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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】移動体
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20231107BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20231107BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20231107BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20231107BHJP
【FI】
G01S7/481 A
B60W40/02
G01S17/931
G01S13/931
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020143961
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2022039109
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 真悟
(72)【発明者】
【氏名】喜住 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】真取 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】岩本 翔平
(72)【発明者】
【氏名】中井 とう子
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-255041(JP,A)
【文献】特開2020-073897(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0023814(US,A1)
【文献】特表2020-522906(JP,A)
【文献】特開2004-312696(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021693(WO,A1)
【文献】特開平10-206521(JP,A)
【文献】特開2019-168474(JP,A)
【文献】国際公開第2019/059026(WO,A1)
【文献】特開2016-199257(JP,A)
【文献】特開2018-042034(JP,A)
【文献】特開2008-145412(JP,A)
【文献】国際公開第2020/105670(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51,
G01S 17/00-17/95,
B60W 40/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外界情報取得装置が搭載され、前記外界情報取得装置が取得した外界情報に基づいて自律移動可能な移動体であって、
前記外界情報取得装置は、
LiDAR装置、ミリ波レーダ装置、及びカメラ装置のうちのいずれかの装置であり、
前記移動体の外殻部材よりも前記移動体の内側に配置されており、
前記移動体の外側を向く面に、前記外界情報を取得する平面状の外界情報取得面が形成されており、
前記外殻部材は、前記移動体の外側から見て、前記外界情報取得面の少なくとも一部と重なる位置に形成された開口部を有し、
前記移動体は、前記外界情報取得装置と前記開口部との間に設けられたカバー部材を有し、
前記外界情報取得面は、前記カバー部材を介して前記外界情報を取得し、
前記カバー部材は、平板状であり、前記外界情報取得面と対向し、前記外界情報取得面に対し、前記移動体の上下方向及び左右方向に傾斜するように配置されており、
前記カバー部材は、前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更可能に前記移動体に固定されており、
前記移動体は、
前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する角度変更装置と、
前記移動体の移動状態を検出する移動状態検出部と、をさらに備え、
前記角度変更装置は、前記移動状態検出部で検出した前記移動体の移動状態に基づいて、前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する、移動体。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体であって、
前記外界情報取得装置は、前記移動体の前部又は後部に配置され、前記移動体の前記左右方向の中心から前記左右方向にオフセットして配置されている、移動体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の移動体であって、
前記外界情報取得装置は、前記移動体の前部又は後部に配置され、
前記カバー部材は、前記外界情報取得面に対し、前記左右方向において前記移動体の外側に向かうにしたがって前記移動体の前後方向において前記移動体の中心側に傾斜するように配置されている、移動体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の移動体であって、
前記外界情報取得装置は、前記移動体の前部又は後部に配置され、
前記カバー部材は、前記外界情報取得面に対し、前記上下方向において前記移動体の下側に向かうにしたがって前記移動体の前後方向において前記移動体の中心側に傾斜するように配置されている、移動体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の移動体であって、
前記外殻部材には、前記開口部の外縁から前記移動体の内側へ筒状に延びる内側突出部が形成されており、
前記カバー部材は、前記外殻部材の前記内側突出部よりも前記移動体の内側で、前記内側突出部を覆っており、
前記カバー部材と前記内側突出部の突出端部との間には、隙間部が形成されている、移動体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の移動体であって、
前記移動状態検出部は、前記移動体の旋回方向を検出する旋回方向検出部を有し、
前記角度変更装置は、前記旋回方向検出部で検出した前記移動体の旋回方向に基づいて、前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する、移動体。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の移動体であって、
前記移動状態検出部は、前記移動体の前後方向及び/又は前記左右方向の加速度を検出する加速度検出部を有し、
前記角度変更装置は、前記加速度検出部で検出した前記移動体の前記前後方向及び/又は前記左右方向の加速度に基づいて、前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する、移動体。
【請求項8】
請求項に記載の移動体であって、
前記加速度検出部は、少なくとも前記移動体の前記前後方向の加速度を検出し、
前記角度変更装置は、前記加速度検出部で検出した前記移動体の前記前後方向の加速度に基づいて、前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する、移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体に関し、特に、自律移動可能な移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外界情報取得装置が搭載された移動体が知られている。例えば、特許文献1には、外界情報取得装置としてのLiDAR装置(LiDAR:Light Detection and Ranging)が、車両前部の左右に設けられた前照灯の灯室内に搭載され、車両前方の外界情報を取得可能な車両が開示されている。また、特許文献1に記載の車両は、LiDAR装置が取得した外界情報に基づいて、運転支援から完全自動運転動作(自律移動)まで行うことが可能となっている。
