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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】DMRSポート決定方法および通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20231107BHJP
   H04J 13/18 20110101ALI20231107BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20231107BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04J13/18
H04W74/08
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022508965
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2020108979
(87)【国際公開番号】W WO2021027893
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】201910748987.8
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】柴 ▲暁▼萌
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲芸▼群
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/095931(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/137162(WO,A1)
【文献】vivo,Evaluation for 2-step RACH[online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1906126,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1906126.zip>,2019年06月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04J 13/18
H04W 74/08
3GPP TSG RAN WG1-4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
復調参照信号DMRSポート決定方法であって、
ネットワークデバイスによって送られる設定情報を受信するステップであって、前記設定情報は、DMRS設定情報、およびDMRSポートセットのインジケーション情報を含み、前記DMRS設定情報は、複数のDMRSポートを構成するために使用され、前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、前記複数のDMRSポートにおける1つまたは複数の利用可能なDMRSポートを示すために使用される、ステップと、
前記DMRSポートセットにおいてターゲットDMRSポートを決定するステップと
を含み、
前記DMRSポートセットにおいてターゲットDMRSポートを決定する前記ステップは、
ランダムアクセスプリアンブルを決定するステップと、
前記ランダムアクセスプリアンブルに基づいて、前記DMRSポートセットにおいて前記ターゲットDMRSポートを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、ビットマップ、パラメータMおよびパラメータN、またはインデックス番号を含み、
前記ビットマップは、前記DMRSポートセットに属し、かつ、前記複数のDMRSポート内に存在するDMRSポートの分布を示すために使用され、
前記パラメータMおよび前記パラメータNは、予め設定されたDMRSポート順序における前記複数のDMRSポートのうちの、N番目のDMRSポートから開始してM個のDMRSポートが前記DMRSポートセットに属することを示すために使用され、
前記インデックス番号は、前記複数のDMRSポートに対応する複数の予め設定されたDMRSポートセットのうちの1つを示すために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、予め設定されたDMRSポート順序における前記複数のDMRSポートのうちの最初のK個のDMRSポートが前記DMRSポートセットに属することを示すために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、パラメータKを含み、前記パラメータKは、前記予め設定されたDMRSポート順序における前記複数のDMRSポートのうちの前記最初のK個のDMRSポートが、前記DMRSポートセットに属することを示すために使用される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、DMRSポートの数量であり、前記DMRSポートセットは、前記複数のDMRSポートに対応する複数の予め設定されたDMRSポートセット内に存在し、かつ、前記DMRSポートの数量と一致するDMRSポートセットである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、1つまたは複数のDMRS符号分割多重化CDMグループの識別子であり、前記DMRSポートセットは、前記1つまたは複数のDMRS CDMグループの前記識別子に対応し、かつ、前記複数のDMRSポート内に存在する複数のDMRSポートからなるDMRSポートセットである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記設定情報が、複数のDMRSポートセットのインジケーション情報を含む場合、異なるDMRSポートセットにおけるDMRSポートによって占有される周波数ドメインリソースは、重複しない、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ランダムアクセスプリアンブルに基づいて、前記DMRSポートセットにおいて前記ターゲットDMRSポートを決定する前記ステップは、
ランダムアクセスプリアンブルとDMRSポートとの間の予め設定されたマッピング順序における前記DMRSポートセットにおいて、前記ランダムアクセスプリアンブルに対応する前記ターゲットDMRSポートを決定するステップを含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ネットワークデバイスによって送られる設定情報を受信するように構成された送受信機であって、前記設定情報は、DMRS設定情報、およびDMRSポートセットのインジケーション情報を含み、前記DMRS設定情報は、複数のDMRSポートを構成するために使用され、前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、前記複数のDMRSポートにおける1つまたは複数の利用可能なDMRSポートを示すために使用される、送受信機と、
前記DMRSポートセットにおいてターゲットDMRSポートを決定するように構成された処理ユニットと
を備え
前記DMRSポートセットにおいて前記ターゲットDMRSポートを決定する場合、前記処理ユニットは、ランダムアクセスプリアンブルを決定し、前記ランダムアクセスプリアンブルに基づいて、前記DMRSポートセットにおいて前記ターゲットDMRSポートを決定するように構成される、通信装置。
【請求項10】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、ビットマップ、パラメータMおよびパラメータN、またはインデックス番号を含み、
前記ビットマップは、前記DMRSポートセットに属し、かつ、前記複数のDMRSポート内に存在するDMRSポートの分布を示すために使用され、
前記パラメータMおよび前記パラメータNは、予め設定されたDMRSポート順序における前記複数のDMRSポートのうちの、N番目のDMRSポートから開始してM個のDMRSポートが前記DMRSポートセットに属することを示すために使用され、
前記インデックス番号は、前記複数のDMRSポートに対応する複数の予め設定されたDMRSポートセットのうちの1つを示すために使用される、請求項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、予め設定されたDMRSポート順序における前記複数のDMRSポートのうちの最初のK個のDMRSポートが前記DMRSポートセットに属することを示すために使用される、請求項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、パラメータKを含み、前記パラメータKは、前記予め設定されたDMRSポート順序における前記複数のDMRSポートのうちの前記最初のK個のDMRSポートが、前記DMRSポートセットに属することを示すために使用される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項13】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、DMRSポートの数量であり、前記DMRSポートセットは、前記複数のDMRSポートに対応する複数の予め設定されたDMRSポートセット内に存在し、かつ、前記DMRSポートの数量と一致するDMRSポートセットである、請求項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記DMRSポートセットの前記インジケーション情報は、1つまたは複数のDMRS符号分割多重化CDMグループの識別子であり、前記DMRSポートセットは、前記1つまたは複数のDMRS CDMグループの前記識別子に対応し、かつ、前記複数のDMRSポート内に存在する複数のDMRSポートからなるDMRSポートセットである、請求項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記設定情報が、複数のDMRSポートセットのインジケーション情報を含む場合、異なるDMRSポートセットにおけるDMRSポートによって占有される周波数ドメインリソースは、重複しない、請求項から1のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項16】
前記DMRSポートセットにおいて前記ターゲットDMRSポートを決定する場合、前記処理ユニットは、ランダムアクセスプリアンブルとDMRSポートとの間の予め設定されたマッピング順序における前記DMRSポートセットにおいて、前記ランダムアクセスプリアンブルに対応する前記ターゲットDMRSポートを決定するように構成される、請求項から1のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項17】
メモリとプロセッサとを備える通信装置であって、
メモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成され、
プロセッサは、前記メモリに記憶された前記コンピュータプログラムを実行して、前記通信装置が、請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にするように構成される、通信装置。
【請求項18】
コンピュータ命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ命令が通信装置によって実行される場合、前記通信装置は、請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
コンピュータ命令を備えるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ命令が通信装置によって実行される場合、前記通信装置は、請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にされる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、通信技術の分野に関し、特に、復調参照信号(demodulation reference signal、DMRS)ポート決定方法および通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月14日に中国特許庁に出願され、「DMRS PORT DETERMINING METHOD AND COMMUNICATIONS APPARATUS」と題された中国特許出願第201910748987.8号の優先権を主張し、この中国特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0003】
