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特許7379746仮想空間においてキャラクタが他のキャラクタとエンカウントするシステム、方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】仮想空間においてキャラクタが他のキャラクタとエンカウントするシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/577 20140101AFI20231107BHJP
   A63F 13/56 20140101ALI20231107BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20231107BHJP
   A63F 13/833 20140101ALI20231107BHJP
   A63F 13/48 20140101ALI20231107BHJP
   A63F 13/537 20140101ALI20231107BHJP
【FI】
A63F13/577
A63F13/56
A63F13/822
A63F13/833
A63F13/48
A63F13/537
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023056909
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-03-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】佐籐 真也
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 卓
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-178918(JP,A)
【文献】特開2020-096768(JP,A)
【文献】特開2000-185175(JP,A)
【文献】特開2007-111318(JP,A)
【文献】特開2004-337305(JP,A)
【文献】特開2000-093648(JP,A)
【文献】米国特許第6371856(US,B1)
【文献】SDガンダム外伝2 円卓の騎士,ニコニコ大百科[online],2022年05月30日,URL:https://web.archive.org/web/20220530152745/https://dic.nicovideo.jp/a/sd%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0%E5%A4%96%E4%BC%9D2%20%E5%86%86%E5%8D%93%E3%81%AE%E9%A8%8E%E5%A3%AB,[2023年6月19日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のプロセッサを備えるシステムであって、
前記一又は複数のプロセッサは、
第1ユーザが操作する第1キャラクタが、仮想フィールドに配置されている第2キャラクタに関連付けて設定されているエンカウント可能ゾーン内に存在する場合に、前記第1キャラクタが前記第2キャラクタとエンカウント可能な第1エンカウント可能状態にあると判定し、
前記第1ユーザのユーザ装置に前記第2キャラクタが配置されている前記仮想フィールドを表示させ、
前記第1キャラクタが前記第1エンカウント可能状態にある場合に、前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタが参加する第1エンカウントイベントを発生させるか否かを、前記エンカウント可能ゾーンにおいて前記第1エンカウントイベントが起こる確率を表すイベント発生率に基づいて、イベント発生判定周期ごとに、判定
前記イベント発生率は、前記第2キャラクタに関連付けて設定されている
システム。
【請求項2】
前記エンカウント可能ゾーンは、前記仮想フィールドにおいて前記第2キャラクタが配置されている位置から第1距離以内にあるゾーンである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記仮想フィールドにおいて前記第2キャラクタの知覚範囲を示す知覚ゾーンが設定されており、
前記エンカウント可能ゾーンは、前記知覚ゾーンの内側にある、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記仮想フィールドにおいて前記第2キャラクタの知覚範囲を示す知覚ゾーンが設定されており、
前記エンカウント可能ゾーンは、前記知覚ゾーンの内側のゾーンのうち、前記仮想フィールドにおいて前記第2キャラクタが配置されている位置から所定の距離以内のゾーンである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記エンカウント可能ゾーンは、前記第2キャラクタを含まないゾーンである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記エンカウント可能ゾーンは、第1サブゾーンと、第2サブゾーンと、を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記イベント発生率は、前記第1キャラクタが前記エンカウント可能ゾーン内に滞在する滞在時間に応じて変動する、
請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記イベント発生率は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離に応じて変動する、
請求項1又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記仮想フィールドにおいて、前記第2キャラクタが配置されている位置から第1距離よりも小さい第2距離以内のゾーンである接触ゾーンが設定されており、
前記仮想フィールドにおいて前記接触ゾーン内に前記第1キャラクタが進入したことに応じて前記第1エンカウントイベントを発生させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1キャラクタが前記第1エンカウント可能状態に移行したことに応じて、前記第1ユーザに対して表示されるゲーム画面を変化させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記一又は複数のプロセッサは、前記第1キャラクタが前記知覚ゾーン内に存在することを示すグラフィック要素を前記仮想フィールドに表示する、
請求項3に記載のシステム。
【請求項12】
前記グラフィック要素は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの間に表示される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1キャラクタが前記知覚ゾーン内に存在する場合に、前記第2キャラクタは、前記仮想フィールドにおいて前記第1キャラクタに近づく方向に移動する、
請求項3に記載のシステム。
【請求項14】
前記一又は複数のプロセッサは、前記第1キャラクタ及び前記仮想フィールドに配置されている第3キャラクタが参加する第2エンカウントイベントを発生させ、
前記第2エンカウントイベントに前記第1ユーザと異なる第2ユーザが操作する第4キャラクタをさらに参加させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記一又は複数のプロセッサは、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザが操作する第4キャラクタが前記エンカウント可能ゾーンに存在する場合に、前記第1エンカウントイベントが実行されている間は、前記第4キャラクタを前記第2キャラクタとエンカウント可能なエンカウント状態に移行させない、
請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
一又は複数のプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
第1ユーザが操作する第1キャラクタが、仮想フィールドに配置されている第2キャラクタに関連付けて設定されているエンカウント可能ゾーン内に存在する場合に、前記第1キャラクタが前記第2キャラクタとエンカウント可能な第1エンカウント可能状態にあると判定する第1判定工程と、
前記第1ユーザのユーザ装置に前記第2キャラクタが配置されている前記仮想フィールドを表示させる工程と、
前記第1キャラクタが前記第1エンカウント可能状態にある場合に、前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタが参加する第1エンカウントイベントを発生させるか否かを、前記エンカウント可能ゾーンにおいて前記第1エンカウントイベントが起こる確率を表すイベント発生率に基づいて、イベント発生判定周期ごとに、判定する第2判定工程と、
を備え、
前記イベント発生率は、前記第2キャラクタに関連付けて設定されている
ゲーム処理方法。
【請求項17】
一又は複数のプロセッサに、
第1ユーザが操作する第1キャラクタが、仮想フィールドに配置されている第2キャラクタに関連付けて設定されているエンカウント可能ゾーン内に存在する場合に、前記第1キャラクタが前記第2キャラクタとエンカウント可能な第1エンカウント可能状態にあると判定する第1判定工程と、
前記第1ユーザのユーザ装置に前記第2キャラクタが配置されている前記仮想フィールドを表示させる工程と、
前記第1キャラクタが前記第1エンカウント可能状態にある場合に、前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタが参加する第1エンカウントイベントを発生させるか否かを、前記エンカウント可能ゾーンにおいて前記第1エンカウントイベントが起こる確率を表すイベント発生率に基づいて、イベント発生判定周期ごとに、判定する第2判定工程と、
を実行させ、
前記イベント発生率は、前記第2キャラクタに関連付けて設定されている
ゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、主に、仮想空間においてキャラクタが他のキャラクタとエンカウントするシステム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間内に配置されたキャラクタが他のキャラクタとエンカウントしたことに応じてエンカウントイベントを発生させるシステムが知られている。例えば、仮想的なゲームフィールド内を移動するユーザキャラクタが敵キャラクタとエンカウントすると、当該ユーザキャラクタと当該敵キャラクタとの間で戦闘イベントを発生させるゲームシステムが知られている。
【0003】
ユーザキャラクタが他のキャラクタとエンカウントしたか否かを判定する手法として、「ランダムエンカウント」及び「シンボルエンカウント」が知られている。
【0004】
ランダムエンカウントを採用したゲームにおいては、ユーザキャラクタは、ゲームフィールドを移動している間に、所定の確率(イベント発生確率)で他のキャラクタとエンカウントする。イベント発生確率は、ユーザキャラクタがゲームフィールド内を所定距離進むごとに、敵キャラクタとエンカウントする確率を意味する。ランダムエンカウントを採用したゲームにおいては、エンカウントが発生するか否かは、事前に定められたイベント発生確率に応じて確率的に決められる。
【0005】
シンボルエンカウントを採用したゲームにおいては、ゲームフィールドを移動するユーザキャラクタが、当該ゲームフィールドにおいて敵キャラクタのエンカウント領域に進入した場合に、当該ユーザキャラクタと当該敵キャラクタがエンカウントしたと判定される。エンカウント判定にシンボルエンカウントを採用した従来のゲームは、特開2013-248521号公報(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-248521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ランダムエンカウントを採用するゲームにおいては、ユーザキャラクタがゲームフィールド内で移動すると、イベント発生確率に応じた頻度でエンカウントイベントが発生する。このため、ランダムエンカウントにより発生するエンカウントイベントは、ユーザキャラクタがゲームフィールド内を移動中に強制的に発生する。不意に発生するエンカウントイベントによりゲームフィールド内での移動や探索が中断されるので、ランダムエンカウントによるエンカウントイベントの発生は、ユーザにとって苦痛と感じられることがある。また、ランダムエンカウントにおいては、ゲームフィールドを表す映像に表示されていない敵キャラクタとのエンカウントイベントが唐突に始まるという不自然さがある。
【0008】
シンボルエンカウントを採用するゲームにおいては、ユーザキャラクタが敵キャラクタのエンカウント領域に入ると強制的にエンカウントイベントが発生するため、ゲームフィールドの設計や敵キャラクタの配置を綿密に定める必要がある。例えば、ゲームフィールド内の隘路に敵キャラクタが配置されていると、その隘路を通過する度に敵キャラクタとのエンカウントイベントが強制的に発生することになる。このように、従来のシンボルエンカウントには、ユーザキャラクタが敵キャラクタに接近したときにエンカウントイベントの発生が強制されるため、ゲーム開発時に、強制的なエンカウントイベントの発生によりユーザ体験が劣化しないように、ゲームフィールドの地形及び敵キャラクタの配置を適正に決定しなければならない。
【0009】
以上のとおり、従来のエンカウント判定には、改善すべき問題がある。本明細書に記載される様々な発明の目的は、従来のエンカウント判定における改善を提供することである。本明細書に記載される様々な発明のより具体的な目的の一つは、ユーザのキャラクタと他のキャラクタとのエンカウントを判定するための新規なエンカウント判定を提供することである。
【0010】
従来のエンカウント判定には、上記以外にも様々な未解決の問題がある。従来のエンカウント判定における未解決の問題については、本明細書全体を参照することにより明らかにされ得る。本明細書に開示される様々な発明は、上記の課題に代えて又は上記の課題に加えて、本明細書の「発明を実施するための形態」に記載されている又は「発明を実施するための形態」の記載から把握することができる問題の少なくとも一部を解決又は緩和するものであってもよい。本明細書に、実施形態の作用効果が記載されている場合には、その作用効果の記載に基づいて、当該実施形態に対応する発明の課題を把握することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によるシステムは、一又は複数のプロセッサを備える。一又は複数のプロセッサは、第1ユーザが操作する第1キャラクタが、仮想フィールドにおいて第2キャラクタに関連付けて設定されているエンカウント可能ゾーン内に存在する場合に、第1キャラクタが第2キャラクタとエンカウント可能な第1エンカウント可能状態にあると判定する。また、一又は複数のプロセッサは、第1キャラクタが第1エンカウント可能状態にある場合に、第1キャラクタ及び第2キャラクタが参加する第1エンカウントイベントを発生させるか否かを判定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によって、従来のエンカウント判定における改善を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態によるゲームシステムを示すブロック図である。
図2】一実施形態によるゲームシステムが提供するゲームフィールドを模式的に示す模式図である。
図3a】一実施形態において用いられるエンカウント可能ゾーンについて説明する模式図である。
図3b】一実施形態において用いられるエンカウント可能ゾーンについて説明する模式図である。
