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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】自己再封止型磁石クロージャ
(51)【国際特許分類】
   A61C 5/62 20170101AFI20231107BHJP
   A61C 5/64 20170101ALI20231107BHJP
   B05C 17/01 20060101ALI20231107BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
A61C5/62
A61C5/64
B05C17/01
A61J1/05 350
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021531476
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 IB2019060049
(87)【国際公開番号】W WO2020115598
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】18209732.9
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ポイカー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ベーム,アンドレアス ジェイ.
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-237849(JP,A)
【文献】特表2009-514581(JP,A)
【文献】特開2012-000455(JP,A)
【文献】国際公開第1989/008468(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 5/00
B05C 17/01
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性材料を分配するためのシリンジであって、少なくとも第1の分配ノズルを備えたカートリッジ前端部を有するカートリッジと、前記第1の分配ノズルを開放可能に閉鎖するためのクロージャとを備え、前記クロージャは、キャップと、少なくとも第1のシールとを有し、前記キャップは、前記カートリッジ前端部に伸縮自在に配置可能であり、前記クロージャ及び前記カートリッジのうちの一方が、前記クロージャと前記カートリッジとの間に磁力を確立するための第1の磁石を有し、前記クロージャが前記カートリッジ前端部に配置される状況において、前記第1のシールは、前記クロージャ及び前記カートリッジをシール位置に位置決め可能な状態で前記キャップと前記第1の分配ノズルとの間に配置され、前記シール位置では、前記第1のシールが、前記キャップと前記カートリッジを互いに向かって付勢する磁力に抗して、前記キャップと前記カートリッジ前端部とを互いに離間させる、シリンジ。
【請求項2】
前記キャップと前記カートリッジ前端部とは、互いに対して伸縮自在に摺動可能であり、前記磁力は、前記キャップと前記カートリッジとが前記シール位置からの引力範囲内で互いに向かって摺動するように決定される、請求項1に記載のシリンジ
【請求項3】
前記キャップは、カップ形状であり、側壁部が突出している底壁部を含み、前記クロージャが前記カートリッジ前端部に配置される状況において、前記側壁部は前記カートリッジ前端部と嵌合し、前記第1のシールは前記底壁部と前記第1の分配ノズルとの間に配置される、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項4】
前記カートリッジは、前記流動性材料を収容するための少なくとも第1のチャンバを含み、前記第1のチャンバは、前記第1の分配ノズル内に開口している、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項5】
前記流動性材料を前記第1の分配ノズルに向かって進めるために、前記第1のチャンバ内に少なくとも第1のピストンを更に備える、請求項に記載のシリンジ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性材料を分配するためのシリンジに関する。特に、本発明は、磁力によってカートリッジ上に保持されるクロージャによって封止され得るカートリッジを有するシリンジであって、磁力により、クロージャ内に設けられた1つ以上のシールが経時的に加圧されるように、クロージャをカートリッジへと付勢し続ける、シリンジに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科材料は、歯科材料を保存するためのチャンバを形成するカートリッジ又はバレルと、チャンバの分配ノズルから歯科材料を放出するためのピストン又はプランジャとを有するシリンジで提供されることが多い。「使用準備が整った」状態で提供される歯科材料は典型的に、分配ノズルを備えた単一チャンバと、チャンバから歯科材料を押し出すための1つのピストンとを有する単一成分シリンジで提供される。
