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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】二次電池の電極組立体の製造デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20231107BHJP
   H01M 50/46 20210101ALN20231107BHJP
   H01G 13/02 20060101ALN20231107BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M50/46
H01G13/02 M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022521575
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2020114503
(87)【国際公開番号】W WO2021068705
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】201910957293.5
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【氏名又は名称】柿本 恭成
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】王 藝若
(72)【発明者】
【氏名】呉 志陽
(72)【発明者】
【氏名】王 曉
(72)【発明者】
【氏名】江 承成
(72)【発明者】
【氏名】謝 超
(72)【発明者】
【氏名】代 亮珍
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-179035(JP,A)
【文献】特開2008-152946(JP,A)
【文献】実開平06-013129(JP,U)
【文献】特開2010-055962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/00-10/39
H01M50/40-50/498
H01M 4/00- 4/62
H01G11/00-13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の電極組立体の製造デバイスであって、
正極シートを出力するための正極材料供給装置と、
第1のセパレータを出力するための第1のセパレータ供給装置と、
前記正極材料供給装置と前記第1のセパレータ供給装置の下流側に設けられており、前記正極シートと前記第1のセパレータとを複合接続して正極複合シート体を製造することができる第1の複合装置と、
負極シートを出力するための負極材料供給装置と、
第2のセパレータを出力するための第2のセパレータ供給装置と、
前記負極材料供給装置と前記第2のセパレータ供給装置の下流側に設けられており、前記負極シートと前記第2のセパレータとを複合接続して負極複合シート体を製造することができる第2の複合装置と、
前記第1の複合装置と前記第2の複合装置の下流側に設けられており、前記正極複合シート体及び前記負極複合シート体を巻回することにより電極組立体を製造することができる巻回装置と、を備え
前記巻回装置は、巻き針、正極巻込ガイドローラ群及び負極巻込ガイドローラ群を含み、前記正極巻込ガイドローラ群と前記負極巻込ガイドローラ群は、いずれも前記巻き針の上流側に設けられており、前記正極巻込ガイドローラ群と前記負極巻込ガイドローラ群は、いずれも前記巻き針の下方に設けられており、前記正極巻込ガイドローラ群は、前記正極複合シート体を下から上へ前記巻き針に直接的に搬送し、前記負極巻込ガイドローラ群は、前記負極複合シート体を下から上へ前記巻き針に直接的に搬送する、二次電池の電極組立体の製造デバイス
【請求項2】
さらに、前記第1の複合装置の上流側に設けられており、前記正極シートと前記第1のセパレータとの複合接続位置の上流側で前記正極シートを切断するための正極シートカッターを含み、及び/又は、
さらに、前記第2の複合装置の上流側に設けられており、前記負極シートと前記第2のセパレータとの複合接続位置の上流側で前記負極シートを切断するための負極シートカッターを含む、請求項1に記載の二次電池の電極組立体の製造デバイス。
【請求項3】
さらに、前記第1の複合装置の上流側に設けられており、複合接続前の前記正極シート及び/又は前記第1のセパレータに対し除塵工程を実行するための第1の除塵装置を含み、及び/又は、
さらに、前記第2の複合装置の上流側に設けられており、複合接続前の前記負極シート及び/又は前記第2のセパレータに対し除塵工程を実行するための第2の除塵装置を含む、請求項1又は2に記載の二次電池の電極組立体の製造デバイス。
【請求項4】
前記巻回装置は、さらに回転ベース及び二つ以上の前記巻き針を含み、二つ以上の前記巻き針は、前記回転ベースの回転軸線の周りに前記回転ベースに間隔を隔てて設けられている、請求項1に記載の二次電池の電極組立体の製造デバイス。
【請求項5】
さらに、前記第1の複合装置の下流側に設けられており、前記正極シートの複合開始端及び/又は複合終了端を前記第1のセパレータに接着して接続するための第1の接着剤貼付装置を含み、及び/又は、
さらに、前記第2の複合装置の下流側に設けられており、前記負極シートの複合開始端及び/又は複合終了端を前記第2のセパレータに接着して接続するための第2の接着剤貼付装置を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の二次電池の電極組立体の製造デバイス。
【請求項6】
さらに、前記第1の複合装置の下流側に設けられており、前記正極シートと前記第1のセパレータとの複合位置合わせの程度を検出するための第1の検出装置を含み、及び/又は、
さらに、前記第2の複合装置の下流側に設けられており、前記負極シートと前記第2のセパレータとの複合位置合わせの程度を検出するための第2の検出装置を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池の電極組立体の製造デバイス。
【請求項7】
さらに、前記第1の複合装置の上流側に設けられており、前記正極シートと前記第1のセパレータとの相対位置を調整するための第1の偏差校正装置を含み、及び/又は、
さらに、前記第2の複合装置の上流側に設けられており、前記負極シートと前記第2のセパレータとの相対位置を調整するための第2の偏差校正装置を含む、請求項6に記載の二次電池の電極組立体の製造デバイス。
【請求項8】
さらに、前記巻回装置の上流側に設けられており、前記正極複合シート体又は前記負極複合シート体の張力の程度を調整するための張力調整装置を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の二次電池の電極組立体の製造デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年10月10日に提出された名称が「二次電池の電極組立体の製造方法及びデバイス」である中国特許出願201910957293.5の優先権を主張し、該出願の全ての内容は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、電池技術分野に関し、特に、二次電池の電極組立体の製造デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
