(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】金型装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/26 20060101AFI20231107BHJP
B29C 45/12 20060101ALI20231107BHJP
B29C 45/06 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
B29C45/26
B29C45/12
B29C45/06
(21)【出願番号】P 2020059913
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】石井 努
(72)【発明者】
【氏名】木村 勇一
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 正博
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-175230(JP,A)
【文献】特開平08-197548(JP,A)
【文献】特開平06-297501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
B29C 33/00-33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1分割品と、第2分割品と、前記第1分割品と前記第2分割品を接合する接合層と、を含む中空成形品の成形に用いられる金型装置であって、
第1凸型と、第2凸型と、第1凹型と、第2凹型と、を含み、
前記第1凸型と前記第2凹型とは、射出成形機のプラテンに取付けられ、
前記第2凸型と前記第1凹型とは、前記射出成形機の前記プラテンに対向配置される回転盤に取付けられ、
前記第1凸型と前記第1凹型とは、前記第1分割品が成形される第1キャビティ空間を形成し、
前記第2凸型と前記第2凹型とは、前記第2分割品が成形される第2キャビティ空間を形成し、
前記第1凹型と前記第2凹型とは、前記第1分割品と前記第2分割品とを内部に収容した状態で、前記接合層が成形される第3キャビティ空間を形成し、
前記第1凸型が前記第2凹型に対して移動可能に取付けられる、又は/及び前記第2凸型が前記第1凹型に対して移動可能に取り付けられ
、
前記第1凸型を前記第2凹型に対して移動させる第1凸型移動機構と、前記第2凸型を前記第1凹型に対して移動させる第2凸型移動機構とのうち少なくとも1つを含む、金型装置。
【請求項2】
前記第1凸型移動機構は、前記第1凸型を前記第2凹型に対して型開閉方向に移動させる、請求項
1に記載の金型装置。
【請求項3】
前記第2凸型移動機構は、前記第2凸型を前記第1凹型に対して型開閉方向に移動させる、請求項
1又は
2に記載の金型装置。
【請求項4】
前記第1凸型移動機構は、前記第1凸型を前記第2凹型に対して型開閉方向に直交する方向に移動させる、請求項
1~
3のいずれか1項に記載の金型装置。
【請求項5】
前記第2凸型移動機構は、前記第2凸型を前記第1凹型に対して型開閉方向に直交する方向に移動させる、請求項
1~
4のいずれか1項に記載の金型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、中空成形品の成形に用いられる金型装置が開示されている。金型装置は、固定型と、スライド型と、可動型と、を有する。固定型は、射出成形機の固定盤に固定される。スライド型は、固定型に密着した状態で、上下にスライドされる。可動型は、射出成形機の可動盤に取付けられる。スライド型における可動型との合わせ面には、雄型と雌型とが設けられる。また、可動型におけるスライド型との合わせ面にも、雄型と雌型とが設けられる。
【0003】
一次成形では、スライド型の雄型と可動型の雌型との間にキャビティが形成される共に、スライド型の雌型と可動型の雄型との間にキャビティが形成される。2つのキャビティのそれぞれに溶融樹脂が充填され、2つのキャビティのそれぞれにおいて中空成形品の分割体が成形される。
【0004】
続いて、型開きが行われる。その際、2つの分割体のそれぞれは、雄型から離脱し、雌型に残る。次いで、スライド型がスライドされ、2つの分割体が互いに対向する。次いで、型閉じが行われ、2つの分割体が互いに突き合わされる。2つの分割体の突き合わせ面の周囲には、キャビティが形成される。
【0005】
二次成形では、2つの分割体の突き合わせ面の周囲にキャビティが形成され、そのキャビティに溶融樹脂が充填される。その結果、2つの分割体が溶着され、1つの中空成形品が成形される。その後、型開きが行われ、金型装置から中空成形品が取り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
射出成形機として、回転盤を有するものがある。回転盤には金型が取付けられ、金型は回転盤と共に回転させられる。
【0008】
