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果に基づいて、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、当該ジェスチャを、マウスのクリックまたはタッチパネルへのタップ操作に対応する操作として認識してもよい。
【0039】
<ゲーム概要>
ゲームシステム1において、ゲーム(以下、本ゲーム)を実行するためのゲームプログラムは、サーバ200からユーザ端末100へ基本的に無料で提供される。本ゲーム内のサービスの一部は、有料で提供される。一例として、ゲームシステム1によって実行されるゲーム(以下、本ゲーム)は、いわゆる、アイテム課金制のゲームである。
【0040】
本実施形態では、一例として、本ゲーム内で利用可能なゲーム媒体の一部が、有料で提供される。ゲーム媒体は、例えば、ゲーム内でカード、キャラクタ、アイテムなどの有形物を模すように構成されたデジタルデータである。あるいは、ゲーム媒体は、上述のキャラクタなどのパラメータの増分、ゲーム内のステージまたはクエストなどをプレイするために消費されるスタミナ、および、ゲームを所定の状況まで進行させる権利などのように無形の価値として構成されたデジタルデータであってもよい。
【0041】
本実施形態では、一例として、有料で提供されるゲーム媒体は、アイテムであり、例えば、ダイヤを模している。例えば、本ゲームにおいて、ダイヤは、ゲーム内で利用できるその他のゲーム媒体と交換するために消費されるものであるとする。本実施形態では、ダイヤは、キャラクタの能力パラメータの増分、または、キャラクタが当選する抽選を実行する権利などと交換することができるものとする。
【0042】
本実施形態では、ダイヤは、ユーザがゲームをプレイして所定の条件を満たすことにより、無料で配布されてもよい。ゲームシステム1において、サーバ200およびユーザ端末100は、ダイヤが有料にて配布されたものか、無料にて配布されたものかを区別してもよいし、区別しなくてもよい。
【0043】
<ゲームシステム1の機能的構成>
図2は、ゲームシステム1に含まれるサーバ200およびユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200およびユーザ端末100のそれぞれは、図示しない、一般的なコンピュータとして機能する場合に必要な機能的構成、および、ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成を含み得る。
【0044】
ユーザ端末100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
【0045】
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100がゲームを進行させるのを支援する機能を有する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、サーバ200は、ゲームに参加する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する機能を有していてもよい。サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、および入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。
【0046】
記憶部120および記憶部220は、ゲームプログラム、ゲーム情報132およびユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100が実行するゲームプログラムである。ゲームプログラム231は、サーバ200が実行するゲームプログラムである。ゲーム情報132は、制御部110および制御部210がゲームプログラムを実行する際に参照するデータである。ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータである。記憶部220において、ゲーム情報132およびユーザ情報133は、ユーザ端末100ごとに格納されている。
【0047】
(サーバ200の機能的構成)
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム231を実行することにより、サーバ200を統括的に制御する。例えば、制御部210は、ユーザ端末100に各種データおよびプログラム等を送信する。制御部210は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をユーザ端末100から受信する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイの同期の要求を受信して、同期のためのデータをユーザ端末100に送信してもよい。
【0048】
制御部210は、ゲームプログラム231の記述に応じて、進行支援部211、販売処理部212、サービス提供部213、および、特典提供部214として機能する。制御部210は、実行するゲームの性質に応じて、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援するために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0049】
進行支援部211は、ユーザ端末100と通信し、ユーザ端末100が、本ゲームに含まれる各種のプレイパートを進行させるための支援を行う。例えば、上述の各プレイパートのいずれが実行されているのかに応じて、そのときにユーザ端末100が参照すべき情報を適宜提供する。
【0050】
販売処理部212は、ユーザ端末100の購入処理部112と通信し、販売処理を実行する。具体的には、販売処理部212は、ユーザから本ゲームを提供する運営団体に対して料金の支払い受け付ける。そして、要求されたサービスを該ユーザに提供するように、要求されたサービスを提供する後述の各部を制御する。
【0051】
サービス提供部213は、ユーザ端末100のサービス受取部113に対してサービスを提供する。本実施形態では、サービスを提供する期間が契約期間として予め定められている。サービス提供部213は、販売処理部212がサービスに対する対価の支払いをユーザから受け付けると、定められた契約期間中、例えば周期的に、サービスを該ユーザのユーザ端末100に提供する。
