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特許7379419基板処理装置、イオン注入処理装置、及びイオン注入処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】基板処理装置、イオン注入処理装置、及びイオン注入処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231107BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
H01L21/304 646
H01L21/304 643A
H01L21/304 648A
H01L21/68 N
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021114040
(22)【出願日】2021-07-09
(65)【公開番号】P2022036902
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106511
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドヨン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ホ ジョン
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/017489(WO,A1)
【文献】特開平03-075370(JP,A)
【文献】国際公開第2013/147037(WO,A1)
【文献】特開2008-098594(JP,A)
【文献】特開2009-016752(JP,A)
【文献】特開平10-259262(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066528(WO,A1)
【文献】実開平07-003137(JP,U)
【文献】特開2006-073909(JP,A)
【文献】特開2001-244318(JP,A)
【文献】特開2002-343696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304-21/308
H01L 21/02 -21/033
H01L 21/67 -21/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
基板に処理液を供給して液処理工程を遂行する工程チャンバーと、
前記工程チャンバー内で基板を支持する支持板と、
上部が開放された筒形状に提供され、内部に基板が処理される処理空間を有する処理容器であって、前記処理容器は、前記処理容器を上下方向に移動させながら、接地された昇降ユニットと電気的に連結される、処理容器と、
前記工程チャンバーに提供されるコンポーネントと、
を含む基板処理装置であり、
前記支持板及び前記処理容器は、
イオン注入処理された弗素樹脂を含む素材で提供され、その表面抵抗が1M Ohms乃至1G Ohmsであり、
前記処理容器は、
前記昇降ユニットと結合される側壁部と、
前記側壁部から上向傾くように延長される傾斜部と、を含み、
前記傾斜部の表面に注入される前記イオンの量は、前記側壁部の表面に注入される前記イオンの量より少ない基板処理装置。
【請求項2】
前記装置は、
前記支持板に設置されて基板をチャッキングするチャックピンを含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記チャックピンは、接地され、
前記支持板は、前記チャックピンと電気的に連結される請求項に記載の基板処理装置。
【請求項4】
上部から見た前記支持板の中央領域に注入される前記イオンの量は、前記支持板の縁領域に注入される前記イオンの量と互いに異なる請求項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記中央領域に注入される前記イオンの量は、前記縁領域に注入される前記イオンの量より少ない請求項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記チャックピンは、
基板と接触される接触部と、
前記接触部と電気的に連結され、接地される接地部と、を含み、
前記接触部と前記接地部の抵抗は、互いに異なる請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記接触部の抵抗は、
前記接地部の抵抗より大きい請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記装置は、
前記工程チャンバー内で基板を支持する支持ユニットと、
前記支持ユニットに処理液を供給するノズルと、を含み、
前記ノズルは、
イオン注入処理された弗素樹脂を含む素材で提供され、その表面抵抗が1M Ohms乃至1G Ohmsである請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ノズルは、接地され、
前記ノズル内に形成され、前記処理液が流れる吐出流路は、前記イオン注入処理された請求項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板処理装置であって、
処理空間を有する処理容器であって、前記処理容器は、前記処理容器を上下方向に移動させながら、接地された昇降ユニットと電気的に連結される、処理容器と、
前記処理空間で基板を支持し、支持板を有する支持ユニットと、
前記支持ユニットに支持された基板に処理液を供給するノズルを有する液供給ユニットと、を含む基板処理装置であり、
前記処理容器、前記支持板、及び前記ノズルは
弗素樹脂又はプラスチックを含む素材で提供され、その表面がイオン注入処理されて消散性を有し、イオン注入処理されてその表面抵抗が1M Ohms乃至1G Ohmsであり、
前記処理容器は、
前記昇降ユニットと結合される側壁部と、
前記側壁部から上向傾くように延長される傾斜部と、を含み、
前記傾斜部の表面に注入される前記イオンの量は、前記側壁部の表面に注入される前記イオンの量より少ない基板処理装置。
【請求項11】
記処理容器の表面抵抗は、
前記処理容器が前記昇降ユニットと結合された領域に行くほど、小さくなる請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記支持板は、
上部から見た前記支持板の中央領域の表面抵抗は、前記支持板の縁領域の表面抵抗より大きい請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記支持ユニットは、