特許文献1では、回転盤と共に回転させられる金型を用いて、中空成形品を成形することは検討されていない。
【0009】
本発明の一態様は、回転盤と共に回転させられる金型を用いて、中空成形品を成形する、技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る金型装置は、
第1分割品と、第2分割品と、前記第1分割品と前記第2分割品を接合する接合層と、を含む中空成形品の成形に用いられる金型装置であって、
第1凸型と、第2凸型と、第1凹型と、第2凹型と、を含み、
前記第1凸型と前記第2凹型とは、射出成形機のプラテンに取付けられ、
前記第2凸型と前記第1凹型とは、前記射出成形機の前記プラテンに対向配置される回転盤に取付けられ、
前記第1凸型と前記第1凹型とは、前記第1分割品が成形される第1キャビティ空間を形成し、
前記第2凸型と前記第2凹型とは、前記第2分割品が成形される第2キャビティ空間を形成し、
前記第1凹型と前記第2凹型とは、前記第1分割品と前記第2分割品とを内部に収容した状態で、前記接合層が成形される第3キャビティ空間を形成し、
前記第1凸型が前記第2凹型に対して移動可能に取付けられる、又は/及び前記第2凸型が前記第1凹型に対して移動可能に取り付けられ、
前記第1凸型を前記第2凹型に対して移動させる第1凸型移動機構と、前記第2凸型を前記第1凹型に対して移動させる第2凸型移動機構とのうち少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、回転盤と共に回転させられる金型を用いて、中空成形品を成形できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る金型装置を用いた中空成形品の製造方法を示すフローチャートである。
【
図2】
図2(A)は一実施形態に係る金型装置のS101の直前の状態を示す断面図、
図2(B)は一実施形態に係る金型装置のS101の状態を示す断面図である。
【
図3】
図3(A)は一実施形態に係る金型装置のS102の状態を示す断面図、
図3(B)は一実施形態に係る金型装置のS103の状態を示す断面図である。
【
図4】
図4(A)は一実施形態に係る金型装置のS104の状態を示す断面図、
図4(B)は一実施形態に係る金型装置のS105の状態を示す断面図である。
【
図5】
図5(A)は一実施形態に係る金型装置のS106の状態を示す断面図、
図5(B)は一実施形態に係る金型装置のS107の状態を示す断面図である。
【
図6】
図6(A)は一実施形態に係る金型装置のS108の状態を示す断面図、
図6(B)は一実施形態に係る金型装置のS109の状態を示す断面図である。
【
図7】
図7(A)は変形例に係る金型装置のS101の直前の状態を示す断面図、
図7(B)は変形例に係る金型装置のS101の状態を示す断面図である。
【
図8】
図8(A)は変形例に係る金型装置のS102の状態を示す断面図、
図8(B)は変形例に係る金型装置のS103の状態を示す断面図である。
【
図9】
図9(A)は変形例に係る金型装置のS104の状態を示す断面図、
図9(B)は変形例に係る金型装置のS105の状態を示す断面図である。
【
図10】
図10(A)は変形例に係る金型装置のS106の状態を示す断面図、
図10(B)は変形例に係る金型装置のS107の状態を示す断面図である。
【
図11】
図11(A)は変形例に係る金型装置のS108の状態を示す断面図、
図11(B)は変形例に係る金型装置のS109の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0014】
図1は、一実施形態に係る金型装置を用いた中空成形品の製造方法を示すフローチャートである。
図2(A)は、一実施形態に係る金型装置のS101の直前の状態を示す断面図である。
図2(B)は、一実施形態に係る金型装置のS101の状態を示す断面図である。
図3(A)は、一実施形態に係る金型装置のS102の状態を示す断面図である。
図3(B)は、一実施形態に係る金型装置のS103の状態を示す断面図である。
図4(A)は、一実施形態に係る金型装置のS104の状態を示す断面図である。
図4(B)は、一実施形態に係る金型装置のS105の状態を示す断面図である。
図5(A)は、一実施形態に係る金型装置のS106の状態を示す断面図である。
図5(B)は、一実施形態に係る金型装置のS107の状態を示す断面図である。
図6(A)は、一実施形態に係る金型装置のS108の状態を示す断面図である。
図6(B)は、一実施形態に係る金型装置のS109の状態を示す断面図である。
【0015】
本明細書において、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向及びY軸方向は水平方向を表し、Z軸方向は鉛直方向を表す。射出成形機3の型締装置31が横型である場合、X軸方向が型開閉方向である。
【0016】
