(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】回転式インパルスシーラー
(51)【国際特許分類】
B65B 51/22 20060101AFI20231108BHJP
B65B 51/16 20060101ALI20231108BHJP
B65B 9/02 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B65B51/22 200
B65B51/16
B65B9/02
(21)【出願番号】P 2020542523
(86)(22)【出願日】2018-10-16
(86)【国際出願番号】 NZ2018050142
(87)【国際公開番号】W WO2019078734
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-08-18
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(73)【特許権者】
【識別番号】520135046
【氏名又は名称】コンベア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィーズ、リチャード ハリー
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-501172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0011291(US,A1)
【文献】特開平09-124008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/22
B65B 51/16
B65B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合可能材料に、一連の個別の結合部を形成する回転式インパルスシーラーであって、
軸を中心に回転可能なローラーと、前記ローラーに前記結合可能材料を導入するテンションベルトと、を含み、
前記ローラーは、ローラー本体と、前記ローラーから径方向外方に延在し、前記ローラー本体の周りに間隔を空けて配置された複数のシールバーとを備え、前記シールバーの少なくとも1つが、本体と、前記シールバーの本体の長さの少なくとも一部にわたって延在する選択的に加熱可能な加熱要素と、を有し、
前記ローラーは前記回転式インパルスシーラーの加熱前加圧領域と前記加熱前加圧領域に続く前記回転式インパルスシーラーの加熱領域とを介して回転可能であり、前記加熱前加圧領域では前記少なくとも1つのシールバーが前記結合可能材料の結合領域に圧力を印加するように構成され、前記加熱領域では前記少なくとも1つのシールバーが前記結合領域を加熱するように構成され、前記加熱前加圧領域及び前記加熱領域が前記ローラーの前記回転に対して静止しており、
前記結合可能材料の互いに対向する縁は、前記加熱前加圧領域及び前記加熱領域において前記テンションベルト及び前記少なくとも1つのシールバーに直接接触し、
前記少なくとも1つのシールバーが、前記結合領域に圧力を印加しながら、前記結合可能材料と略同速で移動するように、前記ローラーの、前記結合可能材料に対する回転速度は調整可能である、回転式インパルスシーラー。
【請求項2】
前記ローラーが前記回転式インパルスシーラーの加熱後加圧領域を介して回転可能であり、前記加熱後加圧領域では前記少なくとも1つのシールバーが前記結合可能材料に圧力を印加するように構成されている、請求項1に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項3】
前記加熱前加圧領域は、前記加熱領域に直接隣接する、請求項1又は請求項2に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項4】
加熱後加圧領域は、前記加熱領域に直接隣接する、請求項2又は請求項3に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項5】
前記加熱領域は、加熱及び加圧領域である、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項6】
前記シールバーの前記本体は、絶縁材料である、又は絶縁材料を含む、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項7】
前記加熱要素は、前記シールバーの本体の全長にわたって延在する、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項8】
前記加熱要素は、導電性材料である、又は導電性材料を含む、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項9】
前記ローラー本体が複数のスロットを有し、各スロットが前記シールバーの1つを保持する、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項10】
少なくとも1つのシールバーが、前記ローラーの軸に略平行である長手方向軸を有する、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項11】
少なくとも1つのシールバーが、前記ローラーの軸と平行ではない長手方向軸を有する、請求項1~請求項
9のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項12】
各シールバーが、本体と、前記シールバーの本体の長さの少なくとも一部にわたって延在する選択的に加熱可能な加熱要素とを有する、請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項13】
前記ローラーの軸が固定軸である、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラー。
【請求項14】
縦型充填装置であって、
前記縦型充填装置によって、対向する縁部に沿って連続的に互いに封止結合される、少なくとも2枚の結合可能材料のシートを駆動する駆動システムと、
前記2枚の結合可能材料のシートの間に、充填製品を導入する充填製品供給デバイスと、
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラーであって、前記充填製品の密封貯蔵部を作るため、前記少なくとも2枚の結合可能材料のシートに横方向シールを作るように構成された回転式インパルスシーラーと、を含む縦型充填装置。
【請求項15】
結合可能材料のシートを受け入れ、前記結合可能材料のシートの対向する縁部に沿って、2つの互いに離間した連続的な長手方向シールを形成する、2つの円筒形ローラーを更に含む、請求項14に記載の縦型充填装置。
【請求項16】
