(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】マルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法、および関連装置
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20231107BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20231107BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20231107BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/0457 110
H04W72/54 110
(21)【出願番号】P 2022577686
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2021100783
(87)【国際公開番号】W WO2021254467
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202010562039.8
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】郭 宇宸
(72)【発明者】
【氏名】李 云波
(72)【発明者】
【氏名】李 伊青
(72)【発明者】
【氏名】淦 明
【審査官】米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-528623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0053773(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0188364(US,A1)
【文献】国際公開第2019/074608(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/186489(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/029281(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネルアクセス方法であって、
第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行うステップであって、前記第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値が、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定される、ステップと、
前記第1のチャネルコンテンションにおいて前記バックオフカウンタの値が0になり、か
つ前記第1のリンク上で送信
が行われないとき
、前記第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うステップであって、前記第2のチャネルコンテンションにおける前記バックオフカウンタの初期値が、前記コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定され、前記コンテンションウィンドウの前記第2の値が前記コンテンションウィンドウの前記第1の値と等しいか、または前記コンテンションウィンドウの前記第2の値が前記コンテンションウィンドウの最小値と等しい、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のリンク上で送信
が行われないことは、前記第1のリンクが第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機する時間が事前設定時間を超えるとき、前記第2のリンクの状態がビジー状態であることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のリンク上で送信
が行われないことは、前記第1のチャネルコンテンションにおいて前記バックオフカウンタの前記値が0になった後、第2のリンク上
で受信されたデータパケットの長さが事前設定時間を超えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のリンクと前記第2のリンクとの間で同時送信および受信
(STR
)がサポートされない、請求項
1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う前記ステップの前に、前記方法は、
第1の期間における前記第1のリンクの状態を検出するステップと、
前記第1の期間における前記第1のリンクの前記状態がアイドル状態である場合
、前記コンテンションウィンドウの前記第1の値を前記第2の値として決定するか、または前記コンテンションウィンドウの前記第2の値を前記コンテンションウィンドウの前記最小値として決定するステップと
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う前記ステップの前に、前記方法は、
第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、前記チャネルコンテンションにおい
てバックオフカウンタの値が0になったときに前記第1のリンクの状態を検出するステップと、
前記第1のリンクの前記状態がビジー状態である場合
、前記第2のリンクを中断するステップと、
前記第1のリンクの前記状態が前記ビジー状態からアイドル状態に変化したとき
、前記第1のリンク上で前記第2のチャネルコンテンションを
トリガするステップと
をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う前記ステップの後に、前記方法は、
前記第2のチャネルコンテンションにおいて前記バックオフカウンタの値が0になったときに前記第2のリンクの状態を検出するステップと、
前記第2のリンクの前記状態がアイドル状態である場合
、前記第1のリンク上および前記第2のリンク上で並列にデータを送信するステップと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う前記ステップの前に、前記方法は、
第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、前記チャネルコンテンションにおい
てバックオフカウンタの値が0になったときに前記第1のリンクの状態を検出するステップと、
前記第1のリンクの前記状態がビジー状態である場合
、前記第2のリンク上でデータを送信するステップと
をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
通信装置であって、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を記憶したメモリとを備え、前記コンピュータ命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記通信装置に請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を行わせる、通信装置。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶し、前記命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を行うことが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本出願に組み込まれる、「マルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法、および関連装置」と題された、2020年6月18日付で中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第202010562039.8号の優先権を主張する。
【0002】
本出願は、無線通信技術の分野に関し、特に、マルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法、および関連装置に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信技術の発展に伴い、より多くの無線通信デバイスがマルチリンク通信、例えば、2.4GHz、5GHz、および6GHzの周波数帯域で同時に行われる通信や、同じ周波数帯域の異なるチャネルで同時に行われる通信をサポートする。そのような無線通信デバイスは、通常、マルチリンクデバイス(multi-link device、MLD)と呼ばれる。マルチリンクデバイスが複数のリンク上でパラレル通信を行うことができるので、送信速度が大幅に増加することは明らかである。
【0004】
マルチリンクデバイスは、複数のリンク上でパラレル通信を行うことによって送信速度を増加させることができるが、いくつかのマルチリンクデバイスが1つのリンク上で送信を行うと、送られたエネルギーが別のリンクに漏洩し、自己干渉が引き起こされる。その結果、マルチリンクデバイスは、受信される必要があるデータパケットを、別のリンク上で正しく復調することができなくなる。言い換えれば、マルチリンクデバイスは、複数のリンク上の同時送信および受信(simultaneous transmit and receive、STR)をサポートしない。したがって、非同時送信および受信(non-STR)マルチリンクデバイスの場合、2つのリンク上でチャネルコンテンションが行われ、バックオフカウンタが0になる一方のリンク上で送信が行われると、そのリンク上で送られたエネルギーが他方のリンクに漏洩し、結果として、チャネルがビジーであるためにチャネルコンテンションが他方のリンク上で継続する。その結果、一方のリンクしか送信に使用できないことになる。
【0005】
現在、2つのリンク間の干渉を排除するために、マルチリンクデバイスは、一方のリンクでチャネルコンテンションを行い、バックオフカウンタが0にバックオフした後、データ送信を行うのではなく他方のリンク上のチャネルコンテンションを待機しうるので、他方のリンク上のチャネルコンテンションが正常に行われることができる。しかしながら、マルチリンクデバイスは、リンク上でチャネルコンテンションを行って0にバックオフした後にデータ送信を行わないので、マルチリンクデバイスがどのようにしてリンク上で再度チャネルアクセスを行うかが解決されるべき喫緊の問題となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の実施形態は、マルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法、および関連装置を提供し、それにより、マルチリンクデバイスがリンク上で0にバックオフするが、そのリンク上で送信を行わないときに、リンク上で再度チャネルコンテンション/チャネルアクセスを行い、コンテンションウィンドウの値を変更しないままに設定するか、またはコンテンションウィンドウの値を最小値に設定することによって、バックオフ時間とコンテンション衝突確率のバランスが達成できる。
【0007】
以下は、様々な態様から本出願を説明する。様々な態様の以下の実装形態と有益な効果との間で相互参照が行われうることを理解されたい。
