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特許7379108洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法及び洗面化粧台用バックパネルの取り外し方法
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  • 特許-洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法及び洗面化粧台用バックパネルの取り外し方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法及び洗面化粧台用バックパネルの取り外し方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20231107BHJP
   A47K 1/02 20060101ALI20231107BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
A47K1/00 F
A47K1/00 Z
A47K1/00 U
A47K1/02 D
A47K1/02 Z
A47B67/02 502Q
A47B67/02 502Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019208386
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2021078704
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三井 敦
(72)【発明者】
【氏名】神野 晃一
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕太郎
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-046390(JP,U)
【文献】実開平04-010782(JP,U)
【文献】特開2011-083589(JP,A)
【文献】実開昭49-084345(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00-1/06
A47B 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンターの上面において洗面ボウルよりも奥側に立つバックパネルを洗面化粧台に取り付ける方法であって、
前記バックパネルは、洗面台に取り付けられるフレームと、前記フレームに固定されるパネル本体とを備え、
前記フレーム及び前記パネル本体は、回転自在に係合する係合部と、前記パネル本体と前記フレームとを固定状態に保持する固定部とを有し、
前記係合部を係合し、前記係合部を中心に前記パネル本体を回転させて前記固定部を固定状態にする洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法。
【請求項2】
前記係合部を中心とした回転方向に沿って、前記パネル本体を前記フレーム側に押し、前記固定部を前記固定状態にする請求項1に記載の洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法。
【請求項3】
前記パネル本体及び前記フレームの下部に設けられた前記係合部を係合する請求項1から請求項2までの何れか一項に記載の洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法。
【請求項4】
配管配置空間に水栓の配管を配置した後、前記パネル本体を前記フレームに固定することで、前記配管配置空間を区画する請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法。
【請求項5】
カウンターの上面において洗面ボウルよりも奥側に立つバックパネルを洗面化粧台から取り外す方法であって、
前記バックパネルは、洗面台に取り付けられたフレームと、前記フレームに固定されたパネル本体とを備え、
前記フレーム及び前記パネル本体は、回転自在に係合する係合部と、前記パネル本体と前記フレームとを固定状態に保持する固定部とを有し、
前記固定部の前記固定状態を解除し、前記係合部を中心に前記パネル本体を回転させ、前記係合部を外す洗面化粧台用バックパネルの取り外し方法。
【請求項6】
前記係合部を中心とした回転方向に沿って、前記パネル本体を前記フレーム側とは反対側に引っ張り、前記固定部の前記固定状態を解除する請求項5に記載の洗面化粧台用バックパネルの取り外し方法。
【請求項7】
