(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】選別機
(51)【国際特許分類】
B07C 3/08 20060101AFI20231107BHJP
B65G 17/16 20060101ALI20231107BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
B07C3/08
B65G17/16 C
B65G47/46 H
(21)【出願番号】P 2021561842
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2020078825
(87)【国際公開番号】W WO2020211575
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】201910310328.6
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】320015083
【氏名又は名称】北京京東乾石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG QIANSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A1905, 19TH FLOOR, NO. 2 BUILDING, NO. 18 KECHUANG 11 STREET, BEIJING ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, BEIJING 100176, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】單 文 君
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02295155(EP,A1)
【文献】特開昭63-196405(JP,A)
【文献】実開昭60-173508(JP,U)
【文献】特開平04-317920(JP,A)
【文献】実開平02-066513(JP,U)
【文献】特開平08-026444(JP,A)
【文献】特開平10-067425(JP,A)
【文献】実開昭57-111657(JP,U)
【文献】特開2008-044400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 3/08;
5/36
B65G 17/16;
23/44;
35/06;
47/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体フレーム(11)と、レールアセンブリ(12)と、駆動アセンブリ(13)と、選別車(15)とを含み、
前記レールアセンブリ(12)は、前記本体フレーム(11)に取り付けられる2本の環状レール(121)を含み、2本の前記環状レール(121)は、それぞれ互いに平行な2つの鉛直平面に設けられており、且つ、互いに整列し、
前記駆動アセンブリ(13)は、
前記本体フレーム(11)に取り付けられるドライブスプロケット(133)及び複数のドリブンスプロケット(132)を含むスプロケット群(149)と、
前記ドライブスプロケット(133)及び複数の前記ドリブンスプロケット(132)に巻き掛けられるとともに、前記環状レール(121)の形状と一致するチェーン(131)と、
前記ドライブスプロケット(133)が回転するように駆動するためのモータ(134)と、を含み、
前記選別車(15)は、
2本の前記環状レール(121)の間に設けられ、且つ、2本の前記環状レール(121)にスライド可能に接続され、前記チェーン(131)にもヒンジ連結される車体フレーム(152)と、
前記車体フレーム(152)の上方に設けられ、荷物を担持及び輸送することができる輸送アセンブリ(151)と、を含み、
前記輸送アセンブリ(151)の輸送方向は、前記選別車(15)の移動方向と異なり、
前記車体フレーム(152)は、前記輸送アセンブリ(151)を担持する車体フレーム本体(156)と、車体フレーム本体(156)の両側にそれぞれ設けられる2つの支持アーム(157)と、を含み、
前記支持アーム(157)は、
車体フレーム本体(156)の一側から前記車体フレーム本体(156)から離れる方向へ延びるヒンジロッド(159)と、
一端が前記ヒンジロッド(159)に接続し、且つ前記ヒンジロッド(159)に垂直する接続ロッド(158)と、
前記ヒンジロッド(159)の他の一端における前記車体フレーム本体(156)側の反対側に接続するガイドホイール群(160)と、
を含み、
2つの前記ガイドホイール群(160)は、それぞれ2つの前記環状レール(121)に沿って走行することができ、前記ヒンジロッド(159)は、前記チェーン(131)を通過して前記チェーン(131)に対して回転することができ、前記チェーン(131)は、前記ヒンジロッド(159)を引いて前記接続ロッド(158)を介して前記ガイドホイール群(160)を前記環状レール(121)に沿って走行させることにより、前記車体フレーム(152)を前記環状レール(121)に沿ってスライドさせることを特徴とする選別機。