【0008】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、マルチリンクデバイスに適用されるチャネルアクセス方法を提供する。方法は以下を含む。マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行う。第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になり、かつマルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないとき、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行いうる。第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定され、第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定される。第2の値は第1の値と等しくてもよく、または第2の値はコンテンションウィンドウの最小値である。
【0009】
任意選択的に、第1のリンクと第2のリンクとの間でSTRはサポートされない。
【0010】
任意選択的に、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わない理由は以下を含む。第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になった後、マルチリンクデバイスは、第1のリンクを中断し、第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機する。第1のリンクが第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機する時間が事前設定時間を超えるとき、第2のリンクの状態がまだビジー状態である場合、これは、第2のリンク上のバックオフカウンタが長時間にわたって0にバックオフできないことを示す。この場合、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で再度チャネルコンテンションを行う、すなわち、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う。
【0011】
任意選択的に、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わない理由は以下を含む。第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になった後、マルチリンクデバイスは、第2のリンク上でデータパケットを受信し、データパケットの長さは事前設定時間を超える。これは、第2のリンク上で比較的長いネットワーク割り振りベクトルが設定されていることを示す。この場合、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で再度チャネルコンテンションを行う、すなわち、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う。
【0012】
この解決策によれば、マルチリンクデバイスがリンク上で0にバックオフするが、そのリンク上で送信を行わないときに、リンク上で再度チャネルコンテンション/チャネルアクセスを行い、コンテンションウィンドウの値を変更しないままに設定するか、またはコンテンションウィンドウの値を最小値CWminに設定することによって、バックオフ時間とコンテンション衝突確率のバランスが達成できる。
【0013】
第1の態様に関して、1つの可能な設計では、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う前に、方法は以下をさらに含む。マルチリンクデバイスは、第1の期間における第1のリンクの状態を検出する。第1の期間における第1のリンクの状態がアイドル状態である場合、マルチリンクデバイスは、第1のチャネルコンテンション中のコンテンションウィンドウの第1の値を、第1のリンク上の次のチャネルコンテンション中のコンテンションウィンドウの第2の値として使用するか、またはコンテンションウィンドウの第2の値をコンテンションウィンドウの最小値に設定する。第1の期間は、クリアチャネル評価時間、例えば、4μsまたは9μsでありうる。
【0014】
任意選択的に、第1の期間における第1のリンクの状態がビジー状態である場合、マルチリンクデバイスは、コンテンションウィンドウの第1の値を増加させ、増加した値をコンテンションウィンドウの第2の値として使用する。
【0015】
この解決策によれば、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタが0にバックオフした後、第1のリンク上の送信が成功するかどうかを推定するために、第1のリンクの状態が決定され、コンテンションウィンドウの値が、推定結果に基づいて設定される。このようにして、コンテンションウィンドウのサイズがより正確かつ適切に調整されることができ、それによってバックオフ時間とコンテンション衝突確率のバランスがさらに得られる。
【0016】
第1の態様に関して、1つの可能な設計では、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う前に、方法は以下をさらに含む。マルチリンクデバイスは、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、チャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第1のリンクの状態を検出する。第1のリンクの状態がビジー状態である場合、マルチリンクデバイスは、第2のリンクを中断する、すなわち、第2のリンク上で送信を行わない。第1のリンクの状態がビジー状態からアイドル状態に変化したときにだけ、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う。
【0017】
任意選択的に、マルチリンクデバイスは、第2のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第2のリンクの状態を検出し、マルチリンクデバイスは、第2のリンクの状態がアイドル状態である場合、第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信する。
【0018】
この解決策によれば、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で0にバックオフした後、第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機するプロセスにおいて、第1のリンクの状態はビジー状態に変化し、マルチリンクデバイスが第2のリンク上で0にバックオフするとき、第1のリンクはまだビジー状態にあり、第1のリンクの状態がアイドル状態に戻った後、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で再度チャネルコンテンションを行い、0にバックオフした後、第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信する。このようにして、ピーク送信速度が増加されることができる。
【0019】
第1の態様に関して、1つの可能な設計では、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う前に、方法は以下をさらに含む。マルチリンクデバイスは、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、チャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第1のリンクの状態を検出する。マルチリンクデバイスは、第1のリンクの状態がビジー状態である場合、第2のリンク上でデータを送信しうる。
【0020】
任意選択的に、マルチリンクデバイスは、第1のリンクの状態がビジー状態からアイドル状態に変化したときにだけ、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う。マルチリンクデバイスは、第2のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第1のリンク上でデータを送信する。
【0021】
この解決策によれば、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で0にバックオフした後、第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機するプロセスにおいて、第1のリンクの状態はビジー状態に変化し、マルチリンクデバイスが第2のリンク上で0にバックオフするとき、第1のリンクはまだビジー状態にあり、この場合、マルチリンクデバイスは、第2のリンク上でデータを直接送信しうる。このようにして、チャネル利用が改善されることができる。
【0022】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は通信装置を提供する。通信装置は、マルチリンクデバイスまたはマルチリンクデバイス内のWi-Fiチップなどのチップであってもよく、
第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行い、第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値が、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定される、処理ユニットを備え、処理ユニットは、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になり、かつマルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないときに第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行い、第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値が、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定され、コンテンションウィンドウの第2の値がコンテンションウィンドウの第1の値と等しいか、またはコンテンションウィンドウの第2の値がコンテンションウィンドウの最小値と等しい、ようにさらに構成される。
【0023】
第2の態様に関して、1つの可能な設計では、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないことは、第1のリンクが第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機する時間が事前設定時間を超えるとき、第2のリンクの状態がビジー状態であることを含む。
【0024】
第2の態様に関して、1つの可能な設計では、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないことは、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になった後、第2のリンク上でマルチリンクデバイスによって受信されたデータパケットの長さが事前設定時間を超えることを含む。
【0025】
第2の態様に関して、1つの可能な設計では、第1のリンクと第2のリンクとの間で同時送信および受信STRはサポートされない。
【0026】
第2の態様に関して、1つの可能な設計では、処理ユニットは、第1の期間における第1のリンクの状態を検出し、第1の期間における第1のリンクの状態がアイドル状態であるとき、コンテンションウィンドウの第1の値を第2の値として決定するか、またはコンテンションウィンドウの第2の値をコンテンションウィンドウの最小値として決定する、ようにさらに構成される。
【0027】
