(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】緊急通報・救助システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20231108BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20231108BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2020147043
(22)【出願日】2020-09-01
【審査請求日】2022-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】520336322
【氏名又は名称】山本 法義
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 法義
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-085896(JP,A)
【文献】特開2004-040733(JP,A)
【文献】特開2002-251681(JP,A)
【文献】特開2018-085079(JP,A)
【文献】特開2013-142915(JP,A)
【文献】特開2012-095165(JP,A)
【文献】特開2010-170186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - A61B 5/01
A61B 5/06 - A61B 5/22
G08B 19/00 - G08B 31/00
H03J 9/00 - H03J 9/06
H04B 7/24 - H04B 7/26
H04M 3/00
H04M 3/16 - H04M 3/20
H04M 3/38 - H04M 3/58
H04M 7/00 - H04M 7/16
H04M 11/00 - H04M 11/10
H04Q 9/00 - H04Q 9/16
H04W 4/00 - H04W 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の登録者の登録者側携帯端末と、所定の連絡先の人の連絡先側携帯端末と、前記登録者側携帯端末および前記連絡先側携帯端末に対して送受信できる送受信部を備えた運営サーバーとを備えた緊急通報・救助システムであって、
前記運営サーバーは、前記登録者のデータおよびその登録者の連絡先の人のデータとを対応させて格納した管理リストテーブルと、制御部とを有し、
前記登録者側携帯端末は、少なくとも、衝撃検知センサと
、その携帯端末の存在位置情報を獲得する位置情報獲得センサと、送受信部と、制御部を有し、その制御部は前記衝撃検知センサから衝撃情報を受け取ると、前記位置情報獲得センサからの前記位置情報とともに、前記衝撃を受けた携帯端末の登録者の情報を、前記送受信部を介して、前記運営サーバーへそれら情報を送信し、
前記運営サーバーは、前記登録者側携帯端末側から前記登録者の情報と前記位置情報を受信すると、その制御部は当該登録者と、前記管理リストテーブルとを対照して、前記受信した登録者側携帯端末の登録者に対応する連絡先の人を特定し、該当する連絡先の人の連絡先側携帯端末へ、前記衝撃情報と前記位置情報を送信し、
前記連絡先側携帯端末は、少なくとも送受信部と、表示部と、制御部を有し、その制御部は、送受信部を通じて受信した前記登録者の情報と位置情報に基づいて、前記表示部に前記対応する登録者が衝撃を受けたことを表示するとともに、前記位置情報を地図情報として表示
し、
前記連絡先側携帯端末は、さらに再発信指示ボタンを有し、その再発信指示ボタンを押すことで、再発信指示を、前記運営サーバーを介して、対応する登録者側携帯端末へ送ることが出来、
前記登録者側携帯端末は、前記再発信指示を受信した場合は、音発生部によって音を発生するとともに、前記衝撃情報と、前記位置情報を前記運営サーバーを介して、前記連絡先側携帯端末へ送信し、
その位置情報には前記登録者側携帯端末の標高が含まれており、