前記支持板に設置され、基板をチャッキングするチャックピンと、を含み、
前記チャックピンは、
接地され、前記支持板と電気的に連結される請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記チャックピンは、
基板と接触される接触部と、
前記接触部と電気的に連結され、接地される接地部と、を含み、
前記接触部の抵抗は、
前記接地部の抵抗より大きい請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
基板処理装置であって、
処理空間を有する処理容器であって、前記処理容器は、前記処理容器を上下方向に移動させながら、接地された昇降ユニットと電気的に連結される、処理容器と、
前記処理空間で基板を支持し、支持板を有する支持ユニットと、
前記支持ユニットに支持された基板に処理液を供給するノズルを有する液供給ユニットと、を含む基板処理装置であり、
前記処理容器及び前記支持板は、
弗素樹脂を含む素材で提供され、イオン注入処理されてその表面抵抗が1M Ohms乃至1G Ohmsであり、
前記処理容器は、
前記昇降ユニットと結合される側壁部と、
前記側壁部から上向傾いた方向に延長される傾斜部と、を含み、
前記傾斜部の表面抵抗は、
前記側壁部の表面抵抗より大きい基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置、イオン注入処理装置、及びイオン注入処理方法に係る。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体素子を製造するためにウエハ等の基板上に処理液を供給する液処理工程が広く利用されている。このような液処理工程の例として基板に感光液を供給して基板上に液膜を形成する塗布工程、基板に洗浄液を供給して基板表面に残留するパーティクル(Particle)、有機汚染物、そして金属汚染物等の汚染物質を除去する洗浄工程等を挙げることができる。
【0003】
液処理工程で使用される処理液(例えば、酸性又はアルカリ性を有するケミカル、IPAのような有機溶剤、DIW等)は高い反応性を有する。また、基板を処理する過程で基板と処理液が摩擦されて熱が発生される。したがって、基板を処理する装置に提供されるボウル(Bowl)又はチャック(Chuck)のようなコンポーネント(Component)は処理液及び高い温度に耐えられるように弗素樹脂又はエンジニアリングプラスチック素材で作られている。弗素樹脂又はエンジニアリングプラスチック素材で作られたコンポーネントは優れた耐化学性又は耐熱性を有する。
【0004】
しかし、弗素樹脂又はエンジニアリングプラスチック素材で作られたコンポーネントはその表面抵抗が1T Ohms~10T Ohms程度の抵抗を有する。しかし、このような表面抵抗はSEMI(Semiconductor equipment and materials international)の基準に満たない。また、液処理工程では処理液が基板と摩擦する過程又は処理液がコンポーネントに飛散される過程で静電気が容易に発生する。しかし、上述した弗素樹脂又はエンジニアリングプラスチック素材で作られたコンポーネントは静電気の発生に非常に脆弱である。例えば、弗素樹脂類は摩擦帯電序列で最も下位に属しているので、静電気が容易に帯電される。帯電された静電気はアーキング(Arching)又はパーティクル(Particle)の吸着現象を誘発するので、静電気帯電を防止するか、或いは帯電された静電気を適切に除去することが重要である。
【0005】
帯電された静電気を適切に除去するために、コンポーネントを金属素材で製作する方案を考慮することができる。しかし、金属素材で作られたコンポーネントは処理液に対する耐蝕性及び耐熱性が非常に低下しているので、適切ではない。
【0006】
また、最近にはカーボン類(Carbon black、CNT、Graphene、graphite等)又はポリプロピレン等に導電性高分子を混合してコンポーネントを製造する方法が提示されている。特許文献1では、このような方法の一例を開示している。特許文献1ではポリプロピレンに導電性高分子を配合した帯電防止プラスチック材料で形成されるカップに対して開示している。しかし、このようにカーボン類又はポリプロピレンに導電性高分子を混合して製作されたコンポーネントは、コンポーネントから粉が付着してくる溶出現象が容易に発生する。溶出現象によって発生された粉は基板を処理するのにおいて汚染物質として作用するので、適切ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】日本公許開特第1999-283914号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一目的は基板を効率的に処理することができる基板処理装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の一目的は基板を処理する過程で静電気発生を最小化することができる基板処理装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の一目的は基板を処理する過程で発生された静電気を効果的に除去することができる基板処理装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の一目的は弗素樹脂又はプラスチックの耐化学性、そして耐熱性を有しながら、静電気発生を最小化することができるコンポーネントを製造するイオン注入処理装置、そしてイオン注入処理方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の一目的は弗素樹脂又はプラスチックの耐化学性、そして耐熱性を有しながら、発生された静電気を効果的に除去することができるコンポーネントを製造するイオン注入処理装置、そしてイオン注入処理方法を提供することにある。
【0013】
本発明の目的はここに制限されなく、言及されないその他の目的は下の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は基板を処理する装置を提供する。基板を処理する装置は、基板に処理液を供給して液処理工程を遂行する工程チャンバーと、及び前記工程チャンバーに提供されるコンポーネントと、を含み、前記コンポーネントの中で少なくともいずれか1つは、その表面がイオン注入処理された弗素樹脂を含む素材で提供されることができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記装置は上部が開放された筒形状に提供され、内部に基板が処理される処理空間を有する処理容器を含み、前記コンポーネントは前記処理容器であり得る。
