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特許7379350大規模分配タイミング、較正、および制御システム
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  • 特許-大規模分配タイミング、較正、および制御システム 図1
  • 特許-大規模分配タイミング、較正、および制御システム 図2
  • 特許-大規模分配タイミング、較正、および制御システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】大規模分配タイミング、較正、および制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20231107BHJP
   H04B 10/077 20130101ALI20231107BHJP
   H04B 10/2575 20130101ALN20231107BHJP
【FI】
H04L7/00 330
H04B10/077
H04B10/2575 120
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020542811
(86)(22)【出願日】2019-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 AU2019050099
(87)【国際公開番号】W WO2019153048
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-09-11
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】2018900388
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】513114179
【氏名又は名称】ビーエーイー・システムズ・オーストラリア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アベレイ、ロバート・デニス
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】丸山 高政
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-076665(JP,A)
【文献】特開2009-206735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L
H04B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の遠隔光受信機点と光送信点とを有するフェイズドアレイレーダの距離同期の方法であって、
(a)前記光送信点から前記一連の遠隔光受信機点の各々に送信された光タイミングパルスを、前記一連の遠隔光受信機点の各々から前記光送信点に返送することと、
(b)前記タイミングパルスの往復時間を決定することと、
(c)前記タイミングパルスの前記往復時間の指標尺度を格納し、前一連の遠隔光受信機点の各々と前記光送信点との間の前記指標尺度をフェイズドアレイ計算に入れることによって前記一連の遠隔光受信機点によって受信された信号のタイミングを調整することと
を行うステップを含む、方法。
【請求項2】
前記遠隔光受信機点において受信された信号のタイミングを調整するために、前記ステップ(a)~(c)を反復的に繰り返すことをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フェイズドアレイレーダのタイミングシステムであって、
送信ユニットから一連の受信機ユニットに光タイミング信号を送信するための前記送信ユニットと、
記送信ユニットに相互接続され、前記光タイミング信号を受信し、前記光タイミング信号を前記送信ユニットに再送信して返すように適応された前記一連の受信機ユニットと、
記送信ユニットと前記一連の受信機ユニットとの間の信号遅延を反復的に決定するための遅延計算ユニットと、
前記一連の受信機ユニットの各々と前記送信ユニットとの間の前記決定された信号遅延をフェイズドアレイ計算に入れることによって前記一連の受信機ユニットによって受信された信号のタイミングを調整するための信号調整ユニットと
を含む、タイミングシステム。
【請求項4】
前記受信機ユニットは、前記光タイミング信号を受信し、前記受信機ユニットによる使用のための対応する電気タイミング信号に変換するための光変換ユニットをさらに含む、請求項3に記載のタイミングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、遠隔の場所にタイミング信号を分配するためのシステムおよび方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 本明細書全体にわたる背景技術のいかなる説明も、そのような技術が広く知られていること、または当技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものとして決してみなされるべきではない。
