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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】現像装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20231108BHJP
   G03G 15/09 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G03G15/08 221
G03G15/09 Z
G03G15/08 366
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019055393
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020154255
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】倉本 新一
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 善史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正則
(72)【発明者】
【氏名】中島 由高
(72)【発明者】
【氏名】玉澤 紀洋
(72)【発明者】
【氏名】吉井 朋幸
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 繁
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-322915(JP,A)
【文献】特開2010-072175(JP,A)
【文献】特開平02-171787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/08
G03G 13/09
G03G 13/095
G03G 15/08
G03G 15/09
G03G 15/095
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、
前記外周面に付着し前記第1回転部材の回転に伴い移動する前記現像剤の移動経路上に突出し、当該外周面上の当該現像剤の一部の移動を規制する規制部と、
前記開口に設置され、前記第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、
を備え
前記第1回転部材は、前記収容部内に設置され、当該収容部の前記開口から外れた箇所に設けられている現像装置。
【請求項2】
前記搬送部材は、回転する部材であり、
前記搬送部材の回転中心が、前記第2回転部材の回転中心よりも上方に位置する請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
開口を有し、現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、
前記外周面に付着し前記第1回転部材の回転に伴い移動する前記現像剤の移動経路上に突出し、当該外周面上の当該現像剤の一部の移動を規制する規制部と、
前記開口に設置され、前記第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、
を備え
水平方向における位置を比べた場合に、前記第1回転部材を挟み、前記第2回転部材の設置側とは反対側に前記搬送部材が位置する現像装置。
【請求項4】
前記規制部は、前記第1回転部材を挟み前記第2回転部材の設置側とは反対側に設置されている請求項1に記載の現像装置。
【請求項5】
前記規制部のうちの、前記現像剤の移動を規制する規制面は、前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置されるとともに、当該外周面から離れる方向へ延びている請求項1に記載の現像装置。
【請求項6】
前記第1回転部材は、筒状に形成され、
前記第1回転部材の内側には、当該第1回転部材の前記外周面へ前記現像剤を付着させるための磁極が設けられ、
前記規制部は、前記第1回転部材を挟み前記磁極の対向位置に配置されている請求項1に記載の現像装置。
【請求項7】
前記規制部のうちの前記現像剤の移動を規制する規制面は、下方を向いている請求項1に記載の現像装置。
【請求項8】
開口を有し、現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、
前記外周面に付着し前記第1回転部材の回転に伴い移動する前記現像剤の移動経路上に突出し、当該外周面上の当該現像剤の一部の移動を規制する規制部と、
前記開口に設置され、前記第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、
を備え
前記規制部により移動が規制された現像剤が落下して前記搬送部材に供給されるように構成された現像装置。
【請求項9】
前記規制部および前記搬送部材を、鉛直方向における上方又は下方へ投影した場合に、当該規制部と当該搬送部材との間に重なりが生じるように当該規制部と当該搬送部材とが設けられた請求項8に記載の現像装置。
【請求項10】
開口を有し、現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、
前記外周面に付着し前記第1回転部材の回転に伴い移動する前記現像剤の移動経路上に突出し、当該外周面上の当該現像剤の一部の移動を規制する規制部と、
