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▶ ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】パネルのセット
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20231107BHJP
   B27M 3/04 20060101ALI20231107BHJP
   B27M 1/00 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
E04F15/02 G
B27M3/04
B27M1/00 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020537153
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 SE2018051322
(87)【国際公開番号】W WO2019139520
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】1850026-4
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、ブー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス、ストール
(72)【発明者】
【氏名】アンデシュ、ニルソン
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/187298(WO,A2)
【文献】特表2006-519948(JP,A)
【文献】国際公開第2014/182215(WO,A1)
【文献】特表2014-513757(JP,A)
【文献】特表2003-524717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
B27M 3/04
B27M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パネル(41)と第2パネル(42)とを備えたパネルのセットであって、前記第1パネル(41)及び前記第2パネル(42)のそれぞれは、第1縁部(1)と、第2縁部(2)と、第3縁部(3)と、を有し、前記第1パネル(41)の前記第1縁部(1)は、前記第2パネル(42)の前記第2縁部(2)及び前記第3縁部(3)の両方にそれぞれ係止可能であるように構成され、
前記第1縁部(1)は、水平方向の係止を目的として前記第2縁部(2)の第1係止溝(5)及び前記第3縁部(3)の第2係止溝(6)とそれぞれ協働可能であるように構成された第1係止要素(4)を備え、
前記第1パネル(41)の前記第1縁部(1)及び前記第2パネル(42)の前記第2縁部(2)は、前記第1パネル(41)の前記第1縁部(1)に対する前記第2パネル(42)の前記第2縁部(2)の垂直方向の変位により、互いに係止され且つ組み付けられるように構成され、
前記第1パネル(41)の前記第1縁部(1)及び前記第2パネル(42)の前記第3縁部(3)は、前記第1パネル(41)の前記第1縁部(1)に対する前記第2パネル(42)の前記第2縁部(2)の角度の付いた変位により、互いに係止され且つ組み付けられるように構成され、
前記第1縁部(1)は、垂直方向の係止を目的として前記第2縁部(2)の舌部(8)及び前記第3縁部(3)の舌部(9)とそれぞれ協働するように構成された舌部溝(7)を更に備える、パネルのセットにおいて、
前記第1係止要素(4)は、水平方向及び垂直方向の係止を目的として前記第1係止溝(5)の第2係止面(11)と協働するように構成された第1係止面(10)を備え、
前記第1係止要素(4)は、水平方向の係止を目的として前記第2係止溝(6)の第4係止面(13)と協働するように構成された第3係止面(12)を備え、
前記第1係止面(10)と、前記第1パネル(41)の上面又は前記第2パネル(42)の上面との間の角度(33)は、70度乃至85度の範囲である、
ことを特徴とするパネルのセット。
【請求項2】
前記第1縁部(1)の上部は第1案内面(14)を備え、前記第2縁部(2)の前記舌部(8)の下方縁部は第2案内面(15)を備え、これらは、前記第2縁部(2)を前記第1縁部(1)に組み付けるように前記第2縁部(2)を前記第1縁部(1)に対して垂直方向に変位させる工程(27)に際して協働するように構成される、
請求項1に記載のパネルのセット。
【請求項3】
前記第2縁部(2)の前記舌部(8)は、垂直方向の係止を目的として前記舌部溝(7)の上方リップ(26)の下方係止面(17)と協働するように構成された上方係止面(16)を備える、
請求項1又は2に記載のパネルのセット。
【請求項4】
