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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】コンタクトアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/187 20060101AFI20231107BHJP
   H01R 24/62 20110101ALI20231107BHJP
【FI】
H01R13/187 A
H01R24/62
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019149598
(22)【出願日】2019-08-19
(65)【公開番号】P2020031053
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】10 2018 214 203.3
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】シェファー,マイク
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ヘルゲ
(72)【発明者】
【氏名】クレンツライン,ハラルト
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/153089(WO,A1)
【文献】特開2001-307808(JP,A)
【文献】特開2017-195114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/187
H01R 13/11
H01R 24/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電コンタクト(55)に接触するためのコンタクトアセンブリ(3)であって、
前記コンタクトアセンブリ(3)は、
- 3つの接触面(54)によって橋渡しされて形成された1つの第1の接触平面(56)と、
- 前記第1の接触平面(56)から隔置され、前記第1の接触平面(56)を越えて突出している1つの第2の接触平面(66)と、を有しており、
前記第2の接触平面(66)は、少なくとも前記第1の接触平面(56)まで弾性的に撓むことができる接触体(70)上の3つの接触面(68)によって橋渡しされて形成されることを特徴とする、
コンタクトアセンブリ(3)。
【請求項2】
前記第1の接触平面(56)の前記接触面(54)は、前記第2の接触平面(66)の前記弾性的に撓むことができる接触体(70)に比べて剛性の接触体(70)によって形成されていることを特徴とする、
請求項1に記載のコンタクトアセンブリ(3)。
【請求項3】
前記第1の接触平面(56)を形成する前記3つの接触面(54)は、三角形に配置され、かつ
前記第2の接触平面(66)を形成する前記3つの接触面(68)は三角形に配置される、
請求項1または2に記載のコンタクトアセンブリ(3)。
【請求項4】
前記第1の接触平面(56)の前記接触面(54)および前記第2の接触平面(66)の前記接触面(68)が、共通のベースプレート(30)から突出していることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載のコンタクトアセンブリ(3)。
【請求項5】
前記ベースプレート(30)は、電気端子(49)および/または電気導体(50)に間接的または直接的に取り付けられていることを特徴とする、
請求項4に記載のコンタクトアセンブリ(3)。
【請求項6】
前記ベースプレート(30)は、モノリシック構成要素(80)として、前記第1の接触平面(56)の前記接触面(54)および前記第2の接触平面(66)の前記接触面(68)と一体形成されていることを特徴とする、
請求項4または5に記載のコンタクトアセンブリ(3)。
【請求項7】
前記第1の接触平面(56)の前記接触面(54)および/または前記第2の接触平面(66)の前記接触面(68)は、凸状に湾曲していることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか一項に記載のコンタクトアセンブリ(3)。
【請求項8】
前記第1の接触平面(56)の前記接触面(54)および/または前記第2の接触平面(66)の前記接触面(68)は、塑性変形によって形成されていることを特徴とする、
