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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】作業機の油圧システム
(51)【国際特許分類】
   F15B 21/0423 20190101AFI20231107BHJP
   F15B 11/02 20060101ALI20231107BHJP
   F15B 11/08 20060101ALI20231107BHJP
   F15B 11/044 20060101ALI20231107BHJP
   E02F 9/22 20060101ALN20231107BHJP
【FI】
F15B21/0423
F15B11/02 F
F15B11/08 A
F15B11/044
E02F9/22 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020172797
(22)【出願日】2020-10-13
(65)【公開番号】P2022064200
(43)【公開日】2022-04-25
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】福田 祐史
【審査官】古▲瀬▼ 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-133493(JP,A)
【文献】実開昭60-126553(JP,U)
【文献】実開平04-078306(JP,U)
【文献】特開平09-072302(JP,A)
【文献】特開2020-085078(JP,A)
【文献】特開2020-125848(JP,A)
【文献】特開2009-281587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 20/00-21/14
F15B 11/00-11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動油を吐出する油圧ポンプと、
ブームシリンダを制御するブーム制御弁と、
作業具シリンダを制御する作業具制御弁と、
予備アクチュエータを制御する第1予備制御弁と、
前記予備アクチュエータを制御する第2予備制御弁と、
前記予備アクチュエータと前記第1予備制御弁とを接続する第1給排油路と、
前記予備アクチュエータと前記第1予備制御弁とを接続する第2給排油路と、
前記第1給排油路と前記第2予備制御弁とを接続する第3給排油路と、
前記第2給排油路と前記第2予備制御弁とを接続する第4給排油路と、
前記第1予備制御弁に接続され且つ、前記第1給排油路及び前記第2給排油路のいずれかを流れる作動油を排出する第1排出油路と、
前記第2予備制御弁に接続され且つ、前記第3給排油路及び前記第4給排油路のいずれかを流れる作動油を排出する第2排出油路と、
前記第2排出油路に接続されたオイルクーラと、
を備え
前記第1予備制御弁及び前記第2予備制御弁は、複数の切換位置に切り換え可能であり且つ、パイロット圧が作用する受圧部を有し、
前記第1予備制御弁の受圧部と前記第2予備制御弁の受圧部とは、パイロット油路で接続されていて、
前記第2予備制御弁は、前記パイロット油路を介して受圧部にパイロット圧が作用した場合に、前記複数の切換位置のうち、中立位置に切り換え可能である作業機の油圧システム。
【請求項2】
作動油を吐出する油圧ポンプと、
ブームシリンダを制御するブーム制御弁と、
作業具シリンダを制御する作業具制御弁と、
予備アクチュエータを制御する第1予備制御弁と、
前記予備アクチュエータを制御する第2予備制御弁と、
前記予備アクチュエータと前記第1予備制御弁とを接続する第1給排油路と、
前記予備アクチュエータと前記第1予備制御弁とを接続する第2給排油路と、
前記第1給排油路と前記第2予備制御弁とを接続する第3給排油路と、
前記第2給排油路と前記第2予備制御弁とを接続する第4給排油路と、
前記第1予備制御弁に接続され且つ、前記第1給排油路及び前記第2給排油路のいずれかを流れる作動油を排出する第1排出油路と、
前記第2予備制御弁に接続され且つ、前記第3給排油路及び前記第4給排油路のいずれかを流れる作動油を排出する第2排出油路と、
前記第2排出油路に接続されたオイルクーラと、
前記第1予備制御弁の一方の受圧部にパイロット圧を作用させる第1比例弁と、
前記第1予備制御弁の他方の受圧部にパイロット圧を作用させる第2比例弁と、
前記第2予備制御弁の一方の受圧部にパイロット圧を作用させる第3比例弁と、
を備え
前記第1予備制御弁及び前記第2予備制御弁は、複数の切換位置に切り換え可能であり、
前記第1予備制御弁は、前記第1比例弁によって前記第1予備制御弁の一方の受圧部にパイロット圧が作用することで、前記第1給排油路を介して前記予備アクチュエータに作動油を供給する一方位置に切り換わり、前記第2比例弁によって前記第1予備制御弁の他方の受圧部にパイロット圧が作用することで、前記第2給排油路を介して前記予備アクチュエータに作動油を供給する他方位置に切り換わり、
前記第2予備制御弁は、前記第3比例弁によって前記第2予備制御弁の一方の受圧部にパイロット圧が作用することで、前記第1給排油路を介して前記予備アクチュエータに作動油を供給する第1位置に切り換わり、前記第3比例弁によって前記第2予備制御弁の一方の受圧部に作用するパイロット圧が増大することで、前記第1給排油路を介して前記予備アクチュエータに供給する作動油を前記第1位置よりも増加させる第2位置に切り換わる作業機の油圧システム。
【請求項3】
作動油を貯留する作動油タンクと、
前記油圧ポンプの吸込み部と、
前記ブーム制御弁、前記作業具制御弁及び前記第1予備制御弁を格納し且つ作動油を排出する排出ポートを有する油圧制御ユニットと、
を備え、
前記第1排出油路は、前記油圧制御ユニットの前記排出ポートに接続され、
前記第2排出油路は、前記排出ポートと、前記作動油タンク及び前記吸込み部のいずれかに接続する第3排出油路に接続されている請求項1又は2に記載の作業機の油圧システム。
【請求項4】
前記第1予備制御弁及び前記第2予備制御弁は、前記油圧ポンプから吐出した作動油が入力される入力ポートと、前記入力ポートに入力された作動油を出力する出力ポートと、前記複数の切換位置のうち所定の切換位置である減少位置である場合に前記入力ポートに入力された作動油を減少させて前記出力ポートに出力する流量減少部とを含み、
前記第2予備制御弁は、前記複数の切換位置のうち前記所定とは異なる切換位置である増加位置である場合に前記入力ポートに入力された作動油を前記流量減少部よりも多く前記出力ポートに出力する流量増加部を有している請求項1~3のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機の油圧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機において、作動油を増量する油圧システムとして特許文献1に示すものが開示されている。
