(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】料金計算システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0283 20230101AFI20231107BHJP
【FI】
G06Q30/0283
(21)【出願番号】P 2020060257
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】勝間田 優樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 もとこ
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】山田 曉
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-327207(JP,A)
【文献】特開2005-030369(JP,A)
【文献】特開2004-341963(JP,A)
【文献】特開2015-184811(JP,A)
【文献】特開2004-185398(JP,A)
【文献】特開2007-102658(JP,A)
【文献】特開2002-203018(JP,A)
【文献】特開2010-186396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより移動体に給油されたときの給油に係る情報を取得する取得部と、
前記給油に係る情報に基づいて前記移動体の排出ガスの排出量に応じた負担金を計算する計算部と、
を備え
、
前記取得部は、前記移動体に給油された履歴である給油履歴を取得し、
前記計算部は、所定の期間で前記移動体に給油された量とする期間給油量を前記給油履歴に基づき算出し、前記期間給油量に応じて算出された給油調整金により前記負担金を調整する、
料金計算システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記移動体の走行状態履歴を取得し、
前記計算部は、前記走行状態履歴に基づき算出された走行調整金により前記負担金を調整する、請求項1に記載の料金計算システム。
【請求項3】
前記負担金を前記ユーザに通知する通知部をさらに備える、請求項1
又は2に記載の料金計算システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記給油に係る情報を管理する管理サーバから前記給油に係る情報を取得する、請求項1~
3の何れか一項に記載の料金計算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金を計算する料金計算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、料金徴収区間の境界部分に設けたゲートで自動車の出入りを検出し、料金徴収区間に進入した信号を受信した場合に燃費データを計測し、料金徴収区間内の燃費データに応じた通行料を課金する料金徴収システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体を使用するユーザに対して、移動体の排出ガスの排出量に応じて課金する料金を算出することで、当該ユーザに対して排出ガスの排出量が低減するように移動体を使用するよう促すことが考えられる。しかしながら、特許文献1に記載の料金徴収システムでは、自動車の燃費に応じて料金が算出されるため、たとえ自動車が燃費のよい走行をした場合であっても、当該自動車からの排出ガスの排出量の総量が大きい場合は環境への悪影響が大きい。このため、移動体の排出ガスの排出量に応じた料金を算出することが求められていた。
【0005】
そこで、本発明は、移動体の排出ガスの排出量に応じた料金を計算することができる料金計算システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の料金計算システムは、ユーザにより移動体に給油されたときの給油に係る情報を取得する取得部と、給油に係る情報に基づいて移動体の排出ガスの排出量に応じた負担金を計算する計算部と、を備える。
【0007】
この発明によれば、計算部は、取得部において取得された給油に係る情報に基づいて負担金を計算する。移動体に給油された燃料が給油後に移動体によって使用されることで、排出ガスが移動体から排出されると推定される。このため、料金計算システムにおいて、給油に係る情報と移動体の排出ガスの排出量とを対応付けることができる。よって、移動体の排出ガスの排出量に応じた料金を計算することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動体から排出される排気ガスの排出量に応じた料金を計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る料金計算システムの構成を示す図である。
【
図3】期間給油量に対する1日あたりの給油調整金の一例を示す表である。
【
図4】期間給油量及び給油調整金の一例を示す表である。
【
図5】本発明の実施形態に係る負担金を算出する過程を示すシーケンス図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る負担金及び給油調整金を算出する過程を示すシーケンス図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る走行調整金を算出する過程を示すシーケンス図である。
【
図8】負担金、給油調整金及び走行調整金を徴収する過程を示すシーケンス図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る料金計算システムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0011】
図1は、本実施形態に係る料金計算システムの構成を示す図である。料金計算システム1は、給油に係る情報に基づいて、移動体の排出ガスの排出量に応じた負担金を計算するシステムである。料金計算システム1は、例えば、移動体の排出ガスの排出量に応じた負担金を徴収するため、負担金を計算する。当該移動体は、乗り物(飛行機、船舶、車両等)であってもよく、無人で動く機器(ドローン、自動運転車等)であってもよく、ロボットであってもよい。本実施形態の移動体は、例えば自動車、自動二輪車等の車両である。
【0012】