端末デバイスのランダムアクセス(random access、RA)手順は、ランダムアクセスチャネル(random access channel、RACH)手順と称されることもある。ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)および新無線(new radio、NR)などのシステムにおいて、端末デバイスは、ランダムアクセスを通じてRRCアイドル状態または非アクティブ(inactive)状態から無線リソース制御(radio resource control、RRC)接続状態に入って、様々なベアラをネットワークデバイスに対してセットアップし、ネットワークデバイスとさらに通信する必要がある。現在、4ステップのランダムアクセスチャネル(4-step random access channel、4-step RACH)手順が、端末デバイスのランダムアクセス手順のために通常は使用されている。4ステップのランダムアクセス手順は、以下を含む。端末デバイスは、ランダムアクセスプリアンブル(preamble)をネットワークデバイスへ送り、ネットワークデバイスは、ランダムアクセス応答を端末デバイスへ送り、端末デバイスは、アップリンクデータをネットワークデバイスに送り、ネットワークデバイスは、競合解決情報を端末デバイスへ送る。低レイテンシシナリオにおいてランダムアクセスをサポートするために、2ステップのランダムアクセス(2-Step RACH)手順が提案されている。2ステップのランダムアクセス手順においては、2つのステップのみが存在する。端末デバイスは、ランダムアクセスプリアンブルおよびアップリンクデータをネットワークデバイスへ送り、ネットワークデバイスは、ランダムアクセス応答を端末デバイスへ送る。
【0004】
しかしながら、4ステップのランダムアクセス手順において、ランダムアクセスプリアンブルを送った端末デバイスのみによって受信されたランダムアクセス応答は、送られたランダムアクセスプリアンブルに関する情報を搬送し、端末デバイスは、ランダムアクセス応答において示されるDMRSポートに基づいて、アップリンクデータを送る。2ステップのランダムアクセス手順において、全ての端末デバイスは、同じ構成を使用することによって、ランダムアクセスプリアンブルおよびアップリンクデータをネットワークデバイスへ送る。したがって、各端末デバイスは、同じDMRSポートを使用することによって同じリソース上でアップリンクデータを送り得る。結果として、アップリンクデータを送るために大量の端末デバイスによって使用されるDMRSポート上で競合が発生し、ランダムアクセス効果が影響を受ける。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、2ステップのランダムアクセス期間中に、アップリンクデータを送るために大量の端末デバイスによって使用されるDMRSポート上で競合が発生し、ランダムアクセス効果が影響を受けるという問題を解決するために、DMRSポート決定方法および通信装置を提供する。
【0006】
DMRSは、代替として、データを復調するために使用される別の参照信号であってよいことが理解されるべきである。本出願の実施形態において、DMRSは、説明のための例として使用される。ランダムアクセスプリアンブルは、代替として、ランダムアクセスのために使用される別のシーケンスであってよい。本出願の実施形態において、ランダムアクセスプリアンブルは、説明のための例として使用される。
【0007】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、端末デバイスに対して適用される、DMRSポート決定方法を提供する。本方法は、ネットワークデバイスによって送られる設定情報を受信するステップであって、設定情報は、DMRS設定情報、およびDMRSポートセットのインジケーション情報を含み、DMRS設定情報は、複数のDMRSポートを構成するために使用され、DMRSポートセットのインジケーション情報は、複数のDMRSポートにおける1つまたは複数の利用可能なDMRSポートを示すために使用される、ステップと、DMRSポートセットにおいてターゲットDMRSポートを決定するステップとを含む。本出願のこの実施形態において、ランダムアクセス期間中に、ネットワークデバイスは、端末デバイスに対して、ランダムアクセス手順において物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel、PUSCH)上でランダムアクセスのために使用されることが可能なDMRSポートセットを構成し得、端末デバイスは、ネットワークデバイスによって構成され、かつ、ランダムアクセスのために使用されることが可能なDMRSポートセットからターゲットDMRSポートを選択し、ランダムアクセスプリアンブルに対応するDMRSポートとしてターゲットDMRSポートを使用する。これは、プロトコルにおいて特定される同じDMRSポートを全ての端末デバイスが使用し、アップリンクデータを送るために大量の端末デバイスよって使用されるDMRSポート上で競合が発生することを回避し、ランダムアクセス効果が影響を受けることをさらに防止する。
【0008】
可能な設計において、DMRSポートセットにおいてターゲットDMRSポートを決定するステップは、ランダムアクセスプリアンブルを決定するステップと、ランダムアクセスプリアンブルに基づいて、DMRSポートセットにおいてターゲットDMRSポートを決定するステップとを含む。前述の設計において、端末デバイスは、決定されたランダムアクセスプリアンブルに基づいて、DMRSポートセットから、決定されたランダムアクセスプリアンブルに対応するターゲットDMRSポートを選択する。これは、アップリンクデータを送るために大量の端末デバイスによって使用されるDMRSポート上で競合が発生することをさらに回避するのに役立ち、ランダムアクセス効果が影響を受けることをさらに防止する。
【0009】
可能な設計において、DMRSポートセットのインジケーション情報は、ビットマップ、パラメータK、パラメータMおよびパラメータN、またはインデックス番号を含み、ビットマップは、DMRSポートセットに属し、かつ、複数のDMRSポート内に存在するDMRSポートの分布を示すために使用され、パラメータKは、予め設定されたDMRSポート順序における複数のDMRSポートのうちの最初のK個のDMRSポートがDMRSポートセットに属することを示すために使用され、パラメータMおよびパラメータNは、予め設定されたDMRSポート順序における複数のDMRSポートのうちの、N番目のDMRSポートから開始してM個のDMRSポートがDMRSポートセットに属することを示すために使用され、インデックス番号は、複数のDMRSポートに対応する複数の予め設定されたDMRSポートセットのうちの1つを示すために使用される。前述の設計においては、DMRSポートセットのインジケーション情報の実装が強化されており、その結果、DMRSポートセットの、対応する情報を含むインジケーション情報が、通信システムおよび通信条件に基づいて選択されて、DMRSポートセットにおける利用可能なDMRSポートが示される。
【0010】
可能な設計において、DMRSポートセットのインジケーション情報は、予め設定されたDMRSポート順序における複数のDMRSポートのうちの最初のK個のDMRSポートがDMRSポートセットに属することを示すために使用される。
【0011】
可能な設計において、DMRSポートセットのインジケーション情報は、DMRSポートの数量であり、DMRSポートセットは、複数のDMRSポートに対応する複数の予め設定されたDMRSポートセット内に存在し、かつ、DMRSポートの数量と一致するDMRSポートセットである。前述の設計においては、DMRSポートセットのインジケーション情報の実装が強化されており、その結果、DMRSポートセットの、対応する情報を含むインジケーション情報が、通信システムおよび通信条件に基づいて選択されて、DMRSポートセットにおける利用可能なDMRSポートが示される。
【0012】
可能な設計において、DMRSポートセットのインジケーション情報は、1つまたは複数のDMRS符号分割多重化CDMグループの識別子であり、DMRSポートセットは、1つまたは複数のDMRS CDMグループの識別子に対応し、かつ、複数のDMRSポート内に存在する複数のDMRSポートを含むDMRSポートセットである。前述の設計において、CDMグループの識別子は、ポートセットを示すために使用され、その結果、シグナリングオーバヘッドが低減されることが可能である。また、DMRSポートセットのインジケーション情報の実装が強化されており、その結果、DMRSポートセットの、対応する情報を含むインジケーション情報は、通信システムおよび通信条件に基づいて選択されて、DMRSポートセットにおける利用可能なDMRSポートが示される。
【0013】
可能な設計において、設定情報が、複数のDMRSポートセットのインジケーション情報を含む場合、異なるDMRSポートセットにおけるDMRSポートによって占有される周波数ドメインリソースは、重複しない。前述の設計においては、異なるDMRSポートセットにおけるDMRSポート間の直交性が、より一層確実にされることが可能であり、異なるDMRSポートセットにおけるDMRSポート間の干渉が低減される。
【0014】
可能な設計において、ランダムアクセスプリアンブルに基づいて、DMRSポートセットにおけるターゲットDMRSポートを決定するステップは、ランダムアクセスプリアンブルとDMRSポートとの間の予め設定されたマッピング順序におけるDMRSポートセットにおいて、ランダムアクセスプリアンブルに対応するターゲットDMRSポートを決定するステップを含む。前述の設計において、ランダムアクセスプリアンブルに対応するターゲットDMRSポートが選択される場合、対応するターゲットDMRSポートは、異なるランダムアクセスプリアンブルに対応するターゲットDMRSポートの直交性要件に基づいて選択され、それによって、ランダムアクセス安定性を改善する。
【0015】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は、通信装置を提供する。本装置は、第1の態様または第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つにおける方法を実装する機能を有する。機能は、ハードウェアによって実装されてよく、または対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてよい。ハードウェアまたはソフトウェアは、機能に対応する1つまたは複数のモジュールを含む。
【0016】
可能な設計において、本装置は、チップまたは集積回路であってよい。
【0017】
可能な設計において、本装置は、メモリとプロセッサとを含む。メモリは、プロセッサによって実行されるプログラムを記憶するように構成される。プログラムがプロセッサによって実行される場合、本装置は、第1の態様または第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つにおける方法を実行し得る。
【0018】
可能な設計において、本装置は、端末デバイスであってよい。
【0019】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。記憶媒体は、コンピュータ命令を記憶する。コンピュータ命令が通信装置によって実行される場合、通信装置は、第1の態様または第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つにおける方法を実行することを可能にされる。
【0020】
第4の態様によれば、本出願の一実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品が通信装置上で実行される場合、通信装置は、第1の態様または第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つにおける方法を実行することを可能にされる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本出願の一実施形態による通信アーキテクチャの概略図である。
図2A】本出願の一実施形態による、シングルフロントロードシンボルを有する、DMRSパイロットタイプ1のDMRSリソースの概略図である。
図2B】本出願の一実施形態による、ダブルフロントロードシンボルを有する、DMRSパイロットタイプ1のDMRSリソースの概略図である。
図3A】本出願の一実施形態による、シングルフロントロードシンボルを有する、DMRSパイロットタイプ2のDMRSリソースの概略図である。
図3B】本出願の一実施形態による、ダブルフロントロードシンボルを有する、DMRSパイロットタイプ2のDMRSリソースの概略図である。
図4】本出願の一実施形態によるランダムアクセス手順の概略図1である。
図5】本出願の一実施形態によるランダムアクセス手順の概略図2である。
図6】本出願の一実施形態によるDMRSポート決定処理の概略図1である。
図7】本出願の一実施形態による、複数のDMRSポートセットの分布の概略図である。
図8】本出願の一実施形態によるDMRSポート決定処理の概略図2である。
図9】本出願の一実施形態による通信装置の概略構造図である。
図10】本出願の一実施形態による端末デバイスの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下は、添付の図面を参照しつつ、本出願の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
本出願の実施形態における技術的解決策は、様々な通信システム、例えば、5Gシステム、新無線(new radio、NR)システム、LTEシステム、および進化型ロングタームエボリューション(long term evolution-advanced、LTE-A)システムなどに対して適用されてよく、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity、Wi-Fi)システム、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用(worldwide interoperability for microwave access、wimax)システム、3GPP等に関連するセルラーシステム、および6Gシステムなどの将来の通信システムへとさらに拡張されてよい。具体的には、本出願の実施形態が使用する通信システムのアーキテクチャは、図1に示され得、ネットワークデバイスと複数の端末デバイスとを含む。図1においては、3つの端末デバイスが、例として使用される。端末デバイス1から端末デバイス3は、ネットワークデバイスへ別個にまたは同時にデータを送り得る。図1に示される通信システム内の端末デバイスの数量およびネットワークデバイスの数量は、本出願の実施形態において限定されないことが、留意されるべきである。