前記パネル本体及び前記フレームの下部に設けられた前記係合部を外す請求項5から請求項6までの何れか一項に記載の洗面化粧台用バックパネルの取り外し方法。
【請求項8】
バックパネルを洗面化粧台から取り外す方法であって、
前記バックパネルは、洗面台に取り付けられたフレームと、前記フレームに固定されたパネル本体とを備え、
前記フレーム及び前記パネル本体は、回転自在に係合する係合部と、前記パネル本体と前記フレームとを固定状態に保持する固定部とを有し、
洗面台から洗面ボウルを取り外した後、
前記固定部の前記固定状態を解除し、前記係合部を中心に前記パネル本体を回転させ、前記係合部を外し、前記パネル本体を前記フレームから取り外す洗面化粧台用バックパネルの取り外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法及び洗面化粧台用バックパネルの取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に記載のように、洗面化粧台にバックパネルを取り付ける方法が知られている。この方法は、パネル本体の下端部に設けられた差込部を、洗面台のバックガードと室内の壁面との間の隙間に挿入し、パネル本体を位置決めする。ネジによってパネル本体を壁面に固定する。バックパネルを取り外す場合には、壁面に固定したネジを緩め、パネル本体を上方に持ち上げて差込部を隙間から抜く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-198736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような方法では、パネル本体を立てた状態のまま洗面台の後端位置で鉛直方向に移動させる必要がある。このため、バックパネルの取り付け作業、及び取り外し作業が容易ではなかった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、バックパネルを洗面化粧台に容易に取り付けることができる洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法、及びバックパネルを洗面化粧台から容易に取り外すことができる洗面化粧台用バックパネルの取り外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の洗面化粧台用バックパネルの取り付け方法は、バックパネルを洗面化粧台に取り付ける方法であって、前記バックパネルは、洗面台に取り付けられるフレームと、前記フレームに固定されるパネル本体とを備え、前記フレーム及び前記パネル本体は、回転自在に係合する係合部と、前記パネル本体と前記フレームとを固定状態に保持する固定部とを有し、前記係合部を係合し、前記係合部を中心に前記パネル本体を回転させて前記固定部を固定状態にする方法である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】洗面化粧台を示す斜視図
図2】水栓ユニットを示す斜視図
図3】水栓ユニットが取り付けられた状態のキャビネットの下部を示す一部拡大斜視図
図4】配管配置空間に配管が配置された状態を示す洗面化粧台の一部拡大側断面図
図5】パネル本体及びフレームを示す斜視図
図6】パネル本体及びフレームを示す側面図
図7】洗面台の上方にフレームを固定する様子を示す斜視図
図8】フレームの上方にキャビネットを固定する様子を示す斜視図
図9】水栓ユニットを水栓配置空間の取付位置に仮置きした状態を示す斜視図
図10】パネル本体を取り付ける様子を示す斜視図
図11】洗面ボウルを洗面台に取り付ける様子を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
洗面化粧台10は、図1に示すように、洗面台20、カウンター22、洗面ボウル30、バックパネル40、キャビネット60、及び水栓ユニット70を備えている。以下、各構成部材において、洗面化粧台10を室内に設置した状態における上側(図1のZ軸の正方向側)を上側、下側(図1のZ軸の負方向側)を下側、洗面化粧台10を正面に見た状態における左側(図1のY軸の負方向側)を左側、右側(図1のY軸の正方向側)を右側、室内側(図1のX軸の正方向側)を手前側、室内側とは反対側(図1のX軸の負方向側)を奥側として説明する。洗面台20、バックパネル40、及びキャビネット60は、左右方向の寸法が等しい。他の実施形態においては、洗面台20、バックパネル40、及びキャビネット60は、左右方向の寸法が非対称でもよい。
【0009】
洗面台20は、室内の床面に設置される。洗面台20は、ネジによって室内の壁面11に固定される。洗面台20は、箱体21と、カウンター22とを有している。
【0010】