料金計算システム1は、例えば、複数のサーバ装置、即ち、コンピュータシステムによって実現される。料金計算システム1は、車両2(移動体の一例)、ユーザ端末3、管理サーバ4、有料道路サーバ5、計算サーバ6及びネットワーク7を備える。料金計算システム1は、給油所においてガソリンの代金を決済する決済端末(不図示)と、有料道路において車両2の進入を検知する進入検知部51と、有料道路において車両2の退出を検知する退出検知部52とをさらに備えている。車両2、ユーザ端末3、管理サーバ4、有料道路サーバ5、計算サーバ6、給油所の決済端末、進入検知部51及び退出検知部52は、ネットワーク7によりそれぞれ互いに通信可能に構成されている。
【0013】
本実施形態に係る料金計算システム1の機能を説明する。車両2は、ユーザが使用する対象である。車両2の使用とは、車両2のエンジン等の動力源を起動させて行われる操作を指し、例えば、車両2をアイドリングの状態にする操作又は車両2を走行させる操作を含む。車両2は、例えば、給油所で給油されたガソリン等の燃料をエネルギー源として動力源を起動させる。車両2は、ガソリンを消費することで排出ガスを排出する。排出ガスは、例えば二酸化炭素を含む。
【0014】
車両2は、車両2の動きを感知する各種のセンサを備えている。車両2は、例えば、車両2の走行により発生する速度を検出する速度センサ21と、車両2の走行により発生する加速度を検出する加速度センサ22と、車両2のエンジンの回転数を検出する回転数検出部23と、エンジンが駆動している時間を検出する駆動時間検出部24と、車両2のガソリンの残量を検出する残量検出部25とを有する。車両2は、上述した各センサ及び各検出部からの情報である車両2の走行状態履歴を検出する。走行状態履歴は、例えば、車両2が走行したときに検出された速度、加速度、エンジンの回転数、エンジンの駆動時間及びガソリンの残量、並びに各値が検出された日時を含む。走行状態履歴は、例えば、車両2のユーザの使用の開始から車両2のユーザの使用の終了までの間に検出された、上述した各値と、各値が検出された日時とを含む。
【0015】
具体的には、速度センサ21が走行により発生する速度を検出すると、車両2は、当該速度を検出した日時及び速度を含む速度データを生成してネットワーク7を介して計算サーバ6へ出力する。加速度センサ22が走行により発生する加速度を検出すると、車両2は、当該加速度を検出した日時及び加速度を含む加速度データを生成してネットワーク7を介して計算サーバ6へ出力する。回転数検出部23がエンジンの回転数を検出すると、車両2は、当該エンジンの回転数を検出した日時及びエンジンの回転数を含む回転数データを生成してネットワーク7を介して計算サーバ6へ出力する。駆動時間検出部24がエンジンの駆動時間を検出すると、車両2は、当該エンジンの駆動時間を検出した日時及びエンジンの駆動時間を含む駆動時間データを生成してネットワーク7を介して計算サーバ6へ出力する。残量検出部25がガソリンメータ等からガソリンの残量を検出すると、車両2は、当該ガソリンの残量を検出した日時及びガソリンの残量を含む残量データを生成してネットワーク7を介して計算サーバ6へ出力する。車両2は、例えば、車両2の使用が終了したときに、車両2のユーザの使用の開始から車両2のユーザの使用の終了までの間で得られた上述の各データを含む走行状態履歴を計算サーバ6に出力する。なお、車両2は走行状態履歴を検出した場合、直ちに走行状態履歴を出力する形式にしてもよく、所定の期間ごとに走行状態履歴をまとめて出力する形式にしてもよい。
【0016】
ユーザ端末3は、料金計算システム1における各サーバからの情報を受信する端末である。ユーザ端末3は、例えば、ユーザにより操作されるコンピュータである。一例として、ユーザとユーザ端末3とは一対一で対応しており、ユーザ端末3はユーザに所有されるスマートフォンである。ただし、ユーザ端末3の形態は特定の形態に限定されない。ユーザ端末3の他の例としては、タブレット端末、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ、スマートスピーカ、スマートテレビ、スマート家電等が挙げられる。また、一のユーザ端末3は、複数のユーザによって共有されてもよい。
【0017】
ユーザ端末3は、有料道路サーバ5及び計算サーバ6からの情報を受信する受信部31と、有料道路サーバ5及び計算サーバ6からの情報を表示する表示部32とを有する。表示部32は、例えばディスプレイである。
【0018】
管理サーバ4は、ユーザにより車両2に給油されたときの給油に係る情報を管理する。給油に係る情報には、例えば、ユーザにより給油所において決済されたガソリンの代金と、給油所に係る情報とが含まれる。給油所に係る情報には、ガソリンの単価が含まれる。管理サーバ4は、例えば、給油所サーバ41と、決済サーバ42とを有する。
【0019】
給油所サーバ41は、車両2に給油する給油所に係る情報を管理するサーバである。給油所に係る情報に含まれるガソリンの単価は、給与所で車両2に給油するときの所定の量のガソリンに対する代金である。ガソリンの単価は、例えば、ガソリン1Lあたりの代金である。給油所サーバ41は、給油所に係る情報を、所定の期間ごとにネットワーク7を介して計算サーバ6へ出力する。給油所サーバ41は、例えば、1日あたり1回、給油所に係る情報を計算サーバ6へ出力する。給油所サーバ41は、例えば、ガソリンの単価が変更となった時点で給油所に係る情報を計算サーバ6へ出力してもよい。
【0020】
決済サーバ42は、ユーザにより決済された情報を管理するサーバである。ユーザは、給油所の決済端末を介してガソリンの代金を決済する。ユーザによるガソリンの代金の決済は、例えば、クレジットカード、電子マネー等の電子決済により行われる。決済端末は、例えば、クレジットカードリーダである。給油所の決済端末からガソリンの代金が決済されたという決済情報が決済サーバ42に送信されることで、決済サーバ42は給油履歴を記憶する。給油履歴とは、給油に係る情報を含む。給油履歴は、例えば、車両2に給油された給油量に応じてユーザにより支払われるガソリンの代金と、そのガソリンの代金の支払いを行ったユーザ名と、車両2に給油した日時とを含む情報である。すなわち、給油履歴は、過去に給油されたときの情報を含む。決済サーバ42は、例えば、時系列順に給油履歴を記憶する。ユーザが給油所の決済端末を介してガソリンの代金を支払うことにより、決済サーバ42は、新たな給油が行われたとして給油履歴を更新する。決済サーバ42は、例えば給油履歴が更新された後、ネットワーク7を介して給油履歴を計算サーバ6へ出力する。
【0021】