【0024】
また、本出願の実施形態における「例」という単語は、例、例示、または説明を与えることを表すために使用されることが理解されるべきである。本出願において「例」として説明されるいかなる実施形態または設計方式も、別の実施形態または設計方式よりも好適なものまたは多くの利点を有するものとして解説されるべきでない。まさに、「例えば」は、ある概念を特定の方式で提示するために使用される。
【0025】
本出願の実施形態、特許請求の範囲、および添付の図面における「含む/備える」および「有する」という用語は、排他的ではない。例えば、一連のステップまたはモジュールを含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、列挙されたステップまたはモジュールに限定されず、列挙されていないステップまたはモジュールをさらに含み得る。「システム」および「ネットワーク」という用語は、本明細書において互換的に使用され得る。本明細書における「および/または」という用語は、関連付けられたオブジェクト間の関連付け関係のみを説明し、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、Aおよび/またはBは、以下の3つのケース、すなわち、Aのみが存在する、AとBとの両方は存在する、およびBのみが存在する、を表し得る。また、本明細書における「/」という文字は、通常は、関連付けられたオブジェクト間の「または」という関係を表す。本出願の実施形態において、「Aに対応するB」とは、BがAに関連付けられ、BはAに従って決定され得ることを示すことが理解されるべきである。しかしながら、Aに従ってBを決定することは、Aのみに従ってBが決定されることを意味せず、すなわち、Aおよび/または他の情報に従ってBが決定されてもよいことが、さらに理解されるべきである。また、特に明記しない限り、本出願の実施形態における、「第1の」および「第2の」などの序数は、複数のオブジェクトを区別するために使用されるが、その複数のオブジェクトの順序、時系列、優先度、または重要度を限定するようには意図されていない。本出願における「複数の」とは、2以上を意味する。
【0026】
また、本出願の実施形態において、情報(information)、信号(signal)、メッセージ(message)、またはチャネル(channel)は、時には互換的に使用されることがある。用語間の相違が強調されない場合、用語によって表現される意味は一貫していることが留意されるべきである。「の(of)」、「該当する(corresponding, relevant)」、および「対応する(corresponding)」は、時には互換的に使用されることがある。用語間の相違が強調されない場合、用語によって表現される意味は一貫していることが留意されるべきである。
【0027】
本出願の実施形態が説明される前に、当業者がより良い理解を得るのに役立つように、本出願におけるいくつかの用語が最初に解説および説明される。
【0028】
(1)端末デバイスは、ユーザに音声および/またはデータ接続性を提供するデバイスを含み、例えば、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、またはワイヤレスモデムに接続される処理デバイスを含み得る。端末デバイスは、無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)と通信し、RANと音声および/またはデータを交換し得る。端末デバイスは、ユーザ機器(user equipment、UE)、ワイヤレス端末デバイス、モバイル端末デバイス、デバイス間通信(device-to-device、D2D)端末デバイス、V2X端末デバイス、マシン間/マシンタイプ通信(machine-to-machine/machine-type communications、M2M/MTC)端末デバイス、モノのインターネット(internet of things、IoT)端末デバイス、加入者ユニット(subscriber unit)、加入者局(subscriber station)、移動局(mobile station)、遠隔局(remote station)、アクセスポイント(access point、AP)、遠隔端末(remote terminal)、アクセス端末(access terminal)、ユーザ端末(user terminal)、ユーザエージェント(user agent)、ユーザデバイス(user device)等を含んでよい。例えば、端末デバイスは、携帯電話(「セルラー」電話とも称される)、モバイル端末デバイスを有するコンピュータ、または携帯可能な、ポケットサイズの、ハンドヘルドの、もしくはコンピュータの内蔵のモバイル装置を含んでよい。例えば、端末デバイスは、個人通信サービス(personal communication service、PCS)電話、コードレス電話機、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(wireless local loop、WLL)局、または携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)などのデバイスを含んでよい。端末デバイスは、限定されたデバイス、例えば、比較的低い電力消費を有するデバイス、限定された記憶能力を有するデバイス、または限定されたコンピューティング能力を有するデバイスをさらに含む。例えば、端末デバイスは、情報感知デバイス、例えば、バーコード、無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)、センサ、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、またはレーザスキャナを含んでよい。
【0029】
限定ではなく例として、本出願の実施形態において、端末デバイスは、代替として、ウェアラブルデバイスであってよい。ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルインテリジェントデバイス、インテリジェントウェアラブルデバイス等とも称され、インテリジェントに設計されるデイリーウェア、例えば、眼鏡、手袋、時計、衣服、および靴などに対してウェアラブル技術を適用することによって開発されるウェアラブルデバイスについての汎称である。ウェアラブルデバイスは、身体に直接着用されるか、またはユーザの衣服もしくはアクセサリー内に一体化される携帯可能なデバイスである。ウェアラブルデバイスは、ハードウェアデバイスのみではなく、ソフトウェアサポート、データ交換、およびクラウド相互作用を通じて、強力な機能を実装するために使用される。広い意味において、ウェアラブルインテリジェントデバイスは、スマートフォンに依存せずに、全部または一部の機能を実装することができるフル装備かつ大型のデバイス、例えばスマートウォッチまたはスマート眼鏡、および、1つのタイプのアプリケーション機能のみに注目し、スマートフォンなどの他のデバイスと共に作動する必要のあるデバイス、例えば、身体的徴候を監視するための様々なスマートバンド、スマートヘルメット、またはスマートジュエリーを含む。
【0030】
しかしながら、上述された様々な端末デバイスが、車両に位置する(例えば、車両内に配置されるか、または車両内に設置される)場合、端末デバイスは、車載端末デバイスとして考えられ得る。例えば、車載端末デバイスは、オンボードユニット(on-board unit、OBU)とも称される。
【0031】
本出願の実施形態において、端末デバイスは、リレー(relay)をさらに含んでよい。代替として、基地局とデータ通信を実行することができる任意のデバイスは、端末デバイスとして考えられてよいことが理解され得る。
【0032】
(2)ネットワークデバイスは、アクセスネットワーク内に存在し、1つまたは複数のセルを通じてエアインターフェース上でワイヤレス端末デバイスと通信するデバイスであり得る。ネットワークデバイスは、無線アクセスネットワーク内のノードであってよく、基地局または無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)ノード(もしくはデバイス)と称されてもよい。現在、例えば、いくつかのネットワークデバイスは、gNB、送受信ポイント(transmission reception point、TRP)、進化型ノードB(evolved NodeB、eNB)、無線ネットワークコントローラ(radio network controller、RNC)、ノードB(NodeB、NB)、基地局コントローラ(base station controller、BSC)、基地送受信局(base transceiver station、BTS)、ホーム基地局(例えば、ホーム進化型ノードBまたはホームノードB、HNB)、ベースバンドユニット(base band unit、BBU)、およびワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity、Wi-Fi)アクセスポイント(access point、AP)である。さらに、ネットワーク構造において、ネットワークデバイスは、中央ユニット(centralized unit、CU)ノードと、分散ユニット(distributed unit、DU)ノードとを含み得る。この構造において、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システムにおけるeNBのプロトコルレイヤは分離されており、ただし、いくつかのプロトコルレイヤの機能は、CUによって集中制御され、残りのプロトコルレイヤの一部または全部の機能は、DUにおいて分散され、CUは、DUを集中制御する。
【0033】
(3)DMRSポートは、復調参照信号を使用することによって区別される論理アンテナポートである。DMRSポートは、周波数分割多重化(frequency-division multiplexing、FDM)+符号分割多重化(code division multiplexing、CDM)方式で多重化され、各DMRS CDMグループは、直交カバーコード(orthogonal cover code、OCC)多重化を通じて複数のDMRSポートを含む。NRシステムは、2つのDMRSタイプ(DMRSタイプ1およびDMRSタイプ2)をサポートする。DMRSは、シングルフロントロード(Front-loaded)シンボルDMRSと、ダブルフロントロードシンボルDMRSとに分類される。DMRSタイプ1およびシングルフロントロードシンボルは、最大で4個のDMRSポートをサポートする。DMRSタイプ1およびダブルフロントロードシンボルは、最大で8個のDMRSポートをサポートする。DMRSタイプ2およびシングルフロントロードシンボルは、最大で6個のDMRSポートをサポートする。DMRSタイプ2およびダブルフロントロードシンボルは、最大で12個のDMRSポートをサポートする。2つのタイプのDMRSの多重化および構成の方式は、以下のように具体的に説明される。
【0034】
DMRSタイプ1の参照信号の場合、DMRSポートは、2つのDMRS CDMグループに分類される。例えば、図2Aを参照すると、(図において水平軸上に表される、2と番号付けられた直交周波数分割多重(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)シンボルに対応する)(シングル)フロントロードシンボルDMRSの場合、OFDMシンボルのサブキャリア(図において垂直軸上に表される)は、2つのグループに分類される。具体的には、OFDMシンボルのサブキャリアは、2つのDMRS CDMグループに分類され、各DMRS CDMグループは、OCC方式で単一のOFDMシンボルに多重化される、2つのDMRSポートに対応する。図2Aを参照すると、DMRS CDMグループ0は、アンテナポート0/1のDMRSリソースエレメント(RE)に対応し、DMRS CDMグループ1は、アンテナポート2/3のDMRS REに対応する。具体的には、DMRS CDMグループ0は、DMRSポート0およびDMRSポート1に対応し、DMRS CDMグループ1は、DMRSポート2およびDMRSポート3に対応する。図2Bに示されるように、(2および3と番号付けられたOFDMシンボルに対応する)2つの(ダブル)フロントロードシンボルDMRSの場合、OFDMシンボルのサブキャリアは、2つのグループに分類される。具体的には、OFDMシンボルのサブキャリアは、2つのDMRS CDMグループに分類され、各DMRS CDMグループは、OCC方式でダブルOFDMシンボルに多重化される、4つのDMRSポートに対応する。図2Bを参照すると、DMRS CDMグループ0は、アンテナポート0/1/4/5のDMRS REに対応し、DMRS CDMグループ1は、アンテナポート2/3/6/7のDMRS REに対応する。具体的には、DMRS CDMグループ0は、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート4、およびDMRSポート5に対応し、DMRS CDMグループ1は、DMRSポート2、DMRSポート3、DMRSポート6、およびDMRSポート7に対応する。
