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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】ショベル
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/43 20060101AFI20231107BHJP
【FI】
E02F3/43 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019540886
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(86)【国際出願番号】 JP2018031506
(87)【国際公開番号】W WO2019049701
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2017172830
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小野 哲司
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-150227(JP,A)
【文献】実開昭56-051854(JP,U)
【文献】特開平02-101229(JP,A)
【文献】特開2003-105795(JP,A)
【文献】特公昭62-038493(JP,B2)
【文献】特公平06-063249(JP,B2)
【文献】特公平08-009875(JP,B2)
【文献】特開平08-311918(JP,A)
【文献】特開平11-050495(JP,A)
【文献】特開平11-324027(JP,A)
【文献】特公平07-094735(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/00-3/96
E02F 9/00-9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体と、
前記走行体に搭載される旋回体と、
前記旋回体に取り付けられるブームと、前記ブームの先端に取り付けられるアームと、前記アームの先端に取り付けられるエンドアタッチメントと、を含む作業アタッチメントと、
前記エンドアタッチメントが平面視で所定の動作を行うように、前記作業アタッチメントの動作に合わせて、前記旋回体の旋回動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記エンドアタッチメントが平面視で予め設定される設定軸の上にある場合、前記エンドアタッチメントが前記設定軸の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御し、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸の上にない場合、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸と平行な軸の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御する、
ショベル。
【請求項2】
走行体と、
前記走行体に搭載される旋回体と、
前記旋回体に取り付けられるブームと、前記ブームの先端に取り付けられるアームと、前記アームの先端に取り付けられるエンドアタッチメントと、を含む作業アタッチメントと、
前記エンドアタッチメントが平面視で所定の動作を行うように、前記作業アタッチメントの動作に合わせて、前記旋回体の旋回動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、平面視で予め設定される設定軸の設定を維持した状態で、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸に平行な第1の軸の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御し、続いて、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸に平行で且つ前記第1の軸とは異なる第2の軸の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御する、
ショベル。
【請求項3】
前記制御部は、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸の上にある場合、前記エンドアタッチメントが前記設定の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御し、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸の上にない場合、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸と平行な軸の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御する、
請求項に記載のショベル。
【請求項4】
当該ショベルの動作モードを、前記設定軸を設定可能な教示モードに移行させる教示モード設定操作部と、
前記教示モード設定操作部に対する操作入力に基づき、前記教示モードが設定されている場合に、オペレータの操作に応じて、前記設定軸を設定する教示データ設定部と、を更に備える、
請求項1乃至の何れか一項に記載のショベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショベルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ショベルを利用して、掘削や整地等の施工が行われる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-103262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バケット等のエンドアタッチメントによって、掘削したり、均したり等の施工を行う場合、施工方向(掘削方向や均し方向)に、ブーム及びアーム等を含むアタッチメントの延在方向を合わせる必要がある。つまり、施工する場所ごとに走行体でショベルの位置合わせを行うか、旋回体の操作により補正を行う必要があるため、施工における作業効率等の観点から改善の余地がある。
【0005】
そこで、上記課題に鑑み、アタッチメントによる施工時の作業効率をより向上させることが可能なショベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態では、
走行体と、
旋回自在に前記走行体に搭載される旋回体と、
前記旋回体に取り付けられるブームと、前記ブームの先端に取り付けられるアームと、
前記アームの先端に取り付けられるエンドアタッチメントと、を含む作業アタッチメントと、
前記エンドアタッチメントが平面視で所定の動作を行うように、前記作業アタッチメントの動作に合わせて、前記旋回体の旋回動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記エンドアタッチメントが平面視で予め設定される設定軸の上にある場合、前記エンドアタッチメントが前記設定軸の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御し、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸の上にない場合、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸と平行な軸の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御する、
ショベルが提供される。
また、本発明の他の実施形態では、
走行体と、
前記走行体に搭載される旋回体と、
前記旋回体に取り付けられるブームと、前記ブームの先端に取り付けられるアームと、前記アームの先端に取り付けられるエンドアタッチメントと、を含む作業アタッチメントと、
前記エンドアタッチメントが平面視で所定の動作を行うように、前記作業アタッチメントの動作に合わせて、前記旋回体の旋回動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、平面視で予め設定される設定軸の設定を維持した状態で、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸に平行な第1の軸の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御し、続いて、前記エンドアタッチメントが平面視で前記設定軸に平行で且つ前記第1の軸とは異なる第2の軸の上を移動するように、前記旋回体の旋回動作を制御する、
ショベルが提供される。
【発明の効果】
【0007】
上述の実施形態によれば、アタッチメントによる施工時の作業効率をより向上させることが可能なショベルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ショベルの側面図である。
図2】ショベルの構成の一例を示すブロック図である。
図3】ショベルの機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】ショベルによる施工作業の一例を説明する図である。
図5】教示モードにおける教示データ(教示軸)の設定方法の一例を説明する図である。
図6】自動モードにおけるショベルの動作の第1例を説明する図である。
図7】自動モードにおける旋回制御方法の一例を説明する図である。
図8】コントローラによる教示データ設定処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
図9】コントローラによる旋回自動制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
図10】自動モードにおけるショベルの動作の第2例を説明する図である。
図11】自動モードにおけるショベルの動作の第3例を説明する図である。
図12】ショベルの構成の他の例を示すブロック図である。