特許文献1の作業機の油圧システムでは、メインポンプから供給された作動油を流すための作動油流通路と、この作動油流通路に接続され且つメインポンプとは異なるサブポンプから供給された作動油を流して作動油流通路の作動油を増量するための増量油路と、この増量油路と連通した作動油流通路の端部側に設けられ油圧アクチュエータを接続するための接続装置と、この増量油路に設けられていて当該増量油路の作動油の増量を制御するハイフロー弁と、操作手段に応じてハイフロー弁における作動油の増量を制御するコントローラとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-125560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機の油圧システムでは、ハイフロー弁をさせることによって、サブポンプから供給された作動油をメインポンプから供給された作動油に合流させることによって、油圧アクチュエータに供給する作動油の流量を増量することができる。特許文献1では、油圧アクチュエータに供給する作動油の流量を増量することができるものの、急激に作動油が増量することから油圧アクチュエータの細かい操作が難しく、加えて、作動油が高温になることがあった。
【0005】
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、予備アクチュエータに供給する作動油を増量でき且つ、作動油を簡単に冷却することができる作業機の油圧システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下の通りである。
本発明の作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、ブームシリンダを制御するブーム制御弁と、作業具シリンダを制御する作業具制御弁と、予備アクチュエータを制御する第1予備制御弁と、予備アクチュエータを制御する第2予備制御弁と、予備アクチュエータと第1予備制御弁とを接続する第1給排油路と、予備アクチュエータと第1予備制御弁とを接続する第2給排油路と、第1給排油路と第2予備制御弁とを接続する第3給排油路と、第2給排油路と第2予備制御弁とを接続する第4給排油路と、第1予備制御弁に接続され且つ、第1給排油路及び第2給排油路のいずれかを流れる作動油を排出する第1排出油路と、第2予備制御弁に接続され且つ、第3給排油路及び第4給排油路のいずれかを流れる作動油を排出する第2排出油路と、第2排出油路に接続されたオイルクーラと、を備え、第1予備制御弁及び第2予備制御弁は、複数の切換位置に切り換え可能であり且つ、パイロット圧が作用する受圧部を有し、第1予備制御弁の受圧部と第2予備制御弁の受圧部とは、パイロット油路で接続されていて、第2予備制御弁は、パイロット油路を介して受圧部にパイロット圧が作用した場合に、複数の切換位置のうち、中立位置に切り換え可能である
【0007】
本発明の別の作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、ブームシリンダを制御するブーム制御弁と、作業具シリンダを制御する作業具制御弁と、予備アクチュエータを制御する第1予備制御弁と、予備アクチュエータを制御する第2予備制御弁と、予備アクチュエータと第1予備制御弁とを接続する第1給排油路と、予備アクチュエータと第1予備制御弁とを接続する第2給排油路と、第1給排油路と第2予備制御弁とを接続する第3給排油路と、第2給排油路と第2予備制御弁とを接続する第4給排油路と、第1予備制御弁に接続され且つ、第1給排油路及び第2給排油路のいずれかを流れる作動油を排出する第1排出油路と、第2予備制御弁に接続され且つ、第3給排油路及び第4給排油路のいずれかを流れる作動油を排出する第2排出油路と、第2排出油路に接続されたオイルクーラと、第1予備制御弁の一方の受圧部にパイロット圧を作用させる第1比例弁と、第1予備制御弁の他方の受圧部にパイロット圧を作用させる第2比例弁と、第2予備制御弁の一方の受圧部にパイロット圧を作用させる第3比例弁と、を備え、第1予備制御弁及び第2予備制御弁は、複数の切換位置に切り換え可能であり、第1予備制御弁は、第1比例弁によって第1予備制御弁の一方の受圧部にパイロット圧が作用することで、第1給排油路を介して予備アクチュエータに作動油を供給する一方位置に切り換わり、第2比例弁によって第1予備制御弁の他方の受圧部にパイロット圧が作用することで、第2給排油路を介して予備アクチュエータに作動油を供給する他方位置に切り換わり、第2予備制御弁は、第3比例弁によって第2予備制御弁の一方の受圧部にパイロット圧が作用することで、第1給排油路を介して予備アクチュエータに作動油を供給する第1位置に切り換わり、第3比例弁によって第2予備制御弁の一方の受圧部に作用するパイロット圧が増大することで、第1給排油路を介して予備アクチュエータに供給する作動油を第1位置よりも増加させる第2位置に切り換わる。
【0008】
本発明の一態様では、作業機の油圧システムは、作動油を貯留する作動油タンクと、油圧ポンプの吸込み部と、ブーム制御弁、作業具制御弁及び第1予備制御弁を格納し且つ作動油を排出する排出ポートを有する油圧制御ユニットと、をさらに備え、第1排出油路は、油圧制御ユニットの排出ポートに接続され、第2排出油路は、排出ポートと、作動油タンク及び吸込み部のいずれかに接続する第3排出油路に接続されている。
また、本発明の一態様では、第1予備制御弁及び第2予備制御弁は、油圧ポンプから吐出した作動油が入力される入力ポートと、入力ポートに入力された作動油を出力する出力ポートと、複数の切換位置のうち所定の切換位置である減少位置である場合に入力ポートに入力された作動油を減少させて出力ポートに出力する流量減少部とを含み、第2予備制御弁は、複数の切換位置のうち所定とは異なる切換位置である増加位置である場合に入力ポートに入力された作動油を流量減少部よりも多く出力ポートに出力する流量増加部を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、予備アクチュエータに供給する作動油を増量でき且つ、作動油を簡単に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態における作業機の油圧システムの概略図である。
図2A】複数の制御弁の拡大図である。
図2B図2Aの変形例である。
図2C】制御弁の変形例である。
図2D図2Bの変形例である。
図3】第1予備制御弁の流量Q1、第2予備制御弁の流量Q2、合計の流量Q3を示す図である。
図4】第2予備制御弁の変形例を示す図である。
図5A】第2実施形態における作業機の油圧システムの概略図である。
図5B】第2実施形態における作業機の油圧システムの変形例を示す図である。
図5C】第2実施形態における作業機の油圧システムの変形例を示す図である。
図5D】第3実施形態における作業機の油圧システムの概略図である。
図5E】作業機の油圧システムにおいて絞り部の変形例を示す図である。
図5F】作業機の油圧システムにおいて絞り部の変形例を示す図である。
図5G図5Dの変形例である。
図6】作業機の一例であるトラックローダを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る作業機の油圧システム及びこの油圧システムを備えた作業機の好適な実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
