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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20231107BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231107BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H04Q9/00 311J
H02J3/38 110
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019195538
(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公開番号】P2021069262
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】志賀 昭弘
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/072442(WO,A1)
【文献】特開2019-106689(JP,A)
【文献】特開2015-159714(JP,A)
【文献】特開2019-062639(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225451(WO,A1)
【文献】特開2016-046829(JP,A)
【文献】特開2016-100917(JP,A)
【文献】特開2004-242156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/38
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散電源を制御するための制御装置であって、
前記分散電源に関する情報をユーザに通知するユーザインターフェイスと、
無線広域網との無線通信を行う装置であって前記制御装置とは別体に構成される無線通信装置と電気的に接続する接続部と、
前記分散電源から測定データを取得し、前記接続部から前記無線通信装置を介して前記測定データをサーバ装置に送信する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記無線広域網と前記無線通信装置との間の通信品質を示す通信品質値を、前記無線通信装置から前記接続部を介して取得し、
前記ユーザインターフェイスは、前記無線通信装置が前記接続部と電気的に接続されたときに、前記通信品質値に基づく情報をユーザに通知する
制御装置。
【請求項2】
前記通信品質値は、前記無線広域網から前記無線通信装置が受信する無線信号の受信信号強度である
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信品質値を通信品質閾値と比較し、
前記ユーザインターフェイスは、前記通信品質値と前記通信品質閾値との比較結果を示す情報をユーザに通知する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記ユーザインターフェイスは、前記無線通信装置が前記接続部と電気的に接続された後、前記通信品質値に基づく情報の表示を示すユーザ操作を受け付けたことに応じて、前記品質値に基づく情報をユーザに通知する
請求項1記載の制御装置。
【請求項5】
分散電源に関する情報をユーザに通知するユーザインターフェイスを有し、前記分散電源を制御するための制御装置において実行する制御方法であって、
無線広域網との無線通信を行う装置であって前記制御装置とは別体に構成される無線通信装置との通信接続を確立することと、
前記分散電源から測定データを取得することと、
前記無線通信装置を介して前記測定データをサーバ装置に送信することと、を有し、
前記通信接続を確立することは、前記無線通信装置と接続部を介して電気的に接続することを含み、
前記無線広域網と前記無線通信装置との間の通信品質を示す通信品質値を、前記無線通信装置から前記接続部を介して取得することと、
前記無線通信装置が前記接続部と電気的に接続されたときに、前記通信品質値に基づく情報をユーザに通知することと、更に有する
制御方法。
【請求項6】
前記ユーザに通知することは、前記無線通信装置が前記接続部と電気的に接続された後、前記通信品質値に基づく情報の表示を示すユーザ操作を受け付けたことに応じて、前記品質値に基づく情報をユーザに通知することを含む