有料道路サーバ5は、有料道路を通過した車両2から通行料を通知するサーバである。進入検知部51は、有料となる所定地域である有料道路の境界部分において車両2の進入を検知する。退出検知部52は、有料道路の境界部分において車両2の退出を検知する。有料道路サーバ5、進入検知部51及び退出検知部52は、例えば、有料道路等のETC(Electronic Toll Collection System)である。
【0022】
進入検知部51は、有料道路サーバ5へ進入検知情報を送信する。進入検知情報とは、車両2が有料道路に進入したことを示す通知情報である。有料道路サーバ5は、進入検知部51から進入検知情報を受信した後、車両2及び計算サーバ6に進入検知情報を送信する。有料道路サーバ5は、有料道路の通行料が前払いである場合、有料道路の通行料をユーザ端末3に通知する。退出検知部52は、有料道路サーバ5へ退出検知情報を送信する。退出検知情報とは、車両2が有料道路から退出したことを示す通知情報である。有料道路サーバ5は、退出検知部52から退出検知情報を受信した後、車両2及び計算サーバ6に退出検知情報を送信する。有料道路サーバ5は、有料道路の通行料が後払いである場合、有料道路の通行料をユーザ端末3に通知する。ユーザは、例えば、車両2に設けられた決済装置(不図示)を介して、有料道路サーバ5から通知された有料道路の通行料を決済する。車両2の決済装置は、例えば、給油所の決済端末と同一のコンピュータシステムを有する。車両2の決済装置から有料道路の通行料が決済されたという決済情報は、例えば、決済サーバ42及び計算サーバ6に送信される。
【0023】
計算サーバ6は、車両2の各センサ及び各検出部、並びに各サーバからの情報に基づき、車両2の排出ガスの排出量に応じた後述の負担金及び調整金を計算するサーバである。計算サーバ6は、取得部60、記憶部70、計算部80及び通知部90を有する。
【0024】
取得部60は、ネットワーク7を介して車両2の各センサ及び各検出部からのデータを含む走行状態履歴を取得する。取得部60は、ネットワーク7を介して給油所サーバ41から給油所に係る情報を取得する。取得部60は、ネットワーク7を介して決済サーバ42から給油履歴を取得する。
【0025】
記憶部70は、情報を記憶する機能部である。記憶部70は各情報を格納するデータベースとして機能する。記憶部70は、取得部60により取得されたデータを記憶する。記憶部70は、計算部80により計算された後述のデータを記憶する。記憶部70は、取得部60により得られたデータと計算部により得られたデータとを組み合わせて格納していてもよい。計算部80は、記憶部70から情報を取得可能なように構成されている。なお、記憶部70は、料金計算システム1の外部に設けられていてもよい。
【0026】
計算部80は、車両2の排出ガスの排出量に応じた負担金、走行状態履歴に基づく走行調整金、及び給油量に応じて算出された給油調整金を計算する機能部である。負担金とは、排出ガスの排出量に応じて設定される料金である。走行調整金とは、車両2の走り方に応じて設定される料金である。給油調整金とは、車両2において所定の期間あたりの給油量に応じて設定される料金である。負担金は、給油調整金及び走行調整金の少なくとも一方により調整される。通知部90は、計算部80により計算された負担金をユーザ端末3に通知する機能部である。通知部90は、給油調整金又は走行調整金をユーザ端末3に通知してもよい。ユーザは、例えば、車両2の決済装置を介して負担金を決済する。
【0027】
計算部80の機能について詳細に説明する。まず、計算部80は、具体的には、以下のように負担金を計算する。
【0028】
計算部80は、決済サーバ42からの給油に係る情報に基づいて、車両の排出ガスの排出量に応じた負担金を計算する。すなわち、計算部80は、取得部60により取得された給油に係る情報であるガソリンの代金に基づいて負担金を計算する。計算部80は、例えば、車両2の排出ガスの排出量が多ければ多いほど負担金は高くなるように算出され、車両2の排出ガスの排出量が少なければ少ないほど負担金は低くなるように算出される。負担金は、車両2に給油されるごとに計算部80において計算される。
【0029】
図2は、給油履歴及び負担金の一例を示す表である。
図2に示すように、記憶部70は、例えば、給油所サーバ41におけるガソリンの単価、決済サーバ42における給油履歴、及び計算部80における計算結果をまとめて記憶する。計算部80は、ガソリンの代金を、取得部60により取得された給油所に係る情報であるガソリンの単価によって除すことで、対象のユーザAが車両2に給油したガソリンの量である給油量を計算する。ガソリンの単価は、例えば、ガソリンの代金が決済された決済日時におけるガソリンの単価を用いる。
【0030】
計算部80は、負担率を給油量に乗じることで、負担金を計算する。負担率は、予め設定されている給油量に対する負担金の割合である。負担率は、例えば、給油量1Lに対して負担金が1円となる割合に設定される。なお、負担率は、任意の割合に設定されてもよい。給油量に負担率を乗じることで算出された負担金は、給油量に応じた料金となる。
【0031】
ここで、給油量と排出ガスの排出量との関係を説明する。車両2の使用時にガソリンが消費されることで、車両2からは排出ガス(排気ガス)が排出される。車両2の排出ガスの排出量は、車両2のガソリンの消費量に比例する。車両2は給油量分だけガソリンを消費することができるため、車両2の排出ガスの排出量は車両2に対して給油されたガソリンの給油量に比例する。したがって、負担金は、給油量に比例する料金であると共に、車両2の排出ガスの排出量に比例する料金となる。計算部80は、給油量及び負担金を記憶部70に記憶する。なお、計算部80は、ユーザ名によりユーザを区別し、ユーザごとに負担金を算出する。
【0032】
また、計算部80は、具体的には以下のように給油調整金及び給油調整金により調整された負担金を計算する。
【0033】
給油調整金は、過去に1度以上給油された状態で、さらに今回給油された場合に計算される。計算部80は、所定の期間で車両に給油された量とする期間給油量を取得部60において取得された給油履歴に基づき算出し、期間給油量に応じて給油調整金を計算する。計算部80は、例えば、給油履歴に基づき、1日あたりに車両2に給油された量として期間給油量を計算する。ここで、計算部80は、給油間日数を算出する。給油間日数は、計算を行う日時から遡って最も直近の給油した日時から当該直近の日時の前の給油した日時までの間の日数である。計算部80は、計算を行う日時から遡って最も直近の給油した日時における給油量を、当該給油間日数で除すことで、期間給油量を計算する。
