(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】光増幅器、光信号処理方法、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04B 10/294 20130101AFI20231107BHJP
【FI】
H04B10/294
(21)【出願番号】P 2022529332
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2020100848
(87)【国際公開番号】W WO2021103553
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】201911203051.3
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 楷
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 波
(72)【発明者】
【氏名】▲ドン▼ ▲寧▼
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-128157(JP,A)
【文献】特開2000-252923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/294
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器(DGE)、および制御回路を備えている光増幅器であって、前記少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを備え、
前記光スイッチの入力端は、前記第1段の光増幅器ユニットの出力端および前記第2段の光増幅器ユニットの出力端に別々に接続され、
前記光スイッチの前記入力端が、前記第2段の光増幅ユニットの前記出力端に直接接続され、前記光スイッチの出力端は、前記第2段の光増幅器ユニットの入力端および前記DGEの入力端に別々に接続され、
前記光スイッチは、前記光増幅器の少なくとも2つの利得モードを設定するように構成され、前記光増幅器の増幅倍数は、前記光増幅器が異なる利得モードにある場合、異なっており、
前記第1段の光増幅器ユニットは、前記光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、前記第2段の光増幅器ユニットは、前記光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成され、
前記制御回路は、前記光スイッチおよび前記DGEに別々に接続され、前記制御回路は、前記光スイッチを制御して前記少なくとも2つの利得モードを設定し、前記光スイッチによって設定された前記少なくとも2つの利得モードに基づいて、前記DGEの減衰スペクトルを調整するように構成され、
前記DGEは、調整された減衰スペクトルに基づいて、前記光スイッチによって出力された第2の光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するように構成される、光増幅器。
【請求項2】
前記光スイッチは、第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを備え、
前記第1の入力ポートは、前記第1段の光増幅器ユニットの前記出力端に接続され、前記第2の入力ポートは、前記第2段の光増幅器ユニットの前記出力端に接続され、前記第1の出力ポートは、前記第2段の光増幅器ユニットの前記入力端に接続され、前記第2の出力ポートは、前記DGEの前記入力端に接続され、前記DGEの出力端は、前記光増幅器の出力ポートに接続される請求項1に記載の光増幅器。
【請求項3】
前記少なくとも2つの利得モードは、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含み、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第1の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記光スイッチ、前記第2段の光増幅器ユニット、前記光スイッチ、および前記DGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の入力ポートは前記第1の出力ポートに接続され、前記第2の入力ポートは前記第2の出力ポートに接続され、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第2の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記光スイッチ、および前記DGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の入力ポートは前記第2の出力ポートに接続される請求項2に記載の光増幅器。
【請求項4】
前記少なくとも2段の光増幅器ユニットは、前記DGEの前記出力端と前記光増幅器の出力端の間に接続された第3段の光増幅器ユニットをさらに備え、
前記光増幅器の利得モードが前記第1の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号は、前記第1段の光増幅器ユニット、前記第2段の光増幅器ユニット、および前記第3段の光増幅器ユニットを含む3段の光増幅器ユニットによって増幅された後に、出力され、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第2の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号は、前記第1段の光増幅器ユニットおよび前記第
3段の光増幅器ユニットを含む2段の光増幅器ユニットによって増幅された後に、出力される請求項3に記載の光増幅器。
【請求項5】
前記制御回路は、前記光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータに基づいて前記DGEの前記減衰スペクトルを調整するようにさらに構成される請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光増幅器。
【請求項6】
少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器(DGE)、および制御回路を備えている光増幅器であって、前記少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを備え、
前記DGEは、前記第1段の光増幅器ユニットの出力端と前記光スイッチの入力端の間に配置され、前記光スイッチの出力端は、前記第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続され、
前記光スイッチは、前記光増幅器の少なくとも2つの利得モードを設定するように構成され、前記光増幅器の増幅倍数は、前記光増幅器が異なる利得モードにある場合、異なっており、
前記第1段の光増幅器ユニットは、前記光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、前記第2段の光増幅器ユニットは、前記光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成され、
前記制御回路は、前記光スイッチおよび前記DGEに別々に接続され、前記制御回路は、前記光スイッチを制御して前記少なくとも2つの利得モードを設定し、前記光スイッチによって設定された前記少なくとも2つの利得モードに基づいて、前記DGEの減衰スペクトルを調整するように構成され、
前記DGEは、調整された減衰スペクトルに基づいて、前記第1段の光増幅器ユニットによって出力された光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するように構成される、光増幅器。
【請求項7】
1つの光スイッチが存在し、前記光スイッチが第1の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを備えている場合、前記光増幅器は結合器をさらに備え、
前記第1の入力ポートは、前記DGEの出力端に接続され、前記第1の出力ポートは、前記第2段の光増幅器ユニットの前記入力端に接続され、前記第2の出力ポートおよび前記第2段の光増幅器ユニットの出力端の両方は、前記結合器に接続され、前記結合器は、前記光増幅器の出力ポートに接続される請求項6に記載の光増幅器。
【請求項8】
前記少なくとも2つの利得モードは、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含み、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第1の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記光スイッチ、前記第2段の光増幅器ユニット、および前記結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の入力ポートは前記第1の出力ポートに接続され、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第2の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記光スイッチ、および前記結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の入力ポートは前記第2の出力ポートに接続される請求項7に記載の光増幅器。
【請求項9】
前記少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第3段の光増幅器ユニットをさらに含み、2つの光スイッチが存在し、前記2つの光スイッチは第1の光スイッチおよび第2の光スイッチを含み、前記第1の光スイッチは第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを備え、前記第2の光スイッチは第3の入力ポート、第4の入力ポート、第3の出力ポート、および第4の出力ポートを備え、
前記第1の光スイッチの場合、前記第1の入力ポートは前記DGEに接続され、前記第
1の出力ポートは前記第2段の光増幅器ユニットの前記入力端に接続され、前記第2の入力ポートは前記第4の出力ポートに接続され、前記第2の出力ポートは前記第3段の光増幅器ユニットの入力端に接続され、
前記第2の光スイッチの場合、前記第3の入力ポートは前記第2段の光増幅器ユニットの出力端に接続され、前記第4の入力ポートは前記第3段の光増幅器ユニットの出力端に接続され、前記第3の出力ポートは前記光増幅器の出力ポートに接続される請求項6に記載の光増幅器。
【請求項10】
前記少なくとも2つの利得モードは、第1の利得モード、第2の利得モード、および第3の利得モードを含み、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第1の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記第1の光スイッチ、前記第2段の光増幅器ユニット、および前記第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の入力ポートは前記第1の出力ポートに接続され、前記第2の入力ポートは前記第2の出力ポートに接続され、前記第3の入力ポートは前記第3の出力ポートに接続され、前記第4の入力ポー
トは前記第4の出力ポートに接続され、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第2の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記第1の光スイッチ、前記第3段の光増幅器ユニット、および前記第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の入力ポートは前記第2の出力ポートに接続され、前記第4の入力ポートは前記第3の出力ポートに接続され、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第3の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記第1の光スイッチ、前記第2段の光増幅器ユニット、前記第2の光スイッチ、前記第3段の光増幅器ユニット、および前記第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の入力ポートは前記第1の出力ポートに接続され、前記第2の入力ポートは前記第2の出力ポートに接続され、前記第3の入力ポートは前記第4の出力ポートに接続され、前記第4の入力ポートは前記第3の出力ポートに接続される請求項9に記載の光増幅器。
【請求項11】
前記制御回路は、前記光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータに基づいて前記DGEの前記減衰スペクトルを調整するようにさらに構成される請求項6乃至10のいずれか一項に記載の光増幅器。
【請求項12】
光増幅器に適用される光信号処理方法であって、前記光増幅器は少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器(DGE)、および制御回路を備え、前記少なくとも2段の光増幅器ユニットは第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含み、前記光スイッチの入力端は前記第1段の光増幅器ユニットの出力端および前記第2段の光増幅器ユニットの出力端に別々に接続され、
前記光スイッチの前記入力端が、前記第2段の光増幅ユニットの前記出力端に直接接続され、前記光スイッチの出力端は前記第2段の光増幅器ユニットの入力端および前記DGEの入力端に別々に接続され、前記制御回路は前記光スイッチおよび前記DGEに別々に接続され、
前記方法は、
システム設定命令を取得するステップであって、前記システム設定命令は前記光増幅器の利得レンジを含む、ステップと、
前記光増幅器の前記利得レンジに基づいて、前記光スイッチを制御して、前記少なくとも2段の光増幅器ユニットの各々の少なくとも2つの利得モードおよび動作状態を設定するステップであって、前記第1段の光増幅器ユニットは、前記光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、前記第2段の光増幅器ユニットは、前記光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成される、ステップと、
前記光スイッチによって設定された前記少なくとも2つの利得モードに基づいて、前記DGEの減衰スペクトルを調整するステップと、
前記DGEを制御して、調整された減衰スペクトルに基づいて、前記光スイッチによって出力された第2の光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するステップと
を含む、光信号処理方法。
【請求項13】
前記光スイッチは、第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを備え、
前記少なくとも2つの利得モードは、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含み、
前記光スイッチを前記制御して少なくとも2つの利得モードを設定することは、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第1の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記光スイッチ、前記第2段の光増幅器ユニット、前記光スイッチ、および前記DGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の出力ポートに接続されるように前記第1の入力ポートを制御し、前記第2の出力ポートに接続されるように前記第2の入力ポートを制御するステップと、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第2の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記光スイッチ、および前記DGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第2の出力ポートに接続されるように前記第1の入力ポートを制御するステップと
を含む請求項12に記載の光信号処理方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータを取得するステップと、
前記光増幅器の前記入力ポートデータおよび/または前記出力ポートデータに基づいて、前記DGEの前記減衰スペクトルを調整するステップと
をさらに含む請求項12または13に記載の光信号処理方法。
【請求項15】
光増幅器に適用される光信号処理方法であって、前記光増幅器は少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器(DGE)、および制御回路を備え、前記少なくとも2段の光増幅器ユニットは第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含み、前記DGEは前記第1段の光増幅器ユニットの出力端と前記光スイッチの入力端の間に配置され、前記光スイッチの出力端は前記第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続され、前記制御回路は前記光スイッチおよび前記DGEに別々に接続され、
前記方法は、
システム設定命令を取得するステップであって、前記システム設定命令は前記光増幅器の利得レンジを含む、ステップと、