図13A】自動モードにおけるショベルの動作の第4例を説明する図である。
図13B】自動モードにおけるショベルの動作の第4例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
[ショベルの概要]
【0011】
まず、図1を参照して、本実施形態に係るショベル500の構成について説明をする。
【0012】
図1は、本実施形態に係るショベル500の側面図である。
【0013】
本実施形態に係るショベル500は、下部走行体1と、旋回機構2を介して旋回自在に下部走行体1に搭載される上部旋回体3と、アタッチメント(作業アタッチメントの一例)としてのブーム4、アーム5、及びバケット6と、オペレータが搭乗するキャビン10を備える。
【0014】
下部走行体1(走行体の一例)は、例えば、左右一対のクローラを含み、それぞれのクローラが走行油圧モータ1A,1B(図2参照)で油圧駆動されることにより、ショベル500を走行させる。
【0015】
上部旋回体3(旋回体の一例)は、後述する旋回用電動機21(図2参照)で駆動されることにより、下部走行体1に対して旋回する。
【0016】
ブーム4は、上部旋回体3の前部中央に俯仰可能に枢着され、ブーム4の先端には、アーム5が上下回動可能に枢着され、アーム5の先端には、バケット6(エンドアタッチメントの一例)が上下回動可能に枢着される。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、それぞれ、油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。
【0017】
キャビン10は、オペレータが搭乗する操縦室であり、上部旋回体3の前部左側に搭載される。
【0018】
[ショベルの基本構成]
次に、図2を参照して、ショベル500の基本構成について説明する。
【0019】
図2は、本実施形態に係るショベル500の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
尚、図中、機械的動力ラインは二重線、高圧油圧ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御ラインは細い実線でそれぞれ示される。
【0021】
本実施形態に係るショベル500の油圧アクチュエータを油圧駆動する油圧駆動系は、エンジン11と、電動発電機12と、減速機13と、メインポンプ14と、コントロールバルブ17を含む。また、本実施形態に係るショベル500の油圧駆動系は、上述の如く、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれを油圧駆動する走行油圧モータ1A,1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等の油圧アクチュエータを含む。
【0022】
エンジン11は、油圧駆動系におけるメイン動力源であり、例えば、上部旋回体3の後部に搭載される。具体的には、エンジン11は、後述するエンジンコントロールモジュール(ECM:Engine Control Module)75による制御の下、予め設定される目標回転数で一定回転し、減速機13を介してメインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。また、エンジン11は、減速機13を介して電動発電機12を駆動し、電動発電機12に発電させることができる。エンジン11は、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンである。
【0023】
電動発電機12は、エンジン11をアシストしてメインポンプ14を駆動する、油圧駆動系におけるアシスト動力源であり、例えば、エンジン11及び減速機13と共に一体として上部旋回体3の後部に搭載される。電動発電機12は、インバータ18Aを介してキャパシタ19を含む蓄電系120と接続され、インバータ18Aを介してキャパシタ19や旋回用電動機21から供給される電力で力行運転し、減速機13を介してメインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。また、電動発電機12は、エンジン11により駆動されることにより発電運転を行い、発電電力をキャパシタ19や旋回用電動機21に供給することができる。電動発電機12の力行運転と発電運転との切替制御は、後述するコントローラ30によってインバータ18Aが駆動制御されることにより実現される。
【0024】
減速機13は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載され、エンジン11及び電動発電機12が接続される2つの入力軸と、メインポンプ14及びパイロットポンプ15が直列に同軸接続される1つの出力軸を有する。減速機13は、エンジン11及び電動発電機12の動力を所定の減速比でメインポンプ14及びパイロットポンプ15に伝達することができる。また、減速機13は、エンジン11の動力を所定の減速比で、電動発電機12とメインポンプ14及びパイロットポンプ15とに分配して伝達することができる。
【0025】
メインポンプ14は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載され、高圧油圧ライン16を通じてコントロールバルブ17に作動油を供給する。メインポンプ14は、エンジン11、或いは、エンジン11及び電動発電機12により駆動される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、後述するコントローラ30による制御の下、レギュレータ(不図示)が斜板の角度(傾転角)を制御することでピストンのストローク長を調整し、吐出流量(吐出圧)を制御することができる。
【0026】
コントロールバルブ17は、例えば、上部旋回体3の中央部に搭載され、オペレータによる操作装置26に対する操作に応じて、油圧駆動系の制御を行う油圧制御装置である。コントロールバルブ17は、上述の如く、高圧油圧ライン16を介してメインポンプ14と接続され、メインポンプ14から供給される作動油を、操作装置26の操作状態に応じて、油圧アクチュエータである走行油圧モータ1A(右用),1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9に選択的に供給する。具体的には、コントロールバルブ17は、メインポンプ14から油圧アクチュエータのそれぞれに供給される作動油の流量と流れる方向を制御する複数の油圧制御弁(方向切換弁)を含むバルブユニットである。
【0027】
本実施形態に係るショベル500の電動アクチュエータを駆動する電気駆動系は、旋回用電動機21と、メカニカルブレーキ23と、旋回減速機24を含む。
【0028】
旋回用電動機21(電動機の一例)は、下部走行体1に対して上部旋回体3を旋回自在に接続する旋回機構2を駆動する、即ち、上部旋回体3を下部走行体1に対して旋回自在に駆動する電動アクチュエータである。旋回用電動機21は、コントローラ30による制御の下、上部旋回体3を旋回駆動する力行運転、及び、回生電力を発生させて上部旋回体3を旋回制動する回生運転を行う。旋回用電動機21は、インバータ18Bを介して蓄電系120に接続され、インバータ18Bを介してキャパシタ19や電動発電機12から供給される電力により駆動される。また、旋回用電動機21は、インバータ18Bを介して、回生電力をキャパシタ19や電動発電機12に供給する。これにより、回生電力で、キャパシタ19を充電したり、電動発電機12を駆動したりすることができる。旋回用電動機21の力行運転と回生運転との切替制御は、コントローラ30によってインバータ18Bが駆動制御されることにより実現される。旋回用電動機21の回転軸21Aには、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、及び旋回減速機24が接続される。
【0029】
メカニカルブレーキ23は、コントローラ30による制御の下、上部旋回体3(具体的には、旋回用電動機21の回転軸21A)に対して、機械的に制動力を発生させ、上部旋回体3の停止状態を維持させる。また、メカニカルブレーキ23は、例えば、上部旋回体3を緊急停止させる必要がある場合等において、上部旋回体3を旋回制動させてもよい。
【0030】
尚、図2中において、旋回減速機24とメカニカルブレーキ23とは、簡単のため、別のブロック要素として記載されるが、メカニカルブレーキ23は、例えば、旋回減速機24に含まれる複数の減速機の間に組み込まれる態様の油圧式のディスクブレーキであってもよいし、旋回減速機24と別体に設けられる態様の電磁式ブレーキであってもよい。
【0031】
旋回減速機24は、旋回用電動機21の回転軸21Aと接続され、旋回用電動機21の出力(トルク)を所定の減速比で減速させることにより、トルクを増大させて、上部旋回体3を旋回駆動する。即ち、力行運転の際、旋回用電動機21は、旋回減速機24を介して、上部旋回体3を旋回駆動する。また、旋回減速機24は、上部旋回体3の慣性回転力を増速させて旋回用電動機21に伝達し、回生電力を発生させる。即ち、回生運転の際、旋回用電動機21は、旋回減速機24を介して伝達される上部旋回体3の慣性回転力により回生発電を行い、上部旋回体3を旋回制動する。
【0032】
本実施形態に係るショベル500の電動発電機12及び旋回用電動機21を駆動する電源である蓄電系120は、キャパシタ19と、DCバス100と、昇降圧コンバータ110を含む。蓄電系120は、例えば、インバータ18A,18Bと共に、上部旋回体3の右側前部に搭載される。
【0033】
キャパシタ19は、電動発電機12、旋回用電動機21に電力を供給すると共に、DCバス100及び昇降圧コンバータ110を介して供給される電動発電機12、旋回用電動機21の発電電力を充電する。
【0034】
DCバス100は、インバータ18A,18Bと昇降圧コンバータ110との間に配設され、キャパシタ19、電動発電機12、及び旋回用電動機21の間での電力の授受を制御する。
【0035】
