(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】充電池の放電制御方法、充電制御方法及び充電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/44 20060101AFI20231107BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20231107BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231107BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20231107BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20231107BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20231107BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20231107BHJP
H01M 50/224 20210101ALI20231107BHJP
【FI】
H01M10/44 P
H02J7/10 H
H02J7/10 B
H01M10/48 P
H01M50/284
H01M50/50 101
H01M50/50
H01M50/296
H01M50/202 501P
H01M50/224
H01M50/202 501C
(21)【出願番号】P 2022509145
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(86)【国際出願番号】 CN2020108651
(87)【国際公開番号】W WO2021027838
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】201910741671.6
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522055957
【氏名又は名称】深▲セン▼市麦格松▲電▼▲気▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 松
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ ▲愛▼▲ウェン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ジン▼ 体航
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-121587(JP,A)
【文献】特表2016-537794(JP,A)
【文献】特表2020-514956(JP,A)
【文献】特表2002-510852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/44
H02J 7/10
H01M 10/48
H01M 50/284
H01M 50/50
H01M 50/296
H01M 50/202
H01M 50/224
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電池の電気システムに適用される充電池の放電制御方法であって、前記電気システムは、リチウムイオンセルと、放電制御回路と、を含み、
前記放電制御方法は、
リチウムイオンセルの正極を放電制御回路の共通接地端に電気的に接続し、前記共通接地端を充電池の放電出力の正極とするステップと、
リチウムイオンセルの負極を放電制御回路の入力端に電気的に接続し、前記放電制御回路を介して
リチウムイオンセルの負極放電電圧を設定された負極放電電圧に変換するとともに出力電極を介して外部へ出力し、前記出力電極を充電池の放電出力の負極とするステップと、
を含むことを特徴とする充電池の放電制御方法。
【請求項2】
放電制御回路が外部充電電源が充電池に接続されていないことを検出した場合又は外部充電電源と充電池との電気的接続が遮断されることを検出した場合に、放電制御回路は、充電池が放電状態に入るように制御し、
充電池の放電状態では、リチウムイオンセルの電圧の絶対値が設定された放電終止電圧より高い場合、放電制御回路は、リチウムイオンセルの負極放電電圧を設定された負極放電電圧に変換することにより、外部へ放電し、
充電池の放電状態では、リチウムイオンセルの電圧の絶対値が放電終止電圧以下である場合、放電制御回路は、リチウムイオンセルの負極に接続される放電回路をオフにすることにより、充電池が外部へ放電することを停止させる
ことを特徴とする請求項1に記載の充電池の放電制御方法。
【請求項3】
充電池自体又は充電
池と独立した
外部の電気システムに適用される充電池の充電制御方法であって、前記電気システムは、充電制御回路を含み、前記充電池は、リチウムイオンセルを含み、
前記充電制御方法は、
リチウムイオンセルの正極を充電制御回路の共通接地端に電気的に接続するとともに、前記共通接地端を充電池の充電入力の正極とするステップと、
充電池の充電入力の負極を前記充電制御回路の入力端に電気的に接続することにより、前記充電制御回路は、前記充電池に接続される負極の入力電圧及び/又は電流を制御するとともにリチウムイオンセルの負極へ出力して、リチウムイオンセルに対して充電するステップと、
を含むことを特徴とする充電池の充電制御方法。
【請求項4】
充電制御回路が外部充電電源が充電池に接続されることを検出した場合、充電制御回路は、充電池が充電状態に入るように制御し、
充電池の充電状態では、充電制御回路は、リチウムイオンセルの電圧を検出するとともに、リチウムイオンセルの電圧状態に応じて、リチウムイオンセルの負極の入力電圧及び/又は電流を制御することにより、リチウムイオンセルに対する充電を制御し、リチウムイオンセルが満充電となることを検出した場合又は充電池が外部充電電源から離脱することを検出した場合に、リチウムイオンセルに対する充電をオフにする
ことを特徴とする請求項3に記載の充電池の充電制御方法。
【請求項5】
外部充電電源が充電池に接続される状態では、前記充電制御回路は、外部電源の電圧を検出し、外部電源の電圧が充電条件を満たす場合、前記充電制御回路は、リチウムイオンセルに対する充電をオンにし、
外部充電電源の電圧が充電条件を満たさない場合、前記充電制御回路は、リチウムイオンセルに対する充電を停止する
ことを特徴とする請求項3に記載の充電池の充電制御方法。
【請求項6】
リチウムイオンセルと、前記リチウムイオンセルの負極端に取り付けられるコントローラと、を含む充電池であって、前記コントローラは、放電制御回路及び負極端蓋が配置される回路基板を含み、
前記放電制御回路の共通接地端は、リチウムイオンセルの正極に電気的に接続され、
前記負極端蓋は、前記回路基板に溶接されるとともに、溶接により前記放電制御回路の放電出力端に電気的に接続され、
前記放電制御回路は、放電入力端を有し、前記リチウムイオンセルの負極は、前記放電入力端に溶接されて電気的に接続され、
前記リチウムイオンセルの正極は、充電池の正極とし、前記負極端蓋は、充電池の負極とすることを特徴とする充電池。
【請求項7】
前記回路基板には、内部電極がさらに溶接され、前記負極端蓋と前記内部電極は、それぞれ前記回路基板の対向する第1表面と第2表面に設けられ、前記内部電極は、溶接により前記放電制御回路の放電入力端に電気的に接続されることにより、内部電極は、リチウムイオンセルの負極が前記コントローラに接続される接続電極となることを特徴とする請求項6に記載の充電池。
【請求項8】
前記コントローラの外周には、コントローラハウジングが設けられ、前記回路基板は、前記コントローラハウジング内に位置し、前記コントローラハウジングは、溶接により前記放電制御回路の共通接地端に電気的に接続されることを特徴とする請求項7に記載の充電池。
【請求項9】
前記リチウムイオンセルの外壁は、導電性材料から作製された電池ハウジングを有し、且つ、前記電池ハウジングは、前記リチウムイオンセルの正極に電気的に接続され、
前記電池ハウジングの一端は、溶接により前記コントローラハウジングに電気的に接続されることにより、電池ハウジングは、リチウムイオンセルの正極、コントローラハウジング及び放電制御回路の共通接地端に電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載の充電池。
【請求項10】
前記リチウムイオンセルは、導電性材料から作製された電池ハウジング内に配置され、且つ、前記電池ハウジングは、一端が開口され且つ他端が閉塞された構造であり、且つ、閉塞端には、正極キャップが設けられ、前記電池ハウジングは、前記リチウムイオンセルの正極に電気的に接続され、
前記電池ハウジングの開口端には、セルキャップハウジングが設けられ、前記コントローラハウジングは、前記セルキャップハウジングを介して前記電池ハウジングに溶接及び固定されて電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載の充電池。
【請求項11】
前記リチウムイオンセルは、導電性材料から作製された電池ハウジング内に配置され、前記電池ハウジングは、一端が開口され且つ他端が閉塞された構造であり、閉塞端には、正極キャップが設けられ、前記電池ハウジングは、前記リチウムイオンセルの正極に電気的に接続され、
前記コントローラは、前記電池ハウジングの開口端に設けられ、且つ、前記コントローラハウジングは、前記電池ハウジングに溶接されて電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載の充電池。
【請求項12】
前記リチウムイオンセルの正極は、負極端へ折り曲げられて前記電池ハウジングの開口端まで延長されるとともに、開口端で電池ハウジングに溶接及び固定されて電気的接続を確立し、前記リチウムイオンセルの負極は、前記内部電極に電気的に接続される
ことを特徴とする請求項11に記載の充電池。
【請求項13】
前記回路基板には、充電制御回路がさらに配置され、
前記充電制御回路の共通接地端は、前記放電制御回路の共通接地端に電気的に接続され、
前記充電制御回路の充電入力端は、前記放電制御回路の放電出力端に電気的に接続され、さらに前記負極端蓋に電気的に接続され、
前記充電制御回路の充電出力端は、前記放電制御回路の放電入力端に電気的に接続され、さらに前記リチウムイオンセルの負極に電気的に接続されることを特徴とする請求項6に記載の充電池。
【請求項14】
前記コントローラハウジングは、筒状の側壁と、側壁の軸方向一端に形成され且つ側壁に垂直する底壁と、を含み、前記回路基板は、前記側壁により囲まれた内部キャビティに架設されることを特徴とする請求項8に記載の充電池。
【請求項15】
前記側壁の内面には、導電性を有する金属材質で構成される位置制限ボスが突設され、前記位置制限ボスは、前記側壁の内面に一体に突出して成形された環状台であり、前記環状台は、前記側壁の内面に突出して前記回路基板を支持するための環状の支持平面を有し、前記支持平面と前記側壁は、軸方向の断面がL字状の環状内部位置決め溝を構成し、