【請求項2】
前記チェーン(131)は、2つの前記環状レール(121)の間であって、前記環状レール(121)と平行な鉛直平面に位置することを特徴とする請求項1に記載の選別機。
【請求項3】
前記スプロケット群(149)及び前記チェーン(131)は、いずれも2群設けられ、
2本の前記チェーン(131)は、それぞれ2群の前記スプロケット群(149)に設けられ、且つ、それぞれ前記車体フレーム本体(156)の両側に位置し、
2本の前記ヒンジロッド(159)は、それぞれ2本の前記チェーン(131)を通過し、且つ、いずれもそれぞれが通過するチェーン(131)に対して回転することができ、
2本の前記チェーン(131)は、それぞれ2本の前記ヒンジロッド(159)を同期に引くことにより、前記車体フレーム(152)を前記環状レール(121)に沿ってスライドさせることを特徴とする請求項1に記載の選別機。
【請求項4】
前記ヒンジロッド(159)は、前記チェーン(131)における隣接する2つのチェーンリンクを接続することを特徴とする請求項1に記載の選別機。
【請求項5】
2本の前記環状レール(121)のそれぞれには、開口が対向する環状条溝(125)が設けられ、
前記ガイドホイール群(160)は、同軸に設けられる第1のガイドホイール(161)及び第2のガイドホイール(162)を含み、
前記第1のガイドホイール(161)は、前記環状条溝(125)の上ガイド壁(126)に沿って転動し、前記第2のガイドホイール(162)は、前記環状条溝(125)の下ガイド壁(127)に沿って転動することを特徴とする請求項1に記載の選別機。
【請求項6】
前記第1のガイドホイール(161)の直径は、前記第2のガイドホイール(162)の直径よりも大きく、環状条溝(125)の下ガイド壁(127)の高さは、環状条溝(125)の上ガイド壁(126)の高さよりも小さいことにより、前記下ガイド壁(127)は、前記第1のガイドホイール(161)を回避することを特徴とする請求項5に記載の選別機。
【請求項7】
前記駆動アセンブリ(13)は、直線状であり且つ水平方向に延びる第1の支持プレート(136)をさらに含み、前記第1の支持プレート(136)は、前記チェーン(131)の水平方向に延びる部分の下方に設けられることを特徴とする請求項1に記載の選別機。
【請求項8】
前記駆動アセンブリ(13)は、直線状であり且つ鉛直方向に延びる第2の支持プレート(137)をさらに含み、前記第2の支持プレート(137)は、前記チェーン(131)の鉛直に延びる部分の内側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の選別機。
【請求項9】
前記本体フレーム(11)は、互いに離間する2つの枠体(111)を含み、
前記環状レール(121)の両側は、それぞれ2つの前記枠体(111)に取り付けられ、前記スプロケット群(149)のうちのスプロケットは、2つの前記枠体(111)に均一に分布することを特徴とする請求項1に記載の選別機。
【請求項10】
2群の前記スプロケット群(149)のうちのドリブンスプロケット(132)は、互いに整列し、
2群の前記スプロケット群(149)のうちのドライブスプロケット(133)は、互いに整列し、2つのドライブスプロケット(133)は、1本の軸(143)を共用することを特徴とする請求項3に記載の選別機。
【請求項11】
前記スプロケット群(149)は、前記枠体に取り付けられるテンション装置(139)と、前記テンション装置(139)に取り付けられる軸受台(138)と、前記軸受台(138)に取り付けられる第3の軸受(148)と、をさらに含み、
少なくとも1つの前記ドリブンスプロケット(132)の回転軸は、前記第3の軸受(148)の内輪内に挿着され、
前記テンション装置(139)は、
互いに平行な2本の直線スライドレール(140)と、
2本の前記直線スライドレール(140)を接続する、ネジ孔が設けられる接続部材(141)と、
前記ネジ孔にネジ嵌合されて前記軸受台(138)に回転可能に接続される、前記直線スライドレール(140)と平行なテンションボルト(142)と、を含み、
前記軸受台(138)は、2本の直線スライドレール(140)の間に設けられ、且つ、前記直線スライドレール(140)に沿ってスライド可能であることを特徴とする請求項
9に記載の選別機。
【請求項12】
選別車(15)は、複数個設けられており、複数の選別車(15)は、前記環状レール全体(121)に配置されることを特徴とする請求項1に記載の選別機。
【請求項13】
前記選別機(1)は、前記環状レール(121)の選別車(15)から離れる側に設けられる複数のシュート(18)をさらに含み、複数のシュート(18)は、前記環状レール(121)の延在方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年4月17日に出願された、出願番号が201910310328.6であって、発明の名称が「選別機」である中国特許出願に基づいて優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を本願に援用する。