図6(B)に示すように、金型装置1は、中空成形品2の成形に用いられる。中空成形品2は、第1分割品21と、第2分割品22と、第1分割品21と第2分割品22を接合する接合層23と、を含む。第1分割品21は、第2分割品22との突き合わせ面21aに凹部21bを含む。第2分割品22も、第1分割品21との突き合わせ面22aに凹部22bを含む。第1分割品21の凹部21bと、第2分割品22の凹部22bとで、中空構造が形成される。接合層23は、第1分割品21と第2分割品22の突き合わせ面21a、22aの外縁に、リング状に形成される。接合層23は、第1分割品21と第2分割品22とを溶着させる。
【0017】
金型装置1は、第1凸型11と、第2凸型12と、第1凹型13と、第2凹型14と、を含む。
図2(B)に示すように、第1凸型11と第1凹型13とは、第1分割品21が成形される第1キャビティ空間15を形成する。また、第2凸型12と第2凹型14とは、第2分割品22が成形される第2キャビティ空間16を形成する。第1キャビティ空間15と第2キャビティ空間16とは、例えばY軸方向に間隔をおいて配置される。更に、
図5(A)に示すように、第1凹型13と第2凹型14とは、第1分割品21と第2分割品22とを内部に収容した状態で、接合層23が成形される第3キャビティ空間17を形成する。
【0018】
図2(A)に示すように、第1凸型11と第2凹型14とは、固定プラテン32に取付けられる。固定プラテン32は、不図示のフレームに対して固定される。一方、第2凸型12と第1凹型13とは、回転盤33に取付けられる。回転盤33は、固定プラテン32に対向配置される。回転盤33の回転軸33aは、型開閉方向に対して平行に配置され、ベアリングBrを介して可動プラテン34に保持される。可動プラテン34は、フレームに対して型開閉方向に進退自在に設けられ、固定プラテン32に対して進退させられる。可動プラテン34の進退によって、金型装置1の開閉が行われる。
【0019】
射出成形機3は、金型装置1を開閉する型締装置31と、金型装置1に成形材料を射出する第1射出装置35と、金型装置1に成形材料を射出する第2射出装置39と、を備える。
【0020】
型締装置31は、金型装置1の型閉、昇圧、型締、脱圧及び型開を行う。型締装置31は例えば横型であって、型開閉方向が水平方向である。型締装置31の説明では、型閉時の可動プラテン34の移動方向(例えばX軸正方向)を前方とし、型開時の可動プラテン34の移動方向を後方として説明する。
【0021】
型締装置31は、第1凸型11と第2凹型14とが取付けられる固定プラテン32と、第2凸型12と第1凹型13とが取付けられる回転盤33と、回転盤33が回転自在に取付けられる可動プラテン34と、回転盤33を回転させる回転機構と、固定プラテン32に対し可動プラテン34を進退させる移動機構と、を有する。
【0022】
固定プラテン32は、フレームに対し固定される。固定プラテン32における回転盤33との対向面には、第1凸型11と第2凹型14とが取付けられる。
図2(B)に示すように、第1凸型11は、第1キャビティ空間15の壁面の一部を形成する。一方、第2凹型14は、第2キャビティ空間16の壁面の一部を形成する。
【0023】
回転盤33は、可動プラテン34に回転自在に取付けられる。回転盤33の回転中心線Rは、型開閉方向に平行である。回転盤33における固定プラテン32との対向面には、第2凸型12と、第1凹型13とが取付けられる。
図2(B)に示すように、第2凸型12は、第2キャビティ空間16の壁面の一部を形成する。一方、第1凹型13は、第1キャビティ空間15の壁面の一部を形成する。
【0024】
回転盤33は、回転機構によって第1回転角と第2回転角との間で回転させられる。第1回転角は、例えば
図2(B)に示すように、第1凸型11と第1凹型13とが第1キャビティ空間15を形成すると共に、第2凸型12と第2凹型14とが第2キャビティ空間16を形成する回転角である。第1回転角は、例えば0°である。一方、第2回転角は、
図5(A)に示すように、第1凹型13と第2凹型14とが第3キャビティ空間17を形成する回転角である。第2回転角は、例えば180°である。
【0025】
回転盤33が180°回転される度に、回転盤33の回転方向が逆転してよい。例えば回転盤33は、時計回りに180°回転した後、反時計回りに180°回転する。回転盤33に固定される配線及び配管の配置が元に戻るため、配線及び配管の取り回しが容易である。
【0026】
可動プラテン34は、フレームに対し型開閉方向に進退自在に配置される。可動プラテン34が前進させられると、回転盤33が前進させられ、第2凸型12と第1凹型13が前進させられる。その結果、型閉、昇圧及び型締が行われる。一方、可動プラテン34が後退させられると、回転盤33が後退させられ、第2凸型12と第1凹型13が後退させられる。その結果、脱圧及び型開が行われる。
【0027】
尚、本実施形態の型締装置31は、型開閉方向が水平方向である横型であるが、型開閉方向が上下方向である竪型でもよい。
【0028】
