(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】呼吸マスクのためのシール
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20231107BHJP
【FI】
A61M16/06 A
(21)【出願番号】P 2020567547
(86)(22)【出願日】2019-06-04
(86)【国際出願番号】 NZ2019050063
(87)【国際公開番号】W WO2019235939
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-06-02
(32)【優先日】2018-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】アビー、レベッカ、ファロー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター、デイビッド、アレクサンダー、ビアーン
(72)【発明者】
【氏名】ダナ、ウィルフロス
(72)【発明者】
【氏名】ジェ、ユン、リム
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、ジェームズ、ペダーセン
(72)【発明者】
【氏名】ロヒート、パテル
(72)【発明者】
【氏名】ビルギット、ビュステンハーゲン
(72)【発明者】
【氏名】ポール、マシュー、フリーストーン
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518113(JP,A)
【文献】特表2016-531665(JP,A)
【文献】特表2015-532169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸マスクのためのシールであって、
使用者の口の周囲で封止するように構成された口封止部分と、
使用者の鼻の下面で封止し、且つ前記使用者の鼻梁の下方に完全に位置決めされるように構成された鼻封止部分であって、
第1上向き拡張部及び第2上向き拡張部であって、前記第1上向き拡張部及び前記第2上向き拡張部の各々は、前記使用者の鼻の側面と係合するように構成された内壁と、前記鼻封止部分に構造を提供するように構成された外壁とを有し、前記内壁及び前記外壁は、前記シールの上縁部に沿って接合され、前記外壁は、周囲壁厚さより小さい壁厚さを有するポケットを含む、第1上向き拡張部及び第2上向き拡張部
を含む鼻封止部分と
を含
み、
前記外壁は、前記外壁の上方部分に沿って延在する厚化リブをさらに含み、前記厚化リブは、前記シールの前記上縁部に近接しているが、前記上縁部から離間され、前記厚化リブは、前記周囲壁厚さより大きい壁厚さを有し、前記厚化リブは、前記外壁の後端部から前記シールの前部に向かって延在し、
前記シールは、使用者によって装着されたときに、前記第1上向き拡張部及び前記第2上向き拡張部の形状を保持する、機械的剛性及び構造を提供する懸架部材を更に含み、
前記厚化リブは、前記懸架部材とは異なるとともに、前記懸架部材から延びて、前記シールにさらなる支持を提供する、シール。
【請求項2】
前記厚化リブは、対向する端部において幅が狭くなっている、請求項
1に記載のシール。
【請求項3】
前記厚化リブは、その長さに沿って湾曲又は蛇行形状を有する、請求項1又は2に記載のシール。
【請求項4】
前記ポケットは、前記厚化リブによって少なくとも部分的に画定されている、請求項1~
3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項5】
前記ポケットは、実質的に涙形形状である、請求項1~
4のいずれか一項に記載のシール。
【請求項6】
前記ポケットは、前記外壁の内面に位置している、請求項1~
5のいずれか一項に記載のシール。
【請求項7】
前記厚化リブは、前記外壁の内面に位置している、請求項1~
6のいずれか一項に記載のシール。
【請求項8】
前記厚化リブは、その長さに沿って変化する厚さを有する、請求項1~
7のいずれか一項に記載のシール。
【請求項9】
前記懸架部材は、相対的に薄い鼻領域に隣接するか又はその近くのシールの相対的に剛性の部分又は要素を提供する、請求項
1~8のいずれか一項に記載のシール。
【請求項10】
前記懸架部材は、前記シールの材料の厚化領域を含み、前記懸架部材は、前記第1上向き拡張部及び前記第2上向き拡張部の他の部分より大きい厚さを有する、請求項
1~9のいずれか一項に記載のシール。
【請求項11】
前記懸架部材は、又は前記シールの最大厚さの間で最も大きい厚さを有する、請求項
1~
10のいずれか一項に記載のシール。
【請求項12】
前記懸架部材は、前記上向きに延在する部分の上縁部又は前記上向きに延在する部分の上縁部に沿って前記内壁の鼻封止面を接合する領域若しくは隆起部に沿って延在する、請求項
1~
11のいずれか一項に記載のシール。
【請求項13】
前記懸架部材は、前記第1上向き拡張部及び前記第2上向き拡張部の後方又は使用者接触面から、前記第1上向き拡張部及び前記第2上向き拡張部の前方面に向かって又は前方面まで力を伝達するようなサイズであり、形状であり、且つ/又は他にそのように構成されている、請求項
1~
12のいずれか一項に記載のシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、呼吸療法のためのインタフェースアセンブリに関する。特に、本開示は、使用者の鼻梁を覆わない鼻下型インタフェースアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を患っている患者の場合、通常、上気道を開いた状態で保つ筋肉が、寝ている間、気道が圧迫されるか又は完全に塞がれる程度まで弛緩し、これは、いびきの形態で現れることが多い現象である。これがある期間にわたって生じると、患者の脳は、一般に、低酸素症の兆候を認識し、通常の呼吸が再開することができるように気道を開くために、患者を部分的に覚醒させる。患者は、1回の睡眠セッションにつき数百回ほども生じる可能性があるこれらの覚醒エピソードを認識しない可能性がある。この部分的な覚醒により、患者の睡眠の質が著しく低下する可能性があり、経時的に日中の過剰な眠気、慢性疲労、心拍数の上昇、血圧の上昇、体重増加、頭痛、被刺激性、うつ病及び不安を含む種々の症状に至る可能性がある。
【0003】
閉塞性睡眠時無呼吸は、一般に、気道陽圧(PAP)療法を適用することによって治療される。PAP療法は、大気圧を上回る治療圧力で患者にガス流を送達することを含み、この治療圧力により、無呼吸、呼吸低下及び/又は流量制限の頻度及び/又は持続期間が低減する。この療法は、多くの場合、気道陽圧装置を使用して、加圧空気流を、導管を通して、患者の顔面に位置決めされた患者インタフェース又はマスクを通して患者に送達することによって実施される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PAP療法又はガスの投与を含む他の呼吸療法で使用される1つの一般的なタイプの患者インタフェースアセンブリは、インタフェースアセンブリの使用者の鼻梁と接触するシールを含む。鼻梁は、インタフェースアセンブリのシールによって加えられる圧力に敏感である。より最近では、鼻梁に接触しないインタフェースアセンブリが入手できるようになった。こうしたインタフェースアセンブリは、「鼻下型」インタフェースアセンブリと称する場合がある。快適さ及び/又は封止性能が改善された改良型の鼻下型インタフェースアセンブリを提供すること又は有用な選択肢を公衆に提供することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載するシステム、方法及び装置は、革新的な態様を有し、そのいずれも個々に不可欠ではないか、又はそれらの所望の特質に対して単独で役割を担うものでもない。ここで、請求項の範囲を限定することなく、有利な特徴のいくつかを要約する。
【0006】
好ましい実施形態は、フルフェイス鼻下型呼吸マスクのためのヘッドギアアセンブリを含む。ヘッドギアアセンブリは、後部パネル、頭頂部ストラップ、対向する上部サイドストラップの対及び対向する下部サイドストラップの対を含むストラップアセンブリを含む。ヘッドギアアセンブリは、可撓性ヘッドギアコネクタ要素を含む。上部ストラップの各々の自由端は、ヘッドギアコネクタ要素に結合されている。ヘッドギアコネクタ要素は、使用者の鼻の先端の下方で呼吸マスクのフレームにわたって横方向に延在し、且つフレームに取外し可能に締結されるように構成されている。
【0007】
いくつかの構成では、上部サイドストラップの対、ヘッドギアコネクタ要素及び頭頂部ストラップは、ヘッドギアコネクタ要素がフレームから取り外されると、閉ループを形成する。
【0008】
いくつかの構成では、上部ストラップは、ヘッドギアコネクタ要素に調整可能に結合され、それにより、使用者は、上部ストラップがヘッドギアコネクタ要素に結合されると、上部ストラップの長さを調整することができる。
【0009】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、上部ストラップをヘッドギアコネクタ要素から取り外すことなく、フレームに結合され且つフレームから取り外されるように構成されている。
【0010】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、それぞれフレーム上のポストを受け入れ且つ取外し可能に保持するように構成されている1つ又は複数のアパーチャを含む。
【0011】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、アパーチャの各々を少なくとも部分的に包囲する厚化部分をさらに含む。
【0012】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、可撓性材料を含み、それにより、ヘッドギアコネクタ要素は、フレームに取外し可能に締結されるときにフレームの湾曲に沿うことができる。
【0013】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、エラストマー材料を含む。
【0014】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、熱可塑性エラストマー材料を含む。
【0015】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、実質的に上向きの凹面形状を有する。
【0016】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、それぞれ上部ストラップの1つを保持するように構成されているストラップループの対を含む。
【0017】
好ましい実施形態は、呼吸マスクアセンブリを含む。呼吸マスクアセンブリは、フレームと、フレームによって担持されるクッションモジュールと、ヘッドギアアセンブリとを含む。クッションモジュールは、シール及びハウジングを含む。シールは、中心封止面の両側から上向きに延在する上向き拡張部の対を有する鼻部分と、口部分とを含む。上向き拡張は、パドルと称することができる。ヘッドギアアセンブリは、後部パネル、頭頂部ストラップ、対向する上部サイドストラップの対及び対向する下部サイドストラップの対を含むストラップアセンブリを含む。ヘッドギアアセンブリは、可撓性ヘッドギアコネクタ要素を含む。上部ストラップの各々の自由端は、ヘッドギアコネクタ要素に結合されている。ヘッドギアコネクタ要素は、シールの上向き拡張部の下方でフレームにわたって横方向に延在し、且つフレームに取外し可能に締結されるように構成されている。
【0018】
いくつかの構成では、フレームは、クッションモジュールに取外し可能に接続可能である。
【0019】
いくつかの構成では、上部サイトストラップの対、ヘッドギアコネクタ要素及び頭頂部ストラップは、ヘッドギアコネクタ要素がフレームから取り外されると、閉ループを形成する。
【0020】
いくつかの構成では、上部ストラップは、ヘッドギアコネクタ要素に調整可能に結合され、それにより、使用者は、上部ストラップがヘッドギアコネクタ要素に結合されると、上部ストラップの長さを調整することができる。
【0021】
いくつかの構成では、呼吸マスクアセンブリは、フレームに接続された入口チューブをさらに含む。
【0022】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、入口チューブの上方でフレームに取外し可能に接続されるように構成されている。
【0023】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、それぞれフレーム上のポストを受け入れ且つ取外し可能に保持するように構成されている1つ又は複数のアパーチャを含む。
【0024】
いくつかの構成では、ポストは、ヘッドギアコネクタ要素のアパーチャの断面積より大きい断面積を有する拡大頭部を含む。
【0025】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、可撓性材料を含み、それにより、ヘッドギアコネクタ要素は、フレームに取外し可能に接続されるときにフレームの湾曲に沿うことができる。
【0026】
好ましい実施形態は、呼吸マスクアセンブリにヘッドギアアセンブリを接続するためのヘッドギアコネクタ要素を含む。ヘッドギアコネクタ要素は、第1端部及び第2端部を有する長尺状可撓性本体を含む。ヘッドギアコネクタ要素は、ストラップループの対を含む。ストラップループの対の第1ストラップループは、本体の第1端部に取り付けられ、及びストラップループの対の第2ストラップループは、本体の第2端部に取り付けられている。ストラップループの各々は、ヘッドギアアセンブリのストラップを調整可能に受け入れるように構成されている。ヘッドギアコネクタ要素は、ヘッドギアコネクタ要素の本体を通して延在する少なくとも1つのアパーチャを含む。アパーチャは、マスクアセンブリのフレームのポストを受け入れ且つ取外し可能に保持するように構成されている。本体は、少なくとも1つのアパーチャを少なくとも部分的に包囲する厚化部分をさらに含む。
【0027】
いくつかの構成では、厚化部分は、本体と一体的に形成されている。
【0028】
いくつかの構成では、厚化部分は、本体と同じ材料で構成されている。
【0029】
いくつかの構成では、厚化部分は、本体にオーバーモールドされている。
【0030】
いくつかの構成では、ストラップループ及び本体は、異なる材料で構成されている。
【0031】
いくつかの構成では、本体は、例えば、シリコーン等の熱可塑性エラストマー材料で構成されている。
【0032】
いくつかの構成では、ストラップループは、ナイロンで構成されている。
【0033】
いくつかの構成では、ストラップループの各々は、タブを含み、本体は、タブの上にオーバーモールドされている。
【0034】
いくつかの構成では、ストラップループ及び本体は、溶接された接合部によって取り付けられている。
【0035】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、ヘッドギアコネクタ要素の下縁部の中心部分に沿って凹状部分をさらに含む。
【0036】
いくつかの構成では、ヘッドギアコネクタ要素は、ヘッドギアコネクタ要素がマスクアセンブリに結合されていないときに実質的に平坦である。
【0037】
好ましい実施形態は、呼吸マスクのためのシールを含む。シールは、使用者の口の周囲で封止するように構成された口封止部分を含む。シールは、使用者の鼻の下面で封止し、且つ使用者の鼻梁の下方に完全に位置決めされるように構成された鼻封止部分を含む。鼻封止部分は、中心封止面の両側から上向きに延在する第1上向き拡張部及び第2上向き拡張部を含む。第1上向き拡張部及び第2上向き拡張部の各々は、使用者の鼻の側面と係合するように構成された内壁と、鼻封止部分に構造を提供するように構成された外壁とを有し、内壁及び前記外壁は、シールの上縁部に沿って接合されている。外壁は、周囲壁厚さより小さい壁厚さを有するポケットを含む。
【0038】
いくつかの構成では、外壁は、外壁の上方部分に沿って延在する厚化リブをさらに含む。厚化リブは、シールの上縁部に近接しているが、上縁部から離間されている。厚化リブは、周囲壁厚さより大きい壁厚さを有する。厚化リブは、外壁の後端部からシールの前部に向かって延在する。
【0039】
いくつかの構成では、厚化リブは、対向する端部において幅が狭くなっている。
【0040】
いくつかの構成では、厚化リブは、その長さに沿って湾曲又は蛇行形状を有する。
【0041】
いくつかの構成では、ポケットは、厚化リブによって少なくとも部分的に画定されている。
【0042】
いくつかの構成では、ポケットは、実質的に涙形形状である。
【0043】
いくつかの構成では、ポケットは、外壁の内面に位置している。
【0044】
いくつかの構成では、厚化リブは、外壁の内面に位置している。
【0045】
いくつかの構成では、厚化リブは、その長さに沿って変化する厚さを有する。
【0046】
本開示の一態様によれば、呼吸マスクアセンブリであって、
マスクフレーム及びクッションモジュールであって、マスクフレームは、呼吸可能ガスの供給を受け入れ、且つ呼吸可能ガスをクッションモジュールに送達するように構成された呼吸ガス入口を含み、クッションモジュールは、使用者の顔面とシールを形成するように構成されている、マスクフレーム及びクッションモジュールと、
マスクフレーム上の且つクッションモジュールと連通しているバイアス通気口であって、クッションモジュールからバイアス通気口を通して空気が排気されることを可能にするように構成されたバイアス通気口と
を含み、
バイアス通気口の上に延在するように構成されたディフューザ材料を含むディフューザであって、ディフューザ材料は、バイアス通気口からディフューザを通して曲がりくねった空気路を提供する、ディフューザと、
マスクフレームにわたって横方向に延在して、それぞれヘッドギアに接続されるように構成されている、対向する遠位端部を画定するように、マスクフレームの前部に取外し可能に取り付けられるように構成されたヘッドギアコネクタ要素であって、ヘッドギアコネクタ要素がマスクフレームに取り付けられると、バイアス通気口と位置合わせされる少なくとも1つのアパーチャを含むヘッドギアコネクタ要素とを
さらに含む呼吸マスクアセンブリが提供される。
【0047】
ディフューザは、マスクフレームとヘッドギアコネクタ要素との間に位置決めされ得る。ディフューザは、ヘッドギアコネクタ要素上に位置決めされ得る。ディフューザは、ヘッドギアコネクタ要素の前面、すなわちマスクフレームに面していないヘッドギアコネクタ要素の面に位置決めされ得る。ディフューザの少なくとも一部分は、バイアス通気口から離間され得、それにより、バイアス通気口の一部分は、バイアス通気口と直接接触しない。ディフューザは、ヘッドギアコネクタ要素に提供され、且つヘッドギアコネクタ要素によってマスクフレームから離間され得る。ディフューザは、マスクフレームに提供され得る。
【0048】
ディフューザは、マスクフレームに取り付けられるように構成されたディフューザフレームを含み得、及びディフューザ材料は、ディフューザフレームによって保持され得る。ディフューザ材料は、バイアス通気口から離間されるようにディフューザフレームによって保持され得、それにより、バイアス通気口の一部分は、バイアス通気口と直接接触しない。ディフューザフレーム及び/又はディフューザ材料は、少なくとも1つの隆起部分及び少なくとも1つの凹状部分を含み得、隆起部分は、凹状部分をバイアス通気口から離間させるように構成されている。複数の隆起部分及び/又は複数の凹状部分が提供され得る。
【0049】
ディフューザは、バイアス通気口と実質的に同じ形状及びサイズであり得る。
【0050】
ディフューザは、マスクアセンブリに取外し可能に取り付けられ得る。
【0051】
ディフューザは、ヘッドギアコネクタ要素に取外し可能に取り付けられ得る。
【0052】
ディフューザは、ディフューザ及びマスクフレームの一方において、ディフューザ及びマスクフレームの他方と係合するクリップを介してマスクフレームに取外し可能に取り付けられ得る。
【0053】
ディフューザは、マスクアセンブリに永久的に取り付けられ得る。
【0054】
ヘッドギアコネクタ要素は、複数のアパーチャを含むことができる。複数のアパーチャは、マスクフレームが前方から見られるとき、マスクフレームの垂直中心線を中心に対称にU字形又はV字形の通気口アレイで配置され得る。ヘッドギアコネクタ要素のその又は各アパーチャは、ヘッドギアコネクタ要素がマスクフレームに取り付けられると、呼吸ガス入口の上方に位置することができる。
【0055】
バイアス通気口は、複数の通気孔を含むことができる。複数の通気孔は、通気孔アレイで配置され得る。複数の通気孔アレイがあり得る。通気孔アレイは、前方から見られるとき、マスクフレームの垂直中心線を中心に対称に配置され得る。
【0056】
ヘッドギアコネクタ要素は、ヘッドギアの上部サイドストラップをフレームに結合する長尺状可撓性部材を含むことができる。ヘッドギアコネクタ要素は、マスクフレームに結合されると、使用者の鼻の先端の下方でマスクフレームにわたって横方向に延在することができる。
【0057】
ヘッドギアコネクタ要素は、中心本体部分と、中心本体部分から延在する、対向する横方向に延在するアームの対とを含むことができ、アームは、ヘッドギアへの接続のために対抗する遠位端部で終端し、アパーチャは、中心本体部分に提供されている。中心本体部分は、アームからU字形又はV字形で下向きに延在するように弓形であり得る。ヘッドギアコネクタ要素は、中心本体部分の上方において、横方向に延在するアーム間に延在する、横方向に延在するブレース要素を含むことができる。横方向に延在するアームは、中心本体部分から離れて上向きに傾斜され得る。
【0058】
マスクアセンブリは、マスクフレームに対するヘッドギアコネクタ要素の移動に抵抗するようにマスクフレームに対してヘッドギアコネクタ要素を位置付けるように構成された位置付け特徴部を含むことができる。位置付け特徴部は、前方から見られるとき、マスクフレームの垂直中心線と概して位置合わせされた方向において、マスクフレームに対するヘッドギアコネクタ要素の垂直移動に抵抗するようにマスクフレームに対してヘッドギアコネクタ要素を位置付けるように構成され得る。位置付け特徴部は、マスクフレームに凹部又は突起を含むことができ、それに対して、ヘッドギアコネクタ要素は、当接するか又は他に係合する。
【0059】
本開示の別の態様によれば、呼吸マスクアセンブリであって、
マスクフレーム及びクッションモジュールであって、マスクフレームは、呼吸可能ガスの供給を受け入れ、且つ呼吸可能ガスをクッションモジュールに送達するように構成された呼吸ガス入口を含み、クッションモジュールは、使用者の顔面とシールを形成するように構成されている、マスクフレーム及びクッションモジュールと、
マスクフレーム上の且つクッションモジュールと連通しているバイアス通気口であって、クッションモジュールからバイアス通気口を通して空気が排気されることを可能にするように構成されたバイアス通気口と
を含み、
バイアス通気口の上に延在するように構成されたディフューザ材料を保持するディフューザフレームを含むディフューザであって、ディフューザ材料は、バイアス通気口からディフューザを通して曲がりくねった空気路を提供し、ディフューザフレームは、マスクフレームの前面に取り付けられている、ディフューザ
をさらに含む呼吸マスクアセンブリが提供される。
【0060】
本開示のさらなる態様によれば、呼吸マスクアセンブリであって、
マスクフレーム及びクッションモジュールであって、マスクフレームは、呼吸可能ガスの供給を受け入れ、且つ呼吸可能ガスをクッションモジュールに送達するように構成された呼吸ガス入口を含み、クッションモジュールは、使用者の顔面とシールを形成するように構成され、マスクフレームは、マスクフレームからクッションモジュール内に延在し、且つ呼吸ガス入口からクッションモジュールに呼吸可能ガスを送達するように配置されたガス流ダクトを含むクッションコネクタを介してクッションモジュールに接続されている、マスクフレーム及びクッションモジュールと、
クッションモジュールと連通しているバイアス通気口であって、クッションモジュールからバイアス通気口を通して空気が排気されることを可能にするように構成されたバイアス通気口と
を含み、
バイアス通気口は、ガス流ダクトに提供されている、呼吸マスクアセンブリが提供される。
【0061】
マスクアセンブリは、バイアス通気口の上に延在するように構成されたディフューザ材料を含むディフューザを含むことができ、ディフューザ材料は、バイアス通気口からディフューザを通して曲がりくねった空気路を提供する。ディフューザは、弓形であり、且つガス流ダクトの外部の一部の周囲に延在するように構成され得る。ディフューザは、ガス流ダクトに同心円状に取り付けられるように構成され得る。ディフューザは、ガス流ダクトを受け入れるように構成されたディフューザ材料のリングとして配置され得る。
【0062】
バイアス通気口は、複数の通気孔を含むことができる。通気孔は、ガス流ダクトの長手方向軸に沿って見られるとき、ガス流ダクトの周辺部の少なくとも一部の周囲で離間され得る。通気孔は、ガス流ダクトの周辺部の上方部分の周囲で離間され得る。通気孔は、ガス流ダクトの長手方向軸に沿って見られるとき、ガス流ダクトの上半分にのみ提供され得る。いくつかの例では、通気孔は、ガス流ダクトの周辺部の下部分の周囲に提供されない場合がある。通気孔は、等間隔に配置され得る。マスクアセンブリは、少なくとも10個の通気孔、好ましくは少なくとも15個の通気孔、より好ましくは少なくとも20個の通気孔を含むことができる。通気孔は、列で配置され得、この列は、ガス流ダクトの周辺部の少なくとも一部の周囲に延在している。通気孔の列は、クッションモジュールの内面から離間されるように、ガス流ダクトの長手方向軸に沿って離間され得る。通気孔の複数の列が提供され得、各列は、ガス流ダクトの長手方向軸に沿って離間されている。