請求項1から7のいずれか一項に記載のコンタクトアセンブリ(3)。
【請求項9】
前記第2の接触平面(66)の前記接触体(70)は、台形に形成されていることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか一項に記載のコンタクトアセンブリ(3)。
【請求項10】
ソケットキャビティ(12)を少なくとも部分的に取り囲んでいるソケット(2)と、前記ソケットキャビティ(12)の一部である、プラグコンタクト(16)を差込み方向(S)に受け取るためのプラグレセプタクル(14)と、を有するソケットコンタクトアセンブリ(1)であって、

前記ソケットコンタクトアセンブリ(1)は、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンタクトアセンブリ(3)をさらに備えており、
前記第1の接触平面(56)は、前記差込み方向(S)に対して横断方向に前記プラグレセプタクル(14)を区切り、前記プラグレセプタクル(14)の方を向いている前記3つの接触面(54)によって橋渡しされて形成されており、
前記第2の接触平面(66)は、前記差込み方向(S)に対して横断方向に前記第1の接触平面(56)から隔置され、前記第1の接触平面(56)を越えて突出しており、
前記第2の接触平面(66)は、少なくとも前記第1の接触平面(56)まで弾性的に撓むことができる前記接触体(70)上の前記3つの接触面(68)によって橋渡しされて形成されることを特徴とする、
ソケットコンタクトアセンブリ(1)。
【請求項11】
ベースプレート(30)が、形状嵌めで前記ソケット(2)に接続されていることを特徴とする、
請求項10に記載のソケットコンタクトアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記第2の接触平面(66)の前記接触体(70)は、前記プラグレセプタクル(14)の方向に前記差込み方向(S)に対して斜めに延びるコンタクトタング(72)によって形成されていることを特徴とする、
請求項10または11に記載のソケットコンタクトアセンブリ(1)。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか一項に記載のソケットコンタクトアセンブリ(1)と、プラグコンタクト(16)と、
を備えたプラグコンタクトアセンブリ(15)。
【請求項14】
前記プラグコンタクト(16)は、前記差込み方向(S)に対して横断方向に前記第2の接触平面(66)の前記接触体(70)を撓ませることを特徴とする、
請求項13に記載のプラグコンタクトアセンブリ(15)。
【請求項15】
プラグコンタクト(16)が前記プラグレセプタクル(14)に差し込まれたとき、前記第1の接触平面(56)および前記第2の接触平面(66)は共通の平面上に配置されることを特徴とする、
請求項13または14に記載のプラグコンタクトアセンブリ(15)。
【請求項16】
前記第1の接触平面(56)の前記接触面(54)および前記第2の接触平面(66)の前記接触面(68)が、共通の前記ベースプレート(30)から突出していることを特徴とする、
請求項11に記載のソケットコンタクトアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電コンタクトに接触するためのコンタクトアセンブリに関し、コンタクトアセンブリは、複数の接触面によって形成された第1の接触平面を有する。さらに、本発明は、ソケットキャビティを少なくとも部分的に取り囲んでいるソケットと、ソケットキャビティの一部である、プラグコンタクトを差込み方向に受け取るためのプラグレセプタクルと、差込み方向に対して横断方向にプラグレセプタクルを区切り、プラグレセプタクルの方を向いている複数の接触面によって形成された第1の接触平面とを有するソケットコンタクトアセンブリに関する。本発明はさらに、最初から指定されているソケットコンタクトアセンブリと、ソケットのプラグレセプタクルに差込み方向に差し込むことができるプラグコンタクトとを備えたプラグコンタクトアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