前記連絡先側携帯端末は、受信した前記登録者側携帯端末の標高と自らの標高との標高差を表示することを特徴とする緊急通報・救助システム。
【請求項2】
前記登録者側携帯端末には撮像指示ボタンと撮像部が備えられ、その撮像指示ボタンを押すことで周囲の状況を撮影出来、その撮影画像を前記位置情報とともに、前記運営サーバーを介して、前記連絡先側携帯端末へ送ることが出来る、請求項
1記載の緊急通報・救助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遭難者が意識を失った場合など、素早く家族などに連絡でき、救助が早期に行われるための、緊急通報・救助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スマートフォンにジャイロセンサと振動センサを用いた転倒検出機能を搭載して転倒を検出し、その旨の通報を通報管理部へ送信して救援を求める発明が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自宅で老人が転倒した場合などには有効であるが、雪崩事故や地震災害の場合などでは、被災者の数が多いことが多く、そのような状況を全体的に捉えることが出来ない。
【0005】
また、意識を失った人だけでなく、転倒しても意識がありスマートフォンを操作出来るひとも居るがそのような状況を把握することも出来ない。
【0006】
本発明は、従来のそのような緊急通報・救助システムの課題を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、
所定の登録者の登録者側携帯端末と、所定の連絡先の人の連絡先側携帯端末と、前記登録者側携帯端末および前記連絡先側携帯端末に対して送受信できる送受信部を備えた運営サーバーとを備えた緊急通報・救助システムであって、
前記運営サーバーは、前記登録者のデータおよびその登録者の連絡先の人のデータとを対応させて格納した管理リストテーブルと、制御部とを有し、
前記登録者側携帯端末は、少なくとも、衝撃検知センサと、その携帯端末の存在位置情報を獲得する位置情報獲得センサと、送受信部と、制御部を有し、その制御部は前記衝撃検知センサから衝撃情報を受け取ると、前記位置情報獲得センサからの前記位置情報とともに、前記衝撃を受けた携帯端末の登録者の情報を、前記送受信部を介して、前記運営サーバーへそれら情報を送信し、
前記運営サーバーは、前記登録者側携帯端末側から前記登録者の情報と前記位置情報を受信すると、その制御部は当該登録者と、前記管理リストテーブルとを対照して、前記受信した登録者側携帯端末の登録者に対応する連絡先の人を特定し、該当する連絡先の人の連絡先側携帯端末へ、前記衝撃情報と前記位置情報を送信し、
前記連絡先側携帯端末は、少なくとも送受信部と、表示部と、制御部を有し、その制御部は、送受信部を通じて受信した前記登録者の情報と位置情報に基づいて、前記表示部に前記対応する登録者が衝撃を受けたことを表示するとともに、前記位置情報を地図情報として表示し、
前記連絡先側携帯端末は、さらに再発信指示ボタンを有し、その再発信指示ボタンを押すことで、再発信指示を、前記運営サーバーを介して、対応する登録者側携帯端末へ送ることが出来、
前記登録者側携帯端末は、前記再発信指示を受信した場合は、音発生部によって音を発生するとともに、前記衝撃情報と、前記位置情報を前記運営サーバーを介して、前記連絡先側携帯端末へ送信し、
その位置情報には前記登録者側携帯端末の標高が含まれており、
前記連絡先側携帯端末は、受信した前記登録者側携帯端末の標高と自らの標高との標高差を表示することを特徴とする緊急通報・救助システムである。
第2の本発明は、
前記登録者側携帯端末には撮像指示ボタンと撮像部が備えられ、その撮像指示ボタンを押すことで周囲の状況を撮影出来、その撮影画像を前記位置情報とともに、前記運営サーバーを介して、前記連絡先側携帯端末へ送ることが出来る、第1の本発明の緊急通報・救助システムである。
本発明に関連する第1の発明は、所定の登録者の登録者側携帯端末と、所定の連絡先の人の連絡先側携帯端末と、前記登録者側携帯端末および前記連絡先側携帯端末に対して送受信できる送受信部を備えた運営サーバーとを備えた緊急通報・救助システムであって、