【0063】
通気孔は、入口及び出口と、ガス流ダクトの壁を通して入口と出口との間に延在するボアとをそれぞれ含むことができ、通気口軸は、通気口入口の中心と通気口出口の中心との間に画定され、通気口軸は、ガス流ダクトの長手方向軸に対して傾斜されている。通気口軸は、ガス流ダクトの長手方向軸から10~85°の角度を付けられ得る。すべての通気孔の通気口軸の角度は、同じであり得る。少なくとも1つの通気孔の通気口軸の角度は、少なくとも1つの他の通気孔の通気口軸の角度と異なり得る。バイアス通気口は、マスクフレームとクッションモジュールとの間の空間にあるガス流ダクトの部分に提供され得る。
【0064】
バイアス通気流路は、各通気孔について、マスクフレームの内面とクッションモジュールの外面との間に画定され得る。バイアス通気流路は、ガス流ダクトの長手方向軸の半径方向外向きに延在することができる。バイアス通気流路は、マスクアセンブリが側方から見られるとき、ガス流ダクトの長手方向軸に対して傾斜され得る。
【0065】
本開示のさらなる態様によれば、呼吸マスクアセンブリであって、
マスクフレーム及びクッションモジュールであって、マスクフレームは、呼吸可能ガスの供給を受け入れ、且つ呼吸可能ガスをクッションモジュールに送達するように構成された呼吸ガス入口を含み、クッションモジュールは、使用者の顔面とシールを形成するように構成されている、マスクフレーム及びクッションモジュール
を含み、
クッションモジュールは、クッションモジュールと連通しているバイアス通気口を含み、バイアス通気口は、クッションモジュールからバイアス通気口を通して空気が排気されることを可能にするように構成され、
マスクフレームは、マスクフレームからクッションモジュール内に延在し、且つ呼吸ガス入口からクッションモジュールに呼吸可能ガスを送達するように配置されたガス流ダクトを含むクッションコネクタを介してクッションモジュールに接続されており、
マスクアセンブリは、
ディフューザフレームと、ディフューザフレームによって保持され、且つバイアス通気口の上に延在するように構成されたディフューザ材料とを含むディフューザであって、ディフューザ材料は、バイアス通気口からディフューザを通して曲がりくねった空気路を提供し、ディフューザフレームは、クッションコネクタに取り付けられるように構成されている取付部分を含む、ディフューザ
をさらに含む、呼吸マスクアセンブリが提供される。
【0066】
クッションモジュールは、クッションコネクタのガス流ダクトを受け入れるように構成された取付アパーチャを含むことができ、ディフューザフレームの取付部分は、取付リングを含み、取付リングは、取付アパーチャと同心円状にクッションモジュールに取り付けられるように構成されている。
【0067】
クッションモジュールは、取付アパーチャと同心円状であり、且つ取付アパーチャの周辺部の周囲に延在する環状凹部を含むことができ、ディフューザフレームの取付リングは、環状凹部内に受け入れられる。
【0068】
バイアス通気口は、クッションモジュールが入口アパーチャの軸に沿って見られるとき、取付アパーチャの下方に位置することができる。
【0069】
バイアス通気口は、複数の通気孔を含むことができる。複数の通気孔は、通気孔アレイで配置され得る。複数の通気孔アレイが提供され得る。通気孔アレイは、前方から見られるとき、クッションモジュールの垂直中心線を中心に対称に配置され得る。各通気孔アレイは、クッションモジュールの垂直中心線から横方向に離間され得る。各通気孔アレイは、クッションモジュールの入口アパーチャのそれぞれの側部に隣接することができる。各通気孔アレイは、クッションモジュールの弁凹部のそれぞれの側部に隣接することができ、弁凹部は、ガス送達入口チューブ又はコネクタアセンブリの一部を受け入れるように凹状である、入口アパーチャの下方の領域である。
【0070】
ディフューザフレームは、複数のサブフレームを含むことができ、複数のサブフレームの各々は、ディフューザ材料のそれぞれの部分を保持し、各サブフレームは、ディフューザがクッションモジュールに取り付けられると、それぞれの通気孔アレイと位置合わせされる。サブフレームは、取付部分から横方向外向きに延在することができる。サブフレームは、取付部分の下方部分から横方向外向きに延在することができる。ディフューザは、取付部分の下方において、サブフレーム間に延在するブレース要素を含むことができる。取付部分及びサブフレームは、合わせてオメガ形状を画定することができる。サブフレームは、実質的に三角形であり得る。
【0071】
ディフューザは、クッションモジュールに永久的に又は取外し可能に取り付けられ得る。ディフューザは、クッションモジュールとの摩擦係合によってクッションモジュール上に保持され得る。ディフューザは、クッションコネクタにより、すなわちマスクフレームとクッションモジュールとの間に挟装されることにより、クッションモジュールの上に保持され得る。
【0072】
ディフューザは、後面を含むことができ、後面は、ディフューザがクッションモジュールに取り付けられると、ディフューザが隣接するクッションモジュールの前面と相補的であるような形状である。
【0073】
ディフューザフレーム及び/又は取付部分は、少なくとも部分的に中空構造であり、且つ/又は少なくとも部分的に中実構造であり得る。
【0074】
ディフューザ材料は、ディフューザフレームに永久的に又は取外し可能に取り付けられ得る。
【0075】
ディフューザフレーム及び/又はディフューザ材料は、ディフューザを通して代替的なガス流路を形成する少なくとも1つの凹部を画定するような形状であり得る。
【0076】
ディフューザ取付部分は、ディフューザ材料を保持するディフューザフレームを含むことができ、ディフューザフレームは、クッションモジュールに取り付けられている。
【0077】
ディフューザフレーム及び/又はクッションモジュールは、クッションモジュール上にディフューザフレームを保持するようにクッションモジュールにディフューザフレームを取り付けるように構成された取付特徴部を含むことができる。
【0078】
本開示の別の態様によれば、呼吸マスクアセンブリであって、
マスクフレーム及びクッションモジュールであって、マスクフレームは、呼吸可能ガスの供給を受け入れ、且つ呼吸可能ガスをクッションモジュールに送達するように構成された呼吸ガス入口を含み、クッションモジュールは、使用者の顔面とシールを形成するように構成され、クッションモジュールは、取付アパーチャを含む、マスクフレーム及びクッションモジュール
を含み、
マスクフレームは、取付アパーチャを通してマスクフレームから且つクッションモジュール内に延在し、且つ呼吸ガス入口からクッションモジュールに呼吸可能ガスを送達するように配置されたガス流ダクトを含むクッションコネクタを介してクッションモジュールに接続されており、
クッションモジュールは、クッションモジュールと連通しているバイアス通気口を含み、バイアス通気口は、クッションモジュールからバイアス通気口を通して空気が排気されることを可能にするように構成され、
クッションモジュールは、取付アパーチャに隣接する凹部を含み、凹部は、マスクフレームがクッションモジュールに接続されると、クッションモジュールとマスクフレームとの間に画定される空洞を形成し、バイアス通気口は、凹部内に位置する少なくとも1つの通気孔を含む、呼吸マスクアセンブリが提供される。
【0079】
凹部は、環状凹部であり、取付アパーチャの周辺部の周囲に延在し、且つ取付アパーチャと同心円状であり得る。
【0080】
通気孔は、入口及び出口と、凹部の壁を通して入口と出口との間に延在するボアとを含むことができ、通気口軸は、通気口入口の中心と通気口出口の中心との間に画定され、通気口軸は、実質的にクッションモジュールの取付アパーチャの長手方向軸の方向に延在している。
【0081】
通気口軸は、クッションモジュールの取付アパーチャの長手方向軸に対して実質的に平行であり得る。通気口軸は、クッションモジュールの取付アパーチャの長手方向軸に対して傾斜され得る。
【0082】
その又は各通気孔のボアは、側壁を含むことができ、通気孔が横断面で見られるとき、側壁は、クッションモジュールの取付アパーチャの長手方向軸に対して傾斜されている。ボアの側壁の半径方向外側部分及び/又は半径方向内側部分は、傾斜され得る。
【0083】
通気孔は、入口及び出口と、凹部の壁を通して入口と出口との間に延在するボアとを含むことができ、通気口軸は、通気口入口の中心と通気口出口の中心との間に画定され、通気口軸は、クッションモジュールの取付アパーチャの長手方向軸に対して実質的に垂直に延在し、それにより、各通気口軸は、取付アパーチャから半径方向外向きに延在し、クッションコネクタのガス流ダクトも、凹部の通気孔と位置合わせされる少なくとも1つの通気孔を含み、それにより、空気は、位置合わせされた通気孔を通してクッションコネクタから且つ凹部内に排出することができる。
【0084】
マスクアセンブリは、ディフューザを含むことができ、ディフューザは、バイアス通気口のその又は各通気孔を覆うように環状凹部内に受け入れられるように構成されたディフューザ材料の環状体を含む。
【0085】
空洞は、マスクフレームとクッションモジュールとの間に凹部によって画定されることがあり、空洞容積を有し、ディフューザの容積は、この空洞容積より小さい。
【0086】
ディフューザは、空洞内に受け入れられると、ディフューザが実質的に圧縮されず、且つ実質的に変形しないような形状及び寸法であり得る。
【0087】
ディフューザ材料及び凹部は、ディフューザ材料が通気孔から離間されるように構成され得る。
【0088】
ディフューザが凹部内に取り付けられると当接する当接特徴部が提供され得、接特徴部は、ディフューザ材料の通気孔に向かう移動を制限する。
【0089】
バイアス通気口は、複数の通気孔を含むことができる。バイアス通気孔は、取付アパーチャの周辺部全体の周囲に延在することができる。バイアス通気孔は、等間隔に配置され得る。
【0090】
バイアス通気流路は、その又は各通気孔について、マスクフレームの内面とクッションモジュールの外面との間に画定され得る。バイアス通気流路は、取付アパーチャの長手方向軸の半径方向外向きに延在することができる。バイアス通気流路は、マスクアセンブリが側方から見られるとき、取付アパーチャの長手方向軸に対して傾斜され得る。
【0091】
本開示の別の態様によれば、呼吸マスクアセンブリであって、
マスクフレーム及びクッションモジュールであって、マスクフレームは、呼吸可能ガスの供給を受け入れ、且つ呼吸可能ガスをクッションモジュールに送達するように構成された呼吸ガス入口を含み、クッションモジュールは、ハウジングと、使用者の顔面とシールを形成するように構成されたクッションシールとを含む、マスクフレーム及びクッションモジュールと、
マスクフレーム又はクッションモジュール上のバイアス通気口であって、クッションモジュールからバイアス通気口を通して空気が排気されることを可能にするように構成され、少なくとも1つの通気孔アレイで配置された複数の通気孔を含むバイアス通気口と
を含み、
マスクフレームは、マスクフレームからクッションモジュール内に延在し、且つ呼吸ガス入口からクッションモジュールに呼吸可能ガスを送達するように配置されたガス流ダクトを含むクッションコネクタを介してクッションモジュールに取外し可能に接続されており、
マスクアセンブリは、
バイアス通気口の上に延在するように構成されたディフューザ材料を含むディフューザであって、ディフューザ材料は、バイアス通気口からディフューザを通して曲がりくねった空気路を提供し、ディフューザは、通気孔アレイと相補的な形状である、ディフューザと、
マスクフレームにわたって横方向に延在して、それぞれヘッドギアに接続されるように構成されている、対向する遠位端部を画定するように、マスクフレームの前部に取外し可能に取り付けられるように構成されたヘッドギアコネクタ要素と
をさらに含み、
ディフューザは、マスクフレーム、クッションモジュール、クッションコネクタ及びヘッドギアコネクタ要素の1つ又は複数に取り付けられている、呼吸マスクアセンブリが提供される。
【0092】
本開示のさらなる態様によれば、呼吸マスクアセンブリであって、
マスクフレーム及びクッションモジュールであって、マスクフレームは、呼吸可能ガスの供給を受け入れ、且つ呼吸可能ガスをクッションモジュールに送達するように構成された呼吸ガス入口を含み、クッションモジュールは、使用者の顔面とシールを形成するように構成されている、マスクフレーム及びクッションモジュールと、
クッションモジュールと連通しているバイアス通気口であって、クッションモジュールからバイアス通気口を通して空気が排気されることを可能にするように構成されたバイアス通気口と
を含み、
マスクフレームは、マスクフレームからクッションモジュール内に延在し、且つ呼吸ガス入口からクッションモジュールに呼吸可能ガスを送達するように配置されたガス流ダクトを含むクッションコネクタを介してクッションモジュールに接続されており、
マスクアセンブリは、
バイアス通気口の上に延在するように構成されたディフューザ材料を含むディフューザであって、ディフューザ材料は、バイアス通気口からディフューザを通して曲がりくねった空気路を提供する、ディフューザ
をさらに含み、
ディフューザは、マスクフレームとクッションモジュールとの間に位置している、呼吸マスクアセンブリが提供される。
【0093】
本開示の別の態様によれば、呼吸マスクアセンブリであって、
マスクフレーム及びクッションモジュールであって、マスクフレームは、呼吸可能ガスの供給を受け入れ、且つ呼吸可能ガスをクッションモジュールに送達するように構成された呼吸ガス入口を含み、クッションモジュールは、使用者の顔面とシールを形成するように構成されている、マスクフレーム及びクッションモジュールと、
クッションモジュールと連通しているバイアス通気口であって、クッションモジュールからバイアス通気口を通して空気が排気されることを可能にするように構成されたバイアス通気口と
を含み、
マスクフレームは、スクフレームからクッションモジュール内に延在し、且つ呼吸ガス入口からクッションモジュールに呼吸可能ガスを送達するように配置されたガス流ダクトを含むクッションコネクタを介してクッションモジュールに接続されており、
マスクアセンブリは、
バイアス通気口の上に延在するように構成されたディフューザ材料を含むディフューザであって、ディフューザ材料は、バイアス通気口からディフューザを通して曲がりくねった空気路を提供する、ディフューザ
をさらに含み、
ディフューザは、スクフレームと前マスクアセンブリの別の構成要素との間に位置している、呼吸マスクアセンブリが提供される。
【0094】
マスクアセンブリは、ヘッドギアアセンブリをさらに含むことができる。ヘッドギアアセンブリは、少なくとも、対向するサイドストラップの対、及び/又は後部ストラップ若しくはパネル、及び/又は頭頂部ストラップを含むストラップアセンブリを含むことができる。対向するサイドストラップの対は、対向する上部サイドストラップの対であり得、マスクアセンブリは、対向する下部サイドストラップの対をさらに含む。上部ストラップの各々の自由端は、ヘッドギアコネクタ要素又はそのヘッドギアコネクタ要素に結合され得る。下部サイドストラップの各々の自由端は、マスクフレームに結合され得る。
【0095】
クッションモジュールは、クッションシール及びクッションハウジングを含むことができる。クッションシールは、中心封止面の両側から上向きに延在する上向き拡張部の対を有する鼻部分と、口部分とを含むことができる。
【0096】
マスクアセンブリは、
a)呼吸ガス入口に呼吸ガス送達チューブを接続するためのチューブコネクタ、
b)呼吸ガス送達チューブ
の任意の1つ又は複数をさらに含むことができる。
【0097】
呼吸ガス送達チューブは、
a)チューブヒータワイヤ、及び/又は
b)センサワイヤ、及び/又は
c)前記チューブの端部におけるコネクタカフ
を含むことができる。
【0098】
図面を通して、参照要素間の全体的な対応関係を示すために参照番号を再使用する場合がある。図面は、本明細書に記載する実施形態例を例示するために提供されるものであり、本開示の範囲を限定するように意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【
図1】マスクアセンブリの正面及び上面斜視図である。
【
図2A】ヘッドギアが省略され、空気供給導管の全体が示されている、マスクアセンブリの正面、上面及び側面斜視図である。
【
図2B】
図2Aのマスクアセンブリの背面、上面及び側面斜視拡大図である。
【
図3A】
図2Aのマスクアセンブリのフレームの正面図である。
【
図3B】
図2Aのマスクアセンブリのフレームの背面図である。
【
図4】
図2Aのマスクアセンブリのフレームの側面図である。
【
図5】
図3Aの線5-5に沿った
図2Aのマスクアセンブリのフレームの側面断面図である。
【
図6】
図3Aの線6-6に沿った
図2Aのマスクアセンブリのフレームの側面断面図である。
【
図7】
図4の線7-7に沿った
図3Aのマスクアセンブリのフレームの正面断面図である。
【
図8】
図2Aのマスクアセンブリのフレームの底面図である。
【
図9】
図2Aのマスクアセンブリのフレームの正面、底面及び側面斜視組立分解図である。
【
図10】
図2Aのマスクアセンブリのフレームの背面、底面及び側面斜視組立分解図である。
【
図11】入口軸及びクッションコネクタ軸を示す、
図2Aのマスクアセンブリのフレームの側面断面図である。
【
図12】
図2Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの正面、上面及び側面斜視図である。
【
図13】
図2Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの背面図である。
【
図14】
図2Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの正面図である。
【
図15】
図2Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの側面図である。
【
図16】
図2Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの側面断面図である。
【
図17】
図2Aのマスクアセンブリのクッションモジュールのマスクシール部分のクローズアップ背面図である。
【
図18】
図2Aのマスクアセンブリのクッションモジュールのマスクシールの上面図である。
【
図19A】
図18の線19A-19Aに沿った
図2Aのマスクアセンブリのマスクシールの背面断面図である。
【
図19B】
図18の線19B-19Bに沿った
図2Aのマスクアセンブリのマスクシールの背面断面図である。
【
図19C】
図18の線19C-19Cに沿った
図2Aのマスクアセンブリのマスクシールの背面断面図である。
【
図19D】
図18の線19D-19Dに沿った
図2Aのマスクアセンブリのマスクシールの背面断面図である。
【
図19E】
図18の線19E-19Eに沿った
図2Aのマスクアセンブリのマスクシールの背面断面図である。
【
図19F】
図18の線19F-19Fに沿った
図2Aのマスクアセンブリのマスクシールの背面断面図である。
【
図20A】
図2Aのマスクアセンブリのクッションモジュールと同様のクッションモジュールの正面及び側面斜視図である。
【
図20B】厚さの異なる部分間の遷移部又は境界の輪郭が描かれている、
図20Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの正面及び側面斜視図の別のバージョンである。
【
図21B】
図20Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの上方部分の拡大図である。
【
図22A】中立位置にある
図20Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの正面図である。
【
図22B】鼻封止面の各側に横方向外向きの力が加えられたときの
図20Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの正面図である。
【
図22C】鼻封止面に下向きの力が加えられたときの
図20Aのマスクアセンブリのクッションモジュールの正面図である。
【
図28】ヘッドギアアセンブリを示すインタフェースアセンブリの側面図である。
【
図29】水平に置かれた平坦な向きにある
図28のヘッドギアアセンブリの外面図である。
【
図30】水平に置かれた平坦な向きにある
図28のヘッドギアアセンブリの内面図である。
【
図31A】ヨークとともにマスクアセンブリ及びヘッドギアアセンブリを含むインタフェースアセンブリの正面、上面及び側面斜視図である。
【
図32】ヨークを含む
図31Aのインタフェースアセンブリのマスクアセンブリの正面図である。
【
図33A】ヨークを含む
図31Aのインタフェースアセンブリのヘッドギアアセンブリの正面及び側面斜視図である。
【
図34D】下にある構造を例示するために一部が輪郭形態で示されている、
図31Aのインタフェースアセンブリのヨークの図である。
【
図34G】
図34Dの線34G-34Gに沿った
図32Aのインタフェースアセンブリのヨークの底面断面図の一部の拡大図である。
【
図35A】
図31Aのインタフェースアセンブリのフレームの正面及び側面斜視図である。
【
図36】
図31Aのインタフェースアセンブリのヨーク及びマスクアセンブリの一部の断面図のクローズアップである。
【
図37A】
図31Aのインタフェースアセンブリのヨークと同様のヨークの正面図である。
【
図38】本開示の態様によるインタフェースアセンブリのマスクフレームの正面図である。
【
図41】ディフューザ材料が省略されている、
図38~
図40のマスクフレームとヨークとの正面斜視図である。
【
図42】ディフューザ材料が示されている、
図38~
図40のマスクフレームとさらなるヨークとの正面斜視図である。
【
図44】ディフューザ材料が示されている、
図42のヨークの正面図である。
【
図45】本開示の態様によるインタフェースアセンブリの別のマスクフレームの正面図である。
【
図46】
図45のマスクフレームの斜視図である。ヨーク、ディフューザ材料を省略。
【
図47】ディフューザ材料が示されている、
図45及び
図46のマスクフレームの正面斜視図である。
【
図48】マスクフレームからディフューザ及びディフューザ材料が取り除かれている、
図45及び
図46のマスクフレームの正面斜視図である。
【
図50】マスクフレームからディフューザ及びディフューザ材料が取り除かれている、
図45及び
図46のマスクフレームの断面側面図である。
【
図51】本開示の態様によるマスクフレーム及びマスクシールの後方からの斜視図である。
【
図53】
図51のマスクフレーム及びマスクシールの断面側面図である。
【
図54】
図51のマスクフレーム及びマスクシールの背面斜視図である。
【
図55】
図50のマスクフレーム及びマスクシールの前方からの斜視図である。
【
図56】
図50のマスクフレーム及びマスクシールの背面図である。
【
図57】
図50のマスクフレーム及びマスクシールの正面図である。
【
図58】
図50のマスクフレーム及びマスクシールの後方からの斜視図である。
【
図59】
図50のマスクフレーム及びマスクシールの後方からの斜視図である。
【
図60】
図50のマスクフレーム及びマスクシールの側面図である。
【
図61】本開示の態様による別のマスクフレーム及びマスクシールの正面斜視図である。
【
図62】
図61のマスクフレーム及びマスクシールの下からの図である。
【
図66a-b】
図61のマスクシールと使用されるディフューザの正面図及び背面図である。
【
図71】
図68のディフューザ及びマスクシールの正面図である。
【
図72】
図62のマスクシールと使用される別のディフューザの正面図である。
【
図73】
図72のディフューザ及びマスクシールの斜視正面図である。
【
図74】別のディフューザ及びマスクシールの斜視正面図である。
【
図79a-b】第1及び第2通気孔構成を含む、
図75のマスクシールの拡大断面上面図である。
【
図79c-d】
図79a及び
図79bと同様の図であるが、より広い凹部及びディフューザを含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
ここで、添付の図を参照して、システム、構成要素並びに組立及び製造方法の実施形態について説明し、全体を通して、同様の符号は、同様の又は類似の要素を指す。以下では、いくつかの実施形態、例及び図を開示するが、当業者であれば、本明細書に記載する本発明が、具体的に開示した実施形態、例及び図を越えて広がり、本発明の他の使用並びに明らかな変更形態及び均等物を含み得ることが理解するであろう。本明細書に提示する説明において使用する用語は、単に本発明のいくつかの具体的な実施形態の詳細な説明と併せて使用されているため、決して限定又は制限するように解釈されるように意図されていない。さらに、本発明の実施形態は、いくつかの新規の特徴を含むことができ、いかなる単一の特徴もその望ましい特質を単独で担うものではなく、本明細書に記載する本発明を実施するのに不可欠なものでもない。
【0101】