前記回路基板のエッジの周りには、複数の第1パッドが設けられ、前記回路基板が前記位置制限ボスに架設される場合、前記回路基板の前記第1表面は、前記コントローラハウジングの開放端の端面と面一をなし、前記回路基板の第2表面は、前記第1パッドを介して前記位置制限ボスに接触して溶接され、さらに前記コントローラハウジングとの電気的接続を確立し、前記第1パッドは、前記放電制御回路の共通接地端に電気的に接続されることを特徴とする請求項14に記載の充電池。
【請求項16】
前記コントローラハウジングには、内部キャビティが設けられ、前記回路基板は、前記内部キャビティ内に収容され、前記コントローラハウジングは、前記回路基板に電気的に接続され、前記回路基板の第1表面は、前記コントローラハウジングの頂部に向き、前記負極端蓋は、コントローラハウジングの頂部の開口から突出し、前記回路基板の第2表面は、前記コントローラハウジングの底部に向き、前記コントローラハウジングの底部には、貫通孔が開設され、前記内部電極は、前記貫通孔から外部に露出することを特徴とする請求項8に記載の充電池。
【請求項17】
前記内部電極は、前記回路基板に平行する内部電極接触台と、前記内部電極接触台に接続される内部電極溶接位置決めピンと、を含み、前記内部電極溶接位置決めピンは、前記回路基板に固定されるとともに前記回路基板に電気的に接続され、前記回路基板には、前記第1表面及び前記第2表面を貫通する内部電極位置決め孔が設けられ、前記回路基板の第2表面には、第3パッドが前記内部電極位置決め孔を周回して設けられ、前記内部電極は、内部電極溶接位置決めピンが前記内部電極位置決め孔に挿入されることにより位置決めを実現するとともに、前記第3パッドを介して前記内部電極溶接位置決めピンと前記回路基板とを溶接して電気的接続を確立し、前記内部電極は、回路基板の前記第3パッドに溶接されて電気的接続を確立し、前記内部電極接触台は、前記貫通孔から外部に露出することにより、前記リチウムイオンセルの負極に電気的に接続され、前記内部電極接触台のエッジと前記貫通孔のエッジとの間に隙間を有することを特徴とする請求項16に記載の充電池。
【請求項18】
前記内部電極溶接位置決めピンと内部電極接触台は、条状構造を形成し、前記内部電極接触台と内部電極溶接位置決めピンは、一体に成形され、内部電極接触台は、内部電極溶接位置決めピンに対して弾性的に折り曲げられることができることを特徴とする請求項17に記載の充電池。
【請求項19】
前記負極端蓋は、金属導電性材質であり、前記回路基板に電気的に接続されるとともに前記回路基板の第1表面に設けられ、前記負極端蓋は、一端が開口された円形の中空のキャップ本体と、前記キャップ本体から一体に延出して形成された負極端蓋溶接位置決めピンと、を含み、前記回路基板には、第1表面及び第2表面を貫通する位置決め溝が設けられ、前記回路基板の第2表面には、第2パッドが位置決め溝を周回して設けられ、前記負極端蓋は、前記負極端蓋溶接位置決めピンが前記位置決め溝に挿入されることにより位置決めを実現するとともに、前記第2パッドを介して前記負極端蓋溶接位置決めピンと前記回路基板とを溶接して電気的接続を確立し、前記第2パッドは、放電制御回路の放電出力の負極に電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載の充電池。
【請求項20】
前記コントローラは、コントローラカバー板をさらに含み、前記コントローラカバー板は、前記負極端蓋の外周を囲むように設けられるとともに前記回路基板の第1表面を覆い、且つ、前記コントローラカバー板は、絶縁材質であることを特徴とする請求項8に記載の充電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年8月12日に中国特許庁に出願され、出願番号がCN2019107416716であり、発明の名称が「充放電コントローラ及び充電可能な電池」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容全体が本願に参考として援用される。
【0002】
本願は、二次電池の技術分野に関し、特に、充電池の放電制御方法、充電制御方法及び充電池に関する。
【背景技術】
【0003】
GB/T 8897.2(IEC 60086-2)にて規格化された円筒形一次電池は、ハンドヘルド又はポータブル電子や電気製品分野で広く適用されている。一次電池は、再利用が不可能であり、且つ電池の使用コストが高く、廃棄された電池が環境を汚染するなどの問題が存在するので、GB/T 8897.2(IEC 60086-2)にて規格化された一次電池を代替可能な二次電池製品に対する消費市場の需要はますます高まっている。GB/T 8897.2(IEC 60086-2)にて規格化された一次電池と互換性がある充電池製品の分野では、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの製品は、次々と誕生している。しかし、これらの二次電池製品は、放電電圧の互換性、メモリー効果、充電レート、乱用耐性、サイクル寿命などの面で消費者を満足させることができないという技術的問題が存在する。
【0004】
充電可能なリチウムイオン電池は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池に比べて、比エネルギー、充放電のメモリー効果、充電レート、サイクル寿命などの性能がいずれも大幅に優れており、例えば電子機器電源、エネルギー蓄積電源、動力電源などの製品分野で他の二次電池を代替している。しかし、リチウムイオン電池は、その放電電圧がGB/T 8897.2(IEC 60086-2)規格で定義された一次電池の公称電圧と互換性がなく、充放電制御管理回路の制御下によって充放電しなければならない。
【0005】
このため、従来のGB/T 8897.2(IEC 60086-2)規格と互換性がある充放電制御回路を組み込んだ電気制御型リチウムイオン充電池は、基本的にリチウムイオンセル及びコントローラの2つの部分を含む。コントローラ内に放電制御回路を有し、前記放電制御回路の主な役割は、電気制御型リチウムイオン充電池の放電電圧がGB/T 8897.2(IEC 60086-2)規格で定義された一次電池の公称電圧と互換性があるようにリチウムイオンセルの放電電圧を制御することである。一部の電気制御型リチウムイオン充電池は、充電制御回路をコントローラ内に集積することにより、各電気制御型リチウムイオン充電池は、いずれも独立した充放電回路を持つ。
【0006】
しかしながら、従来の電気制御型リチウムイオン充電池のコントローラは、いずれも正レベルにより充電及び/又は放電を制御し、即ち、充電及び/又は放電回路の接地端をリチウムイオンセルの負極に電気的に接続して充電池の共通接地端を構成するとともに、充電池の放電出力及び/又は充電入力の共通電極とするという制御方式を使用するので、従来の充電池のコントローラがリチウムイオンセルの正極端に配置される場合が多く、そうではない場合には、電気制御型リチウムイオン充電池の構造が複雑になり、リチウムイオンセルを取り付けるための空間を低減し、電池の蓄積電気量を低下させ、電池の性能が低下させてしまう。
【発明の概要】
【0007】
本願は、上記の問題点に対して、充電池の電気システムに適用される充電池(「電気制御型リチウムイオン電池」ともいう)の放電制御方法を提供し、前記電気システムは、リチウムイオンセルと、放電制御回路と、を含み、
前記放電制御方法は、
リチウムイオンセルの正極を放電制御回路の共通接地端に電気的に接続し、前記共通接地端を充電池の放電出力の正極とするステップと、
リチウムイオンセルの負極を放電制御回路の入力端に電気的に接続し、前記放電制御回路を介してリチウムイオンセルの負極放電電圧を設定された負極放電電圧に変換するとともに出力電極を介して外部へ出力し、前記出力電極を充電池の放電出力の負極とするステップと、を含む。
【0008】
前記充電池の放電制御方法において、
放電制御回路が外部充電電源が充電池に接続されていないことを検出した場合又は外部充電電源と充電池との電気的接続が遮断されることを検出した場合に、放電制御回路は、充電池が放電状態に入るように制御し、
充電池の放電状態では、リチウムイオンセルの電圧の絶対値が設定された放電終止電圧より高い場合、放電制御回路は、リチウムイオンセルの負極放電電圧を設定された負極放電電圧に変換することにより、外部へ放電し、
充電池の放電状態では、リチウムイオンセルの電圧の絶対値が放電終止電圧以下である場合、放電制御回路は、リチウムイオンセルの負極に接続される放電回路を遮断にすることにより、充電池が外部へ放電することを停止させる。
【0009】
本願は、上記の問題点に対して、充電池自体又は充電池と独立した外部の電気システムに適用される充電池の充電制御方法をさらに提供し、前記電気システムは、充電制御回路を含み、前記充電池は、リチウムイオンセルを含み、
前記充電制御方法は、
リチウムイオンセルの正極を充電制御回路の共通接地端に電気的に接続するとともに、前記共通接地端を充電池の充電入力の正極とするステップと、
充電池の充電入力の負極を前記充電制御回路の入力端に電気的に接続することにより、前記充電制御回路は、前記充電池に接続される負極の入力電圧及び/又は電流を制御するとともにリチウムイオンセルの負極へ出力して、リチウムイオンセルに対して充電するステップと、を含む。
【0010】
前記充電池の充電制御方法において、
充電制御回路が外部充電電源が充電池に接続されることを検出した場合、充電制御回路は、充電池が充電状態に入るように制御し、
充電池の充電状態では、充電制御回路は、リチウムイオンセルの電圧を検出するとともに、リチウムイオンセルの電圧状態に応じて、リチウムイオンセルの負極の入力電圧及び/又は電流を制御することにより、リチウムイオンセルに対する充電を制御し、リチウムイオンセルが満充電となることを検出した場合又は充電池が外部充電電源から離脱することを検出した場合に、リチウムイオンセルに対する充電をオフにする。
【0011】
前記充電池の充電制御方法において、
外部充電電源が充電池に接続される状態では、前記充電制御回路は、外部電源の電圧を検出し、外部電源の電圧が充電条件を満たす場合、前記充電制御回路は、リチウムイオンセルに対する充電をオンにし、
外部充電電源の電圧が充電条件を満たさない場合、前記充電制御回路は、リチウムイオンセルに対する充電を停止する。
【0012】
本願は、上記の問題点に対して、リチウムイオンセルと、前記リチウムイオンセルの負極端に取り付けられるコントローラと、を含む充電池をさらに提供し、前記コントローラは、放電制御回路及び負極端蓋が配置される回路基板を含み、
前記放電制御回路の共通接地端は、リチウムイオンセルの正極に電気的に接続され、
前記負極端蓋は、前記回路基板に溶接されるとともに、溶接により前記放電制御回路の放電出力端に電気的に接続され、