前記開口に設置され、前記第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、
前記第2回転部材と前記第1回転部材との間に配置され、当該第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤を当該第2回転部材へ案内する案内面と、
を備える現像装置。
【請求項11】
前記第2回転部材の外周面と前記案内面とにより挟まれる領域に、当該案内面により案内され移動してきた現像剤が溜まる請求項10に記載の現像装置。
【請求項12】
前記案内面と前記第1回転部材との間に、間隙が設けられている請求項11に記載の現像装置。
【請求項13】
前記案内面は、前記第1回転部材を挟み前記規制部の設置側とは反対側に設けられている請求項10に記載の現像装置。
【請求項14】
開口を有し、現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、
前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置され、当該外周面から離れる方向へ延び、当該外周面に付着した前記現像剤の一部の移動を規制する規制面と、
前記開口に設置され、前記外周面と前記規制面との間に位置する前記間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、
を備え
前記第1回転部材は、前記収容部内に設置され、当該収容部の前記開口から外れた箇所に設けられている現像装置。
【請求項15】
開口を有し、現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、
前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置され、当該外周面から離れる方向へ延び、当該外周面に付着した前記現像剤の一部の移動を規制する規制面と、
前記開口に設置され、前記外周面と前記規制面との間に位置する前記間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、
を備え
水平方向における位置を比べた場合に、前記第1回転部材を挟み、前記第2回転部材の設置側とは反対側に前記搬送部材が位置する現像装置。
【請求項16】
開口を有し、現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、
前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置され、当該外周面から離れる方向へ延び、当該外周面に付着した前記現像剤の一部の移動を規制する規制面と、
前記開口に設置され、前記外周面と前記規制面との間に位置する前記間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、
を備え
前記規制面により移動が規制された現像剤が落下して前記搬送部材に供給されるように構成された現像装置。
【請求項17】
開口を有し、現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、
前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置され、当該外周面から離れる方向へ延び、当該外周面に付着した前記現像剤の一部の移動を規制する規制面と、
前記開口に設置され、前記外周面と前記規制面との間に位置する前記間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、
前記第2回転部材と前記第1回転部材との間に配置され、当該第1回転部材と前記規制面との間の間隙を通って移動してきた現像剤を当該第2回転部材へ案内する案内面と、
を備える現像装置。
【請求項18】
像を保持する像保持体と、
前記像保持体に現像剤を付着させ、当該像保持体の表面に像を形成する現像装置と、
前記像保持体の表面に形成された像を記録材に転写する転写手段と、
を備え、
前記現像装置が、請求項1乃至1の何れかに記載の現像装置により構成された画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、現像剤整流空間に接する部分に発生する磁界の強度を、像保持体上にトナー像を形成する際の現像条件に応じて制御する制御手段を備えた現像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-169931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現像装置では、現像装置の開口に回転体を設置し、この回転体に付着した現像剤を被現像対象に付着させて現像を行うことがある。
現像装置では、その内部に、現像剤を搬送する搬送部材が設けられることがあり、この搬送部材から直接回転体に対して現像剤を供給すると、回転体に付着する現像剤の量が変動しやすくなる。
本発明の目的は、現像装置に設置された搬送部材から現像装置の開口に設置された回転部材に対して現像剤を直接供給する場合に比べ、現像装置の開口に設置された回転部材に対して供給される現像剤の量を安定化させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、開口を有し、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、前記外周面に付着し前記第1回転部材の回転に伴い移動する前記現像剤の移動経路上に突出し、当該外周面上の当該現像剤の一部の移動を規制する規制部と、前記開口に設置され、前記第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、を備え、前記第1回転部材は、前記収容部内に設置され、当該収容部の前記開口から外れた箇所に設けられている現像装置である。