前記第1係止要素(4)の上部は第3案内面(18)を備え、前記第1係止溝(5)の下方縁部は第4案内面(19)を備え、これらは、前記第2縁部(2)を前記第1縁部(1)に組み付けるように前記第2縁部(2)を前記第1縁部(1)に対して垂直方向に変位させる前記工程(27)に際して協働するように構成される、
請求項に記載のパネルのセット。
【請求項5】
前記舌部(9)は、垂直方向の係止を目的として前記舌部溝(7)の前記上方リップ(26)の前記下方係止面(17)と協働するように構成された上方係止面(20)を備える、
請求項に記載のパネルのセット。
【請求項6】
前記第1係止面(10)と前記第3係止面(12)との間の角度(31)は、5°乃至30°の範囲にあるか、又は10°乃至25°の範囲にあるか、又は17°である、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパネルのセット。
【請求項7】
前記第3係止面(12)と前記第3案内面(18)との間の角度(32)は、10°乃至40°の範囲にあるか、又は20°乃至30°の範囲にあるか、又は25°である、
請求項に記載のパネルのセット。
【請求項8】
前記第2縁部(2)は第2係止要素(22)を備え、前記第1縁部(1)は第3係止溝(25)を備え、
前記第2係止要素及び前記第3係止溝は、水平方向の係止を目的として協働するように構成される、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のパネルのセット。
【請求項9】
前記第3縁部(3)は、水平方向の係止を目的として前記第3係止溝(25)と協働するように構成された第3係止要素(24)を備える、
請求項に記載のパネルのセット。
【請求項10】
前記第2縁部(2)の長さは、前記第1縁部(1)の長さより短い、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のパネルのセット。
【請求項11】
前記第2パネル(42)の前記第2縁部(2)は、前記第1パネル(41)の前記第1縁部(1)に垂直方向に接続される、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のパネルのセット。
【請求項12】
前記第1パネル(41)は、時計回りの方向に、前記第1縁部(1)と、前記第1縁部(1)と、前記第2縁部(2)と、前記第3縁部(3)と、を備える、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のパネルのセット。
【請求項13】
前記第2パネル(42)は、時計回りの方向に、前記第2縁部(2)と、前記第1縁部(1)と、前記第1縁部(1)と、前記第3縁部(3)と、を備える、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のパネルのセット。
【請求項14】
前記第3縁部(3)は、前記第1縁部(1)に角度を付けた動作により組み付けられるように構成される、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のパネルのセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、互いに係止されるように構成された床板等のパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
垂直に変位させることにより組み付けられ、垂直方向及び水平方向に係止されるように構成されたパネルが知られている。このようなパネルは、例えば、WO2014/182215号に開示されている。さねはぎ継ぎにより、第1パネルの第1縁部が第2パネルの第2縁部に係止される。また、第1縁部及び第2縁部は、垂直方向及び水平方向の係止を目的として係止溝と協働するように構成された係止要素を含んでいる。
【0003】
WO2005/098163号は、2つの異なる係止要素を備えたパネル要素に関する。しかしながら、このタイプのパネルでは、2つのパネル同士の接合部を長くする必要があるため、このタイプのパネルの製造時に多量のパネル材料が無駄になるという欠点がある。
【0004】
本発明の実施形態は、パネルをより簡単に組み付ける、及び/又はパネルの係止強度を向上させるという必要性に対処するものであって、更にこれらのパネルは、ヘリンボーンパターン等の高度なパターンでの敷設を可能にする。
【発明の概要】
【0005】
本発明の少なくとも特定の実施形態の目的は、上述の技術及び既知の技術に対する改善を提供することである。
【0006】
本発明の少なくとも特定の実施形態の更なる目的は、垂直変位又は角度を付けた動作により組み付けられ、垂直方向及び水平方向に係止されるように構成されたパネルの組付を容易とすることである。
【0007】
本発明の少なくとも特定の実施形態の更なる目的は、単独の係止要素でありながら2つの異なる係止面を提供する係止要素を備えるパネルを提供することであり、これによりパネル同士のよりコンパクトな接合が可能となり、無駄になるパネル材料の量が削減される。