【0003】
特許文献1に記載の車両の前照灯は、ハウジングと透光カバーとによって灯室が区画されており、LiDAR装置は、透光カバーを介して外界情報を取得する。そして、特許文献1に記載の車両は、LiDAR装置によって外界情報を取得可能な検出可能領域を拡大するために、透光カバーに曲面状のレンズ部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2019/021693号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自律移動可能な移動体において、LiDAR装置等の外界情報取得装置は、移動体が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域の外界情報を精度よく取得することが求められる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の車両は、透光カバーに曲面状のレンズ部が形成されている。レンズ部においては、透光カバーの厚みが変化するので、透光カバーは、厚みに応じて光透過率が変化する。
【0007】
また、透光カバーに対して傾斜して入射した光は、透光カバーに対して入射角(透光カバーと垂直な線を基準とする傾斜角)が生じる。透光カバーは、厚みが均一の場合でも、光の入射角に応じて光透過率が変化する。
【0008】
一般に、透光カバーの厚みが大きくなるほど、及び、光の入射角が大きくなるほど、光透過率は低下する。LiDAR装置において、透光カバーの光透過率が低い領域を透過したレーザ光によって取得された領域の外界情報は、精度が低下してしまう場合がある。
【0009】
しかしながら、車両のレイアウトの都合等により、自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域を向くようにLiDAR装置を配置できない場合がある。このとき、特許文献1に記載の車両は、自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域に向けて出射されたレーザ光が、透光カバーの光透過率が低い領域を透過し、自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域の外界情報の精度が低下してしまう虞があった。
【0010】
一方、特許文献1に記載の車両において、車両が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域に集光するようにレンズ面を配置して透光カバーを車両に取り付けようとすると、曲面やレンズ面には高度な加工精度が求められ、また、曲面やレンズ面を有する透光カバーは、車両に取り付ける際に高度な位置精度が求められるため、製造コストが高くなってしまうという課題があった。
【0011】
本発明は、自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域の外界情報を、低コストで精度よく取得することができる移動体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
外界情報取得装置が搭載され、前記外界情報取得装置が取得した外界情報に基づいて自律移動可能な移動体であって、
前記外界情報取得装置は、
LiDAR装置、ミリ波レーダ装置、及びカメラ装置のうちのいずれかの装置であり、
前記移動体の外殻部材よりも前記移動体の内側に配置されており、
前記移動体の外側を向く面に、前記外界情報を取得する平面状の外界情報取得面が形成されており、
前記外殻部材は、前記移動体の外側から見て、前記外界情報取得面の少なくとも一部と重なる位置に形成された開口部を有し、
前記移動体は、前記外界情報取得装置と前記開口部との間に設けられたカバー部材を有し、
前記外界情報取得面は、前記カバー部材を介して前記外界情報を取得し、
前記カバー部材は、平板状であり、前記外界情報取得面と対向し、前記外界情報取得面に対し、前記移動体の上下方向及び左右方向に傾斜するように配置されており、
前記カバー部材は、前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更可能に前記移動体に固定されており、
前記移動体は、
前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する角度変更装置と、
前記移動体の移動状態を検出する移動状態検出部と、をさらに備え、
前記角度変更装置は、前記移動状態検出部で検出した前記移動体の移動状態に基づいて、前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、平板状のカバー部材を、外界情報取得面と対向し、外界情報取得面に対し、移動体の上下方向及び左右方向に傾斜するように配置することによって、移動体が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域の外界情報を、低コストで精度よく取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態の車両を左斜め前方から見た斜視図である。
図2図1の車両を前方から見た正面図である。
図3図1の車両のフロントバンパのフロントグリルの左外側に設けられた開口部周辺の要部拡大図である。
図4図3の開口部周辺を、フロントバンパを取り除いた状態で見た要部拡大図である。
図5】本発明の一実施形態の車両において、LiDAR装置とカバー部材との位置関係を上方から見た要部断面図である。
図6図5のA-A断面図と、角度変更装置の模式図とを示した図である。
図7図1の車両の車両制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の移動体の一実施形態としての車両を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単かつ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、車両の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0016】
(車両)
まず、本実施形態の車両Vの構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0017】
車両Vは、自律移動可能な移動体である。以下、車両Vが自律移動することを自律運転ともいう。
【0018】
図1及び図2に示すように、車両Vは、駆動源(図示略)と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪と、を有する自動車である。本実施形態では、車両Vは、左右一対の前輪FW及び後輪RWを有する四輪の自動車である。車両Vの駆動源は、例えば電動機である。なお、車両Vの駆動源は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両Vの駆動源は、左右一対の前輪FWを駆動してもよいし、左右一対の後輪RWを駆動してもよいし、左右一対の前輪FW及び後輪RWの四輪を駆動してもよい。前輪FW及び後輪RWは、双方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
【0019】
車両Vは、例えば鋼板パネル溶接組立によるモノコック構造を有する骨格部材(不図示)と、骨格部材を覆って車両Vの外殻を構成する外殻部材1と、を備える。車両Vは、乗員を収容する車室CBと、車室CBの前方に形成されるフロントルームFRMと、を有する。車室CB及びフロントルームFRMは、いずれも外殻部材1によって囲まれた空間である。車室CBとフロントルームFRMとは、上下方向及び左右方向に延びるダッシュパネル(図示略)によって区画されている。フロントルームFRMには、車両Vの駆動源等が収容される。