前記運営サーバーは、前記登録者のデータおよびその登録者の連絡先の人のデータとを対応させて格納した管理リストテーブルと、制御部とを有し、
前記登録者側携帯端末は、少なくとも、衝撃検知センサとその携帯端末の存在位置情報を獲得する位置情報獲得センサと、送受信部と、制御部を有し、その制御部は前記衝撃検知センサから衝撃情報を受け取ると、前記位置情報獲得センサからの前記位置情報とともに、前記衝撃を受けた携帯端末の登録者の情報を、前記送受信部を介して、前記運営サーバーへそれら情報を送信し、
前記運営サーバーは、前記登録者側携帯端末側から前記登録者の情報と前記位置情報を受信すると、その制御部は当該登録者と、前記管理リストテーブルとを対照して、前記受信した登録者側携帯端末の登録者に対応する連絡先の人を特定し、該当する連絡先の人の連絡先側携帯端末へ、前記衝撃情報と前記位置情報を送信し、
前記連絡先側携帯端末は、少なくとも送受信部と、表示部と、制御部を有し、その制御部は、送受信部を通じて受信した前記登録者の情報と位置情報に基づいて、前記表示部に前記対応する登録者が衝撃を受けたことを表示するとともに、前記位置情報を地図情報として表示する、緊急通報・救助システムである。
【0008】
これによって、意識を失った人からでも自動的に通報でき、救済が迅速に行われる。
【0009】
本発明に関連する第2の発明は、前記運営サーバーの前記管理リストテーブルには、各登録者に対して、衝撃を受けた場合の情報をオープンにするか否かの識別子が付加可能となっており、前記登録者による前記運営サーバーへの申請によりその識別子を付加し、
前記運営サーバーは、前記登録者側携帯端末から前記登録者の情報と位置情報を受信した際、前記識別子をチェックし、オープンにしてよいとしている登録者の全ての連絡先の人々に、前記登録者の情報と前記位置情報を送信し、
そのような登録者の情報と位置情報を受信した連絡先側携帯端末は、前記全ての登録者の位置情報を地図上に表示する、本発明に関連する第1の発明の緊急通報・救助システムである。
【0010】
これによって、オープンにしている登録者同士がどうなったかが分かるようになる。
【0011】
本発明に関連する第3の発明は、前記連絡先側携帯端末に表示される前記地図上の位置情報は、その地図が表示されている連絡先側携帯端末に対応する前記登録者側携帯端末の位置情報と、それ以外の登録者側携帯端末の位置情報とが区別されるように、表示される、本発明に関連する第2の発明の緊急通報・救助システムである。
【0012】
これによって、連絡先の人のスマートフォン上で、本来の登録者と、オープンにした結果表示される人とを区別することが出来る。
【0013】
本発明に関連する第4の発明は、前記連絡先側携帯端末は、さらに再発信指示ボタンを有し、その再発信ボタンを押すことで、再発信指示を、前記運営サーバーを介して、対応する登録者側携帯端末へ送ることが出来、
前記登録者側携帯端末は、前記再発信指示を受信した場合は、音発生部によって音を発生するとともに、前記衝撃情報と、前記位置情報を前記運営サーバーを介して、前記連絡先側携帯端末へ送信し、その位置情報には前記登録者側携帯端末と、前記連絡先側携帯端末との標高差についてのデータが含まれている、本発明に関連する第2の発明の緊急通報・救助システムである。
【0014】
これによって、捜索する際、遭難現場近くで、遭難者との正確な標高差も分かり、捜索が迅速且つ円滑に行われる。
【0015】
本発明に関連する第5の発明は、前記登録者側携帯端末には撮像指示ボタンと撮像部が備えられ、その撮像指示ボタンを押すことで周囲の状況を撮影出来、その撮影画像を前記位置情報とともに、前記運営サーバーを介して、前記連絡先側携帯端末へ送ることが出来る、本発明に関連する第2の発明の緊急通報・救助システムである。
【0016】
これによって、仮に雪崩に巻き込まれて衝撃を受けた人でも意識のある人は周囲の様子を知らせることが出来便利である。
【0017】
本発明に関連する第6の発明は、所定の登録者の登録者側携帯端末と、所定の連絡先の人の連絡先側携帯端末と、前記登録者側携帯端末および前記連絡先側携帯端末に対して送受信できる送受信部を備えた運営サーバーとを備えた緊急通報・救助システムであって、