図3c】一実施形態において用いられるエンカウント可能ゾーンについて説明する模式図である。
図3d】一実施形態において用いられるエンカウント可能ゾーンについて説明する模式図である。
図3e】一実施形態において用いられるエンカウント可能ゾーンについて説明する模式図である。
図4図1のゲームシステムにおいて記憶されるユーザ管理データを説明する図である。
図5図1のゲームシステムにおいて記憶されるゲーム媒体管理データを説明する図である。
図6図1のゲームシステムにおいて記憶されるエンカウント管理データを説明する図である。
図7】一実施形態によるエンカウント判定処理の流れを説明するフロー図である。
図8a】一実施形態によるゲームシステムにおけるゲームフィールドの映像を示す模式図である。
図8b】一実施形態によるゲームシステムにおけるゲームフィールドの映像を示す模式図である。
図9】エンカウントイベントが発生した場合のゲーム画面の例を示す模式図である。
図10】エンカウントイベントに参加していいないプレイヤキャラクタによる当該エンカウントイベントへの関与を説明するための模式図である。
図11a】エンカウント可能ゾーンの変形例について説明する模式図である。
図11b】エンカウント可能ゾーンの変形例について説明する模式図である。
図11c】エンカウント可能ゾーンの変形例について説明する模式図である。
図11d】エンカウント可能ゾーンの変形例について説明する模式図である。
図11e】エンカウント可能ゾーンの変形例について説明する模式図である。
図12】エンカウント可能ゾーンの変形例について説明する模式図である。
図13】エンカウント可能ゾーンの変形例について説明する模式図である。
図14】エンカウント可能ゾーンの変形例について説明する模式図である。
図15】別のキャラクタとのエンカウントについて説明するための模式図である。
図16】エンカウントイベントが発生した場合のゲーム画面の例を示す模式図である。
図17】他のユーザキャラクタのエンカウントについて説明するための模式図である。
図18】エンカウントイベントが発生した場合のゲーム画面の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。以下で説明される本発明の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。以下の実施形態で説明されている諸要素が発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1から図6を参照して、本発明の一実施形態によるゲームシステム1について説明する。ゲームシステム1は、本明細書において開示される発明を適用可能なシステムの例である。本発明は、ゲーム以外にもキャラクタが移動可能な仮想空間を提供する様々なアプリケーションに適用され得るが、まず図1から図6を参照して、実施形態の一つであるゲームシステム1について説明する。
【0016】
1 ゲームシステム1の概略
まず、図1を参照して、一実施形態によるゲームシステム1の概略について説明する。図1は、ゲームシステム1を示すブロック図である。図1に示されているように、ゲームシステム1は、ユーザ装置10と、サーバ20と、を備える。ゲームシステム1は、ストレージ30を備えてもよい。図1には、図示の簡潔さのために一つのユーザ装置10が示されているが、ゲームシステム1には、複数のユーザ装置が含まれ得る。ユーザ装置10、サーバ20、及びストレージ30は、ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、単一のネットワークであってもよく、複数のネットワークが接続されて構成されていてもよい。ネットワーク5は、例えば、インターネット、移動通信網、及びこれらの組み合わせである。ネットワーク5としては、電子機器間の通信を可能とする任意のネットワークが適用され得る。
【0017】
ユーザ装置10は、コンピュータプログラムに含まれる命令セットを実行することにより、ゲームに関する様々な機能を実現する。サーバ20は、ユーザ装置10に対して、ゲームに関する様々なサービスを提供することができる。ユーザ装置10とサーバ20とは、必要に応じて互いと協働することで、ゲームの様々な機能を実現することができる。
【0018】
図1に示されているゲームシステム1の諸要素の全てが、本発明を実現するために必要とは限らない。例えば、ユーザ装置10は、スタンドアローンでゲームを提供してもよい。この場合には、サーバ20は、ゲームシステム1の必須の構成とはならない。
【0019】
2 ゲームフィールドの概略
ゲームシステム1により提供されるゲームは、仮想空間として構築されたゲームフィールドにユーザ装置10のユーザ(以下、「第1ユーザ」という。)のキャラクタ及びそれ以外のキャラクタを配置する。ゲームフィールドは、ゲームシステム1により提供される仮想空間である。ゲームフィールド内には、ユーザにより操作されるユーザキャラクタ、コンピュータにより所定のアルゴリズムに従って操作されるコンピュータキャラクタ、建物などの構築物や地形を表現するためのオブジェクト、及びこれら以外の仮想空間の構成要素が配置される。ゲームフィールド内におけるキャラクタやオブジェクトの位置は、ゲームフィールド内に設定される三次元のグローバル座標系における座標値で指定され得る。ゲームシステム1では、ゲームフィールド内に配置されたユーザキャラクタをコンピュータキャラクタとエンカウントさせるための新規なメカニズムが採用されている。ユーザキャラクタとコンピュータキャラクタとのエンカウント判定については追って説明する。
【0020】
図2にゲームフィールドの例を示す。図2は、ゲームシステム1が提供するゲームフィールドF1の一部が模式的に示されている。ゲームフィールドF1には、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が設定されている。図2には、ゲームフィールドF1の一部をZ軸方向から俯瞰したビューが示されている。
【0021】
ゲームフィールドF1には、一又は複数のユーザキャラクタが配置され得る。図示されている例では、ゲームフィールドF1内に、第1ユーザキャラクタC11、第2ユーザキャラクタC12、及び第3ユーザキャラクタC13が配置されている。ユーザキャラクタは、ユーザの操作に応じてゲームフィールドF1内を移動することができる。本明細書では、第1ユーザキャラクタC11は、ユーザ装置10の第1ユーザのキャラクタであると想定する。第1ユーザは、ユーザ装置10のユーザインタフェース13(後述する。)への操作又は入力を通じて、第1ユーザキャラクタC11をゲームフィールドF1内で移動させることができる。第1ユーザキャラクタC11は、第1ユーザからの指示に応じて、ゲームフィールドF1内で、移動以外にもアイテムの使用などの様々な行動を取ることができる。本明細書では、ユーザキャラクタが配置される仮想空間をゲームフィールドと呼ぶが、このような仮想空間は、「ワールド」と呼ばれることもある。本明細書における「ゲームフィールド」は、「ワールド」と読み替えることができる。
【0022】
ゲームフィールドF1は、ユーザ装置10において表示されてもよい。ゲームフィールドF1は、例えば、ゲームフィールドF1内に設置された仮想カメラが撮影したゲームフィールドF1の映像とともに、ゲーム画面の一部としてユーザ装置10において表示されてもよい。第1ユーザは、ユーザ装置10に表示されたゲームフィールドF1を見て、自身の第1ユーザキャラクタC11の移動方向を決めることができる。
【0023】
ゲームフィールドF1は、ゲームシステム1が提供する複数のゲームフィールドのうちの一つであってもよい。ユーザ装置10の第1ユーザは、複数のゲームフィールドの中からゲームフィールドF1を選択することができる。第1ユーザによってゲームフィールドF1が選択されると、第1ユーザの第1ユーザキャラクタC11がゲームフィールドF1内に配置される。第1ユーザは、ゲームフィールドF1を選択してゲームフィールドF1内でのゲームプレイを開始する際に、ゲームフィールドF1について様々な設定を行うことができる。例えば、第1ユーザは、ゲームフィールドF1に他のユーザが参加できるか否かを設定することができる。ゲームフィールドF1は、第1ユーザによって他のユーザの参加が制限される、または、他のユーザの参加に条件が設けられる(セミ)クローズなフィールドであってもよいし、第1ユーザ以外のユーザが自由に参加できるオープンなフィールドであってもよい。ゲームシステム1は、ゲームフィールドF1に参加するためのアクセスコードを発行し、ゲームフィールドF1への参加を要求するユーザにアクセスコードの入力を求め、正しいアクセスコードが入力された場合に、当該ユーザのユーザキャラクタをゲームフィールドF1に参加させるようにしてもよい。第1ユーザは、ゲームフィールドF1について発行されたアクセスコードをゲーム内のメッセージやゲーム外のSNSを利用して公開してもよい。第1ユーザは、友人にのみアクセスコードを公開してもよい。ゲームフィールドF1に配置されている第2ユーザキャラクタC12及び第3ユーザキャラクタC13は、第1ユーザから知らされたアクセスコードを入力してゲームフィールドF1に参加したユーザのユーザキャラクタであってもよい。
【0024】
ゲームフィールドF1は、より大きなゲームフィールドの一部であってもよい。ユーザ装置10には、ゲームフィールドF1のうち、第1ユーザキャラクタC11を中心とする一定の範囲が表示されてもよい。つまり、ユーザ装置10に表示されるゲームフィールドF1は、第1ユーザキャラクタC11が移動可能なゲームフィールド全体のうちの第1ユーザキャラクタC11が配置されている位置を中心とする一部の領域であってもよい。例えば、第1ユーザキャラクタC11がゲームフィールドF1内で地点Aに配置されている場合には、ゲームフィールド全体のうち地点Aを中心とする所定範囲の領域がゲームフィールドF1として表示され、第1ユーザキャラクタC11が地点Aから地点Bまで移動すると、移動後には、ゲームフィールド全体のうち地点Bを中心とする所定範囲の領域がゲームフィールドF1として表示される。
【0025】
第2ユーザキャラクタC12のユーザ(以下、「第2ユーザ」という。)は、自らのユーザ装置を操作することにより、ゲームフィールドF1内で第2ユーザキャラクタC12を操作することができる。同様に、第3ユーザキャラクタC13のユーザ(以下、「第3ユーザ」という。)は、自らのユーザ装置を操作することにより、ゲームフィールドF1内で第3ユーザキャラクタC13を操作することができる。第2ユーザのユーザ装置及び第3ユーザのユーザ装置は、ゲームシステム1に含まれるユーザ装置の例であり、ユーザ装置10と同様の機能を有する。
【0026】
ゲームフィールドF1には、ユーザキャラクタ以外に、コンピュータが所定のアルゴリズムに従って操作する一又は複数のコンピュータキャラクタが配置されてもよい。図示されている例では、ゲームフィールドF1内に、第1コンピュータキャラクタC21、第2コンピュータキャラクタC22、及び第3コンピュータキャラクタC23がゲームフィールドF1に配置されている。ゲームシステム1は、ゲームフィールドF1においてユーザキャラクタがコンピュータキャラクタとがエンカウントすると、そのエンカウントしたユーザキャラクタとコンピュータキャラクタとが参加するエンカウントイベントを発生させるように構成される。第1コンピュータキャラクタC21、第2コンピュータキャラクタC22、及び第3コンピュータキャラクタC23は、ユーザキャラクタと戦闘を行う敵キャラクタであってもよい。ユーザキャラクタと敵キャラクタがエンカウントした場合には、エンカウントイベントとして、当該ユーザキャラクタと当該敵キャラクタとの間での戦闘イベントが開始されてもよい。第1コンピュータキャラクタC21、第2コンピュータキャラクタC22、及び第3コンピュータキャラクタC23は、ChatGPT等の生成系AIによって生成される移動パターンに従ってゲームフィールドF1内を移動してもよい。
【0027】
第1コンピュータキャラクタC21、第2コンピュータキャラクタC22、及び第3コンピュータキャラクタC23は、ゲームフィールドF1の生成時からゲームフィールドF1に配置されていてもよい。第1コンピュータキャラクタC21、第2コンピュータキャラクタC22、及び第3コンピュータキャラクタC23の一部は、ゲームフィールドF1において所定の条件が満たされた場合にのみ、ゲームフィールドF1に出現する(新たに配置される)ように設定されていてもよい。コンピュータキャラクタがゲームフィールドF1内に出現することは、「スポーンする」と表現されることもある。例えば、第2コンピュータキャラクタC22は、ボスキャラクターであり、ゲームフィールドF1の生成後に所定の条件が満たされた後に、ゲームフィールドF1にスポーンされてもよい。第2コンピュータキャラクタC22がゲームフィールドF1にスポーンするための条件には、ゲームフィールドF1生成後に所定時間が経過したこと、ゲームフィールドF1内で所定数のコンピュータキャラクタを倒したこと、ゲームフィールドF1内で所定のアイテムを入手したこと、及びこれら以外の条件が含まれ得る。
【0028】
ゲームフィールドF1には、様々なオブジェクトが配置されてもよい。図示されている例では、第1オブジェクトO11、第2オブジェクトO12、第3オブジェクトO13、及び第4オブジェクトO14がゲームフィールドF1に配置されている。ゲームフィールドF1に配置されるオブジェクトは、ゲームフィールドF1内の所定の位置に固定されていてもよいし、ゲームフィールドFI内を移動可能であってもよい。第1オブジェクトO11、第2オブジェクトO12、第3オブジェクトO13、及び第4オブジェクトはそれぞれ、構築物を表すオブジェクト、山、丘、川、森林などの自然の地形を表すオブジェクト、及び前記以外のゲームフィールドF1に配置され得る任意のオブジェクトであってもよい。ゲームフィールドF1に配置されるオブジェクトには、第1ユーザキャラクタC11が進入できないオブジェクトが含まれてもよい。図示の例では、第1ユーザキャラクタC11は、第1オブジェクトO11及び第2オブジェクトO12が占めている領域に進入できないことが想定されている。このため、第1オブジェクトO11と第2オブジェクトO12との間には隘路が形成されており、この隘路に第3コンピュータキャラクタC23が配置されている。
【0029】
3 エンカウント判定の概要
次に、図3aないし図3eを参照して、ゲームシステム1によって提供されるゲームにおいて採用され得るエンカウント判定の概要について説明する。図3aないし図3eには、第1ユーザキャラクタC11及び第1コンピュータキャラクタC21が示されている。以下では、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウントするか否かの判定(第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウント判定)について説明するが、このエンカウント判定は、他のキャラクタ間でのエンカウント判定にも適用され得る。
【0030】
ゲームシステム1におけるエンカウント判定では、(1)第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11内に存在するか否かが判定され、(2)第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に存在する場合に、第1ユーザキャラクタC11及び第1コンピュータキャラクタC21が参加するエンカウントイベントを発生させるか否かを判定するイベント発生判定が行われる。つまり、エンカウント判定は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に存在するか否かを判定するゾーン判定と、エンカウント可能ゾーンZ11に存在する場合に行われるイベント発生判定の二段階で行われる。具体的には、上記(1)において、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11内に存在すると判定され、且つ、(2)でエンカウントイベントを発生させると判定された場合に、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウントしてエンカウントイベントが発生する。第1コンピュータキャラクタC21がエンカウント可能ゾーンZ11に入っただけでは第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントは発生しない。