【0020】
外殻部材1は、車両Vの前方を向く前面1aと、車両Vの後方を向く後面1bと、車両Vの左右方向を向く左右一対の側面1cと、車両Vの上方を向く上面1dと、を有する。
【0021】
外殻部材1は、車室CBの前側における車両Vの左右の側面1cを構成する左右一対のフロントドア10Fと、車室CBの後側における車両Vの左右の側面1cを構成する左右一対のリアドア10Rと、を備える。さらに、外殻部材1は、フロントドア10Fより前方における車両Vの左右の側面1cを構成する左右一対のフロントフェンダパネル11と、リアドア10Rより後方における車両Vの左右の側面1cを構成する左右一対のリアフェンダパネル12と、を備える。さらに、外殻部材1は、フロントドア10F及びリアドア10Rの下縁に沿って、車両Vの左側及び右側それぞれのフロントフェンダパネル11からリアフェンダパネル12へと前後方向に延びる左右一対のサイドシル13を備える。さらに、外殻部材1は、左右一対のフロントドア10F及びリアドア10Rの上縁に沿って前後方向及び左右方向に延び、車両Vの車室CBの上面を構成するルーフパネル14を備える。さらに、外殻部材1は、車両VのフロントルームFRMの前面下部を構成するフロントバンパ15と、車両VのフロントルームFRMの上面を構成するボンネット16と、を備える。さらに、外殻部材1は、車両Vの後面下部を構成するリアバンパ17と、車両Vの後面上部を構成するテールゲート18と、を備える。
【0022】
フロントフェンダパネル11には、フロントフェンダパネル11の下縁が上方に凸となる略円弧状に湾曲したフロントホイールアーチ部111が形成されている。フロントホイールアーチ部111の下方には、フロントホイールハウス112が形成され、フロントホイールハウス112には、前輪FWが収容される。フロントフェンダパネル11には、フロントホイールアーチ部111に沿って車両Vの左右方向の外側に膨出したフロントブリスターフェンダ部113が形成されている。
【0023】
リアフェンダパネル12には、リアフェンダパネルの下縁が上方に凸となる略円弧状に湾曲したリアホイールアーチ部121が形成されている。リアホイールアーチ部121の下方には、リアホイールハウス122が形成され、リアホイールハウス122には、後輪RWが収容される。リアフェンダパネル12には、リアホイールアーチ部121に沿って車両Vの左右方向の外側に膨出したリアブリスターフェンダ部123が形成されている。
【0024】
フロントバンパ15は、その左右端が左右それぞれのフロントホイールアーチ部111にまで回り込む形状を有している。
【0025】
フロントバンパ15の上方には、ボンネット16との間に、左側のフロントフェンダパネル11から右側のフロントフェンダパネル11へと上下方向及び左右方向に延びるフロントガーニッシュ19が設けられている。フロントガーニッシュ19の左右両端部には、車両Vの前方を照射する左右一対の前照灯191が設けられている。左右一対の前照灯191は、左右方向に離間して設けられている。フロントガーニッシュ19には、左右一対の前照灯191の間に、車両Vの左右方向の中央部分で左右方向に延びる情報表示部192が設けられている。情報表示部192は、車両Vの前方に向けて各種情報を表示する。車両Vの前方に存する交通参加者(歩行者・自転車・オートバイ・他車両等を含む。以下同様。)は、情報表示部192から各種情報を視認できる。
【0026】
このようにして、フロントバンパ15及びフロントガーニッシュ19は、外殻部材1の前面1aを構成する。リアバンパ17及びテールゲート18は、外殻部材1の後面1bを構成する。左右一対のフロントドア10F、左右一対のリアドア10R、左右一対のフロントフェンダパネル11、左右一対のリアフェンダパネル12、及び左右一対のサイドシル13は、外殻部材1の左右一対の側面1cを構成する。ルーフパネル14は、外殻部材1の上面1dを構成する。そして、車両Vの左右方向において、フロントブリスターフェンダ部113の最外部が、外殻部材1の側面1cの最外部となっている。ルーフパネル14は、車両Vの側面視で、上方に凸となるように湾曲しており、車両Vの上下方向において、ルーフパネル14の最上部が、外殻部材1の上面1dの最上部となっている。
【0027】
車室CBの前面には、フロントウインドウ20が設けられている。フロントウインドウ20は、車室CB内から車外が視認可能な光透過部材、例えばガラスによって形成されている。フロントウインドウ20は、ルーフパネル14の前端部から前方に傾斜しながら下方に向かってボンネット16の後端部の近傍まで延びている。フロントウインドウ20は、車両Vの左右方向の略全域に亘って延びている。
【0028】
フロントウインドウ20の上端部には、左右方向に延びるフロントウインドウ表示部21が設けられている。フロントウインドウ表示部21は、車両Vの移動状態(運転状態)に基づく情報を車両Vの外部に表示する。本実施形態では、フロントウインドウ表示部21は、フロントウインドウ20の上端部で左右方向に延びるLED照明デバイス(LED:Light Emitting Diode)である。フロントウインドウ表示部21は、車両Vが自律移動する自律運転状態である時に点灯し、車両Vが自律運転状態でない時に消灯する。車両Vの前方に存する交通参加者は、フロントウインドウ表示部21から、車両Vが自律運転状態であるか否かの情報を視認できる。
【0029】
車両Vの内部である車室CBには、乗員が着座可能な前部座席FSと、前部座席FSよりも後方に配置され、乗員が着座可能な後部座席RSと、が設けられている。
【0030】
車両Vの外殻部材1の後面1bの上部を構成するテールゲート18には、リアウインドウ(不図示)が設けられている。リアウインドウは、車室CB内から車外が視認可能な光透過部材、例えばスモークガラスによって形成されている。リアウインドウは、ルーフパネル14の後端部近傍であるテールゲート18の上端部から後方に傾斜しながら下方に向かって延びている。リアウインドウは、車両Vの左右方向の略全域に亘って延びている。
【0031】
(フロントバンパ)
図2に示すように、フロントバンパ15の前面下部には、車両Vの左右方向中央で、左右方向に延びるフロントグリル151と、フロントグリル151の左右方向両外側に左右方向に延びる略長円形の開口部152が設けられている。
【0032】
フロントグリル151は、車両Vの前方から走行風をフロントルームFRMに導入する。
【0033】
図3に示すように、フロントグリル151の左外側に設けられた開口部152は、フロントグリル151の左右方向両外側で、フロントバンパ15に沿って、左右方向において車両Vの外側に向かうにしたがって、前後方向において車両Vの中心側、すなわち後方に傾斜するように設けられている。すなわち、開口部152は、車両Vの左右方向外側やや斜め前方に向かって開口している。
【0034】
フロントバンパ15には、さらに、開口部152の外縁から車両Vの内側へ筒状に延びる内側突出部153が形成されている。
【0035】
なお、フロントグリル151の右外側に設けられた開口部152の構成についての詳細な説明は省略するが、フロントグリル151の右外側に設けられた開口部152は、フロントグリル151の左外側に設けられた開口部152と、車両Vの左右方向の中心に対して左右対称な構成となっている。
【0036】
(LiDAR装置)
図4に示すように、車両Vの前部であって、外殻部材1の前面1aを構成するフロントバンパ15よりも車両Vの内側に、LiDAR装置30(LiDAR:Light Detection and Ranging)が設けられている。LiDAR装置30は、パルス状に発光するレーザ光を走査しながら対象物に照射し、その散乱光や反射光を測定して遠距離にある対象までの距離やその対象の性質や形状を分析することによって、車両Vの外界情報300を取得する。LiDAR装置30は、外界情報300を取得する外界情報取得装置の一例である。
【0037】