【0016】
一実施形態によれば、前記処理容器は、前記処理容器を上下方向に移動させながら、接地された昇降ユニットと電気的に連結されることができる。
【0017】
一実施形態によれば、前記処理容器は前記昇降ユニットと結合される側壁部と、及び前記側壁部から上向傾くように延長される傾斜部と、を含み、前記傾斜部の表面に注入される前記イオンの量は前記側壁部の表面に注入される前記イオンの量と互いに異なることができる。
【0018】
一実施形態によれば、前記傾斜部の表面に注入される前記イオンの量は前記側壁部の表面に注入される前記イオンの量より小いことができる。
【0019】
一実施形態によれば、前記装置は前記工程チャンバー内で基板を支持する支持板と、及び前記支持板に設置されて基板をチャッキングするチャックピンと、を含み、前記コンポーネントは前記支持板であり得る。
【0020】
一実施形態によれば、前記チャックピンは接地され、前記支持板は前記チャックピンと電気的に連結されることができる。
【0021】
一実施形態によれば、上部から見た前記支持板の中央領域に注入される前記イオンの量は前記支持板の縁領域に注入される前記イオンの量と互いに異なることができる。
【0022】
一実施形態によれば、前記中央領域に注入される前記イオンの量は前記縁領域に注入される前記イオンの量より小いことができる。
【0023】
一実施形態によれば、前記チャックピンは基板と接触される接触部と、前記接触部と電気的に連結され、接地される接地部と、を含み、前記接触部と前記接地部の抵抗は互いに異なることができる。
【0024】
一実施形態によれば、前記接触部の抵抗は前記接地部の抵抗より大きいことができる。
【0025】
一実施形態によれば、前記装置は前記工程チャンバー内で基板を支持する支持ユニットと、及び前記支持ユニットに処理液を供給するノズルと、を含み、前記コンポーネントは前記ノズルであり得る。
【0026】
一実施形態によれば、前記ノズルは接地され、前記ノズル内に形成され前記処理液が流れる吐出流路は前記イオン注入処理されることができる。
【0027】
また、本発明は基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、処理空間を有する処理容器と、前記処理空間で基板を支持し、支持板を有する支持ユニットと、及び前記支持ユニットに支持された基板に処理液を供給するノズルを有する液供給ユニットと、を含み、前記処理容器、前記支持板、そして前記ノズルの中で少なくともいずれか1つは、弗素樹脂又はプラスチックを含む素材で提供され、その表面がイオン注入処理されて消散性を有することができる。
【0028】
一実施形態によれば、前記処理容器は、前記処理容器を上下方向に移動させながら、接地された昇降ユニットと電気的に連結され、前記処理容器の表面抵抗は、前記処理容器が前記昇降ユニットと結合された領域に行くほど、小さくなることができる。
【0029】
一実施形態によれば、前記支持板は上部から見た前記支持板の中央領域の表面抵抗が前記支持板の縁領域の表面抵抗より大きいことができる。
【0030】
一実施形態によれば、前記支持ユニットは前記支持板に設置され、基板をチャッキングするチャックピンを含み、前記チャックピンは接地され、前記支持板と電気的に連結されることができる。
【0031】
一実施形態によれば、前記チャックピンは、基板と接触される接触部と、前記接触部と電気的に連結され、接地される接地部と、を含み、前記接触部の抵抗は前記接地部の抵抗より大きいことができる。
【0032】
また、本発明は基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、処理空間を有する処理容器と、前記処理空間で基板を支持し、支持板を有する支持ユニットと、前記支持ユニットに支持された基板に処理液を供給するノズルを有する液供給ユニットと、を含み、前記処理容器、そして前記支持板は、弗素樹脂を含む素材で提供され、イオン注入処理されてその表面抵抗が1M Ohms乃至1G Ohmsであり得る。
【0033】
一実施形態によれば、前記処理容器は前記処理容器を上下方向に移動させながら、接地された昇降ユニットと電気的に連結され、前記昇降ユニットと結合される側壁部と、及び前記側壁部から上向傾いた方向に延長される傾斜部と、を含み、前記傾斜部の表面抵抗は前記側壁部の表面抵抗より大きいことができる。
【0034】
また、本発明はイオン注入処理方法を提供する。イオン注入処理方法は回転チャックに基板を液処理する工程チャンバーに提供されるコンポーネントを支持させ、前記回転チャックを駆動して前記コンポーネントを一方向に回転させ、回転する前記コンポーネントに気体又は固体イオンを含むイオンビームを照射することができる。
【0035】
一実施形態によれば、前記イオンビームは、上部から見る時、前記コンポーネントの回転中心に対して偏心された位置で前記コンポーネントに照射されることができる。
【0036】
一実施形態によれば、前記イオンビームは、上部から見る時、前記コンポーネントの中央領域に注入される前記イオンの量と前記コンポーネントの縁領域に注入される前記イオンの量が互いに異なるように前記コンポーネントに照射されることができる。
【0037】
一実施形態によれば、前記コンポーネントは処理空間を有する処理容器、前記処理空間に提供される支持板、基板に処理液を供給するノズルの中でいずれか1つである。
【発明の効果】
【0038】
本発明の一実施形態によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0039】
また、本発明の一実施形態によれば、基板を処理する過程で静電気発生を最小化することができる。
【0040】
また、本発明の一実施形態によれば、基板を処理する過程で発生された静電気を効果的に除去することができる。
【0041】
また、本発明の一実施形態によれば、弗素樹脂又はプラスチックの耐化学性、そして耐熱性を有しながら、静電気発生を最小化することができるコンポーネントを製造することができる。
【0042】
また、本発明の一実施形態によれば、弗素樹脂又はプラスチックの耐化学性、そして耐熱性を有しながら、発生された静電気を効果的に除去することができるコンポーネントを製造することができる。
【0043】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることはなく、言及されなかった効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を示す平面図である。