【0002】
本発明は、物流技術分野に関し、特に、選別機に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のクロスベルト式選別機は、主に2つの種類があり、1つは、環状クロスベルト式選別機であり、もう1つは、直線状クロスベルト式選別機である。
【0004】
環状クロスベルト式選別機は、地面に水平な環状構造を形成するように配置され、敷地面積が大きい。直線状クロスベルト式選別機は、全体として直線構造であるので、選別機の先端から末端に向かって荷物を輸送しかできなく、荷物を選別機の末端に輸送する前に荷物を降ろしなければならない。しかしながら、いずれかの目的格子口が閉じられて荷物を降すことができない場合、この荷物を降してから再選別を待たざるを得ない。特に、直線状クロスベルト式選別機の選別車が選別機の末端まで走行した後、選別車の底部まで走行して回収を行う必要があるが、この選別車は、完全に反転して、荷物を担持することができず、これにより、この期間で利用されなくなり、利用率が高くなくなってしまう。
【0005】
背景技術の欄で開示された上記の内容は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものだけであり、このため、当業者にとって公知の従来技術を構成しない内容を含んでよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要の部分では、一連の簡略化形態の概念が導入され、これを発明を実施するための形態の部分でさらに詳細に説明する。本発明の概要の部分は、保護される技術案の重要な特徴及び必須の技術特徴を限定しようとする意図ではなく、保護される技術案の保護範囲を確定するようとする意図ではない。
【0007】
本発明は、上記の従来技術の少なくとも1つの欠点を解消することを主な目的としてなされたものであり、選別機を提供し、当該選別機は、本体フレームと、レールアセンブリと、駆動アセンブリと、選別車とを含み
前記レールアセンブリは、前記本体フレームに取り付けられる2本の環状レールを含み、2本の前記環状レールは、それぞれ互いに平行な2つの鉛直平面に設けられており、且つ、互いに整列し、
前記駆動アセンブリは、
前記本体フレームに取り付けられるドライブスプロケット及び複数のドリブンスプロケットを含むスプロケット群と、
前記ドライブスプロケット及び複数の前記ドリブンスプロケットに巻き掛けられるとともに、前記環状レールの形状と一致するチェーンと、
前記ドライブスプロケットが回転するように駆動するためのモータと、を含み、
前記選別車は、
2本の前記環状レールの間に設けられ、且つ、2本の前記環状レールにスライド可能に接続され、前記チェーンにもヒンジ連結される車体フレームと、
前記車体フレームの上方に設けられる輸送アセンブリと、を含み、
前記輸送アセンブリの輸送方向は、前記選別車の移動方向と異なる。
【0008】
本発明の一実施例によれば、前記チェーンは、2つの前記環状レールの間であって、前記環状レールと平行な鉛直平面に位置する。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記車体フレームは、前記輸送アセンブリを担持する車体フレーム本体と、車体フレーム本体の両側にそれぞれ設けられる支持アームと、を含み、
前記支持アームは、
ガイドホイール群と、
車体フレーム本体の一側から車体フレーム本体から離れる方向へ延びるヒンジロッドと、
両端が前記ヒンジロッドの先端と前記ガイドホイール群にそれぞれ接続し、且つ前記ヒンジロッドに垂直する接続ロッドと、を含み、
2つの前記ガイドホイール群は、それぞれ2つの前記環状レールに沿って走行することができ、前記ヒンジロッドは、前記チェーンを通過して前記チェーンに対して回転することができ、前記チェーンは、ヒンジロッドを引くことにより、前記車体フレームを前記環状レールに沿ってスライドさせる。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記スプロケット群及び前記チェーンは、いずれも2群設けられ、
2本の前記チェーンは、それぞれ2群の前記スプロケット群に設けられ、且つ、それぞれ前記車体フレーム本体の両側に位置し、
2本の前記ヒンジロッドは、それぞれ2本の前記チェーンを通過し、且つ、いずれもそれぞれが通過するチェーンに対して回転することができ、
2本の前記チェーンは、それぞれ2本の前記ヒンジロッドを同期に引くことにより、前記車体フレームを前記環状レールに沿ってスライドさせる。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記ヒンジロッドは、前記チェーンにおける隣接する2つのチェーンリンクを接続する。
【0012】
本発明の一実施例によれば、2本の前記環状レールのそれぞれには、開口が対向する環状条溝が設けられ、