前記放電制御回路は、放電入力端を有し、前記リチウムイオンセルの負極は、前記放電入力端に溶接されて電気的に接続され、
前記リチウムイオンセルの正極は、充電池の正極とし、前記負極端蓋は、充電池の負極とする。
【0013】
選択的に、前記回路基板には、内部電極がさらに溶接され、前記負極端蓋と前記内部電極は、それぞれ前記回路基板の対向する第1表面と第2表面に設けられ、前記内部電極は、溶接により前記放電制御回路の放電入力端に電気的に接続されることにより、内部電極は、リチウムイオンセルの負極が前記コントローラに接続される接続電極となる。
【0014】
選択的に、前記コントローラの外周には、コントローラハウジングが設けられ、前記回路基板は、前記コントローラハウジング内に位置し、前記コントローラハウジングは、溶接により前記放電制御回路の共通接地端に電気的に接続される。
【0015】
選択的に、前記リチウムイオンセルの外壁は、導電性材料から作製された電池ハウジングを有し、且つ、前記電池ハウジングは、前記リチウムイオンセルの正極に電気的に接続され、前記電池ハウジングの一端は、溶接により前記コントローラハウジングに電気的に接続されることにより、電池ハウジングは、リチウムイオンセルの正極、コントローラハウジング及び放電制御回路の共通接地端に電気的に接続される。
【0016】
選択的に、前記リチウムイオンセルは、導電性材料から作製された電池ハウジング内に配置され、且つ、前記電池ハウジングは、一端が開口され且つ他端が閉塞された構造であり、且つ、閉塞端には、正極キャップが設けられ、前記電池ハウジングは、前記リチウムイオンセルの正極に電気的に接続され、前記電池ハウジングの開口端には、セルキャップハウジングが設けられ、前記コントローラハウジングは、前記セルキャップハウジングを介して前記電池ハウジングに溶接及び固定されて電気的に接続される。
【0017】
選択的に、前記リチウムイオンセルは、導電性材料から作製された電池ハウジング内に配置され、前記電池ハウジングは、一端が開口され且つ他端が閉塞された構造であり、閉塞端には、正極キャップが設けられ、前記電池ハウジングは、前記リチウムイオンセルの正極に電気的に接続され、前記コントローラは、前記電池ハウジングの開口端に設けられ、且つ、前記コントローラハウジングは、前記電池ハウジングに溶接されて電気的に接続される。
【0018】
選択的に、前記回路基板には、充電制御回路がさらに配置され、前記充電制御回路の共通接地端は、前記放電制御回路の共通接地端に電気的に接続され、前記充電制御回路の充電入力端は、前記放電制御回路の放電出力端に電気的に接続され、さらに前記負極端蓋に電気的に接続され、前記充電制御回路の充電出力端は、前記放電制御回路の放電入力端に電気的に接続され、さらに前記リチウムイオンセルの負極に電気的に接続される。
【0019】
本発明に係る充電池の充放電制御方法は、リチウムイオンセルの正極を充電池の充電及び/又は放電制御回路の共通接地端に電気的に接続するとともに、リチウムイオンセルの負極電圧を変換して外部へ放電し、又は、充電池の負極の電圧又は電流を制御してリチウムイオンセルに対して充電することにより、充電池の充放電制御のためにもう一つの方法を提供し、リチウムイオン電池の構造設計の多様化により多くの方式を提供する。
【0020】
本発明に係る充電池の充放電制御方法に基づいて設計された充電池によれば、コントローラは、リチウムイオンセルの負極端に配置され、且つ、コントローラ内の充放電制御回路は、リチウムイオンセルの負極又は充電池の負極から直接に電気を取得するとともに負電圧又は電流を制御し、リチウムイオンセルとコントローラとの間の接続構造を簡略化し、リチウムイオンセルのためにより大きな空間を提供し、リチウムイオンセルの体積を増大させ、充電池の比エネルギーを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施例1の充電池の正極端の外形の模式図である。
【
図2】実施例1の充電池の負極端の外形の模式図である。
【
図3】実施例1の充電池の断面構造の模式図である。
【
図5】実施例1の充電池のソフトパッケージリチウムイオンセルの正極の溶接延長構造の模式図である。
【
図6】実施例1の充電池のソフトパッケージリチウムイオンセルの正負極が折り曲げられた構造の模式図である。
【
図7】実施例1の充電池のソフトパッケージリチウムイオンセルのハウジング及び正極が電池ハウジングに溶接される構造の模式図である。
【
図8】実施例1の充電池のソフトパッケージリチウムイオンセルの負極がコントローラの内部電極に溶接される構造の模式図である。
【
図9】実施例2の充電池の正極端の外形の模式図である。
【
図10】実施例2の充電池の負極端の外形の模式図である。
【
図11】実施例2の充電池の断面構造の模式図である。
【
図13】実施例2の充電池のアルミハウジングリチウムイオンセルの断面構造の模式図である。
【
図14】実施例2の充電池のアルミハウジングリチウムイオンセルの構造の分解図である。
【
図15】実施例2の充電池のアルミハウジングリチウムイオンセル及び絶縁層の分解図である。
【
図16】実施例2の充電池のコントローラ及び絶縁層の分解図である。
【
図17】実施例2の充電池の内部電極がアルミハウジングリチウムイオンセルの負極に溶接される構造の模式図である。
【
図18】実施例3の充電池の正極端の外形の模式図である。
【
図19】実施例3の充電池の負極端の外形の模式図である。
【
図20】実施例3の充電池の内部構造の断面模式図である。
【
図22】実施例3の充電池の直接封止リチウムイオンセルの負極とコントローラの内部電極との溶接を示す模式図である。
【
図23a】実施例4の充電池の外形の模式図である。
【
図23b】実施例4の充電池の構造の分解図である。
【
図23c】実施例4の充電池のCIDリチウムイオンセルの負極とコントローラの内部電極との溶接を示す模式図である。
【
図24b】充電池の充放電原理のブロック図である。
【
図25】実施例1の充電池の回路基板の第1表面の構造の模式図である。
【
図26】実施例1の充電池の回路基板の第2表面の構造の模式図である。
【
図27】実施例1の充電池のコントローラの内部電極が回路基板に溶接される構造の模式図である。
【
図28】実施例1の充電池のコントローラの負極端蓋が回路基板に溶接される構造の模式図である。
【
図29】実施例1の充電池のコントローラの組立を完了させた断面模式図である。
【
図30】実施例1の充電池のコントローラの組立の分解図である。
【
図31】実施例2の充電池のコントローラの内部電極が回路基板に溶接される構造の模式図である。
【
図32】実施例2の充電池のコントローラの負極端蓋が回路基板に溶接される構造の模式図である。
【
図33】実施例2の充電池のコントローラのコントローラハウジングが回路基板に溶接される構造の模式図である。
【
図34】実施例2の充電池のコントローラの組立を完了させた断面図である。
【
図35】実施例2の充電池のコントローラの組立の分解図である。
【
図36】実施例3の充電池のコントローラの内部電極と回路基板との溶接を示す模式図である。
【
図37】実施例3の充電池のコントローラの負極端蓋と回路基板とが溶接により組み立てられる構造の模式図である。
【
図38】実施例3の充電池のコントローラのコントローラハウジングユニットが溶接される模式図である。
【
図39】実施例3の充電池のコントローラの溶接を完了させた断面模式図である。
【
図40】実施例3の充電池のコントローラの組立の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願は、異なる形態の実施形態として容易に表現できるが、図面で図示され且つ本明細書において詳細に説明されるのは、そのうちのいくつかの具体的な実施形態に過ぎず、また、本明細書は、本発明の原理に対する例示的な説明として見なされるが、本願をここで説明されるように制限することを意図するものではないことを理解することができる。
【0023】
これにより、本明細書で指摘された特徴は、本発明に係る一実施形態の特徴のうちの一つを説明するためのものであるが、本願の各実施形態が説明される特徴を有しなければならないことを示唆するものではない。なお、本明細書で多くの特徴が記載されていることに留意されたい。一部の特徴は、可能なシステム設計を示すために組み合わせられてもよいが、これらの特徴は、明確に説明されていない他の組み合わせにも使用されてもよい。したがって、特に断らない限り、説明されている組み合わせは、限定を意図するものではない。
【0024】
図面で示される実施形態において、方向の指示(例えば上、下、左、右、前及び后)は、本願の各部品の構造及び運動が絶対的なものではなく、相対的なものであることを解釈するために使用される。これらの部品が図面で示される位置にある場合、これらの説明は、適切である。これらの部品の位置に対する説明が変化する場合、それに応じてこれらの方向の指示も変化する。
【0025】
以下、添付の図面を参照しながら、例示的な実施形態をより完全に説明する。ただし、例示的な実施形態は複数種類の形態で実施することができ、ここに記述する実施形態に限定されない。逆に、これらの実施形態を提供して、本発明を全面で完全に、かつ、例示的な実施形態の思想を全面で当業者に伝達する。なお、図面は本発明の模式的な図示に過ぎず、必ずしも縮尺通りに描かれてはいない。図面における同じ図面符号は、同じ又は類似する要素を示すため、それらの重複する記述が省略される。
【0026】
以下、本明細書の図面を組み合わせて、本願の好ましい実施形態についてさらに詳しく説明する。
【0027】
本願は、4つの充電池の具体的な構造の実施例及び1つの充電池の充放電制御方法を例として、充電池の一体化されたシステムインテグレーションの構造及び充電池の充電及び放電の制御方法を説明する。
【0028】
実施例1:ソフトパッケージリチウムイオン電池(即ち、ソフトパッケージリチウムイオンセル充電池)の実施例
ソフトパッケージリチウムイオンセルから構成される充電池100aを例として、本発明の電池の構造的特徴を説明し、この実施形態は、ソフトパッケージリチウムイオンセルから構成される型番が異なる充電池、例えばR6電池、R03電池、CR17345電池などに適用される。
【0029】
図1~
図8を参照すると、この充電池100aは、ソフトパッケージリチウムイオンセル200a及び充放電を制御するコントローラ400aを含む。
【0030】
具体的には、この充電池100aは、円筒状の電池ハウジング110aと、前記電池ハウジング110a内に装設されるソフトパッケージリチウムイオンセル200aと、電池ハウジング110aの一端に設けられる正極キャップと、前記電池ハウジングの正極キャップに対向する他端に設けられるコントローラ400aと、を含む。ここで、前記正極キャップは、電池ハウジング110aの一端部に成形された閉塞端ボス112aである。
【0031】
前記ソフトパッケージリチウムイオンセル200aの内部には、電解液が充填されてもよく、表面には絶縁膜が封止される。ソフトパッケージリチウムイオンセル200aの対向する両端は、それぞれセルパッケージ本体の外部に露出する正極210a及び負極220aを有する。