本実施形態では、LiDAR装置30は、フロントバンパ15の車両Vの内側に左右一対設けられており、フロントバンパ15に設けられた左右一対の開口部152それぞれの車両Vの内側に配置されている。したがって、左右一対のLiDAR装置30は、車両Vの前部に配置され、それぞれ車両Vの左右方向の中心から左側及び右側にオフセットして配置されている。
【0038】
そして、車両Vの左右方向の中心から左側にオフセットして配置されたLiDAR装置30は、外界情報300として、車両Vの前方及び左斜め前方の左側外界情報300Lを取得する。車両Vの左右方向の中心から右側にオフセットして配置されたLiDAR装置30は、外界情報300として、車両Vの前方及び右斜め前方の右側外界情報300Rを取得する。
【0039】
本明細書では、左右一対のLiDAR装置30のうち、車両Vの左右方向の中心から左側にオフセットして配置されているLiDAR装置30の構成について詳細に説明する。なお、車両Vの左右方向の中心から右側にオフセットして配置されているLiDAR装置30の構成についての詳細な説明は省略するが、車両Vの左右方向の中心から右側にオフセットして配置されているLiDAR装置30は、車両Vの左右方向の中心から左側にオフセットして配置されているLiDAR装置30と、車両Vの左右方向の中心に対して左右対称な構成となっている。
【0040】
LiDAR装置30は、略直方体形状を有する。LiDAR装置30は、車両Vに固定されたブラケット40にネジ等の締結部材41で固定されている。本実施形態では、ブラケット40は、車両Vの前部骨格部材である下部フロントクロスメンバLFCMに固定されている。下部フロントクロスメンバLFCMは、フロントバンパ15の車両Vの内側で左右方向に延びている。
【0041】
LiDAR装置30は、パルス状に発光するレーザ光を走査しながら出射し、その散乱光や反射光を測定する外界情報取得面31を備える。LiDAR装置30は、パルス状に発光するレーザ光を、外界情報取得面31から、上下方向及び左右方向の角度を変更しながら走査して出射する。外界情報取得面31は、平面状であり、略直方体形状のLiDAR装置30の1つの側面を構成し、車両Vの外側を向く面となっている。外界情報取得面31は、略鉛直に上下方向に延び、左右方向において車両Vの外側に向かうにしたがって、前後方向において車両Vの中心側、すなわち後方に傾斜して左右方向に延びている。
【0042】
図3に戻って、フロントバンパ15の開口部152は、車両Vの外側から見て、LiDAR装置30の外界情報取得面31の少なくとも一部と重なる位置に形成されている。
【0043】
(カバー部材)
図3及び図5図6に示すように、車両Vは、LiDAR装置30と、フロントバンパ15の開口部152と、の間に設けられたカバー部材50をさらに備える。カバー部材50は、LiDAR装置30の外界情報取得面31から出射されたレーザ光が透過可能な光透過部材、例えばスモークガラスによって形成されている。カバー部材50は、平板状である。カバー部材50は、LiDAR装置30の外界情報取得面31と対向しており、フロントバンパ15の内側突出部153よりも車両Vの内側で、内側突出部153を覆っている。
【0044】
したがって、LiDAR装置30の外界情報取得面31から出射されたレーザ光は、カバー部材50を通って、フロントバンパ15の開口部152から車両Vの外部に出射され、対象物に照射したレーザ光の散乱光や反射光は、フロントバンパ15の開口部152から、カバー部材50を通ってLiDAR装置30の外界情報取得面31に入射する。このように、LiDAR装置30の外界情報取得面31は、カバー部材50を介して車両Vの外界情報300を取得する。
【0045】
図5に示すように、カバー部材50は、LiDAR装置30の外界情報取得面31に対し、左右方向に傾斜するように配置されている。本実施形態では、カバー部材50は、LiDAR装置30の外界情報取得面31に対し、左右方向において車両Vの外側に向かうにしたがって、前後方向において車両Vの中心側、すなわち後方に傾斜するように配置されている。
【0046】
これにより、フロントバンパ15とカバー部材50との間に、無駄な空間を形成することなく、フロントバンパ15を、左右方向において車両Vの外側に向かうにしたがって、前後方向において車両Vの中心側、すなわち後方に湾曲した形状とすることができる。よって、フロントバンパ15とカバー部材50との間に、無駄な空間を形成することなく、フロントバンパ15を、車両Vの走行時に空気抵抗の少ない形状とすることができる。
【0047】
図6に示すように、カバー部材50は、LiDAR装置30の外界情報取得面31に対し、上下方向に傾斜するように配置されている。本実施形態では、カバー部材50は、LiDAR装置30の外界情報取得面31に対し、上下方向において車両Vの下側に向かうにしたがって、前後方向において車両Vの中心側、すなわち後方に傾斜するように配置されている。
【0048】
これにより、フロントバンパ15とカバー部材50との間に、無駄な空間を形成することなく、フロントバンパ15を、上下方向において車両Vの下側に向かうにしたがって、前後方向において車両Vの中心側、すなわち後方に湾曲した形状とすることができる。よって、フロントバンパ15とカバー部材50との間に、無駄な空間を形成することなく、フロントバンパ15を、車両Vの走行時に空気抵抗の少ない形状とすることができる。
【0049】
このように、カバー部材50は、LiDAR装置30の外界情報取得面31と対向し、LiDAR装置30の外界情報取得面31に対し、上下方向及び左右方向に傾斜するように配置されている。
【0050】
LiDAR装置30は、パルス状に発光するレーザ光を、外界情報取得面31から、上下方向及び左右方向の角度を変更しながら走査して出射する。したがって、例えば、カバー部材50をLiDAR装置30の外界情報取得面31と平行な平面となるように配置した場合でも、外界情報取得面31に対して垂直でない角度で出射されたレーザ光は、カバー部材50に傾斜して入射するため、カバー部材50に対して上下方向及び左右方向に入射角(カバー部材50と垂直な線を基準とする傾斜角)が生じる。
【0051】
そして、レーザ光が透過可能な光透過部材で形成されたカバー部材50は、レーザ光の入射角によってレーザ光の光透過率が異なる。一般に、カバー部材50は、レーザ光の入射角が大きくなるほど、レーザ光の光透過率は低下する。外界情報取得面31から出射したレーザ光がカバー部材50に傾斜して入射し、当該レーザ光にカバー部材50に対する入射角が生じ、カバー部材50を透過する当該レーザ光の光透過率が低下すると、当該レーザ光によって取得する外界情報300の精度が低下してしまう場合がある。
【0052】
一方で、LiDAR装置30は、車両Vが自律運転する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域の外界情報を外界情報300として精度よく取得することが求められる。
【0053】
しかしながら、車両Vは、レイアウトの都合等により、必ずしも、外界情報取得面31が上述のターゲット領域を向くようにLiDAR装置30を配置できるとは限らない。このとき、カバー部材50をLiDAR装置30の外界情報取得面31と平行な平面となるように配置すると、外界情報取得面31から上述のターゲット領域に向かって出射したレーザ光がカバー部材50に傾斜して入射し、当該レーザ光にカバー部材50に対する入射角が生じ、カバー部材50を透過する当該レーザ光の光透過率が低下して、当該レーザ光によって取得する上述のターゲット領域の外界情報300の精度が低下してしまう場合がある。
【0054】
本実施形態では、外界情報取得面31から、車両Vが自律運転する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域に向けて出射されたレーザ光のカバー部材50における光透過率が所定値以上となるように、カバー部材50をLiDAR装置30の外界情報取得面31に対して上下方向及び左右方向に傾斜して配置することができる。これにより、車両Vのレイアウトの都合等により、LiDAR装置30の車両Vへの取り付けにおいて、LiDAR装置30の配置位置や、外界情報取得面31の向く方向に制約があり、例えば、外界情報取得面31が上述のターゲット領域を向くようにLiDAR装置30を配置できない場合でも、LiDAR装置30は、上述のターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【0055】
