(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】イメージングカテーテル及びイメージング装置
(51)【国際特許分類】
A61B 1/04 20060101AFI20231107BHJP
【FI】
A61B1/04 530
(21)【出願番号】P 2022550235
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2021075596
(87)【国際公開番号】W WO2021175093
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】202010144400.5
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521375461
【氏名又は名称】マイクロ-テック (ナンジン) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MICRO-TECH (NANJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 10, Gaoke Third Road, National New & High Technology Industrial Development Zone, Pukou District, Nanjing, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ シャオチュン
(72)【発明者】
【氏名】グアン ミンスン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ドゥアングイ
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-005269(JP,A)
【文献】特開2010-269014(JP,A)
【文献】特表2012-500102(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0038320(US,A1)
【文献】特開2015-039410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00- 1/32
8/00- 8/15
A61F 2/82- 2/97
A61M 25/00-29/04
35/00-36/08
37/00
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングカテーテルであって、金属製ワイヤーチューブ、チップ(tip)及び固定リングを含み、前記金属製ワイヤーチューブの一端にある露出した金属製ワイヤーは導電性端を形成し、前記固定リングは前記導電性端を覆うとともに、前記チップに連結し、前記導電性端は前記チップに電気的に接続され
、前記導電性端は、前記固定リングを介して前記チップに電気的に接続されることを特徴とする、イメージングカテーテル。
【請求項2】
前記導電性端の遠位端は、前記金属製ワイヤーチューブの周方向に沿って、順次に配置された複数の金属製ワイヤーヘッドを含み、前記複数の金属製ワイヤーヘッドは、いずれも前記固定リングに電気的に接続されることを特徴とする、請求項
1に記載のイメージングカテーテル。
【請求項3】
前記金属製ワイヤーチューブと前記チップは並べて配置され、前記固定リングは、前記チップの近位端を覆設するように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のイメージングカテーテル。
【請求項4】
前記チップの外壁は、前記チップの軸方向に沿って、順次に配置された第1の周面と第2の周面とを含み、前記第1の周面は、前記第2の周面より半径方向の寸法が小さく、
前記固定リングの内壁は、前記第1の周面と嵌め合うことを特徴とする、請求項
3に記載のイメージングカテーテル。
【請求項5】
前記外壁は、さらに、段付き面を含み、前記段付き面の両端は、それぞれ前記第1の周面と前記第2の周面に連結し、前記段付き面は、前記固定リングの遠位端を制限するように構成されていることを特徴とする、請求項
4に記載のイメージングカテーテル。
【請求項6】
前記段付き面は、前記チップの半径方向に沿って配置されていることを特徴とする、請求項
5に記載のイメージングカテーテル。
【請求項7】
前記金属製ワイヤーチューブは、絶縁チューブと金属製ワイヤーとを含み、前記金属製ワイヤーの一部は、前記絶縁チューブ内にあり、且つ前記金属製ワイヤーの一部は、前記絶縁チューブの遠位端から突き出て前記導電性端を形成することを特徴とする、請求項1~
6のいずれか1項に記載のイメージングカテーテル。
【請求項8】
前記絶縁チューブは、前記金属製ワイヤーの一部が覆われるように、前記金属製ワイヤー上に熱可塑的に形成されていることを特徴とする、請求項
7に記載のイメージングカテーテル。
【請求項9】
前記固定リングの近位端は、前記絶縁チューブを覆設するように配置されていることを特徴とする、請求項
7に記載のイメージングカテーテル。
【請求項10】
前記イメージングカテーテルは、さらに、マルチルーメンチューブを含み、前記金属製ワイヤーチューブは、前記マルチルーメンチューブを覆設するように配置されていることを特徴とする、請求項1~
6のいずれか1項に記載のイメージングカテーテル。
【請求項11】
前記マルチルーメンチューブは一体構造であることを特徴とする、請求項
10に記載のイメージングカテーテル。
【請求項12】