前記光増幅器の前記利得レンジに基づいて、前記光スイッチを制御して、前記少なくとも2段の光増幅器ユニットの各々の少なくとも2つの利得モードおよび動作状態を設定するステップであって、前記第1段の光増幅器ユニットは、前記光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、前記第2段の光増幅器ユニットは、前記光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成される、ステップと、
前記光スイッチによって設定された前記少なくとも2つの利得モードに基づいて、前記DGEの減衰スペクトルを調整するステップと、
前記DGEを制御して、調整された減衰スペクトルに基づいて、前記第1段の光増幅器ユニットによって出力された光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するステップとを含む、光信号処理方法。
【請求項16】
1つの光スイッチが存在し、前記光スイッチが第1の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを備えている場合、前記光増幅器は結合器をさらに備え、
前記少なくとも2つの利得モードは、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含み、
前記光スイッチを前記制御して少なくとも2つの利得モードを設定することは、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第1の利得モードである場合に、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記光スイッチ、前記第2段の光増幅器ユニット、および前記結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の出力ポートに接続されるように前記第1の入力ポートを制御するステップと、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第2の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記光スイッチ、および前記結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第2の出力ポートに接続されるように前記第1の入力ポートを制御するステップと
を含む請求項15に記載の光信号処理方法。
【請求項17】
前記少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第3段の光増幅器ユニットをさらに含み、2つの光スイッチが存在し、前記2つの光スイッチは第1の光スイッチおよび第2の光スイッチを含み、前記第1の光スイッチは第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを備え、前記第2の光スイッチは第3の入力ポート、第4の入力ポート、第3の出力ポート、および第4の出力ポートを備え、
前記少なくとも2つの利得モードは、第1の利得モード、第2の利得モード、および第3の利得モードを含み、
前記光スイッチを前記制御して少なくとも2つの利得モードを設定することは、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第1の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記第1の光スイッチ、前記第2段の光増幅器ユニット、および前記第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の出力ポートに接続されるように前記第1の入力ポートを制御し、前記第2の出力ポートに接続されるように前記第2の入力ポートを制御し、前記第3の出力ポートに接続されるように前記第3の入力ポートを制御し、前記第4の出力ポートに接続されるように前記第4の入力ポートを制御するステップと、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第2の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記第1の光スイッチ、前記第3段の光増幅器ユニット、および前記第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第2の出力ポートに接続されるように前記第1の入力ポートを制御し、前記第3の出力ポートに接続されるように前記第4の入力ポートを制御するステップと、
前記光増幅器の前記利得モードが前記第3の利得モードである場合、前記光増幅器の前記入力光信号が前記第1段の光増幅器ユニット、前記DGE、前記第1の光スイッチ、前記第2段の光増幅器ユニット、前記第2の光スイッチ、前記第3段の光増幅器ユニット、および前記第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、前記第1の出力ポートに接続されるように前記第1の入力ポートを制御し、前記第2の出力ポートに接続されるように前記第2の入力ポートを制御し、前記第4の出力ポートに接続されるように前記第3の入力ポートを制御し、前記第3の出力ポートに接続されるように前記第4の入力ポートを制御するステップと
を含む請求項15に記載の光信号処理方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータを取得するステップと、
前記光増幅器の前記入力ポートデータおよび/または前記出力ポートデータに基づいて、前記DGEの前記減衰スペクトルを調整するステップと
をさらに含む請求項15乃至17のいずれか一項に記載の光信号処理方法。
【請求項19】
コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が命令を格納し、前記命令がコンピュータ上で実行された場合、前記コンピュータは、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされるか、または前記コンピュータは、請求項15乃至18のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光ファイバ通信技術の分野に関し、詳細には、光増幅器、光信号処理方法、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれている、2019年11月29日に国家知識産権局に出願された中国特許出願第201911203051.3号「OPTICAL AMPLIFIER, OPTICAL SIGNAL PROCESSING METHOD, AND STORAGE MEDIUM」の優先権を主張する。
【0003】
光増幅器は、光ファイバ伝送リンクにおいて最も重要なデバイスの1つである。リピータとしての光増幅器は、光ファイバ伝送リンクでの伝送中に光信号が受けるパワー損失を補うように構成される。しかし、光ネットワーク内の異なる光ケーブルの長さ、受動コンポーネントの性能における違いなどに起因して、異なる距離を有する光ファイバ伝送リンクには、異なる利得を有する光増幅器が必要とされる。
【0004】
図1は、2段の光増幅器ユニットの従来の光増幅器
の構造の概略図である。
図1に示されているように、光増幅器は、2段の光増幅器ユニット、利得等化器、および可変光減衰器(variable optical attenuator,VOA)を含む。光増幅器ユニットの各段は、入出力ポート、光アイソレータ(isolator,ISO)、波長分割マルチプレクサ(wavelength division multiplexer,WDM)、ポンプレーザ、およびエルビウム添加光ファイバ(erbium-doped optical fiber,EDF)を含む。EDFの長さは、光増幅器ユニットの各段の利得間隔の最大値および最小値を物理的に決定する。光増幅器の中間段の光ファイバ伝送リンクの光信号対ノイズ比(optical signal-to-noise ratio,OSNR)は、VOAの減衰値を調整することによって変更されてよい。しかし、異なる光サービスの伝送が最小OSNR要件を有するため、光増幅器のノイズ値(noise figure,NF)性能は、光増幅器のダイナミックレンジ(すなわち、光増幅器の調整可能な利得の範囲)を制限する。一般に、ダイナミックレンジが大きいほど、光増幅器がより多くのリンク損失状況に対処できることを示す。したがって、ダイナミックレンジが大きい場合、光増幅器のNF性能が、必然的に悪化する。
【0005】
従来技術では、光増幅器のNF性能悪化問題を軽減するために、改良された光増幅器が提案された。具体的には、
図2が、従来技術において提案された、改良された光増幅器である。
図2に示されているように、改良された光増幅器は、4段の光増幅器ユニット(第1段の光増幅器ユニットから第4段の光増幅器ユニット)を含む。光増幅器ユニットの4つの段の間で、4つの光スイッチ(第1の光スイッチから第4の光スイッチ)を使用することによって、光信号が通過する光増幅器ユニットの量および順序が制御される。特定の接続関係の場合、
図2を参照すると、改良された光増幅器が異なる利得レンジを有するように、異なる光スイッチが調整されてよい。
【0006】
しかし、改良された光増幅器は、NF性能悪化および比較的高い実装コストの問題をまだ抱えている。加えて、光増幅器ユニットのすべての段において、複数段の増幅モードの1つのみが、GFFの設計プロセスにおいて考慮されることができるため、光増幅器ユニットのすべての段の利得スペクトルが完全に一致されることができない。これが、平坦性性能の劣化をもたらす。
【発明の概要】
【0007】
本出願の実施形態は、既存の光増幅器に存在するNF性能悪化、比較的高い実装コストの問題、および低い平坦性性能の問題を解決するための光増幅器、光信号処理方法、および記憶媒体を提供する。
【0008】
第1の態様によれば、本出願は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器DGE、および制御回路を含む光増幅器を提供する。少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含む。
【0009】
光スイッチの入力端は、第1段の光増幅器ユニットの出力端および第2段の光増幅器ユニットの出力端に別々に接続され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端およびDGEの入力端に別々に接続される。
【0010】
光スイッチは、光増幅器の少なくとも2つの利得モードを設定するように構成され、光増幅器の増幅倍数は、光増幅器が異なる利得モードにある場合、異なっている。
【0011】
第1段の光増幅器ユニットは、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニットは、光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成される。
【0012】
制御回路は、光スイッチおよびDGEに別々に接続され、制御回路は、光スイッチを制御して少なくとも2つの利得モードを設定し、光スイッチによって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整するように構成される。
【0013】
DGEは、調整された減衰スペクトルに基づいて、光スイッチによって出力された第2の光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するように構成される。
【0014】
この実施形態では、光スイッチを使用することによって、利得モードが切り替えられ、調整可能な減衰スペクトルを有するDGEを使用することによって、すなわち、利得平坦化フィルタの減衰スペクトルを変更することによって、利得調整が実行される。このようにして、光増幅器の中間段の特有の挿入損失が増やされず、より良いNF性能が得られる。DGEは、光増幅器内のGFFおよびVOAを置き換えるために使用される。特有の挿入損失は類似しているが、利得調整処理では、DGEは、光増幅器の出力光信号パワーの平坦性が改善されるように、利得フィルタの減衰スペクトルを調整することによって、光増幅器ユニットの利得スペクトルでの一致を実装する。
【0015】
第1の態様の可能な実装では、光スイッチは、第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを含む。
【0016】
第1の入力ポートは、第1段の光増幅器ユニットの出力端に接続され、第2の入力ポートは、第2段の光増幅器ユニットの出力端に接続され、第1の出力ポートは、第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続され、第2の出力ポートは、DGEの入力端に接続され、DGEの出力端は、光増幅器の出力ポートに接続される。
【0017】
任意選択で、少なくとも2つの利得モードが、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含む。
【0018】
光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、およびDGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続され、第2の入力ポートが第2の出力ポートに接続される。
【0019】
光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、光スイッチ、およびDGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第2の出力ポートに接続される。
【0020】
この実施形態では、大きいダイナミックレンジでの光増幅器の調整が実装されることができ、光増幅器の設計が簡略化されるように、光スイッチを使用することによって光増幅器の異なる利得モードが設定され、DGEを使用することによって光増幅器の利得が調整される。
【0021】
任意選択で、第1の態様の前述の可能な実装では、少なくとも2段の光増幅器ユニットは、DGEの出力端と光増幅器の出力端の間に接続された第3段の光増幅器ユニットをさらに含む。
【0022】
光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号は、第1段の光増幅器ユニット、第2段の光増幅器ユニット、および第3段の光増幅器ユニットを含む3段の光増幅器ユニットによって増幅された後に、出力される。
【0023】
光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号は、第1段の光増幅器ユニットおよび第3段の光増幅器ユニットを含む2段の光増幅器ユニットによって増幅された後に、出力される。
【0024】
この実施形態では、光増幅器は、光スイッチを使用して、光信号が通過する光増幅器ユニットの量を切り替え、DGEと組み合わせてより大きいダイナミックレンジを実装することができる。一方で、光増幅器のNF性能が改善されることができ、各利得モードの利得間隔が拡大されることができる。同じ利得ダイナミックレンジを有する光増幅器と比較して、この解決策はより少ない利得モードを含み、それによって、光増幅器のコストを減らす。他方では、DGEの共有方法が、従来の光増幅器内の複数のGFFを置き換え、それによって、光増幅器設計を簡略化する。
【0025】
第1の態様の別の可能な実装では、制御回路は、光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータに基づいてDGEの減衰スペクトルを調整するようにさらに構成される。すなわち、制御回路は、MONポートで検出された光増幅器の出力光パワー分布に基づいて、DGEの減衰スペクトルを動的に調整してよい。サービスの変更などの事例が発生した場合、EDFの利得スペクトルが動的に一致される。
【0026】
第2の態様によれば、本出願は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器DGE、および制御回路を含む光増幅器を提供する。少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含む。
【0027】
DGEは、第1段の光増幅器ユニットの出力端と光スイッチの入力端の間に配置され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続される。
【0028】
光スイッチは、光増幅器の少なくとも2つの利得モードを設定するように構成され、光増幅器の増幅倍数は、光増幅器が異なる利得モードにある場合、異なっている。
【0029】
第1段の光増幅器ユニットは、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニットは、光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成される。
【0030】
制御回路は、光スイッチおよびDGEに別々に接続され、制御回路は、光スイッチを制御して少なくとも2つの利得モードを設定し、光スイッチによって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整するように構成される。
【0031】
DGEは、調整された減衰スペクトルに基づいて、第1段の光増幅器ユニットによって出力された光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するように構成される。
【0032】
この実施形態では、DGEが配置される位置を変更することによって、異なる設計の光増幅器が形成されてよい。光増幅器では、光スイッチを使用することによって、光増幅器の利得モードが変更され、すなわち、光増幅器の入力端に入力された光信号が通過するEDFの長さが変更され、DGEと組み合わせて、より大きいダイナミックレンジが実装されることができる。加えて、光増幅器のNF性能および出力パワーの平坦性が改善され、各利得モードの利得間隔が拡大され、利得モードが減らされ、光増幅器のコストが減らされ、光増幅器設計が簡略化される。