まず、作業機の全体の構成から説明する。作業機1は、図6に示すように、作業機1は、機体2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5とを備えている。尚、図6では、作業機の一例としてコンパクトトラックローダを示しているが、本発明に係る作業機はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、トラクタ、スキッドステアローダ、バックホー等であってもよい。尚、本発明において、作業機の運転席8に着座した運転者の前側(図6の左側)を前方、運転者の後側(図6の右側)を後方、運転者の左側(図6の手前側)を左方、運転者の右側(図6の奥側)を右方として説明する。
【0012】
キャビン3は、機体2に搭載されている。このキャビン3には運転席8が設けられている。作業装置4は機体2に装着されている。走行装置5は、機体2の外側に設けられている。機体2内の後部には、原動機が搭載されている。
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、作業具シリンダ15とを有している。
【0013】
ブーム10は、キャビン3の右側及び左側に上下揺動自在に設けられている。作業具11は、例えば、バケットであって、当該バケット11は、ブーム10の先端部(前端部)に上下揺動自在に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10が上下揺動自在となるように、ブーム10の基部(後部)を支持している。ブームシリンダ14は、伸縮することによりブーム10を昇降させる。作業具シリンダ15は、伸縮することによりバケット11を揺動させる。
【0014】
左側及び右側の各ブーム10の前部同士は、異形の連結パイプで連結されている。各ブーム10の基部(後部)同士は、円形の連結パイプで連結されている。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸17は、枢支軸16の下方に設けられている。
【0015】
ブームシリンダ14の上部は、枢支軸18を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸18は、各ブーム10の基部であって、当該基部の前部に設けられている。ブームシリンダ14の下部は、枢支軸19を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸19は、機体2の後部の下部寄りであって枢支軸18の下方に設けられている。
制御リンク13は、リフトリンク12の前方に設けられている。この制御リンク13の一端は、枢支軸20を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸20は、機体2であって、リフトリンク12の前方に対応する位置に設けられている。制御リンク13の他端は、枢支軸21を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸21は、ブーム10であって、枢支軸17の前方で且つ枢支軸17の上方に設けられている。
【0016】
ブームシリンダ14を伸縮することにより、リフトリンク12及び制御リンク13によって各ブーム10の基部が支持されながら、各ブーム10が枢支軸16回りに上下揺動し、各ブーム10の先端部が昇降する。制御リンク13は、各ブーム10の上下揺動に伴って枢支軸20回りに上下揺動する。リフトリンク12は、制御リンク13の上下揺動に伴って枢支軸17回りに前後揺動する。
【0017】
ブーム10の前部には、バケット11の代わりに別の作業具が装着可能とされている。別の作業具としては、例えば、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等のアタッチメント(予備アタッチメント)である。左側のブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、ブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的には、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
【0018】
作業具シリンダ15は、各ブーム10の前部寄りにそれぞれ配置されている。作業具シリンダ15を伸縮することで、バケット11が揺動される。左側及び右側の各走行装置5は、本実施形態ではクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置が採用されている。なお、前輪及び後輪を有する車輪型の走行装置を採用してもよい。
図1に示すように、作業機の油圧システムは、第1油圧ポンプP1と、第2油圧ポンプP2と、複数の制御弁56とを備えている。
【0019】
第1油圧ポンプP1は、作動油タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第1油圧ポンプP1は、主に制御に用いる作動油を吐出する。第2油圧ポンプP2は、第1油圧ポンプP1とは異なる位置に設置された可変容量ポンプであって、作動油タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。なお、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油、パイロット油の圧力のことをパイロット圧ということがある。
【0020】
第2油圧ポンプP2の吐出側には、作動油(パイロット油)を流す吐出油路41が設けられている。吐出油路41には、複数の制御弁56が接続されている。
複数の制御弁56のそれぞれは、複数の位置(切換位置)に切り換え可能であって、油圧アクチュエータを制御する制御弁である。複数の制御弁56のそれぞれは、例えば、油圧アクチュエータの1つであるブームシリンダ14、作業具シリンダ15、予備アタッチメントに設けられた予備アクチュエータ26等を制御する。複数の制御弁56は、ブーム制御弁56Aと、作業具制御弁56Bと、第1予備制御弁56Cと、第2予備制御弁56Dとを含んでいる。ブーム制御弁56Aは、ブームシリンダ14を制御する弁であって、
作業具制御弁56Bは、作業具シリンダ15を制御する弁である。ブーム制御弁56A、作業具制御弁56Bは、それぞれパイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。ブーム制御弁56Aは、中立位置80c、第1位置80a、第2位置80bに切り換え可能である。作業具制御弁56Bは、パイロット圧によって、中立位置82c、第1位置82a、第2位置82bに切り換わる。
【0021】
ブーム制御弁56Aには、給排油路96を介してブームシリンダ14が接続され、作業具制御弁56Bには、給排油路97を介して作業具シリンダ15が接続されている。
ブーム10、バケット11の操作は、運転席8の周囲に設けられた操作レバー58によって行うことができる。操作レバー58は、中立位置から、前後、左右、斜め方向に傾動可能に支持されている。操作レバー58を傾動操作することにより、操作レバー58の下部に設けられた各パイロット弁を操作することができる。
【0022】
操作レバー58を前側に傾動させると、下降用パイロット弁59Aが操作されて当該下降用パイロット弁59Aからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、ブーム制御弁56Aの受圧部に作用し、ブーム制御弁56Aが第1位置80aに切り換わり、ブーム10は下降する。