請求項2に記載の発明は、前記搬送部材は、回転する部材であり、前記搬送部材の回転中心が、前記第2回転部材の回転中心よりも上方に位置する請求項1に記載の現像装置である。
請求項3に記載の発明は、開口を有し、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、前記外周面に付着し前記第1回転部材の回転に伴い移動する前記現像剤の移動経路上に突出し、当該外周面上の当該現像剤の一部の移動を規制する規制部と、前記開口に設置され、前記第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、を備え、水平方向における位置を比べた場合に、前記第1回転部材を挟み、前記第2回転部材の設置側とは反対側に前記搬送部材が位置する現像装置である。
請求項4に記載の発明は、前記規制部は、前記第1回転部材を挟み前記第2回転部材の設置側とは反対側に設置されている請求項1に記載の現像装置である。
請求項5に記載の発明は、前記規制部のうちの、前記現像剤の移動を規制する規制面は、前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置されるとともに、当該外周面から離れる方向へ延びている請求項1に記載の現像装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第1回転部材は、筒状に形成され、前記第1回転部材の内側には、当該第1回転部材の前記外周面へ前記現像剤を付着させるための磁極が設けられ、前記規制部は、前記第1回転部材を挟み前記磁極の対向位置に配置されている請求項1に記載の現像装置である。
請求項7に記載の発明は、前記規制部のうちの前記現像剤の移動を規制する規制面は、下方を向いている請求項1に記載の現像装置である。
請求項8に記載の発明は、開口を有し、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、前記外周面に付着し前記第1回転部材の回転に伴い移動する前記現像剤の移動経路上に突出し、当該外周面上の当該現像剤の一部の移動を規制する規制部と、前記開口に設置され、前記第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、を備え、前記規制部により移動が規制された現像剤が落下して前記搬送部材に供給されるように構成された現像装置である。
請求項9に記載の発明は、前記規制部および前記搬送部材を、鉛直方向における上方又は下方へ投影した場合に、当該規制部と当該搬送部材との間に重なりが生じるように当該規制部と当該搬送部材とが設けられた請求項8に記載の現像装置である。
請求項10に記載の発明は、開口を有し、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、前記外周面に付着し前記第1回転部材の回転に伴い移動する前記現像剤の移動経路上に突出し、当該外周面上の当該現像剤の一部の移動を規制する規制部と、前記開口に設置され、前記第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、前記第2回転部材と前記第1回転部材との間に配置され、当該第1回転部材と前記規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤を当該第2回転部材へ案内する案内面と、を備える現像装置である。
請求項11に記載の発明は、前記第2回転部材の外周面と前記案内面とにより挟まれる領域に、当該案内面により案内され移動してきた現像剤が溜まる請求項10に記載の現像装置である。
請求項12に記載の発明は、前記案内面と前記第1回転部材との間に、間隙が設けられている請求項11に記載の現像装置である。
請求項13に記載の発明は、前記案内面は、前記第1回転部材を挟み前記規制部の設置側とは反対側に設けられている請求項10に記載の現像装置である。
請求項14に記載の発明は、開口を有し、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置され、当該外周面から離れる方向へ延び、当該外周面に付着した前記現像剤の一部の移動を規制する規制面と、前記開口に設置され、前記外周面と前記規制面との間に位置する前記間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、を備え、前記第1回転部材は、前記収容部内に設置され、当該収容部の前記開口から外れた箇所に設けられている現像装置である。
請求項15に記載の発明は、開口を有し、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置され、当該外周面から離れる方向へ延び、当該外周面に付着した前記現像剤の一部の移動を規制する規制面と、前記開口に設置され、前記外周面と前記規制面との間に位置する前記間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、を備え、水平方向における位置を比べた場合に、前記第1回転部材を挟み、前記第2回転部材の設置側とは反対側に前記搬送部材が位置する現像装置である。