社会の発展に伴い、人間は、ますます環境保護の重要性を重視してくる。したがって、新エネルギー自動車は、優れた環境保護性を有する交通機関として広く使用される。新エネルギー自動車の動力源は、主に動力電池である。動力電池加工デバイスにおいて、巻回機により動力電池を形成する電極組立体を巻回することにより、巻回機は、動力電池を製造するための重要なデバイスとなる。しかしながら、現在備えられた巻回機は、基本的に正極シート、セパレータ、負極シート、セパレータを採用して同時に巻き針に巻回し、その後に切断するプロセスを採用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなタイプの巻回機は、製造過程において電極シートの折り及び粉塵の巻回等の問題が発生しやすく、さらに電極組立体の良品率及び生産効率に影響を与える。また、現在の巻回方式は、正極シート、セパレータ及び負極シートがそれぞれ単独でスムーズに巻き針に進入することを補助するために、巻き針に近接した上流側に、例えば合流フィルムローラ群(merging film roller group)又は転動材料供給部材などの巻込補助機構を設置する必要があり、それにより巻回機デバイスの構造が複雑になり、材料供給や巻回作業の効率が低い。 本願の実施例は、二次電池の電極組立体の製造デバイスを提供する。二次電池の電極組立体の製造デバイスは、電極組立体の良品率を向上させると共に、巻回デバイスの構造を簡略化し、巻回作業効率を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、正極シートと第1のセパレータとを複合接続して正極複合シート体を製造するステップと、負極シートと第2のセパレータとを複合接続して負極複合シート体を製造するステップと、正極複合シート体を負極複合シート体と共に電極組立体として巻回し、正極シート及び負極シートを、第1のセパレータ及び第2のセパレータにより隔離して設置するステップと、を含む二次電池の電極組立体の製造方法を提供する。
【0006】
本願の一つの実施例によれば、正極シートと第1のセパレータとの複合接続が完了される前に、正極シートと第1のセパレータとの複合接続位置の上流側で正極シートに対し切断工程を実行し、及び/又は、
負極シートと第2のセパレータとの複合接続が完了される前に、負極シートと第2のセパレータとの複合接続位置の上流側で負極シートに対し切断工程を実行する。
【0007】
本願の一つの実施例によれば、正極シートと第1のセパレータとの複合接続位置の上流側で、複合接続前の正極シート及び/又は第1のセパレータに対し除塵工程を実行し、及び/又は、
負極シートと第2のセパレータとの複合接続位置の上流側で、複合接続前の負極シート及び/又は第2のセパレータに対し除塵工程を実行する。
【0008】
本願の一つの実施例によれば、正極シートと第1のセパレータとを複合して正極複合シート体を製造するステップにおいて、正極シートの複合開始端及び/又は複合終了端を第1のセパレータに接着して接続し、及び/又は、
負極シートと第2のセパレータとを複合して負極複合シート体を製造するステップにおいて、負極シートの複合開始端及び/又は複合終了端を第2のセパレータに接着して接続する。
【0009】
本願の一つの実施例によれば、正極複合シート体を負極複合シート体と共に電極組立体として巻回するステップにおいて、正極複合シート体及び/又は負極複合シート体を下から上へ巻回ステーションに搬送し且つ巻回工程を実行する。
【0010】
本願の一つの実施例によれば、正極シートと第1のセパレータとは、静電吸着、熱プレス複合又は接着剤貼付複合などの複合方式により複合接続を完了することができ、及び/又は、負極シートと第2のセパレータとは、静電吸着、プラズマ吸着、熱プレス複合又は接着剤貼付複合などの複合方式により複合接続を完了することができる。
【0011】
本願の一つの実施例によれば、巻回工程を実行する前に、予め正極シートと第1のセパレータとを複合接続し、負極シートと第2のセパレータとを複合接続することにより、正極シートと第1のセパレータとを互いに接続して一体に形成し、負極シートと第2のセパレータとを互いに接続して一体に形成する。そして、正極複合シート体と負極複合シート体とをそれぞれ巻回待ちのステーションに搬送する。正極シート及び負極シートは、それぞれ第1のセパレータ及び第2のセパレータの駆動で巻回工程に進入する。このように、正極シート、負極シート及びセパレータがそれぞれ独立して巻回工程に進入する加工方式に対し、本願の実施例に係る二次電池の電極組立体を製造する方法は、巻回工程に進入するシート体の総数量を効果的に減少させ、それにより正極シート、負極シート及びセパレータの位置合わせの困難さを低減させ、正極シートと負極シートとの互いに位置ずれの可能性を低減させ、巻回の位置合わせ精度を向上させることに役立つ。ここで、位置合わせとは、正極シート、負極シート及びセパレータをそれぞれの幅方向に沿って互いに位置合わせることを指す。一方、正極シート及び負極シートが巻回工程に進入する時に折り又は皺が発生する可能性を低減させ、電極組立体の良品率を効果的に向上させることができる。さらに、正極シート、負極シート及びセパレータは、巻回ステーションに近接する上流側に正極シート及び負極シートの巻込をガイドするための巻込補助機構、例えば合流フィルムローラ群又は転動材料供給部材を設ける必要がなく、それにより部品の使用数量を減少させ、対応する巻回デバイスの全体構造を簡略化すると共に、巻回作業効率を向上させることに役立つ。
【0012】
本願の実施例は、さらに、
正極シートを出力するための正極材料供給装置と、
第1のセパレータを出力するための第1のセパレータ供給装置と、
正極材料供給装置と第1のセパレータ供給装置の下流側に設けられており、正極シートと第1のセパレータを複合接続して正極複合シート体を製造することができる第1の複合装置と、
負極シートを出力するための負極材料供給装置と、
第2のセパレータを出力するための第2のセパレータ供給装置と、
負極材料供給装置と第2のセパレータ供給装置の下流側に設けられており、負極シートと第2のセパレータを複合接続して負極複合シート体を製造することができる第2の複合装置と、
第1の複合装置と第2の複合装置の下流側に設けられており、正極複合シート体及び負極複合シート体を巻回することにより電極組立体を製造することができる巻回装置と、を備える二次電池の電極組立体の製造デバイスを提供する。
【0013】
本願の一つの実施例によれば、デバイスは、さらに、第1の複合装置の上流側に設けられており、正極シートと第1のセパレータとの複合接続位置の上流側で正極シートを切断するための正極シートカッターを含み、及び/又は、
デバイスは、さらに、第2の複合装置の上流側に設けられており、負極シートと第2のセパレータとの複合接続位置の上流側で負極シートを切断するための負極シートカッターを含む。
【0014】
本願の一つの実施例によれば、デバイスは、さらに、第1の複合装置の上流側に設けられており、複合接続前の正極シート及び/又は第1のセパレータに対し除塵工程を実行するための第1の除塵装置を含み、及び/又は、デバイスは、さらに、第2の複合装置の上流側に設けられており、複合接続前の負極シート及び/又は第2のセパレータに対し除塵工程を実行するための第2の除塵装置を含む。
【0015】