【0033】
第2の態様の可能な設計では、1つの光スイッチが存在し、光スイッチが第1の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを含む場合、光増幅器が結合器をさらに含む。
【0034】
第1の入力ポートは、DGEの出力端に接続され、第1の出力ポートは、第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続され、第2の出力ポートおよび第2段の光増幅器ユニットの出力端の両方は、結合器に接続され、結合器は、光増幅器の出力ポートに接続される。
【0035】
任意選択で、少なくとも2つの利得モードが、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含む。
【0036】
光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、および結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続される。
【0037】
光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、光スイッチ、および結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第2の出力ポートに接続される。
【0038】
この実施形態では、2段の光増幅器ユニットおよび1つの光スイッチが使用され、光スイッチの接続モードを制御することによって、光増幅器の2つの利得モードが制御されてよい。DGEと組み合わせて、より大きいダイナミックレンジが実装されることができる。加えて、光増幅器のNF性能および出力パワーの平坦性が改善され、光増幅器のコストが減らされ、光増幅器設計が簡略化される。
【0039】
第2の態様の別の可能な設計では、少なくとも2段の光増幅器ユニットが、第3段の光増幅器ユニットをさらに含む。2つの光スイッチが存在し、2つの光スイッチは、第1の光スイッチおよび第2の光スイッチを含む。第1の光スイッチは、第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを含む。第2の光スイッチは、第3の入力ポート、第4の入力ポート、第3の出力ポート、および第4の出力ポートを含む。
【0040】
第1の光スイッチの場合、第1の入力ポートがDGEに接続され、第1の出力ポートが第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続され、第2の入力ポートが第4の出力ポートに接続され、第2の出力ポートが第3段の光増幅器ユニットの入力端に接続される。
【0041】
第2の光スイッチの場合、第3の入力ポートが第2段の光増幅器ユニットの出力端に接続され、第4の入力ポートが第3段の光増幅器ユニットの出力端に接続され、第3の出力ポートが光増幅器の出力ポートに接続される。
【0042】
任意選択で、少なくとも2つの利得モードが、第1の利得モード、第2の利得モード、および第3の利得モードを含む。
【0043】
光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、第1の光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、および第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続され、第2の入力ポートが第2の出力ポートに接続され、第3の入力ポートが第3の出力ポートに接続され、第4の入力ポートが第4の出力ポートに接続される。
【0044】
光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、第1の光スイッチ、第3段の光増幅器ユニット、および第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第2の出力ポートに接続され、第4の入力ポートが第3の出力ポートに接続される。
【0045】
光増幅器の利得モードが第3の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、第1の光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、第2の光スイッチ、第3段の光増幅器ユニット、および第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続され、第2の入力ポートが第2の出力ポートに接続され、第3の入力ポートが第4の出力ポートに接続され、第4の入力ポートが第3の出力ポートに接続される。
【0046】
この実施形態では、3段の光増幅器ユニットおよび2つの光スイッチが使用される。より大きい利得レンジが提供され、光スイッチの制御の複雑さが減らされるように、各光スイッチの接続モードを制御することによって、光増幅器の3つの利得モードが実装されてよい。
【0047】
第2の態様の別の可能な設計では、制御回路は、光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータに基づいてDGEの減衰スペクトルを調整することと、DGEの減衰スペクトルのリアルタイムの制御および動的な調整を実装することとを行い、それによって、光増幅器の正常動作を保証するようにさらに構成される。
【0048】
第3の態様によれば、本出願は、光増幅器に適用される光信号処理方法を提供する。光増幅器は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器DGE、および制御回路を含み、少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含む。光スイッチの入力端は、第1段の光増幅器ユニットの出力端および第2段の光増幅器ユニットの出力端に別々に接続され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端およびDGEの入力端に別々に接続される。制御回路は、光スイッチおよびDGEに別々に接続される。
【0049】
この方法は、
システム設定命令を取得することであって、システム設定命令が光増幅器の利得レンジを含む、取得することと、
光増幅器の利得レンジに基づいて、光スイッチを制御して、少なくとも2段の光増幅器ユニットの各々の少なくとも2つの利得モードおよび動作状態を設定することであって、第1段の光増幅器ユニットが、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニットが、光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成される、設定することと、
光スイッチによって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整することと、
DGEを制御して、調整された減衰スペクトルに基づいて、光スイッチによって出力された第2の光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行することとを含む。
【0050】
第3の態様の可能な実装では、光スイッチは、第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを含む。
【0051】
少なくとも2つの利得モードが、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含む。
【0052】
光スイッチを制御して少なくとも2つの利得モードを設定することが、
光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合に、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、およびDGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の出力ポートに接続されるように第1の入力ポートを制御し、第2の出力ポートに接続されるように第2の入力ポートを制御することと、
光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合に、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、光スイッチ、およびDGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第2の出力ポートに接続されるように第1の入力ポートを制御することとを含む。
【0053】
任意選択で、この方法は、
光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータを取得することと、
光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整することとをさらに含む。
【0054】
第4の態様によれば、本出願は、光増幅器に適用される光信号処理方法を提供する。光増幅器は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器DGE、および制御回路を含み、少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含む。DGEは、第1段の光増幅器ユニットの出力端と光スイッチの入力端の間に配置され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続される。制御回路は、光スイッチおよびDGEに別々に接続される。
【0055】
この方法は、
システム設定命令を取得することであって、システム設定命令が光増幅器の利得レンジを含む、取得することと、
光増幅器の利得レンジに基づいて、光スイッチを制御して、少なくとも2段の光増幅器ユニットの各々の少なくとも2つの利得モードおよび動作状態を設定することであって、第1段の光増幅器ユニットが、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニットが、光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成される、設定することと、
光スイッチによって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整することと、
DGEを制御して、調整された減衰スペクトルに基づいて、第1段の光増幅器ユニットによって出力された光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行することとを含む。
【0056】
第4の態様の可能な実装では、1つの光スイッチが存在し、光スイッチが第1の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを含む場合、光増幅器が結合器をさらに含む。
【0057】
少なくとも2つの利得モードが、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含む。
【0058】
光スイッチを制御して少なくとも2つの利得モードを設定することが、
光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合に、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、および結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の出力ポートに接続されるように第1の入力ポートを制御することと、
光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合に、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、光スイッチ、および結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第2の出力ポートに接続されるように第1の入力ポートを制御することとを含む。
【0059】
第4の態様の別の可能な実装では、少なくとも2段の光増幅器ユニットが、第3段の光増幅器ユニットをさらに含む。2つの光スイッチが存在し、2つの光スイッチは、第1の光スイッチおよび第2の光スイッチを含む。第1の光スイッチは、第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを含む。第2の光スイッチは、第3の入力ポート、第4の入力ポート、第3の出力ポート、および第4の出力ポートを含む。
【0060】
少なくとも2つの利得モードが、第1の利得モード、第2の利得モード、および第3の利得モードを含む。
【0061】
光スイッチを制御して少なくとも2つの利得モードを設定することが、
光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合に、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、第1の光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、および第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の出力ポートに接続されるように第1の入力ポートを制御し、第2の出力ポートに接続されるように第2の入力ポートを制御し、第3の出力ポートに接続されるように第3の入力ポートを制御し、第4の出力ポートに接続されるように第4の入力ポートを制御することと、
光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合に、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、第1の光スイッチ、第3段の光増幅器ユニット、および第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第2の出力ポートに接続されるように第1の入力ポートを制御し、第3の出力ポートに接続されるように第4の入力ポートを制御することと、
光増幅器の利得モードが第3の利得モードである場合に、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、第1の光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、第2の光スイッチ、第3段の光増幅器ユニット、および第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の出力ポートに接続されるように第1の入力ポートを制御し、第2の出力ポートに接続されるように第2の入力ポートを制御し、第4の出力ポートに接続されるように第3の入力ポートを制御し、第3の出力ポートに接続されるように第4の入力ポートを制御することとを含む。
【0062】
第4の態様のさらに別の可能な実装では、この方法は、
光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータを取得することと、
光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整することとをさらに含む。
【0063】
第5の態様によれば、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を格納し、命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、第3の態様および可能な実装に従って方法を実行することが可能にされる。
【0064】
第6の態様によれば、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を格納し、命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、第4の態様および可能な実装に従って方法を実行することが可能にされる。
【0065】
本出願の実施形態は、光増幅器、光信号処理方法、および記憶媒体を提供する。光増幅器は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、DGE、および制御回路を含み、少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含む。設計では、光スイッチの入力端は、第1段の光増幅器ユニットの出力端および第2段の光増幅器ユニットの出力端に別々に接続され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端およびDGEの入力端に別々に接続される。別の設計では、DGEは、第1段の光増幅器ユニットの出力端と光スイッチの入力端の間に配置され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続される。前述の2つの設計では、光スイッチが、光増幅器の少なくとも2つの利得モードを設定するように構成され、第1段の光増幅器ユニットが、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニットが、光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成され、制御回路が、光スイッチによって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいてDGEの減衰スペクトルを調整するように構成され、DGEが、調整された減衰スペクトルに基づいて、受信された光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するように構成される。言い換えると、光スイッチを使用することによって、利得モードが切り替えられ、調整可能な減衰スペクトルを有するDGEを使用することによって、すなわち、利得平坦化フィルタの減衰スペクトルを変更することによって、利得調整が実行される。このようにして、光増幅器の中間段の特有の挿入損失が増やされず、より良いNF性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】2段の光増幅器ユニットの従来の光増幅器