前述のタイプのコンタクトアセンブリおよびソケットコンタクトアセンブリは、従来技術からすでに知られている。これらのコンタクトアセンブリおよびソケットコンタクトアセンブリには、多くの領域で応用例があり、たとえば電気信号を伝送する働きをし、プラグコンタクトを受け取るように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プラグコンタクトは、プラグレセプタクルに差込み方向に差し込まれて、接触面で支えられる。この場合、接触面の理論数は小さすぎることがあり、その結果、不十分な電気接触しか得られなくなる。接触面の数を増大させると、プラグコンタクトは不静定的に支えられることになり、接触面に均一に接触することができなくなる可能性がある。
したがって、本発明の課題は、プラグコンタクトとコンタクトアセンブリとの間で安定した電気的および機械的な接触を可能にする解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この課題は、最初から指定されているタイプのコンタクトアセンブリによって解決され、コンタクトアセンブリは、第1の接触平面から隔置され、第1の接触平面を越えて突出している第2の接触平面を有しており、この第2の接触平面は、少なくとも第1の接触平面まで弾性的に撓むことができる接触体上の複数の接触面によって橋渡しされる。
【0005】
本発明によれば、最初から指定されているタイプのソケットコンタクトアセンブリが、差込み方向に対して横断方向に第1の接触平面から隔置され、第1の接触平面を越えて突出している第2の接触平面を備えており、この第2の接触平面は、少なくとも第1の接触平面まで弾性的に撓むことができる接触体上の複数の接触面によって橋渡しされる。
【0006】
本発明によるプラグコンタクトアセンブリが、本発明のソケットコンタクトアセンブリおよびプラグコンタクトを備える。
【0007】
第2の接触平面の弾性的に撓むことができる接触体は、差込み中にプラグコンタクトに接触することができ、第1の接触平面の方向に撓むことができ、したがってプラグコンタクトは同様に、第1の接触平面の接触面に接触する。その結果、接触される導電接触面の数を簡単に増大させることができ、第2の接触平面の弾性的に撓むことができる接触体は、公差を補償することができる。機械的な観点から、プラグコンタクトは主に、第1の接触平面の接触面に支えられ、それによりシステムが機械的により安定する。
【0008】
所望される場合に互いに独立して互いに組み合わせることができ、各々個別に見ると有利であるさらなる展開例について、以下に述べる。
【0009】
したがって、第1の有利な構成によれば、第1の接触平面の接触面は、弾性的に撓むことができる接触体に比べて剛性の接触体上に形成することができる。好ましくは、プラグコンタクトの主な負荷は、第1の接触平面の接触面にかかることができる。機械的な観点から、プラグコンタクトが主に強固な接触点に支えられているとき、第2の接触平面の柔軟に構成された接触体は、たとえばプラグコンタクトに接触するために最小の法線力を加えることができるだけである。第1の接触平面の剛性の接触体によって、機械的な安定性をさらに改善することができる。
【0010】
コンタクトアセンブリは、ソケットおよび/またはプラグ上に配置することができる。
【0011】
さらに有利な構成によれば、第1の接触平面および/または第2の接触平面は、いずれの場合も、3つの接触面によって橋渡しすることができる。接触面は、静定接触平面を簡単に作り出すために、三角形に配置することができる。特に、機械的な観点から、プラグコンタクトは主に第1の接触平面の接触面に支えられるため、第1の接触平面は3つの接触面によって橋渡しすることができる。少なくとも第1の接触平面の静定(static determinateness)によって、システムの機械的な安定性をさらに改善することができる。これらの接触面に均一に接触することができ、プラグコンタクトが揺れ動くことを防止することができる。
【0012】
第2の接触平面も同様に、3つの接触面によって橋渡しすることができ、その結果、第2の接触平面も同様に簡単に静定状態になることを確実にすることができる。その結果、6つの接触面がプラグコンタクトにさらに一定に係合し、第1の接触平面の接触面は、第2の接触平面に比べて固定された接触平面によって橋渡しされ、第2の接触平面の接触面は、固定された接触平面に対して動くことのできる可撓性の接触平面によって橋渡しされる。両方の接触平面が静定状態になり、したがってプラグコンタクトをすべての接触面に確実に支えることができる。
【0013】