【0032】
本実施例におけるソフトパッケージリチウムイオンセル200aの正極は、負極端へ折り曲げられて電池ハウジング110aの開口端まで延長されるとともに、開口端で電池ハウジング110aに溶接及び固定されて電気的接続を確立する。ソフトパッケージリチウムイオンセル200aの正極を延長させる目的は、ソフトパッケージリチウムイオンセル200aの正極と電池ハウジング110aとの溶接及び固定を容易にすることである。
【0033】
図6に示すように、正極210aは、ソフトパッケージリチウムイオンセル200aに寄り掛かってソフトパッケージリチウムイオンセル200aの負極方向へ折り曲げられ、正極210aは、折り曲げられた場合にソフトパッケージリチウムイオンセル200aの負極220aが位置する一端に到達できるまで延長される。ソフトパッケージリチウムイオンセル200aの負極220aは、ソフトパッケージリチウムイオンセル200aの負極端面へ折り曲げられる。前記正極210aは、ソフトパッケージリチウムイオンセル200aから直接に延びる元の部分及び延長部を含む。延長部は、元の部分と同じ材質
の金属シートを使用し、且つ、超音波溶接又は抵抗溶接又はレーザー溶接により元の部分に溶接される。
【0034】
なお、他の実施例において、ソフトパッケージリチウムイオンセル200aの正極を延長させることなく、他の接続方式によりソフトパッケージリチウムイオンセル200aの正極を電池ハウジング110a又は正極キャップに固定して電気的接続を確立し、又は、他の方式によりソフトパッケージリチウムイオンセル200aの正極をコントローラ400aの充放電制御回路の共通接地端に導入するという構成としてもよい。
【0035】
コントローラ400aの具体的な構造は、
図25~
図30を参照する。
【0036】
図29及び
図30を参照すると、コントローラ400aの外周には、コントローラハウジング410aが設けられ、コントローラ400aの軸方向一端には、内部電極340aが設けられ、他端には、負極端蓋330aが設けられ、コントローラ400aの内部には、回路基板300aが設けられ、内部電極340aは、回路基板300aの第2表面に溶接されるとともに回路基板300aに電気的に接続され、負極端蓋330aは、回路基板300aの第1表面に溶接されるとともに回路基板300aに電気的に接続される。
【0037】
図25及び
図26を参照すると、回路基板300aは、対向する第1表面及び第2表面を有する。図
25は、回路基板300aの第1表面を示し、図
26は、回路基板300aの第2表面を示す。図
25、図
26に示すように、回路基板300aの第1表面及び第2表面には、充放電制御回路を構成する電子部品がそれぞれ溶接される。前記回路基板300aの第2表面には、第1パッド321a(即ち、コントローラハウジングパッド)、第2パッド322a(即ち、負極端蓋パッド)及び第3パッド323a(即ち、内部電極パッド)が設けられる。第1パッド321aは、充放電制御回路の共通接地端及び充放電制御回路の充電入力及び放電出力の正極Pに電気的に接続され、第2パッド322aは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nに電気的に接続され、第3パッド323aは、充放電制御回路のソフトパッケージリチウムイオンセル200aの負極220
aの接続電極とする。
【0038】
図26及び
図27に示すように、内部電極340aは、回路基板300aの第2表面に設けられ、内部電極340aは、回路基板300aに電気的に接続される。内部電極340は、回路基板に平行する内部電極接触台342aと、内部電極接触台342aに接続される内部電極溶接位置決めピン341aと、を含む。内部電極溶接位置決めピン341aは、回路基板300aに固定されるとともに回路基板300aに電気的に接続される。具体的には、回路基板300aには、第1表面及び第2表面を貫通する内部電極位置決め孔305aが設けられ、回路基板300aの第2表面には、第3パッド323aが内部電極位置決め孔305aを周回して設けられ、内部電極340aは、内部電極溶接位置決めピン341aが内部電極位置決め孔305aに挿入されることにより位置決めを実現するとともに、第3パッド323aを介して内部電極溶接位置決めピン341aと回路基板300aとを溶接して電気的接続を確立する。
【0039】
図25及び
図28に示すように、負極端蓋330aは、金属導電性材質であり、回路基板300aに電気的に接続されるとともに回路基板300aの第1表面に設けられる。負極端蓋330aは、一端が開口された円形の中空のキャップ本体と、キャップ本体から一体に延出して形成された負極端蓋溶接位置決めピン331aと、を含む。負極端蓋溶接位置決めピン331aは、回路基板300aに固定されるとともに回路基板300aに電気的に接続される。具体的には、回路基板300aには、第1表面及び第2表面を貫通する位置決め溝304aが設けられ、回路基板300aの第2表面には、第2パッド322aが位置決め溝304aを周回して設けられ、負極端蓋330aは、負極端蓋溶接位置決めピン331aが位置決め溝304aに挿入されることにより位置決めを実現するとともに、第2パッド322aを介して負極端蓋溶接位置決めピン331aと回路基板300aとを溶接して電気的接続を確立する。
【0040】
図30に示すように、コントローラハウジング410aには、内部キャビティが設けられる。回路基板300aは、前記内部キャビティ内に収容され、コントローラハウジング410aは、回路基板300aに電気的に接続される。回路基板300aの第1表面は、コントローラハウジング410aの頂部に向き、負極端蓋330aは、コントローラハウジング410aの頂部の開口から突出する。回路基板300aの第2表面は、コントローラハウジング410aの底部に向き、コントローラハウジング410aの底部には、貫通孔が開設され、内部電極340aは、前記貫通孔から外部に露出することにより、ソフトパッケージリチウムイオンセル200aの負極220aに電気的に接続される。
【0041】
コントローラハウジング410aは、筒状の側壁413aと、側壁413aの軸方向一端に形成され且つ側壁413aに垂直する底壁414aと、を含み、回路基板300aは、側壁413aにより囲まれた内部キャビティに架設される。側壁413aの内面には、導電性を有する金属材質で構成される位置制限ボスが突設され、前記位置制限ボスは、側壁413aの内面に一体に突出して成形された環状台であり、前記環状台は、側壁413aの内面に突出して回路基板を支持するための環状の支持平面を有し、前記支持平面と側壁413aは、軸方向の断面がL字状の環状内部位置決め溝412aを構成する。底壁414aの中心には、貫通孔が設けられ、内部電極340aの内部電極接触台342aは、この貫通孔を介してコントローラハウジング410aの外部に露出し、内部電極接触台342aのエッジと前記貫通孔のエッジとの間に隙間を有する。コントローラハウジング410aの底壁414aに対向する他端は、筒状の開放端である。
【0042】
図26及び
図30に示すように、回路基板300aのエッジの周りには、複数の第1パッド321aが設けられ、回路基板300aが位置制限ボスに架設される場合、回路基板300aの第1表面は、コントローラハウジング410aの開放端の端面と面一をなし、回路基板300aの第2表面は、第1パッド321aを介して位置制限ボス415aに接触して溶接され、さらにコントローラハウジング410aとの電気的接続を確立する。
【0043】
図29及び
図30に示すように、コントローラ400aは、コントローラカバー板460aをさらに有し、コントローラカバー板460aは、負極端蓋330aの外周を囲むように設けられるとともに回路基板300aの第1表面を覆い、且つ、コントローラカバー板460aは、回路基板300aの第1表面が負極端蓋330aの外に露出する回路部品を絶縁及び保護するための絶縁材質である。
【0044】
回路基板300aの第1パッド321aは、充放電制御回路の共通接地端GNDに電気的に接続され、回路基板300aの第1パッド321aは、溶接によりコントローラハウジング410aと電気的接続を確立することにより、コントローラハウジング410aは、充放電制御回路の共通接地端GNDに電気的に接続される。
【0045】
回路基板300aの第2パッド322aは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nに電気的に接続され、負極端蓋330aは、回路基板300aの第2パッド322aに溶接されるとともに電気的接続を確立することにより、負極端蓋330aは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nとする。
【0046】
回路基板300aの第3パッド323aは、充放電制御回路のソフトパッケージリチウムイオンセル200aの負極220aの接続電極とし、内部電極340aは、回路基板300aの第3パッド323aに溶接されるとともに電気的接続を確立することにより、内部電極340aは、充放電制御回路のソフトパッケージリチウムイオンセル200aの負極220aの接続電極とする。
【0047】
このため、負極端蓋330a、内部電極340a及びコントローラハウジング410aは、コントローラ400aの3つの構造電極を構成する。
【0048】
図7、
図8は、充電池100aの組立を示す図である。ここで、
図7は、ソフトパッケージリチウムイオンセル200a及び電池ハウジング110aの組立を示す図であり、
図8は、コントローラ400aとソフトパッケージリチウムイオンセル200a及び電池ハウジング110aの組立を示す図である。
【0049】
図7に示すように、ソフトパッケージリチウムイオンセル200aは、正極210aが電池ハウジング110aの閉塞端に向くように電池ハウジング110aに組み込まれた後、正極210aは、溶接により電池ハウジング110aに接続されることにより、電池ハウジング110aを充電池100aの充電入力及び放電出力の正極とする。
【0050】
図8に示すように、コントローラ400aは、電池ハウジング110aの開口端に取り付けられ、コントローラ400aのコントローラハウジング410aは、電池ハウジング110aに溶接されるとともに電気的に接続され、コントローラ400aの内部電極340aは、ソフトパッケージリチウムイオンセルの負極220aに電気的に接続される。
充電池100aの溶接を完了させた後、内部電極340aは、ソフトパッケージリチウムイオンセル200aの負極がコントローラ400aに接続される接続電極とし、負極端蓋330aは、充電池100aの充電入力及び放電出力の負極とする。電池ハウジング110aは、充電池100aの充電入力及び放電出力の正極及び充放電制御回路の共通接地端となる。
【0051】
実施例2:アルミハウジングリチウムイオン電池の実施例