の構造の概略図である。
【
図2】従来技術において提案された、改良された光増幅器の図である。
【
図3】本出願の実施形態による、光通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【
図4】本出願の実施形態による、光増幅器
の構造の概略図である。
【
図5】本出願の実施形態による、光増幅器の構造の別の概略図である。
【
図6】本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
【
図7】本出願の実施形態による、光増幅器の構造の別の概略図である。
【
図8】本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
【
図9】本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
【
図10】本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
【
図11】本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
【
図12】本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
【
図13】本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
【
図14】本出願による、光信号処理方法の実施例1の概略フローチャートの図である。
【
図15】本出願による、光信号処理方法の実施例2の概略フローチャートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
情報社会の継続的な発展、ならびに高解像度ビデオ、VR/AR、およびモノのインターネットサービスの継続的な出現に伴って、光ファイバ通信が、通信の最も重要な手段の1つとしてネットワークトラフィックの大部分を伝えている。リピータとしての光増幅器は、光ファイバ伝送リンクにおける最も重要なデバイスの1つであり、リンク伝送中に光信号が受けるパワー損失を補うように構成される。光ネットワーク内の異なる光ケーブルの長さ、受動コンポーネントの性能における違いなどに起因して、異なる距離を有する光ファイバ伝送リンクには、異なる利得を有する光増幅器が必要とされる。
【0068】
実用的応用では、2段光増幅器は、2段の光増幅器ユニットを含む光増幅器である。
図1は、2段の光増幅器ユニットの従来の光増幅器を示している。2段光増幅器の場合、中間段は、2つの光増幅器ユニット間のコンポーネントの一般的な用語として定義されてよく、利得等化器および可変光減衰器を主に含む。各コンポーネントは、コンポーネントの物理的特性、実装などに起因する特有の損失を有する。すなわち、光信号がコンポーネントを通過した後に、パワー損失が発生する。そのような特有の損失は、挿入損失と呼ばれ、略してILと呼ばれる。中間段の挿入損失は、利得等化器および可変光減衰器によって引き起こされた光パワー損失を表し、利得等化器の特有の挿入損失、VOAの特有の挿入損失、VOAの設定された減衰値などを含む。
【0069】
現在、2段光増幅器において使用される利得等化器の正式な名前は、利得平坦化フィルタ(gain flattening filter,GFF)である。利得等化器は、多層膜技術を使用することによって製造され、利得等化器の減衰スペクトルが固定され、調整されることができない。利得等化器は、エルビウム添加光ファイバ(EDF)の増幅スペクトルを一致させ、すなわち、異なる波長の減衰を調整し、光増幅器の出力光信号パワーが必ず平坦になるようにする。2段光増幅器では、利得等化器が、2段の光増幅器ユニットの間、すなわち、中間段に位置する。
【0070】
実用的応用では、光増幅器の中間段の挿入損失が大きいほど、より大きいノイズ値(noise figure,NF)につながり、それによって、光伝送リンクの光信号対ノイズ比(optical signal-to-noise ratio,OSNR)に影響を与える。異なる光サービスの伝送が最小OSNR要件を有するため、光増幅器のNF性能に対する要件は、光増幅器のダイナミックレンジ、すなわち、光増幅器の調整可能な利得の範囲を制限する。ダイナミックレンジが大きいほど、光増幅器がより多くのリンク損失状況に対処できることを示す。大きいダイナミックレンジを有する光増幅器の適用は、リンクにおいて必要とされる光増幅器の種類を減らすことができる。大都市の状況またはデータセンタ間の相互接続の状況では、大きいダイナミックレンジを有する光増幅器は、配備、制御、および保守のコストを減らすために、光増幅器の「正規化」を実装する可能性がある。
【0071】
光増幅器のNF値は、光信号が光増幅器を通過した後のOSNR値から、光信号が光増幅器を通過する前のOSNR値を引くことによって得られる値として定義される。したがって、NF性能は、光信号のOSNR性能に直接影響を与える。光信号のOSNR性能は、光信号の品質を直接反映する。受信された信号の品質(ビットエラーレート)が必ず標準に達するようにするために、受信端での光信号のOSNR値が設定された目標値以上になることを保証する必要がある。したがって、目標のOSNRによって制限されて、NF値ができるだけ小さくなる必要がある。既存の光増幅器の場合、VOAを調整することによって光増幅器の利得が変更され、中間段の挿入損失が大きいほど、より厳しいNF性能の悪化につながる。
【0072】
既存の光増幅器におけるNF性能悪化の問題を考慮して、本出願の実施形態は光増幅器を提供する。光増幅器は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、DGE、および制御回路を含み、少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含む。設計では、光スイッチの入力端は、第1段の光増幅器ユニットの出力端および第2段の光増幅器ユニットの出力端に別々に接続され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端およびDGEの入力端に別々に接続される。別の設計では、DGEは、第1段の光増幅器ユニットの出力端と光スイッチの入力端の間に配置され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続される。前述の2つの設計では、光スイッチが、光増幅器の少なくとも2つの利得モードを設定するように構成され、第1段の光増幅器ユニットが、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニットが、光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成され、制御回路が、光スイッチおよびDGEに別々に接続され、制御回路が、光スイッチによって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいてDGEの減衰スペクトルを調整するように構成され、DGEが、調整された減衰スペクトルに基づいて、受信された光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するように構成される。この技術的解決策では、光スイッチを使用することによって、利得モードが切り替えられ、調整可能な減衰スペクトルを有するDGEを使用することによって、すなわち、利得平坦化フィルタの減衰スペクトルを変更することによって、利得調整が実行される。このようにして、光増幅器の中間段の特有の挿入損失が増やされず、より良いNF性能が得られる。
【0073】
さらに、NFが小さい場合、光増幅器の利得間隔レンジ(gain interval range)が拡大されることができる。合計ダイナミックレンジが変化しない場合、利得モードが減らされることができ、光スイッチの制御の複雑さが減らされることができる。加えて、本出願の実施形態で提案される光増幅器設計は、複数の利得モードがDGEを共有することを可能にすることができ、それによって、光増幅器の構造設計を簡略化し、動的利得平坦化フィルタの設計における困難さを軽減する。
【0074】
本出願の実施形態では、光増幅器内のGFFおよびVOAを置き換えるために、DGEが使用される。特有の挿入損失は類似しているが、利得調整処理では、DGEは、光増幅器の出力光信号パワーの平坦性が改善されるように、利得フィルタの減衰スペクトルを調整することによって、光増幅器ユニットの利得スペクトルでの一致を実装する。
【0075】
実用的応用では、本出願の実施形態において提供される光増幅器は、大都市の光ネットワークまたはデータセンタ間の光ファイバ通信リンク内の光増幅器の正規化を実装し、それによって、デバイスのコストならびに運用および保守のコストを減らし、リンクのエンドツーエンドの伝送性能を改善する。
【0076】
例えば、
図3は、本出願の実施形態による、光通信システムのアーキテクチャの概略図である。
図3を参照する。光通信システムは、マルチプレクサ(multiplexer,MUX)31、デマルチプレクサ(demultiplexer,DMUX)32、および複数の光増幅器(optical amplifiers,OA)を含んでよい。例えば、
図3に示されている概略図では、4つの光増幅器が、説明のための例として使用されており、光増幅器はそれぞれOA1からOA4である。実用的応用では、光通信システム内の光増幅器の量は制限されず、実際の要件に基づいて設定されてよいことが理解されてよい。
【0077】
図3を参照する。光増幅器は、光ネットワーク内の重要なコンポーネントとして使用され、中継装置を使用しないで伝送の距離が改善されることができるように、伝送中の光信号のパワー損失を補うように構成される。任意選択で、MUX31を使用することによって、異なる波長を有する光信号が波長分割多重信号を形成してよく、波長分割多重信号が複数の光ファイバ33および複数の光増幅器を通過した後に、複数の異なる波長を有する光信号を取得するためにDMUX32を使用することによって波長分割多重信号が分割される。
【0078】
例えば、本出願のこの実施形態では、光ネットワーク内のさまざまなデバイスが、デバイス内のシステム制御および通信ボード(system control and communication boards,SCC)を使用することによって、外部ネットワーク管理システムと通信し、ネットワーク管理システムを使用することによって、デバイスを制御するという目的を達成する。
【0079】
任意選択で、この実施形態におけるネットワーク管理システムは、光通信システム内の制御デバイスであってよく、または外部制御デバイスであってよい。ネットワーク管理システムの特定の実装は、実際の要件に基づいて設定されてよく、その詳細は本明細書では説明されない。
【0080】
本出願のこの実施形態では、光通信システムに含まれるコンポーネントの種類および量が制限されないことに留意されたい。例えば、光通信システムは、光結合器、光電検出器、および光学モニタなどのコンポーネントをさらに含んでよい。光通信システムに含まれる特定のコンポーネントの種類および量は、実際の状況に基づいて設定されてよい。その詳細は、本明細書では説明されない。
【0081】
本出願の実施形態で提供される光増幅器は、
図3に示されている光通信システム内の任意の光増幅器であってよい。光増幅器の構成および実装の原理に関しては、以下の実施形態の説明を参照する。
【0082】
任意選択で、本出願の技術的解決策が説明される前に、本出願において使用されてよい複数のコンポーネントの機能原理が最初に説明される。
【0083】
光結合器は、光パワーを異なるポートに分散するか、または光パワーを特定の比率で光ファイバに結合する。例えば、この実施形態における光結合器は、溶融テーパ型ファイバ結合器(fused-tapered fiber coupler)またはマイクロ光学素子結合器(micro optical element coupler)であってよい。
【0084】
光電検出器は、光信号を電気信号に変換し、光信号のパワーを取得する。
【0085】
光学モニタは、光監視(monitoring,MON)ポートを使用することによって、光増幅器の出力信号のパワーおよびOSNRなどのパラメータを監視する。
【0086】
光増幅器の制御回路は、光電検出器および光監視モジュールから情報を収集し、動的利得等化器の応答、光スイッチの設定、および光増幅器ユニットのポンプレーザパワーを制御する。
【0087】
本出願の実施形態では、光増幅器は、入力光信号の異なるパワーレンジ、異なる利得レンジ、異なる飽和出力パワー、異なるノイズ係数、および異なる波長レンジを有する。光増幅器の主要な構成構造は、光アイソレータ、ポンプレーザ、光波長分割マルチプレクサ、およびエルビウム添加光ファイバを含む。
【0088】
光アイソレータは、光信号を、特定の方向での移動に制限する。
【0089】
ポンプレーザは、特定の波長のポンプレーザ光を生成する。
【0090】
光波長分割マルチプレクサは、信号光およびポンプ光を同じ光ファイバに結合する。
【0091】
エルビウム添加光ファイバは、希土類元素エルビウムを二酸化ケイ素光ファイバ内に添加することによって製造される。光信号およびポンプ光は、エルビウム添加光ファイバに一緒に入る。エルビウムイオンは、ポンプ光を吸収し、高いエネルギーレベルに遷移して粒子を形成し、反転の後に誘導放射が発生し、光信号が増幅される。信号増幅度は、光信号の波長、光信号のパワー、エルビウム添加光ファイバの長さ、エルビウム添加光ファイバの物理的パラメータ、ポンプ光のパワー、およびポンプ光の波長に関連付けられる。
【0092】
以下では、本出願の技術的解決策を詳細に説明するために、具体的な実施形態が使用される。以下の複数の具体的な実施形態は互いに組み合わせられてよく、同じであるか、または類似する概念または処理は、一部の実施形態では繰り返し説明されないことがあることに留意されたい。
【実施例1】
【0093】
図4は、本出願の実施形態による、光増幅器
の構造の概略図である。
図4に示されているように、光増幅器は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ41、DGE42、および制御回路43を含む。少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニット401および第2段の光増幅器ユニット402を含む。
【0094】
例えば、光スイッチ41の入力端は、第1段の光増幅器ユニット401の出力端および第2段の光増幅器ユニット402の出力端に別々に接続され、光スイッチ41の出力端は、第2段の光増幅器ユニット402の入力端およびDGE42の入力端に別々に接続される。
【0095】
光スイッチ41は、光増幅器の少なくとも2つの利得モードを設定するように構成され、光増幅器の増幅倍数は、光増幅器が異なる利得モードにある場合、異なっている。第1段の光増幅器ユニット401は、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニット402は、光スイッチ41によって出力された第1の光信号を増幅するように構成される。
【0096】
図4を参照する。制御回路43は、光スイッチ41およびDGE42に別々に接続され、制御回路43は、光スイッチ41を制御して少なくとも2つの利得モードを設定し、光スイッチ41によって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいて、DGE42の減衰スペクトルを調整するように構成される。
【0097】
DGE42は、調整された減衰スペクトルに基づいて、光スイッチ41によって出力された第2の光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するように構成される。
【0098】
任意選択で、
図4を参照する。光増幅器ユニットの各段は、アイソレータISO、WDM、EDF、ポンプレーザなどを含んでよい。各コンポーネントの機能および実装の原理は、既存の光増幅器の原理に類似しており、その詳細は本明細書では説明されない。
【0099】
例えば、本出願のこの実施形態では、光増幅器の内部回路が、主光学経路および分岐光学経路に分割されることが仮定される。主光学経路は、すべての光信号が通過する必要がある経路であり、分岐光学経路は、光信号が異なる利得モードで通過する異なる光学経路である。したがって、この実施形態では、DGE42が主光学経路上に位置し、利得モードがDGE42を確実に共有できるようにする。光スイッチ41は、主光学経路と分岐光学経路の間の接続点である。光増幅器ユニットの各段は、主光学経路または分岐光学経路上に配置されてよく、特定の増幅要件に基づいて変更が行われてよい。例えば、
図4に示されている実施形態では、第1段の光増幅器ユニット401が主光学経路上に位置し、第2段の光増幅器ユニット402が分岐光学経路上に位置している。
【0100】
この実施形態では、光スイッチ41の後にDGE42が配備され、制御回路43の制御下で、光スイッチ41によって出力された第2の光信号における異なる波長の信号に対して、パワー減衰処理を実行する。DGE42の応答は、さまざまな波長の信号の減衰値のセットである。
【0101】
例えば、DGE42は、液晶(liquid crystal,LC)、エルコス(liquid crystal on silicon,LCOS)、平面光波回路(planar lightwave circuit,PLC)、微小電気機械システム(MEMS)、および透明電気光学セラミックス(transparent electro-optic ceramics,TEOC)という複数の実装のうちのいずれか1つにおいて実装されてよい。