前記金属製ワイヤーチューブは、さらに、前記導電性端に電気的に接続される放出端を備え、前記放出端は、接地されるように構成されていることを特徴とする、請求項1~
6のいずれか1項に記載のイメージングカテーテル。
【請求項13】
前記金属製ワイヤーチューブは、さらに、導線を含み、前記導線の一端は、前記導電性端に電気的に接続され、他端は、前記放出端が形成されるように、接地されるように構成されていることを特徴とする、請求項
12に記載のイメージングカテーテル。
【請求項14】
イメージング装置であって、前記イメージング装置は、カメラセンブリと請求項1~
13のいずれか1項に記載のイメージングカテーテルとを含み、前記カメラセンブリは、前記イメージングカテーテルのチップ内に取り付けられていることを特徴とする、イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療機器技術分野に関し、具体的には、イメージングカテーテル及びイメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
治療中に、人体内の状況をより明らかにするために、イメージング装置の遠位端にあるカメラセンブリを採用して人体の内部に挿入し、人体の内部状況を観察可能にさせるように画面上にイメージングすることができ、例えば、胆管鏡システム持ちのカメラセンブリによって、胆道内の病変や結石の状況を直接観察することで、胆道疾患治療の精度を向上させる。
【0003】
イメージング装置は、カメラセンブリによってメージングするとき、カメラセンブリが電子部品で、静電気の影響を受けやすいため、表示画面の不安定問題が生じ、それによって、イメージング効果にも影響を及ぼす。従来、一部のイメージング装置では、カメラセンブリ画像表示の安定性を向上させるために、イメージング装置のカメラセンブリにおいて、静電気が引き出されるようにアース線が配置されているが、追加配置のアース線によって限られたスペースが占有され、また、イメージング装置の構造が複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、例えば、静電気の引き出し及び/又は静電気のイメージング画像に対する影響の低下をはかると同時に、スペースを節約できる、イメージングカテーテルを提供することを含む。
【0005】
本開示の目的は、さらに、静電気の引き出し及び/又は静電気のイメージング画像に対する影響の低下をはかると同時に、スペースを節約できる、イメージング装置を提供することを含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例は、以下のように実施することができる。
【0007】
本開示の実施例は、イメージングカテーテルを提供し、当該イメージングカテーテルは、金属製ワイヤーチューブ、チップ(tip)及び固定リングを含み、前記金属製ワイヤーチューブの一端にある露出した金属製ワイヤーは導電性端を形成し、前記固定リングは、前記導電性端が前記チップに電気的に接続されるように、前記導電性端を覆うとともに、前記チップに連結する。
【0008】
選択的に、前記導電性端は、前記固定リングを介して前記チップに電気的に接続される。
【0009】
選択的に、前記導電性端の遠位端は、前記金属製ワイヤーチューブの周方向に沿って、順次に配置された複数の金属製ワイヤーヘッドを含み、前記複数の金属製ワイヤーヘッドは、いずれも前記固定リングに電気的に接続される。
【0010】
選択的に、前記導電性端は、前記チップと接触し、前記導電性端は、前記チップに電気的に接続される。
【0011】
選択的に、前記金属製ワイヤーチューブと前記チップは、並べて配置され、前記固定リングは、前記チップの近位端を覆設するように配置されている。
【0012】
選択的に、前記チップの外壁は、前記チップの軸方向に沿って、順次に配置された第1の周面と第2の周面とを含み、前記第1の周面は、前記第2の周面より半径方向の寸法が小さく、
前記固定リングの内壁は、前記第1の周面と嵌め合う。
【0013】
選択的に、前記外壁は、さらに、段付き面を含み、前記段付き面の両端は、それぞれ前記第1の周面と前記第2の周面に連結し、前記段付き面は、前記固定リングの遠位端を制限するように構成されている。
【0014】
選択的に、前記段付き面は、前記チップの半径方向に沿って配置されている。
【0015】
選択的に、前記金属製ワイヤーチューブは、絶縁チューブと金属製ワイヤーとを含み、前記金属製ワイヤーの一部は、前記絶縁チューブ内にあり、且つ前記金属製ワイヤーの一部は、前記絶縁チューブの遠位端から突き出て前記導電性端を形成する。
【0016】
選択的に、前記絶縁チューブは、前記金属製ワイヤーの一部が覆われるように、前記金属製ワイヤー上に熱可塑的に形成されている。
【0017】
選択的に、前記固定リングの近位端は、前記絶縁チューブを覆設するように配置されている。
【0018】
選択的に、前記イメージングカテーテルは、さらに、マルチルーメンチューブを含み、前記金属製ワイヤーチューブは、前記マルチルーメンチューブを覆設するように配置されている。
【0019】
選択的に、前記マルチルーメンチューブは、一体構造になっている。
【0020】
選択的に、前記金属製ワイヤーチューブは、さらに、前記導電性端に電気的に接続される放出端を備え、前記放出端は、接地されるように構成されている。
【0021】
選択的に、前記金属製ワイヤーチューブは、さらに、導線を含み、前記導線の一端は、前記導電性端に電気的に接続され、他端は、前記放出端が形成されるように、接地されるように構成されている。
【0022】
本開示の実施例は、さらに、イメージング装置を提供する。当該イメージング装置は、カメラセンブリ及び上記した任意の1つのイメージングカテーテルを含む。カメラセンブリは、イメージングカテーテルのチップに取り付けられている。