【0052】
特典提供部214は、ユーザが対価を支払った時点である支払時点と契約期間との関係性に基づく特典を、該ユーザのユーザ端末100に提供する。
【0053】
具体的には、本実施形態では、サービス提供部213は、契約の開始時点と終了時点とがユーザによらず一律に予め固定されている契約期間内において期間固定サービスを提供するものである。そして、販売処理部212は、契約期間の終了時点より前に該期間固定サービスの対価の支払いを受け付けるものである。すると、契約期間の開始時点より後に該期間固定サービスの対価の支払いを受け付けることが起こり得る。
【0054】
サービス提供部213は、契約期間の開始時点および支払時点のいずれか遅い方の時点から、契約期間の終了時点までの実質契約期間に相当する分のサービスをユーザに提供する。
【0055】
販売処理部212は、支払時点が開始時点より遅い場合、すなわち、実質契約期間が固定された契約期間よりも短くなる場合には、契約期間の開始時点から支払時点までの間にサービスが提供されていないことの補填として、ユーザに特典を付与する必要があると判定する。
【0056】
特典提供部214は、販売処理部212の判定にしたがって、開始時点から支払時点までの経過した時間の長さに応じて、ユーザに特典を付与する。特典提供部214は、販売処理部212が期間固定サービスに対する対価の支払いを受け付けた後、任意のタイミングで特典を提供してもよい。特典提供部214は、提供すべき特典を、複数回に分けて提供してもよいし、提供すべき特典を、一括して提供してもよい。
【0057】
(ユーザ端末100の機能的構成)
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲームプログラム131およびユーザの操作にしたがって、ゲームを進行させる。また、制御部110は、ゲームを進行させている間、必要に応じて、サーバ200と通信して、情報の送受信を行う。
【0058】
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、ゲーム進行部111、購入処理部112、サービス受取部113、および、特典受取部114として機能する。
【0059】
なお、制御部110は、実行するゲームの性質に応じて、ゲームを進行させるために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0060】
さらに、制御部110は、図示しない操作受付部、および、表示制御部などとしても機能する。操作受付部は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。例えば、操作受付部は、上述の入力操作の、入力部151における入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部は、例えば、タッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を特定する。表示制御部は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、制御部110の各部によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部は、制御部110の各部によって生成された映像を含むゲーム画面を表示部152に表示してもよい。また、表示制御部は、グラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)を、該ゲーム画面に重畳して描画してもよい。
【0061】
ゲーム進行部111は、本ゲームを構成する要素である各ゲームパートを進行させる。例えば、本ゲームがパズルゲームであって、本ゲームを構成する要素としてパズルパートが含まれている場合、ゲーム進行部111は、サーバ200の進行支援部211と通信して、該パズルパートを進行させる。
【0062】
購入処理部112は、ユーザが、本ゲームを提供する運営団体に対して、サービスの対価を支払うための購入処理を実行する。購入処理部112が購入処理を実行することにより、ユーザは、ゲーム内で提供されるサービスの対価を運営団体に支払うことができ、該サービスを享受することができる。サービスの対価は、実社会で流通する通貨および電子マネー、ポイントなどの仮想通貨で支払われてもよいし、ゲーム内で価値を有しているダイヤ、クリスタル、コインおよびゴールドなどのゲーム内仮想通貨で支払われてもよい。ここでは、サービスの対価を支払うことを、対価としての流通媒体の性質を問わず、一律購入と称する。
【0063】
サービス受取部113は、サーバ200のサービス提供部213から提供されたサービスに係る便益をユーザに享受させる。サービスは、期間固定サービスであるので、サービス受取部113は、定められた契約期間とりわけ実質契約期間において、例えば、周期的に、期間固定サービスに係る便益をユーザに享受させる。
【0064】
例えば、期間固定サービスは、該サービスを購入した契約ユーザ専用のログインボーナスを、該契約ユーザがログインした場合に各日に付与することである。契約ユーザ専用のログインボーナスは、期間固定サービスを購入していない一般ユーザに付与されるログインボーナスよりもゲーム内価値が高い。
【0065】
あるいは、例えば、期間固定サービスは、該サービスを購入した契約ユーザ専用のデイリーミッションに挑戦する権利を、該契約ユーザに各日に付与することである。契約ユーザ専用のデイリーミッションが達成されたときに付与される報酬は、期間固定サービスを購入していない一般ユーザに課されるデイリーミッションの達成報酬よりもゲーム内価値が高い。
【0066】
ログインボーナスとは、1日の初めにユーザが本ゲームにログインしたときに、ログインしたことの報酬として該ユーザに付与されるゲーム内価値である。
【0067】
デイリーミッションとは、ユーザがゲームパートをプレイすることによって達成し得る目標となる事柄のことであり、ユーザに対して各日に課される。ユーザが、ゲームパート、例えば、パズルパートをプレイして、所定の目標を達成すると、デイリーミッションの達成報酬がユーザに付与される。
【0068】
