IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナリス化粧品の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】洗浄料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20231107BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20231107BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20231107BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20231107BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20231107BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20231107BHJP
   C11D 1/10 20060101ALI20231107BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20231107BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20231107BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/02
A61K8/365
A61K8/37
A61Q1/14
A61Q19/10
C11D1/10
C11D1/68
C11D3/20
C11D17/08
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020057657
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021155366
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】591230619
【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】濱田 美紀
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-134494(JP,A)
【文献】国際公開第2005/078039(WO,A1)
【文献】特開2014-231481(JP,A)
【文献】特開2019-014691(JP,A)
【文献】特開2017-128625(JP,A)
【文献】The Face Wash, MTG, 2016年3月, Mintel GNPD [online],[検索日 2023.10.23], インターネット<URL:http://www.gnpd.com>, ID:3875813
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D 1/00-19/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)~(D)を含有し、(B)/(A)が1.0以上であり、20℃環境下でのpHが5.0~6.5の範囲であることを特徴とする液状の洗浄料組成物。
(A):N-アシルグリシン塩型界面活性剤
(B):N-アシルメチルアラニン塩型界面活性剤
(C):有機酸
(D):脂肪酸の炭素数が8~12の脂肪酸プロピレングリコール
【請求項2】
更に(E)脂肪酸の炭素数が8~12の脂肪酸グリセリルを含有することを特徴とする請求項1に記載の液状の洗浄料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄料組成物に関し、詳細には、肌に対してマイルドかつクレンジング性能と低温安定性に優れ、クレンジング時に泡がメークと馴染んだ際にも豊富な泡立ちが持続する液状の洗浄料組成物に関する。更には、ポンプフォーマーに充填して使用した場合に吐出性が非常に良好な液状の洗浄料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮脂や皮膚の汚れ、メーク製品等の油性残留物が皮膚に蓄積すると、肌荒れ等皮膚のダメージにつながることが知られており、皮膚の洗浄及び化粧落とし(クレンジング)を行うことは大変重要なことである。従来洗浄料として、N-アシルアミノ酸塩が主体の洗浄料は、泡立ちがよく、肌への刺激性が低いという長所を有することから非常に好まれている。特に刺激性が低いことは、肌の保湿を保ち、敏感肌・乾燥肌の人でも心地よく使用できるといった長所がある。
【0003】
N-アシルアミノ酸塩を主成分とした洗浄料は、親水性が高いため、メーク等油分を多く含む化粧料に対してのクレンジング性能は低い傾向がある。そのため、メークレンジング性能を付与する際は、多価アルコール、低HLBの非イオン性界面活性剤、油剤等を配合することが一般的である。
【0004】
しかしながら、高いクレンジング性能を得るために多価アルコールや、低HLBの非イオン性界面活性剤、油剤等を配合すると、それらの消泡効果により泡質が劣化する。更に、メーキャップ組成物中の油分によって、より破泡が進み、泡のキメが荒くなることで、クレンジング性能が劣化したり、泡の弾力が損なわれることが問題であった。
【0005】
また、液状の洗浄料組成物はポンプフォーマーに充填して使用するものが利便性の上で好まれる。このようなポンプフォーマー製品の場合、界面活性剤濃度を高くすると、高粘性となりやすく吐出性の確保が難しい。そのため、界面活性剤濃度が高いクリーム状の洗浄料組成物と比べて泡持続性が低い傾向にある。
【0006】
特許文献1にはN-アシルアミノ酸塩とエーテルカルボン酸塩を組み合わせた洗浄料組成物が開示されているが、起泡性が十分でなく、あるいは経時的に軟らかくなること等、安定性の問題があった。特許文献2にはアミノ酸系界面活性剤を含有するエアゾール型皮膚洗浄料が開示されているが、クレンジング力や泡持続性は不十分であった。