【発明の効果】
【0023】
本開示の実施例のイメージングカテーテル及びイメージング装置の有益の効果は、例えば、以下のようになっている。
【0024】
本開示の実施例は、イメージングカテーテルを提供し、当該イメージングカテーテルは、金属製ワイヤーチューブ、チップ及び固定リングを含む。金属製ワイヤーチューブの一端にある露出した金属製ワイヤーは導電性端を形成し、導電性端は、チップに電気的に接続され、その結果、金属製ワイヤーを導電性媒体としてチップからの静電気の放出は実現され、静電気のチップでのカメラセンブリに対する影響及び静電気の人体に対する危害は軽減できると同時に、カメラセンブリで追加のアース線が不要になるため、スペースは効果的に節約される。固定リングは導電性端を覆うとともに、チップに連結するため、金属製ワイヤーチューブはチップに連結して固定され、そして、当該導電性端は露出した金属製ワイヤーであるため、固定リングで導電性端を覆うことにより、金属製ワイヤーが形成した鋭利な部分による人体への損傷は効果的に回避され、使用効果を一層向上させることができる。
【0025】
本開示の実施例は、さらに、イメージング装置を提供し、当該イメージング装置は、上記したイメージングカテーテルを含む。当該イメージング装置は、上記したイメージングカテーテルを含むため、静電気のチップでのカメラセンブリに対する影響を軽減すると同時に使用効果を向上させる有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、本開示の実施例の技術案をより明らかにするために、実施例の説明に必要な図面について、簡単に説明する。以下の図面は、本開示のいくつかの実施例のみを示しているため、範囲を限定すると見なされるべきではないことを理解すべきである。当業者にとって、他の関連する図面もまた、創造的な労働を要することなしにこれらの図面より得ることができる。
【
図1】本開示の実施例によって提供されるイメージング装置全体の構造概略図である。
【
図2】第1の視野角からの本開示の実施例によって提供されるイメージング装置の部分構造の断面概略図である。
【
図3】本開示の実施例によって提供されるイメージング装置における金属製ワイヤーチューブの構造概略図である。
【
図4】
図2のIVでの部分構造の拡大概略図である。
【
図6】
図2のVIでの部分構造の拡大概略図である。
【
図7】第2の視野角からの本開示の実施例によって提供されるイメージングカテーテルの断面構造概略図である。
【
図8】本開示の実施例によって提供されるイメージングカテーテルにおけるチップの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、本開示の実施例に係る図面を参照しながら、その技術案について明瞭、且つ完全に説明し、当然のことながら、記載される実施例は本開示の実施例の一部にすぎず、そのすべての実施例ではない。一般的に、本明細書の図面に記載及び図示されている本開示の実施例のコンポーネントは、様々な異なる構成で配置及び設計することができる。
【0028】
したがって、以下、添付の図面に提供される本開示の実施例の詳細な説明は、特許請求されるような本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の選択された実施例のみを表すことである。当業者は、本開示の実施例に基づき、創造的な労働をすることなく、獲得されたその他のすべての実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0029】
以下の図では、類似する番号や文字は類似する項目を表すため、1つの図で項目を定義すると、以降の図でさらに定義や説明を行う必要はない。
【0030】
本開示の説明において、なお、「上」、「下」、「内」及び/又は「外」などの用語によって示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であるか、当該発明製品が使用されるときに通常置かれている方位又は位置関係である場合、本開示を説明しやすくするため、及び説明を簡略化するためだけであり、言及される装置又はデバイスが特定の方位を有しなければならないこと、または特定の方位で構築及び操作されなければならないことを指示又は暗示することを意図するものではないため、本開示を限定するものとして理解することはできない。
【0031】
また、「第1」及び/又は「第2」などの用語は、記載を区別するためだけに用いられる場合、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解されるべきではない。
【0032】
なお、本開示の実施例の特徴は、衝突することなく互いに組み合わせることができる。
【0033】
図1は、本実施例によって提供されるイメージング装置10全体の構造概略図であり、
図2は、第1の視野角からの本実施例によって提供されるイメージング装置10の部分構造の断面概略図であり、
図3は、本実施例によって提供されるイメージング装置10における金属製ワイヤーチューブ110の構造概略図である。
図1、
図2及び
図3を参照すれば、本実施例は、イメージングカテーテル100を提供し、相応に、イメージング装置10を提供する。
【0034】
イメージング装置10は、イメージングカテーテル100と、イメージングカテーテル100内に配置されたカメラセンブリ200とを含む。
【0035】