昇降圧コンバータ110は、電動発電機12及び旋回用電動機21の運転状態等に応じて、DCバス100の電圧値が一定の範囲内に収まるように昇圧動作と降圧動作を切り替える。これにより、キャパシタ19、電動発電機12、及び旋回用電動機21の間での電力の授受が実現される。昇降圧コンバータ110の昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCバス100の電圧検出値、キャパシタ19の電圧検出値、及び、キャパシタ19の電流検出値に基づき、コントローラ30により実現される。
【0036】
本実施形態に係るショベル500の操作系は、パイロットポンプ15と、操作装置26と、圧力センサ29を含む。
【0037】
パイロットポンプ15は、上部旋回体3の後部に搭載され、パイロットライン25を介して操作装置26にパイロット圧を供給する。パイロットポンプ15は、例えば、固定容量式油圧ポンプであり、エンジン11、或いは、エンジン11及び電動発電機12により駆動される。
【0038】
操作装置26は、レバー26A,26Bと、ペダル26Cを含む。操作装置26は、キャビン10の操縦席付近に設けられ、オペレータが各種動作要素(下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、バケット6等)の操作を行うための操作入力手段である。換言すれば、操作装置26は、それぞれの動作要素を駆動する油圧アクチュエータ(走行油圧モータ1A,1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9等)や電動アクチュエータ(旋回用電動機21等)の操作を行うための操作入力手段である。以下、レバー26A,26Bによりブーム4、アーム5、バケット6を含むアタッチメント、及び、上部旋回体3の操作が行われる前提で説明を進める。操作装置26(即ち、レバー26A,26B、及びペダル26C)は、油圧ライン27を介して、コントロールバルブ17にそれぞれ接続される。これにより、コントロールバルブ17には、操作装置26における下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作状態に応じたパイロット信号(パイロット圧)が入力される。そのため、コントロールバルブ17は、操作装置26における操作状態に応じて、それぞれの油圧アクチュエータを駆動することができる。また、操作装置26は、油圧ライン28を介して圧力センサ29に接続される。
【0039】
圧力センサ29は、上述の如く、油圧ライン28を介して操作装置26と接続され、操作装置26の二次側のパイロット圧、即ち、操作装置26におけるそれぞれの動作要素(油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータ)の操作状態に対応するパイロット圧を検出する。圧力センサ29は、一対一の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてコントローラ30と通信可能に接続され、操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作状態に応じた圧力信号(パイロット圧の検出値)は、コントローラ30に入力される。
【0040】
本実施形態に係るショベル500の制御系は、コントローラ30と、ECM75と、エンジン回転数センサ11aと、インバータ18Aと、インバータ18Bと、電流センサ21sと、レゾルバ22を含む。また、本実施形態に係るショベル500の制御系は、後述する旋回自動制御に関する構成として、ブーム角度センサ40と、アーム角度センサ42と、教示モードスイッチ44と、教示データ設定スイッチ46と、自動モードスイッチ48を含む。
【0041】
コントローラ30は、ショベル500の駆動制御を行う制御装置である。例えば、コントローラ30は、オペレータ等の所定操作により予め設定される作業モード等に基づき、ECM75を介して、エンジン11の駆動制御を行う。また、コントローラ30は、圧力センサ29から入力される、操作装置26における各種動作要素(即ち、各種油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータ)の操作状態に対応するパイロット圧の検出値等に基づき、インバータ18A,18Bを介して、電動発電機12及び旋回用電動機21の駆動制御を行う。また、コントローラ30は、上述の如く、DCバス100の電圧検出値、キャパシタ19の電圧検出値、及び、キャパシタ19の電流検出値等に基づき、昇降圧コンバータ110の昇圧動作と降圧動作の切替制御を行う。また、コントローラ30は、操作装置26を用いたオペレータによるブーム4及びアーム5を含むアタッチメントの操作に応じて、或いは、オペレータによる操作に依らず、自動で、バケット6が所定の教示データに従う動作をするように、上部旋回体3の旋回動作を自動的に制御する。以下、コントローラ30による上部旋回体3の当該制御態様を「旋回自動制御」と称する。コントローラ30による旋回自動制御の詳細は、後述する。
【0042】
コントローラ30は、その機能が任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは、その組み合わせにより実現されてよい。例えば、コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、補助記憶装置、I/O(Input-Output interface)等を含むマイクロコンピュータで構成され、ROMや補助記憶装置に格納される各種プログラムをCPU上で実行することにより各種機能が実現される。
【0043】
尚、コントローラ30の機能の一部は、他のコントローラにより実現されてもよい。即ち、コントローラ30の機能は、複数のコントローラにより分散される態様で実現されてもよい。
【0044】
ECM75は、コントローラ30から制御指令に基づき、エンジン11を駆動制御する。例えば、ECM75は、エンジン回転数センサ11aから入力される検出信号に対応するエンジン11の回転数(回転速度)の測定値に基づき、コントローラ30からの制御指令に対応する目標回転数でエンジン11が一定回転するように、エンジン11のトルク指令を生成する。そして、ECM75は、生成したトルク指令に応じたトルクがエンジン11に発生するような駆動指令を、エンジン11の燃料噴射装置等の各種アクチュエータに出力する。
【0045】
エンジン回転数センサ11aは、エンジン11の回転数を検出する既知の検出手段である。エンジン回転数センサ11aは、一対一の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてECM75と通信可能に接続され、エンジン11の回転数に対応する検出信号は、ECM75に入力される。
【0046】
インバータ18Aは、蓄電系120を電源として、電動発電機12を駆動する三相交流電力を出力したり、電動発電機12の発電電力を蓄電系120に供給したりする。具体的には、インバータ18Aは、内蔵される駆動回路(不図示)が、コントローラ30から入力される制御指令(具体的には、所定の回転速度で一定回転させる速度指令)に基づき、駆動指令、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)指令を生成する。そして、インバータ18Aは、該駆動指令に基づき、内蔵されるインバータ回路(不図示)が、蓄電系120から供給される電力を、電動発電機12を駆動する三相交流電力に変換したり、電動発電機12からの発電電力を直流電力に変換し蓄電系120に供給したりする。
【0047】
尚、インバータ18Aのインバータ回路を駆動する駆動回路は、インバータ18Aの外部、例えば、コントローラ30に内蔵される態様であってもよい。
【0048】
インバータ18Bは、蓄電系120を電源として、旋回用電動機21を駆動する三相交流電力を出力したり、旋回用電動機21の発電電力を蓄電系120に供給したりする。具体的には、インバータ18Bは、内蔵される駆動回路(不図示)が、コントローラ30から入力される制御指令に基づき、駆動指令、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)指令を生成する。より具体的には、当該駆動回路は、レゾルバ22及び電流センサ21sから入力される、旋回用電動機21の回転速度或いは回転位置(回転角)及び出力トルクの測定値に基づき、速度・トルクフィードバック制御或いは位置・トルクフィードバック制御を行うことにより、駆動指令を生成してよい。そして、インバータ18Bは、該駆動指令に基づき、内蔵されるインバータ回路(不図示)が、蓄電系120から供給される電力を、旋回用電動機21を駆動する三相交流電力に変換したり、旋回用電動機21からの回生電力を直流電力に変換し蓄電系120に供給したりする。
【0049】
尚、インバータ18Bのインバータ回路を駆動する駆動回路は、インバータ18Bの外部、例えば、コントローラ30に内蔵される態様であってもよい。
【0050】
電流センサ21sは、旋回用電動機21の三相(U相、V相、W相)のそれぞれの電流を検出する。電流センサ21sは、例えば、旋回用電動機21とインバータ18Bとの間の電力経路に設けられる。電流センサ21sは、例えば、一対一の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてインバータ18Bと通信可能に接続され、電流センサ21sによる旋回用電動機21の三相それぞれの電流に対応する検出信号は、インバータ18Bに取り込まれる。
【0051】
尚、電流センサ21sは、インバータ18Bに内蔵され、インバータ18Bから出力される電流を検出する態様であってもよい。また、電流センサ21sは、三相のうちの二相の電流を検出し、検出された二相の電流値から残り一相の電流値を算出する態様であってもよく、残り一相の電流値は、インバータ18Bに取り込まれる二相分の電流値に対応する検出信号に基づき、インバータ18B(具体的には、上述の駆動回路)で算出される態様であってもよい。
【0052】
レゾルバ22は、旋回用電動機21の回転位置、即ち、回転方向の所定の基準位置に対する回転角等を検出する。換言すれば、レゾルバ22は、上部旋回体3の旋回方向の所定の基準位置(例えば、ブーム4等の延出方向と下部走行体1の走行方向が同じであるときの上部旋回体3の旋回位置)のに対する旋回角度(以下、単に「旋回角度」と称する)を検出する。レゾルバ22は、一対一の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてインバータ18Bと通信可能に接続され、検出された回転角(旋回角度)に対応する検出信号は、インバータ18Bに取り込まれる。