第2の接触平面の接触面は同様に、三角形に配置することができ、第1の接触平面の三角形は、第2の接触平面の三角形に対向して配置され、これらの三角形は重なり合い、いずれの場合も接触面によって角が形成される。特に、第1の三角形の1つの角を第2の三角形の底辺に配置することができ、逆に、第2の三角形の1つの角を第1の三角形の底辺に配置することができる。重なり合う三角形の配置によって、コンタクトアセンブリの特に省スペースの構成を実現することが可能であり、差込み方向に位置する第1の深さにおいて、一方の接触平面の2つの接触面および他方の接触平面の1つの接触面が接触し、第1の深さから隔置された差込み方向に位置する第2の深さにおいて、他方の接触平面の2つの接触面および一方の接触平面の1つの接触面が接触する。
【0014】
可能な限り簡単なコンタクトアセンブリの設計のために、第1の接触平面の接触面および第2の接触平面の接触面は、共通のベースプレートから突出することができる。
【0015】
ベースプレートは、電気端子、たとえばケーブルラグ、または電気導体に間接的または直接的に取り付けることができる。たとえば、ベースプレートは、ケーブルとプラグコンタクトとの間に電気的接続をもたらす圧着接続領域を含むことができる。ベースプレートは、ソケットコンタクトアセンブリ内のソケットへ導入することができ、この場合、差込み方向において後方に位置する端部でソケットから突出することができ、突出部分は、端子または電気導体に間接的または直接的に取り付けることができる。たとえば、ベースプレートはまた、導電接触体に溶接することができる。
【0016】
ベースプレートは、好ましくは、銅または銅合金などの導電材料から製造することができる。
【0017】
ベースプレートがソケットに対して動くのを防ぎ、ベースプレートとソケットとの間に強固な接続をもたらすために、ベースプレートを形状嵌めでソケットに接続することができる。ベースプレートは、ソケットキャビティへ配置することができ、ラグを用いて定位置にロックすることができる。たとえば、ソケットは、ベースプレートが差込み方向にソケットに対して動くのを防ぐために、レセプタクルの方向の差込み方向に直交して突出する2つの突起間に曲げられたラグを備えることができる。これにより、ソケットコンタクトアセンブリの機械的な安定性をさらに改善することができる。
【0018】
ベースプレートは、モノリシック構成要素として、第1の接触平面の接触面および/または第2の接触平面の接触面と一体形成することができる。その結果、ベースプレートの取扱いおよび/または形成を簡略化することができる。
【0019】
第1の接触平面の接触面および/または第2の接触平面の接触面は特に、接触体の湾曲区間に形成することができる。この区間は、好ましくは凸状に湾曲させることができる。これにより、空間的に決定された頑丈な接触面を得ることができ、湾曲の頂点が接触面として働くことができる。
【0020】
第1の接触平面の接触体および/または第2の接触平面の接触体は、塑性変形によって形成することができる。たとえば、接触体は、ベースプレートから打ち抜くことができ、その結果、簡単なプロセスステップを介して第1の接触平面の接触体および/または第2の接触平面の接触体が形成される。
【0021】
特に、第2の接触平面の接触体を台形に形成することができ、接触体は自由端に向かって先細りする。したがって、接触体内の応力分布を最適化することが可能である。接触体は、たとえば弾性的に撓むことができるコンタクトタングとして形成することができ、その幅は自由端に向かって減少する。
【0022】
さらに有利な構成によれば、第2の接触平面の接触体は、たとえばベースプレートに結合する底辺から接触面まで延びるばね脚部を有することができる。ばね脚部は特に、可能な限り良好な応力分布をもたらすために、台形に構成することができる。この場合、幅および/または材料の厚さは、接触面の方向の底辺と接触面との間の延長方向に対して横断方向に先細りすることができる。
【0023】
第2の接触平面の弾性的に撓むことができる接触体は、レセプタクルの方へ差込み方向に対して斜めに延びるコンタクトタングによって形成することができる。この場合、コンタクトタングは、差込み方向に対して約30°~150°の角度で配置することができ、コンタクトタングは、一方の端部でベースプレートに接続され、自由端で凸状に曲げられる。接触面は、コンタクトタングの自由端に形成することができ、第1の接触平面の接触面および差込み方向に対して実質上平行に配置することができる。コンタクトタングは、差込み方向に前方に位置するプラグレセプタクル開口の方向に延びることができる。