【0031】
3-1 エンカウント可能ゾーン
まず、第1コンピュータキャラクタC21について設定されるエンカウント可能ゾーンについて説明する。図3aに示されているように、ゲームフィールドF1において、第1コンピュータキャラクタC21に関連付けてエンカウント可能ゾーンZ11が設定される。図示の例では、XY面において、第1コンピュータキャラクタC21が配置されている位置の座標から第1距離r1内にあるゾーンが、エンカウント可能ゾーンZ11として設定されている。つまり、図示の例においては、第1コンピュータキャラクタC21を中心とする半径r1の円内がエンカウント可能ゾーンZ11である。エンカウント可能ゾーンZ11は、ゲームフィールドF1において3次元で定義されてもよい。例えば、エンカウント可能ゾーンZ11は、第1コンピュータキャラクタC21が配置されている位置を中心とする半径r1の球内のゾーンであってもよい。
【0032】
図3aの例では、ゲームフィールドF1において、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21について設定されているエンカウント可能ゾーンZ11の外側に配置されているので、第1ユーザキャラクタC11は、第1コンピュータキャラクタC21とエンカウント可能ではないと判定される。第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウント可能ではない場合、第1ユーザキャラクタC11は、ノーマル状態である。
【0033】
第1ユーザキャラクタC11が、ゲームフィールドF1において図3aに示されている位置から第1コンピュータキャラクタC21に近づく方向に移動すると、図3bに示されているように、第1ユーザキャラクタC11は、エンカウント可能ゾーンZ11の内部に進入する。図3bの例では、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21について設定されているエンカウント可能ゾーンZ11の内側に配置されているので、第1ユーザキャラクタC11は、第1コンピュータキャラクタC21とエンカウント可能なエンカウント可能状態にあると判定される。つまり、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11内に進入すると、第1ユーザキャラクタC11は、ノーマル状態からエンカウント可能状態に移行する。
【0034】
図3cに示されているように、第1ユーザキャラクタC11は、第1ユーザの操作に応じて、エンカウント可能ゾーンZ11の内側の位置からエンカウント可能ゾーンZ11の外側の位置へ移動することができる。エンカウント可能ゾーンZ11に進入してエンカウント可能状態となった第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11の外側へ移動すると、第1ユーザキャラクタC11のエンカウント可能状態が解除される。つまり、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11の内側から外側に移動すると、第1ユーザキャラクタC11は、エンカウント可能状態からノーマル状態に移行する。
【0035】
第1コンピュータキャラクタC21は、エンカウント可能ゾーンZ11から離脱した第1ユーザキャラクタC11を追跡するように制御されてもよい。例えば、図3dに示されているように、第1コンピュータキャラクタC21は、エンカウント可能ゾーンZ11から離脱するために第1ユーザキャラクタC11を追跡するように移動してもよい。図3dに示されているように、第1ユーザキャラクタC11は、エンカウント可能ゾーンZ11から離脱した後に第1コンピュータキャラクタC21の追跡を受けて、再びエンカウント可能ゾーンZ11内に入ることがある。
【0036】
第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11の内側に配置されているか否かは、第1ユーザキャラクタC11が配置されている位置のXY平面における座標が、エンカウント可能ゾーンZ11内にあるか否かに応じて判定することができる。第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に配置されているか否かは、所定のゾーン判定周期ごとに判定することができる。ゾーン判定周期は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に配置されているか否かを実質的にリアルタイムに判定することができる時間に設定されてもよい。ゾーン判定周期は、例えば0.1秒であってもよく、0.1秒より短くても長くてもよい。
【0037】
3-2 エンカウント可能ゾーン内でのイベント発生判定
第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態となったことに応じて、第1ユーザキャラクタC11及び第1コンピュータキャラクタC21が参加するエンカウントイベントを発生させるか否かを判定するイベント発生判定が行われる。本明細書では、ユーザキャラクタが他のキャラクタ(例えば、コンピュータキャラクタ)とエンカウント可能状態である場合に行われる、当該ユーザキャラクタ及び当該他のキャラクタが参加するエンカウントイベントを発生させるか否かの判定を「イベント発生判定」と呼ぶ。イベント発生判定は、様々な方法で実施され得る。以下では、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウント可能状態にある場合のイベント発生判定の例を説明する。本明細書では、記載の簡便さのために、第1ユーザキャラクタC11及び第1コンピュータキャラクタC21が参加するエンカウントイベントを「第1エンカウントイベント」と呼ぶことがある。
【0038】
一態様において、イベント発生判定は、イベント発生確率に基づいて判定される。例えば、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態である間、所定の時間が経過するたびに、イベント発生確率に基づいてエンカウントイベントを発生させるか否かの判定が繰り返し行われる。つまり、イベント発生判定は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態になってから所定のイベント発生判定周期で繰り返し行われる。イベント発生判定周期は、例えば1秒であってもよいし、1秒より長くても短くてもよい。第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態になってからの経過時間は、システムクロックに基づいて測定することができる。
【0039】
第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21とのイベント発生判定に用いられるイベント発生確率は、第1ユーザキャラクタC11がと第1コンピュータキャラクタC21とエンカウント可能なエンカウント可能状態にある場合(つまり、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11内に存在する場合)に、1回の判定で、第1エンカウントイベントが発生する確率を表す。イベント発生確率が固定されている場合には、イベント発生確率は、100%未満の値を取る。イベント発生確率は、50%以下、30%以下、20%以下、又は10以下であってもよい。イベント発生確率は、例えば10%であってもよく、10%より大きくても小さくてもよい。イベント発生確率は、変動してもよい。イベント発生確率が変動する場合、イベント発生確率は、一時的に100%とされてもよい。
【0040】
イベント発生確率は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に一旦進入した後に、エンカウント可能ゾーンZ11から離脱することで、第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントイベントの発生を回避することが可能になる範囲に定められてもよい。例えば、イベント発生判定周期を1秒、イベント発生確率を10%に設定すれば、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態になってから5秒が経過するときまでにエンカウントイベントが発生しない確率は、約59%((9/10)の5乗)となる。この場合、第1ユーザは、エンカウント可能ゾーンZ11に入ってから5秒以内にエンカウント可能ゾーンZ11の外に出ることができれば、約59%の確率で第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントを回避することができる。イベント発生判定周期1秒ごとのイベント発生確率を20%に設定すれば、5秒が経過するときまでにエンカウントイベントが発生しない確率は、約33%((4/5)の5乗)となる。このように、イベント発生確率の設定により、ユーザキャラクタがエンカウント可能状態になった後のエンカウントの回避しやすさを定めることができる。また、イベント発生判定周期を変更することにより、エンカウントの回避の容易さを変更することができる。具体的には、イベント発生判定周期が短くなると、所定時間あたりの判定回数が増えるから、エンカウントが発生しやすくなる。例えば、イベント発生判定周期を0.5秒、イベント発生確率を10%に設定すれば、5秒が経過するときまでにエンカウントイベントが発生しない確率は、約35%((9/10)の10乗)となり、イベント発生判定周期が1秒の場合と比べてエンカウントが発生しやすくなる。あるユーザキャラクタと他のコンピュータキャラクタとのイベント発生判定に用いられるイベント発生判定周期は、コンピュータキャラクタごとに個別に定められてもよい。
【0041】
あるユーザキャラクタと他のコンピュータキャラクタとのイベント発生判定に用いられるイベント発生確率は、コンピュータキャラクタごとに個別に定められてもよい。例えば、ゲームフィールドF1に配置されている第1コンピュータキャラクタC21、第2コンピュータキャラクタC22、及び第3コンピュータキャラクタC23について、個別にイベント発生確率が定められてもよい。
【0042】
あるユーザキャラクタと他のコンピュータキャラクタとのイベント発生判定に用いられるイベント発生確率は、ユーザキャラクタごとに個別に定められてもよい。例えば、ゲームフィールドF1に配置されている第1ユーザキャラクタC11、第2ユーザキャラクタC12、第3ユーザキャラクタC13について、個別にイベント発生確率が定められてもよい。
【0043】
イベント発生判定は、ゲームフィールドF1に配置されているキャラクタに共通して用いられる共通イベント発生確率を用いて行われてもよい。
【0044】
イベント発生確率は、ユーザキャラクタがエンカウント可能状態になってからの経過時間に応じて変化してもよい。例えば、イベント発生確率は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に入ってからの経過時間(エンカウント可能ゾーンZ11への滞在時間)に応じて逓増してもよい。逓増するイベント発生確率には、上限が定められてもよい。イベント発生確率の上限は、例えば50%であってもよい。逓増後のイベント発生確率は、100%に達してもよい。
【0045】
ユーザキャラクタと他のキャラクタとのイベント発生確率は、ゲームフィールドF1における当該キャラクタ同士の距離に応じて変動してもよい。例えば、第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21との間の距離が短くなるほどイベント発生確率を高くしてもよい。第1ユーザは、第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントを望まない場合には、ゲームフィールドF1内で第1コンピュータキャラクタC21から遠ざかるように第1ユーザキャラクタC11を移動させることにより、第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントを回避しやすくなる。
【0046】
一態様において、イベント発生判定は、イベント発生ゲージに基づいて行われる。イベント発生ゲージは、例えば、0~100の間の値を取ることができ、イベント発生ゲージの値が100になったことに応じて、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウントしたと判定される。つまり、イベント発生ゲージが最大値を取ると、第1エンカウントイベントが発生すると判定される。本明細書では、イベント発生ゲージが取り得る最大値を「イベント発生値」と呼ぶことがある。イベント発生ゲージの値は、所定の時間が経過するたびに増加してもよい。イベント発生ゲージの値は、例えば、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態になった時点から1秒経過するごとに10ずつ増加してもよい。この場合、第1ユーザキャラクタC11が10秒間エンカウント可能ゾーンZ11に留まると、第1エンカウントイベントが発生すると判定される。イベント発生ゲージの値は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に存在している間逓増してもよいし、増減してもよい。イベント発生値は、コンピュータキャラクタごとに個別に定められてもよいし、全てのコンピュータキャラクタに共通に定められていてもよい。イベント発生値は、ゲームの進行に応じて増減してもよい。イベント発生ゲージの値は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11から離脱したことに応じて、0(ゼロ)にリセットされてもよい。イベント発生ゲージの値は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11から離脱してもリセットされず、離脱後に再度エンカウント可能ゾーンZ11に入ると、イベント発生ゲージの値は、先に離脱したときの値に戻るように設定されてもよい。イベント発生ゲージの値が増加率、増減の態様、及び/又は第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11から離脱した場合のリセットの有無は、コンピュータキャラクタごとに個別に定められてもよい。
【0047】
3-3 接触ゾーン
次に、第1コンピュータキャラクタC21について設定される接触ゾーンについて説明する。図3aに示されているように、ゲームフィールドF1において、第1コンピュータキャラクタC21に関連付けて接触ゾーンZ21が設定されている。図示の例では、XY面において、第1コンピュータキャラクタC21が配置されている位置の座標から、第1距離r1よりも小さい第2距離r2内にあるゾーンが、接触ゾーンZ21として設定されている。つまり、図示の例において、第1コンピュータキャラクタC21を中心とする半径r2の円内が接触ゾーンZ21である。接触ゾーンZ21は、ゲームフィールドF1において3次元で定義されるゾーンであってもよい。例えば、接触ゾーンZ21は、第1コンピュータキャラクタC21が配置されている位置を中心とする半径r2の球内のゾーンであってもよい。
【0048】