第2の態様に関して、1つの可能な設計では、処理ユニットは、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、チャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第1のリンクの状態を検出し、第1のリンクの状態がビジー状態であるときに第2のリンクを中断する、ようにさらに構成される。処理ユニットは、第1のリンクの状態がビジー状態からアイドル状態に変化したときに第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うように構成される。
【0028】
第2の態様に関して、1つの可能な設計では、通信装置は、トランシーバユニットをさらに含む。処理ユニットは、マルチリンクデバイスのために、第2のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第2のリンクの状態を検出するようにさらに構成される。トランシーバユニットは、第2のリンクの状態がアイドル状態であるときに第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信するように構成される。
【0029】
第2の態様に関して、1つの可能な設計では、通信装置は、トランシーバユニットをさらに含む。処理ユニットは、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、チャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第1のリンクの状態を検出するようにさらに構成される。トランシーバユニットは、第1のリンクの状態がビジー状態であるときに第2のリンク上でデータを送信するように構成される。
【0030】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は別の通信装置を提供し、別の通信装置は、具体的には、プロセッサを含むマルチリンクデバイスである。プロセッサは、第1の態様による方法において対応する機能を行う際にマルチリンクデバイスをサポートするように構成される。任意選択的に、マルチリンクデバイスは、メモリをさらに含んでいてもよい。メモリは、プロセッサに接続されるように構成され、マルチリンクデバイスに必要なプログラム命令およびデータを記憶する。
【0031】
具体的には、プロセッサは、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行うことであって、第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定される、ことと、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になり、かつマルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないときに、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うことであって、第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定され、コンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの第1の値と等しいか、またはコンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの最小値と等しい、こととを行うように構成される。
【0032】
任意選択的に、マルチリンクデバイスは、トランシーバをさらに含んでいてもよい。トランシーバは、マルチリンクデバイスと別のデバイスとの間の通信をサポートする、例えば、第2のリンクの状態がアイドル状態であるときに第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信するか、または第1のリンクの状態がビジー状態であるときに第2のリンク上でデータを送信するように構成される。
【0033】
第4の態様によれば、本出願の一実施形態は、処理回路を含む、チップまたはチップシステムを提供する。処理回路は、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行うことであって、第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定される、ことと、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になり、かつマルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないときに、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うことであって、第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定され、コンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの第1の値と等しいか、またはコンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの最小値と等しい、こととを行うように構成される。
【0034】
第5の態様によれば、本出願はコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶する。命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様によるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法を行うことが可能になる。
【0035】
第6の態様によれば、本出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様によるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法を行うことが可能になる。
【0036】
本出願の実施形態の実装を通じて、マルチリンクデバイスがリンク上で0にバックオフするが、そのリンク上で送信を行わないときに、リンク上で再度チャネルコンテンション/チャネルアクセスを行い、コンテンションウィンドウの値を変更しないままに設定するか、またはコンテンションウィンドウの値を最小値に設定することによって、バックオフ時間とコンテンション衝突確率のバランスが達成できる。
【0037】
本出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下は、実施形態を説明する際に使用される添付の図面を簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本出願の一実施形態によるNon-AP MLDとAP MLDとの間の通信の概略図である。
【
図2】本出願の一実施形態による無線通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【
図3a】本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの構造の概略図である。
【
図3b】本出願の一実施形態による別のマルチリンクデバイスの別の構造の概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法の概略フローチャートである。
【
図5a】本出願の一実施形態によるマルチリンクチャネルアクセスの第1の時間シーケンスの概略図である。
【
図5b】本出願の一実施形態によるマルチリンクチャネルアクセスの第2の時間シーケンスの概略図である。
【
図5c】本出願の一実施形態によるマルチリンクチャネルアクセスの第3の時間シーケンスの概略図である。
【
図5d】本出願の一実施形態によるマルチリンクチャネルアクセスの第4の時間シーケンスの概略図である。
【
図6】本出願の一実施形態によるシングルリンクマルチチャネルの概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態による通信装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下は、本出願の実施形態における添付の図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を明確かつ完全に説明する。
【0040】
本出願の実施形態において提供されるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法の理解を容易にするために、以下は、本出願の実施形態において提供されるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法のシステムアーキテクチャおよび/または適用シナリオを説明する。本出願の実施形態において説明されるシステムアーキテクチャおよび/またはシナリオは、本出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明することを意図されており、本出願の実施形態において提供される技術的解決策に対する限定を構成するものではないことが理解されることができる。
【0041】
本出願の実施形態は、非同時送信および受信(non-STR)マルチリンクデバイスに適用されるチャネルアクセス方法を提供し、それにより、マルチリンクデバイスがリンク上で0にバックオフするが、そのリンク上で送信を行わないときに、リンク上で再度チャネルコンテンション/チャネルアクセスを行い、コンテンションウィンドウの値を変更しないままに設定するか、またはコンテンションウィンドウの値を最小値に設定することによって、バックオフ時間とコンテンション衝突確率のバランスが達成できる。チャネルアクセス方法は、無線通信システム内の通信デバイス、または通信デバイス内のチップもしくはプロセッサによって実装されうる。通信デバイスは、複数のリンク上のパラレル送信をサポートする無線通信デバイスでありうる。例えば、通信デバイスは、マルチリンクデバイスまたはマルチバンドデバイス(multi-band device)と呼ばれてもよい。シングルリンク送信のみをサポートする通信デバイスと比較して、マルチリンクデバイスは、より高い送信効率およびより高いスループットレートを有する。
【0042】
マルチリンクデバイスは、1つまたは複数の系列局(affiliated STA)を含む。系列局は論理局であり、1つのリンク上で、1つの周波数帯域で、または1つのチャネル上で動作しうる。系列局はアクセスポイント(access point、AP)または非アクセスポイント局(non-access point station、non-AP STA)であってもよい。説明を容易にするために、本出願では、その系列局がAPであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクAP、マルチリンクAPデバイス、またはAPマルチリンクデバイス(AP multi-link device、AP MLD)と呼ばれ、その系列局がnon-AP STAであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクNon-AP、マルチリンクNon-APデバイス、またはNon-APマルチリンクデバイス(Non-AP multi-link device、Non-AP MLD)と呼ばれる。
【0043】
任意選択的に、1つのマルチリンクデバイスが複数の論理局を含んでいてもよく、各論理局は1つのリンク上で動作するが、複数の論理局が1つのリンク上で動作することが許容される。
【0044】
任意選択的に、Non-AP MLD内の1つまたは複数のnon-AP STAが、AP MLD内の1つまたは複数のAPとアソシエーション関係を確立し、次いで1つまたは複数のAPと通信してもよい。