前記ガイドホイール群は、同軸に設けられる第1のガイドホイール及び第2のガイドホイールを含み、
前記第1のガイドホイールは、前記環状条溝の上ガイド壁に沿って転動し、前記第2のガイドホイールは、前記環状条溝の下ガイド壁に沿って転動する。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記第1のガイドホイールの直径は、前記第2のガイドホイールの直径よりも大きく、環状条溝の下ガイド壁の高さは、環状条溝の上ガイド壁の高さよりも小さいことにより、前記下ガイド壁は、前記第1のガイドホイールを回避する。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記駆動アセンブリは、直線状であり且つ水平方向に延びる第1の支持プレートをさらに含み、前記第1の支持プレートは、前記チェーンの水平方向に延びる部分の下方に設けられる。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記駆動アセンブリは、直線状であり且つ鉛直方向に延びる第2の支持プレートをさらに含み、前記第2の支持プレートは、前記チェーンの鉛直に延びる部分の内側に設けられる。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記本体フレームは、互いに離間する2つの枠体を含み、
前記環状レールの両側は、それぞれ2つの前記枠体に取り付けられ、前記スプロケット群のうちのスプロケットは、2つの前記枠体に均一に分布する。
【0017】
本発明の一実施例によれば、2群の前記スプロケット群のうちのドリブンスプロケットは、互いに整列し、
2群の前記スプロケット群のうちのドライブスプロケットは、互いに整列し、2つのドライブスプロケットは、1本の軸で互いに接続される。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記スプロケット群は、前記ペデスタルに取り付けられるテンション装置と、前記テンション装置に取り付けられる軸受台と、前記軸受台に取り付けられる第3の軸受と、をさらに含み、
少なくとも1つの前記ドリブンスプロケットの回転軸は、前記第3の軸受の内輪内に挿着され、
前記テンション装置は、
互いに平行な2本の直線スライドレールと、
2本の前記直線スライドレールを接続する、ネジ孔が設けられる接続部材と、
前記ネジ孔にネジ嵌合されて前記軸受台に回転可能に接続される、前記直線スライドレールと平行なテンションボルトと、を含み、
前記軸受台は、2本の直線スライドレールの間に設けられ、且つ、前記直線スライドレールに沿ってスライド可能である。
【0019】
本発明の一実施例によれば、選別車は、複数個設けられており、複数の選別車は、前記環状レール全体に配置される。
【0020】
本発明の一実施例によれば、選別機は、前記環状レールの選別車から離れる側に設けられる複数のシュートをさらに含み、複数のシュートは、前記環状レールの延在方向に沿って配置される。
【発明の効果】
【0021】
本発明が提供する上記の技術案によれば、下記のような利点及び有益な効果が奏される。
【0022】
この選別機は、全体として縦方向に環状に配置されており、上部空間を十分に利用し、従来の環状クロスベルト式選別機に比べて、敷地面積が小さい。また、チェーン及び環状レールにより選別車の姿勢が一定に維持されることを規制するので、選別車は、走行時に常に反転せずに同じ姿勢を維持し、荷物を搬送して環状レール全体に沿って走行することができ、従来の直線状クロスベルト式選別機に比べて、末端で荷物を降す必要がなくなり、全体の利用率を向上させる。
【0023】
以下、添付する図面に基づいて本発明の好ましい実施例をより詳細に説明することにより、本発明の様々な目的、特徴及び利点は、より明らかになるであろう。図面は、本発明の例示的な図であり、必ずしも縮尺通りに描かれていない。なお、図面において、同一符号は、同一又は類似する部件を示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、一例示的な実施形態に係る選別機を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一例示的な実施形態に係る選別機を模式的に示す正面図である。
【
図3】
図3は、一例示的な実施形態に係る選別機を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、一例示的な実施形態に係るレールアセンブリ、駆動アセンブリ及び選別車の嵌合を示す模式図である。
【
図6】
図6は、一例示的な実施形態に係る選別車を模式的に示す斜視図である。
【
図7】
図7は、一例示的な実施形態に係る選別車を模式的に示す斜視図である。
【
図9】
図9は、一例示的な実施形態に係るガイドホイール群と環状レールとの嵌合を示す模式図である。
【
図10】
図10は、一例示的な実施形態に係る選別機を模式的に示す斜視図である。
【
図12】
図12は、一例示的な実施形態に係る選別機を模式的に示す斜視図である。
【
図14】