操作レバー58を後側に傾動させると、上昇用パイロット弁59Bが操作されて当該上昇用パイロット弁59Bからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、ブーム制御弁56Aの受圧部に作用し、ブーム制御弁56Aが第2位置80bに切り換わり、ブーム10は上昇する。
【0023】
操作レバー58を右側に傾動させると、バケットダンプ用のパイロット弁59Cが操作されてバケットダンプ用のパイロット弁59Cからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、作業具制御弁56Bの受圧部に作用し、作業具制御弁56Bが第1位置82aに切り換わり、バケット11がダンプ動作する。
操作レバー58を左側に傾動させると、バケットスクイ用のパイロット弁59Dが操作されて当該バケットスクイ用のパイロット弁59Dからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、作業具制御弁56Bの受圧部に作用し、作業具制御弁56Bが第2位置82bに切り換わり、バケット11がスクイ動作する。
【0024】
第1予備制御弁56Cは、予備アクチュエータ26を制御する弁であって、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。第1予備制御弁56Cは、パイロット圧によって、中立位置83c、第1位置83a、第2位置83bに切り換わる。即ち、第1予備制御弁56Cは、第1位置83a、第2位置83bに切り換わることによって、予備油圧アクチュエータへ向かう作動油の方向、流量及び圧力を制御する。
【0025】
図1及び図2Aに示すように、第1予備制御弁56Cには、第1給排油路81aと、第2給排油路81bが接続されている。第1給排油路81aの一端は、第1予備制御弁56Cの第1給排ポート84に接続され、第1給排油路81aの中途部は、接続部材50に接続され、第1給排油路81aの他端部は、予備アクチュエータ26に接続される。第2給排油路81bの一端は、第1予備制御弁56Cの第2給排ポート85に接続され、第2給排油路81bの中途部は、接続部材50に接続され、第2給排油路81bの他端部は、予備アクチュエータ26に接続される。
【0026】
第2予備制御弁56Dは、第1予備制御弁56Cと同様に予備アクチュエータ26を制御する弁であって、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。第2予備制御弁56Dは、パイロット圧によって、第1位置110a、第2位置110b、中立位置110cに切り換わる。即ち、第2予備制御弁56Dは、第1位置110a、第2位置110b、中立位置110cに切り換わることによって、予備油圧アクチュエータへ向かう作動油の方向、流量及び圧力を制御する。なお、第2予備制御弁56Dは、第1受圧部121aと、第2受圧部121bとを有している。第1受圧部121aは、パイロット油路125に接続され、第2受圧部121bは、パイロット油路86に接続されている。即ち、第1予備制御弁56Cの受圧部87bと、第2予備制御弁56Dの第2受圧部121bとをパイロット油路86により接続されている。
【0027】
図1に示すように。第1予備制御弁56Cは、複数の比例弁60によって操作される。
比例弁60は、励磁によって開度が変更可能な電磁弁である。複数の比例弁60は、第1比例弁60Aと、第2比例弁60B、第3比例弁60Cである。第1比例弁60A、第2比例弁60B及び第3比例弁60Cには、油路100を介して第1油圧ポンプP1が接続されている。
【0028】
第1比例弁60A及び第2比例弁60Bと、第1予備制御弁56Cとは、パイロット油路86により接続されている。パイロット油路86は、第1比例弁60A及び第2比例弁60Bを介してパイロット油を第1予備制御弁56Cに流す油路である。
したがって、第1比例弁60Aを開くと、パイロット油はパイロット油路86を介して第1予備制御弁56Cの受圧部87aに作用し、当該第1比例弁60Aの開度によって受圧部87aに付与(作用)するパイロット圧が決まる。また、第2比例弁60Bを開くと、パイロット油はパイロット油路86を介して第1予備制御弁56Cの受圧部87bに作用し、当該第2比例弁60Bの開度によって受圧部87bに付与(作用)するパイロット圧が決まる。また、第3比例弁60Cを開くと、パイロット油はパイロット油路125を介して第2予備制御弁56Dの受圧部121aに作用し、当該第3比例弁60Cの開度によって受圧部121aに付与(作用)するパイロット圧が決まる。
【0029】
比例弁60(第1比例弁60A、第2比例弁60B、第3比例弁60C)の励磁等は、制御装置(第1制御装置)88で行う。制御装置88は、CPU等から構成されている。制御装置88には、スイッチ等の操作部材89が接続され、操作部材89の操作量に基づいて、第1比例弁60A、第2比例弁60B及び第3比例弁60Cの開度が設定される。第1予備制御弁56Cの受圧部87a、87bに第1比例弁60A及び第2比例弁60Bのいずれかのパイロット圧が作用した場合、第3比例弁60Cの第1受圧部121aに第3比例弁60Cのパイロット圧が作用した場合、予備アクチュエータ26を操作することができる。
【0030】
なお、作業機の油圧システムは、ロードセンシングシステムを備えている。ロードセンシングシステムは、油圧アクチュエータの作動時の最高負荷圧と第2油圧ポンプP2の吐出圧との差圧が一定となるように第2油圧ポンプP2を制御する(第2油圧ポンプP2の吐出量を制御する)システムである。ロードセンシングシステムは、複数の制御弁56に接続された圧力補償弁75が接続されたPLS油路70と、PPS油路71と、レギュレータ72、傾転ピストン73とを有している。
【0031】
複数の制御弁56のうち、最も負荷圧が高い圧力(PLS信号圧)がPLS油路70に作用する一方、PPS油路71がレギュレータ72に伝達される。第2油圧ポンプP2の作動油の吐出圧であるPPS信号圧とPLS信号圧との差圧(PPS信号圧-PLS信号圧)が一定になるように、レギュレータ72は、傾転ピストン73を作動させる。
さて、図2Aに示すように、複数の制御弁56(ブーム制御弁56A、作業具制御弁56B、第1予備制御弁56C、第2予備制御弁56D)は、入力ポート90と、出力ポート91とを有している。入力ポート90は、第2油圧ポンプP2(可変容量油圧ポンプ)から吐出した作動油が入力されるポートである。具体的には、ブーム制御弁56Aの入力ポート90は、油路41aを介して吐出油路41に接続され、作業具制御弁56Bは、油路41bを介して吐出油路41に接続され、第1予備制御弁56Cは、油路41cを介して吐出油路41に接続されている。第2予備制御弁56Dは、油路41dを介して吐出油路41に接続されている。出力ポート91は、入力ポート90に入力された作動油を出力する出力ポート91である。
【0032】
第2予備制御弁56Dの第3給排ポート104は、油路(第3給排油路)107を介して第1給排油路81aに接続され、第4給排ポート105は、油路(第4給排油路)108を介して第2給排油路81bに接続されている。