アルミハウジングリチウムイオンセルから構成される充電池100bの実施形態を例として、本発明のアルミハウジングリチウムイオン電池の構造的特徴を説明し、この実施形態は、アルミハウジングリチウムイオンセルから構成される型番が異なる充電池、例えばR6電池、R03電池、CR17345電池などに適用される。
【0052】
図9及び
図10に示すように、充電池100
bは、
コントローラ400b及びアルミハウジングリチウムイオンセル200bから構成され、充電池100bの内部構造を
図11に示し、組立関係を
図12に示す。
【0053】
図13及び
図14に示すように、充電池100
bは、円筒状の電池ハウジング110bと、電池ハウジング110b内に装設されるアルミハウジングリチウムイオンセル200bと、電池ハウジング110bの一端に接続される正極キャップ120bと、前記電池ハウジングの正極キャップ120bに対向する他端に設けられるコントローラ400
bと、を含む。
【0054】
電池ハウジング110bは、アルミ材質から作製され、前記電池ハウジング110bの一端は、閉塞端ボス112bを形成し、前記閉塞端ボス112bは、正極キャップ120bに接続される。正極キャップ120bの形状は、閉塞端ボス112bの形状に対応することにより、この正極キャップ120bが前記閉塞端ボス112bに外嵌されることを可能にする。締まり嵌めによる押圧により正極キャップ120bを電池ハウジング110bの閉塞端ボス112bに組み立てて固定することにより、正極キャップ120bと電池ハウジング110bとを組み立てて固定するとともに電気的接続を確立する。正極キャップ120bは、充電入力及び放電出力の正極とし、コントローラ400bの負極端蓋330bは、充電入力及び放電出力の負極とする。
【0055】
図14及び
図15に示すように、アルミハウジングリチウムイオンセル200bは
、リチウムイオンセル巻芯201bと、セルキャップ230bと、を含み、アルミハウジングリチウムイオンセル巻芯201bの内部には、電解液が充填され
てもよい。アルミハウジングリチウムイオンセル巻芯201bは、電池ハウジング110b内に溶接され、電池ハウジング110b及びセルキャップ230bにより共
にリチウムイオンセル巻芯201bに対する封止を完了させることにより、アルミハウジングリチウムイオンセル200bを構成する。
【0056】
リチウムイオンセル巻芯201bの対向する両端は、それぞれセルパッケージ本体の外部に露出する正極210b及び負極220bを有する。
セルキャップ230bは、電池ハウジング110bの開口端に設けられるとともに電池ハウジング110bの開口を閉塞する。セルキャップ230bは、平底蓋状の円形のセルキャップハウジング231bと、セルキャップハウジング231bにかしめられる導電性材料から作製された引き出し電極232bと、を含む。
【0057】
このセルキャップハウジング231bは、円形のカバー底部2311bと、このカバー底部2311bの周方向を囲むように設けられるカバーエッジ2312bと、を含む。この引き出し電極232bは、カバー底部2311bの中心にかしめられるとともにこのカバー底部2311bを貫通する。前記電池ハウジング110bは、アルミ材質であり、前記セルキャップハウジング231bのカバー底部2311bは、絶縁材質であり、カバーエッジ2312bは、導電性材質であり、カバーエッジ2312bは、電池ハウジング110b及びコントローラ400bのコントローラハウジング410bに接続される。引き出し電極232bは、セルキャップハウジング231bの一方側に露出するとともにアルミハウジングリチウムイオンセル巻芯201bの負極に電気的に接続される。
【0058】
セルキャップハウジング231bには、コントローラ400bとの組立に使用されるフランジ構造が設けられ、このフランジ構造によりコントローラ400bとセルキャップ230bとを嵌合する。
【0059】
セルキャップ230bは、電池ハウジング110bの開口端に取り付けられ、セルキャップハウジング231bと電池ハウジング110bは、一体に溶接されるとともに電気的に接続され、アルミハウジングリチウムイオンセル200bの溶接を完了させた後、セルキャップハウジング231bは、電池ハウジング110bの構成部分となり、セルキャップハウジング231bの引き出し電極232bは、アルミハウジングリチウムイオンセル200bの負極220bとなる。
【0060】
コントローラ400bの具体的な構造は、
図31~
図35を参照する。
【0061】
図34及び
図35を参照すると、コントローラ400bの外周には、コントローラハウジング410bが設けられ、コントローラ400bの軸方向一端には、内部電極340bが設けられ、他端には、負極端蓋330bが設けられ、コントローラ400bの内部には、回路基板300bが設けられ、内部電極340bは、回路基板300bの第2表面に溶接されるとともに回路基板300bに電気的に接続され、負極端蓋330bは、回路基板300bの第1表面に溶接されるとともに回路基板300bに電気的に接続される。
図31、
図32に示すように、回路基板300bの第1表面及び第2表面には、充放電制御回路を構成する電子部品がそれぞれ溶接される。前記回路基板300bの第2表面には、第1パッド321b(即ち、コントローラハウジングパッド)、第2パッド322b(即ち、負極端蓋パッド)及び第3パッド323b(即ち、内部電極パッド)が設けられる。第1パッド321bは、充放電制御回路の共通接地端及び充放電制御回路の充電入力及び放電出力の正極Pに電気的に接続され、第2パッド322bは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nに電気的に接続され、第3パッド323bは、充放電制御回路のアルミハウジングリチウムイオンセル200bの負極220bの接続電極とする。
【0062】
図31及び
図32に示すように、内部電極340bは、回路基板300bの第2表面に設けられ、内部電極340bは、回路基板300bに電気的に接続される。前記内部電極340bは、内部電極溶接位置決めピン341bと、内部電極接触台342bと、を含み、前記内部電極溶接位置決めピン341bと内部電極接触台342bは、条状構造を形成する。この内部電極接触台342bと内部電極溶接位置決めピン341bは、一体に成形され、内部電極接触台342bは、内部電極溶接位置決めピン341bに対して弾性的に折り曲げられることができる。
【0063】
回路基板300bには、第1表面及び第2表面を貫通する内部電極位置決め孔305bが設けられ、且つ、回路基板300bの第2表面には、第3パッド323bが内部電極位置決め孔305bを周回して設けられる。内部電極溶接位置決めピン341bは、内部電極位置決め孔305bに挿入されるとともに、第3パッド323bを介して回路基板に溶接されるとともに電気的接続を確立する。
【0064】
図33及び
図34に示すように、前記内部電極340bは、長尺状をなし、このコントローラ400bの組立過程において、前記内部電極340bは、折り畳まれることなく伸長状態を呈する。コントローラ400bの封止を完了させた場合、内部電極340bの内部電極接触台342bは、回路基板300bに平行する状態に折り畳まれ、且つ内部電極接触台342bの終端は、回路基板300bに対して浮遊する。
【0065】
図32及び
図33に示すように、負極端蓋330bは、金属導電性材質であり、回路基板300bに電気的に接続されるとともに回路基板300bの第1表面に設けられる。負極端蓋330bは、一端が開口された円形の中空のキャップ本体と、キャップ本体から一体に延出して形成された負極端蓋溶接位置決めピン331bと、を含む。負極端蓋溶接位置決めピン331bは、回路基板300bに固定されるとともに回路基板300bに電気的に接続される。具体的には、回路基板300bには、第1表面及び第2表面を貫通する位置決め溝304bが設けられ、回路基板300bの第2表面には、第2パッド322bが位置決め溝304bを周回して設けられ、負極端蓋330bは、負極端蓋溶接位置決めピン331bが位置決め溝304bに挿入されることにより位置決めを実現するとともに、第2パッド322bを介して負極端蓋溶接位置決めピン331bと回路基板300bとを溶接して電気的接続を確立し、さらに負極端蓋330bと回路基板とを溶接して電気的接続を確立する。
【0066】
図33、
図34及び
図35に示すように、コントローラハウジング410bは、筒状の側壁413bと、側壁413bの軸方向一端に形成され且つ側壁413bに垂直する底壁414bと、を含み、側壁413bと底壁414bは、内部キャビティを構成する。底壁414bの中心には、貫通孔が開設され、コントローラハウジング410bの底壁414bに対向する他端は、筒状の開放端である。側壁413bの内面には、導電性を有する金属材質で構成される位置制限ボスが突設され、前記位置制限ボスは、側壁413bの内面に一体に突出して成形された環状台であり、前記環状台は、側壁413bの内面に突出して回路基板を支持するための環状の支持平面を有し、前記支持平面と側壁413bは、軸方向の断面がL字状の環状内部位置決め溝412bを構成する。
【0067】
回路基板300bは、コントローラハウジング410bの内部キャビティに収容され、回路基板300bの外周は、内部位置決め溝412bにより位置決めされてコントローラハウジング410bの位置制限ボスに架設される。
【0068】
図31、
図33及び
図34に示すように、回路基板300bのエッジの周りには、複数の第1パッド321bが設けられ、回路基板300bが位置制限ボスに架設される場合、回路基板300bの第1表面は、コントローラハウジング410bの開放端の端面と面一をなし、回路基板300bの第2表面は、第1パッド321bを介して位置制限ボス41
2bに接触して溶接され、さらにコントローラハウジング410bとの電気的接続を確立する。
【0069】
回路基板300bの第1表面は、コントローラハウジング410bの開放端に向き、負極端蓋330bは、コントローラハウジング410bの頂部の開口から突出する。回路基板300bの第2表面は、コントローラハウジング410bの底部に向き、内部電極340bの内部電極接触台342bは、底壁414bの中心の貫通孔から外部に露出することにより、アルミハウジングリチウムイオンセル200bの負極220bに電気的に接続される。内部電極接触台342bのエッジとこの貫通孔のエッジとの間に隙間を有することにより、内部電極340bとコントローラハウジング410bとの絶縁を確保する。
【0070】
図34及び
図35に示すように、コントローラ400bは、コントローラカバー板460bをさらに有し、コントローラカバー板460bは、負極端蓋330bの外周を囲むように設けられるとともに回路基板300bの第1表面を覆い、且つ、コントローラカバー板460bは、回路基板300bの第1表面が負極端蓋300bの外に露出する回路部品を絶縁及び保護するための絶縁材質である。
【0071】
回路基板300bの第1パッド321bは、充放電制御回路の共通接地端GNDに電気的に接続され、回路基板300bの第1パッド321bは、溶接によりコントローラハウジング410bと電気的接続を確立することにより、コントローラハウジング410bは、充放電制御回路の共通接地端GNDに電気的に接続される。