請求項5記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システムで用いる制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、蓄電池装置の温度、電圧、及び内部抵抗をサーバ装置が遠隔で監視し、これらの測定データを解析して蓄電池装置の劣化や異常を検知すると、サーバ装置からユーザに対して通知を行う蓄電池状態監視システムが記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のシステムでは、複数の蓄電池装置を有する施設に親機及び統括親機が設けられている。各蓄電池装置に設けられる子機が親機とのWPAN(Wireless Personal Area Network)通信を行うことにより、親機が子機から測定データを取得し、統括親機が親機から測定データを取得し、統括親機から広域通信網(インターネット)を介してサーバ装置に測定データを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-60773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分散電源を有する施設においてサーバ装置との通信環境を構築する方法として、無線広域網(WWAN:Wireless Wide Area Network)通信を行う通信手段を、分散電源を制御するための制御装置に設けることが考えられる。
【0006】
しかしながら、制御装置にWWAN通信手段を設ける場合、WWAN基地局からの電波状態が良好な場所に制御装置を設置する必要がある。一方、制御装置がユーザインターフェイスを有する場合、ユーザの目の付きやすい場所に制御装置を設置した方がユーザの利便性が高い。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザの利便性を損なうことなくサーバ装置との通信を行うことが可能な制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様に係る制御装置は、分散電源を制御するための制御装置であって、前記分散電源に関する情報をユーザに通知するユーザインターフェイスと、無線広域網との無線通信を行う装置であって前記制御装置とは別体に構成される無線通信装置と電気的に接続する接続部と、前記分散電源から測定データを取得し、前記接続部から前記無線通信装置を介して前記測定データをサーバ装置に送信する制御部とを備える。
【0009】
第2の態様に係る制御方法は、分散電源に関する情報をユーザに通知するユーザインターフェイスを有し、前記分散電源を制御するための制御装置において実行する方法である。前記制御方法は、無線広域網との無線通信を行う装置であって前記制御装置とは別体に構成される無線通信装置との通信接続を確立することと、前記分散電源から測定データを取得することと、前記無線通信装置を介して前記測定データをサーバ装置に送信することとを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、ユーザの利便性を損なうことなくサーバ装置との通信を行うことが可能な制御装置及び制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る電力管理システムを示す図である。
図2】一実施形態に係る制御装置の構成を示す図である。
図3】一実施形態に係る制御装置の動作を示す図である。
図4】一実施形態に係る電力管理システムにおける動作シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して実施形態について説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0013】
(電力管理システム)
まず、一実施形態に係る電力管理システムについて説明する。図1は、一実施形態に係る電力管理システム1を示す図である。図1において、ブロック間の太線は電力線を示しており、細線は信号線を示している。なお、これに限定されるものではなく、電力線で信号を伝送してもよい。信号線は、有線で構成されてもよいし、無線で構成されてもよい。
【0014】
図1に示すように、電力管理システム1は、需要家施設10と、遠隔監視サーバ400と、端末装置500とを有する。需要家施設10、遠隔監視サーバ400、及び端末装置500は、ネットワーク30を介して相互に接続されている。
【0015】
ネットワーク30は、例えばワイドエリアネットワークである。ネットワーク30は、WWANを構成するWWAN基地局31を有する。WWAN基地局31は、セルラ通信方式に準拠した基地局であってもよいし、LPWA(Low Power Wide Area)方式に準拠した基地局であってもよい。ネットワーク30は、インターネットをさらに含んでもよい。
【0016】
需要家施設10は、電力系統20からの電力の供給を受ける施設である。需要家施設10は、ルータ310を有する。ルータ310は、ネットワーク30に接続されている。ルータ310は、ローカルエリアネットワークを構成する。
【0017】
一実施形態において、需要家施設10は、蓄電池設備100と、制御装置130と、無線通信装置140と、太陽光発電設備200と、負荷機器320と、EMS(Energy Management System)330とを有する。蓄電池設備100は分散電源の一例であり、太陽光発電設備200は分散電源の他の例である。他の実施形態において、需要家施設10は、太陽光発電設備200を有していなくてもよいし、分散電源としての燃料電池設備を有していてもよい。