また、カバー部材50を曲面やレンズ面として、LiDAR装置30の外界情報取得面31から出射されるレーザ光を上述のターゲット領域に向けて精度よく出射させる場合は、曲面やレンズ面は高度な加工精度が求められ、また、曲面やレンズ面のカバー部材は、車両Vに取り付ける際に高度な位置精度が求められるため、製造コストが高くなってしまう。
【0056】
本実施形態では、カバー部材50は平板状であり、曲面やレンズ面を用いることなく、低コストで、LiDAR装置30が上述のターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【0057】
したがって、本実施形態では、車両Vが自律運転する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域の外界情報を、低コストで精度よく取得することができる。
【0058】
また、LiDAR装置30は、車両Vの前部に配置され、それぞれ車両Vの左右方向の中心から左側及び右側にオフセットして配置されているので、LiDAR装置30は、車両Vの前方斜め左右領域の外界情報を容易により広範囲に取得することができる。
【0059】
図5及び図6に示すように、カバー部材50と、フロントバンパ15の内側突出部153の突出端部153aとの間には、隙間部60が形成されている。
【0060】
したがって、車両Vの外部からの飛来物(小石、虫、泥等を含む)が、フロントバンパ15の開口部152から内側突出部153に侵入した場合でも、飛来物は、内側突出部153に堆積することなく、隙間部60から内側突出部153の外部に排出される。これにより、車両Vの外部からの飛来物が、フロントバンパ15の内側突出部153に堆積し、LiDAR装置30が外界情報を取得する際の妨げとなることを防止することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、隙間部60は、フロントバンパ15の内側突出部153の突出端部153aの全周に亘って、カバー部材50との間に形成されているものとしたが、フロントバンパ15の内側突出部153の突出端部153aの一部分と、カバー部材50との間に形成されているものとしてもよい。このとき、隙間部60は、フロントバンパ15の内側突出部153の下面部分の突出端部153aと、カバー部材50との間に形成されていることが好ましい。車両Vの外部からの飛来物は、重力によって、フロントバンパ15の内側突出部153の下面部分に堆積しやすいため、隙間部60が、フロントバンパ15の内側突出部153の下面部分の突出端部153aと、カバー部材50との間に形成されていることによって、飛来物が内側突出部153に堆積するのをより効果的に防ぐことができる。
【0062】
(角度変更装置)
図6に示すように、カバー部材50は、車両Vの上下方向及び左右方向の角度を変更可能に車両Vに固定されている。そして、車両Vは、車両Vの上下方向及び左右方向の角度を変更する角度変更装置70を備える。
【0063】
角度変更装置70は、カバー部材50を支持し、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更可能に可動する可動支持部71と、可動支持部71を駆動する駆動部72と、を備える。角度変更装置70は、車両制御装置80と、通信媒体を介してデータ通信可能に接続されている。車両制御装置80は、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を設定する角度設定部81を有する。車両制御装置80の詳細については、後述する。
【0064】
可動支持部71は、カバー部材50を支持し、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更可能に駆動部72に連結されている。可動支持部71は、駆動部72によって駆動し、可動支持部71が駆動することによって、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度が変更する。
【0065】
駆動部72は、可動支持部71を駆動する、例えば、モータユニット等の駆動ユニットであり、車両Vの前部骨格部材である下部フロントクロスメンバLFCMに固定されている。駆動部72が下部フロントクロスメンバLFCMに固定されていることによって、角度変更装置70は、車両Vに固定されている。
【0066】
(車両制御装置)
次に、図7を参照しながら、車両Vに搭載された車両制御装置80について説明する。
【0067】
車両Vには、上述したLiDAR装置30、カバー部材50、角度変更装置70の他に、ナビゲーション装置91、通信装置92、車両センサ93、手動運転装置94、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、ブレーキ装置97、が搭載されている。
【0068】
車両制御装置80は、LiDAR装置30、角度変更装置70、ナビゲーション装置91、通信装置92、車両センサ93、手動運転装置94、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97と、通信媒体を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0069】
ナビゲーション装置91は、GNSS受信機(GNSS:Global Navigation Satellite System)、地図情報、等を備える。ナビゲーション装置91は、GNSS受信機によって車両Vの現在位置を検出し、検出した現在位置と地図情報とに基づいて、車両Vの乗員等によって指定された目的地までの経路を導き出す機能を有する。
【0070】
通信装置92は、道路の交通状況を監視するシステムの情報提供用サーバと無線通信を行い、車両Vが走行中の道路や走行予定の道路の交通状況を示す交通情報を取得する。交通情報には、前方の渋滞情報、渋滞地点を通過するための所要時間情報、事故・故障車・工事情報、速度規制・車線規制情報、駐車場の位置情報、駐車場・サービスエリア・パーキングエリアの満車・空車情報などの情報が含まれる。通信装置92は、道路の側帯などに設けられた無線ビーコンとの路車間通信や、車両Vの周辺を走行する他車両との車車間通信によって、交通情報を取得してもよい。
【0071】
また、通信装置92は、信号情報活用運転支援システム(TSPS:Traffic Signal Prediction Systems)の情報提供用サーバと無線通信を行い、車両Vが走行中又は走行予定の道路に設けられた信号機の信号情報を取得する。TSPSは、信号機の信号情報を用いて信号交差点を円滑に通行するための運転を支援する。通信装置92は、道路の側帯などに設けられた無線ビーコンとの路車間通信や、車両Vの周辺を走行する他車両との車車間通信によって、信号情報を取得してもよい。
【0072】
車両センサ93は、車両Vに関する各種情報を検出する機能を有する。車両センサ93は、車両Vの車速を検出する車速センサ931、車両Vの前後方向及び左右方向の加速度を検出する加速度センサ932、車両Vの鉛直軸回りの角速度から車両Vの旋回方向を検出する旋回方向検出センサ933、車両Vの向きを検出する方位センサ934、車両Vの傾斜角度を検出する傾斜角センサ935を含む、車両Vの移動状態を検出する各種センサを有する。車両センサ93はさらに、車両Vの存する場所の照度を検出する照度センサ936、車両Vの存する場所の雨滴の量を検出する雨滴センサ937を含む、車両Vの外部環境を検出する各種センサを有する。
【0073】