以下の説明において、いくつかの用語は、単に参照の目的で使用する場合があり、したがって限定するように意図されていない。例えば、「上」及び「下」等の用語は、参照される図面における方向を指す。「前」、「裏」、「左」、「右」、「後」及び「側部」等の用語は、考察されている構成要素又は要素を説明する本文及び関連する図面を参照することにより明らかとなる、一貫するが、任意の基準系内での構成要素又は要素の部分の向き及び/又は場所を説明するものである。例えば、文脈によって指示され得るように、「前」及び/又は前方という用語は、本明細書に記載するようなマスクアセンブリが使用者によって装着されるとき、使用者の顔面に対して比較的又は完全に遠位側に位置決めされた、本明細書に記載する構成要素に対して使用することができる。文脈によって指示され得るように、「後」及び/又は「裏」という用語は、本明細書に記載するようなマスクアセンブリが使用者によって装着されるとき、マスクアセンブリの前方又は前にある使用者の顔面及び/又は構成要素に対して比較的又は完全に近位側に位置決めされた、本明細書に記載する構成要素に対して使用することができる。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、別個の構成要素を説明するために使用する場合がある。こうした用語法は、具体的に上述した文言、その派生語及び同様に重要な言い回しを含む可能性がある。
【0102】
本明細書に記載する実施形態の1つ又は複数は、フェイスマスクで起こる可能性がある、種々の顔面(例えば、鼻)形状を封止し、且つそうした形状に適合する問題に対処する。特に、実施形態の少なくともいくつかは、使用者の鼻梁の下方且つ外鼻孔の周囲で封止するフェイスマスク等の患者インタフェースに関する。しかしながら、本明細書に開示する実施形態は、他のフルフェイスマスク(例えば、患者の鼻梁を部分的に覆い且つ/又はその上で封止するもの)又は鼻下型鼻マスクにも適合することができる。
【0103】
本明細書に記載する実施形態の1つ又は複数は、鼻下シールで種々の顔面形状の上に十分なシールをもたらすという問題に対処する。鼻梁に接触する従来の鼻マスク又はフルフェイスマスクと比較して、鼻下型鼻マスク又は結合された鼻及び口マスクの使用者の顔面における取付面積が低減することにより、使用者の顔面とのシールを維持し、様々な顔面形状に適合するように構成することがより困難になる可能性がある。鼻の周囲及び下での封止は、使用者ごとに顔面形状の相違が見られるために課題を示す可能性がある。本明細書に例示する実施形態の1つ又は複数は、例えば、特定の使用者への取付に応じて又はマスクシール内の圧力に応じてマスクシールの鼻部分の拡張を可能にすることができる。いくつかの構成では、マスクシールの鼻部分は、幅の増大に対して比較的低い抵抗を可能にするように構成することができる。こうした構成により、単一のマスクシールが、比較的幅の狭い鼻を有する使用者及び比較的幅の広い鼻を有する使用者と十分なシールをもたらすことができる。例えば、比較的幅の狭い鼻を有する使用者で使用される場合、鼻部分の幅は、拡張しないか若しくは幅が増大しないものであり得るか、又はわずかにのみ拡張するか若しくは幅が増大するものであり得る。比較的幅の広い鼻を有する使用者で使用される場合、鼻部分の幅は、著しく又は最大限拡張するか又は幅が増大することができる。しかしながら、少なくともいくつかの構成では、拡張する場合でも、鼻部分は、使用者の鼻に対して不快なレベルの力を加えることはない。こうした構成により、有利には、使用者の顔面とマスクシールとの十分なシールを維持することができる。こうした構成の一例は、本出願人のPCT出願PCT/IB2017/056146号明細書に開示されており、この出願の全体が参照により本明細書に援用される。
【0104】
図1~
図28は、使用者の顔面の適所にある場合と、使用者の顔面から分離されている場合との両方のマスクアセンブリ2100及びその構成要素を示す。図示するマスクアセンブリ2100は、結合された鼻及び口クッションモジュールであるクッションモジュール2150を含み、本明細書では、マスクアセンブリ2100は、鼻-口又は口-鼻マスクと称することができる。図示するクッションモジュール2150は、使用者の鼻の下を、鼻まで横方向に延在する顔面の部分に沿って且つ使用者の口の周囲で封止するように設計されている。クッションモジュール2150は、有利には、使用者の鼻梁と接触する必要はない。図示する構成では、クッションモジュール2150は、使用者の鼻梁の上に延在しない。より詳細には、図示するクッションモジュール2150は、使用者の鼻梁に接触しない。さらにより詳細には、図示するクッションモジュール2150は、使用者の鼻梁の前方に面する部分に接触しない。いくつかの構成では、クッションモジュール2150は、使用者の眼の下縁部に沿って延在する概して水平な平面より垂直方向に高い領域において顔面と接触しない。クッションモジュール2150は、使用者の鼻の先端の上に延在する場合もあれば延在しない場合もある。したがって、いくつかの構成では、クッションモジュール2150は、鼻の先端を覆う。いくつかの構成では、クッションモジュール2150のシールは、鼻の先端を覆う。いくつかの構成では、図示するクッションモジュール2150は、好ましくは、使用者の鼻の先端を覆い隠さない。いくつかの構成又はいくつかの顔面形状では、使用者の鼻の先端は、クッションモジュール2150の隣接する部分の上に及ぶ。
【0105】
図示するように、クッションモジュール2150は、好ましくは、鼻孔の周囲に丸みを帯びた隆起を形成するように広がる鼻翼(wing)又は鼻翼(alar)の周囲に延在し、且つその上で封止するように適合される。図示するクッションモジュール2150は、鼻柱と称されることがある鼻中隔の肉厚の外端部の一部又は全体を含むことができる、鼻孔への開口部を画定する面の周囲で封止するように適合される。いくつかの構成では、クッションモジュール2510は、使用者の鼻の左及び右の背側の壁の少なくとも一部に沿って封止するように上向きに延在するように適合される。いくつかの構成では、クッションモジュール2150は、使用者の鼻梁の領域まで上向きに延在することなく、左及び右の背側の壁の少なくとも一部に沿って上向きに延在するように適合される。いくつかの構成では、クッションモジュール2150の第1封止面は、場合により上唇及び/又は鼻の下側と上唇との間の遷移領域に沿って使用者の鼻の下側に接触する。マスクの第2封止面は、場合により鼻の近くの場所で頬とともに使用者の鼻の側面と接触することができる。こうした一次封止面及び二次封止面は、すべての使用者の顔面とは接触しない可能性があるが、こうした構成は、比較的広範囲の顔面形状と好適なシールを提供することができる。クッションモジュール2150は、好ましくは、使用者の口の少なくとも一部の周囲でも封止する。クッションモジュール2150は、使用者の口と鼻との間で封止するように適合される場合もあればされない場合もある。
【0106】
図示するように、クッションモジュール2150は、支持構造体を含む。いくつかの構成では、支持構造体は、マスクシェル又はハウジング2102である。ハウジング2102がマスクシール2104に対して幾分かの量の支持を提供するように、ハウジング2102にマスクシール又はクッション2104を取り付けることができる。しかしながら、他の構成では、マスクシール2104は、支持部を含まない場合があり、関連するインタフェースアセンブリの別の構成要素に直接組み付けられるように適合させることができる。いくつかの構成では、ハウジング2102は、図示するハウジング2102より実質的に小さくすることができる。例えば、ハウジング2102は、クッションモジュール2150がフレーム及び/又は導管コネクタ(例えば、エルボ)等の別の構成要素に取り付けられることを可能にする開口部を画定し得、クッションモジュール2150の他の部分に直接的な支持を提供せずに開口部にハウジング2102を局所化することができる。
【0107】
ハウジング2102は、任意の好適な材料から形成することができる。いくつかの構成では、ハウジング2102は、比較的硬質の材料から形成される。いくつかの構成では、ハウジング2102は、ポリカーボネート材料等の硬質プラスチック材料から形成される。いくつかの構成では、マスクアセンブリ2100は、ハウジングとは別個であるが、ハウジングに取付可能であるマスクシールクリップを含むマスクシールを含むことができる。こうした構成では、マスクシールクリップは、ハウジング2102にマスクシール2104を接続する。こうした構成では、マスクシール及びマスクシールクリップは、別個に形成して併せて固定することができるか、又はマスクシール及びマスクシールクリップを単一構成要素に統合することができる。いくつかの構成では、マスクシールクリップ上にマスクシールをオーバーモールドすることができ、いくつかの構成では、ハウジング2102上にマスクシール2104を直接オーバーモールドすることができ、これは、例えば、化学的及び/又は機械的オーバーモールドを含むことができる。
【0108】
いくつかの構成では、ハウジング2102は、クッションモジュール2150の前方壁の実質的な部分を含む。こうした構成は、マスクシール2104に対して有利なレベルの支持を提供する。例えば、ハウジング2102は、クッションモジュール2150又はマスクアセンブリ2100の前方壁の口部分の実質的な部分を含む。いくつかの構成では、ハウジング2102は、概して、クッションモジュール2150又はマスクアセンブリ2100の口部分に制限され、少なくとも著しい程度までクッションモジュール2150又はマスクアセンブリ2100の鼻部分内に延在しない。こうした構成は、マスクシール2104の鼻部分の移動又は変形を有利に可能にしながら、マスクシール2104に対して支持を提供することができる。他の構成では、ハウジング2102は、望ましい場合、鼻部分にさらなる支持を提供するように鼻部分内に延在することができる。
【0109】
マスクシール2104は、使用者の顔面に対して封止するように設計される。マスクシール2104は、好ましくは、例えば限定なしにシリコーン等の軟質材料から形成される。いくつかの構成では、使用者にとっての快適さを向上させるために、マスクシール2104の少なくとも一部をテクスチャ加工することができる。例えば、いくつかの構成では、図示するマスクシール2104を形成するために使用される金型の少なくとも一部をビードブラスト加工して、マスクシール2104の少なくとも使用者の皮膚と接触する領域に表面テクスチャを与えることができる。マスクシール2104の1つ又は複数の表面をテクスチャ加工する他の技法を使用することができる。いくつかの構成では、表面テクスチャ加工を回避し、マスクシール2104の少なくとも顔面接触面に平滑な表面テクスチャを与えることが望ましい場合があり、それにより使用者の顔面上のマスクシール2104のグリップを増大させ、封止特性を向上させることができる。
【0110】
クッションモジュール2150は、任意の好適な構成のヘッドストラップ又はヘッドギア2180への接続を可能にするヘッドギアコネクタ又はフレーム2178と係合するか、又は他にそうしたヘッドギアコネクタ又はフレーム2178によって支持され得る。したがって、フレーム2178は、マスクアセンブリ2100の構成要素とみなすことができる。マスクアセンブリ2100は、他のあり得る構成要素もあるが、特にフレーム2178に接続されたガス供給導管2520A等の入口チューブも含むことができる。フレーム2178にクッションモジュール2150を、正しい向きでのみの組立を可能にするように適合させることができる。ヘッドギアアセンブリ2180は、他の構成要素もあるが、特に1つ若しくは複数の上部サイドストラップ2804、1つ若しくは複数の下部サイドストラップ2802及び/又は頭頂部ストラップ2808等のストラップを含むことができる(
図25~
図27を参照されたい)。いくつかの構成では、ヘッドストラップ又はヘッドギア2180は、クッションモジュール2150に直接結合することができ、フレーム2178は、他の目的で利用するか又は省略することができる。こうした構成では、ヘッドストラップ又はヘッドギア2180は、ハウジング2102に結合することができる。フレーム2178及びヘッドギア2180は、合わせて、使用者の顔面の適所にクッションモジュール2150を支持することができる。クッションモジュール2150、フレーム2178、ガス供給導管2520A及びヘッドギア2180は、まとめてインタフェースアセンブリを称することができる。図示するマスクアセンブリ2100は、シール2104を支持するクッションモジュール2150と、ヘッドギア2180に接続するフレーム2178とを含むが、他の構成では、単一の一体化構造体は、シール2104を支持するとともにヘッドギア2180に接続することができる。例えば、クッションモジュール2150のハウジング2102とフレーム2178とは、一体化構造体として形成することができ、これは、図示する構成と比較して簡略化することができる。こうした単一の一体化構造体は、「フレーム」と称することが多い。したがって、本開示における別個のクッションモジュール2150/ハウジング2102及びフレーム2178に対する言及は、別段の指示のない限り、一体化構造体とも称することができる。
【0111】
図示する例に示すように且つ後により詳細に説明するように、フレーム2178は、窒息防止(A-A)弁アセンブリ2522(本明細書では「A-A弁2522」と称する)を含むことができる。いくつかの構成では、A-A弁2522は、後述するように、クッションモジュール2150の弁凹部2726によって受け入れることができる。より詳細に後述するように、A-A弁2522は、弁ハウジングを含むことができる。A-A弁2522は、フレーム2178と一体的に形成することができる。後述するように、A-A弁2522は、他のあり得る構成要素もあるが、特にフレーム2178の少なくとも一部、弁フラップ2524等の弁要素若しくは弁部材及び/又はチューブコネクタ2711を含むことができる。A-A弁2522は、フレーム2178内において空気供給導管2520Aに隣接して位置することができる。いくつかの実施形態では、A-A弁2522は、フレーム2178の前壁の後方に位置決めされた入口チューブを含むことができる。いくつかの実施形態では、入口チューブは、ガス流路の少なくとも一部を画定することができる。いくつかの構成では、フレーム2178内にA-A弁2522を組み込むことにより、空気供給導管2520Aがフレーム2178の前下部分から概して下向き方向に延在することができる。こうした構成により、患者インタフェースの全体的な嵩高さを低減させることができる。例えば、こうした構成では、使用時に導管2520Aをより使用者に近接して位置決めすることができる。ガス流路は、ガス供給導管2520A、A-A弁2522及びクッションコネクタ2708によって提供される。ガス流路は、加圧ガスがマスクアセンブリ2100を介して使用者の鼻及び/又は口に送達される通路を提供する。
【0112】
図2A及び
図2Bは、マスクアセンブリ2100の一例を示す。上述したように、マスクアセンブリ2100のクッションモジュール2150は、マスクシール2104及びハウジング2102を含むことができ、他の構成要素もあるが、特にフレーム2178及び/又は空気供給導管2520Aに組み付けられる。フレーム2178は、横方向及び/又は垂直方向に概して湾曲させることができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、フレーム2178は、クッションモジュール2150の前側に提供され得る。いくつかの実施形態では、フレーム2178は、クッションモジュール2150のハウジング2102の実質的な部分等、クッションモジュール2150の前側の実質的な部分を覆うことができる。いくつかの実施形態では、フレーム2178は、クッションモジュール2150の前面に沿って横方向において中心に置かれる。例えば、フレーム2178の前面全体をクッションモジュール2150の前方に位置決めすることができる。
【0114】
図3A~
図11は、フレーム2178の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、フレーム2178は、クッションコネクタ2708、入口又は入口開口部2706、弁2522、少なくとも1つの上部ストラップコネクタ2702、少なくとも1つの下部ストラップコネクタ2704及び/又は上向きに延在する支持部2179を含むことができる。上向きに延在する支持部は、ウィング又はパドルと称することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、クッションコネクタ2708は、フレーム2178の後側に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、クッションコネクタ2708は、フレーム2178と一体であり、フレーム2178の前壁2701の後面から後方に延在している。クッションコネクタ2708は、入口2706とクッションモジュール2150との流体接続を提供することができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、クッションコネクタ2708は、クッションモジュール2150にフレーム2178を接続するようにクッションモジュール2150の少なくとも一部に嵌まるような形状であり得る。例えば、クッションコネクタ2708は、フレームコネクタ2730等、マスクハウジング2102の少なくとも受入部分内に嵌まることができる。クッションコネクタ2708は、他のあり得る形状もあるが、特に幾分か丸みを帯びた「D」字形状、丸みを帯びた台形形状、円形形状、楕円形形状及び/又は卵形形状を含むことができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、クッションコネクタ2708は、カフ又はカラーを形成する突出壁の形態である。突出壁は、フレーム2178の前壁部分2701の後側から後方に且つ/又は上向きに延在することができる。クッションコネクタ2708は、フレーム2178の後側に沿ってA-A弁2522の上方に位置決めすることができる。クッションコネクタ2708は、フレーム2178の後側に沿ってA-A弁2522に隣接して位置決めすることができる。いくつかの構成では、入口2706、A-A弁2522及びクッションコネクタ2708は、協働して、フレーム2178によって画定されたガス流路を形成する。図示する構成では、入口2706、A-A弁2522及びクッションコネクタ2708の各々は、ガス流路全体の一部を画定する(例えば、所定の且つ意図的な開口部を除いて)実質的に密閉された空間を含む。いくつかの構成では、フレーム2178の前壁部分2701は、ガス流路の少なくとも一部を画定する。図示する構成では、フレーム2178の前壁部分2701は、A-A弁2522及びクッションコネクタ2708の一方又は両方においてガス流路の一部を画定する。こうした構成により、ガス流路の全体が専用の構造体によって画定される設計と比較して、フレーム2178は、低減した奥行を有することができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、クッションコネクタ2708は、位置合わせ切欠き2710等の位置合わせ特徴部を含むことができる。位置合わせ切欠き2710は、クッションコネクタ2710の一部に形成することができる。例えば、位置合わせ切欠き2710は、クッションコネクタ2708の上壁部分に形成することができる。位置合わせ切欠き2710は、フレーム2178とマスクアセンブリ2100との接続を誘導することができる。例えば、フレーム2178及びマスクアセンブリ2100を適切な向きで接続することができるように、位置合わせ切欠き2710は、マスクアセンブリ2100上の特徴部に対応することができる。いくつかの実施形態では、位置合わせ切欠き2710は、他のあり得る形状もあるが、特に概して台形形状、矩形形状及び/又は正方形形状を有する。いくつかの実施形態では、位置合わせ切欠き2710は、クッションコネクタ2708の上壁の後方縁部において、フレーム2178の後側に近い方の位置の位置合わせ切欠き2710の幅より広い幅を有することができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、フレーム2178は、入口2706を担持するか又は他に含むことができる。入口2706は、チューブコネクタ2711によって画定することができ、チューブコネクタ2711は、フレーム2178に結合される別個の構造体であり得る。いくつかの実施形態では、入口2706は、流体流路又はガス流路を提供することができ、それを通して加圧空気をマスクアセンブリ2100に提供することができる。いくつかの実施形態では、加圧空気は、入口2706を通して、A-A弁2522を介して又はA-A弁2522を通過してマスクアセンブリ2100に提供することができる。後により詳細に説明するように、加圧空気源がないとき又はマスクアセンブリ2100内の圧力が他の理由で大気圧未満に低下するとき、A-A弁2522は、大気へのアクセスを可能にすることができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、フレーム2178は、少なくとも1つの上部ストラップコネクタ2702と少なくとも1つの下部ストラップコネクタ2704とを含むことができる。図示する構成では、フレーム2178は、上部ストラップコネクタ2702の対及び下部ストラップコネクタ2704の対を含む。上部ストラップコネクタ2702の対及び下部ストラップコネクタ2704の対の各々は、フレーム2178の両側部に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、上部ストラップコネクタ2702は、ヘッドギア2180の対応する上部ヘッドギアストラップ2804を摺動可能に受け入れることができる(例えば、
図1を参照されたい)。
図4を参照すると、上部ヘッドギアコネクタ2702は、ポスト2703A及びアパーチャ2703Bを含むことができる。ポスト2703Aは、フレーム2178の前面から離間させることができる。ポスト2703Aは、アパーチャ2703Bのおよそ中心に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、ポスト2703Aは、アパーチャ2703Bの中心からずれて位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、ポスト2703Aは、フレーム2178の前壁の前方にずらすことができる。
【0121】
少なくとも
図1及び
図28に示すように、ポスト2703Aは、上部ヘッドギアコネクタ2702に上部サイドストラップ2804を固定するのに役立つことができる。いくつかの実施形態では、ポスト2703Aは、フレーム2178の前面とともに、対応する上部サイドストラップ2804が通過することができるスロットを画定することができる。例えば、上部サイドストラップ2804は、ポスト2703Aとアパーチャ2703Bとの間に形成されたスロットを通過することができる。上部サイドストラップ2804がスロットを通過すると、上部サイドストラップ2804を例えばポスト2703Aの外側に巻き付け、それ自体の上に折り重ねることができる。いくつかの実施形態では、アパーチャ2703Bは、上部サイドストラップ2804がポスト2703の後方を通過することができるように追加の空間を提供することができる。いくつかの構成では、アパーチャ2703Bは、ストラップ2804の厚さに適応するために必要なポスト2703Aとフレーム2178の前面との間の距離を低減させるのに役立つことができる。いくつかの実施形態では、上部ストラップコネクタ2702は、上部サイドストラップ2804に取り付けることができるヘッドギアクリップを、取外し可能に固定する等、固定することができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、下部ストラップコネクタ2704は、下部サイドストラップ2802及び/又は下部ヘッドギアクリップ2600(
図1を参照されたい)を受け入れ且つ/又は固定することができる。
図4において明確にするように、下部ストラップコネクタ2704は、下部ポスト2705Aを含むことができる。下部ポスト2705Aは、フレーム2178の側縁部に沿って位置決めすることができる。下部ポスト2705Aをフレーム2178の一部から離間させてアパーチャ2705Bを画定することができる。いくつかの実施形態では、下部ポスト2705Aは、フレーム2178の下部側縁部を形成する。いくつかの実施形態では、アパーチャ2705Bは、下部ヘッドギアクリップ2600の少なくとも一部を受け入れるような形状であり得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ2705Bは、他のあり得る形状もあるが、特に実質的にD字形であり得る。いくつかの実施形態では、ポスト2705Aは、クリップ2600のフック部分等、対応する下部ヘッドギアクリップ2600の一部内に受け入れられ且つ/又はその一部を保持し得る。アパーチャ2705Bは、クリップ2600のフック部分を収容するようなサイズ及び形状であり得る。下部ポスト2705Aは、下部サイドストラップ2804とフレーム2178と、且つ/又は下部ヘッドギアクリップ2600とフレーム2178との取外し可能な接続を可能にすることができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、フレーム2178は、上向きに延在する支持部2179を含むことができる。上向きに延在する支持部2179は、フレーム2178の中心部分の両側から上向きに延在している。上向きに延在する支持部は、「フレームパドル」と称することができる。上述したように、上向きに延在する支持部2179は、組み立てられると、マスクシール2104の鼻領域2168の前方に面する側面(シール2104の上向きに延在する部分2126)に支持を提供する上部支持部材を画定することができる。上向きに延在する支持部2179は、マスクシール2104の撓みを最小限にするのに役立つことができる。いくつかの実施形態では、上向きに延在する支持部2179は、鼻領域2168と使用者の鼻との接触を維持するのに役立つことができる。例えば、上向きに延在する支持部2179は、鼻領域2168とマスクシール2104の上向きに延在する部分2126とが使用者の鼻から離れて膨らみ、且つ/又は使用者の鼻から外れることを防止する一方、上向きに延在する部分2126の内壁が外向きに撓むことを可能にするのに役立つことができる。上向きに延在する支持部2179は、それぞれ湾曲した上縁部を有する。上向きに延在する支持部2179は、それぞれ半円形又はD字形パネルを形成する。パネルは、使用時、装着者の鼻の下方に且つ両側に位置する。上向きに延在する支持部2179間のフレーム2178の上縁部に湾曲したトラフが形成される。
