(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】試料分析装置及び試料分析方法
(51)【国際特許分類】
G01N 31/00 20060101AFI20231107BHJP
G01N 31/22 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
G01N31/00 T
G01N31/22 122
(21)【出願番号】P 2021141183
(22)【出願日】2021-08-31
【審査請求日】2022-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】千代丸 勝
(72)【発明者】
【氏名】三河 寛明
(72)【発明者】
【氏名】奥崎 友一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 優
(72)【発明者】
【氏名】川崎 耕平
(72)【発明者】
【氏名】林 歩美
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106770916(CN,A)
【文献】特開2014-016277(JP,A)
【文献】特開2008-157865(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105424686(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109030475(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 31/00,31/22,
G01N 33/208
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料の表面処理を行うための処理液から抽出された試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる酸化反応部と、
前記試料液に含まれる三価クロムの濃度及び六価クロムの濃度をそれぞれ検出する検出部と、
前記酸化反応部を通過させた第1の前記試料液を前記検出部に供給する第1供給モードと、前記酸化反応部を通過させない第2の前記試料液を前記検出部に供給する第2供給モードとを選択的に実行する制御部と、
主配管に配置されるポンプと、
前記主配管に接続される主ポートと複数の副ポートとを有し、前記主ポートに接続される前記副ポートを切り換える流路切換部と、
前記試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための試薬液を前記試料液に混合する混合容器と、を備え、
前記検出部は、前記第1の試料液に含まれる六価クロムの第1濃度と前記第2の試料液に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出し、前記第1濃度及び前記第2濃度に基づいて前記第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度を検出
し、
前記混合容器は、前記ポンプと前記主ポートとの間の前記主配管に設けられており、
複数の前記副ポートは、
前記試料液が供給される試料配管に接続される試料ポートと、
前記試薬液が供給される試薬配管に接続される試薬ポートと、
前記検出部が配置される検出配管に接続される検出ポートと、
前記酸化反応部が配置される酸化反応配管に接続される酸化反応ポートと、を有し、
前記制御部は、
前記第1供給モードにおいて、前記試料ポート及び前記試薬ポートから前記混合容器へ前記試料液及び前記試薬液を引き込み、前記主ポート及び前記酸化反応ポートを介して前記試料液と前記試薬液とを前記酸化反応部へ供給し、前記酸化反応部から前記検出部へ前記第1の試料液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御し、
前記第2供給モードにおいて、前記試料ポートから前記混合容器へ前記試料液を引き込み、前記混合容器から前記検出部へ前記第2の試料液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御する試料分析装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記第1の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第1光量を測定し、前記第2の試料液に前記特定の波長の光を照射した際に通過する第2光量を測定し、前記第1光量及び前記第2光量に基づいて前記第1の試料液及び前記第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を検出する請求項1に記載の試料分析装置。
【請求項3】
前
記試薬液を分解する分解部を備え、
前記制御部は、前記第1供給モードにおいて、前記酸化反応部を通過させた前記第1の試料液を、前記分解部を通過させてから前記検出部に供給する請求項1または請求項2に記載の試料分析装置。
【請求項4】
複数の前記副ポートは、所定濃度の前記六価クロムを含む標準液が供給される標準配管に接続される標準ポートを有し、
前記制御部は、前記主ポートと前記標準ポートとを接続して前記標準配管から前記混合容器へ前記標準液を引き込み、前記主ポートと前記検出ポートとを接続して前記混合容器から前記検出部へ前記標準液を供給する第3供給モードを実行可能であり、
前記検出部は、前記標準液に前記特定の波長の光を照射した際に通過する第3光量を測定し、前記第1光量と前記第2光量と前記第3光量とに基づいて前記第1の試料液及び前記第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を検出する請求項
2に記載の試料分析装置。
【請求項5】
複数の前記副ポートは、純水が供給される純水配管に接続される純水ポートと、前記試料液と前記純水とが混合した希釈液を保持する希釈容器に接続される希釈ポートと、を有し、
前記制御部は、前記主ポートと前記試料ポートとを接続して前記試料配管から前記混合容器へ前記試料液を引き込み、前記主ポートと前記純水ポートとを接続して前記純水配管から前記混合容器へ前記純水を引き込み、前記主ポートと前記希釈ポートとを接続して前記混合容器から前記希釈容器へ前記希釈液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御する請求項
1から請求項4のいずれか一項に記載の試料分析装置。
【請求項6】
試料分析装置を用いて試料液に含まれる六価クロムの濃度を検出する試料分析方法であって、
前記試料分析装置は、
金属材料の表面処理を行うための処理液から抽出された前記試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる酸化反応部と、
前記試料液に含まれる六価クロムの濃度を検出する検出部と、
主配管に配置されるポンプと、
前記主配管に接続される主ポートと複数の副ポートとを有し、前記主ポートに接続される前記副ポートを切り換える流路切換部と、
前記試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための試薬液を前記試料液に混合する混合容器と、を備え、
前記混合容器は、前記ポンプと前記主ポートとの間の前記主配管に設けられており、
複数の前記副ポートは、
前記試料液が供給される試料配管に接続される試料ポートと、
前記試薬液が供給される試薬配管に接続される試薬ポートと、
前記検出部が配置される検出配管に接続される検出ポートと、
前記酸化反応部が配置される酸化反応配管に接続される酸化反応ポートと、を有し、
前記酸化反応部を通過させた第1の前記試料液を前記検出部に供給する第1供給モードと、前記酸化反応部を通過させない第2の前記試料液を前記検出部に供給する第2供給モードとを選択的に実行する制御工程と、
前記検出部により、前記第1の試料液に含まれる六価クロムの第1濃度と前記第2の試料液に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出し、前記第1濃度及び前記第2濃度に基づいて前記第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度を検出する検出工程と、を備え
