(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】エアロゾル吸引器用の電源ユニット、エアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/04 20060101AFI20231107BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20231107BHJP
【FI】
H02J7/04 L
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2020044751
(22)【出願日】2020-03-13
(62)【分割の表示】P 2020003746の分割
【原出願日】2019-02-28
【審査請求日】2022-02-28
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年1月17日、日本たばこ産業株式会社の本社において記者会見を行い、「プルーム・テック・プラス」と称するエアロゾル吸引器について発表した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年1月17日、日本たばこ産業株式会社のウェブサイトにて、「プルーム・テック・プラス」と称するエアロゾル吸引器について公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年1月29日、日本たばこ産業株式会社が国内の複数の店舗にて、「プルーム・テック・プラス」と称するエアロゾル吸引器を販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年2月6日、日本たばこ産業株式会社が宮城県内の店舗にて、「プルーム・テック・プラス」と称するエアロゾル吸引器を販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年2月15日、日本たばこ産業株式会社が愛知県内の店舗にて、「プルーム・テック・プラス」と称するエアロゾル吸引器を販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年2月21日、日本たばこ産業株式会社が東京都内の店舗にて、「プルーム・テック・プラス」と称するエアロゾル吸引器を販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年1月17日、日本たばこ産業株式会社の本社にて「プルーム・テック・プラス」と称するエアロゾル吸引器の試供品を配布した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 剛志
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518733(JP,A)
【文献】特開平11-111350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷に放電可能な、且つ、前記ケースに収容される電源と、
前記電源の温度を測定するために前記ケースに収容される温度測定部と、
前記温度測定部の測定値が第一閾値以上の場合に前記電源に供給される
充電電流の実効値を、前記測定値が前記第一閾値未満の場合に前記電源に供給される
充電電流の実効値よりも低い値に制御する制御装置と、を備えるエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【請求項2】
前記制御装置は、単位時間に占める前記電源への充電電流の供給時間を制御することにより、前記電源に供給される充電電流の実効値を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【請求項3】
前記制御装置は、前記温度測定部の測定値が前記第一閾値以上となったことに応じて、単位時間に占める前記電源への前記充電電流の供給時間が、前記温度測定部の測定値が前記第一閾値未満の場合の単位時間に占める前記電源への前記充電電流の供給時間より短くなるように制御する、ことを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル吸引器用の電源ユニットと、エアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御方法及びプログラムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル生成源と、このエアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷と、この負荷に放電可能な電源と、この電源を制御する制御部と、を備えるエアロゾル吸引器が知られている(例えば、特許文献1-4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2017/0250552号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0173124号明細書
【文献】特表2017-518733号公報
【文献】特開2017-079747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル吸引器は頻繁に使用されるため、その電源の劣化を抑制することが求められる。電源の充電を行う充電装置においては、特許文献3、4に開示されているように、電源の温度に応じて充電制御を行うものが知られている。このような充電装置では、例えば、電源が高温になると、充電を終了させて電源の保護を図ることが行われる。しかし、早期に充電が終了されてしまうと、エアロゾル吸引器の使用可能時間が短くなるため、ユーザの利便性を損なう。特許文献1,2には、電源の温度を取得することは記載されているものの、その温度に基づく充電制御の具体的な態様は示されていない。特許文献3、4には、電源が高温のときに充電を終了させることは開示されているが、充電が早期に終了されるのを防ぐ方法については開示していない。
【0005】
本発明の目的は、電源の充電をできる限り継続可能としてエアロゾル吸引器の使用時間を延ばすことを可能とするエアロゾル吸引器用の電源ユニット、エアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエアロゾル吸引器用の電源ユニットは、ケースと、エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷に放電可能な、且つ、前記ケースに収容される電源と、前記電源の温度を測定するために前記ケースに収容される温度測定部と、前記温度測定部の測定値が第一閾値以上の場合に前記電源に供給される第一の電力又は電力量を、前記測定値が前記第一閾値未満の場合に前記電源に供給される第二の電力又は電力量よりも低い値に制御する制御装置と、を備えるものである。
【0007】
本発明のエアロゾル吸引器用の電源ユニットは、エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷に放電可能な電源と、前記電源の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部の測定値が第一閾値以上の場合に前記電源に供給される第一の電力又は電力量を、前記測定値が前記第一閾値未満の場合に前記電源に供給される第二の電力又は電力量よりも低い値に制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記測定値が前記第一閾値よりも大きな第二閾値以上の場合に、前記電源の充電を停止させ、前記第二閾値から前記第一閾値を減算した値は、前記温度測定部による前記温度の測定誤差の絶対値以上であるものである。
【0008】