請求項16に記載の発明は、開口を有し、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置され、当該外周面から離れる方向へ延び、当該外周面に付着した前記現像剤の一部の移動を規制する規制面と、前記開口に設置され、前記外周面と前記規制面との間に位置する前記間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、を備え、前記規制面により移動が規制された現像剤が落下して前記搬送部材に供給されるように構成された現像装置である。
請求項17に記載の発明は、開口を有し、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に設置され、現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送される現像剤が付着する外周面を有し、回転する第1回転部材であって、当該搬送部材の横に配置され、下端部が当該搬送部材の上端部よりも下方に位置するように配置された第1回転部材と、前記第1回転部材の前記外周面との間に間隙を有して配置され、当該外周面から離れる方向へ延び、当該外周面に付着した前記現像剤の一部の移動を規制する規制面と、前記開口に設置され、前記外周面と前記規制面との間に位置する前記間隙を通って移動してきた現像剤が供給される第2回転部材と、前記第2回転部材と前記第1回転部材との間に配置され、当該第1回転部材と前記規制面との間の間隙を通って移動してきた現像剤を当該第2回転部材へ案内する案内面と、を備える現像装置である。
請求項18に記載の発明は、像を保持する像保持体と、前記像保持体に現像剤を付着させ、当該像保持体の表面に像を形成する現像装置と、前記像保持体の表面に形成された像を記録材に転写する転写手段と、を備え、前記現像装置が、請求項1乃至1の何れかに記載の現像装置により構成された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1~3の発明によれば、現像装置に設置された搬送部材から現像装置の開口に設置された回転部材に対して現像剤を直接供給する場合に比べ、現像装置の開口に設置された回転部材に対して供給される現像剤の量を安定化させることができる。
請求項4の発明によれば、第1回転部材を挟み第2回転部材の設置側とは反対側にて、現像剤の移動の規制を行うことができる。
請求項5の発明によれば、第1回転部材の外周面に倣うように規制面が設けられる場合に比べ、規制部による規制がなされずに下流側へ向かう現像剤の量を低減できる。
請求項6の発明によれば、磁極の対向位置から外れた箇所に規制部を設ける場合に比べ、規制部による規制がなされずに下流側へ向かう現像剤の量を低減できる。
請求項7の発明によれば、規制部によりその移動が規制された現像剤を下方へ落下させることが可能になる。
請求項8の発明によれば、搬送部材から第1回転部材へ供給されその後に規制部によりその移動が規制された現像剤を、この搬送部材に戻すことができる。
請求項9の発明によれば、規制部と搬送部材との間に重なりが生じるように構成されてない場合に比べ、規制部により移動が規制された現像剤を搬送部材に戻すための構成をより簡易なものにできる。
請求項10の発明によれば、案内面が設けられていない構成に比べ、第1回転部材と規制部との間の間隙を通って移動してきた現像剤が第2回転部材へ向かいやすくなる。
請求項11の発明によれば、第2回転部材の外周面と案内面とにより挟まれる領域が存在しない構成に比べ、第2回転部材の外周面に付着する現像剤の量を安定化させることができる。
請求項12の発明によれば、第2回転部材の外周面と案内面とにより挟まれる領域に溜まる現像剤を、この挟まれる領域以外の箇所へ逃がすことが可能になる。
請求項13の発明によれば、第1回転部材を挟み規制部の設置側とは反対側にて、第2回転部材へ向かう現像剤の案内を行える。
請求項14~17の発明によれば、現像装置に設置された搬送部材から現像装置の開口に設置された回転部材に対して現像剤を直接供給する場合に比べ、現像装置の開口に設置された回転部材に対して供給される現像剤の量を安定化させることができる。
請求項18の発明によれば、現像装置に設置された搬送部材から現像装置の開口に設置された回転部材に対して現像剤を直接供給する場合に比べ、現像装置の開口に設置された回転部材に対して供給される現像剤の量を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成装置の全体構成を示す図である。
図2】現像装置を説明する図である。
図3】現像装置の他の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、画像形成装置1の全体構成を示す図である。付言すると、図1は、画像形成装置1のフロント側から画像形成装置1を眺めた場合の図である。
画像形成装置1には、画像形成部10、用紙供給部20、および、定着部30が設けられている。
画像形成部10は、いわゆる電子写真方式を用いて、用紙P上に転写される画像(トナー像)を形成する。用紙供給部20は、画像形成部10への用紙Pの供給を行う。定着部30は、画像形成部10によって用紙P上に形成された画像を、用紙Pに定着させる。
【0009】
画像形成部10には、矢印Aで示す方向に回転する感光体ドラム11が設けられている。また、画像形成部10には、帯電ロール12、露光装置13、現像装置14、転写ロール15、および、清掃装置16が設けられている。