特典受取部114は、サーバ200の特典提供部214から特典が提供された場合に、該特典に係る便益をユーザに享受させる。本実施形態では、特典は、契約期間の開始時点から支払時点までの経過した時間の長さに応じて付与される。
【0069】
上述の報酬、ボーナスおよび特典として、ユーザに付与されるのは、ゲーム内で利用可能なゲーム媒体である。ゲーム媒体は、ゲーム内で価値を有するデジタルデータであって、ゲーム内で利用可能なカード、キャラクタ、アイテム、仮想通貨、ダイヤ、チケットなどの有形物を模すように構成されていてもよいし、キャラクタに能力を備えさせる権利、制限されたクエストまたはステージをプレイする権利、アイテムまたはカードを保有する保有上限を拡張する権利、各種のゲーム内価値と交換が可能なポイント、ユーザまたはキャラクタに設定されている各種のパラメータの増分など、無形の価値として構成されていてもよい。
【0070】
本実施形態では、一例として、上述の特典は、契約期間の開始時点から支払時点までの経過日数分相当のログインボーナスであってもよいし、経過日数分相当の達成報酬であってもよいし、デイリーミッションに、経過日数分相当の回数だけ挑戦できる権利であってもよい。
【0071】
なお、デジタルデータである報酬などのゲーム内価値をユーザに付与することは、一例として、ユーザに対応付けて管理されている、ゲーム内価値のステータスを、使用不可から使用可能に遷移させることであってもよい。あるいは、ゲーム内価値を、ユーザ識別情報またはユーザIDに対応付けて、ゲームシステム1に含まれる少なくともいずれかのメモリ(メモリ11、メモリ21)に記憶させることであってもよい。ゲーム内価値をユーザに「保有させる」ことおよび「獲得させる」ことは、上述のゲーム内価値をユーザに付与することと同義である。
【0072】
ここでは、報酬、ボーナスおよび特典などの「ゲーム内価値が高い」とは、それらをゲーム内でユーザが利用することによって、ユーザが享受できるゲーム上の利益が多いことまたは不利益が少ないことを指す。例えば、報酬、ボーナスおよび特典などの「ゲーム内価値が高い」とは、利用できるゲーム媒体の数量が多いこと、利用されたゲーム媒体がゲームの有利な進行に高い効果をもたらすこと、ゲーム内で利用できる権利の有効期間が長いこと、該権利の利用回数が多いこと、ゲームを進行させる上でゲーム媒体が消費されるときの消費量を多く抑えることなどを指す。
【0073】
なお、図2に示すサーバ200およびユーザ端末100の機能は一例にすぎない。サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、ユーザ端末100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよいし、これらの複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0074】
<月極サービスの契約期間について>
本実施形態では、一例として、サービス提供部213が提供する期間固定サービスは、月極サービスである。月極サービスの対価である第1料金は、月額料金であり、該月額料金が支払われることにより、月単位での契約がユーザと運営団体との間で締結される。月極サービスを購入した契約ユーザに対しては、契約期間の開始日および支払日のうちのいずれか遅い方の日から、該契約期間の終了日までの実質契約期間の間、月極サービスが提供される。例えば、上述の例のとおり、実質契約期間の間、各日に、契約ユーザ専用のログインボーナスおよびデイリーミッションへの挑戦権が付与される。
【0075】
図3は、本実施形態に係るゲームシステム1が提供する月極サービスにおける、契約期間の定め方の一例を説明する図である。
【0076】
本実施形態では、一例として、月極サービスの月ごとの契約期間の開始時点および終了時点は、ユーザによらず、また、ユーザの支払時点によらず、一律に予め固定されている。一例として、月極サービスの契約期間の開始時点は、月の初日であり、終了時点は、月の末日である。例えば、1月度の月極サービスの契約期間は、1月1日から1月31日までであり、2月度の月極サービスの契約期間は、2月1日から2月28日(閏年は、2月29日)までである。
【0077】
本実施形態では、一例として、月極サービスの対価の支払いは、契約期間の開始時点より前から、契約期間の終了時点より前まで受け付けられる。以下では、月極サービスの対価の支払いを、第1支払と称する。
【0078】
本実施形態では、販売処理部212は、契約期間の開始時点、および、上述の第1支払をユーザから受け付けた支払時点のいずれか遅い方の時点から、契約期間の終了時点までを実質契約期間と定める。サービス提供部213は、実質契約期間に相当する分の月極サービスを該ユーザのユーザ端末100に提供する。具体的には、サービス提供部213は、実質契約期間の間、周期的に、月極サービスを提供する。より具体的には、サービス提供部213は、実質契約期間の間、各日に、契約ユーザ専用のログインボーナスおよびデイリーミッションの挑戦権をユーザ端末100に提供する。
【0079】
具体的には、販売処理部212が、ユーザから、契約期間の開始時点または該開始時点より前に当月度の第1支払を受け付けた場合、サービス提供部213は、当月の初日から末日までの期間、各日に月極サービスを提供する。図示の例では、販売処理部212は、2月度の「第1支払(2)」を、1月30日に受け付けた場合、2月度の実質契約期間(2)を2月1日から2月28日(閏年は、2月29日)までと定める。サービス提供部213は、該実質契約期間の間、各日に2月度の月極サービスを提供する。
【0080】
あるいは、具体的には、販売処理部212が、ユーザから契約期間の開始時点より後に当月度の第1支払を受け付けた場合、サービス提供部213は、支払日から末日までの期間、各日に月極サービスを提供する。図示の例では、販売処理部212は、1月度の「第1支払(1)」を、1月11日に受け付けた場合、1月度の実質契約期間(1)を1月11日から1月31日までと定める。サービス提供部213は、該実質契約期間の間、各日に1月度の月極サービスを提供する。
【0081】
以上のとおり、本実施形態に係る月極サービスにおいては、第1支払のタイミングによっては、一律固定された契約期間と、実際に月極サービスが提供される実質契約期間とが一致しない場合が起こり得る。