【0124】
図4~
図10は、弁2522の特定の部分をより詳細に示す。少なくとも
図4~6、
図9及び
図10に示すように、弁2522は、弁フラップ2524等の弁要素又は弁部材を含むことができる。弁2522は、他のあり得る構成要素もあるが、特にチューブコネクタ2711も含むことができる。いくつかの実施形態では、弁2522は、通気路2722及び/又は出口2720を含むことができる。図示するように、弁2522の少なくとも一部又はいくつかの構成要素は、フレーム2178に一体的に形成することができる。例えば、弁2522のガス流路を画定する本体部分は、フレーム2178と一体的に形成される。いくつかの構成は、望ましくは、組立時間を短縮し、且つ/又は製造、洗浄及び/若しくは交換に必要な構成要素の数を減少させることができる。いくつかのこうした構成により、望ましくは、加圧空気がアセンブリから漏れる可能性を低減させることができる。
【0125】
図5及び
図6は、
図3Aに示す線5-5及び6-6に沿ったフレーム2178の側面断面図をそれぞれ示す。
図7は、
図4に示す線7-7に沿ったフレーム2178の正面断面図を示す。図示するように、フレーム2178は、弁フラップ2524を収容することができる。いくつかの実施形態では、フレーム2178は、弁フラップ2524の可動部分の周辺部を完全に包囲する。したがって、弁フラップ2524の可動部分は、フレーム2178の弁2522のガス流路内に嵌まるように位置決めすることができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、チューブコネクタ2711は、加圧空気を、弁2522を通し、マスクアセンブリ2100を通して使用者に向ける入口開口部2706を画定することができる。いくつかの実施形態では、チューブコネクタ2711は、他の形状もあるが、特に楕円形形状、円形形状及び/又は卵形形状であり得る。好ましくは、前方-後方方向における入口2706の寸法は、横方向における入口2706の寸法より小さい。したがって、フレーム2178の前方-後方方向の寸法を増大させるか又は入口2706を使用者の顔面からさらに離れるように移動させることなく、入口2706が円形である設計と比較して、弁2522を収容するために前方-後方方向に追加の空間が提供される。
【0127】
チューブコネクタ2711は、対応する雌型コネクタによって受け入れられる雄型構成要素を含むことができる。雌型コネクタは、導管2520Aに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、チューブコネクタ2711は、フレーム2178及び/又はチューブコネクタ2711に対して導管2520Aをねじることにより、導管2520Aの分離を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、導管2520Aは、他のあり得る構成もあるが、特にスナップフィット構成によりチューブコネクタ2711に接続される。例えば、チューブコネクタ2711は、1つ又は複数のチューブコネクタ切欠き2712を含むことができる。チューブコネクタ切欠き2712は、スナップフィット構成を介して導管2520Aの対応する特徴部と係合することができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、弁フラップ2524は、チューブコネクタ2711によりフレーム2178内に固定することができる。いくつかの実施形態では、チューブコネクタ2711は、他のあり得る構成もあるが、特に溶接、接着剤及び/又はスナップフィット構成等の様々な構成により、弁2522を画定するフレーム2178の下端部に永久的に結合することができる。いくつかの実施形態では、チューブコネクタ2711は、弁フラップ2524のタブを包囲し、且つ/又はフレーム2178の下端部とチューブコネクタ2711のフランジとの間に弁フラップ2524のタブを固定することができる。いくつかの実施形態では、弁フラップ2524は、フレーム2178内でチューブコネクタ2711の内側端部に隣接して位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、弁フラップ2524は、全体的に又は一部、他の材料もあるが、特にシリコーン等の可撓性エラストマーで構成することができる。
【0129】
弁フラップ2524は、弁2522内の異なる流路を開閉して、空気が弁2522の異なる流路の所望のものを通して流れることを可能にし得る。例えば、流れ発生器がマスクアセンブリ2100を通して使用者に陽圧空気を供給するとき、弁フラップ2524は、加圧空気が入口2706に入るのに応じてヒンジを中心に枢動するか又は他に移動することができる。この位置では、弁フラップ2524は、チューブコネクタ2711の入口2706に対して開放され、弁2522及び/又は弁2522の通気路2722に対して閉鎖される。いくつかの構成は、空気流が弁2522の通気路2722から漏れることがほとんど又はまったくなく、陽圧空気流のすべて又は実質的にすべてが使用者に向けられることを確実にするのに役立つことができる。流れ発生器がマスクアセンブリ2100に空気流を提供しないか、又はマスクアセンブリ2100内の圧力が他の原因で大気圧未満に低下すると、弁フラップ2524は、チューブコネクタ2711の入口2706に対して閉鎖し、A-A弁2522の通気路2722は、使用者が弁2522を通して周囲空気の吸入を可能にするように開放される。
【0130】
チューブコネクタ2711は、フレーム2178の弁2522部分に対して動作可能位置で弁フラップ2524を支持することができる。いくつかの構成では、チューブコネクタ2711は、弁フラップ2524が反対になるか又はフレーム2178の入口2706から出て下向きに広がることを防止する止め具を画定する(例えば、
図5を参照されたい)。いくつかの構成では、チューブコネクタ2711は、フラップ支持部2724を含むことができる。いくつかの構成では、チューブコネクタ2711は、少なくとも3つのフラップ支持部2724を含むことができる(
図8を参照されたい)。いくつかの実施形態では、チューブコネクタ2711は、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ若しくは6つ又はそれより多くのフラップ支持部2724を含むことができる。フラップ支持部2724は、チューブコネクタ2711の周壁の内面からチューブコネクタ2711の入口2706内に半径方向内向きに延在することができる。いくつかの実施形態では、フラップ支持部2724は、チューブコネクタ2711の上縁部に隣接して位置決めすることができる。いくつかの構成では、フラップ支持部2724は、弁フラップ2524が反対になるか又は入口2706内に下向きに広がることを防止し得る。
【0131】
少なくとも
図7に示すように、弁2522は、(単独で又はフレーム2178と組み合わせて)弁フラップ2524が閉鎖位置にあるときに空気がマスクアセンブリ2100内外に流れることを可能にする様々な通気路及び弁出口を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、弁アセンブリ2522の通気路2722及び弁出口2720を通して流路が提供される。いくつかの実施形態では、弁2522は、少なくとも2つの通気路2722及び/又は少なくとも2つの横方向の弁出口2720を含むことができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、通気路2722は、入口2706から離れて出口2720に向かって後方に延在することができる。いくつかの実施形態では、通気路2722は、弁2522の内壁を通して出口2720に向かって延在することができる。いくつかの実施形態では、通気路2722は、弁2522の内壁を通して出口2720に向かって延在することができる。いくつかの実施形態では、通気路2722は、出口2720内に後方に且つ下向き延在することができる。いくつかの実施形態では、通気路2722の中心軸が入口2706の(
図11に示すような)中心軸2706Aと鋭角を形成する。
【0133】
いくつかの実施形態では、出口2720は、弁フラップ2524が入口2706に対して閉鎖位置にあるときに通気路2722を介して、排気空気が患者インタフェースから出るか、又は吸入空気が患者インタフェースに入ることを可能にする開口部を画定することができる。
図6に示すように、弁2522は、後壁2523を含むことができ、後壁2523は、出口2720の側の通気路2722の出口から後方に離間され、出口2720の後方の範囲を画定する。こうした構成は、
図3Bに示す矢印によって示すように、排気空気を横方向に向ける空間を提供することができる。弁2522の後壁2523により、排気空気は、使用者から離れるように向けることができる。いくつかの実施形態では、空気を横方向に排気することは、排気空気と使用者との接触を最小限にするのに役立つことができる。いくつかの構成は、排気空気によって患者にもたらされる不快感を低減させるのに役立つことができる。いくつかの実施形態では、出口2720は、組み立てられると、クッションモジュール2150のハウジング2102の下面より下方に延在することができる(
図23及び
図24を参照されたい)。こうした構成では、排気空気は、ハウジング2102によって遮断される可能性がない。
【0134】
図9及び
図10は、弁2522の一部を示すフレーム2178の組立分解図を示す。いくつかの実施形態では、弁フラップ2524は、外周部2524Aと内側リブ2524Bとを含むことができる。外周部2524Aは、リップを含むことができる。リップは、外周部2524Aに沿って延在する厚化領域を画定することができる。いくつかの実施形態では、リブ2524Bは、弁フラップ2524の下側に沿って位置決めすることができる。リブ2524Bは、およそ弁フラップ2524の中心軸に沿って位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、リブ2524Bは、弁フラップ2524の下側部に沿って位置決めすることができる。リブ2524Bは、およそ弁フラップ2524の中心軸に沿って位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、リブ2524Bは、弁フラップ2524の中心に沿って厚化領域を画定することができる。いくつかの実施形態では、外周部2524A及び/又はリブ2524Bは、弁フラップ2524に剛性を与えることができる。外周部2524A及び/又はリブ2524Bは、使用時に加圧空気によってもたらされる弁フラップ2524の膨張及び/又は変形を阻止するのに役立つことができる。いくつかの構成は、弁2522が入口2706に対して開放位置にあるときに通気路2722の周囲に有効なシールを提供するのに役立つことができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、チューブコネクタ2711は、加圧空気源を、弁2522を通してクッションモジュール2150の呼吸チャンバ内に向ける入口2706を画定することができる。入口2706は、使用時に下向きに角度を付けることができる。例えば、
図11に示すように、入口2706の中心軸2706Aは、クッションコネクタ2708の中心軸2708Aと角度を形成することができる。いくつかの実施形態では、この角度は、およそ125度である。いくつかの実施形態では、この角度は、125度を上回るか又は下回る。いくつかの実施形態では、この角度は、およそ124.4度である。いくつかの実施形態では、この角度は、124.4度を上回るか又は下回る。いくつかの構成は、導管2520Aを使用者から離れた状態で維持するのに役立つことができる。いくつかの構成は、望ましくは、マスクアセンブリ2100の前側等において患者インタフェースの嵩高さを最小限にすることができる。
【0136】
図12及び
図14は、ハウジング2102を示すクッションモジュール2150の正面を示す。いくつかの実施形態では、ハウジング2102は、1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つ又はそれより多くのバイアス通気口2502を含むことができる。バイアス通気口2502は、ハウジング2102の底部領域に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、バイアス通気口2502は、ハウジング2102の概して前方に面する面に位置決めすることができる。例えば、バイアス通気口2502は、ハウジング2102の下縁部に隣接して位置決めすることができる。いくつかの構成では、バイアス通気口2502の孔は、組み立てられるとフレーム2178の下縁部に近接及び/又は隣接して位置決めすることができる。好ましくは、バイアス通気口2502は、フレーム2178の下縁部より下方に位置決めされる。こうした構成により、排出空気とフレーム2178との接触を最小限にすることができる。こうした構成は、騒音及び/又は望ましくない気流若しくは空気漏れを低減させるのに役立つことができる。
【0137】
図14は、2つのバイアス通気口2502を含むハウジング2102の一例を示す。バイアス通気口2502は、複数の孔を含むことができる。複数の孔は、他のあり得るパターンもあるが、特に概して三角形のパターンで配置することができる。バイアス通気口2502は、入口2732及び/又はクッションモジュール2150の弁凹部2726の両側部に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、バイアス通気口2502の少なくとも一部は、入口2732の少なくとも一部の下方に位置決めされ、バイアス通気口2502の少なくとも一部は、入口2732の側部を越えて位置決めされる。こうした構成では、バイアス通気口2502の一部のみが横方向に入口2732を越えて位置決めされる。いくつかの実施形態では、バイアス通気口2502は、入口2732の側部を完全に越えて位置決めされる。バイアス通気口2502は、排気空気を分散させるのに役立つように構成することができる。こうした構成により、使用者及び/又は使用者の同床者に対する、排気空気によってもたらされる、通気及び/又は騒音等の妨害を低減させることができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、バイアス通気口2502は、空気がフレーム2178の下方で排気されるように位置決めされる(
図23~
図25を参照されたい)。例えば、バイアス通気口2502は、フレーム2178の下縁部の真下に且つ/又は下縁部に隣接して位置決めされる。こうした構成により、排出空気は、空気流に対する妨げがほとんどないか又は最小限でフレーム2178を通過することができる。上述したように、こうした構成は、排気空気を分散させ、騒音を低減させ、且つ/又は排気空気によってもたらされる妨害を低減させるのに役立つことができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、ハウジング2102は、弁凹部2726を含む。弁凹部2726は、凹面領域を画定することができる。凹面領域は、入口2732の下方に且つ/又は入口2732に隣接して位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、弁凹部2726は、入口2732の最大幅より小さい幅を有することができる。
【0140】
上述したように、弁凹部2726は、A-A弁2522の後方部分及び/又は弁出口2720等、A-A弁2522の少なくとも一部を受け入れることができる。いくつかの実施形態では、弁凹部2726は、A-A弁2522の後面/後壁2523の湾曲に適応するか又は一致する湾曲を含む湾曲面を有する。少なくともいくつかの実施形態では、弁凹部2726により、A-A弁2522をクッションモジュール2150内に埋め込んで、且つ/又はマスクシール2104の前方上部及び/又は鼻領域2168等、マスクシール2104の少なくとも一部の下方に位置決めすることができる。少なくともいくつかの実施形態では、弁凹部2726及び/又はA-A弁2522は、望ましくは、患者インタフェースの全奥行を低減させることができる。これは、患者インタフェースが使用者にとってそれほど邪魔にならないようにし、ホースの引張を低減させるのに役立つことができる。少なくともいくつかの実施形態では、弁凹部2726及び/又はA-A弁2522は、A-A弁2522がマスクシール2104の底部に対してより高く位置決めされ、且つ/又は入口2732がより短くなることを可能にし得る。これは、マスクアセンブリ2100の全体的なサイズを低減させるのに役立つことができる。
【0141】
上述したように、ハウジング2102は、フレームコネクタ2730を含むことができる。
図12に示すように、フレームコネクタ2730は、カラーを形成することができる。カラーは、ハウジング2102の前面からクッションモジュール2150の内部に向かって又はその内部に内向きに突出することができる。フレームコネクタ2730は、入口2730の周辺部の全体又は一部に延在することができる。いくつかの実施形態では、フレームコネクタ2730は、フレーム2178のクッションコネクタ2708を受け入れ且つ/又は保持することができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、フレームコネクタ2730は、フレーム2178のクッションコネクタ2708と係合する固定特徴部を含むことができる。例えば、フレームコネクタ2730は、少なくとも1つのコネクタバンプ2734(例えば、コネクタバンプ2734の対)又は他の保持若しくは位置合わせ特徴部を含むことができる。コネクタバンプ2734は、フレームコネクタ2730の内面の一部に沿って位置決めすることができる。コネクタバンプ2734は、クッションコネクタ2708の対応する係合特徴部2715と係合することができる。係合特徴部2715は、切欠き、凹部又は他の係合特徴部を含むことができる。係合特徴部2715は、クッションコネクタ2708の外面に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、コネクタバンプ2734は、他の係合構成もあるが、特にスナップフィット構成により、クッションコネクタ2708の係合特徴部2715と係合することができる。いくつかの実施形態では、クッションコネクタ2708は、フレームコネクタ2730の対応するコネクタバンプ2734の対を受け入れ且つ/又は保持するように構成されている横方向に対向する凹部2715の対を含む。こうした構成により、クッションモジュール2150にフレーム2178を固定することができる。
【0143】
図16及び
図24に示すように、いくつかの実施形態では、フレームコネクタ2730は、リップ2738を含むことができる。リップ2738は、弁凹部2726の上壁を画定することができる。いくつかの構成では、リップ2738は、ハウジング2102の前側に対して引っ込めることができる。いくつかの実施形態では、リップ2738は、フレームコネクタ2730及び/又は入口2732の少なくとも一部を形成することができる。組み立てられると、リップ2738は、弁出口2720の上方に位置決めすることができる。
【0144】
上述したように、フレームコネクタ2730は、位置合わせ特徴部2714を含むことができる。位置合わせ特徴部2714は、フレームコネクタ2730の入口内に且つ/又は後縁部の前方に半径方向に突出することができる。位置合わせ特徴部2714は、フレーム2178のクッションコネクタ2708の位置合わせ切欠き2710と係合することができる。こうした構成は、マスクシール2104にフレーム2178を位置合わせし且つ/又は固定するのに役立つことができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、マスクシール2104は、実質的に弾性がある。いくつかの実施形態では、マスクシール2104は、鼻領域2168及び口シール部分を含むことができる。鼻領域2168は、鼻開口部2124と右鼻封止面2124A及び左鼻封止面2124Bとを含むことができる。右鼻封止面2124A及び左鼻封止面2124Bは、鼻開口部2124から外向きに延在することができる。いくつかの実施形態では、口シール部分は、口開口部2122を含むことができる(
図13を参照されたい)。
【0146】
少なくとも
図13及び
図14に示すように、クッションモジュール2150は、入口2732を含むことができる。入口2732は、クッションモジュール2150において、空気が呼吸チャンバ内に流れ込むことを可能にする開口部を形成し得る。いくつかの実施形態では、入口2732は、非円形周辺部を含むことができる。いくつかの実施形態では、入口2732の周辺部は、他の形状もあるが、特に概して卵形形状、楕円形形状、正方形形状及び/又は矩形形状である。いくつかの実施形態では、入口2732は、他の形状もあるが、特に概して丸みを帯びた「D」字形状及び/又は丸みを帯びた台形形状を含む。非円形周辺部を有する入口2732は、望ましくは、フレーム2178及びクッションモジュール2150をより容易に組み立て且つ/又は位置合わせするのに役立つことができる。こうした構成は、シール2104のフレーム2178への不正確な組立を防止するのに役立つことができる。こうした構成は、組み立てられると、クッションモジュール2150に対するフレーム2178の回転を阻止又は制限するのに役立つことができる。いくつかの実施形態では、入口2732の非円形周辺部により、弁2522の少なくとも一部を、円形入口2732を有する設計より入口2732の中心に近接して位置決めすることができ、それは、こうした入口2732の非円形構成が円形入口2732より小さい高さを有するためである。こうした非円形構成により、望ましくは、弁2522に対する追加の空間をもたらすことができ、それにより、円形入口を有するマスクと比較して、組み立てられたときのマスクアセンブリ2100の全体的なサイズ(例えば、高さ)が低減する。
【0147】
上述したように、マスクシール2104は、鼻領域2168を含むことができる。鼻領域2168は、左封止面2124B及び右封止面2124Aを含むことができる。いくつかの実施形態では、左封止面2124B及び右封止面2124Aの各々が凸面領域を画定することができる。本明細書において上述したように、左封止面2124B及び右封止面2124Aは、協働して、使用者の鼻を受け入れるように構成されている凹面領域を画定する。左封止面2124B及び右封止面2124Aの凸面領域は、概して平坦化することができる。例えば、平坦化された凸面領域は、左封止面2124B及び右封止面2124Aの頂部から鼻開口部2124に向かって延在することができる。左封止面2124B及び右封止面2124Aが最上点から鼻開口部2124に向かって延在する際、平坦化された凸面領域は、概して直線状輪郭を有することができる。平坦化された封止面2124B、2124Aは、例えば、使用時に鼻領域2168が使用者の鼻と係合するとき、封止面2124B、2124Aにおける折目の形成を防止又は制限するのに役立つことができる。いくつかの構成は、使用時に使用者の鼻の周囲の漏れを最小限にするのに役立つことができる。
【0148】
図17は、鼻領域2168の一部のクローズアップ背面図を示す。左鼻封止面2124Bを図示し説明するが、右鼻封止面2124Aは、同様の特徴を含むことができ、好ましくは左鼻封止面2124Bの鏡像である。図示するように、鼻封止面2124Bは、鼻開口部2124に横方向に隣接して比較的平坦であり得る。いくつかの実施形態では、鼻封止面2124Bが鼻開口部2124から鼻封止面2124Bの最上点に向かって半径方向外向きに広がる際、鼻封止面2124Bの曲率は、比較的低く(例えば、およそ直線状と)なり得る。いくつかの実施形態では、曲率の線2727A、2727B、2727C、2727D、2727Eによって示すように、鼻封止面2124Bが鼻開口部2124から鼻封止面2124Bのおよそ中間点2725まで半径方向外向きに延在する際、鼻封止面2124Bの曲率は、比較的低いことができる。いくつかの実施形態では、鼻封止面2124Bが(例えば、外側鼻封止面領域において)中間点2725を越えて半径方向外向きに延在するのに従い、鼻封止面2124Bの曲率が増大する。
【0149】
曲線プロット2728によって示すように且つより詳細に後述するように、外側鼻封止面領域の曲率半径は、外側鼻封止面領域の表面に沿って後方から前方の方向に低減する。例えば、いくつかの実施形態では、鼻封止面2124Bの後方部分における外側鼻封止面領域の曲率半径は、鼻封止面2124Bの前方部分における外側鼻封止面領域の曲率半径より大きい。すなわち、鼻封止面2124Bは、後方から前方の方向に進んでより小さい湾曲からより大きい湾曲になることができる。
【0150】
図18は、マスクシール2104の上面図を示す。
図19A~