像保持体の一例としての感光体ドラム11は、円筒体により構成されている。この円筒体の表面には、感光層(図示せず)が形成されている。
【0010】
帯電ロール12は、導電性を有するゴムロール等で構成され、感光体ドラム11の帯電を行う。
露光装置13は、帯電ロール12によって帯電された感光体ドラム11に対して、レーザ光源や、LED(Light Emitting Diode)等の光源からの光を照射し、感光体ドラム11の表面に静電潜像を形成する。
【0011】
現像装置14には、現像剤が収容されている。本実施形態の現像剤は、磁性を有するキャリアと着色されたトナーとにより構成され、いわゆる2成分現像剤となっている。
現像装置14は、感光体ドラム11の表面に、現像剤を付着させ、感光体ドラム11に形成された静電潜像を、予め決められた色の現像剤で現像する。これにより、感光体ドラム11の表面に、トナーによりなる画像が形成される。
【0012】
転写手段として機能する転写ロール15は、導電性を有するロール状部材等により構成される。本実施形態では、転写ロール15と感光体ドラム11とが互いに対向している箇所が、転写部Tとなり、感光体ドラム11の表面の画像は、この転写部Tにて、搬送されてきた用紙Pに転写される。
清掃装置16には、感光体ドラム11に接触して配置される接触部材16Aが設けられ、清掃装置16は、感光体ドラム11上の付着物(トナー等)を除去する。
【0013】
用紙供給部20には、用紙Pを収容する収容容器21、収容容器21から用紙Pを送り出す送り出し機構22が設けられている。
さらに、本実施形態では、収容容器21から送り出された用紙Pを、転写部Tおよび定着部30を経由させて搬送する用紙搬送機構23が設けられている。
【0014】
定着部30には、互いに接触した状態で回転する一対の回転体31が設けられている。
この一対の回転体31のうちの、一方の回転体31の内部には、加熱源(不図示)が設けられている。
定着部30では、これら2つの回転体31によって、用紙Pの加圧および加熱が行われて、用紙P上のトナー像がこの用紙Pに定着される。
【0015】
画像形成装置1における画像形成動作について説明する。
画像形成部10では、矢印A方向に回転する感光体ドラム11が、帯電ロール12によって帯電される。次に、露光装置13による露光が行われ、感光体ドラム11の表面には、画像情報に対応した静電潜像が形成される。
その後、現像装置14による現像が行われ、感光体ドラム11の表面には、静電潜像に対応した画像(トナー像)が形成される。
【0016】
感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、感光体ドラム11の回転に伴って、転写部Tに向かう。また、収容容器21から送り出された用紙Pが、用紙搬送機構23によって、転写部Tへ搬送される。
そして、感光体ドラム11上のトナー像が、転写部Tにて、搬送されてきた用紙Pに転写される。その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着部30を通過することで加熱、加圧され、用紙P上に、このトナー像が定着される。
【0017】
図2は、現像装置14を説明する図である。
現像装置14は、現像剤をその内部に収容する収容部141を備える。収容部141は、樹脂製の収容筺体142により構成される。
収容筺体142(現像装置14)は、画像形成装置1のフロント側からリア側に向かう方向(図2の紙面と直交する方向)に沿って延びるように配置され、リア側に、奥側端部(不図示)を有し、フロント側に、手前側端部(不図示)を有する。
【0018】
収容部141には、感光体ドラム11(図1参照)と対向する箇所に、開口の一例としての開口部143が設けられている。
この開口部143には、現像ロール145が設置されている。この現像ロール145は、感光体ドラム11の表面に現像剤を付着させる。
現像ロール145は、円柱状に形成され、画像形成装置1のフロント側からリア側に向かう方向(図2の紙面と直交する方向)に沿って延びるように配置されている。
【0019】
現像ロール145には、円筒体により構成され、不図示の駆動源によって図中矢印2A方向へ回転する現像スリーブ145Aが設けられている。
また、現像ロール145には、現像スリーブ145Aの内側に配置された磁石ロール145Bが設けられている。
【0020】
第2回転部材の一例としての現像スリーブ145Aは、円筒状の部材であり、例えば、SUS等の金属により構成される。
本実施形態では、この現像スリーブ145Aの外周面145Xに、収容部141内の現像剤が供給され、次いで、この現像剤が、感光体ドラム11に供給される。
【0021】
現像スリーブ145Aは、上記のとおり、図中矢印2A方向への回転を行う。言い換えると、現像スリーブ145Aは、収容部141の内側に臨む部分(収容部141の内側に位置する部分)が上方へ移動するように、回転を行う。
さらに、本実施形態では、現像ロール145と感光体ドラム11との対向部TKにおいて、現像スリーブ145Aおよび感光体ドラム11が同方向に移動するように、現像スリーブ145Aおよび感光体ドラム11が回転する。
【0022】
磁石ロール145Bの内部には、磁界を発生させる複数の磁極が配置されている。この磁極が発生する磁界によって、トナーとキャリアとにより構成された現像剤が、現像スリーブ145Aの外周面145Xに付着する。
