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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】ポンプの化学的適合性管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20231107BHJP
【FI】
G06Q10/20
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020544498
(86)(22)【出願日】2019-02-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 US2019018152
(87)【国際公開番号】W WO2019164758
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】62/633,422
(32)【優先日】2018-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】マスード マヒディノ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン シュウェーブル
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/016180(WO,A1)
【文献】特表2015-513641(JP,A)
【文献】特表2014-506781(JP,A)
【文献】特表2010-526381(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035307(WO,A1)
【文献】特開2017-180349(JP,A)
【文献】特開平07-092292(JP,A)
【文献】特表2006-509499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学物質ポンプの動作中にポンピングされている化学組成物に曝される少なくとも1つの部品を含む、化学物質ポンプと、
前記化学組成物を含む化学物質貯留槽であって、前記化学組成物に対応する埋め込まれた情報を含む電子的に読み取り可能な媒体を含む、化学物質貯留槽と、
前記化学組成物と前記少なくとも1つの部品との間の適合性を含む化学的適合性データを含むデータベースと、を含むシステムであって、
携帯型コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションが、
前記携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して、前記化学物質ポンプのポンプ識別子を含む選択を受信することと、
前記携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスを使用して、前記電子的に読み取り可能な媒体を電子的に読み取って、前記埋め込まれた情報に基づいて、前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物に対応する化学物質識別子を取得することと、
前記化学物質識別子及び前記ポンプ識別子を使用して前記データベースにクエリを行うことと、
前記データベースから前記クエリへの応答を受信することであって、前記応答が、前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物と前記化学物質ポンプの前記少なくとも1つの部品との間の化学的適合性を含む、受信することと、
前記携帯型コンピューティングデバイスの出力デバイスを介して、前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物と前記化学物質ポンプとの間の前記化学的適合性に対応する出力表示を出力することと、を行うように動作可能である、システム。
【請求項2】
前記データベースが、前記化学物質ポンプ及び前記携帯型コンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つに含まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記化学物質ポンプが、第1の無線通信デバイスを備え、
前記携帯型コンピューティングデバイスが、第2の無線通信デバイスを備え、
前記化学物質ポンプ及び前記携帯型コンピューティングデバイスが、前記第1及び第2の無線通信デバイスの両方と互換性がある無線通信プロトコルを介して、前記第1及び第2の無線通信デバイスをそれぞれ介して通信する、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記出力表示が、
前記化学物質ポンプと前記化学組成物が適合するという表示、
前記化学物質ポンプの少なくとも1つの部品と前記化学組成物が適合しないという表示、
前記化学物質ポンプ内で前記化学組成物を使用すると、前記化学物質ポンプの耐用年数が短くなる可能性があるという表示、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記データベースが、前記化学物質ポンプ及び前記携帯型コンピューティングデバイスの両方から離れて位置する少なくとも1つのサーバーに格納されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの部品が、シール、ガスケット、Oリング、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記電子的に読み取り可能な媒体が、走査可能な画像であり、
前記携帯型コンピューティングデバイスの前記第2の入力デバイスが、光入力デバイスである、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記走査可能な画像が、2次元バーコード及び3次元バーコードのうちの少なくとも1つである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記電子的に読み取り可能な媒体が、無線周波数識別(RFID)タグであり、
前記携帯型コンピューティングデバイスの前記第2の入力デバイスが、RFID読み取り機である、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記埋め込まれた情報が、
前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物の量、及び
前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物の濃度のうちの少なくとも1つに対応する、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記携帯型コンピューティングデバイスが、スマートフォンであり、
前記第1の入力デバイス及び前記出力デバイスの両方が、前記スマートフォンのタッチスクリーンである、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記アプリケーションが、
前記化学物質ポンプから稼働情報を受信し、
前記携帯型コンピューティングデバイスの前記出力デバイスに前記稼働情報を表示するようにさらに動作可能である、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記化学物質貯留槽が、複数の貯留槽を含み、前記複数の貯留槽のそれぞれの貯留槽が、それぞれの化学組成物及びそれぞれの電子的に読み取り可能な媒体を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの部品が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から製造され、
前記化学組成物が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属次亜塩素酸塩、過酸化物、鉱酸、有機酸、界面活性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記アプリケーションが、前記化学物質ポンプと通信して、前記化学物質ポンプに、追加の量の前記化学組成物が前記化学物質ポンプに導入されるのを防止させるように動作可能である、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの部品が、複数の部品を含み、前記複数の部品のそれぞれの部品が、それぞれの材料から製造され、
前記クエリが、それぞれの材料の前記化学組成物に対する前記化学的適合性を決定し、
前記複数の部品のいずれかの部品が、前記化学組成物と適合しないと決定された場合、前記出力表示は、前記化学物質ポンプが、前記化学組成物と適合しないというものである、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
命令を含む非一時的なコンピューター可読媒体であって、前記命令は、携帯型コンピューティングデバイスによって実行されたときに、前記携帯型コンピューティングデバイスに、
携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して、少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプのポンプ識別子を含む選択を受信することと、
前記携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスを使用して、化学物質貯留槽に保管されている化学組成物に対応する埋め込まれた情報を含む電子的に読み取り可能な媒体を電子的に読み取り、前記埋め込まれた情報に基づいて、前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物に対応する化学物質識別子を取得することと、