図2(B)に示すように、第1射出装置35は、金型装置1の第1凸型11にタッチし、金型装置1内の第1キャビティ空間15に成形材料を充填する。一方、第2射出装置39は、金型装置1の第2凹型14にタッチし、金型装置1内の第2キャビティ空間16に成形材料を充填する。
【0029】
第1射出装置35と第2射出装置39とは、Y軸方向に間隔をおいて配置される。第1キャビティ空間15と第2キャビティ空間16とが、Y軸方向に間隔をおいて配置されるためである。第1射出装置35が第1キャビティ空間15に充填する成形材料と、第2射出装置39が第2キャビティ空間16に充填する成形材料とは、異なる材料でもよいし、同じ材料でもよい。
【0030】
第1射出装置35と第2射出装置39とは、同様に構成される。そこで、以下、第1射出装置35の構成について説明し、第2射出装置39の構成について説明を省略する。第1射出装置35の説明では、型締装置31の説明とは異なり、充填時のスクリュ38の移動方向(例えばX軸負方向)を前方とし、計量時のスクリュ38の移動方向(例えばX軸正方向)を後方として説明する。
【0031】
第1射出装置35は、例えば、成形材料を加熱するシリンダ36と、シリンダ36の前端部に設けられるノズル37と、シリンダ36内に回転自在に且つ進退自在に配置されるスクリュ38と、を有する。
【0032】
シリンダ36は、内部に供給された成形材料を加熱する。成形材料は、例えば樹脂などを含む。成形材料は、例えばペレット状に形成され、固体の状態で供給される。シリンダ36は、シリンダ36の軸方向(例えばX軸方向)に複数のゾーンに区分される。複数のゾーンのそれぞれに加熱器と温度検出器とが設けられる。複数のゾーンのそれぞれに設定温度が設定され、温度検出器の検出温度が設定温度になるように、加熱器が制御される。
【0033】
ノズル37は、シリンダ36の前端部に設けられ、金型装置1に対し押し付けられる。ノズル37の外周には、加熱器と温度検出器とが設けられる。ノズル37の検出温度が設定温度になるように、加熱器が制御される。
【0034】
スクリュ38は、シリンダ36内に回転自在に且つ進退自在に配置される。スクリュ38を回転させると、スクリュ38の螺旋状の溝に沿って成形材料が前方に送られる。成形材料は、前方に送られながら、シリンダ36からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ38の前方に送られシリンダ36の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ38が後退させられる。その後、スクリュ38を前進させると、スクリュ38前方に蓄積された液状の成形材料がノズル37から射出され、金型装置1内に充填される。
【0035】
尚、本実施形態の第1射出装置35は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式などでもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。可塑化シリンダ内には、スクリュが回転自在に且つ進退不能に配置され、又はスクリュが回転自在に且つ進退自在に配置される。一方、射出シリンダ内には、プランジャが進退自在に配置される。
【0036】
また、本実施形態の第1射出装置35は、シリンダ36の軸方向が水平方向である横型であるが、シリンダ36の軸方向が上下方向である竪型であってもよい。竪型の第1射出装置35と組み合わされる型締装置は、竪型でも横型でもよい。同様に、横型の第1射出装置35と組み合わされる型締装置は、横型でも竪型でもよい。
【0037】
次に、
図1~
図6を参照して、中空成形品2の製造方法について説明する。中空成形品2の製造方法は、
図1に示すステップS101~S109を有する。ステップS101の直前には、
図2(A)に示すように、金型装置1の型開が完了しており、第1凸型11と第1凹型13とが対向配置され、第2凸型12と第2凹型14とが対向配置される。回転盤33の回転角は第1回転角である。
【0038】
ステップS101では、
図2(B)に示すように、可動プラテン34が前進させられ、第2凸型12と第1凹型13とが前進させられ、型閉、昇圧及び型締が行われる。型締時に、第1凸型11と第1凹型13とが第1キャビティ空間15を形成し、第2凸型12と第2凹型14とが第2キャビティ空間16を形成する。
【0039】
第1凸型11は、第1凹型13に当接する当接面11aを有する。その当接面11aは、型開閉方向に対して垂直な平坦面である。第1凸型11は、その当接面11aに、凸部11bを有する。その凸部11bの寸法及び形状で、第1分割品21の凹部21bの寸法及び形状が決まる。また、第1凸型11は、その当接面11aに、リング部11cを有する。そのリング部11cの寸法及び形状で、接合層23の一部の寸法及び形状が決まる。
【0040】
一方、第1凹型13は、第1凸型11に当接する当接面13aを有する。その当接面13aは、型開閉方向に対して垂直な平坦面である。第1凹型13は、その当接面13aに、凹部13bを有する。その凹部13bは、第1凸型11の凸部11bとリング部11cとを収容する。