また、複数の制御弁56(ブーム制御弁56A、作業具制御弁56B、第1予備制御弁56C、第2予備制御弁56D)は、流量減少部92を有している。流量減少部92は、入力ポート90に入力された作動油を減少させて出力ポート91に出力する部分である。言い換えれば、流量減少部92は、入力ポート90へ導入された作動油の圧力と、出力ポート91から出力される作動油の圧力とに差圧を発生させる部分である。流量減少部92は、それぞれの制御弁56の複数の切換位置(第1位置80a、82a、83a、110a、第2位置80b、82b、83b、110b、中立位置80c、81c、83c、110c)のうち、所定の切換位置である減少位置(第1位置80a、82a、83a、110a、第2位置80b、82b、83b)に設けられている。
【0033】
つまり、流量減少部92は、ブーム制御弁56Aにおいては、減少位置である第1位置80a及び第2位置80bに設けられ、作業具制御弁56Bにおいては、減少位置である第1位置82a及び第2位置82bに設けられ、第1予備制御弁56Cにおいては、減少位置である第1位置83a、第2位置83bに設けられ、第2予備制御弁56Dにおいては、減少位置である第1位置110aに設けられている。
【0034】
流量減少部92は、減少位置である場合に入力ポート90と出力ポート91とを連通する内部油路92aと、内部油路92aに設けられ作動油が通過する断面積(開口面積)が他の部分よりも小さい絞り部92bとを含んでいる。絞り部92bの開口面積は、ブーム制御弁56A、作業具制御弁56B及び第1予備制御弁56Cにおいても略同じに設定されている。
【0035】
なお、ブーム制御弁56Aと、作業具制御弁56Bと、第1予備制御弁56C及び第2予備制御弁56D)のそれぞれにおいて、出力ポート91から出力された作動油は、油路76を介してそれぞれの制御弁56側へ戻り、減少位置に設けられた流量減少部92以外の油路(内部油路)95を通過して、給排油路81a、81b、96、97、107,108のそれぞれに出力される。
【0036】
さて、第2予備制御弁56Dには、流量増加部93が設けられている。流量増加部93は、流量減少部92に比べてより多くの作動油を出力ポート91に出力する部分である。言い換えれば、流量増加部93は、入力ポート90へ導入された作動油の圧力と、出力ポート91から出力される作動油の圧力とに出来る限り差圧を発生させない部分であって、入力ポート90と出力ポート91とを連通していて、作動油が通過する開口面積(断面積)が流量減少部92よりも大きい。より詳しくは、流量増加部93は、第2予備制御弁56Dにおいて、増加位置である第2位置110bに設けられている。流量増加部93は、第2油圧ポンプP2の吐出量が最大になった場合に、略最大量の作動油を通過させることができる。第2予備制御弁56Dにおいても、出力ポート91から出力された作動油は、増加位置に設けられた流量増加部93以外の油路(内部油路)99を通過して、第1給排油路81aに出力される。
【0037】
図3は、第1予備制御弁56Cのスプールを操作したときの流量Q1、第2予備制御弁56Dのスプールを操作したときの流量Q2、第1給排油路81aを流れる作動油の流量Q3との関係を示した図である。なお、図3の説明では、ブーム制御弁56A及び作業具制御弁56Bが操作されていない状態とする。
制御装置88は、操作部材89の操作量が第1範囲(小~中程度)A1の操作量である場合、第1比例弁60Aの開度のみを操作量に応じて大きくしていく。この場合、第1予備制御弁56Cは、第1位置83a[減少位置(ノッチ領域)]であるため、ラインL10に示すように、徐々に作動油の流量Q1が増加する。また、操作部材89の操作量が第2範囲(中程度)A2の操作量である場合、第1比例弁60Aの開度は固定である一方、操作量に応じて第3比例弁60Cの開度を操作量に応じて大きくしていく。この場合、第2予備制御弁56Dは、第1位置110a[減少位置(ノッチ領域)]であるため、ラインL11に示すように、徐々に作動油の流量Q2が増加して、ラインL12に示すように、合計の流量Q3も徐々に増加する。
【0038】
また、操作部材89の操作量が第3範囲(最大)A3の操作量である場合、第1比例弁60Aの開度は固定である一方、第3比例弁60Cの開度を最大にする。第2予備制御弁56Dは、第2位置110b[増加位置(ランド外し領域)]であるため、ラインL12に示すように、ラインL12に示すように、合計の流量Q3は最大まで増加する。つまり、第1範囲A1では、第1予備制御弁56Cのスプールを操作量に応じて移動させ、第2範囲A2、A3では、第2予備制御弁56Dのスプールを操作量に応じて移動させる。
【0039】
なお、第2予備制御弁56Dを第2位置110b[増加位置(ランド外し領域)]にし
ている状況下において、ブーム制御弁56A及び作業具制御弁56Bが操作される場合、制御装置88は、第3比例弁60Cに出力する制御信号(電流)を下げることで、第2予備制御弁56Dを第1位置110a[減少位置(ノッチ領域)]にまで戻す。また、第2予備制御弁56Dの第2受圧部121bがパイロット油路86に接続されているため、第1比例弁60Aから出力されるパイロット油の圧力(パイロット圧)によって、第1予備制御弁56Cを第2位置83bに切り換えた場合に、第2予備制御弁56Dを強制的に中立位置110cに戻すことができる。
【0040】
図2Aに示すように、作業機の油圧システムは、第1排出油路161と、第2排出油路162とを有している。第1排出油路161は、第1予備制御弁56Cに接続され且つ、第1給排油路81a及び第2給排油路81bのいずれかを流れる作動油を排出する。例えば、第1予備制御弁56Cが第1位置83aである場合に、第1排出油路161は、第2給排ポート85に繋がり、第2給排油路81bの作動油を排出する。また、第1予備制御弁56Cが第2位置83bである場合に、第1排出油路161は、第1給排ポート84に繋がり、第1給排油路81aの作動油を排出する。
【0041】
第2排出油路162は、第2予備制御弁56Dに接続され且つ、第3給排油路107及び第4給排油路108のいずれかを流れる作動油を排出する。例えば、第2予備制御弁56Dが第1位置110aである場合に、第2排出油路162は、第4給排ポート105に繋がり、第2給排油路81bの作動油を排出する。また、第2予備制御弁56Dが第2位置83bである場合に、第2排出油路162は、第3給排ポート104に繋がり、第1給排油路81aの作動油を排出する。図1及び図2Aに示すように、第2排出油路162には、オイルクーラ163が接続されている。第2排出油路162において、オイルクーラ163の上流側には絞り部140が設けられている。したがって、オイルクーラ163は、第2予備制御弁56Dを通過した作動油を冷却することができる。
【0042】
図1及び図2Aに示すように、上述したブーム制御弁56A、作業具制御弁56B及び第1予備制御弁56Cは、油圧制御ユニットB1により構成されている。油圧制御ユニットB1は、鋳物等で形成されていて当該内部に、ブーム制御弁56A、作業具制御弁56B及び第1予備制御弁56Cが形成されている。また、油圧制御ユニットB1は、ブーム制御弁56A、作業具制御弁56B及び第1予備制御弁56Cに繋がる油路(吐出油路41、油路41a、41b、41c、給排油路96、97、81a、81b、161、パイロット油路86の全部又は一部を構成している。
【0043】