【0024】
しかし特に有利な構成では、コンタクトタングは、開口から離れる方向に延びることができ、したがってコンタクトタングは走行スロープを形成し、プラグコンタクトがプラグレセプタクルに差し込まれているとき、プラグコンタクトはこの走行スロープに沿って摺動することができ、この場合、コンタクトタングは第1の接触平面の方向に押される。
【0025】
コンタクトタングは、自由端に向かって先細りすることができる。差込み方向に対して横断方向の幅は、自由端に向かって減少することができ、その結果、コンタクトタングの台形構成が生じ、コンタクトタング内の応力分布が最適化される。
【0026】
特にコンタクトタングの材料の厚さは、特にレセプタクルの方向において、自由端に向かって減少することができる。この場合も、これにより応力分布を改善することができる。さらにこれにより、接触面の安定化を得ることができる。この場合、自由端における材料の密度は増大することができ、その結果、接触面が機械的により強固になる。材料の厚さの減少は、たとえばミリングによって得ることができる。
【0027】
ソケットは、差込み方向に対して横断方向に広がる能力を有することができる。ソケットは、高さ方向に互いに反対の上面および下面を有することができ、上面および下面は、広げられたとき、広がっていない状態より互いに大きい間隔を有する。広げることによって、上面と下面との間の高さを増大させることができる。高さはまた特に、プラグコンタクトを差し込むことによって増大させることができる。この場合、特にレセプタクルの高さは、ソケットを広げることと同期して増大することができる。上面は、プラグコンタクトを押圧するラグを有することができ、ラグは第1の平面の接触面および第2の平面の接触面にプラグコンタクトを押し付ける。
【0028】
ソケットは、ばねとして構成された少なくとも1つの側壁、好ましくは2つの側壁を有することができる。少なくとも1つのばねは、ソケットを簡単に広げることを可能にし、プラグコンタクトに対して接触法線力を生成することができる。
【0029】
第2の接触平面の弾性的に撓むことができる接触体のばね剛性は、ばねとして構成された少なくとも1つの側壁より低くすることができる。
【0030】
特に好ましい構成では、プラグコンタクトがプラグレセプタクルに差し込まれたとき、第1の接触平面の接触面および第2の接触平面の接触面を共通の平坦な平面上に配置することができる。
【0031】
以下、本発明について、添付の図を参照して、例示的な実施形態を使用して例としてより詳細に説明する。これらの図では、設計および/または機能に関して互いに対応する要素には、同じ参照記号を提供する。
【0032】
個々の例示的な実施形態によって図示および説明する特徴の組合せは、説明の目的のみを担う。上記によれば、特定の応用例において技術的な効果が重要でない場合、例示的な実施形態からの特徴を省くことが可能である。逆に、上記によれば、技術的な効果が特定の応用例にとって有利または必要であることを意味する場合、例示的な実施形態にさらなる特徴を追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明によるプラグコンタクトアセンブリの概略斜視図である。
図2】本発明によるソケットコンタクトアセンブリのソケットの概略斜視図である。
図3】ベースプレートを有する本発明によるコンタクトアセンブリの概略斜視図である
図4】本発明によるプラグコンタクトアセンブリの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
第1に、本発明によるソケットコンタクトアセンブリ1の設計について、図1を参照して説明する。理解を助けるために、この説明ではデカルト座標系、すなわち差込み方向S、横断方向Q、および高さ方向Hを使用する。これらの図に示す実施形態は、例としてのみ与えられたものであり、説明の目的を担う。したがって、プラグコンタクトはまた、たとえば本発明によるコンタクトアセンブリ3を備えることができる。
【0035】
図1は、ソケットコンタクトアセンブリ1の例示的な実施形態を示す。ソケットコンタクトアセンブリ1は、打抜きおよび曲げ加工によって金属薄板から形成された、図2にさらなる概略斜視図で示すソケット2と、本発明によるコンタクトアセンブリ3とを備える。