【0082】
販売処理部212が、当月度の月極サービスに対する対価の支払時点が、当月度の契約期間の開始時点より遅いと判定した場合、特典提供部214は、開始時点から支払時点までの経過した時間の長さに応じて、ユーザに特典を提供する。
【0083】
図示の例では、販売処理部212が、1月度の「第1支払(1)」を、1月11日に受け付けた場合、開始時点から支払時点までの経過した時間の長さは、契約期間の開始時点である1月1日から支払時点の前日の1月10日の間の計10日間である。そこで、特典提供部214は、10日間分に対応する価値を持つ特典を、上述のユーザに提供する。
【0084】
特典提供部214は、ユーザが獲得の機会を逃した1月1日から1月10日の10日間分のログインボーナスを、一括でまたは分割して、該ユーザに保有させてもよい。あるいは、特典提供部214は、ユーザが挑戦する機会を逃した10日間分のデイリーミッションの達成報酬を、一括でまたは分割して、該ユーザに保有させてもよい。あるいは、特典提供部214は、ユーザが挑戦する機会を逃した10日間分に相当する、10回分のデイリーミッションの挑戦権を、一括でまたは分割して、該ユーザに付与してもよい。
【0085】
あるいは、特典提供部214は、本ゲームのユーザの平均的なログイン状況を考慮して、10日間分のログインボーナスのゲーム内価値を所定量(例えば、2割程度)減じて、該ユーザに提供してもよい。また、特典提供部214は、本ゲームのユーザの平均的なデイリーミッションの達成状況を考慮して、10日間分の達成報酬のゲーム内価値を所定量(例えば、2割程度)減じて、該ユーザに提供してもよい。
【0086】
別の例では、特典提供部214は、ログインボーナスまたは達成報酬の10日間分相当のゲーム内価値を別の種類のゲーム媒体に置き換えて、これを特典として該ユーザに提供してもよい。
【0087】
さらに別の例では、サービス提供部213は、支払日の翌日から月極サービスの提供を開始してもよい。この場合、特典提供部214は、図示の例では、開始時点から支払時点までの経過した時間の長さを、契約期間の開始時点である1月1日から支払時点の1月11日までの計11日間であると判断して、11日間分に対応する価値を持つ特典を、上述のユーザに提供する。
【0088】
<処理概要>
図4は、ゲームシステム1において実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0089】
本実施形態では、ゲームシステム1は、サービスの利用をユーザに促すために、ゲームプログラム231またはゲームプログラム131に基づいて、以下のステップを実行するように構成されている。具体的には、ステップS101にて、販売処理部212は、契約の開始時点と終了時点とがユーザによらず一律に予め固定されている契約期間内において提供するサービスについて、該サービスの対価の支払処理をユーザから受け付ける。ステップS102にて、サービス提供部213は、支払処理をユーザから受け付けたことに応答して、契約期間内において終了時点が到来するまでサービスをユーザに提供する。ステップS103にて、特典提供部214は、支払処理をユーザから受け付けたことに応答して、該支払処理にかかるサービスの契約期間の開始時点から該支払処理が受け付けられた支払時点までに経過した経過期間を特定する。ステップS104にて、特典提供部214は、特定された経過期間の長さに応じて、ユーザに付与する特典を決定する。ステップS105にて、特典提供部214は、決定された特典をユーザに付与する。
【0090】
例えば、上述の決定するステップでは、経過期間が長いほど、ゲーム内における価値が高くなるように、ユーザに付与する特典を決定してもよい。ゲーム内価値が高い特典とは、例えば、特典の数量が多いこと、該特典が使用された場合にゲーム進行にもたらされる有利な効果の度合いが高いことなどである。
【0091】
販売処理部212は、ステップS101からステップS102までの間の任意のタイミングで、支払処理を受け付けた支払時点が、該支払処理によって購入されたサービスの契約期間内か、契約期間より前か、契約期間より後かを判定する判定処理を実行してもよい。サービス提供部213は、支払時点が契約期間より後である場合、ステップS102の処理を省略してもよい。特典提供部214は、支払時点が契約期間より前である場合、ステップS103~S105の処理を省略してもよい。
【0092】
あるいは、販売処理部212は、支払時点と契約期間との前後関係を判定する上述の判定処理を省略してもよい。この場合、特典提供部214は、支払時点と契約期間との前後関係によらず、ステップS103にて経過期間の特定を行う。特典提供部214は、経過期間がゼロまたはマイナスの値となる場合、すなわち、支払時点が契約期間以前である場合には、ステップS104~S105の処理を省略する。特典提供部214は、経過期間がプラスの値となる場合、該経過期間の長さに応じてユーザに付与する特典を決定する。
【0093】
<データ構造>
図5~9は、特典算定規則のデータ構造の一例を示す図である。特典算定規則は、特典提供部214が、ユーザが対価を支払った時点である支払時点と契約期間との関係性に基づいてユーザに提供する特典を算定するための規則を示す情報である。具体的には、特典算定規則は、契約期間からユーザが支払いを行った支払時点までの経過時間の長さ、例えば、経過日数と、該ユーザに付与する特典との対応関係を示す情報である。一例として、特定算定規則は、経過日数から特典が求まるように定められた関数または計算式などで実現されてもよいし、経過日数と特典とを対応付けたテーブルなどで実現されてもよい。
【0094】
特典算定規則は、サーバ200の記憶部220に予め記憶されており、特典提供部214によって参照される。
【0095】
(特典算定規則~第1のケース)
図5の(A)~(D)は、第1のケースにおいて、特典提供部214が参照する特典算定規則の一例を示す。
【0096】
第1のケースにおいて、サービス提供部213は、月極サービスとして、ログインした契約ユーザに対して、各日に、一般ユーザに提供するよりもゲーム内価値が高いログインボーナスを付与する。第1のケースでは、特典提供部214は、契約期間の開始時点から支払時点までの経過日数、一例として、開始日から支払日前日までの期間の日数に応じたログインボーナスを特典としてユーザに提供する。