第1ユーザキャラクタC11が、図3aに示されている位置から図3bに示されているようにエンカウント可能ゾーンZ11に進入し、この図3bの位置から第1コンピュータキャラクタC21にさらに近づく向きに移動すると、図3eに示されているように、第1ユーザキャラクタC11は、第1コンピュータキャラクタC21について設定されている接触ゾーンZ21の内部に進入する。一態様においては、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21について設定されている接触ゾーンZ21の内側に進入した場合に、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウントしたと判定され、第1エンカウントイベントが発生する。つまり、第1ユーザキャラクタC11が接触ゾーンZ21内に進入すると、自動的に、第1ユーザキャラクタC11は、第1コンピュータキャラクタC21とエンカウントする。第1ユーザキャラクタC11が接触ゾーンZ21の内側にいるか外側にいるか否かは、第1ユーザキャラクタC11が配置されている位置のXY平面における座標が、第1コンピュータキャラクタC21が配置されている位置のXY平面における座標を中心とする半径r2の円内にあるか否かに応じて判定することができる。
【0049】
第1コンピュータキャラクタC21について、接触ゾーンZ21は、設定されていなくともよい。つまり、接触ゾーンZ21は、エンカウント判定における必須の要素ではない。ゲームフィールドF1に配置されているコンピュータキャラクタの一部について接触ゾーンが設定され、それ以外のコンピュータキャラクタには接触ゾーンが設定されなくともよい。
【0050】
4 ユーザ装置
次に、図1を再び参照し、ユーザ装置10についてさらに説明する。
【0051】
4-1 ユーザ装置の構成
ユーザ装置10は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍リーダー、ウェアラブルコンピュータ、ゲーム用コンソール、ヘッドマウントディスプレイ、またはこれら以外の各種情報処理装置である。ユーザ装置10は、第1ユーザによって利用されることが想定されている。第1ユーザは、ユーザ装置10に入力を行い、ユーザ装置10から出力される画像や音声を通じてゲームをプレイすることができる。
【0052】
ユーザ装置10は、プロセッサ11、メモリ12、ユーザインタフェース13、通信インタフェース14、ストレージ15、を備えている。
【0053】
プロセッサ11は、ストレージ15又はそれ以外のストレージからオペレーティングシステムやそれ以外の様々なプログラムをメモリ12にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する演算装置である。プロセッサ11は、例えば、CPU、MPU、DSP、GPU、これら以外の各種演算装置、又はこれらの組み合わせである。プロセッサ11は、ASIC、PLD、FPGA、MCU等の集積回路により実現されてもよい。
【0054】
メモリ12は、プロセッサ11が実行する命令及びそれ以外の各種データを格納するために用いられる。メモリ12は、プロセッサ11が高速にアクセス可能な主記憶装置(メインメモリ)である。メモリ12は、例えば、DRAMやSRAM等のRAMによって構成される。
【0055】
ユーザインタフェース13は、ユーザの入力を受け付ける入力インタフェースと、プロセッサ21の制御により様々な情報を出力する出力インタフェースと、を備える。入力インタフェースは、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、タッチパネル、又は前記以外のユーザの入力を入力可能な任意の情報入力装置である。出力インタフェースは、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、表示パネル、又は前記以外のプロセッサ11の演算結果を出力可能な任意の情報出力装置である。
【0056】
通信インタフェース14は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装される。ユーザ装置10は、通信インタフェース14を介して、サーバ20を含む他の情報機器とデータを送受信することができる。
【0057】
ストレージ15は、プロセッサ11によりアクセスされる外部記憶装置である。ストレージ15は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ、又はデータを記憶可能な前記以外の各種記憶装置である。
【0058】
4-2 ストレージ15に保持されるデータ
ストレージ15には、ゲームの様々な機能を提供するためのゲームアプリケーション15a、エンカウント判定に用いられるエンカウント管理データ15b、及び前記以外の様々なデータが記憶される。
【0059】
ゲームアプリケーション15aに含まれる命令は、プロセッサ11によって実行され得る。ゲームアプリケーション15aを実行することにより実現される機能の詳細は後述する。ゲームアプリケーション15aは、例えば、不図示のアプリケーション配信プラットフォームから、ユーザ装置10にダウンロードされてもよい。ユーザ装置10は、必要に応じて、サーバ20からゲームパートを進行させるために必要なデータを取得し、取得したデータをストレージ15に記憶することができる。
【0060】
エンカウント管理データ15bについて、図4を参照して説明する。エンカウント管理データ15bは、エンカウント判定時に参照されるデータが構造的に記憶されたデータセットである。エンカウント管理データ15bは、例えば、ゲームフィールド内に配置されているコンピュータキャラクタを識別するキャラクタ識別情報を含む。エンカウント管理データ15bは、コンピュータキャラクタのキャラクタ識別情報に加えて、当該コンピュータキャラクタについて設定されているゾーン情報、イベント発生確率、及びイベント発生判定周期を含むことができる。
【0061】
コンピュータキャラクタのゾーン情報は、当該コンピュータキャラクタについて設定されているエンカウント可能ゾーンの範囲を示す。ゾーン情報は、エンカウント可能ゾーンを表す座標情報であってもよい。例えば、エンカウント可能ゾーンが円形の場合には、ゾーン情報は、ゲームフィールドにおける当該コンピュータキャラクタの位置を表す座標と、エンカウント可能ゾーンの外縁を定める円の半径と、を含むことができる。コンピュータキャラクタのゾーン情報は、ゲームフィールド内を移動するコンピュータキャラクタの最新の位置が反映されるように更新されてもよい。ゾーン情報は、ユーザの設定に応じて変更されてもよい。例えば、ゲームにおいてユーザの選択に応じて2つ以上のモードが利用可能とされている場合、そのモードごとに異なるゾーン情報が設定されてもよい。具体的には、ゲームが、エンカウントの発生頻繁が高いハードモードと、エンカウントの発生頻度が低いイージーモードと、を有する場合には、ハードモードが選択されているときにより広いエンカウント可能ゾーンが設定されるようにゾーン情報が定められてもよい。ゾーン情報は、ユーザによる選択以外のイベントを契機として更新又は変更されてもよい。
【0062】
コンピュータキャラクタについて設定されるイベント発生確率は、上述したとおり、ユーザキャラクタが当該コンピュータキャラクタとエンカウント可能状態にある場合に、1回の判定で、当該ユーザキャラクタ及び当該コンピュータキャラクタが参加するエンカウントイベントの発生確率を表す。この発生確率が、エンカウント管理データ25cの一部として記憶される。ゾーン情報と同様に、イベント発生確率も、ユーザのモード選択に応じて又はそれ以外のイベントに応じて変更されてもよい。
【0063】
コンピュータキャラクタについて設定されるイベント発生判定周期は、当該コンピュータキャラクタとエンカウント可能状態にあるユーザキャラクタについて繰り返し行われるイベント発生判定の実行間隔を表す。ゾーン情報及びイベント発生確率と同様に、イベント発生判定周期も、ユーザのモード選択に応じて又はそれ以外のイベントに応じて変更されてもよい。
【0064】
4-3 ユーザ装置の機能
ユーザ装置10のプロセッサ11は、ゲームアプリケーション15aに含まれる命令セット及び必要に応じてそれ以外の命令セットを実行することにより、ゲーム進行部11a、ゾーン判定部11b、イベント発生判定部11c、及びイベント実行部11dとして機能する。
【0065】
4-3-1 ゲーム進行部11a
ゲーム進行部11aは、ゲームアプリケーション15aに含まれる命令セットに従って、また、必要に応じてユーザ装置10のユーザインタフェース13(例えば、タッチパネル)を介した第1ユーザからの入力に基づいて、ゲームを進行させる。ゲーム進行部11aは、サーバ20と協働してゲームを進行させることもできる。ユーザからの操作入力は、例えば、ゲームフィールドを選択する入力、ゲームフィールド内での第1ユーザキャラクタC11の移動を指定するための入力、アイテムの使用を指示するための入力、ゲーム設定を変更するための入力、及びこれら以外のゲームの進行に関連する様々な入力である。ゲーム進行部11aは、例えば、ゲームアプリケーション15aに含まれる命令セット及びユーザからの入力に基づいて、ゲームの進行に関連するリクエストを生成し、生成したリクエストをサーバ20に送信することができる。また、ゲーム進行部11aは、サーバ20から、ゲームの進行に関連する様々なゲームデータを受信し、当該ゲームデータに基づいてゲームを進行させることができる。ゲーム進行部11aは、ゲームの進行に応じた映像をユーザインタフェース13(例えば、ディスプレイ)に表示することができる。ゲーム進行部11aは、例えば、レンダリングにより生成されるゲームフィールドF1の映像を生成することができる。
【0066】
ゲーム進行部11aは、サーバ20のストレージ25に記憶されている各種データのうち、ゲームの進行のために必要なデータを取得し、取得したデータをストレージ15に記憶してもよい。ゲーム進行部11aは、ゲームの処理に必要となる場合には、ストレージ15から適宜データを読み出し、読み出したデータを用いて演算を行うことができる。
【0067】
4-3-2 ゾーン判定部11b
ゾーン判定部11bは、ゲームフィールドに配置されているユーザキャラクタが、当該ゲームフィールドにおいて設定されている様々なゾーンのうち、いずれのゾーンに存在しているかを判定する。図2に示されているように、ゲームフィールドF1内に第1ユーザキャラクタC11が配置されている場合には、ゾーン判定部11bは、ゲームフィールドF1における第1ユーザキャラクタC11の座標に基づいて、第1ユーザキャラクタC11が、ゲームフィールドF1内に配置されているいずれかのコンピュータキャラクタのエンカウント可能ゾーン内に配置されているか否かを判定することができる。例えば、ゾーン判定部11bは、ゲームフィールドF1における第1ユーザキャラクタC11の位置の座標に基づいて、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21について設定されているエンカウント可能ゾーンZ11内に配置されているか否かを判定することができる。第1ユーザキャラクタC11が、図3aに示されているように、第1コンピュータキャラクタC21について設定されているエンカウント可能ゾーンZ11の外側に配置されている場合には、ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21について設定されているエンカウント可能ゾーンZ11の外側に配置されていると判定する。この場合、ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウント可能なエンカウント可能状態ではない(つまり、ノーマル状態である)と判定する。他方、図3bに示されているように、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11の内側(ただし、接触ゾーンZ21の外側)に配置されている場合には、ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21について設定されているエンカウント可能ゾーンZ11の内側に配置されていると判定する。この場合、ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウント可能なエンカウント可能状態にあると判定する。ゾーン判定部11bは、図3cに示されているように、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11から離脱した場合(つまり、エンカウント可能ゾーンZ11の中から外に移動した場合)には、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウント可能なエンカウント可能状態にないと判定する。
【0068】
ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11がゲームフィールドF1内に設定されているいずれかのゾーン内に配置されているか否かの判定を、所定のゾーン判定周期ごとに行うことができる。例えば、ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11(又は他のエンカウント可能ゾーン)内に配置されているか否かの判定を、ゾーン判定周期ごとに実行することができる。ゾーン判定周期は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に配置されているか否かを実質的にリアルタイムに検出することができる程度に短い時間とされてもよい。ゾーン判定周期は、1秒以下、0.5秒以下、0.3秒以下、0.2秒以下、又は0.1秒以下であってもよい。
【0069】
以上のとおり、ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に配置されているか否かを実質的にリアルタイムに判定し、その判定結果に応じて、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウント可能状態にあるか否かを判定することができる。同様に、ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11が、第1コンピュータキャラクタC21以外のコンピュータキャラクタについて設定されているエンカウント可能ゾーン内に配置されているか否かを判定することができる。また、ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11以外のユーザキャラクタについても同様に、当該ユーザキャラクタがゲームフィールドF1内に配置されているコンピュータキャラクタについて設定されているエンカウント可能ゾーン内に配置されているか否かを判定することもできる。
【0070】
ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11がゲームフィールドF1内に配置されているコンピュータキャラクタ(例えば、第1コンピュータキャラクタC21)について設定されている接触ゾーン(例えば、接触ゾーンZ21)内に配置されているか否かを判定することができる。ゾーン判定部11bは、第1ユーザキャラクタC11以外のユーザキャラクタについても同様に、当該ユーザキャラクタがゲームフィールドF1内に配置されているコンピュータキャラクタについて設定されている接触ゾーン内に配置されているか否かを判定することができる。
【0071】
4-3-3 イベント発生判定部11c
イベント発生判定部11cは、ゾーン判定部11bにより第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態にあると判定されたことに応じて、第1エンカウントイベントを発生させるか否かを判定する。このイベント発生判定は、上述のとおり、イベント発生確率に基づいて実行され得る。例えば、イベント発生判定部11cは、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態にある場合に、イベント発生判定周期ごとに、イベント発生確率に基づいて、第1エンカウントイベントが発生するか否かを確率的に判定する。イベント発生判定周期が1秒である場合には、イベント発生判定部11cは、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態にある限り1秒ごとに、第1エンカウントイベントが発生するか否かを判定する。イベント発生確率が20%の場合には、1回の判定で、20%の確率でエンカウントイベントが発生すると判定される。このため、第1コンピュータキャラクタC21がエンカウント可能ゾーンZ11に長期間滞在するとエンカウントイベントが発生する可能性が高くなる。逆に、第1ユーザキャラクタC11へ一旦進入したとしても、進入後ただちにエンカウント可能ゾーンZ11から離脱すれば、エンカウントイベントが発生する可能性は低い。