【0008】
本発明の少なくとも特定の実施形態の更なる目的は、互いに係止可能であるように構成されたパネルであって、パネルの長縁部同士が係止され得る、又は短縁部同士が係止され得るばかりでなく、短縁部と長縁部とが係止され得るパネルを提供することであり、これにより、例えばヘリンボーンパターン等の高度なパターンでの敷設が可能になる。
【0009】
説明から明らかになるであろうこれら及びその他の目的や利点のうちの少なくとも一部が、第1パネルと第2パネルとを含むパネルのセットであって、前記第1及び第2パネルは第1、第2及び第3縁部を有するパネルのセットを備えた本発明の第1態様により達成された。前記第1パネルの前記第1縁部は、前記第2パネルの前記第2縁部及び前記第3縁部の両方にそれぞれ係止可能であるように構成される。前記第1縁部は、水平方向の係止を目的として前記第2縁部の第1係止溝及び前記第3縁部の第2係止溝とそれぞれ協働可能であるように構成された第1係止要素を備える。前記第1縁部は、垂直方向の係止を目的として前記第2縁部の舌部及び前記第3縁部の舌部とそれぞれ協働するように構成された舌部溝を更に備える。前記第1係止要素は、水平方向及び垂直方向の係止を目的として前記第1係止溝の第2係止面と協働するように構成された第1係止面を備える。前記第1係止要素は、水平方向の係止を目的として前記第2係止溝の第4係止面と協働するように構成された第3係止面を備える。
【0010】
前記第1縁部の上部は第1案内面を備え得るとともに、前記第2縁部の前記舌部の下方縁部は第2案内面を備え得る。これらは、前記第2縁部を前記第1縁部に組み付けるように前記第2縁部を前記第1縁部に対して垂直方向に変位させる工程に際して協働するように構成される。
【0011】
前記第2縁部の前記舌部は、垂直方向の係止を目的として前記第1縁部の前記舌部溝の上方リップの下方係止面と協働するように構成された上方係止面を備え得る。
【0012】
前記第1係止要素の上部は第3案内面を備え得るとともに、前記第1係止溝の下方縁部は第4案内面を備え得る。これらは、前記第2縁部を前記第1縁部に組み付けるように前記第2縁部を前記第1縁部に対して垂直方向に変位させる前記工程に際して協働するように構成される。
【0013】
前記第3縁部の前記舌部は、垂直方向の係止を目的として前記第1縁部の前記舌部溝の前記上方リップの前記下方係止面と協働するように構成された上方係止面を備え得る。
【0014】
前記第1係止面と前記第3係止面との間の角度は、好適には約5°乃至約30°の範囲、好適には約10°乃至約25°の範囲にある、又は好適には約17°である。
【0015】
前記第3係止面と前記第3案内面との間の角度は、好適には約10°乃至約40°の範囲、好適には約20°乃至約30°の範囲にある、又は好適には約25°である。
【0016】
前記第2縁部は第2係止要素を備え得るとともに、前記第1縁部は第3係止溝を備え得る。これらは、水平方向の係止を目的として協働するように構成される。
【0017】
前記第3縁部は、水平方向の係止を目的として前記第3係止溝と協働するように構成された第3係止要素を備え得る。
【0018】
前記第2縁部の長さは、前記第1縁部の長さより短い。
前記第2パネルの前記第2縁部は、前記第1パネルの前記第1縁部に垂直方向に接続され得る。
【0019】
前記第1パネルは、時計回りの方向に、前記第1縁部と、前記第1縁部と、前記第2縁部と、前記第3縁部と、を備え得る。
【0020】
前記第2パネルは、時計回りの方向に、前記第2縁部と、前記第1縁部と、前記第1縁部と、前記第3縁部と、を備え得る。
【0021】
前記第3縁部は、前記第1縁部に角度を付けた動作により組み付けられるように構成され得る。
【0022】
第1及び第2パネルの第1、第2及び第3縁部は、好適には、フライス加工等の機械的切削加工により製造される。
【0023】
係止面及び案内面は、第1パネル及び/又は第2パネルのコア材料から構成され得る。
【0024】
第1パネル及び第2パネルは、弾性パネルであり得る。弾性パネルは、熱可塑性材料から構成されるコアを備え得る。熱可塑性材料は、発泡させてもよい。
【0025】
熱可塑性材料には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレン・テレフタレート、又はこれらの組み合わせが含まれ得る。コアは、複数の層から形成され得る。
【0026】
第1及び第2パネルは、熱可塑性材料を有する装飾箔等の装飾層を備え得る。装飾層の熱可塑性材料には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレン・テレフタレート、又はこれらの組み合わせが含まれ得る。好適には、装飾箔は、例えば、直接印刷、グラビア印刷、又はデジタル印刷により印刷される。
【0027】