前記化学物質識別子及び前記ポンプ識別子を使用して、化学的適合性データを含むデータベースにクエリを行うことと、
前記データベースから前記クエリへの応答を受信することであって、前記応答が、前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物と前記化学物質ポンプの前記少なくとも1つの部品との間の化学的適合性を含む、受信することと、
前記携帯型コンピューティングデバイスの出力デバイスを介して、前記化学物質貯留槽に保管されている前記化学組成物と前記化学物質ポンプとの間の前記化学的適合性に対応する出力表示を出力することと、を行わせる、非一時的なコンピューター可読媒体。
【請求項18】
前記電子的に読み取り可能な媒体が、走査可能な画像であり、
前記携帯型コンピューティングデバイスの前記第2の入力デバイスが、光入力デバイスである、請求項17に記載の非一時的なコンピューター可読媒体。
【請求項19】
携帯型コンピューティングデバイスから、少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプを識別するポンプ識別子を受信することであって、前記ポンプ識別子が、前記携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して受信された選択に対応する、受信することと、
前記携帯型コンピューティングデバイスから、化学組成物を保管している化学物質貯留槽を識別する化学物質識別子を受信することであって、前記化学物質識別子が、前記携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスを介して受信された入力に対応する、受信することと、
前記ポンプ識別子及び前記化学物質識別子を使用して、前記化学物質ポンプの少なくとも1つの部品と前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物との間の適合性を含む化学的適合性データを含むデータベースにクエリを行うことと、
前記データベースから前記クエリへの応答を受信することであって、前記応答が、前記化学物質ポンプの前記少なくとも1つの部品と前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物との間の前記適合性を含む、受信することと、
前記適合性を前記携帯型コンピューティングデバイスに送信することと、を含む、方法。
【請求項20】
システムであって、
携帯型コンピューティングデバイスから、少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプを識別するポンプ識別子を受信するための手段であって、前記ポンプ識別子が、前記携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して受信された選択に対応する、手段と、
前記携帯型コンピューティングデバイスから、化学組成物を保管している化学物質貯留槽を識別する化学物質識別子を受信するための手段と、
前記ポンプ識別子及び前記化学物質識別子を使用して、前記化学物質ポンプの前記少なくとも1つの部品と前記化学物質貯留槽内の前記化学組成物との間の適合性を含む化学的適合性データを含むデータベースにクエリを行うための手段と、
前記データベースから前記クエリへの応答を受信するための手段であって、前記応答は、前記化学組成物が前記化学物質ポンプの前記少なくとも1つの部品と適合するかどうかを示す適合性表示を含む、手段と、
前記適合性表示を前記携帯型コンピューティングデバイスに送信する手段と、を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年2月21日出願の米国仮特許出願第62/633,422号の優先権を主張し、該米国仮特許出願の全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、化学物質ポンプおよび化学物質ポンプによってポンピングされる化学組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
化学物質ポンプは、様々な目的で化学組成物をポンピングするために様々な業界で使用されている。場合によっては、施設は、異なるポンプによってポンピングされる複数の化学組成物を使用する場合がある。各化学物質ポンプは、施設内で使用される異なる化学組成物と適合し得るか、またはし得ない様々な内部部品を有する場合がある。間違った化学組成物がポンプに供給されると、化学物質は、ポンプの化学的に適合しない部品を劣化させるかまたは破壊する可能性がある。これにより、ポンプの耐用年数が短くなり、ポンプが作動不能になり、および/またはポンピングされる化学物質を汚染する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
一般に、本開示は、化学組成物と1つ以上の化学物質ポンプの部品との間の化学的適合性を確認するためのシステムおよび技術を対象とする。バーコードなどの電子的に読み取り可能な媒体は、化学組成物を含有する貯留槽に取り付けられてもよい。携帯型コンピューティングデバイス上で実行されるソフトウェアアプリケーションは、化学物質ポンプの選択を受信することができる。ソフトウェアアプリケーションは、貯留槽の電子的に読み取り可能な媒体を電子的に読み取って、化学組成物に関する埋め込まれた情報を得ることができる。ソフトウェアアプリケーションは、選択された化学物質ポンプおよび化学組成物に関する埋め込まれた情報を使用して、化学物質ポンプと化学組成物との化学的適合性に関する情報を要求することができる。化学的適合性情報に基づいて、ソフトウェアアプリケーションは、化学組成物を化学物質ポンプで使用できるかどうかをユーザーに通知することが可能である。
【0005】
実際には、例えば、操作者は、在庫にある複数の異なる種類の化学物質の1つを、動作現場で使用される複数の異なるポンプの1つに供給することを任される場合がある。操作者が、化学物質を、そのような化学物質と化学的に適合しない1つ以上の部品を有するポンプに不注意に供給しないように補助するために、化学的適合性ソフトウェアシステムが本開示に従って実施され得る。操作者は、スマートフォンまたはタブレットコンピューターなどの携帯型ユーザーデバイスを操作して、操作者が化学物質の新しい貯留槽で供給しようとしているポンプを選択することができる。操作者はさらに、携帯型電子デバイスに関連付けられた非接触式読み取り機を使用して、選択されたポンプに供給されることが意図される化学物質貯留槽に関連付けられた電子的に読み取り可能な情報を読み取ることができる。携帯型電子デバイス、リモートサーバー、および/または他のコンピューティングデバイスに関連付けられた1つ以上のプロセッサ上で実行されるソフトウェアは、選択されたポンプの1つ以上の部品の化学的適合性を、選択されたポンプに供給されることが意図された化学物質貯留槽内の化学物質と比較することが可能である。化学物質が選択されたポンプと適合すると判定された場合、ユーザーは、携帯型ユーザーデバイスを介して適合性について通知され得る。追加的または代替的に、そうでなければ操作者が選択されたポンプに化学物質を供給することを防止するであろう電気的および/または機械的ロックアウト機能が解除され得る。対照的に、化学物質が選択されたポンプの1つ以上の部品と適合しないと判定された場合、ユーザーは、携帯型ユーザーデバイスを介して非適合性について通知され得る。追加的または代替的に、電気的および/または機械的ロックアウト機能は、操作者が選択されたポンプに化学物質を供給することを防止するように、係合されるか、または解除されないようにすることができる。
【0006】
第1の実施形態では、化学物質ポンプの動作中にポンピングされている化学組成物に曝される少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプと、化学組成物を含有する化学物質貯留槽であって、化学組成物に対応する埋め込まれた情報を含む電子的に読み取り可能な媒体を含む化学物質貯留槽と、化学組成物と少なくとも1つの部品との間の適合性を含む化学的適合性データを含むデータベースとを含むシステムが記載される。この実施形態はさらに、携帯型コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションを含み、それは、携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して、化学物質ポンプのポンプ識別子を含む選択を受信し、携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスを使用して、電子的に読み取り可能な媒体を電子的に読み取って、埋め込まれた情報に基づいて、化学物質貯留槽内の化学組成物に対応する化学物質識別子を取得し、化学物質識別子およびポンプ識別子を使用してデータベースにクエリを行い、データベースからクエリへの応答を受信し、応答が、化学物質貯留槽の化学組成物と化学物質ポンプの少なくとも1つの部品との間の化学的適合性を含み、携帯型コンピューティングデバイスの出力デバイスを介して、化学物質貯留槽の化学組成物と化学物質ポンプとの間の化学的適合性に対応する出力表示を出力するように動作可能である。
【0007】
第2の実施形態では、第1の実施形態の主題が構成され、ここで、データベースが化学物質ポンプおよび携帯型コンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つに含まれる。
【0008】