【0053】
ブーム角度センサ40は、ブーム4の上部旋回体3に対する俯仰角、例えば、上部旋回体3の旋回平面に対してブーム4が成す角度(以下、「ブーム角度」と称する)を検出する。ブーム角度センサ40は、例えば、ロータリエンコーダ、加速度センサ、角加速度センサ、六軸センサ、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)等を含んでよく、以下、アーム角度センサ42や後述するバケット角度センサについても同様である。ブーム角度センサ40は、一対一の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてコントローラ30と通信可能に接続され、ブーム角度に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0054】
アーム角度センサ42は、アーム5のブーム4に対する姿勢角度、例えば、ブーム4に対してアーム5が成す角度(以下、「アーム角度」と称する)を検出する。アーム角度センサ42は、一対一の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてコントローラ30と通信可能に接続され、アーム角度に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0055】
尚、ブーム角度センサ40、アーム角度センサ42に加えて、更に、アーム5に対するバケット6の姿勢角度、例えば、アーム5に対して、バケット6が成す角度(以下、「バケット角度」と称する)を検出するバケット角度センサが設けられてもよい。
【0056】
教示モードスイッチ44(教示モード設定操作部の一例)は、キャビン10の内部に設けられ、オペレータ等によるON/OFF操作により、ショベル500の動作モードを"教示モード"に設定するための操作部である。"教示モード"は、上述の旋回自動制御で利用される教示データを設定するためのショベル500の動作モードであり、"教示モード"では、旋回自動制御が無効とされる。つまり、"教示モード"では、通常通り、オペレータの操作装置26に対する操作に応じて、コントローラ30により上部旋回体3の旋回動作が制御される。教示モードスイッチ44は、押しボタン等のハードウェアによる操作部であってもよいし、所定の表示装置(例えば、キャビン10内に搭載されるタッチパネルディスプレイ等)に表示されるボタンアイコン等のソフトウェアによる操作部であってもよい。以下、教示データ設定スイッチ46、自動モードスイッチ48についても同様である。教示モードスイッチ44は、一対一の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてコントローラ30と通信可能に接続され、その操作状態に対応する信号(ON信号或いはOFF信号)は、コントローラ30に取り込まれる。
【0057】
尚、教示データは、ショベル500に搭載される通信機器を通じて、外部装置(例えば、作業現場の作業状況や作業現場のショベルの稼働状況等を管理する管理サーバ等)から対応するデータを受信したり、オペレータ等からの操作入力を受け付けたりすることで、設定されてもよい。つまり、教示データは、オペレータ等がショベル500のアタッチメント等を動作させることなく設定される態様であってもよい。
【0058】
教示データ設定スイッチ46は、キャビン10の内部に設けられ、"教示モード"において、教示データを設定するためのオペレータ等による操作を受け付ける操作部である。教示データ設定スイッチ46は、一対一の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてコントローラ30と通信可能に接続され、教示データ設定スイッチ46の操作状態に対応する操作信号は、コントローラ30に取り込まれる。教示データ設定スイッチ46の具体的な操作方法等については、後述する。
【0059】
自動モードスイッチ48(自動モード設定操作部の一例)は、キャビン10の内部に設けられ、オペレータ等によるON/OFF操作により、ショベル500の動作モードを"自動モード"に設定するための操作部である。"自動モード"は、上述した旋回自動制御が有効な動作モードである。以下、"自動モード"と関連して、"教示モード"の場合を除き、旋回自動制御が有効でない動作モード、つまり、通常通り、オペレータの操作装置26に対する操作に応じて、コントローラ30により上部旋回体3の旋回動作が制御される動作モードを"通常モード"と称する。また、"教示モード"は、"通常モード"に含まれる前提で説明を進める。自動モードスイッチ48は、一対一の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてコントローラ30と通信可能に接続され、その操作状態に対応する信号(ON信号或いはOFF信号)は、コントローラ30に取り込まれる。
【0060】
[旋回制御装置の構成の詳細]
次に、図3を参照して、ショベル500に搭載される、上部旋回体3の旋回動作を制御する旋回制御装置200の詳細な構成について説明する。
【0061】
旋回制御装置200は、コントローラ30と、インバータ18Bと、旋回用電動機21と、レゾルバ22と、圧力センサ29と、ブーム角度センサ40と、アーム角度センサ42と、教示モードスイッチ44と、教示データ設定スイッチ46と、自動モードスイッチ48を含む。
【0062】
コントローラ30は、上部旋回体3の旋回動作の制御に関連する機能部として、通常指令生成部301と、バケット位置情報取得部302と、教示データ設定部303と、教示指令生成部304と、制御指令出力判定部305を含む。
【0063】
通常指令生成部301は、圧力センサ29から入力される、レバー26Aにおける上部旋回体3の操作状態、つまり、レバー26Aの操作方向及び操作量に基づき、上部旋回体3を制御する通常の制御指令(以下、「通常指令」と称する)としての速度指令を生成する。
【0064】
バケット位置情報取得部302は、ショベル500を上部旋回体3の旋回中心軸に沿って真上から見た平面視(以下、単に「平面視」と称する)における下部走行体1を基準とするバケット6の位置(以下、単に「バケット位置」と称する)に関する情報(バケット位置情報)を取得する。例えば、バケット位置情報取得部302は、平面視で見たときの上部旋回体3の旋回中心軸を原点とする平面極座標系において、バケット位置情報として、バケット位置に対応する径方向の座標(動径座標)及び周方向の座標(角度座標)を取得する。具体的には、バケット位置情報取得部302は、何れも既知である、平面視で見たときの上部旋回体3の旋回中心軸からブーム4の枢着位置までの距離(以下、平面視で見たときの距離を「水平距離」と称する)、並びに、ブーム4及びアーム5のリンク長(両端の枢着位置の間の長さ)と、ブーム角度センサ40及びアーム角度センサ42から入力されるブーム角度及びアーム角度とに基づき、バケット位置に対応する動径座標として、上部旋回体3の旋回中心軸からバケット6までの水平距離(以下、単に「バケット6の水平距離」と称する)を算出する。また、バケット位置情報取得部302は、バケット位置に対応する角度座標として、レゾルバ22から入力される上部旋回体3の旋回角度を取得する。バケット位置情報取得部302は、取得したバケット位置に関する情報、即ち、バケット位置に対応するバケット6の水平距離及び上部旋回体3の旋回角度を教示データ設定部303及び教示指令生成部304に向けて出力する。
【0065】
教示データ設定部303は、"教示モード"が設定されている場合に、オペレータによる教示データ設定スイッチ46の操作に応じて、教示データを設定する。具体的には、教示データ設定部303は、後述の如く、オペレータによる教示データ設定スイッチ46の操作に応じて、バケット6を移動させる方向を規定する教示データ、即ち、教示軸を設定する。教示データ設定部303の動作の詳細は、後述する(図5及び図8参照)。
【0066】
教示指令生成部304(制御部の一例)は、操作装置26によるオペレータのブーム4及びアーム5を含むアタッチメントの操作に応じて、平面視で、バケット6が設定された教示軸に沿って移動するように、上部旋回体3を自動的に旋回させるための制御指令(以下、「教示指令」と称する)を生成する。例えば、教示指令生成部304は、バケット位置情報取得部302から入力されるバケット位置の変化に合わせて、バケット6が平面視で教示軸に沿って移動するための旋回動作を特定する。具体的には、教示指令生成部304は、特定される旋回動作に対応する旋回位置(旋回角度)の目標値(目標旋回角度)を算出し、教示指令として、目標旋回角度に対応する位置指令を生成する。教示指令生成部304の動作の詳細は、後述する(図6図7、及び図9参照)。
【0067】
制御指令出力判定部305は、通常指令生成部301及び教示指令生成部304によりそれぞれ生成される通常指令及び教示指令のうちの何れか一方を制御指令として、インバータ18Bに出力する。具体的には、制御指令出力判定部305は、自動モードスイッチ48がOFFされている場合、つまり、ショベル500の動作モードが"自動モード"以外、例えば、"通常モード"や"教示モード"である場合、通常指令をインバータ18Bに出力する。一方、制御指令出力判定部305は、自動モードスイッチ48がONされている場合、つまり、ショベル500の動作モードが"自動モード"である場合、教示指令をインバータ18Bに出力する。これにより、インバータ18Bを介して、上部旋回体3の旋回自動制御が実現される。
【0068】
[自動モードにおけるショベルの動作の第1例]
次に、図4図9を参照して、自動モードにおけるショベルの動作の第1例について説明する。
【0069】
<教示データ設定方法>
まず、図4及び図5を参照して、教示データ設定部303による教示データの設定方法について説明する。
【0070】
図4は、ショベル500による施工作業の一例を説明する図である。図5は、教示モードにおける教示データ(教示軸)の設定方法の一例を説明する図である。
【0071】