【0102】
任意選択で、この実施形態で提供される光増幅器では、既存の光増幅器内の固定利得平坦化フィルタ(GFF)および可変光減衰器(VOA)を置き換えるためにDGE42が使用される。DGE42は、光増幅器が異なる利得モードにあるか、または異なる利得モードが異なるDGE42に対応する場合に、共有されてよい。GFFおよびVOAと比較して、DGE42は、利得が小さい場合に光増幅器の性能が改善されることができるように、より低い挿入損失をもたらす利得調整方法を実装する。
【0103】
任意選択で、DGE42の応答は、異なる利得の状況において異なる。
【0104】
利得の状況は、増幅器の設定された動作利得値、例えば、19dBから25dBのレンジ内の任意の動作利得値のことを指している。光増幅器の目的は、光ファイバ/光ケーブルでの伝送中に光信号が受ける能力損失を補うことである。光信号の減衰は、光ファイバ/光ケーブルの長さと共に変化する。したがって、光増幅器の対応する利得値が設定される必要がある。光増幅器内のEDFの利得スペクトルは、利得値と共に変化する。したがって、光増幅器の出力光信号パワーが平坦であることを保証するために、DGE42の応答が変更される必要がある。
【0105】
加えて、光増幅器の異なる利得モード(利得レンジ)が重複する利得点を含むため、DGE42の減衰スペクトルが設定されるときに、光増幅器が動作する利得モードが取得される必要がある。例えば、光増幅器のダイナミックレンジが14dBから32dBである場合、第1の利得モードの利得レンジが19dBから32dBに設定されてよく、第2の利得モードの利得レンジが14dBから20dBに設定されてよい。
【0106】
この実施形態では、DGE42の減衰スペクトルの目的は、光増幅器内の光増幅器ユニットの各段の利得スペクトルを一致させ、光増幅器の出力光信号パワーが平坦になることを保証することである。光増幅器の異なる利得値がネットワーク管理システムによって制御され、光スイッチ41の異なる利得モードが制御回路43によって制御され、制御回路43は、光スイッチ41の利得モードを決定した後にDGE42の減衰スペクトルなどをさらに制御してよい。ネットワーク管理システムは、光増幅器を制御するために使用されるソフトウェアまたはプログラムであってよい。ネットワーク管理システムの具体的な実装は、本明細書では制限されない。
【0107】
制御回路43が光増幅器ユニットの各段にさらに接続されてよいことが理解されてよい。特に、制御回路43は、光増幅器ユニットの各段内のポンプレーザに接続され、光スイッチ41の利得モードを決定した後に、光増幅器ユニットの各段内のポンプレーザの動作状態を制御するように構成される。
【0108】
本出願の実施形態では、DGE42の減衰スペクトルが前もって生成されてよく、異なる利得モードの利得レンジとDGE42の減衰スペクトルの間の対応関係が光増幅器内で事前に設定され、例えば、テーブルの形態で格納される。したがって、光増幅器の利得レンジおよび光スイッチの利得モードを取得した後に、制御回路43は、異なる利得モードの利得レンジに基づいてテーブル検索方法を使用することによってDGE42の応答を取得し、DGE42を制御してよい。前もって生成された減衰スペクトルが、光増幅器の定格動作ダイナミックレンジに一致するため、光増幅器の利得レンジは、その後の使用中に超えられない。
【0109】
例えば、DGE42の減衰スペクトルは、基本的に、光波長と共に変化する光信号のパワー減衰値の曲線である。すなわち、光信号は、各波長で減衰値を有し、複数の波長に対応するパワー減衰値は、DGE42の減衰スペクトルを形成する。実用的応用では、光スイッチ41が異なる利得モードにある場合にDGE42が異なる応答を有するように、DGE42の減衰スペクトルが、設定ファイルとして光増幅器に格納されてよく、例えば、光増幅器の制御回路に格納されてよい。
【0110】
本出願の別の実施形態では、制御回路43は、光監視ポートMONから取得された監視データに基づいて、DGE42の減衰スペクトルをリアルタイムにさらに制御してよい。すなわち、制御回路43は、各性能パラメータの差が設定されたしきい値要件を満たすまで複数回、光増幅器の出力光信号パワー/利得/OSNRなどの性能パラメータの差を計算し、DGE42の応答を更新して、反復する。任意選択で、設定されたしきい値は、ネットワーク管理システムによって事前に設定される。
【0111】
本出願のこの実施形態では、光スイッチ41は、光信号を選択的に接続もしくは切断するか、または1つのチャネルから別のチャネルに切り替えることができる装置である。光スイッチ41は、微小電気機械システム(MEMS)光スイッチ、液晶(LC)光スイッチ、導波路光スイッチ、メカニカル光スイッチ、または電気光学スイッチのうちのいずれか1つによって主に実装される。
【0112】
光スイッチ41が高度な分離を有している場合、隣接する光増幅器ユニット内のISOが省略されてよく、またはその他の方法で、ISOが使用される必要がないことに留意されたい。例えば、MEMS光スイッチおよびメカニカル光スイッチは、隣接する光増幅器ユニット内のISOが省略され得るように、高度な分離を有している。
【0113】
本出願のこの実施形態において提供される光増幅器では、光スイッチを使用することによって光増幅器の利得モードが設定され、調整可能な減衰スペクトルを有するDGEを使用することによって利得調整が実行される。このようにして、光増幅器の中間段の特有の挿入損失が増やされず、より良いNF性能が得られる。NFが小さい場合、光増幅器の利得間隔レンジが拡大されることができる。合計ダイナミックレンジが変化しない場合、利得モードが減らされることができ、光スイッチの制御の複雑さが減らされることができる。加えて、本出願における光増幅器設計は、複数の利得モードがDGEを共有することを可能にすることができ、それによって、光増幅器の構造設計を簡略化し、動的利得平坦化フィルタの設計における困難さを軽減する。
【0114】
例えば、この実施形態では、光スイッチ41は、第1の入力ポート41a1、第2の入力ポート41a2、第1の出力ポート41b1、および第2の出力ポート41b2を含む。第1の入力ポート41a1は、第1段の光増幅器ユニット401の出力端に接続され、第2の入力ポート41a2は、第2段の光増幅器ユニット402の出力端に接続され、第1の出力ポート41b1は、第2段の光増幅器ユニット402の入力端に接続され、第2の出力ポート41b2は、DGE42の入力端に接続され、DGE42の出力端は、光増幅器の出力ポートに接続される。
【0115】
この実施形態では、光増幅器の少なくとも2つの利得モードが、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含む。
【0116】
本出願の可能な設計では、
図4を参照する。光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット401、光スイッチ41、第2段の光増幅器ユニット402、光スイッチ41、およびDGE42を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポート41a1が第1の出力ポート41b1に接続され、第2の入力ポート41a2が第2の出力ポート41b2に接続される。
【0117】
例えば、光増幅器が第1の利得モード、すなわち、高利得モードにある場合、光スイッチ41は二重経路モード(dual-pass mode)に設定される。この場合、光スイッチ41では、第1の入力ポート41a1が第1の出力ポート41b1に接続され、第2の入力ポート41a2が第2の出力ポート41b2に接続される。光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット401および第2段の光増幅器ユニット402によって増幅された後に出力され得るように、光サービス信号(optical service signal)が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット401、光スイッチ41、第2段の光増幅器ユニット402、光スイッチ41、およびDGE42を順次に通過し、光増幅器の出力ポートを使用することによって最終的に出力される。
【0118】
本出願の別の可能な設計では、
図4を参照する。光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット401、光スイッチ41、およびDGE42を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポート41a1が第2の出力ポート41b2に接続される。
【0119】
特に、光増幅器が第2の利得モード、すなわち、低利得モードにある場合、光スイッチ41の第1の入力ポート41a1および第2の出力ポート41b2が接続されるように、光スイッチ41が交差接続モードに設定される。光スイッチ41の第2の出力ポート41b2および第1の出力ポート41b1も接続された場合、第2段の光増幅器ユニット402内のポンプレーザのパワーが減らされる必要があるか、または第2段の光増幅器ユニット402内のポンプレーザが一時的に止められる必要がある。この場合、光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット401によって増幅された後に出力され得るように、光サービス信号が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット401、光スイッチ41、およびDGE42を順次に通過し、光増幅器の出力ポートを使用することによって最終的に出力される。
【0120】
この実施形態では、第2の入力ポート41a2および第1の出力ポート41b1が接続されるかどうかは、光スイッチ41の設定に依存する。本出願のこの実施形態では、第2の入力ポート41a2および第1の出力ポート41b1は必ずしも接続されない。しかし、より一般的な事例を考慮して、光スイッチ41が交差接続状態にある場合、各ポートは一時停止されず、したがって、接続関係を有してよい。
【0121】
ネットワーク管理システムが光増幅器の利得モードを設定した後に、ネットワーク管理システムが、制御回路43を使用することによって制御を実行することが、理解されてよい。光増幅器が第2の利得モードにある場合、第2段の光増幅器ユニット402内で形成されたループによって引き起こされる自己励起が回避され得るように、第2段の光増幅器ユニット402内のポンプレーザが止められる。
【0122】
この実施形態では、大きいダイナミックレンジでの光増幅器の調整が実装されることができ、光増幅器の設計が簡略化されるように、光スイッチを使用することによって光増幅器の異なる利得モードが設定され、DGEを使用することによって光増幅器の利得が調整される。
【実施例2】
【0123】
例えば、
図4に示された実施形態に基づいて、
図5は、本出願の実施形態による、光増幅器の構造の別の概略図である。
図5を参照する。この実施形態では、少なくとも2段の光増幅器ユニットは、DGE42の出力端と光増幅器の出力端の間に接続された第3段の光増幅器ユニット403をさらに含む。
【0124】
この実施形態では、光増幅器内のDGE42の後に、1段の光増幅器ユニット(すなわち、第3段の光増幅器ユニット403)がさらに接続され、第3段の光増幅器ユニット403は、光増幅器の主光学経路内で接続される。この場合、光増幅器が異なる利得モードにある場合、光信号が通過する光増幅器ユニットの量は異なり、すなわち、光増幅器は異なる利得レンジを有する。
【0125】
例では、光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号は、第1段の光増幅器ユニット401、第2段の光増幅器ユニット402、および第3段の光増幅器ユニット403を含む3段の光増幅器ユニットによって増幅された後に、出力される。
【0126】
別の例では、光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号は、第1段の光増幅器ユニット401および第3段の光増幅器ユニット403を含む2段の光増幅器ユニットによって増幅された後に、出力される。
【0127】
本出願のこの実施形態で提供される光増幅器が、代替として他の量の光スイッチおよび/または光増幅器ユニットを含んでよく、異なる量の光スイッチおよび/または光増幅器ユニットを使用することによって、光増幅器の利得レンジが変更されてよいことに留意されたい。本出願のこの実施形態では、光スイッチおよび光増幅器ユニットの量は制限されない。実用的応用では、光スイッチおよび光増幅器ユニットの量は、ダイナミックレンジ要件に基づいて調整されてよく、本明細書では制限されない。
【0128】
この実施形態では、ISO、WDM、EDF、ポンプレーザ、およびDGEに加えて、光増幅器の光増幅器ユニットの各段が、光結合器、光電検出器、光スイッチ、および制御回路などの1つまたは複数の要素をさらに含んでよい。光スイッチは、光信号が通過する光増幅器ユニットの組み合わせを切り替え、異なる利得モード、すなわち、第1の利得モードおよび第2の利得モードを形成する。各利得モードは、特定の利得間隔に対応する。DGEは、各利得モードでの利得間隔レンジが大きく拡大されて、光増幅器のNF性能が改善されるように、GFFおよびVOAの組み合わせを置き換えるために使用される。光増幅器の設計における困難さが軽減されるように、少なくとも2つの利得モードが、従来の光増幅器内の複数のGFFを置き換えるDGEを共有する。
【0129】
さらに、前述の実施形態に基づいて、制御回路43は、光増幅器の入力ポートデータおよび出力ポートデータに基づいてDGE42の減衰スペクトルを調整するようにさらに構成される。
【0130】
本出願のこの実施形態では、制御回路43は、光増幅器の入力ポートデータおよび出力ポートデータをさらに検出し、MONポートで検出された光増幅器の出力光パワー分布に基づいて、DGE42の減衰スペクトルをさらに動的に調整してよい。サービスの変更などの事例が発生した場合、EDFの利得スペクトルが動的に一致される。
【0131】
この実施形態では、光増幅器は、光スイッチを使用して、光信号が通過する光増幅器ユニットの量を切り替え、DGEと組み合わせてより大きいダイナミックレンジを実装することができる。一方で、光増幅器のNF性能が改善されることができ、各利得モードの利得間隔が拡大されることができる。同じ利得ダイナミックレンジを有する光増幅器と比較して、この解決策はより少ない利得モードを含み、それによって、光増幅器のコストを減らす。他方では、DGEの共有方法が、従来の光増幅器内の複数のGFFを置き換え、それによって、光増幅器設計を簡略化する。
【実施例3】
【0132】
例えば、
図6は、本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
図6を参照する。この実施形態では、光増幅器は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ61、DGE62、および制御回路63を含んでよい。少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニット601および第2段の光増幅器ユニット602を含む。
【0133】
図6を参照する。本出願のこの実施形態では、DGE62は、第1段の光増幅器ユニット601の出力端と光スイッチ61の入力端の間に配置され、光スイッチ61の出力端は、第2段の光増幅器ユニット602の入力端に接続される。
【0134】
光スイッチ61は、光増幅器の少なくとも2つの利得モードを設定するように構成され、光増幅器の増幅倍数は、光増幅器が異なる利得モードにある場合、異なっている。第1段の光増幅器ユニット601は、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニット602は、光スイッチ61によって出力された第1の光信号を増幅するように構成される。
【0135】
制御回路63は、光スイッチ61およびDGE62に別々に接続され、制御回路63は、光スイッチ61を制御して少なくとも2つの利得モードを設定し、光スイッチ61によって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいて、DGE62の減衰スペクトルを調整するように構成される。
【0136】
DGE62は、調整された減衰スペクトルに基づいて、第1段の光増幅器ユニット601によって出力された光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するように構成される。
【0137】
例えば、
図6に示されているように、DGE62は、第1段の光増幅器ユニット601と光スイッチ61の間に配置され、光増幅器内の制御回路63の制御下で、DGE62の応答がさまざまな波長の信号の減衰値のセットになるように、入力光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行する。
【0138】
この実施形態で提供される光増幅器のコンポーネントが、
図4に示された光増幅器のコンポーネントに類似しており、コンポーネントの機能も同じであることが理解されてよい。例えば、
図4または
図5に示された実施形態でのDGE42に類似して、DGE62は、液晶(LC)、エルコス(LCOS)、平面光波回路(PLC)、微小電気機械システム(MEMS)、および透明電気光学セラミックス(TEOC)という、可能な設計のうちのいずれか1つを使用することによって実装されてよい。
【0139】
同様に、従来技術と比較して、既存の光増幅器内の固定利得平坦化フィルタ(GFF)および可変光減衰器(VOA)を置き換えるためにDGE62が使用される。DGE62は、光増幅器が異なる利得モードにあるか、または異なる利得モードが異なるDGE62に対応する場合に、共有されてよい。DGE62の応答は、異なる利得の状況において異なる。