第1パネル及び第2パネルは、フィルム又は箔等の摩耗層を備え得る。摩耗層は、熱可塑性材料を有し得る。熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレン・テレフタレート、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0028】
本発明の実施形態は、高い摩擦を有する案内面と、弾性の低い熱可塑性材料から構成される舌部と、を備えるパネルに対して特に有利であり得る。
【0029】
第1及び第2パネルは、HDF、MDF、又は合板等の木材ベースのコアを備え得る。
【0030】
第1パネル及び第2パネルは、第1パネル及び/又は第2パネルを下方に回転させることで分解されるように構成され得る。
【0031】
本発明の実施形態が可能とするこれらの及び他の態様、特徴及び利点は、添付図面を参照してなされる本発明の実施形態の以下の説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A】本発明によるパネルのセットの実施形態の組付の実施形態を示す図であって、第1パネルの第1縁部と第2パネルの第2縁部とが組み付けられている図。
図1B】本発明によるパネルのセットの実施形態の組付の実施形態を示す図であって、第1パネルの第1縁部と第2パネルの第2縁部とが組み付けられている図。
図1C】本発明によるパネルのセットの実施形態の組付の実施形態を示す図であって、第1パネルの第1縁部と第2パネルの第2縁部とが組み付けられている図。
図2A】本発明によるパネルのセットの実施形態の組付の実施形態を示す図であって、第1パネルの第1縁部と第2パネルの第3縁部とが組み付けられている図。
図2B】本発明によるパネルのセットの実施形態の組付の実施形態を示す図であって、第1パネルの第1縁部と第2パネルの第3縁部とが組み付けられている図。
図2C】本発明によるパネルのセットの実施形態の組付の実施形態を示す図であって、第1パネルの第1縁部と第2パネルの第3縁部とが組み付けられている図。
図3A】右方の縁部から時計周りの方向に、第2縁部、第1縁部、第1縁部、及び第3縁部を備える、本発明による第1パネルの実施形態を示す図。
図3B】右方の縁部から時計周りの方向に、第2縁部、第1縁部、第1縁部、及び第3縁部を備える、本発明による第2パネルの実施形態を示す図。
図4A】パネルがヘリンボーンパターンで組み付けられた本発明によるパネルのセットの実施形態を示す図。
図4B】パネルがヘリンボーンパターンで組み付けられた本発明によるパネルのセットの実施形態を示す図。
図5A】本発明によるパネルがモジュラーパターンで、すなわち互いに平行に組み付けられた実施形態を示す図。パネルをモジュラーパターンで組み付ける場合、複数の第1パネルのみ又は複数の第2パネルのみ互いに接続されることになる。
図5B】本発明によるパネルがモジュラーパターンで、すなわち互いに平行に組み付けられた実施形態を示す図。パネルをモジュラーパターンで組み付ける場合、複数の第1パネルのみ又は複数の第2パネルのみ互いに接続されることになる。
図6A】第1係止要素の拡大図であって、第1係止要素の異なる面同士の間の角度、及び第1係止要素の面と第1又は第2パネルの上面との間の角度も示す図。
図6B】第1係止要素の拡大図であって、第1係止要素の異なる面同士の間の角度、及び第1係止要素の面と第1又は第2パネルの上面との間の角度も示す図。
図6C】第1係止要素の拡大図であって、第1係止要素の異なる面同士の間の角度、及び第1係止要素の面と第1又は第2パネルの上面との間の角度も示す図。
図6D】第1係止要素の拡大図であって、第1係止要素の異なる面同士の間の角度、及び第1係止要素の面と第1又は第2パネルの上面との間の角度も示す図。
図6E】第1係止要素の拡大図であって、第1係止要素の異なる面同士の間の角度、及び第1係止要素の面と第1又は第2パネルの上面との間の角度も示す図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の特定の実施形態を、添付図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態において具現化され得るものであって、本明細書に寄生される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完璧且つ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝達するように提供される。添付図面に示す実施形態の詳細な説明において使用される用語は、本発明を限定することを意図したものではない。図面において、同様の符号は同様の要素を指す。本明細書において、「約」という単語が数値に関して使用される場合、この数値は、記載された数値に関して±10%の許容差を含むことが意図されている。
【0034】