【0003】
いくつかの歯科材料は、互いとは別個に保存され、使用直前に混合される2つ以上の成分の形態で提供される。このような複数成分の歯科材料は、各成分のためのチャンバを有するシリンジで提供されてもよい。2つ以上の成分の形態で提供される歯科材料を保存及び分配するための様々なシリンジが存在する。
【0004】
一般的な要件として、1つの成分、2つの成分、又は多成分の歯科材料は典型的に、空気がない状態で保存されなければならない、かつ/又は環境から密閉されなければならない。したがって、多くのシリンジには、使用前に、また多くの場合には複数回の使用の間に、1つ以上の分配ノズルを閉鎖及び封止するためのクロージャ、例えばキャップが設けられる。
【0005】
例えば、米国特許出願公開第2015/125827(A1)号(Claypoolら)は、バレル、プランジャ組立体、及びキャップを含む粘性ペースト分配装置を開示している。更に、国際公開第97/27000(A2)号(3M)は、出口をそれぞれ有する2つのチャンバに保存された2つの成分の形態で分配される歯科材料を収容するディスペンサを開示している。ディスペンサは、出口に取り外し可能に接続されたキャップを更に含む。
【0006】
米国特許出願公開第2011/306937(A1)号(Andreoniら)は、ハブと、ハブに固定されたニードルと、前記ハブに対して移動可能なシールドと、前記ハブに固定された第1の磁気要素と、前記シールドに固定された第2の磁気要素とを含む磁気安全ニードル組立体であって、前記第1及び第2の磁気要素は、それらの間に反発力を既定するように構成されている、磁気安全ニードル組立体について記載している。
【0007】
シリンジのキャップは、歯科材料が保存中に気密封止されたままであることを確実にするのに役立つことが一般に望ましい。
【0008】
既存のシリンジには、シリンジの出口を密封するように設計されたキャップが設けられることが多いが、同じシリンジの複数回の使用の間にも密封を確実にすることが依然として望まれる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、流動性材料を分配するためのシリンジに関する。シリンジは、好ましくは歯科材料の調製の分野において使用されるが、流動性材料は、歯科材料、接着剤、又はシーラントであってもよい。特に、流動性材料は、硬化性材料、例えば、硬化性歯科材料、硬化性接着剤、又は硬化性シーラントであってもよい。
【0010】
シリンジは、少なくとも第1の分配ノズルを備えたカートリッジ前端部を有するカートリッジを備える。更に、シリンジは、第1の分配ノズルを開放可能に閉鎖するためのクロージャを備える。
【0011】
クロージャは、キャップと、少なくとも第1のシールとを有する。キャップ、よって好ましくはクロージャは、カートリッジに、特にカートリッジ前端部に伸縮自在に配置可能である。
【0012】
クロージャ及びカートリッジのうちの一方が、クロージャとカートリッジとの間に磁力を確立するための第1の磁石を有する。例えば、カートリッジが、クロージャとカートリッジとの間に磁力を確立するための第1の磁石を有してもよい。
【0013】
クロージャがカートリッジ前端部に配置される状況において、第1のシールは、クロージャ及びカートリッジをシール位置に位置決め可能な状態でキャップと第1の分配ノズルとの間に配置され、シール位置では、第1のシールが、キャップとカートリッジを互いに向かって付勢する磁力に抗して、キャップとカートリッジ前端部とを互いに離間させる。
【0014】
好ましくは、カートリッジは、長手方向軸に沿って延びる。更に、好ましくは、カートリッジ(又はカートリッジ前端部)へのクロージャの伸縮自在な配置には、クロージャとカートリッジを長手方向軸に沿って互いに向かって移動させることが含まれる。
【0015】
「第1のシールが、キャップとカートリッジを互いに向かって付勢する磁力に抗して、キャップとカートリッジ前端部とを互いに離間させる」とは、(第2の又は更なるシールがない限り)第1のシールが存在しなければ、キャップがカートリッジ前端部に向かって更に移動することを更に意味する。すなわち(第2の又は更なるシールがない限り)第1のシールの存在のみにより、キャップとカートリッジ前端部とが互いに向かって更に移動することが防止される。
【0016】