図14は、一例示的な実施形態に係る選別機の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して例示的な実施形態を詳細に説明する。しかし、例示的な実施形態は、多様な形態で実施されることができ、ここで説明する実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。逆に、これらの実施形態は、本発明が完全になり、例示的な実施形態の構想が当業者に完全に伝達されるように提供される。なお、図における同一符号は、同一又は類似する構成を示すので、その詳細な説明を省略する。
【0026】
図1~3を参照すると、
図1~3は、本実施例に係る選別機を示す。この選別機1は、本体フレーム11、レールアセンブリ12、駆動アセンブリ13及び選別車15を含む。レールアセンブリ12及び駆動アセンブリ13は、いずれも本体フレーム11に取り付けられ、選別車15は、レールアセンブリ12及び駆動アセンブリ13に接続される。
【0027】
本実施例において、本体フレーム11は、2つの枠体111を含む。2つの枠体111は、互いに離間する。枠体111は、全体として鉛直方向に延びており、略矩形構造をなす。枠体111は、複数本の縦ロッド及び複数本の横ロッドを含む。縦ロッドは、鉛直に設けられ、横ロッドは、隣接する2つの縦ロッドを接続する。横ロッド及び縦ロッドは、いずれも金属材料で製造されてもよい。
【0028】
図4、5を参照すると、レールアセンブリ12は、2本の環状レール121を含み、2本の環状レール121は、互いに平行な2つの鉛直平面に設けれ、2本の環状レール121も互いに整列している。環状レール121は、略矩形に設けられてもよく、コーナーで円弧状に移行する。環状レール121は、2本の横レール123、2本の縦レール122及び4本の円弧状レール124を含む。横レール123及び縦レール122は、いずれも直線状に延びる。横レール123は、水平に設けられ、縦レール122は、鉛直に設けられる。2本の横レール123は、互いに平行し、且つ、一方の横レール123は、他方の横レール123の下方に設けられる。縦レール122は、それぞれ2本の横レール123の両端に設けられる。円弧状レール124は、π/2である。4本の円弧状レールは、それぞれ2本の横レール123の各端部に設けられる。円弧状レール124は、互いに近接する横レール123の端部と縦レール122の端部とを接続するとともに、それに接続される横レール123及び縦レール122に接する。環状レール121の対向する両側は、それぞれ2つの枠体111に接続され、2つの枠体111は、環状レール121を支持する。
【0029】
駆動アセンブリ13は、スプロケット群149、チェーン131及びモータ134を含む。スプロケット群149は、ドライブスプロケット133及び複数のドリブンスプロケット132を含む。複数のドリブンスプロケット132は、いずれも本体フレーム11に取り付けられる。ドライブスプロケット133及びドリブンスプロケット132は、いずれも自身の軸線の回りに回転することができる。チェーン131は、ドライブスプロケット133及びドリブンスプロケット132に巻き掛けられるとともに、その形状が環状レール121の形状と一致する。本実施例において、ドリブンスプロケット132は、3つ設けられ、そのうちの2つのドリブンスプロケット132は、1つの枠体111に設けられ、他のドリブンスプロケット132及びドライブスプロケット133は、他の枠体111に設けられる。ドライブスプロケット133及びドリブンスプロケット132の軸線は、いずれも環状レール121に垂直する。同じ枠体111に位置する2つのスプロケットは、鉛直に配置されており、そのうちの1つのスプロケットは、その他のスプロケットの直上に設けられる。チェーン131は、3つのドリブンスプロケット132及び1つのドライブスプロケット133に巻き掛けられており、その形状が環状レール121の形状と一致し、チェーン131も鉛直平面に位置する。チェーン131は、2つの環状レール121の間に位置してもよい。環状レール121は、チェーン131と整列しない。環状レール121とチェーン131の対応する辺は、互いに平行する。モータ134は、少なくとも1つのスプロケットが回転するように駆動するためのものである。駆動アセンブリ13は、モータ134及びドライブスプロケット133にそれぞれ伝動接続される減速機135をさらに含んでもよい。モータ134とドライブスプロケット133との間で減速機135により伝動することができる。
【0030】