図19Fは、マスクシール2104の後方から見た断面図である。図示するように、いくつかの実施形態では、左鼻封止面2124B及び右鼻封止面2124Aは、少なくとも2つの次元において互いから角度を付けることができる。例えば、前方又は後方から見ると、左鼻封止面2124B及び右鼻封止面2124Aは、概してV字形を形成する角度をなして鼻領域2168から離れて上向きに延在することができる。いくつかの実施形態では、上から見ると、左鼻封止面2124B及び右鼻封止面2124Aは、マスクシール2104又はシールアセンブリ2100の前方2740から後方2742の方向において互いから離れるように角度を付けることができる。こうした構成では、左鼻封止面2124B及び右鼻封止面2124Aを含む鼻領域2168は、概して三角形の形状を形成することができる。こうした構成は、望ましくは、使用者の鼻の形状に適応するか又は概して一致することができる。これにより、使用者に対してより安定性及び/又は快適さを提供することができる。こうした構成は、マスクシール2104からの空気の漏れを低減させるのに役立つことができる。
【0151】
図19Aは、
図18の線19A-19Aに沿った背面断面図を示す。
図19Bは、
図18の線19B-19Bに沿った背面断面図を示す。
図19Cは、
図18の線19C-19Cに沿った背面断面図を示す。
図19Dは、
図18の線19D-19Dに沿った背面断面図を示す。
図19Eは、
図18の線19E-19Eに沿った背面断面図を示す。
図19Fは、
図18の線19F-19Fに沿った背面断面図を示す。
図19A~
図19Fに示すように、鼻領域2168の左鼻封止面2124B及び右鼻封止面2124Aは、下から上の方向において、互いから離れて且つ中心垂直平面から外向きに且つ上向きに角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、左鼻封止面2124Bと右鼻封止面2124Aとの間の角度は、後方から前の方向において増大する。いくつかの実施形態では、鼻領域2168の奥行は、後方から前方の方向において低減する。例えば、角度2744Aは、およそ57度であり得、角度2744Bは、およそ60度であり得、角度2744Cは、およそ64度であり得、角度2744Dは、およそ71度であり得、角度2744Eは、およそ77度であり得、角度2744Fは、およそ88度であり得、それらの間の角度は、こうした範囲の角度であり得る。こうした構成により、鼻領域2168は、使用時、使用者の鼻の先端の上に延在することなく使用者の鼻と係合することができる。こうした構成は、望ましくは、使用者の鼻の形状によりよく一致することができる。これにより、使用者に対してより安定性及び/又は快適さを提供することができる。こうした構成は、マスクシール2104からの空気の漏れを低減させるのに役立つことができる。
【0152】
図20A~
図22Cは、1つの実施形態によるマスクシール2104及びハウジング2102を含むクッションモジュール2150の様々な図を示す。マスクシール2104は、好ましくは、上向きに延在する部分又は上向き拡張部2126の対を含む(例えば、
図21Aを参照されたい)。上向きに延在する部分2126は、シールの中心封止面の両側から上向きに延在している。中心封止面は、マスクシール2104の中心部分に提供されている。上向きに延在する部分を「シールパドル」と称することができる。上面2130は、前後方向においてマスクシール2104の鼻領域2168の中心面に沿って位置する線を画定することができる。こうした線は、使用者の顔面から離れる方向において概して鼻中隔に沿って延在する。上向きに延在する部分2126は、上記のいくつかの構成では鼻孔と並んで上向きに延在するように構成されている。上向きに延在する部分2126は、鼻孔の縁部及び/又は鼻の側面と接触することができる。上向きに延在する部分2126又はマスクシール2104の上向きに延在する部分2126間の部分は、使用者の鼻の先端を覆う場合もあれば覆わない場合もある。本明細書に記載するように、好ましくは、マスクシール2104は、使用者の鼻梁と接触しない。
【0153】
いくつかの構成では、上向きに延在する部分2126は、上向きに延在する部分2126の(鼻封止面2124A、Bを含む)内壁及び外壁によって形成される空気ポケットをそれぞれ含む。こうした空気ポケットは、マスクアセンブリ2100を通して空気路と直接流体連通することができ、上向きに延在する部分2126は、マスクシール2104内の圧力の上昇に応じて容積を拡張し、且つ/又は様々な顔面及び鼻形状に適応するとともに使用者の顔面と封止接触をもたらすのに役立つように内向きに撓曲するように構成することができる。上向きに延在する部分2126の拡張は、特に、使用者の鼻の上及び周囲の変化する輪郭に沿って使用者の顔面に対して封止するのに役立つことができる。上向きに延在する部分2126の内向きの撓曲により、中心部分(例えば、上面2130)は、マスクシール2104の材料の制限がより少なく又は伸縮がより小さく下向きに移動することができ、それにより、マスクシール2104は、様々な鼻形状によりよく沿うことができる。
【0154】
上向きに延在する部分2126の上面2130より上方の高さは、使用者の顔面上のマスクシール2104の安定性(例えば、垂直安定性)と、広範囲の鼻形状に適応し得ること又は上向きに延在する部分2126による視覚的な妨げを低減させることとの間の望ましいバランスを提供するように選択することができる。概して、上向きに延在する部分2126が高いほど、マスクアセンブリ2100のさらなる垂直安定性を提供する傾向がある一方、上向きに延在する部分2126が低いほど、より広範囲の使用者によりよく適合し、視覚的妨げをより少なくする傾向がある。いくつかの構成では、上向きに延在する部分2126の高さは、約10mm~約30mm又は約15mm~約25mmである。いくつかの構成では、上向きに延在する部分2126の高さは、約15mm~約22mm又は約18mm~約20mm(上述した範囲内の任意の値又は部分範囲を含む)である。いくつかの構成では、上向きに延在する部分高さの高さは、約18.5mmである。
【0155】
マスクシール2104は、上向きに延在する部分2126のための支持構造体又は支持部2163も含むことができ、それは、マスクシール2104が使用者によって装着されたときに上向きに延在する部分の形状を保持する、機械的剛性及び構造を提供する懸架部材又はばねの形態であり得る。支持部2163は、シール材料の厚化領域を含むことができる。支持部2163は、好ましくは、上向きに延在する部分2126の後方又は使用者接触面から、上向きに延在する部分2126の前方面に向かって又は前方面まで力を伝達するようなサイズであり、形状であり、且つ/又は他にそのように構成されている。いくつかの構成では、インタフェースアセンブリは、上向きに延在する部分2126のための支持部分又はカバー、例えば上向きに延在する支持部2179を含むことができ、支持部2163は、上向きに延在する部分2126の後方面から、上向きに延在する支持部2179若しくはフレーム2178の別の部分と接触するか若しくはそれに面する上向きに延在する部分2126又はマスクシール2104の前方面又は他の部分まで力を伝達することができる。いくつかの構成では、支持部2163は、上向きに延在する部分2126の後方面から、マスクシール2104、ハウジング2102又はインタフェースアセンブリの他の任意の構成要素の別の支持部分に向かって又はその支持部分まで力を伝達することができる。支持部2163は、加えられる力(例えば、ヘッドギア力)等に応じて、上向きに延在する部分2126又はマスクシール2104の他の関連する若しくは隣接する部分のつぶれに抵抗するか又はそうしたつぶれを防止して、取付を容易にし、使用者にフィードバックを提供することができる。いくつかの構成では、支持部2163は、著しい内部ガス圧がない場合、上向きに延在する部分2126又はマスクシール2104の他の関連する若しくは隣接する部分のつぶれに抵抗するか又はそうしたつぶれを防止することができる。
【0156】
支持部2163は、マスクシール2104の上向きに延在する部分2126の形状を維持するのに役立ち、且つ/又は少なくとも通常の使用中に力を受けることに応じて(顔面接触面を画定する)マスクシール2104の後壁とマスクシール2104の前壁との分離を維持するのに役立つことができる。さらに、支持部2163は、鼻領域2168に支持を提供することができる。特に、支持部2163は、鼻領域2168の折目形成、しわ又はつぶれを及び阻止又は防止する構造を提供することができる。上述したように、鼻領域2168は、好ましくは、マスクシール2104のこの部分が使用者の鼻に沿うことができるように相対的に薄い。相対的に薄い鼻領域2168は、使用者の鼻の周囲で広がって封止することができる。支持部2163は、使用者が自身の鼻をマスクアセンブリ2100内に係合させるときにつぶれを阻止又は防止する、相対的に薄い鼻領域2168に隣接するか又はその近くのシール2104の相対的に剛性の部分又は要素を提供する。
【0157】
いくつかの構成では、支持部2163は、横方向内側部分を実際的な限界の範囲内で望まれる程度に薄くすることができるようにする一方、使用中、上向きに延在する部分2126の鼻封止面2124A、2124Bのしわ又は折目形成の可能性を低減させるのに役立つ。支持部2163は、上向きに延在する部分2126のつぶれを阻止若しくは防止するか、又は上向きに延在する部分2126の所望の形状を維持するのに役立つことができる。例えば、支持部2163は、上向きに延在する部分2126の所望の前後形状及び/又は上向きに延在する部分2126の横方向、すなわち左右形状を維持するのに役立つことができる。提供される支持部のレベルは、異なる方向において異なり得る。いくつかの構成では、支持部2163は、シール材料とは別個の部分又は別個の構成要素として形成することができ、同じであるか又は異なる材料であり得る。こうした別個の支持部2163は、必要に応じて、上向きに延在する部分2126又はマスクシール2104の他の部分に結合することができる。本明細書に開示する支持部2163は、鼻マスクと結合された鼻-口マスクとの両方を含む鼻下型マスクアセンブリで特に有用であり得る。しかしながら、支持部2163は、例えば且つ限定なしに、使用者の鼻梁を覆い、鼻梁と接触するか又は鼻梁に対して封止し、且つ/又はTピース若しくは他のタイプの前頭部支持体を含むものを含む他のタイプのマスクアセンブリ又はインタフェースでも利用することができる。支持部2163は、つぶれに対する支持及び/又は過膨張に対する支持が望ましい場合があるインタフェースの任意の場所で利用又は使用するために変更することができる。こうした場所は、使用者の鼻に接触するか又は鼻と並んで延在するシールの部分又はその近くであり得るか、又は他の場所であり得る。
【0158】
図示する構成では、支持部2163の少なくとも一部は、概して前後方向において上向きに延在する部分2126に沿って延在する。特に、支持部2163は、上向きに延在する部分2126の上縁部2169又は上向きに延在する部分2126の上縁部2169に沿って鼻封止面2124A及び2124Bを接合する領域若しくは隆起部に沿って延在することができる。支持部2163は、鼻領域2168の両側の一部に沿って延在することができる。支持部2163は、概して幅の狭い長尺形状を含むことができる。上方から見ると、支持部2163は、概して三角形の形状を有することができ、三角形の底辺は、三角形の頂点又は点の後方に位置決めされる。側方から見ると、支持部2163は、概して鎌又は三日月形状を有することができる。所望のレベルの支持を達成するため又は隣接する若しくは近くの構造の所望の形状等の他の設計考慮事項のために他の形状が可能である。支持部2163は、他のレベルの支持を提供するため又は他の方向の支持を提供するために追加の部分を有することができる。例えば、支持部2163は、鼻開口部2124の前方側又は後方側の一方又は両方等に沿って互いに接続することができる。いくつかの構成では、支持部2163は、例えば、ハウジング2102まで等、上向きに延在する部分2126を通して完全に延在することができる。
【0159】
クッションモジュール2150の図示するマスクシール2104は、ある範囲及び構成の厚さを有する。厚さは、図示するマスクシール2104の異なる領域において異なる特徴を利用又は提供するように変更される。例えば、様々な領域における厚さは、その領域及び/又は全体としてマスクシール2104に対する所望の特徴に対処するように選択することができる。こうした特徴としては、例えば、マスクシール2104が封止特性若しくは快適さを向上させるように使用者の顔面形状に沿うこと、取付を容易にするための著しい内部ガス圧なしに、且つ/又は内部ガス圧及び/若しくは(例えば、ヘッドギア力によってもたらされる)外部圧力に応じてマスクシールの形状を支持すること又は強度若しくは耐久性を提供することを挙げることができる。
【0160】
上述したように、マスクシール2104は、厚さの異なる様々な領域を含むことができる。こうした構成の例は、本出願人の国際公開第2015/193821A1号パンフレットに開示されており、その出願の全体が参照により本明細書に援用される。概して、マスクシール2104の外面は、方向の急な変化なしに比較的平滑な形状の又は湾曲した面を画定する。異なる厚さは、明らかな壁厚さの変化によってもたらすか、又はマスクシール2104の内面の形状の変化によってもたらすことができる。
【0161】
支持部2163は、上向きに延在する部分2126の他の部分と異なる厚さを有することができ、上向きに延在する部分2126の他の部分より大きい厚さを有することができる。いくつかの構成では、支持部2163は、又はマスクシール2104の最大厚さの間で最も大きい厚さを有することができる。いくつかの構成では、支持部2163の一部又は全体は、約1.5mm~約3.5mmの厚さを有することができる。いくつかの構成では、支持部2163は、約4mm~約5mmの厚さを有することができる。いくつかの構成では、支持部2163の一部又は全体は、約2.5mmの厚さを有することができる。支持部2163の厚さは、一定又は可変であり得る。いくつかの構成では、上向きに延在する部分2126のための支持構造体2163は、鼻領域2168より厚い。
【0162】
使用中にマスクシール2104の顔面接触領域の少なくとも一部のしわの発生を低減させるために、
図21Cに示すマスクシール2104の外周縁部分2162(マスクシール2104の顔面接触部分の一部又はすべてに概して隣接する)が、マスクシール2104の隣接する部分又は他の部分と比較して相当に剛性が高いか又は比較的剛性が高い場合、望ましい性能を提供することが分かった。図示する構成では、外周縁部分2162は、マスクシール2104の後部において概して垂直に延在する部分に沿って延在し、マスクシール2104の後部の底部においてわずかに内向きに折り返す。さらに、外周縁部分2162は、マスクシール2104の後方に面する側からマスクシール2104の横方向に面する側の少なくとも一部まで折り返す。いくつかの構成では、外周縁部分2162は、使用者の頬に沿って延在する。外周縁部分2162は、フルフェイスマスクの場合には頬若しくは使用者の下唇の下方の領域又は鼻マスクの場合には使用者の上唇の上方の領域に向かって又はその領域まで延在することができる。
【0163】
図示する構成では、外周縁部分2162は、口開口部2122の各側部に位置する。いくつかの構成では、外周縁部分2162は、口開口部2122の高さ全体に沿って延在する。外周縁部分2162の上端部は、少なくとも口開口部2122の上端部辺りまで延在することができる。外周縁部分2162の下端部は、口開口部2122の下端部の下方に延在することができる。上述したように、いくつかの構成では、外周縁部分2162は、口開口部2122の下方で内向きに折り返し、外周縁部分2162の一部は、口開口部2122の一部より垂直方向下方に位置決めされる。
【0164】
外周縁部分2162の厚さが比較的増大することは、著しい内部ガス圧が存在しない場合にマスクシール2104のつぶれに抵抗するか又はつぶれを防止して、取付を容易にし、加えられる力(例えば、ヘッドギア力)等に応じて使用者にフィードバックを提供するのに役立つことができる。外周縁部分2162は、マスクシール2104の側部の湾曲形状を維持するのに役立ち、且つ/又は通常の使用中に少なくとも力を受けることに応じて、(顔面接触面を画定する)マスクシール2104の後壁とマスクシール2104の前壁との分離を維持するのに役立つことができる。いくつかの構成では、外周縁部分2162の一部又は全体の厚さは、約1.0mm~約2.0mmであり得る。図示する構成では、外周縁部分2162の一部又は全体は、好ましくは、約1.5mmの厚さを有する。外周縁部分2162の厚さは、外周縁部分2162の境界内で一貫しているか又は変化し得る。
【0165】
いくつかの構成では、上向きに延在する部分2126の外壁又は前面に隣接するシール2104の前面の上方部分は、シール2104内に形成された上部凹状面2432を含む(例えば、
図12及び
図21Bを参照されたい)。図示する構成では、上部凹状面2432は、上向きに延在する部分2126の前側に沿って位置決めされる。上部凹状面2432は、マスクシール2104の前側の外周縁部分2162に沿って延在することができる。上部凹状面2432は、マスクシール2104の側部の周囲を後方に延在することができる。いくつかの構成では、上部凹状面2432は、シール2104の各側において前側の高さのおよそ半分下向きに延在することができる。いくつかの構成では、上部凹状面2432は、前側の半分未満、場合によりシール2104の前側の約1/3、下向きに延在する。シール2104の上縁部分は、シール2104から前方、特に上部凹状面2432から前方に突出する。この突出部は、各上部凹状面2432とともにシールの両側に凹部を形成することができる。フレーム2178がクッションモジュール2150に組み付けられると、上向きに延在する支持部2179は、それぞれの凹部に受け入れられる。上向きに延在する支持部2179は、それぞれの上部凹状面2432に対して支持を提供する。シール2104が使用時に膨張したとき及び/又はシール2104が使用中でない(膨張していない)とき、上向きに延在する支持部2179は、上部凹状面2432と係合する。シール2104の上縁部の前方突出部は、フレーム2178がクッションモジュール2150に組み付けられるとフレーム2178の上縁部の上に延在する張出部を形成する。
【0166】
いくつかの構成では、上部凹状面2432は、周縁部の湾曲に沿って延在する上方前部分の上方周縁部又は上向きに延在する部分2126の上縁部との間に段状遷移部を形成する。いくつかの実施形態では、支持部2163がこの段状遷移部の少なくとも一部を形成することができる。いくつかの構成では、段状遷移部は、一定深さ又は可変深さで延在する。例えば、段状遷移部の深さは、段状遷移部全体を通して一定であり得る。しかしながら、いくつかの構成では、段状遷移部は、変化する。例えば、段状遷移部は、テーパ状であり得る。この構成では、深さは、段状遷移部の下端部又は側端部又は比較的その近くで最小であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、深さは、段状遷移部の上端部又は比較的その近くで最小である。
【0167】
シール2104は、横方向内側部分が有利に小さい壁厚さを有することができるようにする一方、使用中、上向きに延在する部分2126の顔面接触部分のしわ又は折目形成の可能性を低減させるように構成されたさらなる特徴部を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、シール2104の上向きに延在する部分2126の各々の前壁又は外壁は、例えば、
図20A、
図20B、
図21B及び
図21Eに示すように、薄い領域又は薄いポケット2224を含むことができる。前壁は、薄いポケット2224において、周囲の壁部分と比較して低減した厚さを有することができる。例えば、前壁は、薄いポケット2224において0.2mm~0.4mm、好ましくはおよそ0.3mmの厚さを有することができる一方、周囲の壁は、0.4mm~2.6mmの厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、薄いポケット2224の壁厚さは、薄いポケット2224の領域に沿って変化することができる。いくつかの実施形態では、
図21Eに示すように、薄いポケット2224が内面2142に段を形成する一方、薄いポケット2224の領域における前壁の外面が平滑であり且つ連続しているように、薄いポケット2224の壁厚さの変化は、上向きに延在する部分2126の前壁の内面2142に位置することができる。したがって、図示する構成では、薄いポケット2224は、シール2104の外側から可視でない可能性がある(
図20B及び
図21Bは、内面における薄いポケット2224の場所を示すように薄いポケット2224の輪郭を含む)。他の実施形態では、薄いポケット2224は、上向きに延在する部分2126の前壁の凹状外面及び/又は凹状内面を含むことができる。
【0168】
いくつかの実施形態では、薄いポケット2224は、実質的に涙形形状であり得、涙形形状の狭い方の端部又は点は、シール2104の中心前部に近い。薄いポケット2224は、シールの前部に向かって高さがテーパ状となることができ、実質的に上向きに延在する部分2126の上縁部の輪郭を辿る。いくつかの実施形態では、薄いポケット2224は、卵形形状等の任意の好適な形状を有することができる。いくつかの実施形態では、薄いポケット2224の下縁部の少なくとも一部は、シール2104のオーバーモールド領域2106の上方部分によって境界が定められている。薄いポケット2104の低減した壁厚さは、上向きに延在する部分2126又はシール2104の上部前部分に制限され、シール2104の前壁にわたって延在しないようにすることができ、それにより鼻封止面2124A、2124Bの折目形成を低減させるか又は制限することができる。薄いポケット2224の上縁部は、厚化リブ2222によって少なくとも部分的に画定することができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、シール2104の上向きに延在する支持部2126の各々の前壁は、
図20B、
図21C及び
図21Eに示すように、厚化リブ2222を含むことができる。厚化リブ2222は、支持構造体2163の下縁部からシール2104の中心に向かって、上向きに延在する部分2126の外壁の上方部分に沿って延在し、シール2104にさらなる支持を提供することができる。厚化リブは、シール2104の上縁部2169に近接することができるが、同時に上縁部2169から離間され得る。前方から見ると、厚化リブは、斜めに下向きに湾曲し得る。リブ2222は、概して、上向きに延在する部分2126の上縁部の湾曲に従うことができる。
図21Eに示すようないくつかの実施形態では、厚化リブ2222は、上向きに延在する部分2126の前壁の内面2142に位置することができ、厚化リブ2222は、薄いポケット2224と鼻封止面2168との間に後方に突出する構造体を形成する。
【0170】
上述したように、厚化リブ2222は、薄いポケット2224の上縁部の少なくとも一部を画定することができる。例えば、
図20B及び
図21Bに図示するように、リブ2222は、少なくとも部分的に上部凹状面2432の角部/段2144に沿って延在することができる。いくつかの実施形態では、リブ2222は、大部分、上部凹状面2432の角部/段2144に沿って延在することができる。いくつかの実施形態では、
図20Bに示すように、リブ2222が支持構造体2613と合流する場所に隣接して、厚化リブ2222と上部凹状面2432の段2144との間に間隙2226があり得る。間隙2226は、シール2104の周囲の壁に対して低減した厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、間隙2226は、薄いポケット2224と同様の厚さを有することができる。間隙2226は、0.2mm~0.4mm、好ましくはおよそ0.3mmの厚さを有することができる。他の実施形態では、厚化リブ2222は、間隙2226内で段に沿って延在することができる。
【0171】
厚化リブ2222は、上向きに延在する部分2126に対する垂直方向の力に耐えるのに十分な厚さを有することができ、上向きに延在する部分2126の顔面接触部分のしわ又は折目形成の可能性が低減するか又は制限される。例えば、リブ2222は、1.0mm~2.0mm、好ましくは1.1mm~1.4mmの厚さを有することができる。厚化リブ2222は、その長さに沿って変化する厚さを有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、厚化リブ2222は、シール2104の中心領域で相対的に大きい支持を提供するように、シール2104の水平方向中心の近くで最大である厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、厚化リブ2222は、その長さに沿って比較的一貫した厚さ、高さ及び/又は幅を有することができる。厚化リブ2222は、段2144から均一にずれ得る。
【0172】
図22A~
図22Cは、薄いポケット2224及び厚化リブ2222の一方又は両方の存在によって容易にするか又は強化することができる、シール2104のいくつかの位置を示す。
図22Aは、自然な又は弛緩した位置にあるシール2104を示す。薄いポケット2224は、上向きに延在する部分2126の外壁に可撓性を提供し、
図22Bに示すように、鼻領域2168の各側及び/又は上向きに延在する部分2126の内壁に横方向外向きの力が加えられたとき、上向きに延在する部分2126は外向きに撓曲することができる。こうした横方向の力は、使用者の鼻の幅が、鼻封止面が横方向外向きに変形するか又は撓むようなものであるとき、鼻領域2168に加えられる可能性がある。これは、例えば、使用者が特定のシールサイズに対して大きめのである鼻の幅を有する場合に生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、薄いポケット2224は、上向きに延在する部分が陽圧下で膨張することも可能にし得る。これにより、鼻領域2168と使用者の鼻との係合が増大し、したがってシールを強化することができる。一方、