図4に示すように、本例では、掘削作業や均し作業等の施工作業の施工対象である、平面視で略矩形状の施工対象面401において、ショベル500は、施工対象面401の前後方向の一辺と平行な線分402~404の上を掘削したり、均したり等の施工を行う。施工対象面401は、略水平面であってもよいし、法面を施工するための傾斜地(例えば、図13A参照)であってもよい。後述する施工対象面1001,1101等についても同様である。
【0072】
この場合、図5に示すように、オペレータは、操作装置26によりショベル500のブーム4、アーム5、バケット6を含むアタッチメントを操作し、施工対象面401の上下方向の一辺と平行な教示軸501を設定する。
【0073】
例えば、まず、オペレータは、上部旋回体3に対するブーム4、アーム5、及びバケット6(アタッチメント)の延在方向を施工対象面401の上下方向の一辺と略平行になるように、ショベル500を移動させる。
【0074】
続いて、オペレータは、平面視で、バケット6が上部旋回体3から比較的離れた位置(例えば、図5中の位置502)になるように、操作装置26に対して、ブーム4を下げつつ、アーム5を開く操作を行う。そして、オペレータは、バケット6が位置502にある状態(図5中の点線の状態)で、教示データ設定スイッチ46を操作する。これにより、教示データ設定部303は、バケット位置情報取得部302から入力されるバケット位置情報(即ち、バケット6の水平距離及び上部旋回体3の旋回角度)に基づき、平面視におけるバケット6の位置502を、教示軸501を規定する線分の第1の端点(始点)として設定する。
【0075】
続いて、オペレータは、平面視で、バケット6が上部旋回体3から比較的近い位置(例えば、図5中の位置503になるように、操作装置26に対して、ブーム4を上げつつ、アーム5を閉じる操作を行う。そして、オペレータは、バケット6が位置503にある状態(図5中の一点鎖線の状態)で、教示データ設定スイッチ46を操作する。
【0076】
これにより、教示データ設定部303は、バケット位置情報取得部302から入力されるバケット位置情報に基づき、平面視におけるバケット6の位置503を、教示軸501を規定する線分の第2の端点(終点)として設定する。そして、教示データ設定部303は、設定された始点及び終点から教示軸501を設定することができる。例えば、教示データ設定部303は、設定された始点から終点に向かうベクトル(教示ベクトル)を教示軸501として設定してよい。
【0077】
<自動モードにおけるショベルの動作の詳細>
続いて、図6及び図7を参照して、具体的に、自動モードにおけるショベル500の動作の第1例、即ち、当該動作に対応する上部旋回体3の旋回自動制御について説明する。以下、本例では、上述した図4のショベル500の施工作業及び上述した図5のショベル500の位置及び設定された教示軸501を前提として説明を行う。
【0078】
図6は、自動モードにおけるショベル500の動作の第1例を説明する図である。具体的には、図6は、図4の施工対象面401における左端部の線分402を掘削或いは均す作業を行う場合のショベル500の動作を示す図である。また、図7は、自動モードにおける旋回制御方法の一例を説明する図である。具体的には、図7は、オペレータによるブーム4、アーム5を含むアタッチメントの操作に応じて、制御周期Tの間で、位置Pt1にあるバケット6を教示軸501に沿って位置Pt2まで移動させる制御方法を説明する図である。
【0079】
尚、図7中において、位置Pt1,Pt2,Pt2_cのX座標及びY座標は、上部旋回体3の旋回中心軸Ctrを原点とする直交座標系を前提とする。
【0080】
図6に示すように、ショベル500は、教示軸501が設定されたときの状態、つまり、図5の状態のままで、施工対象面401後方における左右方向の中央付近に配置されている。図4の施工対象面401の左右に亘る線分402~404に対する施工作業を行い易くするためである。
【0081】
オペレータは、バケット6の位置が線分402の前方の端点、つまり、施工作業の始点位置601に合わせるように、操作装置26に対して、上部旋回体3を左方向に旋回させつつ、ブーム4を下げ、且つ、アーム5を開く操作を行う。
【0082】
続いて、オペレータは、バケット6が始点位置601にある状態から、バケット6をショベル500側、つまり、後方に移動させて、掘削作業或いは均し作業等を行うため、操作装置26に対して、ブーム4を上げつつ、アーム5を閉じる操作を行う。本例では、自動モードが設定されているため、上述の如く、インバータ18Bには、制御指令出力判定部305から教示指令が出力される。そのため、上部旋回体3は、平面視で、バケット6が教示軸501に沿って移動するように、つまり、線分402上を移動するように、オペレータによる操作装置26に対するブーム4及びアーム5を含むアタッチメントの操作に合わせて、自動的に、左方向に旋回する。これにより、オペレータは、ブーム4、アーム5を含むアタッチメントの操作だけで、ショベル500から見た平面視のバケット6の移動方向とは異なる方向に沿った線分402上を始点位置601から終点位置602まで掘削したり、均したりすることができる。
【0083】
ここで、図7に示すように、バケット6が位置Pt1にある状態において、通常、ブーム4、アーム5、及びバケット6だけが操作されると、制御周期Tの間で、上部旋回体3に対するブーム4等のアタッチメントの延在方向の位置Pt2_cに移動してしまう。そのため、教示指令生成部304は、直近のバケット位置及び旋回角度の変化等に基づき、制御周期Tの間における旋回角度の補正量Δθを算出し、現在の旋回角度に対して補正量Δθを考慮した目標旋回角度を設定する。これにより、教示指令生成部304は、オペレータによるブーム4、アーム5を含むアタッチメントの操作だけで、教示軸501に沿って、位置Pt1から位置Pt2に移動させることができる。
【0084】
尚、教示指令生成部304は、バケット位置及び旋回角度の変化の他、圧力センサ29から入力される、ブーム4、アーム5、及びバケット6の操作状態に基づき、補正量Δθを算出してもよい。これにより、オペレータの操作装置26に対する操作によるブーム4、アーム5、及びバケット6の動作の予測精度を向上させることができるため、より精度よく補正量Δθを算出し、教示軸501に対するバケット6の動作の追従性を向上させることができる。また、ショベル500の作業面、つまり、施工対象面401は、傾斜している場合も有り得る。そのため、教示指令生成部304は、例えば、下部走行体1や上部旋回体3に搭載される、図示しない傾斜センサ(傾斜検出部の一例)により検出されるショベル500の作業面の傾斜に基づき、補正量Δθを算出してもよい。作業面の傾斜状態に応じて、ブーム4、アーム5等の動作速度等が変化しうるからである。
【0085】
このように、オペレータは、ショベル500から見たブーム4等のアタッチメントの延在方向、即ち、平面視のバケット6の移動方向と、掘削作業や均し作業等の直線的な施工作業の方向とが一致しない場合であっても、ブーム4、アーム5を含むアタッチメントに対応するレバー26A,26Bの操作を行うだけで、直線的な施工作業を行うことができる。よって、施工作業の作業効率を向上させることができる。
【0086】
尚、オペレータは、線分402の作業が終わり、線分403,404の作業に移行する場合、自動モードスイッチ48をOFF操作することにより、自動モードを解除することができる。そのため、オペレータは、自らの操作により、上部旋回体3を旋回させながら、線分403,404の施工作業の始点位置にバケット6の位置を合わせることができる。
【0087】
<教示データ設定処理の詳細>
続いて、図8を参照して、コントローラ30の教示データ設定部303による教示データの設定に関する処理フローについて具体的に説明する。
【0088】
図8は、コントローラ30の教示データ設定部303による教示データ設定処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、教示モードスイッチ44がON操作された場合、即ち、教示モードスイッチ44から入力される操作信号がOFF信号からON信号に切替わった場合に、実行される。
【0089】
ステップS802にて、教示データ設定部303は、第1の端点の設定を促す通知をオペレータ等に対して行う。例えば、教示データ設定部303は、キャビン10内に設けられる表示装置(不図示)に通知内容を表示させてもよいし、キャビン内に設けられる音声出力装置(不図示)を通じて通知内容の音声を出力させてもよい。ステップS806の処理についても同様である。
【0090】
ステップS804にて、教示データ設定部303は、所定時間内で、教示データ設定スイッチ46に対して、オペレータ等による第1の端点を設定する操作が行われたか否かを判定する。教示データ設定部303は、オペレータ等による第1の端点を設定する操作が行われた場合、ステップS806に進み、行われなかった場合、ステップS812に進む。
【0091】
尚、教示データ設定部303は、所定時間内で、教示データ設定スイッチ46に対して、オペレータ等による第1の端点を設定する操作が行われなかった場合に、再度、ステップS802に戻り、ステップS802,S804を繰り返すリトライ処理を実行してもよい。この場合、リトライ処理には、回数制限が設けられる。以下、ステップS806,S808の処理に対しても、同様のリトライ処理が行われてよい。
【0092】
ステップS806にて、教示データ設定部303は、第2の端点の設定を促す通知をオペレータ等に対して行う。
【0093】
ステップS808にて、教示データ設定部303は、所定時間内で、教示データ設定スイッチ46に対して、オペレータ等による第2の端点を設定する操作が行われたか否かを判定する。教示データ設定部303は、オペレータ等による第2の端点を設定する操作が行われた場合、ステップS810に進み、行われなかった場合、ステップS812に進む。
【0094】
ステップS810にて、教示データ設定部303は、設定された第1の端点及び第2の端点から教示軸を算出(設定)し、コントローラ30内の補助記憶装置等の内部メモリに保存する。
【0095】
ステップS812にて、教示データ設定部303は、教示モードスイッチ44をOFFする、つまり、"教示モード"を解除し、ショベル500の動作モードを"通常モード"に戻し、今回の処理を終了する。
【0096】