前記円筒形ローラーが、前記結合可能材料のシートを水平面に対して約90°の角度で前記回転式インパルスシーラーに導入するように配置される、請求項15に記載の縦型充填装置。
【請求項17】
前記回転式インパルスシーラーは、前記横方向シールを作る前記シールバーが、シールされる前記結合可能材料と略同速で移動するように駆動される、請求項14~請求項16のいずれか一項に記載の縦型充填装置。
【請求項18】
流体又は流動性材料を収容するパッケージを形成する方法であって、
a)流体又は流動性材料を
少なくとも2枚の結合可能材料のシートの間に有する、
前記少なくとも2枚の結合可能材料のシートを連続的に提供する工程と、
b)前記結合可能材料の横方向結合領域に圧力を印加することで、前記流体又は流動性材料を前記横方向結合領域から離間させる工程と、
c)前記b)工程に続いて、シールを形成するため、前記横方向結合領域を加熱する工程と、を含み、
工程b)及び工程c)は回転式インパルスシーラーにより実行され、
前記結合可能材料は、テンションベルトにより前記回転式インパルスシーラーに導入可能であり、
前記少なくとも2枚の結合可能材料の縁は、前記回転式インパルスシーラーの加熱前加圧領域及び加熱領域において前記テンションベルトに直接接触し、
前記回転式インパルスシーラーが、前記横方向結合領域に圧力を印加しながら前記結合可能材料と略同速で移動するように、前記回転式インパルスシーラーの、前記結合可能材料に対する回転速度は調整可能である、方法。
【請求項19】
d)工程c)の後に、前記横方向結合領域に圧力を印加する工程を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
工程d)は、熱を前記横方向結合領域から放出させることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
工程c)が、前記横方向結合領域に熱と圧力とを同時に印加することを含む、請求項18~請求項20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
工程c)が工程b)の直後に実行される、請求項18~請求項21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
工程d)が工程c)の直後に実行される、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記横方向結合領域が、前記少なくとも2枚の結合可能材料のシートの幅にわたって横断方向に延在する、請求項18~請求項23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
回転式インパルスシーラーを提供する工程を更に含み、前記回転式インパルスシーラーが、軸を中心に回転可能なローラーを含み、前記ローラーは、ローラー本体と、前記ローラーから径方向外方に延在し、前記ローラー本体の周りに間隔を空けて配置された複数のシールバーとを含み、前記シールバーの少なくとも1つが、本体と、前記シールバーの本体の長さの少なくとも一部にわたって延在する選択的に加熱可能な加熱要素と、を
有し、
前記ローラーが前記回転式インパルスシーラーの加熱前加圧領域と、前記加熱前加圧領域に続く前記回転式インパルスシーラーの加熱領域とを介して回転可能であり、前記加熱前加圧領域では前記少なくとも1つのシールバーが前記結合可能材料の結合領域に圧力を印加するように構成され、前記加熱領域では前記少なくとも1つのシールバーが前記結合領域を加熱するように構成され、前記加熱前加圧領域及び前記加熱領域が前記ローラーの前記回転に対して静止しており、
前記結合可能材料の互いに対向する縁は、前記回転式インパルスシーラーの加熱前加圧領域及び加熱領域において前記テンションベルト及び前記回転式インパルスシーラーの少なくとも1つのシールバーに直接接触している、請求項18~請求項24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記回転式インパルスシーラーが工程d)を実行する、請求項19に従属する場合の請求項25に記載の方法。
【請求項27】
工程c)が、前記シールバーの前記加熱要素に電流を選択的に印加することを含む、請求項25又は請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合可能材料において一連の個別の結合部を形成するための回転式インパルスシーラーに関する。本発明はまた、縦型充填装置にも関する。本発明は更に、流体又は流動性材料を収容するためのパッケージを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のパッケージ又は小袋は、プラスチック及び/又は金属箔の層から形成される。これら層が互いに積層され、パッケージの内容物を収容するための密封貯蔵部が、隣接した層間に形成される。
【0003】
そのようなパッケージは典型的には、印刷業界で使用されているものと同様の方法及び装置を使用して製造される。即ち、ステーションのラインに沿って、細長いウェブが通過する。各ステーションは異なる機能を実行する。典型的には、包装される製品が、2つのウェブ間に導入され、2つのウェブは互いに対向する縁部に沿って連続的に封止結合される。ウェブはまた、間隔を空けて横方向にも封止される。これにより、ウェブが個別の部位に分割される。横封止部にて、横方向にウェブを切断することで、複数の個別のパッケージが作成される。
【0004】
本明細書において、特許明細書、その他外部文書、又はその他情報源について言及されるが、それは、概して、本発明の特徴を記載するにあたっての背景を提供するためである。特に明記されていない限り、当該外部文書又は情報源への言及は、当該文書又は情報源が、いかなる権限においても、先行技術又は本技術分野における共通一般知識を形成するものと解されるためのものではない。
【0005】
ニュージーランド特許明細書第547925号には、流動性材料を収容及び分注するための小袋が記載されている。小袋は、第1、第2及び第3層の積層を含む。第2層は、第1層と第3層との間に存在する、半硬質層である。第2層の中間部分に脆弱線が形成される。脆弱線は少なくとも一部に、互いに組み合わされた指部を有する。小袋は、第2の層の縁部に圧縮力をかけると、脆弱線で撓むようになっている。互いに組み合わされた指部の先端は、第1の層を脆弱線の近くで、破れさせる。これにより、小袋の内容物を排出可能な排出開口部が形成される。
【0006】
米国特許明細書第7,247,219号には、ヒートシール可能材料をヒートシールするため、特に柔軟なパッケージを封止するための回転可能円筒形ローラーが記載されている。回転可能ローラーは、少なくとも1つの冷却領域及び少なくとも1つの加熱領域を有する。加熱領域上を熱溶着可能材料が移動すると、ヒートシールが形成される。冷却領域上を移動することにより、支持された状態でシールが冷却可能となる。