本発明は、使用し易く、使用中に信頼できるシリンジを提供するという点で有利である。特に、本発明は、自己封止及び自己再封止機能を有するシリンジを提供する。これは、本発明のシリンジにより、クロージャが磁力によって自動的にシール位置に更に引き寄せられる、カートリッジ上の概略位置に、使用者がクロージャを配置できるようになることを意味する。したがって、本発明は、クロージャをカートリッジ上に不正確に配置することによる機能不全を最小限に抑えるのに役立つ。特に、クロージャがシール位置に位置決めされているように見えるが、実際にはシール位置に完全には位置決めされていない状況を回避することができる。更に、クロージャとカートリッジが一度にシール位置に位置決めされる。シリンジは、シールが収縮さもなければ変形した場合に、クロージャ及びカートリッジを新たなシール位置に再調節することを可能にする。したがって、本発明のシリンジは、歯科材料を有意な改質なしにシリンジに保存できる保存期間を最大化するのに役立つという点で有利である。
【0017】
一実施形態では、シリンジは、第1の分配ノズル及び第2の分配ノズルを備えたカートリッジ前端部を有するカートリッジを備える。この実施形態のシリンジは、2つの別個の成分の形態で歯科材料を保存するために使用されてもよい。シリンジは、好ましくは、第1及び第2の分配ノズルを開放可能に閉鎖するためのクロージャを更に備える。クロージャは、キャップ、並びに第1のシール及び第2のシールを有する。キャップ、よって好ましくはクロージャは、カートリッジに、特にカートリッジ前端部に伸縮自在に配置可能である。クロージャ及びカートリッジのうちの一方が、クロージャとカートリッジとの間に磁力を確立するための第1の磁石を有する。例えば、カートリッジが、クロージャとカートリッジとの間に磁力を確立するための第1の磁石を有してもよい。クロージャがカートリッジ前端部に配置される状況において、第1及び第2のシールは、クロージャ及びカートリッジをシール位置に位置決め可能な状態でキャップと第1及び第2の分配ノズルとの間にそれぞれ配置され、シール位置では、第1及び第2のシールが、キャップとカートリッジを互いに向かって付勢する磁力に抗して、キャップとカートリッジ前端部とを互いに離間させる。
【0018】
好ましくは、クロージャは、第1のシール(あるいは第1及び第2のシール)が経時的に示し得る収縮(又は圧縮永久歪み)とは無関係に、第1のシール(あるいは第1及び第2のシール)が磁気力(磁力により生じる力)によって加圧されるように、クロージャをカートリッジへと付勢する磁力により、シール位置でカートリッジ上に保持される。
【0019】
「第1及び第2のシールは、キャップとカートリッジを互いに向かって付勢する磁力に抗して、キャップとカートリッジ前端部とを互いに離間させる」とは、(第3の又は更なるシールがない限り)第1及び第2のシールが存在しなければ、キャップがカートリッジ前端部に向かって更に移動することを更に意味する。すなわち(第3の又は更なるシールがない限り)第1及び第2のシールの存在のみにより、キャップとカートリッジ前端部とが互いに向かって更に移動することが防止される。
【0020】
ある実施形態では、第1及び第2のシールは弾性である。第1及び第2のシールは、ゴム又はエラストマ系ポリマーで作られてもよい。ゴムは、最小限の圧縮永久歪み(経時的な機械的荷重による変形)を一般にもたらすが、本発明は、第1及び第2のシールについてエラストマ系ポリマーの使用を可能にする。多くのエラストマ系ポリマーは、ゴムよりも大きな圧縮永久歪みを示し、したがって、シーリング材料として使用した場合、経時的に漏れを引き起こし得る。第1及び第2のシールについてエラストマ系ポリマーを使用することは、本発明によってもたらされる自己再封止効果によって可能となる。ゴムと比べて、エラストマ系ポリマーは、最小限の成形サイクルで、よって最小限の生産コストで射出成形され得る。好適なゴム材料としては、エチレンプロピレンゴム(EPR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)が挙げられる。好適なエラストマ系ポリマーとしては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SEBS)及び熱可塑性ポリウレタン(TPU)が挙げられる。
【0021】
ある実施形態では、キャップとカートリッジ前端部は、互いに対して(特に互いの上で)伸縮自在に摺動可能である。特に、クロージャ、よってキャップがカートリッジ前端部に配置される状況において、クロージャ又はキャップは、カートリッジ前端部上で伸縮自在に摺動可能である。
【0022】
ある実施形態では、クロージャ及びカートリッジのうちの他方が、第2の磁石又は強磁性材料を含む。強磁性材料の例としては、Fe、Ni、Co、AlNiCo、SmCo、Ni80Fe20などの合金、及びこれらの組み合わせが挙げられる。第1及び第2の磁石又は強磁性材料は、組み合わされて、クロージャとカートリッジとの間の磁力をもたらす磁気カップリングを形成してもよい。第1の磁石は、カートリッジ内に、特にカートリッジ前端部内に配置されてもよい。更に、第2の磁石又は強磁性材料は、クロージャ内に、特にキャップ内に配置されてもよい。
【0023】