前記運営サーバーは、前記登録者のデータおよびその登録者の連絡先の人のデータとを対応させて格納した管理リストテーブルと、制御部とを有し、
前記登録者側携帯端末は、少なくとも、その携帯端末の存在位置情報を獲得する位置情報獲得センサと、送受信部と、制御部を有し、その制御部は、エリアメールを受け取ると、前記位置情報獲得センサからの前記位置情報とともに、前記登録者の情報を、前記送受信部を介して、前記運営サーバーへそれら情報を送信し、
前記運営サーバーは、前記登録者側携帯端末側から、前記登録者の情報と、前記エリアメール情報と前記位置情報を受信すると、その制御部は当該登録者と、前記管理リストテーブルとを対照して、前記受信した登録者側携帯端末の登録者に対応する連絡先の人を特定し、該当する連絡先の人の連絡先側携帯端末へ、前記登録者の情報と、前記エリアメール情報と前記位置情報を送信し、
前記連絡先側携帯端末は、少なくとも送受信部と、表示部と、制御部を有し、その制御部は、送受信部を通じて受信した、前記登録者の情報と、前記エリアメール情報と位置情報に基づいて、前記表示部に前記対応する登録者がエリアメールを受けたことを表示するとともに、前記位置情報を地図情報として表示する、緊急通報・救助システムである。
【0018】
所定の携帯電話会社からのいわゆるエリアメールを受信した際も、それをトリガーとして迅速に家族なのに連絡することが出来る。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、災害にあって意識を失った遭難者や、エリアメールを受信した人の情報を迅速に連絡することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明における実施の形態にかかる緊急通報・救助システムの概要を示す図
【
図3】同実施の形態における登録者スマートフォンの構成図
【
図4】同実施の形態における連絡先の人のスマートフォンの構成図
【
図8】本発明の別の実施の形態にかかる緊急通報・救助システムの登録者スマートフォンの構成図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態にかかる緊急通報・救助システムの概要を示す図であり、
図2は同システムの運営サーバーの構成を示し、
図3は登録者スマートフォンの構成を示し、
図4は同システムの連絡先スマートフォンの構成を示す。
【0022】
[事前準備]
本発明のシステムの利用を希望する登録者A,B,Cなどは運営者のサイトにアクセスし、本発明のシステムのアプリケーションソフトを各自のスマートフォンにダウンロードしてインストールする。さらに、そのソフトを利用しながら、運営者のサイトにアクセスし、運営者のサーバー1に登録者A,B,Cなど自身の情報(ID、電話番号、メールアドレスなど)を登録する。
【0023】
さらに登録者A,B,C・・・2などが各自希望する連絡先の者を運営者のサーバー1に登録する。例えば、登録者Aは、a1,a2という者3の連絡先のメールアドレス、電話番号などを登録する。登録者Bはb1、b2、b3という者の連絡先のスマートフォンのメールアドレス、電話番号などを登録する。登録者Cについても同様である。
【0024】
さらに、登録者A,B,C・・・などで、衝撃を受けた場合の情報をオープンにするか否かの識別子が付加可能となっており、希望する者は、その旨を申請できる。その場合は、それぞれの登録者A,B,Cなどの欄にOPENの識別子14aを付加する。希望のしない者はCLOSEの識別子14aとなる。この例では登録者BはCLOSEと登録している。
【0025】
図2の14はその登録者A,B,Cの情報と、各自希望する連絡先の者a1,a2、b1、b2、b3、c1の情報の管理リストテーブルである。
【0026】
また、連絡先の者の各スマートフォンにも運営者側のサイトから対応アプリケーションソフトをインストールしておく。
【0027】
[実行時]
例えば、雪崩に登録者A,B,Cがあった場合について、説明する。今登録者Aが雪崩に巻き込まれ意識を失い、同時に登録者Aのスマートフォンが落下して衝撃を受けたとする。