【0007】
回転可能な円筒形ローラーを使用して横方向のへりを形成し、パッケージ内で流動性材料を密封する場合、パッケージの内容物がローラーによってパッケージ内で変位及び/又は加圧される虞がある。これにより、内容物のパッケージ内で不均一な分布、及び/又はシールの品質低下が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の少なくとも好ましい実施形態の目的は、前述の欠点のいくつかに対処することである。追加又は代替の目的は、少なくとも一般に有用な選択肢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、結合可能材料に、一連の個別の結合部を形成する回転式インパルスシーラーであって、軸を中心に回転可能なローラーと、前記ローラーに前記結合可能材料を導入するテンションベルトと、を含み、前記ローラーは、ローラー本体と、前記ローラーから径方向外方に延在し、前記ローラー本体の周りに間隔を空けて配置された複数のシールバーとを備え、前記シールバーの少なくとも1つが、本体と、前記シールバーの本体の長さの少なくとも一部にわたって延在する選択的に加熱可能な加熱要素とを有し、前記回転式インパルスシーラーの加熱前加圧領域と、前記加熱前加圧領域に続く前記回転式インパルスシーラーの加熱領域とを介して前記ローラーが回転可能であり、前記加熱前加圧領域では前記少なくとも1つのシールバーが前記結合可能材料の結合領域に圧力を印加するように構成され、前記加熱領域では前記少なくとも1つのシールバーが前記結合領域を加熱するように構成され、前記加熱前加圧領域と前記加熱領域が前記ローラーの前記回転に対して静止しており、前記少なくとも1つのシールバーが、前記結合領域に圧力を印加しながら、前記結合可能材料と略同速で移動するように、前記ローラーの、前記結合可能材料に対する回転速度は調整可能である、回転式インパルスシーラーが提供される。
【0010】
本明細書で使用される「含む」という用語は、「少なくともその一部としてなる」を意味する。「含む」という用語を含む本明細書の各記載を解釈するとき、この用語が前に付いているもの以外の特徴もまた存在し得る。関連する「含み」や「含んで」などの用語も同様に解釈される。
【0011】
一実施形態では、前記少なくとも1つのシールバーが前記結合可能材料に圧力を印加するように構成された領域である、前記回転式インパルスシーラーの加熱後加圧領域を介して、前記ローラーが回転可能である。
【0012】
一実施形態では、前記加熱前加圧領域は、前記加熱領域に直接隣接する。
【0013】
一実施形態では、前記加熱後加圧領域は、前記加熱領域に直接隣接する。
【0014】
一実施形態では、前記加熱領域は、加熱及び加圧領域である。
【0015】
一実施形態では、前記シールバーの前記本体は、絶縁材料である、又は絶縁材料を含む。
【0016】
一実施形態では、前記加熱要素は、実質的に前記シールバー本体の全長にわたって延在する。
【0017】
一実施形態では、前記加熱要素は、導電性材料である、又は導電性材料を含む。
【0018】
一実施形態では、前記ローラー本体が複数のスロットを有し、各スロットが前記シールバーの1つを保持する。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つのシールバーが、前記ローラー軸に略平行である長手方向軸を有する。
【0020】
一実施形態では、少なくとも1つのシールバーが、前記ローラー軸と平行ではない長手方向軸を有する。
【0021】
一実施形態では、各シールバーが、本体と、前記シールバーの本体の長さの少なくとも一部にわたって延在する選択的に加熱可能な加熱要素とを有する。
【0022】
一実施形態では、前記ローラーの軸が固定軸である。
【0023】
本発明の第2の態様によれば、縦型充填装置であって、前記縦型充填装置によって対向する縁部に沿って連続的に互いに封止結合される、少なくとも2枚の結合可能材料のシートを駆動する駆動システムと、前記2枚の結合可能材料のシートの間に、充填製品を導入する充填製品供給デバイスと、前記請求項のいずれか一項に記載の回転式インパルスシーラーであって、充填製品の密封貯蔵部を作るため、前記少なくとも2枚の結合可能材料のシートに横方向シールを作るように構成された回転式インパルスシーラーと、を含む縦型充填装置を提供する。
【0024】
一実施形態では、前記縦型充填装置が、結合可能材料のシートを受け入れ、前記結合可能材料のシートの対向する縁部に沿って、2つの互いに離間した連続的な長手方向シールを形成する、2つの円筒形ローラーを更に含む。
【0025】
一実施形態では、前記円筒形ローラーが、前記結合可能材料のシートを水平面に対して約90°の角度で前記回転式インパルスシーラーに導入するように配置される。
【0026】
一実施形態では、前記回転式インパルスシーラーは、前記シールを作る前記シールバーが、シールされる前記結合可能材料と略同速で移動するように駆動される。
【0027】
本発明の第3の態様によれば、流体又は流動性材料を収容するパッケージを形成する方法であって、
a)流体又は流動性材料を間に有する、少なくとも2枚の結合可能材料のシートを連続的に提供する工程と、
b)前記結合可能材料の横方向結合領域に圧力を印加することで、前記流体又は流動性材料を前記横方向結合領域から離間させる工程と、
c)シールを形成するため、前記横方向結合領域を加熱する工程と、を含み、
工程b)及び工程c)は回転式インパルスシーラーにより実行され、
前記結合可能材料は、テンションベルトにより前記回転式インパルスシーラーに導入可能であり、
前記回転式インパルスシーラーが、前記結合領域に圧力を印加しながら前記結合可能材料と略同速で移動するように、前記回転式インパルスシーラーの、前記結合可能材料に対する回転速度は調整可能である、方法が提供される。
【0028】
一実施形態では、方法は、
d)工程c)の後に、前記横方向結合領域に圧力を印加する工程を更に含む。
【0029】
一実施形態では、工程d)は、熱を横方向結合領域から放出させることを含む。
【0030】
一実施形態では、工程c)が、前記横方向結合領域に熱と圧力とを同時に印加することを含む。
【0031】
一実施形態では、工程c)が工程b)の直後に実行される。
【0032】
一実施形態では、工程d)が工程c)の直後に実行される。
【0033】
一実施形態では、前記横方向結合領域が、前記少なくとも2枚の結合可能材料のシートの幅にわたって横断方向に延在する。
【0034】