第3の実施形態では、第2の実施形態の主題が構成され、ここで、化学物質ポンプが、第1の無線通信デバイスを備え、携帯型コンピューティングデバイスが、第2の無線通信デバイスを備え、化学物質ポンプおよび携帯型コンピューティングデバイスが、第1および第2の無線通信デバイスの両方と互換性がある無線通信プロトコルを介して、それぞれ第1および第2の無線通信デバイスを介して通信する。
【0009】
第4の実施形態では、第1~第3の実施形態の主題が構成され、ここで、出力表示が、化学物質ポンプと化学組成物が適合するという表示、化学物質ポンプの少なくとも1つの部品と化学組成物が適合しないという表示、化学物質ポンプ内で化学組成物を使用すると、化学物質ポンプの耐用年数が短くなる可能性があるという表示のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
第5の実施形態では、第1~第4の実施形態の主題が構成され、ここで、データベースが、化学物質ポンプおよび携帯型コンピューティングデバイスの両方から離れて配置された少なくとも1つのサーバーに格納されている。
【0011】
第6の実施形態では、第1~第5の実施形態の主題が構成され、ここで、少なくとも1つの部品が、シール、ガスケット、Oリング、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0012】
第7の実施形態では、第1~第6の実施形態の主題が構成され、ここで、電子的に読み取り可能な媒体が、走査可能な画像であり、携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスが、光入力デバイスである。
【0013】
第8の実施形態では、第7の実施形態の主題が構成され、ここで、走査可能な画像が、2次元バーコードおよび3次元バーコードのうちの少なくとも1つである。
【0014】
第9の実施形態では、第1~第8の実施形態の主題が構成され、ここで、電子的に読み取り可能な媒体が、無線周波数識別(RFID)タグであり、携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスが、RFID読み取り機である。
【0015】
第10の実施形態では、第1~第9の実施形態の主題が構成され、ここで、埋め込まれた情報が、化学物質貯留槽の化学組成物の量、および化学物質貯留槽内の化学組成物の濃度のうちの少なくとも1つに対応する。
【0016】
第11の実施形態では、第1~第10の実施形態の主題が構成され、ここで、携帯型コンピューティングデバイスが、スマートフォンであり、第1の入力デバイスおよび出力デバイスの両方が、スマートフォンのタッチスクリーンである。
【0017】
第12の実施形態では、第1~第11の実施形態の主題が構成され、ここで、アプリケーションが、化学物質ポンプから動作情報を受信し、携帯型コンピューティングデバイスの出力デバイスに稼働情報を表示するようにさらに動作可能である。
【0018】
第13の実施形態では、第1~第12の実施形態の主題が構成され、ここで、化学物質貯留槽が、複数の貯留槽を含み、複数の貯留槽のそれぞれの貯留槽が、それぞれの化学組成物およびそれぞれの電子的に読み取り可能な媒体を含む。
【0019】
第14の実施形態では、第1~第13の実施形態が構成され、ここで、少なくとも1つの部品が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から製造され、化学組成物が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属次亜塩素酸塩、過酸化物、鉱酸、有機酸、界面活性剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0020】
第15の実施形態では、第4~第14の実施形態の主題が構成され、ここで、アプリケーションが、化学物質ポンプと通信して、化学物質ポンプに、化学組成物の追加量が化学物質ポンプに導入されるのを防止させるように動作可能である。
【0021】
第16の実施形態では、第1~第15の実施形態の主題が構成され、ここで、少なくとも1つの部品が、複数の部品を含み、複数の部品のそれぞれの部品が、それぞれの材料から製造され、クエリが、それぞれの材料の化学組成物に対する化学的適合性を判定し、複数の部品のいずれかの部品が化学組成物と適合しないと判定された場合、出力指示は、化学物質ポンプが化学組成物と適合しないということである。
【0022】
第17の実施形態では、非一時的なコンピューター可読媒体が記載され、それは、携帯型コンピューティングデバイスによって実行されたときに、携帯型コンピューティングデバイスに、携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して、少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプのポンプ識別子を含む選択を受信させ、携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスを使用して、化学物質貯留槽に保管されている化学組成物に対応する埋め込まれた情報を含む電子的に読み取り可能な媒体を電子的に読み取らせて、埋め込まれた情報に基づいて、化学物質貯留槽内の化学組成物に対応する化学物質識別子を取得させる命令を含む。命令はさらに、携帯型コンピューティングデバイスに、化学物質識別子およびポンプ識別子を使用して、化学的適合性データを含むデータベースにクエリを行わせ、データベースからクエリへの応答を受信させ、応答が、化学物質貯留槽内の化学組成物と化学物質ポンプの少なくとも1つの部品との間の化学的適合性を含み、携帯型コンピューティングデバイスの出力デバイスを介して、化学物質貯留槽に保管されている化学組成物と化学物質ポンプとの間の化学的適合性に対応する出力表示を出力させるように構成される。
【0023】
第18の実施形態では、第17の実施形態の主題が構成され、ここで、携帯型コンピューティングデバイスが、スマートフォンであり、第1の入力デバイスおよび出力デバイスの両方が、スマートフォンのタッチスクリーンである。
【0024】
第19の実施形態では、第17および第18の実施形態の主題が構成され、ここで、電子的に読み取り可能な媒体が、走査可能な画像であり、携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスが、光入力デバイスである。
【0025】
第20の実施形態では、第19の実施形態の主題が構成され、ここで、走査可能な画像が、2次元バーコードおよび3次元バーコードのうちの少なくとも1つである。
【0026】
第21の実施形態では、携帯型コンピューティングデバイスから、少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプを識別するポンプ識別子を受信することを含む方法が記載され、ポンプ識別子は、携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して受信された選択に対応する。この方法はまた、携帯型コンピューティングデバイスから、化学組成物を保管している化学物質貯留槽を識別する化学物質識別子を受信することを含み、化学物質識別子は、携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスを介して受信された入力に対応する。この方法はさらに、ポンプ識別子および化学物質識別子を使用して、化学物質ポンプの少なくとも1つの部品と化学物質貯留槽内の化学組成物との間の適合性を含む化学的適合性データを含むデータベースにクエリを行うことを含む。さらに、この方法は、データベースからクエリへの応答を受信し、応答が、化学物質ポンプの少なくとも1つの部品と化学物質貯留槽内の化学組成物との間の適合性を含むこと、および適合性を携帯型コンピューティングデバイスに送信することを含む。
【0027】
第22の実施形態では、第21の実施形態の主題が構成され、ここで、方法が、化学物質ポンプによって行われる。
【0028】
第23の実施形態では、第21および第22の実施形態の主題が構成され、ここで、方法が、化学物質ポンプおよび携帯型コンピューティングデバイスの両方から離れたサーバーによって行われる。
【0029】
第24の実施形態では、第21~第23の実施形態の主題が構成され、ここで、データベースは、化学物質ポンプおよび携帯型コンピューティングデバイスの両方から離れている。
【0030】
第25の実施形態では、第22~第24の実施形態の主題が構成され、ここで、化学物質ポンプおよび携帯型コンピューティングデバイスが、Bluetooth(登録商標)無線通信プロトコルを介して通信する。
【0031】
第26の実施形態は、処理回路によって実行されたときに、処理回路に第1~第25の実施形態のいずれかを実施するための動作を行わせる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体である。
【0032】
第27の実施形態は、第1~第25の実施形態のいずれかを実施するための手段を含む装置である。
【0033】
第28の実施形態は、第1~第25の実施形態のいずれかを実施するためのシステムである。
【0034】
第29の実施形態は、第1~第25の実施形態のいずれかを実施するための方法である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
以下の図面は、本発明の特定の実施形態の例示であり、したがって本発明の範囲を限定しない。図面は、以下の記載における説明と併せて使用することを目的としている。本発明の実施形態が、添付の図面とともに以下に記載され、そこでは、同様の番号は、同様の要素を示す。
【0036】
図1】例示的な実施形態による、一般的な産業用動作環境を示す。