【0072】
回路基板300bの第2パッド322bは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nに電気的に接続され、負極端蓋330bは、回路基板300bの第2パッド322bに溶接されるとともに電気的接続を確立することにより、負極端蓋330bは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nとする。
【0073】
回路基板300bの第3パッド323bは、充放電制御回路のアルミハウジングリチウムイオンセル200bの負極220bの接続電極とし、内部電極340bは、回路基板300bの第3パッド323bに溶接されるとともに電気的接続を確立することにより、内部電極340bは、充放電制御回路のアルミハウジングリチウムイオンセル200bの負極220bの接続電極とする。
【0074】
このため、負極端蓋330b、内部電極340b及びコントローラハウジング410bは、コントローラ400bの3つの構造電極を構成する。
【0075】
図17は、コントローラ400bとアルミハウジングリチウムイオンセル200bとの組立を示す図である。
【0076】
図17に示すように、組立の場合、まず、コントローラ400bの内部電極340bをアルミハウジングリチウムイオンセル200bの負極220bに溶接し、内部電極340bとアルミハウジングリチウムイオンセル200bの負極220bとを電気的に接続する。その後、アルミハウジングリチウムイオンセル200bのセルキャップハウジング231bの開口端とコントローラハウジング410bとを同軸に突き合わせ接続するとともに、両者を溶接して電気的接続を確立し、セルキャップハウジング231bを介してコントローラハウジング410bと電池ハウジング110bとを電気的に接続する。
【0077】
図15、
図16及び
図17に示すように、アルミハウジングリチウムイオンセル200bのセルキャップハウジング231bの表面には、セルキャップハウジング231bとコントローラ400bの内部電極340bとの間に電気的絶縁を確立するための絶縁層470bが設けられる。コントローラ400bのセルキャップ230bに向く面にも、コントローラハウジング410bとコントローラ400bの内部電極340bとの間に電気的絶縁を確立するための絶縁層470bが設けられる。
【0078】
前記充電池100bの溶接を完了させた後、内部電極340bは、アルミハウジングリチウムイオンセル200bの負極がコントローラ400bに接続される接続電極とし、負極端蓋330bは、充電池100bの充電入力及び放電出力の負極とし、電池ハウジング110bは、充電池100bの充電入力及び放電出力の正極及び充放電制御回路の共通接地端とする。
【0079】
実施例3:直接封止リチウムイオン電池の実施例
【0080】
図18、
図19に示すように、充電池100cは、直接封止リチウムイオンセル200cを使用し、充電池100cの内部構造を
図20に示し、充電池100cの構造の組立関係を
図21及び
図22に示す。
【0081】
図18、
図19及び
図22に示すように、充電池100
cは、円筒状の電池ハウジング110cと、電池ハウジング110c内に装設される直接封止リチウムイオンセル200cと、電池ハウジング110cの一端に設けられる正極キャップ120cと、直接封止リチウムイオンセル200cの負極端に取り付けられるコントローラ400cと、を含む。
【0082】
直接封止リチウムイオンセル200cの内部には、電解液が充填されてもよく、且つ、電池ハウジング110c、コントローラ400cは、その内部の電解液を直接に閉塞する。
【0083】
電池ハウジング110cは、アルミ材質から作製されてもよく、前記電池ハウジング110cの一端には、閉塞端ボス112cが形成され、前記閉塞端ボス112cは、正極キャップ120cに接続される。正極キャップ120cの形状は、閉塞端ボス112cの形状に対応することにより、前記正極キャップ120cが前記閉塞端ボス112cに外嵌されることを可能にする。締まり嵌めによる押圧により正極キャップ120cを電池ハウジング110cの閉塞端ボス112cに組み立てて固定するとともに電気的接続を確立することができる。
【0084】
図21、
図22及び
図23に示すように、直接封止リチウムイオンセル200cの対向する両端は、それぞれ正極210c及び負極220cを有する。コントローラ400cは、電池ハウジング110cの開口端に設けられるとともに直接封止リチウムイオンセル200cの負極に溶接されて電気的接続を確立することにより、コントローラ400cは、電池ハウジング110cの開口を直接に閉塞する。
【0085】
コントローラ400cの具体的な構造図は、
図36~
図40を参照する。
【0086】
図39及び
図40に示すように、コントローラ400cの外周には、コントローラハウジングユニッ
トが設けられ、コントローラ400cの軸方向一端には、内部電極340cが設けられ、他端には、負極端蓋330cが設けられ、コントローラ400cの内部には、回路基板300cが設けられ、内部電極340cは、回路基板300cの第2表面に溶接されるとともに回路基板300cに電気的に接続され、負極端蓋330cは、回路基板300cの第1表面に溶接されるとともに回路基板300cに電気的に接続される。
【0087】
図36及び
図37に示すように、上記の2つの実施例における回路基板構造と同様に、本実施例の回路基板300cの第2表面には、第1パッド321c(即ち、コントローラハウジングパッド)、第2パッド322c(即ち、負極端蓋パッド)及び第3パッド323c(即ち、内部電極パッド)が設けられる。第1パッド321cは、充放電制御回路の共通接地端及び充放電制御回路の充電入力及び放電出力の正極Pに電気的に接続され、第2パッド322cは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nに電気的に接続され、第3パッド323cは、充放電制御回路の直接封止リチウムイオンセル200cの負極220bの接続電極とする。
【0088】
図36に示すように、内部電極340cは、回路基板300cの第2表面に設けられる。内部電極340は、回路基板に平行する内部電極接触台342cと、内部電極接触台342cに接続される内部電極溶接位置決めピン341cと、を含む。回路基板300cには、第1表面及び第2表面を貫通する内部電極位置決め孔305cが設けられ、回路基板300cの第2表面には、第3パッド323cが内部電極位置決め孔305cを周回して設けられ、内部電極340cは、内部電極溶接位置決めピン341cが内部電極位置決め孔305cに挿入されることにより位置決めを実現するとともに、第3パッド323cを介して内部電極溶接位置決めピン341cと回路基板300cとを溶接して電気的接続を確立する。
【0089】
図37に示すように、負極端蓋330cは、金属導電性材質であり、回路基板300cに電気的に接続されるとともに回路基板300cの第1表面に設けられる。負極端蓋330cには、負極端蓋溶接位置決めピン331cが設けられる。回路基板300cには、位置決め溝304c及び位置決め溝304cを周回して設けられる第2パッド322cが設けられ、負極端蓋330cは、負極端蓋溶接位置決めピン331cが位置決め溝304cに挿入されることにより位置決めを実現するとともに、第2パッド322cを介して負極端蓋溶接位置決めピン331cと回路基板300cとを溶接して電気的接続を確立する。
【0090】
図36、
図38及び
図39に示すように、コントローラハウジングユニッ
トは、コントローラハウジング410c及び回路基板ブラケット420cを含む。回路基板ブラケット420cは、コントローラハウジング410c内に溶接されるとともに、コントローラハウジング410c内には、回路基板300cを架設するための位置制限ボスが形成される。回路基板300cの第2表面の周縁には、第1パッド321cが設けられ、回路基板は、前記第1パッド321cを介して回路基板ブラケット420cに固定されるとともに、回路基板ブラケット420cを介してコントローラハウジング410cに溶接及び固定されて電気的接続を確立する。コントローラハウジング410cの底部には、貫通孔が開設され、内部電極340cの内部電極接触台342cは、貫通孔から外部に露出することにより、直接封止リチウムイオンセル200cの負極220cに電気的に接続される。内部電極接触台342cのエッジと前記貫通孔のエッジとの間に隙間を有することにより、内部電極340cとコントローラハウジング410cとの絶縁を確保する。
【0091】
図39及び
図40に示すように、さらに、コントローラ400cの負極端蓋330cが取り付けられる端面には、コントローラカバー板460c及びカバー板遮光リング490cがさらに設けられる。コントローラカバー板460cは、透明又は半透明の導光絶縁材料から作製されてもよく、コントローラ400cの内部の表示灯により放出される光線を伝導するためのものである。前記カバー板遮光リング490cは、前記コントローラカバー板460cの上方に覆われ、コントローラ400cの内部の表示灯により放出される光を遮蔽するためのものであり、光線がコントローラカバー板460cの側面から放出されるようにする。
【0092】
回路基板300cの第1パッド321cは、充放電制御回路の共通接地端GNDに電気的に接続され、回路基板300cの第1パッド321cは、回路基板ブラケット420cに溶接されるとともに電気的接続を確立し、回路基板ブラケット420は、また溶接によりコントローラハウジング410cと電気的接続を確立することにより、コントローラハウジング410cは、充放電制御回路の共通接地端GNDに電気的に接続される。
【0093】
回路基板300cの第2パッド322cは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nに電気的に接続され、負極端蓋330cは、回路基板300cの第2パッド322cに溶接されるとともに電気的接続を確立することにより、負極端蓋330cは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nとする。
【0094】
回路基板300cの第3パッド323cは、充放電制御回路の直接封止リチウムイオンセル200cの負極220cの接続電極とし、内部電極340cは、回路基板300cの第3パッド323cに溶接されるとともに電気的接続を確立することにより、内部電極340cは、充放電制御回路の直接封止リチウムイオンセル200cの負極220cの接続電極とする。
【0095】
このため、負極端蓋330c、内部電極340c及びコントローラハウジング410cは、コントローラ400cの3つの構造電極を構成する。
【0096】
図21及び
図22は、充電池100cの組立関係を示す図である。
【0097】