図22Cに示すように、厚化リブ2222は、鼻領域2168の上面2130にシール2104の幾分かの変形をもたらす下向きの力が加えられたとき、鼻領域2168の折目形成を低減させるか又は制限する支持を提供するように構成されている。使用時、下向きの力により、上向きに延在する部分2126が使用者の鼻に向かって内向きに引き込まれる可能性がある。過度の下向きの力が加えられた場合、鼻領域2168は、内向きに、ときに少なくとも部分的にシールの前部に向かってつぶれる可能性がある。厚化リブ2222は、鼻封止面2124A及び2124Bを支持することができ、リブ2222は、上向きに延在する部分2126が下向きに丸まることを促進し、折目形成に対する抵抗を提供する一方、依然としてシール2104が異なる顔面形状に適合することを可能にする。
【0173】
図28は、ヘッドギア2180の一実施形態を示す患者インタフェースの側面図を示す。
図29は、ヘッドギア2180の外面の外側平面図を示し、
図30は、ヘッドギア2180の内面の内側平面図を示し、
図29及び
図30の両方において、ヘッドギア2180は、平らに置かれている。上述したように、ヘッドギア2180は、他の構成要素又は部分もあるが、特に少なくとも2つの上部サイドストラップ2804、少なくとも2つの下部サイドストラップ2802、後部パネル2806及び/又は頭頂部ストラップ2808を含む、ストラップアセンブリを含むことができる。少なくとも
図29及び
図30に示すように、上部サイドストラップ2804は、角度2818で頭頂部ストラップ2808に接続することができる。例えば、上部サイドストラップ2804と頭頂部ストラップ2804との間の角度2818は、およそ144度であり得る。いくつかの実施形態では、角度2818は、130度、135度、140度、145度若しくは150度又はそれより大きい。角度2818により、上部サイドストラップ2804は、使用時、使用者の耳の上方を下向きにフレーム2178まで延在することができる。
【0174】
使用時、上部サイドストラップ2804は、ヘッドギア2180の両側に位置決めすることができ、頭頂部ストラップ2808からマスクアセンブリ2100に向かって下向きに延在することができる。いくつかの実施形態では、上部サイドストラップ2804は、装着されたときに使用者の頬にわたって延在するように構成することができる。いくつかの実施形態では、上部サイドストラップ2804は、フレーム2178の上部ストラップコネクタ2702等において、フレーム2178に調整可能に且つ/又は直接接続することができる。
【0175】
いくつかの実施形態では、下部サイドストラップ2802は、ヘッドギア2180の両側に位置決めすることができる。使用時、下部サイドストラップ2802は、使用者の耳の下方で実質的に水平方向に延在することができる。下部サイドストラップ2802は、後部パネル2806からマスクアセンブリ2100まで又はマスクアセンブリ2100に向かって延在することができる。いくつかの実施形態では、下部サイドストラップ2802は、装着されたとき、概して使用者の顎に沿う等、使用者の顔面にわたって延在するように構成することができる。いくつかの実施形態では、下部サイドストラップ2804は、フレーム2178に調整可能に接続することができる。フレーム2178と下部サイドストラップ2802との接続は、直接及び/又は間接接続を含むことができる。例えば、下部サイドストラップ2802は、ヘッドギアクリップ2600を介してフレーム2178に間接的に接続することができる。
【0176】
図28~
図30に示すように、上部サイドストラップ2804及び下部サイドストラップ2802は、後部パネル2806によって接続することができる。後部パネル2806における上部サイドストラップ2804と下部サイドストラップ2802との接続部は、使用時、使用者の耳の後方に位置決めすることができる。こうした構成により、ヘッドギア2180に安定性及び支持を提供することができる。こうした構成は、装着したときに使用者に対してより快適であり、且つ/又はより審美的に満足のいく外観を提供することができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、後部パネル2806は、ヘッドギア2180のおよそ中心に位置決めすることができる。後部パネル2806は、装着されたときに使用者の後頭部に接触するように構成することができる。いくつかの実施形態では、後部パネル2806は、少なくとも2つ以上の部分を含むことができる。後部パネル2806は、第1部分2806A及び第2部分2806Bを含むことができる。第1部分2806Aは、上部サイドストラップ2804及び下部サイドストラップ2802の一方又は両方と一体的に形成することができる。図示する構成では、第1部分2806Aは、第2部分2806Bによって離間させることができる2つの別個のセクションで構成されている。いくつかの実施形態では、第2部分2806Bは、後部パネル2806のおよそ中心に位置決めすることができる。第2部分2806Bは、少なくとも一部にはスペーサファブリックによって作製することができる。こうしたスペーサファブリックの一例は、本出願人の国際公開第2017/021836号パンフレットに開示されており、その全体が参照により本明細書に援用される。スペーサファブリックは、使用者に対してさらなる快適さを提供することができる。例えば、スペーサファブリックは、望ましくは、軽量で通気性があり、且つ/又は使用者の後頭部にクッション付き領域を形成することができる。いくつかの実施形態では、第2部分のスペーサファブリックは、後部パネル2806の第1部分2806Aから内向きに延在することができる。いくつかの実施形態では、スペーサファブリックは、2つのスペーサファブリック層を含むことができる。例えば、層の各々は、重なり合って層状にすることができる。
【0178】
上述したように、いくつかの実施形態では、ヘッドギア2180は、頭頂部ストラップ2808を含む。頭頂部ストラップ2808は、右部分2810及び左部分2812を含むことができる。いくつかの実施形態では、左部分2812及び右部分2810は、使用者の頭頂部等、使用者の頭部の最上領域にわたって延在するストラップを形成することができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、左部分2812及び右部分2810は、調整可能に結合することができる。いくつかの実施形態では、左部分2812及び右部分2810は、バックルによって調整可能に結合される。いくつかの実施形態では、左部分2812は、アパーチャ2813を含む。アパーチャ2813は、頭頂部ストラップ2808の左部分2812の端部の近くに位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、アパーチャ2813は、頭頂部ストラップ2808の右部分2810の少なくとも一部を受け入れることができる。いくつかの実施形態では、アパーチャ2813により、左部分2812及び右部分2810を調整可能に結合することができる。例えば、左部分2812及び右部分2810を互いに対して摺動可能に調整することができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、右部分2810は、第1凹状領域2811A及び第2凹状領域2811Aを含む。第1凹状領域2811A及び第2凹状領域2811は、右部分2810の両側に沿って形成することができる。第1凹状領域2811A及び第2凹状領域2811は、互いに位置合わせされ、右部分2810の端部からずれて位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、第1凹状領域2811A及び第2凹状領域2811Bは、幅の低減した領域を画定する。幅の低減した領域は、アパーチャ2813を通して摺動することができる。いくつかの実施形態では、幅の低減した領域は、左部分2812及び/又は右部分2810の変形なしに又はほとんど変形なしにアパーチャ2813を通して摺動することができる。
【0181】
左部分2812がアパーチャ2813を有するものとして示し、右部分2810が第1凹状領域2811及び第2凹状領域2811Bを有するものとして示すが、他の構成が企図される。例えば、右部分2810がアパーチャ2813を含むことができ、左部分2812が第1凹状領域2811A及び第2凹状領域2811Bを含むことができる。
【0182】
いくつかの実施形態では、上部サイドストラップ2804、下部サイドストラップ2802及び/又は頭頂部ストラップ2808は、締結特徴部2820を含むことができる。締結特徴部2820は、他の特徴もあるが、特に1つ又は複数のフックファスナ及びループファスナ(面ファスナ)を含むことができる。締結特徴部2820により、ヘッドギアを、使用者が規定した長さ等、様々な長さに調整することができる。いくつかの実施形態では、下部サイドストラップ2802及び/又は上部サイドストラップ2804の締結特徴部2820により、ストラップ2802、2804を容易に調整し且つ/又はマスクアセンブリ2100から取り外すことができる。
【0183】
図31A及び
図31Bは、本明細書の別の箇所に記載するヘッドギアアセンブリと同様であるヘッドギアアセンブリ2180を含むインタフェースアセンブリの一実施形態を示す。
図31Aは、インタフェースアセンブリの正面、上面及び側面斜視図であり、
図31Bは、インタフェースアセンブリの正面及び上面斜視図である。他の構成要素もあるが、特に、ヘッドギアアセンブリ2180は、少なくとも2つの上部サイドストラップ2804、少なくとも2つの下部サイドストラップ2802を含むことができ、それらは、本明細書の別の箇所に記載するヘッドギアアセンブリの対応する構成要素と同様であり得、ヘッドギアアセンブリ2180は、フレーム2178とシール2104を含むマスクアセンブリ2100とに取り付けることができる。
図3A~
図11に関して記載したように、フレーム2178は、空気供給導管2520Aに接続された空気入口又は導管コネクタ部分2706を含むことができる。
【0184】
さらに、ヘッドギアアセンブリ2180は、ヘッドギアコネクタ要素2900も含むことができる。ヘッドギアコネクタ要素は、テザー又はヨークの形態であり得る。
図31A及び
図31Bに示すように、ヘッドギアコネクタ要素2900は、フレーム2178に上部サイドストラップ2804を結合する長尺状可撓性部材であり得る。ヘッドギアコネクタ要素2900は、フレーム2178に結合されると、使用者の鼻の先端の下方でフレーム2178にわたって横方向に延在することができ、ヘッドギアストラップ2800と、上向きに延在する部分2126との間の干渉が防止される。ヘッドギアコネクタ要素2900は、使用者の鼻の下側においてシール2104に正しい力ベクトルをさらに提供することができる。ヘッドギアコネクタ要素2900は、上部サイドストラップ2804間に配置され、2つの上部サイドストラップ2804を接続し得る。ヘッドギアコネクタ要素2900は、フレーム2178に取外し可能に取り付けることができ、それにより、ヘッドギアコネクタ要素2900に接続された上部サイドストラップ2804もフレーム2178に取外し可能に取り付けることができる。
【0185】
いくつかの実施形態では、ヘッドギアコネクタ要素2900は、可撓性材料で構成することができ、ヘッドギアコネクタ要素2900は、マスクアセンブリ2100に取り付けられると、曲がって、フレーム2178の湾曲に従うことができる。いくつかの実施形態では、ヘッドギアコネクタ要素2900は、Pebax(登録商標)2533という名称で販売されている材料等、シリコーン又は熱可塑性エラストマー(TPE)等のエラストマー材料で構成することができる。フレーム2178は、ヘッドギアコネクタ要素2900がフレーム2189に取外し可能に取り付けられるとヘッドギアコネクタ要素2900を保持するように構成されている締結具を含むことができる。締結具2904及びヘッドギアコネクタ要素2900は、任意の好適な機械的接続、例えば雌/雌又はボタン/穴インタロック構成を含むことができる。
【0186】
図32は、マスクアセンブリ2100に組み付けられるフレーム2178に取り付けられた、上部サイドストラップ2804が示されていない、ヘッドギアコネクタ要素2900の正面図を示し、マスクアセンブリ2100は、ハウジング2102とマスクシール2104とを含むクッションモジュール2150を有することができる。
図32に示すように、ヘッドギアコネクタ要素2900は、フレーム2178の上向きに延在する支持部2179の少なくとも一部がヘッドギアコネクタ要素2900の上方に延在するように、フレーム2178の上縁部の下方に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、上向きに延在する支持部2179は、ヘッドギアコネクタ要素2900がシール2104から離間されるように、ヘッドギアコネクタ要素2900のための裏打ち構造として作用することができる。いくつかの実施形態では、ヘッドギアコネクタ要素2900は、上向きに延在する支持部2179に向かって上向きに湾曲することができる。ヘッドギアコネクタ要素2900は、フレーム2178の横方向縁部内に横方向に位置決めされるように、フレーム2178の幅より小さい長さを有することができ、それによりヘッドギアコネクタ要素2900又はストラップループ2940等のその剛性構成要素(詳細に後述する)がシール2104又は使用者の顔面と接触することが阻止又は防止される。
【0187】
図33A~
図33Cは、ヘッドギアコネクタ要素2900を含むヘッドギア2180の正面及び側面斜視図、側面図並びに正面図をそれぞれ示す。ヘッドギアアセンブリ2180は、他の部分又は構成要素もあるが、特に少なくとも2つの上部サイドストラップ2804、少なくとも2つの下部サイドストラップ2802、後部パネル2806及び/又は頭頂部ストラップ2808を含むストラップアセンブリを含むことができる。ヘッドギア2180の構成要素は、
図28~
図30に関連して記載したヘッドギアの構成要素と同様であり得る。例えば、上部サイドストラップ2804は、頭頂部ストラップ2808に接続することができ、下部サイドストラップ2802は、フレーム2178に結合されるそれらの自由端にヘッドギアクリップ2600を含む。また、上述したように、上部サイドストラップ2804は、ヘッドギアコネクタ要素2900にも接続することができ、それによりそれにより、上部サイドストラップ2804、ヘッドギアコネクタ要素2900及び頭頂部ストラップ2808は、閉ループ2910を形成する。いくつかの実施形態では、
図33Aに示すように、ヨークがフレーム2178から取り外されても、ヘッドギアコネクタ要素2900に上部サイドストラップ2804を接続することができ、ヘッドギア2180がフレーム2178から取り外されたとき、上部サイドストラップ2804、ヘッドギアコネクタ要素2900及び頭頂部ストラップ2808によって形成された閉ループ2910が維持される。これにより、ヘッドギアアセンブリ2180及びヘッドギアコネクタ要素2900が例えば洗浄のためにフレーム2708から分離されたとき、使用者の取付/サイジング設定を保持することができる。したがって、ストラップを再調整する必要がないため、使用者がインタフェースを取り付けることがより迅速に且つより容易となる。さらに、ヘッドギアコネクタ要素2900は、上部サイドストラップ2804の自由端を離れたままに保持し、ヘッドギアアセンブリ2180がフレーム2178から分離されたときにそれら自由端が緩く垂れさがり、自由に揺れることを防止し得る。こうした構成により、フレーム2178にヘッドギアアセンブリ2180を結合することが容易になる。
【0188】
図34A~
図34Gは、ヘッドギアコネクタ要素2900の一実施形態を示す。
図34A~
図34Cは、ヘッドギアコネクタ要素2900の正面図、背面図及び側面図をそれぞれ示す。ヘッドギアコネクタ要素2900は、本体部分(「本体」)2920と、本体2920の端部の各々のストラップループ2940とを含むことができる。本体2920は、実質的に平坦及び/又は平面であり得、ヘッドギアコネクタ要素2900がフレーム2178に取り付けられたときにフレーム2178に面するように構成された後方に面する面2924と、後方に面する面2924とは反対側の前方に面する面2922とを有することができる。ヘッドギアコネクタ要素2900は、その自然な形態では比較的平坦又は平面であり得るが、その可撓性により、フレーム2178の湾曲に沿うように曲がることができる。平坦構成要素として形成することにより、ヘッドギアコネクタ要素2900に、その平坦な自然の形態に向かって付勢する弾性を与えることができる。この弾性は、
図33A~
図33Cに示すように、ヘッドギアアセンブリ2180が、マスクに取り付けられていないときに開放形態を維持するのに役立つことができる。さらに、本体2920は、締結具2904に確実にスナップ式に嵌め込まれ、且つ締結具2904によって保持されることを可能にするのに十分なレベルの堅さを有し得る。
【0189】
図示する実施形態では、本体2920は、下縁部の中心に凹部又は凹状部分2980を含む。凹状部分2980は、空気入口2706のボスに重なるのではなく、その上方を通過することにより、審美的魅力を向上させることができる。さらに、凹状部分2980は、本体2920の中心部分の幅を低減させ、したがってインタフェースアセンブリの前部における嵩を最小限にし、それほど目障りでない外観を提供する。本体2920の中心部分の幅が低減することは、ヘッドギアコネクタ要素2900がフレーム2178の表面輪郭に沿うように曲がるのにも役立つことができる。いくつかの実施形態では、本体2920は、凹状部分を含まない場合があり、本体2920の上縁部及び下縁部は、少なくとも実質的に互いに平行に延在することができる。
【0190】
ストラップループ2940は、上部サイドストラップ2804を受け入れ且つ保持するのに任意の好適な形状/寸法を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、上部サイドストラップ2804の各々の自由端をストラップループ2940の1つに通し、折り返し、ヘッドギア2180のサイズを設定するように使用者が規定した場所でそれ自体に固定することができる。例えば、当技術分野において既知である任意の好適な締結具、例えば面ファスナ又はVelcro(登録商標)を使用して、ループ2940の周囲に上部サイドストラップ2804を固定することができる。ストラップループ2940は、上部サイドストラップ2804の幅と実質的に同じか又はそれより大きいものであり得る長さLの内部スロットを有することができ、上部サイドストラップ2804は、ループ2940に結合されるときにキンクしない。さらに、本体2920は、上部サイドストラップ2804の幅と実質的に同様であるか又は同じである幅Wを有することができ、ヘッドギアコネクタ要素2900及び上部サイドストラップ2804は、使用者の頭部及びマスクアセンブリ2100の周囲全体に延在する単一のストラップと同様の外観を有する。図示する実施形態では、ヘッドギアコネクタ要素2900は、ストラップループ2940が上向きに角度が付けられるように上向きに凹状の形状であり、したがって上部サイドストラップ2804がストラップループ2940に結合されると、ストラップ2804は、使用者の耳と眼との間を通過するように上向きに向けられる。しかしながら、ヘッドギアコネクタ要素2900及び本体2920は、フレーム2178に沿うように且つ上部サイドストラップ2804を望ましい方向に向けるように、任意の好適な形状を有することができる。
【0191】
ストラップループ2940は、ストラップ2804に結合されたときにそれらの形状を維持するように、本体2920より剛性の高い材料から形成することができる。さらに、ストラップループ2940は、上部サイドストラップ2804がループ2940を通して平滑に摺動することを可能にする低摩擦表面仕上げを有し得る。いくつかの実施形態では、ストラップループ2940は、より高摩擦面を含むことができるか、又はストラップループ2940は、ストラップ2804がストラップループ2940を通して自由に落下しないように、ストラップとの幾分かの干渉を提供するような形状及び/又はサイズである。ストラップループ2940とストラップ2804との間のこうした干渉により、ストラップが折り返され、それ自体に固定されていないときでも、ストラップがヘッドギアコネクタ要素2900に組み付けられたままにすることができ、したがってストラップ2804が取り付けられ、調整される際の容易さが向上する。
【0192】
いくつかの実施形態では、ストラップループ2940は、ナイロン等のシリコーン又は熱可塑性エラストマー(TPE)と異なる材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、ストラップループ2904は、例えば、本体2920とは別個の構成要素として成形することにより構成し、後に本体2920と結合して、ヘッドギアコネクタ要素2900を形成することができる。
図34Dは、ストラップループ2940及び本体2920を結合する構成の一例を示すために本体2920が輪郭図で示されている、ヘッドギアコネクタ要素2900の図を示す。図示する実施形態では、本体2920は、ストラップループ2940の各々の一方の側から延在するオーバーモールドタブ2942において、ストラップループ2940上にオーバーモールドすることができる。いくつかの実施形態では、オーバーモールドタブ2942は、本体2920のオーバーモールド材料と機械的インタロックを形成するように、貫通する1つ又は複数の孔2943を有することができる。ストラップループ2940及びオーバーモールドタブ2942は、オーバーモールド基材としての役割を果たすことができるため、非常に堅い材料から作製することができ、それによりオーバーモールドプロセス中にオーバーモールド領域を通してオーバーモールドタブ2942が撓曲するか又は他にねじれ、あり得る結果として裂けることが阻止又は防止される。いくつかの実施形態では、オーバーモールドタブ2942は、タブ2942がオーバーモールド領域を通して撓曲し裂けることを防止する追加の支持部を含み得る。オーバーモールドに対してさらに又は代わりに、いくつかの実施形態では例えば接着剤及び/又は熱溶接によりストラップループ2940及び本体2920を結合することができる。
【0193】
いくつかの実施形態では、本体2920は、フレーム2178の締結具2904を受け入れるアイレットの形態の1つ又は複数の締結具アパーチャ2960をさらに含むことができる。図示する実施形態では、本体2920は、2つの締結具2904を受け入れる2つのアパーチャ2960を有する。いくつかの実施形態では、ヘッドギアコネクタ要素2900のフレーム2178への追加の結合又はより確実な結合のためにより多くの取付点があるように、ヘッドギアコネクタ要素2900及びフレーム2178は、3つ以上のアパーチャ2960及び締結具2904を有することができる。アパーチャ2960は、締結具2904を受け入れ且つ保持することができる任意の適切な形状を有することができる。例えば、図示する実施形態におけるように、アパーチャ2960及び締結具2904は、円形形状を有することができる。
図34Bに示すように、ヘッドギアコネクタ要素2900は、アパーチャ2960の各々の周囲に位置し、且つそれを包囲する1つ又は複数のリム2962も含むことができる。リム2962は、アパーチャ2960がヘッドギアコネクタ要素2900の多数回の取付/取外しサイクルに耐えるのに役立つことができるように、より堅いか又はより弾性のある材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、リム2962は、本体2920と同じ材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、リム2962は、熱可塑性エラストマー(TPE)で構成することができる。いくつかの実施形態では、リム2962は、本体2920より大きい厚さを有することができる。リム2962は、本体2920より厚くすることができるため、本体2920から突出することができる。図示する実施形態では、厚化リム2962は、ヘッドギアコネクタ要素2900がフレーム2178に結合されると見えなくなるように、ヘッドギアコネクタ要素2900の後面2924にのみ提供される。いくつかの実施形態では、リム2962は、前側面2922又は前面2922及び後面2924の両方に形成することができる。
【0194】
図35Aは、締結具2904を有するフレーム2178の一実施形態を示す。図示する実施形態では、フレーム2178は、フレーム2178の前面から突出する2つの雄型締結具2904を含む。各雄型締結具2904は、ヘッドギアコネクタ要素2900のアパーチャ2960の1つを通過して、ヘッドギアコネクタ要素2900をフレーム2178に締結するように構成されている。しかしながら、締結具2904及びアパーチャ2960は、当技術分野において既知である任意の取外し可能な取付機構に置き換えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、フレーム2178が雌型構成要素を有することができ、ヘッドギアコネクタ要素2900が雄型構成要素を有することができる。フレーム2178及びヘッドギアコネクタ要素2900は、他の機械的接続機構を有することができる。例えば、ヘッドギアコネクタ要素2900は、フレーム2178のスロット内に押し込まれるように構成することができ、ヘッドギアコネクタ要素2900は、フレーム2178にわたって伸縮嵌合するように構成することができるか、又はヘッドギアコネクタ要素2900及びフレーム2178は、摺動グライダ型構成を有することができる。1つのこうした摺動グライダ型構成では、ヘッドギアコネクタ要素2900の1つ又は複数の取付部材(例えば、フィラメント又はストラップ)がフレーム2178の1つ又は複数の好適なレセプタクル構造(例えば、空洞)によって受け入れられ、ヘッドギアコネクタ要素2900とフレーム2178との間の幾分かの量の相対的な摺動が可能になる。いくつかの実施形態では、ヘッドギアコネクタ要素2900及びフレーム2178は、1つ又は複数の面ファスナによって結合することができる。