洗面ボウル30は、洗面台20の上面に設置される。洗面ボウル30は、上方から見ると、左右方向に長い方形状をなしている。洗面ボウル30の上端は、左右方向から見ると、奥側に向かうに連れて高くなる。洗面ボウル30の背面部35は、バックパネル40の前面に沿って立つ。
【0011】
洗面ボウル30は、図11に示すように、カウンター22に形成された開口部23に嵌め込まれる。洗面ボウル30の周縁部は、カウンター22の上面に載置された後、ボルト33及びナット34によって固定される。洗面ボウル30の底部には、排水口31が設けられている。排水口31には、排水接続部32が取り付けられている。排水接続部32には、排水器具85が取り付けられる。排水器具85は、排水操作部74の操作によって排水栓39を上下方向に移動自在なポップアップ機構を備えている。
【0012】
キャビネット60は、図1に示すように、洗面ボウル30の上方に配置される。キャビネット60は、キャビネット本体61及び鏡扉62を備えたミラーキャビネットである。キャビネット本体61は、室内の壁面11にネジS3によって固定される(図8参照)。鏡扉62は、鉛直方向に伸びる回転軸を中心に回転自在な状態でキャビネット本体61に取り付けられている。鏡扉62の下端には、水栓ユニット70に設けられた照明センサや吐水レバー78の位置を示すセンサ位置表示部24が備えられている。
【0013】
キャビネット本体61は、図8に示すように、天板63、左右の側板64、背板65、仕切板66及び底板67を備えている。仕切板66は、左右の側板64の間に配置されている。各仕切板66は、左右の側板64と略平行に配置されている。仕切板66は、キャビネット本体61の内部に上下方向に長い収納空間を形成する。底板67のうち1つの底板67は、水栓ユニット70とともにキャビネット60に取り付けられる水栓配置底板67Aである。
【0014】
水栓配置底板67Aは、左右の仕切板66の間に配置される。水栓配置底板67Aは、キャビネット60の左右方向における中央部に位置する。水栓配置底板67Aは、洗面台20の開口部23の真上に配置される。水栓配置底板67Aは、左右の仕切板66の下端よりも上方に固定される。水栓配置底板67Aの下面には、水栓ユニット70の照明部を制御するユニット(図示せず)が取り付けられる。
【0015】
水栓配置底板67Aより下方は、水栓ユニット70の配置空間(水栓配置空間68と称する。)である。水栓配置空間68は、鏡扉62の奥側に形成される。水栓配置空間68は、左右の仕切板66の間に形成される。水栓配置空間68は、キャビネット60の下部に設けられる。
【0016】
水栓配置空間68の左右両側には、図3に示すように、水栓ユニット70を支持する支持部材69が設けられている。支持部材69は、仕切板66の板面から突出したダボである。支持部材69は、左右の仕切板66に設けられている。支持部材69は、仕切板66の下端部に設けられている。支持部材69は、各仕切板66の前後に所定の間隔をあけて配置されている。
【0017】
水栓ユニット70は、図3に示すように、水栓配置空間68に配置されている。水栓ユニット70は、ベース部材71と各種の機能部品75とを備えている。水栓ユニット70は、ベース部材71に機能部品75が組み付けられてユニット化されている。機能部品75は、図2に示すように、吐水部72、水栓本体73、排水操作部74及び照明部(図示せず)などである。
【0018】
吐水部72は、ベース部材71の下面から下方に突出している。吐水部72には、可撓性を有する給水ホース(図示せず)の一端が接続されている。吐水部72は、吐水センサが使用者の手を検知することによって自動吐水され、吐水レバー78の操作によって手動吐水される。
【0019】
水栓本体73には、各種の配管Tが接続されている。配管Tは、冷水管79、温水管81、手動吐水用給水管82及び自動吐水用給水管83である。水栓本体73は、吐水レバー78によって設定された比率で温水と冷水とを混合する。手動吐水用給水管82及び自動吐水用給水管83は給水ホースに接続されている。配管Tは、ベース部材71から下方に垂下している。
【0020】
排水操作部74は、洗面ボウル30の排水口31に取り付けられた排水栓39を操作するレバーである。排水操作部74は、ワイヤ86によって排水器具85に取り付けられている。照明部は、水栓ユニット70に設けられた照明センサが使用者の手を検知することによって点灯する。
【0021】
ベース部材71は、図2に示すように、左右方向に長い箱形状をなしている。ベース部材71は、上面が開口している。ベース部材71の前壁71Aには、図示しない水栓カバーを取り付けるためのネジ孔H1が形成されている。ベース部材71の後壁71Bには、水栓ユニット70を室内の壁面11に固定するためのネジS1が挿通される挿通孔76が形成されている(図3参照)。