、
前記制御工程は、
前記第1供給モードにおいて、前記試料ポート及び前記試薬ポートから前記混合容器へ前記試料液及び前記試薬液を引き込み、前記主ポート及び前記酸化反応ポートを介して前記試料液と前記試薬液とを前記酸化反応部へ供給し、前記酸化反応部から前記検出部へ前記第1の試料液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御し、
前記第2供給モードにおいて、前記試料ポートから前記混合容器へ前記試料液を引き込み、前記混合容器から前記検出部へ前記第2の試料液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御する試料分析方法。
【請求項7】
前記検出工程は、前記第1の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第1光量を測定し、前記第2の試料液に前記特定の波長の光を照射した際に通過する第2光量を測定し、前記第1光量及び前記第2光量に基づいて前記第1の試料液及び前記第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を検出する請求項
6に記載の試料分析方法。
【請求項8】
前記試料分析装置は、前
記試薬液を分解する分解部を備え、
前記制御工程は、前記第1供給モードにおいて、前記酸化反応部を通過させた前記第1の試料液を、前記分解部を通過させてから前記検出部に供給する請求項
6または請求項7に記載の試料分析方法。
【請求項9】
複数の前記副ポートは、所定濃度の前記六価クロムを含む標準液が供給される標準配管に接続される標準ポートを有し、
前記制御工程は、前記主ポートと前記標準ポートとを接続して前記標準配管から前記混合容器へ前記標準液を引き込み、前記主ポートと前記検出ポートとを接続して前記混合容器から前記検出部へ前記標準液を供給する第3供給モードを実行可能であり、
前記検出工程は、前記標準液に前記特定の波長の光を照射した際に通過する第3光量を測定し、前記第1光量と前記第2光量と前記第3光量とに基づいて前記第1の試料液及び前記第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を検出する請求項
7に記載の試料分析方法。
【請求項10】
複数の前記副ポートは、純水が供給される純水配管に接続される純水ポートと、前記試料液と前記純水とが混合した希釈液を保持する希釈容器に接続される希釈ポートと、を有し、
前記制御工程は、前記主ポートと前記試料ポートとを接続して前記試料配管から前記混合容器へ前記試料液を引き込み、前記主ポートと前記純水ポートとを接続して前記純水配管から前記混合容器へ前記純水を引き込み、前記主ポートと前記希釈ポートとを接続して前記混合容器から前記希釈容器へ前記希釈液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御する請求項
6から請求項9のいずれか一項に記載の試料分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試料分析装置及び試料分析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種工場排水や河川水等の水質を監視するために試料液に含まれる六価クロムの濃度を、吸光度測定法を用いて測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、アルミニウム合金等の金属材料により形成される航空機部品を生産する際に、クロム酸を含む処理液を用いて、金属材料の皮膜処理などの表面処理が行われる。クロム酸を含む処理液により所望の表面処理を行うためには、処理液に含まれる六価クロムの濃度を所望の範囲に保つ必要がある。これは、処理液に含まれる六価クロムが還元されて三価クロムとなることがあり、三価クロムによって被膜処理に悪影響があるからである。そのため、例えば、工場において作業員等により定期的(1回/週など)に処理液から試料液を抽出し、分析装置が設置された場所へ輸送し、分析装置を用いて処理液に含まれる六価クロム及び三価クロムの濃度の分析が行われる。
【0005】
しかしながら、工場において処理液から試料液を抽出する間に一定の期間(例えば、1週間)が経過するため、この期間内に処理液に含まれる六価クロム及び三価クロムの濃度が何らかの要因によって大きく変動してしまうと、処理液に含まれる六価クロム及び三価クロムの濃度を所望の範囲に保つことができず、適切な表面処理を行うことができなくなる可能性がある。
【0006】
また、分析装置を用いて試料液に含まれる六価クロム及び三価クロムの濃度の分析をする際には、試料液に含まれる三価クロムを酸化させて六価クロムとし、酸化した三価クロムを含む全クロムの濃度を分析する必要がある。そのため、三価クロムを六価クロムに酸化させる作業や、三価クロムを酸化させた試料液を分析装置に設置する作業などが必要であり、それらの作業を行う作業員や分析装置を設置するスペースを確保する必要がある。しかしながら、工場において、各種の作業を行う作業員や分析装置を設置するスペースを確保することは容易ではない。
【0007】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる作業を行う作業員やその作業を行うスペースを確保することなく、処理液に含まれる三価クロム及び六価クロムの濃度を所望の範囲に保つように適切に分析すること可能な試料分析装置および試料分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る試料分析装置は、金属材料の表面処理を行うための処理液から抽出された試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる酸化反応部と、前記試料液に含まれる三価クロムの濃度及び六価クロムの濃度をそれぞれ検出する検出部と、前記酸化反応部を通過させた第1の前記試料液を前記検出部に供給する第1供給モードと、前記酸化反応部を通過させない第2の前記試料液を前記検出部に供給する第2供給モードとを選択的に実行する制御部と、を備え、前記検出部は、前記第1の試料液に含まれる六価クロムの第1濃度と前記第2の試料液に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出し、前記第1濃度及び前記第2濃度に基づいて前記第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度を検出する。
【0009】
本開示の一態様に係る試料分析方法は、試料分析装置を用いて試料液に含まれる六価クロムの濃度を検出する試料分析方法であって、前記試料分析装置は、金属材料の表面処理を行うための処理液から抽出された試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる酸化反応部と、前記試料液に含まれる六価クロムの濃度を検出する検出部と、を備え、前記酸化反応部を通過させた第1の前記試料液を前記検出部に供給する第1供給モードと、前記酸化反応部を通過させない第2の前記試料液を前記検出部に供給する第2供給モードとを選択的に実行する制御工程と、前記検出部により、前記第1の試料液に含まれる六価クロムの第1濃度と前記第2の試料液に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出し、前記第1濃度及び前記第2濃度に基づいて前記第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度を検出する検出工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる作業を行う作業員やその作業を行うスペースを確保することなく、処理液に含まれる三価クロム及び六価クロムの濃度を所望の範囲に保つように適切に分析すること可能な試料分析装置および試料分析方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】