【0140】
この実施形態では、光増幅器の入力端に入力された光信号が通過する光増幅器ユニットの量が異なる場合、光信号が通過する合計EDFが異なる。光増幅器の入力光信号が通過する合計EDFがより長い場合、光増幅器は、より大きい利得を最終的に実装することができる。本出願のこの実施形態では、光スイッチによって設定された光増幅器の少なくとも2つの利得モードに関して、各利得モードの利得値は、利得モードの名前とは無関係であり、異なる設定に基づいて実装される必要がある。例えば、光増幅器が第1の利得モードおよび第2の利得モードを含む場合、2つの利得モードは、必ずしも高/低に対応していない。
【0141】
任意選択で、この実施形態では、DGE62の減衰スペクトルが前もって生成されてもよい。例えば、前もって生成された減衰スペクトルは、光増幅器の定格利得レンジと一致される。実用的応用では、制御回路63は、異なる利得の利得レンジに基づいてDGE62の応答を取得し、DGE62の応答が定格利得レンジを超えないように、DGE62の応答を制御してよい。
【0142】
制御回路63は、代替として、光監視ポートのデータに基づいてリアルタイム制御を実行してよい。すなわち、制御回路63は、各性能パラメータの差が設定されたしきい値を満たすように、光増幅器の出力パワー/利得/OSNRなどの性能パラメータの差を計算し、DGE62の応答を更新する。
【0143】
この実施形態で提供される光増幅器では、光スイッチを使用することによって、光増幅器の利得モードが変更され、すなわち、光増幅器の入力端に入力された光信号が通過するEDFの長さが変更され、DGEと組み合わせて、より大きいダイナミックレンジが実装されることができる。加えて、光増幅器のNF性能および出力パワーの平坦性が改善され、各利得モードの利得間隔が拡大され、利得モードが減らされ、光増幅器のコストが減らされる。他方では、利得モードが、従来の光増幅器内の複数のGFFを置き換えるDGEを共有し、それによって、光増幅器設計を簡略化する。
【0144】
例えば、本出願の可能な設計では、1つの光スイッチが存在する。
図6を参照する。光スイッチ61が第1の入力ポート61a1、第1の出力ポート61b1、および第2の出力ポート61b2を含む場合、光増幅器は結合器64をさらに含む。
【0145】
第1の入力ポート61a1は、DGE62の出力端に接続され、第1の出力ポート61b1は、第2段の光増幅器ユニット602の入力端に接続され、第2の出力ポート61b2および第2段の光増幅器ユニット602の出力端の両方は、結合器64に接続され、結合器64は、光増幅器の出力ポートに接続される。
【0146】
この実施形態では、光増幅器が第1段の光増幅器ユニット601および第2段の光増幅器ユニット602を含み、光スイッチ61が、1つの入力ポートおよび2つの出力ポートを含む光スイッチである場合、結合器64は、光スイッチ61の2つの出力経路上に配置され、光スイッチ61の2つの出力信号を結合する。特に、光増幅器の構成構造が
図6に示されている。
【0147】
この実施形態では、光増幅器の少なくとも2つの利得モードが、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含む。
【0148】
必要に応じて、例では、光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、光スイッチ61、第2段の光増幅器ユニット602、および結合器64を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポート61a1が第1の出力ポート61b1に接続される。
【0149】
任意選択で、本出願のこの実施形態では、光増幅器が第1の利得モードにある場合、光スイッチ61の第1の入力ポート61a1および第1の出力ポート61b1が接続される。光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット601および第2段の光増幅器ユニット602によって増幅された後に出力され得るように、光サービス信号が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、光スイッチ61、第2段の光増幅器ユニット602、および結合器64を順次に通過し、光増幅器の出力ポートを使用することによって最終的に出力される。
【0150】
別の例では、光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、光スイッチ61、および結合器64を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポート61a1が第2の出力ポート61b1に接続される。
【0151】
任意選択で、本出願のこの実施形態では、光増幅器が第2の利得モードにある場合、光スイッチ61の第1の入力ポート61a1および第2の出力ポート61b2が接続される。光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット601のみによって増幅された後に出力されるように、光サービス信号が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、光スイッチ61、および結合器64を順次に通過し、光増幅器の出力ポートを使用することによって最終的に出力される。
【0152】
図6に示されているように、光スイッチ61の第2の出力ポート61b2が結合器64に直接接続されてよく、またはWDMを使用することによって結合器64に接続されてよいことが、理解されてよい。すなわち、光スイッチ61の第2の出力ポート61b2によって出力された光信号は、結合器64に直接出力され、光増幅器の出力ポートを使用することによって出力されてよく、またはWDMの波長分割多重化を最初に受け、その後、結合器64に出力され、光増幅器の出力ポートを使用することによって出力されてよい。
【0153】
本出願のこの実施形態では、光スイッチと結合器の間の接続モードは制限されない。接続モードは、実際の状況に基づいて決定されてよい。その詳細は、本明細書では説明されない。
【実施例4】
【0154】
例えば、
図6に示された実施形態に基づいて、
図7は、本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
図7を参照する。第3段の光増幅器ユニット603が、光スイッチ61の第2の出力ポート61b2と結合器64の間に接続されてよい。光スイッチの61の第1の入力ポート61a1および第2の出力ポート61b2が接続された場合、光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット601および第3段の光増幅器ユニット603によって増幅された後に出力され得るように、光サービス信号が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、光スイッチ61、第3段の光増幅器ユニット603、および結合器64を順次に通過し、光増幅器の出力ポートを使用することによって最終的に出力される。
【0155】
一般に、第2段の光増幅器ユニット602および第3段の光増幅器ユニット603は異なる増幅倍数を有し、光スイッチ61の第1の入力ポート61a1は、光増幅器が異なる増幅倍数を有するように、異なる出力ポートに接続するように制御されてよいことが理解されてよい。
【0156】
同様に、光スイッチ61が3つ以上の出力ポートを含む場合、異なる出力ポートが異なる光増幅器ユニットに接続されてよく、異なる出力ポートは、光増幅器が異なる増幅倍数を有するように、第1の入力ポート61a1に接続されるように制御される。
【実施例5】
【0157】
例えば、
図8は、本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
図8を参照する。この実施形態では、4つの光増幅器ユニットが存在し、それらの光増幅器ユニットは、それぞれ、第1段の光増幅器ユニット601から第4段の光増幅器ユニット604である。2つの光スイッチが存在し、それらの光スイッチは、それぞれ、第1の光スイッチ611および第2の光スイッチ612である。第1の光スイッチ611は、1つの入力ポートおよび3つの出力ポートを含む光スイッチである。第2の光スイッチ612は、3つの入力ポートおよび1つの出力ポートを含む光スイッチである。第1の光スイッチ611は、第1の入力ポート611a1、第1の出力ポート611b1、第2の出力ポート611b2、および第3の出力ポート611b3を含む。第2の光スイッチ612は、第2の入力ポート612a1、第3の入力ポート612a2、第4の入力ポート612a3、および第4の出力ポート612b1を含む。
【0158】
この実施形態では、第1の光スイッチ611の第1の入力ポート611a1がDGE62の出力端に接続される。第2段の光増幅器ユニット602を使用することによって、第1の光スイッチ611の第1の出力ポート611b1が、第2の光スイッチ612の第2の入力ポート612a1に接続される。第3段の光増幅器ユニット603を使用することによって、第1の光スイッチ611の第2の出力ポート611b2が、第2の光スイッチ612の第3の入力ポート612a2に接続される。第4段の光増幅器ユニット604を使用することによって、第1の光スイッチ611の第3の出力ポート611b3が、第2の光スイッチ612の第4の入力ポート612a3に接続される。第2の光スイッチ612の第4の出力ポート612b1が、光増幅器の出力端に接続される。
【0159】
例えば、第1の光スイッチ611の第1の入力ポート611a1および第1の出力ポート611b1が接続された場合、光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット601および第2段の光増幅器ユニット602によって増幅された後に出力され得るように、光サービス信号が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、第1の光スイッチ611、第2段の光増幅器ユニット602、および第2の光スイッチ612を順次に通過し、光増幅器の出力ポートを使用することによって最終的に出力される。
【0160】
同様に、第1の光スイッチ611の第1の入力ポート611a1および第2の出力ポート611b2が接続された場合、光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット601および第3段の光増幅器ユニット603によって増幅された後に出力され得るように、光サービス信号が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、第1の光スイッチ611、第3段の光増幅器ユニット603、および第2の光スイッチ612を順次に通過し、光増幅器の出力ポートを使用することによって最終的に出力される。
【0161】
第1の光スイッチ611の第1の入力ポート611a1および第3の出力ポート611b3が接続された場合、光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット601および第4段の光増幅器ユニット604によって増幅された後に出力され得るように、光サービス信号が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、第1の光スイッチ611、第4段の光増幅器ユニット604、および第2の光スイッチ612を順次に通過し、光増幅器の出力ポートを使用することによって最終的に出力される。
【0162】
一般に、第4段の光増幅器ユニットに対する第2段の光増幅器ユニットの増幅倍数は異なってよく、第1の光スイッチ611を通って流れる光信号が、第2の光スイッチ612を通過した後に光増幅器の出力端に最終的に出力され得ることを保証するために、第1の光スイッチ611の入力ポートと出力ポートの間の接続関係に基づいて第2の光スイッチ612の入力ポートと出力ポートの間の接続関係が決定される必要があることが、理解されてよい。
【0163】
光増幅器の入力端に入力される光信号が、光増幅器内の少なくとも1段の光増幅器ユニットによって増幅され、その後、光増幅器の出力端を使用して出力されることができることを条件として、本出願のこの実施形態では、各光スイッチの寸法(入力ポートの量および出力ポートの量)が制限されないことに留意されたい。本出願のこの実施形態では、光増幅器ユニットの各段の増幅倍数も制限されない。各光スイッチの寸法および光増幅器ユニットの各段の増幅倍数は、実際の状況に基づいて決定されてよい。その詳細は、本明細書では説明されない。
【実施例6】
【0164】
任意選択で、
図9は、本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
図9を参照する。光増幅器に含まれているコンポーネントは、
図6に示されている光増幅器のコンポーネントと同じである。唯一の違いは、
図6に示されている光増幅器では、DGE62が第1段の光増幅器ユニット601の出力端と光スイッチ61の入力端の間に配置されるが、この実施形態で提供される光増幅器では、DGE62が結合器64の出力端に配置されるという点である。それに応じて、光スイッチ61の第1の入力端61a1が、第1段の光増幅器ユニット601の出力端に接続される。
【0165】
図9に示されている実施形態では、光スイッチ61、第1段の光増幅器ユニット601、第2段の光増幅器ユニット602、および制御回路63の実装の原理および技術的効果は、
図6に示された光増幅器の実装の原理および技術的効果に類似しており、その詳細は本明細書では説明されない。
【0166】
加えて、この実施形態では、DGE62が結合器64の出力端に配置されるため、DGE62は、調整された減衰スペクトルに基づいて、結合器64によって出力された光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行するように構成される。
【実施例7】
【0167】
例えば、
図6に示された実施形態に基づいて、
図10は、本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。
図10を参照する。少なくとも2段の光増幅器ユニットが、第3段の光増幅器ユニット603をさらに含む。2つの光スイッチが存在し、2つの光スイッチは、第1の光スイッチ611および第2の光スイッチ612を含む。第1の光スイッチ611は、第1の入力ポート611a1、第2の入力ポート611a2、第1の出力ポート611b1、および第2の出力ポート611b2を含む。第2の光スイッチ612は、第3の入力ポート612a1、第4の入力ポート612a2、第3の出力ポート612b1、および第4の出力ポート612b2を含む。
【0168】
第1の光スイッチ611の場合、第1の入力ポート611a1がDGE62に接続され、第1の出力ポート611b1が第2段の光増幅器ユニット602の入力端に接続され、第2の入力ポート611a2が第4の出力ポート612b2に接続され、第2の出力ポート611b2が第3段の光増幅器ユニット603の入力端に接続される。
【0169】
第2の光スイッチ612の場合、第3の入力ポート612a1が第2段の光増幅器ユニット602の出力端に接続され、第4の入力ポート612a2が第3段の光増幅器ユニット603の出力端に接続され、第3の出力ポート612b1が光増幅器の出力ポートに接続される。
【0170】
図10を参照する。本出願のこの実施形態では、光増幅器が、3つの光増幅器ユニット、2つの2*2光スイッチ、制御回路63、およびDGE62を含む。第1の光スイッチ611および第2の光スイッチ612は、光増幅器の入力光信号が通過する光増幅器ユニットの組み合わせを切り替え、異なる利得モード、例えば、第1の利得モード、第2の利得モード、および第3の利得モードを形成してよい。各利得モードは、特定の利得間隔に対応する。利得間隔レンジが大きく拡大され、光増幅器の設計における困難さが軽減されるように、すべての利得モードがDGE62を共有する。
【0171】
本出願のこの実施形態では、少なくとも2つの利得モードが、第1の利得モード、第2の利得モード、および第3の利得モードを含む。
【0172】
具体的に、
図10を参照する。光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、第1の光スイッチ611、第2段の光増幅器ユニット602、および第2の光スイッチ612を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポート611a1が第1の出力ポート611b1に接続され、第2の入力ポート611a2が第2の出力ポート611b2に接続され、第3の入力ポート612a1が第3の出力ポート612b1に接続され、第4の入力ポート612a2が第4の出力ポート612b2に接続される。
【0173】
本出願のこの実施形態では、光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、第1の光スイッチ611および第2の光スイッチ612の両方が、二重経路モードに設定され、第3段の光増幅器ユニット603に対応するポンプレーザのパワーが減らされるか、またはポンプレーザが止められる。この場合、光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット601および第2段の光増幅器ユニット602によって増幅された後に出力され得るように、光サービス信号が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、第1の光スイッチ611、第2段の光増幅器ユニット602、および第2の光スイッチ612を順次に通って流れ、その後、出力される。
【0174】
この実施形態では、光増幅器の電力消費が減らされ、第3段の光増幅器ユニット603の自己ループ現象が回避され得るように、第3段の光増幅器ユニット603に対応するポンプレーザのパワーが減らされるか、またはポンプレーザが止められる。
【0175】