本発明のエアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御方法は、ケースと、エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷に放電可能な、且つ、前記ケースに収容された電源と、前記電源の温度を測定するために前記ケースに収容された温度測定部と、を備えるエアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御方法であって、前記温度測定部により前記電源の温度を測定する温度測定ステップと、前記温度の測定値が第一閾値以上の場合に前記電源に供給される第一の電力又は電力量を、前記測定値が前記第一閾値未満の場合に前記電源に供給される第二の電力又は電力量よりも小さい値に制御するステップと、を備えるものである。
【0009】
本発明のエアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御プログラムは、ケースと、エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷に放電可能な、且つ、前記ケースに収容された電源と、前記電源の温度を測定するために前記ケースに収容された温度測定部と、を備えるエアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御プログラムであって、前記温度測定部により前記電源の温度を測定する温度測定ステップと、前記温度の測定値が第一閾値以上の場合に前記電源に供給される第一の電力又は電力量を、前記測定値が前記第一閾値未満の場合に前記電源に供給される第二の電力又は電力量よりも小さい値に制御するステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【0010】
本発明のエアロゾル吸引器用の電源ユニットは、エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷に放電可能な電源と、前記電源の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部の測定値が第一閾値以上の場合に前記電源に供給される第一の電力又は電力量を、前記測定値が前記第一閾値未満の場合に前記電源に供給される第二の電力又は電力量よりも低い値に制御する制御装置と、入力される電力を前記電源の充電電力に変換する充電器と、を備え、前記充電器は、接続された素子の温度を検出するために設けられた情報入力部を有し、前記情報入力部から入力される入力値に基づいて、第一充電電圧と前記第一充電電圧よりも低い第二充電電圧とのいずれかを前記電源に供給可能に構成され、前記情報入力部には、前記入力値の1つとして予め決められた固定値が入力可能に構成され、前記固定値は、前記第二充電電圧を前記電源に供給させるための値であり、前記充電器と前記制御装置のうちの前記制御装置のみが、前記温度測定部により測定された前記温度を取得し、前記制御装置は、前記温度に基づいて、前記情報入力部への前記固定値の入力と非入力とを選択的に行うことで、前記充電器から前記電源に供給させる前記電力又は電力量の制御を行うエアロゾル吸引器用の電源ユニット。ものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電源の充電をできる限り継続可能としてエアロゾル吸引器の使用時間を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態の電源ユニットが装着されたエアロゾル吸引器の斜視図である。
【
図2】
図1のエアロゾル吸引器の他の斜視図である。
【
図4】
図1のエアロゾル吸引器における電源ユニットの斜視図である。
【
図5】
図1のエアロゾル吸引器における電源ユニットの要部構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1のエアロゾル吸引器における電源ユニットの要部回路構成を示す模式図である。
【
図7】
図5に示す充電制御部の制御内容を示すタイミングチャートである。
【
図8】
図1のエアロゾル吸引器における電源の充電時の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態のエアロゾル吸引器用の電源ユニットについて説明するが、先ず、電源ユニットが装着されたエアロゾル吸引器について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0014】
(エアロゾル吸引器)
エアロゾル吸引器1は、燃焼を伴わずに香味が付加されたエアロゾルを吸引するための器具であり、所定方向(以下、長手方向Aと呼ぶ)に沿って延びる棒形状を有する。エアロゾル吸引器1は、長手方向Aに沿って電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、がこの順に設けられている。第1カートリッジ20は、電源ユニット10に対して着脱可能である。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に対して着脱可能である。言い換えると、第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30は、それぞれ交換可能である。
【0015】
(電源ユニット)
本実施形態の電源ユニット10は、
図3、
図4、
図5、及び
図6に示すように、円筒状の電源ユニットケース11の内部に、電源12、充電IC(Integrated Circuit)55、MCU(Micro Controller Unit)50、スイッチ19、温度センサ17、及び各種センサ等を収容する。MCU50は、その最短制御周期(最大動作クロック数の逆数)が、充電IC55の最短制御周期よりも大きなものが用いられている。
【0016】
電源12は、充電可能な二次電池、電気二重層キャパシタ等であり、好ましくは、リチウムイオン電池である。
【0017】
温度センサ17は、例えば、温度に応じて抵抗値が変化する温度検出用の素子、具体的にはNTS(Negative Temperature Coefficient)サーミスタにより構成される。温度センサ17は、電源12の温度を検出するためにものであり、電源12に近接して配置されている。
【0018】
電源ユニットケース11の長手方向Aの一端側(第1カートリッジ20側)に位置するトップ部11aには、放電端子41が設けられる。放電端子41は、トップ部11aの上面から第1カートリッジ20に向かって突出するように設けられ、第1カートリッジ20の負荷21と電気的に接続可能に構成される。また、トップ部11aの上面には、放電端子41の近傍に、第1カートリッジ20の負荷21に空気を供給する空気供給部42が設けられている。
【0019】
電源ユニットケース11の長手方向Aの他端側(第1カートリッジ20と反対側)に位置するボトム部11bには、外部電源と電気的に接続可能な充電端子43が設けられる。充電端子43は、ボトム部11bの側面に設けられ、例えば、USB端子、microUSB端子、及びLightning端子(登録商標)の少なくとも1つが接続可能である。
【0020】
なお、充電端子43は、外部電源から送電される電力を非接触で受電可能な受電部であってもよい。このような場合、充電端子43(受電部)は、受電コイルから構成されていてもよい。非接触による電力伝送(Wireless Power Transfer)の方式は、電磁誘導型でもよいし、磁気共鳴型でもよい。また、充電端子43は、外部電源から送電される電力を無接点で受電可能な受電部であってもよい。別の一例として、充電端子43は、USB端子、microUSB端子、Lightning端子の少なくとも1つが接続可能であり、且つ上述した受電部を有していてもよい。
【0021】
電源ユニットケース11には、ユーザが操作可能な操作部14が、トップ部11aの側面に充電端子43とは反対側を向くように設けられる。より詳述すると、操作部14と充電端子43は、操作部14と充電端子43を結ぶ直線と長手方向Aにおける電源ユニット10の中心線の交点について点対称の関係にある。操作部14は、ボタン式のスイッチ、タッチパネル等から構成される。操作部14の近傍には、パフ動作を検出する吸気センサ15が設けられている。
【0022】
充電IC55は、例えば充電端子43に近接して配置され、外部電源から充電端子43に入力される電力を電源12の充電電力に変換し、電源12に供給する制御を行う。