図2に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態の試料分析方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の一態様に係る試料分析システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本開示の試料分析システムを示す概略構成図である。
図1に示すように、試料分析システムは、試料分析装置100と、表面処理装置200と、を有する。試料分析装置100の詳細な構成については後述する。
【0013】
表面処理装置200は、金属材料により形成される金属部品300の表面処理を行う装置である。金属部品(対象部品)300は、例えば、アルミニウム合金により形成される航空機部品である。表面処理装置200は、クレーン210と、搬送方向TDに沿って間隔を空けて配置される複数の処理槽220と、各処理槽220に対応して設けられた複数のバルブ230と、を有する。
【0014】
表面処理装置200は、例えば、アルミニウム合金により形成される航空機部品の表面に被膜を形成するために、アノダイズ処理(アルミニウム陽極酸化処理)を行う装置である。アノダイズ処理を行う処理液として、クロム酸を含む処理液が使用される。
【0015】
複数の処理槽220に含まれる第1処理槽221には、アノダイズ処理を行う処理液が保持されている。第2処理槽222および第3処理槽223には、純水が保持されている。表面処理装置200は、金属部品300を、クレーン210によって吊るし、搬送方向TDに移動させながら上下動作により第1処理槽221、第2処理槽222、第3処理槽223の順に各処理槽に保持される処理液に浸漬させる。
【0016】
また、第4処理槽224、第5処理槽225、第6処理槽226には、それぞれ他の表面処理を行うための処理液が保持されている。表面処理装置200は、金属部品300を、搬送方向TDに沿って第1~第6処理槽の順で順次処理液に浸漬させることにより、金属部品300に所望の表面処理を行う。なお、表面処理装置200が有する処理槽220の数は、任意の数とすることができる。
【0017】
図1に示すように、第1処理槽221,第2処理槽222,第3処理槽223,第4処理槽224,第5処理槽225,第6処理槽226のそれぞれには、処理液から抽出された試料液を試料分析装置100へ導く第1配管SL1,第2配管SL2,第3配管SL3,第4配管SL4,第5配管SL5,第6配管SL6が接続されている。
【0018】
第1配管SL1,第2配管SL2,第3配管SL3,第4配管SL4,第5配管SL5,第6配管SL6には、それぞれ第1バルブ231,第2バルブ232,第3バルブ233,第4バルブ234,第5バルブ235,第6バルブ236が設けられている。試料分析装置100の制御部60は、複数のバルブ230(第1~第6バルブ)の開閉状態を切り換えることにより、複数の処理槽220の中から任意の処理槽の処理液を抽出し、試料分析装置100へ供給することができる。
【0019】
次に、本実施形態の試料分析装置100の詳細について、
図2を参照して説明する。
図2は、試料分析装置100の概略構成を示す図である。
図2に示すように、試料分析装置100は、シリンジポンプ10と、流路切換バルブ(流路切換部)20と、混合容器30と、検出部40と、三方バルブ50と、制御部60と、酸化反応部70と、分解部80と、を備える。
【0020】
シリンジポンプ10は、主配管Lmに配置され、所定量の液体を吸引または送出する装置である。シリンジポンプ10は、外筒11に対して、外筒11の内周面に接触するガスケット12aが先端に取り付けられたプランジャ12を挿入する長さをモータ13で調整することにより、液体の吸引量および送出量を調整する。
【0021】
流路切換バルブ20は、主ポートPmと複数の副ポートPs(Ps1-Ps12)とを有し、主ポートPmに接続される副ポートPsを切り換える装置である。主ポートPmおよび副ポートPsは、液体を流通させるための流路である。流路切換バルブ20は、制御部60から伝達される制御信号に応じて、主ポートPmに対して複数の副ポートPs(Ps1-Ps12)のいずれか1つを接続するように切り換える。
【0022】
試料ポートPs1は、複数の処理槽220のいずれかで保持される処理液を抽出した試料液が供給される試料配管Ls1に接続されるポートである。検出ポートPs2は、検出部40が配置される検出配管Ls2に接続されるポートである。酸化反応試薬ポートPs3は、酸化反応試薬容器Co3から試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための酸化反応試薬液(硝酸及び過マンガン酸カリウムを含む溶液)が供給される酸化反応試薬配管Ls3に接続されるポートである。
【0023】
発色試薬ポートPs4は、発色試薬容器Co4から発色試薬液(例えば、ジフェニルカルバジド溶液)が供給される発色試薬配管Ls4に接続されるポートである。酸化反応ポートPs5は、酸化反応容器Co5が配置される酸化反応配管Ls5に接続されるポートである。分解反応ポートPs6は、分解反応容器Co6が配置される分解反応配管Ls6に接続されるポートである。
【0024】
分解試薬ポートPs7は、分解試薬液容器Co7に保持された分解試薬液(亜硝酸ナトリウムと尿素の混合溶液)が供給される分解試薬配管Ls7に接続されるポートである。廃液ポートPs8は、不要となった試薬液等を排出するための廃液配管Ls8に接続されるポートである。第1希釈ポートPs9は、純水で希釈された試料液が供給される第1希釈配管Ls9に接続されるポートである。第2希釈ポートPs10は、純水で希釈された試料液が供給される第2希釈配管Ls10に接続されるポートである。
【0025】
標準ポートPs11は、標準液容器Co11から既知の濃度(所定濃度)の六価クロムを含む標準液が供給される標準配管Ls11に接続されるポートである。純水ポートPs12は、純水容器Co12から純水が供給される純水配管Ls12に接続されるポートである。
【0026】
混合容器30は、シリンジポンプ10と主ポートPmとの間の主配管Lmに設けられるループ状(コイル状)の容器である。制御部60が三方バルブ50を混合容器30側の主配管Lmとシリンジポンプ10とを接続するように制御する場合、シリンジポンプ10の動作に応じて、主ポートPmから混合容器30に液体が吸引され、あるいは混合容器30から主ポートPmに液体が送出される。
【0027】
検出部40は、アルミニウム合金の表面処理を行うための処理液から抽出された試料液に含まれる三価クロムおよび六価クロムの濃度をそれぞれ検出する装置である。検出部40は、試料液と発色試薬液とを混合した混合液に特定の波長の光を照射した際に通過する光量を測定することにより、六価クロムの濃度を検出する。
【0028】
検出部40は、酸化反応部70を通過させた混合液(第1の試料液)に含まれる六価クロムの第1濃度と、酸化反応部70を通過させない混合液(第2の試料液)に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出する。酸化反応部70を通過させることにより試料液に含まれる三価クロムは六価クロムに酸化される。そのため、第1濃度は、試料液に含まれる六価クロムだけでなく三価クロムから酸化した六価クロムも含む濃度となる。
【0029】
検出部40は、第1濃度から第2濃度を減算した値から、処理槽220から抽出した試料液に含まれる三価クロムから酸化された六価クロムの濃度を得ることができる。そして、検出部40は、予め定められた検量線を用いて、試料液に含まれる三価クロムの濃度を検出する。このように、検出部40は、第1濃度及び第2濃度に基づいて酸化反応部70を通過させない混合液(第2の試料液)に含まれる三価クロムの濃度を検出する。
【0030】
三方バルブ50は、主配管Lmの混合容器30側とシリンジポンプ10とを接続する第1状態と、主配管Lmの純水容器Co12側とシリンジポンプ10とを接続する第2状態とを切り換える装置である。第1状態においてシリンジポンプ10で液体を吸引する動作をすると、主ポートPmから混合容器30に液体が導かれる。第2状態においてシリンジポンプ10で液体を吸引する動作をすると、純水容器Co12からシリンジポンプ10に純水が導かれる。