組立の場合、まず、正極210cが電池ハウジング110cの閉塞端に向くように直接封止リチウムイオンセル200cを電池ハウジング110cに組み込み、直接封止リチウムイオンセル200cの正極210cを電池ハウジング110cの閉塞端に溶接し、その後、絶縁層470cをコントローラ400cのコントローラハウジング410cの直接封止リチウムイオンセルに面する軸方向底面に貼り付ける。前記絶縁層470cは、一面に非乾燥接着剤が付けられるポリイミド薄膜から構成されてもよく、直接封止リチウムイオンセル200cの負極220cとコントローラハウジング410cとの間に電気的絶縁を確立するためのものである。その後、直接封止リチウムイオンセル200cの負極220cをコントローラ400cの内部電極340cに溶接することにより、直接封止リチウムイオンセル200cの負極220cと内部電極340cは、溶接により固定されるとともに電気的接続を確立する。その後、電池ハウジング110cの開口端で直接封止リチウムイオンセル200cが溶接された電池ハウジング110cのキャビティ内へ電解液を注入する。最後、コントローラ400cを電池ハウジング110cと同じ軸心方向に配置し、コントローラハウジング410cと電池ハウジング110cとを溶接するとともに電気的接続を確立する。
【0098】
前記充電池100cの溶接を完了させた後、内部電極340cは、直接封止リチウムイオンセル200cの負極がコントローラ400cに接続される接続電極とし、負極端蓋330cは、充電池100cの充電入力及び放電出力の負極とし、電池ハウジング110cは、充電池100cの充電入力及び放電出力の正極及び充放電制御回路の共通接地端とする。
【0099】
実施例4:CIDセル充電池の実施例
充電池100dの外形の構造を
図23aに示し、充電池100dの構造の組立関係を
図23b及び
図23cに示す。
【0100】
充電池100dは、CIDリチウムイオンセル200dと、コントローラ400dと、を含む。
【0101】
図23a、
図23b及び
図23cに示すように、充電池100dは、CIDリチウムイオンセル200dを使用する。ここで、CIDは、current interrupt deviceの略語であり、即ち、電流遮断装置である。CIDリチウムイオンセル200dが失効した場合(例えば、過熱、短絡、過充電など)、内部に多くのガスが発生し、圧力が高くなると、セルの内部の放圧シートが反転して、セルの内部短絡を起こし、保護の役割を果たす。
【0102】
前記CIDリチウムイオンセル200dの内部には、電解液が充填され、両端には、負極220d及び正極120dが設けられ、CIDリチウムイオンセル200dの外壁は、電池ハウジング110dであり、前記電池ハウジング110dとCIDリチウムイオンセル200dの正極120dは、一体に接続されるとともに電気的接続を確立し、CIDリチウムイオンセル200dの負極には、セル放圧孔234dが設けられ、CIDリチウムイオンセル200dで発生した气体は、このセル放圧孔234dを介して放圧されることができる。
【0103】
コントローラ400dは、CIDリチウムイオンセル200dの負極端に取り付けられる。コントローラ400dの内部構造は、上記のアルミハウジングリチウムイオンセル充電池100bのコントローラ400bの構造と略同じであり、即ち、コントローラ400dの外周には、コントローラハウジング410dが設けられ、コントローラ400dの軸方向一端には、内部電極340dが設けられ、他端には、負極端蓋330dが設けられ、コントローラ400dの内部には、回路基板(図示せず)が設けられる。回路基板には、充放電制御回路が配置され、負極端蓋330dは、充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nとし、コントローラハウジング410dは、充放電制御回路の共通接地端GNDに電気的に接続されることにより、内部電極340dは、充放電制御回路のCIDリチウムイオンセル200dの負極220dの接続電極とする。
【0104】
コントローラ400dの内部電極340dとCIDリチウムイオンセル200dの負極220dは、溶接及び固定されるとともに電気的接続を確立することにより、内部電極340dは、リチウムイオンセルの負極の接続電極を構成する。
【0105】
CIDリチウムイオンセル200dの負極220dの外周には、コントローラハウジング410dとコントローラ400dの内部電極340dとの間に電気的絶縁を確立するための絶縁層470dが設けられる。
【0106】
電池ハウジング110dの一端とコントローラ400dのコントローラハウジング410dは、溶接及び固定されるとともに電気的接続を確立し、また、CIDリチウムイオンセル200dの正極120dは、電池ハウジング110dに電気的に接続され、コントローラハウジング410dは、充放電制御回路の共通接地端GNDに電気的に接続されるので、電池ハウジング110dは、充電池100dの正極及び充放電制御回路の共通接地端GNDを構成する。
【0107】
負極端蓋330dは、充電池100dの負極及び充放電制御回路の充電入力及び放電出力の負極Nとする。
【0108】
本実施例のCIDリチウムイオンセル200dは、その内部に電流遮断保護装置及び放圧シートなどの構造を有するので、電流遮断保護機能を有する。他の実施例において、放圧保護機能が不要であれば、本実施例のCIDリチウムイオンセル200dにおける電流遮断保護装置、放圧シート及び放圧孔234dなどの構造を省略することもできる。
【0109】
以上は、4つの具体的な実施例により充電池の具体的な構造を詳しく説明し、各実施例は内部電極構造、コントローラハウジング構造、リチウムイオンセル構造及びリチウムイオンセルとコントローラの封止構造で相違するものの、上記の4つの実施例の回路原理はいずれも同じである。
【0110】
以下、
図24a及び
図24bにより上記の4つの充電池の実施例の動作原理を詳しく説明する。
【0111】
図24aは、充電池の回路原理のブロック図であり、
図24bは、充電池の充放電原理のブロック図である。
【0112】
充電池の回路原理は、以下の通りである。
【0113】
図24aを参照すると、リチウムイオンセル200の正極210は、電池ハウジング110に電気的に接続され、電池ハウジング110は、コントローラハウジング410に電気的に接続され、コントローラハウジング410は、回路基板300に設けられる第1パッド321を介して回路基板300に電気的に接続されるとともに、第1パッド321を介して回路基板300における充放電制御回路の共通接地端GNDに電気的に接続される。これにより、電池ハウジング110は、充電池100の正極P及び充放電制御回路の共通接地端GNDとする。
【0114】
コントローラ400の負極端蓋330は、第2パッド322を介して回路基板300に電気的に接続され、第2パッド322は、回路基板における充放電制御回路の充電入力端及び放電出力端に電気的に接続されるので、負極端蓋330は、充電池100の負極Nとする。
【0115】
コントローラ400の内部電極340は、第3パッド323を介して回路基板300に電気的に接続されるとともに、リチウムイオンセルの負極220にも電気的に接続されることにより、内部電極340を介してリチウムイオンセルの負極220を回路基板300の充放電制御回路に接続する。
【0116】
図24bを参照すると、回路基板300には、充放電制御回路310が設けられ、具体的には、充電制御回路311及び放電制御回路312の2つの部分の回路を含む。充電制御回路311の充電入力端は、放電制御回路312の放電出力端に電気的に接続されるとともに、両者は、第2パッド322に電気的に接続され、且つ、第2パッド322を介して負極端蓋330に電気的に接続される。充電制御回路311の充電出力端は、放電制御回路312の放電入力端に電気的に接続されるとともに、両者は、第3パッド323に電気的に接続され、且つ、第3パッド323を介してリチウムイオンセル200の負極220に電気的に接続される。充電制御回路311の共通接地端GNDは、放電制御回路312の共通接地端GNDに電気的に接続されるとともに、両者は、第1パッド321に電気的に接続され、且つ、第1パッド321を介してコントローラハウジング410及び電池ハウジング110に電気的に接続される。
【0117】
放電制御回路312が、外部充電電源が充電池に接続されていないことを検出した場合又は外部充電電源と充電池との電気的接続が遮断されることを検出した場合に、放電制御回路312は、充電池100が放電状態になるように制御する。
【0118】
放電状態では、リチウムイオンセル200の電圧の絶対値が設定された放電終止電圧よりも高い場合、放電制御回路312は、リチウムイオンセル200の負極放電電圧を変換することにより、それを設定された負極放電電圧に変換するとともに、充電池負極N(即ち、負極端蓋330)を介して外部へ出力し、これにより、リチウムイオンセル200は、外部へ放電する。リチウムイオンセル200の電圧の絶対値が放電終止電圧以下である場合、放電制御回路312は、リチウムイオンセルの負極に接続される放電回路を遮断することにより、充電池100が外部へ放電することを停止させる。
【0119】
充電制御回路311が外部充電電源が充電池に接続されることを検出し且つ外部電源の電圧が充電条件を満たす場合、充電制御回路311は、リチウムイオンセルに対する充電をオンにし、外部充電電源の電圧が充電条件を満たさない場合、充電制御回路311は、リチウムイオンセルに対する充電を停止する。
【0120】
充電状態では、充電制御回路311は、リチウムイオンセル200の電圧を検出するとともに、リチウムイオンセルの電圧状態に応じて、充電池の負極N(即ち、負極端蓋330)の入力電圧及び/又は電流を制御してリチウムイオンセルの負極へ出力して、リチウムイオンセルに対して充電し、且つ、リチウムイオンセルが満充電となることを検出した場合又は充電池が外部充電電源から離脱することを検出した場合に、充電制御回路311を遮断し、リチウムイオンセルに対する充電をオフにする。
【0121】
リチウムイオンセルに対する充電の制御方法は、トリクル充電、定電流充電又は定電圧充電を使用したり、トリクル充電、定電流充電又は定電圧充電を組み合わせて使用したりすることができる。例えば、リチウムイオンセルの電圧の絶対値が設定された放電終止電圧よりも低い場合、リチウムイオンセルの負極の充電電流を制御することにより、リチウムイオンセルに対してトリクル充電を行う。リチウムイオンセルの電圧の絶対値が設定された放電終止電圧以上であり且つ設定された充電上限電圧未満である場合、リチウムイオンセルの負極の充電電流を制御することにより、リチウムイオンセルに対して定電流充電を行う。リチウムイオンセルの電圧の絶対値が設定された充電上限電圧と等しい場合、リチウムイオンセルの負極の充電電圧を制御することにより、リチウムイオンセルに対して定電圧充電を行う。定電圧充電時にリチウムイオンセルの充電電流が設定された充電終止電流以下であるまで低下する場合、リチウムイオンセルが満充電になったと判定し、充電制御回路311は、リチウムイオンセルに対する充電をオフにする。