【0023】
MCU50は、
図5に示すように、パフ(吸気)動作を検出する吸気センサ15、電源12の電源電圧を測定する電圧センサ16、電源12の温度を測定するために設けられた温度センサ17等の各種センサ装置、操作部14、報知部45、及びパフ動作の回数又は負荷21への通電時間等を記憶するメモリー18に接続され、エアロゾル吸引器1の各種の制御を行う。MCU50は、具体的にはプロセッサを主体に構成されており、プロセッサの動作に必要なRAM(Random Access Memory)と各種情報を記憶するROM(Read Only Memory)等の記憶媒体を更に含む。本明細書におけるプロセッサとは、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0024】
また、電源ユニットケース11には、内部に外気を取り込む不図示の空気の取込口が設けられている。なお、空気取込口は、操作部14の周囲に設けられていてもよく、充電端子43の周囲に設けられていてもよい。
【0025】
(第1カートリッジ)
図3に示すように、第1カートリッジ20は、円筒状のカートリッジケース27の内部に、エアロゾル源22を貯留するリザーバ23と、エアロゾル源22を霧化する電気的な負荷21と、リザーバ23から負荷21へエアロゾル源を引き込むウィック24と、エアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルが第2カートリッジ30に向かって流れるエアロゾル流路25と、第2カートリッジ30の一部を収容するエンドキャップ26と、を備える。
【0026】
リザーバ23は、エアロゾル流路25の周囲を囲むように区画形成され、エアロゾル源22を貯留する。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿等の多孔体が収容され、且つ、エアロゾル源22が多孔体に含浸されていてもよい。エアロゾル源22は、グリセリン、プロピレングリコール、又は水などの液体を含む。
【0027】
ウィック24は、リザーバ23から毛管現象を利用してエアロゾル源22を負荷21へ引き込む液保持部材であって、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミックなどによって構成される。
【0028】
負荷21は、電源12から放電端子41を介して供給される電力によって燃焼を伴わずにエアロゾル源22を霧化する。負荷21は、所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成されている。なお、負荷21は、エアロゾル源22を霧化してエアロゾルを発生可能な素子であればよく、例えば、発熱素子、又は超音波発生器である。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
【0029】
エアロゾル流路25は、負荷21の下流側であって、電源ユニット10の中心線L上に設けられる。
【0030】
エンドキャップ26は、第2カートリッジ30の一部を収容するカートリッジ収容部26aと、エアロゾル流路25とカートリッジ収容部26aとを連通させる連通路26bと、を備える。
【0031】
(第2カートリッジ)
第2カートリッジ30は、香味源31を貯留する。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20側の端部が第1カートリッジ20のエンドキャップ26に設けられたカートリッジ収容部26aに着脱可能に収容される。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20側とは反対側の端部が、ユーザの吸口32となっている。なお、吸口32は、第2カートリッジ30と一体不可分に構成される場合に限らず、第2カートリッジ30と着脱可能に構成されてもよい。このように吸口32を電源ユニット10と第1カートリッジ20とは別体に構成することで、吸口32を衛生的に保つことができる。
【0032】
第2カートリッジ30は、負荷21によってエアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルを香味源31に通すことによってエアロゾルに香味を付与する。香味源31を構成する原料片としては、刻みたばこ、又は、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。香味源31は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源31には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
【0033】
本実施形態のエアロゾル吸引器1では、エアロゾル源22と香味源31と負荷21とによって、香味が付加されたエアロゾルを発生させることができる。つまり、エアロゾル源22と香味源31は、エアロゾルを発生させるエアロゾル生成源を構成している。
【0034】
エアロゾル吸引器1におけるエアロゾル生成源は、ユーザが交換して使用する部分である。この部分は、例えば、1つの第1カートリッジ20と、1つ又は複数(例えば5つ)の第2カートリッジ30とが1セットとしてユーザに提供される。
【0035】
エアロゾル吸引器1に用いられるエアロゾル生成源の構成は、エアロゾル源22と香味源31とが別体になっている構成の他、エアロゾル源22と香味源31とが一体的に形成されている構成、香味源31が省略されて香味源31に含まれ得る物質がエアロゾル源22に付加された構成、香味源31の代わりに薬剤等がエアロゾル源22に付加された構成等であってもよい。
【0036】
エアロゾル源22と香味源31とが一体的に形成されたエアロゾル生成源を含むエアロゾル吸引器1であれば、例えば1つ又は複数(例えば20個)のエアロゾル生成源が1セットとしてユーザに提供される。
【0037】
エアロゾル源22のみをエアロゾル生成源として含むエアロゾル吸引器1であれば、例えば1又は複数(例えば20個)のエアロゾル生成源が1セットとしてユーザに提供される。
【0038】
このように構成されたエアロゾル吸引器1では、
図3中の矢印Bで示すように、電源ユニットケース11に設けられた不図示の取込口から流入した空気が、空気供給部42から第1カートリッジ20の負荷21付近を通過する。負荷21は、ウィック24によってリザーバ23から引き込まれたエアロゾル源22を霧化する。霧化されて発生したエアロゾルは、取込口から流入した空気と共にエアロゾル流路25を流れ、連通路26bを介して第2カートリッジ30に供給される。第2カートリッジ30に供給されたエアロゾルは、香味源31を通過することで香味が付与され、吸口32に供給される。
【0039】
また、エアロゾル吸引器1には、各種情報を報知する報知部45が設けられている(
図5参照)。報知部45は、発光素子によって構成されていてもよく、振動素子によって構成されていてもよく、音出力素子によって構成されていてもよい。報知部45は、発光素子、振動素子、及び音出力素子のうち、2以上の素子の組合せであってもよい。報知部45は、電源ユニット10、第1カートリッジ20、及び第2カートリッジ30のいずれに設けられてもよいが、電源ユニット10に設けられることが好ましい。例えば、操作部14の周囲が透光性を有し、LED等の発光素子によって発光するように構成される。
【0040】
(電気回路)
続いて、電源ユニット10の電気回路の詳細について
図6を参照しながら説明する。
電源ユニット10は、主要な構成要素として、電源12と、温度センサ17と、スイッチ19と、放電端子41を構成する正極側放電端子41a及び負極側放電端子41bと、充電端子43を構成する正極側充電端子43a及び負極側充電端子43bと、MCU50と、充電IC55と、抵抗素子又はトランジスタ等の抵抗値を持つ素子により構成された抵抗器61,62と、MOSFET等のトランジスタ等により構成されたスイッチ63,64と、抵抗素子65と、を備える。
【0041】