【0022】
ベース部材71の底壁71Cには、図3に示すように、支持部材69に支持されるダボ受け部89が設けられている。ダボ受け部89は、ベース部材71の下面から上方に凹んだ窪みである。ダボ受け部89は、ベース部材71の左右両端部に設けられている。各ダボ受け部89は、ベース部材71の左側面及び右側面に開口している。各ダボ受け部89は、ベース部材71の前後両端部に設けられている。
【0023】
バックパネル40は、図4に示すように、パネル本体41と、フレーム42とを備えている。パネル本体41は、水栓ユニット70の配管Tが配置される配管配置空間49の手前側に立つ。パネル本体41は、洗面ボウル30の背面部35の奥側に立つ。
【0024】
パネル本体41は、図1に示すように、左右方向に長い略長方形の板状をなしている。パネル本体41の左右方向の寸法は、カウンター22の左右方向の寸法と同等である。パネル本体41の前面は、タイル張りや木目調印刷等の装飾が施されている。パネル本体41は、フレーム42の前面に取り付けられる。パネル本体41は、図9に示すように、フレーム42に対して着脱自在である。
【0025】
フレーム42は、図4に示すように、パネル本体41と室内の壁面11との間に配置される。フレーム42は、図7に示すように、左右に離れて2つ備えられている。一対のフレーム42は、洗面台20の奥端に配置されている。一対のフレーム42は、洗面台20の左右両端部に配置される。各フレーム42は、室内の壁面11にネジS2によって固定される。
【0026】
各フレーム42は、上下方向に延びる縦フレーム43と、左右方向に延びる横フレーム44とを備えている。縦フレーム43は、各フレーム42の左右に一対備えられている。縦フレーム43の下端は、カウンター22の上面に接触する底面45である。
【0027】
横フレーム44は、図7に示すように、左右の縦フレーム43を連結する。横フレーム44は、左右の縦フレーム43を上下2カ所で連結している。上側の横フレーム44は、縦フレーム43の上端部を連結している。下側の横フレーム44は、縦フレーム43の上下方向における中心よりも下側の位置を連結している。横フレーム44には、ネジS2が貫通する貫通孔46が形成されている。
【0028】
左右のフレーム42の間であってパネル本体41の後方には、図6に示すように、配管Tを配置する配管配置空間49が形成される。配管Tは、上下方向に延びて配管配置空間49に配置される。配管配置空間49は、キャビネット60の水栓配置空間68に連通する。配管配置空間49は、カウンター22の開口部23に連通する。
【0029】
パネル本体41及びフレーム42は、図5及び図6に示すように、着脱自在な係合部47及び固定部48を有している。係合部47及び固定部48は、パネル本体41の左右両端部に設けられている。
【0030】
係合部47は、回転自在に係合する。係合部47は、フレーム42及びパネル本体41の下端部に設けられている。係合部47は、フレーム42に設けられたフレーム側係合部47Aと、パネル本体41に設けられたパネル側係合部47Bとを有している(図5参照)。係合部47は、凹部と凸部とが嵌合する構造である。フレーム側係合部47Aは凸部を有し、パネル側係合部47Bは凹部を有している。
【0031】
フレーム側係合部47Aは、洗面台20の左右両端部に配置される縦フレーム43に設けられている。フレーム側係合部47Aは、縦フレーム43の側面から水平方向に突出したピン(凸部)92を有している。左側のフレーム側係合部47Aのピン92は、左側の縦フレーム43の右側面から右側に突出している。右側のフレーム側係合部47Aのピン92は、右側の縦フレーム43の左側面から左側に突出している。ピン92は、円柱状をなしている。ピン92は、係合部47の回転軸を構成する。ピン92の軸線は、左右方向に水平に延びている。
【0032】
パネル側係合部47Bは、パネル本体41の左右両端部に設けられている。パネル側係合部47Bは、上下両側に切欠部(凹部)が形成された板状をなしている。上下両側の切欠部のうち下側の切欠部93が、フレーム側係合部47Aのピン92に嵌合する。下側の切欠部93は、下方からピン92が入るように開放されている。下側の切欠部93は、ピン92の外周面に沿うように湾曲した縁を有している。
【0033】
固定部48は、パネル本体41をフレーム42側に押すことによって嵌合する(図6参照)。固定部48は、パネル本体41とフレーム42とを固定状態に保持する。固定部48は、フレーム42及びパネル本体41の上下方向における中間部に設けられている。固定部48は、フレーム42に設けられたフレーム側固定部48Aと、パネル本体41に設けられたパネル側固定部48Bとを有している。固定部48は、凹部材と凸部材とが嵌合する。フレーム側固定部48Aは凹部材である。パネル側固定部48Bは凸部材である。