【0122】
放電制御回路312は、リニア降圧又は升圧制御回路であってもよく、DC-DC降圧又は升圧制御回路であってもよい。
【0123】
放電制御回路312がリチウムイオンセル200の負極放電電圧を変換することを容易にするために、負レベルにより放電制御回路312を制御し、リチウムイオンセルの負極放電電圧を設定された放電電圧に変換するとともに外部へ出力することができる。
【0124】
充電制御回路は、リニア降圧又は升圧制御回路であってもよく、DC-DC降圧又は升圧制御回路であってもよい。
【0125】
充電制御回路311が充電池の負極の入力電圧及び/又は電流を制御するとともにリチウムイオンセルの負極へ出力することを容易にするために、負レベルにより充電制御回路311を制御し、さらに充電池の負極の入力電圧及び/又は電流を制御し、リチウムイオンセルに対してトリクル充電、定電流充電又は定電圧充電を行うことができる。
【0126】
充放電制御回路を具体的に実現する場合、充電制御回路及び放電制御回路の主回路を1つのチップに集積してもよく、それぞれ集積してもよい。
【0127】
他の実施例において、充電池のコントローラにおける充電制御回路を省略し、前記充電制御回路を前記充電池に用いられる充電スタンドに内臓することもできる。
【0128】
他の実施例において、コントローラのコントローラハウジング410を省略し、回路基板300、内部電極340及び負極端蓋330から構成される制御回路ユニットを電池ハウジング110内に直接に収容するとともに、電池ハウジング110と回路基板300の共通接地端とを電気的に接続することもできる。
【0129】
他の実施例において、内部電極340を省略し、リード線又は他の方式によりリチウムイオンセルの負極220と回路基板300との電気的接続を確立したり、リチウムイオンセルの負極220を回路基板300における第3パッド323に直接に溶接したりすることもできる。
【0130】
充電池の放電制御方法
本実施例の充電池の放電制御方法は、充電池の電気システムに適用され、具体的には、
リチウムイオンセルの正極を放電制御回路の共通接地端に電気的に接続し、共通接地端を充電池の放電出力の正極とするステップと、
リチウムイオンセルの負極を放電制御回路の入力端に電気的に接続し、放電制御回路を介して設定された負極放電電圧に変換するとともに出力電極を介して外部へ出力し、出力電極を充電池の放電出力の負極とするステップとを含む。
【0131】
ここで、「リチウムイオンセルの正極を放電制御回路の共通接地端に電気的に接続する」の具体的な実現方案は、上記の4つの充電池の実施例と同様に、放電制御回路をコントローラ内に配置し、コントローラのコントローラハウジングを介して放電制御回路の共通接地端に電気的に接続するとともに、コントローラハウジングを介してリチウムイオンセルの正極及び電池ハウジングにそれぞれ電気的に接続し、リチウムイオンセルの正極が放電制御回路の共通接地端に電気的に接続されることを実現することがきる。上記の4つの充電池の実施例における具体的な方案を使用しなくてもよく、例えば、コントローラハウジングを省略し、電池ハウジングと放電制御回路の共通接地端とを直接に電気的に接続するとともに、電池ハウジングとリチウムイオンセルの正極とを電気的に接続する。
【0132】
ここで、「リチウムイオンセルの負極を放電制御回路の入力端に電気的に接続する」の具体的な実現方案は、上記の4つの充電池の実施例と同様に、放電制御回路をコントローラ内に配置するとともに、コントローラ内に内部電極を配置し、内部電極を放電制御回路の入力端に電気的に接続し、且つ、リチウムイオンセルの負極と内部電極とを溶接することにより、放電制御回路の入力端との電気的接続を確立することを実現することができる。上記の4つの充電池の実施例における具体的な方案を使用しなくてもよく、例えば、内部電極を省略し、リード線又は他の導電性構造を介してリチウムイオンセルの負極とコントローラ内の放電制御回路の入力端との電気的接続を直接に確立したり、リチウムイオンセルの負極を回路基板に直接に溶接したりすることもできる。
【0133】
具体的には、放電制御方法は、
放電制御回路が外部充電電源が充電池に接続されていないことを検出した場合又は外部充電電源と充電池との電気的接続が遮断されることを検出した場合に、放電制御回路は、充電池が放電状態に入るように制御するステップと、
充電池の放電状態では、リチウムイオンセルの電圧の絶対値が設定された放電終止電圧より高い場合、放電制御回路は、リチウムイオンセルの負極放電電圧を設定された負極放電電圧に変換した後、外部へ放電するステップと、
充電池の放電状態では、リチウムイオンセルの電圧の絶対値が放電終止電圧以下である場合、放電制御回路は、リチウムイオンセルの負極に接続される放電回路をオフにすることにより、充電池が外部へ放電することを停止させるステップと、を含む。
【0134】
ここで、充放電制御回路が、外部充電電源に接続されていないことを検出した場合又は外部充電電源が遮断されることを検出した場合に、充放電制御回路は、放電制御回路をオンにするとともに、リチウムイオンセルの負極の放電電圧によりそれを設定された負極放電電圧に変換した後、外部へ放電する。リチウムイオンセルの電圧の絶対値が放電終止電圧以下である場合、放電制御回路は、リチウムイオンセルに接続される放電回路をオフにし、外部へ放電することを停止にする。
【0135】
充電池の充電制御方法
本実施例の充電池の充電制御方法は、充電池自体の電気システム又は充電池の外部と独立した電気システム(例えば、充電池に用いられる充電スタンドの電気システム)、前記充電制御方法は、具体的には、
充電池の充電入力の正極を充電制御回路の共通接地端に電気的に接続するとともに、共通接地端を充電池の充電入力の正極とするステップと、
充電池の充電入力の負極を充電制御回路の入力端とし、充電制御回路は、負極の入力電圧及び/又は電流を制御するとともにリチウムイオンセルの負極へ出力して、リチウムイオンセルに対して充電するステップと、を含む。
【0136】
ここで、「充電池の充電入力の正極を充電制御回路の共通接地端に電気的に接続する」の具体的な実現方案は、上記の4つの充電池の実施例と同様に、リチウムイオンセルの正極を充電池の充電入力の正極とし、充電制御回路をコントローラ内に配置し、コントローラのコントローラハウジングを介して充電制御回路の共通接地端に電気的に接続されるとともに、コントローラハウジングを介してリチウムイオンセルの正極及び電池ハウジングにそれぞれ電気的に接続し、充電池の正極が放電制御回路の共通接地端に電気的に接続されることを実現することができる。上記の4つの充電池の実施例における具体的な方案を使用しなくてもよく、例えば、コントローラハウジングを省略し、電池ハウジングと充電制御回路の共通接地端とを直接に電気的に接続するとともに、電池ハウジングとリチウムイオンセルの正極とを電気的に接続する。
【0137】
ここで、「充電制御回路は、負極の入力電圧及び/又は電流を制御する」の具体的な制御方法は、
リチウムイオンセルの電圧の絶対値が設定された放電終止電圧よりも低い場合、リチウムイオンセルの負極の充電電流を制御することにより、リチウムイオンセルに対してトリクル充電を行うステップと、
リチウムイオンセルの電圧の絶対値が設定された放電終止電圧以上であり且つ設定された充電上限電圧未満である場合、リチウムイオンセルの負極の充電電流を制御することにより、リチウムイオンセルに対して定電流充電を行うステップと、
リチウムイオンセルの電圧の絶対値が設定された充電上限電圧と等しい場合、リチウムイオンセルの負極の充電電圧を制御することにより、リチウムイオンセルに対して定電圧充電を行うステップと、
定電圧充電時にリチウムイオンセルの充電電流が設定された充電終止電流以下に低下する場合、リチウムイオンセルが満充電になったと判定し、充電制御回路は、リチウムイオンセルに対する充電をオフにするステップと、を含む。
【0138】
他の実施例において、トリクル充電、定電流充電又は定電圧充電のうちの1つ又は2つを選択することもできる。
【0139】
さらに、上記の充電制御方法において、充電池が充電状態になる前に、充電電源を検出する必要もある。
【0140】
充電制御回路が外部充電電源が充電池に接続されることを検出した場合、充電制御回路は、充電池が充電状態に入るように制御し、充電池の充電状態では、充電制御回路は、リチウムイオンセルの電圧を検出するとともに、リチウムイオンセルの電圧状態に応じて、リチウムイオンセルの負極の入力電圧及び/又は電流を制御することにより、リチウムイオンセルに対する充電を制御する。
【0141】
充電制御回路が、リチウムイオンセルが満充電となることを検出した場合又は充電池が外部充電電源から離脱することを検出した場合に、リチウムイオンセルに対する充電をオフにする。
【0142】
さらに、上記の充電制御方法において、充電池が充電状態になる前に、充電条件を検出する必要もある。
【0143】
外部充電電源が充電池に接続される状態では、充電制御回路は、外部電源の電圧を検出し、外部電源の電圧が充電条件を満たす場合、充電制御回路は、リチウムイオンセルに対する充電をオンにする。
【0144】
外部充電電源の電圧が充電条件を満たさない場合、充電制御回路は、リチウムイオンセルに対する充電を停止する。
【0145】
いくつかの典型的な実施例を参照して本発明を説明したが、使用される用語は、説明するための例示的なものであり、限定するものではない。本発明は、発明の精神又は範囲から逸脱しない場合、様々な形態で具体的に実施することができる。上記の実施形態は、上記の詳細のいずれかに限定されるものではない、添付されている特許請求の範囲により限定される精神及び範囲に広く解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲またはそれと等価的な範囲内に入るすべての変更および修正は、いずれも当該特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0146】
100 充電池、アルミハウジングリチウムイオンセル充電池
110 電池ハウジング
112 閉塞端ボス
120 正極
200 CIDリチウムイオンセル。直接封止リチウムイオンセル、ソフトパッケージリチウムイオンセル、アルミハウジングリチウムイオンセル
201 アルミハウジングリチウムイオンセル巻芯
210 正極
220 負極
230 セルキャップ
231 セルキャップハウジング
232 電極
234 セル放圧孔
304 溝
305 孔
310 充放電制御回路
311 充電制御回路
312 放電制御回路
321 第1パッド
322 第2パッド
323 第3パッド
330 負極端蓋
331 ピン
340 内部電極
341 ピン
342 内部電極接触台
400 コントローラ
412 溝
413 側壁
414 底壁
415 位置制限ボス
420 回路基板ブラケット
430 コントローラハウジングユニット
460 コントローラカバー板
470 絶縁層
490 カバー板遮光リング
2311 カバー底部
2312 カバーエッジ