【0018】
一実施形態において、蓄電池設備100は、複数の蓄電池装置110(110a乃至110c)と、蓄電池PCS(Power Conditioning System)120とを有する。他の実施形態において、蓄電池設備100を構成する蓄電池装置110が1つのみであってもよい。
【0019】
各蓄電池装置110は、電力を蓄積する装置である。各蓄電池装置110は、複数のセルと、複数のセルを管理するBMS(Battery Management System)とを有する。各蓄電池装置110は、電力線を介して蓄電池PCS120と接続されている。各蓄電池装置110は、蓄電池PCS120の制御下で、電力線を介して入力される電力の充電を行ったり、放電により電力を出力したりする。
【0020】
蓄電池設備100は、蓄電池装置110を追加可能に構成されていてもよい。例えば、最初は蓄電池装置110aのみを蓄電池PCS120に接続し、その後、増設により蓄電池装置110b及び110cを適宜追加可能であってもよい。蓄電池設備100は、蓄電池装置110を除去又は取り替え可能に構成されていてもよい。例えば、蓄電池装置110aが劣化した場合、劣化した蓄電池装置110aを除去した後、新しい蓄電池装置110aが蓄電池PCS120に接続されてもよい。
【0021】
蓄電池PCS120は、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置である。蓄電池PCS120は、放電時において、各蓄電池装置110から入力される直流電力を交流電力に変換し、交流電力を出力する。蓄電池PCS120は、充電時において、電力系統20から供給される交流電力を直流電力に変換し、直流電力を各蓄電池装置110に出力する。
【0022】
蓄電池PCS120は、通信線を介して各蓄電池装置110のBMSとの通信を行うことにより、各蓄電池装置110を制御するとともに、蓄電池装置110のそれぞれに個別で測定される個別測定データを取得する。また、蓄電池PCS120は、通信線を介して制御装置130との通信を行うことにより、制御装置130からコマンドを受信したり、個別測定データ及び共通測定データを制御装置130に送信したりする。
【0023】
ここで、共通測定データは、複数の蓄電池装置110に共通で測定されるデータであって、主として蓄電池PCS120が測定するデータである。以下において、個別測定データ及び共通測定データを区別しないときは単に「蓄電池測定データ」と呼ぶ。
【0024】
一方、太陽光発電設備200は、太陽電池装置210と、太陽電池PCS220とを有する。
【0025】
太陽電池装置210は、受光に応じて発電を行う装置である。太陽電池装置210は、発電された直流電力を太陽電池PCS220に出力する。太陽電池装置210の発電量は、太陽電池装置210に照射される日射量に応じて変化する。
【0026】
太陽電池PCS220は、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置である。太陽電池PCS220は、太陽電池装置210から入力される直流電力を交流電力に変換し、交流電力を出力する装置である。太陽電池PCS220は、蓄電池PCS120と一体化されていてもよい。
【0027】
太陽電池PCS220は、通信線を介して制御装置130との通信を行うことにより、太陽電池測定データを制御装置130に送信する。太陽電池測定データは、太陽電池装置210に関する測定データであって、太陽電池PCS220が測定するデータである。太陽電池PCS220は、EMS330からルータ310を介してコマンドを受信してもよい。
【0028】
負荷機器320は、系統20や、蓄電池設備100、太陽光発電設備200、蓄電池装置110から電力線を介して供給される電力を消費する装置である。例えば、負荷機器320は、冷蔵庫、照明、エアコン、テレビなどの装置を含む。負荷機器320は、単数の装置であってもよく、複数の装置を含んでもよい。
【0029】
EMS330は、太陽光発電設備200及び負荷機器320を制御する装置である。EMS330及び制御装置130を一体化し、この一体化した装置を制御装置としてもよい。
【0030】
制御装置130は、蓄電池設備100(特に、蓄電池PCS120)を制御する制御装置の一例である。制御装置130は、蓄電池PCS120を介して各蓄電池装置110を制御する装置とみなすこともできる。
【0031】
制御装置130は、ユーザインターフェイスを有する、いわゆるリモコン装置である。制御装置130は、ユーザに情報を通知したり、ユーザからの入力操作を受け付けたりする。制御装置130は、ユーザからの入力操作に応じて蓄電池設備100(特に、蓄電池PCS120)を制御する。
【0032】
制御装置130は、需要家施設10において、ユーザの目の付きやすい場所に設置される。但し、そのような場所は、WWAN基地局31との無線通信の通信品質が低い場合がある。