好ましくは、磁力は、キャップとカートリッジとがシール位置からの引力範囲内で互いに向かって摺動するように決定される。引力範囲は、キャップとカートリッジとが依然として互いに向かって移動させられる、シール位置からの距離によって規定される。これは、引力範囲の外側では、キャップとカートリッジとが互いに向かって移動させられないことを意味する。引力範囲のすぐ外側の距離では、いくらかの磁力が依然として存在し得るが、摩擦力により、キャップとカートリッジとが互いに向かって移動することが妨げられ得る。引力範囲は、キャップ及びカートリッジの設計によって、また少なくとも第1の磁石の選択によって(又は第1及び第2の磁石の選択によって)、決定することができる。第1及び第2の磁石は、好ましくは、クロージャがカートリッジ前端部に配置される状況において引き付け合うように、それらの磁極を向けて配向される。
【0024】
一実施形態では、第1の磁石は、ネオジム磁石などの強磁性材料を含む。更に、第2の磁石は、ネオジム磁石などの、同じ又は異なる強磁性材料を含み得る。第1及び第2の磁石は、角柱形状を有してもよい。第1及び第2の磁石の例示的な寸法は、2mm~5mmの範囲の高さで5mm×5mmのベース領域を含む。第1及び第2の磁石の好ましいタイプは、NdFeB N52又はNdFeB N54である。
【0025】
一実施形態では、引力範囲は少なくとも15mmである。引力範囲は、特に少なくとも10mm、又は5mm~20mmの範囲であってもよい。上述したように、引力範囲は、部品の設計及び材料の選択によって決定することができる。
【0026】
一実施形態では、キャップは、カップ形状であるか、又は概ねカップ形状である。キャップは、側壁部が突出している底壁部を特に含んでもよい。クロージャがカートリッジ前端部に配置される状況において、側壁部は、好ましくはカートリッジ前端部と嵌合し、少なくとも第1のシール(又は第1及び第2のシール)は、底壁部と第1の分配ノズルとの間(又は底壁部と第1及び第2の分配ノズルとの間)に配置される。好ましくは、第1のシール、又は第1及び第2のシールは、クロージャとカートリッジ前端部との向かい合う方向におけるカートリッジ前端部上でのクロージャの移動を制限する。
【0027】
一実施形態では、カートリッジは、流動性材料を収容するための少なくとも第1のチャンバを有する。第1のチャンバは、好ましくは、第1の分配ノズル内に開口する。カートリッジは、流動性材料を収容するための第1及び第2のチャンバを有してもよい。第1及び第2のチャンバはそれぞれ、好ましくは、第1及び第2の分配ノズルにそれぞれ開口する。シリンジは、流動性材料を第1の分配ノズルに向かって進めるために、第1のチャンバ内に少なくとも第1のピストンを更に備えてもよい。更に、シリンジは、流動性材料を第1及び第2の分配ノズルに向かってそれぞれ進めるために、第1のチャンバ内に第1のピストンを、かつ第2のチャンバ内に第2のピストンを有してもよい。流動性材料を第1の分配ノズルに向かって進めるために、好ましくは、第1及び第2のピストンは、長手方向軸と平行な寸法で第1及び第2のチャンバに対してそれぞれ変位可能である。
【0028】
本発明は、3つ以上の成分の(例えば歯科用の)流動性材料を保存及び分配するためのシリンジによって使用されてもよいことに留意されたい。したがって、このようなシリンジは、第3の又は更なる分配ノズル、第3の又は更なるシール、第3の又は更なるチャンバ、及び第3の又は更なるピストンを有してもよい。
【0029】
第1及び第2のシールは、連続した1つの共通シールによって形成されてもよい。この場合の第1及び第2のシールは、共通シールの一部分に設けられる。よって、第1及び第2のシールは、一部品でモノリシックに形成されてもよい。
【0030】
一実施形態では、カートリッジ前端部とクロージャとは、カートリッジ前端部とクロージャとが嵌合される状況において、互いに対して回転可能である。特に、カートリッジ前端部とクロージャとは、カートリッジ前端部とクロージャとが概略位置(又はシール位置の外側)で嵌合される状況において、互いに対して回転可能であってもよい。例えば、キャップは、カートリッジ前端部を受け入れるための円筒形の受け部を形成してもよい。この実施形態では、第1の磁石は、長手方向軸からオフセットして配置されてもよい。更に、好ましくは、第2の磁石は、長手方向軸からオフセットして配置されてもよい。第1及び第2の磁石は、長手方向軸の垂直な同じ又は概ね同じ距離に配置されてもよい。したがって、クロージャとカートリッジ前端部とを概略位置で嵌合させると、第1及び第2の磁石によってもたらされる磁力により、クロージャとカートリッジ前端部が長手方向軸に沿って互いに向かって移動し、加えて長手方向軸を中心に互いに対して回転自在に位置合わせする。クロージャ及びカートリッジ前端部は典型的に、クロージャ及びカートリッジ前端部が、第1の磁石と第2の磁石との間の距離が最小となる位置をとるように、回転自在に位置合わせする。