図1は、本出願の一実施形態によるNon-AP MLDとAP MLDとの間の通信の概略図である。
図1に示されるように、AP MLDは、AP1、AP2、…、およびAPnを含み、Non-AP MLDは、STA1、STA2、…、およびSTAnを含む。AP MLDおよびNon-AP MLDは、リンク1、リンク2、…、およびリンクn上で並列に通信しうる。Non-AP MLD内のSTA1とAP MLD内のAP1との間にアソシエーション関係が確立され、Non-AP MLD内のSTA2とAP MLD内のAP2との間にアソシエーション関係が確立され、Non-AP MLD内のSTAnとAP MLD内のAPnとの間にアソシエーション関係が確立される。
【0045】
任意選択的に、マルチリンクデバイスは、IEEE802.11シリーズのプロトコルに従った無線通信を実装してもよく、例えば、超高スループット(extremely high throughput、EHT)を有する局に準拠するか、またはIEEE802.11beに基づく局もしくはIEEE802.11beと互換性がある局に準拠して、別のデバイスと通信してもよい。
【0046】
本出願の実施形態において提供されるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法は、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)に適用されうる。
図2は、本出願の一実施形態による無線通信システムのアーキテクチャの概略図である。
図2に示されるように、無線通信システムは、少なくとも1つのAP MLDおよび少なくとも1つのNon-AP MLDを含む。AP MLDは、Non-AP MLDにサービスを提供するマルチリンクデバイスである。Non-AP MLDおよびAP MLDは、複数のリンク上で互いと通信しうる。AP MLD内の1つのAPが、1つのリンク上でNon-AP MLD内の1つのSTAと通信しうる。
図2のAP MLDの数およびNon-AP MLDの数は単なる例であることが理解されることができる。
【0047】
例えば、マルチリンクデバイス(ここではNon-AP MLDでありうるか、またはAP MLDでありうる)は、無線通信機能を有する装置である。装置は、デバイス全体であってもよく、またはデバイス全体に設置されたチップもしくは処理システムなどであってもよい。チップまたは処理システムが設置されたデバイスは、チップまたは処理システムの制御下で、本出願の実施形態における方法および機能を実装しうる。例えば、本出願の実施形態におけるNon-APマルチリンクデバイスは、無線トランシーバ機能を有し、802.11シリーズプロトコルをサポートしてもよく、APマルチリンクデバイスまたは別のNon-APマルチリンクデバイスと通信してもよい。例えば、Non-APマルチリンクデバイスは、ユーザがAPと通信し、それによってWLANと通信することを可能にする任意のユーザ通信デバイスである。例えば、Non-APマルチリンクデバイスは、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ノートブック、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、または携帯電話などのネットワークに接続されることができるユーザ機器であってもよいし、モノのインターネットにおけるモノのインターネットノードであってもよいし、車両のインターネットにおける車載通信装置であってもよい。Non-APマルチリンクデバイスは、代替として、前述の端末内のチップおよび処理システムであってもよい。APマルチリンクデバイスは、Non-APマルチリンクデバイスにサービスを提供する装置であってもよく、802.11シリーズプロトコルをサポートしてもよい。例えば、APマルチリンクデバイスは、通信サーバ、ルータ、スイッチ、またはブリッジなどの通信エンティティであってもよい。代替として、APマルチリンクデバイスは、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継局などを含んでいてもよい。当然ながら、APマルチリンクデバイスは、代替として様々な形態のこれらのデバイス内のチップおよび処理システムであってもよい。
【0048】
マルチリンクデバイスは高速低レイテンシ送信をサポートしうることが理解されることができる。無線ローカルエリアネットワークの適用シナリオの絶え間ない進化に伴い、マルチリンクデバイスは、より多くのシナリオ、例えば、スマートシティにおけるセンサノード(例えば、スマート水道メータ、スマート電気メータ、スマート空気検出ノード)、スマート家庭におけるスマートデバイス(例えば、スマートカメラ、プロジェクタ、ディスプレイ、テレビ、ステレオ、冷蔵庫、洗濯機)、モノのインターネットにおけるノード、エンターテインメント端末(例えば、ARやVRなどのウェアラブルデバイス)、スマートオフィスにおけるスマートデバイス(例えば、プリンタやプロジェクタ)、車両のインターネットにおける車両のインターネットデバイス、ならびに日常生活のシナリオにおけるいくつかのインフラストラクチャ(例えば、自動販売機、スーパーマーケットのセルフサービスナビゲーション局、セルフサービス・キャッシュ・レジスタ・デバイス、およびセルフサービス注文機)にさらに適用される可能性がある。マルチリンクデバイスの具体的な形態は、本出願の実施形態では限定されず、本明細書における説明は単なる例である。802.11プロトコルは、802.11beをサポートするか、または802.11beと互換性を有するプロトコルでありうる。
【0049】
任意選択的に、
図3aは、本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの構造の概略図である。IEEE802.11規格は、マルチリンクデバイスにおける802.11物理層(physical layer、PHY)部分および媒体アクセス制御(media access control、MAC)層部分に焦点を当てている。
図3aに示されるように、マルチリンクデバイスに含まれる複数のSTAは、低MAC(low MAC)層およびPHY層において互いに独立しており、かつ高MAC(high MAC)層でも互いに独立している。
図3bは、本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの別の構造の概略図である。
図3bに示されるように、マルチリンクデバイスに含まれる複数のSTAは、低MAC(low MAC)層およびPHY層において互いに独立しており、高MAC(high MAC)層を共有する。当然ながら、Non-APマルチリンクデバイスは、高MAC層が互いに独立している構造を使用してもよいし、高MAC層が共有される構造を使用してもよい。同様に、APマルチリンクデバイスも、高MAC層が共有される構造を使用してもよいし、高MAC層が互いに独立している構造を使用してもよい。マルチリンクデバイスの内部構造の概略図は、本出願の実施形態では限定されない。
図3aおよび
図3bは、説明のための単なる例である。例えば、高MAC層または低MAC層は、マルチリンクデバイスのチップシステム内の1つのプロセッサによって実装されてもよいし、チップシステム内の異なる処理モジュールによって別々に実装されてもよい。
【0050】
例えば、本出願の実施形態におけるマルチリンクデバイスは、単一アンテナデバイスであってもよいし、マルチアンテナデバイス、例えば3つ以上のアンテナを有するデバイスであってもよい。マルチリンクデバイスに含まれるアンテナの数は、本出願の実施形態では限定されない。本出願の実施形態において、マルチリンクデバイスは、同じアクセスカテゴリ(access category、AC)のサービスが異なるリンク上で送信されることを可能にし、同じデータパケットが異なるリンク上で送信されることさえも可能にしてもよいし、同じアクセスカテゴリのサービスが異なるリンクで送信されることを可能にしないが、異なるアクセスカテゴリのサービスが異なるリンク上で送信されることを可能にしてもよい。
【0051】
マルチリンクデバイスが動作する周波数帯域は、サブ1GHz、2.4GHz、5GHz、6GHz、および高周波60GHzの周波数帯域のうちの1つまたは複数を含みうる。
【0052】
以上の内容は、本出願の実施形態において提供されるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法のシステムアーキテクチャおよび/または適用シナリオを説明している。以下は、さらに添付図面を参照して、本出願の実施形態において提供されるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法を詳細に説明する。
【0053】
任意選択的に、本出願の実施形態におけるマルチリンクデバイスは、
図2のNon-AP MLDであってもよいし、
図2のAP MLDであってもよい。これは、本出願の実施形態では限定されない。
【0054】
任意選択的に、本出願の実施形態で言及されるマルチリンクデバイスは、2つのリンク上のSTRをサポートしない。本出願における「STRをサポートする」は、デバイスがSTR能力を有し、現在の通信においてSTR能力を使用することを意味しうること、「STRをサポートない」は、デバイスがSTR能力を有しないことを意味しうるか、またはデバイスがSTR能力を有するが、現在の通信においてSTR能力を使用しないことを意味しうることが理解されることができる。場合によっては、マルチリンクデバイスのいくつかのリンクは、STRとnon-STRとの間で切り替わりうる、すなわち、STRをサポートするからSTRをサポートしないに切り替わりうるか、またはSTRをサポートしないからSTRをサポートするに切り替わりうることがさらに理解されることができる。
【0055】
図4は、本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法の概略フローチャートである。
図4に示されるように、マルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法は、以下のステップを含むが、これらのステップに限定されない。
【0056】
S401:マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行い、第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定される。
【0057】
具体的には、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行ってもよく、バックオフカウンタが0にバックオフした後に第1のリンクを中断して、マルチリンクデバイスが第2のリンク上でチャネルコンテンションを行うのを待機してもよい。本出願における「中断すること(suspend)」は、「送信を行わないこと」と理解されてもよく、「第1のリンクを中断すること」は、第1のリンク上で送信が行われないことを意味しうることが理解されることができる。
【0058】