一実施形態では、方法は、回転式インパルスシーラーを提供する工程を更に含み、前記回転式インパルスシーラーが、軸を中心に回転可能なローラーを含み、前記ローラーは、ローラー本体と、前記ローラーから径方向外方に延在し、前記ローラー本体の周りに間隔を空けて配置された複数のシールバーとを備え、前記シールバーの少なくとも1つが、本体と、前記シールバーの本体の長さの少なくとも一部にわたって延在する選択的に加熱可能な加熱要素とを有し、前記ローラーが前記回転式インパルスシーラーの加熱前加圧領域と、前記加熱前加圧領域に続く前記回転式インパルスシーラーの加熱領域と、を介して回転可能であり、前記加熱前加圧領域では前記少なくとも1つのシールバーが前記結合可能材料の結合領域に圧力を印加するように構成され、前記加熱領域では前記少なくとも1つのシールバーが前記結合領域を加熱するように構成され、前記加熱前加圧領域と前記加熱領域が前記ローラーの前記回転に対して静止している。
【0035】
一実施形態では、前記回転式インパルスシーラーが工程d)を実行する。
【0036】
一実施形態では、工程c)が、前記シールバーの前記加熱要素に電流を選択的に印加することを含む。
【0037】
本発明の第4の態様によれば、第3の態様の方法によって生成された流体又は流動性材料を含むパッケージが提供される。
【0038】
本開示の一態様によると、結合可能材料に、非連続的な結合部を形成する、回転式インパルスパドルシーラーが提供される。回転式インパルスパドルシーラーは、軸を中心に回転可能なローラーと、ローラーから径方向外方に延在し、ローラーの周りに間隔を空けた複数のシールバーとを含む。シールバーの少なくとも1つが、ローラーの回転の一部において、電流により選択的に励起される。これにより、少なくとも1つのシールバーが一時的に加熱される。少なくとも1つのシールバーが加熱される回転の一部の直前の回転の一部において、少なくとも1つのシールバーは結合される材料の領域に圧力を印加するように構成される。
【0039】
一実施形態において、各シールバーは、当該シールバーが加熱された回転の一部の直後の回転の一部において、圧力を印加するように構成される。
【0040】
一実施形態において、少なくとも1つのシールバーは、シールバー本体と、シールバー本体の長さの少なくとも一部にわたって延在する加熱要素とを含む。
【0041】
一実施形態において、加熱要素は、実質的にシールバー本体の全長にわたって延びる。
【0042】
一実施形態において、ローラーは、複数のスロットが設けられる。スロットはそれぞれ対応するシールバーを保持するように構成される。スロットは、シールバーがローラーから径方向に延在するように成形される。
【0043】
一実施形態において、スロットの少なくとも1つは、ローラーが回転可能な軸に略平行である。
【0044】
一実施形態において、スロットの少なくとも1つは、ローラーが回転可能な軸に対して平行にならないように配置される。
【0045】
一実施形態において、スロットの少なくとも1つは、ローラーが回転可能な軸に対して平行にならないように成形される。
【0046】
本発明の更なる態様によると、縦型充填装置は、当該装置によって対向する縁部に沿って連続的に互いに封止結合される、2枚の結合可能材料のシートを駆動する駆動システムと、2枚の結合可能材料のシートの間に、充填製品を導入する充填製品供給デバイスと、充填製品の密封貯蔵部を作る回転式インパルスパドルシーラーとを含む。回転式インパルスパドルシーラーは、回転式インパルスパドルシーラーが結合部を形成するために加熱を行う回転の一部の直前の回転の一部において、結合される領域に圧力を印加するように構成される。
【0047】
一実施形態において、回転式インパルスパドルシーラーは、当該回転式インパルスパドルシーラーが結合部を形成するために加熱を行った回転の一部の直後の回転の一部において、圧力を印加するように構成される。
【0048】
一実施形態において、回転式インパルスパドルシーラーは、充填材量を含む結合可能材料のシートを、水平面に対して0°超の角度で受け入れるように構成される。
【0049】
一実施形態において、回転式インパルスパドルシーラーは、シールされる結合可能材料と略同速で駆動される。
【0050】
本発明の更なる態様によると、流体又は流動性材料のパッケージを形成する方法は、少なくとも2枚の結合可能材料のシートを駆動するように構成された駆動システムを提供することと、結合可能材料のシートの第1縁部と第2縁部とを連続的に封止結合することと、2枚の結合可能材料のシートの間に流動性材料を導入することと、回転式インパルスパドルシーラーであって、回転式インパルスパドルシーラーが結合部を形成するため加熱を行った回転の一部の直前の回転の一部において、結合される領域に圧力を印加するように構成された回転式インパルスパドルシーラーを提供することと、を含む。
【0051】
本発明は、一態様において、いくつかの工程を含む。1又は複数のこれらの工程の他のそれぞれの工程に対する関係、構造の特徴を具体化する装置、及びこのような工程に影響を与えるように構成された要素の組み合わせ及び部品の配置は、以下の詳細な開示ですべて例示される。
【0052】
本明細書に開示されるある範囲の数値(例えば、1~10)への言及は、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、10)、及びその範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2~8、1.5~5.5、3.1~4.7)への言及も組み込むことを意図し、したがって、ここに明示的に開示されたすべての範囲のすべてのサブ範囲がこれにより明示的に開示される。これらは具体的に意図されているものの例にすぎず、列挙された最低値と最高値の間のすべての可能な数値の組み合わせは、同様の方法で本出願で明示的に述べられていると見なされる。
【0053】
本発明が関係する当業者には、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、構造の多くの変更及び本発明の広く異なる実施形態及び用途が示唆されるであろう。本明細書の開示及び説明は、純粋に例示的なものであり、いかなる意味でも限定することを意図するものではない。本発明が関連する分野で既知の均等物を有する特定の物が本明細書で言及される場合、そのような既知の均等物は、個別に記載されているかのように、本明細書に組み込まれていると見なされる。
【0054】
本明細書で使用される場合、名詞に続く用語「(複数可)」は、その名詞の複数形及び/又は単数形を意味する。
【0055】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、「及び」又は「又は」を意味するか、又は文脈が両方を可能にする場合を意味する。
本発明は、前述のものにあり、以下の例のみを示す構成も想定している。
【図面の簡単な説明】
【0056】
次に、回転式インパルスパドルシーラーの好ましい形態を、添付の図面を参照して、あくまで例示的に説明する。
【
図1】回転式インパルスパドルシーラーを含む縦型充填装置の概略図を示した図である。
【
図2】例示的な回転式インパルスパドルシーラーローラーを示した図である。
【
図3】例示的な回転式インパルスパドルシーラーシールバーを示した図である。