また、本実施形態では、現像スリーブ145Aが、図中、反時計回りに回転することにより、現像スリーブ145Aの外周面145Xに付着した現像剤が、対向部TKまで移動する。
【0023】
また、図2に示すように、収容部141の内部には、現像剤の搬送を行う第1搬送部材146、第2搬送部材147、第3搬送部材148が設けられている。
第1搬送部材146、第2搬送部材147、第3搬送部材148の各々には、不図示の駆動源により回転する回転軸140Aと、この回転軸140Aの周りに設けられ現像剤を回転軸140Aの軸方向に押し出す押し出し部140Bとが設けられている。
押し出し部140Bは、回転軸140Aの周りに設けられている。また、押し出し部140Bは、螺旋状に形成されている。
【0024】
本実施形態では、水平方向における位置を比べた場合に、現像ロール145に最も近い側に、第1搬送部材146が設けられ、現像ロール145から最も離れた側に、第3搬送部材148が設けられている。
また、水平方向において、第1搬送部材146と第3搬送部材148との間に、第2搬送部材147が位置する。
【0025】
また、本実施形態では、鉛直方向における位置を比べた場合に、最も下方に、第1搬送部材146が設けられ、最も上方に、第3搬送部材148が設けられている。
また、鉛直方向において、第1搬送部材146と第3搬送部材148との間に、第2搬送部材147が位置する。
【0026】
さらに、各搬送部材の回転中心C1と、現像スリーブ145Aの回転中心C2とを比べた場合に、本実施形態では、第1搬送部材146、第2搬送部材147の回転中心C1が、現像スリーブ145Aの回転中心C2よりも下方に位置する。
また、第3搬送部材148の回転中心C1が、現像スリーブ145Aの回転中心C2よりも上方に位置する。
【0027】
第1搬送部材146は、画像形成装置1のフロント側からリア側に向かう方向に沿って延びるように配置され(図2の紙面と直交する方向に沿って延びるように配置され)、現像剤を、例えば、図2の紙面の奥側方向へ搬送する(画像形成装置1のリア側へ搬送する)。
【0028】
また、第2搬送部材147も、画像形成装置1のフロント側からリア側に向かう方向に沿って延びるように配置されている(図2の紙面と直交する方向に沿って延びるように配置されている)。
第2搬送部材147は、現像剤を、例えば、図2の紙面の手前側方向へ搬送する(画像形成装置1のフロント側へ搬送する)。
【0029】
また、第3搬送部材148も、画像形成装置1のフロント側からリア側に向かう方向に沿って延びるように配置されている(図2の紙面と直交する方向に沿って延びるように配置されている)。
第3搬送部材148は、現像剤を、例えば、図2の紙面の奥側方向へ搬送する(画像形成装置1のリア側へ搬送する)。
【0030】
さらに、本実施形態では、収容筺体142の内部の空間が、仕切り壁150により仕切られ、収容筺体142の内部には、第1搬送部材146を収容する第1収容空間171、第2搬送部材147を収容する第2収容空間172、第3搬送部材148を収容する第3収容空間173が設けられている。
【0031】
仕切り壁150は、収容筺体142の長手方向における全域に亘って形成されておらず、収容筺体142の奥側端部および手前側端部では、仕切り壁150は、設けられていない。
付言すると、収容筺体142の長手方向における両端部には、仕切り壁150が形成されていない非形成部分が存在する。
これにより、本実施形態では、現像剤が、第1収容空間171、第2収容空間172、第3収容空間173の順に移動する。
【0032】
具体的には、本実施形態では、第1搬送部材146により、第1収容空間171内の現像剤が、図2の紙面の奥側方向に向かって搬送される。そして、この現像剤は、収容筺体142の奥側端部に到達すると、非形成部分を通って、第2収容空間172へ移動する。
そして、第2収容空間172へ移動した現像剤は、第2搬送部材147により、収容筺体142の手前側端部へ搬送される。そして、この現像剤は、手前側端部に設けられた非形成部分を通って、第3収容空間173へ移動する。
そして、第3収容空間173へ移動したこの現像剤は、第3搬送部材148により収容筺体142の奥側端部へ搬送される。
【0033】
なお、第3搬送部材148により搬送される現像剤のうちの、移動用ロール(後述)への供給が行われずに収容筺体142の奥側端部に達した現像剤は、奥側端部に設けられた非形成部分を通って、第2収容空間172へ移動する。
そして、第2収容空間172へ移動したこの現像剤は、この第2収容空間172を経て、第3収容空間173へ再び供給される。
本実施形態では、第2収容空間172と第3収容空間173とによって、現像剤が循環移動する環状の経路が設けられた構成となっている。
【0034】
さらに、本実施形態では、第3搬送部材148に隣接する箇所に、現像剤を、第3搬送部材148から現像ロール145へ移動させるための移動用ロール200が設けられている。
移動用ロール200は、画像形成装置1のフロント側からリア側に向かう方向に沿って延びるように配置されている(図2の紙面と直交する方向に沿って延びるように配置されている)。
【0035】
また、移動用ロール200は、第3搬送部材148に沿った状態で配置されている。
また、移動用ロール200には、円筒体により構成され不図示の駆動源により回転する移動用スリーブ210、移動用スリーブ210の内側に配置された磁石ロール220が設けられている。
【0036】
第1回転部材の一例としての移動用スリーブ210は、円筒状の部材であり、例えば、SUS等の金属により構成される。