【0035】
DMRSタイプ2の場合、DMRSポートは、3つのDMRS CDMグループに分類される。例えば、図3Aに示されるように、(2と番号付けられたOFDMに対応する)(シングル)フロントロードシンボルDMRSの場合、OFDMシンボルのサブキャリアは、3つのグループに分類される。具体的には、OFDMシンボルのサブキャリアは、3つのDMRS CDMグループに分類され、各DMRS CDMグループは、単一のOFDMシンボルにOCC方式で多重化される、2つのDMRSポートに対応する。図3Aを参照すると、DMRS CDMグループ0は、アンテナポート0/1のDMRS REに対応し、DMRS CDMグループ1は、アンテナポート2/3のDMRS REに対応し、DMRS CDMグループ2は、アンテナポート4/5のDMRS REに対応する。具体的には、DMRS CDMグループ0は、DMRSポート0およびDMRSポート1に対応し、DMRS CDMグループ1は、DMRSポート2およびDMRSポート3に対応し、DMRS CDMグループ2は、DMRSポート4およびDMRSポート5に対応する。図3Bを参照すると、(2および3と番号付けられたOFDMシンボルに対応する)2つの(ダブル)フロントロードシンボルDMRSの場合、OFDMシンボルのサブキャリアは、3つのグループに分類される。具体的には、OFDMシンボルのサブキャリアは、3つのDMRS CDMグループに分類され、各DMRS CDMグループは、ダブルOFDMシンボルにOCC方式で多重化される、4つのOFDMポートに対応する。図3Bを参照すると、DMRS CDMグループ0は、アンテナポート0/1/6/7のDMRS REに対応し、DMRS CDMグループ1は、アンテナポート2/3/8/9のDMRS REに対応し、DMRS CDMグループ2は、アンテナポート4/5/10/11のDMRS REに対応する。具体的には、DMRS CDMグループ0は、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート6、およびDMRSポート7に対応し、DMRS CDMグループ1は、DMRSポート2、DMRSポート3、DMRSポート8、およびDMRSポート9に対応し、DMRS CDMグループ2は、DMRSポート4、DMRSポート5、DMRSポート10、およびDMRSポート11に対応する。DMRSポートの前述の分類は、本出願の解決策を理解するのに役立つように使用されているにすぎず、本出願の解決策に対するいかなる限定も課さないことが、留意されるべきである。言いかえれば、別の分類解決策があってよい。
【0036】
また、変換プリコーディング(transform precoding)が有効にされる場合、すなわち、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(discrete Fourier transform spread orthogonal frequency division multiplexing、DFT-s-OFDM)波形が使用される場合、DMRSタイプ1のみが使用され得る。変換プリコーディング(transform precoding)が有効にされない場合、すなわち、巡回プレフィックス直交周波数分割多重(cyclic prefix orthogonal frequency division multiplexing、CP-OFDM)波形が使用される場合、DMRSタイプ1またはDMRSタイプ2が使用され得る。
【0037】
(4)DMRS構成、ただし、CP-OFDM波形におけるDMRSリソースマッピング式は、以下の通りである。
【0038】
【数1】
【0039】
DFT-s-OFDM波形におけるDMRSリソースマッピング式は、以下の通りである。
【0040】
【数2】
【0041】
構成タイプ1は、DMRSタイプ1を表す。構成タイプ2は、DMRSタイプ2を表す。kは、周波数ドメイン位置である。lは、時間ドメイン位置である。Δは、周波数ドメインオフセットである。wf(k’)およびwt(l’)は、周波数ドメインおよび時間ドメインにおける直交カバーコード(orthogonal cover code、OCC)をそれぞれ表す。
【0042】
【数3】
【0043】
は、プリコーディングおよび物理リソースマッピング動作が実行される前に取得される中間数量を表す。jは、PUSCHレイヤインデックスを表す。vは、PUSCHレイヤの総数量を表す。r(2n+k’)は、DMRSシーケンスを表す。k’およびl’の値については、表6.4.1.1.3-1および表6.4.1.1.3-2を参照されたい。
【0044】
表6.4.1.1.3-1(DMRSタイプ1に対応する)および表6.4.1.1.3-2(DMRSタイプ2に対応する)に従って、DMRSタイプ1またはDMRSタイプ2における各DMRSポートについてのパラメータが決定されてよく、次いで、DMRSポートのリソースが、前述のDMRSリソースマッピング式に従って決定される。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
また、既存のNRシステムにおいて、動的スケジューリングまたは無認可送信にかかわらず、ネットワークデバイスは、ユーザに対して、PUSCH送信のために使用される1つまたは複数のDMRSポートを明示的に示す。特定のインジケーション方法は、RRCメッセージまたはDCIを使用することによって、アンテナポートインジケーション情報、波形、DMRSタイプ、最大DMRS時間ドメイン長、およびランク(rank)の数量を示すためのものである。アンテナポートインジケーション情報を除く、前述の構成の各々は、3GPPプロトコル:TS 38.212におけるDMRSポートインジケーション表に対応する。DMRSポートインジケーション表は、例えば、表7.3.1.1.2-15に示されるDMRSポートインジケーション表であり、DMRSタイプがDMRSタイプ1である場合、最大DMRS時間ドメイン長は、2つのフロントロードシンボルであり、ランクの数量は、CP-OFDM波形において4である。アンテナポートインジケーション情報は、決定されたDMRSポートインジケーション表における特定のエントリを示すために使用される。例えば、アンテナポートインジケーション情報が0である場合、これは、ユーザがデータを2つのDMRS CDMグループにマッピングすることができず、実際のフロントロードDMRS時間ドメイン長が1つのシンボルであることを示す。実際のランダムアクセスの後、DMRSポート0から3は、PUSCH送信のために使用される。表7.3.1.1.2-15は、以下のように示される。
【0048】
表7.3.1.1.2-15:アンテナポート、変換プリコーダは無効にされる、dmrsタイプ=1、maxLength=2、ランク=4(アンテナポート、変換プリコーディングは無効にされる(CP-OFDM波形)、DMRSタイプ=1、最大DMRS時間ドメイン長=2、およびランクの数量=4)
【0049】
【表3】
【0050】
(5)ランダムアクセス(RA)手順:ランダムアクセス手順は、4ステップのランダムアクセス手順と、2ステップのランダムアクセス手順とに分類される。図4を参照すると、2ステップのランダムアクセス手順は、以下のステップを含む。
ステップ1:端末デバイスは、ネットワークデバイスへランダムアクセスプリアンブルを送る。ステップ2:ランダムアクセスプリアンブルを受信した後、ネットワークデバイスは、端末デバイスへランダムアクセス応答(random access response、RAR)を送り、ただし、ランダムアクセス応答は、ランダムアクセスプリアンブル、アップリンクデータタイミングアドバンス、アップリンクデータを送るために使用されるアップリンクリソースの設定情報、および一時セル無線ネットワーク一時識別子(cell radio network temporary identifier、C-RNTI)などのパラメータを含み得る。ステップ3:端末デバイスは、ランダムアクセス応答を受信する。ランダムアクセス応答におけるランダムアクセスプリアンブルのシーケンス番号によって示されるランダムアクセスプリアンブルが、ステップ1において端末デバイスによってネットワークデバイスへ送られたランダムアクセスプリアンブルと同じである場合、端末デバイスは、ランダムアクセス応答が端末デバイスに対するものであると決定し、端末デバイスは、ランダムアクセス応答のインジケーションに基づいて、ネットワークデバイスへアップリンクデータを送り、例えば、プロトコルにおいて特定されるPUSCH DMRSポート上でアップリンクデータを送る。ステップ4:ネットワークデバイスは、端末デバイスによって送られたアップリンクデータを受信し、端末デバイスへ競合解決メッセージを送る。ネットワークデバイスは、アクセスを成功裡に実行する端末デバイスを特定するための一意の識別子を競合解決メッセージ内に含み、アクセスを実行することに失敗した別の端末デバイスは、ランダムアクセスを再び開始する。
【0051】
図5を参照すると、2ステップのランダムアクセス手順は、以下のステップを含む。ステップ1:端末デバイスは、ネットワークデバイスへメッセージA(MsgA)を送り、ただし、MsgAは、ランダムアクセスプリアンブルとアップリンクデータとを含む。ステップ2:端末デバイスによって送られたMsgAを受信した後、ネットワークデバイスは、端末デバイスへMsgBを送り、ただし、MsgBは、ランダムアクセス応答と競合解決とを送るために使用され得る。
【0052】
アイドル状態または非アクティブ状態にある端末デバイスが、4ステップのランダムアクセス手順を通じてRRC接続状態に入る場合、端末デバイスは、ネットワークデバイスと通信するために、少なくとも4回のシグナリン交換を完了する必要がある。超高信頼性低レイテンシ通信(ultra-reliable and low latency communications、URLLC)サービスの場合、4回のシグナリング交換は、比較的高いレイテンシを引き起こし、URLLC低レイテンシ要件が満たされることが不可能である。大規模マシンタイプ通信(massive machine type communications、mMTC)サービスの場合、ほとんどのサービスが散発的な小さなパケットであるので、端末デバイスは、RRC接続状態に入るたびに、完全な4ステップのランダムアクセス手順を実行した後にのみ、データを送信し、次いで、アイドル状態または非アクティブ状態に再び戻ることができる。結果として、レイテンシは比較的高く、シグナリングオーバヘッドも高い。しかしながら、2ステップのランダムアクセス手順において必要とされるシグナリング交換の回数は低減され、それによって、シグナリングオーバヘッドおよびレイテンシを低減する。2ステップのランダムアクセス手順は、低いレイテンシ要件を有する適用シナリオに対して適用可能である。
【0053】
しかしながら、2ステップのランダムアクセス手順の場合、端末デバイスが、4ステップのランダムアクセス手順において端末デバイスが行うことを行う場合、すなわち、全ての端末デバイスが、同じ構成を使用することによって、ネットワークデバイスへランダムアクセスプリアンブルおよびアップリンクデータを送り、各端末デバイスが、同じDMRSポートを使用することによって同じリソース上でアップリンクデータを送り得る場合、アップリンクデータを送るために大量の端末デバイスによって使用されるDMRSポート上で競合が発生し、ランダムアクセス効果が影響を受ける。本出願は、アップリンクデータを送るために大量の端末デバイスによって使用されるDMRSポート上で競合が発生し、2ステップのランダムアクセス期間中にランダムアクセス効果が影響を受けるという問題を解決するように意図されている。
【0054】
以下は、添付の図面を参照しつつ、本出願の実施形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0055】
図6は、本出願の一実施形態によるDMRSポート決定処理の概略図である。この処理は、前述のステップを含む。
【0056】
S601:端末デバイスは、ネットワークデバイスによって送られた設定情報を受信し、ただし、設定情報は、DMRS設定情報とDMRSポートセットのインジケーション情報とを含む。
【0057】
本出願のこの実施形態において、ネットワークデバイスによって送られるDMRS設定情報は、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成され、DMRSポートセット内に選択され得る(複数の)DMRSポートと、DMRSポートセット内に選択され得る各DMRSポートのリソースとを決定するために使用される。説明を簡単にするために、「DMRSポートセット内に選択され得るDMRSポート」は、以下「候補DMRSポート」と称される。DMRS設定情報において構成される候補DMRSポートは全て、プロトコルにおいて予め定義され、DMRS設定情報を使用することによって構成されるDMRSポートである。DMRSポートセットのインジケーション情報は、DMRSポートセットを構築するために、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートにおいて、1つまたは複数の利用可能なDMRSポート(これらは、ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられるために使用されることが可能なDMRSポートである)を決定するために使用される。