図2図1の基板処理装置を示す図面である。
図3図2のチャックピンを示す断面図である。
図4】弗素樹脂又はプラスチック素材で製造されるコンポーネントの表面にイオン注入時に発生する分子結合の破壊現象を示す図面である。
図5】弗素樹脂又はプラスチック素材で製造されるコンポーネントの表面にイオン注入時に発生するクロスリンキン現象を示す図面である。
図6図2の基板処理装置の一部を示す図面である。
図7図2の基板処理する時に発生された静電気が除去される形状を示す図面である。
図8図2の支持板を上部から見た図面である。
図9図2の支持板を上部から見た図面である。
図10図2のノズルを示す図面である。
図11】本発明の一実施形態によるイオン注入処理装置を示す図面である。
図12図11のイオン注入処理装置がコンポーネントにイオン注入処理を遂行する形状を示す図面である。
図13】コンポーネントの半径方向に沿ってコンポーネントに伝達されるイオンの量の一例を示す図面である。
図14】コンポーネントの半径方向に沿ってコンポーネントに伝達されるイオンの量を他の例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面の全体に亘って同一な符号を使用する。
【0046】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることがであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0047】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0048】
以下、図1乃至図14を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0049】
図1は本発明の一実施形態による基板処理装置を示す平面図である。
【0050】
図1を参照すれば、基板処理装置1はインデックスモジュール10と工程処理モジュール20を有する。インデックスモジュール10はロードポート120及び移送フレーム140を有する。ロードポート120、移送フレーム140、及び工程処理モジュール20は順次的に一列に配列される。以下、ロードポート120、移送フレーム140、及び工程処理モジュール20が配列された方向を第1の方向12とし、上部から見る時、第1の方向12と垂直になる方向を第2方向14とし、第1の方向12と第2方向14を含む平面と垂直である方向を第3方向16とする。
【0051】
ロードポート120には基板Wが収納されたキャリヤー130が安着される。ロードポート120は複数に提供され、これらは第2方向14に沿って一列に配置される。ロードポート120の数は工程処理モジュール20の工程効率及びフットプリント条件等に応じて増加するか、又は減少してもよい。キャリヤー130には基板がWを地面に対して水平に配置した状態に収納するための多数のスロット(図示せず)が形成される。キャリヤー130としては前面開放一体型ポッド(Front Opening Unified Pod;FOUP)が使用されることができる。
【0052】
工程処理モジュール20はバッファユニット220、移送チャンバー240、そして工程チャンバー260を有する。移送チャンバー240はその長さ方向が第1方向12と平行に配置される。移送チャンバー240の両側には各々工程チャンバー260が配置される。移送チャンバー240の一側及び他側で工程チャンバー260は移送チャンバー240を基準に対称されるように提供される。移送チャンバー240の一側には複数の工程チャンバー260が提供される。工程チャンバー260の中で一部は移送チャンバー240の長さ方向に沿って配置される。また、工程チャンバー260の中で一部は互いに積層されるように配置される。即ち、移送チャンバー240の一側には工程チャンバー260がAXBの配列に配置されることができる。ここで、Aは第1の方向12に沿って一列に提供された工程チャンバー260の数であり、Bは第3方向16に沿って一列に提供された工程チャンバー260の数である。移送チャンバー240の一側に工程チャンバー260が4つ又は6つ提供される場合、工程チャンバー260は2X2又は3X2の配列に配置されることができる。工程チャンバー260の数は増加するか、或いは減少してもよい。上述したことと異なりに、工程チャンバー260は移送チャンバー240の一側のみに提供されることができる。また、工程チャンバー260は移送チャンバー240の一側及び両側に単層に提供されることができる。
【0053】
バッファユニット220は移送フレーム140と移送チャンバー240との間に配置される。バッファユニット220は移送チャンバー240と移送フレーム140との間に基板Wが搬送される前に基板Wが留まる空間を提供する。バッファユニット220の内部には基板Wが置かれるスロット(図示せず)が提供される。スロット(図示せず)は相互間に第3方向16に沿って離隔されるように複数が提供される。バッファユニット220は移送フレーム140と対向する面及び移送チャンバー240と対向する面が開放される。
【0054】
移送フレーム140はロードポート120に安着されたキャリヤー130とバッファユニット220との間に基板Wを搬送する。移送フレーム140にはインデックスレール142とインデックスロボット144が提供される。インデックスレール142はその長さ方向が第2方向14と並んで提供される。インデックスロボット144はインデックスレール142上に設置され、インデックスレール142に沿って第2方向14に直線移動される。インデックスロボット144はベース144a、本体144b、及びインデックスアーム144cを有する。ベース144aはインデックスレール142に沿って移動可能するように設置される。本体144bはベース144aに結合される。本体144bはベース144a上で第3方向16に沿って移動可能するように提供される。また、本体144bはベース144a上で回転可能するように提供される。インデックスアーム144cは本体144bに結合され、本体144bに対して前進及び後進移動可能するように提供される。インデックスアーム144cは複数に提供されて各々個別に駆動されるように提供される。インデックスアーム144cは第3方向16に沿って互いに離隔された状態に積層されるように配置される。インデックスアーム144cの中で一部は工程処理モジュール20からキャリヤー130に基板Wを搬送する時に使用され、その他の一部はキャリヤー130から工程処理モジュール20に基板Wを搬送する時、使用されることができる。これはインデックスロボット144が基板Wを搬入及び搬出する過程で工程処理前の基板Wから発生されたパーティクルが工程処理後の基板Wに付着されることを防止することができる。