詳しくは、油圧制御ユニットB1には、排出路165が形成されている。排出路165は、第1予備制御弁56Cに接続された第1排出油路161と、ブーム制御弁56Aに接続された第4排出油路166と、作業具制御弁56Bに接続された第5排出油路167と、第1排出油路161、第4排出油路166及び第5排出油路167を接続する第6排出油路168とを含んでいる。第6排出油路168は、油圧制御ユニットの排出ポート170に接続されている。即ち、第1排出油路161は、第6排出油路168を介して排出ポート170に接続されている。
【0044】
第1排出油路161と第6排出油路168とを接続する接続部171と排出ポート170との間には、接続部171から排出ポート170に向けて作動油が流れることを許容し且つ、排出ポート170から接続部171に向けて作動油が流れることを阻止する逆止弁173が設けられている。
油圧制御ユニットB1の排出ポート170と作動油タンク22とは、第3排出油路175に接続されている。第2予備制御弁56Dに接続された第2排出油路162は、第3排出油路175に接続されている。なお、上述した実施形態では、第3排出油路175は、作動油タンク22に接続されていたが、油圧ポンプ(第1油圧ポンプP1、第2油圧ポンプP2)の吸込み部177に接続されていてもよい。
【0045】
以上によれば、ブーム制御弁56A、作業具制御弁56B及び第1予備制御弁56Cから排出された作動油は、第6排出油路168及び排出ポート170を通過して作動油タンク22に流れる一方、第2予備制御弁56Dから排出された作動油はオイルクーラ163により冷却された後に作動油タンク22及び吸込み部177のいずれかに流すことができ
る。
【0046】
なお、上述した実施形態では、第2予備制御弁56Dは、流量増加部93を有する制御弁であったが、図4に示すように、第1予備制御弁56Cと同様に、流量増加部93を有さない、即ち、流量減少部92を有する3位置切換弁であってもよく、限定されない。
図2Aの実施形態では、第2排出油路162に絞り部140を設けていたが、オイルクーラ163に連通する油路に絞り部を設ければよく、例えば、図2Bに示すように、第2予備制御弁56Dの第1位置110aにおいてオイルクーラ163に連通する油路に絞り部141を設けてもよいし、第2予備制御弁56Dの第2位置110bにおいてオイルクーラ163に連通する油路に絞り部142を設けてもよい。また、図2Dに示すように、第2予備制御弁56Dの第1位置110aでは、作動油を遮断する(ポートの連通を遮断する)構成であってもよい。
【0047】
作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、ブームシリンダ14を制御するブーム制御弁56Aと、作業具シリンダ15を制御する作業具制御弁56Bと、予備アクチュエータ26を制御する第1予備制御弁56Cと、予備アクチュエータ26を制御する第2予備制御弁56Dと、予備アクチュエータ26と第1予備制御弁56Cとを接続する第1給排油路81aと、予備アクチュエータ26と第1予備制御弁56Cとを接続する第2給排油路81bと、第1給排油路81aと第2予備制御弁56Dとを接続する第3給排油路107と、第2給排油路81bと第2予備制御弁56Dとを接続する第4給排油路108と、第1予備制御弁56Cに接続され且つ、第1給排油路81a及び第2給排油路81bのいずれかを流れる作動油を排出する第1排出油路161と、第2予備制御弁56Dに接続され且つ、第3給排油路107及び第4給排油路108のいずれかを流れる作動油を排出する第2排出油路162と、第2排出油路162に接続されたオイルクーラ163と、を備えている。
【0048】
これによれば、第2予備制御弁56Dを作動させることによって簡単に、第2予備制御弁56Dから出力した作動油を、第1予備制御弁56Cに繋がる第1給排油路81a又は第2給排油路81bに供給することで簡単に予備アクチュエータ26に供給する作動油を増加(増量)させることができる。特に、予備アクチュエータ26に供給する作動油を増加させて当該予備アクチュエータ26を作動させる場合は、第1予備制御弁56Cと第2予備制御弁56Dとの両方を作動させることになるため、細かい操作も行うことができ、予備アクチュエータ26から第2予備制御弁56Dに戻ってきた作動油を、オイルクーラ163に通すことができ、簡単に作動油を冷却することができる。言い換えれば、見かけ上のスプールの移動量(第1予備制御弁56Cのスプールの移動量と、第2予備制御弁56Dのスプールの移動量との合計)が長くなり、流量制御の精度を向上させることができ、増量した場合には、オイルクーラ163によって作動油を冷却することができる。
【0049】
作業機の油圧システムは、作動油を貯留する作動油タンク22と、油圧ポンプの吸込み部177と、ブーム制御弁56A、作業具制御弁56B及び第1予備制御弁56Cを格納し且つ作動油を排出する排出ポート170を有する油圧制御ユニットB1と、備え、第1排出油路161は、油圧制御ユニットB1の排出ポート170に接続され、第2排出油路162は、排出ポート170と、作動油タンク22及び吸込み部177のいずれかに接続する第3排出油路175に接続されている。
【0050】
これによれば、第1予備制御弁56Cを作動させた場合は、油圧制御ユニットB1の排出ポート170に接続された第1排出油路161から第3排出油路175を介して、作動油を排出することができる一方、第2予備制御弁56Dを作動させた場合は、オイルクーラ163が設けられた第2排出油路162に排出することができる。つまり、第1予備制御弁56Cのみによって予備アクチュエータ26を作動させた場合は作動油の流量が少なくかつ発熱量も少ないことが多いため、作動油を冷却する必要がない場合は、オイルクーラ163を通さずに作動油を油圧ポンプ側に戻すことができる。一方で、第2予備制御弁56Dを作動させた場合は、作動油が増量し且つ発熱量も多くなることがあるため、オイルクーラ163を通して油圧ポンプ側に戻すことができる。
【0051】
第1予備制御弁56C及び第2予備制御弁56Dは、複数の切換位置に切り換え可能で
あり且つ、パイロット圧が作用する受圧部を有し、第1予備制御弁56Cの受圧部と第2予備制御弁56Dの受圧部とは、パイロット油路で接続されていて、第2予備制御弁56Dは、パイロット油路を介して受圧部に圧力が作用した場合に、複数の切換位置のうち、中立位置に切り換え可能である。これによれば、ブーム10、バケット等の作業具11を作動させつつ、予備アクチュエータ26も作動させることができる。言い換えれば、ブーム10、バケット等の作業具11を作動させる場合には、予備アクチュエータのみに作動油が集中して流れることを抑制し、バランスよく作業を行うことができる。
【0052】
第1予備制御弁56C及び第2予備制御弁56Dは、油圧ポンプから吐出した作動油が入力される入力ポート90と、入力ポート90に入力された作動油を出力する出力ポート91と、複数の切換位置のうち所定の切換位置である減少位置である場合に入力ポート90に入力された作動油を減少させて出力ポート91に出力する流量減少部92とを含み、第2予備制御弁56Dは、複数の切換位置のうち所定とは異なる切換位置である増加位置である場合に入力ポート90に入力された作動油を流量減少部92よりも多く出力ポート91に出力する流量増加部93を有している。これによれば、標準の作動油で作動する予備アクチュエータ(標準側予備アクチュエータ)が装着された場合には、通常通り、予備アクチュエータを作動させることができる。一方で、多くの作動油が必要な大容量の予備アクチュエータ(大容量型予備アクチュエータ)が装着された場合には、第2予備制御弁56Dによって、大容量の予備アクチュエータを作動させることができ、標準の作動油で作動する予備アクチュエータ(標準側予備アクチュエータ)が装着された場合には、通常通り、予備アクチュエータを作動させることができる。