【0041】
また、第2凸型12は、第2凹型14に当接する当接面12aを有する。その当接面12aは、型開閉方向に対して垂直な平坦面である。第2凸型12は、その当接面12aに、凸部12bを有する。その凸部12bの寸法及び形状で、第2分割品22の凹部22bの寸法及び形状が決まる。また、第2凸型12は、その当接面12aに、リング部12cを有する。そのリング部12cの寸法及び形状で、接合層23の残部の寸法及び形状が決まる。
【0042】
一方、第2凹型14は、第2凸型12に当接する当接面14aを有する。その当接面14aは、型開閉方向に対して垂直な平坦面である。第2凹型14は、その当接面14aに、凹部14bを有する。その凹部14bは、第2凸型12の凸部12bとリング部12cとを収容する。
【0043】
ステップS102では、
図3(A)に示すように、第1射出装置35が第1キャビティ空間15に液状の成形材料を充填し、第2射出装置39が第2キャビティ空間16に液状の成形材料を充填する。第1キャビティ空間15において、成形材料が冷却固化され、第1分割品21が成形される。また、第2キャビティ空間16において、成形材料が冷却固化され、第2分割品22が成形される。第1分割品21の成形と、第2分割品22の成形とを、一次成形とも呼ぶ。
【0044】
ステップS103では、
図3(B)に示すように、可動プラテン34が後退させられ、第2凸型12と第1凹型13とが後退させられ、脱圧及び型開が行われる。第1分割品21は、第1凹型13に付着した状態で、第1凹型13と共に後退させられ、第1凸型11から離型させられる。一方、第2分割品22は、第2凹型14に付着した状態で固定され、第2凸型12から離型させられる。
【0045】
金型装置1は、第1凹型13の第1キャビティ空間15を形成する壁面に、第1分割品21を吸引する吸引穴を有してもよい。吸引穴の気圧が真空ポンプなどによって負圧になると、第1分割品21が第1凹型13に吸着される。第1凹型13に第1分割品21を確実に残すことができる。
【0046】
また、金型装置1は、第1凸型11の第1キャビティ空間15を形成する壁面に、空気などのガスを噴射する噴射穴を有してもよい。噴射穴がガスを噴射すると、第1分割品21が第1凸型11から離型される。第1分割品21を第1凸型11から確実に離型できる。
【0047】
金型装置1は、第2凹型14の第2キャビティ空間16を形成する壁面に、第2分割品22を吸引する吸引穴を有してもよい。吸引穴の気圧が真空ポンプなどによって負圧になると、第2分割品22が第2凹型14に吸着される。第2凹型14に第2分割品22を確実に残すことができる。
【0048】
また、金型装置1は、第2凸型12の第2キャビティ空間16を形成する壁面に、空気などのガスを噴射する噴射穴を有してもよい。噴射穴がガスを噴射すると、第2分割品22が第2凸型12から離型される。第2分割品22を第2凸型12から確実に離型できる。
【0049】
ステップS104では、
図4(A)に示すように、回転盤33が第1回転角から第2回転角に回転させられる。その結果、第1凸型11と第2凸型12とが対向配置され、第1凹型13と第2凹型14とが対向配置される。
【0050】
この状態で、仮に可動プラテン34が前進させられると、第1凹型13の当接面13aが第2凹型14の当接面14aに当接する前に、第2凸型12の凸部12bが第1凸型11の凸部11bに当接してしまう。その結果、第1凹型13と第2凹型14との型閉、昇圧及び型締が妨げられ、第3キャビティ空間17の形成が妨げられてしまう。
【0051】
そこで、ステップS105では、
図4(B)に示すように、金型装置1の第2凸型移動機構18が、第2凸型12を第1凹型13に対して型開閉方向(例えばX軸方向)に移動させる。第2凸型移動機構18は、第1凹型13と第2凹型14の型閉、昇圧及び型締を妨げない位置まで、第2凸型12を後退させる。第2凸型12は、第1凸型11から遠ざかる方向に移動させられる。
【0052】
第2凸型移動機構18は、第2凸型12を型開閉方向にガイドするガイドブロック18aと、第2凸型12を型開閉方向に移動させるアクチュエータ18bと、を含む。アクチュエータ18bは、機械式でもよいし、油圧式でもよい。
【0053】
なお、金型装置1は、第2凸型移動機構18の代わりに、後述の第1凸型移動機構を有してもよい。第1凸型移動機構は、第1凸型11を第2凹型14に対して型開閉方向に移動させる。第1凸型11は、固定プラテン32に対して進退可能に取り付けられる。
【0054】
第1凸型移動機構は、第1凹型13と第2凹型14の型閉、昇圧及び型締を妨げない位置まで、第1凸型11を移動させる。第1凸型11は、第2凸型12から遠ざかる方向に移動させられる。第1凸型11の進退に合わせて、第1射出装置35が進退させられてもよい。
【0055】
金型装置1が第2凸型移動機構18を有し第1凸型移動機構を有しない場合、第2凸型12が移動させられ、第1凸型11は移動させられない。第2凸型12には第1射出装置35のノズル37がタッチされないので、第2凸型12の進退に合わせて第1射出装置35を進退させる動作が不要である。