【0031】
制御部60は、シリンジポンプ10、流路切換バルブ20、三方バルブ50を含む試料分析装置100の全体を制御する装置である。
図3に示すように、制御部60は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、CPU61と、CPU61が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)62と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)63と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)64と、ネットワーク等に接続するための通信部65とを備えている。これら各部は、バス66を介して接続されている。
【0032】
酸化反応部70は、試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる装置である。酸化反応部70は、酸化反応容器Co5と、酸化反応容器Co5の内部に設置される酸化触媒(例えば、二酸化マンガン)と、酸化反応容器Co5に保持される試料液を酸化反応に必要な温度(例えば、50℃)に加熱する加熱部と、を有する。
【0033】
酸化反応部70には、試料液と酸化反応試薬液とが混合した混合液が、酸化反応ポートPs5から酸化反応配管Ls5を介して供給される。酸化反応部70は、加熱部により混合液を酸化反応に必要な温度(例えば、50℃)に加熱し、試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる。
【0034】
分解部80は、酸化反応部70を通過して三価クロムを六価クロムに酸化した混合液(第1の試料液)に含まれる酸化反応試薬液を分解する装置である。分解部80は、分解反応容器Co6を有し、酸化反応部70を通過した混合液と分解試薬液容器Co7に保持される分解反応試薬(亜硝酸ナトリウムと尿素の混合溶液)とを、分解反応容器Co6で保持する。これにより、酸化反応部70を通過した混合液に残存した酸化反応試薬液が還元分解される。
【0035】
次に、本実施形態の試料分析装置100を用いた試料分析方法について、
図4に示すフローチャートを参照して説明する。
図4は、本実施形態の試料分析方法を示すフローチャートである。
図4に示す各処理は、制御部60が制御プログラムを動作させることにより実行される。なお、以下で特に説明する場合を除き、制御部60は、主配管Lmの混合容器30側とシリンジポンプ10とを接続する第1状態となるよう三方バルブ50を制御するものとする。
【0036】
図4において、ステップS101からステップS105までの工程は、酸化反応部70を通過させた試料液(第1の試料液)を検出部40に供給する第1供給モードを制御部60が実行する際の工程である。ステップS106からステップS108までの工程は、酸化反応部70を通過させない試料液(第2の試料液)を検出部40に供給する第2供給モードを制御部60が実行する際の工程である。
【0037】
ステップS109の工程は、標準液容器Co11に保持される標準液を検出部40に供給する第3供給モードを制御部60が実行する工程である。制御部60は、第1供給モードと第2供給モードと第3供給モードとを選択的に実行する。
【0038】
図4において、制御部60は、第1供給モードを実行した後に第2供給モードを実行するものとしたが、第2供給モードを実行した後に第1供給モードを実行するようにしてもよい。なお、
図4に示す工程において、第1供給モードで用いられる試料液と、第2供給モードで用いられる試料液は、同じ処理槽220から抽出されたものである。
【0039】
次に、制御部60が実行する第1供給モードについて説明する。
ステップS101で制御部60は、試料液と純水を混合させて希釈液を生成する(第1希釈工程)。制御部60は、主ポートPmと試料ポートPs1とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、試料配管Ls1から混合容器30へ試料液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の試料液が保持される状態となる。
【0040】
次に、制御部60は、主ポートPmと純水ポートPs12とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、純水配管Ls12から混合容器30へ純水を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の試料液と所定量の純水が保持される状態となる。
【0041】
次に、制御部60は、主ポートPmと第1希釈ポートPs9とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、混合容器30から第1希釈配管Ls9に接続された第1希釈容器Co9へ希釈液を供給するようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、第1希釈容器Co9に希釈液が保持される状態となる。
【0042】
制御部60は、第1希釈容器Co9に保持される希釈液を更に純水で希釈する場合には、以下の処理を実行する。具体的には、制御部60は、主ポートPmと第1希釈ポートPs9とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、第1希釈配管Ls9から混合容器30へ希釈液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の希釈液が保持される状態となる。
【0043】
次に、制御部60は、主ポートPmと純水ポートPs12とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、純水配管Ls12から混合容器30へ純水を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の希釈液と所定量の純水が保持される状態となる。
【0044】
次に、制御部60は、主ポートPmと第2希釈ポートPs10とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、混合容器30から第2希釈配管Ls10に接続された第2希釈容器Co10へ希釈液を供給するようにシリンジポンプ10を制御する。
【0045】
以上により、第2希釈容器Co10に希釈液が保持される状態となる。第1希釈容器Co9を用いて試料液を希釈した後に更に第2希釈容器Co10を用いて希釈することができる。したがって、試料液を検出部40で検出するのに適した所望の希釈液となるように広範囲の倍率で試料液を希釈することができる。
【0046】
なお、複数の処理槽220から抽出した試料液を希釈する必要の無い場合には、ステップS101の希釈工程を省略してもよい。希釈工程を省略する場合、ステップS102の酸化工程では、試料配管Ls1から混合容器30に吸引した試料液を酸化反応部70に送出するものとする。
【0047】
ステップS102で制御部60は、希釈液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる(酸化工程)。制御部60は、主ポートPmと第1希釈ポートPs9または第2希釈ポートPs10とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、第1希釈配管Ls9または第2希釈配管Ls10から混合容器30へ希釈液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の希釈液が保持される状態となる。
【0048】
次に、制御部60は、主ポートPmと酸化反応試薬ポートPs3とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、酸化反応試薬容器Co3から酸化反応試薬配管Ls3を介して混合容器30に酸化反応試薬を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の酸化反応試薬液が保持される状態となる。