図6、7を参照すると、選別車15は、車体フレーム152及び輸送アセンブリ151を含む。輸送アセンブリ151は、車体フレーム152の上方に設けられ、荷物を担持及び輸送するためのものである。車体フレーム152は、2本の環状レール121の間に設けられ、その両側がそれぞれ2つの環状レール121にスライド可能に接続され、チェーン131にもヒンジ連結されることにより、選別車15は、チェーン131によって環状レール121に沿ってスライド可能である。輸送アセンブリ151は、コンベア、例えばベルトコンベアであってもよい。本実施例において、輸送アセンブリ151は、ベルト155、ドライブドラム154、ドリブンドラム153及びモータを含む。ドライブドラム154及びドリブンドラム153は、いずれも車体フレーム152に設けられ、且つ、自身の軸線の回りに回転することができる。ベルト155は、ドリブンドラム153及びドライブドラム154に巻き掛けられる。モータは、ドライブドラム154が回転するように駆動することによりベルト155を移動させるためのものである。荷物がベルト155に放置される場合、駆動ベルト155が移動するように駆動することにより、荷物を輸送することができる。輸送アセンブリ151の輸送方向は、選別車15の移動方向と一致しなく、輸送アセンブリ151は、荷物を選別車15の両側へ輸送することができる。レールの両側には、複数のシュート18がさらに設けられてもよく、各シュート18は、荷物の目的地に対応する。
【0031】
モータ134は、ドライブスプロケット133が回転するように駆動する場合、チェーン131を回転させ、さらに、チェーン131は、選別車15を環状レール121に沿ってスライドさせる。選別車15がある位置まで移動する場合、選別車15に荷物を載置し、例えば、選別機1の近傍に荷物供給台が設けられており、選別車15が荷物供給台の近傍まで走行する場合、荷物供給台は、選別車15へ荷物を輸送し、選別車15の輸送アセンブリ151は、この荷物を担持する。選別車15がこの荷物を環状レール121に沿って予め定めたシュート18の近傍に移動させる場合、輸送アセンブリは、作動して荷物をシュート18内に投入して、荷物を対応するシュート18内に落下させて選別を完了させる。
【0032】
この選別機1は、全体として縦方向に環状に配置されており、上部空間を十分に利用し、従来の環状クロスベルト式選別機1に比べて、敷地面積が小さい。また、チェーン131及び環状レール121により選別車15の姿勢が一定に維持されることを規制するので、選別車15は、走行時に常に反転せずに同じ姿勢を維持し、荷物を搬送して環状レール121全体に沿って走行することができ、従来の直線状クロスベルト式選別機1に比べて、末端で荷物を降す必要がなくなり、全体の利用率を向上させる。
【0033】
さらに、
図6~8を参照すると、車体フレーム152は、車体フレーム本体156及び支持アーム157を含む。車体フレーム本体156は、略矩形板の構造をなす。車体フレーム本体156の上方には、輸送アセンブリ151が取り付けられる。車体フレーム本体156は、水平に配置される。支持アーム157は、2つ設けられており、それぞれ車体フレーム本体156の対向する側に配置される。支持アーム157は、ヒンジロッド159、接続ロッド158及びガイドホイール群160を含む。ヒンジロッド159は、車体フレーム本体156から車体フレーム本体156から離れる方向に延びる。ヒンジロッド159は、チェーン131にヒンジ連結される。ヒンジロッド159は、チェーン131のピン軸としてチェーン131を通過してチェーン131の隣接する2つのチェーンリンクを接続することができる。接続ロッド158は、それぞれヒンジロッド159及びガイドホイール群160に接続される。接続ロッド158の一端は、ヒンジロッド159の先端に接続されてもよく、接続ロッド158とヒンジロッド159とが互いに垂直することが好ましい。2本の接続ロッド158は、互いに平行する。2つのガイドホイール群160は、それぞれ2つの環状レール121に沿って走行することができる。
【0034】
このような設置によって、チェーン131は、環状レール121と共に支持アーム157により車体フレーム本体156を持ち上げるとともに、支持アーム157を引くことにより車体フレーム本体156を移動させることができる。同時に、チェーン131は、環状レール121と共に支持アーム157を制約することにより、走行過程において、支持アーム157の姿勢は、常に一定に維持され、さらに、車体フレーム本体156の姿勢は、一定に維持される。
【0035】
さらに、
図9を参照すると、環状レール121には、環状条溝125が設けられる。2つの環状レール121の環状条溝125の開口は、対向して設けられる。ガイドホイール群160は、環状条溝125内に進入して環状条溝125に沿って走行する。環状レール121の断面は、C字型であってもよい。
【0036】
ガイドホイール群160は、第1のガイドホイール161及び第2のガイドホイール162を含む。第1のガイドホイール161及び第2のガイドホイール162は、同軸に設けられる。ガイドホイール群160は、心軸163、第1の軸受164及び第2の軸受165をさらに含んでもよい。心軸163は、接続ロッド158に接続され、且つ、接続ロッド158に垂直する。第1の軸受164及び第2の軸受165は、いずれも心軸163に外嵌される。第1のガイドホイール161は、第1の軸受164に取り付けられ、第2のガイドホイール162は、第2の軸受165に取り付けられる。第1のガイドホイール161及び第2のガイドホイール162は、自身の軸線の回りに回転することができる。第1のガイドホイール161及び第2のガイドホイール162の軸線は、いずれも環状レール121が位置する鉛直平面に垂直する。第1のガイドホイール161は、環状条溝125の上ガイド壁126に沿って転動し、第2のガイドホイール162は、環状条溝125の下ガイド壁127に沿って転動する。