【0058】
例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプ設定情報と、DMRS時間ドメイン長設定情報とを含み得る。勿論、DMRS設定情報は、以下の情報、例えば、DMRSシーケンス設定情報、DMRS付加的ロケーション設定情報、およびデータ無しのDMRS CDMグループの設定情報などのうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。具体的には、DMRSタイプ設定情報は、DMRSタイプ、例えば、DMRSタイプ1およびDMRSタイプ2を示すために使用される。DMRS時間ドメイン長設定情報は、DMRS時間ドメイン長、例えば、シングルフロントロードシンボル(ただし、フロントロードシンボルは特定のOFDMシンボルであり、詳細は後で再び説明されない)またはダブルフロントロードシンボルを示すために使用される。DMRSシーケンス設定情報は、DMRSシーケンスを生成するために必要とされる情報を示すために使用される。DMRS付加的ロケーション設定情報は、フロントロードシンボルに加えて、付加的に占有されるOFDMシンボルを示すために、例えば、フロントロードシンボルに加えて、11と番号付けられたOFDMシンボルをDMRSがさらに占有することを示すために、使用される。データ無しのDMRS CDMグループの設定情報は、データがマッピングされることが不可能なREに対応する特定のDMRS CDMグループを示すために使用される。
【0059】
DMRSポートセットのインジケーション情報、DMRSタイプ設定情報、DMRS時間ドメイン長設定情報、DMRSシーケンス設定情報、DMRS付加的ロケーション設定情報、およびデータ無しのDMRS CDMグループの設定情報などの情報における複数の情報は、共同で符号化されてよく、すなわち、前述の情報における複数の情報は、1つのパラメータを使用することによって示される。
【0060】
端末デバイスは、DMRS設定情報、例えば、DMRSタイプ設定情報およびDMRS時間ドメイン長設定情報に基づいて、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される、各候補DMRSポートならびにその候補DMRSポートのリソース(ただし、リソースは、時間ドメインリソースおよび/または周波数ドメインリソースおよび/またはコードドメインリソースである)を決定し得る。図2Aを参照すると、DMRS設定情報が、DMRSタイプはDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長はシングルフロントロードシンボルであるというものである場合、端末デバイスは、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートは、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がシングルフロントロードシンボルであるという構成を満足させるDMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート2、およびDMRSポート3であると決定し得る。
【0061】
一例において、ネットワークデバイスは、ブロードキャストメッセージまたはマルチキャストメッセージ、RRCメッセージ、ダウンリンク制御情報(downlink control information、DCI)メッセージ等を使用することによって端末デバイスへ設定情報を送り得る。
【0062】
ネットワークデバイスによって送られるDMRS設定情報に基づいて、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートを決定した後、端末デバイスは、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポート内のDMRSポートセットのインジケーション情報に基づいて、DMRSポートセットに属する1つまたは複数の利用可能なDMRSポートを決定し得る。
【0063】
本出願のこの実施形態において、DMRSポートセットのインジケーション情報は、ビットマップ、パラメータK、パラメータMおよびパラメータN、ならびにインデックス番号のうちの1つを含んでよく、または、DMRSポートセットに属する1つもしくは複数の利用可能なDMRSポートが、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートにおいて示されることが可能であれば、DMRSポートの数量、1つもしくは複数のDMRS CDMグループの識別子等であってよい。以下は、特定の実装を参照しつつ、説明を提供する。
【0064】
方式1:DMRSポートセットのインジケーション情報は、ビットマップ、パラメータK、パラメータMおよびパラメータN、ならびにインデックス番号のうちの1つを含む。
【0065】
(1)DMRSポートセットのインジケーション情報は、ビットマップ(bitmap)を含み、ビットマップは、DMRSポートセットに属し、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポート内に存在するDMRSポートの分布を示すために使用される。
【0066】
可能な実装において、ビットマップの長さ(ビットの数量)は、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートの数量と同じであってよい。ビットマップの第1のビット(bit)は、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートにおいて、0と番号付けられたDMRSポートが利用可能かどうかを示す。類推によって、ビットマップの第2のビットは、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートにおいて、1と番号付けられたDMRSポートが利用可能かどうかを示す。具体的には、1は、DMRSポートが利用可能であることを示すために使用され得、0は、DMRSポートが利用不可能であることを示すために使用され得る。図2Aを参照すると、例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がシングルフロントロードシンボルであるというものである。具体的には、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートは、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート2、およびDMRSポート3であり、DMRSポートセットのインジケーション情報に含まれるビットマップは、「1010」である。この場合において、端末デバイスは、DMRSポート0およびDMRSポート2が利用可能なDMRSポートであり、DMRSポートセットは{DMRSポート0、DMRSポート2}であると決定する。
【0067】
別の可能な実装において、ビットマップの長さは、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートの最大数量と同じであってよい。図3Bを参照すると、DMRSタイプがDMRSタイプ2であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルである場合、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートの数量は最大となり、DMRSポートの数量は12であり、ビットマップの長さは12ビットに設定され得る。ビットマップ内のビットが、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートに対応しない場合、ビットマップ内のそのビットは0に設定される。言いかえれば、ビットマップ内のビットが「0」である場合、これは、そのビットに対応する候補DMRSポートが利用不可能であること、または、そのビットに対応する候補DMRSポートがないことを示す。
【0068】
(2)DMRSポートセットのインジケーション情報は、パラメータKを含み、パラメータKは、予め設定されたDMRSポート順序にあり、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される、候補DMRSポートのうちの最初のK個のDMRSポートが、DMRSポートセットに属することを示すために使用される。
【0069】
一例において、予め設定されたDMRSポート順序は、ネットワークデバイスによって決定され、ブロードキャストメッセージもしくはマルチキャストメッセージ等を使用することによって端末デバイスへ送られてよく、またはプロトコルにおいて予め特定されてよい。予め設定されたDMRSポート順序は、DMRSポート順序番号の昇順であってよい。例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ2であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルであるというものである。この場合において、DMRSポート順序は、「0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11」である。DMRSポート順序において、各数は、そのポート順序番号がその数であるDMRSポートを表す。例えば、「0」は、「DMRSポート0」を表す。以下には同様の説明が存在し、付加的な説明は提供されない。予め設定されたDMRSポート順序は、代替として、まず、DMRS CDMグループ順序番号の昇順を含み、次いで、DMRSポート順序番号の昇順を含む順序であってよい。例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルであるというものである。この場合において、DMRSポート順序は、「0、1、4、5、2、3、6、7」である。勿論、予め設定されたDMRSポート順序は、代替として、DMRS CDMグループ順序番号の昇順において、およびDMRSポート順序番号の昇順において、異なるDMRS CDMグループにおけるDMRSポートを交互にマッピングする順序であってよい。例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ2であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルであるというものである。この場合において、DMRSポート順序は、「0、2、4、1、3、5、6、8、10、7、9、11」である。
【0070】
図2Bを参照すると、例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルであるというものであり、予め設定されたDMRSポート順序は、まず、DMRS CDMグループ順序番号の昇順、次いで、DMRSポート順序番号の昇順を含む順序であり、K=4である。端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートは、予め設定されたDMRSポート順序において「0、1、4、5、2、3、6、7」としてソートされる。端末デバイスは、予め設定されたDMRSポート順序にあり、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートのうちの最初の4つのDMRSポートが利用可能であり、DMRSポートセットに属すると決定する。言いかえれば、端末デバイスは、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート4、およびDMRSポート5が利用可能なDMRSポートであり、DMRSポートセットは、{DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート4、DMRSポート5}であると決定する。
【0071】
(3)DMRSポートセットのインジケーション情報は、パラメータMおよびパラメータNを含む。パラメータMおよびパラメータNは、予め設定されたDMRSポート順序にあり、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートのうちの、N番目のDMRSポートから開始して、M個のDMRSポートが、DMRSポートセットに属することを示すために使用される。
【0072】
図3Bを参照すると、例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ2であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルであるというものであり、予め設定されたDMRSポート順序は、DMRS CDMグループ順序番号の昇順において、およびDMRSポート順序番号の昇順において、異なるDMRS CDMグループにおけるDMRSポートを交互にマッピングする順序であり、M=4、ならびにN=3である。端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートは、予め設定されたDMRSポート順序において「0、2、4、1、3、5、6、8、10、7、9、11」としてソートされる。端末デバイスは、予め設定されたDMRSポート順序にあり、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される、候補DMRSポートのうちの、3番目のDMRSポート(DMRSポート4)から開始して、4個のDMRSが利用可能であり、DMRSポートセットに属すると決定する。言いかえれば、端末デバイスは、DMRSポート4、DMRSポート1、DMRSポート3、およびDMRSポート5が利用可能なDMRSポートであり、DMRSポートセットは、{DMRSポート4、DMRSポート1、DMRSポート3、DMRSポート5}であると決定する。