【0056】
一方、金型装置1が第1凸型移動機構を有し第2凸型移動機構18を有しない場合、第1凸型11が移動させられ、第2凸型12は移動させられない。第2凸型12を移動させるエネルギーの供給が不要であるので、回転盤33に固定される配線又は配管の数を低減できる。
【0057】
また、金型装置1は、第2凸型移動機構18と、第1凸型移動機構との両方を有してもよい。この場合、金型装置1が第1凸型移動機構のみを有する場合に比べて第1凸型11の移動距離が短く、また金型装置1が第2凸型移動機構18のみを有する場合に比べて第2凸型12の移動距離が短い。それゆえ、第1凸型11と第2凸型12を同時に移動させれば、ステップS105を短時間で実施でき、スループットを向上できる。
【0058】
第2凸型移動機構18は、本実施形態では金型装置1の一部であるが、金型装置1とは別に設けられてもよく、射出成形機3の一部であってもよい。同様に、第1凸型移動機構は、金型装置1の一部でもよいし、射出成形機3の一部でもよい。
【0059】
ステップS105は、一次成形(S102)の後、二次成形(S107)の前に行われればよく、例えば、型開(S103)中に行われてもよいし、回転(S104)中に行われてもよいし、型閉(S106)中に行われてもよい。
【0060】
ステップS106では、
図5(A)に示すように、可動プラテン34が前進させられ、第2凸型12と第1凹型13とが前進させられ、型閉、昇圧及び型締が行われる。型締時に、第1凹型13と第2凹型14とは、第1分割品21と第2分割品22とを内部に収容した状態で、接合層23が成形される第3キャビティ空間17を形成する。第3キャビティ空間17は、第1分割品21と第2分割品22の突き合わせ面21a、22aの外縁に、リング状に形成される。第1凹型13と第2凹型14との型締時に、第1凸型11と第2凸型12とは接触しなくてもよい。
【0061】
第2凹型14は、第2射出装置39によって射出された成形材料を第2キャビティ空間16の入口まで送る第1流路C1と、第2射出装置39によって射出された成形材料を第3キャビティ空間17の入口まで送る第2流路C2と、を含む。第2流路C2は第1流路C1の途中から分岐しており、その分岐点には方向切換部C3が設けられる。
【0062】
方向切換部C3は、成形材料の流れ方向を、第2キャビティ空間16の入口に向かう方向と、第3キャビティ空間17の入口に向かう方向とに切り換える。第2キャビティ空間16の入口は例えば凹部14bの底面に設けられ、第3キャビティ空間17の入口は例えば当接面14aの内縁に設けられる。
図3(A)に示すように第2射出装置39が第2キャビティ空間16に樹脂を充填する際には、方向切換部C3は成形材料を第2キャビティ空間16の入口に向かわせる。一方、
図5(B)に示すように第2射出装置39が第3キャビティ空間17に樹脂を充填する際には、方向切換部C3は成形材料を第3キャビティ空間17の入口に向かわせる。
【0063】
ステップS107では、
図5(B)に示すように、第2射出装置39が第3キャビティ空間17に液状の成形材料を充填する。第3キャビティ空間17において、成形材料が冷却固化され、接合層23が成形される。接合層23の成形を、二次成形とも呼ぶ。接合層23は、第1分割品21と第2分割品22の突き合わせ面21a、22aの外縁に、リング状に形成される。接合層23は、第1分割品21と第2分割品22とを溶着させる。その結果、中空成形品2が成形される。
【0064】
ステップS108では、
図6(A)に示すように、可動プラテン34が後退させられ、第2凸型12と第1凹型13とが後退させられ、脱圧及び型開が行われる。中空成形品2は、第1凹型13に付着した状態で、第1凹型13と共に後退させられ、第2凹型14から離型させられる。
【0065】
ステップS109では、
図6(B)に示すように、不図示の取出機が、金型装置1から中空成形品2を取り出す。中空成形品2は、第1凹型13から取り出される。このようにして、中空成形品2が得られる。
【0066】
なお、ステップS108において、中空成形品2は、本実施形態では第1凹型13に付着するが、第2凹型14に付着し、第1凹型13から離型されてもよい。後者の場合、ステップS109において、中空成形品2は、第2凹型14から取り出される。
【0067】
次に、
図7~
図11を参照して、中空成形品2の製造方法の変形例について説明する。
図7(A)は、変形例に係る金型装置のS101の直前の状態を示す断面図である。
図7(B)は、変形例に係る金型装置のS101の状態を示す断面図である。
図8(A)は、変形例に係る金型装置のS102の状態を示す断面図である。
図8(B)は、変形例に係る金型装置のS103の状態を示す断面図である。
図9(A)は、変形例に係る金型装置のS104の状態を示す断面図である。
図9(B)は、変形例に係る金型装置のS105の状態を示す断面図である。