組み付け中の本発明の実施形態を図1A乃至1Cに示す。本実施形態は、図3A及び3Bに示すように、第1パネル41と第2パネル42とを備えるパネルのセットを備えている。第1パネル41の第1縁部1と第2パネル42の第2縁部2とは、第1パネル41の第1縁部1に対して第2パネル42の第2縁部2を垂直に変位させる工程27により、互いに係止されて組み付けられるように構成されている。
【0035】
第1縁部1は、水平方向の係止を目的として第2縁部2の第1係止溝5と協働可能であるように構成された第1係止要素4を備えている。また、第1縁部1は、垂直方向の係止を目的として第2縁部の舌部8と協働するように構成された舌部溝7を備えている。更に、第1係止要素4は、水平方向及び垂直方向の係止を目的として第1係止溝5の第2係止面11と協働するように構成された第1係止面10を備えている。
【0036】
第1係止面10は、第2係止面11に対して平行、又は本質的に平行であり得る。
【0037】
第1案内面14が、第1縁部1の上部に含まれ得る。この第1案内面14は、垂直変位工程27の際に、舌部8の下方縁部の第2案内面15と協働する。
【0038】
第2縁部2の舌部8は、垂直方向の係止を目的として舌部溝7の上方リップ26の下方係止面17と協働するように構成された上方係止面16を備え得る。
【0039】
係止要素4は第3案内面18を備え得るとともに、係止溝5は第4案内面19を備え得る。これらの特徴部は、図1Bに示すように、第2縁部2を第1縁部1に組み付けるように第2縁部2を第1縁部に対して垂直方向に変位させる工程27に際して協働するように構成されている。
【0040】
第1案内面14は、第2案内面15に対して平行、又は本質的に平行であり得る。
【0041】
第3案内面18は、第4案内面19に対して平行、又は本質的に平行であり得る。
【0042】
第1及び第2案内面14、15は、垂直変位工程の際に、第3及び第4案内面18、19より前に協働するように構成されている。
【0043】
第2縁部2は第2係止要素22を備え得るとともに、第1縁部1は第3係止溝25を備え得る。それらは、水平方向の係止を目的として協働するように構成されている。
【0044】
上方係止面16は、第2案内面15の上方に配置されている。
【0045】
第1係止面10は、第3案内面18の下方に配置されている。
【0046】
図1Cに、第1縁部1と第2縁部2との係止状態を示す。第1縁部1と第2縁部2とは、垂直変位工程27により組み付けられ得る。
【0047】
第2縁部2は、第2縁部2の下側に下方溝29を含み得る。この下方溝29は、上方係止面16と下方係止面17とが非常に容易に係止可能となるように、第2縁部2が屈曲することを許容するスペースを提供し得る。
【0048】
好適には、第2縁部2の長さは、第1縁部1の長さより短い。
【0049】
垂直方向及び水平方向の係止部は、特に弾性材料からなる係止部を有するパネルの場合に有利である。複数の垂直方向係止部により、第1縁部1と第2縁部2とが外れて分離するリスクが減少され得る。
【0050】
図2A乃至2Cに、組み付け中の本発明の実施形態を示す。本実施形態は、第1パネル41と第2パネル42とを備えるパネルのセットを備えている。第1パネル41の第1縁部1と第2パネル42の第3縁部3とは、第2パネル42の第3縁部3を第1パネル41の第1縁部1に対して角度を付けて動作させることにより、互い係止されて組み付けられるように構成されている。
【0051】
第1縁部1は、水平方向の係止を目的として第3縁部3の第2係止溝6と協働可能であるように構成された第1係止要素4を備えている。
【0052】
また、第1縁部1は、垂直方向の係止を目的として、第3縁部3の舌部9と協働するように構成された舌部溝7を備えている。更に、第1係止要素4は、水平方向の係止を目的として第2係止溝6の第4係止面13と協働するように構成された第3係止面12を備えている。
【0053】
第3係止面12は、第4係止面13に対して平行、又は本質的に平行であり得る。
【0054】
舌部9は、垂直方向の係止を目的として舌部溝7の上方リップ26の下方係止面17と協働するように構成された上方係止面20を備え得る。
【0055】
第3縁部3は、水平方向の係止のを目的として第1縁部の第3係止溝25と協働するように構成された第3係止要素24を備え得る。
【0056】
図2A及び図2Cに示すように、第3縁部3は、第1縁部1に角度を付けた動作により組み付けられ得る。
【0057】
上記の水平方向係止部は、特に弾性材料からなる係止部を有するパネルの場合に有利であり得る。複数の水平方向係止部により、第1縁部1と第3縁部3とが外れて分離するリスクが減少され得る。
【0058】
図2Cに、第1縁部1と第3縁部3との係止状態を示す。
【0059】
第1係止面10は、第3係止面12の下方に配置されている。
【0060】
第3係止面12は、第3案内面18の下方に配置されている。
【0061】