具体的に、イメージングカテーテル100は、金属製ワイヤーチューブ110、チップ130及び固定リング140を含む。金属製ワイヤーチューブ110の一端にある露出した金属製ワイヤーは導電性端112を形成し、導電性端112は、チップ130に電気的に接続されるため、金属製ワイヤーチューブ110内の金属製ワイヤーを導電性媒体としてチップ130からの静電気の放出を実現し、静電気のチップ130でのカメラセンブリ200に対する影響及び静電気の人体に対する危害を軽減することができると同時に、カメラセンブリ200で追加のアース線が不要になるため、スペースを効果的に節約する。固定リング140は導電性端112を覆うとともに、チップ130に連結するため、金属製ワイヤーチューブ110は、チップ130に連結して固定され、そして、当該導電性端112は露出した金属製ワイヤーであるため、固定リング140で導電性端112を覆うことにより、金属製ワイヤーが形成した鋭利な部分による人体への損傷は効果的に回避され、使用効果をより向上させることができる。
【0036】
カメラセンブリ200は、伝送導線220と伝送導線220の遠位端に接続されたレンズ210とを含む。レンズ210はチップ130内のルーメンに固定され、伝送導線220は金属製ワイヤーメッシュチューブ110内に配置されている。使用されるとき、カメラセンブリ200のレンズ210は、病変の状況を確認し、治療の精度を確保するために、イメージングカテーテル100を用いて、イメージングして直接観察する必要の部位に送られる。イメージング装置10は、さらに、ハンドル300を含み、ハンドル300は、チップ130から離れた金属製ワイヤーチューブ110の一端に位置し、使用されるとき、イメージングカテーテル100及びカメラセンブリ200は、ハンドル300を用いて操作される。
【0037】
以下、本実施例によって提供されるイメージングカテーテル100についてさらに説明する。
【0038】
図4は、
図2のIVでの部分構造の拡大概略図であり、
図5は、
図3のV-Vでの断面構造概略図である。
図1~
図5を参照すれば、本実施例において、金属製ワイヤーチューブ110は、金属製ワイヤーと絶縁チューブ113とを含み、金属製ワイヤーの一部は絶縁チューブ113内にあり、且つ金属製ワイヤーの一部は絶縁チューブ113の遠位端から突き出るため、金属製ワイヤーの一部は絶縁チューブ113の遠位端外に露出して導電性端112を形成し、導電性端112はチップ130に電気的に接続されるため、チップ130での静電気は、導電性端112を介して絶縁チューブ113内に位置する金属製ワイヤーに放出されることができる。選択的に、絶縁チューブ113は金属製ワイヤー上に熱可塑的に形成され、且つ金属製ワイヤーの一部を覆っている。
【0039】
なお、本実施例において、イメージングカテーテル100内の各構成要素の「近位端」は、ハンドル300に近い当該構成要素の一端であり、イメージングカテーテル100内の各構成要素の「遠位端」は、ハンドル300から離れた当該構成要素の一端であり、例えば、金属製ワイヤーチューブ110の遠位端は、ハンドル300から離れた金属製ワイヤーチューブ110の一端、即ち、チップ130に近い金属製ワイヤーチューブ110の一端となり、チップ130の近位端は、ハンドル300に近いチップ130の一端、即ち、金属製ワイヤーチューブ110に近いチップ130の一端となる。
【0040】
図3を参照すれば、本実施例において、金属製ワイヤーチューブ110は、さらに、導電性端112に電気的に接続される放出端115を備え、放出端115は、接地されるように構成されているため、チップ130の静電気は、導電性端112に入った後に放出端115に伝導され、導電経路は形成され、これにより静電気は放出される。具体的に、放出端115は、ハンドル300上の接地回路基板(図示せず)に電気的に接続される。
【0041】
選択的に、金属製ワイヤーチューブ110は、さらに、導線114を含み、導線114は、金属製ワイヤーの近位端に予め埋め込まれており、且つ導線114の一端が金属製ワイヤーに電気的に接続され、他端がハンドル300の接地回路基板に接続されて接地され、即ち、金属製ワイヤーから離れた導線114の一端が金属製ワイヤーチューブ110の放出端115となるため、金属製ワイヤーは、完全な導電経路を構成するために、中間導電性媒体として使用されると、スペース節約や構造の簡素化に役立つ。
【0042】
なお、本実施例において、金属製ワイヤーチューブ110は、導線114を含み、金属製ワイヤーチューブ110の放出端115は、ハンドル300の接地回路基板に接続される導線114の一端であり、他のいくつかの実施例において、放出端115は、必要に応じて他の手段を採用して形成することができることを理解でき、例えば、金属製ワイヤーチューブ110の近位端にある絶縁チューブ113は、剥がされて、当該箇所の金属メッシュ111は露出され、それによって、金属メッシュ111の近位端に露出した金属製ワイヤーは、放出端115を形成する。
【0043】
図6は、
図2のVIでの部分構造の拡大概略図であり、
図7は、第2の視野角からの本実施より提供されるイメージングカテーテル100の断面構造概略図である。
図2、
図6及び
図7を参照すれば、本実施例において、イメージングカテーテル100は、さらに、金属製ワイヤーチューブ110内に配置されたマルチルーメンチューブ120を含む。
【0044】