【0028】
図3に示すように、登録者Aのスマートフォン15は、衝撃検知センサ15aと、制御部15bと、GPSのような位置情報獲得センサ15cと、送受信部15dを備えている。
【0029】
そこで、衝撃検知センサ15aはその衝撃を検知し、それを受けて制御部15bは位置情報獲得センサ15cからそのスマートフォンの位置情報を獲得する。制御部15bはその登録者Aの情報と位置情報とを送受信部15dから運営サーバー1へ発信する。
【0030】
運営サーバー1は、その登録者Aのスマートフォンからの信号を送受信部11が受信し、制御部13は、その登録者Aの情報を利用して、管理リストテーブル14を検索し、その登録者Aの連絡先の人のa1,a2を特定する。そのa1,a2の情報を利用して、a1,a2の二人に送受信部12を利用して登録者Aの情報と位置情報を送信する。
【0031】
他方、連絡先の人a1,a2の各スマートフォン16は、
図4に示すように、送受信部16aと、制御部16bと、表示部16cを備えている。
【0032】
そこで、送受信部16aが上記運営サーバー1から登録者Aの情報と、位置情報を受信すると、制御部16bはそれを受けて、表示部16cにその旨を表示し、また、位置情報を基に、地図情報を表示する。
【0033】
図5は、連絡先の例えばa1という人のスマートフォンの表示部16cの画面であって、そこに、受信されたその登録者Aの情報を表示している画面である。ここに、16c1は登録者Aの氏名など、16c2はその連絡先の人a1の氏名やメールアドレスなど、16c3は緊急通報などの件名である。
【0034】
16c4はこのアプリケーションソフトの愛称、16c5は登録者AのID、16c6は登録者Aの携帯電話番号、16c7は登録者Aのスマートフォンの現在位置を示す情報、16c8は登録者Aのスマートフォンの標高データである。
【0035】
また、その他の登録者Bや登録者Cのスマートフォンについても、落下した場合など衝撃を検知した場合は、登録者Aのスマートフォンと同じく、それぞれ連絡先の人b1,b2、b3や連絡先の人のc1のスマートフォンに連絡が届く。そして、同様な画面が表示される。
【0036】
図6は、
図5の表示画面のなかの位置についてのURL16c7をクリックした場合表示される地図画面16c10である。
【0037】
ここで、16c11は、上記登録者Aのスマートフォンの存在する位置を示すマークである。16c12はその他の登録者Cの位置を示すマークである。すなわち、この
図6の地図は連絡先の人a1のスマートフォンの画面であるが、オープンにしているのは、登録者Aと登録者Cだけであり、登録者BはCLOSEと登録しているので、登録者Bのスマートフォンの位置はたとえ衝撃を検知していても、a1のスマートフォンの画面には表示されない。
図6の他のマークはそのほかの登録者X,Y,Zなどオープンにしている登録者のスマートフォンの位置を示すマークである。
【0038】
ここに、
図6の地図は連絡先の人a1のスマートフォンの画面であるので、対応する登録者Aのスマートフォンの位置を示すマークは黒丸で表示され、登録者Cのスマートフォンの位置を示すマークは白抜き丸で表示されている。そのようにして、連絡先の人a1の本来の登録者Aのスマートフォンの位置と、オープンにした他の登録者Cのスマートフォンの位置とが区別されるようになっている。
【0039】
なお、運営サーバー1には、全国の消防署等の登録リスト10が設けられていることが望ましい。その場合は、上述しオープン、クローズにかかわらず、全ての衝撃を受けた登録者についての情報を運営サーバー1はその登録先の消防署等へ送信することが出来る。あるいは、その衝撃を受けた登録者の居る場所を管轄する消防署などだけに連絡することも可能である。
【0040】
そうすることで、各地の消防署等では、連絡先の家族等から電話による捜索希望の連絡が入る前に、正確な遭難情報を迅速に把握出来ることになる。
【0041】
なお、