【0073】
(4)DMRSポートセットのインジケーション情報は、インデックス番号を含み、インデックス番号は、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートに対応する、複数の予め設定されたDMRSポートセットのうちの1つを示すために使用される。
【0074】
可能な実装において、DMRSポートセットインデックステーブルは、異なるDMRSタイプおよび/もしくはDMRS時間ドメイン長に対して、ネットワークデバイスおよび端末デバイスにおいて別個に予め定義され、または、ネットワークデバイスは、DMRSポートセットインデックステーブルを構成し、ブロードキャストメッセージもしくはマルチキャストメッセージ等を使用することによって、端末デバイスへDMRSポートセットインデックステーブルを送り、ただし、DMRSポートセットインデックステーブルは、異なるDMRSタイプおよび/またはDMRS時間ドメイン長に対して別個に構成される。異なるDMRSタイプおよび/またはDMRS時間ドメイン長に対応するDMRSポートセットインデックステーブルにおいて、各エントリは、1つの予め設定されたDMRSポートセットに対応し、エントリは、1つのインデックス番号に対応する。例えば、DMRSポートセットインデックステーブルは、以下のように示される。
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】
DMRSポートセットインデックステーブル1から4を参照すると、DMRSポートセットインデックステーブル1は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がシングルフロントロードシンボルである構成のために、ネットワークデバイスが端末デバイスに対して候補DMRSポートを設定する場合に、DMRSポートセットを示すために使用される。DMRSポートセットインデックステーブル2は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルである構成のために、ネットワークデバイスが端末デバイスに対して候補DMRSポートを設定する場合に、DMRSポートセットを示すために使用される。DMRSポートセットインデックステーブル3は、DMRSタイプがDMRSタイプ2であり、DMRS時間ドメイン長がシングルフロントロードシンボルである構成のために、ネットワークデバイスが端末デバイスに対して候補DMRSポートを設定する場合に、DMRSポートセットを示すために使用される。DMRSポートセットインデックステーブル4は、DMRSタイプがDMRSタイプ2であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルである構成のために、ネットワークデバイスが端末デバイスに対して候補DMRSポートを設定する場合に、DMRSポートセットを示すために使用される。
【0080】
図2Aを参照すると、例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルであるというものであり、インデックス番号は1である。端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートは、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート2、およびDMRSポート3である。端末デバイスは、端末に対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートがDMRSポートセットインデックステーブル1に対応すると決定し、インデックス番号「1」に基づいて、DMRSポート0およびDMRSポート1が利用可能なDMRSポートであり、DMRSポートセットは{DMRSポート0、DMRSポート1}であると決定する。
【0081】
方式2:DMRSポートセットのインジケーション情報は、DMRSポートの数量であり、または、1つもしくは複数のDMRS CDMグループの識別子である。
【0082】
(1)DMRSポートセットのインジケーション情報は、DMRSポートの数量であり、DMRSポートセットは、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートに対応する、複数の予め設定されたDMRSポートセット内にあり、DMRSポートの数量と一致するDMRSポートセットである。
【0083】
可能な実装において、あらゆる可能な数量のDMRSポートに一致するDMRSポートセットは、異なるDMRSタイプおよび/もしくはDMRS時間ドメイン長に対して、ネットワークデバイスおよび端末デバイスにおいて別個に予め定義され、または、ネットワークデバイスは、あらゆる可能な数量のDMRSポートに一致し、異なるDMRSタイプおよび/もしくはDMRS時間ドメイン長に対して別個に構成されるDMRSポートセットを設定し、ブロードキャストメッセージもしくはマルチキャストメッセージ等を使用することによって、端末デバイスへDMRSポートセットを送る。本出願のこの実施形態においては、ある形式のDMRSポート数量マッチングテーブルが、異なるDMRSタイプおよび/またはDMRS時間ドメイン長に対する、あらゆる可能な数量のDMRSポートと一致するDMRSポートセットを例示するための例として使用される。異なるDMRSタイプおよび/またはDMRS時間ドメイン長に対応する、DMRSポート数量マッチングテーブルにおいて、各エントリは、1つの予め設定されたDMRSポートセットに対応し、エントリは、DMRSポートの1つの数量に対応する。例えば、DMRSポート数量マッチングテーブルは、以下のように示される。
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】
DMRSポート数量マッチングテーブル1から4を参照すると、DMRSポート数量マッチングテーブル1は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がシングルフロントロードシンボルである構成のために、ネットワークデバイスが端末デバイスに対して候補DMRSポートを設定する場合に、DMRSポートセットを示すために使用される。DMRSポート数量マッチングテーブル2は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルである構成のために、ネットワークデバイスが端末デバイスに対して候補DMRSポートを設定する場合に、DMRSポートセットを示すために使用される。DMRSポート数量マッチングテーブル3は、DMRSタイプがDMRSタイプ2であり、DMRS時間ドメイン長がシングルフロントロードシンボルである構成のために、ネットワークデバイスが端末デバイスに対して候補DMRSポートを設定する場合に、DMRSポートセットを示すために使用される。DMRSポート数量マッチングテーブル4は、DMRSタイプがDMRSタイプ2であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルである構成のために、ネットワークデバイスが端末デバイスに対して候補DMRSポートを設定する場合に、DMRSポートセットを示すために使用される。
【0089】
図2Bを参照すると、例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がダブルフロントロードシンボルであるというものであり、DMRSポートの数量は5である。ネットワークデバイスは、端末デバイスに対して、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート2、DMRSポート3、DMRSポート4、DMRSポート5、DMRSポート6、およびDMRSポート7を構成する。端末デバイスは、端末に対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートがDMRSポート数量マッチングテーブル2に対応すると決定し、端末デバイスは、DMRSポートの数量「5」に基づいて、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート4、DMRSポート5、およびDMRSポート2が利用可能なDMRSポートであり、DMRSポートセットは、{DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート4、DMRSポート5、DMRSポート2}であると決定する。
【0090】
(2)DMRSポートセットのインジケーション情報は、1つまたは複数のDMRS CDMグループの識別子であり、DMRSポートセットは、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポート内に存在し、1つまたは複数のDMRS CDMグループの識別子に対応する複数のDMRSポートを含むDMRSポートセットである。
【0091】
可能な実装において、DMRS CDMグループの識別子は、DMRS CDMグループの順序番号であってよい。例えば、DMRS CDMグループ0の識別子は、「0」である。図2Aを参照すると、例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がシングルフロントロードシンボルであるというものであり、DMRSポートセットのインジケーション情報は、DMRS CDMグループ0の識別子「0」である。端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートは、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート2、およびDMRSポート3である。端末デバイスは、DMRS CDMグループ0の識別子「0」に基づいて、DMRS CDMグループ0に対応するDMRSポート0およびDMRSポート1が利用可能なDMRSポートであり、DMRSポートセットは、{DMRSポート0、DMRSポート1}であると決定する。
【0092】
図2Bを参照すると、DMRS設定情報が、DMRSタイプはDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長はダブルフロントロードシンボルであるというものであり、DMRSポートセットのインジケーション情報が、依然としてDMRS CDMグループ0の識別子「0」ある場合、端末デバイスに対してネットワークデバイスによって構成される候補DMRSポートは、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート2、DMRSポート3、DMRSポート4、DMRSポート5、DMRSポート6、およびDMRSポート7である。端末デバイスは、DMRS CDMグループ0の識別子「0」に基づいて、DMRS CDMグループ0に対応するDMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート4、およびDMRSポート5が利用可能なDMRSポートであり、DMRSポートセットは、{DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート4、DMRSポート5}であると決定する。
【0093】
また、可能な実装において、ネットワークデバイスによって送られる設定情報は、異なるDMRSポートセットを決定するために端末デバイスを示すために、複数のDMRSポートセットのインジケーション情報を含み得る。複数のDMRSポートセットの各々は、1つのPUSCHリソース構造に対応する。
【0094】
任意選択で、DMRSポート間の干渉を低減し、DMRSポート間の直交性を確実にするために、ネットワークデバイスによって送られる設定情報が、複数のDMRSポートセットのインジケーション情報を含む場合、異なるDMRSポートセットにおいてDMRSポートによって占有される周波数ドメインリソースは重複せず、または異なるDMRSポートセットは交点を有しない。
【0095】
例えば、DMRS設定情報は、DMRSタイプがDMRSタイプ1であり、DMRS時間ドメイン長がシングルフロントロードシンボルであるというものであり、DMRSポートセットAの設定情報Aに含まれる、DMRSポートセットのインジケーション情報は、DMRS CDMグループ0の識別子「0」であり、DMRSポートセットBの設定情報Bに含まれる、DMRSポートセットのインジケーション情報は、DMRS CDMグループ1の識別子「1」である。図7を参照すると、ネットワークデバイスは、端末デバイスに対して、DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート2、DMRSポート3、およびDMRSポート4を構成する。端末デバイスは、DMRS CDMグループ0の識別子「0」に基づいて、DMRSポートセットA{DMRSポート0、DMRSポート1}を決定し、DMRS CDMグループ1の識別子「1」に基づいて、DMRSポートセットB{DMRSポート2、DMRSポート3}を決定する。DMRSポートセットA{DMRSポート0、DMRSポート1}とDMRSポートセットB{DMRSポート2、DMRSポート3}とは、同じDMRSポートを含まず、占有される周波数ドメインリソースは、重複しない。
【0096】
S602:端末デバイスは、ランダムアクセスプリアンブルを決定する。
【0097】