【0049】
次に、制御部60は、主ポートPmと酸化反応ポートPs5とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、混合容器30から酸化反応配管Ls5に配置された酸化反応部70へ希釈液と酸化反応試薬液とが混合した混合液を供給するようにシリンジポンプ10を制御する。酸化反応部70は、加熱部により混合液を酸化反応に必要な温度(例えば、50℃)に加熱し、酸化触媒(例えば、二酸化マンガン)が充填された内部を流通させることにより、試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる。
【0050】
ステップS103で制御部60は、酸化反応部70を通過した混合液に残存した酸化反応試薬液を分解する(分解工程)。制御部60は、主ポートPmと酸化反応ポートPs5とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、酸化反応部70から混合容器30へ混合液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の混合液が保持される状態となる。
【0051】
次に、制御部60は、主ポートPmと分解試薬ポートPs7とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、分解試薬液容器Co7から分解試薬配管Ls7を介して混合容器30に分解試薬液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の分解試薬液が保持される状態となる。
【0052】
次に、制御部60は、主ポートPmと分解反応ポートPs6とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、混合容器30から分解反応配管Ls6に配置された分解部80へ酸化反応部70を通過した試料液と分解試薬液とが混合した混合液を供給するようにシリンジポンプ10を制御する。分解部80は、酸化反応部70を通過した混合液に残存した酸化反応試薬液を還元分解する。
【0053】
ステップS104で、制御部60は、分解部80により酸化反応試薬液が分解された混合液と、発色試薬液とを混合する(第1混合工程)。制御部60は、主ポートPmと分解反応ポートPs6とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、分解反応容器Co6から分解反応配管Ls6を介して混合容器30に混合液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の混合液が保持される状態となる。
【0054】
次に、制御部60は、主ポートPmと発色試薬ポートPs4とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、発色試薬配管Ls4から混合容器30へ発色試薬液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の発色試薬液が保持される状態となる。以上により、分解部80により酸化反応試薬液が分解された混合液と、発色試薬液とが混合される。
【0055】
ステップS105で、制御部60は、酸化反応試薬液が分解された混合液と発色試薬液との混合液を検出部40へ送出し、酸化反応部70を通過させた試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第1光量を測定するよう検出部40を制御する(第1測定工程)。
【0056】
制御部60は、混合容器30に保持される混合液(第1の試料液)を検出部40に送出する。制御部60は、主ポートPmと検出ポートPs2とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、混合容器30から検出配管Ls2を介して検出部40へ混合液を供給するようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に保持される混合液が検出部40に送出される。検出部40は、混合容器30から送出された混合液が検出部40を通過する際に、混合液に特定の波長の光を照射し、光を照射した際に通過する第1光量を測定する。
【0057】
次に、制御部60が実行する第2供給モードについて説明する。
ステップS106で制御部60は、試料液と純水を混合させて希釈液を生成する(第2希釈工程)。ステップS106で制御部60が実行する処理は、ステップS101で制御部60が実行する処理と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
ステップS107で、制御部60は、ステップS101で生成された希釈液と、発色試薬液とを混合する(第2混合工程)。制御部60は、主ポートPmと第1希釈ポートPs9または第2希釈ポートPs10とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、第1希釈配管Ls9または第2希釈配管Ls10から混合容器30に希釈液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の希釈液が保持される状態となる。
【0059】
次に、制御部60は、主ポートPmと発色試薬ポートPs4とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、発色試薬配管Ls4から混合容器30へ発色試薬液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の発色試薬液が保持される状態となる。
【0060】
ステップS108で、制御部60は、希釈液と発色試薬液との混合液を検出部40へ送出し、酸化反応部70を通過させない試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第2光量を測定するよう検出部40を制御する(第2測定工程)。
【0061】
制御部60は、混合容器30に保持される混合液(第2の試料液)を検出部40に送出する。制御部60は、主ポートPmと検出ポートPs2とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、混合容器30から検出配管Ls2を介して検出部40へ混合液を供給するようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に保持される混合液が検出部40に送出される。検出部40は、混合容器30から送出された混合液が検出部40を通過する際に、混合液に特定の波長の光を照射し、光を照射した際に通過する第2光量を測定する。
【0062】
ステップS109で、制御部60は、酸化反応部70を通過させた試料液(第1の試料液)に含まれる六価クロムの第1濃度と、酸化反応部70を通過させない試料液(第2の試料液)に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出するよう検出部40を制御する。そして、検出部40は、第1濃度及び第2濃度に基づいて酸化反応部70を通過させない試料液(第2の試料液)に含まれる三価クロムの濃度を検出する。
【0063】
制御部60は、主ポートPmと標準ポートPs11とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、標準配管Ls11から混合容器30へ標準液を引き込むようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に所定量の標準液が保持される状態となる。
【0064】
次に、制御部60は、混合容器30に保持される標準液を検出部40に送出する。制御部60は、主ポートPmと検出ポートPs2とを接続するよう流路切換バルブ20を制御する。また、制御部60は、混合容器30から検出配管Ls2を介して検出部40へ標準液を供給するようにシリンジポンプ10を制御する。以上により、混合容器30に保持される標準液が検出部40に送出される。