【0055】
移送チャンバー240はバッファユニット220と工程チャンバー260との間に、そして工程チャンバー260の間に基板Wを搬送する。移送チャンバー240にはガイドレール242とメーンロボット244が提供される。ガイドレール242はその長さ方向が第1の方向12と並んで配置される。メーンロボット244はガイドレール242上に設置され、ガイドレール242上で第1の方向12に沿って直線移動される。メーンロボット244はベース244a、本体244b、及びメーンアーム244cを有する。ベース244aはガイドレール242に沿って移動可能するように設置される。本体244bはベース244aに結合される。本体244bはベース244a上で第3方向16に沿って移動可能するように提供される。また、本体244bはベース244a上で回転可能するように提供される。メーンアーム244cは本体244bに結合され、これは本体244bに対して前進及び後進移動可能するように提供される。メーンアーム244cは複数に提供されて各々個別駆動されるように提供される。メーンアーム244cは第3方向16に沿って互いに離隔された状態に積層されるように配置される。
【0056】
工程チャンバー260は基板Wに処理液Lを供給して液処理工程を遂行するチャンバーである。例えば、工程チャンバー260には基板Wに対して液処理する工程を遂行する基板処理装置300が提供されることができる。基板処理装置300は遂行する液処理工程の種類に応じて異なる構造を有することができる。例えば、基板処理装置300は基板Wに供給される処理液Lの種類に応じて互いに異なる構造を有することができる。これと異なりに、各々の工程チャンバー260内の基板処理装置300は同一な構造を有することができる。選択的に工程チャンバー260は複数のグループに区分されて、同一なグループに属する工程チャンバー260内に基板処理装置300は互いに同一であり、互いに異なるグループに属する工程チャンバー260内に提供された基板処理装置300の構造は互いに異なりに提供されることができる。
【0057】
基板処理装置300は処理液Lを供給して基板Wを液処理することができる。本実施形態には基板Wに対する液処理工程を洗浄工程で説明する。このような液処理工程は洗浄工程に限定されなく、塗布工程等処理液Lを供給して基板Wを処理する公知された工程等に多様に適用可能である。
【0058】
図2図1の基板処理装置を示す図面である。図2を参照すれば、基板処理装置300は処理容器320、支持ユニット340、昇降ユニット360、下部流体供給ユニット370、上部流体供給ユニット380、そして制御器390を含む。
【0059】
処理容器320は工程チャンバー260に提供されることができる。処理容器320は内部に基板が処理される処理空間を提供することができる。処理容器320は上部が開放された筒形状を有することができる。処理容器320はボウル(Bowl)である。
【0060】
処理容器320は内部回収筒322及び外部回収筒326を有有することができる。内部回収筒322、そして外部回収筒326は工程に使用された処理液Lの中で互いに異なる処理液を回収することができる。内部回収筒322は、上部から見る時、支持ユニット340を囲む環状のリング形状に提供され、外部回収筒326は内部回収筒322を囲む環状のリング形状に提供されることができる。
【0061】
内部回収筒322は第1傾斜部322a、第1側壁部322b、そして第1底部322cを有することができる。第1側壁部322bは第1底部322cから垂直になる方向に延長されることができる。例えば、第1側壁部322bは第1底部322cから垂直になる上方向に延長されることができる。また、第1傾斜部322aは第1側壁部322bから後述する支持板342に向かう方向に上向傾くように延長されることができる。
【0062】
外部回収筒326は第2傾斜部326a、第2側壁部326b、そして第2底部326cを有することができる。第2側壁部326bは第1底部326cから垂直になる方向に延長されることができる。例えば、第2側壁部326bは第1底部326cから上方向に延長されることができる。また、第2傾斜部326aは第2側壁部326bから後述する支持板342に向かう方向に上向傾くように延長されることができる。
【0063】
内部回収筒322の内側空間及び第1傾斜部322aは内部回収筒322に処理液Lが流入される第1流入口323を形成することができる。第1傾斜部322aと第2傾斜部326aは外部回収筒326に処理液Lが流入される第2流入口327を形成することができる。一例によれば、各々の流入口323、327は互いに異なる高さに位置されることができる。また、各々の回収筒322、326の底面の下には回収ライン324、328が連結される。各々の回収筒322、326に流入された処理液は回収ライン324、328を通じて外部の処理液再生システム(図示せず)に提供されて再使用されることができる。
【0064】
支持ユニット340は処理空間で基板Wを支持する。支持ユニット340は工程進行の中で基板Wを支持及び回転させる。支持ユニット340は支持板342、支持ピン344、チャックピン346、そして回転駆動部材347、348を有する。支持板342は大体に円形の板形状に提供され、上面及び底面を有する。下部面は上部面に比べて小さい直径を有する。上面及び底面はその中心軸が互いに一致するように位置される。支持板342には支持ピン344、そしてチャックピン346が設置されることができる。支持ピン344、そしてチャックピン346は各々基板Wの側部と背面を支持することができる。即ち、支持板342は支持ピン344、そしてチャックピン346を媒介として基板Wを支持することができる。
【0065】
支持ピン344は複数が提供される。支持ピン344は支持板342の上面の縁部に所定の間隔に離隔されるように配置し、支持板342から上部に突出される。支持ピン344は相互間の組み合わせによって全体的に環状のリング形状を有するように配置される。支持ピン344は支持板342の上部面から基板Wが一定距離離隔されるように基板Wの後面縁を支持する。
【0066】