【0003】
[0003] 大規模フェーズドアレイレーダの設計、構築、およびメンテナンスは、システムインテグレータおよび施設内のメンテナンス人員に対して、そして設備のライフサポートを通じて、多くの課題を提示する。フェーズドアレイレーダの機能にとって重要なことは、複数のシェルタにわたって広がる複数のアンテナ素子をビーム形成する能力である。これは、システムのRF経路内の固有の遅延の正確な知識、シェルタ施設の正確な配置、サンプルクロックの同期、「正常」および「劣化」状態の確立、および各個別の素子におけるアレイの状態を検証するための組込みテストレジームを必要とする。アレイは数キロメートルに及ぶ可能性があるので、信号伝搬時間の影響は重要である。
【0004】
[0004] 使用されることが多い解決法は、安定化された等長および等速同軸ケーブルまたは差動ペアラン(runs)を用いた集中化された分配である。現場メンテナンスに関して、これらのランに対する損傷は、最初に、損傷が発生したことの認識、修理、特定のケーブルの再特徴付け、および機能性を回復するためのソフトウェアにおける較正オフセットを必要とする。より長いアレイの場合、信号電力レベル、ケーブルに沿った損失、および干渉が、回線メンテナンスに加えて、分配の中心点におけるベース負荷要件を増加させるので、懸念事項になる。
【0005】
[0005] RFオーバーファイバ(RFoF:RF-over-Fibre)は、同軸ケーブルに対する代替オプションであるが、これは、(トランシーバレベルおよびファイバレベルの両方における)外部環境に敏感であり、ファイバのそれぞれの長さを依然として特徴付ける必要があることに加えて、維持するための追加の機器を必要とする。一般に、集中化された較正分配は、本質的に、専用(built-for-purpose)の現場に限定され、新しい場所を確立しようとするオペレータに対して大きい先行投資の資本支出を課す。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明の目的は、その好ましい形態において、遠隔の可変距離の場所にタイミング信号を分配するための簡略化されたシステムを提供することである。
【0007】
[0007] 本発明の第1の態様によれば、一連の遠隔光受信機点と光送信点との距離同期の方法が提供され、本方法は、(a)光送信点から一連の遠隔光受信機点の各々に光タイミングパルスを送信および返送することと、(b)タイミングパルスの往復時間を決定することと、(c)タイミングパルスの往復時間の指標尺度を格納し、遠隔光受信機点における信号のタイミングを調整して、一連の遠隔光受信機点によって受信された信号の相対受信時間を決定するために、指標尺度を利用することと、を行うステップを含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、本方法は、遠隔光受信機点において受信された信号のタイミングを調整するために、ステップ(a)~(c)を反復的に繰り返すことも含む。
【0009】
[0009] 本発明のさらなる態様によれば、タイミングシステムが提供され、送信ユニットから一連の受信機ユニットに光タイミング信号を送信するための第1の送信ユニットと、第1の送信ユニットに相互接続され、光タイミング信号を受信し、光タイミング信号を送信ユニットに再送信して返すように適応された一連の受信機ユニットと、第1の送信ユニットと遠隔受信機ユニットとの間の信号遅延を反復的に決定するための遅延計算ユニットと、決定された信号遅延に基づいて信号を調整するための信号調整ユニットと、を含む。
【0010】
[0010] 受信機ユニットは、光タイミング信号を受信し、受信機ユニットによる使用のための対応する電気タイミング信号に変換するための光変換ユニットをさらに含むことができる。
【0011】
[0011] 本発明の実施形態が、ここで、以下の付随図面を参照して、単に例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0012] 遠隔に位置する複数の受信光制御ユニット(ROCU:Receive Optical Control Unit)に基準信号を分配する単一の送信光制御ユニット(TOCU:Transmit Optical Control Unit)を使用する例示的な設備を例示し、ROCUは次に、各ROCUにローカルなデータコンバータのセットを駆動する。
図2】[0013] 送信光制御ユニット(TOCU)の内部アーキテクチャを例示する。
図3】[0014] 受信光コントローラユニット(ROCU)と呼ばれる光受信機ユニットの内部アーキテクチャを例示する。
【詳細な説明】
【0013】
[0015] 好ましい実施形態は、RFoFを使用する集中化された分配の概念を採用し、市販の光ファイバスモールフォームファクタプラガブル(SFP:Small Form-Factor Pluggables)を使用した最小限の継続的なメンテナンスを有する未開発の場所および生態学的に多様な場所における展開を妨げる可能性がある環境変数を実質的に軽減する。