【0034】
パネル側固定部48Bは、パネル本体41の後面から後方に突出している。フレーム側固定部48Aは、洗面台20の左右両端部に配置される縦フレーム43に設けられている。フレーム側固定部48Aは、縦フレーム43の側面に固定されている。フレーム側固定部48Aは、前側の開放部からパネル側固定部48Bが着脱される。フレーム側固定部48Aは、パネル側固定部48Bが嵌合する際に弾性変形して開く。フレーム側固定部48Aは、パネル側固定部48Bが嵌合すると、弾性力により閉じる。
【0035】
洗面化粧台10の施工方法の一例を説明する。初めに、室内に洗面台20を取り付ける作業を行う。具体的には、洗面台20を床面に設置し、室内の壁面11に固定する。
【0036】
続いて、設置された洗面台20の上方にフレーム42を配置する作業を行う(図7参照)。具体的には、洗面台20の幅寸法にあわせて2つのフレーム42を洗面台20の左右両端部に配置し、その後、底面45をカウンター22の上面に載せ、ネジS2によって各フレーム42を室内の壁面11に固定する。ネジS2は、フレーム42の前面から締め込む。
【0037】
続いて、図8に示すように、固定されたフレーム42の上方にキャビネット60を取り付ける作業を行う。具体的には、キャビネット60の下面をフレーム42の上面に載置し、ネジS3によってキャビネット60を室内の壁面11に固定する。ネジS3は、キャビネット60の前面から締め込む。
【0038】
続いて、図9に示すように、水栓ユニット70を水栓配置空間68の取付位置に仮置きする作業を行う。具体的には、水栓配置空間68の左右両側に設けられた支持部材69に、水栓ユニット70を載置する(図3参照)。水栓ユニット70を水栓配置空間68に仮置きした状態で、照明センサ等の電気配線を、制御ユニットに接続する。この電気配線の接続は、水栓ユニット70をビス固定した後に、実施してもよい。
【0039】
続いて、図10に示すように、キャビネット60の下方にパネル本体41を取り付ける作業を行う。具体的には、初めに、水栓ユニット70を取付位置から退避位置に持ち上げる。退避位置は、水栓ユニット70の吐水部72がパネル本体41の取り付け作業の邪魔にならない位置である。
【0040】
次に、パネル本体41を洗面化粧台10に取り付ける。パネル本体41を斜め姿勢にし、フレーム42に対して前方から接近させる。斜め姿勢とは、パネル本体41の下端が奥側、上端が手前側に位置するように傾いた姿勢である。パネル側係合部47Bの切欠部93を、フレーム側係合部47Aのピン92に載せることによって、パネル側係合部47Bとフレーム側係合部47Aとが係合する。パネル本体41は、係合部47によって回動自在に支持される。
【0041】
次に、パネル本体41の上端を奥側へ押してパネル本体41を回転させる。パネル本体41は係合部47のピン92を中心に回転する。この回転によって、パネル側固定部48Bが、フレーム側固定部48Aに手前側から押し付けられる。この結果、パネル側固定部48Bとフレーム側固定部48Aとが嵌合する。パネル本体41とフレーム42とが固定状態に保持される。この保持によって、パネル本体41の取り付け作業が完了する。
【0042】
続いて、水栓ユニット70を水栓配置空間68の取付位置に固定する作業を行う。具体的には、初めに、退避位置に持ち上げていた水栓ユニット70を、取付位置に下ろす。次に、前面からネジS3を挿入して水栓ユニット70をキャビネット60及び室内の壁面11に固定する。
【0043】
続いて、図10に示すように、洗面ボウル30を洗面台20に取り付ける作業を行う。具体的には、初めに、洗面ボウル30をボルト33及びナット34で洗面台20に固定する。次に、洗面ボウル30の排水口31に取り付けられた排水接続部32に排水器具85を取り付ける。次に、洗面台20の内部において洗面ボウル30の排水口31と図示しない排水トラップとを接続する。最後に、水栓ユニット70から垂下した配管Tを上水道や給湯器と接続する。以上により、洗面化粧台10の施工が完了する。
【0044】
洗面化粧台10からパネル本体41を取り外す作業の一例を説明する。初めに、洗面ボウル30を洗面台20から取り外す作業を行う。具体的には、排水接続部32から排水器具85を取り外す。ボルト33及びナット34を緩めて洗面ボウル30を取り外す。水栓ユニット70のネジS1を緩める。水栓ユニット70を取付位置から退避位置に持ち上げる。
【0045】
続いて、固定部48の固定状態を解除する。具体的には、パネル本体41の上端を手前側に引っ張る。フレーム側固定部48Aが弾性的に開き、パネル側固定部48Bがフレーム側固定部48Aから前方へ離脱する。これによって、固定部48の固定状態が解除される。係合部47を中心にパネル本体41が回転し、パネル本体41の上端が手前側に移動する。