具体的に、製造及び取り付け中に、まず、マルチルーメンチューブ120の外側に、複数のストランドの金属製ワイヤーを織り込んで、管状の金属メッシュ111を形成し、且つ当該管状の金属メッシュ111の遠位端は、マルチルーメンチューブ120の遠位端の端面と同一平面上にあり、そして、絶縁材料で作られたシングルルーメンチューブは、金属メッシュ111外を覆設するように配置されている。この後、シングルルーメンチューブは、熱溶融によって溶融されて金属メッシュ111を覆う。冷却後、金属メッシュ111を包む管状部材は形成され、即ち、絶縁チューブ113は熱可塑的に形成され、このとき、金属メッシュ111全体は、絶縁チューブ113内部に包まれていると同時に、成形された絶縁チューブ113は、熱溶融によってマルチルーメンチューブ120と緊密に接着され、しっかりと連結し、信頼性が高い。最後に、金属メッシュ111の遠位端に位置する絶縁チューブ113は、金属メッシュ111の遠位端にある金属製ワイヤーが絶縁チューブ113の外に露出するように、剥がされ、それによって、導電性端112は形成され、導電性端112はチップ130に電気的に接続され、チップ130での静電気は放出される。他のいくつかの実施例において、他の製造方法を採用してもよいことを理解でき、例えば、金属製ワイヤーチューブ110は予め作成され、この後、マルチルーメンチューブ120は、金属製ワイヤーチューブ110内を貫くように配置され、最後に、金属製ワイヤーチューブ110とマルチルーメンチューブ120との間の連結は、接着などの手段を用いて実現され、さらに、本実施例において、複数のストランドの金属製ワイヤーは、メッシュ状のものとして織り込まれ、他のいくつかの実施例において、複数のストランドの金属製ワイヤーは、必要に応じて、マルチルーメンチューブ120の周方向に沿って間隔を置いて配置されてもよいことを理解できる。
【0045】
なお、本実施例において、金属メッシュ111の遠位端にある絶縁チューブ113は、金属製ワイヤーが露出して導電性端112が形成されるように、剥がされ、他のいくつかの実施例において、導電性端112は、必要に応じて、他の手段を採用して形成されることができることを理解でき、例えば、金属メッシュ111よりも短い長さのシングルルーメンチューブは、金属メッシュ111の外側を覆設するように選択され、その結果、金属メッシュ111の一端はシングルルーメンチューブから突き出て、シングルルーメンチューブの外に露出し、シングルルーメンチューブは熱溶融された後、シングルルーメンチューブ外に露出した金属メッシュ111の一端の金属製ワイヤーは、形成された絶縁チューブ113外に自然に突き出て、それによって、導電性端112は形成される。また、他のいくつかの実施例において、絶縁チューブ113は、他の手段、例えばジェット押出を採用して形成されてもよいことを理解できる。
【0046】
マルチルーメンチューブ120の外に金属製ワイヤーチューブ110を配置することにより、マルチルーメンチューブ120の強度は、効果的に高められ、イメージングカテーテル100は、良好な押し込み性能を有するようになり、そして、湾曲したチャネルを通過するとき、マルチルーメンチューブ120に対する損傷は回避され、マルチルーメンチューブ120の断面の変形の程度が低減されることができ、言い換えれば、マルチルーメンチューブ120は湾曲したチャネルを通過するとき、マルチルーメンチューブ120の湾曲した箇所のそれぞれの断面形状は、依然として実質的に円形のままに保たれ、それによって、マルチルーメンチューブ120内のルーメンは変形しないように確保される。なお、本実施例において、「断面」とは、マルチルーメンチューブ120の軸線の平面を垂直に切断した面を指す。
【0047】
選択的に、マルチルーメンチューブ120は、一体構造であり、即ち、マルチルーメンチューブ120は、完全な管状の一体構造であり、当該一体構造は、射出成形又は鋳造などによって一体成形してもよいし、接着又は溶接などによって固定されて一体成形してもよい。他のいくつかの実施例において、マルチルーメンチューブ120は、必要に応じて、さまざまな材料によって接合されるように構成されてもよいことを理解できる。
【0048】
図5及び
図7を参照すれば、マルチルーメンチューブ120には、複数のルーメンがあり、複数のルーメンは、機能に応じて、撮像ルーメン121、作業ルーメン122、プルワイヤルーメン123、及び液体注入ルーメン124に分けられる。
【0049】
具体的に、マルチルーメンチューブ120内の複数のルーメンは、いずれも円形穴チャネルである。撮像ルーメン121と作業ルーメン122は、マルチルーメンチューブ120の半径方向に沿って間隔を置いてマルチルーメンチューブ120の中部に配置されており、即ち、撮像ルーメン121の円心と作業ルーメン122の円心によって形成された接続線はマルチルーメンチューブ120の円心を通過し、当該接続線が第1の接続線L1となる。且つ撮像ルーメン121は、作業ルーメン122より半径方向の寸法が小さい。液体注入ルーメン124の数は2つあり、2つの液体注入ルーメン124は、それぞれ接続線L1の両側に位置し、且つ2つの液体注入ルーメン124の円心は互いに接続されて接続線を形成し、当該接続線は第2の接続線L2となる。同時に、第2の接続線L2と第1の接続線L1との交点は、2つの液体注入ルーメン124の配置の便宜のため、並びに液体注入量の確保及び液体注入作業の進行の便宜のため、撮像ルーメン121と作業ルーメン122との間に位置する。プルワイヤルーメン123の数は4つあり、4つのプルワイヤルーメン123は、2つずつ対向して第1の接続線L1の両側に配置されており、即ち、4つのプルワイヤルーメン123のうち、2つは第1の接続線L1の一側に位置し、他方の2つのプルワイヤルーメン123は、第1の接続線L1の他方側に位置する。また、第1の接続線L1の同じ側に位置する2つのプルワイヤルーメン123は、第2の接続線L2の両側に配分されている。
【0050】