【0036】
ソケット2は、高さ方向Hに互いに隔置された上面4および下面6を備える。上面4および下面6は、高さ方向Hに延びる側壁8によって互いに接続される。側壁8はばね10によって形成され、それにより上面4が高さ方向Hに沿って下面6に対して動くことが可能になる。ソケット2は、高さ方向Hに沿って広げることおよび/または圧縮することができる。ソケット2はソケットキャビティ12を取り囲んでおり、ソケットキャビティ12は、広げた場合は高さ方向Hに増大し、圧縮した場合は減少する。ソケットキャビティ12の一部は、プラグレセプタクル14によって形成され、プラグレセプタクル14には、ソケット2への差込み方向Sに沿って、図1には概略的に示すプラグコンタクト16を差し込むことができる。特に、プラグコンタクト16を挿入することで、ソケット2およびプラグレセプタクル14を広げることができる。本発明によるプラグコンタクトアセンブリ15は同様に、図1に示されており、プラグコンタクト16および本発明によるソケットコンタクトアセンブリ1を備える。
【0037】
図1は、力のかかっていない状態17を示し、図示の例では、この状態はすでに第1の広がった状態19である。プラグコンタクト16をプラグレセプタクル14に挿入することによって、ソケット2およびプラグレセプタクル14はさらに広げられ、第2の広がった状態へ移ることができる。圧縮によって、たとえば上面4および下面6でともに押圧することによって、ソケット2を高さ方向Hに圧縮することができ、したがってハウジング18(図1にはそれほど詳細に示されていない)へ導入することができる。この圧縮によって、ソケット2は広がっていない状態へ移ることができる。力が除去されると、ソケット2は図示の第1の広がった状態19へ自動的に移ることができる。
【0038】
代替構成では、図1の構成はまた、広がっていない状態20に対応することができ、第1にプラグコンタクト16を差し込むことによって、ソケット2を広がった状態へ移行することができる。
【0039】
差込み方向Sに位置する前方領域では、ソケット2は、ロック要素24を備えた第1の形状嵌めアセンブリ22を有する。第1の形状嵌めアセンブリ22によって、広がっていない状態で、ソケット2を対応するハウジング18内に保持することができる。ロック要素24は、好ましくは、ソケット2が挿入されたときに定位置に自動的にロックし、それによって形状嵌めを確立する(図4参照)。
【0040】
さらに、差込み方向Sにおいて後方領域では、ソケット2は、第2の形状嵌めアセンブリ26を保有する。第2の形状嵌めアセンブリ26は、広がった状態でハウジング18との形状嵌めを確立するように構成される。第2の形状嵌めアセンブリ26は、突起28によって形成されており、図示の実施形態では、突起28は上面4に取り付けられ、上面4に対して高さ方向Hに突出する。
【0041】
第1の形状嵌めアセンブリ22は、ハウジング18によって、差込み方向Sに作用する形状嵌めを確立することができ、第2の形状嵌めアセンブリ26は、ハウジング18によって、差込み方向Sの逆方向に作用する形状嵌めを確立することが可能である。突起28および/またはロック要素24は、打抜きまたはエンボス加工によって、上面4から形成することができる。別法または追加として、ロック要素24および/または突起28は、下面6に存在することもできる。
【0042】
図2に示すソケット2に加えて、ソケットコンタクトアセンブリ1は、例として、図3に概略斜視図で示すベースプレート30を有する本発明によるコンタクトアセンブリ3の実施形態を備える。ベースプレート30は、ベースプレート30の表面34からプラグレセプタクル14の方向に突出するいくつかのコンタクト素子32を備える。
【0043】
ベースプレート30は、差込み方向Sとは逆に止まるまでソケット2に差し込むことができる自由端を有し、したがってベースプレート30の少なくとも1つの区間はソケット2内に配置され、コンタクト素子32はソケットキャビティ12へ突出する。
【0044】