【0033】
制御装置130は、蓄電池測定データを蓄電池PCS120から取得し、無線通信装置140を介して蓄電池測定データを遠隔監視サーバ400に送信する。また、制御装置130は、太陽電池測定データを太陽電池PCS220から取得し、無線通信装置140を介して蓄電池測定データを遠隔監視サーバ400に送信する。以下において、蓄電池測定データ及び太陽電池測定データを区別しないときは単に「測定データ」と呼ぶ。
【0034】
無線通信装置140は、WWAN基地局31との無線通信を行う装置である。無線通信装置140は、制御装置130とは別体に構成されており、通信線を介して制御装置130に接続されている。別体に構成されるとは、無線通信装置140は、電気的(もしくは通信的)には制御装置130と接続されており、物理的には接続されていないことをいう。
【0035】
無線通信装置140とWWAN基地局31との無線通信は、セルラ通信方式に準拠したものであってもよいし、LPWA方式に準拠したものであってもよい。無線通信装置140を制御装置130に電気的に接続することにより、ネットワーク30との通信機能を制御装置130に付与することができる。これにより、無線通信装置140が測定データを遠隔監視サーバ400に送信可能になる。
【0036】
特に、無線通信装置140が制御装置130とは別体に構成されているため、無線通信装置140の設置場所の自由度を高めることができ、WWAN基地局31との無線通信の通信品質が良好な場所に無線通信装置140を設置可能である。さらに、無線通信の方式を変更したい場合、無線通信装置140の交換により無線通信の方式を変更可能である。
【0037】
遠隔監視サーバ400は、制御装置130との通信を行うサーバ装置の一例である。遠隔監視サーバ400は、制御装置130から無線通信装置140及びネットワーク30を介して送信される測定データを受信する。
【0038】
遠隔監視サーバ400は、受信した測定データを蓄積するとともに、測定データをユーザ識別子と対応付けて管理する。遠隔監視サーバ400は、端末装置500からデータ要求を受け付けると、データ要求を行った端末装置500のユーザのユーザ識別子に基づいて、対応する測定データを端末装置500に送信(配信)する。
【0039】
なお、図1において、遠隔監視サーバ400の監視対象の需要家施設10が1つである一例を示しているが、遠隔監視サーバ400は、複数の需要家施設10(複数の蓄電池設備100)を監視対象としてもよい。
【0040】
端末装置500は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末又は専用端末である。端末装置500は、需要家施設10の各機器の状態を監視するための監視画面を表示し、この監視画面上で遠隔監視サーバ400からのデータを表示する。端末装置500は、遠隔監視専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされていてもよいし、汎用のウェブブラウザ上で監視画面を表示してもよい。
【0041】
端末装置500を操作する主体は、分散電源を利用するユーザ(例えば、需要家施設10の住人)であってもよいし、分散電源の保守管理を行う事業者(例えば、メンテナンス業者又はメーカー)であってもよい。
【0042】
(制御装置の構成例)
次に、制御装置130の構成例について説明する。図2は、一実施形態に係る制御装置130の構成を示す図である。
【0043】
図2に示すように、制御装置130は、通信インターフェイス131と、ユーザインターフェイス132と、記憶部133と、制御部134とを有する。通信インターフェイス131は、通信部131aと、接続部131bとを有する。
【0044】
通信部131aは、送受信機を含んで構成されており、信号線を介して蓄電池PCS120及び太陽電池PCS220との通信を行う。通信部131aは、蓄電池測定データを蓄電池PCS120から受信し、太陽電池測定データを太陽電池PCS220から受信し、受信した測定データを制御部134に出力する。
【0045】
接続部131bは、無線通信装置140と電気的に接続するインターフェイスである。例えば、接続部131bは、ケーブルを介して無線通信装置140と電気的に接続される。接続部131bは、USB(Universal Serial Bus)等の汎用プロトコルに準拠して構成されていてもよいし、独自プロトコルに準拠して構成されていてもよい。無線通信装置140を接続部131bと電気的に接続することにより、無線通信装置140と制御装置130との通信接続が確立される。
【0046】
ユーザインターフェイス132は、ユーザに情報を通知したり、ユーザからの入力操作を受け付けたりする。一実施形態において、ユーザインターフェイス132は、分散電源に関する情報を表示する表示部132aと、ユーザ操作を受け付ける操作部132bとを有する。表示部132a及び操作部132bは、タッチパネル式ディスプレイとして一体化されていてもよい。他の実施形態において、ユーザインターフェイス132は、表示部132aに加えて又は表示部132aに代えて、情報を音声で出力するスピーカを有していてもよい。