【0034】
図3は、期間給油量に対する1日あたりの給油調整金の一例を示す表である。
図3に示すように、計算部80は、期間給油量の量に対して複数の数値範囲を設定する。計算サーバ6は、期間給油量に対して設定された各数値範囲に応じて、1日あたりの給油調整金を予め設定している。1日あたりの給油調整金は、例えば、期間給油量が小さければ小さいほど低くなるように設定される。1日あたりの給油調整金に対して給油間日数を乗じることで、今回の給油に対する給油調整金が計算される。1日あたりの給油調整金は、数値範囲に応じて、負の値、0又は正の値のいずれかに設定される。各数値範囲の大きさ及び1日あたりの給油調整金は、
図3の値に限定されず、任意の範囲及び料金に設定されてもよい。期間給油量に対する1日あたりの給油調整金の対応関係データは、例えば、記憶部70に記憶されている。
【0035】
計算部80は、記憶部70に記憶されている対応関係データより、今回の給油で算出された期間給油量に対する1日あたりの給油調整金を導出する。
図4は、期間給油量及び給油調整金の一例を示す表である。計算部80において、給油調整金は、
図3に示す表(対応関係データ)により導出された1日あたりの給油調整金に、給油間日数を掛けることで算出される。期間給油量が小さければ小さいほど、1日あたりの給油調整金が小さくなるため、給油調整金も小さくなる。1日あたりの給油調整金が負の値を示すとき、給油調整金は負担金を減額するような料金となる。1日あたりの給油調整金が0を示すとき、給油調整金は負担金を変更しない料金(0)となる。1日あたりの給油調整金が正の値を示すとき、給油調整金は負担金を増額するような料金となる。なお、計算部80は、ユーザ名によりユーザを区別し、ユーザごとに給油調整金を算出する。
【0036】
計算部80は、算出された給油調整金により負担金を調整する。計算部80は、負担金に給油調整金を加算することで負担金を再計算する。例えば、給油調整金が負の値を取る場合、給油調整金を負担金に加算することで再計算された負担金は、当初の負担金より減額された料金となる。
【0037】
さらに、計算部80は、具体的には以下のように走行調整金及び走行調整金により調整された負担金を計算する。
【0038】
計算部80は、取得部60において取得された車両2の各センサ又は各検出部からの走行状態履歴に基づき走行調整金を計算する。計算部80は、走り方分析として、車両2が環境への悪影響が大きいような走り方をしているかを分析する。計算部80は、車両2が環境への悪影響が大きいような走り方をしていればしているほど、負担金に対して増額するような走行調整金を算出する。計算部80は、例えば、車両2が環境に配慮した走り方をしていればしているほど、負担金に対して減額するような走行調整金値を算出する。環境への悪影響が大きいような走り方とは、例えば、急発進、急加速、急減速、急停車、エンジンの空ぶかし等の回数が他の車両に比べて多い走り方である。また、環境への悪影響が大きいような走り方とは、例えば、燃料の単位容量あたりの走行距離が他の車両に比べて小さい走り方、すなわち燃費が悪い走り方を指す。ここでは、環境に配慮した走り方とは、環境への悪影響が大きいような走り方と反対の意味合いを持つ。
【0039】
計算部80は、走り方分析として、車両2において所定の期間で検出された走行状態履歴から、車両2が排出する排出ガスに関係する項目に関する情報を検出する。例えば、当該所定の期間とは、上述のようにユーザによる車両2の運転が開始されてからユーザにより車両2の運転が終了するまでの間を指す。当該項目に関する情報とは、例えば、取得部60により取得された走行状態履歴に含まれうる速度データ、加速度データ、回転数データ、駆動時間データ、及び残量データの少なくとも1つのデータである。
【0040】
計算部80は、例えば、加速度において第1閾値以下の値又は第2閾値以上の値を示すデータを加速度データ内で検出した回数を数え上げる。例えば、第1閾値は負の値であり、第2閾値は正の値である。ここで、加速度が第1閾値以下の値を取る状況とは、例えば車両2が急減速した場合(ユーザが急ブレーキを掛けた場合)又は急停車した場合等において、車両2の走行方向とは逆の向き(負の向き)に大きな加速度が掛かる状況を指す。加速度が第2閾値以上の値を取る状況とは、例えば、車両2が急発進した場合又は車両2が急加速した場合等において、車両2の走行方向に大きな加速度が掛かる状況を指す。
【0041】
計算部80は、例えば、エンジンの回転数において第3閾値以上の回転数を示すデータを回転数データ内で検出した回数を数え上げる。ここで、エンジンの回転数が第3閾値以上を取る状況とは、例えば車両2においてユーザが急加速した場合又は空ぶかしを行った場合等においてエンジンの回転数が多くなる状況を指す。
【0042】
計算部80は、例えば、駆動時間データに含まれるエンジンの駆動時間から車両2の走行時間を引いて得られたアイドリング時間を計算する。計算部80において、走行時間は、例えば、速度データにおいて正の値及び負の値を取っている時間から算出される。計算部80は、アイドリング時間が第4閾値以上の値を示すとき、当該アイドリング時間を検出する。ここで、アイドリング時間が第4閾値以上の値を取る状況とは、例えば車両2においてユーザがエンジンを起動し始めてから長時間アイドリングしていた状況を指す。
【0043】
計算部80は、例えば、残量データに含まれるガソリンの残量から車両2が消費したガソリンの消費量を計算する。計算部80において、例えば、車両2の運転開始時のガソリンの残量から車両2の運転終了時のガソリンの残量を引くことでガソリンの消費量が得られる。計算部80は、所定の期間あたりのガソリンの消費量が第5閾値以上の値を示すとき、当該ガソリンの消費量を検出する。ここで、ガソリンの消費量が第5閾値以上の値を取る状況とは、例えば車両2においてユーザがエンジンを起動し始めてから長時間使用していた状況を指す。
【0044】
計算部80は、走行状態履歴に基づき、走行調整金を計算する。具体的には、計算部80は、急加速度回数、エンジンの回転数、アイドリング時間、及びガソリンの消費量の少なくとも1つの項目に基づいて走行調整金を計算する。計算部80は、例えば、加速度において第1閾値以下の値又は第2閾値以上の値を示すデータを加速度データ内で検出した回数が多いほど料金が高くなるように走行調整金を算出する。計算部80は、例えば、エンジンの回転数において第3閾値以上の回転数を示すデータを回転数データ内で検出した回数が多いほど料金が高くなるように走行調整金を算出する。計算部80は、例えば、アイドリング時間が第4閾値以上の値を示すとき、当該アイドリング時間が長いほど料金が高くなるように走行調整金を算出する。計算部80は、例えば、ガソリンの消費量が第5閾値以上の値を示すとき、当該ガソリンの消費量が多いほど料金が高くなるように走行調整金を算出する。