【0046】
続いて、係合部47の係合状態を解除する。具体的には、パネル本体41を把持して上方に持ち上げる。これによって、パネル側係合部47Bの切欠部93がフレーム側係合部47Aのピン92から外れ、パネル本体41を取り外す。以上により、パネル本体41を取り外す作業が完了する。
【0047】
上記のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。バックパネル40は、フレーム42と、パネル本体41とを備えている。フレーム42は、洗面台20に取り付けられる。パネル本体41は、フレーム42に固定される。フレーム42及びパネル本体41は、回転自在に係合する係合部47と、パネル本体41とフレーム42とを固定状態に保持する固定部48とを有している。バックパネル40のパネル本体41を取り付ける場合には、係合部47を係合し、係合部47を中心にパネル本体41を回転させて固定部48を固定状態にする。係合部47を係合させ、係合部47を軸にパネル本体41を回転する作業は、パネル本体を立てた状態のまま洗面台の奥端位置で鉛直方向に移動する作業と比べて容易である。したがって、バックパネル40のパネル本体41を洗面化粧台10に容易に取り付けることができる。
【0048】
係合部47を中心とした回転方向に沿って、パネル本体41をフレーム42側に押し、固定部48を固定状態にする。この方法によれば、パネル本体41を回転方向に沿って押し込むだけでフレーム42に固定できるから、パネル本体41を容易に固定できる。
【0049】
パネル本体41及びフレーム42の下部に設けられた係合部47を係合する。この方法によれば、上側にキャビネット60が配置されていても係合部47を視認しやすいから、パネル本体41の取り付け作業を容易に行うことができる。
【0050】
配管配置空間49に水栓の配管Tを配置した後、パネル本体41をフレーム42に固定する。これによって、配管配置空間49が区画される。パネル本体41をフレーム42に固定する前においては、配管配置空間49は区画されてないので、配管Tを配置する空間は、配管配置空間49になる予定の空間と捉えてもよい。この方法によれば、パネル本体41をフレーム42に固定する前は、配管配置空間49の前面が開いているから、配管作業を容易に行うことができる。パネル本体41をフレーム42に固定した後は、パネル本体41によって配管Tが隠されるから、見栄えのよい洗面化粧台10を容易に施工できる。
【0051】
バックパネル40のパネル本体41を取り外す場合には、固定部48の固定状態を解除し、係合部47を中心にパネル本体41を回転させ、係合部47を外す。係合部47を軸にパネル本体41を回転する作業は、パネル本体を立てた状態のまま洗面台の奥端位置で鉛直方向に移動する作業と比べて容易である。したがって、バックパネル40のパネル本体41を洗面化粧台10から容易に取り外すことができる。
【0052】
係合部47を中心とした回転方向に沿って、パネル本体41をフレーム42側とは反対側に引っ張り、固定部48の固定状態を解除する。この方法によれば、パネル本体41を回転方向に沿って引っ張るだけでフレーム42から取り外せるから、パネル本体41を容易に取り外しできる。
【0053】
パネル本体41及びフレーム42の下部に設けられた係合部47を外す。この方法によれば、上側にキャビネット60が配置されていても係合部47を視認しやすいから、パネル本体41の取り外し作業を容易に行うことができる。
【0054】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、フレームは、左右に離れて2つ備えられている。これに限らず、フレームは1つのみであってもよい。
(2)上記実施形態では、フレームは、左右に離れて2つ備えられている。これに限らず、フレームは、洗面台の幅寸法にあわせて3つ以上を使用してもよい。
(3)上記実施形態では、係合部及び固定部の構造及び取付位置を例示した。これに限らず、係合部及び固定部の構造及び取付位置は変更できる。
(4)上記実施形態では、係合部がパネル本体及びフレームの下部に設けられている。これに限らず、係合部は、パネル本体及びフレームの上部に設けてもよい。係合部は、パネル本体及びフレームの左端および右端の何れかに設けて水平方向に回転してもよい。
(5)上記実施形態では、配管Tの具体例を示した。これに限らず、配管の本数や種類は変更できる。
【符号の説明】
【0055】
T…配管、20…洗面台、30…洗面ボウル、40…バックパネル、41…パネル本体、42…フレーム、47…係合部、48…固定部、49…配管配置空間
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図11