したがって、典型的に、クロージャとカートリッジ前端部とは、第1及び第2の磁石が、長手方向軸と平行であるがそこからオフセットしている軸上に位置決めされるまで、(磁力によって)互いに向かって自動的に回転される。したがって、クロージャは、位置合わせ不良の状態で嵌合することが防止され得る。これは、第1及び第2のシールを第1及び第2の分配ノズルとそれぞれ確実に自動的に再位置合わせできるため、シリンジ内に保存された2つの成分間の交差汚染のリスクを最小限に抑えるのに更に役立つ。よって、第1のシール上に最終的に存在する第1の分配ノズルの任意の残留した流動性材料が、第2の分配ノズルと接触せずにすみ、第2のシール上に最終的に存在する第2の分配ノズルの任意の残留した流動性材料が、第1の分配ノズルと接触せずにすむ。この実施形態では、第1の磁石は、長手方向軸を中心に互いに180度だけ角度オフセットして配置される2つの磁石によって形成されてもよい。第2の磁石も、長手方向軸を中心に互いに180度だけ角度オフセットして配置された2つの磁石によって形成されてもよい。長手方向軸を中心に分布した(例えば、一様に分布した)3津城の磁石を、第1及び第2の磁石に使用してもよい。
【0031】
一実施形態では、キャップは、第1のプラスチック材料により成形され、カートリッジは、第2のプラスチック材料により成形される。
【0032】
ある実施形態(a)では、第1の磁石は、第2の材料の一部分が第1の磁石とキャップとの間に配置された状態でカートリッジ内に配置されている。代替的な実施形態(b)では、第1の磁石は、第1の材料の一部分が第1の磁石とカートリッジとの間に配置された状態でキャップ内に配置される。
【0033】
実施形態(a)では、第1の磁石は、カートリッジ内に配置され、第2のプラスチック材料によって取り囲まれ、好ましくは完全に取り囲まれている。実施形態(b)では、第1の磁石は、キャップ内に配置され、第1のプラスチック材料によって取り囲まれ、好ましくは完全に取り囲まれている。
【0034】
更なる実施形態では、シリンジは、流動性材料を部分的に放出するためのレバーを備える。レバーは、好ましくはカートリッジに枢動自在に接続される。シリンジは、レバーの枢動により、第1のピストン、又は第1及び第2のピストンが、第1及び第2の分配ノズルに向かってそれぞれ移動するように適合されてもよい。第1のピストンと第2のピストンとは接続されてもよく、1つの共通プランジャ機構を形成してもよい。プランジャ機構は、プランジャ機構を第1及び第2の分配ノズルに向かって進めるためにレバーによって駆動される爪部と係合するための歯部を有してもよい。
【0035】
更なる実施形態では、シリンジは、流動性材料、好ましくは、歯科材料、例えば、硬化性の歯科充填材料を含む。
【0036】
一実施形態では、キャップ及びカートリッジ前端部は、キャップとカートリッジ前端部との間に遊びを設けるように寸法決めされる。遊びは、好ましくは、キャップが、キャップと第1の分配ノズル及び第2の分配ノズルとの間の寸法公差を補償し、よって、第1のシール及び第2のシールに第1の分配ノズル及び第2の分配ノズルを等しく封止させることを可能にするために、キャップが、カートリッジに対して傾くことが可能になるように寸法決めされる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施形態によるシリンジの斜視図である。
図2図1に示したシリンジの部分断面図である。
図3】本発明と共に使用し得るような、異なるタイプの磁気カップリングについての磁気引力を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明による、流動性材料を分配するためのシリンジ1の一例を示す。シリンジ1は、第1及び第2のチャンバ(図2に見られる)をそれぞれ形成する第1のバレル11及び第2のバレル12を有するカートリッジ10を備える。シリンジ1は、流動性材料の2つの成分を、第1及び第2のチャンバのそれぞれに1つの成分を保存し分配するように構成される。カートリッジ10は、クロージャ20が配置されるカートリッジ前端部13を有する。クロージャ20は、第1及び第2の分配ノズル(図2に見られる)を閉鎖する。2つの成分を分配するために、クロージャ20を取り外して第1及び第2の分配ノズルを開放することができる。流動性材料は、使用のために2つの成分を混合することによって調製することができる。この例では、シリンジ1は、横に並んだ互いとは別個の2つの成分を分配するように構成される。よって、これらの成分は、それらを手動で混合して流動性材料を形成できる混合パッド上に分配されてもよい。代替例では、混合器(図示せず)、特に静的混合器を、カートリッジ前端部13に取り付けてもよい。この場合、カートリッジ10から分配された2つの成分は、それらが一体化され混合される混合器を通って流れ、流動性材料として混合器から出る。
【0039】