[第2実施形態]
図5Aは、第2実施形態における作業機の油圧システムを示している。
【0053】
図5Aに示すように、作業機の油圧システムは、排出油路284と、切換弁285とを備えている。
排出油路284は、第1給排油路81aと切換弁285とを繋ぐ第1ドレイン油路284aと、切換弁285とオイルクーラ263とを繋ぐ第2ドレイン油路284bと、オイルクーラ263と作動油タンク22とを繋ぐ第3ドレイン油路284cとを含んでいる。
【0054】
切換弁285は、開度が変更可能な弁であって、第1位置285aと第2位置285bとに切り換え可能な二位置切換弁である。切換弁285が第1位置285aである場合、開度は略ゼロであって、第1ドレイン油路284aと第2ドレイン油路284bとの接続を遮断する。切換弁285が第2位置285bである場合、開度は全開であって、第1ドレイン油路284aと第2ドレイン油路284bとを連通する。
【0055】
切換弁285における第1位置285a及び第2位置285bの切換操作は、パイロット圧により行われる。切換弁285は、パイロット圧が作用する受圧部291及び受圧部292を有している。切換弁285の受圧部291には、第1比例弁60A及び第1予備制御弁56Cの受圧部87aに接続されるパイロット油路286aが接続されている。また、切換弁285の受圧部292には、第2比例弁60B及び第1予備制御弁56Cの受圧部87bに接続されるパイロット油路286bが接続されている。
【0056】
また、排出油路284において、切換弁285と作動油タンク22との間に、逆止弁278が設けられている。逆止弁278は、オイルクーラ263から切換弁285に向けて流れる作動油を阻止する弁である。
また、排出油路284に、絞り部279が設けられている。具体的には、絞り部279は、排出油路284の第2ドレイン油路284bであって、逆止弁278よりもオイルクーラ263側に設けられている。絞り部279によれば、オイルクーラ263に向けて流れる作動油(ドレイン)の圧力を抑えることができる。
【0057】
以上によれば、第2比例弁60Bの開度を所定の開度(閾値)以上にすると、切換弁285の受圧部292に作用させるパイロット圧を上昇させることができる。ここで、切換弁285の受圧部292に作用させるパイロット圧を、切換弁285のバネ等の付勢部材293によって切換弁285の第1位置285a側に付勢されているスプールを第2位置285bに移動させるパイロット圧以上にすれば、スプールが第2位置285bに移動する。これにより、第1給排油路81aの作動油を、切換弁285を通じて排出油路284(第1ドレイン油路284a、第2ドレイン油路284b、第3ドレイン油路284c)に排出することができる。
【0058】
一方で、第1比例弁60Aの開度を所定の開度(閾値)以上にすると、切換弁285の受圧部291にパイロット圧を作用させることができ、切換弁285を第1位置(初期位置)285aにすることができる。つまり、第1比例弁60Aを開くことによって、切換弁285を強制的に初期位置に戻すことができる。
なお、図5Bは、第2実施形態における作業機の油圧システムの変形例を示している。
【0059】
図5Bに示すように、作業機の油圧システムは、切換弁(第1切換弁)285Aと、切換弁(第2切換弁)285Bとを備えている。
第1切換弁285Aは、図5Aに示した切換弁285と構成が同じである。第2切換弁285Bは、第1切換弁285Aと同様に、第1位置285aと第2位置285bとに切り換え可能な二位置切換弁である。第2切換弁285Bは、パイロット圧が作用する受圧部294及び受圧部295を有している。切換弁285Bの受圧部294には、第2比例弁60B及び第1予備制御弁56Cの受圧部87bに接続されるパイロット油路286bが接続されている。パイロット油路286bは、第1切換弁285Aの受圧部292にも接続されている。
【0060】
第2切換弁285Bの受圧部295には、第1比例弁60A及び第1予備制御弁56Cの受圧部87aに接続されるパイロット油路286aが接続されている。パイロット油路286aは、第1切換弁285Aの受圧部291にも接続されている。
図5Bに示す排出油路284は、第1ドレイン油路284a、第2ドレイン油路284b、第3ドレイン油路284cの他に、第4ドレイン油路284d、第5ドレイン油路284eを含んでいる。第4ドレイン油路284dは、第2給排油路81bと第2切換弁285Bとを繋いでいる。第5ドレイン油路284eは、第2切換弁285Bと第2ドレイン油路284bとを繋いでいて、第2ドレイン油路284bに合流している。
【0061】
以上によれば、第2比例弁60Bの開度を所定の開度(閾値)以上にすると、第1切換弁285Aの受圧部292及び第2切換弁285Bの受圧部294に作用させるパイロット圧を上昇させることができる。
ここで、第1切換弁285Aの受圧部292に作用させるパイロット圧を、第1切換弁285Aの付勢部材293によって第1位置285a側に付勢されているスプールを第2位置285bに移動させるパイロット圧以上にすれば、第1給排油路81aの作動油を、排出油路284に排出することができる。加えて、第2比例弁60Bの開度を所定の開度(閾値)以上にすると、第2切換弁285Bの受圧部294にパイロット圧が作用するため、第2切換弁285Bを強制的に第1位置285a(初期位置)に戻すことができる。
【0062】
一方、第1比例弁60Aの開度を所定の開度(閾値)以上にすると、第1切換弁285Aの受圧部291及び第2切換弁285Bの受圧部295に作用させるパイロット圧を上昇させることができる。
ここで、第2切換弁285Bの受圧部295に作用させるパイロット圧を、第2切換弁285Bの付勢部材296によって第1位置285a側に付勢されているスプールを第2位置285bに移動させるパイロット圧以上にすれば、第2給排油路81bの作動油を、排出油路284に排出することができる。加えて、第1比例弁60Aの開度を所定の開度(閾値)以上にすると、第1切換弁285Aの受圧部291にパイロット圧が作用するため、第1切換弁285Aを強制的に第1位置285a(初期位置)に戻すことができる。
【0063】
なお、図5Cに示すように、図5Aの油圧システムにおいて、パイロット油路286bに、作動弁289を設けてもよい。作動弁289は、切換弁285を切り換える弁であって、開度が変更可能である。作動弁289は、電磁弁、或いは、手動で開度を変更可能な手動弁である。作動弁289が手動弁である場合、手動で作動弁289を全開又は全閉にすることによって、切換弁285の受圧部292に作用するパイロット圧を設定することができる。
【0064】
上述した実施形態の図5A図5Cでは、第2ドレイン油路284bに絞り部279を
設けていたが、これに代えて、図5Eに示すように、切換弁285の第2位置285bに対応する油路に絞り部279を設けてもよい。
[第3実施形態]
図5Dは、第3実施形態における作業機の油圧システムを示している。上述した実施形態と共通の構成については説明を省略する。第3実施形態の油圧システムは、ロードセンシングシステムが設けられていない。
【0065】