光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、第1の光スイッチ611、第3段の光増幅器ユニット603、および第2の光スイッチ612を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポート611a1が第2の出力ポート611b2に接続され、第4の入力ポート612a2が第3の出力ポート612b1に接続される。
【0176】
この実施形態では、第1の光スイッチ611および第2の光スイッチ612の両方が交差接続モードに設定される。すなわち、第1の光スイッチ611の第1の入力ポート611a1および第2の出力ポート611b2が接続され、第2の光スイッチ612の第4の入力ポート612a2および第3の出力ポート612b1が接続される。加えて、光増幅器の入力端から入る光サービス信号が、第1段の光増幅器ユニット601および第3段の光増幅器ユニット603によって増幅された後に出力され得るように、第2段の光増幅器ユニット602に対応するポンプレーザのパワーが減らされるか、またはポンプレーザが止められる。
【0177】
この実施形態では、一方で、光増幅器の電力消費が減らされ、他方で、この状態での第1の光スイッチ611および第2の光スイッチ612の接続状態に起因して第2段の光増幅器ユニット602で発生する自己ループ現象が回避され得るように、第2段の光増幅器ユニット602に対応するポンプレーザのパワーが減らされるか、またはポンプレーザが止められる。
【0178】
本出願のこの実施形態では、光増幅器ユニットによって使用されるポンプレーザが、ポンプレーザが共有されるように、光スプリッタを使用することによって光分割を実行してよく、それによって、コストをさらに減らすことに留意されたい。加えて、一部の利得モードで、ポンプレーザのパワーが減らされる必要があるか、または光増幅器ユニットのポンプレーザが止められる必要があるという問題が解決され得る。特定の実装は、実際の要件に基づいて設定されてよく、その詳細は本明細書では説明されない。
【0179】
光増幅器の利得モードが第3の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット601、DGE62、第1の光スイッチ611、第2段の光増幅器ユニット602、第2の光スイッチ612、第3段の光増幅器ユニット603、および第2の光スイッチ612を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポート611a1が第1の出力ポート611b1に接続され、第2の入力ポート611a2が第2の出力ポート611b2に接続され、第3の入力ポート612a1が第4の出力ポート612b2に接続され、第4の入力ポート612a2が第3の出力ポート612b1に接続される。
【0180】
この実施形態では、第1の光スイッチ611が二重経路モードに設定され、第2の光スイッチ612が交差接続モードに設定される。すなわち、第1の光スイッチ611では、第1の入力ポート611a1が第1の出力ポート611b1に接続され、第2の入力ポート611a2が第2の出力ポート611b2に接続され、第2の光スイッチ612では、第3の入力ポート612a1が第4の出力ポート612b2に接続され、第4の入力ポート612a2が第3の出力ポート612b1に接続される。この場合、光サービス信号が光増幅器の入力端から入り、第1段の光増幅器ユニット601、第2段の光増幅器ユニット602、および第3段の光増幅器ユニット603を順次に通過し、光増幅器の出力ポートを使用することによって最終的に出力される。
【0181】
この実施形態の技術的解決策では、2*2光スイッチが存在し、第1段の光増幅器ユニットの後にDGEが配備され、光増幅器のダイナミックレンジがさらに拡大されるように、光増幅器が2つの利得モードから3つの利得モードに拡大される。加えて、大きいダイナミックレンジを有する従来の光増幅器と比較して、光増幅器がより良いNF性能および平坦性性能、より単純な設計、ならびにより低いコストを有する。
【0182】
さらに、本出願の前述の実施形態では、制御回路63は、光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータに基づいてDGEの減衰スペクトルを調整するようにさらに構成される。
【0183】
例えば、制御回路63は、光増幅器の入力ポートおよび/または出力ポートにさらに別々に接続され、光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータを取得して、DGEの減衰スペクトルのリアルタイムの制御および動的な調整を実装してよく、それによって、光増幅器の正常動作を保証する。
【0184】
さらに、前述の実施形態に基づいて、光スイッチの入力ポートおよび出力ポートは、1×N、N×1、およびN×Nの寸法を含んでよく、Nは、2以上の値を持つ自然数である。複数の光スイッチの組み合わせが、異なる光増幅器ユニットの接続の組み合わせを制御する。異なる光スイッチの組み合わせが異なる光学経路を生成するが、原理は同じである。
【実施例8】
【0185】
例えば、前述の実施形態に基づいて、
図11は、本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。例えば、光スイッチは、N*Nの寸法の光スイッチであってよい。Nは正の整数であり、Nの特定の値は、実際の状況に基づいて決定されてよく、この実施形態では制限されない。
【0186】
例えば、
図11を参照する。この実施形態では、光増幅器が、1つの6*6光スイッチおよび7段の光増幅器ユニットを含んでよい。第1段の光増幅器ユニット、光スイッチ、DGE、および第7段の光増幅器ユニットが、光増幅器の主光学経路上で接続される。第2段の光増幅器ユニットから第6段の光増幅器ユニットまでが、光増幅器の分岐光学経路上で接続される。光増幅器ユニットの各段は、ISO、WDM、EDF、ポンプレーザなどを含む。
【0187】
この実施形態では、光学経路上で接続される光増幅器ユニットの量は、光スイッチの接続モード、および2(光スイッチの第1の入力ポートが第6の出力ポートに接続される場合)から7(第6の入力ポートが第6の出力ポートに接続されるまで、光スイッチの第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続され、第2の入力ポートが第2の出力ポートに接続される、などの場合)のレンジに基づいて任意の方法で組み合わせられた光増幅器ユニットの量であってよい。光学経路上で接続される光増幅器ユニットの量は、光スイッチの接続モードを変更することによって変更されてよい。光増幅器ユニットの任意の組み合わせは増幅モードであり、すべての増幅モードがDGEを共有する。
【0188】
本出願のこの実施形態では、光スイッチが6×6の寸法を有し、光増幅器ユニットの量が7であることが、単に説明のための例として使用されることが理解されてよい。光スイッチの寸法および光増幅器ユニットの量は、実際の状況に基づいて決定されてよく、その詳細は本明細書では説明されない。
【実施例9】
【0189】
例えば、前述の実施形態に基づいて、
図12は、本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。例えば、光スイッチは、N*Mの寸法の光スイッチであってよい。NおよびMは両方とも正の整数であり、NおよびMの特定の値は、実際の状況に基づいて決定されてよく、この実施形態では制限されない。
【0190】
例えば、
図12を参照する。この実施形態では、光増幅器が1つの5*6光スイッチおよび6段の光増幅器ユニットを含み得るように、光スイッチは5*6の寸法の光スイッチであってよい。第1段の光増幅器ユニット、DGE、光スイッチ、および結合器が、光増幅器の主光学経路上で接続される。第2段の光増幅器ユニットから第6段の光増幅器ユニットまでが、光増幅器の分岐光学経路上で接続される。
【0191】
この実施形態では、光学経路上で接続される光増幅器ユニットの量は、代替として、光スイッチの接続モード、および1(光スイッチの第1の入力ポートが第6の出力ポートに接続される場合)から6(第5の入力ポートが第5の出力ポートおよび第6の出力ポートに接続されるまで、光スイッチの第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続され、第2の入力ポートが第2の出力ポートに接続される、などの場合)のレンジに基づいて任意の方法で組み合わせられた光増幅器ユニットの量であってよい。光学経路上で接続される光増幅器ユニットの量は、光スイッチの接続モードを変更することによって変更されてよい。光増幅器ユニットの任意の組み合わせは増幅モードであり、すべての増幅モードがDGEを共有する。
【0192】
本出願のこの実施形態では、光スイッチが5×6の寸法を有し、光増幅器ユニットの量が6であることが、単に説明のための例として使用されることが理解されてよい。光スイッチの寸法および光増幅器ユニットの量は、実際の状況に基づいて決定されてよく、その詳細は本明細書では説明されない。
【実施例10】
【0193】
例えば、前述の実施形態に基づいて、
図13は、本出願の実施形態による、光増幅器の構造のさらに別の概略図である。例えば、少なくとも2つの光スイッチが存在してよく、各光スイッチはN*Mの寸法の光スイッチであってよい。NおよびMは両方とも正の整数であり、NおよびMの値は同じであるか、または異なってよい。特定の値は、実際の状況に基づいて決定されてよく、この実施形態では制限されない。
【0194】
例えば、
図13を参照する。この実施形態では、光増幅器が第1の5*5光スイッチ、第2の5*5光スイッチ、および7段の光増幅器ユニットを含み得るように、2つの光スイッチがそれぞれ5*5の寸法を有することが、説明のための例として使用される。第1段の光増幅器ユニット、第1の5*5光スイッチ、第2の5*5光スイッチ、DGE、および第7段の光増幅器ユニットが、光増幅器の主光学経路上で接続される。第2段の光増幅器ユニットから第6段の光増幅器ユニットまでが、光増幅器の分岐光学経路上で接続される。
【0195】
この実施形態では、光学経路上で接続される光増幅器ユニットの量は、第1の5*5光スイッチおよび第2の5*5光スイッチの接続モード、ならびに3(第1の5*5光スイッチの第1の入力ポートが第1の5*5光スイッチの任意の出力ポートに接続され、第2の5*5光スイッチの対応する入力ポートが第2の5*5光スイッチの第5の出力ポートに接続される場合)から7(第1の5*5光スイッチの第5の入力ポートが第1の5*5光スイッチの第5の出力ポートに接続され、第2の5*5光スイッチの第5の入力ポートが第2の5*5光スイッチの第5の出力ポートに接続されるまで、第1の5*5光スイッチの第1の入力ポートが第1の5*5光スイッチの第1の出力ポートに接続され、第2の5*5光スイッチの第1の入力ポートが第2の5*5光スイッチの第1の出力ポートに接続される、などの場合)のレンジに基づいて任意の方法で組み合わせられた光増幅器ユニットの量であってよい。光学経路上で接続される光増幅器ユニットの量は、光スイッチの接続モードを変更することによって変更されてよい。光増幅器ユニットの任意の組み合わせは増幅モードであり、すべての増幅モードがDGEを共有する。
【0196】
第1の5*5光スイッチと第2の5*5光スイッチの間で、光増幅器ユニットが接続されていない経路が存在する場合、光学経路上で接続される光増幅器ユニットの最少量は2であってよいことが理解されてよい。第1の5*5光スイッチと第2の5*5光スイッチの間で光増幅器ユニットが接続されるかどうかは、実際の要件に基づいて決定されてよく、その詳細は本明細書では説明されない。
【0197】
本出願のこの実施形態では、単一の光スイッチを含む光増幅器と比較して、2つの光スイッチを含む光増幅器は、より柔軟な増幅モードおよびより多くの組み合わせを実装する。
【0198】
前述の実施形態に基づいて、本出願の実施形態は、光信号処理方法をさらに提供する。以下では、
図4および
図5で提供された光増幅器ならびに
図6から
図10で提供された光増幅器を参照して、本出願の技術的解決策を詳細に説明する。方法の実施形態で説明されない詳細については、光増幅器の前述の実施形態を参照する。
【0199】
図14は、本出願による、光信号処理方法の実施例1の概略フローチャートである。この方法は、
図4に示されている光増幅器に適用される。具体的に、
図4を参照する。光増幅器は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器DGE、および制御回路を含み、少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含むことがわかる。光スイッチの入力端は、第1段の光増幅器ユニットの出力端および第2段の光増幅器ユニットの出力端に別々に接続され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端およびDGEの入力端に別々に接続される。制御回路は、光スイッチおよびDGEに別々に接続される。それに応じて、
図14に示されているように、この方法は以下のステップを含んでよい。
【0200】
ステップ1401:システム設定命令を取得し、システム設定命令が光増幅器の利得レンジを含む。
【0201】
例えば、本出願のこの実施形態では、光増幅器の利得レンジは、外部ネットワーク管理システムによって構成されてよい。したがって、ネットワーク管理システムは、光増幅器の構成された利得レンジを光増幅器に配信してよい。次に、光増幅器は、光増幅器の取得された利得レンジに基づいて、光スイッチ、光増幅器ユニットの各段、およびDGEを制御する。
【0202】
特定の実装では、光増幅器がコンポーネント全体と見なされ、この方法の実行の本体が光増幅器であることが理解されてよい。実用的応用では、光増幅器の制御回路によって、光増幅器内の各コンポーネントの制御が実際に実行される。
【0203】
さらに、本出願のこの実施形態では、光増幅器が正確な制御下にあることを保証するために、送信端から受信端への方向に光増幅器のコンポーネントを初期化して構成するように、システム設定命令がさらに使用されてよい。
【0204】
ステップ1402:光増幅器の利得レンジに基づいて、光スイッチを制御し、少なくとも2段の光増幅器ユニットの各々の少なくとも2つの利得モードおよび動作状態を設定する。
【0205】
第1段の光増幅器ユニットは、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニットは、光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成される。
【0206】
本出願のこの実施形態では、取得されたシステム設定命令に基づいて光増幅器の利得レンジを決定した後に、光増幅器が、光増幅器の利得レンジに基づいて、光スイッチによって設定される利得モードおよび光増幅器ユニットの各段の動作状態を制御してよい。
【0207】
例えば、
図4に示された光増幅器を参照する。光スイッチは、第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを含む。光スイッチによって設定されてよい少なくとも2つの利得モードが第1の利得モードおよび第2の利得モードを含む場合、光スイッチを制御して少なくとも2つの利得モードを設定することの実装は、次の通りであってよい。
【0208】
例では、光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、およびDGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続するように制御され、第2の入力ポートが第2の出力ポートに接続するように制御される。
【0209】
例えば、光増幅器のダイナミックレンジ全体は、14dBから32dBである。例では、システム設定命令に設定された光増幅器の利得レンジが19dBから32dBである場合、光増幅器が第1の利得モードになり、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、およびDGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、光スイッチの第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続するように制御されてよく、第2の入力ポートが第2の出力ポートに接続するように制御されてよい。この場合、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットの動作状態は正常である。
【0210】
別の例では、光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、光スイッチ、およびDGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第2の出力ポートに接続するように制御される。
【0211】
例えば、システム設定命令に設定された光増幅器の利得レンジが14dBから20dBである場合、光増幅器が第2の利得モードになり、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、光スイッチ、およびDGEを通って順次に流れ、その後、出力されるように、光スイッチの第1の入力ポートが第2の出力ポートに接続するように制御されてよい。この場合、第1段の光増幅器ユニットの動作状態は正常である。しかし、第2段の光増幅器ユニット内で形成されたループによって引き起こされる自己励起を回避するために、第2段の光増幅器ユニット内のポンプレーザが止められる必要があるか、または第2段の光増幅器ユニット内のポンプレーザのパワーが減らされる必要がある。
【0212】
各光増幅ユニットが独立したポンプレーザを含み、異なる利得値に基づいてポンプレーザの送信パワー値が調整される必要があることが理解されてよい。異なる光増幅器ユニットに対応するポンプレーザは、異なる。ポンプレーザのパワーを変更することは、光増幅器ユニットの利得スペクトルに影響を与える。DGEの減衰スペクトルは、光増幅器ユニットの利得スペクトルに一致する必要がある。