本願の一つの実施例によれば、巻回装置は、巻き針、正極巻込ガイドローラ群及び負極巻込ガイドローラ群を含み、正極巻込ガイドローラ群と負極巻込ガイドローラ群は、いずれも巻き針の上流側に設けられており、正極巻込ガイドローラ群と負極巻込ガイドローラ群は、いずれも巻き針の下方に設けられており、正極巻込ガイドローラ群は、正極複合シート体を下から上へ巻き針に直接的に搬送し、負極巻込ガイドローラ群は、負極複合シート体を下から上へ巻き針に直接的に搬送する。
【0016】
本願の一つの実施例によれば、巻回装置は、さらに回転ベース及び二つ以上の巻き針を含み、二つ以上の巻き針は、回転ベースの回転軸線の周りに回転ベースに間隔を隔てて設けられている。
【0017】
本願の一つの実施例によれば、デバイスは、さらに、第1の複合装置の下流側に設けられており、正極シートの複合開始端及び/又は複合終了端を第1のセパレータに接着して接続するための第1の接着剤貼付装置を含み、及び/又は、
デバイスは、さらに、第2の複合装置の下流側に設けられており、負極シートの複合開始端及び/又は複合終了端を第2のセパレータに接着して接続するための第2の接着剤貼付装置を含む。
【0018】
本願の一つの実施例によれば、デバイスは、さらに、第1の複合装置の下流側に設けられており、正極シートと第1のセパレータとの複合位置合わせの程度を検出するための第1の検出装置を含み、及び/又は、
デバイスは、さらに、第2の複合装置の下流側に設けられており、負極シートと第2のセパレータとの複合位置合わせの程度を検出するための第2の検出装置を含む。
【0019】
本願の一つの実施例によれば、デバイスは、さらに、第1の複合装置の上流側に設けられており、正極シートと第1のセパレータとの相対位置を調整するための第1の偏差校正装置を含み、及び/又は、デバイスは、さらに、第2の複合装置の上流側に設けられており、負極シートと第2のセパレータとの相対位置を調整するための第2の偏差校正装置を含む。
【0020】
本願の一つの実施例によれば、デバイスは、さらに、巻回装置の上流側に設けられており、正極複合シート体又は負極複合シート体の張力の程度を調整するための張力調整装置を含む。
【発明の効果】
【0021】
本願の実施例に係る二次電池の電極組立体を製造するデバイスでは、第1の複合装置により、正極シートと第1のセパレータとを予め複合接続し、第2の複合装置により、負極シートと第2のセパレータとを予め複合接続することにより、正極シートと第1のセパレータとを互いに接続して一体に形成し、負極シートと第2のセパレータとを互いに接続して一体に形成する。そして、正極複合シート体及び負極複合シート体をそれぞれ巻回装置の巻回ステーションに搬送して巻回動作を完了する。正極シート及び負極シートはそれぞれ第1のセパレータ及び第2のセパレータの駆動で巻回工程に進入する。このように、正極シート、負極シート及びセパレータがそれぞれ独立して巻回工程に進入する加工方式に対し、本願の実施例に係る二次電池の電極組立体の製造デバイスにおいて、一方では、巻回工程に進入するシート体の総数量を効果的に減少させ、それにより正極シート、負極シート及びセパレータの位置合わせの困難さを低減させ、正極シートと負極シートとの互いに位置ずれの可能性を低減させ、巻回の位置合わせ精度を向上させることに役立つ。他方では、正極シート及び負極シートが巻回工程に進入する時に折り又は皺が発生する可能性を低減させ、電極組立体の良品率を向上させることに役立つ。さらに、正極シート、負極シート及びセパレータは巻回装置に近接する上流側に正極シート及び負極シートの巻込をガイドするための巻込補助機構を設ける必要がなく、それにより部品の使用数を減少させ、デバイスの全体構造を簡略化すると共に、巻回作業効率を向上させることに役立つ。
【0022】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は、本願の実施例に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明された図面は、単に本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、さらに図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本願の実施例に係る二次電池の分解構造概略図である。
図2】本願の実施例の電極組立体の断面構造概略図である。
図3】本願の実施例に係る二次電池の電極組立体を製造するフローチャートである。
図4】本願の実施例に係る二次電池の電極組立体の製造デバイスの構造概略図である。 図面では、実際の比率に応じて描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に図面及び実施例を参照して本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は、本願の原理を例示的に説明するために用いられるが、本願の範囲を限定するものではなく、即ち、本願は、記述された実施例に限定されない。
【0025】
なお、本願の説明において、特に明記しない限り、「複数」の意味は、二つ以上である。「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語の指示する方位又は位置関係は、単に本願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものであり、指された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造し操作しなければならないことを指示するか又は暗示するものではないため、本願を限定するものと理解すべきではない。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示することを理解することができない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差許容範囲内にある。「平行」は、厳密な意味での平行ではなく、誤差許容範囲内にある。
【0026】
下記説明において現れる方向用語は、いずれも図面に示す方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。なお、本願の説明において、特に明示的な規定及び制限がない限り、「取り付ける」、「連結」、及び「接続」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体的に接続されてもよい。また、直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0027】
本願をよりよく理解するために、以下に図1図4を参照して本願の実施例を説明する。
【0028】
図1に示すように、本願の実施例は、二次電池10を提供する。二次電池10は、ケース11と、ケース11内に設けられた電極組立体12と、ケース11にシール接続されたトップカバー組立体とを備える。本願の実施例のケース11は、方形構造又は他の形状である。ケース11は、電極組立体12と電解液を収容する内部空間と、内部空間に連通する開口とを有する。ケース11は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、プラスチック等の材料により製造することができる。
【0029】