手動運転装置94は、乗員による加減速指示を受け付ける加減速操作部材であるアクセルペダル941、乗員による制動指示を受け付ける制動操作部材であるブレーキペダル942、乗員による変速段の変更指示を受け付けるための変速操作部材であるシフトレバー943、乗員による旋回指示を受け付ける操舵部材であるステアリングホイール944、を備える。
【0074】
手動運転装置94はさらに、アクセルペダル941の踏み込み量を検出し、アクセル開度信号を車両制御装置80に出力するアクセルペダル開度センサ941a、ブレーキペダル942の踏み込み量(又は踏み込み力)を検出し、ブレーキ信号を車両制御装置80に出力するブレーキペダル踏量センサ942a、シフトレバー943によって指示された変速段を検出し、シフト位置信号を車両制御装置80に出力するシフト位置センサ943a、ステアリングホイール944の操舵角を検出し、ステアリング操舵角信号を車両制御装置80に出力するステアリング操舵角センサ944a、ステアリングホイール944に加えられたトルクを検出し、ステアリングトルク信号を車両制御装置80に出力するステアリングトルクセンサ944b、を有する。
【0075】
走行駆動力出力装置95は、駆動源を含み、駆動源の動力を車両Vの駆動力として駆動輪である前輪FW及び/又は後輪RWに出力する装置である。
【0076】
ステアリング装置96は、車両Vの転舵輪である前輪FW及び/又は後輪RWの向きを変更する装置である。
【0077】
ブレーキ装置97は、前輪FW及び後輪RWに制動力を出力する装置である。
【0078】
車両制御装置80は、例えば、一以上のプロセッサ又は同等の機能を有するハードウェアによって構成される。車両制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、記憶装置、及び通信インターフェースが内部バスによって接続されたECU(Electronic Control Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)などが組み合わされた構成であってもよい。
【0079】
車両制御装置80は、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御することによって、車両Vの運転(移動)を制御する。車両制御装置80は、プロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御する。また、これらの制御機能のうちの一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0080】
車両制御装置80は、乗員による手動運転装置94の操作に基づいて、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御し、車両Vを手動運転させることができる。
【0081】
車両制御装置80は、車両Vを手動運転させる際、手動運転装置94から出力されたアクセル開度信号、ブレーキ信号、シフト位置信号、ステアリング操舵角信号、ステアリングトルク信号等に加えて、LiDAR装置30が取得した外界情報300(左側外界情報300L、右側外界情報300R)、ナビゲーション装置91が検出した車両Vの現在位置、ナビゲーション装置91の地図情報、ナビゲーション装置91によって導き出された車両Vの目的地までの経路、通信装置92が取得した交通情報及び信号情報、車両センサ93が取得した車両Vの移動状態及び車両Vの外部環境のうちの1つ以上の情報に基づいて、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御してもよい。
【0082】
さらに、車両制御装置80は、乗員による手動運転装置94の操作によらず、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御し、車両Vを自律運転(自律移動)させることができる。
【0083】
車両制御装置80は、車両Vを自律運転させる際、LiDAR装置30が取得した外界情報300(左側外界情報300L、右側外界情報300R)、ナビゲーション装置91が検出した車両Vの現在位置、ナビゲーション装置91の地図情報、ナビゲーション装置91によって導き出された車両Vの目的地までの経路、通信装置92が取得した交通情報及び信号情報、車両センサ93が取得した車両Vの移動状態及び車両Vの外部環境に基づいて、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御し、車両Vを自律運転(自律移動)させる。
【0084】
上述したように、車両制御装置80は、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を設定する角度設定部81を有する。
【0085】
角度設定部81は、車速センサ931、加速度センサ932、旋回方向検出センサ933、方位センサ934、傾斜角センサ935を含む、車両Vの移動状態を検出する車両センサ93の各種センサによって検出された車両Vの移動状態に基づいて、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の設定角度を算出する。
【0086】
車両制御装置80は、角度設定部81によって算出された設定角度信号を角度変更装置70の駆動部72に出力する。駆動部72は、車両制御装置80から出力された設定角度信号に基づいて、可動支持部71を駆動し、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を設定角度となるように変更する。
【0087】
このようにして、角度変更装置70は、車両センサ93の各種センサによって検出された車両Vの移動状態に基づいて、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更する。
【0088】
これにより、カバー部材50は、車両Vの移動状態に基づいて、上下方向及び/又は左右方向の角度を変更できるので、LiDAR装置30によって外界情報300を取得する際に、車両Vが自律運転する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域が、車両Vの移動状態に応じて変化する場合でも、LiDAR装置30は、ターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【0089】
角度設定部81は、車両Vの移動状態を検出する車両センサ93のうちの、旋回方向検出センサ933によって検出された車両Vの旋回方向に基づいて、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の設定角度を算出する。
【0090】
したがって、角度変更装置70は、旋回方向検出センサ933によって検出された車両Vの旋回方向に基づいて、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更する。
【0091】
これにより、カバー部材50は、車両Vの旋回方向に基づいて、上下方向及び/又は左右方向の角度を変更できるので、LiDAR装置30によって外界情報300を取得する際に、車両Vが自律運転する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域が、車両Vの旋回方向に応じて変化する場合でも、LiDAR装置30は、ターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【0092】
角度設定部81は、車両Vの移動状態を検出する車両センサ93のうちの、加速度センサ932によって検出された車両Vの前後方向及び/又は左右方向の加速度に基づいて、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の設定角度を算出する。
【0093】
したがって、角度変更装置70は、加速度センサ932によって検出された車両Vの前後方向及び/又は左右方向の加速度に基づいて、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更する。