【0195】
フレーム2178の拡大断面図を示す
図35Bに示すように、雄型締結具構成要素2904の各々は、ポスト2934を含み、ポスト2934の最上端部に拡大頭部2932がある。拡大頭部2932は、ヘッドギアコネクタ要素2900のアパーチャ2960より大きい断面寸法/面積を有することができる。拡大頭部2932は、ポストの周辺部から延在するフランジの形態であり得る。拡大頭部2392は、フレームから離れて外向きに面する実質的に平面の面を形成することができる。いくつかの実施形態では、拡大頭部2932は、ポスト2934に対して横方向にずれるか又は非対称であり得る。それぞれのポストの拡大頭部2932は、反対方向において非対称であり得る。拡大頭部2932の非対称性は、ヘッドギアコネクタ要素2900をフレーム2178に締結するのに役立ち、ヘッドギアコネクタ要素2900の端部がフレームから跳ね出ることを防止し得る。さらに、この設計により、成形型の延伸面を簡略化することによってフレーム2178の製造可能性を向上させることができる。締結具構成要素2904の高さ(すなわち締結具構成要素2904がフレーム2178の前面から突出する距離)は、成形型の延伸面から決定することができる。図示する実施形態では、締結具2904は、3.5mmの高さを有する。いくつかの実施形態では、締結具2904は、3.5mmより大きいか又は小さい、例えば2~10mm、3~7mm又は3~4mmの高さを有することができる。
【0196】
ヘッドギアコネクタ要素2900の底面図である
図34Eを参照すると、ヘッドギアコネクタ要素2900は、その長さに沿って変化する厚さを有することができる。
図34Fに示すようないくつかの実施形態では、本体2920は、例えば、2.5mmの厚さAを有する最薄領域であり得る。いくつかの実施形態では、本体2920は、1~5mm、1.5~4mm又は2~3mmの厚さを有することができる。本体2920の厚さは、本体2920を形成する弾性材料の特性と組み合わせて、所望の程度の可撓性を提供するように選択することができる。いくつかの実施形態では、本体2920は、その長さに沿って少なくとも実質的に一定の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、本体2920の一部、例えば本体2920の中心部分はより小さい厚さを有することができ、それにより、そうした部分は、ヘッドギアコネクタ要素2900が曲がるのに役立つようにより可撓性が高い。
【0197】
図34Eに示すヘッドギアコネクタ要素2900の拡大図である
図34Fに示すように且つ本明細書の別の箇所に記載するように、厚化アパーチャリム2962を形成するように、締結具アパーチャ2960の周辺部にわたって厚さを増大させることができる。図示する実施形態では、リム2962は、3.25mmの厚さBを有することができる。いくつかの実施形態では、リム2962は、1~7mm、2~5mm又は3~4mmの厚さを有することができる。
【0198】
リム2962の厚さは、それらが取り付けられる雄型締結具ポスト2934の高さに基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、拡大頭部2932の最上部は、締結具2904がアパーチャ2960に結合されたとき、ヘッドギアコネクタ要素2900の前方に面する面2922と同一平面であるか又は比較的同一平面であり得る。これにより、より滑らかな外観を与えることができ、またヘッドギアコネクタ要素2900をフレーム2178に締結するとき、ポスト2934が使用者の指に食い込み不快感をもたらすことを防止することも可能である。いくつかの実施形態では、アパーチャ2960が締結具2904を完全に通過し、締結具2904によって保持され得るように、リム2962の厚さBは、締結具2904の高さよりわずかに小さくすることができる。リム2962の厚さは、締結具ポスト2934の高さに基づいて決定することができるが、ヘッドギアコネクタ要素2900全体が、リム2962の厚さ又は締結具2904の高さと一致する厚さを有することが望ましくない可能性があり、それは、それによりヘッドギアコネクタ要素2900の可撓性が制限され、材料の使用が増加するためにヘッドギアコネクタ要素2900及びインタフェースがより重く且つより高価になる可能性があるためである。したがって、いくつかの構成では、リム2962のみを厚くすることができる。いくつかの実施形態では、
図34Dの線34G-34Gに沿ったヘッドギアコネクタ要素2900の断面図を示す
図34Gに示すように、アパーチャ2960の内面2964は、少なくとも部分的にトロイド形状であり得る。内面2964は、雄型締結具2904のポスト2934の外径に実質的に一致する最小径を有することができる。その結果、ヘッドギアコネクタ要素2900がフレーム2178に接続されてスナップフィット又はインタロック接続がもたらされるとき、ポスト2934とアパーチャ2960を画定するヘッドギアコネクタ要素2900の部分との一方又は両方の一時的な変形が生じる。アパーチャ2960の内面2964の直径は、ヘッドギアコネクタ要素2900の前方に面する面2922と後方に面する面2924との両方において相対的に大きくすることができる。これにより、ポスト2934のための導入部が提供され、且つ/又は完全に組み立てられるときに頭部2932の少なくとも一部をヘッドギアコネクタ要素2900内に埋め込むことができ、頭部2932は、ヘッドギアコネクタ要素2900の前面2922から極端に突出して衣類等の物体に引っ掛かることがない。いくつかの実施形態では、
図36に示すように、頭部2932は、ヘッドギアコネクタ要素2900の前方に面する面2922を越えて突出することができる。
【0199】
ストラップループ2940は、本体2920より大きい厚さCを有することができる。いくつかの実施形態では、厚さCは、アパーチャリム2962の厚さBより小さくすることができる。他の実施形態では、厚さCは、厚さBと同じか又はそれより大きくすることができる。図示する実施形態では、ストラップループ2940の厚さCは、3mmであり得る。いくつかの実施形態では、ストラップループ2940は、1~5mm、2~4mm又は2.5~3.5mmの厚さを有することができる。
図34Gに示すように、オーバーモールドタブ2942は、本体2920の材料によって完全に封入されるように、本体2920の厚さAより小さい低減した厚さDを有することができる。いくつかの実施形態では、オーバーモールドタブ2942は、1mmの厚さDを有することができる。いくつかの実施形態では、オーバーモールドタブ2942は、0.5~1.5mmの厚さD又は他の任意の好適な厚さを有することができる。
【0200】
図37A及び
図37Bは、ヘッドギアコネクタ要素2900の別の実施形態を示す。
図31A~
図36に関連して記載したヘッドギアコネクタ要素2900と同様に、ヘッドギアコネクタ要素2900は、本体2920と、本体2920の各端部に取り付けられたストラップループ2940と、アパーチャ2960とを含むことができる。本体2920は、前面2922及び後面2924を含む。図示する実施形態では、本体2920は、Breath-o-Prene(登録商標)等のフォーム及び/又は布ラミネートで構成することができ、したがって、本体2920は、上述したTPEで構成された本体2920より高可撓性であり得る。いくつかの実施形態では、前方に面する面2922は、布材料で構成することができ、後方に面する面2924は、フォーム材料で構成することができ、本体2920の布地の前面2922が上部サイドストラップ2804の外観及びテクスチャとの連続性を提供する。いくつかの実施形態では、前方に面する面2922及び後方に面する面2924の両方を1種又は複数の布材料で構成することができる。ストラップループ2940は、本体2920より堅い材料で構成することができる。図示する実施形態では、本体2920は、ストラップループ2940に溶接することができる。いくつかの実施形態では、本体2920は、接着剤又は縫合によりストラップループ2940に付着させることができる。
【0201】
本明細書の別の箇所に記載するように、アパーチャ2960の領域における本体2920は、締結具2904の拡大頭部2932に確実にスナップ式に嵌め込まれ、且つ締結具2904を保持するように一定レベルの堅さを有することができる。しかしながら、布ラミネート及び/又はフォームで構成された本体2920は、こうしたレベルの堅さを有していない場合がある。したがって、ヘッドギアコネクタ要素2900は、より堅い材料から作製されたアパーチャリム2962を有することができる。いくつかの実施形態では、リム2962は、TPEから作製することができ、アパーチャ2960を通して延在し、本体2920の前方に面する面2922及び後方に面する面2924の両方を越えて突出する、オーバーモールドされたグロメットとして形成することができ、このグロメット2962は、アパーチャ2960に対して補強を提供する。
【0202】
ここで、
図38~
図87を参照すると、バイアス通気口2502及び関連するディフューザの異なる構成を含むマスクアセンブリ2100の様々な実施形態が示されている。これらの例のいくつかは、ハウジング2102がハウジング2012の底辺縁部に2つのバイアス通気口2502を含む
図14の例と同様のバイアス通気口構成を使用する。これらの例のいくつかは、異なるバイアス通気口構成を使用する。
【0203】
さらに、
図31の実施形態では、ヘッドギアコネクタ要素2900がテザー又はヨークの形態で提供される。
図31A及び
図31Bに示すように、ヘッドギアコネクタ要素2900は、ヘッドギアの上部サイドストラップ2804をフレーム2178に結合する長尺状可撓性部材であり得る。上述したように、ヘッドギアコネクタ要素2900は、フレーム2178に結合されると、使用者の鼻の先端の下方でフレーム2178にわたって横方向に延在することができる。
【0204】
図38~
図44を参照すると、この実施形態は、バイアス通気口2502がマスクフレーム2178に提供され、ディフューザ3000がヘッドギアコネクタ要素2900に提供されるように変更することができる。この例では、ディフューザ3000は、ヘッドギアコネクタ要素2900に取り付けられるか、又はマスクフレーム2178とヘッドギアコネクタ要素2900との間の適所に保持されるディフューザ材料の部分を含む。
【0205】
上述したように、ヘッドギアコネクタ要素2900は、ヘッドギアコネクタ要素2900の対応するアパーチャと係合する締結具2904を用いて、マスクフレーム2178の適所に保持される。
【0206】
ヘッドギアコネクタ要素2900は、この例では、マスクフレーム2178の湾曲した外側前面の周囲で撓曲するプラスチック又はシリコーン等の半剛性材料の平面部品である。ヘッドギアコネクタ要素2900は、中心本体2090から延在している反対側の横方向に延在するアーム2920Aの対を提供するような形状である中心本体2920と、本体2920の横方向に延在するアーム2920Aの端部の各々におけるストラップループ2940とを含む。
【0207】
したがって、ヘッドギアコネクタ要素2900は、マスクフレーム2178にわたって横方向に延在し、本体2920に中心に位置する窓又はアパーチャと、対向する横方向ストラップループ2940の対とを有する。ヘッドギアコネクタ要素2900は、ストラップループ2940から中心領域に向かって下向きに湾曲して「U」字形状を形成する。ヘッドギアコネクタ要素2900の下部中心領域は、マスクフレーム2178に取り付けられると、バイアス通気口2502の通気孔の前方に位置する。
【0208】
この例では、
図41に最もよく見ることができるように、ヘッドギアコネクタ要素2900に1つ又は複数のディフューザアパーチャ2900A、この場合、こうしたアパーチャ2900Aの対がマスクアセンブリ2100の垂直中心線の各側に1つ提供されている(
図41では、バイアス通気口2502の孔が示されていないことに留意されたい)。
【0209】
ディフューザアパーチャ2900Aは、マスクフレーム2178上のバイアス通気口2502と位置合わせされるようにヘッドギアコネクタ要素2900の上に配置されている。したがって、バイアス通気口2502は、バイアス通気孔の2つのアレイを含み、そのアレイは、マスクアセンブリ2100の垂直中心線を中心に等間隔に配置されている。アレイは、マスクフレーム2178上にU字又はV字形状を形成するように配置されている。通気孔は、マスクフレーム2178の前面において、入口2706の上方に且つ締結具2904の下方に位置している。通気孔は、吐出空気を使用者の顔面から離れるように向け、使用者の顔面に対する気流を低減させるように向けられ、フレーム2178の後部にクッションコネクタ2708を形成する突出ボス内に位置決めされている。好ましくは、CO2の十分なフラッシングを提供するように構成された0.5~3mmの直径の任意の数の通気孔を使用することができる。
【0210】
通気孔を通した空気流は、騒音をもたらす可能性がある(使用者によって吸入される空気と比較して)高い速度を有する可能性がある。これは、少なくとも部分的に、ディフューザ3000を使用することによって対処され、ディフューザ3000は、空気を拡散してその速度を低下させるディフューザ材料の一部分を含む。空気の拡散は、ディフューザ材料の組成物が空気に対する曲がりくねった通路を生成するため、発生する。ディフューザ材料は、ニードルパンチ不織布(例えば、フェルト)等の適切な材料の単一片又は複数片であり得る。1つの例では、ディフューザ材料は、ニードルパンチ熱接着ポリエステル(100%PET)から作製されたディフューザマットとして形成される。代わりに、他の任意の布材料又は材料の組合せを使用することができる。この材料を含む繊維を絡ませるか又は機械的にかみ合わせて、空気が通過する曲がりくねった通路が形成される。これにより空気流が散乱し、その速度が低下し、したがって騒音が低減する。
【0211】
ディフューザアパーチャ2900Aは、アパーチャ2900Aの中、上又は下にあり得るディフューザ材料(図示せず)によって覆われている。ディフューザ材料は、バイアス通気口2502を通してバイアス流を拡散させ、したがって騒音を低減させることができ、使用者の顔面に対するいかなる噴流又はバイアス流も低減させるか又は防止することができる。
【0212】
ディフューザ材料は、例えば、オーバーモールド、接着剤若しくは機械式クリップにより、ヘッドギアコネクタ要素2900に永久的に取り付けることができるか、又は例えば摩擦係合、クリップ若しくはスナップフィットコネクタ等により、取外し可能に取り付けることができる。
【0213】
ディフューザ3000は、ディフューザ材料と通気孔との間にオフセット距離をもたらすように、ヘッドギアコネクタ要素2900の外側前面に位置する。このオフセットにより、湿った吐出空気により幾分かの湿気を保持するディフューザ材料が通気孔と直接接触しないことが確実になる。湿った吐出空気は、ディフューザに衝突する/ディフューザを通過するとき、凝縮する可能性があり、それによりディフューザ内に湿気が保持される。こうした湿気保持は、望ましくない。ディフューザ材料と通気孔との間のオフセットにより、この湿気が通気孔と接触することが防止されるか、又は少なくともこうした接触が最小限になるか若しくは低減する。したがって、これにより、ディフューザ材料からの湿気が通気孔まで移動して通気孔を詰まらせるか又は塞ぐことが最小限になる。ディフューザ3000は、代わりに、例えば
図49に示すような突起若しくは凹部等、通気孔とディフューザ材料との間にオフセットをもたらす追加の特徴を含むヘッドヘッドギアコネクタ要素2900又はマスクフレーム2178の前面の湾曲より急峻な湾曲を有する後面を含み、それによりマスクフレーム2178の前面から離れて位置するヘッドギアコネクタ要素2900の内面又は後面に取り付けることができる。
【0214】
ディフューザ3000は、ヘッドギアコネクタ要素2900のアパーチャ2900Aを覆い、すなわち、これは、通気孔構成が位置する領域に対応する形状を有する単一のアパーチャであり得る。
図41に最もよく見ることができるように、このアパーチャは、いくつかの別個のアパーチャ又は窓2900Aを生成するように分割構造体2900Bによって分割することができる。これらの分割構造体2900Bにより、ヘッドギアコネクタ要素2900の堅さが増大し、ヘッドギアコネクタ要素2900が受ける可能性がある曲げ又は撓曲の量が低減する。これにより、ヘッドギアコネクタ要素2900のマスクフレームへのより確実な取付、したがって通気孔に対するディフューザ3000の配置が事実上確実になる。
【0215】
図42及び
図43を参照すると、代替実施形態がヘッドギアコネクタ要素2900を含み、このヘッドギアコネクタ要素2900は、ヘッドギアコネクタ要素2900に対して追加の安定性及び堅さを提供する連結構造体2900Eを含む。連結構造体2900Eは、ヘッドギアコネクタ要素2900の左横方向ストラップループ2940と右横方向ストラップループ2904とを接続するか又はそれらの間に延在する連結又は接続要素を含む。この構造体2900Eは、ヘッドギアコネクタ要素2900の2つの横方向ストラップループ2940間の一定距離を維持して、ヘッドギアコネクタ要素2900の中心が受ける、それを変形させ、マスクフレーム2178の前面から離れるように前方に押し出す可能性があるねじりを低減させる。これにより、ヘッドギアコネクタ要素2900が、マスクフレーム2178に取り付けられたときに通気孔から離れるように押される可能性がある距離が最小限になる。これにより、ヘッドギアコネクタ要素2900の中心がねじりを受けるとき、2つの構造体間の距離の増大が低減する。
【0216】
図42の矢印Aのように、ヘッドギアコネクタ要素2900の側端部がマスクフレーム2178に対して下向きに又は上向きに移動し且つ/又はねじれたとき、ヘッドギアコネクタ要素2900の曲げが生じる。これにより、ヘッドギアコネクタ要素2900の上縁部がヘッドギアコネクタ要素2900の側端部の移動に対してそれぞれ上向き又は下向きに曲がることになる。マスクフレーム2178又はヘッドギアコネクタ要素2900にマスクフレーム2178又はヘッドギアコネクタ要素2900の他方と係合して、こうした移動に抵抗するように、位置付け特徴部2178Aを提供することができる。この例では、
図42を参照すると、位置付け特徴部2178Aは、マスクフレーム2178の外面において、この移動を制限する隆起部分又は突起を含む。位置付け特徴部2178Aは、連結構造体2900Eの上縁部に対して相補的であり、ヘッドギアコネクタ要素2900の上向き移動を制限し、したがってヘッドギアコネクタ要素2900の過度な曲がり又は撓曲を制限する。
【0217】
ここで、
図45~
図49を参照すると、マスクフレーム2178にディフューザ3000が提供され、ディフューザ3000は、同様にマスクフレーム2178にあるバイアス通気孔2502の1つ又は複数のアレイと位置合わせされる。
【0218】
この例では、バイアス通気口2502は、マスクフレーム2178の入口2706の上方において、マスクフレーム2178の垂直中心線にわたって延在する通気孔の単一のアレイを含む。バイアス通気口アレイは、この例では、垂直中心線を中心に対称に延在している。
【0219】
ディフューザ3000は、マスクフレーム2178に取り付けられるか又はマスクフレーム2178の一体部品を形成し、且つバイアス通気口アレイ2502の周囲に延在するように位置決めされたディフューザフレーム3002を含む。ディフューザフレーム3002は、ディフューザ材料3004(
図4及び
図46には図示せず)の一部を保持するように構成されている。そのように保持されると、ディフューザ材料3004は、バイアス通気口2502の孔を覆って、バイアス通気口2502を通したバイアス流を拡散させる。
【0220】
この実施形態は、
図28~
図44の実施形態と同様に、レーザ穴あけされた又はマスクフレーム2178の中心に成形された通気孔を特徴として含む。この通気孔構成は、実質的にU字若しくはV字形状であるか、又は円形又は水平、垂直若しくは傾斜した直線など、他の任意の好適な形状で配置され得る。孔は、吐出空気を使用者の顔面から離れるように向けるとともに使用者の顔面に対する気流を低減させるように向けられ、フレーム2178の後部にクッションコネクタ2708を形成する突出ボス内に位置決めされている。
【0221】
この実施形態は、上部ヘッドギアストラップが接続されるヘッドギアコネクタ要素2900も特徴として含む。しかしながら、この例では、ヘッドギアコネクタ要素2900は、ディフューザを保持又は支持せず、バイアス通気口2502を覆わない。
【0222】
代わりに、ディフューザ3000は、通気孔アレイの形状に対応するディフューザフレーム3002によって保持される。ディフューザフレーム3002の壁は、ディフューザ材料3004の縁部を包囲し、ディフューザフレーム3002の後側又は前側のいずれかが、壁から離れて内向きに延在するリップ又はリム3006を特徴として含む(特に
図50を参照されたい)。リップ3006は、ディフューザ3000に対する支持構造としての役割を果たし、バイアス通気口2502とディフューザ材料3004との間に空間を提供して、湿った空気からの凝縮体が通気孔を塞ぐことを防止し得る。ディフューザ3000は、接着、溶接、オーバーモールド又は他の任意の好適な方法によってディフューザフレーム3002に取り付けることができ、この取付は、永久的又は非永久的であり得る。前者では、ディフューザ材料3004が交換を必要とするときにディフューザフレーム3002及びディフューザ材料3004の交換を必要とするが、後者ではディフューザ材料3004のみを容易に交換することができる。
【0223】
ディフューザフレーム3002自体は、マスクフレーム2178上のクリップ3008を介してマスクフレーム2718の前壁に固定される。この例では、バイアス通気口2502の通気孔アレイに隣接して、横方向に対向するクリップ3008の対が提供されている。各クリップ3008は、通気孔アレイのそれぞれの左側辺縁部及び右側辺縁部に隣接して位置し、マスクフレーム2178の中心線から横方向に離間されている。クリップ3008は、マスクフレーム2178の前壁の外面から前方に突出している。
図46に最もよく見ることができるように、クリップ3008は、ディフューザフレーム3002の左壁及び右壁の対応する構造体と係合し且つ機械的に結合するように構成されている。ディフューザフレーム3002とクリップ3008との機械的結合は、スナップフィット機構などの単純な保持機構を通して達成することができ、それにより、クリップ3008は、かかり付きとし、ディフューザフレーム3002がマスクフレーム2718に押し付けられると撓むことができ、ディフューザフレーム3002がマスクフレーム2718上に完全に押し付けられると、クリップ3008は、ディフューザフレーム3002と係合するようにスナップ式に嵌め込まれる。代替実施形態は、ディフューザフレーム3002とクリップ3008との摩擦嵌め係合を使用することができる。
【0224】
この実施形態の一変形形態では、ディフューザフレーム3002は、マスクフレーム2718と一体化することができ、それにより、これらの構成要素は、単一ユニットを構成し、クリップ3008を不要にする。この例では、ディフューザ材料3004は、ディフューザフレーム3002に取外し可能に取り付けられ、必要に応じて交換することができる。
【0225】
さらに
図49を参照すると、ディフューザフレーム3002は、マスクフレーム2178とディフューザフレーム3002の壁との間に通路を提供するように上壁、底壁又は側壁に間隙又は空間3002Aを特徴として含む。これらの間隙3002Aは、吐出空気が通して流れる代替的な流路を提供する。これにより、空気が、ディフューザ3000のみを通るのではなく、より低い抵抗でマスクから出ることができることが確実になる。この例では、ディフューザフレーム3002は、マスクフレーム2178の前壁の表面からディフューザ材料3004を離間させる(3012)。これにより、吐出中に(吐出空気中の)より多くのCO2ガスをマスクから排出することができるか、又はCO2ガスをより高速に押し流すことができる。
【0226】
ここで、
図51~
図60を参照すると、クッションコネクタ構造体2708上にバイアス通気口を含むマスクアセンブリ2100が提供される。上述したように且つ例えば
図11から分かるように、フレーム2178は、フレーム2178の後側に位置決めされたクッションコネクタ2708を含むことができる。いくつかの実施形態では、クッションコネクタ2708は、フレーム2178と一体的であり、フレーム2178の前壁2701の後面2178Aから後方に延在している。クッションコネクタ2708は、入口2706とクッションモジュール2150との流体接続を提供することができる。クッションコネクタ2708は、フレーム2178をクッションモジュール2150に接続するためにクッションモジュール2150の少なくとも一部に嵌まるような形状であり得る。例えば、クッションコネクタ2708は、フレームコネクタ2730など、少なくともマスクハウジング2102の受入部分に嵌まることができる。
【0227】