【0014】
[0016] 実施形態は、個々のファイバによって提示される遅延を連続的にモニタリングし、オフセットテーブルを内部で生成する。これは、シェルタケーブル長に対するシェルタの要件を緩和することによって設置の容易さを可能にし、自然温度変化および個々のファイバの速度係数に対するその影響を自動的に考慮し、実際には、フェーズドアレイは、大きく異なる長さの基準ファイバ束から構築されることができる。回線メンテナンスの場合、特徴付けは、回線のばらつきまたは未検出の劣化にも適用される、ハードウェアにおける自動活動である。異なる長さであり得る、効果的に「いつでもどこでも位相安定な」光ファイバトランクのセットを有することによって、特定の製造要件または長期にわたる設置メンテナンスを必要とせず、残りの部分のタイミング、制御、および分配を果たすための多くのオプションが利用可能である。
【0015】
[0017] 実施形態は、シェルタファイバ内および中央分配点(ファイバ内セット)における時間差を連続的にモニタリングするために、双方向(二重波長)光ファイバSFPのペア(シェルタごとに1つのペア)と、リンクの両端に配置されたFPGAに実装されたデジタル二重ミキサ時間差回路とを使用する。次いで、このデータは、ファイバのマスターセットに対して参照される連続的に更新されるオフセットテーブルを作成するために使用され、ビーム形成が多様な分配ネットワークを介して生じることを可能にする。
【0016】
[0018] フェーズドアレイレーダの用途に特有であるが、これらの光ファイバトランクは、各遠隔光受信機への基準サンプリングクロックと基準1PPS(One Pulse Per Second)信号とを変調するために使用され、分散型基準ネットワークを形成する。各遠隔光受信機から、すぐ近くのデータコンバータが分散型基準ネットワークによって駆動される。
【0017】
[0019] 位相整合された基準信号を各シェルタに存在させることによって、較正および組込み自己テスト(BIST:Built In Self Test)が、これらの基準信号から駆動されるローカルシンセサイザの使用を通して達成される。シンセサイザ出力は、サンプリングクロックおよび1PPSとともにシェルタ内の他のデータコンバータに分配されるために、光学ユニットの外部インターフェースに位相整合される。
【0018】
[0020] 送信光制御ユニットと呼ばれる、集中化された分配点に位置するユニットは、遠隔光受信機の各々への分配のためのサンプリングクロックおよび1PPSの基準ソースを受け入れることに加えて、各遠隔光受信機についてのルックアップテーブルを格納および更新する。先に説明された機構を使用して、受信機ユニットの各々は、異なる長さのファイバによって接続されることができ、それ自体をフェーズドアレイとして信号処理チェーンに提示する。
【0019】
[0021] 実施形態は、フェーズドアレイレーダネットワークの較正およびタイミング分配構成要素を大幅に簡略化する。実施形態を新しい設計に組み込むことによって、必要とされる基礎準備および施設準備がより少なくなり、未開発地域における設置を費用効率よく可能にする。光ファイバリンクの位相安定性は、環境制御を使用することなく、温度変化および回線修理を通して維持され、シェルタバウンドのユニットの複雑さおよびシェルタ自体のインフラストラクチャ要件を大幅に低減する。
【0020】
[0022] 最初に図1を参照すると、一実施形態の動作環境が概略的に例示されている。この環境では、送信光制御ユニット(TOCU)2は、受信光コントローラユニット(ROCU)、例えば3、4、5を備える一連の受信機への光送信を提供する。ROCUは、光信号の伝送を提供するためにTOCUと相互作用する。伝送光ファイバ6は、100MHzのクロック、1PPS(one pulse per second)エポッククロック、およびイーサネット(登録商標)制御ならびにステータス信号を含む。
【0021】
[0023] 光信号は、一連のデジタル受信機10との相互接続のために、ROCU、例えば3によって、対応する銅ワイヤベースの信号8に変換される。受信機10は次に、環境RF信号の受信およびそれらのデジタル形式への変換のために、アンテナ型デバイス、例えば12に接続される。
【0022】
[0024] 周期的な間隔で、各TOCU、例えば2と、対応するROCU、例えば3~5との間の遅延を測定するタイミングおよびテスト回路が提供される。このようにして、遅延はマルチアンテナ受信機システムにおいて常に補償されることができる。遅延時間は、各ROCUとTOCUとの間の遅延をフェーズドアレイ計算に入れる(factor)ようにタイミング回路によって利用されるためにテーブルに格納される。
【0023】
[0025] ここで図2を参照すると、TOCU2の1つの形態が例示されている。TOCUは、100MHz信号であり得るクロック入力信号24を含む。この信号は、ROCUを収容する様々な外部シェルタへのクロック信号の分配を担うクロックカード21に転送される。FPGA25は、クロック信号を各シェルタに転送し、リターン信号を受信する。