【0065】
次に、制御部60は、混合容器30から送出された標準液が検出部40を通過する際に、標準液に特定の波長の光を照射し、光を照射した際に通過する第3光量を測定する。検出部40は、酸化反応部70を通過させた試料液から測定された第1光量と、標準液から測定された第3光量とに基づいて、酸化反応部70を通過させた試料液に含まれる六価クロムの第1濃度を検出する。検出部40は、六価クロムの濃度が既知である標準液から測定された第3光量に対する第1光量の比を算出することにより、第1の試料液の六価クロムの濃度を検出する。
【0066】
次に、検出部40は、酸化反応部70を通過させない試料液から測定された第2光量と、標準液から測定された第3光量とに基づいて、酸化反応部70を通過させない試料液に含まれる六価クロムの第2濃度を検出する。検出部40は、六価クロムの濃度が既知である標準液から測定された第3光量に対する第2光量の比を算出することにより、第2の試料液の六価クロムの濃度を検出する。
【0067】
検出部40は、第1濃度から第2濃度を減算した値から、試料液に含まれる三価クロムから酸化された六価クロムの濃度を得ることができる。そして、検出部40は、予め定められた検量線を用いて、処理槽220から抽出した試料液に含まれる三価クロムの濃度を検出する。このように、検出部40は、第1濃度及び第2濃度に基づいて酸化反応部70を通過させない試料液(第2の試料液)に含まれる三価クロムの濃度を検出する。検出部40が検出した処理槽220から抽出した試料液に含まれる三価クロムの濃度と六価クロムの濃度は制御部60に伝達される。
【0068】
制御部60は、検出部40の検出結果を表示装置(図示略)に表示し、あるいは通信部65を介して検出結果を所定の通知先へ通知する。制御部60は、例えば、検出部40が検出した三価クロムの濃度または六価クロムの濃度が予め定めた設定値を上回る場合には、作業者に対して表示画面等を介して警告する。
【0069】
制御部60は、
図4に示す試料分析処理の頻度を任意の頻度に設定することができる。例えば、制御部60は、前回の試料分析処理で検出した三価クロムまたは六価クロムの濃度と今回の試料分析処理で検出した三価クロムまたは六価クロムの濃度から、単位時間当たりの濃度の上昇率を算出し、上昇率が高いほど次回に試料分析処理を行うまでの間隔を短くするように試料分析処理の頻度を設定することができる。これは、三価クロムまたは六価クロムの濃度の上昇率が高い場合、試料分析処理の頻度を短くしないと三価クロムまたは六価クロムの濃度が予め定めた設定値を上回ることを適切なタイミングで検出できない可能性があるからである。
【0070】
以上説明した本実施形態の試料分析装置100が奏する作用及び効果について説明する。
本実施形態の試料分析装置100によれば、制御部60により、酸化反応部70を通過させた第1の試料液を検出部40に供給する第1供給モードと、酸化反応部70を通過させない第2の試料液を検出部40に供給する第2供給モードとが選択的に実行される。検出部40は、第1の試料液に含まれる六価クロムの第1濃度と第2の試料液に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出し、第1濃度及び第2濃度に基づいて第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度が検出される。
【0071】
本実施形態の試料分析装置100によれば、作業者が作業をすることなく試料液に含まれる三価クロムが酸化反応部70により六価クロムに酸化されるため、試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる作業を行う作業員やその作業を行うスペースを確保する必要がない。また、第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度と六価クロムの濃度がそれぞれ検出されるため、処理液に含まれる三価クロム及び六価クロムの濃度を所望の範囲に保つように適切に分析すること可能な試料分析装置100を提供することができる。
【0072】
また、本実施形態の試料分析装置100によれば、第1の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第1光量と第2の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第2光量とに基づいて、第1の試料液及び第2の試料液に含まれる六価クロムの濃度を適切に検出することができる。
【0073】
また、本実施形態の試料分析装置100によれば、第1供給モードにおいて、酸化反応部70を通過させた第1の試料液が分解部80を通過してから検出部40に供給される。そのため、第1の試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための酸化反応試薬液が分解され、酸化反応試薬液により検出部40が検出する六価クロムの濃度の検出結果に悪影響を与えることを防止することができる。
【0074】
また、本実施形態の試料分析装置100によれば、シリンジポンプ10および流路切換バルブ20を制御することにより、第1供給モードにおいて、試料ポートPs1及び酸化反応試薬ポートPs3から混合容器30へ引き込んだ試料液及び酸化反応試薬液を酸化反応部70へ供給し、三価クロムが六価クロムに酸化した第1の試料液を検出部40へ供給することができる。また、第2供給モードにおいて、試料ポートPs1から混合容器30へ引き込んだ試料液を検出部40へ供給し、三価クロムが六価クロムに酸化されない第2の試料液を検出部40へ供給することができる。
【0075】
また、本実施形態の試料分析装置100によれば、所定の濃度の六価クロムを含む標準液を用意し、標準液に特定の波長の光を照射した際に通過する第3光量を測定し、第1光量と第2光量と第3光量とに基づいて第1の試料液及び第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を正確に検出することができる。
【0076】
また、本実施形態の試料分析装置100によれば、混合容器30へ試料液および純水を引き込み、主ポートPmと第1希釈ポートPs9または第2希釈ポートPs10を接続して混合容器30から第1希釈容器Co9または第2希釈容器Co10へ希釈液を供給することにより、試料液を適切に希釈して第1希釈容器Co9または第2希釈容器Co10に保持させることができる。
【0077】
以上説明した本実施形態に記載の試料分析装置は、例えば以下のように把握される。
本開示の一態様に係る試料分析装置(100)は、金属材料の表面処理を行うための処理液から抽出された試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる酸化反応部(70)と、前記試料液に含まれる三価クロムの濃度及び六価クロムの濃度をそれぞれ検出する検出部(40)と、前記酸化反応部を通過させた第1の前記試料液を前記検出部に供給する第1供給モードと、前記酸化反応部を通過させない第2の前記試料液を前記検出部に供給する第2供給モードとを選択的に実行する制御部(60)と、を備え、前記検出部は、前記第1の試料液に含まれる六価クロムの第1濃度と前記第2の試料液に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出し、前記第1濃度及び前記第2濃度に基づいて前記第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度を検出する。
【0078】
本開示の一態様に係る試料分析装置によれば、制御部により、酸化反応部を通過させた第1の試料液を検出部に供給する第1供給モードと、酸化反応部を通過させない第2の試料液を検出部に供給する第2供給モードとが選択的に実行される。検出部は、第1の試料液に含まれる六価クロムの第1濃度と第2の試料液に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出し、第1濃度及び第2濃度に基づいて第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度が検出される。