この例では、バイアス通気口2502の通気孔は、先行する実施形態と同様にマスクフレーム2178の前面に存在しないが、マスクフレーム2178の入口構造体2706とクッションモジュール2150との間にガス流路を提供するクッションコネクタ2708に存在する。
【0228】
図51に最もよく見ることができるように、クッションコネクタ2708は、マスクフレーム2178の後(内)面から後方に突出する管状ガス流ダクトを含む。ガス流ダクトは、その長手方向軸に沿って見ると、横断面が任意の形状であり得るが、この例では、台形状であるが、連続的に湾曲した輪郭を有する。ガス流ダクトは、外面を含み、外面の側部及び上部に通気孔が提供されている。この例では、通気孔は、側部及び上部の周囲に同心円状に配置されており、それにより、通気孔アレイは、
図53に示すクッションコネクタ2708の中心軸2708Aから離れるように、クッションコネクタ2708のガス流ダクトの中心から広がる。通気孔が提供された部分は、クッションコネクタ構造体2708の高さの約半分に等しくすることができる。通気孔の数は、この例では約20であり得、
図52に最もよく見ることができるように、クッションコネクタ2708を側方から見ると、1本の線に沿って均一に離間させることができる。通気孔は、代わりに、クッションコネクタ2708の周囲に通気口アレイの他の任意の形状及び/又は位置に配置することができるが、好ましくはクッションコネクタ2708の下部領域に位置せず、それは、この場所では通気孔が閉塞しやすく、騒音をもたらす可能性があるためである。
【0229】
この例では、通気孔は、組み立てられるとマスクフレーム2178の後面2178Aとクッションモジュール2150の前面2150Aとの間の空間にあるクッションコネクタの長さに沿って(すなわちその中心軸2708Aに沿って)離間させて、クッションコネクタのガス流ダクトの周辺部の一部において一列に配置されている。この位置決めにより、通気孔が、2つの面2178A、2150A間の空間内に空気流を導くように位置合わせされることが確実になる。
図50において矢印Aによって示すこの空気流路は、使用者の眼に向かって完全に上向きにではなく空気を概して横方向に導くか、又は少なくとも重要な横方向構成要素を含むマスクフレーム2178の後面2178Aの輪郭により、気流が使用者の顔面上に直接流れるようにしない。
【0230】
通気孔は、クッションコネクタ2708の周辺部に異なる構成で配置することができ、すなわち、こうした構成としては、クッションコネクタ2708の周辺部全体に通気孔が提供されるものと、クッションコネクタ2708の側部にのみ通気孔が存在する、すなわちクッションコネクタ2708の上部又は底部には通気孔がないものとを挙げることができる。さらに又は代わりに、通気孔は、クッションコネクタダクトの長さのすべて又は一部に沿って複数の列若しくは線又はアレイで配置することができる。
【0231】
空気を拡散させ、騒音を低減させるようにすべての通気孔を包囲し且つ覆うように、クッションコネクタ2708の外側周辺部においてクッションコネクタ2708の周囲にディフューザ材料の環状体又は弓状部分(図示せず)を取り付けることができる。ディフューザ材料は、単にクッションコネクタに嵌め込むか又は押し込むことができる。ディフューザ材料は、マスクフレーム2178の後面2178Aとクッションモジュール2150の前面2150Aとの間に挟装されて、マスクアセンブリ2100が組み立てられたときにディフューザ材料を適所に固定する。
【0232】
ここで、
図61~
図73を参照すると、この例では、バイアス通気口2502は、マスクシェルハウジング2102の上において、概して入口構造体2706の下方に位置する。この例では、例えば
図25及び
図26を参照して上述したように、バイアス通気口は、通気孔のアレイの対を含み、各アレイは、マスクシェルハウジング2012の入口アパーチャ2102A及び弁凹部2726の下方に且つその一方の側に位置している。
【0233】
特に
図66~
図70を参照すると、ディフューザ3000が提供されており、ディフューザ3000は、ディフューザ3000のディフューザ材料3004が通気孔のアレイを覆ってガス流を拡散させ且つ騒音を低減させるようにマスクシェルハウジング2102に取り付けられる。この例では、ディフューザ3000は、上部リング状取付具3002Aの形態の取付部分と、それぞれリング取付具3002Aの下方且つその一方の側であるように横方向に離間されている、横方向に位置決めされたディフューザサブフレーム3002Bの形態の下部タブ又はウィングの対とを含むディフューザフレーム3002を含む。
【0234】
リング取付具3002Aは、マスクシェルハウジング2102に取外し可能に取り付けられるような寸法であり、形状であり且つそのように構成されており、リング取付具3002Aは、マスクシェルハウジング2102の入口アパーチャ2102Aを包囲する対応するリング状凹部2102Bに受け入れられ、それにより、リング取付具3002Aは、使用時、マスクシェルハウジング2102とマスクフレーム2178との間に挟装され、マスクシェルハウジング2102とマスクフレーム2178との接続により適所に保持される。
【0235】
したがって、ディフューザフレーム3002は、この実施形態ではオメガ形状であり、リング取付具3002A及びサブフレーム3002Bのサイズ、形状及び配置は、マスクシェルハウジング2102の入口及び通気口アレイのサイズ、形状及び配置と一致する。したがって、上述したようにリング取付具3002Aが取り付けられると、ディフューザサブフレーム3002Bは、通気口アレイと位置合わせされ、通気口アレイを覆う。上述したように、各ディフューザサブフレーム3002Bには、サブフレーム3002Bに取外し可能に又は永久的に取り付けることができるディフューザ材料3004の部分が提供される。
【0236】
ディフューザ3000の後面の輪郭、特にディフューザサブフレーム3002Bの輪郭は、マスクシェルハウジング2102の前面の形状及び輪郭と一致するような形状であり、この例ではマスクシェルハウジング2102の前面の凸面湾曲と一致するように凸面状に湾曲している。したがって、ディフューザ3000がマスクシェルハウジング2102に取り付けられると、ディフューザ3000及びマスクシェルハウジング2102は、嵌合する。
【0237】
リング取付具3002Aは、リング取付具3002Aと凹部2012Bの周囲の面(すなわち内壁及び外壁)との摩擦嵌めにより、凹部2012B内に固定することができる。代わりに、リング取付具3002Aは、組み立てられると、すなわちマスクフレーム2178のクッションコネクタ2708がクッションコネクタ構造体に挿入され、ディフューザフレーム3002のリング取付具3002Aがマスクフレーム2178とマスクシェルハウジング2102との間に挟装されると、マスクシェルハウジング2102とマスクフレーム2178との間の適所に保持することができる。代替的な取付方法としては、スナップフィット型接続及び他の取付方法が挙げられる。
【0238】
翼状のディフューザサブフレーム3002Bは、支持構成要素がハウジングによって保持されると、通気孔と位置合わせされ、且つ通気孔から上方に離間されるように構成されている。サブフレーム3002Bの周壁の形状及びサイズは、通気孔アレイのものに従うが、通気孔の閉塞を回避するためにこの領域よりわずかに大きい。左サブフレーム3002B及び右サブフレーム3002Bは、横方向に延在する連結部材3104によって接続され、連結部材3104は、ディフューザ3000にわたって延在してサブフレーム3002Bの堅さ及び安定性を提供するブレースを形成する。連結部材3014は、マスクシェルハウジング2102の弁凹部2726の前方に位置し、マスクフレーム2178及びマスクシェルハウジング2012が組み立てられると、連結部材3014は、弁凹部2726とマスクフレーム2178の入口2706との間に挟装される。
【0239】
通気口アレイは、それぞれ概して三角形の形状を有し、したがって、各サブフレーム3002Bは、対応する概して三角形の形状を有する。
【0240】
この例では、2つの連結部材3014があり、第1連結部材は、リング取付具3002Aの下部領域を構成し、第2連結部材はリング部分の下方に位置する。第2連結部材は、マスクシェルハウジング2102の各反対側の側部において通気孔を囲むサブフレーム3002Bの底部辺縁部と直線状に並び(その湾曲に従い)、それらの間に延在する。
【0241】
ディフューザ3000は、マスクフレーム2178の空気流路又は入口2706の閉塞を回避するような形状である。これを達成するために、連結部材3014は、マスクシェルハウジング2102の弁凹部2726の外面の輪郭を辿って、(後方向に向かって)凹面形状を有する。これにより、連結部材3014に対するマスクフレーム入口2706の相補的な位置決め、したがってマスクシェルハウジング2102に関するマスクフレーム2178の相補的な位置決めも可能になる。相補的な位置決めは、連結部材3014の外/前面に対するマスクフレーム入口2706の後面の位置合わせを指し、連結部材の外/前面は、弁凹部2726の輪郭をさらに辿る。この凹面部分は、中実壁を含むか、又は図示する例のように複数の連結部材によって形成され得る。
【0242】
サブフレーム3002Bの底部領域は、中実壁の形態であり得る。これは、少なくとも部分的に、連結部材3014並びにディフューザフレーム3002A及びディフューザサブフレーム3002B等、薄いか又は幅の狭い構造体の堅さが比較的低いことを考慮してディフューザ3000の堅さを増大させる。
【0243】
連結部材3014並びに/又はディフューザフレーム3002A及び/若しくはディフューザサブフレーム3002Bは、ディフューザ3000とマスクシェルハウジング2102とのより容易な組立及び分解を可能にするように、スナップフィットの出っ張り及び窪みの組合せ等の保持特徴部を有することができる。
図62及び
図74に示すように、ディフューザ3000の底壁は、マスクシェルハウジング2102の底部領域の真下に位置し、通気孔の下方の領域を「カップ状に覆う」。
【0244】
ディフューザフレーム3002は、一体構造として剛性又は半剛性材料で構成される。ディフューザフレーム3002は、マスクシェルハウジング2102の凹部2102Bにおけるリング取付具3002Aの摩擦嵌め取付を強化するように、シリコーン等のより軟質な材料からも構成することができる。
【0245】
ディフューザ材料3004の一部は、各ディフューザサブフレーム3002Bに取り付けられる。これは、サブフレーム3002Bの前面又は外面に(すなわち
図75に示すように上部に)あり得る。連結部材3014及びサブフレーム3002Bは、通気孔とディフューザ材料3004との間の一定のオフセット距離を提供する。ディフューザサブフレーム3002Bへのディフューザ材料の取付方法は、例えば、接着、サブフレーム3002の壁間に画定された空間内への嵌め込み、摩擦係合、オーバーモールド、クリップの任意の組合せを含むことができる。ディフューザ材料3004のいくつかの部分の形状は、サブフレーム3002Bの形状に対応する。サブフレーム3002Bは、代替的な空気通路を提供するように、サブフレーム3002Bの上側又は底側に間隙も含むことができ、吐出空気(CO2流出)のための妨げのない流路を維持する。
【0246】
ここで、
図74~
図82を参照すると、この実施形態では、バイアス通気口2502の孔は、クッションモジュール2150のマスクシェルハウジング2102の取付アパーチャ2102Aを包囲する凹部2102Bに提供されている。上述したように、アパーチャ2102Aは、マスクシェルハウジング2102とマスクフレーム2178との接続部の一部として機能し、クッションコネクタ2708を受け入れる。ディフューザ3000は、この例では、凹部2102Bに受け入れられ且つ保持されるような形状及び寸法であるディフューザ材料3004のリングを含む。
【0247】
ディフューザ材料3004は、凹部2102Bの形状と同じであるリング形状を有し、したがってマスクシェルハウジング2102のアパーチャ2102Aと同心円状である。ディフューザ3000は、この例では、レーザ切断又は打抜きによりディフューザ材料の単層で構成されている。
【0248】
通気孔は、アパーチャ2102Aと同心円状で凹部2102Bから離間されている。ディフューザ3000及び通気孔アレイは、同じ形状を有し、互いに同心円状である。ディフューザ3000は、すべての通気孔を覆って、それから流れ出る空気を拡散させる。したがって、拡散空気は、マスクフレーム2178の後面2178Aとマスクシェルハウジング2102の前面2102Cとの間の空間を通して流れる。通気孔は、アパーチャ2102Aの周辺部全体に均一に間隔を空けて配置されるか若しくは可変の間隔を有するか、又は凹部2102Bの一部のみに沿って延在することができる。通気流路は、
図82において又は
図78においても矢印Aによって最も明確に見ることができる。
【0249】
通気孔の数及び間隔例は、
図75に見ることができる。通気孔の他の任意の数及び間隔が可能である。
【0250】
図74~
図82において、通気孔は、アパーチャ2102Aの中心軸の周囲に同心円状に配置することができ、それにより、各通気孔の軸は、アパーチャ2102Aの軸と概して同じ方向に延在するが、ただし、各通気口軸は、ある程度傾斜させることができる。
【0251】
代わりに、通気孔は、アパーチャ2102Aの中心軸の周囲に同心円状に且つその中心軸から広がって配置することができ、それにより、各通気孔の軸は、アパーチャ2102Aの軸に対して概して垂直に延在する。この代替実施形態では、組立のためにマスクシェルハウジング2102のアパーチャ2102A内に挿入されるマスクフレーム2178のクッションコネクタ構造体2708も、空気がガス流路から流れ出ることを可能にする通気孔を有する。
【0252】
ディフューザ3000が取外し可能に取り付けられる凹部2102Bは、さらに空気を拡散させ、騒音を低減させるように変更することができる。
図78及び
図79に示すように、凹部2102Bは、アパーチャ2102Aの軸に沿って見ると、ディフューザ幅(したがって拡散面積)の増大と、通気孔のリングを設置するための十分な空間とを可能にするように広げることができる。
図78及び
図79は、
図76のボックスAに示す部分の拡大図を示す。
【0253】
凹部2102Bに位置する通気孔は、レーザ穴あけ等の様々な技法を使用して且つ/又は様々な形状及び配置で形成することができる。例えば、通気孔の直径は、一定でない場合があり、すなわち各アパーチャがその長さに沿ってテーパ状となるボアを含むように、通気孔の1つ又は複数は、前側半径より小さいか又は大きい後側半径を有することができ、それにより空気流動態及び騒音のレベルが異なるようになる。前側半径より大きい後側半径は、反対の構成では乱気流、したがって騒音がもたらされる可能性があるために好ましいことがあり得、すなわち、通気口断面積は、通気ガス流の方向においてその長さに沿って増大する。
図78では、2つの反対のテーパ状の通気口構成を示す。
図78aは、孔入口(後側)半径の方が大きく出口(前側)半径の方が小さい通気孔を示し、
図78bは、前側半径より後側半径の方が小さいディフューザ孔を示す。ディフューザ材料3004は、通気孔出口に位置している。
【0254】
少なくとも1つの通気孔の長手方向軸がアパーチャ2102Aの中心軸からずれた角度にあるように、通気孔をさらに変更することができる。この構成を
図79に示す。外向きに且つ/又は横方向に角度が付けられている通気孔は、気流を患者の顔面から離れるように、且つマスクの真正面である可能性がある物体又は人々からも離れるように向ける。これにより、使用者の快適さだけでなく、使用者に近接している人の快適さも向上する。
図79a及び
図79cは、半径方向内側の通気口壁部分が傾斜している2つの例を示し、
図79b及び
図79dは、半径方向外側の通気口壁が傾斜している2つの例を示す。内側通気孔壁及び外側通気孔壁の両方が傾斜しているさらなる実施形態及び/又は通気口がその長手方向軸が傾斜するようにその長さに沿って均一にテーパ状になっているさらなる実施形態が構想される。これらの図では、垂直の点線は、アパーチャ2102A(明確にするために移動している)の中心軸を表し、斜めの点線は、通気孔の角度を表す。矢印Aは、通気孔を通る結果としての通気流の方向の近似又は平均であり得る。
【0255】
凹部2102Bに通気孔を提供することにより、凹部2102Bが例えば
図24の凹部に比較して広げられる必要がある可能性がある。
図78、
図79a及び
図79bは、ともに広げられていない凹部を示す。
図78、
図79c及び
図79dは、通気孔が提供されている広げられた凹部2102Bを示す。
図78における広げられた凹部は、ハッチングされた線で示す。
図78aにおいて、寸法(a)は、例えば、
図24の実施形態に比較して広げられている広げられた頭部2102Bの幅を示し、寸法(b)は、例えば、
図24の元の凹部2102Bの幅を示す。これらの通気孔は、アパーチャ2102Aの中心長手方向軸と一直線にドリル加工することができる。
【0256】
凹部2102Bの変更は、マスクシェルハウジング2102の湾曲の変更によって実施することができる。例えば、凹部2102Bが広くなることにより、凹部2102Bに隣接するマスクシェルハウジング2102の壁の湾曲を横方向にずらす必要がある可能性がある。この広い方の凹部は、
図84の破線Bに示す(狭い方の凹部は破線Aで示す)。これは、使用者の顔面と有効に又は十分に封止するために、シール幅が実質的に一定のままである必要があるためである。シールハウジングの奥行も容易に低減させることができず、そうでなければ、シールハウジングは、使用者の顔面と接触する。したがって、凹部2102Bの増大した幅を考慮するように、湾曲を変更しなければならない。通気孔から出る空気は、凹部2102Bの側壁に衝突する可能性が低いため、広い方の凹部2102Bは、騒音を低減させるのに役立つことができる。
【0257】
この実施形態では、上述したようにディフューザ材料3004であり得るディフューザ3000は、マスクシェルハウジング2102のリング状凹部2102B内に収容される。ディフューザ材料3004は、その凹部内で浮遊するように、すなわちマスクフレーム2178と凹部2012Bの最後面との間で移動することができるように配置することができる。しかしながら、ディフューザ材料3004及び凹部2102Bは、合わせて、凹部2102Bを通りディフューザ材料にわたる大気への直接流路があるのに十分である、2つの構成要素間の任意の相対移動に抵抗するように構成されなければならない。こうした直接流路は、排気空気がディフューザ3000を迂回する場合、望ましい気流及び騒音抑制特性を提供しないために望ましくない。
【0258】
さらに、ディフューザ材料3004及び凹部2102Bは、ディフューザ材料3004のいかなる部分も、ディフューザ材料3004を通した通気流を閉塞させるように押しつぶされるか又は平坦化されることを回避するようにさらに構成されなければならない。したがって、この実施形態は、ディフューザ材料が隙間なく適合する、マスクシェルハウジング2102とマスクフレーム2178との間に画定されたディフューザ空洞を提供し、そこで、ディフューザ材料3004は、ディフューザ空洞よりわずかに小さい体積を有する。例えば、ディフューザ3000は、凹部2102Bの後壁とマスクフレーム2178の内面との間の深さより小さい深さを有することができる。これにより、
図82に示すように、通気孔とディフューザ3000との間の間隙が可能となり、これは、凝縮物が通気孔を充填することを防止するか又は最小限にするのに役立つ。しかしながら、ディフューザ3000は、上述したように直接流路の形成を防止するように、マスクシェルハウジング2102の前面とマスクフレーム2178の後面との間の距離より大きい奥行を有するべきである。ディフューザ3000は、凹部2102B内で前後に摺動することができる。
【0259】
文脈上断りを明らかに必要としない限り、説明及び特許請求の範囲全体にわたり、「含む」、「含んでいる」等の文言は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味、すなわち「含むが、限定されない」という意味で解釈されたい。本明細書で使用する条件付き言い回し、特に「することができる」、「することができ得る」、「する可能性がある」、「し得る」、「例えば」等は、概して、別途具体的な指示がない限り又は使用される文脈で他の形で理解されない限り、特定の実施形態が特定の特徴、要素及び/又は状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることが意図される。したがって、こうした条件付き言い回しは、概して、特徴、要素及び/又は状態が1つ又は複数の実施形態に何らかの方法で必要とされることを示唆することを意図されるものではなく、また1つ又は複数の実施形態が、著者入力又は指示の有無にかかわらず、何らかの特定の実施形態でこれらの特徴、要素及び/又は状態が含まれるかどうか又は実行すべきかどうかを決定する論理を必ず含むことを示唆することを意図されるものでもない。
【0260】
「複数」という用語は、アイテムの2つ以上を指す。数量、寸法、サイズ、式、パラメータ、形状及び他の特徴の列挙は、「約」又は「およそ」という用語が数量、寸法、サイズ、式、パラメータ、形状又は他の特徴に先行する場合と同様に解釈されるべきである。「約」又は「およそ」という用語は、数量、寸法、サイズ、式、パラメータ、形状及び他の特徴が正確である必要がなく、必要に応じて許容公差、変換係数、端数計算、測定誤差等及び当業者に知られている他の要因を反映して近似すること及び/又はより大きく若しくは小さくし得ることを意味する。数量、寸法、サイズ、式、パラメータ、形状及び他の特徴の列挙は、「実質的に」という用語が数量、寸法、サイズ、式、パラメータ、形状又は他の特徴に先行する場合と同様にも解釈されるべきである。本明細書で使用する場合の「およそ」、「約」及び「実質的に」という用語は、依然として所望の機能を実施するか又は所望の結果を達成する、言及される量に近い量を表す。例えば、いくつかの実施形態では、文脈によって指示され得るように、「およそ」、「約」及び「実質的に」という用語は、述べられている量の10%以下の範囲内の量を指すものとする。本明細書で用いる場合の「概して」という用語は、特定の値、量又は特徴を主に含むか、又はそれに向かう傾向がある値、量又は特徴を表す。例えば、文脈によって指示され得るように、「概して線形」という用語は、厳密に平行であることから15°以下だけ逸脱するものを意味することができる。
【0261】
数値データは、本明細書では、範囲形式で表現又は提示することができる。こうした範囲形式は、利便性及び簡潔性のためにのみ使用され、したがって、その範囲の限界として明示的に列挙されている数値だけでなく、各数値及び下位範囲が明示的に列挙された場合と同様に、その範囲内に包含される個々の数値又は下位範囲のすべてを含むと解釈されるべきであることを理解されたい。例として、「1~5」の数値範囲は、明示的に列挙されている約1~約5の値だけでなく、示されている範囲内の個々の値及び下位範囲も含むと解釈されるべきである。したがって、この数値範囲内には2、3及び4等の個々の値並びに「1~3」、「2~4」及び「3~5」等の下位範囲が含まれる。この同じ原理は、1つの数値のみを列挙する範囲(例えば、「1より大きい」)にも当てはまり、記載されている範囲又は特徴の広さにかかわらず当てはまるべきである。
【0262】
利便性のため、共通の一覧内に複数のアイテムを提示する場合がある。しかし、これらの一覧は、一覧の各要素が別個の且つ固有の要素として個々に識別される場合と同様に解釈されるべきである。したがって、こうした一覧の個々の要素は、逆の内容が指示されない限り、共通のグループ内に存在することのみに基づいて、同じ一覧の何らかの他の要素と事実上均等であると解釈されるべきではない。さらに、「及び」及び「又は」という用語は、アイテムの一覧とともに使用される場合、列挙されたアイテムのいずれか1つ又は複数を単独で又は他の列挙されたアイテムと組み合わせて使用することができるという点で広義に解釈されたい。「代わりに」という用語は、2つ以上の代替手段の1つの選択を指し、文脈上別途明らかに指示されない限り、それらの列挙された代替手段のみ又は一度に列挙された代替手段の1つのみにこの選択を限定することを意図するものではない。
【0263】
本明細書における何らかの従来技術の参照は、その従来技術が世界のいずれかの国の努力傾注分野で共通の一般知識の一部を形成しているということを認めることでも、何らかの形態の示唆でもなく、そのように解釈されるべきでもない。
【0264】
本発明は、個別に又は集合的に、本出願の明細書において言及又は例示した部分、要素及び特徴を前記部分、要素又は特徴の2つ以上のあらゆる組合せで含むものと広義に考えることができる。
【0265】
上述した説明において、既知の均等物を有する完全体又は構成要素に言及したとき、それらの完全体は、個々に示される場合と同様に本明細書に組み込まれる。
【0266】
本明細書に記載する現時点で好ましい実施形態に対する様々な変形形態及び変更形態が当業者に明らかになることが留意されるべきである。こうした変形形態及び変更形態は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に付随する利点を減じることなくなされ得る。例えば、必要に応じて、様々な構成要素の位置を変えることができる。したがって、こうした変形形態及び変更形態は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。さらに、特徴、態様及び利点のすべてが本発明を実施するのに必ずしも必要とされるとは限らない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲のみによって定義されることが意図される。