図2に示すとおり、本願の実施例の電極組立体12は、正極シート121、負極シート123及びセパレータを含み、ここで、セパレータは、正極シート121と負極シート123との間に介在する絶縁体である。電極組立体12は、本体部とタブを有する。本実施例の本体部全体は扁平状構造であり、所定の厚さ、高さ及び幅を有する。正極シート121の活物質は、正極シート121の塗布領域に塗布され、負極シート123の活物質は、負極シート123の塗布領域に塗布される。本体部の塗布領域から延伸した未塗布領域はタブとし、電極組立体12は、二つのタブ、即ち正極タブ及び負極タブを含み、正極タブは、正極シート121の塗布領域から延伸し、負極タブは、負極シート123の塗布領域から延伸する。
【0030】
図3に示すように、本願の実施例は、正極シート121と第1のセパレータ122とを複合接続して正極複合シート体20を製造するステップと、負極シート123と第2のセパレータ124とを複合接続して負極複合シート体30を製造するステップと、正極複合シート体20を負極複合シート体30と共に電極組立体12として巻回し、巻回されて形成された電極組立体12に含まれる正極シート121及び負極シート123を、第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124により隔離して設置するステップと、を含む二次電池10の電極組立体12の製造方法を提供する。
【0031】
一つの実施例において、正極シート121と第1のセパレータ122とは、静電吸着、熱プレス複合又は接着剤貼付複合などの複合方式により複合接続を完了することができる。正極シート121と第1のセパレータ122とは、正極シート121の厚さ方向に互いに積層されている。負極シート123と第2のセパレータ124とは、静電吸着、プラズマ吸着、熱プレス複合又は接着剤貼付複合などの複合方式により複合接続を完了することができる。負極シート123と第2のセパレータ124とは、負極シート123の厚さ方向に互いに積層されている。
【0032】
本願の実施例において、巻回工程を実行する前に、予め正極シート121と第1のセパレータ122とを複合接続し、負極シート123と第2のセパレータ124とを複合接続することにより、正極シート121と第1のセパレータ122とを互いに接続して一体に形成し、負極シート123と第2のセパレータ124とを互いに接続して一体に形成する。そして、正極複合シート体20と負極複合シート体30とをそれぞれ巻回待ちのステーションに搬送する。正極シート121及び負極シート123は、それぞれ第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124の駆動で巻回工程に進入する。このように、正極シート121、負極シート123及びセパレータがそれぞれ独立して巻回工程に進入する加工方式に対し、本願の実施例に係る二次電池10の電極組立体12を製造する方法は、巻回工程に進入するシート体の総数量を効果的に減少させ、それにより正極シート121、負極シート123及びセパレータの位置合わせの困難さを低減させ、正極シート121と負極シート123との互いに位置ずれの可能性を低減させ、巻回の位置合わせ精度を向上させることに役立つ。ここで、位置合わせとは、正極シート121、負極シート123及びセパレータがそれぞれの幅方向に沿って互いに位置合わせることを指す。一方、正極シート121及び負極シート123が巻回工程に進入する時に折り又は皺が発生する可能性を低減させ、電極組立体12の良品率を効果的に向上させることができる。さらに、正極シート121、負極シート123及びセパレータは、巻回ステーションに近接する上流側に正極シート121及び負極シート123の巻込をガイドするための巻込補助機構、例えば合流フィルムローラ群又は転動材料供給部材を設ける必要がなく、それにより部品の使用数量を減少させ、対応する巻回デバイスの全体構造を簡略化すると共に、巻回作業効率を向上させることに役立つ。
【0033】
一つの実施例において、正極シート121と第1のセパレータ122とが複合接続を完了する前に、正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置の上流側で正極シート121に対し切断工程を実行する。正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置99は、巻回ステーションから離れるため、複合接続位置99の上流側で正極シート121に対し切断工程を実行し、切断過程で生成された粉塵が巻き込まれて粉塵がセパレータを突き破って正極シート121と負極シート123が短絡する可能性を更に効果的に低減させる。正極シート121に対し切断工程を実行した後、正極シート121は、切断箇所の両側にそれぞれ複合接続位置99に近い複合終了端及び複合接続位置99から離れ且つ次の電極組立体12を巻回するための複合開始端を形成する。例示的な実施例において、機械カッター又はレーザーカッターにより切断工程を実行することができる。
【0034】
一つの実施例において、負極シート123と第2のセパレータ124とが複合接続を完了する前に、負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99の上流側で負極シート123に対し切断工程を実行する。負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99は、巻回ステーションから離れるため、複合接続位置99の上流側で負極シート123に対し切断工程を実行し、切断過程で生成された粉塵が巻き込まれて粉塵がセパレータを突き破って正極シート121と負極シート123が短絡する可能性を更に効果的に低減させる。負極シート123に対し切断工程を実行した後、負極シート123は、切断箇所の両側にそれぞれ複合接続位置99に近い複合終了端及び複合接続位置99から離れ且つ次の電極組立体12を巻回するための複合開始端を形成する。例示的な実施例において、機械カッター又はレーザーカッターにより切断工程を実行することができる。
【0035】
例示的な実施例において、正極シート121と第1のセパレータ122とが複合接続を完了する前に、正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置99の上流側で正極シート121に対し切断工程を実行し、同時に負極シート123と第2のセパレータ124とが複合接続を完了する前に、負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99の上流側で負極シート123に対し切断工程を実行する。
【0036】
一つの実施例において、正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置99の上流側に、複合接続前の正極シート121に対し除塵工程を実行し、それにより正極シート121の切断過程で生成された粉塵を除去するか又は外部環境から正極シート121上の複合接続位置99に近接する領域へ進入する粉塵を除去し、粉塵が正極シート121に追従して複合接続を完了した後に形成された正極複合シート体20に残留し且つ正極複合シート体20に追従して巻き込まれる可能性を低減させる。別の実施例において、正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置99の上流側に、複合接続前の第1のセパレータ122に対し除塵工程を実行し、外部環境から第1のセパレータ122上の複合接続位置99に近接する領域へ進入する粉塵を除去し、粉塵が第1のセパレータ122に追従して複合接続を完了した後に形成された正極複合シート体20に残留し且つ正極複合シート体20に追従して巻き込まれる可能性を低減させる。例示的な実施例において、正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置99の上流側に、複合接続前の正極シート121と第1のセパレータ122に対し同時に除塵工程を実行する。