【0037】
第1のガイドホイール161及び第2のガイドホイール162は、常に環状条溝125の両側壁に当接し、ガイドホイール群160と環状レール121との間の嵌合がより緊密となる。
【0038】
さらに、第1のガイドホイール161の直径は、第2のガイドホイール162の直径よりも大きく、第1のガイドホイール161は、第2のガイドホイール162と接続ロッド158との間に設けられる。環状条溝125の下ガイド壁127の高さは、環状条溝125の上ガイド壁126の高さよりも小さい。環状条溝125の内側の高さが低いので、第1のガイドホイール161を回避し、このような配置がより合理的になる。
【0039】
さらに、
図4を参照すると、駆動アセンブリ13は、直線状の第1の支持プレート136をさらに含む。第1の支持プレート136は、水平に設けられる。第1の支持プレート136は、本体フレーム11に固定され、その両端がそれぞれ2つの枠体111に接続される。第1の支持プレート136は、チェーン131の水平に延びる部分の下方に設けられ、第1の支持プレート136の延在方向は、チェーン131の延在方向と同じである。第1の支持プレート136は、チェーン131の下方からチェーン131を支持する。第1の支持プレート136は、2つ設けられてもよく、2つの第1の支持プレート136は、それぞれチェーン131の上部と底部の領域にそれぞれ位置する部分を支持する。
【0040】
選別車15がチェーン131の水平に延びる区間まで到達する場合、支持アーム157は、チェーン131に下向きの圧力を与えることにより、チェーン131は、下向きに変形する傾向があり、第1の支持プレート136は、チェーン131の底部からチェーン131を支持してこの圧力を相殺する。このため、選別車15は、よりスムーズに走行することができる。
【0041】
さらに、駆動アセンブリ13は、直線状の第2の支持プレート137をさらに含む。第2の支持プレート137は、鉛直に設けられる。第2の支持プレート137は、本体フレーム11に取り付けられる。第2の支持プレート137は、2つ設けられてもよく、2つの第2の支持プレート137は、それぞれ2つの枠体111に設けられる。第2の支持プレート137は、チェーン131の鉛直に延びる部分の内側に設けられ、且つ、チェーン131の延在方向に沿って配置される。第2の支持プレート137は、チェーン131に近接して設けられる。チェーン131は、第2の支持プレート137の一方の面に突き当てることができる。
【0042】
選別車15がチェーン131の鉛直区間まで到達する場合、支持アーム157は、チェーン131に横方向の圧力を与えることにより、チェーン131は、内側へ変形する傾向があり、支持プレートは、チェーン131の内側からチェーン131を支持してこの圧力を相殺する。このため、選別車15は、チェーン131によって振動することがない。
【0043】
さらに、スプロケット群149は、2群設けられ、チェーン131は、2本設けられる。2本のチェーン131は、それぞれ2群のスプロケット群149に設けられる。2本のチェーン131は、それぞれ互いに平行な2つの鉛直平面に位置し、且つ、互いに整列する。2本のチェーン131は、それぞれ選別車15の対向する両側に設けられ、且つ、2本の環状レール121の間に位置する。2本のヒンジロッド159は、それぞれ2本のチェーン131を通過し、且つ、いずれもそれぞれが通過するチェーン131に対して回転することができる。このようにして、2本のチェーン131は、それぞれ選別車15にヒンジ連結される。
【0044】
図10、11を参照すると、2群のスプロケット群149のうちのドリブンスプロケット132は、一対一で対応して設けられており、互いに対応する2つのドリブンスプロケット132は、互いに整列する。選別車15がスプロケット領域を通る際にスプロケットの軸と干渉しないように、互いに整列する2つのドリブンスプロケット132は、軸により接続されていない。選別車15は、ドリブンスプロケット132の間の領域をスムーズに通ることができる。
【0045】
さらに、
図12、13を参照すると、2群のスプロケット群149のうちのドライブスプロケット133は、互いに整列する。2つのドライブスプロケット133は、1本の軸143で互いに接続される。モータ134は、そのうちの1つのドライブスプロケット133が回転するように駆動することにより、2本のチェーン131を同期に移動させることができる。
【0046】
さらに、
図14を参照すると、スプロケット群149は、複数の軸受台138及び複数の第3の軸受148をさらに含む。複数の軸受台138は、いずれも枠体111に設けられる。各軸受台138には、少なくとも1つの第3の軸受148が設けられる。ドリブンスプロケット132及びドライブスプロケット133の回転軸は、第3の軸受148の内輪内に挿着される。
【0047】