尚、一度、設定された教示軸は、再度、本フローチャートによる処理が行われない限り、ショベルの運転中、その設定状態が維持される。これにより、"教示モード"による作業の度に、教示軸を設定する作業を行う必要が無くなるため、オペレータ等の利便性を向上させることができる。
【0097】
<旋回自動制御処理の詳細>
続いて、図9を参照して、コントローラ30による旋回自動制御に関する処理フローについて具体的に説明する。
【0098】
図9は、コントローラ30による旋回自動制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、例えば、ショベル500の運転中、所定時間ごと、つまり、所定の制御周期Tごとに、繰り返し実行される。
【0099】
ステップS902にて、バケット位置情報取得部302は、ブーム角度センサ40、アーム角度センサ42、及びレゾルバ22から入力されるブーム角度、アーム角度、及び旋回角度の測定値を取得する。
【0100】
ステップS904にて、バケット位置情報取得部302は、ブーム角度、バケット角度、及び旋回角度の測定値に基づき、バケット位置を取得(算出)する。
【0101】
ステップS906にて、教示指令生成部304は、直近のバケット位置の変化及び旋回角度の変化等に基づき、教示軸に沿ってバケット6が移動するように、目標旋回角度θtを算出する。
【0102】
ステップS908にて、教示指令生成部304は、目標旋回角度θtに対応する教示指令(位置指令)を生成し、制御指令出力判定部305に向けて出力し、今回の処理を終了する。これにより、ショベル500の動作モードとして、"自動モード"が設定されている場合に、制御指令出力判定部305からインバータ18Bに教示指令が出力される。
【0103】
尚、本例(図4図9)では、オペレータのアタッチメントの操作に応じて、バケット6が平面視で所定軸に沿って移動するように、上部旋回体3の旋回動作が制御されるが、アタッチメントの操作についても自動化されてよい。つまり、上部旋回体3の旋回動作だけでなく、アタッチメントの動作も自動化されてよい。
【0104】
具体的には、コントローラ30は、バケット6の高さ方向の位置を略一定に保ちながら、バケット6を上部旋回体3側に引き寄せるための、掘削動作或いは均し動作に対応するレバー26A,26Bへの操作入力を自動的に生成する。これにより、コントローラ30は、アタッチメントの動作を自動制御することができる。そして、コントローラ30は、アタッチメントの自動制御に対応するバケット6の位置やレバー26A,26Bへの操作入力に応じて、バケット6が平面視で所定軸に沿って移動するように、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。これにより、ショベル500は、オペレータの操作入力に依らず、自動的に、直線的な施工作業を行うことができる。また、上述の図4に示すような直線的な施工作業をショベル500に繰り返し行わせる場合、例えば、上部旋回体3の旋回中心軸を原点とする平面極座標系における始点位置及び終点位置の座標が、コントローラ30の内部メモリ等に予め設定されていればよい。これにより、コントローラ30は、上述の図4に示すような繰り返しの直線的な施工作業をショベル500に全自動で行わせることができる。
【0105】
また、本例では、バケット6が、平面視で、予め設定される所定の軸(教示軸)に沿って移動するように制御されるが、予め設定される所定の曲線や折れ線(以下、「教示曲線等」)に沿って移動するように制御されてもよい。この場合、上述の如く、ショベル500のアタッチメント等の動作によって、教示曲線等に対応する教示データが設定されてよい。また、ショベル500のアタッチメント等の動作に依らず、外部装置から対応するデータを受信したり、オペレータ等からの操作入力を受け付けたりすることで、教示曲線等に対応する教示データが設定されてもよい。
【0106】
[自動モードにおけるショベルの動作の第2例]
次に、図10を参照して、自動モードにおけるショベル500の動作の第2例について説明する。本例では、コントローラ30(教示指令生成部304)は、上述の第1例と同様、操作装置26を通じたアタッチメントの操作に応じて、平面視で、所定の教示軸に沿ってバケット6が移動するように、上部旋回体3を自動的に旋回させる。
【0107】
図10は、自動モードにおけるショベル500の動作の第2例を説明する図である。
【0108】
図10に示すように、本例では、ショベル500は、平面視で略矩形状の施工対象面1001において、掘削作業を行う。
【0109】
ここで、本例では、図中の施工対象面の一部(領域1002)は、掘削作業によって、図中の左から右に向けて傾斜する傾斜面として施工される必要がある。そのため、傾斜面の傾斜方向である図中の左右方向にバケット6が移動する態様で、掘削作業が進められることが望ましい。一方、作業現場の環境条件等によっては、施工対象面1001の図中における左右には、ショベル500を配置させるスペースが存在しない、或いは、配置させると安全面で問題がある等の状況が発生する場合もありうる。よって、本例では、ショベル500は、施工対象面1001の図中における下側に配置され、コントローラ30(教示指令生成部304)による制御下で、オペレータによるアタッチメントの操作に応じて、バケット6が左右方向の軸(以下、「左右軸」)に沿って、左から右に移動するように、上部旋回体3を自動で旋回させる。これにより、ショベル500は、工事現場の環境条件に依らず、より適切な施工作業を実現することができる。
【0110】
この場合、教示データは、例えば、アタッチメントの向きが施工対象面1001の図中における左右方向になるように上部旋回体3の旋回位置が合わせられた状態で、図5の場合と同様の方法を用いて、ショベル500を動作させることにより設定されてよい。また、教示データは、上述の如く、ショベル500のアタッチメント等の動作に依らず、外部装置から対応するデータを受信したり、オペレータ等からの操作入力を受け付けたりすることで設定されてもよい。
【0111】
尚、同様の旋回自動制御、つまり、平面視で、アタッチメントの向きと大きく異なる教示軸方向に沿って、バケット6を移動させる旋回自動制御は、当然の如く、掘削作業だけでなく、掘削作業以外の作業、例えば、均し作業や転圧作業等にも適用されうる。
【0112】
また、図10に示すように、本例では、バケット6は、アーム5に対して、上下方向に回動するための回動軸だけでなく、左右方向に回動するための回動軸を有し、バケット6を掘削方向(左右方向)に合わせることができる。これにより、アタッチメントの向きと掘削方向との差異が相対的に大きくなってしまうような場合でも、バケット6は、前後方向の回動動作の場合と同様、メインポンプ14から供給される作動油で駆動される油圧アクチュエータ(例えば、油圧モータ)で左右方向に回動し、オペレータ等は、所定の操作手段を通じて、バケット6の向きを適切に合わせることができる。また、バケット6は、例えば、コントローラ30を通じて、油圧アクチュエータに給排される作動油の向きや流量が自動的に調整されることにより、自動で、その平面視での向きが掘削方向に合わせられる態様であってもよい。
【0113】
尚、当然の如く、左右方向に回動可能な回動軸を有さない通常のバケット6によって、上述のような施工作業が行われてもよい。
【0114】
また、本例では、平面視でのバケット6の位置(移動方向)だけでなく、上下方向の位置も自動で制御されてもよい。例えば、バケット6の左右方向の移動に合わせて、バケット6の刃先位置が施工後の傾斜面に相当する目標施工面に沿って、或いは、目標施工面に干渉しない範囲で移動するように、バケット6の上下位置が自動制御されてもよい。これにより、平面視で、アタッチメントの向きとバケット6の移動方向とが大きく異なるような場合であっても、オペレータは、傾斜面が適切に施工可能な態様で、バケット6を移動させることができる。そのため、施工品質を更に向上させることができる。このとき、例えば、後述する図12と同様の構成(比例弁31及びシャトル弁32)が採用され、ブーム4、アーム5、及びバケット6の少なくとも一つが自動制御されることにより、コントローラ30は、バケット6の上下位置を制御できる。また、コントローラ30は、バケット6の上下位置を制御する際、ブーム角度センサ40、アーム角度センサ42、及びバケット角度センサの検出信号に基づき、バケット6の位置を把握することができる。
【0115】
[自動モードにおけるショベルの動作の第3例]
次に、図11を参照して、自動モードにおけるショベル500の動作の第3例について説明する。
【0116】
図11は、自動モードにおけるショベル500の動作の第3例を説明する図である。
【0117】
図11に示すように、本例では、ショベル500は、平面視で略矩形状の施工対象面1101において、バケット6の背面を地面に押し付けながら転圧作業を行う。
【0118】
具体的には、ショベル500は、オペレータの操作に応じて、バケット6を地面に押し付けつけ、且つ、バケット6を手前側(上部旋回体3側)に移動させるように、アタッチメントを動作させる。併せて、ショベル500は、コントローラ30(教示指令生成部304)の制御下で、アタッチメントの手前方向への動作に合わせて、自動で、上部旋回体3が左右方向に往復運動を繰り返すことにより、バケット6の幅よりも広い一定幅を有する施工対象面1101内の領域1102を転圧する。つまり、コントローラ30は、オペレータの操作に応じたアタッチメントの手前方向への移動に合わせて、自動で、バケット6が左右方向で往復運動を繰り返すように、上部旋回体3の旋回動作を制御する。これにより、バケット6の幅より広い幅の領域を効率的に転圧することができる。
【0119】
この場合、教示データは、例えば、領域1102の幅に相当するデータと、左右方向への移動速度に相当するデータ等を含む態様であってよい。また、教示データは、平面視で、バケット6の移動軌跡に相当するデータ(例えば、図中のジグザグ形状の太線の矢印に相当する軌跡データ)であってもよい。当該教示データは、例えば、上述の如く、ショベル500のアタッチメント等の動作に依らず、外部装置から対応するデータを受信したり、オペレータ等からの操作入力を受け付けたりすることで設定されてもよい。また、後者の場合、当該教示データは、例えば、オペレータの操作に応じて、バケット6が移動した軌跡が記録されることにより設定されてもよい。
【0120】