【0037】
一つの実施例において、負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99の上流側に、複合接続前の負極シート123に対し除塵工程を実行し、それにより負極シート123の切断過程で生成された粉塵を除去するか又は外部環境から負極シート123上の複合接続位置99に近接する領域へ進入する粉塵を除去し、粉塵が負極シート123に追従して複合接続を完了した後に形成された負極複合シート体30に残留し且つ負極複合シート体30に追従して巻き込まれる可能性を低減させる。別の実施例において、負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99の上流側に、複合接続前の第2のセパレータ124に対し除塵工程を実行し、外部環境から第2のセパレータ124上の複合接続位置99に近接する領域へ進入する粉塵を除去し、粉塵が第2のセパレータ124に追従して複合接続を完了した後に形成された負極複合シート体30に残留し且つ負極複合シート体30に追従して巻き込まれる可能性を低減させる。例示的な実施例において、負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99の上流側に、複合接続前の負極シート123と第2のセパレータ124に対し同時に除塵工程を実行する。
【0038】
複合接続される正極シート121は、複合開始端を有する。正極シート121が一回の巻回工程が終了して切断された後、複合終了端及び次の巻回工程のための複合開始端を形成する。正極シート121と第1のセパレータ122とを複合して正極複合シート体20を製造するステップにおいて、正極シート121の複合開始端又は複合終了端を第1のセパレータ122に接着して接続し、それにより第1のセパレータ122に複合接続された正極シート121の複合開始端又は複合終了端が複合過程、搬送過程又は巻回過程において折り又は皺が発生する可能性を効果的に低減させる。一例では、正極シート121の複合開始端又は複合終了端はテープにより第1のセパレータ122に接着して接続される。例示的な実施例において、正極シート121の複合開始端と複合終了端を第1のセパレータ122に接着して接続する。
【0039】
複合接続される負極シート123は複合開始端を有する。負極シート123が一回の巻回工程が終了して切断された後、複合終了端及び次の巻回工程のための複合開始端を形成する。負極シート123と第2のセパレータ124とを複合して負極複合シート体30を製造するステップにおいて、負極シート123の複合開始端又は複合終了端を第2のセパレータ124に接着して接続し、それにより第2のセパレータ124に複合接続された負極シート123の複合開始端又は複合終了端が複合過程、搬送過程又は巻回過程において折り又は皺が発生する可能性を効果的に低減させる。一例では、負極シート123の複合開始端又は複合終了端はテープにより第2のセパレータ124に接着して接続される。例示的な実施例において、負極シート123の複合開始端と複合終了端を第2のセパレータ124に接着して接続する。
【0040】
正極複合シート体20を負極複合シート体30と共に電極組立体12として巻回するステップでは、正極複合シート体20又は負極複合シート体30を下から上へ巻回ステーションに搬送し且つ巻回工程を実行する。ここで、下から上へとは垂直方向を基準方向とする。本願の実施例の正極シート121及び負極シート123はそれぞれ第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124と複合接続された後、正極シート121及び負極シート123はそれぞれ第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124に追従して直接的に巻回工程を行うため、本願の実施例の正極複合シート体20又は負極複合シート体30は、下から上へ搬送する方式を採用することができ、同時に正極シート121又は負極シート123の複合開始端及び複合終了端は自身の重力の作用下で垂れ下がりが発生して折り又は皺が発生することがなく、また正極複合シート体20又は負極複合シート体30を搬送する過程において、それぞれ搬送された粉塵は自身の重力作用で離脱し且つ落下し、それにより、粉塵が正極複合シート体20又は負極複合シート体30に追従して巻回されて形成された電極組立体12内に進入して電極組立体12の使用安全に影響を与える可能性を低減させる。例示的な実施例では、正極複合シート体20及び負極複合シート体30を下から上へ巻回ステーションに搬送し且つ巻回工程を実行する。
【0041】
本願の実施例に係る二次電池10の電極組立体12を製造する方法では、予め正極シート121と第1のセパレータ122及び負極シート123と第2のセパレータ124を複合接続し、次に正極複合シート体20と負極複合シート体30の二つのシート体を巻回する方式を採用するため、正極シート121、負極シート123及び二つのセパレータをそれぞれ独立して巻回する方式に対し、本願の実施例の方法は、正極シート121、負極シート123及び二つのセパレータが巻き込まれるようにガイドするための巻込補助機構を設置する必要とせず、それにより、部品の使用数を減少させ、同時に正極シート121、負極シート123、第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124の位置合わせ精度をより保証しやすく、正極シート121、負極シート123及びセパレータが位置ずれて電極組立体12の電気的性能に影響する可能性を低減させる。
【0042】
図4に示すように、本願の実施例は、二次電池10の電極組立体12を製造するデバイス100を提供し、上記実施例の二次電池10の電極組立体12を製造する方法を実行するために用いることができる。本実施例のデバイス100は、正極材料供給装置101、第1のセパレータ供給装置102、第1の複合装置103、負極材料供給装置104、第2のセパレータ供給装置105、第2の複合装置106及び巻回装置107を含む。
【0043】
正極材料供給装置101は、正極シート121の材料ローラを取り付けて固定し、次に巻き出し機構により正極シート121を出力するために用いられる。正極シート121は、搬送ローラ群の駆動により複合接続位置99に向かって移動する。第1のセパレータ供給装置102は、セパレータの材料ローラを取り付けて固定し、次に巻き出し機構により第1のセパレータ122を出力するために用いられる。第1のセパレータ122は、搬送ローラ群の駆動により複合接続位置99に向かって移動する。第1の複合装置103は、正極材料供給装置101と第1のセパレータ供給装置102の下流側に設けられている。正極シート121及び第1のセパレータ122は、いずれも第1の複合装置103に搬送され、次に第1の複合装置103は、正極シート121及び第1のセパレータ122を複合接続して正極複合シート体20を製造する。一例では、第1の複合装置103は、熱プレス機構を含む。正極シート121と第1のセパレータ122とは、熱プレス機構によって熱プレス複合されている。別の例において、第1の複合装置103は、静電発生器を含む。正極シート121と第1のセパレータ122とは、静電吸着によって複合接続されている。別の例において、第1の複合装置103は、接着剤貼付機構を含む。正極シート121と第1のセパレータ122とは接着剤貼付方式により複合接続を実現する。正極シート121と第1のセパレータ122とは、厚さ方向に互いに重ね合わせて複合されている。