【0072】
イベント発生判定部11cは、ゾーン判定部11bにより第1ユーザキャラクタC11が接触ゾーンZ21内に配置されていると判定された場合に、第1エンカウントイベントが発生したと判定する。
【0073】
4-3-4 イベント実行部11d
イベント実行部11dは、イベント発生判定部11cにより、エンカウントイベントが発生したと判定された場合に、第1エンカウントイベントを実行する。エンカウントイベントは、例えば、第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21とが戦闘を行う戦闘イベントである。エンカウントイベントは、戦闘イベントには限られない。エンカウントイベントは、第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21とが会話を行うコミュニケーションイベントであってもよい。エンカウントイベントは、第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21とがアイテム等のゲーム媒体の取引を行う取引イベントであってもよい。イベント実行部11dにより実行されるエンカウントイベントは、本明細書で明示的に説明されるものには限定されない。
【0074】
5 サーバ装置
次に、サーバ20についてさらに説明する。サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ユーザインタフェース23、通信インタフェース24、及びストレージ25を備える。ユーザ装置10のプロセッサ11、メモリ12、ユーザインタフェース13、通信インタフェース14、及びストレージ15に関する以上の説明は、プロセッサ21、メモリ22、ユーザインタフェース23、通信インタフェース24、及びストレージ25にも当てはまる。
【0075】
ストレージ25には、ユーザ管理データ25a、ゲーム媒体管理データ25b、及びこれら以外のゲームの提供に必要なデータが格納される。
【0076】
ユーザ管理データ25aについて、図5を参照して説明する。ユーザ管理データ25aは、ゲームシステム1によって提供されるゲームをプレイするユーザに関する様々なデータが構造的に記憶されたデータセットである。ユーザ管理データ25aには、ユーザのアカウント情報、ユーザに設定された様々なパラメータ、ユーザが所有するゲーム媒体に関する所有ゲーム媒体情報、ユーザがゲームにおいて使用する使用ゲーム媒体に関する使用ゲーム媒体情報、及びこれら以外のユーザに関する様々なデータが含まれ得る。
【0077】
アカウント情報は、例えば、ユーザを識別するユーザIDである。アカウント情報には、ユーザ名を含んでもよい。ゲームシステム1においては、ユーザIDにより、ユーザが一意に識別される。ユーザ名は、ゲームで使用されるユーザの名称を示す。
【0078】
あるユーザのパラメータには、当該ユーザのランク、経験値、獲得ポイント、及びこれら以外のユーザがゲームをプレイすることによって変動する当該ユーザに関連付けられるユーザパラメータが含まれてもよい。ユーザのランクは、当該ユーザのゲームに関する熟練度を示すパラメータである。ランクは、ユーザによるゲームのプレイに応じて増加してもよい。
【0079】
ユーザの所有ゲーム媒体情報は、当該ユーザがゲームにおいて所有するゲーム媒体に関する情報である。ゲーム媒体は、ゲームにおいて使用される電子データである。ゲーム媒体は、例えば、キャラクタ、カード、アイテム、ポイント、サービス内通貨(又はゲーム内通貨)、トークン(例えばNon-Fungible Token(NFT))、チケット、キャラクタ、アバタ、パラメータ、及びこれら以外のゲームで使用される電子データを含み得る。ゲーム媒体は、ユーザによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与等され得る。ゲーム媒体は、前記以外の方法で利用されてもよい。所有ゲーム媒体情報は、ユーザがゲーム内で所有するゲーム媒体を識別するゲーム媒体IDを含むことができる。ゲーム媒体がユーザに取得された場合、当該ゲーム媒体を特定するゲーム媒体IDが、所有ゲーム媒体情報として、当該ユーザのユーザIDと対応付けて記憶される。以下、特に明示した場合を除き、ユーザが「所有」するゲーム媒体は、当該ユーザのユーザIDに対応付けられたゲーム媒体を示す。また、ゲーム媒体をユーザに「付与」するとは、当該ゲーム媒体を当該ユーザが「所有」するゲーム媒体として当該ユーザのユーザIDに対応付けることを意味する。また、ユーザが所有するゲーム媒体を「破棄」するとは、当該ユーザのユーザIDと当該ゲーム媒体との対応付けを解消することを意味する。また、ユーザが所有するゲーム媒体を「消費」するとは、ユーザIDと所有ゲーム媒体との対応付けの解消に応じて、ゲーム内での効果を発生させることを意味する。また、ユーザが所有するゲーム媒体を「売却」するとは、当該ユーザのユーザIDと当該ゲーム媒体との対応付けを解消し、且つ、当該ユーザIDに他のゲーム媒体(例えば、仮想通貨又はアイテム等)を所有するゲーム媒体として対応付けることを示す。また、ユーザAが所有するゲーム媒体をユーザBに「譲渡」するとは、ユーザAのユーザIDと当該ゲーム媒体との対応付けを解消し、且つ、ユーザBのユーザIDに当該ゲーム媒体を対応付けることを意味する。また、ゲーム媒体を「作成」するとは、ゲーム媒体に関する情報の少なくとも一部を定義又は決定することを示す。
【0080】
使用ゲーム媒体情報は、ゲームパート(例えば、対戦ゲームパート)においてユーザが使用するゲーム媒体を示す情報である。対戦ゲームパートにおいてユーザが使用するゲーム媒体は、所有ゲーム媒体のうちから選択される。対戦ゲームパートにおいてユーザが使用するゲーム媒体は、ユーザ操作の選択に応じて又は使用ゲーム媒体の中から自動的に選択されてもよい。対戦ゲームパートを実行するために使用ゲーム媒体が選択されると、その使用ゲーム媒体によりデッキが構成されてもよい。この場合、使用ゲーム媒体情報には、使用ゲーム媒体として選択されたゲーム媒体を含むデッキを識別するデッキIDが含まれてもよい。
【0081】
ユーザ管理データ25aには、フレンド情報が含まれてもよい。あるユーザについてのフレンド情報は、当該ユーザとフレンド関係にあるユーザのユーザIDを示す。例えば、ユーザAが、ユーザB、Cとフレンド関係である場合、ユーザAのフレンド情報は、ユーザB、CのユーザIDを含む。フレンド関係にあるユーザ同士は、協力してゲームをプレイすることができる。
【0082】
ユーザ管理データ25aとして記憶されているデータの一部は、ゲームの進行に応じて随時更新される。例えば、ユーザのランクは、当該ユーザがゲームをプレイすることにより増加する。ユーザ管理データ25aとして記憶されているデータの一部は、ゲームの進行に応じて更新されない。例えば、ユーザIDは、ゲームが進行しても不変である。
【0083】
ゲーム媒体管理データ25bについて、図6を参照して説明する。ゲーム媒体管理データ25bは、ゲームシステム1によって提供されるゲームにおいて使用されるゲーム媒体に関する様々なデータが構造的に記憶されたデータセットである。ゲーム媒体管理データ25bには、様々なゲーム媒体のゲーム媒体識別情報、ゲーム媒体名、ゲーム媒体の特徴を表すゲーム媒体情報、及びこれら以外のゲーム媒体に関する様々なデータが含まれ得る。
【0084】
ゲーム媒体IDは、ゲーム媒体を識別するIDである。ゲーム媒体名は、ゲーム媒体の名前を示す。
【0085】
ゲーム媒体情報には、ゲーム媒体の特徴を示す様々な情報が含まれる。ゲーム媒体情報には、例えば、レアリティと、レベルと、コストと、ライフと、攻撃力と、防御力と、ゲーム機能情報と、が含まれる。レアリティは、ゲーム媒体の希少度(希少価値)を示す情報である。すなわち、あるゲーム媒体に対応付けられるレアリティは、当該ゲーム媒体の取得され難さを表す。レベルは、ゲーム媒体の成長度を示す。例えば、レベルの値が大きいほど、ゲーム媒体の成長度が大きい。本実施形態において、レベルの値は、ユーザによるゲームのプレイに応じて増加してもよい。コストは、対戦ゲームパートに使用するデッキを決定する際に用いられるパラメータである。例えば、デッキには、そのデッキに含めることができるゲーム媒体のコストの合計の上限値が設定される。ユーザは、コストの合計が当該上限値を超えないように、デッキに含めるゲーム媒体を選択することができる。
【0086】
ライフは、対戦ゲームパートにおけるユーザの勝敗を決定するために用いられるパラメータである。対戦ゲームパートにおいては、ユーザのキャラクタが敵キャラクタから攻撃を受けることによって、ライフが減少する。ライフは、回復アイテムの使用により、上限値又はそれ以下の値まで回復してもよい。ユーザのデッキに含まれる全てのキャラクタについてライフがゼロになると、当該対戦ゲームパートにおいて、ユーザが敗北したと判定されてもよい。
【0087】
ゲーム媒体の攻撃力は、当該ゲーム媒体の攻撃によって敵キャラクタに与えるダメージ量に寄与するパラメータである。攻撃力の値が大きくなるほど、敵キャラクタに与えるダメージ量が大きくなる。ゲーム媒体の防御力は、敵キャラクタから受けた攻撃により当該ゲーム媒体が受けるダメージ量に寄与するパラメータである。防御力の値が大きくなるほど、敵キャラクタの攻撃から受けるダメージ量が大きくなる。
【0088】
ゲーム媒体情報には、ゲーム機能情報が含まれてもよい。ゲーム媒体に関連付けられるゲーム機能情報は、当該ゲーム媒体がゲームパートにおいてゲーム効果を発生させるためのゲーム機能を表す。本発明の技術分野において、ゲーム機能は、スキル又はアビリティと呼ばれることもある。ゲームによっては、キャラクタが使用する「呪文」もゲーム機能に該当する。ゲームパートにおいてゲーム機能が使用されると、そのゲーム機能に対応付けられたゲーム効果が発生する。対戦ゲームパートにおけるゲーム機能の使用により発生するゲーム効果には、攻撃力の増加、防御力の増加、ライフの回復、及びこれら以外の敵キャラクタとの対戦の勝敗に影響を与える効果が含まれる。
【0089】
ユーザ管理データ25a及びゲーム媒体管理データ25bの少なくとも一部は、必要に応じて、ユーザ装置10により参照される。ユーザ管理データ25a及びゲーム媒体管理データ25bの少なくとも一部は、必要に応じて、ユーザ装置10に記憶されてもよい。
【0090】
サーバ20のプロセッサ21は、ストレージ25に格納されているプログラムに含まれる命令セット及び必要に応じてそれ以外命令セットを実行することにより、ゲーム制御部21aとして機能する。ゲーム制御部21aは、ユーザ装置10からのリクエストや通知を所定のゲームロジックに基づいて処理し、また、ゲームを実行するための様々なゲームデータをユーザ装置10に提供することで、ゲームの進行を制御することができる。
【0091】
6 エンカウント判定のフロー
次に、図7を参照して、エンカウント判定のための処理の流れを説明する。図7に示されている処理は、ユーザ装置10のプロセッサ11がゲームアプリケーション15aに含まれる命令を実行することにより行われてもよい。図7に示されている処理の一部は、ユーザ装置10以外の装置に備えられるプロセッサ(例えば、サーバ20のプロセッサ21)により実行されてもよい。図7においては、第1ユーザがユーザ装置10を利用して、第1ユーザキャラクタC11を用いて、ゲームシステム1により提供されているゲームをプレイしていることが想定されている。このゲームは、複数のゲームフィールドを有しており、第1ユーザは、この複数のゲームフィールドの中から、好みのゲームフィールドを選択することができる。
【0092】
まず、ステップS11において、第1ユーザによるユーザ装置10への操作に応じて、ゲームフィールドF1が選択される。ゲームフィールドF1が選択されると、ステップS12において、第1ユーザの第1ユーザキャラクタC11がゲームフィールドF1内の所定のスポーン位置に配置される。第1ユーザキャラクタC11がゲームフィールドF1にスポーンすると、ゲームフィールドF1を視覚的に表現する映像が生成される。ゲームフィールドF1の映像は、ゲームフィールドF1内のオブジェクト、物理条件(重力、光量など)、及び仮想カメラの設定情報含むフィールド構成情報をレンダリングすることで生成される。ゲームフィールドF1の映像は、公知のレンダリングエンジンを用いて生成され得る。ゲームフィールドF1の映像は、仮想カメラから見たゲームフィールドF1のビューを表現する。図8aに、ゲームフィールドF1の映像40の例を示す。図8aに示されているゲームフィールドF1の映像には、ゲームフィールドF1内の様々なオブジェクトとともに、第1ユーザキャラクタC11及び第1コンピュータキャラクタC21の画像が含まれている。図8aは、第1ユーザキャラクタC11の後方に配置された仮想カメラから見たゲームフィールドF1のビューを表している。映像40には、ゲームフィールドF1の一部をZ軸方向から見たビューがマップとしてオーバーレイされてもよい。図示の例では、映像40の右上隅に、ゲームフィールドF1のうち第1ユーザキャラクタC11を含む領域を表すマップ41が表示されている。図8aに示されている第1ユーザキャラクタC11及び第1コンピュータキャラクタC21の配置は、図3aに示されている配置に対応している。
【0093】
映像40は、ユーザ装置10のディスプレイに表示される。第1ユーザは、ユーザ装置10に表示された映像40を見て、第1ユーザキャラクタC11を移動させる操作を行うことができる。第1ユーザキャラクタC11は、第1ユーザによるユーザ装置10への操作に応じて、ゲームフィールドF1内を移動することができる。
【0094】
第1ユーザキャラクタC11がゲームフィールドF1に配置されると、ステップS13において、第1ユーザキャラクタC11がゲームフィールドF1内に配置されているコンピュータキャラクタのいずれかのエンカウント可能ゾーン内に配置されているか否かが判定される。ゲームフィールドF1内に配置されているコンピュータキャラクタの各々について設定されているエンカウント可能ゾーンは、エンカウント管理データ25cの一部として記憶されていてもよい。第1ユーザキャラクタC11が図8a及び図3bに示されている位置に配置されている場合には、第1ユーザキャラクタC11は、ゲームフィールドF1内に配置されているコンピュータキャラクタのいずれのエンカウント可能ゾーン内にも入っていないため、エンカウント可能状態ではないと判定される。ステップS13における判定は、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態にあると判定されるまで、例えばゾーン判定周期ごとに行われる。
【0095】
第1ユーザキャラクタC11が、第1ユーザによるユーザ装置10への操作に応じて、図8aに示されている位置(図3aに示されている位置)から第1コンピュータキャラクタC21に近づく方向に移動すると、第1ユーザキャラクタC11は、第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11に進入する。図8bに、エンカウント可能ゾーンZ11に進入した第1ユーザキャラクタC11を含む映像40が示されている。図8bに示されている第1ユーザキャラクタC11の位置は、図3bにおいて第1ユーザキャラクタC11が配置されている位置に対応する。
【0096】
第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11内に進入すると、第1ユーザキャラクタC11は、ノーマル状態からエンカウント可能状態に移行する。
【0097】