【0045】
計算部80は、急加速度回数、エンジンの回転数、アイドリング時間、及びガソリンの消費量の少なくとも1つの項目に基づき車両2における燃費を算出した上で、当該燃費に基づき、所定の期間における走行調整金を算出してもよい。走行調整金は、例えば、燃費が悪ければ悪いほど、高くなるように算出される。なお、計算部80は、車両2が有する他のセンサの検出データに基づき、閾値を設定し、燃費及び走行調整金を算出してもよい。なお、走行調整金は、負の値、0又は正の値のいずれであってもよい。また、計算部80は、ユーザ名によりユーザを区別し、ユーザごとに走行調整金を算出する。
【0046】
計算部80は、算出された走行調整金により負担金を調整する。計算部80は、負担金に走行調整金を加算することで負担金を再計算する。例えば、走行調整金が負の値を取る場合、走行調整金を負担金に加算することで再計算された負担金は、当初の負担金より減額された料金となる。給油調整金又は走行調整金により調整された負担金は、例えば、有料道路の通行料を支払うときに通行料と共に支払われる。
【0047】
次に、
図5のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る料金計算システム1で実行される負担金の計算処理を説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る負担金を算出する過程を示すシーケンス図である。
図5のシーケンスの処理は、車両2に対して過去に1度も給油されていない状態で、今回初めて給油された場合に実行される。まず、給油所サーバ41から計算サーバ6に向けて給油所に係る情報を出力する(S11)。例えば、給油所においてガソリンの代金が変更されるごとに、給油所サーバ41は計算サーバ6にガソリンの代金を含む給油所に係る情報を送信する。給油所サーバ41は、所定の期間ごとに計算サーバ6に給油所に係る情報を出力してもよい。計算サーバ6の取得部60は、ネットワーク7を介して給油所サーバ41から給油所に係る情報を取得する。
【0048】
続いて、決済サーバ42は、給油履歴を更新する(S12)。当該給油履歴の更新処理(S12)は、例えば、ユーザが給油所において車両2に対して給油を行い、ユーザが給油所の決済端末を介してガソリンの代金の支払いを行った後に行われる。ガソリンの代金の支払いが行われたとき、給油所の決済端末からガソリンの代金が決済されたという決済情報が決済サーバ42に送信され、決済サーバ42は給油履歴を更新する。続いて、決済サーバ42における給油履歴の更新処理(S12)の後、決済サーバ42は給油履歴を計算サーバ6へ出力する(S13)。計算サーバ6の取得部60は、ネットワーク7を介して決済サーバ42から給油履歴を取得する。
【0049】
続いて、決済サーバ42の給油履歴の取得処理(S13)の後、計算サーバ6の計算部80は、給油量の計算を行う(S14)。続いて、計算部80の給油量の計算処理(S14)の後、計算サーバ6の計算部80は、負担金の計算を行う(S15)。続いて、計算部80の負担金の計算処理(S15)の後、計算サーバ6の記憶部70は、給油履歴及び負担金を記憶する(S16)。記憶部70は、給油履歴内の給油量に対応するように負担金を記憶する。続いて、計算部80の負担金の計算処理(S15)の後、計算サーバ6の通知部90は、ネットワーク7を介してユーザ端末3に負担金を通知する(S17)。記憶部70の給油履歴及び負担金の記憶処理(S16)、及び計算部80の負担金の通知処理(S17)は、順番が逆であってもよい。さらに、計算サーバ6は、通知部90の負担金の通知処理(S17)の後に判定処理を行ってもよい。判定処理では、計算サーバ6は、給油履歴に基づき、車両2が今回の給油を除いて過去に一度も給油されていないか否かを判定する。
図5のシーケンスの処理は、車両2に対して過去に1度も給油されていない状態であるため、計算サーバ6は、過去に一度も給油されていないと判定し、
図5に示すシーケンスの処理を終了する。
【0050】
次に、
図6のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る料金計算システム1で実行される負担金及び給油調整金の計算処理を説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る負担金及び給油調整金を算出する過程を示すシーケンス図である。
図6のシーケンスの処理は、車両2に対して過去に1度以上給油された状態で、さらに今回給油された場合に実行される。
図6の処理のうち、S21~S27の処理は、
図5に示すS11~S17の処理と同一の処理内容であるため、説明を省略する。計算サーバ6は、通知部90の負担金の通知処理(S27)の後に、上述の負担金の通知処理(S17)の後の判定処理と同一の処理内容である判定処理を行ってもよい。
図6のシーケンスの処理は、車両2に対して過去に1度以上給油された状態であるため、計算サーバ6は、過去に一度は給油されたと判定し、
図6に示すシーケンスの処理を継続する。
【0051】
通知部90の負担金の通知処理(S27)の後、計算サーバ6の取得部60は、前回給油した日時を取得する(S28)。取得部60は、決済サーバ42から出力された給油履歴、又は記憶部70に記憶された給油履歴から前回給油した日時を取得する。続いて、取得部60の日時の取得処理(S28)の後、計算部80は、給油調整金を計算する(S29)。まず、計算部80は、前回給油した日時、及び今回給油した日時から給油間日数を計算する。次に計算部80は、給油履歴及び計算された給油間日数に基づき、給油調整金を計算する。続いて、計算部80の給油調整金の計算処理(S29)の後、計算サーバ6の通知部90は、ネットワーク7を介してユーザ端末3に給油調整金を通知する(S30)。通知部90は、計算部80により給油調整金に基づき調整(再計算)された負担金をユーザ端末3に通知してもよい。
【0052】
なお、負担金の計算処理(S25)において、既に過去の給油において計算された負担金が初期化されていない場合は、計算部80は、過去の負担金に今回計算された負担金を加算する。給油調整金の計算処理(S29)において、既に過去の給油において計算された給油調整金が初期化されていない場合は、計算部80は、過去の給油調整金に今回計算された給油調整金を加算する。また、計算部80の給油調整金の計算処理(S29)の後、記憶部70は、給油調整金、又は給油調整金に基づき調整(再計算)された負担金を記憶してもよい。