本形態においては、充電IC55として、Texas Instruments 社の“BQ24040DSQT”を用いた例を示すが、これに限定されるものではない。充電IC55は、外部と電気的に接続するためのピンとして、INピン(図中の“IN”にて示す)、OUTピン(図中の“OUT”にて示す)、TSピン(図中の“TS”にて示す)、#CHGピン(図中の“#CHG”にて示す)、及びEPピン(図中の“EP”にて示す)を含む複数のピンを有している。なお本形態においては、充電IC55の有するピンのうち要部のみ記載している点に留意されたい。
【0042】
また、本形態においては、MCU50として、Microchip Technology 社の“PIC16F18346”を用いた例を示すが、これに限定されるものではない。MCU50は、外部と電気的に接続するためのピンとして、Vddピン(図中の“Vdd”にて示す)、RA4ピン(図中の“RA4”にて示す)、#RC3ピン(図中の “#RC3”にて示す)、#RC4ピン(図中の“#RC4”にて示す)、#RC5ピン(図中の“#RC5”にて示す)、RB7ピン(図中の“RB7”にて示す)、及びEPピン(図中の“EP”にて示す)を含む複数のピンを有している。なお本形態においては、MCU50の有するピンのうち要部のみを記載している点に留意されたい。
【0043】
充電IC55のINピンは、充電端子43から供給される電力(充電電力を生成するための電力)の入力端子である。充電IC55のINピンは、正極側充電端子43aに接続されている。
【0044】
充電IC55のOUTピンは、充電IC55により生成された充電電力の出力端子である。充電IC55のOUTピンには、電源ライン60Vが接続されている。この電源ライン60Vは、スイッチ19を介して正極側放電端子41aに接続されている。
【0045】
充電IC55のEPピンは、接地端子である。充電IC55のEPピンは、負極側充電端子43bと負極側放電端子41bとを接続する接地ライン60Eに接続されている。
【0046】
充電IC55の#CHGピンは、充電中、充電停止中、及び充電完了等の充電状態の情報を出力する端子である。充電IC55の#CHGピンは、MCU50の#RC5ピンに接続されている。
【0047】
充電IC55のTSピンは、ここに接続される抵抗器に印加される電圧値(この抵抗器の抵抗値に応じた電圧値)を入力するための端子である。このTSピンに入力された電圧値から、このTSピンに接続される抵抗器の抵抗値(換言すると、その抵抗器の温度)を検出することが可能である。TSピンに接続される抵抗器をサーミスタにすれば、TSピンに入力された電圧値から、TSピンに接続される抵抗器の温度を検出することが可能である。
【0048】
充電IC55は、TSピンに入力される電圧値に基づいて、OUTピンから出力する充電電圧を制御する機能を有している。具体的には、充電IC55は、TSピンに入力される電圧値に基づく温度が、閾値TH1未満の場合には、第一充電電圧をOUTピンから出力し、この温度が閾値TH1以上閾値TH2未満の場合には、第一充電電圧よりも小さい第二充電電圧をOUTピンから出力し、この温度が閾値TH2以上の場合には、OUTピンから充電電圧を出力させない、すなわち充電を停止する制御を行う。閾値TH1は例えば40℃であり、閾値TH2は例えば45℃である。
【0049】
TSピンに接続される抵抗器の温度が閾値TH1となる場合のこの抵抗器の電圧値をVmaxとし、TSピンに接続される抵抗器の温度が閾値TH2となる場合のこの抵抗器の電圧値をVminとする。TSピンに接続される抵抗器がNTCサーミスタである場合、抵抗器の温度が上がるほどその抵抗値は小さくなる。従って、Vmax>Vminの関係が成り立つ点に留意されたい。このように定義すると、充電IC55は、TSピンに入力される電圧値が、Vminより大きく且つVmax以下の既定範囲に含まれる場合には、第二充電電圧をOUTピンから出力し、TSピンに入力される電圧値がVmaxを超える場合には、第一充電電圧をOUTピンから出力し、TSピンに入力される電圧値がVmin以下となる場合には、充電を停止する。
【0050】
本形態の充電IC55のTSピンには、抵抗器61の一端が接続されている。抵抗器61の他端は、接地ライン60Eと接続されている。また、充電IC55のTSピンには、スイッチ63の一端が接続されている。スイッチ63の他端には抵抗器62の一端が接続されている。抵抗器62の他端は接地ライン60Eと接続されている。
【0051】
抵抗器61と抵抗器62は、それぞれ、予め決められた固定の抵抗値を持つものとなっている。抵抗器61と、スイッチ63及び抵抗器62の直列回路とは、TSピンに並列に接続されている。したがって、スイッチ63がオフ状態(非導通状態)においては、TSピンから抵抗器61に流れる電流によって生じる抵抗器61の電圧値V1が、TSピンに入力される。
【0052】
この電圧値V1は、抵抗器61の抵抗値が固定の値であることから、固定値となる。抵抗器61の抵抗値は、この電圧値V1が上述した既定範囲(Vminより大きく且つVmax以下)の任意の値となるように決められている。抵抗器61の抵抗値は、この既定範囲の中央値をVcとした場合に、電圧値V1がVcよりもVmaxに近い値となるように決めておくことが好ましい。これにより、TSピンに入力される電圧値がノイズや誤差によって変動しても、充電IC55による電源12の充電を継続できる。このように、電圧値V1が、充電IC55のOUTピンから第二充電電圧を出力させるための値となるように、抵抗器61の抵抗値は決められている。抵抗器61の抵抗値は、具体的には4.7kΩである。
【0053】
また、抵抗器62の抵抗値は、抵抗器61の抵抗値よりも十分に小さい値となっている。そのため、スイッチ63がオン状態(導通状態)においては、TSピンから抵抗器62に優先的に電流が流れ、この電流によって生じる抵抗器62の電圧値V2がTSピンに入力される。
【0054】
この電圧値V2は、抵抗器62の抵抗値が固定の値であることから、固定の値となっている。抵抗器62の抵抗値は、この電圧値V2がVmin以下の任意の値となるように決められている。このように、電圧値V2が、充電IC55による電源12の充電を停止させるための値となるように、抵抗器62の抵抗値は決められている。
【0055】
なお、抵抗器62は必須ではなく省略可能である。つまり、スイッチ63の他端が接地ライン60Eに直接接続される構成であってもよい。この場合には、スイッチ63がオン状態において、TSピンが接地される。そのため、TSピンに入力される電圧値をVmin以下とすることができる。したがって、スイッチ63をオン状態にすることで、充電IC55による電源12の充電を停止させることができる。また、抵抗器62を省略することでコストや重量を削減することができる。
【0056】
電源12は、正極側が電源ライン60Vに接続され、負極側が接地ライン60Eに接続されており、充電IC55のOUTピンから電源ライン60Vに出力された充電電圧の供給を受けて充電される。
【0057】
MCU50のVddピンは、電源端子であり、電源ライン60Vと接続されている。
【0058】
MCU50のEPピンは、接地端子であり、接地ライン60Eと接続されている。
【0059】
MCU50のRA4ピンは、スイッチ63と接続されており、スイッチ63の開閉制御を行うための端子として利用されている。
【0060】
MCU50のRB7ピンは、スイッチ19と接続されており、スイッチ19の開閉制御を行うための端子として利用されている。
【0061】
MCU50の#RC5ピンは、充電IC55の#CHGピンから充電IC55の充電状態を受け取るための端子として利用されている。
【0062】
MCU50の#RC4ピンは、スイッチ64と接続されており、スイッチ64の開閉制御を行うための端子として利用されている。スイッチ64は、一端が電源ライン60Vと接続され、他端が抵抗素子65の一端に接続されている。抵抗素子65の他端は、温度センサ17を構成するNTCサーミスタの一端に接続されている。温度センサ17を構成するNTCサーミスタの他端は接地ライン60Eに接続されている。
【0063】
MCU50の#RC3ピンは、電源12の温度を検出するための端子として利用されている。MCU50の#RC3ピンは、抵抗素子65と温度センサ17との接続点に接続されている。
【0064】