図10(A)は、変形例に係る金型装置のS106の状態を示す断面図である。
図10(B)は、変形例に係る金型装置のS107の状態を示す断面図である。
図11(A)は、変形例に係る金型装置のS108の状態を示す断面図である。
図11(B)は、変形例に係る金型装置のS109の状態を示す断面図である。以下、本変形と上記実施形態との相違点について主に説明する。
【0068】
中空成形品2の製造方法は、
図1に示すステップS101~S109を有する。ステップS101の直前には、
図7(A)に示すように、金型装置1の型開が完了しており、第1凸型11と第1凹型13とが対向配置され、第2凸型12と第2凹型14とが対向配置される。回転盤33の回転角は第1回転角である。
【0069】
ステップS101では、
図7(B)に示すように、可動プラテン34が前進させられ、第2凸型12と第1凹型13とが前進させられ、型閉、昇圧及び型締が行われる。型締時に、第1凸型11と第1凹型13とが第1キャビティ空間15を形成し、第2凸型12と第2凹型14とが第2キャビティ空間16を形成する。
【0070】
ステップS102では、
図8(A)に示すように、第1射出装置35が第1キャビティ空間15に液状の成形材料を充填し、第2射出装置39が第2キャビティ空間16に液状の成形材料を充填する。第1キャビティ空間15において、成形材料が冷却固化され、第1分割品21が成形される。また、第2キャビティ空間16において、成形材料が冷却固化され、第2分割品22が成形される。
【0071】
ステップS103では、
図8(B)に示すように、可動プラテン34が後退させられ、第2凸型12と第1凹型13とが後退させられ、脱圧及び型開が行われる。第1分割品21は、第1凹型13に付着した状態で、第1凹型13と共に後退させられ、第1凸型11から離型させられる。一方、第2分割品22は、第2凹型14に付着した状態で固定され、第2凸型12から離型させられる。
【0072】
ステップS104では、
図9(A)に示すように、回転盤33が第1回転角から第2回転角に回転させられる。その結果、第1凸型11と第2凸型12とが対向配置され、第1凹型13と第2凹型14とが対向配置される。
【0073】
この状態で、仮に可動プラテン34が前進させられると、第1凹型13の当接面13aが第2凹型14の当接面14aに当接する前に、第2凸型12の凸部12bが第1凸型11の凸部11bに当接してしまう。その結果、第1凹型13と第2凹型14との型閉、昇圧及び型締が妨げられ、第3キャビティ空間17の形成が妨げられてしまう。
【0074】
そこで、ステップS105では、
図9(B)に示すように、金型装置1の第1凸型移動機構19が、第1凸型11を第2凹型14に対して型開閉方向に直交する方向(例えばY軸方向)に移動させる。第1凸型移動機構19は、第1凹型13と第2凹型14の型閉、昇圧及び型締を妨げない位置まで、第1凸型11をY軸方向に移動させる。なお、第1凸型移動機構19は、第1凸型11をZ軸方向に移動させてもよい。
【0075】
第1凸型11は、その当接面11aに、凸部11b及びリング部11cに加えて、凹部11dを有する。凹部11dは、第2凸型12の凸部12bを収容する。第2凸型12の凸部12bと、第1凸型11の凹部11dとが対向配置される位置まで、第1凸型11が移動させられる。
【0076】
第1凸型移動機構19は、第1凸型11を型開閉方向に直交する方向に移動させるアクチュエータ19aを含む。アクチュエータ19aは、機械式でもよいし、油圧式でもよい。
【0077】
第1凸型11の移動前に、第1射出装置35が後退させられ、第1射出装置35のノズル37が第1凸型11から引き離されてもよい。第1凸型11の移動時に、第1凸型11とノズル37との摩擦を防止できる。
【0078】
なお、金型装置1は、第1凸型移動機構19の代わりに、第2凸型移動機構を有してもよい。第2凸型移動機構は、第2凸型12を第1凹型13に対して型開閉方向に直交する方向に移動させる。第2凸型移動機構は、第1凹型13と第2凹型14の型閉、昇圧及び型締を妨げない位置まで、第2凸型12を移動させる。例えば、第2凸型12の凸部12bと、第1凸型11の凹部11dとが対向配置される位置まで、第2凸型12が移動させられる。
【0079】
金型装置1が第2凸型移動機構を有し第1凸型移動機構19を有しない場合、第2凸型12が移動させられ、第1凸型11は移動させられない。第2凸型12には第1射出装置35のノズル37がタッチされないので、第2凸型12の移動前に第1射出装置35を後退させる動作が不要である。
【0080】
一方、金型装置1が第1凸型移動機構19を有し第2凸型移動機構を有しない場合、第1凸型11が移動させられ、第2凸型12は移動させられない。第2凸型12を移動させるエネルギーの供給が不要であるので、回転盤33に固定される配線又は配管の数を低減できる。
【0081】