【0079】
本開示の一態様に係る試料分析装置によれば、作業者が作業をすることなく試料液に含まれる三価クロムが酸化反応部により六価クロムに酸化されるため、試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる作業を行う作業員やその作業を行うスペースを確保する必要がない。また、第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度と六価クロムの濃度がそれぞれ検出されるため、処理液に含まれる三価クロム及び六価クロムの濃度を所望の範囲に保つように適切に分析すること可能な試料分析装置を提供することができる。
【0080】
本開示の一態様に係る試料分析装置において、前記検出部は、前記第1の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第1光量を測定し、前記第2の試料液に前記特定の波長の光を照射した際に通過する第2光量を測定し、前記第1光量及び前記第2光量に基づいて前記第1の試料液及び前記第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を検出する構成としてもよい。
本構成に係る試料分析装置によれば、第1の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第1光量と第2の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第2光量とに基づいて、第1の試料液及び第2の試料液に含まれる六価クロムの濃度を適切に検出することができる。
【0081】
本開示の一態様に係る試料分析装置において、前記第1の試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための試薬液を分解する分解部(80)を備え、前記制御部は、前記第1供給モードにおいて、前記酸化反応部を通過させた前記第1の試料液を、前記分解部を通過させてから前記検出部に供給する構成としてもよい。
本構成に係る試料分析装置によれば、第1供給モードにおいて、酸化反応部を通過させた第1の試料液が分解部を通過してから検出部に供給される。そのため、第1の試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための試薬液が分解され、試薬液により検出部が検出する六価クロムの濃度の検出結果に悪影響を与えることを防止することができる。
【0082】
本開示の一態様に係る試料分析装置において、主配管(Lm)に配置されるポンプ(10)と、前記主配管に接続される主ポート(PM)と複数の副ポート(Ps)とを有し、前記主ポートに接続される前記副ポートを切り換える流路切換部(20)と、前記試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための試薬液を前記試料液に混合する混合容器(30)と、を備え、前記混合容器は、前記ポンプと前記主ポートとの間の前記主配管に設けられており、複数の前記副ポートは、前記試料液が供給される試料配管(Ls1)に接続される試料ポート(Ps1)と、前記試薬液が供給される試薬配管(Ls3)に接続される試薬ポート(Ps3)と、前記検出部が配置される検出配管(Ls2)に接続される検出ポート(Ps2)と、前記酸化反応部が配置される酸化反応配管(Ls5)に接続される酸化反応ポート(Ps5)と、を有し、前記制御部は、前記第1供給モードにおいて、前記試料ポート及び前記試薬ポートから前記混合容器へ前記試料液及び前記試薬液を引き込み、前記主ポート及び前記酸化反応ポートを介して前記試料液と前記試薬液とを前記酸化反応部へ供給し、前記酸化反応部から前記検出部へ前記第1の試料液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御し、前記第2供給モードにおいて、前記試料ポートから前記混合容器へ前記試料液を引き込み、前記混合容器から前記検出部へ前記第2の試料液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御する構成としてもよい。
【0083】
本構成に係る試料分析装置によれば、ポンプおよび流路切換部を制御することにより、第1供給モードにおいて、試料ポート及び試薬ポートから混合容器へ引き込んだ試料液及び試薬液を酸化反応部へ供給し、三価クロムが六価クロムに酸化した第1の試料液を検出部へ供給することができる。また、第2供給モードにおいて、試料ポートから混合容器へ引き込んだ試料液を検出部へ供給し、三価クロムが六価クロムに酸化されない第2の試料液を検出部へ供給することができる。
【0084】
上記構成に係る試料分析装置において、複数の前記副ポートは、所定濃度の前記六価クロムを含む標準液が供給される標準配管(Ls11)に接続される標準ポート(Ps11)を有し、前記制御部は、前記主ポートと前記標準ポートとを接続して前記標準配管から前記混合容器へ前記標準液を引き込み、前記主ポートと前記検出ポートとを接続して前記混合容器から前記検出部へ前記標準液を供給する第3供給モードを実行可能であり、前記検出部は、前記標準液に前記特定の波長の光を照射した際に通過する第3光量を測定し、前記第1光量と前記第2光量と前記第3光量とに基づいて前記第1の試料液及び前記第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を検出する態様としてもよい。
【0085】
本態様に係る試料分析装置によれば、所定の濃度の六価クロムを含む標準液を用意し、標準液に特定の波長の光を照射した際に通過する第3光量を測定し、第1光量と第2光量と第3光量とに基づいて第1の試料液及び第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を正確に検出することができる。
【0086】
上記構成に係る試料分析装置において、複数の前記副ポートは、純水が供給される純水配管(Ls12)に接続される純水ポート(Ps12)と、前記試料液と前記純水とが混合した希釈液を保持する希釈容器(Co9)に接続される希釈ポート(Ps9)と、を有し、前記制御部は、前記主ポートと前記試料ポートとを接続して前記試料配管から前記混合容器へ前記試料液を引き込み、前記主ポートと前記純水ポートとを接続して前記純水配管から前記混合容器へ前記純水を引き込み、前記主ポートと前記希釈ポートとを接続して前記混合容器から前記希釈容器へ前記希釈液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御する態様としてもよい。
【0087】
本態様に係る試料分析装置によれば、混合容器へ試料液および純水を引き込み、主ポートと希釈ポートとを接続して混合容器から希釈容器へ希釈液を供給することにより、試料液を適切に希釈して希釈容器に保持させることができる。
【0088】
以上説明した本実施形態に記載の試料分析方法は、例えば以下のように把握される。
本開示の一態様に係る試料分析方法は、試料分析装置を用いて試料液に含まれる六価クロムの濃度を検出する試料分析方法であって、前記試料分析装置は、金属材料の表面処理を行うための処理液から抽出された試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる酸化反応部と、前記試料液に含まれる六価クロムの濃度を検出する検出部と、を備え、前記酸化反応部を通過させた第1の前記試料液を前記検出部に供給する第1供給モードと、前記酸化反応部を通過させない第2の前記試料液を前記検出部に供給する第2供給モードとを選択的に実行する制御工程と、前記検出部により、前記第1の試料液に含まれる六価クロムの第1濃度と前記第2の試料液に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出し、前記第1濃度及び前記第2濃度に基づいて前記第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度を検出する検出工程と、を備える。