ネットワークデバイスによって送られる設定情報は、ランダムアクセスプリアンブルの設定情報をさらに含んでよく、ランダムアクセスプリアンブルの設定情報は、ランダムアクセスプリアンブルの時間ドメインリソース設定情報、周波数ドメインリソース設定情報、および/またはコードドメインリソース設定情報を含む。NRシステムが例として使用され、ランダムアクセスプリアンブルの時間ドメインリソース設定情報および周波数ドメインリソース設定情報は、周期物理ランダムアクセスチャネル(physical random access channel、PRACH)時間周波数リソースを決定するために使用され得る。各PRACH周期性は、複数のPRACH時間周波数リソースを含み、1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルは、ランダムアクセスプリアンブルのコードドメインリソース設定情報に基づいて、各PRACH時間周波数リソース上で決定され得る。例えば、64個のランダムアクセスプリアンブルが、各PRACH時間周波数リソース上で決定されてよい。ランダムアクセス手順を実行する場合、端末デバイスは、予め設定された規則に従って、複数のPRACH時間周波数リソースから1つのPRACH時間周波数リソースを選択し、そのPRACH時間周波数リソース上でランダムアクセスプリアンブルを選択する(決定する)。
【0098】
S603:端末デバイスは、ランダムアクセスプリアンブルに基づいて、DMRSポートセット内の1つまたは複数のターゲットDMRSポートを決定する。
【0099】
可能な実装において、設定情報が、1つのDMRSポートセットのみのインジケーション情報を含む場合、ランダムアクセスプリアンブルを決定した後に、端末デバイスは、ランダムアクセスプリアンブルに対応するターゲットDMRSポートとして、DMRSポートセット内の1つまたは複数のターゲットDMRSポートをランダムに決定し得る。設定情報が、複数のDMRSポートセットのインジケーション情報を含む場合、ランダムアクセスプリアンブルを決定した後に、端末デバイスは、複数のDMRSポートセットからターゲットDMRSポートセットをランダムに選択し、ランダムアクセスプリアンブルに対応するターゲットDMRSポートとして、ターゲットDMRSポートセット内の1つまたは複数のターゲットDMRSポートをランダムに決定し得る。
【0100】
別の可能な実装において、DMRSポートセットにおいて、ランダムアクセスプリアンブルに対応するターゲットDMRSポートを決定する場合、端末デバイスは、ランダムアクセスプリアンブルとDMRSポートとの間の予め設定されたマッピング関係に基づいて(またはマッピング規則に従って)、DMRSポートセットにおいて、ランダムアクセスプリアンブルに対応する1つまたは複数のターゲットDMRSポートをさらに決定し得る。
【0101】
一例において、ランダムアクセスプリアンブルとDMRSポートとの間のマッピング関係は、ランダムアクセスプリアンブルとDMRSポートとの間のマッピング順序に従って決定されてよい。ランダムアクセスプリアンブルとDMRSポートとの間のマッピング順序は、ランダムアクセスプリアンブルのマッピング順序と、DMRSポートのマッピング順序とを含む。ランダムアクセスプリアンブルのマッピング順序、およびDMRSポートのマッピング順序は、ネットワークデバイスによって決定され、ブロードキャストメッセージもしくはマルチキャストメッセージ等を使用することによって端末デバイスへ送られてよく、またはプロトコルにおいて予め特定されてよい。DMRSポートのマッピング順序は、まず、DMRS CDMグループ順序番号の昇順、次いで、DMRSポート順序番号の昇順を含む順序であってよい。例えば、DMRSポートセットは、{DMRSポート0、DMRSポート1、DMRSポート2、DMRSポート3、DMRSポート4、DMRSポート5}であり、DMRS設定情報は、DMRSタイプ2である。DMRSポート0およびDMRSポート1は、DMRS CDMグループ0であり、DMRSポート2およびDMRSポート3は、DMRS CDMグループ1であり、DMRSポート4およびDMRSポート5は、DMRS CDMグループ0である。DMRSポートセット内のDMRSポートのマッピング順序は、「0、1、2、3、4、5」として決定される。ランダムアクセスプリアンブルのマッピング順序は、まず、ランダムアクセスプリアンブル順序番号の昇順、次いで、PRACH周波数ドメインリソース順序番号(numbers)の昇順、および、最後に、PRACH時間ドメインリソース順序番号(numbers)の昇順を含む順序であってよい。例えば、DMRSポートセットに関連付けられたランダムアクセスプリアンブルは、その順序番号がPRACH時間周波数リソース0上で「0、1、2」であるランダムアクセスプリアンブルであり、各ランダムアクセスプリアンブルは、1つのDMRSポートに対応する。この場合において、ランダムアクセスプリアンブル0は、DMRSポート0に対応する。類推によって、端末デバイスによって決定されるランダムアクセスプリアンブルが、ランダムアクセスプリアンブル2である場合、決定されるターゲットDMRSポートは、DMRSポート2である。同様に、各ランダムアクセスプリアンブルが、複数のDMRSポートに対応する場合、例えば、2つのDMRSポートに対応する場合、ランダムアクセスプリアンブル0は、DMRSポート0およびDMRSポート1に対応する。類推によって、ランダムアクセスプリアンブル1は、DMRSポート2およびDMRSポート3に対応し、ランダムアクセスプリアンブル2は、DMRSポート4およびDMRSポート5に対応する。
【0102】
別の可能な実装において、複数のDMRSシーケンスは、DMRS設定情報を使用することによって構成される。この場合において、DMRSポートのマッピング順序は、DMRSシーケンスの順序をさらに含み、ただし、DMRSシーケンスの順序は、まず、DMRSポート順序番号の昇順、次いで、DMRSシーケンスの昇順を含む順序であってよく、または、DMRSシーケンスの昇順、次いで、DMRSポート順序番号の昇順を含む順序であってよい。これは本出願の解決策において限定されない。
【0103】
また、ネットワークデバイスによって送られる設定情報は、データを送るために使用されることが不可能なリソース(時間ドメインリソースおよび周波数ドメインリソース)に対応する特定のDMRS CDMグループを示すために、ランダムアクセス後のデータ無しのDMRS CDMグループの設定情報をさらに含み得る。例えば、データ無しのDMRS CDMグループのインジケーション情報は、DMRS CDMグループ1の名称または識別子であり、その結果、端末デバイスは、DMRS CDMグループ1のリソースに対してデータがマッピングされることが不可能(no data)であると決定する。
【0104】
図8は、本出願の一実施形態による別のDMRSポート決定処理の概略図である。この処理は、前述のステップを含む。
【0105】
S801:端末デバイスは、ネットワークデバイスによって送られる設定情報を受信し、ただし、設定情報は、DMRS設定情報とDMRSポートセットのインジケーション情報とを含む。
【0106】
本出願のこの実施形態において、DMRS設定情報およびDMRSポートセットのインジケーション情報については、図6に示されるDMRSポート決定処理の説明を参照されたい。繰り返される部分は、再び説明されない。
【0107】
S802:端末デバイスは、DMRSポートセット内の1つまたは複数のターゲットDMRSポートを決定する。
【0108】
DMRSポートを使用する場合、端末デバイスは、DMRSポートセット内の1つもしくは複数のターゲットDMRSポートをランダムに決定してよく、または、予め設定された決定規則に従って、DMRSポートセット内の1つもしくは複数のターゲットDMRSポートを決定してよい。例えば、アップリンクデータを送る場合、端末デバイスは、アップリンクデータを送るために、DMRSポートセット内の1つもしくは複数のターゲットDMRSポートをランダムに決定してよく、または、端末デバイスは、アップリンクデータを送るために、端末デバイスがアップリンクデータを送る前に選択されたSSB(例えば、決定されたランダムアクセスプリアンブルに対応するSSB)に基づいて、同期信号ブロック(SSB)とDMRSポートとの間の予め設定されたマッピング順序において、DMRSポートセット内の1つもしくは複数のターゲットDMRSポートを決定してよい。
【実施例2】
【0109】
前述のDMRSポート決定方法の概念と同じ概念に基づいて、図9に示されるように、本出願の一実施形態は、通信装置900をさらに提供する。通信装置900は、送受信機ユニット901と、処理ユニット902とを含み得る。
【0110】
可能な実装において、通信装置は、図6に対応するDMRSポート決定方法において端末デバイスによって実行されるステップを実行するように構成され得る。
【0111】
具体的には、送受信機ユニット901は、ネットワークデバイスによって送られる設定情報を受信するように構成され、ただし、設定情報は、DMRS設定情報とDMRSポートセットのインジケーション情報とを含み、DMRS設定情報は、複数のDMRSポートを構成するために使用され、DMRSポートセットのインジケーション情報は、複数のDMRSポートにおける、1つまたは複数の利用可能なDMRSポートを示すために使用され、処理ユニット902は、DMRSポートセット内のターゲットDMRSポートを決定するように構成される。
【0112】
可能な設計において、DMRSポートセット内のターゲットDMRSポートを決定する場合、処理ユニット902は、ランダムアクセスプリアンブルを決定し、ランダムアクセスプリアンブルに基づいて、DMRSポートセット内のターゲットDMRSポートを決定するように特に構成される。
【0113】
可能な設計において、DMRSポートセットのインジケーション情報は、ビットマップ、パラメータK、パラメータMおよびパラメータN、またはインデックス番号を含む。
【0114】
ビットマップは、DMRSポートセットに属し、複数のDMRSポート内に存在するDMRSポートの分布を示すために使用される。
【0115】
パラメータKは、予め設定されたDMRSポート順序における複数のDMRSポートの最初のK個のDMRSポートがDMRSポートセットに属することを示すために使用される。
【0116】
パラメータMおよびパラメータNは、予め設定されたDMRSポート順序における複数のDMRSポートのうちの、N番目のDMRSポートから開始して、M個のDMRSポートがDMRSポートセットに属することを示すために使用される。
【0117】
インデックス番号は、複数のDMRSポートに対応する複数の予め設定されたDMRSポートセットのうちの1つを示すために使用される。
【0118】
可能な設計において、DMRSポートセットのインジケーション情報は、DMRSポートの数量であり、DMRSポートセットは、複数のDMRSポートに対応する複数の予め設定されたDMRSポートセット内に存在し、DMRSポートの数量と一致するDMRSポートセットである。
【0119】
可能な設計において、DMRSポートセットのインジケーション情報は、1つまたは複数のDMRS符号分割多重CDMグループの識別子であり、DMRSポートセットは、1つまたは複数のDMRS CDMグループの識別子に対応し、複数のDMRSポート内に存在する複数のDMRSポートを含むDMRSポートセットである。
【0120】
可能な設計において、設定情報が、複数のDMRSポートセットのインジケーション情報を含む場合、異なるDMRSポートセットにおいてDMRSポートによって占有される周波数ドメインリソースは重複しない。
【0121】
可能な設計において、ランダムアクセスプリアンブルに基づいて、DMRSポートセット内のターゲットDMRSポートを決定する場合、処理ユニット902は、ランダムアクセスプリアンブルとDMRSポートとの間の予め設定されたマッピング順序において、DMRSポートセット内で、ランダムアクセスプリアンブルに対応するターゲットDMRSポートを決定するように特に構成される。
【0122】
前述のDMRSポート決定方法の概念と同じ概念に基づいて、本出願の一実施形態は、端末デバイスをさらに提供する。図10に示されるように、端末デバイスは、図1に示されるシステムに対して適用可能であり、前述の方法実施形態における端末デバイスの機能を実行する。説明を簡単にするために、図10は、端末デバイスの主要な構成要素のみを示す。図10に示されるように、端末デバイス1000は、プロセッサと、メモリと、制御回路と、アンテナと、入出力装置とを含む。プロセッサは、通信プロトコルおよび通信データを処理し、端末デバイス全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように主に構成される。例えば、プロセッサは、前述の方法実施形態において説明されたアクション、例えば、参照信号インジケーション情報に基づいてアップリンクデータを送ることを実行する際に、端末デバイスをサポートするように構成される。メモリは、ソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように、例えば、インジケーション情報と組み合わせ情報との間の対応であって、前述の実施形態において説明された対応を記憶するように主に構成される。制御回路は、ベースバンド信号と無線周波数信号との間の変換を実行し、無線周波数信号を処理するように主に構成される。制御回路とアンテナとは、まとめて送受信機と称されてよく、送受信機は、電磁波の形態で無線周波数信号を送受信するように主に構成される。入出力装置、例えば、タッチスクリーン、表示画面、またはキーボードなどは、ユーザによって入力されたデータを受け取り、ユーザに対してデータを出力するように主に構成される。