なお、本明細書は、マルチルーメンチューブ120内のルーメンの数、位置及び/又は寸法などを限定しない。他のいくつかの実施例において、ルーメンは、必要に応じて配置されてもよいと理解でき、例えば、プルワイヤルーメン123は、数が2などに設定されている。
【0051】
図8は、本実施例によって提供されるイメージングカテーテル100におけるチップ130の構造概略図である。
図2及び
図8を参照すれば、イメージングカテーテル100のチップ130は、イメージングカテーテル100の遠位端に位置する。本実施例において、チップ130は、医療グレードの金属材料を採用して作られ、選択的に、チップ130の材質は医療グレード304ステンレス鋼である。他のいくつかの実施例において、チップ130は、必要に応じて、他の医療グレードの金属材料又は硬質プラスチック材料、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を採用して作られもよい。
【0052】
図5、
図7及び
図8を参照すれば、チップ130には、複数の貫通穴が設けられており、複数の貫通穴は、いずれもチップ130の軸方向に沿ってチップ130を貫通するように配置されている。当該複数の貫通穴は、マルチルーメンチューブ120内の複数のルーメンと1対1で対応するように配置されている。相応に、チップ130での複数の貫通穴は、機能に応じて、それぞれ液体注入穴137、プルワイヤ穴136、作業穴135、及び撮像穴134に分けられている。
【0053】
液体注入穴137は、液体注入ルーメン124に対応するように配置されており、即ち、液体注入穴137は、液体が液体注入ルーメン124と液体注入穴137から注入できるように、液体注入ルーメン124と連通し、例えば、カメラセンブリ200によるイメージング中に、カメラセンブリ200のレンズ210が出血で遮断された場合、レンズ210は、液体注入ルーメン124と液体注入穴137から生理食塩水などを注入することにより洗い流され得る。具体的に、液体注入穴137は、数が2に設定されており、2つの液体注入穴137は、2つの液体注入ルーメン124と1対1で対応するように配置されている。
【0054】
プルワイヤ穴136は、プルワイヤルーメン123に対応するように配置されており、即ち、プルワイヤルーメン123は、プルワイヤが貫くように、プルワイヤ穴136と連通している。具体的に、プルワイヤ穴136は、数が4に設定されており、4つのプルワイヤ穴136は、4つのプルワイヤルーメン123と1対1で対応するように配置されている。
【0055】
作業穴135は、作業ルーメン122に対応するように配置されており、即ち、作業ルーメン122は、操作及び治療の必要を満たすために、作業穴135と連通し、例えば、いくつかの操作器具は、作業ルーメン122と作業穴135から人体内に挿入される。
【0056】
撮像穴134は、撮像ルーメン121に対応し、即ち、撮像穴134は、撮像ルーメン121と連通する。カメラセンブリ200のレンズ210は撮像穴134内に位置し、且つ人体映像は、チップ130の遠位端にある撮像穴134の開口によって取得される。カメラセンブリ200の伝送導線220は、撮像ルーメン121を貫くように配置されており、且つ伝送導線220の遠位端はレンズ210に連結し、伝送導線220の近位端はハンドル300まで延在し、イメージング画像が出力されるように、ディスプレイデバイス(図示せず)に接続されている。
【0057】
なお、本明細書では、チップ130上にある複数の貫通穴の数、位置、サイズ及び機能は、限定されず、他のいくつかの実施例において、必要に応じて設定されてもよいことを理解でき、例えば、液体注入穴137、プルワイヤ穴136及び作業穴135のうちの一部のみは、使用の必要性に応じて、チップ130上に配置されるように選択されるか、もしくは、マルチルーメンチューブ120のプルワイヤルーメン123は2つに設定されるとき、プルワイヤ穴136の数は、相応に2つに設定される。
【0058】
図1~
図4を参照すれば、本実施例において、イメージングカテーテル100は、さらに、固定リング140を含み、固定リング140は、導電性端112を覆設するように配置されており、チップ130に連結するため、金属製ワイヤーチューブ110は、チップ130に固定されるようになる。また、固定リング140は、導電性端112の端部を覆うことにより、導電性端112を形成する裸出した金属製ワイヤー端部によって形成される鋭利な構造による、人体への損傷などの影響を回避するために、固定リング140内に包まれている。
【0059】
金属製ワイヤーチューブ110とチップ130は、イメージングカテーテル100の軸方向に沿って、並べて配置されており、即ち、金属製ワイヤーチューブ110の遠位端の端面とチップ130の近位端の端面は、当接して嵌め合うか、又は、わずかな距離を置いて配置される。また、金属製ワイヤーチューブ110の遠位端の端面とチップ130の近位端の端面は、間隔を置いて配置されるとき、金属製ワイヤーチューブ110とチップ130は、間隔を置いて配置され、つまり、金属製ワイヤーチューブ110とチップ130は、覆設関係ではない。固定リング140の近位端は、金属製ワイヤーチューブ110を覆設するように配置されており、固定リング140の遠位端は、チップ130を覆設するように配置されている結果、金属製ワイヤーチューブ110とチップ130は、互いに固定される。
【0060】
さらに、固定リング140は、導電性端112を完全に覆い、且つ固定リング140は、近位端が絶縁チューブ113の外側に延在して、絶縁チューブ113の外側を覆設するように配置されているため、絶縁チューブ113外に露出した金属製ワイヤーは、固定リング140によって完全にカバーされ、金属製ワイヤーが裸出して使用に影響を及ぼす問題は防ぐことができる。