チャックピン346は支持板342に設置されることができる。チャックピン346は基板Wの側部をチャッキングすることができる。チャックピン346は複数が提供される。チャックピン346は本体342の中心から支持ピン344より遠く離れるように配置される。チャックピン346は支持板342の上面から上方向に突出されるように提供される。チャックピン346は支持板342が回転される時、基板Wが正位置から側方向に離脱されないように基板Wの側部を支持する。チャックピン346は支持板342の半径方向に沿って外側位置と内側位置との間に直線移動が可能するように提供される。外側位置は内側位置に比べて支持板342の中心から遠く離れた場所である。基板Wが支持板342にローディング又はアンローディングされる時、チャックピン346は外側位置に位置され、基板Wに対して工程遂行の時、チャックピン346は内側位置に位置される。内側位置はチャックピン346と基板Wの側部が互いに接触される位置であり、外側位置はチャックピン346と基板Wが互いに離隔される場所である。
【0067】
また、チャックピン346は図3に図示されたように接地されることができる。また、チャックピン346は支持板342と電気的に連結されることができる。したがって、基板Wを処理する過程で発生される静電気はチャックピン346が形成する接地経路を通じて除去されることができる。また、チャックピン346は、基板Wの側部と接触する接触部346a、接地される接地部346c、そして接触部346aと接地部346cとの間に提供される中間部346bを含むことができる。また、接触部346a、中間部346b、そして接地部346cの抵抗は互いに異なることができる。例えば、接地ラインと近いほど、抵抗値が小さいことができる。例えば、接触部346aの抵抗値は中間部346bより大きく、中間部346bの抵抗値は接地部346cより大きいことができる。一例として、接触部346aの抵抗値は1M Ohmsであり、中間部346bの抵抗値は1K Ohmsであり、接地部346cの抵抗値は10 Ohmsである。静電気は抵抗値が小さい機材に向かう方向に流れる性質がある。即ち、チャックピン346の抵抗値が勾配を有することに応じて基板処理過程で発生された静電気は接地ラインに向かう方向に流れるようになって、より効果的に静電気を除去することができるようになる。
【0068】
回転駆動部材347、348は支持板342を回転させる。支持板342は回転駆動部材347、348によってその中心軸を中心に回転可能である。回転駆動部材347、348は中空軸347及び駆動器348を含む。中空軸347は第3方向16に向かう筒形状を有する。中空軸347の上端は支持板342の底面に固定結合される。駆動器348は中空軸347が回転されるように駆動力を提供する。駆動器354はモーターであり得る。駆動器348は中心が開放された中空モーターであり得る。中空軸347は駆動器354によって回転され、支持板342は中空軸347と共に回転可能である。
【0069】
昇降ユニット300は処理容器320を上下方向に直線移動させる。処理容器320が上下に移動されることによって、支持板342に対する処理容器320の相対高さが変更される。昇降ユニット360は基板Wが支持板342にローディングされるか、或いはアンローディングされる時、支持板342が処理容器320の上部に突出されるように処理容器320は下降される。また、工程が進行される時には基板Wに供給された処理液Lの種類に応じて処理液Lが既設定された回収筒322、326に流入されるように処理容器320の高さが調節する。昇降ユニット360はブラケット362、移動軸364、そして駆動器366を有する。ブラケット362は処理容器320の外壁に固定設置され、ブラケット362には駆動器366によって上下方向に移動される移動軸364が固定結合される。また、昇降ユニット360は内部回収筒322、そして外部回収筒326の高さを互いに独立的に調節してもよい。また、選択的に、昇降ユニット360は支持板342を上下方向に移動させることができる。
【0070】
また、昇降ユニット360は接地されることができる。また、昇降ユニット360は処理容器320と互いに電気的に連結されることができる。したがって、処理液Lが処理容器320と摩擦されて発生されることができる静電気は昇降ユニット360が形成する接地経路に沿って除去されることができる。
【0071】
上部流体供給ユニット380は基板Wに処理液Lを供給する液供給ユニットであり得る。上部流体供給ユニット380は基板Wの上面に処理液Lを供給する。基板の上面はパターンが形成されたパターン面である。上部液供給ユニット380は複数に提供され、各々は互いに異なる種類の処理液Lを供給することができる。上部液供給ユニット380は移動部材381及びノズル389を含む。
【0072】
移動部材381はノズル389を工程位置及び待機位置に移動させる。ここで、工程位置はノズル389が基板支持ユニット340に支持された基板Wと対向される位置であり、待機位置はノズル389が工程位置をずれた位置として定義する。一例によれば、工程位置は前処理位置及び後処理位置を含む。前処理位置はノズル389が第1供給位置に処理液を供給する位置であり、後処理位置はノズル389が第2供給位置に処理液を供給する位置に提供される。第1供給位置は第2供給位置より基板Wの中心にさらに近い位置であり、第2供給位置は基板の端部を含む位置である。選択的に、第2供給位置は基板の端部に隣接する領域である。
【0073】
移動部材381は支持軸386、アーム382、そして駆動部材388を含む。支持軸386は処理容器320の一側に位置される。支持軸386はその長さ方向が第3方向に向かうロード形状を有する。支持軸386は駆動部材388によって回転可能するように提供される。支持軸386は昇降移動が可能するように提供される。アーム382は支持軸386の上端に結合される。アーム382は支持軸386から垂直に延長される。アーム382の終端にはノズル389が固定結合される。支持軸386が回転されることによって、ノズル389はアーム382と共にスイング移動可能である。ノズル390はスイング移動されて工程位置及び待機位置に移動されることができる。選択的に、アーム382はその長さ方向に向かって前進及び後進移動が可能するように提供されることができる。上部から見る時、ノズル389が移動される経路は工程位置で基板Wの中心軸と一致されることができる。処理液はケミカル、リンス液、そして有機溶剤であり得る。ケミカルは酸又は塩基性質を有する液であり得る。ケミカルは硫酸(HSO)、リン酸(P)、フッ酸(HF)、そして水酸化アンモニウム(NHOH)を含むことができる。リンス液は純水(H0)でであり得る。有機溶剤はイソプロピルアルコール(IPA)であり得る。
【0074】