【0097】
第1のケースでは、開始日から支払日前日までの期間にログインボーナスを受け取る資格を有していながら、受け取る機会を失ってしまったユーザに、受け取り損ねたログインボーナスそのもの、または、受け取り損ねたログインボーナス相当のゲーム内価値を有する別のゲーム媒体を保有させる。これにより、受け取り損ねたログインボーナスの損失を補填することが可能となる。
【0098】
図5の(A)に示すとおり、特典算定規則は、関数または計算式であってもよい。図4に示すステップS104において、特典提供部214は、特典を提供すべき契約ユーザについて、契約期間の開始時点から支払時点までの経過日数を取得し、該経過日数と図5の(A)に示す計算式に基づいて特典を算定する。例えば、特典提供部214は、契約期間の日数(例えば、30日)の間毎日ログインした契約ユーザが獲得するはずのログインボーナスのゲーム内価値を、該契約期間の日数で割り、1日あたりのログインボーナスのゲーム内価値を算出する。そして、特典提供部214は、1日あたりのログインボーナスのゲーム内価値に、上述の経過日数を掛けて、ユーザに付与する特典のゲーム内価値を求める。
【0099】
別の例では、ログインボーナスとしてログインされた各日に同じゲーム媒体が同じ数量だけ提供される場合、特典提供部214は、1日あたりの提供数量×経過日数に基づいて、特典として提供する上述のゲーム媒体の数量を求めてもよい。
【0100】
あるいは、図5の(B)に示すとおり、特典算定規則は、経過日数と特典とが対応付けられたテーブルであってもよい。ステップS104において、特典提供部214は、契約ユーザについて経過日数を取得し、テーブルにおいて取得した経過日数に対応する特典を特定する。
【0101】
あるいは、特典提供部214は、ユーザが受け取り損ねたログインボーナスをそのまま特典として提供する構成であってもよい。この場合、特典提供部214は、図5の(C)に示すとおり、ログイン何日目に何がログインボーナスとして付与されるのかを示すログインボーナスリストと、図5の(D)に示す、経過日数と特典とが対応付けられたテーブルとを特典算定規則として参照する。ステップS104において、特典提供部214は、契約ユーザについて経過日数を取得し、テーブルにおいて取得した経過日数に対応する特典を特定する。特典提供部214は、特典のカラムには、何日目のログインボーナスを特典として付与するのかを示す情報が格納されている。例えば、特典提供部214は、経過日数が7日である場合、1日目から7日目までの各日にもらえたはずのログインボーナスを、ログインボーナスリストから特定し、特定した各日のログインボーナスを特典としてユーザに提供する。
【0102】
本実施形態では、一例として、サービス提供部213は、ログイン8日目以降、1日目から7日目までのログインボーナスを周期的に繰り返し提供する。そこで、例えば、特典提供部214は、経過日数が10日である場合、1日目から7日目までの各日にもらえたはずのログインボーナスを特定するとともに、さらに、1日目から3日目までのログインボーナスを、8日目から10日目までの各日にもらえたはずのログインボーナスとして特定する。そして、特典提供部214は、1日目から10日目までについて特定した各日のログインボーナスを特典としてユーザに提供する。
【0103】
別の例では、特典提供部214は、ユーザが契約者専用のログインボーナスを受け取り損ねた期間において、該ユーザの実際のログイン日数を遡って取得し、実際のログイン日数に対応するログインボーナスを該ユーザに提供してもよい。
【0104】
(特典算定規則~第2のケース)
図6の(A)および(B)は、第2のケースにおいて、特典提供部214が参照する特典算定規則の一例を示す。
【0105】
第2ケースにおいて、サービス提供部213は、第1のケースと同様に、ログインした契約ユーザに対して、各日に、一般ユーザに提供するよりもゲーム内価値が高いログインボーナスを付与する月極サービスを提供する。第2のケースでは、特典提供部214は、経過日数、例えば、契約期間の開始日から支払日前日までの期間の日数に応じたログインボーナスのゲーム内価値に相当する数量のゲーム内仮想通貨、例えば、コインを特典としてユーザに提供する。
【0106】
第2のケースでは、開始日から支払日前日までの期間にログインボーナスを受け取る資格を有していながら、受け取る機会を失ってしまったユーザに、受け取り損ねたログインボーナス相当のゲーム内価値を有する別のゲーム媒体、具体的には、ゲーム内仮想通貨であるコインを保有させる。これにより、受け取り損ねたログインボーナスの損失を補填することが可能となる。
【0107】
図6の(A)に示すとおり、特典算定規則は、関数または計算式であってもよい。図4に示すステップS104において、特典提供部214は、特典を提供すべき契約ユーザについて、契約期間の開始時点から支払時点までの経過日数を取得し、該経過日数と図6の(A)に示す計算式に基づいて特典を算定する。例えば、特典提供部214は、1日に獲得されるログインボーナスのゲーム内価値に相当する数量のコインに、上述の経過日数を掛けて、ユーザに特典として付与するコインの数量を求める。
【0108】
あるいは、図6の(B)に示すとおり、特典算定規則は、経過日数と特典とが対応付けられたテーブルであってもよい。ステップS104において、特典提供部214は、契約ユーザについて経過日数を取得し、テーブルにおいて取得した経過日数に対応する特典、具体的には、コインの数量を特定する。
【0109】
(特典算定規則~第3のケース)
図7の(A)および(B)は、第3のケースにおいて、特典提供部214が参照する特典算定規則の一例を示す。
【0110】
第3のケースにおいて、サービス提供部213は、月極サービスとして、一般ユーザはプレイできないポイントを獲得できる限定ステージを各日に所定回数、例えば、1回プレイできる権利を、契約ユーザに対して提供する。一例として、サービス提供部213は、所定期間内の上記ポイントの獲得量を契約ユーザ間で競わせて、ポイントの獲得量が多い契約ユーザに対して所定の報酬を付与するような、契約者限定のイベントを開催してもよい。第3のケースでは、特典提供部214は、契約期間の開始時点から支払時点までの経過日数、一例として、開始日から支払日前日までの期間の日数に応じて、ポイントの収集に有益な特典をユーザに提供する。例えば、特典提供部214は、経過日数分で収集できたと推定される数量のポイントを特典としてユーザに提供する。