本実施形態では、磁石ロール220にて発生する磁力により、この移動用スリーブ210の外周面210Aに、第3搬送部材148により搬送される現像剤が付着する。
【0037】
そして、本実施形態では、移動用スリーブ210の外周面210Aに付着した現像剤は、移動用スリーブ210の回転に伴い、下流側へ移動する。
移動用スリーブ210は、図中矢印2B方向への回転を行う。言い換えると、移動用スリーブ210は、第3搬送部材148側に位置する部分が上方へ移動するように、回転を行う。
【0038】
磁石ロール220の内部には、磁界を発生させる複数の磁極が配置されている。本実施形態では、この磁極が発生する磁界によって、現像剤が、移動用スリーブ210の外周面210Aに付着する。
また、本実施形態では、移動用スリーブ210が、図中矢印2B方向への回転を行うことによって、移動用スリーブ210の外周面210Aに付着した現像剤が、下流側へ移動する。
【0039】
さらに、本実施形態では、移動用スリーブ210の外周面210Aの対向位置に、移動用スリーブ210の外周面210A上の現像剤の移動を規制する規制部300が設けられている。
規制部300は、移動用スリーブ210の回転に伴い移動する現像剤の移動経路R上に突出し、この移動経路R上に位置する現像剤の一部の移動を規制する。
付言すると、規制部300は、移動経路Rの側方からこの移動経路R上に突出し、下流側へ向かって移動する現像剤の一部の移動を規制する。
【0040】
規制部300は、移動用ロール200を挟み現像ロール145の設置側とは反対側に設けられている。
また、規制部300は、移動する現像剤が突き当たる規制面310を備え、この規制面310を用いて、現像剤の一部の移動を規制する。
規制面310は、現像剤の移動方向における上流側を向いている。また、規制面310は、鉛直方向における下方側を向いている。
【0041】
さらに、規制面310(規制部300)は、移動用スリーブ210の外周面210Aとの間に間隙G1を有して配置され、また、外周面210Aから離れる方向へ延びるように配置されている。
付言すると、本実施形態では、移動用スリーブ210の外周面210Aと、規制面310の端部(外周面210A側の端部)との間に間隙G1が設けられている。
また、本実施形態では、規制面310は、移動用スリーブ210の径方向に沿うように配置されている。
【0042】
また、本実施形態では、規制部300は、移動用スリーブ210を挟み、磁極の対向位置に配置されている。付言すると、本実施形態では、磁石ロール220に、磁界を発生させる複数の磁極が設けられているが、規制部300は、この複数の磁極に含まれる1つの磁極の対向位置に配置されている。
磁極の対向位置では、現像剤の穂立ちが生じやすくなり、磁極の対向位置に規制部300を設けると、穂立ちの状態にある現像剤の移動が規制されるようになる。
【0043】
さらに、本実施形態では、規制部300は、第3搬送部材148の上方に配置されている。より具体的には、本実施形態では、規制部300および第3搬送部材148を、鉛直方向における上方又は下方へ投影した場合に、規制部300と第3搬送部材148との間に重なりが生じるように、規制部300および第3搬送部材148が配置されている。
さらに、本実施形態では、第3搬送部材148の回転中心C1よりも上方に、移動用スリーブ210の回転中心C3が位置している。
【0044】
本実施形態では、移動用スリーブ210の外周面210Aに現像剤が付着すると、この現像剤は、移動用スリーブ210の回転に伴い、下流側へ移動する。
付言すると、本実施形態では、移動用スリーブ210の回転中心C3を通る水平面Hを想定した場合に、移動用スリーブ210の外周面210Aのうちのこの水平面Hよりも下方に位置する部分に対して、第3搬送部材148からの現像剤が付着する。
移動用スリーブ210の外周面210Aへ付着した現像剤は、移動用スリーブ210の回転に伴い上方へ向かう。
【0045】
そして、本実施形態では、この現像剤は、水平面Hよりも上方に配置されている規制部300に達する。現像剤が、規制部300へ達すると、一部の現像剤は、下流側への移動が規制されるようになる。
また、他の現像剤については、移動用スリーブ210と規制部300との間の間隙G1を通って下流側へ移動する。
【0046】
ここで、現像ロール145への現像剤の供給に際しては、例えば、第3搬送部材148に隣接させて現像ロール145を設け、第3搬送部材148から直接現像ロール145へ、直接、現像剤を供給する態様も考えられる。
ところで、この場合、現像ロール145から感光体ドラム11へ供給される現像剤にむらが生じやすくなる。
【0047】
具体的には、第3搬送部材148により現像剤が搬送されている際には、現像剤が攪拌されながら現像剤が搬送される状態となっており、この状態にて、第3搬送部材148から現像ロール145へ現像剤を供給すると、現像ロール145に付着する現像剤にむらが生じやすくなる。特に、第3搬送部材148による現像剤の搬送速度が大きいと、このむらが生じやすくなる。
そして、この場合、現像ロール145から感光体ドラム11へ供給される現像剤にもむらが生じやすくなる。
【0048】
これに対し、本実施形態のように、現像剤の移動を規制する規制部300を設けると、現像剤が均されるようになり、現像ロール145へ供給される現像剤のむらが低減される。
そして、この場合、現像ロール145から感光体ドラム11へ供給される現像剤のむらが低減される。
【0049】
なお、本実施形態では、規制部300の規制面310は、下方を向いており、これにより、この規制面310に突き当たり移動が規制された現像剤は、下方へ落下する。