任意選択的に、チャネルコンテンションは、搬送波感知多重アクセス衝突回避(carrier sense multiple access with collision avoidance、CSMA/CA)メカニズムまたは拡張分散チャネルアクセス(enhanced distributed channel access、EDCA)メカニズムを含みうる。アクセスポイントと局とが互いに衝突することなく無線媒体(wireless medium)にアクセスできることを保証するために、802.11ではCSMA/CAメカニズムが使用される。このメカニズムは、分散調整機能(distributed coordination function、DCF)とも呼ばれる。CSMA/CAメカニズムは、具体的には以下の通りである。データを送信する前に、局は、無線媒体に対してクリアチャネル評価(clear channel access、CCA)を行う必要がある。無線媒体がある期間(例えば、分散フレーム間間隔(distributed inter-frame space、DIFS))においてアイドルである場合、局は、ランダムバックオフプロセスを開始しうる。無線媒体がその期間においてビジーである場合、ランダムバックオフプロセスを開始する前に、局は、無線媒体がアイドルになり、次いで一定期間(DIFSなど)アイドルのままであるまで待機する必要がある。ランダムバックオフプロセスが終了した後、局はフレーム交換を行いうる。ランダムバックオフプロセスにおけるバックオフ時間(backoff time)は、ランダムバックオフ値とスロット(slot)時間との積と等しい。ランダムバックオフ値は、均等に分布したコンテンションウィンドウ[0,CW]の中からランダムに選択された値である。ランダムバックオフプロセスにおけるバックオフ時間は、チャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値と等しいことが理解されることができる。
【0059】
任意選択的に、CSMA/CAメカニズムにおいて、コンテンションウィンドウ(contention window、CW)は複数の値を有し、局がチャネルコンテンションの初期試行(Initial Attempt)を行うとき、CWの値は最小値、すなわちCWminである。送信が失敗する(例えば、衝突が発生する)たびに、再送(retransmission)が行われる必要があり、チャネルコンテンションが再度行われる。この場合、CWの値は、CWの最大値、すなわちCWmaxに達するまで連続的に増加する。データが正常に送信される/送信に成功すると、CWはCWminにリセット(reset)される。
【0060】
EDCAメカニズムは、DCFの拡張であり、異なるアクセスカテゴリのサービスが異なるEDCAパラメータセットを有することを可能にする。EDCAパラメータセットは、CWmin、CWmax、および調整フレーム間間隔(arbitration inter-frame space、AIFS)などのパラメータを含む。異なるアクセスカテゴリのEDCAパラメータを表1に列挙されており、AC_VOは、アクセスカテゴリが音声(voice)フローであることを示し、AC_VIは、アクセスカテゴリがビデオ(video)フローであることを示し、AC_BEは、アクセスカテゴリがベストエフォート(best effort)フローであることを示し、AC_BKは、アクセスカテゴリがバックグラウンド(background)フローであることを示す。
【0061】
【0062】
特定のアクセスカテゴリのサービスのランダムバックオフプロセスは、DCFのランダムバックオフプロセスと基本的に同じである。違いは、AIFSがDCF内のDIFSを置き換えることにある。言い換えれば、チャネルがアイドル状態に戻るとき、チャネルは、ランダムバックオフプロセスが行われることができる前にAIFSにおいてアイドルのままである必要がある。AIFS計算方法は、短いフレーム間間隔(short inter-frame space、SIFS)と、調整フレーム間間隔番号(AIFS number、AIFSN)とスロット時間(a Slot Time)との積との和を取得すること、すなわち、AIFS[AC]=a SIFS time+AIFSN[AC]*(a Slot Time)でありうる。AIFSとSIFSの両方の単位は時間単位であることが理解されることができる。
【0063】
任意選択的に、前述の第1のチャネルコンテンションは、CSMA/CAまたはEDCAであってもよい。第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定されうる。チャネルコンテンションプロセスにおいて、バックオフカウンタの値は、初期値からバックオフカウンタの値が0になるまで減少する。マルチリンクデバイスが第1のリンク上で初めてチャネルコンテンションを試みる場合、第1の値はCWminでありうることが理解されることができる。マルチリンクデバイスが第1のリンクでチャネルコンテンションを試みるのが初めてではない場合、コンテンションウィンドウの第1の値は、CSMA/CAメカニズムにおけるCW変更規則に従って決定され、具体的には、CWの値は送信が失敗した場合に連続的に増加し、CWの値は送信が成功した場合にCWminに設定される。
【0064】
S402:第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になり、かつマルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないとき、マルチリンクデバイスは第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行い、第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定され、コンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの第1の値と等しいか、またはコンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの最小値と等しい。
【0065】
具体的には、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0にバックオフした後、第2のリンク上のバックオフカウンタがまだ0にバックオフ(backoff)されていない場合、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で送信を行わず、第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機する。第1のリンクが第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機する時間が事前設定時間を超えるとき、第2のリンクの状態がまだビジー状態である場合、これは、第2のリンクが長時間にわたってビジー状態にあることを示し、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上および第2のリンク上でパラレル送信を行うことを中止してもよい。この場合、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行ってもよく、第2のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタが0にバックオフした後に第1のリンク上でデータを送信してもよい。代替として、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になった後、第2のリンクでマルチリンクデバイスによって受信されたデータパケット内のネットワーク割り振りベクトル(network allocation vector、NAV)の長さが事前設定時間を超える場合、これは、第2のリンク上で比較的長いNAVが設定されていることを示し、マルチリンクデバイスはやはり、第1のリンク上および第2のリンク上でパラレル送信を行うことを中止してもよい。この場合、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行ってもよく、第2のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタが0にバックオフした後に第1のリンク上でデータを送信してもよい。マルチリンクデバイスは、第1のリンクと第2のリンクとの間の同時送信および受信をサポートしない、すなわち、non-STRである。
【0066】
本出願で言及される「データ送信」および「データを送信する」は、一般に通信を指し、「データ」は、一般に通信情報を指し、データ情報に限定されず、代替としてシグナリング情報などであってもよいことが理解されることができる。
【0067】
第1のチャネルコンテンションおよび第2のチャネルコンテンションは、2回のチャネルコンテンションを区別するために命名されていることが理解されることができる。実際の適用において、2回のチャネルコンテンション(すなわち、第1のチャネルコンテンションおよび第2のチャネルコンテンション)は、同じチャネルコンテンションメカニズムに準拠しうる。例えば、2回のチャネルコンテンション(すなわち、第1のチャネルコンテンションおよび第2のチャネルコンテンション)の両方がCSMA/CAメカニズムに準拠するか、または2回のチャネルコンテンションの両方がEDCAチャネルコンテンションメカニズムに準拠する。
【0068】
一例では、
図5aは、本出願の一実施形態によるマルチリンクチャネルアクセスの第1の時間シーケンスの概略図である。
図5aに示されるように、第1のリンクはlink1であり、第2のリンクはlink2である。マルチリンクデバイスは、2つのリンク(link1およびlink2)上でチャネルコンテンションを行う。マルチリンクデバイスは、最初にlink1上で0にバックオフ(backoff)すると仮定される。この場合、マルチリンクデバイスは、link1を中断し、link2上でチャネルコンテンションを行うのを待機する。link2上のバックオフカウンタが長時間にわたって0にバックオフ(backoff)することができないとき、マルチリンクデバイスは、link1上およびlink2上で並列にデータを送信することを中止する。次いで、マルチリンクデバイスは、link1上で再度チャネルコンテンションを行い、このチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタが0にバックオフした後にlink1上でデータを送信してもよい。
【0069】
任意選択的に、第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定されてもよく、第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定される。マルチリンクデバイスは、第1のリンクで第1のチャネルコンテンションを行い、0にバックオフした後に第1のリンク上でデータを送信しない、すなわち、フレーム交換を行わないので、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションが成功するかどうかを決定することができない。したがって、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うプロセスにおいて、マルチリンクデバイスは、コンテンションウィンドウの値を変更せずに保持してもよく、言い換えれば、CWの値は増加も減少もせず、これは、CWの第2の値が第1の値と等しいことを意味する。代替として、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うプロセスにおいて、マルチリンクデバイスは、コンテンションウィンドウの値を最小値、すなわちCWminに設定する。
【0070】
チャネルコンテンションプロセスにおけるより大きいコンテンションウィンドウは、より低いコンテンション衝突確率およびより長いバックオフ時間を示し、より小さいコンテンションウィンドウは、より短いバックオフ時間およびより高いコンテンション衝突確率を示すことが理解されることができる。したがって、本出願のこの実施形態では、マルチリンクデバイスがリンク上で0にバックオフするが、そのリンク上で送信を行わないときに、リンク上で再度チャネルコンテンション/チャネルアクセスを行い、コンテンションウィンドウの値を変更しないままに設定するか、またはコンテンションウィンドウの値を最小値CWminに設定することによって、バックオフ時間とコンテンション衝突確率のバランスが達成できる。