下部流体供給ユニット370は基板Wの下面を洗浄及び乾燥処理することができる。下部流体供給ユニット370は基板Wの下面に流体を供給することができる。基板Wの下面はパターンが形成される面と反対になる非パターン面である。下部流体供給ユニット370は上部流体供給ユニット380と同時に液を供給することができる。下部流体供給ユニット370は回転されないように固定されることができる。
【0075】
また、制御器390は基板処理装置300を制御することができる。制御器390は基板処理装置300が基板Wに対して液処理工程を遂行するように基板処理装置300を制御することができる。
【0076】
上述した処理容器320、支持ユニット340、昇降ユニット360、上部流体供給ユニット380、そして下部流体供給ユニット370は以下では説明する工程チャンバー260に提供されるコンポーネント(Component)の一例であり得る。例えば、処理容器320、ノズル389、そして支持板342は以下では説明するコンポーネントの一例であり得る。
【0077】
工程チャンバー260に提供されるコンポーネント(Component)は弗素樹脂又はプラスチックを含む素材で提供されることができる。例えば、コンポーネントはエチレン4フッ化エチレン共重合体(ETFE)又はプラスチックを含む素材で提供されることができる。また、弗素樹脂又はプラスチックを含む素材で提供されるコンポーネントはその表面がイオン注入処理された状態に提供されることができる。
【0078】
図4及び図5は弗素樹脂又はプラスチック素材で製造されるコンポーネントの表面にイオン注入時に発生する分子結合の破壊、そしてクロスリンキン現象を示す図面である。弗素樹脂又はプラスチック素材で提供されるコンポーネントに気体又は固体イオン(Ion)を注入すれば、イオンはコンポーネントの表面に浸透する。イオンがコンポーネントの表面に浸透するようになれば、表面の電気伝導度が向上される。表面電気伝導度の向上はコンポーネントの表面に注入されたイオンによるC-C及び/又はC=Cの結合増加、そしてRadiation Damage増加に応じる分子結合の破壊とクロスリンキン(Cross-linking)現象にその原因がある。
【0079】
例えば、弗素樹脂の中でETFEにイオンを注入すれば、C-H、C-Fの結合が減少され、C=C二重結合とC≡C三重結合が増加するクロスリンキン(Crosslinking)現象が発生される。これによって、コンポーネントの表面に適度な導電性が作られる。また、イオン注入処理されたコンポーネントの表面は静電気が概ね発生されない静電気放電消散性(ESD Dissipative)を有するようになる。また、弗素樹脂を含む素材で作られたコンポーネントの表面にイオンを注入すれば、コンポーネントの表面は1M Ohms乃至1G Ohms程度の抵抗値を有する。1M Ohms乃至1G Ohms程度の抵抗値はSEMI基準も満たしている。
【0080】
コンポーネントの表面が消散性を有するようにされれば、処理液L等との摩擦による静電気が概ね発生されない。仮に、少ない量の静電気が発生されても、コンポーネントの表面はある程度の導電性を有しているので、コンポーネントが接地されれば、コンポーネントの接地経路を通じて除去されることができる。また、コンポーネントの表面は1M Ohms乃至1G Ohms程度の抵抗値を有すれば、発生された静電気が急速度に除去されないので、アーキング(Arching)現象が発生されることを最小化することができる。
【0081】
図6図2の基板処理装置の一部を示す図面である。上述したコンポーネントの一例として処理容器320を挙げることができる。例えば、処理容器320は弗素樹脂又はプラスチックを含む素材で提供されることができる。また、処理容器320はその表面がイオン注入処理されることができる。例えば、処理容器320の内表面、そして外表面はイオン注入処理されることができる。イオン注入処理された処理容器320の表面は消散性を有することができる。また、イオン注入処理された処理容器320の表面は適当な導電性を有することができる。また、イオン注入処理された処理容器320の表面は1M Ohms乃至1G Ohmsの抵抗値を有することができる。
【0082】
したがって、図7に図示されたように処理液Lが回転する基板Wに供給されて飛散され、飛散された処理液Lが処理容器320と摩擦されても静電気が概ね発生されない。仮に、静電気が発生されても、静電気は処理容器320、そして昇降ユニット360を通じて放電されることができる。処理容器320はその表面が適当な導電性を有しているためである。
【0083】
また、静電気をより効率的に除去するために、第2傾斜部326aの表面(図6のA領域参照)に注入されるイオンの量と第2側壁部326bの表面(図6のB領域参照)に注入されるイオンの量が互いに異なることができる。これは第2傾斜部326aの表面抵抗値と第2側壁部326bの表面抵抗値を互いに異なりにするためである。これはコンポーネントに注入されるイオンの量が多いと、コンポーネントの表面抵抗が低くなり、コンポーネントに注入されるイオンの量が少ないと、コンポーネントの表面抵抗が高くなる原理を利用したことである。
【0084】
例えば、第2傾斜部326aに注入されるイオンの量が第2側壁部326bに注入されるイオンの量より少ないと、第2傾斜部326aの表面抵抗のサイズは第2側壁部326bの表面抵抗のサイズより大きいことができる。即ち、処理液Lが第2傾斜部326aと摩擦されて静電気が発生されても、発生された静電気は表面抵抗が小さい第2側壁部326bに向かって流れる。第2側壁部326bは接地された昇降ユニット360と結合されているので、第2側壁部326bに静電気が伝達されれば、静電気は昇降ユニット360と連結された接地ラインを除去されることができる。即ち、処理容器320の表面抵抗が処理容器320が昇降ユニット360と結合された領域に行くほど、小さくなるように提供されて発生された静電気を効果的に除去することができる。
【0085】
これと類似に第1傾斜部322aの表面に注入されるイオンの量と第1側壁部322bの表面に注入されるイオンの量が互いに異なることができる。例えば、第1傾斜部322aの表面に注入されるイオンの量は第1側壁部322bの表面に注入されるイオンの量より小いことができる。
【0086】
図8図2の支持板を上部から見た図面である。上述したコンポーネントの一例として支持板342を挙げることができる。例えば、支持板342は弗素樹脂又はプラスチックを含む素材で提供されることができる。また、支持板342はその表面がイオン注入処理されることができる。例えば、支持板342の上面はイオン注入処理されることができる。イオン注入処理された支持板342の上面は消散性を有することができる。また、イオン注入処理された支持板342の上面は適当な導電性を有することができる。また、イオン注入処理された支持板342の上面は1M Ohms乃至1G Ohmsの抵抗値を有することができる。