【
図4】縦型充填装置の駆動システムの別の配置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、流体又は流動性充填製品110のパッケージ105を製造するための、連続縦型充填装置100の概略図を示す。縦型充填装置100は、当該装置100を介して、それらの対向する縁部に沿って連続的に、互いに封止結合される、少なくとも2枚の結合可能材料のシート120、121を駆動するための駆動システム115を含む。駆動システムは連続的に動作する。縦型充填装置100はまた、2枚の結合可能材料のシート120、12の間に充填製品110を導入するための充填製品供給デバイス125を有する。縦型充填装置100はまた、回転式インパルスシーラー130を有する。回転式インパルスシーラー130は、充填製品110用の密封貯蔵部135を形成するために、少なくとも2枚の結合可能材料のシートに、横方向シールを作るように構成される。縦型充填装置はまた、密封貯蔵部135を個々のパッケージ105に分離するための切断ステーション140を有する。
【0058】
縦型充填装置100は、液体又は流動性粉末などの流体又は流動性材料又は製品を包装するのに適している。装置及び/又は装置の構成要素のサイズは、任意のサイズのパッケージを作るように構成可能である。一実施形態では、装置100は、約2mL又は約5mLの容積を有するパッケージを生成するように構成される。別の実施形態では、装置100は、約1L以上の容積を有するパッケージを製造するように構成される。装置100は、その他任意の適切な容積のパッケージを製造するように構成され得る。その例として、約10mL、約20mL、約50mL、約75mL、約100mL、約200mL、約500mL、約750mL、あるいは約2Lが挙げられる。
【0059】
流体又は流動性材料としては、液体、クリーム、ローション、ゲル、ペースト、粉末、潤滑粉末、粒子、ソース、飲料、日焼け止め、潤滑剤、塗料、グリース、油、接着剤、樹脂、薬剤、医薬品などが挙げられる。
【0060】
回転式インパルスシーラー130は、結合可能材料120、121に一連の個別の結合部を形成する。回転式インパルスシーラー130は、軸を中心に回転可能なローラー145を有する。図示の実施形態では、ローラー軸は固定軸である。ローラー145は、ローラー本体155と、複数のシールバー150とを有する。シールバー150は、ローラー145から半径方向外側に延在し、ローラー本体155の周りに互いに間隔を空けている。図示の実施形態では、シールバー150は、ローラー145の軸方向長さの実質的に全体に沿って、軸方向に延在する。
【0061】
シールバー150の少なくとも1つは、本体175と、シールバー本体175の長さの少なくとも一部にわたって延在する、選択的加熱可能な加熱要素180とを有する。図示の実施形態では、各シールバー150が、本体175と、シールバー本体175の長さの少なくとも一部にわたって延在する、選択的加熱可能な加熱要素180とを有する。
【0062】
ローラー145は、加熱前加圧領域又は回転部分Aを介して回転可能である。同領域では、少なくとも1つのシールバー150が、結合可能材料120、121の結合領域154に圧力を印加するように構成される。加熱前加圧領域Aの後には、加熱領域又は回転部分Bが続く。同領域では、少なくとも1つのシールバー150が結合領域154を加熱するように構成される。加熱前加圧領域Aと加熱領域Bは、ローラー145の回転に対して静止している。
【0063】
図示の実施形態では、ローラー145は、加熱後加圧領域又は回転部分Cを介して回転可能である。同領域では、少なくとも1つのシールバー150が、結合可能材料に圧力を印加するように構成される。加熱後加圧領域Cは、ローラー145の回転に対して静止している。代替的実施形態では、回転式インパルスシーラー130は、加熱後加圧領域Cを有さなくてもよく、ローラーは、加熱領域Bが続く加熱前加圧領域のみを介して回転してもよい。
【0064】
回転式インパルスシーラー130は、回転式インパルスパドルシーラー130とも称される。回転式インパルスパドルシーラーの「パドル」は、シールバー150を指す。シールバー150は、以下でより詳細に説明されるように、結合領域から充填製品を遠ざけるためのパドルとして機能する。
【0065】
加熱要素180は、回転式インパルスパドルシーラー130の回転における加熱領域Bにおいて、電流が選択的に加熱要素180に印加されることで、加熱されるように構成される。一実施形態では、各シールバー150の加熱要素180は、選択的に電流が加熱要素180に印加されることによって加熱されるように構成されている。選択的に印加される電流は、インパルス電流と記載され得る。
【0066】
好ましい実施形態では、2枚の結合可能材料のシート120、121が、それらの対向する縁部に沿って連続的に互いに封止結合されることで、2つの実質的に平行な長手方向へりが形成される。結合可能材料は、ポリエチレン、又はその他任意のヒートシール可能な若しくは熱により結合可能な材料であり得る。長手方向へりは、従来の連続ヒートシール処理などの任意の適切な処理によって形成されてもよい。図示の実施形態では、結合可能材料のシート120、121は、2つの円筒形ローラー151、152の間に受け入れられる。円筒形ローラー152の1つは、いずれかの端(図示せず)に加熱可能部を有する。これによって、結合可能材料のシート120、121の縁部に熱を加えて、長手方向へりを形成する。円筒形ローラー151、152は、結合可能材料のシート120、121の対向する縁部に沿って2つの連続し、互いに離間した長手方向シールを形成する。充填製品110は、長手方向へりの間に導入される。
【0067】
代替的実施形態では、結合可能材料のシートが半分に折り畳まれ、単一の長手方向へりがシートの開放縁部に形成される。充填製品110は、長手方向へりと折り目との間に導入される。更なる代替的実施形態では、充填製品110は、結合可能材料のチューブに導入される。結合可能材料のチューブは、長手方向へりを一切有さないこともあり得る。
【0068】
駆動システム115は、結合可能材料120、121を略一定速度で回転式インパルスパドルシーラー130に向かって駆動するベルト116を含む。ベルトは、回転式インパルスシーラー130と、円筒形ローラー151及び2つのベルト(下部)ローラー157、158との組み合わせによって張力がかかった状態で保持される。ローラー151、157、158のうちの1又は複数は、ベルト116を駆動する駆動ローラーであり得る。シート120、121は、駆動システム115によって回転式インパルスパドルシーラー130に導入される。
【0069】