【0007】
特許文献3には、N-アシルグリシン塩型界面活性剤を弱酸性で使用することで増粘させたクリーム状洗浄料組成物が開示されている。しかしN-アシルグリシン塩型界面活性剤を含む液状の洗浄料組成物は弱酸性領域に調整した場合、当該界面活性剤の疎水性が高まり、低温において析出しやすくなるため、安定性の面で課題がある。
【0008】
以上のことから、肌に対してマイルドかつクレンジング性能と低温安定性に優れ、クレンジング時に泡がメークと馴染んだ際にも豊富な泡立ちが持続する液状の洗浄料組成物が求められてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平6-40850号公報
【文献】特開2012-240985号公報
【文献】特開2019-142785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、肌に対してマイルドかつクレンジング性能と低温安定性に優れ、クレンジング時に泡がメークと馴染んだ際にも豊富な泡立ちが持続する液状の洗浄料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するため、本発明者が、鋭意研究した結果、成分A~Dを配合することにより、上記課題を洗浄料組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
第一の発明は、下記成分(A)~(D)を含有し、(B)/(A)が1.0以上であり、pHが5.0~6.5の範囲であることを特徴とする液状の洗浄料組成物である。
(A):N-アシルグリシン塩型界面活性剤
(B):N-アシルメチルアラニン塩型界面活性剤
(C):有機酸
(D):脂肪酸の炭素数が8~12の脂肪酸プロピレングリコール
【0013】
第二の発明は、更に(E)炭素鎖C8~C12の脂肪酸グリセリルを含有することを特徴とする請求項1に記載の液状の洗浄料組成物である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の液状の洗浄料組成物は、肌に対してマイルドかつクレンジング性能と低温安定性に優れ、クレンジング時に泡がメークと馴染んだ際にも豊富な泡立ちが持続するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について更に詳しく説明する。なお、特段注釈のない限り、以下で成分の配合量を「%」で表示する場合は重量%を意味する。また以下の配合量は成分の純分を示す。
【0016】
本発明に用いる成分(A)はアシル基とグリシンとのアミドの塩であり、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。アシル基としては特に限定されないが、炭素原子数8~22の脂肪酸残基が好ましく、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の単一のアシル基や、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等から誘導されるアシル基、又はそれらの混合物が挙げられる。N-アシルグリシン塩型界面活性剤の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられるが、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩である。具体的な成分名としては、ココイルグリシンK、ココイルグリシンNa、ラウロイルグリシンNa、ラウロイルメチルグリシンNa等が挙げられる。市販品としてはアミライト GCK、アミライト GCS(いずれも味の素社製)が挙げられる。
【0017】
成分(A)の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し0.50~5.00%、好ましくは2.00~5.00%の範囲で用いられる。この範囲である洗浄料組成物は、泡質・泡持続性・マイルド性が非常に優れている。
【0018】
成分(A)は、これらのうち1種を単独で用いても、又はこれらを混合して用いても差支えない。
【0019】
成分(A)を含む洗浄料組成物は、本来弱アルカリ性を示すが、pHが5.0~6.5の範囲になるように調整すると、泡持続性が劇的に向上するということを見出した。
【0020】
本発明に用いる成分(B)はアシル基とメチルアラニンとのアミドの塩であり、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。アシル基としては特に限定されないが、アシル基は炭素原子数8~22の脂肪酸残基が好ましく、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の単一のアシル基や、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等から誘導されるアシル基、又はそれらの混合物が挙げられる。N-アシルメチルアラニン塩型界面活性剤の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられるが、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩である。具体的な成分名としては、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルアラニンNa、ラウロイルメチルアラニンTEA、ミリストイルメチルアラニンNa等が挙げられる。市販品としては、アラノン ALE、アラノン ACE、アラノン ALTA、アラノン AME(いずれも川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
【0021】