【0087】
また、上部から見た支持板342の中央領域に注入されるイオンの量は支持板342の縁領域に注入されるイオンの量と互いに異なることができる。例えば、支持板342の中央領域に注入されるイオンの量は支持板342の縁領域に注入されるイオンの量より小いことができる。この場合、支持板342の中央領域の表面抵抗は支持板342の縁領域の表面抵抗より大きいことができる。支持板342の半径方向に沿って、支持板342上面の表面抵抗値は徐々に小さくなることができる。例えば、図9に図示されたように支持板342の中央領域P1の表面抵抗値は100M ohmsであり得る。また、支持板342のミドル領域P2の表面抵抗値は10M ohmsであり得る。また、支持板342の縁領域の表面抵抗値は1M ohmsであり得る。支持板342の中央領域の表面抵抗が支持板342の縁領域の表面抵抗より大きいので、支持板342の上面に伝達された静電気は支持板342の縁領域に向かって流れる。また、上述したように支持板342の縁領域には接地されたチャックピン346が提供される。また、支持板342の縁領域の表面抵抗値はチャックピン346の接触部346aの抵抗値と互いに同一であることができる。したがって、支持板342に伝達された静電気はチャックピン346を通じて効果的に除去されることができる。
【0088】
図10図2のノズルを示す図面である。上述したコンポーネントの一例としてノズル389を挙げることができる。ノズル389は弗素樹脂又はプラスチックを含む素材で提供されることができる。また、ノズル389はその表面がイオン注入処理されることができる。例えば、ノズル389の外表面389aはイオン注入処理されることができる。また、ノズル389内に形成され、処理液Lが流れる吐出流路389bはイオン注入処理されることができる(図10のC領域参照)。イオン注入処理されたノズル389の外表面389a及び吐出流路389bは消散性を有することができる。また、イオン注入処理されたノズル389の外表面389a及び吐出流路389bは適当な導電性を有することができる。また、イオン注入処理されたノズル389の外表面389a及び吐出流路389bは1M Ohms乃至1G Ohmsの抵抗値を有することができる。
【0089】
図11は本発明の一実施形態によるイオン注入処理装置を示す図面である。図11を参照すれば、本発明の一実施形態によるイオン注入処理装置400はハウジング410、回転チャック420、移動レール430、イオンビーム照射部440、そして排気ライン450を含むことができる。
【0090】
ハウジング410は内部空間412を有することができる。回転チャック420は内部空間412で上述したコンポーネント(例えば、支持板342)を支持及び回転させることができる。移動レール430は回転チャック420を側方向に移動させることができる。イオンビーム照射部440は回転チャック420に支持されたコンポーネントにイオンビームを走査することができる。排気ライン450はハウジング410と連結されて内部空間412で発生されるガスG又は副産物をハウジング410の外部に排気することができる。
【0091】
図12図11のイオン注入処理装置がコンポーネントにイオン注入処理を遂行する形状を示す図面である。図12を参照すれば、本発明の一実施形態に係るイオン注入処理方法は、回転チャック420にコンポーネント342を支持させ、回転チャック420を駆動してコンポーネント342を一方向に回転させることができる。また、回転するコンポーネント342にイオンビーム照射部440がイオンビームを照射することができる。この時、イオンビーム照射部440は気体イオン、そして固体イオンの中から選択された状態のイオンを含むイオンビームをコンポーネント342に照射することができる。例えば、コンポーネント342の表面抵抗をより低くしようとする場合にイオンビーム照射部440は固体イオンを含むイオンビームをコンポーネント342に照射することができる。例えば、コンポーネント342の表面抵抗をより高くしようとする場合にイオンビーム照射部440は固体イオンを含むイオンビームをコンポーネント342に照射することができる。
【0092】
また、コンポーネント342に照射されるイオンビームはコンポーネント342の回転中心に対して偏心された位置でコンポーネント342に走査されることができる。このようにイオンビームが照射されれば、コンポーネント342にイオンビームが集中されてコンポーネント342が過度に加熱されることを最小化することができる。
【0093】
また、コンポーネント342にイオンビームが照射されれば、イオンによって結合が切断されたF、H等がアウトガスGとして生成される。しかし、本発明の一実施形態によればイオンビームが照射される間にコンポーネント342が回転チャック420によって回転されるので、イオン注入処理の間に発生するアウトガスGは回転チャック420又はコンポーネント342の回転によって発生する気流によってコンポーネント342から離れることができる。
【0094】
図13はコンポーネントの半径方向に沿ってコンポーネントに伝達されるイオンの量の一例を示す図面である。具体的に、図13はイオンビーム照射部440がコンポーネント342に伝達するイオンの量を示す図面である。図13に図示されたようにコンポーネント342の表面に照射されるイオンの量はコンポーネント342の半径方向に沿ってほぼ一定であることができる。しかし、これに限定されることではない。例えば、上述したようにコンポーネント342の表面抵抗の勾配を発生させるために図14に図示されたようにコンポーネント342の半径方向に沿って伝達されるイオンの量を異なりにしてもよい。例えば、イオンビームはコンポーネント342の中央領域に注入されるイオンの量とコンポーネントの縁領域に注入されるイオンが互いに異なるようにコンポーネント342に照射されることができる。例えば、イオンビームはコンポーネント342の中央領域に注入されるイオンの量とコンポーネントの縁領域に注入されるイオンが互いに異なるようにコンポーネント342に照射されることができる。
【0095】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むこととして解析されなければならない。
【符号の説明】
【0096】
320 処理容器
340 支持ユニット
360 昇降ユニット
370 下部流体供給ユニット
380 上部流体供給ユニット
390 制御器
400 イオン注入処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14