図5Dに示すように、作業機の油圧システムは、第3油圧ポンプP3と、作動弁320と、作動弁321と、油路323と、第2切換弁285Bと、オイルクーラ263とを備えている。
第3油圧ポンプP3は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、第1油圧ポンプP1及び第2油圧ポンプ(作業系油圧ポンプ)とは異なる位置に設置されたポンプである。第2油圧ポンプP2及び第3油圧ポンプP3は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。つまり、第3実施形態では、第1油圧ポンプP1、第2油圧ポンプP2、第3油圧ポンプP3は、定容量型のギヤポンプである。特に、第3油圧ポンプP3は、作動油を増量するためのポンプ、即ち、増量系の油圧ポンプである。
【0066】
油路323は、第1油路83から分岐して第3油圧ポンプP3に接続する油路である。詳しくは、油路323の一端は、第1給排油路81aに接続され、油路323の他端は、第3油圧ポンプP3の吐出側に接続されている。
作動弁(ハイフロー弁)320は、油路323の中途部に設けられた弁であって、開度が変更可能な弁である。作動弁320は、パイロット圧で作動する2位置切換弁である。この作動弁320は、パイロット圧によって2つの切換位置(第1位置320aと第2位置320b)に切り換え可能ある。作動弁320が第1位置320aである場合には開度は略ゼロであって、油路323に流れる作動油の流量を零にする。また、作動弁320が第2位置320bである場合には開度は全開であって、油路323に流れる作動油の流量を零から所定の流量にする。言い換えると、作動弁320は、第1位置320aであるときは油路323を遮断し、第2位置320bであるときは油路323を連通させる。
【0067】
したがって、作動弁320を第2位置にすることによって、第3油圧ポンプP3から吐出した作動油を油路323に流すことができる。油路323に流れた作動油は、第1油路83に流れる作動油と合流する。その結果、予備アクチュエータに供給する作動油を増量することができる。
作動弁320の切換は、作動弁321によって行う。作動弁321は、電磁式の2位置切換弁である。作動弁321は、第1位置321aと第2位置321bとに切換可能である。作動弁321と作動弁320とは油路325により接続されている。詳しくは、作動弁320は、受圧部320cを有している。受圧部320cは、パイロット油を受圧することが可能である。作動弁320の受圧部320cと作動弁321とが油路325によって接続されている。
【0068】
作動弁321が第1位置321aである場合には、作動弁320の受圧部320cにパイロット圧を作用させず、当該作動弁320を第1位置321aにする。作動弁321が第2位置321bである場合には、作動弁320の受圧部320cにパイロット圧を作用させ、当該作動弁320を第2位置320bにする。
作動弁321における第1位置321a及び第2位置321bの切換は、制御装置88で行う。油路325には、油路305が接続され、油路305は作動弁389が接続されている。作動弁389は、第2切換弁285Bを切り換える弁であって、開度が変更可能である。作動弁389は、電磁弁、或いは、手動で開度を変更可能な手動弁である。作動弁389が手動弁である場合、手動で作動弁389を全開又は全閉にすることによって、第2切換弁285Bの受圧部295に作用するパイロット圧を設定することができる。
【0069】
排出油路284は、第2切換弁285Bとオイルクーラ263とを接続する第6ドレイン油路284fを有している。排出油路284において、オイルクーラ263の上流側には、絞り部299が設けられている。
以上のように、第3実施形態においては、作動油を増量している状況下において、作動弁389の開度を閾値以上にすることによって、第2切換弁285Bの受圧部295に作用するパイロット圧を上昇させ、第2切換弁285Bを第2位置285bすることができる。これにより、第2給排油路81bの作動油を、第6ドレイン油路284fを介してオイルクーラ263に流すことができる。一方、第2比例弁60Bの開度を所定の開度(閾値)以上にすると、第2切換弁285Bの受圧部294に作用させるパイロット圧を作用させることができ、第2切換弁285Bを強制的に第1位置285a(初期位置)に戻すことができる。
【0070】
図5Dでは、排出油路284に絞り部299を設けていたが、上述した実施形態の変形例と同様にオイルクーラ263に連通する油路、図5Fに示すように、例えば、第2切換弁285Bの第2位置285bに対応する油路に絞り部299を設けてもよい。また、図5Gは、図5Dの変形例である。図5Gに示すように、作動弁321の入力ポートと、第1予備制御弁56Cの受圧部87aとを接続する油路350を設けることで、受圧部87aに作動油が作用したときに作動弁321に作動油を供給できるようにしてもよい。また、図5Gに示すように、図5Dに示した作動弁389を介さずに、油路305を第2切換弁285Bの受圧部295に接続してもよい。
【0071】
上述した実施形態では、第1予備制御弁56Cと第2予備制御弁56Dとを別体に構成していたが、第1予備制御弁56Cと第2予備制御弁56Dとを一体化した場合は、例えば図2Cのようになる。図2Cに示すように、第1予備制御弁56Cは、4位置可能な切換弁であって、第1位置83a、第2位置83b、中立位置83cの他に、第3位置83dに切換え可能である。また、第1予備制御弁56Cは、出力ポート144を有していて、出力ポート144に第2排出油路162が接続されている。また、第1予備制御弁56Cには、第3位置83dであるときに第2給排ポート85に連通する油路181が設けられ、油路181から分岐する油路182が設けられている。油路182は、第1予備制御弁56Cが第3位置83dであるときに出力ポート144(第2排出油路162)に連通する油路である。油路182に絞り部279が設けられている。
【0072】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
1 :作業機
10 :ブーム
11 :作業具
14 :ブームシリンダ
15 :作業具シリンダ
22 :作動油タンク
26 :予備アクチュエータ
56 :制御弁
56A :ブーム制御弁
56B :作業具制御弁
56C :第1予備制御弁
56D :第2予備制御弁
80c :中立位置
81a :給排油路
81a :第1給排油路
81b :第2給排油路
81b :給排油路
81c :中立位置
82c :中立位置
83c :中立位置
86 :パイロット油路
87a :受圧部
87b :受圧部
90 :入力ポート
91 :出力ポート
92 :流量減少部
93 :流量増加部
96 :給排油路
97 :給排油路
100 :油路
107 :第3給排油路
108 :第4給排油路
110c :中立位置
121a :受圧部
125 :パイロット油路
144 :出力ポート
161 :給排油路
161 :第1排出油路
162 :第2排出油路
163 :オイルクーラ
170 :排出ポート
175 :第3排出油路
177 :吸込み部
181 :油路
182 :油路
263 :オイルクーラ
286a :パイロット油路
286b :パイロット油路
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6