図1に示される実施形態では、ベルトローラー157、158は、円筒形ローラー151の下に配置される。ベルトローラー157、158は、実質的に同じ高さに配置される。駆動システム115は、実質的にL字型の配置を有し、回転式インパルスシーラー130はLの屈曲部に位置する。この配置により、回転する回転式インパルスシーラー130において、シールバー150が結合可能材料120、121と接触する部分が比較的大きくとれる。
【0070】
図4は、代替的構成の駆動システム1115を示す。駆動システム1115は、以下に説明することを除いて、駆動システム115と同じである。同様の部品は、1000を加えた同様の数字で示す。この実施形態では、回転式インパルスシーラー1130が実質的に垂直なベルト表面に作用するように、ベルトローラーのうちの1つ1158が、円筒形ローラー1151の下に、円筒形ローラー1151と実質的に同一線上に配置される。この配置によると、回転する回転式インパルスシーラーにおいて、シールバー1150が結合可能材料1120、1121と接触する部分は比較的短くなる。この構成は、短いシーリング時間が必要な用途に適し得る。そして、パッケージを極めて迅速に形成可能にし得る。
【0071】
他の実施形態では、ベルトローラーの相対位置が、必要なシーリング時間に応じて選択又は設計されてもよい。例えば、ベルトローラーは、ベルトがU字形又はV字形の構成を有するように配置され得る。そのような構成では、ベルトがローラーの周りをより長時間移動するため、シール時間は、図示の実施形態のシール時間よりも長くなり得る。
【0072】
図1及び
図4に示される実施形態では、円筒形ローラー151、152は、実質的に垂直方向(水平面に対して約90°)で、結合可能材料のシート120、121を回転式インパルスシーラー130に導入するように配置される。代替の実施形態では、結合可能材料のシート120、121は、重力下で充填製品が回転式インパルスパドルシーラー150に向かって落ちることができるように、任意の角度で導入される。一実施形態では、角度は水平面に対して0°より大きい。一実施形態では、角度は水平面に対して90°未満である。例えば、結合可能材料のシート120、121は、水平面に対して約85°、約80°、約70°、約60°、約45°、約30°又は約15°の角度で導入されてもよい。
【0073】
一実施形態では、結合可能材料のシート120、121のうちの少なくとも一方は、結合可能材料のシート120、121の他方にシールされる前に手が加えられる。例えば、装置操作のタイミングを計りやすくするように、位置合わせマーカーが加えられる。一実施形態では、パッケージ105の内容物の分注前に、パッケージ105の層の少なくとも一方で、制御下で破れやすくなるように、切り目及び/又はその他脆弱線が、結合可能材料のシート120、121の一方に付けられる。脆弱線はジグザグ形状を有し得る。例示的なパッケージ構成が、参照により本明細書に組み込まれるニュージーランド特許明細書第547925号に開示されている。
【0074】
シールバー150は最初に結合可能材料120、121に接触すると、ローラー145の回転の加熱前加圧領域Aを介して、結合可能材料120、121に圧力を印加する。シールバー150は、少なくとも2枚の結合可能材料のシート120、121の幅に沿った、略横方向に圧力を印加する。シールバー150からの圧力は、充填製品110を結合領域154から遠ざける。シールバー150からの圧力は、シールバー150と回転経路の先の隣接するシールバー150との間に、充填容積156を配置する。
【0075】
結合領域154は、少なくとも2枚の結合可能材料のシート120、121の幅を横切って、横方向に延在する。結合領域154は、長手方向へりに対して約90°の角度で延在する。代替の実施形態では、結合領域154は、任意の適切な角度、例えば、約75°、約80°、約85°、約95°、約100°又は約105°で、長手方向へりの間に延在し得る。
【0076】
次に、ローラー145の回転の加熱領域Bにおいて、シールバー150を加熱するために、インパルス電流がシールバー150の加熱要素180に印加される。シールバー150からの熱は、結合可能材料120、121に、結合された横方向へりを形成する。図示の実施形態では、加熱前加圧領域Aは、加熱領域Bに直接隣接している。
【0077】
言い換えると、シールバー150が材料の結合される領域に圧力を加える加熱前加圧領域Aは、シールバー150が加熱されて結合部を形成する加熱領域Bの直前にある。
【0078】
代替的実施形態では、加熱前加圧領域Aと加熱領域Bとの間に間隔が開けられ得る。
【0079】
一実施形態では、加熱領域Bは、加熱及び加圧領域となる。好ましい実施形態では、加熱前加圧領域A中よりも加熱領域B中により大きい圧力が印加される。別の実施形態では、加熱前加圧領域A中よりも加熱領域B中により小さい圧力が印加される。
【0080】
インパルス電流がオフに切り替えられた後、結合部は、ローラー145の回転の加熱後加圧領域Cにおいて、シールバー150からの圧力下で冷却する。図示の実施形態では、加熱後加圧領域Cは、加熱領域Bに直接隣接している。
【0081】
言い換えると、シールバー150からの圧力下で結合部が冷却される加熱後加圧領域Cは、シールバー150が加熱されて結合部を形成する加熱領域Bに直接続く。
【0082】
代替的実施形態では、加熱領域の直後に加熱後加圧が続かない場合がある。例えば、加熱領域Bと加熱後加圧領域Cとの間に別の工程や処理が設けられてもよい。
【0083】
一実施形態では、加熱要素は、急速に冷却する材料から形成されるので、電流供給が停止すると、結合可能材料は、結合可能材料の融点未満の温度に冷却される。これにより、加熱後加圧領域Cにて、熱が放出可能となる。熱は様々な異なる方法で放出され得る。例えば、熱は、充填製品110、結合可能材料120、121、及び周囲環境に放出され得る。
【0084】
一実施形態では、シールバー150は、熱放出を促進する、水冷システムなどの冷却システムを含む。
【0085】
結合可能材料120、121を加熱する前にシールバー150で圧力を加えることで、結合部が形成される前に、結合領域から充填製品110が除去される。これにより、充填製品110の粒子を含まない、又は少なくとも実質的に含まない高品質の結合部が保証される。シールバー150からの圧力下で結合部を冷却させることにより、結合部が適切に硬化され、更に高品質のシールに寄与する。
【0086】
図1に示されるように、回転式インパルスパドルシーラー130を、垂直又は角度を付けた充填製品110の下に配置することにより、エアギャップのない、又は少なくとも実質的にエアギャップのない液体パッケージを形成可能となる。これは、特定の用途で有利である。例えば食品包装においてエアギャップがないことは食品の消費期限延長に有利となる。
【0087】