スイッチ64がオン状態(導通状態)の場合には、電源ライン60Vの電圧が抵抗素子65と温度センサ17によって分圧されて、温度センサ17に印加される電圧値がMCU50の#RC3ピンに入力される。MCU50は、後述するように、#RC3ピンに入力される電圧値に基づいて、電源12の温度を測定する機能を有している。
【0065】
なお、スイッチ64がオフ状態(非導通状態)の場合には、温度センサ17には電圧が供給されない。そのため、この場合には、MCU50は、電源12の温度は取得不能な状態になる。
【0066】
スイッチ19は、例えばMOSFET等の半導体素子により構成され、MCU50によって開閉制御される。
【0067】
図6に示した電源ユニット10の電気回路では、スイッチ19は電源12の正極側と正極側放電端子41aの間に設けられている。このような所謂プラスコントロールに代えて、スイッチ19は負極側放電端子41bと電源12の負極側に設けられるマイナスコントロールであってもよい。
【0068】
(MCU)
次にMCU50の構成について、より具体的に説明する。
MCU50は、
図5に示すように、ROMに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される機能ブロックとして、エアロゾル生成要求検出部51と、充電制御部52と、電力制御部53と、温度測定部54と、を備える。
【0069】
エアロゾル生成要求検出部51は、吸気センサ15の出力結果に基づいてエアロゾル生成の要求を検出する。吸気センサ15は、吸口32を通じたユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力(内圧)変化の値を出力するよう構成されている。吸気センサ15は、例えば、不図示の取込口から吸口32に向けて吸引される空気の流量(すなわち、ユーザのパフ動作)に応じて変化する内圧に応じた出力値(例えば、電圧値又は電流値)を出力する圧力センサである。吸気センサ15は、コンデンサマイクロフォン等から構成されていてもよい。
【0070】
電力制御部53は、エアロゾル生成要求検出部51がエアロゾル生成の要求を検出した際に、放電端子41を介した電源12の放電を、スイッチ19のON/OFFによって制御する。
【0071】
電力制御部53は、負荷21によってエアロゾル源が霧化されることで生成されるエアロゾルの量が所望範囲に収まるように、言い換えると、電源12から負荷21に供給される電力又は電力量が一定範囲となるように制御する。具体的に説明すると、電力制御部53は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御によってスイッチ19のON/OFFを制御する。これに代えて、電力制御部53は、PFM(Pulse Frequency Modulation:パルス周波数変調)制御によってスイッチ19のオン/オフを制御してもよい。
【0072】
電力制御部53は、エアロゾルを生成するために負荷21への電力供給を開始してから所定期間が経過した場合に、電源12から負荷21に対する電力供給を停止する。言い換えると、電力制御部53は、ユーザが実際にパフ動作を行っているパフ期間内であっても、パフ期間が所定期間を超えた場合に、電源12から負荷21に対する電力供給を停止する。所定期間は、ユーザのパフ期間のばらつきを抑制するために定められる。
【0073】
電力制御部53の制御により、1回のパフ動作において負荷21に流れる電流は、PWM制御によって負荷21に供給される略一定の実効電圧と、放電端子41と負荷21の抵抗値と、によって決まる略一定の値となる。本実施形態のエアロゾル吸引器1では、未使用の1つの第2カートリッジ30をユーザが使用してエアロゾルを吸引する際に、負荷21への累積通電時間が最大で例えば120秒となるよう制御される。そのため、1つの第2カートリッジ30を空(使用済み)にするために必要な最大の電力量を予め求めることができる。
【0074】
温度測定部54は、#RC3ピンに入力される温度センサ17の電圧値に基づいて、電源12の温度を測定する。
【0075】
充電制御部52は、温度測定部54によって測定した電源12の温度に基づいて、スイッチ63の開閉制御を行うことで、電源12に供給される充電電圧を制御する。
【0076】
図7は、充電制御部52の制御内容を示すタイミングチャートである。
図7に示すように、充電制御部52は、電源12の温度T
battが上記の閾値TH2(
図7の例では45℃とされている)以上となる場合には、スイッチ63に入力するスイッチ制御信号をハイレベルに固定して、スイッチ63をオン状態に固定する。スイッチ63がオン状態に固定されると、充電IC55のTSピンには、充電停止させるための電圧値V2が入力され続けるため、電源12の充電は停止されて、電源12の充電電流はゼロとなる。
【0077】
充電制御部52は、電源12の温度T
battが閾値TH3未満の場合には、スイッチ63に入力するスイッチ制御信号をローレベルに固定して、スイッチ63をオフ状態に固定する。閾値TH3は、上記の閾値TH2よりも小さく且つ閾値TH1(例えば40℃)よりも大きい値であり、
図7の例では43℃とされている。スイッチ63がオフ状態に固定されると、充電IC55のTSピンには、第二充電電圧を供給させるための電圧値V1が入力され続ける。このため、電源12には第二充電電圧が供給されて、電源12の充電電流はゼロよりも大きな既定値となる。
【0078】
充電制御部52は、電源12の温度Tbattが閾値TH3以上且つ閾値TH2未満の範囲にある場合には、スイッチ63に入力するスイッチ制御信号をローレベルとハイレベルに切り替える制御を行って、スイッチ63のスイッチングを行う。
【0079】
図7に示すように、充電制御部52は、予め決められた単位時間Tをスイッチング周期とし、この単位時間Tにおける一部の時間T1はスイッチ63をオン状態に制御し、単位時間Tにおける時間T1以外の時間T2はスイッチ63をオフ状態に制御する。このように、スイッチ63がスイッチング制御されることで、電源12の充電電流は、既定値とゼロとの間で交互に変化する。
【0080】
単位時間Tに占める時間T1(オン状態に制御する時間)の割合をDutyと定義すると、温度T
battが閾値TH3未満の状態においては、Duty=0%の制御が行われ、温度T
battが閾値TH3以上閾値TH2未満の状態においては、0%<Duty<100%の制御(
図7の例ではDuty=60%としている)が行われ、温度T
battが閾値TH2以上の状態においては、Duty=100%の制御が行われることになる。
【0081】
なお、スイッチ63をオン状態に制御すれば電源12の充電電流がゼロになることから、スイッチ63のDutyを反転すれば充電電流のDutyになる点に留意されたい。一例として、スイッチ63のDutyが0%であれば充電電流のDutyは100%となり、スイッチ63のDutyが60%であれば充電電流のDutyは40%となる。以下の説明では特に断りのない限り、Dutyとはスイッチ63のDutyを指すものとする。
【0082】
Duty=0%の制御が行われている期間においては、電源12に供給される有効電力(単位時間Tあたりにおける充電電流の仕事量の平均)P1が最大値となる。0%<Duty<100%の制御が行われている期間においては、電源12に供給される有効電力P2が、有効電力P1よりも低い値となる。Duty=100%の制御が行われている期間においては、電源12に供給される有効電力P3は、有効電力P2よりも低い値(最小値)となる。なお、有効電力P2は、有効電力P1に100%からDutyを減じた値を乗じた値(
図7の例では有効電力P1の0.4倍の値)となる。
【0083】
0%<Duty<100%の制御が行われる期間におけるDutyの値は、電源12の温度Tbattが閾値TH2に達しないように十分に小さな値が決められている。このDutyの値は、50%以上の値とすることが好ましく、60%以上の値とすることがより好ましい。このような値とすることで、温度Tbattが閾値TH2に到達する可能性を充分に低くすることができる。
【0084】