【0044】
負極材料供給装置104は、負極シート123の材料ローラを取り付けて固定し、次に巻き出し機構により負極シート123を出力するために用いられる。負極シート123は、搬送ローラ群の駆動により複合接続位置99に向かって移動する。第2のセパレータ供給装置105は、セパレータの材料ローラを取り付けて固定し、次に巻き出し機構により第2のセパレータ124を出力するために用いられる。第2のセパレータ124は、搬送ローラ群の駆動により複合接続位置99に向かって移動する。第2の複合装置106は、負極材料供給装置104と第2のセパレータ供給装置105の下流側に設けられている。負極シート123及び第2のセパレータ124は、いずれも第2の複合装置106に搬送され、次に第2の複合装置106は、負極シート123と第2のセパレータ124を複合接続して負極複合シート体30を製造する。一例では、第2の複合装置106は、熱プレス機構を含む。負極シート123と第2のセパレータ124とは、熱プレス機構によって熱プレス複合されている。別の例において、第2の複合装置106は、静電発生器を含む。負極シート123と第2のセパレータ124とは、静電吸着によって複合接続されている。別の例では、第2の複合装置106は、接着剤貼付機構を含む。負極シート123と第2のセパレータ124は、接着剤貼付方式により複合接続を実現する。負極シート123と第2のセパレータ124とは、厚さ方向に互いに重ね合わせて複合されている。
【0045】
巻回装置107は、第1の複合装置103と第2の複合装置106の下流側に設けられている。正極複合シート体20及び負極複合シート体30は、巻回装置107に搬送される。巻回装置107は、正極複合シート体20と負極複合シート体30とを巻回して、電極組立体12を作製する。
【0046】
一つの実施例では、第1の複合装置103と第2の複合装置106は、巻回装置107の両側に対称的に設けられており、それにより正極シート121と負極シート123がそれぞれ対応する複合接続位置99の位置の一致性及び複合接続後に形成された正極複合シート体20と負極複合シート体30の巻込位置の一致性を保証し、巻回後の正極シート121と負極シート123の位置合わせ精度を向上させることに役立つ。
【0047】
実施例において、デバイス100は、さらに張力調整装置108を含む。張力調整装置108は、巻回装置107の上流側に設けられており、正極複合シート体20又は負極複合シート体30の張力の程度を調整するために用いられる。
【0048】
本願の実施例に係る二次電池10の電極組立体12を製造するデバイス100では、第1の複合装置103により、正極シート121と第1のセパレータ122とを予め複合接続し、第2の複合装置106により、負極シート123と第2のセパレータ124とを予め複合接続することにより、正極シート121と第1のセパレータ122とを互いに接続して一体に形成し、負極シート123と第2のセパレータ124とを互いに接続して一体に形成する。そして、正極複合シート体20及び負極複合シート体30をそれぞれ巻回装置107の巻回ステーションに搬送して巻回動作を完了する。正極シート121及び負極シート123はそれぞれ第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124の駆動で巻回工程に進入する。このように、正極シート121、負極シート123及びセパレータがそれぞれ独立して巻回工程に進入する加工方式に対し、本願の実施例に係る二次電池10の電極組立体12を製造するデバイス100において、一方では、巻回工程に進入するシート体の総数量を効果的に減少させ、それにより正極シート121、負極シート123及びセパレータの位置合わせの困難さを低減させ、正極シート121と負極シート123との互いに位置ずれの可能性を低減させ、巻回の位置合わせ精度を向上させることに役立つ。他方では、正極シート121及び負極シート123が巻回工程に進入する時に折り又は皺が発生する可能性を低減させ、電極組立体12の良品率を向上させることに役立つ。さらに、正極シート121、負極シート123及びセパレータは、巻回装置107に近接する上流側に、正極シート121及び負極シート123の巻込をガイドするための巻込補助機構を設けることを必要とせず、それにより部品の使用数を減少させ、デバイス100の全体構造を簡略化すると共に、巻回作業効率を向上させることに役立つ。
【0049】
実施例において、デバイス100は、さらに正極シート121を切断するための正極シートカッター109を含む。正極シートカッター109は、第1の複合装置103の上流側に設けられている。正極シートカッター109は、正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置99の上流側で正極シート121を切断するためのものである。一例では、正極シートカッター109は、刃物及び刃物台を含む。正極シート121は、刃物と刃物台との間を通過する。正極シート121を切断する必要がある時、刃物と刃物台が互いに近接して正極シート121を切断する。一例において、正極シートカッター109は、レーザーにより正極シート121を切断するレーザーカッターであってもよい。正極シート121と第1のセパレータ122とが複合接続を完了する前に、正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置99の上流側で正極シート121に対し切断工程を実行する。正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置99は巻回ステーションから離れるため、複合接続位置99の上流側で正極シート121に対し切断工程を実行し、切断過程で生成された粉塵が巻き込まれて粉塵がセパレータを突き破って正極シート121と負極シート123が短絡する可能性を更に効果的に低減させる。実施例において、デバイス100は、さらに負極シート123を切断するための負極シートカッター110を含む。負極シートカッター110は、第2の複合装置106の上流側に設けられている。負極シートカッター110は、負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99の上流側で負極シート123を切断するためのものである。一例では、負極シートカッター110は、刃物及び刃物台を含む。負極シート123は、刃物と刃物台との間を通過する。負極シート123を切断する必要がある場合、刃物と刃物台は互いに近接して負極シート123を切断する。一例において、負極シートカッター110は、レーザーにより負極シート123を切断するレーザーカッターであってもよい。負極シート123と第2のセパレータ124とが複合接続を完了する前に、負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99の上流側で負極シート123に対し切断工程を実行する。負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99は、巻回ステーションから離れるため、複合接続位置99の上流側で負極シート123に対し切断工程を実行し、切断過程で生成された粉塵が巻き込まれて粉塵がセパレータを突き破って正極シート121と負極シート123が短絡する可能性を更に効果的に低減させる。例示的な実施例において、デバイス100は、正極シート121を切断するための正極シートカッター109及び負極シート123を切断するための負極シートカッター110を含む。