【0213】
ステップ1403:光スイッチによって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整する。
【0214】
この実施形態では、光スイッチによって設定される利得モードを決定した後に、光増幅器は、DGEの減衰スペクトルが光増幅器ユニットのすべての段の利得スペクトルに一致することができ、それによって、光増幅器の出力光信号パワーが平坦になることを保証するように、光増幅器の設定された利得レンジに基づいてDGEの減衰スペクトルを調整してよい。このようにして、光増幅器の全体的な増幅倍数が設計要件を満たし、すなわち、光増幅器の利得が設定を満たすことが保証され、出力光パワー分布の平坦性が要件を満たす。
【0215】
例えば、DGEの減衰スペクトルが前もって生成され、ネットワーク管理システムにおいて異なる利得モードの利得レンジとDGEの減衰スペクトルの間の対応関係が事前に設定された場合、光増幅器の利得レンジおよび光スイッチの利得モードを取得した後に、光増幅器の制御回路は、異なる利得モードの利得レンジに基づいてテーブル検索方法を使用することによってDGEの応答を取得し、DGEを制御してよい。前もって生成された減衰スペクトルが、光増幅器の定格動作ダイナミックレンジに一致するため、光増幅器の利得レンジは、その後の使用中に超えられない。
【0216】
この実施形態では、光増幅器の制御回路は、光増幅器の出力光パワーができるだけ平坦になるように、DGEの減衰スペクトルを調整する。
【0217】
ステップ1404:DGEを制御して、調整された減衰スペクトルに基づいて、光スイッチによって出力された第2の光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行する。
【0218】
この実施形態では、DGEは、光スイッチの出力端に配置される。具体的には、DGEは、光スイッチの第2の出力ポートに接続される。このようにして、光スイッチの第2の出力ポートを使用することによって出力された第2の光信号がDGEを通って流れる。このようにして、DGEは、光増幅器の利得レンジが設計要件を満たすことを保証するために、光増幅器の利得レンジに基づいて、異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行してよい。
【0219】
さらに、本出願のこの実施形態では、光増幅器の制御回路は、光増幅器の入力端で、光監視(monitoring,MON)ポート、PIN光ダイオード(PIN photodiode,PIN)、および/または光学性能モニタ(optical performance monitor,OPM)にさらに接続されてよく、および/または光増幅器の制御回路は、光増幅器の出力端で、光監視ポートMONおよび/またはPIN光ダイオードにさらに接続されてよい。したがって、この実施形態で提供される光信号処理方法は、以下のステップをさらに含んでよい。
【0220】
A1:光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータを取得する。
【0221】
A2:光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整する。
【0222】
この実施形態では、光増幅器は、MONポートに接続された分光計または同じ機能を有するスペクトル検出ツールを使用することによって、光増幅器の出力ポートで光信号の各波長のパワーを検出し、光信号の各波長のパワーを制御回路にフィードバックする。制御回路は、光増幅器の出力パワー分布に基づいて各光増幅器ユニット内のポンプレーザの動作電流を調整して、ポンプレーザの送信光パワーを調整し、それによって、光増幅器がネットワーク管理システムによって設定された利得レンジ内で動作することを保証する。
【0223】
光増幅器の入力端および出力端でのPINは、光増幅器の合計入力パワーおよび合計出力パワーを検出するように構成される。各光増幅器ユニット内のポンプレーザの電流値は、ポンプレーザの光パワーを変更するために、光増幅器の合計入力パワーおよび合計出力パワーに基づいて制御されてよい。一般に、光増幅器の出力パワーが飽和していない場合、ポンプレーザのパワーを増やすことによって、光増幅器の出力光パワーが増やされることができる。
【0224】
具体的には、光増幅器の制御回路は、光増幅器の入力端および/または出力端に配置された光監視ポートMON、PIN、および/またはOPUを使用することによって取得された監視データに基づいて、DGEの減衰スペクトルをリアルタイムに制御してよい。すなわち、制御回路は、各性能パラメータの差が設定されたしきい値要件を満たすまで複数回、光増幅器の出力光信号パワー/利得/OSNRなどの性能パラメータの差を計算し、DGEの応答を更新して、反復する。任意選択で、設定されたしきい値は、ネットワーク管理システムによって事前に設定される。
【0225】
本出願のこの実施形態で提供される光信号処理方法では、光増幅器は、システム設定命令を取得することであって、システム設定命令が光増幅器の利得レンジを含む、取得することと、光増幅器の利得レンジに基づいて光スイッチを制御し、少なくとも2段の光増幅器ユニットの各々の少なくとも2つの利得モードおよび動作状態を設定することと、光スイッチによって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいてDGEの減衰スペクトルを調整することと、DGEを制御して、調整された減衰スペクトルに基づいて、光スイッチによって出力された第2の光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行することとを行う。この技術的解決策では、光スイッチを使用することによって光増幅器の利得モードが設定され、調整可能な減衰スペクトルを有するDGEを使用することによって利得調整が実行される。このようにして、光増幅器の中間段の特有の挿入損失が増やされず、より良いNF性能が得られる。NFが小さい場合、光増幅器の利得間隔レンジが拡大されることができ、光スイッチの制御の複雑さが軽減されることができる。加えて、本出願における光増幅器設計は、複数の利得モードがDGEを共有することを可能にすることができ、それによって、光増幅器の構造設計を簡略化し、動的利得平坦化フィルタの設計における困難さを軽減する。
【0226】
図15は、本出願による、光信号処理方法の実施例2の概略フローチャートである。この方法は、
図6に示されている光増幅器に適用される。具体的に、
図6を参照する。光増幅器は、少なくとも2段の光増幅器ユニット、光スイッチ、動的利得等化器DGE、および制御回路を含み、少なくとも2段の光増幅器ユニットは、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットを含むことがわかる。DGEは、第1段の光増幅器ユニットの出力端と光スイッチの入力端の間に配置され、光スイッチの出力端は、第2段の光増幅器ユニットの入力端に接続される。制御回路は、光スイッチおよびDGEに別々に接続される。それに応じて、
図15に示されているように、この方法は以下のステップを含んでよい。
【0227】
ステップ1501:システム設定命令を取得し、システム設定命令が光増幅器の利得レンジを含む。
【0228】
ステップ1502:光増幅器の利得レンジに基づいて、光スイッチを制御し、少なくとも2段の光増幅器ユニットの各々の少なくとも2つの利得モードおよび動作状態を設定する。
【0229】
第1段の光増幅器ユニットは、光増幅器の入力光信号を増幅するように構成され、第2段の光増幅器ユニットは、光スイッチによって出力された第1の光信号を増幅するように構成される。
【0230】
本出願のこの実施形態では、光増幅器が、取得されたシステム設定命令に基づいて光増幅器の利得レンジを決定してもよく、その後、光増幅器の利得レンジに基づいて、光スイッチによって設定される利得モードおよび光増幅器ユニットの各段の動作状態を制御してよい。
【0231】
例えば、本出願の可能な設計では、
図6に示された光増幅器を参照する。1つの光スイッチが存在し、光スイッチが第1の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを含む場合、光増幅器が結合器をさらに含む。光スイッチによって設定されてよい少なくとも2つの利得モードは、第1の利得モードおよび第2の利得モードを含む。この場合、光スイッチを制御して少なくとも2つの利得モードを設定することの実装は、次の通りであってよい。
【0232】
例では、光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、および結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続するように制御される。この場合、第1段の光増幅器ユニットおよび第2段の光増幅器ユニットの動作状態は正常である。
【0233】
別の例では、光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、光スイッチ、および結合器を通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第2の出力ポートに接続するように制御される。この場合、第1段の光増幅器ユニットの動作状態は正常である。しかし、第2段の光増幅器ユニット内で形成されたループによって引き起こされる自己励起を回避するために、第2段の光増幅器ユニット内のポンプレーザが止められる必要があるか、または第2段の光増幅器ユニット内のポンプレーザのパワーが減らされる必要がある。
【0234】
例えば、本出願の別の可能な設計では、
図10に示された光増幅器を参照する。少なくとも2段の光増幅器ユニットが、第3段の光増幅器ユニットをさらに含む。すなわち、光増幅器は、第1段の光増幅器ユニット、第2段の光増幅器ユニット、および第3段の光増幅器ユニットを含む。2つの光スイッチが存在し、2つの光スイッチは、第1の光スイッチおよび第2の光スイッチを含む。第1の光スイッチは、第1の入力ポート、第2の入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートを含む。第2の光スイッチは、第3の入力ポート、第4の入力ポート、第3の出力ポート、および第4の出力ポートを含む。光スイッチを制御して少なくとも2つの利得モードを設定することが次の方法で実装され得るように、光スイッチによって設定されてよい少なくとも2つの利得モードが第1の利得モード、第2の利得モード、および第3の利得モードを含む。
【0235】
例では、光増幅器の利得モードが第1の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、第1の光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、および第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力され得るように、第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続するように制御され、第2の入力ポートが第2の出力ポートに接続するように制御され、第3の入力ポートが第3の出力ポートに接続するように制御され、第4の入力ポートが第4の出力ポートに接続するように制御される。
【0236】
具体的には、この実施形態では、第1の光スイッチおよび第2の光スイッチの両方が二重経路モードに設定され、光増幅器の電力消費が減らされ、第1の光スイッチおよび第2の光スイッチの接続状態に起因して第3段の光増幅器ユニットに発生する自己ループ現象が回避され得るように、第3段の光増幅器ユニットに対応するポンプレーザのパワーが減らされるか、またはポンプレーザが止められる。このようにして、光増幅器の出力全体が利得要件を満たす。
【0237】
別の例では、光増幅器の利得モードが第2の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、第1の光スイッチ、第3段の光増幅器ユニット、および第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第2の出力ポートに接続するように制御され、第4の入力ポートが第3の出力ポートに接続するように制御される。
【0238】
この実施形態では、第1の光スイッチおよび第2の光スイッチの両方が、交差接続モードに設定され、第2段の光増幅器ユニットに対応するポンプレーザのパワーが減らされるか、またはポンプレーザが止められる。第2段の光増幅器ユニットに対応するポンプレーザのパワーを減らすか、またはポンプレーザを止めることによって、光増幅器の電力消費が減らされ、第2段の光増幅器ユニットの自己ループ現象が回避され得る。
【0239】
さらに別の例では、光増幅器の利得モードが第3の利得モードである場合、光増幅器の入力光信号が第1段の光増幅器ユニット、DGE、第1の光スイッチ、第2段の光増幅器ユニット、第2の光スイッチ、第3段の光増幅器ユニット、および第2の光スイッチを通って順次に流れ、その後、出力されるように、第1の入力ポートが第1の出力ポートに接続するように制御され、第2の入力ポートが第2の出力ポートに接続するように制御され、第3の入力ポートが第4の出力ポートに接続するように制御され、第4の入力ポートが第3の出力ポートに接続するように制御される。
【0240】
この実施形態では、第1の光スイッチが二重経路モードに設定され、第2の光スイッチが交差接続モードに設定される。この例では、光増幅器に含まれている3段の光増幅器ユニットすべてが正常に動作する。光増幅器が第3の利得モードにある場合、光増幅器は、第1の利得モードおよび第2の利得モードと比較して、最高の利得を有する。
【0241】
ステップ1503:光スイッチによって設定された少なくとも2つの利得モードに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整する。
【0242】
ステップ1504:DGEを制御して、調整された減衰スペクトルに基づいて、第1段の光増幅器ユニットによって出力された光信号における異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行する。
【0243】
この実施形態では、DGEが、光スイッチの前、および第1段の光増幅器ユニットの後に配置され、第1段の光増幅器ユニットによって出力された光信号がDGEを通って流れる。このようにして、DGEは、光増幅器の利得レンジが設計要件を満たすことを保証するために、光増幅器の利得レンジに基づいて、異なる波長の信号に対してパワー減衰処理を実行してよい。
【0244】
この実施形態でのステップ1501およびステップ1504の実装の原理が、
図14に示された方法の実施形態でのステップ1401およびステップ1404の実装の原理と同じであり、その詳細が本明細書では説明されないことが理解されてよい。
【0245】
さらに、この実施形態では、この方法は次のステップをさらに含んでよい。
【0246】
B1:光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータを取得する。
【0247】
B2:光増幅器の入力ポートデータおよび/または出力ポートデータに基づいて、DGEの減衰スペクトルを調整する。
【0248】
この実施形態では、B1およびB2の実装の原理は、
図14に示された方法の実施形態でのA1およびA2の実装の原理と同じであり、その詳細は本明細書では説明されない。
【0249】
さらに、この実施形態で説明されない詳細については、
図4から
図13の光増幅器の実施形態での説明を参照する。その詳細は、本明細書では説明されない。
【0250】
例えば、本出願の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を格納し、命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、
図14に示された実施形態で方法を実行することが可能にされる。
【0251】
例えば、本出願の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を格納し、命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、
図15に示された実施形態で方法を実行することが可能にされる。
【0252】
本出願では、「少なくとも1つの」は1つまたは複数を意味し、「複数の」は2つ以上を意味する。「および/または」という用語は、関連付けられた対象間の相関関係を表し、3つの関係を示してよい。例えば、Aおよび/またはBは、次の事例を示してよい。Aのみが存在する、AとBの両方が存在する、およびBのみが存在する。AおよびBは、単数または複数であってよい。文字「/」は、関連付けられた対象間の関係が「または」であることを示す。式では、文字「/」は、関連付けられた対象間の関係が「除算」であることを示す。「次の項目(要素)のうちの少なくとも1つ」またはそれに類似する表現は、単数の項目(要素)または複数の項目(要素)の任意の組み合わせを含む、これらの項目の任意の組み合わせを意味する。例えば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、a-b、a-c、b-c、またはa-b-cを表してよく、a、b、およびcの量は1つまたは複数であってよい。
【0253】
本出願の実施形態でのさまざまな番号は、単に説明を簡単にするための区別に使用されており、本出願の実施形態の範囲を制限するために使用されていないことが、理解されてよい。
【0254】
本出願の実施形態では、前述の処理の連続番号が実行順序を意味していないことが理解されてよい。処理の実行順序は、処理の機能および内部論理に基づいて決定されるべきであり、本出願の実施形態の実装処理に対する制限と解釈されるべきではない。