なお、有効電力に代えて充電制御部52は、所定期間(例えば単位時間T)に電源12へ供給される電力量を制御してもよい。電源ユニット10がDC/DCコンバータや平滑コンデンサを有する場合、有効電力に代えて充電制御部52は、電源12へ供給される電力量を制御してもよい。この場合、充電制御部52は、例えば、所定期間において、電源12に充電電流を常時供給すると共に、その充電電流の大きさを低下させることで、この所定期間において電源12に供給される電力量を小さくする。つまり、電源12の充電電流を、既定値と、既定値よりも小さい中間値と、ゼロとのいずれかに制御する。これにより、充電電流を既定値に制御した状態では、電力量を最大値とすることができ、充電電流を中間値に制御した状態では、電力量を最大値よりも小さな値とすることができ、充電電流をゼロに制御した状態では、電力量を最小値とすることができる。
【0085】
このDutyの値は固定値としてもよいが、温度Tbattの変動量に応じて変化する可変値としてもよい。例えば、温度Tbattの単位時間Tあたりの増加量が予め定めた値以上の場合には、この増加量がこの予め定めた値未満の場合よりも、Dutyの値を大きくする。このようにすることで、電源12の温度が閾値TH2に到達する可能性を減らして、電源12の充電継続時間を延ばすことができる。
【0086】
なお、閾値TH2から閾値TH3を減算して得られる値は、温度測定部54による電源12の温度の測定誤差の絶対値以上とすることが好ましい。温度測定部54による電源12の温度の測定誤差とは、温度センサ17が持つ抵抗値の温度による変動量の誤差と#RC3ピンに入力される電圧値の誤差を含めた誤差のことをいう。この測定誤差は、温度センサ17のゲイン誤差とオフセット誤差とヒステリシス誤差を含んだものであることが好ましい。この測定誤差はおおよそ±2℃である。
【0087】
MCU50は、上記機能ブロックの他に、報知制御部を備える。報知制御部は、各種情報を報知するように報知部45を制御する。例えば、報知制御部は、第2カートリッジ30の交換タイミングの検出に応じて、第2カートリッジ30の交換タイミングを報知するように報知部45を制御する。報知制御部は、メモリー18に記憶されたパフ動作の累積回数又は負荷21への累積通電時間に基づいて、第2カートリッジ30の交換タイミングを検出し、報知する。報知制御部は、第2カートリッジ30の交換タイミングの報知に限らず、第1カートリッジ20の交換タイミング、電源12の交換タイミング、電源12の充電タイミング等を報知してもよい。
【0088】
報知制御部は、未使用の1つの第2カートリッジ30がセットされた状態にて、パフ動作が所定回数行われた場合、又は、パフ動作による負荷21への累積通電時間が所定値(例えば120秒)に達した場合に、この第2カートリッジ30を使用済み(即ち、残量がゼロ又は空である)と判定して、第2カートリッジ30の交換タイミングを報知するようにしている。
【0089】
また、報知制御部は、上記の1セットに含まれる全ての第2カートリッジ30が使用済みとなったと判定した場合に、この1セットに含まれる1つの第1カートリッジ20を使用済み(即ち、残量がゼロ又は空である)と判定して、第1カートリッジ20の交換タイミングを報知するようにしてもよい。
【0090】
(電源の充電動作)
以上のように構成されたエアロゾル吸引器1における電源12の充電時の動作について、
図8のフローチャートを参照して説明する。
【0091】
充電端子43に充電ケーブルが接続され、この充電ケーブルが外部電源に接続されると、充電IC55の#CHGピンから充電開始の信号がMCU50の#RC5ピンに入力される。なお、充電開始の信号がMCU50の#RC5ピンに入力される前の状態においては、スイッチ63とスイッチ64はオフ状態となっている。つまり、充電開始されると、充電IC55のTSピンには抵抗器61の抵抗値に応じた電圧値V1が入力されることとなり、電源12は第二充電電圧によって充電される。
【0092】
充電開始の信号がMCU50の#RC5ピンに入力された後、MCU50は、周期的に電源12の温度を測定する。具体的には、MCU50は、自装置の最短制御周期よりも長い周期(好ましくは、上述した単位時間Tと同じ時間)、または、自装置の最大動作頻度よりも低い頻度、或いは、最大動作クロック数よりも少ない動作クロック数にて電源12の温度の取得を行う。そして、電源12の温度の取得タイミングになると、MCU50は、スイッチ64をオン状態に制御し、#RC3ピンに入力される電圧値に基づいて電源12の温度Tbattを取得し、その後、スイッチ64をオフ状態に制御する(ステップS1)。
【0093】
そして、MCU50は、取得した温度Tbattが閾値TH2未満であるか否かを判定する(ステップS2)。MCU50は、温度Tbattが閾値TH2以上であれば(ステップS2:NO)、スイッチ63をオン状態に固定する、すなわち、Duty=100%の制御を行う(ステップS6)。この制御により、充電IC55のTSピンには、抵抗器62の抵抗値に応じた電圧値V2が入力される。そして、充電IC55は電源12への充電電圧の供給を停止する。
【0094】
ステップS6の後、MCU50は、電源12の温度が保護温度に達したことを充電IC55に通知する(ステップS7)。充電IC55は、この通知を受けると、#CHGピンから充電停止の信号を送出し、MCU50がこの信号を受けてスイッチ63をオフ状態に戻す。なお、ステップS6とステップS7の順番は逆でもよいし、ステップS6とステップS7が同時に行われてもよい。
【0095】
MCU50は、温度Tbattが閾値TH2未満であった場合(ステップS2:YES)には、この温度Tbattが閾値TH3未満であるか否かを判定する(ステップS3)。MCU50は、温度Tbattが閾値TH3未満であれば(ステップS3:YES)、スイッチ63をオフ状態に固定する、すなわち、Duty=0%の制御を行う(ステップS4)。
【0096】
MCU50は、温度Tbattが閾値TH3以上である場合(ステップS3:NO)には、スイッチ63を、例えばDuty=60%にてスイッチング制御する(ステップS5)。ステップS4とステップS5の後は、次の温度取得タイミングになると、ステップS1に処理が戻る。
【0097】
以上のように、
図6の電源ユニット10によれば、電源12の温度の測定値が閾値TH3以上となる場合には、この測定値が閾値TH3未満になる場合と比較して、電源12に供給される有効電力が低くなる。このため、電源12の温度が閾値TH2に到達する可能性を減らすことができ、電源12の充電を継続できる時間を延ばすことができる。この結果、エアロゾル吸引器1の使用可能時間を延ばすことができる。
【0098】
また、
図6の電源ユニット10によれば、電源12の温度の測定値が閾値TH2以上となる場合には、電源12の充電が停止される。このため、電源12を保護することができる。
【0099】
また、
図6の電源ユニット10では、電源12の温度が閾値TH3未満の状態においては、充電IC55が出力可能な最大の充電電圧である第一充電電圧よりも低い第二充電電圧によって電源12を充電する。このように、電源12を、低い充電電圧にて常時充電可能となることで、電源12の劣化を抑制することが可能となる。
【0100】
また、
図6の電源ユニット10によれば、このように電源12を低い充電電圧にて充電可能としながらも、スイッチ63の開閉制御によって、電源12に供給する有効電力を制御することができる。このため、安価な充電IC55を用いた場合でも、電源12の温度上昇を抑制することの可能な高精度の充電制御を行うことができる。
【0101】
また、
図6の電源ユニット10によれば、TSピンに可変抵抗器が接続されて使用されることを想定している充電IC55であっても、電源12を低い充電電圧のみで充電させる制御が可能となる。このため、低い充電電圧を生成する充電ICを新たに設計する必要がなく、電源ユニット10の製造コストを下げることができる。
【0102】
なお、
図6の電源ユニット10では、充電IC55のTSピンに接続される抵抗器の抵抗値が固定となるため、充電IC55によって電源12の温度を検出することはできない。しかし、MCU50が電源12の温度を取得し、この温度に基づいて電源12の充電制御を行う。このため、電源12の充電継続時間を延ばしたり、温度上昇による電源12の劣化を防いだりすることができる。