【0037】
図2】一実施形態による、化学物質ポンプと化学組成物との間の適合性に基づいてポンプ動作を管理するためのシステムを示す。
【0038】
図3】一実施形態による、複数の化学物質ポンプと複数の化学組成物との間の適合性に基づいてポンプ動作を管理するためのシステムを示す。
【0039】
図4】一実施形態による、化学物質ポンプと化学組成物との間の適合性に基づいてポンプ動作を管理するための方法のフローチャートである。
【0040】
図5】任意の1つ以上の例示的な実施形態が実施され得るマシンの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の詳細な説明は、本質的に典型例であり、いずれにしても本発明の範囲、適用性、または構成を限定することを意図しない。むしろ、以下の記載は、本発明の典型的な実施形態を実施するためのいくつかの実例を提供する。構造、材料、および/または寸法の例は、選択された要素に対して提供される。当業者は、言及された例の多くが、様々な好適な代替手段を有することを認識するであろう。
【0042】
複数の化学組成物を分配できる化学物質ポンプは、有用であるが、様々な化学組成物が様々な方法でポンプに影響を与える可能性がある。例えば、ポンプは、ある特定の化学組成物に曝されると劣化し得る様々な内部部品(例えば、シール、ガスケット、Oリングなど)を有する場合がある。さらに、ポンプは、他の部品よりも劣化しやすいいくつかの内部部品を有する場合がある。ポンピングされる化学物質をポンプに供給しようとする一般的な操作者は、ポンプの内部部品を形成する材料、またはポンピングされることを意図される化学物質とのそれらの適合性を認識していないであろう。
【0043】
図1は、例示的な実施形態による、一般的な産業用動作環境100を示す。産業用動作環境100は、1つ以上の化学物質ポンプ110~118および1つ以上の化学物質貯留槽130~138を含み得る。化学物質ポンプ110~118のいくつかは、同じ種類/モデルであってもよく、化学物質貯留槽130~138のいくつかは、同じ種類の化学組成物を保持してもよい。しかしながら、化学物質ポンプ110~118のうちの少なくとも1つは、化学物質ポンプ110~118のうちの少なくとも他の1つとは異なる化学的適合性を有する1つ以上の部品を有し得る。同様に、化学物質貯留槽130~138のうちの少なくとも1つは、化学物質貯留槽130~138うちの少なくとも他の1つとは異なる化学組成物を保持してもよい。
【0044】
各化学物質ポンプは、ポンピングされる化学物質と接触する1つ以上の部品(シール、ガスケット、Oリング、ポンプハウジングなど)を有し得る。接触した各部品の外面が、例えば、ポンピングプロセス中、および/または残りの化学物質がまだポンプ内にあるポンピングの停止後に、ポンピングされている化学物質で濡れている可能性があるという点において、部品は、ポンピングされている化学物質と接触する可能性がある。そのような部品は、必ずしもそうである必要はないが、ポンプハウジングの内部にある場合がある。どちらの場合でも、ポンピングされる化学物質が、接触した部品と適合しない場合、接触した部品は、部品の予想耐用年数よりも速い速度で分解し得る。これにより、ポンプが通常より早く動作不能になる可能性がある。このため、部品は、ポンピングされている化学物質と化学的に不適合であると指定され得る。その内部部品(複数可)に基づいて、化学物質ポンプ110~118は、いくつかの化学組成物との使用が承認され得るが、他の化学組成物は、禁止される場合がある。いくつかの化学組成物は、化学物質ポンプ110~118との使用が承認される場合があるが、化学物質ポンプ110~118の耐用年数を他の承認された化学物質よりも短くするであろう。
【0045】
本開示による化学物質ポンプ(例えば、ポンプ110~118)の部品は、任意の好適な材料から製造することが可能であるが、例示的な材料には、金属(例えば、ステンレス鋼、チタン)およびポリマー材料が含まれる。ポンピングされている化学物質と接触したポンプの1つ以上の部品を形成するために使用され得る高分子材料の例には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、およびこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
同様に、本開示による化学物質貯留槽(例えば、貯留槽130~138)は、任意の所望の種類の化学物質を保持することが可能であるが、1つ以上の貯留槽に保持され得る化学物質の例には、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属次亜塩素酸塩、過酸化物、鉱酸、有機酸、界面活性剤、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これに限定されない。特定の貯留槽に保持される化学物質は、ポンプ内の1つ以上の部品を製造するために使用される材料と適合しない場合がある。例えば、ある特定の状況では、アルカリ金属水酸化物は、ポリ塩化ビニルまたはポリフッ化ビニリデン製の部品と適合しない場合がある。別の例として、過酸化物は、ある特定の状況では、ポリプロピレン製の部品と適合しない場合がある。さらなる例として、硝酸(HNO)は、ある特定の状況では、ポリエーテルエーテルケトン製の部品と適合しない場合がある。さらなる例として、次亜塩素酸ナトリウムは、ある特定の状況では、ポリプロピレンまたはポリフッ化ビニリデン製の構成部品と適合しない場合がある。
【0047】
単一の化学物質ポンプ110~118の化学的適合性を追跡することは実行可能であり得るが、多くの産業/商業/製造環境では、それらの動作において多くの化学物質ポンプ110~118および多くの異なる種類の化学組成物が使用される。化学組成物と化学物質ポンプ110~118の内部部品(したがって、化学物質ポンプ110~118自体)との間の化学的適合性を追跡することは困難な作業であり、化学物質ポンプの内部構成要、およびそれが曝された様々な化学組成物に基づいて、化学物質ポンプ110~118の予想耐用年数値を追跡することはよりさらに困難である。
【0048】
図2は、化学物質ポンプと化学組成物との間の適合性に基づいてポンプ動作を管理するための例示的なシステム200を示す。システム200は、化学物質ポンプ210および化学物質貯留槽230を含み、化学物質貯留槽230は、ある量の化学組成物を含有し得る。システム200は、携帯型コンピューティングデバイス250、および化学的適合性データを提供するデータサーバー260を含み得る。
【0049】
携帯型コンピューティングデバイス250は、化学物質ポンプと化学組成物との間の適合性を追跡するためのソフトウェアアプリケーション(「アプリ」)を実行することができる。アプリを使用して、ユーザーは、(1)特定の化学物質ポンプ210を選択し、(2)特定の化学組成物を含有する化学物質貯留槽230を選択し、(3)データサーバー260に適合性情報を要求し、(4)データサーバー260から適合性情報を受信することができる。データサーバー260から受信した適合性情報に基づいて、アプリは、ユーザーに、化学組成物が化学物質ポンプ210での使用が承認されていること、化学組成物が化学物質ポンプ210の耐用年数を短くする可能性があること、化学組成物が化学物質ポンプ210での使用が承認されていないこと、化学組成物が化学物質ポンプ210での使用が禁止されていることなどの1つ以上を通知することができる。
【0050】
図2に示される携帯型コンピューティングデバイス250は、スマートフォンであるが、携帯型コンピューティングデバイス250は、タブレット、バーコード読み取り機、無線周波数識別(RFID)読み取り機、カメラ、またはこれらの機能のうちの1以上を含む任意の携帯型コンピューティングデバイスであってもよい。さらに、特定の化学物質ポンプ210を選択すること、および特定の化学組成物を含有する化学物質貯留槽230を選択することは、それぞれ(1)および(2)とラベル付けされているが、これらのステップは、どちらの順序で行われてもよい。
【0051】
化学的適合性を確認するには、特定の化学物質ポンプ210および化学組成物(または化学組成物を含有する特定の化学物質貯留槽230)をアプリ内で選択する必要がある場合がある。特定の化学物質ポンプ210は、様々な方法でアプリ内で選択され得る。例えば、ユーザーは、アプリのユーザーインターフェース(UI)を使用して、アプリのUI内に提示された一連の化学物質ポンプから特定の化学物質ポンプ210を選択することができる。別の例として、ユーザーは、アプリのUIを使用して、特定の化学物質ポンプ210の識別情報(例えば、一意の識別番号、ブランドまたはモデル番号、場所など)をアプリに入力することができる。一実施形態では、アプリのUIは、携帯型コンピューティングデバイス250のタッチスクリーン上に提示される。
【0052】
いくつかの例では、特定の化学物質ポンプ210は、バーコード(例えば、2次元バーコード、3次元バーコード、QRコード(登録商標)など)、RFIDタグ(例えば、パッシブRFIDタグ、アクティブRFIDタグなど)、または特定の化学物質ポンプ210を一意に識別する画像/テキストなどの電子的に読み取り可能な媒体212を含み得る。そのような実施形態では、特定の化学物質ポンプ210は、携帯型コンピューティングデバイス250の対応する入力デバイスを使用して電子的に読み取り可能な媒体212を電子的に読み取ることによって、アプリ内で選択され得る。例えば、電子的に読み取り可能な媒体212がバーコードである場合、入力デバイスは、カメラまたはバーコード読み取り機などの光入力デバイスであってもよく、電子的に読み取り可能な媒体212がRFIDタグである場合、入力デバイスは、RFID読み取り機などであってもよい。
【0053】