【0071】
任意選択的に、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0にバックオフした後、すなわち、バックオフカウンタが第1のリンク上で0にバックオフした後、マルチリンクデバイスは、第1の期間における第1のリンクの状態を検出してもよい。第1の期間における第1のリンクの状態がアイドル状態である場合、これは、第1のリンク上で送信が行われた場合に衝突が発生しないことを示す。この場合、第1のリンク上の送信が成功することができることが予測される。次いで、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うプロセスにおいて、マルチリンクデバイスは、同じリンク上の以前のチャネルコンテンションプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値(すなわち、第1の値)を、現在のチャネルコンテンションプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値(すなわち、第2の値)として使用してもよいし、現在のチャネルコンテンションプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値(すなわち、第2の値)を、コンテンションウィンドウの最小値、すなわちCWminに設定してもよいし、現在のチャネルコンテンションプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値(すなわち、第2の値)を、以前のチャネルコンテンションプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値(すなわち、第1の値)の半分に設定してもよく、第2の値は、具体的には、第1の値から1を引いたものを2で割った値、すなわち、CW=(CW-1)/2である。
【0072】
第1の期間における第1のリンクの状態がビジー状態である場合、これは、第1のリンク上で送信が行われた場合に衝突が発生することを示す。この場合、第1のリンク上の送信が失敗することが予測される。次いで、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うプロセスにおいて、マルチリンクデバイスは、同じリンク上の以前のチャネルコンテンションプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値(すなわち、第1の値)を増加させ、増加した値を、現在のチャネルコンテンションプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値(すなわち、第2の値)として使用してもよく、言い換えれば、第2の値は第1の値よりも大きい。具体的には、第2の値は、第1の値の2倍に1を足したもの、すなわちCW=2*CW+1でありうる。第1の期間は、クリアチャネル評価時間(CCA時間)、例えば、4μs(マイクロ秒)または9μsでありうる。
【0073】
任意選択的に、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0にバックオフした後、すなわち、第1のリンク上でバックオフカウンタが0にバックオフした後、マルチリンクデバイスは第1のリンク上で受信を行ってもよい。フレームが事前設定時間内に受信され、フレーム内の情報に基づいて、フレームはローカルセル内の局によって送信されると決定される場合、第1のリンク上の送信は失敗すると予測される。事前設定時間内にフレームが受信されないか、または事前設定時間内にフレームが受信され、フレーム内の情報に基づいて、フレームはローカルセル内の局によって送信されないと決定される場合、第1のリンク上の送信は成功すると予測されうる。第1のリンク上の送信が成功すると予測される場合、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うプロセスにおいて、マルチリンクデバイスは、コンテンションウィンドウの値を変更せずに保持する(第2の値は第1の値と等しい)か、またはコンテンションウィンドウの値を最小値CWminに設定するか、またはコンテンションウィンドウの値を第1のチャネルコンテンションのプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値の半分(第2の値は、第1の値から1を引いたものを2で割った値と等しい)、すなわち、CW=(CW-1)/2に設定してもよい。第1のリンク上の送信が失敗すると予測される場合、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うプロセスにおいて、マルチリンクデバイスは、第1のチャネルコンテンションのプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値を増加させ、増加した値を、第2のチャネルコンテンションのプロセスにおけるコンテンションウィンドウの値として使用してもよく、言い換えれば、第2の値は第1の値よりも大きい。具体的には、第2の値は、第1の値の2倍に1を足したもの、すなわちCW=2*CW+1でありうる。
【0074】
本出願のこの実施形態では、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタが0にバックオフした後、第1のリンク上の送信が成功するかどうかを推定するために、第1のリンクの状態が決定され、コンテンションウィンドウの値が、推定結果に基づいて設定されることが理解されることができる。このようにして、コンテンションウィンドウのサイズが、より正確かつ適切に調整されることができ、それによってバックオフ時間とコンテンション衝突確率のバランスがさらに得られる。
【0075】
任意選択的に、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う前に、マルチリンクデバイスは、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、チャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第1のリンクの状態を検出する。第1のリンクの状態がビジー状態である場合、マルチリンクデバイスは第1のリンクを待機せず、マルチリンクデバイスは第2のリンク上でデータを送信する。マルチリンクデバイスは、第1のリンクの状態がビジー状態からアイドル状態に変化した後に第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う。マルチリンクデバイスは、第2のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になった後に第1のリンク上でデータを送信する。
【0076】
一例では、
図5bは、本出願の一実施形態によるマルチリンクチャネルアクセスの第2の時間シーケンスの概略図である。
図5bに示されるように、第1のリンクはlink1であり、第2のリンクはlink2である。マルチリンクデバイスは、2つのリンク(link1およびlink2)上でチャネルコンテンションを行う。マルチリンクデバイスは、最初にlink1上で0にバックオフすると仮定される。この場合、マルチリンクデバイスは、link1を中断し、link2上でチャネルコンテンションを行うのを待機する。link1の待機プロセスにおいてlink1の状態がビジー状態に変化し、link2上のバックオフカウンタが0にバックオフした後にlink1の状態がまだビジー状態である場合、マルチリンクデバイスは、link1上およびlink2上で並列にデータを送信することを中止する、すなわち、link1上およびlink2上のパラレル送信を待機しないと仮定すると、マルチリンクデバイスは、link2上のバックオフカウンタが0にバックオフした後にlink2上でデータを送信しうる。link1の状態がアイドル状態に戻った後、マルチリンクデバイスは、link1上で再度チャネルコンテンションを行い、このチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタが0にバックオフした後にlink1上でデータを送信してもよい。
【0077】
本出願のこの実施形態では、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で0にバックオフした後、第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機するプロセスにおいて、第1のリンクの状態はビジー状態に変化し、マルチリンクデバイスが第2のリンク上で0にバックオフするとき、第1のリンクはまだビジー状態にあり、この場合、第2のリンク上でデータを直接送信することが、チャネル利用を改善することができることが理解されることができる。
【0078】
任意選択的に、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う前に、マルチリンクデバイスは、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、チャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第1のリンクの状態を検出する。第1のリンクの状態がビジー状態である場合、マルチリンクデバイスは第2のリンクを中断してもよい、すなわち、マルチリンクデバイスは第2のリンク上で送信を行わない。マルチリンクデバイスは、第1のリンクの状態がビジー状態からアイドル状態に変化したときに第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行う。
【0079】
任意選択的に、マルチリンクデバイスは、第2のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第2のリンクの状態を検出してもよい。第2のリンクの状態がアイドル状態である場合、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信しうる。
【0080】
一例では、
図5cは、本出願の一実施形態によるマルチリンクチャネルアクセスの第3の時間シーケンスの概略図である。
図5cに示されるように、第1のリンクはlink1であり、第2のリンクはlink2である。マルチリンクデバイスは、2つのリンク(link1およびlink2)上でチャネルコンテンションを行う。マルチリンクデバイスは、最初にlink1上で0にバックオフすると仮定される。この場合、マルチリンクデバイスは、link1を中断し、link2上でチャネルコンテンションを行うのを待機する。link1の待機プロセスにおいてlink1の状態がビジー状態に変化し、link2上のバックオフカウンタが0にバックオフした後にlink1の状態がまだビジー状態である場合、マルチリンクデバイスがまだ、link1上およびlink2上で並列にデータを送信する、すなわち、link1上およびlink2上のパラレル送信を待機すると決定すると仮定すると、マルチリンクデバイスは、link2上のバックオフカウンタが0にバックオフした後にlink2を中断しうる。link1の状態がアイドル状態に戻った後、マルチリンクデバイスは、link1上で再度チャネルコンテンションを行い、このチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタが0にバックオフした後にlink2の状態を検出する。link2の状態がアイドル状態である場合、マルチリンクデバイスは、link1上およびlink2上で並列にデータを送信する。
【0081】