【0053】
次に、
図7のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る料金計算システム1で実行される走行調整金の計算処理を説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る走行調整金を算出する過程を示すシーケンス図である。
図7のシーケンスの処理は、ユーザが車両2を使用した場合に実行される。まず、あるタイミングにおいて車両2はユーザによる車両2の使用開始の検知を行う(S41)。車両2は、例えば回転数検出部23を介してユーザによる使用の開始を検知する。回転数検出部23は、検出する回転数が増加した場合に車両2がユーザにより使用され始めたと検知する。続いて、車両2の使用開始の検知処理(S41)の後、車両2は、走行状態履歴を取得する(S42)。車両2の各センサ及び各検出部は、各データを検出する。続いて、車両2の使用開始の検知処理(S41)の後、あるタイミングにおいて車両2はユーザによる車両2の使用終了の検知を行う(S43)。車両2は、例えば回転数検出部23を介してユーザによる車両2の使用が終了したことを検知する。回転数検出部23は、検出する回転数が一定時間変わらない場合に車両2がユーザにより使用が終了されたと検知する。
【0054】
続いて、車両2の使用終了の検知処理(S43)の後、車両2は、走行状態履歴を計算サーバ6に出力する(S44)。計算サーバ6の取得部60は、ネットワーク7を介して走行状態履歴を車両2から取得する。続いて、取得部60の走行状態履歴の出力処理(S44)の後、計算サーバ6の計算部80は、走り方分析を行う(S45)。続いて、計算部80の走り方分析処理(S45)の後、計算サーバ6の計算部80は、走行調整金の計算を行う(S46)。走行調整金の計算処理(S46)において、既に過去の使用において計算された走行調整金が初期化されていない場合は、計算部80は、過去の走行調整金に今回計算された走行調整金を加算する。続いて、計算部80の走行調整金の計算処理(S46)の後、計算サーバ6の通知部90は、ネットワーク7を介してユーザ端末3に給油調整金を通知する(S47)。通知部90は、計算部80により走行調整金に基づき調整(再計算)された負担金をユーザ端末3に通知してもよい。
【0055】
走行調整金の計算処理(S46)において、既に過去の車両2の走行において計算された走行調整金が初期化されていない場合は、計算部80は、過去の走行調整金に今回計算された走行調整金を加算する。また、計算部80の走行調整金の計算処理(S46)の後、記憶部70は、走行調整金、又は走行調整金に基づき調整(再計算)された負担金を記憶してもよい。
【0056】
次に、
図8のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る料金計算システム1で実行される負担金の徴収処理を説明する。
図8は、負担金、給油調整金及び走行調整金を徴収する過程を示すシーケンス図である。
図8のシーケンスの処理は、ユーザが車両2を走行させ、有料道路を通行する場合に実行される。また、当該有料道路の通行料は、有料道路からの退出をする際に後払いされるものとする。
図8のシーケンスの処理では、事前に
図5~
図7に示すシーケンスの処理により負担金、給油調整金及び走行調整金が計算されているものとする。
【0057】
まず、あるタイミングにおいて車両2はユーザによる車両2の使用開始の検知を行う(S51)。当該使用開始の検知処理(S51)は、
図7のS41と同一の処理である。ユーザは車両2を使用して有料道路に進入する。続いて、ユーザによる使用により車両2が有料道路に進入するときに、有料道路サーバ5の進入検知部51は、車両2の有料道路への進入を検知する(S52)。車両2及び計算サーバ6の取得部60は、有料道路サーバ5から進入検知情報を取得する。
【0058】
続いて、取得部60が進入検知情報を取得した後に、計算サーバ6の計算部80は、給油調整金及び走行調整金に基づいて負担金を調整する(S53)。計算部80は、負担金に給油調整金及び走行調整金をそれぞれ加算する。給油調整金及び走行調整金のうち料金が算出されていない調整金がある場合は、当該算出されていない調整金を加算せずに処理を終了する。なお、給油調整金又は走行調整金が計算されたタイミングで負担金がその都度調整(再計算)されている場合は、当該負担金の調整処理(S53)は行われなくてもよい。
【0059】
続いて、計算部80の負担金の調整処理(S53)の後、計算サーバ6の通知部90は、負担金をユーザ端末3に通知する(S54)。当該負担金は、負担金の調整処理(S53)により調整された料金である。ユーザ端末3の受信部31は、通知部90からの負担金の情報を受信する。ユーザは、ユーザ端末3の表示部32を介して負担金を確認することができる。
【0060】
続いて、進入検知部51の進入検知処理(S52)の後、ユーザによる使用により車両2が有料道路から退出するときに、有料道路サーバ5の退出検知部55は、車両2の有料道路からの退出を検知する(S55)。車両2は、有料道路サーバ5から退出検知情報を取得する。
【0061】
続いて、退出検知部52の退出検知処理(S55)の後、有料道路サーバ5は、有料道路の通行料をユーザ端末3に通知する(S56)。退出検知部52の退出検知処理(S55)の後、有料道路サーバ5は、車両2の有料道路の進入地点及び退出地点に基づき、通行料を算出する。ユーザ端末3の受信部31は、有料道路サーバ5からの有料道路の通行料の情報を受信する。ユーザは、ユーザ端末3の表示部32を介して有料道路の通行料を確認することができる。
【0062】
続いて、計算部80の負担金の調整処理(S53)、及び有料道路サーバ5の通行料の通知処理(S56)の後、車両2は、有料道路の通行料及び負担金の支払いを行う(S57)。ユーザは、例えば、車両2の決済装置を介して有料道路の通行料及び負担金の支払いを行う。車両2の決済装置により有料道路の通行料及び負担金の支払いが行われたとき、決済サーバ42は決済金額を記憶する。車両2の決済装置は、有料道路の通行料及び負担金の支払いが行われたとき、計算サーバ6に支払いが完了した旨を通知する。負担金は、車両2の決済装置によって有料道路の通行料に合算して支払われてもよく、有料道路の通行料と負担金とが車両2の決済装置によって個別に支払われてもよい。
【0063】