成分(B)の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し1.00~10.00%、好ましくは1.50~8.00%の範囲で用いられる。この範囲で、かつ(B)/(A)を1.0以上にすることで、洗浄料組成物の低温での析出が抑制された。
【0022】
成分(B)は、これらのうち1種を単独で用いても、又はこれらを混合して用いても差支えない。
【0023】
本発明に用いる成分(C)は有機酸であり、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。具体的には、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸等が挙げられる。
【0024】
成分(C)の配合量としては、20℃における洗浄料組成物のpHが5.0~6.5の範囲となるように用いられる。この範囲で、かつ成分(A)を含む洗浄料組成物は、泡持続性が非常に優れている。
【0025】
成分(C)は、これらのうち1種を単独で用いても、又はこれらを混合して用いても差支えない。
【0026】
本発明に用いる成分(D)は脂肪酸の炭素数が8~12の脂肪酸プロピレングリコールであり、モノ脂肪酸プロピレングリコールが好ましい。通常化粧料に用いられるものを使用することができる。脂肪酸としては、主にカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、又はそれらの混合物が挙げられる。具体的な成分名としては、カプリル酸プロピレングリコール、カプリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコールが挙げられる。市販品としてはTYPE BP(理研ビタミン社製)やNIKKOL SEFSOL-218(日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。
【0027】
成分(D)の配合量としては、0.10~2.00%、好ましくは0.50~1.50%の範囲で用いられる。この範囲の洗浄料組成物は、クレンジング性能と泡持続性が非常に優れている。
【0028】
成分(D)は、これらのうち1種を単独で用いても、又はこれらを混合して用いても差支えない。
【0029】
本発明に用いる成分(E)は脂肪酸の炭素数が8~12の脂肪酸グリセリルであり、モノ脂肪酸グリセリルが好ましい。通常化粧料に用いられるものを使用することができる。脂肪酸としては、主にカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、又はそれらの混合物が挙げられる。具体的な成分名としては、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリルが挙げられる。市販品としては、MONOMULS 90-L12(BASF社製)やサンソフト No.760-C(太陽化学社製)等が挙げられる。
【0030】
成分(E)の配合量としては、0.05~2.00%、好ましくは0.10~1.00%の範囲で用いられる。この範囲の洗浄料組成物は、クレンジング性能と泡持続性が非常に優れている。
【0031】
成分(E)は、これらのうち1種を単独で用いても、又はこれらを混合して用いても差支えない。
【0032】
本発明の組成物には、上記の必須成分のほかに、必要に応じ一般的に化粧料等に用いられる成分を配合することも可能である。例えば、パール剤、保湿剤、増粘剤、水溶性高分子、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、抗酸化剤、清涼剤、生薬抽出物やビタミン類、の添加物を適時配合することができる。これら成分を含有させる場合の配合割合は、その種類や目的に応じて適宜選択することができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
【実施例
【0033】
次に本発明の洗浄料組成物について、実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。まず、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0034】
実施例1~16及び比較例1~9
表1及び2に示す組成の洗浄料組成物を常法により調製した後、クエン酸を用いて所定のpHに調整した。なお、pHは20℃環境下で測定した。泡質、クレンジング性能、泡持続性、低温安定性、マイルド性、保湿感の評価結果及びそれぞれのpHは表1及び2に併せて示した。
【0035】
(1)泡質評価
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の洗浄料組成物を使用し、泡質を官能評価によって評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
◎:極めて良好 泡質が良いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 泡質が良いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い 泡質が良いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い 泡質が良いと答えた被験者の数が3人以下
【0036】
(2)クレンジング性能評価
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の洗浄料組成物を使用し、クレンジング性能を下記の方法よって評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
[評価方法]
1:直径4cmの円を人肌上にマーキングし、その円内に着色したW/O剤型のベースメーキャップ0.02gを、指サックをした指で均一に塗布する。
2:30分乾燥させる。
3:洗浄料組成物を十分に泡立てた後、泡を0.3g取って円内にのせ、50回こする。
4:水洗し、メイク落ちの程度を目視で確認する。
[評価基準]