本出願のこの実施形態では、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で0にバックオフした後、第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機するプロセスにおいて、第1のリンクの状態はビジー状態に変化し、マルチリンクデバイスが第2のリンク上で0にバックオフするとき、第1のリンクはまだビジー状態にあり、第1のリンクの状態がアイドル状態に戻った後、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で再度チャネルコンテンションを行い、0にバックオフした後、第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信することが理解されることができる。このようにして、ピーク送信速度が増加されることができる。
【0082】
本出願のこの実施形態では、マルチリンクデバイスは、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行う。一方のリンク(すなわち、第1のリンク)上のバックオフカウンタの値が0にバックオフした後、マルチリンクデバイスは、そのリンクを中断し、他方のリンク(すなわち、第2のリンク)上のチャネルコンテンションを待機する。他方のリンク上のバックオフカウンタが長時間にわたって0にバックオフすることができない場合、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で再度チャネルコンテンション(すなわち、第2のチャネルコンテンション)を行う。このチャネルコンテンションプロセス(すなわち、第2のチャネルコンテンション)におけるコンテンションウィンドウの値は、第1のリンク上の以前のチャネルコンテンションプロセス(すなわち、第1のチャネルコンテンション)におけるコンテンションウィンドウの値と等しい。言い換えれば、コンテンションウィンドウの値は、第1のチャネルコンテンションのプロセスおよび第2のチャネルコンテンションのプロセスにおいて変化しない。代替として、このチャネルコンテンションプロセス(すなわち、第2のチャネルコンテンション)におけるコンテンションウィンドウの値は、コンテンションウィンドウの最小値CWminと等しい。本出願のこの実施形態では、マルチリンクデバイスがリンク上で0にバックオフするが、そのリンク上で送信を行わないときに、リンク上で再度チャネルコンテンション/チャネルアクセスを行い、コンテンションウィンドウの値を変更しないままに設定するか、またはコンテンションウィンドウの値を最小値CWminに設定することによって、バックオフ時間とコンテンション衝突確率のバランスが達成できる。
【0083】
任意選択の一実施形態では、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンション行い、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0にバックオフした後、第1のリンクを中断する、すなわち、第1のリンク上で送信を行わない。マルチリンクデバイスは、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、チャネルコンテンション中にバックオフカウンタの値が0にバックオフした後に第1のリンクの状態を検出する。第1のリンクの状態がアイドル状態である場合、マルチリンクデバイスは、第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信する。
【0084】
任意選択的に、第1のリンクの状態を検出するための方法は、以下を含む。マルチリンクデバイスは、第2のリンク上のチャネルコンテンション中にバックオフカウンタの値が0にバックオフする前のある期間(例えば、ポイント調整機能(point coordinate function、PCF)フレーム間間隔(PCF inter frame space、PIFS))において第1のリンクの状態が常にアイドル状態にあるかどうかを検出する。この期間(PIFS)において第1のリンクの状態がアイドル状態である場合、マルチリンクデバイスは、第1のリンクの状態はアイドル状態であると決定する。同様に、第2のリンクの状態もまた、この方法に従って検出されうることも理解されることができる。ここでは詳細は再度説明されない。
【0085】
一例では、
図5dは、本出願の一実施形態によるマルチリンクチャネルアクセスの第4の時間シーケンスの概略図である。
図5dに示されるように、第1のリンクはlink1であり、第2のリンクはlink2である。マルチリンクデバイスは、2つのリンク(link1およびlink2)上でチャネルコンテンションを行う。マルチリンクデバイスは、最初にlink1上で0にバックオフすると仮定される。この場合、マルチリンクデバイスは、link1を中断し、link2上でチャネルコンテンションを行うのを待機する。link2のバックオフプロセスにおいてlink1の状態がビジー状態に一度変化し、link2上のバックオフカウンタが0にバックオフしたときにlink1の状態がすでにアイドル状態に戻っている場合、マルチリンクデバイスは、link1上およびlink2上で並列にデータを送信する。
【0086】
別の任意選択の実施形態では、本出願で提供されるマルチリンクデバイスのためのチャネルアクセス方法は、シングルリンク・マルチチャネル・アクセス・シナリオにも適用されうる。
図6は、本出願の一実施形態によるシングルリンクマルチチャネルの概略図である。
図6に示されるように、単一のリンクはN個のチャネルを含んでいてもよく、チャネル1、チャネル5、…、およびチャネルN-3は、チャネルアクセスに使用されるチャネルとして構成されている。第1のリンクおよび第2のリンクは、シングルリンク・マルチチャネル・アクセス・シナリオにおける第1のチャネル(例えば、チャネル1)および第2のチャネル(例えば、チャネル5)に対応しうる。具体的には、通信デバイスは、第1のチャネル上で第1のチャネルコンテンションを行い、第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定され、通信デバイスは、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になり、かつ通信デバイスが第1のチャネル上でデータを送信しない場合、第1のチャネル上で第2のチャネルコンテンションを行い、第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定される。コンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの第1の値と等しいか、またはコンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの最小値と等しい。
【0087】
第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になった後、通信デバイスは、第1のリンクを中断し、すなわち、第1のチャネル上でデータを送信せず、第2のチャネル上のチャネルコンテンションを待機する。第1のチャネルが第2のチャネル上のチャネルコンテンションを待機する時間が事前設定時間を超えるとき、第2のチャネルの状態はまだビジー状態であり、第2のチャネル上のバックオフカウンタが長時間にわたって0にバックオフできないことを示す。この場合、この場合、マルチチャネルデバイスは、第1のチャネル上で再度チャネルコンテンションを行う、すなわち、マルチチャネルデバイスは、第1のチャネル上で第2のチャネルコンテンションを行う。代替として、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になった後、マルチチャネルデバイスは、第2のチャネル上でデータパケットを受信し、データパケットの長さは事前設定時間を超える。これは、第2のチャネル上で比較的長いネットワーク割り振りベクトルが設定されていることを示す。この場合、この場合、マルチチャネルデバイスは、第1のチャネル上で再度チャネルコンテンションを行う、すなわち、マルチチャネルデバイスは、第1のチャネル上で第2のチャネルコンテンションを行う。
【0088】
さらに別の任意選択の実施形態では、マルチリンクデバイスが、リンク上のすべての潜在的な受信局(すなわち、バッファされたデータの受信側)がnon-STR MLDの系列であり、すべての潜在的な受信局がリンク間干渉に起因して受信を行うことができないと決定した場合、マルチリンクデバイスは、リンク上のチャネルコンテンションを中断する(suspend)、すなわち、バックオフを停止するか、または、マルチリンクデバイスがリンク上で0にバックオフしている場合に送信を行わなくてもよい。リンク上の1つまたは複数の潜在的な受信局が受信を行うことができるとき、マルチリンクデバイスは、リンク上で再度チャネルコンテンションを行う。マルチリンクデバイスがリンク上で再度チャネルコンテンションを行うときに使用されるコンテンションウィンドウの値は、マルチリンクデバイスがリンク上でチャネルコンテンションを最後に行うときのコンテンションウィンドウの値と同じである。代替として、マルチリンクデバイスがリンク上で再度チャネルコンテンションを行うときに使用されるコンテンションウィンドウの値は、最小値、すなわちCWminである。
【0089】
以上は、本出願で提供される方法を詳細に説明している。本出願の実施形態における前述の解決策をよりよく実装するために、本出願の実施形態は、対応する装置またはデバイスをさらに提供する。
【0090】
本出願の実施形態において、マルチリンクデバイスは、方法例に基づいて機能モジュールに分割されてもよい。例えば、各機能モジュールは対応する各機能に基づく分割によって得られてもよいし、2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合モジュールはハードウェアの形態で実装されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。本出願の実施形態では、モジュールへの分割は一例であり、単なる論理的機能分割であり、実際の実装時には他の分割であってもよいことに留意されたい。
【0091】
統合ユニットが使用されるとき、
図7は、本出願の一実施形態による通信装置の構造の概略図である。通信装置1は、マルチリンクデバイス、またはマルチリンクデバイス内のWi-Fiチップなどのチップであってもよい。
図7に示されるように、通信装置1は、処理ユニット11を含む。
【0092】
処理ユニット11は、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行い、第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定される、ように構成される。処理ユニットは、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になり、かつマルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないときに第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うようにさらに構成される。第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値は、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定される。コンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの第1の値と等しいか、またはコンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの最小値と等しい。
【0093】