第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態になると、第1ユーザのユーザ装置10に表示されているゲーム画面を変化させて、第1ユーザに第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態に移行したことを知らせることができる。例えば、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態になると、映像40内に、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態であることを示すグラフィック要素が含められてもよい。例えば、図8bに示されている例では、第1ユーザキャラクタC11と、この第1ユーザキャラクタC11とエンカウント可能状態にある第1コンピュータキャラクタC21との間に、両者を結ぶ紐状のグラフィック要素42が表示されている。第1ユーザは、第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21との間にグラフィック要素42が表示された場合に、第1コンピュータキャラクタC21が第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11に進入したと気づくことができる。図8a及び図8bに示されている例では、エンカウント可能ゾーンZ11の境界は、映像40に含まれていない。この場合、第1ユーザは、ゲームフィールドF1内のどの領域がエンカウント可能ゾーンZ11なのかを、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に進入するまでは、映像40からは把握することができない。第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に配置されている場合にグラフィック要素42が映像40に含まれるようにすることで、エンカウント可能ゾーンZ11の境界が映像40に含まれていなくても、第1ユーザは、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に進入したと気づくことができる。
【0098】
第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に存在している場合には、グラフィック要素42以外に加えて、または、グラフィック要素42に代えて、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に入ったことを示す文字をテキスト表示領域43に表示してもよい。グラフィック要素42の表示やテキストによる表示を行わずに、または、これらの表示加えて、映像40における演出効果により、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内にいることを第1ユーザに伝達してもよい。このような演出効果には、映像40全体の色調を変えること(例えば、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11の外にいる場合よりも映像40全体が赤く見えるように色調を変えること)、効果音を発生させること、及びユーザ装置10を振動させることが含まれてもよい。
【0099】
一態様においては、エンカウント可能ゾーンZ11の境界が、映像40に含まれていてもよい。映像40にエンカウント可能ゾーンZ11の境界を表示することにより、第1ユーザは、エンカウント可能ゾーンZ11を回避するように第1ユーザキャラクタC11を移動させたり、逆に、第1コンピュータキャラクタC21とエンカウントするために、エンカウント可能ゾーンZ11に進入するように第1ユーザキャラクタC11を移動させることができる。
【0100】
以上のステップS13における処理は、ゾーン判定部11bにより実行されてもよい。
【0101】
ステップS13において第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に存在する(つまり、エンカウント可能状態に移行した)と判定されると、処理は、ステップS14に進む。ステップS14では、第1エンカウントイベントが発生するするか否かが判定される。つまり、ステップS14では、第1ユーザキャラクタC11について、イベント発生判定が行われる。第1エンカウントイベントが発生するか否かは、例えば、第1コンピュータキャラクタC21について設定されているイベント発生判定周期ごとに、第1コンピュータキャラクタC21について設定されているイベント発生確率に基づいて確率的に判定される。最初のイベント発生判定において、エンカウントイベントが発生しないと判定された場合、処理は、ステップS13に戻る。ステップS13では、再び、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に存在しているか否かが判定される。この時点で第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11の外部へ移動済みの場合には、今回のステップS13での判定結果はNOとなり、次の周期のイベント発生判定は行われない。他方、ステップS13で第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に存在すると判定された場合には、ステップS14において次の周期のイベント発生判定が行われる。このように、ステップS14におけるイベント発生判定は、ステップS14においてエンカウントイベントが発生したと判定されるか、または、エンカウントイベントが発生する前に第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11の外へ移動して第1ユーザキャラクタC11のエンカウント可能状態が解除されるまで、イベント発生判定周期ごとに繰り返し行われる。
【0102】
ステップS14において、第1エンカウントイベントが発生した(つまり、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21とエンカウントした)と判定されると、ステップS15において、第1エンカウントイベントが実行される。ステップS15では、エンカウントイベントして、例えば、第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21との間での戦闘イベントが行われる。
【0103】
図9を参照して、第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21との間での戦闘イベントにおける処理の例を説明する。図9は、戦闘イベントが発生したことに応じて、ユーザ装置10に表示されるプレイ画面50の例を示す。プレイ画面50には、第1ユーザキャラクタC11の画像と第1コンピュータキャラクタC21の画像とが表示される。
【0104】
戦闘イベントを表すプレイ画面50においては、第1ユーザキャラクタC11と対応付けてライフL11が表示され、第1コンピュータキャラクタC21と対応付けてライフL21が表示されてもよい。第1ユーザキャラクタC11が攻撃を受けるとライフL11が減少し、第1コンピュータキャラクタC21が攻撃を受けるとライフL21が減少する。ライフは、アイテムの使用や魔法などのゲーム効果を発動させることによって回復してもよい。例えば、先に相手のライフをゼロにしたキャラクタが戦闘イベントでの勝者となる。
【0105】
第1エンカウントイベントが進行している間にも、他のキャラクタは、ゲームフィールドF1内で移動することができる。このため、第1エンカウントイベントが進行している間に、第1ユーザキャラクタC11以外のユーザキャラクタが、第1エンカウントイベントに参加している第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11に進入することがある。一態様において、ゾーン判定部11bは、第1エンカウントイベントの実行中に、第1ユーザキャラクタC11以外のプレイヤキャラクタが第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11内に進入しても、このユーザキャラクタは、エンカウント可能状態に移行させない。言い換えると、ゾーン判定部11bは、第1コンピュータキャラクタC21がエンカウントイベントに参加していない場合にのみ、そのエンカウント可能ゾーンZ11に進入したユーザキャラクタをエンカウント可能状態に移行させてもよい。例えば、図10に示されている例では、第1エンカウントイベントの継続中に、第2ユーザキャラクタC12が、第2ユーザキャラクタC12のエンカウント可能ゾーンZ11に進入している。この場合、第1コンピュータキャラクタC21は、第1ユーザキャラクタC11とのエンカウントイベントに参加しているため、第2ユーザキャラクタC12は、エンカウント可能ゾーンZ11内に進入した後もエンカウント可能状態に移行しない。同様に、第2ユーザキャラクタC12が第1エンカウントイベントの実行中に接触ゾーンZ21に移行しても、第2ユーザキャラクタC12と第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントは発生しない。
【0106】
第2ユーザキャラクタC12は、第1エンカウントイベントの実行中に、第1ユーザキャラクタC11のためにバフ効果を用いることができる。第2ユーザキャラクタC12により使用されたバフ効果により、第1エンカウントイベントにおいて、第1ユーザキャラクタC11の攻撃力や守備力等の能力が強化されてもよい。一態様において、第2ユーザキャラクタC12は、第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11内に配置されている場合にのみ、第1コンピュータキャラクタC21と対戦している第1ユーザキャラクタC11に対してバフ効果を用いることができる。第2ユーザキャラクタC12は、ゲームフィールドF1において第1エンカウントイベントに参加している第1ユーザキャラクタC11及び第2コンピュータキャラクタC22から遠くにいる場合には、第1ユーザキャラクタC11に対してバフ効果を使用することができず、第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11の内側に進入するまで第1コンピュータキャラクタC21に近づいたときにのみバフ効果を用いることができる。
【0107】
第1ユーザキャラクタC11又は第1コンピュータキャラクタC21のいずれかが戦闘に勝利することにより第1エンカウントイベントが終了すると、ステップS16において、第1ユーザキャラクタC11は、ゲームフィールドF1に復帰する。この場合、第1ユーザキャラクタC11は、第1エンカウントイベント発生時と同じ位置に配置されてもよい。第1ユーザは、ゲームフィールドF1に復帰した第1ユーザキャラクタC11を操作することにより、第1ユーザキャラクタC11を再びゲームフィールドF1内で移動させることができる。
【0108】
以上のようにして、ゲームフィールドF1に配置された第1ユーザキャラクタC11と第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウント判定及びエンカウントした場合の第1エンカウントイベントの処理が行われる。
【0109】
第1ユーザキャラクタC11は、ゲームフィールドF1内に配置されている第1コンピュータキャラクタC21以外のコンピュータキャラクタとエンカウントすることができる。
【0110】
第1ユーザキャラクタC11はまた、ゲームフィールドF1に配置されている他のユーザキャラクタ(例えば、第2ユーザキャラクタC12や第3ユーザキャラクタC13)とエンカウントしてもよい。ユーザキャラクタ同士がエンカウントする場合に発生するエンカウントイベントは、ユーザキャラクタ同士で会話を行う会話イベントや、ユーザキャラクタ同士でアイテムの取引を行う取引イベントであってもよい。ゲームシステム1がユーザキャラクタ同士での対戦を行わせる機能を提供する場合、ユーザキャラクタ同士でエンカウントする場合に発生するエンカウントイベントは、ユーザキャラクタ同士での戦闘(対戦)イベントであってもよい。
【0111】
ゲームフィールドF1に配置されている第1ユーザキャラクタC11以外のユーザキャラクタも、第1ユーザキャラクタC11と同様に、ゲームフィールドF1内の他のコンピュータキャラクタ及び/又は他のユーザキャラクタとエンカウントすることができる。第1ユーザキャラクタC11以外のユーザキャラクタのエンカウント判定も、ゲ図7のフローで示した方法に従って実行され得る。
【0112】
7 エンカウント可能ゾーンの変形例
図3aないし図3eでは、第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11が、第1コンピュータキャラクタC21を中心とする円内のゾーンである実施形態について説明した。本発明に適用できるエンカウント可能ゾーンZ11のゲームフィールドF1における形状は、円形には限られない。そこで、以下では、図11aないし図11eを参照して、エンカウント可能ゾーンZ11の変形例について説明する。
【0113】
図11aに示されているように、エンカウント可能ゾーンZ11は、ゲームフィールドF1のXY平面において、非円形の形状を有していてもよい。図11aには、非円形のエンカウント可能ゾーンZ11の例として、第1コンピュータキャラクタC21を中心とする半径がr1で中心角が約60°の扇形を呈するエンカウント可能ゾーンZ11が示されている。この扇形のエンカウント可能ゾーンZ11は、第1コンピュータキャラクタC21の視界に対応していてもよい。
【0114】
第1コンピュータキャラクタC21が扇形のエンカウント可能ゾーンZ11を有する場合、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21から半径r1の領域に侵入しても、図11aに示されているように、エンカウント可能ゾーンZ11に入らないことがある。第1ユーザキャラクタC11が図11aに示されている位置に移動した場合には、第1コンピュータキャラクタC21との距離がr1よりも小さくなっているが、第1ユーザキャラクタC11は、エンカウント可能ゾーンZ11の外側に配置されているため、エンカウント可能状態には移行しない。図11bに示されているように、第1ユーザキャラクタC11は、扇形のエンカウント可能ゾーンZ11内に移動することによって、エンカウント可能状態となる。また、図11cに示されているように、第1ユーザキャラクタC11は、第1コンピュータキャラクタC21から遠ざかる方向に移動しなくても、第1コンピュータキャラクタC21の死角へ移動することでエンカウント可能ゾーンZ11から離脱することができる。
【0115】
一態様において、エンカウント可能ゾーンZ11は、ゲームフィールドF1内で移動することができる。例えば、エンカウント可能ゾーンZ11は、第1コンピュータキャラクタC21の視線の移動に応じて移動することができる。第1コンピュータキャラクタC21は、エンカウント可能ゾーンZ11から離脱した第1ユーザキャラクタC11を視線の移動により追跡するように制御されてもよい。例えば、図11dに示されているように、第1コンピュータキャラクタC21の位置を中心として時計回りに視線を回転させることにより、図11cにおいて死角に移動した第1ユーザキャラクタC11を追跡して、再びエンカウント可能ゾーンZ11内に捕捉することができる。
【0116】