【0103】
また、MCU50は、自装置の最短制御周期よりも長い周期にて電源12の温度を取得する。このため、過度な頻度で電源12の温度が取得されず、消費電力を低減することができる。また、MCU50の計算資源を他の用途に活用することができる。
【0104】
また、MCU50は、スイッチ64の開閉制御によって、電源12の温度を取得可能な状態と、電源12の温度を取得不能な状態と、を切り替えることができる。このようにスイッチ64を用いた簡易な制御にて温度の取得が可能となるため、製造コストを抑制することができる。また、必要なタイミングにのみ、電源12の温度が取得できるため、消費電力を低減することができる。
【0105】
上述してきた
図6に示す電気回路において、接地ライン60Eは、接地された配線としているが、電源ユニット10内において最も低い電位の配線(主負母線)であればよく、接地されているものでなくてもよい。
【0106】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0107】
(1)
エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷(負荷21)に放電可能な電源(電源12)と、
前記電源の温度を測定する温度測定部(温度測定部54)と、
前記温度測定部の測定値が第一閾値(閾値TH3)以上の場合に前記電源に供給される第一の電力(有効電力P2)又は電力量を、前記測定値が前記第一閾値未満の場合に前記電源に供給される第二の電力(有効電力P1)又は電力量よりも低い値に制御する制御装置(MCU50)と、を備えるエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0108】
(1)によれば、電源の温度の測定値が第一閾値以上の場合には、電源に供給される電力又は電力量が低くなるため、電源の温度上昇を抑制することができ、電源の充電を継続できる時間を延ばすことができる。この結果、エアロゾル吸引器の使用可能時間を延ばすことができる。
【0109】
(2)
(1)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記制御装置は、前記測定値が前記第一閾値よりも大きな第二閾値(閾値TH2)以上の場合に、前記電源の充電を停止させるエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0110】
(2)によれば、低い電力又は電力量によって電源の充電が行われる場合でも、電源の温度の測定値が第二閾値以上になった場合には電源の充電を停止することができ、電源を保護することができる。
【0111】
(3)
(1)又は(2)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記第一閾値は、45℃未満であるエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0112】
(3)によれば、電源の温度が、その劣化が懸念される45℃に到達する前に電力又は電力量を低下させることができる。このため、電源の劣化を防ぐことができる。
【0113】
(4)
(1)から(3)のいずれか1つに記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記制御装置は、前記第一の電力又は電力量を、前記第二の電力又は電力量の50%以下に制御するエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0114】
(4)によれば、電源の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0115】
(5)
(4)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記制御装置は、前記第一の電力又は電力量を、前記第二の電力又は電力量の40%以下に制御するエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0116】
(5)によれば、電源の温度上昇を更に効果的に抑制することができる。
【0117】
(6)
(1)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記制御装置は、前記測定値が前記第一閾値よりも大きな第二閾値(閾値TH2)以上の場合に、前記電源の充電を停止させ、
前記測定値が前記第一閾値以上且つ前記第二閾値未満の場合に、前記測定値が前記第二閾値以上とならないように前記第一の電力又は電力量を制御するエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0118】
(6)によれば、電源の温度が第二閾値に到達するのを防ぐことができる。このため、
電源の充電が停止される可能性を減らすことができ、充電をできる限り継続させることができる。
【0119】
(7)
(1)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記制御装置は、前記測定値が前記第一閾値よりも大きな第二閾値(閾値TH2)以上の場合に、前記電源の充電を停止させ、
前記第二閾値から前記第一閾値を減算した値は、前記温度測定部による前記温度の測定誤差の絶対値以上であるエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0120】
(7)によれば、測定誤差の存在により、真の温度が第二閾値であるかどうか不明となる場合でも、測定値が第一閾値以上になった時点、換言すると、真の温度が最大でも第二閾値になった時点にて、電力又は電力量を下げることができる。このため、電源の温度が第二閾値を超えるのを防ぐことができ、充電をできる限り継続させることができる。
【0121】
(8)
(1)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記第一閾値は43℃以下であり、
前記制御装置は、前記第一の電力又は電力量を、前記第二の電力又は電力量の40%以下に制御するエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0122】
(8)によれば、電源の温度が、その劣化が懸念される45℃に到達する前に電力又は電力量を低下させることができる。このため、電源の劣化を防ぐことができる。
【0123】
(9)
(1)から(8)のいずれか1つに記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
入力される電力を前記電源の充電電力に変換する充電器(充電IC55)を備え、
前記充電器と前記制御装置のうちの前記制御装置のみが、前記温度測定部を有するエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0124】
(9)によれば、一般的に、充電器よりも処理性能の高い制御装置によって電源の温度が測定可能なため、温度を高頻度且つ正確に取得することができ、この温度を用いた高精度な充放電制御や電源の保護等を行うことが可能となる。
【0125】
(10)
(9)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記制御装置は、前記電源の温度を取得可能な状態と、前記電源の温度を取得不能な状態と、を切り替える制御を行うエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0126】
(10)によれば、必要なタイミングにて電源の温度が取得できるため、消費電力を低減することができる。また、制御装置の計算資源を他の用途に活用することができる。更に、電源の温度を用いた制御の精度を向上させることができる。
【0127】
(11)
(9)又は(10)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記充電器は、情報入力部(TSピン)を有し、前記情報入力部から入力される入力値に基づいて、第一充電電圧と前記第一充電電圧よりも低い第二充電電圧とのいずれかを前記電源に供給可能に構成され、