この目的で、ソケット2は、差込み方向Sにおいて前方に位置するその端部に、実質上U字形の断面を有する受取りポケット36を備えており、受取りポケット36は、高さ方向Hに互いに隔置された2つの脚部38と、差込み方向Sおよび高さ方向Hによって橋渡しされる平面に対して平行な平面内で2つの脚部38を互いに接続するベース40とを有する。ベースプレート30の自由端は、差込み方向Sとは逆に受取りポケット36へ導入することができる。この場合、ベースプレート30の自由端は、受取りポケット36のベース40に当たって止まり、脚部38によって囲まれる。受取りポケット36は、曲げ加工によって形成することができ、たとえば一方の脚部38がソケット2の下面6によって形成される。したがって受取りポケット36は、差込み方向Sの逆方向にベースプレート30との形状嵌めを確立する。
【0045】
ソケット2の下面6は、差込み方向Sに側壁8を越えて突出する。下面6はこの突出区間に、高さ方向に突出する突起44の周りに曲げることができるラグ42を備える。その結果、ベースプレート30をソケット2内により安定して保持することができる。突起44は、くぼみ46を有することができ、くぼみ46の周りにラグ42を曲げることができ、したがってラグ42は突起44によって覆われる。したがって、ラグ42によって、差込み方向Sおよびその逆方向に形状嵌めを確立することができ、動きに関して可能な限り強固に、ベースプレート30をソケットに接続することができる。
【0046】
ソケット2から離れたベースプレート30の端部は、図1に示すように、電気導体50を有するケーブル48に取り付けられる。ベースプレート30はまた、ケーブル48に接続することができる電気端子49を含むことができる。ベースプレート30は、たとえば溶接によって材料結合で電気導体50に接続することができる。ソケットコンタクトアセンブリ1を介して、プラグコンタクト16へ電気信号または電力を伝送することができる。
【0047】
ベースプレート30は、好ましくは、導電材料、特に銅または銅合金から形成される。
【0048】
第1の群のコンタクト素子32が、凸状に湾曲した剛性の接触体52によって形成され、接触体52の頂点53に、たとえばプラグコンタクト16などの導電コンタクト55に接触するための接触面54が形成される。接触体52の接触面54は、プラグレセプタクル14の方向を向いている。接触体52は特に、機械的に頑丈に構成することができ、したがってプラグコンタクト16を接触面54に安定して支えることができる。この場合、接触体52の接触面54は、差込み方向Sおよび横断方向Qによって橋渡しされる平面に対して実質上平行な第1の接触平面56を形成し、第1の接触平面56は、プラグレセプタクル14を高さ方向Hに区切る。
【0049】
静定システムを簡単に得るために、第1の接触平面56は、好ましくは、三角形に配置された3つの接触面54によって橋渡しされ、2つの接触面は、横断方向Qに延びる列に位置決めされる。プラグコンタクト16がプラグレセプタクル14に差し込まれたとき、プラグコンタクト16は主に、第1の接触平面56の接触面54に支えられる。したがって、静定システムによって、本発明のプラグコンタクトアセンブリ15の機械的な安定性をさらに改善することができる。
【0050】
公差を補償し、プラグコンタクト16の電気的および機械的な接触を改善するために、コンタクトアセンブリ3およびソケットコンタクトアセンブリ1は、第1の接触平面56から隔置され、高さ方向Hに第1の接触平面56を越えて突出している第2の接触平面66を有しており、この第2の接触平面66は、少なくとも第1の接触平面56まで弾性的に撓むことができる接触体70上の複数の接触面68によって橋渡しされる。
【0051】
弾性的に撓むことができる接触体70は、コンタクトタング72によって形成され、コンタクトタング72は、高さ方向H、および差込み方向Sの逆方向に、ベースプレート30から凸状に湾曲した自由端74まで延び、自由端74の頂点75で、第2の平面の接触面68に配置される。第2の接触平面66は同様に、三角形に配置された3つの接触体70によって静定的に設計される。したがって第2の接触平面66の接触面68はまた、プラグコンタクト16によって均一に接触することができる。
【0052】
特に小型のコンタクトアセンブリ3および/またはソケットコンタクトアセンブリ1を作製するために、第1の接触平面56の接触体52が、横断方向Qにおいて第2の接触平面66の2つの接触体70間に配置された第1の列に配置され、逆に第1の接触平面56の2つの接触体52間に位置する第2の接触平面66の接触体が、差込み方向Sに第1の列から隔置された第2の列に配置される場合、特に有利である。
【0053】