また、同様の旋回自動制御は、転圧作業以外に適用されてもよい。例えば、アタッチメントの前後方向への移動に合わせて、上部旋回体3が左右方向に往復運動を繰り返すことによって、地面の細かな突起等を左右に払いのける態様で、ショベル500の均し作業が行われてもよい。この場合、アタッチメントの移動方向は、バケット6が上部旋回体3に近づく方向、つまり、上部旋回体3の前方から手前(上部旋回体3)側に向かう方向ではなく、バケット6が上部旋回体3から離れる方向、つまり、手前側から上部旋回体3の前方に向かう方向であってもよい。
【0121】
[自動モードにおけるショベルの動作の第4例]
次に、図12図13図13A図13B)を参照して、自動モードにおけるショベル500の動作の第4例について説明する。
【0122】
<ショベルの基本構成>
まず、図12を参照して、本例に係るショベル500の動作の前提となるショベル500の基本構成について説明する。
【0123】
図12は、ショベル500の構成の他の例を示すブロック図である。以下、図2の一例と異なる部分を中心に説明する。
【0124】
本例に係るショベル500の操作系は、パイロットポンプ15と、操作装置26と、圧力センサ29と、シャトル弁32を含む。また、本例に係るショベル500の制御系は、コントローラ30と、ECM75と、エンジン回転数センサ11aと、インバータ18Aと、インバータ18Bと、電流センサ21sと、レゾルバ22と、ブーム角度センサ40と、アーム角度センサ42と、教示モードスイッチ44と、教示データ設定スイッチ46と、自動モードスイッチ48と、比例弁31を含む。
【0125】
操作装置26は、その二次側のパイロットラインに設けられる後述のシャトル弁32を介して、コントロールバルブ17に接続される。これにより、コントロールバルブ17には、操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作状態に応じたパイロット圧が入力されうる。そのため、コントロールバルブ17は、操作装置26における操作状態に応じて、それぞれの油圧アクチュエータを駆動することができる。
【0126】
比例弁31は、パイロットポンプ15とシャトル弁32とを接続するパイロットラインに設けられ、その流路面積(具体的には、作動油が通流可能な断面積)を変更可能に構成される。比例弁31は、コントローラ30から入力される制御指令に応じて動作する。これにより、コントローラ30は、オペレータにより操作装置26が操作されていない場合であっても、パイロットポンプ15から吐出される作動油を、比例弁31及びシャトル弁32を介し、コントロールバルブ17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できる。
【0127】
シャトル弁32は、2つの入口ポートと1つの出口ポートを有し、2つの入口ポートに入力されたパイロット圧のうちの高い方のパイロット圧を有する作動油を出口ポートに出力させる。シャトル弁32は、2つの入口ポートのうちの一方が操作装置26に接続され、他方が比例弁31に接続される。シャトル弁32の出口ポートは、パイロットラインを通じて、コントロールバルブ17内の対応する制御弁のパイロットポートに接続される。そのため、シャトル弁32は、操作装置26が生成するパイロット圧と比例弁31が生成するパイロット圧のうちの高い方を、対応する制御弁のパイロットポートに作用させることができる。つまり、コントローラ30は、操作装置26から出力される二次側のパイロット圧よりも高いパイロット圧を比例弁31から出力させることにより、オペレータによる操作装置26の操作に依らず、対応する制御弁を制御し、下部走行体1やアタッチメントATの動作を自動制御することができる。
【0128】
<自動モードにおけるショベルの動作の詳細>
続いて、図13A図13Bを参照して、具体的に、自動モードにおけるショベル500の動作の第4例、即ち、当該動作に対応する上部旋回体3の旋回自動制御について説明する。
【0129】
図13A図13Bは、自動モードにおけるショベル500の動作の第4例を説明する図である。具体的には、図13Aは、ショベル500による施工対象の傾斜地1301と目標施工面としての法面BSを示す側面図であり、図13Bは、ショベル500による法面BSを施工する動作の具体例を示す図である。
【0130】
図13A図13Bに示すように、本例では、ショベル500は、傾斜地1301のうちの予め設定された作業範囲1302に、バケット6が法面BSを形成させるように、自動で、アタッチメント及び上部旋回体3を動作させ、切土作業や転圧作業を行う。
【0131】
具体的には、ショベル500は、例えば、作業範囲1302に正対する位置に配置され、その状態で、作業範囲1302が設定される。すると、コントローラ30(教示指令生成部304)は、作業範囲1302で傾斜方向に規定される複数のレーンごと(例えば、図中の5本の太線矢印)に、傾斜方向に設定される教示軸に沿ってバケット6が奥側から手前(上部旋回体3)側に移動し、且つ、バケット6の刃先(切土時)或いは背面(転圧時)が法面BSに沿って移動するように、アタッチメント(ブーム4、アーム5、及びバケット6)及び上部旋回体3を自動制御する。より具体的には、コントローラ30は、ブーム角度センサ40、アーム角度センサ42、及びバケット角度センサの検出信号に基づき、バケット6の刃先や背面の位置を把握しながら、アタッチメント及び上部旋回体3の動作を自動制御する。これにより、作業範囲1302が設定されるだけで、ショベル500に、作業範囲1302に対する法面BSの施工作業を全自動で行わせることができる。このとき、作業範囲1302は、例えば、オペレータ等による操作入力を受け付けることにより設定されてもよいし、例えば、作業範囲1302に対応するデータが、通信装置を通じて所定の外部装置から受信されることにより設定されてもよい。また、バケット6が平面視で教示軸に沿って移動するレーンは、例えば、作業範囲1302の設定と併せて予め設定されていてもよいし、上部旋回体3から見た作業範囲1302の左右幅等に応じて、コントローラ30が自動的に導出する態様であってもよい。
【0132】
また、コントローラ30は、例えば、ショベル500に搭載される上部旋回体3の前方の空間を認識可能な空間認識装置による認識結果に基づき、法面BSの施工状況を把握し、所定の品質での法面BSの施工が完了するまで、法面BSの施工作業を継続させる。これにより、作業範囲1302が設定されるだけで、作業範囲1302における法面BSの施工作業を、所定の品質に到達するまで、換言すれば、施工完了まで、ショベル500に全自動で行わせることができる。このとき、空間認識装置には、例えば、単眼カメラ、LIDAR(Light Detecting and Ranging )、ミリ波レーダ、ステレオカメラ、距離画像カメラ、超音波センサ、赤外線センサ等が含まれうる。
【0133】
尚、同様の全自動制御は、当然の如く、法面の施工作業だけでなく、掘削作業や均し作業等(例えば、図4参照)の任意の作業に適用されうる。
【0134】
[作用]
このように、本実施形態では、コントローラ30(教示指令生成部304)は、バケット6が平面視で所定の動作を行うように、上部旋回体3の旋回動作を制御する。
【0135】
これにより、コントローラ30は、アタッチメントによる作業時において、バケット6の位置を上部旋回体3から見て、前後方向だけでなく、左右方向にも移動させるような所定の動作を行わせることができる。よって、ショベル500の作業の幅を広げることができ、ショベル500の作業効率を向上させることができる。
【0136】
尚、本実施形態では、バケット6がエンドアタッチメントとして用いられるが、バケット6以外のエンドアタッチメントが採用されてもよい。
【0137】
また、本実施形態では、コントローラ30(教示指令生成部304)は、オペレータの操作、具体的には、オペレータによるブーム4及びアーム5を含むアタッチメントの操作に応じて、バケット6が平面視で所定の動作(以下、便宜的に「教示動作」)を行うように、アタッチメントの動作に合わせて、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。
【0138】
これにより、コントローラ30は、オペレータの操作に応じたアタッチメントの動作に合わせて、上部旋回体3を動作させて、具体的に、所定の教示動作を行わせることができる。
【0139】
また、本実施形態では、コントローラ30(教示指令生成部304)は、所定の作業範囲(例えば、作業範囲1302)が設定された場合、バケット6が作業範囲に所定の加工(例えば、法面BSの成形)を施すように、アタッチメント及び上部旋回体3の動作を自動的に制御してよい。
【0140】
これにより、ショベル500において、作業範囲が予め設定されるだけで、ショベル500に、自動的に、且つ、効率的に、当該作業範囲に所定の加工を施させることができる。
【0141】
また、本実施形態では、コントローラ30(教示指令生成部304)は、オペレータの操作に応じたアタッチメントの前後方向への移動に合わせて、バケット6が平面視で左右方向への移動を繰り返すように、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。
【0142】
これにより、ショベル500は、アタッチメントの動作に合わせて、バケット6の幅よりも広い範囲を対象として、施工作業を行うことができるため、作業効率を更に向上させることができる。
【0143】
また、本実施形態では、コントローラ30(教示指令生成部304)は、施工対象が法面である場合に、バケット6が平面視で所定の教示動作を行うように、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。
【0144】
これにより、施工対象が法面である場合のショベル500の作業効率を向上させることができる。
【0145】
また、本実施形態では、コントローラ30(教示指令生成部304)は、オペレータの操作、具体的には、オペレータによるブーム4及びアーム5を含むアタッチメントの操作に応じて、バケット6が平面視で所定軸(教示軸)に沿って移動するように、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。
【0146】