【0047】
記憶部133は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含んで構成されており、各種のデータ及び情報を記憶する。
【0048】
制御部134は、少なくとも1つのプロセッサを含んで構成されており、通信インターフェイス131、ユーザインターフェイス132、及び記憶部133を制御する。制御部134は、通信部131aを介して測定データを取得し、取得した測定データを記憶部133に記憶させる。また、制御部134は、接続部131bから無線通信装置140を介して測定データを遠隔監視サーバ400に送信する。制御部134は、測定データを遠隔監視サーバ400に周期的に送信してもよい。
【0049】
一実施形態において、制御部134は、WWAN基地局31と無線通信装置140との間の通信品質を示す通信品質値を、無線通信装置140から接続部131bを介して取得する。通信品質値は、例えば、WWAN基地局31から無線通信装置140が受信する無線信号の受信信号強度(すなわち、電波強度)である。通信品質値は、SINR(Signal?to?Interference plus Noise power Ratio)であってもよいし、BER(Bit Error Ratio)又はMER(Modulation Error Ratio)であってもよい。但し、受信信号強度は、他の通信品質値に比べて測定が容易である。
【0050】
制御部134は、無線通信装置140から通信品質値を取得すると、通信品質値に基づく情報をユーザに通知するようにユーザインターフェイス132を制御する。例えば、制御部134は、通信品質値に基づく情報を表示するように表示部132aを制御する。制御部134は、通信品質値に基づく情報を音声出力するようにスピーカを制御してもよい。
【0051】
ユーザインターフェイス132が通信品質値に基づく情報をユーザに通知することにより、ユーザは、WWAN基地局31と無線通信装置140との間の通信品質を把握できるため、無線通信装置140の設置場所が適切か否かを判断できる。ここで、ユーザとは、無線通信装置140を所有する所有者であってもよいし、無線通信装置140を設置する業者の作業者であってもよい。
【0052】
一実施形態において、制御装置130及び無線通信装置140は、分散電源を有する需要家施設10に設置される。制御部134は、無線通信装置140を需要家施設10に設置するときに、無線通信装置140から取得した通信品質値に基づく情報をユーザに通知するようにユーザインターフェイス132を制御する。言い換えると、ユーザインターフェイス132は、無線通信装置140が接続部131bと電気的に接続されたときに、無線通信装置140から取得した通信品質値に基づく情報をユーザに通知する。これにより、ユーザが通信品質値を確認しつつ無線通信装置140を適切な場所に設置できる。
【0053】
制御部134は、操作部132bが受け付けたユーザ操作に応じて、無線通信装置140から取得した通信品質値に基づく情報をユーザに通知するようにユーザインターフェイス132を制御してもよい。このようなユーザ操作は、無線通信装置140を設置するときに行われてもよいし、無線通信装置140の設置後に無線通信装置140を移動させるときに行われてもよい。これにより、ユーザは、WWAN基地局31と無線通信装置140との間の通信品質を任意のタイミングで把握できる。
【0054】
一実施形態において、制御部134は、無線通信装置140から取得した通信品質値を通信品質閾値と比較する。制御部134は、通信品質値と通信品質閾値との比較結果を示す情報をユーザに通知するようにユーザインターフェイス132を制御する。これにより、通信品質の良好度合いをユーザが理解しやすい態様でユーザに通知できる。
【0055】
例えば、ユーザインターフェイス132は、通信品質値が通信品質閾値よりも良好である場合、その旨を示す情報をユーザに通知してもよい。一方、通信品質値が通信品質閾値よりも劣悪である場合、ユーザインターフェイス132は、その旨を示す情報をユーザに通知してもよい。
【0056】
複数の通信品質閾値が設定されていてもよい。2つの通信品質閾値により3つの通信品質範囲、例えば、「通信品質が劣悪」、「通信品質が普通」、「通信品質が良好」の3つの範囲を規定する。制御部134は、無線通信装置140から取得した通信品質値がいずれの通信品質範囲に属するかを特定し、特定した通信品質範囲を示す情報をユーザに通知するようにユーザインターフェイス132を制御する。
【0057】
(制御装置の動作例)
次に、制御装置130の動作例について説明する。図3は、一実施形態に係る制御装置130の動作を示す図である。ここでは、無線通信装置140の設置時における制御装置130の動作について説明する。また、ユーザへの通知に表示部132aを用いると仮定する。
【0058】
図3に示すように、ステップS1において、制御部134は、接続部131bを介して無線通信装置140との通信接続を確立する。