【0024】
[0026] 1PPS信号28は、GPS 1PPS信号生成ユニット(図示せず)から入力される。これはインポートされ、同期カード23を介して各シェルタROCUに転送される。リターン1PPS信号は、FPGA30によってROCUについての遅延を決定するために比較される。この遅延は、テーブルに格納され、次いで、送信信号のタイミングを制御するために利用される。全体的な制御は、信号遅延の制御のためのFPGA32を含む制御およびステータスカード22によって提供されることができる。
【0025】
[0027] ここで図3を参照すると、図1のROCU3の1つの形態がより詳細に例示されている。ROCUは3つのカード41、42、43を含み、第1のカードは100メガヘルツクロッキング信号41を供給し、第2のカードは制御ステータスおよび同期信号42を供給し、第3の較正カード43は入力信号と出力信号との間の較正の遅延を測定する。
【0026】
[0028] クロッキングカード41は入力クロッキング信号45を受信し、この入力クロッキング信号45は、サンプリング46され、対応する電気出力信号48に変換され、この電気出力信号48は、各デジタル受信機ユニット(図1の10)に転送される。制御ステータス同期カード42は、様々なデータデジタル受信機ユニットを制御することに加えて、ROCUとTOCUとの間で制御ステータス情報を送ることを担う。それはコアFPGA52の周りで動作することができる。
【0027】
[0029] 較正カード43は、ROCUとTOCUとの間の距離を定期的に受信し、較正することを担う。
【0028】
解釈
[0030] 本明細書全体にわたる「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、または「一実施形態」への参照は、実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所における「1つの実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、または「一実施形態では」というフレーズが現れても、同一の実施形態を必ずしもすべて指しているわけではないが、そうであることもある。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、本開示から当業者に明らかとなるような、任意の好適な様式で組み合わされ得る。
【0029】
[0031] 本明細書で使用されるとき、別段の指定がない限り、一般的な物体を説明するための序数形容詞「第1の」、「第2の」、「第3の」等の使用は、単に同様の物体の異なる例が参照されていることを示しているにすぎず、そのように説明された物体が、時間的、空間的、順位的に、または任意の他の様式のいずれかで、所与のシーケンスになければならないことを暗に示すことを意図するものではない。
【0030】
[0032] 以下の特許請求の範囲および本明細書での説明において、備える(comprising)、~から成る(comprised of)、または、~を備える~(which comprises)という用語のいずれか1つは、それに続く要素/特徴を少なくとも含むが他のものを除外しないことを意味するオープンタームである。したがって、備えるという用語は、特許請求の範囲で使用されるとき、その後に列挙される手段または要素またはステップに限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、AおよびBを備えるデバイスという表現の範囲は、要素AおよびBのみから成るデバイスに限定されるべきではない。本明細書で使用される、含む(including)、または、~を含む~(which includes or that includes)という用語のいずれか1つもまた、その用語に続く要素/特徴を少なくとも含むが他のものを除外しないことも意味するオープンタームである。したがって、含むことは、備えることと同義であり、備えることを意味する。
【0031】
[0033] 本明細書で使用されるとき、「例示的」という用語は、品質を示すのとは対照的に、例を与えるという意味で使用される。すなわち、「例示的な実施形態」は、必ず例示的な品質の実施形態であることとは対照的に、一例として提供される実施形態である。
【0032】
[0034] 本発明の例示的な実施形態の上記の説明では、本発明の様々な特徴が、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つまたは複数の態様の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図、またはその説明にまとめられるときがあることを理解されたい。しかしながら、この開示の方法は、請求項に記載の発明が各請求項に明示的に記載されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、これによって、この詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態として独立している。