【0111】
第3のケースでは、開始日から支払日前日までの期間にイベントに参加して上述の限定ステージをプレイする資格を有していながら、プレイする機会を失ってしまったユーザに、ポイントそのものを保有させる。これにより、プレイ機会の損失を補填することが可能となる。
【0112】
図7の(A)に示すとおり、特典算定規則は、関数または計算式であってもよい。図4に示すステップS104において、特典提供部214は、特典を提供すべき契約ユーザについて、契約期間の開始時点から支払時点までの経過日数を取得し、該経過日数と図7の(A)に示す計算式に基づいて特典を算定する。例えば、特典提供部214は、1日に獲得されると推定される数量のポイントに、上述の経過日数を掛けて、ユーザに特典として付与するポイントの数量を求める。
【0113】
あるいは、図7の(B)に示すとおり、特典算定規則は、経過日数と特典とが対応付けられたテーブルであってもよい。ステップS104において、特典提供部214は、契約ユーザについて経過日数を取得し、テーブルにおいて取得した経過日数に対応する特典、具体的には、ポイントの数量を特定する。
【0114】
(特典算定規則~第4のケース)
図8の(A)および(B)は、第4のケースにおいて、特典提供部214が参照する特典算定規則の一例を示す。
【0115】
第4のケースにおいて、サービス提供部213は、第3のケースと同様に、ポイントを獲得できる限定ステージを各日に所定回数、例えば、1回プレイできる権利を、契約ユーザに対して提供する。第4のケースでは、特典提供部214は、限定ステージを、経過日数、例えば、契約期間の開始日から支払日前日までの期間の日数に応じた回数分プレイできる権利を特典としてユーザに提供する。
【0116】
第4のケースでは、開始日から支払日前日までの期間にイベントに参加して上述の限定ステージをプレイする資格を有していながら、プレイする機会を失ってしまったユーザに、その分のプレイできる権利を付与する。これにより、プレイ機会の損失を補填することが可能となる。
【0117】
図8の(A)に示すとおり、特典算定規則は、関数または計算式であってもよい。図4に示すステップS104において、特典提供部214は、特典を提供すべき契約ユーザについて、契約期間の開始時点から支払時点までの経過日数を取得し、該経過日数と図8の(A)に示す計算式に基づいて特典を算定する。例えば、特典提供部214は、限定ステージを1日にプレイできる回数、例えば、1回に、上述の経過日数を掛けて、ユーザに特典として許可する限定ステージのプレイ回数を求める。
【0118】
あるいは、図8の(B)に示すとおり、特典算定規則は、経過日数と特典とが対応付けられたテーブルであってもよい。ステップS104において、特典提供部214は、契約ユーザについて経過日数を取得し、テーブルにおいて取得した経過日数に対応する特典、具体的には、ユーザに許可する限定ステージのプレイ回数を特定する。
【0119】
(特典算定規則~第5のケース)
図9は、第5のケースにおいて、特典提供部214が参照する特典算定規則の一例を示す。
【0120】
第5のケースにおいて、サービス提供部213は、第3および第4のケースと同様に、ポイントを獲得できる限定ステージを各日に所定回数、例えば、1回プレイできる権利を、契約ユーザに対して提供する。第5のケースでは、特典提供部214は、限定ステージを、経過日数、例えば、契約期間の開始日から支払日前日までの期間の日数が、所定日数未満であれば、第3および第4のケースと同様に、経過日数に応じて、ポイントの収集に有効な特典をユーザに提供する。一方、特典提供部214は、経過日数が所定日数以上であれば、ポイントの収集により一層有効な特典として、回数に制限なく限定ステージをいつでもプレイできる権利をユーザに提供する。
【0121】
具体的には、特典提供部214は、経過日数が20日未満であれば、第3および第4のケースと同様に、経過日数に応じて、ポイントの収集に有益な特典をユーザに提供し、経過日数が20日以上であれば、回数に制限なく限定ステージをいつでもプレイできる権利をユーザに提供する。
【0122】
上記の構成によれば、契約期間の終了間際に契約したために、イベントにおけるポイント獲得量の競争が極端に不利になった契約ユーザに対する補填をより充実させることが可能となる。
【0123】
あるいは、第6のケースにおいて、サービス提供部213は、第3および第4のケースと同様に、ポイントを獲得できる限定ステージを各日に所定回数、例えば、1回プレイできる権利を、契約ユーザに対して提供する。そして、第6のケースでは、特典提供部214は、限定ステージがクリアされたことによりクリア報酬としてユーザが獲得するポイントの量を、経過日数に応じて調整してもよい。例えば、特典提供部214は、図示しない特典算定規則にしたがって、経過日数が10日未満の契約ユーザに対しては、限定ステージのクリア報酬となるポイントを規定どおり付与し、経過日数が10日~25日未満の契約ユーザに対しては、限定ステージのクリア報酬として上述の規定量の1.2倍のポイントを付与し、経過日数が25日以上の契約ユーザに対しては、限定ステージのクリア報酬として上述の規定量の1.5倍のポイントを付与してもよい。
【0124】
<作用効果>
以上のとおり、上述の構成および方法によれば、契約の開始時点と終了時点とがユーザによらず一律に予め固定されている契約期間内において提供される期間固定サービスについて、以下の効果を奏する。
【0125】
固定されている契約期間の開始時点よりも後に該サービスの対価が支払われた場合、該期間固定サービスが提供される期間は、実際には、対価の支払いが受け付けられた支払時点から契約期間の終了時点までの実質契約期間に限られる。しかし、上述の構成および方法によれば、ユーザには、契約の開始時点から支払時点までの経過時間の長さに応じて特典が提供される。
【0126】
結果として、支払いが契約の開始時点より後であるために、期間固定サービスに係る便益を享受し損ねたユーザの損失を補填することが可能な期間固定サービスの課金の仕組みを構築することが可能となる。
【0127】
例えば、特典は、経過時間の長さが長いほど、ゲーム内価値が高くなるように、ユーザに提供される。より具体的には、特典は、経過時間の長さが長いほど、数量が多くなるようにユーザに提供される。