続いて、車両2による支払い処理(S57)の後、計算サーバ6の計算部80は、負担金、給油調整金及び走行調整金を初期化する(S58)。計算部80は、S57により徴収が行われた負担金、給油調整金及び走行調整金をそれぞれ0とする。記憶部70は、負担金、給油調整金及び走行調整金を0として記憶する。続いて、計算部80の初期化処理(S58)の後、車両2はユーザによる車両2の使用終了の検知を行う(S59)。当該使用終了の検知処理(S59)は、
図7のS43と同一の処理である。なお、車両2の使用開始の検知処理(S51)から車両2の使用終了の検知処理(S59)までの間に、車両2は
図7の走行状態履歴の取得処理(S42)と同一の処理を行ってもよい。また、車両2の使用終了の検知処理(S59)後において、計算部80は、走行調整金の計算を行ってもよい。
【0064】
なお、有料道路の通行料が前払いの場合、例えば、料金計算システム1は有料道路への進入検知処理(S52)の後において、有料道路からの退出検知処理(S55)の前に、負担金の調整処理(S53)、負担金の通知処理(S54)、通行料の通知処理(S56)、及び支払い処理(S57)が行われてもよい。また、負担金が既に徴収されているなど、負担金が0になっている状態で走行調整金が発生している場合、計算部80は、例えば、走行調整金を負担金として算出する。
【0065】
本実施形態では、料金計算システム1は、ユーザにより車両2(移動体)に給油されたときの給油に係る情報を管理する管理サーバ4から給油履歴(給油に係る情報)を取得する取得部60と、給油に係る情報に基づいて車両2の排出ガスの排出量に応じた負担金を計算する計算部80と、を備える。車両2に給油された燃料が給油後に車両2によって使用されることで、排出ガスが車両2から排出されると推定される。このため、料金計算システム1において、管理サーバ4からの給油に係る情報と車両2の排出ガスの排出量とを対応付けることができる。よって、車両2の排出ガスの排出量に応じた料金を計算することができる。
【0066】
また、上述した実施形態のように、料金計算システム1において取得部60は、車両2の走行状態履歴を取得し、計算部は、走行状態履歴に基づき算出された走行調整金により負担金を調整してもよい。計算部80は、車両2の各センサを介して得られた走行状態履歴に基づき、急発進、急加速、急減速、急停車、エンジンの空ぶかし等を考慮に入れた燃費を算出し、燃費に基づく料金である走行調整金を計算することができる。上述のように走行調整金は車両2の走り方に応じて設定されるため、料金計算システム1は、環境に悪影響を与える走り方をした度合いに応じた料金を算出することができる。
【0067】
また、上述した実施形態のように、料金計算システム1において取得部60は、車両2に給油された履歴である給油履歴を取得し、計算部80は、所定の期間で車両2に給油された量とする期間給油量を給油履歴に基づき算出し、期間給油量に応じて算出された給油調整金により負担金を調整してもよい。計算部80は、給油する間隔に対して給油量の割合である期間給油量が小さい場合、車両2は所定の期間内で排出した排出ガスの排出量が少ないため、料金計算システム1は小さい給油調整金を算出する。期間給油量が大きい場合、車両2は所定の期間内で排出した排出ガスの排出量が多いため、料金計算システム1は大きい給油調整金を算出する。これにより、料金計算システム1は、環境に悪影響を与える燃料の使用を行ったか否かに応じた料金を算出することができる。
【0068】
また、上述した実施形態のように、料金計算システム1は、負担金をユーザに通知する通知部90をさらに備えてもよい。負担金、又は、給油調整金及び走行調整金の少なくとも一方により調整された負担金が計算サーバ6により計算され、ユーザ端末3を介してユーザに通知される。これにより、料金計算システム1は、車両2の使用による環境への影響の大きさを、負担金の金額によってユーザに認識させることができる。
【0069】
また、上述した実施形態のように、料金計算システム1は、有料道路の区間外であっても、車両2の排出ガスの排出量に応じて負担金をユーザから徴収することができる。このため、料金計算システム1は、ユーザに対して、排出ガスの排出量が低減するように車両2を使用するよう促すことができる。
【0070】
なお、上述した実施形態において、取得部60は、管理サーバ4から給油に係る情報を取得しなくてもよい。このとき、取得部60は、給油所の計量機等の給油量を示す装置、又は計算サーバ6の記憶部70から、給油に係る情報、給油履歴、及び給油所に係る情報の少なくとも1つを取得してもよい。料金計算システム1は負担金をより早く提示することができる。
【0071】
また、負担金の徴収は、有料道路の通行料と共に徴収されなくてもよい。このとき、料金計算システム1における負担金、又は、給油調整金及び走行調整金の少なくとも一方により調整された負担金は、例えば、給油所でのガソリンの代金の支払いと共に徴収されてもよい。給油所でのガソリンの代金の支払いの際に負担金を徴収することで、ユーザに車両2の排出ガスの排出量を意識させることができ、今回給油されたガソリンに対して排出ガスの排出量が低減するように車両2を使用するよう促すことができる。
【0072】
給油調整金及び走行調整金の少なくとも一方は算出されなくてもよい。給油調整金が算出されない場合、決済サーバ42は給油履歴を記憶及び出力しなくてもよく、給油に係る情報として、給油した量に応じたガソリンの代金を記憶及び出力すればよい。走行調整金が算出されない場合、車両2は走行状態履歴を出力しなくてもよい。
【0073】
また、給油に係る情報には車両2に給油された給油量が含まれてもよい。このとき、給油所サーバ41は給油所に係る情報の出力処理(S11,S21)を行わなくてもよく、計算部80は、給油量の計算処理(S14,S24)を行わなくてもよい。例えば、計算サーバ6において、取得部60は給油所の計量機等の給油量を示す装置から直接今回の車両2に対する給油量を取得し、計算部80は今回の車両2に対する給油量に応じて負担金又は給油調整金を算出してもよい。このとき、取得部60は、管理サーバ4から給油履歴を取得しない。計算部80は、給油量から算出された負担金に給油調整金又は走行調整金を加算して負担金を調整する。給油所の決済端末は、給油量から算出された負担金、又は調整された負担金を徴収することができる。給油所の決済端末は、ユーザにより決済が行われたことを計算サーバ6に通知することで、計算部80は、初期化処理(S58)を実行することができる。給油ごとに負担金及び給油調整金が決済されるため、記憶部70は負担金及び給油調整金を記憶しなくてもよい。
【0074】