【0059】
ステップS2において、制御部134は、WWAN基地局31と無線通信装置140との間の通信品質を示す通信品質値を、無線通信装置140から接続部131bを介して取得する。制御部134は、通信品質値に基づく情報の表示を示すユーザ操作を操作部132bが受け付けたことに応じて、通信品質値を無線通信装置140から取得してもよい。
【0060】
ステップS3において、制御部134は、無線通信装置140から取得した通信品質値を通信品質閾値と比較する。
【0061】
ステップS4において、制御部134は、通信品質値と通信品質閾値との比較結果を示す情報(例えば、文字又はアイコン)を表示するように表示部132aを制御する。このような表示が開始されてから終了するまでの間においてステップS2乃至S4の処理が繰り返され、表示部132aにおける表示が更新される。
【0062】
その後、制御部134は、例えば、通信品質値に基づく情報の表示終了を示すユーザ操作を操作部132bが受け付けたことに応じて、通信品質値と通信品質閾値との比較結果を示す情報の表示を終了するように表示部132aを制御する。
【0063】
本動作例では、通信品質値と通信品質閾値との比較結果を表示部132aに表示させる一例について説明したが、通信品質値を数値のまま表示部132aに表示させてもよい。
【0064】
(動作シーケンスの一例)
次に、電力管理システム1における動作シーケンスの一例について説明する。図4は、一実施形態に係る電力管理システム1における動作シーケンスを示す図である。本動作シーケンスは、無線通信装置140の設置後において行われる。
【0065】
図4に示すように、制御装置130(制御部134)は、無線通信装置140を介して、分散電源からの測定データを遠隔監視サーバ400に所定周期Tで送信する。
【0066】
遠隔監視サーバ400は、制御装置130から受信した測定データを蓄積するとともに、測定データをユーザ識別子と対応付けて管理する。遠隔監視サーバ400は、蓄積した測定データを解析することにより、分散電源に関する異常(エラー)を検知し、その旨及びエラーの種別を示す警告メッセージを端末装置500に送信してもよい。
【0067】
遠隔監視サーバ400は、端末装置500からデータ要求を受け付けると、データ要求を行った端末装置500のユーザのユーザ識別子に基づいて、対応する測定データを端末装置500に送信する。端末装置500は、需要家施設10の各機器の状態を監視するための監視画面を表示しており、この監視画面上で遠隔監視サーバ400からのデータを表示する。
【0068】
(その他の実施形態)
上述した実施形態において、制御装置130から遠隔監視サーバ400に対して共通測定データ及び個別測定データを周期的に送信する一例について説明した。しかしながら、このような周期的な送信に限らず、制御装置130は、所定のイベントの発生時に、共通測定データ及び個別測定データを遠隔監視サーバ400に送信してもよい。例えば、制御装置130は、遠隔監視サーバ400からの送信要求の受信に応じて、共通測定データ及び個別測定データを遠隔監視サーバ400に送信してもよい。
【0069】
上述した実施形態において、各装置間の通信として所定プロトコルに準拠する所定メッセージの通信を行ってもよい。所定プロトコルは、例えば、ECHONET Lite方式、SEP2.0、KNX、Open ADR(Automatic Demand Response)等である。
【0070】
制御装置130が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0071】
また、制御装置130が行う各処理を実行する機能部(回路)を集積化し、制御装置130を半導体集積回路(チップセット、SoC)として構成してもよい。
【0072】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0073】
なお、2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。一実施形態に係る制御装置及び制御方法は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」、および「11.住み続けられるまちづくりを」の目標などの達成に貢献し得る。
【符号の説明】
【0074】
1 :電力管理システム
10 :需要家施設
20 :電力系統
30 :ネットワーク
31 :WWAN基地局
100 :蓄電池設備
110 :蓄電池装置
120 :蓄電池PCS
130 :制御装置
131 :通信インターフェイス
131a :通信部
131b :接続部
132 :ユーザインターフェイス
132a :表示部
132b :操作部
133 :記憶部
134 :制御部
140 :無線通信装置
200 :太陽光発電設備
210 :太陽電池装置
220 :太陽電池PCS
310 :ルータ
320 :負荷機器
330 :EMS
400 :遠隔監視サーバ
500 :端末装置
図1
図2
図3
図4