この例では、シリンジ1は、流動性材料を分配するためのプランジャ機構40を(段階的に)進める役割を果たすレバー30を有する。プランジャ機構40は、接続され同時に進められる第1のピストン41及び第2のピストン42を有する。レバー及びプランジャ機構の機能は、国際公開第97/27000A2号に更に詳細に記載されている。別の例では、シリンジは、フィンガプレート及び1つ又は2つの(別個の又は接続された)ピストンを有し、スラストプレートが設けられたカートリッジを有してもよいことに留意されたい。このようなシリンジは典型的に、フィンガプレート及びスラストプレートを使用して、ピストンを前方に付勢することによって操作される。したがって、このような例では、典型的にレバーが設けられていない。更に、シリンジは、単一成分の流動性材料のための単一チャンバのみを有してもよいが、図には、2つの成分の流動性材料のためのシリンジが示されている。
【0040】
図2は、図1に示したシリンジ1の断面部分を示す。したがって、図1及び図2に示す実施形態は、異なる方法で示されているが、同じであり、よって技術的に同一である。
【0041】
シリンジ1は、第1のチャンバ14及び第2のチャンバ15を有する。第1のチャンバ14及び第2のチャンバ15は、シリンジ1のカートリッジ10によって形成される。カートリッジ10は、カートリッジ前端部13に第1の分配ノズル16を有する。第1の分配ノズル16は、第1の分配開口部16aを形成する。更に、カートリッジ10は、カートリッジ前端部13に第2の分配ノズル17を有する。第2の分配ノズル17は、第2の分配開口部17aを形成する。
【0042】
クロージャ20は、クロージャ20が第1の分配ノズル16及び第2の分配ノズル17を閉鎖又は封止する状況で示されている。クロージャ20は、キャップ21、第1のシール22、及び第2のシール23を有する。第1のシール22及び第2のシール23は、ゴム又は熱可塑性エラストマなどの弾性材料で作られる。
【0043】
カートリッジ10は、長手方向軸Aに沿って延びる。第1のチャンバ14及び第2のチャンバ15は、長手方向軸Aと平行な寸法で一様な断面(例では、円形断面)で延びる。他の断面、例えばD字形又は楕円形の断面が可能である。
【0044】
クロージャ20、特にキャップ21は、カートリッジ前端部13に伸縮自在に配置される。これは、カートリッジ前端部13がクロージャ20に受け入れられ、クロージャ20とカートリッジ前端部13とが互いに対して摺動自在に変位可能であることを意味する。特に、クロージャ20とカートリッジ前端部13とは、長手方向軸Aに沿って互いに対して摺動自在に変位可能である。更に、クロージャ20カートリッジ前端部13とは、長手方向軸に沿った変位のために互いを案内する。この案内は、カートリッジ10及びクロージャ20が長手方向軸Aの横方向の移動及び長手方向軸Aと平行な平面での回転を制限されるようなものである。制限された傾斜角度でキャップを傾けることを可能にするわずかな回転が許容されてもよい。傾斜角度は、長手方向軸に関して対称な対角で測定され、好ましくは5°未満である。
【0045】
クロージャ20は、カートリッジ10に対するシール位置で特に示されている。シール位置では、第1のシール22及び第2のシール23のシールは、キャップ21によって第1の分配ノズル16及び第2の分配ノズル17へと付勢され、よって、第1の分配開口部16a及び第2の分配開口部17aを封止する。第1のシール22及び第2のシール23のシールは、より詳細に後述するように、キャップ21とカートリッジ前端部13との間の磁力の結果、キャップ21によって第1の分配ノズル16及び第2の分配ノズル17へと付勢される。
【0046】
シール位置では、第1のシール22及び第2のシール23は、キャップ21とカートリッジ前端部とを互いに離間させる。これは、シール位置では、カートリッジ前端部13に向かう方向にキャップ21が離れて変位し、第1のシール22及び第2のシール23が、その方向でのキャップ21とカートリッジ前端部13との互いに対する任意の更なる変位を止めることを意味する。しかし、シール位置から、キャップ21とカートリッジ前端部13とは、互いに離れる方向に変位することできる。キャップ21(又はクロージャ20)とカートリッジ前端部13とは、例えば、使用者がクロージャ21とカートリッジとを磁力に抗して互いに引き離すことにより、シール位置から離れるように変位可能である。よって、第1の分配ノズル16及び第2の分配ノズル17を、流動性材料を分配するために開放することができる。
【0047】
シール位置にあるクロージャ20とカートリッジ前端部13とは、ガイド長Lにわたって伸縮自在に重なり合う。したがって、クロージャのキャップ21は、カップ形状であり、側壁部21bが突出している底壁部21aを含む。側壁部21bは、カートリッジ前端部13の一部分をキャップ21に摺動自在に挿入できるように寸法決めされる。更に、ガイド長Lは、キャップ21とカートリッジ前端部13とが長手方向軸Aに沿って互いを摺動自在に案内するシリンジ1の一部分によって規定される。キャップ21とカートリッジ前端部13との間の嵌合は、摺動中のスティックスリップ効果を回避するように設計される。当業者は、摺動自在に嵌合される2つの部品間の潜在的なスティックスリップ効果(「引き出し効果」又は「Schubladeneffekt」としても知られる)と、このようなスティックスリップ効果を防止するための設計ルールとを知っている。