化学組成物(または化学組成物を含有する特定の化学物質貯留槽230)は、様々な方法でアプリ内で選択されてもよい。例えば、ユーザーは、アプリのユーザーインターフェース(UI)を使用して、アプリのUI内に提示された一連の化学組成物(または化学組成物を含有する一連の特定の化学物質貯留槽230)から化学組成物(または化学組成物を含有する特定の化学物質貯留槽)を選択することができる。別の例として、ユーザーは、アプリのUIを使用して、化学組成物(または化学組成物を含有する特定の化学物質貯留槽230)の識別情報(例えば、一意の識別番号、ブランド/モデル番号の組み合わせなど)を入力することができる。
【0054】
いくつかの例では、特定の化学物質貯留槽230は、バーコード(例えば、2次元バーコード、3次元バーコード、QRコード(登録商標)など)、RFIDタグ(例えば、パッシブRFIDタグ、アクティブRFIDタグなど)、または特定の化学物質貯留槽232を一意に識別する画像/テキストなどの電子的に読み取り可能な媒体232を含み得る。そのような実施形態では、特定の化学物質貯留槽230は、その対応する電子的に読み取り可能な媒体232を電子的に読み取ることにより、アプリ内で選択され得る。一実施形態では、電子的に読み取り可能な媒体232は、埋め込まれた情報を含み、アプリは、この埋め込まれた情報を使用して、選択された化学組成物(または化学組成物を含有する特定の化学物質貯留槽230)に関する追加情報を検索する(例えば、データサーバーから)必要がある場合がある。例えば、特定の化学物質貯留槽230が選択された場合、アプリは、特定の化学物質貯留槽230に含有される化学組成物を判定する必要がある場合がある。一実施形態では、埋め込まれた情報は、特定の化学物質貯留槽内の化学物質の種類、特定の化学物質貯留槽230内の化学物質の量、および/または特定の化学物質貯留槽230内の化学物質の濃度のうちの少なくとも1つに対応することができる。
【0055】
特定の化学物質ポンプ210および化学組成物(または化学組成物を含有する特定の化学物質貯留槽230)の両方の選択を受信した後、アプリは、特定の化学物質ポンプ210の化学組成物との適合性に関する情報を検索することができる。一実施形態では、検索は、特定の化学物質ポンプ210および化学組成物(または化学組成物を含有する特定の化学物質貯留槽230)を識別する情報を使用して、アプリにデータサーバー260から情報(例えば、データベース、フラットファイル、データストアへのWebサービスフロントエンドなど)を要求させることができる。一実施形態では、データサーバー260は、携帯型コンピューティングデバイス250、特定の化学物質ポンプ210、ならびに携帯型コンピューティングデバイス250および特定の化学物質ポンプ210の両方の外部にあるコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つに配置される。一実施形態では、データサーバー260が携帯型コンピューティングデバイス250に配置されていない場合、アプリは、携帯型コンピューティングデバイス250の無線通信デバイスを使用して、データサーバー260と通信することができる。
【0056】
特定の化学物質ポンプ210および化学組成物(または化学組成物を含有する特定の化学物質貯留槽230)を識別する情報を受信した後、データサーバー260は、識別情報に基づいて適合性データを検索することができる。検索は、データサーバー260へアクセス可能なデータベースからのデータを要求するデータサーバー260を伴う。
【0057】
一実施形態では、データサーバー260は、特定の化学物質ポンプ210の部品に関する情報を検索することができる。例えば、特定の化学物質ポンプ210の各部品について、データサーバー260は、部品の種類、部品内の材料(複数可)、部品と適合しない化学組成物のリスト、部品が曝された化学組成物のリストおよび/または露出の期間、予想耐用年数、予想耐用年数の残り、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つ以上を検索することができる。
【0058】
追加的または代替的に、データサーバー260は、化学組成物に関する情報を検索することができる。例えば、データサーバー260は、化学組成物と適合する材料の種類のリスト、化学組成物と適合しない材料の種類のリスト、化学組成物と適合する化学物質ポンプの種類のリスト、化学組成物と適合しない化学物質ポンプの種類のリスト、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上を検索することができる。
【0059】
データサーバー260は、特定の化学物質ポンプ210(および/またはその部品)に関する検索された情報および化学組成物に関する検索された情報を使用して、特定の化学物質ポンプ210の1つ以上の部品(および任意で全て)と化学組成物との間の適合性を判定することができる。例えば、データサーバー260は、特定の化学物質ポンプ210の部品に関する情報を化学組成物に関する情報と相互参照することができる。一実施形態では、特定の化学物質ポンプ210の少なくとも1つの部品が化学組成物と適合しない場合、データサーバー260は、特定の化学物質ポンプ210が全体として化学組成物と適合しないと判定することができる。一実施形態では、データサーバー260は、特定の化学物質ポンプ210(およびその部品)に関する検索された情報および化学組成物に関する検索された情報をアプリに戻し、アプリは、適合性判定を行う。
【0060】
一実施形態では、適合性のある化学組成物を特定の化学物質ポンプ210で使用することが、特定の化学物質ポンプ210の部品の予想耐用年数の残りをその予想耐用年数を超えて短くする場合、データサーバー260(またはアプリ)は、(1)特定の化学物質ポンプ210が全体として化学組成物と適合しないか、または(2)化学組成物は適合するが、化学組成物がその特定の化学物質ポンプ210で使用された場合、特定の化学物質ポンプ210は、加速した劣化を受けるであろうことを説明する警告がユーザーに発行されるべきであると判定することができる。
【0061】
データサーバー260は、特定の化学物質ポンプ210(およびその部品)に関する検索された情報および化学組成物に関する検索された情報をアプリに戻すことができる。データサーバー260が適合性判定を行った場合、データサーバー260は、適合性判定を行うために使用される検索された情報に加えて(またはその代わりに)、適合性判定をアプリに戻すことができる。データサーバー260が適合性判定を行わなかった場合、アプリは、特定の化学物質ポンプ210(およびその部品)に関する検索された情報および化学組成物に関する検索された情報を使用して適合性判定を行うことができる。
【0062】
適合性判定に基づいて(データサーバー260によって、またはアプリによって行われたかに関係なく)、アプリは、特定の化学物質ポンプ210と化学組成物が適合することの表示、特定の化学物質ポンプ210の少なくとも1つの部品と化学組成物が適合しないことの表示、特定の化学物質ポンプ210と化学組成物が適合性しないことの表示、および特定の化学物質ポンプ210で化学組成物を使用すると、その特定の化学物質ポンプ210の耐用年数が短くなる可能性があるという表示のうちの少なくとも1つを示す出力をユーザーに提示することができる。いくつかの例では、特定の化学物質ポンプ210と化学組成物が適合しない場合、アプリは、その特定の化学物質ポンプ210に通信を送信し得、通信の受信後、その特定の化学物質ポンプ210は、追加の量の化学組成物がその特定の化学物質ポンプ210に導入されることを防止することができる。
【0063】
いくつかの例では、アプリは、特定の化学物質ポンプ210から動作情報を受信することができ、受信した動作情報を携帯型コンピューティングデバイス250の出力デバイス(例えば、画面またはタッチスクリーン)に表示することができる。動作情報は、現在特定の化学物質ポンプ210にある化学組成物、特定の化学物質ポンプ210に残っている化学組成物の量、現在のポンプ速度、特定の化学物質ポンプ210内の化学組成物の量が低いという警告、特定の化学物質ポンプ210が空であるという警告などの1つ以上を含み得る。
【0064】
一実施形態では、アプリは、特定の化学物質ポンプ210に結合されている(例えば、論理的に関連付けられている、または物理的に取り付けられている)コンピューター内で実行することができる。そのような実施形態では、関連するコンピューターがアプリを実行している特定の化学物質ポンプ210に対して適合性判定が行われるとアプリが想定し得るため、特定の化学物質ポンプ210を選択するステップは、任意であってもよい。しかしながら、一実施形態では、特定の化学物質ポンプ210に結合されたコンピューター内で実行されるアプリは、それでもなお、他の化学物質ポンプの適合性判定を行うために使用されてもよい。
【0065】
特定の化学物質ポンプ210に結合されたコンピューター内でアプリが実行される実施形態では、貯留槽の電子的に読み取り可能な媒体232を読み取ることによって特定の化学物質貯留槽230を選択するためのプロセスが制限される場合がある。例えば、アプリを実行するコンピューターが携帯型ではない場合、特定の化学物質貯留槽230のバーコードを画像化または走査するには、ユーザーが、コンピューターの入力デバイス(例えば、カメラまたはバーコードスキャナー)に関連して特定の化学物質貯留槽230を物理的に操作する必要がある場合がある。別の例として、アプリを実行するコンピューターが携帯型でない場合、特定の化学物質貯留槽230のRFIDタグを読み取るには、同様に、特定の化学物質貯留槽230を物理的に移動させて、貯留槽のRFIDタグがコンピューターのRFID読み取り機の読み取り範囲内になるようにする必要がある場合がある。そのような状況では、特定の化学物質貯留槽230が、前述の他の仕組み(例えば、特定の化学物質貯留槽230の一意のコードを入力する、リストから特定の化学物質貯留槽230を選択するなど)によってアプリ内で選択されてもよい。