【0061】
本実施例において金属製ワイヤーによって形成された金属メッシュ111の遠位端の端面は、マルチルーメンチューブ120の遠位端の端面と同一平面上にあり、且つ金属製ワイヤーチューブ110とチップ130は、覆設関係ではないので、導電性端112とチップ130との電気的接続を実現するために、固定リング140には、導電部が設けられている。当該導電部は、導電性端112とチップ130の両方にも電気的に接続されるため、導電性端112とチップ130との電気的接続は、導電部を介して実現され、即ち、導電性端112は、固定リング140を介してチップ130に電気的に接続される。
【0062】
なお、本実施例において、固定リング140は、導電性端112とチップ130との中間導電性媒体として、固定リング140を介して導電性端112とチップ130との電気的接続を実現し、他のいくつかの実施例において、導電性端112とチップ130との電気的接続は、必要に応じて、導電性端112とチップ130との接触によって実現されてもよいことを理解でき、例えば、金属メッシュ111の遠位端は、軸方向にマルチルーメンチューブ120から突き出るように配置されると、金属メッシュ111の遠位端に配置された導電性端112は、チップ130と接触するか、もしくは、チップ130の近位端は、チップ130の近位端の内周面が導電性端112と接触するように、導電性端112を覆設するように配置されており、それによって、導電性端112との電気的接続は実現される。
【0063】
金属製ワイヤーチューブ110には、複数のストランドの金属製ワイヤーを織り込んで管状の金属メッシュ111が形成され、導電性端112は、絶縁チューブ113外に裸出した金属メッシュ111の遠位端の部分となるため、導電性端112は環状であり、導電性端112の遠位端は、金属製ワイヤーチューブ110の周方向に沿って配置された複数の金属製ワイヤーヘッドを有し、金属製ワイヤーヘッドは、金属製ワイヤーが切断されて端部として形成される。固定リング140には、導電部が環状であり、複数の金属製ワイヤーヘッドは、いずれも導電部に電気的に接続されており、それによって、すべての金属製ワイヤーは、いずれも導電部から静電気を放出することができ、即ち、すべての金属製ワイヤーを利用して接地し、静電気を放出することにより、接地効果は、効果的に向上でき、静電気の放出効果はよりよくなる。
【0064】
選択的に、固定リング140は、金属材料で作られ、即ち、固定リング140全体は、導電可能になり、つまり、固定リング140全体は、導電部として機能し、導電性端112とチップ130との電気的接続は実現される。本実施例は、固定リング140が中間導電性媒体として導電性端112とチップ130との電気的接続を実現できれば、固定リング140の具体的な材料を限定しないことを理解できる。
【0065】
なお、本実施例において、固定リング140は、金属材料を採用して作られているため、固定リング140全体は、導電可能になり、他のいくつかの実施例において、固定リング140だけは、必要に応じて、導電可能な金属材料を採用して作られてもよいことを理解でき、例えば、チップ130及び導電性端112と接触している固定リングの内壁における位置には、金属コーティングが施され、導電性端112とチップ130との電気的接続が実現され、環状導電部が形成でき、それによって、すべての金属製ワイヤーは、チップ130に電気的に接続できればよい。
【0066】
図2、
図6及び
図8を参照すれば、本実施例において、チップ130の外壁は、チップ130の軸方向に沿って、順次に配置された第1の周面131と第2の周面133とを含み、且つ第1の周面131は、第2の周面133より半径方向の寸法が小さい。具体的に、第1の周面131は、チップ130の近位端に位置し、第2の周面133は、チップ130の遠位端に位置する。固定リング140の内壁は、第1の周面131と嵌め合い、その結果、固定リング140とチップ130との連結部の半径方向の寸法は効果的に縮小されることができ、それによって、イメージングカテーテル100の人体への挿入操作は容易になる。
【0067】
第1の周面131は円筒面であり、第2の周面133の近位端も円筒状であり、また、第1の周面131は、第2の周面133の近位端より半径方向の寸法が小さいため、チップ130の外部では段付き構造が形成されている。チップ130は、さらに、段付き面132を含み、段付き面132は、第1の周面131と第2の周面133との間に位置し、段付き面132の両端は、それぞれ第1の周面131と第2の周面133に連結している。第1の周面131は、第2の周面133より半径方向の寸法が小さいので、第1の周面131と段付き面132は連結し、第2の周面133に対して半径方向に沿って内側に凹んだ切り欠きを形成し、固定リング140の遠位端部分は、当該切り欠き内に収容される。本実施例において、固定リング140は、レーザー溶接を採用してチップ130に連結し、選択的に、他のいくつかの実施例において、固定リング140とチップ130との連結は、他の手段を採用して実現されてもよく、それは、例えば、接着か、又は固定リング140の遠位端を第1の周面131に押し付ける手段であってもよい。
【0068】
本実施例において、切り欠きは、チップ130の円筒状の近位端において機械加工によって形成され、選択的に、他のいくつかの実施例において、チップ130は、他の手段、例えば、粉末冶金による一体成形を採用して作られてもよい。
【0069】