【0048】
クロージャ20とカートリッジ10とは、磁気的に結合される。これは、クロージャ20とカートリッジ10とが磁気的に引き付け合うことを意味する。この例では、カートリッジ前端部13は、第1の磁石19を備える。第1の磁石19は、第1の分配ノズル16と第2の分配ノズル17との間に配置され、カートリッジ前端部13に完全に埋め込まれる。第2の磁石29は、キャップ21内に配置される。第2の磁石29は、長手方向軸Aと垂直な平面にあるキャップ21の断面の中心に配置される。したがって、シール位置では、第1の磁石19と第2の磁石29とはそれぞれ、シリンジの長手方向軸A上に対称に配置される。第1の磁石19と第2の磁石29とは、引き付け合うように選択及び配置される。更に、第1の磁石19及び第2の磁石29は、クロージャ20とカートリッジ10とが、ガイド長Lに沿った任意の位置で磁力によって互いに向かって摺動するように更に選択及び設計される。これは、(上記したスティックスリップ効果を回避することを考慮して)キャップ21とカートリッジ前端部13との間の適切な緩い嵌合を選択することによって、かつ、例示的なネオジム磁石では、適切な磁石又は強磁性材料を設けることによって、実現することができる。磁石は、所望の磁力を実現するのに十分なサイズ及び形状で特に設計される。この例では、第1の磁石19及び第2の磁石29はそれぞれ、角柱(又は円柱)形状のネオジム磁石である。この例では、第1の磁石19は、5mm×5mm×2mmの寸法を有し、第2の磁石29は、5mm×5mm×5mmの寸法を有する。この例におけるクロージャ20とカートリッジ前端部13との間のガイド長は20mmである。この例における第1の磁石19と第2の磁石29との間にもたらされる磁力は、クロージャ20が2mmの伸縮自在な重なりでカートリッジ前端部13に配置されると、クローズ20は、磁力によってカートリッジ前端部13へと自動的に引き寄せられるように、少なくとも18mmの範囲である。
【0049】
第1の磁石19と第2の磁石29とは、シール位置では更に離間している。更に、キャップ21とカートリッジ前端部13とは、シール位置では離間している。したがって、第1のシール22及び第2のシール23の寸法が(例えば、長期間の圧縮永久歪みにより)減少した場合に、キャップ21は、第1のシール22及び第2のシール23が第1の分配開口部16a及び第2の分配開口部17aを依然として封止する新たなシール位置まで摺動することができる。したがって、シリンジ1は、第1のシール22及び第2のシール23の寸法変化が生じた場合に、クロージャ20とカートリッジ10とを互いに対して自己再調節(又は自己再封止)するように構成される。
【0050】
図3は、2つの磁石間の又は磁石と磁性金属部品との間の距離X(ミリメートル単位)にわたる磁気引力F(ニュートン単位)を表す図である。本発明によれば、磁石(又は磁石/金属)は、クロージャ21とカートリッジ前端部13を自動的に移動させるのに十分な磁気引力を確立するように選択される。これは、磁気カップリング(磁石の組み合わせ又は磁石/金属の組み合わせを意味する)が、好ましくは、得られる磁気引力がクロージャ21とカートリッジ前端部13との間の摺動摩擦力よりも大きくなるように選択されることを意味する。更に、本発明によれば、磁気カップリングが、好ましくは、クロージャ21とカートリッジ前端部13とが(伸縮自在に嵌合したときに)、シール位置の外側の位置で自動的に互いに向かって移動するように選択される。クロージャ21及びカートリッジ前端部13が、それらが依然として自動的に互いに向かって移動するシール位置からの最大距離で配置される位置が、引力範囲によって規定される。この例では、引力範囲は、ガイド長に又はガイド長の少なくとも60%~80%に相当する。それゆえ、カートリッジ前端部に配置されているが、シール位置に配置されていないクロージャが、シール位置に自動的に引き寄せられる。このことは、クロージャがシール位置に完全に配置されていない場合でも、本発明のシリンジが自己閉鎖することを確実にするのに役立つ。よって、シリンジ内に保存された流動性材料は、早期改質、例えば早期の乾燥又は硬化を防止される。
【0051】