【0066】
特定の化学物質ポンプ210に結合されたコンピューター内でアプリが実行され、アプリを使用して他の化学物質ポンプを選択することができる実施形態では、他のポンプの電子的に読み取り可能な媒体を読み取ることによって別の特定の化学物質ポンプを選択するためのプロセスは、多くの化学物質ポンプが固定されているため、これまで以上に制限され得る。例えば、アプリを実行するコンピューターが携帯型でない場合、別の特定の化学物質ポンプのバーコードを画像化または走査するには、ユーザーが、コンピューターの入力デバイス(例えば、カメラまたはバーコードスキャナー)に関連して一方または両方の化学物質貯留槽を物理的に操作する(例えば、移動させる)必要がある場合があり、これは、実用的でない場合がある。別の例として、アプリを実行するコンピューターが携帯型でない場合、別の化学物質ポンプのRFIDタグを読み取るには、同様に、一方または両方の化学物質貯留槽を物理的に移動させて、他の化学物質タンクのRFIDタグがコンピューターのRFID読み取り機の読み取り範囲内になるようにする必要がある場合があり、これもまた実用的でない場合がある。そのような状況では、別の化学物質ポンプが、前述の他の仕組み(例えば、他の化学物質ポンプの一意のコードを入力する、リストから他の化学物質ポンプを選択するなど)によってアプリ内で選択されてもよい。
【0067】
一実施形態では、アプリは、特定の化学物質ポンプ210用の化学物質貯留槽を追加、削除、または変更するプロセスを通じてユーザーを誘導することができる。例えば、アプリは、ユーザーのための視覚的(例えば、テキスト、画像、および/または動画)命令を表示することができ、アプリは、ユーザーのために音声指示再生させることができ、またはそれらの組み合わせがあり得る。
【0068】
一実施形態では、アプリは、ユーザーが特定の化学物質ポンプ210の動作パラメータを遠隔で変更できるようにすることができる。例えば、アプリは、ユーザーが分配される化学組成物の濃度、分配率などの1つ以上を変更できるようすることができる。
【0069】
図3は、一実施形態による、複数の化学物質ポンプと複数の化学組成物との間の適合性に基づいてポンプ動作を管理するためのシステム300を示す。一実施形態では、システム300は、複数の化学物質ポンプおよび/または複数の化学組成物の適合性判定プロセスを同時に行うことができる。例えば、例示的な施設302は、少なくとも3つの異なる化学物質ポンプおよび少なくとも2つの異なる化学組成物を有し得る。適合性判定プロセスを別々に6回(3つの化学物質ポンプおよび2つの化学組成物の可能な組み合わせごとに1回)行うのではなく、システムは、適合性判定プロセスが6つ全ての組み合わせに対して同時に行われることを可能にすることができる。これを行うには、ユーザーは、アプリを使用して、3つの特定の化学物質ポンプおよび2つの特定の化学物質貯留槽を選択し、データサーバーから適合性情報を要求し、データサーバーから適合性情報を受信することができる。データサーバーおよび/またはアプリは、特定の化学物質ポンプ(およびそれらの部品)に関する検索された情報および化学組成物に関する検索された情報に基づいて、適合性判断を行うことができる。
【0070】
図3に示されるように、システム300は、N個の特定の化学物質ポンプ310~314およびM個の特定の化学物質貯留槽330~334を含んでもよく、ここで、N<M、N>M、またはN=Mである。適合性判定プロセスは、特定の化学物質ポンプ310~314のうちの1つ、いくつか、または全て、および特定の化学物質貯留槽330~334のうちの1つ、いくつか、または全てに対して実行され得る。特定の化学物質ポンプ310~314を選択すること、および特定の化学物質貯留槽330~334を選択することは、それぞれ1a~1nおよび2a~2mとラベル付けされるが、これらのステップは、任意の順序で実行されてもよいが、しかしながら、選択され、それらの情報がデータサーバー360に送信される(3)それらの特定の化学物質ポンプ310~314および特定の化学物質貯留槽330~334のみが、適合性判定に含まれるであろう。データサーバー360は、施設302内に常駐するものとして示されているが、データサーバー360は、特定の化学物質ポンプ310~314、携帯型コンピューティングデバイス350、施設302、および施設302の外部にある1つ以上の場所のうちの1つ以上の中に(完全にまたは部分的に)常駐してもよい。
【0071】
複数の特定の化学物質ポンプ310~314および/または(複数の特定の化学物質貯留槽330~334内の)複数の化学組成物が適合性判定に含まれる場合、適合性判定は、最適化情報を含み得る。例えば、適合性判定は、化学物質ポンプ#1 310、化学組成物#1(化学物質貯留槽#1 330に保管されている)、および化学組成物#2(化学物質貯留槽#1 332に保管されている)に対して行われ得る。化学物質ポンプ#1 310は、化学組成物#1および化学組成物#2の両方と適合するが、化学組成物#1は、化学組成物#2よりも化学物質ポンプ#1 310に対する腐食性が高い可能性があるため、適合性判定は、化学組成物#2を化学物質ポンプ#1 310に追加するようにユーザーに指示する最適化情報を含み得る。化学的適合性以外の他の変数が、最適化判定に影響を与える場合がある(例えば、化学組成物の費用、在庫の化学組成物の量、化学組成物の有効期限/保管可能期間、化学組成物が別の化学組成物で置き換え可能かどうか、など)。
【0072】
図4は、一実施形態による、化学物質ポンプと化学組成物との間の適合性に基づいてポンプ動作を管理するための方法のフローチャートである。少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプを識別するポンプ識別子が受信される(動作404)。
【0073】
化学組成物を保管している化学物質貯留槽を識別する化学物質識別子が受信される(動作408)。
【0074】
化学物質ポンプの少なくとも1つの部品と化学物質貯留槽内の化学組成物との間の適合性を含む化学的適合性データを含むデータベースに、ポンプ識別子および化学物質識別子を使用してクエリが行われる(動作412)。
【0075】
クエリへの応答がデータベースから受信され(動作416)、応答には、化学物質ポンプの少なくとも1つの部品と化学物質貯留槽内の化学組成物との間の適合性が含まれる。
【0076】
表示が出力され(動作420)、表示は、化学物質貯留槽に保管されている化学組成物と化学物質ポンプとの間の化学的適合性に対応する。
【0077】
任意で、化学組成物と化学物質ポンプが適合しない場合、追加の量の化学組成物が化学物質ポンプに導入されることが防止される(動作424)。
【0078】
図5は、任意の1つ以上の例示的な実施形態を実施することができるマシン500の例を示すブロック図である。代替の実施形態では、マシン500は、スタンドアロンデバイスとして動作してもよく、または他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)されてもよい。ネットワーク化された配置では、マシン500は、クライアント-サーバーネットワーク環境において、サーバーマシン、クライアントマシン、またはその両方の能力で動作することができる。一例では、マシン500は、ピアツーピア(P2P)(または他の分散型)ネットワーク環境においてピアマシンとして機能することができる。マシン500は、図1~4に示されるシステム、デバイス、または方法の任意の部分を実施または含んでもよく、コンピューター、サーバー、またはそのマシンによって取られる行為を特定する命令(順次的であってもなくても)を実行できる任意のマシンであってもよい。さらに、単一のマシンのみが示されているが、「マシン」という用語は、クラウドベースのコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、その他のコンピュータークラスター構成など、本明細書で論じられる方法論のうちのいずれか1つ以上を行う一連の(または複数回の一連の)命令を個別または共同で実行するマシンの任意の群を含むとも解釈されるべきである。
【0079】
本明細書に記載される例は、ロジックまたはいくつかの部品、モジュール、もしくはメカニズムを含み得るか、またはそれらによって動作し得る。モジュールは、指定された動作を行うことが可能な有体物(例えば、ハードウェア)であり、ある特定の様式で構成または配置され得る。一例では、回路が、モジュールとして特定された様式で(例えば、内部的に、または他の回路などの外部実体に関して)配置され得る。一例では、1つ以上のコンピューターシステム(例えば、スタンドアロン、クライアントまたはサーバーコンピューターシステム)または1つ以上のハードウェアプロセッサの全体または一部が、指定された動作を行うために動作するモジュールとしてファームウェアまたはソフトウェア(例えば、命令、アプリケーション部分、またはアプリケーション)によって構成され得る。一例では、ソフトウェアは、機械可読媒体に常駐することができる。一例では、ソフトウェアは、モジュールの基盤となるハードウェアによって実行されると、ハードウェアに指定された動作を行わせる。
【0080】