さらに、スプロケット群149は、テンション装置139をさらに含む。テンション装置139は、枠体111に固定される。テンション装置139は、2本の直線スライドレール140、接続部材141及びテンションボルト142を含む。直線スライドレール140は、直線条状をなし、水平に設けられる。直線スライドレール140は、横レール123に平行する。接続部材141は、条状に設けられており、鉛直方向に延びることができる。接続部材141は、2本の直線スライドレール140の一端に設けられる。接続部材141は、2本の直線スライドレール140の端部に接続される。各スプロケット群149において、ドリブンスプロケット132が取り付けられる少なくとも1つの軸受台138は、2本の直線スライドレール140の間に取り付けられる。この軸受台138の両側には、2つの条溝が設けられており、2本の直線スライドレール140は、それぞれ2つの条溝内に嵌め込まれることにより、この軸受台138は、直線スライドレール140に沿ってスライド可能である。接続部材141には、ネジ孔が設けられており、ネジ孔は、接続部材141の中間部に設けられてもよい。テンションボルト142は、このネジ孔に挿入されてこのネジ孔にネジ嵌合される。テンションボルト142の端部は、この軸受台138に回転可能に接続される。テンションボルト142は、自身の軸線の回りに回転することができ、テンションボルト142及び軸受台138は、径方向において相対的に移動することができない。テンションボルト142は、軸受により軸受台138に接続されてもよい。
【0048】
テンションボルト142を回転させる場合、テンションボルト142は、軸受台138を直線スライドレール140に沿ってスライドさせ、ドリブンスプロケットは、軸受台138と共に移動することにより、チェーン131の張り具合を調整することができる。
【0049】
さらに、選別機1は、複数のシュート18をさらに含む。シュート18は、環状レール121の選別車15から離れる側に設けられる。シュート18の底面は、傾斜して設けられており、環状レール121に近い側の高さは、より高い。隣接する2つのシュート18の間には、仕切板が設けられる。各シュート18の末端には、荷物用バスケットが設けられてもよい。選別車15は、荷物をシュート18に投入した後、シュート18は、荷物を対応する荷物用バスケットに案内することができる。勿論、シュート18の末端には、選別を完了させた荷物を輸送するための輸送ラインが設けられてもよい。
【0050】
さらに、選別機1は、プラットフォーム17をさらに含む。プラットフォーム17は、トッププレート171、直立柱172及び段差173を含む。トッププレート171は、水平に配置され、且つ、各環状レール121の中間部を通過する。複数本の直立柱172は、トッププレート171を支持するように、トッププレート171の縁部に設けられる。段差173は、トッププレート171の縁部に設けられる。
【0051】
シュート18の上部から滑り落ちた荷物を受け取ることを容易にするように、荷物用バスケットをトッププレート171の上方に放置することができる。作業者は、段差173に沿ってトッププレート171を上下することもできるので、作業が容易になる。
【0052】
さらに、選別車15は、複数個設けられる。複数の選別車15は、環状レール121に順次に配置され、且つ、環状レール121全体に配置される。環状レール121全体には選別車15が配置されるので、選別効率を向上させることができる。
【0053】
本発明は、特定の実施例を参照して開示されたが、本発明の範囲および範疇から逸脱することなく、説明された実施例に様々な変形および補正を行うことができる。したがって、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、その保護範囲は、添付されている特許請求の範囲の記載及びその均等物によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0054】
1 選別機;11 本体フレーム;111 枠体;12 レールアセンブリ;121 環状レール;122 縦レール;123 横レール;124 円弧状レール;125 環状条溝;126 上ガイド壁;127 下ガイド壁;13 駆動アセンブリ;131 チェーン;132 ドリブンスプロケット;133 ドライブスプロケット;134 モータ;135 減速機;136 第1の支持プレート;137 第2の支持プレート;138 軸受台;139 テンション装置;140 直線スライドレール;141 接続部材;142 テンションボルト;143 軸;148 第3の軸受;149 スプロケット群;15 選別車;151 輸送アセンブリ;152 車体フレーム;153 ドリブンドラム;154 ドライブドラム;155 ベルト;156 車体フレーム本体;157 支持アーム;158 接続ロッド;159 ヒンジロッド;160 ガイドホイール群;161 第1のガイドホイール;162 第2のガイドホイール;163 心軸;164 第1の軸受;165 第2の軸受;17 プラットフォーム;171 トッププレート;172 直立柱;173 段差;18 シュート。