また、固定リング140の遠位端の端面は段付き面132に当接するため、固定リング140は、段付き面132によって制限され、固定リング140とチップ130との連結信頼性は確保される。選択的に、段付き面132は、チップ130の半径方向に沿って配置され、即ち、段付き面132が配置された平面は、チップ130の軸線に垂直であり、段付き面132は、第1の周面131と第2の周面133との両方に垂直に配置されている。
【0070】
本実施例に基づいて提供されるイメージングカテーテル100について、イメージングカテーテル100の生産手順及び作業原理は、以下の通りである。
【0071】
取り付け及び生産中に、まず、マルチルーメンチューブ120の外側に、複数のストランドの金属製ワイヤーを織り込んで管状の金属メッシュ111を形成し、次に、絶縁材料で作られたシングルルーメンチューブは、金属メッシュ111の外側を覆設するように配置され、また、導線114は、予め埋め込まれ、金属メッシュ111の遠位端に電気的に接続され、この後、シングルルーメンチューブは、熱溶融で溶融されてから固化され、絶縁チューブ113は熱可塑的に形成され、金属メッシュ111は、絶縁チューブ113内に包まれるようになり、その結果、金属製ワイヤーチューブ110は構成され、続いて、金属製ワイヤーチューブ110の遠位端にある絶縁チューブ113は剥がされ、それによって、金属メッシュ111の遠位端を構成する金属製ワイヤーは絶縁チューブ113から漏れ出て、導電性端112は形成され、最後に、固定リング140の両端は、それぞれ金属製ワイヤーチューブ110とチップ130を覆設するように配置され、固定リング140は、レーザー溶接によってチップ130に固定され、その結果、金属製ワイヤーチューブ110とチップ130との固定は固定リング140によって実現され、導電性端112は固定リング140によって覆われて、露出した金属製ワイヤーが使用に影響を与えたり、損傷を引き起こしたりすることは防止される。
【0072】
使用されるとき、まず、カメラセンブリ200は、イメージングカテーテル100内に取り付けられ、カメラセンブリ200のレンズ210は、チップ130の撮像穴134内に収容され、カメラセンブリ200の伝送導線220は、マルチルーメンチューブ120の撮像ルーメン121に沿って、ハンドル300まで延在してディスプレイデバイスに接続され、次に、カメラセンブリ200が取り付けられているイメージングカテーテル100は、内視鏡チャネルを介して観察すべき部位まで人体内に挿入され、その結果、必要な画像は、カメラセンブリ200によって取得されてディスプレイデバイスにイメージングされる。観察及び使用にあたり、チップ130での静電気は、固定リング140、導電性端112、絶縁チューブ113内にある金属製ワイヤー、及び導線114が順次連結して形成した導電経路を経由して、ハンドル300に放出されて接地され、その結果、静電気の放出は実現され、静電気のカメラセンブリ200の作業に対する影響は防止される。
【0073】
本実施例によって提供されるイメージングカテーテル100は、少なくとも以下の利点を有する。
【0074】
本開示の実施例は、イメージングカテーテル100を提供し、マルチルーメンチューブ120の外側を覆う金属製ワイヤーを導電性媒体として静電気放出を行うことにより、静電気のイメージング画像に対する影響は防止され、静電気の人体に対する危害は軽減され、さらに、イメージングカテーテル100のスペースも効果的に節約され、イメージングカテーテル100全体構造に対する影響は少なくなる。金属製ワイヤーチューブ110は、固定リング140を介してチップ130に連結し、環状固定リング140は、裸出した金属製ワイヤーを覆うことができるため、使用中に金属製ワイヤーが形成した鋭利な構造による人体への損傷は回避されると同時に、導電性端112とチップ130との電気的接続は固定リング140を介して実現され、その結果、導電性端112を構成するすべての金属製ワイヤーを利用して接地することができ、接地効果もよくなる。
【0075】
本実施例は、さらに、上記したイメージングカテーテル100を含むイメージング装置10を提供する。当該イメージング装置10は上記したイメージングカテーテル100を含むため、静電気のイメージング画像に対する影響を防止でき、スペースを節約し、人体に対する損傷を回避すると同時に、接地効果もよくなるという有益な効果を有する。
【0076】
以上、本開示の具体的な実施形態について説明したが、本開示の保護範囲は、それらに限定されておらず、当業者が本開示によって開示された技術的範囲内に容易に想到し得るすべての変更又は置換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。このため、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とするものである。
【0077】
本開示は、2020年03月04日に中国特許局に提出した、出願番号がCN202010144400.5で、発明の名称が「イメージングカテーテル及びイメージング装置」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用により本開示に取り込まれる。
【符号の説明】
【0078】
10、イメージング装置
100、イメージングカテーテル
110、金属製ワイヤーチューブ
111、金属メッシュ
112、導電性端
113、絶縁チューブ
114、導線
115、放出端
120、マルチルーメンチューブ
121、撮像ルーメン
122、作業ルーメン
123、プルワイヤルーメン
124、液体注入ルーメン
130、チップ
131、第1の周面
132、段付き面
133、第2の周面
134、撮像穴
135、作業穴
136、プルワイヤ穴
137、液体注入穴
140、固定リング
200、カメラセンブリ
210、レンズ
220、伝送導線
300、ハンドル