【0050】
実施例において、デバイス100は、さらに第1の除塵装置111を含む。第1の除塵装置111は、第1の複合装置103の上流側に設けられており、複合接続前の正極シート121及び/又は第1のセパレータ122に対し除塵工程を実行するために用いられる。第1の除塵装置111は、正極シートカッター109に近接している。正極シート121と第1のセパレータ122との複合接続位置99の上流側で、第1の除塵装置111により複合接続前の正極シート121及び/又は第1のセパレータ122に対し除塵工程を実行し、それにより正極シート121の切断過程で生成された粉塵を除去し、又は外部環境から複合接続位置99の近傍領域に入った粉塵を除去し、複合接続を完了した後に形成された正極複合シート体20に粉塵が残留し且つ正極複合シート体20に追従して巻き込まれる可能性を低減させることができる。一例では、第1の除塵装置111は、吸塵管路と、吸塵管路に接続された負圧発生器とを含む。実施例において、デバイス100は、さらに第2の除塵装置112を含む。第2の除塵装置112は、第2の複合装置106の上流側に設けられており、複合接続前の負極シート123及び/又は第2のセパレータ124に対し除塵工程を実行するために用いられる。第2の除塵装置112は、負極シートカッター110に近接している。負極シート123と第2のセパレータ124との複合接続位置99の上流側で、第2の除塵装置112により複合接続前の負極シート123及び/又は第2のセパレータ124に対し除塵工程を実行し、それにより負極シート123の切断過程で生成された粉塵を除去し、又は外部環境から複合接続位置99の近傍領域に入った粉塵を除去し、複合接続を完了した後に形成された負極複合シート体30に粉塵が残留し且つ負極複合シート体30に追従して巻き込まれる可能性を低減させる。一例では、第2の除塵装置112は、吸塵管路と、吸塵管路に接続された負圧発生器とを含む。
【0051】
実施例において、巻回装置107は、巻き針107a、正極巻込ガイドローラ群107c及び負極巻込ガイドローラ群107dを含む。正極巻込ガイドローラ群107c及び負極巻込ガイドローラ群107dは、いずれも巻き針107aの上流側に設けられている。一例では、正極巻込ガイドローラ群107c及び負極巻込ガイドローラ群107dは、いずれも巻き針107aの下方に設けられている。正極巻込ガイドローラ群107cは、正極複合シート体20を下から上へ巻き針107aに直接的に搬送する。負極巻込ガイドローラ群107dは、負極複合シート体30を下から上へ巻き針107aに直接的に搬送する。一例では、巻き針107aは、互いに接近又は離間可能な二つの半軸を含む。二つの半軸の間に予め第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124の開始端を挟み、次に巻き針107aを所定の回転数だけ回転させ、第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124を所定の長さで巻回する。その後、正極シート121及び負極シート123はそれぞれ第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124により駆動されて巻き針107aに進入し巻回される。正極シート121及び負極シート123を所定の長さで巻回した後、正極シート121及び負極シート123を切断する。正極シート121及び負極シート123が巻き終わると、巻き針107aを、所定の回転数だけ回転し続けさせ、第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124を巻き続ける。第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124を所定の長さで巻回した後、第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124を切断し、且つ最終的に巻回動作を完了する。二つの半軸を開き、電極組立体12を巻き針107aから外し、材料仕込みを完了する。一例では、巻回装置107は回転ベース107bと、回転ベース107bに間隔を隔てて設けられた二つの巻き針107aを含む。第1の巻き針107aが巻回動作を完了した後、回転ベース107bを回転させることにより、第1の巻き針107aを、材料仕込みステーションまで回転させ、第2の巻き針107aを巻回ステーションまで回転させる。第2の巻き針107aは、第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124を挟み、次にセパレータカッター113により二つの巻き針107aの間で第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124を切断することができる。二つの巻き針107aを、順次循環使用して巻回動作を実行し、それにより二次電池10の電極組立体12を製造するデバイス100を使用して複数の電極組立体12を巻回する過程において、第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124に対し、開始段階で巻込動作を一回だけ実行すればよく、その後に、二つの巻き針107aは、第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124を交互に挟持して巻回動作を連続的に実行し、第1のセパレータ122及び第2のセパレータ124が巻込動作を実行することを必要とせず、巻回作業効率を効果的に向上させることができる。巻き針107aの数は、上記の二つに限定されず、三つ以上であってもよい。各巻き針107aは、いずれも回転ベース107bの駆動で材料仕込みステーションと巻回ステーションとに切り替えることができる。一例では、正極巻込ガイドローラ群107c及び負極巻込ガイドローラ群107dは、巻回ステーションにある巻き針107aの両側に対称的に設けられており、それにより正極複合シート体20と負極複合シート体30の巻込位置の一致性を保証し、巻回後の正極シート121と負極シート123の位置合わせ精度を向上させることに役立つ。
【0052】
一つの実施例において、デバイス100は、第1の接着剤貼付装置114を含む。第1の接着剤貼付装置114は、第1の複合装置103の下流側に設けられている。第1の接着剤貼付装置114により、正極シート121の複合開始端又は複合終了端を第1のセパレータ122に接着して接続し、それにより第1のセパレータ122に複合接続された正極シート121の複合開始端又は複合終了端が複合過程、搬送過程又は巻回過程において折り又は皺が発生する可能性をさらに効果的に低減させる。例示的な実施例において、正極シート121の複合開始端と複合終了端を第1のセパレータ122に接着して接続する。一例では、第1の接着剤貼付装置114は、テープ出力機構、テープ貼付機構及びテープ切断機構を含む。正極シート121の複合開始端および複合終了端の少なくとも一方は、テープを介して第1のセパレータ122に接着して接続される。一つの実施例において、デバイス100は、第2の接着剤貼付装置115を含む。第2の接着剤貼付装置115は、第2の複合装置106の下流側に設けられている。第2の接着剤貼付装置115により、負極シート123の複合開始端又は複合終了端を第2のセパレータ124に接着して接続し、それにより第2のセパレータ124に複合接続された負極シート123の複合開始端又は複合終了端が複合過程、搬送過程又は巻回過程において折り又は皺が発生する可能性をさらに効果的に低減させる。例示的な実施例において、負極シート123の複合開始端と複合終了端を第2のセパレータ124に接着して接続する。一例では、第2の接着剤貼付装置115は、テープ出力機構、テープ貼付機構及びテープ切断機構を含む。負極シート123の複合開始端又は複合終了端はテープにより第2のセパレータ124に接着して接続される。例示的な実施例において、デバイス100は、第1の接着剤貼付装置114及び第2の接着剤貼付装置115を含む。