また、本実施形態では、規制部300の下方に、第3搬送部材148が位置しており、規制部300により移動が規制され落下した現像剤は、第3搬送部材148へ供給される。
【0050】
さらに、本実施形態では、上記のとおり、規制部300および第3搬送部材148を、鉛直方向における上方又は下方へ投影した場合に、規制部300と第3搬送部材148との間に重なりが生じるように、規制部300および第3搬送部材148が配置されている。
この場合、規制部300により移動が規制された現像剤を、単に下方へ落下させるだけで、第3搬送部材148へのこの現像剤の供給を行える。
【0051】
ここで、規制部300および第3搬送部材148を、鉛直方向における上方又は下方へ投影した場合に、規制部300と第3搬送部材148との間に重なりが生じない構成であると、規制部300により落下した現像剤を第3搬送部材148へ移動させるための構成が別途必要になる。
これに対し、規制部300および第3搬送部材148を、鉛直方向における上方又は下方へ投影した場合に、規制部300と第3搬送部材148との間に重なりが生じる構成であると、この移動させるための構成の省略を行える。
【0052】
また、本実施形態では、図2に示すように、移動用スリーブ210の回転方向において、規制部300の下流側には、移動してきた現像剤を、現像ロール145へ案内する案内面90が設けられている。
付言すると、規制部300の下流側には、移動用スリーブ210と規制部300との間の間隙G1を通って移動してきた現像剤を、現像ロール145へ案内する案内面90が設けられている。
【0053】
この案内面90は、現像ロール145と移動用ロール200との間に配置されている。
また、案内面90は、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。より具体的には、案内面90は、現像ロール145に向かって下るように配置されている。
また、案内面90は、移動用ロール200を挟み、規制部300の設置側とは反対側に設けられている。
【0054】
さらに、本実施形態では、現像スリーブ145Aの外周面145Xと案内面90とにより挟まれる領域に(図中、符号2Xで示す直線よりも矢印2Yで示す方向側に位置する領域に)(外周面145Xと案内面90との間に位置する空間に)、案内面90により案内されて移動してきた現像剤が溜まる構成となっている。
このように、現像剤が溜まる構成であると、現像剤が溜まらない構成に比べ、現像スリーブ145Aの外周面145Xに対して現像剤がより安定的に供給され、現像スリーブ145Aの外周面145Xに付着する現像剤のむらが低減される。
【0055】
さらに、現像装置14には、現像ロール145の上方に、層規制部151が設けられている。この層規制部151は、現像ロール145との間に間隙G2を有した状態で配置されている。また、層規制部151は、現像スリーブ145Aの回転方向において、案内面90よりも下流側に配置されている。
層規制部151は、現像スリーブ145Aの外周面145Xに付着した現像剤の一部の移動を規制して、現像スリーブ145Aの表面に付着した現像剤の厚さを予め定められた厚さとする。
【0056】
また、本実施形態では、層規制部151と案内面90との間に、現像剤が溜まるようになる。これにより、現像スリーブ145Aの外周面145Xに対して現像剤がより安定的に供給され、この外周面145Xに付着する現像剤のむらが低減される。
【0057】
付言すると、本実施形態では、案内面90の対向位置に、層規制部151が設けられ、案内面90と層規制部151との間に、現像剤が溜まる溜まり空間2Zが存在する。
これにより、現像スリーブ145Aの外周面145Xに対して現像剤がより安定的に供給され、現像スリーブ145Aの外周面145Xに付着する現像剤のむらが低減される。
【0058】
さらに、本実施形態では、案内面90と移動用スリーブ210との間に、間隙G3が設けられている。
本実施形態では、溜まり空間2Zに溜まる現像剤が多くなると、溜まり空間2Zの現像剤や、この溜まり空間2Zに対して上流側から新たに供給された現像剤が、この間隙G3を通って下方へ落下する。
これにより、溜まり空間2Zに対して現像剤が過度に供給されることが抑制され、現像剤の圧縮等に起因する現像剤の詰まりなどが生じにくくなる。
【0059】
また、本実施形態の現像装置14には、現像ロール145の下方に、現像ロール145に対向する下方対向部152が設けられている。
本実施形態では、層規制部151と下方対向部152との間に、開口部143が設けられ、この開口部143に、現像ロール145が設置されている。
【0060】
なお、上記では、現像剤の移動経路R上に突出する規制部300を設け、この規制部300の側面を、現像剤の移動を規制する規制面310とする場合を一例に説明した。付言すると、上記では、移動経路R上に突出する突出部を設け、この突出部が有する面で、現像剤の移動を規制する場合を一例に説明した。
ところで、図3(現像装置14の他の構成例を示した図)に示すように、規制面310は、このような突出部を設けないでも設置することができる。
図3に示す構成例では、収容部141の内面の一部が、現像剤の移動方向と交差する方向に延びており、この内面の一部を、現像剤の移動を規制する規制面310としている。
【符号の説明】
【0061】
1…画像形成装置、14…現像装置、141…収容部、145A…現像スリーブ、148…第3搬送部材、210…移動用スリーブ、300…規制部
図1
図2
図3