例として、図は、3つの曲線100、200、及び300を示している。曲線100は、サイズ5mm×5mm×2mm(5mm×5mmの正方形状のベース領域、高さ2mm)のNdFeB N52タイプの2つのネオジム磁石間の引力Fを、磁石同士が離間する距離Xにわたって表す。曲線200は、サイズ5mm×5mm×5mm(立方体形状)のNdFeB N45タイプの2つのネオジム磁石間の引力Fを、磁石同士が離間する距離Xにわたって表し、曲線300は、サイズ5mm×5mm×5mm(立方体形状)のNdFeB N45タイプのネオジム磁石と、サイズ5mm×5mm×5mm(立方体形状)のST37タイプのスチール部品との間の引力Fを、磁石同士が離間する距離Xにわたって表す。全ての曲線100、200、300について、測定された距離Xは、2つの磁石間の間隔又は間隙に対応する。図示するように、曲線100によって表される磁気カップリングは、距離xにわたる最大の引力Fと引力の最低下点を示す。したがって、本発明のシリンジのクロージャとカートリッジ前端部との間の引力範囲を最大化し、かつ封止力を最大化するために、一対のネオジム磁石N52又はN45を使用してもよい。
なお、以上の各実施形態に加えて以下の態様について付記する。
(付記1)
流動性材料を分配するためのシリンジであって、少なくとも第1の分配ノズルを備えたカートリッジ前端部を有するカートリッジと、前記第1の分配ノズルを開放可能に閉鎖するためのクロージャとを備え、前記クロージャは、キャップと、少なくとも第1のシールとを有し、前記キャップは、前記カートリッジ前端部に伸縮自在に配置可能であり、前記クロージャ及び前記カートリッジのうちの一方が、前記クロージャと前記カートリッジとの間に磁力を確立するための第1の磁石を有し、前記クロージャが前記カートリッジ前端部に配置される状況において、前記第1のシールは、前記クロージャ及び前記カートリッジをシール位置に位置決め可能な状態で前記キャップと前記第1の分配ノズルとの間に配置され、前記シール位置では、前記第1のシールが、前記キャップと前記カートリッジを互いに向かって付勢する磁力に抗して、前記キャップと前記カートリッジ前端部とを互いに離間させる、シリンジ。
(付記2)
前記キャップと前記カートリッジ前端部とは、互いに対して伸縮自在に摺動可能であり、前記磁力は、前記キャップと前記カートリッジとが前記シール位置からの引力範囲内で互いに向かって摺動するように決定される、付記1に記載のシリンジ。
(付記3)
前記引力範囲は、少なくとも15mmである、付記2に記載のシリンジ。
(付記4)
前記キャップは、カップ形状であり、側壁部が突出している底壁部を含み、前記クロージャが前記カートリッジ前端部に配置される状況において、前記側壁部は前記カートリッジ前端部と嵌合し、前記第1のシールは前記底壁部と前記第1の分配ノズルとの間に配置される、付記1~3のいずれか一項に記載のシリンジ。
(付記5)
前記カートリッジは、前記流動性材料を収容するための少なくとも第1のチャンバを含み、前記第1のチャンバは、前記第1の分配ノズル内に開口している、付記1~4のいずれか一項に記載のシリンジ。
(付記6)
前記流動性材料を前記第1の分配ノズルに向かって進めるために、前記第1のチャンバ内に少なくとも第1のピストンを更に備える、付記5に記載のシリンジ。
(付記7)
前記キャップは、第1のプラスチック材料により成形され、前記カートリッジは、第2のプラスチック材料により成形され、
(a)前記第1の磁石は、前記第2の材料の一部分が前記第1の磁石と前記キャップとの間に配置された状態で前記カートリッジ内に配置されている、又は、
(b)前記第1の磁石は、前記第1の材料の一部分が前記第1の磁石と前記カートリッジとの間に配置された状態で前記キャップ内に配置されている、
付記1~6のいずれか一項に記載のシリンジ。
(付記8)
(a)前記第1の磁石は、前記カートリッジ内に配置され、前記第2のプラスチック材料によって取り囲まれ、好ましくは完全に取り囲まれている、又は、
(b)前記第1の磁石は、前記キャップ内に配置され、前記第1のプラスチック材料によって取り囲まれ、好ましくは完全に取り囲まれている、
付記7に記載のシリンジ。
(付記9)
前記クロージャ及び前記カートリッジのうちの他方が、第2の磁石又は強磁性材料を含む、付記1~8のいずれか一項に記載のシリンジ。
(付記10)
前記第1の磁石及び前記第2の磁石のそれぞれが、ネオジム磁石を含む、付記9に記載のシリンジ。
(付記11)
前記流動性材料を部分的に放出するためのレバーを備える、付記1~10のいずれか一項に記載のシリンジ。
(付記12)
歯科材料を含む、付記1~11のいずれか一項に記載のシリンジ。
(付記13)
第2の分配ノズルと、第2のシールと、第2のチャンバと、第2のピストンとを備える、付記1~12のいずれか一項に記載のシリンジ。
(付記14)
前記キャップ及び前記カートリッジ前端部は、前記キャップと前記カートリッジ前端部との間に遊びを設けるように寸法決めされており、これにより、前記キャップが、前記キャップと前記第1の分配ノズル及び第2の分配ノズルとの間の寸法公差を補償し、それによって、前記第1のシール及び第2のシールに前記第1の分配ノズル及び第2の分配ノズルを等しく封止させることを可能にするために、前記キャップが、前記カートリッジに対して傾くことが可能になる、付記11に記載のシリンジ。
図1
図2
図3