エンカウント可能ゾーンZ11が第1コンピュータキャラクタC21を取り囲んでいない場合、第1ユーザキャラクタC11は、エンカウント可能ゾーンZ11に入ることなく、接触ゾーンZ21に進入することができる。例えば、図11eに示されているように、第1ユーザキャラクタC11は、エンカウント可能ゾーンZ11を避けて第1コンピュータキャラクタC21の死角から接触ゾーンZ21に進入することができる。接触ゾーンZ21への進入により、エンカウントイベントが発生する。第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に入ることなく接触ゾーンZ21に進入した場合には、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に入ってからエンカウントイベントが発生する場合(例えば、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11内に配置されている間にイベント発生判定によりエンカウントイベントが発生する場合及び第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に入ってから接触ゾーンZ21に進入することでエンカウントイベントが発生する場合)と比べて、第1ユーザキャラクタC11にとって有利な条件でエンカウントイベントを発生させてもよい。例えば、エンカウントイベントがターン制の戦闘イベントである場合には、第1ユーザキャラクタC11の先行で当該戦闘イベントが開始されてもよい。また、エンカウントイベントがターン制の戦闘イベントである場合に、最初の数ターン(例えば、3ターン)は、攻撃を交互に行うのではなく、第1ユーザキャラクタC11のみが攻撃を行えるようにしてもよい。
【0117】
第1コンピュータキャラクタC21には、エンカウント可能ゾーンZ11とは別に、ユーザキャラクタの存在を知覚するための知覚ゾーンが設定されていてもよい。第1コンピュータキャラクタC21の知覚ゾーンは、第1コンピュータキャラクタC21に関連付けて定められるゲームフィールドF1内の一部を占めるゾーンであり、第1コンピュータキャラクタC21の知覚が及ぶ範囲を示す。一態様において、ユーザキャラクタが第1コンピュータキャラクタC21の知覚ゾーンに入ると、第1コンピュータキャラクタC21は当該ユーザキャラクタの存在を知覚することができる。第1コンピュータキャラクタC21は、ユーザキャラクタの存在を知覚すると、当該ユーザキャラクタに近づく方向に移動することで、当該ユーザキャラクタを追跡することができる。第1コンピュータキャラクタC21は、ユーザキャラクタの存在を知覚すると、当該ユーザキャラクタを第1コンピュータキャラクタC21に向かって引き寄せることができてもよい。第1コンピュータキャラクタC21の知覚ゾーンは、例えば、第1コンピュータキャラクタC21の視界に対応する視覚ゾーンであってもよい。第1コンピュータキャラクタC21の知覚ゾーンは、例えば、第1コンピュータキャラクタC21の聴覚閾値に対応する聴覚ゾーンであってもよい。ユーザキャラクタが第1コンピュータキャラクタC21の聴覚ゾーン内に存在している間に音を発するアクション(例えば、会話、移動、アイテムの使用)を行った場合に、第1コンピュータキャラクタC21は、当該ユーザキャラクタが自らの聴覚ゾーン内に存在することを知覚することができてもよい。第1コンピュータキャラクタC21の知覚ゾーンは、例えば、第1コンピュータキャラクタC21の嗅覚閾値を表す嗅覚ゾーンであってもよい。ユーザキャラクタが第1コンピュータキャラクタC21の嗅覚ゾーン内に存在している間に当該ユーザキャラクタが発する臭いが当該嗅覚ゾーンに関して設定されている嗅覚閾値を超えると、第1コンピュータキャラクタC21は、当該ユーザキャラクタが自らの嗅覚ゾーン内に存在することを知覚することができてもよい。ユーザキャラクタが発する臭いは、当該ユーザキャラクタの装備、所持アイテム、ユーザキャラクタの属性、及び前記以外の要素に基づいて定められ得る。
【0118】
図12を参照して、エンカウント可能ゾーンZ11のさらに別の例について説明する。図12に示されている例においては、第1コンピュータキャラクタC21の知覚ゾーンZ13のうち、第1コンピュータキャラクタC21からの距離がr1内のゾーンである近接ゾーンZ12と重複するゾーンがエンカウント可能ゾーンZ11として設定されている。言い換えると、第1コンピュータキャラクタC21の知覚ゾーンZ13のうち、第1コンピュータキャラクタC21からの距離がr1以内のゾーンがエンカウント可能ゾーンZ11として設定されている。
【0119】
図12に示されている例では、第1ユーザキャラクタC11は、エンカウント可能ゾーンZ11の外側に配置されているので第1ユーザキャラクタC11はエンカウント可能状態にはないが、知覚ゾーンZ13の内側に配置されているので、第1コンピュータキャラクタC21は、第1ユーザキャラクタC11の存在を知覚し、第1ユーザキャラクタC11を追跡することができる。
【0120】
一態様においては、第1コンピュータキャラクタC21の知覚ゾーンが、エンカウント可能ゾーンZ11と一致していてもよい。
【0121】
図13を参照して、エンカウント可能ゾーンZ11のさらに別の例について説明する。図13に示されているように、エンカウント可能ゾーンZ11は、第1コンピュータキャラクタC21を含まず、また、第1コンピュータキャラクタC21に接していなくともよい。言い換えると、第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11は、ゲームフィールドF1において、第1コンピュータキャラクタC21から離間した位置に配置されてもよい。第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11を第1コンピュータキャラクタC21から離れた位置に設置することにより、第1コンピュータキャラクタC21の属性や特徴を反映したエンカウント可能ゾーンZ11を設定することができる。例えば、遠隔地の探索や遠隔地への攻撃が得意なコンピュータキャラクタに関して、当該コンピュータキャラクタから離れた位置にエンカウント可能ゾーンZ11を設定することにより、当該コンピュータキャラクタの属性と相性のよいエンカウント可能ゾーンZ11を設定することができる。
【0122】
図14を参照して、エンカウント可能ゾーンZ11のさらに別の例について説明する。エンカウント可能ゾーンZ11は、2つ以上のサブゾーンを組み合わせて構成されてもよい。図14に示されている例では、第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11が、第1サブゾーンZ11aと、第2サブゾーンZ11bと、から構成されている。この場合、第1ユーザキャラクタC11が第1サブゾーンZ11a又は第2サブゾーンZ11bのいずれか一方の内部に存在しているときに、第1ユーザキャラクタC11は、エンカウント可能状態にあると判定される。図示されている例では、第1サブゾーンZ11aは、第1コンピュータキャラクタC21から半径r1の円内のゾーンであり、第2サブゾーンZ11bは、第1コンピュータキャラクタC21を中心とする半径がr3で中心角が約15°の扇形の内側のゾーンである。半径r3は、半径r1よりも大きい。例えば、第1コンピュータキャラクタC21の視線が向いている方向を含むように第2サブゾーンZ11bを設定することにより、第1コンピュータキャラクタC21の視線が向いている方向に広く、それ以外の方向には狭くなるように、エンカウント可能ゾーンZ11を設定することができる。
【0123】
第1サブゾーンZ11aに設定されているイベント発生確率は、第2サブゾーンZ11bに設定されているイベント発生確率と異なっていてもよい。つまり、第1ユーザキャラクタC11が第1サブゾーンZ11aに存在しているためエンカウント可能状態になった場合と、第1ユーザキャラクタC11が第2サブゾーンZ11bに存在しているためエンカウント可能状態になった場合とで、異なるイベント発生確率を適用してイベント発生判定が行われてもよい。第1サブゾーンZ11aに設定されているイベント発生判定周期は、第2サブゾーンZ11bに設定されているイベント発生判定周期と異なっていてもよい。
【0124】
8 複数のユーザキャラクタが参加可能なエンカウントイベント
ゲームフィールドF1に配置されている一部のコンピュータキャラクタについては、当該コンピュータキャラクタとユーザキャラクタとの間でエンカウントイベントが実行されている間に、当該エンカウントイベントへの他のユーザキャラクタの参加を可能にしてもよい。以下では、第2コンピュータキャラクタC22については、第1ユーザキャラクタC11と第2コンピュータキャラクタC22との間でエンカウントイベントが実行されている間に、他のユーザキャラクタも当該エンカウントイベントに参加可能できると想定して説明を行う。
【0125】
図15に示されているように、第1ユーザキャラクタC11が第2コンピュータキャラクタC22のエンカウント可能ゾーンZ31内に存在している場合に、第1ユーザキャラクタC11は、第2コンピュータキャラクタC22との関係でエンカウント可能状態となる。第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能状態である場合には、上述したようにイベント発生判定が行われ、このイベント発生判定の結果に応じて、第1ユーザキャラクタC11と第2コンピュータキャラクタC22とが参加するエンカウントイベントが発生する。以下では、記載の簡便さのために、第1ユーザキャラクタC11及び第2コンピュータキャラクタC22が参加するエンカウントイベントを「第2エンカウントイベント」と呼ぶことがある。第1ユーザキャラクタC11が第2コンピュータキャラクタC22の接触ゾーンZ41に進入した場合にも、第2エンカウントイベントが発生する。第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11に関する説明は、第2コンピュータキャラクタC22のエンカウント可能ゾーンZ31にも当てはまる。また、第1コンピュータキャラクタC21の接触ゾーンZ21に関する説明は、第2コンピュータキャラクタC22の接触ゾーンZ41にも当てはまる。
【0126】
第2エンカウントイベントが戦闘イベントである場合には、図16に示されている戦闘イベント用のプレイ画面60がユーザ装置10に表示される。プレイ画面60には、第1ユーザキャラクタC11の画像と第2コンピュータキャラクタC22の画像とが表示される。プレイ画面60においては、第1ユーザキャラクタC11と対応付けてライフL11が表示され、第2コンピュータキャラクタC22と対応付けてライフL22が表示される。戦闘イベントでは、相手のライフを先にゼロにしたキャラクタが、その戦闘に勝利することができる。
【0127】
第2エンカウントイベントが実行されている間に、他のプレイヤキャラクタが所定の参加条件を満たすと、当該他のプレイヤキャラクタが第2エンカウントイベントに参加することができる。例えば、図17に示されているように、第2エンカウントイベントが実行されている間に、第2ユーザキャラクタC12が第2コンピュータキャラクタC22のエンカウント可能ゾーンZ31内に進入したことに応じて、当該第2ユーザキャラクタC12を、第2エンカウントイベントに参加させることができる。具体的には、ゾーン判定部11bにより、第2ユーザキャラクタC12が第2コンピュータキャラクタC22のエンカウント可能ゾーンZ31内に進入したと判定されると、第2ユーザキャラクタC12は、第2エンカウントイベントに参加することができる。第3ユーザキャラクタC13も第2ユーザキャラクタC12と同様に、第2エンカウントイベントに参加することができる。第2ユーザキャラクタC12及び第3ユーザキャラクタC13が第2エンカウントイベントに参加すると、図18に示されているように、プレイ画面60に第2ユーザキャラクタC12及び第3ユーザキャラクタC13が追加される。
【0128】
第2エンカウントイベントの実行中には、第2エンカウントイベントが実行されていない場合と比べて、第2コンピュータキャラクタC22のエンカウント可能ゾーンZ31に関する設定が変更されてもよい。例えば、第2エンカウントイベントの実行中には、第2コンピュータキャラクタC22のエンカウント可能ゾーンZ31が拡張されてもよい。つまり、第2エンカウントイベントの実行中のエンカウント可能ゾーンZ31の面積は、第2エンカウントイベントが実行されていない間のエンカウント可能ゾーンZ31の面積より大きくてもよい。これにより、第1ユーザキャラクタC11以外のユーザキャラクタにとって、第2イベントへの参加が容易になる。また、第2エンカウントイベントの実行中におけるエンカウント可能ゾーンZ31の形状は、第2エンカウントイベントが実行されていない間のエンカウント可能ゾーンZ31の形状と異なっていてもよい。また、第2エンカウントイベントの実行中におけるエンカウント可能ゾーンZ31におけるイベント発生判定周期は、第2エンカウントイベントが実行されていない間のエンカウント可能ゾーンZ31におけるイベント発生判定周期と異なっていてもよい。
【0129】
第1ユーザキャラクタC11及び第2コンピュータキャラクタC22が参加するイベント(第2エンカウントイベント)へ他のユーザキャラクタ(例えば、第2ユーザキャラクタC12)の参加を許可するための参加条件として、上述したエンカウント可能ゾーンZ31への進入以外に、以下の条件が挙げられる。
(1)第2エンカウントイベントの実行中に、第2ユーザキャラクタC12が第2コンピュータキャラクタC22の接触ゾーンZ41に進入したことが検出されること。接触ゾーンZ41への進入の検出は、ゾーン判定部11bにより行われ得る。
(2)第1ユーザから、第2ユーザキャラクタC12の第2ユーザに対して、第2エンカウントイベントへの招待がなされたこと。
(3)第2エンカウントイベントの実行中に、第2ユーザキャラクタC12がゲームフィールドF1に配置されていること。
第2エンカウントイベントに他のユーザキャラクタの参加を許可するための参加条件は、上記の条件には限定されない。
【0130】
図18に示されている例では、第1ユーザキャラクタC11と第2コンピュータキャラクタC22との戦闘イベントに、第2ユーザキャラクタC12及び第3ユーザキャラクタC13が参加している。第1ユーザキャラクタC11、第2ユーザキャラクタC12、及び第3ユーザキャラクタC13は、協力して、第2コンピュータキャラクタC22との戦闘を行うことができる。
【0131】
9 作用効果
続いて、上記の実施態様により実現される作用効果の一部を説明する。
【0132】
一実施形態におけるエンカウント判定では、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11内に存在してエンカウント可能状態となっていると判定された場合に、このエンカウント可能状態となっている第1ユーザキャラクタC11について第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントイベントを発生させるか否かを判定するイベント発生判定が行われ、このイベント発生判定の結果に応じて、第1ユーザキャラクタC11が第2コンピュータキャラクタC22とエンカウントしてエンカウントイベントが発生する。よって、一実施形態におけるエンカウント判定を採用することにより、従来のランダムエンカウントと異なり、確率のみに従って強制的にエンカウントイベントが発生しないので、ユーザは、第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11を避けるように仮想フィールド内を移動することで、第1コンピュータキャラクタC21とエンカウントせずにゲームフィールドF1内を移動することができる。よって、一実施形態におけるエンカウント判定により、確率のみによってエンカウントイベントが強制的に発生することに起因する従来のランダムエンカウントの問題を解消又は緩和することができる。
【0133】