前記情報入力部には、前記入力値の1つとして予め決められた固定値(電圧値V1)が入力可能に構成され、
前記固定値は、前記第二充電電圧を前記電源に供給させるための値であるエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0128】
(11)によれば、情報入力部に固定値が入力されている状態においては、第一充電電圧よりも低い第二充電電圧にて電源を充電することができる。例えば、情報入力部にこの固定値を常時入力する状態を実現することで、電源を低い充電電圧にて常時充電可能となり、電源の劣化を抑制することが可能となる。
【0129】
(12)
(11)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記固定値を前記情報入力部に入力させる状態と、前記固定値を前記情報入力部に非入力にする状態と、を切り替え可能なスイッチ(スイッチ63)を備え、
前記制御装置は、前記スイッチの開閉制御を行うことで、前記電源に供給させる電力を制御するエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0130】
(12)によれば、情報入力部に固定値以外の入力値を入力させることができる。例えば、スイッチをオンすることで、第二充電電圧による充電を行って第一の電力又は電力量を電源に供給させることができ、スイッチをオフすることで、第二充電電圧による充電を停止させることができる。そして、スイッチのオンオフを交互に繰り返すことで、第一の電力又は電力量よりも低い第二の電力又は電力量を電源に供給可能となる。
【0131】
(13)
(12)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記スイッチは、前記固定値を前記情報入力部に非入力にする状態においては、前記充電器に前記電源の充電を停止させるための値(電圧値V2)を前記情報入力部に入力させるエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0132】
(13)によれば、スイッチをオンすることで、第二充電電圧による充電を行って第一の電力又は電力量を電源に供給させることができ、スイッチをオフすることで、第二充電電圧による充電を停止させることができる。そして、スイッチのオンオフを交互に繰り返すことで、第一の電力又は電力量よりも低い第二の電力又は電力量を電源に供給可能となる。また、電源の温度が電源の保護が必要な程度に高くなった場合に、電源の充電を停止させるための値を情報入力部に入力させることで、電源を保護することができる。
【0133】
(14)
(12)又は(13)記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記入力値は、前記情報入力部に接続される抵抗器に印加される電圧に関する値であり、
前記情報入力部に接続された固定の抵抗値を持つ固定抵抗器(抵抗器61)を備え、
前記スイッチは、前記情報入力部と主負母線又は接地線(接地ライン60E)との間に設けられており、
前記情報入力部と前記主負母線又は前記接地線とが前記スイッチによって直接接続されることで、前記固定値が前記情報入力部に非入力となるエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0134】
(14)によれば、情報入力部と主負母線又は接地線とが直接接続されることで、情報入力部に入力される電圧に関する値を充分に小さな値とすることができる。充電器として、情報入力部に入力される値が閾値未満となる場合に充電を停止する機能を持つものを用いた場合には、この状態において充電器による充電を停止させることができ、電源を保護することができる。
【0135】
(15)
エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷(負荷21)に放電可能な電源(電源12)と、
入力される電力を前記電源の充電電力に変換する充電器(充電IC55)と、
前記充電器による前記電源への電力供給を停止させる第一制御と、前記充電器による前記電源への電力供給を実行させる第二制御と、を行う制御装置(MCU50)と、を備え、
前記制御装置は、予め決められた単位時間(単位時間T)における前記第一制御を行う期間と前記第二制御を行う期間との割合(Duty)を制御して、前記充電器から前記電源に供給される有効電力を制御するエアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0136】
(15)によれば、単位時間における第一制御を行う期間と第二制御を行う期間との割合を制御するだけで、電源に供給する有効電力を制御することができる。このため、安価な充電器を用いた場合でも、高精度の充電制御を行うことができる。例えば、電源の温度に応じて上記の割合を制御することで、電源の温度上昇を抑制することが可能となり、電源の充電をできる限り継続させることができる。
【0137】
(16)
エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷(負荷21)に放電可能な電源(電源12)の温度を測定する温度測定ステップと、
前記温度の測定値が第一閾値以上の場合に前記電源に供給される第一の電力又は電力量を、前記測定値が前記第一閾値未満の場合に前記電源に供給される第二の電力又は電力量よりも小さい値に制御するステップと、を備えるエアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御方法。
【0138】
(17)
エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷(負荷21)に放電可能な電源(電源12)の温度を測定する温度測定ステップと、
前記温度の測定値が第一閾値以上の場合に前記電源に供給される第一の電力又は電力量を、前記測定値が前記第一閾値未満の場合に前記電源に供給される第二の電力又は電力量よりも小さい値に制御するステップと、をコンピュータに実行させるためのエアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御プログラム。
【0139】
(18)
エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷(負荷21)に放電可能な電源(電源12)と、入力される電力を前記電源の充電電力に変換する充電器(充電IC55)と、を有するエアロゾル吸引器用の電源ユニット(電源ユニット10)の制御方法であって、
前記充電器による前記電源への電力供給を停止させる第一制御と、前記充電器による前記電源への電力供給を実行させる第二制御と、を行う制御ステップを備え、
前記制御ステップは、予め決められた単位時間(単位時間T)における前記第一制御を行う期間と前記第二制御を行う期間との割合(Duty)を制御して、前記充電器から前記電源に供給される有効電力を制御するエアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御方法。
【0140】
(19)
エアロゾル生成源からエアロゾルを発生させるための負荷(負荷21)に放電可能な電源(電源12)と、入力される電力を前記電源の充電電力に変換する充電器(充電IC55)と、を有するエアロゾル吸引器用の電源ユニット(電源ユニット10)の制御プログラムであって、
前記充電器による前記電源への電力供給を停止させる第一制御と、前記充電器による前記電源への電力供給を実行させる第二制御と、を行う制御ステップをコンピュータに実行させるためのものであり、
前記制御ステップは、予め決められた単位時間(単位時間T)における前記第一制御を行う期間と前記第二制御を行う期間との割合(Duty)を制御して、前記充電器から前記電源に供給される有効電力を制御するエアロゾル吸引器用の電源ユニットの制御プログラム。
【符号の説明】
【0141】
1 エアロゾル吸引器
10 電源ユニット
12 電源
20 第1カートリッジ
21 負荷
22 エアロゾル源
31 香味源
30 第2カートリッジ
50 MCU
55 充電IC
TS TSピン