コンタクトタング72は、自由端74の方向に先細りしており、したがって台形のタング裏面76を有する。その結果、弾性の撓みに起因してコンタクトタング72に作用する応力の応力分布を改善することができる。さらに、材料の厚さ78が高さ方向Hに減少し、その結果、応力分布がさらに改善され、接触面68の強固さをさらに強化することができる。
【0054】
図示されていない構成によれば、コンタクトタング72はまた、差込み方向Sおよび高さ方向Hにベースプレート30から離れる方へ延びることができる。その結果、プラグコンタクト16は、差込み中にタング裏面76に沿って摺動することができ、コンタクトタング72を第1の接触平面56の方向に撓ませることができる。
【0055】
第1の接触平面56の接触面54および第2の接触平面66の接触面68は、モノリシック構成要素80として一体形成される。この目的で、接触体52、70を塑性変形によって形成することができる。たとえば、接触体52、70を打抜きによって形成することができる。いずれの場合も、コンタクトタング72は、ベースプレート30を貫通する窓82内へ延びる。
【0056】
接触面54、68は波状に構成され、その結果、この場合もプラグコンタクト16の接触が改善される。
【0057】
接触平面56、66は、高さ方向Hに互いに高さ84だけ隔置されており、第1の接触平面56はプラグレセプタクル14を区切り、第2の接触平面66はプラグレセプタクル14内に配置される。
【0058】
第1の接触平面56の剛性の接触体52は、特に第2の接触平面66の接触体70に比べて剛性とすることができる。剛性の接触体52のばね剛性は、好ましくは、ばね10のばね剛性より強くすることができる。
【0059】
ばね10のばね強度は特に、弾性的に撓むことができる接触体70のばね強度より強くすることができ、したがってプラグコンタクト16がプラグレセプタクル14に差し込まれているとき、接触体70を第1の接触平面56の方向に押すことができる。特に、プラグコンタクトアセンブリ15の最小の法線力により、第1の接触平面56および第2の接触平面66が共通の平面内に配置されるように、第2の接触平面66を撓ませることができる。
【0060】
ソケットは、第1の接触平面56から隔置され、プラグレセプタクル14を高さ方向Hに区切る押圧ラグ90を有しており、したがってプラグレセプタクル14は、高さ方向Hに第1の接触平面56から押圧ラグ90へ延びる。第2の接触平面66は、押圧ラグ90と第1の接触平面56との間に配置され、したがって押圧ラグ90は、接触面54、68が共通の平面上に配置されるように、プラグコンタクト16を第2の接触平面66の接触面68に押し付け、接触体70を第1の接触平面56の方向に高さ84だけ撓ませる。
【0061】
したがって、第2の接触平面66の弾性的に撓むことができる接触体は、公差を補償し、追加の導電接触面68を提供することができ、第1の接触平面56の剛性の接触体52は、電気的接触とともに、機械的な安定化の目的を担う。機械的な観点から、プラグコンタクト16は主に、第1の接触平面56の接触面54に支えられる。
【0062】
したがって、本発明によるソケットコンタクトアセンブリ1を介して、複数の接触面によって機械的および電気的に安定した接触を実現することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 ソケットコンタクトアセンブリ
2 ソケット
3 コンタクトアセンブリ
4 上面
6 下面
8 側壁
10 ばね
12 ソケットキャビティ
14 プラグレセプタクル
15 プラグコンタクトアセンブリ
16 プラグコンタクト
17 力のかかっていない状態
18 ハウジング
19 広がった状態
20 広がっていない状態
22 第1の形状嵌めアセンブリ
24 ロック要素
26 第2の形状嵌めアセンブリ
28 突起
30 ベースプレート
32 コンタクト素子
34 表面
36 受取りポケット
38 脚部
40 ベース
42 ラグ
44 突起
46 くぼみ
48 ケーブル
49 電気端子
50 電気導体
52 第1の接触平面の接触体
53 頂点
54 第1の接触平面の接触面
55 導電コンタクト
56 第1の接触平面
66 第2の接触平面
68 第2の接触平面の接触面
70 第2の接触平面の接触体
72 コンタクトタング
74 自由端
75 頂点
76 タング裏面
78 材料の厚さ
80 モノリシック構成要素
82 窓
84 高さ
90 押圧ラグ
H 高さ方向
S 差込み方向
Q 横断方向
図1
図2
図3
図4