図2は、例示的なローラー145の斜視図を示す。ローラーはローラー本体155を含む。ローラー本体155は、シールバー150から電気的に絶縁されている。一実施形態では、ローラー本体155は、絶縁材料、例えば高密度ポリエチレンなどのポリマー材料により形成される。代替的実施形態では、ローラー本体155は、少なくとも部分的に絶縁材料でコーティングされる。ローラー本体155は、軸(不図示)が挿入される開口160と、複数のスロット165とを含む。各スロット165は、シールバー150の1つを保持する。1つのシールバー150が、スロット165に取り付けられていることが図示されている。
【0088】
一実施形態では、スロット165は、シールバー150よりもわずかに狭いので、シールバー150は、スロット165内に圧入されて保持可能である。一実施形態では、スロット165は、シールバー150の電極185、186と接触する電極を含む。電極は、スズでコーティングされた銅、又はその他の適切な導電性材料製である。
【0089】
ローラー145の軸は、例えばサーボモーターによって駆動される。一実施形態では、制御システムが、ローラー145の回転速度を調整して、横方向へりが結合可能材料上の位置合わせマーカーと正確に位置合わせされるようにする。
【0090】
ローラー145を回転駆動することにより、シールを形成するシールバー150が、シールされる結合可能材料120、121と実質的に同速で移動することが保証される。これにより、高品質のシールが形成される。ローラー145が駆動されず、代わりに自由回転する場合、シールバー150は、結合可能材料120、121に対して滑ってしまい得る。これは低品質のシールにつながる。更に、制御システムを使用して横方向へりを正確に位置合わせすることも不可能となる。
【0091】
各シールバー150は、ローラー145から外方に延在して、充填製品110の個々の貯蔵部135を含む間隙を画定する。図示の実施形態では、間隙は、シールバー150の間に延在するローラー145の略平坦部位170によって画定される。
【0092】
代替的実施形態では、ローラー145は、充填製品110の個々の貯蔵部135を含む任意のその他適切な形状であり得る。例えば、シールバー150の間に延在するローラー145の部位170は、凸形状又は凹形状を有することができる。
【0093】
シールバー150の外面間の間隔は、パッケージ105の容積の長手方向の寸法を決定する。図示の実施形態では、回転式インパルスパドルシーラー130は、径方向に約40mmの間隔を空けて配置された8つのシールバー150を有する。
【0094】
代替的実施形態では、任意の適切な間隔を有する任意の適切な数のシールバーを使用して、所望のパッケージ寸法を実現してもよい。図示の実施形態では、シールバー150は、ローラー145の周りに等間隔で配置されている。シールバー150の少なくとも1つは、ローラー軸に略平行な長手方向軸を有する。図示の実施形態では、すべてのシールバー150が、ローラー軸に実質的に平行な長手方向軸を有する。図示のシールバー150の配置により、長手方向へりに対して略直交する横方向へりを有するパッケージが生成される。
【0095】
代替的実施形態では、シールバー150は等間隔ではない。
【0096】
代替的実施形態では、シールバーの少なくとも1つは、ローラー軸と平行でない長手方向軸を有する。これは、例えば、ローラーがそれを中心に回転可能な軸と平行にならないように配置された、少なくとも1つのスロットを設けることによって実現可能である。一実施形態では、シールバー150は、長手方向へりに直交しない横方向へりを形成するように角度が付けられている。
【0097】
代替的実施形態では、シールバーは、非直線的横方向へりを形成するように適合されている。例えば、シールバーは、湾曲した形状を有する横方向へりを形成するように成形され得る。これは、例えば、ローラーがそれを中心に回転可能な軸と平行にならないように成形された少なくとも1つのスロットを設けることによって実現可能である。
【0098】
図3は、例示的なシールバー150を示す。シールバー150は、シールバー本体175、加熱要素180及び電極185、186を含む。
【0099】
シールバー本体175は、ローラー145のスロット165に差し込むように構成される。シールバー150は、任意の適切な方法を使用してスロット165に取り付けられる。図示の実施形態では、シールバー本体175は、ローラー145のスロット165に圧入される実質的に長方形の断面を有する。代替的実施形態では、シールバー本体175及びローラーのスロット165は、シールバー150がスロット165内へと軸方向にスライドされると、シールバー本体175が保持されるように成形される。
【0100】
シールバー本体175は、絶縁材料であるか、又は絶縁材料を含む。シールバー本体175は、シールバー150によって結合可能材料120、121に加えられる圧力と加熱要素180からの熱の両方に耐えることができる、適切に強靭な材料から形成される。一実施形態では、シールバー本体175は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から形成される。代替的実施形態では、シールバー本体175は、絶縁材料で少なくとも部分的にコーティングされたアルミニウム合金などの導電性材料から形成される。更なる代替的実施形態において、シールバー本体175は、セラミック材料であるか、又はセラミック材料を含む。
【0101】
加熱要素180は、実質的にシールバー本体175の全長にわたって延在し、シールバー本体175の端部で折り畳まれる。加熱要素180は、導電性材料であるか、導電性材料を含む。例示的実施形態では、加熱要素180は、ニッケルクロム合金から形成される。例えば、加熱要素180は、約60%のニッケル、約16%のクロム、及び約24%の鉄を含むニッケルクロム合金から形成されてもよい。加熱要素は、任意のその他適切な加熱要素材料から形成されてもよい。図示の実施形態では、加熱要素180は、実質的にシールバー本体175の全長にわたって延びる。
【0102】
シールバー本体175がセラミック材料であるか又はセラミック材料を含む代替実施形態では、加熱要素180は、導電性粒子層などの導電性材料の薄層を含んでもよい。粒子は砂の形態であってもよい。導電性粒子は金属であってよい。導電性材料の薄層は、シールバー本体175に埋め込まれてもよい。導電性材料の薄層は、セラミックガラスの薄層でコーティングされてもよい。
【0103】
電極185、186は、シールバー本体175の端部で加熱要素180と重って、加熱要素180への電流印加を可能とする。電極は、スズでコーティングされた銅、又はその他の適切な導電性材料製である。電流は、スリップリング又は任意の他の適切な手段を介して電極に印加され得る。
【0104】
次に、流体又は流動性材料を含むパッケージを形成する方法について説明する。この方法は、工程aを含み、これは、間に流体又は流動性材料110を有する少なくとも2枚の結合可能材料のシート120、121を連続的に提供するものである。結合可能材料の2枚のシート120、121がシーラーに到達すると、次の工程として、結合可能材料120、121の横方向結合領域154に圧力を加えることを含む工程bが実行される。横方向結合領域154に圧力を印加すると、流体又は流動性材料110が結合領域から離間する。