したがって、「モジュール」という用語は、たとえ実在物が、特定された様式で動作する、または本明細書に記載される任意の動作の一部または全部を行うように物理的に構築された、具体的に構成された(例えば、ハードワイヤード)、または一時的に(例えば、一時的に)構成された(例えば、プログラムされた)としても、有対物を包含すると理解される。モジュールが一時的に構成されている例を考えると、モジュールの各々を一度にインスタンス化する必要はない。例えば、モジュールがソフトウェアを使用して構成された汎用ハードウェアプロセッサを含む場合、汎用ハードウェアプロセッサは、それぞれの異なるモジュールとして異なる時間に構成され得る。したがって、ソフトウェアは、例えば、ある瞬間に特定のモジュールを構成し、別の瞬間に異なるモジュールを構成するようにハードウェアプロセッサを構成することができる。
【0081】
マシン(例えば、コンピューターシステム)500は、ハードウェアプロセッサ502(例えば、中央処理ユニットデバイス(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ハードウェアプロセッサコア、またはそれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ504、およびスタティックメモリ506を含んでもよく、それらの一部または全ては、インターリンク(例えば、バス)508を介して互いに通信することができる。マシン500は、表示ユニット510、英数字入力デバイス512(例えば、キーボード)、およびユーザーインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス514(例えば、マウス)をさらに含み得る。一例では、表示ユニット510、入力デバイス512、およびUIナビゲーションデバイス514は、タッチスクリーンディスプレイであってもよい。マシン500はさらに、記憶デバイス(例えば、駆動ユニット)516、信号生成デバイス518(例えば、スピーカー)、ネットワークインターフェースデバイス520、および全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または他のセンサなどの1つ以上のセンサ521を含み得る。マシン500は、シリアル(例えば、USB、パラレル、または他の有線または無線(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)など)接続などの出力コントローラ528を含み、通信または1つ以上の周辺デバイス(プリンタ、カード読み取り機など)を制御することができる。
【0082】
記憶デバイス516は、本明細書に記載される技法または機能のうちのいずれか1つ以上を具体化する、またはそれによって利用される一連またはそれ以上のデータ構造または命令524(例えば、ソフトウェア)が格納されている機械可読媒体522を含み得る。命令524はまた、マシン500によるその実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ504内、スタティックメモリ506内、またはハードウェアプロセッサ502内に常駐することができる。一例では、ハードウェアプロセッサ502、メインメモリ504、スタティックメモリ506、またはストレージデバイス516のうちの1つまたは任意の組み合わせは、機械可読媒体を構成することができる。
【0083】
機械可読媒体522は、単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つ以上の命令524を格納するように構成された単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバー)を含み得る。
【0084】
「機械可読媒体」という用語は、マシン500による実行のための命令を格納、エンコード、または搬送することができる、マシン500に本開示の技法のうちの任意の1つ以上を行わせる、またはそのような命令によって使用されるか、もしくはそれに関連するデータ構造を格納、エンコード、または搬送することができる任意の媒体を含み得る。非限定的な機械可読媒体の例には、ソリッドステートメモリ、ならびに光学および磁気媒体が含まれ得る。したがって、機械可読媒体は、一時的な伝播信号ではない。機械可読媒体の具体例としては、半導体メモリデバイス(例えば、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM))、およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを挙げることができる。
【0085】
命令524はさらに、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のいずれか1つを利用するネットワークインターフェースデバイス520を介して伝送媒体を使用して、通信ネットワーク526を介して送信または受信され得る。例示的な通信ネットワークには、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、普通電話(POTS)ネットワーク、および無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)として知られている米国電気電子学会(IEEE)802.11標準群、WiMAX(登録商標)として知られているIEEE802.16標準群)、IEEE802.15.4標準群、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)低エネルギー技術、ZigBee(登録商標)、ピアツーピア(P2P)ネットワークが含まれ得る。一例では、ネットワークインターフェースデバイス520は、通信ネットワーク526に接続するために、1つ以上の物理ジャック(例えば、イーサネット(登録商標)、同軸、または電話ジャック)または1つ以上のアンテナを含み得る。一例では、ネットワークインターフェースデバイス520は、単一入力複数出力(SIMO)、複数入力複数出力(MIMO)、または複数入力単一出力(MISO)技法の少なくとも1つを使用して無線通信する複数のアンテナを含み得る。「伝送媒体」という用語は、マシン500による実行のための命令を格納、エンコード、または搬送することができ、そのようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタルもしくはアナログ通信信号または他の無形媒体を含む任意の無形媒体を含むと解釈されるべきである。
【0086】
本明細書では、コンピューターシステムおよびコンピューターネットワーキングの分野における従来の用語が使用されてきた。用語は、当技術分野で知られており、便宜上、非限定的な例としてのみ提供される。したがって、特許請求の範囲の対応する用語の解釈は、特に明記しない限り、任意の特定の定義に限定されない。
【0087】
本明細書では特定の実施形態が示され、記載されてきたが、同じ目的を達成するために計算される任意の配置が、示される特定の実施形態の代わりになり得ることが当業者には理解されよう。当業者には多くの適応が明らかであろう。したがって、本出願は、あらゆる適応または変形を網羅することを意図している。
【0088】
上記の説明は、例示的であることを意図とし、限定的ではない。例えば、上記の例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。上記の説明を検討すると、当業者によってなど、他の実施形態が使用されてもよい。
【0089】
様々な非限定的な実施形態が記載されてきた。本明細書に記載される例の範囲から逸脱することなく、好適な代替が可能であることは理解されよう。これらおよび他の例は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。以下、本開示の実施形態の例を列記する。
[1]
化学物質ポンプの動作中にポンピングされている化学組成物に曝される少なくとも1つの部品を含む、化学物質ポンプと、
上記化学組成物を含む化学物質貯留槽であって、上記化学組成物に対応する埋め込まれた情報を含む電子的に読み取り可能な媒体を含む、化学物質貯留槽と、
上記化学組成物と上記少なくとも1つの部品との間の適合性を含む化学的適合性データを含むデータベースと、を含むシステムであって、
携帯型コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションが、
上記携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して、上記化学物質ポンプのポンプ識別子を含む選択を受信することと、
上記携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスを使用して、上記電子的に読み取り可能な媒体を電子的に読み取って、上記埋め込まれた情報に基づいて、上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物に対応する化学物質識別子を取得することと、
上記化学物質識別子及び上記ポンプ識別子を使用して上記データベースにクエリを行うことと、
上記データベースから上記クエリへの応答を受信することであって、上記応答が、上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物と上記化学物質ポンプの上記少なくとも1つの部品との間の化学的適合性を含む、受信することと、
上記携帯型コンピューティングデバイスの出力デバイスを介して、上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物と上記化学物質ポンプとの間の上記化学的適合性に対応する出力表示を出力することと、を行うように動作可能である、システム。
[2]
上記データベースが、上記化学物質ポンプ及び上記携帯型コンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つに含まれる、項目1に記載のシステム。
[3]
上記化学物質ポンプが、第1の無線通信デバイスを備え、
上記携帯型コンピューティングデバイスが、第2の無線通信デバイスを備え、