ガソリンの代金の支払いとしてユーザが現金により支払いを行った場合等において、給油所の決済端末を介して給油履歴が給油所サーバ41内に作成されてもよい。例えば、当該給油履歴は、ユーザ又は給油所のスタッフ(ユーザ)による給油所サーバ41に対する入力操作により作成される。このとき、決済サーバ42が行う給油履歴の出力処理(S13,S23)に代えて、給油所サーバ41が給油履歴の出力処理を行ってもよい。また、給油所サーバ41において作成された当該給油履歴は、給油量を含んでいてもよい。
【0075】
また、取得部60は、走行状態履歴を車両2の使用の終了ごとに取得しなくてもよい。このとき、取得部60は、例えば所定の日数又は所定の時間ごとに走行状態履歴を取得してもよい。また、ユーザは、車両2に対して燃料ではなく電気を補給してもよい。このとき、料金計算システム1は、給油量に応じた負担金及び給油調整金の代わりに、給電量に応じた負担金及び給電調整金を計算してもよい。
【0076】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0077】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0078】
例えば、本開示の一実施の形態における料金計算システム1の端末及び各サーバは、本開示の情報処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図9は、本開示の一実施の形態に係る料金計算システム1の端末及び各サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。上述の料金計算システム1の端末及び各サーバは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0079】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。料金計算システム1の端末及び各サーバのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0080】
料金計算システム1の端末及び各サーバにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0081】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の料金計算システム1の端末及び各サーバにおける各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0082】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、料金計算システム1の端末及び各サーバにおける各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0083】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る情報処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0084】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。決済サーバ42及び記憶部70は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0085】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0086】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0087】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0088】
また、料金計算システム1の端末及び各サーバは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0089】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0090】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0091】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0092】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0093】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0094】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0095】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0096】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0097】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0098】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0099】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0100】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0101】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0102】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0103】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0104】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…料金計算システム、2…車両、3…ユーザ端末、4…管理サーバ、5…有料道路サーバ、6…計算サーバ、7…ネットワーク、21…速度センサ、22…加速度センサ、23…回転数検出部、24…駆動時間検出部、25…残量検出部、31…受信部、32…表示部、41…給油所サーバ、42…決済サーバ、51…進入検知部、52…退出検知部、60…取得部、70…記憶部、80…計算部、90…通知部。