また、金型装置1は、第1凸型移動機構19と、第2凸型移動機構との両方を有してもよい。この場合、金型装置1が第1凸型移動機構19のみを有する場合に比べて第1凸型11の移動距離が短く、また金型装置1が第2凸型移動機構のみを有する場合に比べて第2凸型12の移動距離が短い。それゆえ、第1凸型11と第2凸型12を同時に移動させれば、ステップS105を短時間で実施でき、スループットを向上できる。
【0082】
第1凸型移動機構19は、本変形例では金型装置1の一部であるが、金型装置1とは別に設けられてもよく、射出成形機3の一部であってもよい。同様に、第2凸型移動機構は、金型装置1の一部でもよいし、射出成形機3の一部でもよい。
【0083】
ステップS105は、一次成形(S102)の後、二次成形(S107)の前に行われればよく、例えば、型開(S103)中に行われてもよいし、回転(S104)中に行われてもよいし、型閉(S106)中に行われてもよい。
【0084】
ステップS106では、
図10(A)に示すように、可動プラテン34が前進させられ、第2凸型12と第1凹型13とが前進させられ、型閉、昇圧及び型締が行われる。型締時に、第1凹型13と第2凹型14とは、第1分割品21と第2分割品22とを内部に収容した状態で、接合層23が成形される第3キャビティ空間17を形成する。第3キャビティ空間17は、第1分割品21と第2分割品22の突き合わせ面21a、22aの外縁に、リング状に形成される。
【0085】
第1凹型13と第2凹型14との型締時に、第1凸型11の当接面11aと第2凸型12の当接面12aとは押し付け合わされ、第1凸型11の凹部11dは第2凸型12の凸部12bを収容する。その際、第1凸型11の凹部11dは、第2凸型12のリング部12cをも収容する。
【0086】
なお、第1凸型11がその当接面11aに凹部11dを有する代わりに、第2凸型12がその当接面12aに凹部を有してもよい。その凹部は、第1凸型11の凸部11bを収容し、更に第1凸型11のリング部11cをも収容する。この場合、ステップS105において、第1凸型11の凸部11bと、第2凸型12の凹部とが対向配置される位置まで、第1凸型11及び/又は第2凸型12が移動させられる。
【0087】
また、第1凹型13と第2凹型14との型締時に、第1凸型11と第2凸型12とが接触しない程度に、第1凸型11及び/又は第2凸型12が大きく移動させられてもよい。この場合、第1凸型11と第2凸型12の一方には、他方の凸部を収容する凹部が不要である。但し、凹部があれば、移動距離を短縮できる。
【0088】
ステップS107では、
図10(B)に示すように、第2射出装置39が第3キャビティ空間17に液状の成形材料を充填する。第3キャビティ空間17において、成形材料が冷却固化され、接合層23が成形される。接合層23は、第1分割品21と第2分割品22の突き合わせ面21a、22aの外縁に、リング状に形成される。接合層23は、第1分割品21と第2分割品22とを溶着させる。その結果、中空成形品2が成形される。
【0089】
ステップS108では、
図11(A)に示すように、可動プラテン34が後退させられ、第2凸型12と第1凹型13とが後退させられ、脱圧及び型開が行われる。中空成形品2は、第1凹型13に付着した状態で、第1凹型13と共に後退させられ、第2凹型14から離型させられる。
【0090】
ステップS109では、
図11(B)に示すように、不図示の取出機が、金型装置1から中空成形品2を取り出す。中空成形品2は、第1凹型13から取り出される。このようにして、中空成形品2が得られる。
【0091】
なお、ステップS108において、中空成形品2は、本変形例では第1凹型13に付着するが、第2凹型14に付着し、第1凹型13から離型されてもよい。後者の場合、ステップS109において、中空成形品2は、第2凹型14から取り出される。
【0092】
以上、本発明に係る金型装置の実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0093】
回転盤33は、可動プラテン34の代わりに、固定プラテン32に回転自在に支持されてもよい。この場合、第1凸型11と第2凹型14は、固定プラテン32ではなく、可動プラテン34に取付けられる。この場合、可動プラテン34が特許請求の範囲に記載のプラテンに相当する。
【0094】
第2凸型移動機構18は、第2凸型12を、型開閉方向(例えばX軸方向)とその直交方向(例えばY軸方向又はZ軸方向)のいずれか1つの方向のみに移動させるが、両方の方向に移動させてもよい。
【0095】
同様に、第1凸型移動機構19は、第1凸型11を、型開閉方向(例えばX軸方向)とその直交方向(例えばY軸方向又はZ軸方向)のいずれか1つの方向のみに移動させるが、両方の方向に移動させてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 金型装置
11 第1凸型
12 第2凸型
13 第1凹型
14 第2凹型
18 第2凸型移動機構
19 第1凸型移動機構
2 中空成形品
21 第1分割品
22 第2分割品
23 接合層
3 射出成形機
32 固定プラテン(プラテン)
33 回転盤