上記化学物質ポンプ及び上記携帯型コンピューティングデバイスが、上記第1及び第2の無線通信デバイスの両方と互換性がある無線通信プロトコルを介して、上記第1及び第2の無線通信デバイスをそれぞれ介して通信する、項目1または2に記載のシステム。
[4]
上記出力表示が、
上記化学物質ポンプと上記化学組成物が適合するという表示、
上記化学物質ポンプの少なくとも1つの部品と上記化学組成物が適合しないという表示、
上記化学物質ポンプ内で上記化学組成物を使用すると、上記化学物質ポンプの耐用年数が短くなる可能性があるという表示、のうちの少なくとも1つを含む、項目1~3のいずれか一項に記載のシステム。
[5]
上記データベースが、上記化学物質ポンプ及び上記携帯型コンピューティングデバイスの両方から離れて位置する少なくとも1つのサーバーに格納されている、項目1~4のいずれか一項に記載のシステム。
[6]
上記少なくとも1つの部品が、シール、ガスケット、Oリング、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1~5のいずれか一項に記載のシステム。
[7]
上記電子的に読み取り可能な媒体が、走査可能な画像であり、
上記携帯型コンピューティングデバイスの上記第2の入力デバイスが、光入力デバイスである、項目1~6のいずれか一項に記載のシステム。
[8]
上記走査可能な画像が、2次元バーコード及び3次元バーコードのうちの少なくとも1つである、項目7に記載のシステム。
[9]
上記電子的に読み取り可能な媒体が、無線周波数識別(RFID)タグであり、
上記携帯型コンピューティングデバイスの上記第2の入力デバイスが、RFID読み取り機である、項目1~8のいずれか一項に記載のシステム。
[10]
上記埋め込まれた情報が、
上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物の量、及び
上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物の濃度のうちの少なくとも1つに対応する、項目1~9のいずれか一項に記載のシステム。
[11]
上記携帯型コンピューティングデバイスが、スマートフォンであり、
上記第1の入力デバイス及び上記出力デバイスの両方が、上記スマートフォンのタッチスクリーンである、項目1~10のいずれか一項に記載のシステム。
[12]
上記アプリケーションが、
上記化学物質ポンプから稼働情報を受信し、
上記携帯型コンピューティングデバイスの上記出力デバイスに上記稼働情報を表示するようにさらに動作可能である、項目1~11のいずれか一項に記載のシステム。
[13]
上記化学物質貯留槽が、複数の貯留槽を含み、上記複数の貯留槽のそれぞれの貯留槽が、それぞれの化学組成物及びそれぞれの電子的に読み取り可能な媒体を備える、項目1~12のいずれか一項に記載のシステム。
[14]
上記少なくとも1つの部品が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から製造され、
上記化学組成物が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属次亜塩素酸塩、過酸化物、鉱酸、有機酸、界面活性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1~13のいずれか一項に記載のシステム。
[15]
上記アプリケーションが、上記化学物質ポンプと通信して、上記化学物質ポンプに、追加の量の上記化学組成物が上記化学物質ポンプに導入されるのを防止させるように動作可能である、項目1~14のいずれか一項に記載のシステム。
[16]
上記少なくとも1つの部品が、複数の部品を含み、上記複数の部品のそれぞれの部品が、それぞれの材料から製造され、
上記クエリが、それぞれの材料の上記化学組成物に対する上記化学的適合性を決定し、
上記複数の部品のいずれかの部品が、上記化学組成物と適合しないと決定された場合、上記出力表示は、上記化学物質ポンプが、上記化学組成物と適合しないというものである、項目1~15のいずれか一項に記載のシステム。
[17]
命令を含む非一時的なコンピューター可読媒体であって、上記命令は、携帯型コンピューティングデバイスによって実行されたときに、上記携帯型コンピューティングデバイスに、
携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して、少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプのポンプ識別子を含む選択を受信することと、
上記携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスを使用して、上記化学物質貯留槽に保管されている化学組成物に対応する埋め込まれた情報を含む電子的に読み取り可能な媒体を電子的に読み取り、上記埋め込まれた情報に基づいて、上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物に対応する化学物質識別子を取得することと、
上記化学物質識別子及び上記ポンプ識別子を使用して、化学的適合性データを含むデータベースにクエリを行うことと、
上記データベースから上記クエリへの応答を受信することであって、上記応答が、上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物と上記化学物質ポンプの上記少なくとも1つの部品との間の化学的適合性を含む、受信することと、
上記携帯型コンピューティングデバイスの出力デバイスを介して、上記化学物質貯留槽に保管されている上記化学組成物と上記化学物質ポンプとの間の上記化学的適合性に対応する出力表示を出力することと、を行わせる、非一時的なコンピューター可読媒体。
[18]
上記携帯型コンピューティングデバイスが、スマートフォンであり、
上記第1の入力デバイス及び上記出力デバイスの両方が、上記スマートフォンのタッチスクリーンである、項目17に記載の非一時的なコンピューター可読媒体。
[19]
上記電子的に読み取り可能な媒体が、走査可能な画像であり、
上記携帯型コンピューティングデバイスの上記第2の入力デバイスが、光入力デバイスである、項目17または18に記載の非一時的なコンピューター可読媒体。
[20]
上記走査可能な画像が、2次元バーコード及び3次元バーコードのうちの少なくとも1つである、項目19に記載の非一時的なコンピューター可読媒体。
[21]
携帯型コンピューティングデバイスから、少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプを識別するポンプ識別子を受信することであって、上記ポンプ識別子が、上記携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して受信された選択に対応する、受信することと、
上記携帯型コンピューティングデバイスから、化学組成物を保管している化学物質貯留槽を識別する化学物質識別子を受信することであって、上記化学物質識別子が、上記携帯型コンピューティングデバイスの第2の入力デバイスを介して受信された入力に対応する、受信することと、
上記ポンプ識別子及び上記化学物質識別子を使用して、上記化学物質ポンプの少なくとも1つの部品と上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物との間の適合性を含む化学的適合性データを含むデータベースにクエリを行うことと、
上記データベースから上記クエリへの応答を受信することであって、上記応答が、上記化学物質ポンプの上記少なくとも1つの部品と上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物との間の上記適合性を含む、受信することと、
上記適合性を上記携帯型コンピューティングデバイスに送信することと、を含む、方法。
[22]
上記方法が、上記化学物質ポンプによって行われる、項目21に記載の方法。
[23]
上記方法が、上記化学物質ポンプ及び上記携帯型コンピューティングデバイスの両方から離れたサーバーによって行われる、項目21及び22のいずれか一項に記載の方法。
[24]
上記データベースが、上記化学物質ポンプ及び上記携帯型コンピューティングデバイスの両方から離れている、項目21~23のいずれか一項に記載の方法。
[25]
上記化学物質ポンプ及び上記携帯型コンピューティングデバイスが、Bluetooth(登録商標)無線通信プロトコルを介して通信する、項目21~24のいずれか一項に記載の方法。
[26]
システムであって、
携帯型コンピューティングデバイスから、少なくとも1つの部品を含む化学物質ポンプを識別するポンプ識別子を受信するための手段であって、上記ポンプ識別子が、上記携帯型コンピューティングデバイスの第1の入力デバイスを介して受信された選択に対応する、手段と、
上記携帯型コンピューティングデバイスから、化学組成物を保管している化学物質貯留槽を識別する化学物質識別子を受信するための手段と、
上記ポンプ識別子及び上記化学物質識別子を使用して、上記化学物質ポンプの上記少なくとも1つの部品と上記化学物質貯留槽内の上記化学組成物との間の適合性を含む化学的適合性データを含むデータベースにクエリを行うための手段と、
上記データベースから上記クエリへの応答を受信するための手段であって、上記応答は、上記化学組成物が上記化学物質ポンプの上記少なくとも1つの部品と適合するかどうかを示す適合性表示を含む、手段と、
上記適合性表示を上記携帯型コンピューティングデバイスに送信する手段と、を含む、システム。
[27]
上記化学組成物を上記化学物質ポンプに供給する上記化学物質貯留槽を交換するための、項目1~16のいずれか一項に記載のシステムの使用。
図1
図2
図3
図4
図5