図3に示すように、登録者のスマートフォン15には取り消しボタン15hが設けられている。このボタンは、登録者が雪崩などで衝撃を受けた場合ではなく、うっかり床に落とすことがある場合、その連絡はすぐに発信されるも、当然に登録者は意識があるのでこの取り消しボタン15hを押すことで緊急状況には無いことを送信できる。このボタンによって混乱を防ぐことが出来る。そのためにも、衝撃検知センサ15aが作動した場合、そのスマートフォン15にその作動開始を知らせる警報音や警報発光の機能を装備させておくことが望ましい。
【0042】
さらに、連絡先の人a1等が救急通報を受けた際、再発信させることが出来る。
図4に示すように、連絡先の人a1等のスマートフォンにはそのための再発信指示ボタン16dが設けられている。
【0043】
この再発信指示ボタン16dを押すと、運営サーバー1を介して、登録者Aなどのスマートフォンに再発信指示信号が届き、それらスマートフォンが衝撃を受けた際の緊急通報を再度発信する。
【0044】
この機能は、連絡先の人a1等が遭難現場近くに駆け付け再度正確な位置を得る場合に役に立つ。例えば、遭難した登録者A等のスマートフォンからの再発信を受信した場合、連絡先の人a1等のスマートフォンには、登録者A等のスマートフォンの標高と、駆け付けた連絡先の人a1等のスマートフォンの標高との標高差も、連絡先の人a1等のスマートフォンの画面に表示することが望ましい(図示省略)。標高差は、遭難現場に近いほうがより正確に得られるのでこのような機能を装着しておくことが望ましい。
【0045】
また、
図4に示すように、登録者のスマートフォン15に音発生部15eが設けられている場合は、上記再発信指示ボタン16dを押すことで、音発生部15eから警告音を発生させることも出来る。捜索の際、遭難者を見つけやすくするためである。
【0046】
次に、
図7は本発明の実施の形態の変形例を示す。
図7には撮像指示ボタン15fが追加されており、このボタン15fを撮像部15gが周囲の状況を撮影し、それを連絡先の人たちへ送信できる。例えば、雪崩にあって衝撃を受けてスマートフォンを落としたとしても、意識を失っていない人もいる。そのような人はすぐに撮像指示ボタン15fを押して周囲の状況を知らせることが出来る。あるいは、衝撃を受けていないひとでもこの機能を使って直ぐに連絡先の人へ画像を送信できる。
【0047】
以上は雪崩を例にとって説明したが、それに限らず、地震が発生して衝撃を受けた場合とかでも有効である。特に地震の場合その被害の広がりが消防署などには一目瞭然となるメリットがある。
【0048】
次に、
図8は本発明の別の実施の形態を示す。
図8においては、いわゆる災害情報などの各携帯キャリアからのエリアメールが登録者のスマートフォンへ送られてきたとき、それをトリガーとして、衝撃を検知したときと同じように、連絡先の人達へ、エリアメールを登録者が受信した旨の連絡が届く。さらに、位置情報によって、連絡先の人たちのスマートフォンにそのエリアメールを受けた登録者の居る位置が分かる。登録者が旅先で、その地域での災害が迫っている旨のエリアメールを受信したときなど、連絡先の家族などがそのような災害が迫っている状況下に登録者が居ることが分かり便利である。
【0049】
なお、本発明の携帯端末は、スマートフォンが典型例だが、これに限らず他の携帯端末を含む。
【0050】
また、本発明の各手段は、ソフトウェアを利用して実現しても、専用の機能をもつハード回路で実現しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、雪崩に遭遇したなど意識を失った場合、直ぐに知り合いに連絡をして救助を迅速に行えるシステムが実現でき、遭難者の救助などに有用である。
【符号の説明】
【0052】
1 運営サーバー
2 登録者A,B,C・・・
3 連絡先の人 a1,a2,b1・・・
13 制御部
14 管理リストテーブル
15 登録者スマートフォン
15a 衝撃検知センサ
15b 制御部
15c 位置情報獲得センサ
15d 送受信部
15f 撮像指示ボタン
15g 撮像部
15h 取り消しボタン
16 連絡先スマートフォン
16a 送受信部
16b 制御部
16c 表示部
16c10 地図画面
16c11 登録者Aのスマートフォンの位置を示すマーク
16d 再発信指示ボタン