【0128】
これにより、支払いが遅いほど大きくなる損失分を正当に補填する合理的な課金の仕組みが構築され得る。このような仕組みによれば、ユーザは、契約期間の開始時点から現時点までの経過時間が長い場合にも、契約をためらうことなく、期間固定サービスを受けたいと思ったときに、抵抗なく該契約を開始することができる。
【0129】
例えば、期間固定サービスが、月の初日から末日までの月極サービスである場合、従来であれば、ユーザは、月末に近づくほど、もらい損ねるサービスの損失の大きさを気にして、翌月まで契約を待つことが予想される。しかし、本実施形態によって構築される課金の仕組みによれば、その損失は経過時間の長さに応じて、すなわち損失の大きさに応じて補填され、契約の遅れによる不利益は生じない。そのため、ユーザは、月末であろうが関係なく、ユーザが始めたいと思ったときに抵抗なく契約を開始することができる。
【0130】
本実施形態によって構築される課金の仕組みは、ゲームのサービスを提供する運営団体側に有利な効果をもたらす。
【0131】
具体的には、支払時点がばらつくユーザごとに、支払時点を開始時点として決まった長さの契約期間を設けるサービスの場合、契約期間がユーザごとに異なる。そのため、運営団体が、契約ユーザ向けの提供しようとすると、期間限定イベントに参加できるユーザと、タイミングが合わず参加できないユーザとが出てきて、契約ユーザ間に不公平が生じてしまう。
【0132】
そのため、運営団体には、契約期間の開始時点がユーザごとに異なるサービスよりも、上述の期間固定サービスを採用したいという要望がある。上述の構成および方法によれば、運営団体は、支払時点の遅れが損失にならないように期間固定サービスを提供できる。本実施形態の課金の仕組みは、期間固定サービスの一部として期間限定イベントを提供しようとする運営団体にとって特に有利な効果をもたらす。
【0133】
また、本実施形態の課金の仕組みによれば、運営団体は、契約期間の開始時点と終了時点とをすべての契約ユーザに一律に設定することができ、ユーザごとに契約期間を管理する必要がないため、契約に係る管理の手間を大幅に削減することができる。
【0134】
また、本実施形態の課金の仕組みは、契約期間の開始時点から支払時点までの経過時間の長さに応じて、期間固定サービスの購入金額を割引することに代えて、特典によって損失を補填するものである。したがって、運営団体は、契約ユーザの支払時点と契約期間の開始時点との関係性によって、販売金額を調整することなく、一律の販売金額にて該期間固定サービスを販売することができる。そのため、決済や精算などに係る処理を大幅に簡素化することができる。
【0135】
〔変形例〕
進行支援部211は、期間固定サービスの対価を支払うための入力操作をユーザが行うためのユーザインターフェース(以下、UI)画面をユーザ端末100の表示部152に表示させる処理を実行することが好ましい。具体的には、進行支援部211は、上述のUI画面を生成するために必要な情報を、購入処理部112に提供することが好ましい。
【0136】
購入処理部112は、進行支援部211から受け取った情報に基づいてUI画面を生成し、表示部152に表示させる。
【0137】
表示部152に表示させるUI画面は、例えば、期間固定サービスを購入するためのボタンを含む。さらに、該UI画面は、期間固定サービスを、現時点で購入した場合にユーザに付与される特典を示す情報を含んでいてもよい。
【0138】
具体的には、進行支援部211は、該UI画面を表示させる時点が支払時点であると仮定して、販売中の期間固定サービスについて設定されている契約期間の開始時点から仮定した該支払時点までの経過時間を特定し、該経過時間に応じて付与される特典を示す情報を該UI画面の情報に含める。
【0139】
これにより、ユーザ端末100の購入処理部112は、期間固定サービスを購入するボタンと同じ画面に、現時点で購入した場合に付与される予定の特典を示す情報を配置して、ユーザに特典の内容を知らせることが可能となる。
【0140】
上記構成によれば、ユーザは、今このタイミングで期間固定サービスを購入した場合に、支払時点が遅れたことでサービスを受け損なったことの補填として、どのような特典が付与されるのかを確認することが可能となる。ユーザは、損失が補填されることを確認できるので、支払いのタイミングに関係なく、希望した時点においてためらいなく期間固定サービスを購入することができる。
【0141】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部210の制御ブロック(特に、進行支援部211、販売処理部212、サービス提供部213および特典提供部214)、ならびに、制御部110の制御ブロック(特に、ゲーム進行部111、購入処理部112、サービス受取部113および特典受取部114)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0142】
後者の場合、制御部210または制御部110、もしくはその両方の機能を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0143】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0144】
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容を列記すると以下のとおりである。
【0145】
(項目1) ゲームプログラム(131、231)について説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサ(10、20)およびメモリ(11、21)を備えるコンピュータ(ユーザ端末100およびサーバ200の少なくとも一方)により実行される。ゲームプログラムは、プロセッサに、契約の開始時点と終了時点とがユーザによらず一律に予め固定されている契約期間内において提供するサービス(期間固定サービス、月極サービス)について、該サービスの対価の支払処理をユーザから受け付けるステップ(S101)と、支払処理をユーザから受け付けたことに応答して、契約期間内において終了時点が到来するまでサービスをユーザに提供するステップ(S102)と、支払処理をユーザから受け付けたことに応答して、該支払処理にかかるサービスの契約期間の開始時点から該支払処理が受け付けられた支払時点までに経過した経過期間を特定するステップ(S103)と、特定された経過期間の長さに応じて、ユーザに付与する特典を決定するステップ(S104)と、決定された特典をユーザに付与するステップ(S105)とを実行させる。上記構成によれば、ユーザには、契約の開始時点から支払時点までの経過時間の長さに応じて特典が提供される。これにより、支払いが契約の開始時点より後であるために、期間が固定されたサービスに係る便益を享受し損ねたユーザの損失を補填することが可能な課金の仕組みを構築することが可能となる。結果として、課金に対するユーザの満足度を高め、ゲーム内で提供されるサービスの利用をユーザに促すという効果を奏する。