【0105】
次の工程である工程cは、横方向結合領域154を加熱してシールを形成することを含む。好ましい方法では、工程cは、横方向結合領域に加圧及び加熱を同時に実行することを含む。
【0106】
工程cは、シールバー150の加熱要素180に電流を選択的に印加する(言い換えれば、インパルス電流を印加する)ことを含む。シールバー150は、シールバー本体175の端部で加熱要素180と重なる電極185、186を有する。インパルス電流は、ローラー145のスロット165に取り付けられた電極を介してシールバー電極185、186に印加される。電極185、186は、加熱領域Bに対応する、ローラー145の回転の一部においてチャージされて加熱要素180に電流を選択的に加えるスリップリングと、電気的に連通する。代替的実施形態では、インパルス電流は、シールバー電極185、186に直接印加されてもよい。
【0107】
インパルス時に印加される電力は、用途によって異なる。例示的実施形態では、約10V、80Aが約150~250ミリ秒間印加される。印加される電力及び/又はインパルスの持続時間は、結合可能材料の厚さ及び材料特性に応じて変化し得る。例えば、一部の用途では、約50msのインパルス持続時間で、良好な結合が実現される。代替的実施形態では、約60ms、約80ms、約100ms、約120ms、約200ms、又は約300msなど、任意の適切なインパルス持続時間を採用することができる。
【0108】
インパルス電流が印加されると、加熱要素180は約300℃に加熱される。他の実施形態では、加熱要素は、例えば約200℃、約220℃、約250℃、約270℃、約290℃、約310℃、約330℃、約350℃などのその他適切な温度に加熱される。加熱要素の温度は、結合可能材料のシート120、121の特性に応じて選択することができる。加熱要素180の温度は、結合可能材料の溶融温度よりも大幅に高くなり得る。例えば、加熱要素180の温度は、結合可能材料の溶融温度の約2倍であってよい。加熱要素180の比較的高い温度により、インパルスの比較的短い持続時間の間に、シールを形成するように、結合領域の十分な熱浸透が可能になる。結合可能材料のシート120、121が厚い程、加熱要素180をより高温にしてもよい。
【0109】
好ましい実施形態では、この方法は、横方向結合領域を加熱する工程の後に、横方向結合領域154を加圧する工程を含む工程dを更に含む。この工程は、ローラーの回転の、加熱後加圧領域Cにて発生する。加熱工程c後に加圧を実行することは、結合部を適切に硬化することに寄与し得る。代替的実施形態では、方法は工程dを含まなくてもよい。
【0110】
工程dの間、又は工程dの前に、横方向結合領域は加熱されなくなる。インパルス電流の停止によって加熱がされなくなる。したがって、工程dの間、横方向接合領域からの熱は、横方向結合領域から放出可能となる。例えば、熱は、流体又は流動性材料110、結合可能材料120、121、及び周囲環境に放出され得る。
【0111】
加熱要素180は、熱放出により120℃未満に冷却される。加熱要素180は、結合される材料に応じて、任意の適切な温度まで冷却可能である。例えば、加熱要素は、約60℃、約80℃、約100℃、約140℃又は約160℃に冷却され得る。
【0112】
工程dは、工程cの直後に実行されることが好ましい。代替的実施形態では、工程cと工程dを実行する間に間隔があってもよい。
【0113】
好ましい方法では、工程b、工程c、及び工程dを通じて連続的に圧力が印加される。一実施形態では、印加される圧力の量は、工程bの間に増加し、工程cの間に最大に達する。印加する圧力の量は、工程dの間に減少する。
代替的実施形態では、印加される圧力の量は、工程b、工程c及び工程dの大部分で比較的一定であってもよい。代替的実施形態では、工程cは、工程bと同じ、又は工程bよりも低い圧力を印加することを含み得る。好ましい実施形態では、工程cは、工程bよりも高い圧力を印加することを含む。
代替的実施形態では、工程cは、工程dと同じ、又は工程dよりも低い圧力を印加することを含み得る。
【0114】
この方法は、好ましくは、回転式インパルスシーラー130を使用して実施される。好ましい方法では、回転式インパルスシーラー130は、工程b、工程c、及び工程dを実行する。代替的実施形態では、回転式インパルスシーラー130は、工程dを実行せず、工程b及び工程cを実行してもよい。工程bは、ローラーの加熱前加圧領域Aに対応する。工程cは、ローラーの加熱領域Bに対応する。工程dは、ローラーの加熱後加圧領域Cに対応する。
【0115】
例示的実施形態では、加熱前加圧領域Aにおいて、約400ミリ秒間圧力が印加される。圧力は、加熱前加圧領域Aにおいて、任意の適切な期間にわたって印加されてもよい。最適な時間は、流体や流動性材料に応じて異なり得る。例えば、圧力は、約50ミリ秒、約60ミリ秒、約80ミリ秒、約100ミリ秒、約150ミリ秒、約200ミリ秒、約250ミリ秒、約300ミリ秒、約350ミリ秒、約450ミリ秒、約500ミリ秒、約550ミリ秒又は約600ミリ秒にわたって印加されてもよい。
【0116】
例示的実施形態では、加熱後加圧領域Cにおいて、約400ミリ秒間圧力が印加される。圧力は、加熱後加圧領域Cにおいて、任意の適切な期間にわたって印加されてもよい。最適な時間は、材料に応じて異なり得る。例えば、圧力は、約50ミリ秒、約60ミリ秒、約80ミリ秒、約100ミリ秒、約150ミリ秒、約200ミリ秒、約250ミリ秒、約300ミリ秒、約350ミリ秒、約450ミリ秒、約500ミリ秒、約550ミリ秒又は約600ミリ秒にわたって印加されてもよい。
【0117】
ローラー145の回転速度及び/又はインパルス電流のタイミング及び位置は、制御システムによって制御される。例示的実施形態では、インパルス電流は、加熱領域Bの開始に対応する、ローラー145の回転の時点で印加される。例示的実施形態では、回転式インパルスパドルシーラー130の回転において、最大圧力がシールバー150により結合可能材料120、121に印加される部分において、インパルス電流が印加される。インパルス電流が印加される回転部分の位置と長さは、制御システムを介して調整可能である。例えば、ローラー145の単一の回転は、いくつかのカウントに分割される。ローラー145の軸に関連づけられたセンサにより、回転の公称開始点が決定される。制御システムは、加熱領域Bの開始地点に対応するローラー145の回転の時点で電流が各シールバー150に最初に印加されるように、異なるいくつかのカウントで各シールバー150に電流を印加する。電流は、ユーザにより設定された期間、各シールバー150に印加される。
【0118】
本発明の好ましい実施形態は、あくまで例として説明されており、本発明の範囲から逸脱することなく、変更を加えることが可能である。