【0094】
これにより、カバー部材50は、車両Vの前後方向及び/又は左右方向の加速度に基づいて、上下方向及び/又は左右方向の角度を変更できるので、LiDAR装置30によって外界情報300を取得する際に、車両Vが自律運転する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域が、車両Vの前後方向及び/又は左右方向の加速度に応じて変化する場合でも、LiDAR装置30は、ターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【0095】
本実施形態では、角度設定部81は、車両Vの移動状態を検出する車両センサ93のうちの、加速度センサ932によって検出された車両Vの前後方向の加速度に基づいて、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の設定角度を算出する。
【0096】
したがって、角度変更装置70は、加速度センサ932によって検出された車両Vの前後方向の加速度に基づいて、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更する。
【0097】
これにより、カバー部材50は、車両Vの前後方向の加速度に基づいて、上下方向及び/又は左右方向の角度を変更できるので、LiDAR装置30によって外界情報300を取得する際に、車両Vが自律運転する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域が、車両Vの前後方向の加速度に応じて変化する場合でも、LiDAR装置30は、ターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。例えば、車両Vが前方向に高加速度で移動している場合には、より遠方がターゲット領域となり、角度変更装置70によって、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更し、より遠方のターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。また、例えば、車両Vが後方向の加速度(減速状態等)で移動している場合には、より近方かつ側方がターゲット領域となり、角度変更装置70によって、カバー部材50の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更し、より近方かつ側方のターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【0098】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0099】
例えば、本実施形態では、本発明の移動体の一例として車両について説明したが、移動体は車両に限らない。移動体は、車両に限らず、駆動源を備えて駆動源の動力により移動可能なロボット、船舶、航空機などであってもよい。
【0100】
また、例えば、本実施形態では、外界情報取得装置はLiDAR装置30であるものとしたが、LiDAR装置30は、外界情報取得装置の一例であり、外界情報取得装置は、LiDAR装置30に限らず、LiDAR以外の手段で車両Vの外界情報を取得可能な装置であってよく、例えば、ミリ波レーダ装置やカメラ装置等であってもよい。
【0101】
また、例えば、本実施形態では、左右一対のLiDAR装置30は、車両Vの前部であって、外殻部材1の前面1aを構成するフロントバンパ15よりも車両Vの内側に設けられているものとしたが、左右一対のLiDAR装置30は、車両Vの後部であって、外殻部材1の後面1bを構成するリアバンパ17よりも車両Vの内側に設けられているものとしてもよい。また、左右一対のLiDAR装置30は、車両Vの側部であって、外殻部材1の側面1cを構成するフロントフェンダパネル11やリアフェンダパネル12よりも車両Vの内側に設けられているものとしてもよい。
【0102】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0103】
(1) 外界情報取得装置(LiDAR装置30)が搭載され、前記外界情報取得装置が取得した外界情報(外界情報300)に基づいて自律移動可能な移動体(車両V)であって、
前記外界情報取得装置は、
前記移動体の外殻部材(外殻部材1)よりも前記移動体の内側に配置されており、
前記移動体の外側を向く面に、前記外界情報を取得する平面状の外界情報取得面(外界情報取得面31)が形成されており、
前記外殻部材は、前記移動体の外側から見て、前記外界情報取得面の少なくとも一部と重なる位置に形成された開口部(開口部152)を有し、
前記移動体は、前記外界情報取得装置と前記開口部との間に設けられたカバー部材(カバー部材50)を有し、
前記外界情報取得面は、前記カバー部材を介して前記外界情報を取得し、
前記カバー部材は、平板状であり、前記外界情報取得面と対向し、前記外界情報取得面に対し、前記移動体の上下方向及び左右方向に傾斜するように配置されている、移動体。
【0104】
(1)によれば、カバー部材は、外界情報取得面と対向し、外界情報取得面に対し、移動体の上下方向及び左右方向に傾斜するように配置されているので、移動体のレイアウトの都合等により、外界情報取得装置の移動体への取り付けにおいて、外界情報取得装置の配置位置や、外界情報取得装置の外界情報取得面が向く方向に制約がある場合でも、外界情報取得装置は、移動体が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域の外界情報を、精度よく取得することができる。
【0105】
また、カバー部材は平板状であるので、曲面やレンズ面を用いることなく、低コストで、移動体が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域の外界情報を、外界情報取得装置が精度よく取得することができる。
【0106】
これにより、移動体が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域の外界情報を、低コストで精度よく取得することができる。
【0107】
(2) (1)に記載の移動体であって、
前記外界情報取得装置は、前記移動体の前部又は後部に配置され、前記移動体の前記左右方向の中心から前記左右方向にオフセットして配置されている、移動体。
【0108】
(2)によれば、外界情報取得装置は、移動体の前部又は後部に配置され、移動体の左右方向の中心から左右方向にオフセットして配置されているので、外界情報取得装置は、移動体の前方斜め左右領域の外界情報を容易により広範囲に取得することができる。
【0109】
(3) (1)又は(2)に記載の移動体であって、
前記外界情報取得装置は、前記移動体の前部又は後部に配置され、
前記カバー部材は、前記外界情報取得面に対し、前記左右方向において前記移動体の外側に向かうにしたがって前記移動体の前後方向において前記移動体の中心側に傾斜するように配置されている、移動体。
【0110】
(3)によれば、外界情報取得装置は、移動体の前部又は後部に配置され、カバー部材は、外界情報取得面に対し、左右方向において移動体の外側に向かうにしたがって移動体の前後方向において移動体の中心側に傾斜するように配置されているので、外殻部材とカバー部材との間に、無駄な空間を形成することなく、外殻部材を、左右方向において移動体の外側に向かうにしたがって、前後方向において移動体の中心側に湾曲した形状とすることができる。よって、外殻部材とカバー部材との間に、無駄な空間を形成することなく、外殻部材を、移動体の走行時に空気抵抗の少ない形状とすることができる。
【0111】
(4) (1)~(3)のいずれかに記載の移動体であって、
前記外界情報取得装置は、前記移動体の前部又は後部に配置され、