【0053】
一つの実施例において、デバイス100は、さらに正極シート121と第1のセパレータ122との複合位置合わせの程度を検出するための第1の検出装置116を含む。第1の検出装置116は、第1の複合装置103の下流側に設けられており、正極シート121と第1のセパレータ122との複合後の位置合わせの程度をリアルタイムに検出することができる。正極シート121と第1のセパレータ122との位置合わせの程度が精度要件に達する時に、正極複合シート体20は、巻回装置107に搬送して巻回することができ、それにより巻回後の電極組立体12の良品率及び品質を保証することに役立つ。一例では、第1の検出装置116は、位置合わせの程度を検出するための工業カメラ又は光電センサを含む。一つの実施例において、デバイス100は、さらに負極シート123と第2のセパレータ124の複合位置合わせの程度を検出するための第2の検出装置117を含む。第2の検出装置117は、第2の複合装置106の下流側に設けられており、負極シート123と第2のセパレータ124の複合後の位置合わせの程度をリアルタイムに検出することができる。負極シート123と第2のセパレータ124との位置合わせの程度が精度要件に達する時、負極複合シート体30は、巻回装置107に搬送して巻回することができ、それにより巻回後の電極組立体12の良品率及び品質を保証することに役立つ。一例では、第2の検出装置117は、位置合わせの程度を検出するための工業カメラ又は光電センサを含む。例示的な実施例において、デバイス100は、さらに第1の検出装置116及び第2の検出装置117を含む。
【0054】
一つの実施例において、デバイス100は、さらに正極シート121及び第1のセパレータ122の位置合わせの程度を調整するための第1の偏差校正装置118を含む。正極シート121と第1のセパレータ122が複合する前に、第1の偏差校正装置118は、正極シート121の幅方向に沿って正極シート121と第1のセパレータ122との相対位置を調整することにより、正極シート121と第1のセパレータ122との位置合わせの程度が製品の要求を満たし、巻回電極組立体12の良品率を向上させることに役立つ。一例において、デバイス100は、第1の検出装置116を含む。第1の偏差校正装置118は、第1の検出装置116と通信接続されている。第1の検出装置116は、正極シート121と第1のセパレータ122との間の位置合わせの程度が要求を満たさないことを検出した場合、信号を第1の偏差校正装置118に送信し、次に第1の偏差校正装置118は偏差校正動作を実行することにより、正極シート121と第1のセパレータ122との位置合わせの程度を調整する。一つの実施例において、デバイス100は、さらに負極シート123及び第2のセパレータ124の位置合わせの程度を調整するための第2の偏差校正装置119を含む。負極シート123と第2のセパレータ124が複合する前に、第2の偏差校正装置119は、負極シート123の幅方向に沿って負極シート123と第2のセパレータ124との相対位置を調整することにより、負極シート123と第2のセパレータ124との間の位置合わせの程度が製品の要求を満たし、巻回電極組立体12の良品率を向上させることに役立つ。一例において、デバイス100は、第2の検出装置117を含む。第2の偏差校正装置119は、第2の検出装置117と通信接続されている。第2の検出装置117は、負極シート123と第2のセパレータ124との間の位置合わせの程度が要求を満たさないことを検出した場合、信号を第2の偏差校正装置119に送信し、次に第2の偏差校正装置119は偏差校正動作を実行することにより、負極シート123と第2のセパレータ124との位置合わせの程度を調整する。例示的な実施例において、デバイス100は、さらに第1の偏差校正装置118及び第2の偏差校正装置119を含む。
【0055】
本願の実施例に係る二次電池10の電極組立体12を製造するデバイス100では、予め正極シート121と第1のセパレータ122及び負極シート123と第2のセパレータ124を複合接続することにより正極複合シート体20及び負極複合シート体30を製造し、それにより正極シート121と第1のセパレータ122とを一体に接続し、負極シート123と第2のセパレータ124とを一体に接続し、次に正極複合シート体20と負極複合シート体30を巻回して電極組立体12を形成する。このように、本願の実施例のデバイス100は、正極シート121、負極シート123及びセパレータがそれぞれ単独で巻き込まれて巻回される必要がなく、正極シート121及び負極シート123が単独で巻回工程に進入する時に折り又は皺が発生し、又、正極シート121及び負極シート123が互いに位置ずれる可能性を低減させ、電極組立体12の良品率を効果的に向上させることができる。一方、正極シート121、負極シート123及びセパレータは、巻回装置107に近接する上流側に正極シート121及び負極シート123の巻込をガイドするための巻込補助機構を設ける必要がなく、それにより、部品の使用数を減少させ、デバイス100の全体構造を簡略化すると共に、巻回作業効率を向上させることに役立つ。
【0056】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、それに対し様々な改良を行うことができ、且つ等価物でその中の部材を取り替えることができる。特に、構造衝突が存在しない限り、各実施例に言及された各技術的特徴は、いずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に陥る全ての技術案を含む。
【符号の説明】
【0057】
10 二次電池
11 ケース
12 電極組立体
121 正極シート
122 第1のセパレータ
123 負極シート
124 第2のセパレータ
20 正極複合シート体
30 負極複合シート体
99 複合接続位置
100 デバイス
101 正極材料供給装置
102 第1のセパレータ供給装置
103 第1の複合装置
104 負極材料供給装置
105 第2のセパレータ供給装置
106 第2の複合装置
107 巻回装置
107a 巻き針
107b 回転ベース
107c 正極巻込ガイドローラ群
107d 負極巻込ガイドローラ群
108 張力調整装置
109 正極シートカッター
110 負極シートカッター
111 第1の除塵装置
112 第2の除塵装置
113 セパレータカッター
114 第1の接着剤貼付装置
115 第2の接着剤貼付装置
116 第1の検出装置
117 第2の検出装置
118 第1の偏差校正装置
119 第2の偏差校正装置
図1
図2
図3
図4