また、一実施形態においては、第1ユーザキャラクタC11がエンカウント可能ゾーンZ11に進入したことに応じて自動的にエンカウントイベントを発生させるのではなく、エンカウント可能ゾーンZ11内にいる第1ユーザキャラクタC11をエンカウント可能状態にあると判定とし、このエンカウント可能状態にあると判定された第1ユーザキャラクタC11について、第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントイベントを発生させるか否かを判定するイベント発生判定がさらに行われる。このように、第1ユーザキャラクタC11が第1コンピュータキャラクタC21のエンカウント可能ゾーンZ11に進入しても自動的にエンカウントが成立しないから、他のキャラクタへの接近により強制的にエンカウントイベントが発生することに起因する従来のシンボルエンカウントの問題を解消又は緩和することができる。例えば、ゲームフィールドF1内の隘路にコンピュータキャラクタが配置されていたとしても、当該コンピュータキャラクタについて設定されているエンカウント可能ゾーンへの滞在時間が短くなるように第1ユーザキャラクタC11を移動させて当該隘路を通過すれば、隘路に配置されたコンピュータキャラクタとのエンカウントを回避できる可能性がある。このように、一実施形態によれば、エンカウントの発生が不可避な状況が生じにくいため、強制的なエンカウントイベントの発生によるユーザ体験の劣化を抑制することができる。
【0134】
一実施形態において、第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントの発生を希望するユーザは、第1コンピュータキャラクタC21の接触ゾーンZ21内に第1ユーザキャラクタC11を進入させることにより、自発的に第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントイベントを発生させることができる。これにより、第1ユーザは、確率的にエンカウントイベントが発生することを待たずに、第1ユーザキャラクタC11の操作により、第1コンピュータキャラクタC21とのエンカウントイベントを発生させることができる。
【0135】
従来のシンボルエンカウントでは、エンカウント相手となるキャラクタが大きい場合には、ユーザキャラクタがエンカウント相手のエンカウント領域に進入してエンカウント判定が行われる時点で、ゲーム画面内に表示される相手キャラクタが大きくなり過ぎてしまう。エンカウント時に相手キャラクタの表示が大きすぎると、エンカウント時に相手キャラクタの一部しか画面に表示されないため、エンカウントした相手キャラクタの外観が分かりづらい。このため、エンカウントイベントに移行した際に、移行前の相手キャラクタとエンカウントイベントにおける相手キャラクタとの同一性が理解しづらい。このように、エンカウント相手となる相手キャラクタの大きさが区々な場合にシンボルエンカウントを採用すると、エンカウント時にユーザに不自然な印象を与えるおそれがある。外観が大きな相手キャラクタのエンカウント領域を大きくすれば、当該相手キャラクタのゲーム画面での表示が大きくなりすぎる前にエンカウントを発生させることができるが、この場合には、外観が大きな相手キャラクタとのエンカウントイベントが多く発生してしまうため、適正なゲームバランスの維持が難しくなる。本明細書に記載されている実施形態によれば、従来のシンボルエンカウントにおける上記の問題を解決することができる。すなわち、本明細書に記載されている実施形態によれば、外観が大きなコンピュータキャラクタについては、エンカウント可能ゾーンを大きく設定することにより、当該コンピュータキャラクタがゲーム画面内に大きく表示される前に(そのような表示がなされるほど接近する前に)、ユーザキャラクタをエンカウント可能状態に移行させることができる。また、大きな外観を有するコンピュータキャラクタについてエンカウント可能ゾーンを大きくしても、当該エンカウント可能ゾーンにおけるエンカウント発生確率を小さくしたりイベント発生判定周期を長くしたりすることで、大きな外観を有するコンピュータキャラクタとのエンカウントが頻繁に発生しすぎるという問題も起こらない。
【0136】
10 ゲーム以外への応用
本明細書に開示されている発明は、ゲーム以外のアプリケーションにも適用することができる。例えば、メタバース空間内に配置されているユーザのキャラクタ(アバター)同士のエンカウント判定において、本明細書に記載されている発明を用いることができる。メタバース空間では、ユーザ同士の交流、複数のユーザが参画する仕事、複数のユーザが参加する遊び、及びこれら以外の実社会における社会的活動が仮想的に再現される。ユーザは、各自のアバターを介してメタバース空間に参加することができる。ユーザのアバターは、メタバース空間のワールド内を自由に歩き回り、互いにコミュニケーションをとることが可能である。本明細書に記載されている発明をメタバース空間に適用した実施形態においては、メタバース空間に配置される第1アバターに、当該メタバース空間内の一部の領域を占めるエンカウント可能ゾーンZ11が設定される。そして、このエンカウント可能ゾーンZ11に第2アバターが進入した場合に、当該第2アバターをエンカウント可能状態と判定し、当該第2アバターを第1アバターとエンカウントさせるか否かを、イベント発生判定周期ごとにイベント発生確率に基づいて判定することができる。
【0137】
11 注記
図1に示されているゲームシステム1は、本発明を適用可能なシステムの例であり、本発明を適用可能なゲームシステムは、図1に示されたものには限定されない。本発明を適用可能なゲームシステム1は、図示されている構成要素の一部を備えなくてもよい。例えば、ゲームシステム1は、ストレージ30を備えなくともよい。ゲームシステム1は、図示されていない構成要素を備えてもよい。図1には説明の簡略化のためにユーザ装置10が1台だけ記載されているが、ゲームシステム1は、2以上の任意の数のユーザ装置10を含むことができる。ゲームシステム1は、ユーザ装置10又はサーバ20によって実行されるべき処理を分散して処理するためのクラウド環境を備えていてもよい。
【0138】
ゲームシステム1において、データの格納場所には特段の制限はない。例えば、ストレージ15に記憶され得る各種データは、ストレージ15とは物理的に別体のストレージ(例えば、ストレージ30)やデータベースサーバに格納されてもよい。本明細書において、ストレージ15に記憶されると説明されているデータは、単一のストレージに記憶されてもよいし、複数のストレージに分散して記憶されてもよい。また、本明細書及び特許請求の範囲において、単に「ストレージ」という場合には、文脈上許される限り、単一のストレージと複数のストレージの集合のいずれを指し示すこともある。以上のストレージ15に記憶され得るデータに関する説明は、ストレージ25に記憶されるデータにも可能な限り当てはまる。
【0139】
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更が可能である。例えば、プロセッサ11及びプロセッサ21で実行される機能の一部又は全部は、発明の趣旨を逸脱しない限り、本明細書で明記されていないプロセッサにより実現されてもよい。図1においては、プロセッサ11が単一の構成要素として図示されているが、プロセッサ11は複数の物理的に別体のプロセッサの集合であってもよい。プロセッサ21についても同様である。本明細書において、プロセッサ11及びプロセッサ21によって実行されるとして説明されるプログラム又は当該プログラムに含まれる命令は、単一のプロセッサで実行されてもよいし、複数のプロセッサにより分散して実行されてもよい。また、プロセッサ11及びプロセッサ21によって実行されるプログラム又は当該プログラムに含まれる命令は、一又は複数の仮想プロセッサにより実行されてもよい。
【0140】
プロセッサ11及び/又はプロセッサ21で実行されるプログラムは、図示されているストレージ以外にも様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)に格納され得る。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。
【0141】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書中で説明されるデータ、テーブル、又はデータベースが単一のメモリに格納される旨説明されたとしても、そのようなデータ、テーブル、又はデータベースは、単一の装置に備えられた複数のメモリまたは複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納され得る。さらに、本明細書において説明されるソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0142】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図又はシーケンス図を用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれる。
【0143】
本明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
【0144】
12 付記
本明細書では、以下の各項の技術も開示される。
【0145】
[付記1]
一又は複数のプロセッサを備えるシステムであって、
前記一又は複数のプロセッサは、
第1ユーザが操作する第1キャラクタが、仮想フィールドにおいて第2キャラクタに関連付けて設定されているエンカウント可能ゾーン内に存在する場合に、前記第1キャラクタが前記第2キャラクタとエンカウント可能な第1エンカウント可能状態にあると判定し、
前記第1キャラクタが前記第1エンカウント可能状態にある場合に、前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタが参加する第1エンカウントイベントを発生させるか否かを判定する、
システム。
[付記2]
前記エンカウント可能ゾーンは、前記仮想フィールドにおいて前記第2キャラクタが配置されている位置から第1距離以内にあるゾーンである、
[付記1]に記載のシステム。
[付記3]
前記仮想フィールドにおいて前記第2キャラクタの知覚範囲を示す知覚ゾーンが設定されており、
前記エンカウント可能ゾーンは、前記知覚ゾーンの内側にある、
[付記1]又は[付記2]に記載のシステム。
[付記4]
前記仮想フィールドにおいて前記第2キャラクタの知覚範囲を示す知覚ゾーンが設定されており、
前記エンカウント可能ゾーンは、前記知覚ゾーンの内側のゾーンのうち、前記仮想フィールドにおいて前記第2キャラクタが配置されている位置から所定の距離以内のゾーンである、
[付記1]から[付記3]のいずれか一つに記載のシステム。
[付記5]
前記エンカウント可能ゾーンは、前記第2キャラクタを含まないゾーンである、
[付記1]から[付記4]のいずれか一つに記載のシステム。
[付記6]
前記エンカウント可能ゾーンは、第1サブゾーンと、第2サブゾーンと、を含む、
[付記1]から[付記5]のいずれか一つに記載のシステム。
[付記7]
前記第2キャラクタには、前記エンカウント可能ゾーンにおいて前記第1エンカウントイベントが起こる確率を表すイベント発生率が設定されており、
前記第1キャラクタが前記第1エンカウント可能状態にある場合に、イベント発生判定周期ごとに、前記イベント発生率に基づいて、前記第1エンカウントイベントを発生させるか否かを判定する、
[付記1]から[付記6]のいずれか一つに記載のシステム。
[付記8]
前記イベント発生率は、前記第1キャラクタが前記エンカウント可能ゾーン内に滞在する滞在時間に応じて変動する、
[付記7]に記載のシステム。
[付記9]
前記イベント発生率は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離に応じて変動する、
[付記7]又は[付記8]に記載のシステム。
[付記10]
前記仮想フィールドにおいて、前記第2キャラクタが配置されている位置から第1距離よりも小さい第2距離以内のゾーンである接触ゾーンが設定されており、
前記仮想フィールドにおいて前記接触ゾーン内に前記第1キャラクタが進入したことに応じて前記第1エンカウントイベントを発生させる、
[付記1]から[付記9]のいずれか一つに記載のシステム。
[付記11]
前記第1キャラクタが前記第1エンカウント可能状態に移行したことに応じて、前記ユーザに対して表示されるゲーム画面を変化させる、
[付記1]から[付記10]のいずれか一つに記載のシステム。
[付記12]
前記一又は複数のプロセッサは、前記第1キャラクタが前記知覚ゾーン内に存在することを示すグラフィック要素を前記仮想フィールドに表示する、
[付記3]に記載のシステム。
[付記13]
前記グラフィック要素は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの間に表示される、
[付記12]に記載のシステム。
[付記14]
前記第1キャラクタが前記知覚ゾーン内に存在する場合に、前記第2キャラクタは、前記仮想フィールドにおいて前記第1キャラクタに近づく方向に移動する、
[付記2]に記載のシステム。
[付記15]
前記一又は複数のプロセッサは、前記第1キャラクタ及び前記仮想フィールドに配置されている第3キャラクタが参加する第2エンカウントイベントを発生させ、
前記第2エンカウントイベントに前記第1ユーザと異なる第2ユーザが操作する第4キャラクタをさらに参加させる、
[付記1]から[付記14]のいずれか一つに記載のシステム。
[付記16]
前記一又は複数のプロセッサは、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザが操作する第4キャラクタが前記エンカウント可能ゾーンに存在する場合に、前記第1エンカウントイベントが実行されている間は、前記第4キャラクタを前記第2キャラクタとエンカウント可能なエンカウント状態に移行させない、
[付記1]から[付記15]のいずれか一つに記載のシステム。
[付記17]
一又は複数のプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
第1ユーザが操作する第1キャラクタが、仮想フィールドにおいて第2キャラクタに関連付けて設定されているエンカウント可能ゾーン内に存在する場合に、前記第1キャラクタが前記第2キャラクタとエンカウント可能な第1エンカウント可能状態にあると判定する第1判定工程と、
前記第1キャラクタが前記エンカウント可能状態にある場合に、前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタが参加する第1エンカウントイベントを発生させるか否かを判定する第2判定工程と、
を備えるゲーム処理方法。
[付記18]
一又は複数のプロセッサに、
第1ユーザが操作する第1キャラクタが、仮想フィールドにおいて第2キャラクタに関連付けて設定されているエンカウント可能ゾーン内に存在する場合に、前記第1キャラクタが前記第2キャラクタとエンカウント可能な第1エンカウント可能状態にあると判定する第1判定工程と、
前記第1キャラクタが前記エンカウント可能状態にある場合に、前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタが参加する第1エンカウントイベントを発生させるか否かを判定する第2判定工程と、
を実行させるゲームプログラム。
【符号の説明】
【0146】
1 ゲームシステム
10 ユーザ装置
11 プロセッサ
11a ゲーム進行部
11b ゾーン判定部
11c イベント発生判定部
11d イベント実行部
15 ストレージ
15a ゲームアプリケーション
15b エンカウント管理データ
20 サーバ
【要約】
【課題】 従来のエンカウント判定における改善を提供する。
【解決手段】 本発明の一態様によるシステムは、一又は複数のプロセッサを備える。一又は複数のプロセッサは、第1ユーザが操作する第1キャラクタが、仮想フィールドにおいて第2キャラクタに関連付けて設定されているエンカウント可能ゾーン内に存在する場合に、第1キャラクタが第2キャラクタとエンカウント可能な第1エンカウント可能状態にあると判定する。また、一又は複数のプロセッサは、第1キャラクタが第1エンカウント可能状態にある場合に、第1キャラクタ及び第2キャラクタが参加する第1エンカウントイベントを発生させるか否かを判定する。
【選択図】図7
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11a
図11b
図11c
図11d
図11e
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18