◎:極めて良好 クレンジング性能が高いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 クレンジング性能が高いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い クレンジング性能が高いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い クレンジング性能が高いと答えた被験者の数が3人以下
【0037】
(3)泡持続性評価
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の洗浄料組成物を使用し、泡持続性を上記クレンジング性能評価方法と同様の方法を用い、官能評価によって評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
◎:極めて良好 クレンジング時の泡持続性が高いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 クレンジング時の泡持続性が高いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い クレンジング時の泡持続性が高いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い クレンジング時の泡持続性が高いと答えた被験者の数が3人以下
【0038】
(4)低温安定性
実施例及び比較例の洗浄料組成物を-10℃~5℃/1dayサイクルの環境下にて静置した。析出の有無を評価する際は、5℃環境下にて24時間静置した後、目視にて確認した。尚、評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
◎:極めて良好 1ヵ月以上析出無し
〇:良好 7日~1ヵ月の間に析出
△:やや悪い 3日~7日の間に析出
×:悪い 3日以内に析出
【0039】
(5)マイルド性評価
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の洗浄料組成物を使用し、マイルド性を官能評価によって評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
◎:極めて良好 洗顔時又は洗顔後に刺激を感じたと答えた被験者の数が0人
〇:良好 洗顔時又は洗顔後に刺激を感じたと答えた被験者の数が1人
△:やや悪い 洗顔時又は洗顔後に刺激を感じたと答えた被験者の数が2人
×:悪い 洗顔時又は洗顔後に刺激を感じたと答えた被験者の数が3人以下
【0040】
(6)保湿感評価
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の洗浄料組成物を使用し、保湿感を官能評価によって評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
◎:極めて良好 洗顔後に肌の保湿感が高いと答えた被験者の数が8人以上
〇:良好 洗顔後に肌の保湿感が高いと答えた被験者の数が6人又は7人
△:やや悪い 洗顔後に肌の保湿感が高いと答えた被験者の数が4人又は5人
×:悪い 洗顔後に肌の保湿感が高いと答えた被験者の数が3人以下
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1からわかるように、本発明の実施例1~6、9~16を参照すると、成分(A)~(D)を含み、(B)/(A)が1.0以上、かつpHが5.0~6.5である洗浄料組成物は、泡質や泡持続性を劣化させる油剤としてトリエチルヘキサノインを併用した場合でも、泡質・泡持続性に優れる。また実施例7を参照すると、上記に加えて更に成分(E)を含む場合、泡持続性がより向上し、それに伴いクレンジング性能も向上することがわかる。
【0044】
以上の結果から、成分(A)~(D)を含み、(B)/(A)が1.0以上、かつ20℃環境下で測定したpHが5.0~6.5である洗浄料組成物は、肌に対してマイルドかつクレンジング性能と低温安定性に優れ、クレンジング時に泡がメークと馴染んだ際にも豊富な泡立ちが持続する液状の洗浄料組成物を提案できることが立証された。
【0045】
常法にて、各処方の組成物を作製した。いずれの処方においても本発明の効果を奏することが確認された。
【0046】
(1)<液状洗顔料>
配合成分 配合量(%)
ラウロイルグリシンNa 3.00
ココイルメチルアラニンNa 5.00
カプリル酸PG 1.00
ラウリン酸グリセリル 0.50
グリセリン 15.00
イソドデカン 0.50
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル 1.00
BG 8.00
ラウラミドプロピルベタイン 3.00
PEG-75 3.00
アクリレーツコポリマー *1 1.00
クエン酸 適量
キレート剤 適量
保存料 適量
水 残余
合計 100
アクリレーツコポリマー *1 :CARBOPOL AQUA SF1 POLYMER
pH(製造直後に測定) 6.2
肌に対してマイルドかつクレンジング性能と低温安定性に優れ、クレンジング時に泡がメークと馴染んだ際にも豊富な泡立ちが持続する。
【0047】
(2)<ポンプフォーマー洗顔料>
配合成分 配合量(%)
ココイルグリシンNa 3.00
ラウロイルメチルグリシンNa 0.50
ミリストイルメチルアラニンNa 5.00
カプリン酸PG 1.00
カプリル酸グリセリル 0.50
グリセリン 15.00
水添ポリイソブテン 1.00
モノイソステアリン酸PEG-8グリセリル 2.00
BG 8.00
ラウリルヒドロキシスルタイン 3.00
PEG-75 3.00
ソルビトール 3.0
リンゴ酸 適量
キレート剤 適量
保存料 適量
水 残余
合計 100

pH(製造直後に測定) 6.0
肌に対してマイルドかつクレンジング性能と低温安定性に優れ、クレンジング時に泡がメークと馴染んだ際にも豊富な泡立ちが持続する。更に低温で保管しても、析出が無く、ポンプ詰まりは発生しない。