図6A乃至6Eに、第1係止要素4の拡大図を示す。
【0062】
第1係止面10と第3係止面12との間の角度31は、約5°乃至約30°の範囲、好適には約10°乃至約25°の範囲にあり得る、又は好適には約17°であり得る。
【0063】
第3係止面12と第3案内面18との間の角度32は、約10°乃至約40°の範囲、好適には約20°乃至約30°の範囲にあり得る、又は好適には約25°であり得る。
【0064】
第1係止面10と第1パネル41又は第2パネル42の上面との間の角度33は、約70°乃至約85°の範囲、好適には約75°乃至約80°の範囲にあり得る、又は好適には約77°であり得る。
【0065】
第3係止面12と第1パネル41又は第2パネル42の上面との間の角度34は、約50°乃至約85°の範囲、好適には約60°乃至約75°の範囲にあり得る、又は好適には約67°であり得る。
【0066】
第3案内面18と第1パネル41又は第2パネル42の上面との間の角度35は、約25°乃至約60°の範囲、好適には約35°乃至約50°の範囲にあり得る、又は好適には約42°であり得る。
【0067】
本発明の実施形態によるパネルのセットは、複数の係止面によりパネルの高い係止強度を提供し得る。パネル上で動作する物体による力を受ける場合にも、パネル同士を好適に係止することは、パネルを定位置に保持するために重要であるかもしれない。
【0068】
また、本発明の実施形態によるパネルのセットは、案内面があるため、既知のパネルのセットに比較して簡単に組み付けられ得る。特にパネル縁部が弾性の低い材料から構成される場合、好適な案内作用は、高い摩擦の表面を有するパネルを組み付けるために重要であるかもしれない。優れた案内作用がなくては、このようなパネルを組み付けることは困難になり得る。又は、パネル又はパネルの一部、例えば舌部が組付中に破損する可能性がある。また、本発明の実施形態によるパネルのセットは、パネル同士のよりコンパクトな接合を提供するため、無駄になるパネル材料の量が削減される。
【0069】
本発明の実施形態によるパネルのセットは、種々のパターンで組み付けられ得る。一例は、図4A及び4Bに示すように第1パネル41及び第2パネル42が組み付けられるヘリンボーンパターンである。パネルをヘリンボーンパターンで組み付ける場合、第2パネル42の第2縁部2が、第1パネル41の第1縁部に垂直に接続されることになる。
【0070】
別の例は、図5A及び5Bに示すようにパネルを互いに平行に組み付けるモジュラーパターンである。パネルをモジュラーパターンで組み付ける場合、複数の第1パネル41同士、又は複数の第2パネル42同士だけが、パネルの各列において互いに接続されることになる。パネルをモジュラーパターンで組み付ける場合、第1パネル41の第1縁部1が第1パネル41の第3縁部3に接続されるか、或いは第2パネル42の第1縁部1が第2パネル42の第3縁部3に接続される。
【0071】
図3Aに示すように、第1パネル41は、時計回りの方向に、第1縁部1と、第1縁部1と、第2縁部2と、第3縁部3と、を備え得る。
【0072】
図3Bに示すように、第2パネル42は、時計周りの方向に、第2縁部2と、第1縁部1と、第1縁部1と、第3縁部3と、を備え得る。
【0073】
第1パネル41及び第2パネル42は、約3mm乃至約12mmの範囲の厚さを有し得る。
【0074】
上記の実施形態は、弾性パネルであり得る。弾性パネルは、熱可塑性材料から構成されるコアを備え得る。熱可塑性材料は、発泡させてもよい。
【0075】
熱可塑性材料には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレン・テレフタレート、又はこれらの組み合わせが含まれ得る。コアは、複数の層から形成され得る。
【0076】
上述の実施形態は、熱可塑性材料から構成される装飾箔等の装飾層を備え得る。装飾層の熱可塑性材料には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレン・テレフタレート、又はこれらの組み合わせが含まれ得る。好適には、装飾箔は、例えば、直接印刷、グラビア印刷、又はデジタル印刷により印刷される。
【0077】
上述の実施形態は、フィルム又は箔等の摩耗層を備え得る。摩耗層は、熱可塑性材料から構成され得る。熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレン・テレフタレート、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0078】
上述の実施形態は、HDF、MDF、又は合板等の木材ベースのコアを備え得る。
【0079】
第1パネル及び第2パネルは、第1パネル及び/又は第2パネルを下方に回転させることで分解されるように構成され得る。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E