これにより、オペレータは、レバー26A,26Bによりブーム4及びアーム5等のアタッチメントを操作するだけで、バケット6を教示軸に沿って移動させることができる。特に、オペレータは、ショベル500から見た平面視のバケット6の移動方向と、所定軸に沿う方向、即ち、施工方向とが一致しないような場合であっても、アタッチメントに対応するレバー26A,26Bの操作だけで、所定の施工方向に沿ってバケット6を移動させることができる。従って、例えば、比較的広い施工面において、所定軸に沿って直線的な掘削作業や均し作業等を繰り返し行う場合に、平面視で見たときのショベル500の配置に依らず、アタッチメントの操作のみで、直線的な施工を行うことができるため、オペレータの作業性が向上し、施工作業の作業効率を向上させることができる。また、下部走行体1を自走させることにより、ショベル500を移動させながら、直線的な施工を繰り返すような場合に比して、下部走行体1を自走させる必要がないため、ショベル500のエネルギ効率、つまり、燃消費率を向上させることができる。また、オペレータは、ブーム4、アーム5等のアタッチメントの操作、具体的には、アタッチメントの高さ方向の操作だけに集中することができるため、施工作業の精度向上を図ることができる。また、所定軸に沿って直線的な施工作業が繰り返されることにより、施工面の仕上がりをよりきれいにすることができるため、施工品質の向上を図ることができる。
【0147】
また、本実施形態では、バケット位置情報取得部302は、下部走行体1を基準とするバケット6の位置に関するバケット位置情報を取得する。そして、教示指令生成部304は、バケット位置情報取得部302により取得されるバケット位置情報に基づき、バケット6が平面視で所定軸(教示軸)に沿って移動するように、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。
【0148】
これにより、教示指令生成部304は、バケット位置情報の変化をモニタリングしながら、バケット6が平面視で教示軸に沿って移動するように、上部旋回体3の旋回動作を制御することができる。
【0149】
また、本実施形態では、ブーム角度センサ40は、上部旋回体3に対するブーム4の角度を検出し、アーム角度センサ42は、ブーム4に対するアーム5の角度と検出する。そして、バケット位置情報取得部302は、ブーム角度センサ40及びアーム角度センサ42の検出結果に基づき、バケット位置情報を取得してよい。
【0150】
これにより、バケット位置情報取得部302は、既知のブーム4及びアーム5のリンク長と、ブーム角度及びアーム角度に基づき、下部走行体1に対する相対的なバケット位置情報を取得することができる。
【0151】
尚、例えば、下部走行体1或いは上部旋回体3にミリ波レーダ、LIDAR等の距離センサや画像センサ(カメラ)を含む他のセンサを搭載し、他のセンサの検出結果からバケット位置情報を取得してもよい。
【0152】
また、本実施形態では、バケット位置情報取得部302は、バケット位置情報として、下部走行体1に対する上部旋回体3の旋回中心軸からの距離の測定値と、上部旋回体3の旋回角度の測定値とを取得してよい。
【0153】
これにより、バケット位置情報取得部302は、具体的に、バケット位置情報として、平面視で見たときの上部旋回体3の下部走行体1に対する旋回中心軸を原点とする平面極座標系における動径座標(旋回中心軸からの距離)及び角度座標(旋回角度)を取得できる。
【0154】
また、本実施形態では、教示指令生成部304は、バケット位置情報取得部302により取得される旋回中心軸からの距離、及び旋回角度の測定値に基づき、バケット6が平面視で所定軸(教示軸)に沿って移動するように、旋回角度の目標値を算出すると共に、上部旋回体3の旋回角度が算出した目標値になるように、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。
【0155】
これにより、教示指令生成部304は、具体的に、旋回角度の目標値(目標旋回角度)を算出し、バケット6が平面視で教示軸に沿って移動するように、上部旋回体3の位置制御を行うことができる。
【0156】
また、本実施形態では、ショベル500の動作モードを、教示指令生成部304により自動的に上部旋回体3を旋回させる"自動モード"に移行させる自動モードスイッチ48が設けられる。そして、教示指令生成部304は、自動モードスイッチ48に対する操作入力に基づき、"自動モード"が設定されている場合に、オペレータによるブーム4及びアーム5を含むアタッチメントの操作に応じて、バケット6が平面視で所定軸(教示軸)に沿って移動するように、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。
【0157】
これにより、オペレータは、自動モードスイッチ48に対する自らの操作によって、自動モードの設定及び解除を行うことができる。従って、所定軸に沿って直線的な施工作業を繰り返し行う場合に、次の施工作業に移行する際、自動モードスイッチ48を操作し、自動モードを解除することにより、上部旋回体3を自ら操作し、次の施工作業の開始位置にバケット6を移動させることができる。
【0158】
また、本実施形態では、ショベル500の動作モードを、所定軸(教示軸)を設定可能な"教示モード"に移行させる教示モードスイッチ44が設けられる。そして、教示データ設定部303は、教示モードスイッチ44に対する操作入力に基づき、教示モードが設定されている場合に、オペレータによるブーム4及びアーム5を含むアタッチメントの操作に応じて、所定軸(教示軸)を設定してよい。
【0159】
これにより、オペレータは、自らの操作により、教示軸を設定することができる。
【0160】
また、本実施形態では、教示データ設定部303は、教示モードスイッチ44に対する操作入力に基づき、"教示モード"が設定されている場合に、オペレータによるブーム4及びアーム5の操作に応じて、バケット6の第1の位置(第1の端点)関する位置情報と、第1の位置と異なるバケット6の第2の位置(第2の端点)に関する位置情報を取得する。そして、教示データ設定部303は、第1の位置及び第2の位置に関する位置情報に基づき、所定軸(教示軸)を設定してよい。
【0161】
これにより、教示データ設定部303は、例えば、オペレータがブーム4及びアーム5を含むアタッチメントを操作し、バケット6を移動させたときの異なる二点の位置情報を取得し、二点を結ぶ線分やベクトルとして、教示軸を設定することができる。
【0162】
また、本実施形態では、ショベル500が位置する作業面の傾斜を検出する傾斜センサが設けられる。そして、教示指令生成部304は、傾斜センサに基づき、バケット6が平面視で所定軸(教示軸)に沿って移動するように、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。
【0163】
これにより、教示指令生成部304は、作業面の傾斜により、オペレータの操作によるブーム4及びアーム5等のアタッチメントの動作速度等が変化しうるところ、作業面の傾斜の測定値を考慮して、上部旋回体3の旋回動作を制御することができる。従って、教示指令生成部304は、ショベル500の作業面の傾斜に依らず、適切に、バケット6が平面視で所定軸(教示軸)に沿って移動するように、上部旋回体3の旋回動作を制御することができる。
【0164】
また、本実施形態では、上部旋回体3を駆動する旋回用電動機21を更に備え、教示指令生成部304は、旋回用電動機21を制御することにより、上部旋回体3の旋回動作を制御してよい。
【0165】
これにより、旋回用電動機21の電気的な位置制御により、比較的簡単に、上部旋回体3の旋回自動制御を実現することができる。また、旋回用電動機21は、駆動指令に対するレスポンスが比較的高いため、バケット6の平面視での教示軸への追従性を向上させることができる。
【0166】
尚、本実施形態において、旋回用電動機21の代わりに、上部旋回体3を油圧駆動する旋回油圧モータが採用されてもよい。この場合、コントロールバルブ17には、該旋回油圧モータにメインポンプ14からの作動油を供給する方向制御弁(以下、「旋回用方向制御弁」と称する)が追加される。また、通常指令生成部301及び教示指令生成部304は、それぞれ、通常指令及び教示指令として、当該旋回油圧モータを駆動する制御指令、具体的には、旋回用方向制御弁を制御するための制御指令を生成する。そして、制御指令出力判定部305は、上述した実施形態と同様、通常指令及び教示指令の何れか一方を、旋回用方向制御弁(電気駆動の場合)或いは旋回用方向制御弁のパイロット圧を制御する減圧弁(パイロット圧駆動の場合)に出力するようにすればよい。
【0167】
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0168】
最後に、本願は、2017年9月8日に出願した日本国特許出願2017-172830号に基づく優先権を主張するものであり、これらの日本国特許出願の全内容を本願に参照により援用する。
【符号の説明】
【0169】
1 下部走行体(走行体)
1A 走行油圧モータ
1B 走行油圧モータ
2 旋回機構
3 上部旋回体(旋回体)
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
11 エンジン
11a エンジン回転数センサ
12 電動発電機
13 減速機
14 メインポンプ
15 パイロットポンプ
16 高圧油圧ライン
17 コントロールバルブ
18A インバータ
18B インバータ
19 キャパシタ
21 旋回用電動機
21s 電流センサ
22 レゾルバ
23 メカニカルブレーキ
24 旋回減速機
25 パイロットライン
26 操作装置
26A レバー
26B レバー
26C ペダル
27 油圧ライン
28 油圧ライン
29 圧力センサ
30 コントローラ
40 ブーム角度センサ
42 アーム角度センサ
44 教示モードスイッチ
46 教示データ設定スイッチ
48 自動モードスイッチ
75 エンジンコントロールモジュール
100 DCバス
110 昇降圧コンバータ
120 蓄電系
200 旋回制御装置
301 通常指令生成部
302 バケット位置情報取得部
303 教示データ設定部
304 教示指令生成部(制御部)
305 制御指令出力判定部
500 ショベル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B