任意選択的に、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないことは、第1のリンクが第2のリンク上のチャネルコンテンションを待機する時間が事前設定時間を超えるとき、第2のリンクの状態がビジー状態であることを含む。
【0094】
任意選択的に、マルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないことは、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になった後、第2のリンク上でマルチリンクデバイスによって受信されたデータパケットの長さが事前設定時間を超えることを含む。
【0095】
任意選択的に、第1のリンクと第2のリンクとの間で同時送信および受信STRはサポートされない。
【0096】
任意選択的に、処理ユニット11は、第1の期間における第1のリンクの状態を検出し、第1の期間における第1のリンクの状態がアイドル状態であるとき、コンテンションウィンドウの第1の値を第2の値として決定するか、またはコンテンションウィンドウの第2の値をコンテンションウィンドウの最小値として決定する、ようにさらに構成される。
【0097】
任意選択的に、処理ユニット11は、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、チャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第1のリンクの状態を検出し、第1のリンクの状態がビジー状態であるときに第2のリンクを中断する、ようにさらに構成される。処理ユニット11は、第1のリンクの状態がビジー状態からアイドル状態に変化したときに第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行うように構成される。
【0098】
任意選択的に、通信装置は、トランシーバユニット12をさらに含む。処理ユニット11は、マルチリンクデバイスのために、第2のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第2のリンクの状態を検出するようにさらに構成される。トランシーバユニット12は、第2のリンクの状態がアイドル状態であるときに第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信するように構成される。
【0099】
任意選択的に、処理ユニット11は、第2のリンク上でチャネルコンテンションを行い、チャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になったときに第1のリンクの状態を検出するようにさらに構成される。トランシーバユニット12は、第1のリンクの状態がビジー状態であるときに第2のリンク上でデータを送信するように構成される。
【0100】
本出願のこの実施形態の通信装置1は、前述の方法におけるマルチリンクデバイスの任意の機能を有する。ここでは詳細は再度説明されない。
【0101】
以上は、本出願の実施形態におけるマルチリンクデバイスを説明しており、以下は、マルチリンクデバイスの可能な製品形態を説明する。
図7のマルチリンクデバイスの機能を有する任意の形態の製品が、本出願の実施形態の保護範囲内に含まれることを理解されたい。以下の説明は単なる例であり、本出願の実施形態におけるマルチリンクデバイスの製品形態はこれらに限定されないことをさらに理解されたい。
【0102】
1つの可能な製品形態では、本出願の実施形態におけるマルチリンクデバイスは、一般的なバスアーキテクチャを使用して実装されてもよい。
【0103】
マルチリンクデバイスは、プロセッサを含む。プロセッサは、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行い、第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値が、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定され、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になり、かつマルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないときに、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行い、第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値が、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定され、コンテンションウィンドウの第2の値がコンテンションウィンドウの第1の値と等しいか、またはコンテンションウィンドウの第2の値がコンテンションウィンドウの最小値と等しい、ように構成される。
【0104】
任意選択的に、マルチリンクデバイスは、メモリをさらに含んでいてもよく、メモリは、プロセッサによって実行される命令を記憶するように構成される。任意選択的に、マルチリンクデバイスは、プロセッサに内部接続され、プロセッサと通信するトランシーバをさらに含んでいてもよい。トランシーバは、マルチリンクデバイスと別のデバイスとの間の通信をサポートする、例えば、第2のリンクの状態がアイドル状態であるときに第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信するか、または第1のリンクの状態がビジー状態であるときに第2のリンク上でデータを送信するように構成される。
【0105】
1つの可能な製品形態では、本出願の実施形態におけるマルチリンクデバイスは、汎用プロセッサを使用して実装されてもよい。
【0106】
マルチリンクデバイスを実装するための汎用プロセッサは、処理回路を含む。処理回路は、第1のリンク上で第1のチャネルコンテンションを行い、第1のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値が、コンテンションウィンドウの第1の値に基づいて決定され、第1のチャネルコンテンションにおいてバックオフカウンタの値が0になり、かつマルチリンクデバイスが第1のリンク上で送信を行わないときに、第1のリンク上で第2のチャネルコンテンションを行い、第2のチャネルコンテンションにおけるバックオフカウンタの初期値が、コンテンションウィンドウの第2の値に基づいて決定され、コンテンションウィンドウの第2の値がコンテンションウィンドウの第1の値と等しいか、またはコンテンションウィンドウの第2の値はコンテンションウィンドウの最小値と等しい、ように構成される。
【0107】
任意選択的に、汎用プロセッサは、記憶媒体をさらに含んでいてもよく、記憶媒体は、処理回路によって実行されるべき命令を記憶するように構成される。任意選択的に、汎用プロセッサは、処理回路に内部接続され、処理回路と通信する入力/出力インターフェースをさらに含んでいてもよい。入力/出力インターフェースは、汎用プロセッサと別のデバイスとの間の通信をサポートする、例えば、第2のリンクの状態がアイドル状態であるときに第1のリンク上および第2のリンク上で並列にデータを送信するか、または第1のリンクの状態がビジー状態であるときに第2のリンク上でデータを送信するように構成される。
【0108】
1つの可能な製品形態では、本出願の実施形態におけるマルチリンクデバイスは、代替として、1つまたは複数のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(プログラマブルロジックデバイス)、コントローラ、状態機械、ゲート論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、任意の他の適切な回路、または本出願を通して説明されている様々な機能を行うことができる回路の任意の組み合わせ、を使用して実装されてもよい。
【0109】
前述の様々な製品形態の通信装置は、前述の方法実施形態におけるマルチリンクデバイスの任意の機能を有することを理解されたく、ここでは詳細は再度説明されない。
【0110】
本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを記憶する。前述のプロセッサがコンピュータプログラムコードを実行すると、電子デバイスが前述の実施形態における方法を行う。
【0111】
本出願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作すると、コンピュータは前述の実施形態における方法を行うことが可能になる。
【0112】
本出願の一実施形態は、通信装置をさらに提供する。装置は、チップの製品形態で存在しうる。装置の構造は、プロセッサと、インターフェース回路とを含む。プロセッサは、インターフェース回路を使用して別の装置と通信するように構成されるので、装置は前述の実施形態における方法を行う。
【0113】
本出願で開示されている内容と組み合わされて説明されている方法またはアルゴリズムステップは、ハードウェアによって実装されてもよいし、ソフトウェア命令を実行することによりプロセッサによって実装されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含みうる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(Erasable Programmable ROM、EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバルハードディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、または当技術分野で周知の任意の他の形態の記憶媒体に記憶されうる。例えば、記憶媒体はプロセッサに接続されるので、プロセッサは、記憶媒体から情報を読み出し、または記憶媒体に情報を書き込むことができる。当然ながら、記憶媒体は代替として、プロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に配置されていてもよい。加えて、ASICはコアネットワークインターフェースデバイスに配置されていてもよい。当然ながら、プロセッサおよび記憶媒体は代替として、コアネットワークインターフェースデバイス内にディスクリート構成要素として存在していてもよい。
【0114】
前述の例のうちの1つまたは複数において、本出願に記載される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用して実装されうることを、当業者は認めるはずである。機能を実装するためにソフトウェアが使用される場合、機能は、コンピュータ可読媒体に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体内の1つもしくは複数の命令もしくはコードとして送信されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体および通信媒体を含む。通信媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの送信を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体でありうる。
【0115】
本出願の目的、技術的解決策、および利益は、前述の特定の実装形態において詳細にさらに説明されている。前述の説明は、単に本出願の特定の実装形態であり、本出願の保護範囲を限定することを意図されていないことを理解されたい。本出願の技術的解決策に基づいてなされるあらゆる修正、同等の交換、または改善は、本出願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0116】
1 通信装置
11 処理ユニット
12 トランシーバユニット