【0123】
端末デバイスが電源投入された後、プロセッサは、記憶ユニット内のソフトウェアプログラムを読み出し、ソフトウェアプログラムの命令を解釈および実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理し得る。データがワイヤレス方式で送られる必要がある場合、送信対象のデータに対してベースバンド処理を実行した後に、プロセッサは、無線周波数回路にベースバンド信号を出力する。ベースバンド信号に対して無線周波数処理を実行した後に、無線周波数回路は、電磁波の形態でアンテナを通じて無線周波数信号を送る。データが端末デバイスへ送られる場合、無線周波数回路は、アンテナを通じて無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、プロセッサにベースバンド信号を出力する。プロセッサは、ベースバンド信号をデータに変換し、このデータを処理する。
【0124】
当業者は、説明を簡単にするために、図10が、1つのメモリのみと、1つのプロセッサのみとを示すことを理解し得る。実際の端末デバイスにおいては、複数のプロセッサと、複数のメモリとが存在し得る。メモリは、記憶媒体、記憶デバイス等と称されることもある。これは、本出願の本実施形態において限定されない。
【0125】
任意選択の実装において、プロセッサは、ベースバンドプロセッサおよび/または中央処理ユニットを含んでよい。ベースバンドプロセッサは、通信プロトコルおよび通信データを処理するように主に構成される。中央処理ユニットは、端末デバイス全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように主に構成される。ベースバンドプロセッサおよび中央処理ユニットの機能は、図10におけるプロセッサ内に一体化され得る。当業者は、ベースバンドプロセッサおよび中央処理ユニットが各々、独立したプロセッサであってよく、バスなどの技術を使用することによって相互接続されることを理解し得る。別の実施形態において、図10におけるプロセッサは、ベースバンドプロセッサであってもよい。当業者は、端末デバイスが、異なるネットワーク規格に適合するように複数のベースバンドプロセッサを含んでよいこと、および、端末デバイスが、端末デバイスの処理能力を高めるために複数の中央処理ユニットを含んでよいことを理解し得る。端末デバイスの様々な構成要素は、様々なバスを使用することによって接続され得る。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド処理回路またはベースバンド処理チップとして表現されてもよい。中央処理ユニットは、中央処理回路または集中処理チップとして表現されてもよい。通信プロトコルおよび通信データを処理する機能は、プロセッサ内に埋め込まれてよく、またはソフトウェアプログラムの形態で記憶ユニットに記憶されてよい。プロセッサは、ベースバンド処理機能を実装するためにソフトウェアプログラムを実行する。
【0126】
本出願の本実施形態において、送受信機機能を有する制御回路およびアンテナは、端末デバイス1000の送受信機ユニット1001として考えられ得る。例えば、送受信機ユニットは、受信機能および送信機能を実行する際に端末デバイスをサポートするように構成される。処理機能を有するプロセッサは、端末デバイス1000の処理ユニット1002として考えられる。図10に示されるように、端末デバイス1000は、送受信機ユニット1001と、処理ユニット1002とを含む。送受信機ユニットは、送受信機、送受信機装置等と称されてもよい。任意選択で、送受信機ユニット1001における受信機能を実装するように構成されたデバイスは、受信ユニットとして考えられてよい。送信機能を実装するように構成され、送受信機ユニット1001内に存在するデバイスは、送信ユニットとして考えられてよい。言いかえれば、送受信機ユニット1001は、受信ユニットと送信ユニットとを含む。受信ユニットは、受信機、入力ポート、受信回路等と称されてもよい。送信ユニットは、送信機、送信回路等と称されてもよい。
【0127】
処理ユニット1002は、メモリに記憶された命令を実行して、送受信機ユニット1001を制御して、信号を受信して、および/または信号を送って、前述の方法実施形態における端末デバイスの機能を実装するように構成され得る。一実装において、送受信機ユニット1001の機能は、送受信機回路または送受信機専用チップを使用することによって実装されると考えられ得る。
【0128】
前述のDMRSポート決定方法の概念と同じ概念に基づいて、本出願の一実施形態は、コンピュータ可読媒体をさらに提供する。記憶媒体は、コンピュータ命令を記憶する。コンピュータ命令が端末デバイスによって実行される場合、端末デバイスは、前述の方法実施形態のうちのいずれか1つにおけるDMRSポート決定方法を実装することを可能にされる。
【0129】
前述のDMRSポート決定方法の概念と同じ概念に基づいて、本出願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータ命令が端末デバイスによって実行される場合、端末デバイスは、前述の方法実施形態のうちのいずれか1つにおけるDMRSポート決定方法を実装することを可能にされる。
【0130】
前述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせを使用して実装され得る。実施形態を実装するためにソフトウェアが使用される場合、実施形態は、コンピュータプログラム製品の形態で完全にまたは部分的に実装され得る。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がコンピュータにロードされ、実行される場合、本出願の実施形態による手順または機能が全部または部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または別のプログラム可能な装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよく、またはコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体へ送信されてよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタへ、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバー、もしくはデジタル加入者線(Digital Subscriber Line、DSL))方式で、またはワイヤレス(例えば、赤外線、無線、もしくはマイクロ波)方式で送信され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体、または、1つもしくは複数の使用可能な媒体を一体化したデータ記憶デバイス、例えば、サーバもしくはデータセンタなどであってよい。使用可能な媒体は、磁気メディア(例えば、フロッピー(R)ディスク、ハードディスク、もしくは磁気テープ)、光学媒体(例えば、高密度デジタルビデオディスク(Digital Video Disc、DVD))、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(Solid State Disk、SSD))等であってよい。
【0131】
当業者は、本明細書において開示されている実施形態において説明された例と組み合わせて、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこれらの組み合わせによって、ユニットおよびアルゴリズムステップが実装されてよいことを認識し得る。ハードウェアとソフトウェアとの間の互換性を明確に説明するために、前述の内容は、機能に応じて各例の構成およびステップを一般的に説明してきた。機能がハードウェアによって実行されるか、またはソフトウェアによって実行されるかは、技術的解決策の特定の用途および設計制約条件に依存する。当業者は、異なる方法を使用して、説明された機能を各特定の用途に対して実装し得るが、その実装が本出願の範囲を超えると考えられるべきでない。
【0132】
好都合かつ簡単な説明の目的のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な作動処理については、前述の方法実施形態における対応する処理を参照されたいことが、当業者によって明確に理解され得る。詳細は、ここでは再び説明されない。
【0133】
本出願において提供されるいくつかの実施形態において、開示されているシステム、装置、および方法は他の方式で実装されてよいことが理解されるべきである。例えば、説明された装置実施形態は、一例にすぎない。例えば、ユニットへの分割は、論理的な機能分割にすぎず、実際の実装においては他の分割であってよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素は、組み合わされ、もしくは別のシステムへ一体化されてよく、または、いくつかの特徴は、無視され、もしくは実行されなくてよい。また、表示されたまたは論じられた相互結合または直接的な結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを通じて実装されてよい。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電気的な形態、機械的な形態、または他の形態で実装されてよい。
【0134】
別個の部分として説明されたユニットは、物理的に別個であってよく、または別個でなくてよく、ユニットとして表示された部分は、物理的なユニットであってよく、もしくは物理的なユニットでなくてよく、1つの位置に位置してよく、または、複数のネットワークユニット上に分散されてよい。ユニットの一部または全部は、本出願における実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択され得る。
【0135】
また、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニット内に一体化されてよく、またはユニットの各々が、物理的に単独で存在してよく、または2つ以上のユニットが、1つのユニット内に一体化されてよい。前述の一体化されたユニットは、ハードウェアの形態で実装されてよく、またはソフトウェア機能ユニットの形態で実装されてよい。
【0136】
前述の実装の説明により、当業者は、本出願がハードウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせによって実装されてよいことを明確に理解し得る。本出願がソフトウェアによって実装される場合、前述の機能は、コンピュータ可読媒体に記憶され、または、コンピュータ可読媒体における1つもしくは複数の命令もしくはコードとして送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体とを含み、ただし、通信媒体は、ある場所から別の場所へコンピュータプログラムが送信されることを可能にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータにアクセス可能な任意の使用可能な媒体であってよい。以下は、例を提供するが、限定を課さない。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、別の光学ディスク記憶媒体もしくはディスク記憶媒体、別の磁気記憶デバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で、期待されるプログラムコードを搬送もしくは記憶することができ、コンピュータによってアクセスされることが可能な任意の他の媒体を含み得る。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体として適切に定義され得る。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバー/ケーブル、撚線対、デジタル加入者線(DSL)またはワイヤレス技術、例えば、赤外線、無線およびマイクロ波などを使用することによって、ウェブサイト、サーバまたは別の遠隔源から送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバー/ケーブル、撚線対、DSLまたはワイヤレス技術、例えば、赤外線、無線およびマイクロ波は、それらが属する媒体の固定において含まれる。本出願において使用されるディスク(Disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスクおよびブルーレイディスクを含み、ただし、ディスクは、一般に、磁気的手段によってデータをコピーするものであり、ディスクは、レーザ手段によってデータを光学的にコピーするものである。前述の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の保護範囲に含まれるべきである。
【0137】
要約すると、上述された内容は、本出願の技術的解決策の例示的な実施形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本出願の趣旨および原理から逸脱せずに行われる、いかなる変形、均等な交換、または改善も、本出願の保護範囲内に収まるものとする。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10