【0146】
(項目2) (項目1)において、決定するステップでは、経過期間が長いほど、ゲーム内における価値が高くなるように、ユーザに付与する特典を決定してもよい。
【0147】
(項目3) (項目2)において、決定するステップでは、経過期間が長いほど、ユーザに付与する特典の数量を多くしてもよい。
【0148】
(項目4) (項目2)または(項目3)において、提供するステップでは、サービスとして、契約期間内において終了時点が到来するまで、各日に、ゲーム内で利用可能なゲーム媒体をユーザに付与し、決定するステップでは、開始時点から支払時点までの経過日数分のゲーム媒体、または、該経過日数分のゲーム媒体に相当するゲーム内価値を有する別のゲーム媒体を、ユーザに付与する特典として決定してもよい。これにより、開始時点から支払時点までの期間の分のゲーム媒体を受け取る資格がありながら受け取る機会が得られなかったユーザに対して、該ユーザが被った損失を補填することができる。
【0149】
(項目5) (項目4)において、決定するステップでは、ゲーム内で利用可能な、経過日数に応じた数量の仮想通貨を、ユーザに付与する特典として決定してもよい。
【0150】
(項目6) (項目2)から(項目5)までのいずれか1項目において、提供するステップでは、サービスとして、契約期間内において終了時点が到来するまで、ポイントを獲得できるステージを各日に所定回数プレイできる権利をユーザに提供し、決定するステップでは、開始時点から支払時点までの経過日数が多いほど、ポイントの収集に有益となるように、ユーザに付与する特典を決定してもよい。これにより、開始時点から支払時点までの期間に限定ステージをプレイする資格がありながらプレイする機会が得られなかったユーザに対して、該ユーザが被った損失を補填することができる。
【0151】
(項目7) (項目6)において、決定するステップでは、特典としてユーザに付与するポイントの数量を、経過日数に応じて決定してもよい。
【0152】
(項目8) (項目6)において、決定するステップでは、経過日数が多いほど、所定回数を超えてより多くステージをプレイできる権利をユーザに付与する特典として決定してもよい。
【0153】
(項目9) (項目6)において、決定するステップでは、経過日数が所定日数を超えている場合に、回数に制限なくステージをプレイできる権利を、ユーザに付与する特典として決定してもよい。これにより、契約期間の終了間際に契約したために、ポイントの収集が極端に不利になった契約ユーザに対する補填をより充実させることが可能となる。
【0154】
(項目10) (項目1)から(項目9)までのいずれか1項目において、ゲームプログラムは、プロセッサに、サービスの対価を支払うための入力操作をユーザが行うためのユーザインターフェース(以下、UI)画面を、該ユーザが操作する上述のコンピュータ(ユーザ端末100)、または、上述のコンピュータ(サーバ200)と通信する該ユーザが操作する別のコンピュータ(ユーザ端末100)が備える表示部に表示させるステップを実行させ、表示させるステップでは、UI画面において、該UI画面を表示させた時点が支払時点であるとした場合の経過した時間の長さに応じて付与される特典を表示してもよい。ユーザは、UI画面を表示させてサービスの購入を検討する間、該UI画面を通じて、損失が補填されることを確認できるので、希望した時点においてためらいなく、期間が固定されたサービスを購入することができる。
【0155】
(項目11) ゲームプログラムを実行する方法を説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行される。該方法は、プロセッサが(項目1)に記載の各ステップを実行する方法である。(項目11)に係る方法は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【0156】
(項目12) 情報処理装置を説明した。本開示のある局面によると、該情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムを記憶するメモリ(メモリ11、記憶部120、メモリ21、記憶部220)と、該ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置(ユーザ端末100、サーバ200)の動作を制御するプロセッサ(プロセッサ10、制御部110、プロセッサ20、制御部210)とを備える。(項目12)に係る情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0157】
1 ゲームシステム、2 ネットワーク、10,20 プロセッサ、11,21 メモリ、12,22 ストレージ、13,23 通信IF(操作部)、14,24 入出力IF(操作部)、15 タッチスクリーン(表示部、操作部)、17 カメラ(操作部)、18 測距センサ(操作部)、100 ユーザ端末(情報処理装置)、110,210 制御部、111 ゲーム進行部、112 購入処理部、113 サービス受取部、114 特典受取部、120,220 記憶部、131,231 ゲームプログラム、132 ゲーム情報、133 ユーザ情報、151 入力部(操作部)、152 表示部、200 サーバ、211 進行支援部、212 販売処理部、213 サービス提供部、214 特典提供部、1010 物体、1020 コントローラ(操作部)、1030 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9