前記カバー部材は、前記外界情報取得面に対し、前記上下方向において前記移動体の下側に向かうにしたがって前記移動体の前後方向において前記移動体の中心側に傾斜するように配置されている、移動体。
【0112】
(4)によれば、外界情報取得装置は、移動体の前部又は後部に配置され、カバー部材は、外界情報取得面に対し、上下方向において移動体の下側に向かうにしたがって移動体の前後方向において移動体の中心側に傾斜するように配置されているので、外殻部材とカバー部材との間に、無駄な空間を形成することなく、外殻部材を、上下方向において移動体の下側に向かうにしたがって、前後方向において移動体の中心側に湾曲した形状とすることができる。よって、外殻部材とカバー部材との間に、無駄な空間を形成することなく、外殻部材を、移動体の走行時に空気抵抗の少ない形状とすることができる。
【0113】
(5) (1)~(4)のいずれかに記載の移動体であって、
前記外殻部材には、前記開口部の外縁から前記移動体の内側へ筒状に延びる内側突出部(内側突出部153)が形成されており、
前記カバー部材は、前記外殻部材の前記内側突出部よりも前記移動体の内側で、前記内側突出部を覆っており、
前記カバー部材と前記内側突出部の突出端部(突出端部153a)との間には、隙間部(隙間部60)が形成されている、移動体。
【0114】
(5)によれば、カバー部材と内側突出部の突出端部との間には、隙間部が形成されているので、移動体の外部からの飛来物が、外殻部材の開口部から内側突出部に侵入した場合でも、飛来物は、内側突出部に堆積することなく、隙間部から内側突出部の外部に排出される。これにより、移動体の外部からの飛来物が、外殻部材の内側突出部に堆積し、外界情報取得装置が外界情報を取得する際の妨げとなることを防止することができる。
【0115】
(6) (1)~(5)のいずれかに記載の移動体であって、
前記カバー部材は、前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更可能に前記移動体に固定されており、
前記移動体は、
前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する角度変更装置(角度変更装置70)と、
前記移動体の移動状態を検出する移動状態検出部(車両センサ93)と、をさらに備え、
前記角度変更装置は、前記移動状態検出部で検出した前記移動体の移動状態に基づいて、前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する、移動体。
【0116】
(6)によれば、角度変更装置は、移動状態検出部で検出した移動体の移動状態に基づいて、カバー部材の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更するので、カバー部材は、移動体の移動状態に基づいて、上下方向及び/又は左右方向の角度を変更できる。これにより、外界情報取得装置によって外界情報を取得する際に、移動体が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域が、移動体の移動状態に応じて変化する場合でも、外界情報取得装置は、ターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【0117】
(7) (6)に記載の移動体であって、
前記移動状態検出部は、前記移動体の旋回方向を検出する旋回方向検出部(旋回方向検出センサ933)を有し、
前記角度変更装置は、前記旋回方向検出部で検出した前記移動体の旋回方向に基づいて、前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する、移動体。
【0118】
(7)によれば、角度変更装置は、旋回方向検出部で検出した移動体の旋回方向に基づいて、カバー部材の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更するので、カバー部材は、移動体の旋回方向に基づいて、上下方向及び/又は左右方向の角度を変更できる。これにより、外界情報取得装置によって外界情報を取得する際に、移動体が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域が、移動体の旋回方向に応じて変化する場合でも、外界情報取得装置は、ターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【0119】
(8) (6)に記載の移動体であって、
前記移動状態検出部は、前記移動体の前後方向及び/又は前記左右方向の加速度を検出する加速度検出部(加速度センサ932)を有し、
前記角度変更装置は、前記加速度検出部で検出した前記移動体の前記前後方向及び/又は前記左右方向の加速度に基づいて、前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する、移動体。
【0120】
(8)によれば、角度変更装置は、加速度検出部で検出した移動体の前後方向及び/又は左右方向の加速度に基づいて、カバー部材の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更するので、カバー部材は、移動体の前後方向及び/又は左右方向の加速度に基づいて、上下方向及び/又は左右方向の角度を変更できる。これにより、外界情報取得装置によって外界情報を取得する際に、移動体が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域が、移動体の前後方向及び/又は左右方向の加速度に応じて変化する場合でも、外界情報取得装置は、ターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【0121】
(9) (8)に記載の移動体であって、
前記加速度検出部は、少なくとも前記移動体の前記前後方向の加速度を検出し、
前記角度変更装置は、前記加速度検出部で検出した前記移動体の前記前後方向の加速度に基づいて、前記カバー部材の前記上下方向及び/又は前記左右方向の角度を変更する、移動体。
【0122】
(9)によれば、角度変更装置は、加速度検出部で検出した移動体の前後方向の加速度に基づいて、カバー部材の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更するので、カバー部材は、移動体の前後方向の加速度に基づいて、上下方向及び/又は左右方向の角度を変更できる。これにより、外界情報取得装置によって外界情報を取得する際に、移動体が自律移動する上で優先的に取得すべき外界の領域であるターゲット領域が、移動体の前後方向の加速度に応じて変化する場合でも、外界情報取得装置は、ターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。例えば、移動体が前方向に高加速度で移動している場合には、より遠方がターゲット領域となり、角度変更装置によって、カバー部材の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更し、より遠方のターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。また、例えば、移動体が後方向の加速度(減速状態等)で移動している場合には、より近方かつ側方がターゲット領域となり、角度変更装置によって、カバー部材の上下方向及び/又は左右方向の角度を変更し、より近方かつ側方のターゲット領域の外界情報を精度よく取得することができる。
【符号の説明】
【0123】
1 外殻部材
152 開口部
153 内側突出部
153a 突出端部
30 LiDAR装置(外界情報取得装置)
300 外界情報
31 外界情報取得面
50 カバー部材
60 隙間部
70 角度変更装置
93 車両センサ(移動状態検出部)
932 加速度センサ(加速度検出部)
933 旋回方向検出センサ(旋回方向検出部)
V 車両(移動体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7