【0089】
本開示の一態様に係る試料分析方法によれば、制御工程により、酸化反応部を通過させた第1の試料液を検出部に供給する第1供給モードと、酸化反応部を通過させない第2の試料液を検出部に供給する第2供給モードとが選択的に実行される。検出工程は、第1の試料液に含まれる第1濃度と第2の試料液に含まれる六価クロムの第2濃度とを検出し、第1濃度及び第2濃度に基づいて第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度が検出される。
【0090】
本開示の一態様に係る試料分析方法によれば、作業者が作業をすることなく試料液に含まれる三価クロムが酸化反応部により六価クロムに酸化されるため、試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させる作業を行う作業員やその作業を行うスペースを確保する必要がない。また、第2の試料液に含まれる三価クロムの濃度と六価クロムの濃度がそれぞれ検出されるため、処理液に含まれる三価クロム及び六価クロムの濃度を所望の範囲に保つように適切に分析すること可能な試料分析方法を提供することができる。
【0091】
本開示の一態様に係る試料分析方法において、前記検出工程は、前記第1の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第1光量を測定し、前記第2の試料液に前記特定の波長の光を照射した際に通過する第2光量を測定し、前記第1光量及び前記第2光量に基づいて前記第1の試料液及び前記第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を検出する構成としてもよい。
本構成に係る試料分析方法によれば、第1の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第1光量と第2の試料液に特定の波長の光を照射した際に通過する第2光量とに基づいて、第1の試料液及び第2の試料液に含まれる六価クロムの濃度を適切に検出することができる。
【0092】
本開示の一態様に係る試料分析方法において、前記試料分析装置は、前記第1の試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための試薬液を分解する分解部を備え、前記制御工程は、前記第1供給モードにおいて、前記酸化反応部を通過させた前記第1の試料液を、前記分解部を通過させてから前記検出部に供給する構成としてもよい。
本構成に係る試料分析方法によれば、第1供給モードにおいて、酸化反応部を通過させた第1の試料液が分解部を通過してから検出部に供給される。そのため、第1の試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための試薬液が分解され、試薬液により検出部が検出する濃度の検出結果に悪影響を与えることを防止することができる。
【0093】
本開示の一態様に係る試料分析方法において、前記試料分析装置は、主配管に配置されるポンプと、前記主配管に接続される主ポートと複数の副ポートとを有し、前記主ポートに接続される前記副ポートを切り換える流路切換部と、前記試料液に含まれる三価クロムを六価クロムに酸化させるための試薬液を前記試料液に混合する混合容器と、を備え、前記混合容器は、前記ポンプと前記主ポートとの間の前記主配管に設けられており、複数の前記副ポートは、前記試料液が供給される試料配管に接続される試料ポートと、前記試薬液が供給される試薬配管に接続される試薬ポートと、前記検出部が配置される検出配管に接続される検出ポートと、前記酸化反応部が配置される酸化反応配管に接続される酸化反応ポートと、を有し、前記制御工程は、前記第1供給モードにおいて、前記試料ポート及び前記試薬ポートから前記混合容器へ前記試料液及び前記試薬液を引き込み、前記主ポート及び前記酸化反応ポートを介して前記試料液と前記試薬液とを前記酸化反応部へ供給し、前記酸化反応部から前記検出部へ前記第1の試料液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御し、前記第2供給モードにおいて、前記試料ポートから前記混合容器へ前記試料液を引き込み、前記混合容器から前記検出部へ前記第2の試料液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御する構成としてもよい。
【0094】
本構成に係る試料分析方法によれば、ポンプおよび流路切換部を制御することにより、第1供給モードにおいて、試料ポート及び試薬ポートから混合容器へ引き込んだ試料液及び試薬液を酸化反応部へ供給し、三価クロムが六価クロムに酸化した第1の試料液を検出部へ供給することができる。また、第2供給モードにおいて、試料ポートから混合容器へ引き込んだ試料液を検出部へ供給し、三価クロムが六価クロムに酸化されない第2の試料液を検出部へ供給することができる。
【0095】
上記構成に係る試料分析方法において、複数の前記副ポートは、所定濃度の前記六価クロムを含む標準液が供給される標準配管に接続される標準ポートを有し、前記制御工程は、前記主ポートと前記標準ポートとを接続して前記標準配管から前記混合容器へ前記標準液を引き込み、前記主ポートと前記検出ポートとを接続して前記混合容器から前記検出部へ前記標準液を供給する第3供給モードを実行可能であり、前記検出工程は、前記標準液に前記特定の波長の光を照射した際に通過する第3光量を測定し、前記第1光量と前記第2光量と前記第3光量とに基づいて前記第1の試料液及び前記第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を検出する態様としてもよい。
【0096】
本態様に係る試料分析方法によれば、所定の濃度の六価クロムを含む標準液を用意し、標準液に特定の波長の光を照射した際に通過する第3光量を測定し、第1光量と第2光量と第3光量とに基づいて第1の試料液及び第2の試料液のそれぞれに含まれる六価クロムの濃度を正確に検出することができる。
【0097】
上記構成に係る試料分析方法において、複数の前記副ポートは、純水が供給される純水配管(Ls12)に接続される純水ポート(Ps12)と、前記試料液と前記純水とが混合した希釈液を保持する希釈容器(Co9)に接続される希釈ポート(Ps9)と、を有し、前記制御工程は、前記主ポートと前記試料ポートとを接続して前記試料配管から前記混合容器へ前記試料液を引き込み、前記主ポートと前記純水ポートとを接続して前記純水配管から前記混合容器へ前記純水を引き込み、前記主ポートと前記希釈ポートとを接続して前記混合容器から前記希釈容器へ前記希釈液を供給するよう前記ポンプ及び前記流路切換部を制御する態様としてもよい。
【0098】
本態様に係る試料分析方法によれば、混合容器へ試料液および純水を引き込み、主ポートと希釈ポートとを接続して混合容器から希釈容器へ希釈液を供給することにより、試料液を適切に希釈して希釈容器に保持させることができる。
【符号の説明】
【0099】
10 シリンジポンプ
20 流路切換バルブ(流路切換部)
30 混合容器
40 検出部
50 三方バルブ
60 制御部
70 酸化反応部
80 分解部
100 試料分析装置
200 表面処理装置
220 処理槽
300 金属部品
Co3 酸化反応試薬容器
Co4 発色試薬容器
Co5 酸化反応容器
Co6 分解反応容器
Co7 分解試薬液容器
Co9 第1希釈容器
Co10 第2希釈容器
Co11 標準液容器
Co12 純水容器
Lm 主配管
Ls1 試料配管
Ls2 検出配管
Ls3 酸化反応試薬配管
Ls4 発色試薬配管
Ls5 酸化反応配管
Ls6 分解反応配管
Ls7 分解試薬配管
Ls8 廃液配管
Ls9 第1希釈配管
Ls10 第2希釈配管
Ls11 標準配管
Ls12 純水配管
Pm 主ポート
Ps 副ポート
Ps1 試料ポート
Ps2 検出ポート
Ps3 酸化反応試薬ポート
Ps4 発色試薬ポート
Ps5 酸化反応ポート
Ps6 分解反応ポート
Ps7 分解試薬ポート
Ps8 廃液ポート
Ps9 第1希釈ポート
Ps10 第2希釈ポート
Ps11 標準ポート
Ps12 純水ポート
TD 搬送方向