【0033】
[0035] さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態では含まれる他の特徴ではない、いくつかの特徴を含むが、当業者によって理解されるように、異なる実施形態の特徴の組合せは、本発明の範囲内であることを意味し、異なる実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、請求項記載の実施形態のいずれかは、任意の組合せで使用されることができる。
【0034】
[0036] さらに、実施形態のいくつかは、コンピュータシステムのプロセッサによって、または機能を実行する他の手段によって実施されることができる方法または方法の要素の組合せとして本明細書で説明される。したがって、そのような方法または方法の要素を実行するための必要な命令を有するプロセッサは、方法または方法の要素を実行するための手段を形成する。さらに、装置の実施形態の本明細書で説明される要素は、本発明を実行する目的で当該要素によって実行される機能を実行するための手段の一例である。
【0035】
[0037] 本明細書で提供される説明では、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの特定の詳細なしに、本発明の実施形態が実施され得ることが理解される。他の事例では、この説明の理解を曖昧にしないように、周知の方法、構造、および技法は詳細に示されていない。
【0036】
[0038] 同様に、結合されたという用語は、特許請求の範囲において使用されるとき、直接接続のみに限定されるものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。「結合された」および「接続された」という用語は、それらの派生語とともに使用され得る。これらの用語は、互いに同義語として意図されていないことを理解されたい。したがって、デバイスBに結合されたデバイスAという表現の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続される、デバイスまたはシステムに限定されるべきではない。これは、他のデバイスまたは手段を含む経路であり得る、Aの出力とBの入力との間の経路が存在することを意味する。「結合された」は、2つ以上の要素が物理的または電気的に直接接触していること、または2つ以上の要素が互いに直接接触していないが依然として互いに協働または相互作用することを意味し得る。
【0037】
[0039] したがって、本発明の好ましい実施形態であると考えられるものが説明されてきたが、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、他の修正およびさらなる修正がそれに対して行われ得ることを認識し、本発明の範囲内に入るすべてのそのような変更および修正を特許請求することが意図される。例えば、上記の任意の式は、使用され得る手順を単に表しているにすぎない。機能はブロック図に追加またはそれから削除され得、動作は機能ブロック間で交換され得る。ステップは、本発明の範囲内で説明される方法に追加またはそれから削除され得る。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
一連の遠隔光受信機点と光送信点との距離同期の方法であって、
(a)前記光送信点から前記一連の遠隔光受信機点の各々に光タイミングパルスを送信および返送することと、
(b)前記タイミングパルスの往復時間を決定することと、
(c)前記タイミングパルスの前記往復時間の指標尺度を格納し、前記遠隔光受信機点における信号のタイミングを調整して、前記一連の遠隔光受信機点によって受信された信号の相対受信時間を決定するために、前記指標尺度を利用することと
を行うステップを含む、方法。
[C2]
前記遠隔光受信機点において受信された信号のタイミングを調整するために、前記ステップ(a)~(c)を反復的に繰り返すことをさらに備える、C1に記載の方法。
[C3]
タイミングシステムであって、
送信ユニットから一連の受信機ユニットに光タイミング信号を送信するための前記第1の送信ユニットと、
前記第1の送信ユニットに相互接続され、前記光タイミング信号を受信し、前記光タイミング信号を前記送信ユニットに再送信して返すように適応された一連の受信機ユニットと、
前記第1の送信ユニットと遠隔受信機ユニットとの間の信号遅延を反復的に決定するための遅延計算ユニットと、
前記決定された信号遅延に基づいて信号を調整するための信号調整ユニットと
を含む、タイミングシステム。
[C4]
前記受信機ユニットは、前記光タイミング信号を受信し、前記受信機ユニットによる使用のための対応する電気タイミング信号に変換するための光変換ユニットをさらに含む、C3に記載のタイミングシステム。
図1
図2
図3