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特許7379845半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイス、電子機器および移動体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイス、電子機器および移動体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20231108BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20231108BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20231108BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H01L21/88 T
H01L21/92 602J
H01L21/92 604J
H01L21/60 301N
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019062586
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020161764
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】石川 博也
【審査官】船越 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-012738(JP,A)
【文献】特開平10-340920(JP,A)
【文献】特開平07-335690(JP,A)
【文献】特開2017-112576(JP,A)
【文献】特開2020-107787(JP,A)
【文献】特開2014-033105(JP,A)
【文献】特開2013-004781(JP,A)
【文献】特開平05-029476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられている電極パッドと、
開口部を有して、前記半導体基板上および前記電極パッドの前記半導体基板側とは反対の側の面上に設けられ、平面視で前記電極パッドの一部と重なるパッシベーション膜と、
平面視での前記開口部の内側において、前記電極パッドの前記半導体基板側とは反対の側の面上に設けられている第1導体層と、
断面視で前記電極パッドと前記パッシベーション膜との間に設けられ、前記電極パッドより光反射率が低い第2導体層と、
を備え、
前記第1導体層は、断面視で前記電極パッドと前記パッシベーション膜との間にも設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2導体層が設けられている部分における前記電極パッドの厚さは、前記第1導体層が設けられている部分における前記電極パッドの厚さより厚い請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1導体層の主材料はNiまたはNi合金であり、前記第1導体層の厚さは2.0μm以上10.0μm以下である請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1導体層の前記電極パッドとは反対の面上に設けられ、PdまたはPd合金を主材料とする第3導体層と、
前記第3導体層の前記第1導体層とは反対の面上に設けられ、AuまたはAu合金を主材料とする第4導体層と、
を備える請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2導体層の主材料はTiN、TiONまたはTi合金であり、前記第2導体層の厚さは10nm以上100nm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記電極パッドの主材料はAlまたはAl合金であり、前記電極パッドの厚さは0.1μm以上5.0μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記電極パッドの前記半導体基板とは反対側の面側に設けられているボンディングワイヤーまたはスタッドバンプを備える請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
電極パッドを有する半導体ウエハーを用意する工程と、
前記電極パッド上に、前記電極パッドより光反射率が低い反射防止膜を形成する工程と、
前記半導体ウエハー上および前記反射防止膜上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜をパターニングして開口部を形成し、パッシベーション膜を得るとともに、前記開口部の内側に対応する領域の前記反射防止膜を除去し、断面視で前記電極パッドと前記パッシベーション膜との間に設けられる第2導体層を得る工程と、
前記電極パッドに対しエッチング処理を施し、前記電極パッドのうち、前記パッシベーション膜で覆われている部分の一部をエッチングする工程と、
前記電極パッドの、前記開口部の内側に対応する領域に第1導体層を形成するとともに、断面視で前記電極パッドと前記パッシベーション膜との間に前記第1導体層を設ける工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体装置を備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項10】
振動子を備え、
前記半導体装置は、前記振動子を発振させる発振回路を含む請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項11】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体装置を備えることを特徴とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイス、電子機器および移動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体チップの表面に設けられたAl電極と、Al電極が露出するように開口部が形成されているパッシベーション膜と、Al電極上に設けられたTiN層およびCu層と、Cu層の上に設けられたCuやAu等からなるメタルポストと、メタルポストの上に設けられた半田ボールと、を有する半導体装置が開示されている。
【0003】
このうち、TiN層は、バリアメタルとして、開口部によりパッシベーション膜から露出しているAl電極面に設けられている。また、特許文献1では、このTiN層が開口部の内壁やパッシベーション膜の上面にかけて延在するように設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-164621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、本発明者は、TiN層が一部の金属に対して密着性を低下させることを見出した。このような密着性の低下は、TiN層上にCu層やNi層のような導体層を配置した場合に、接合界面にポーラスを生じさせ、接合強度の低下を招く。
【0006】
その一方、TiN層は、フォトリソグラフィーを用いてパッシベーション膜をパターニングする際、反射防止膜として機能するという利点もある。すなわち、TiN層はAlに比べてフォトリソグラフィーに用いる光の波長における反射率が低い。このため、Al電極のような電極パッド上にTiN層を設けておくことにより、Al電極を覆うように設けられたパッシベーション膜をパターニングする際、光の反射を抑制することができる。その結果、パターニング精度が低下するのを抑制することができる。
【0007】
以上を踏まえると、パッシベーション膜のパターニング精度を維持しながら、電極パッドとその上に設けられる導体層との接合強度の低下を抑制することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の適用例に係る半導体装置は、半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられている電極パッドと、
開口部を有して、前記半導体基板上および前記電極パッドの前記半導体基板側とは反対の側の面上に設けられ、平面視で前記電極パッドの一部と重なるパッシベーション膜と、
平面視での前記開口部の内側において、前記電極パッドの前記半導体基板側とは反対の側の面上に設けられている第1導体層と、
断面視で前記電極パッドと前記パッシベーション膜との間に設けられ、前記電極パッドより光反射率が低い第2導体層と、
を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る半導体装置を含む半導体デバイスを示す斜視図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図2のB部拡大図である。
図4図2に示す半導体チップの変形例である。
図5図2に示す半導体チップを製造する方法を示す工程図である。
図6図2に示す半導体チップの製造方法を説明するための図である。
図7図2に示す半導体チップの製造方法を説明するための図である。
図8図2に示す半導体チップの製造方法を説明するための図である。
図9図2に示す半導体チップの製造方法を説明するための図である。
図10図2に示す半導体チップの製造方法を説明するための図である。
図11図2に示す半導体チップの製造方法を説明するための図である。
図12図2に示す半導体チップの製造方法を説明するための図である。
図13図2に示す半導体チップの製造方法を説明するための図である。
図14図2に示す半導体チップの製造方法を説明するための図である。
図15】第2実施形態に係る半導体装置の部分拡大図である。
図16】実施形態に係る電子デバイスである発振器を示す断面図である。
図17】実施形態に係る電子機器であるモバイル型のパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
図18】実施形態に係る電子機器である携帯電話機を示す平面図である。
図19】実施形態に係る電子機器であるデジタルスチールカメラを示す斜視図である。
図20】実施形態に係る移動体である自動車を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイス、電子機器および移動体を、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0011】
≪第1実施形態≫
<半導体装置>
まず、第1実施形態に係る半導体装置について説明する。
【0012】
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を含む半導体デバイスを示す斜視図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図3は、図2のB部拡大図である。なお、本明細書において、「面上に設けられる」や「基板上に設けられる」のように「~上に設けられる」としているのは、その面や基板等に接して設けられている状態、または、その面や基板等に任意の介在物を介して設けられている状態、のいずれかを指している。
【0013】
図1に示す半導体デバイス1は、ダイパッド2と、ダイパッド2上に設けられている半導体チップ3(半導体装置)と、リード4と、を有している。そして、これらの各部は、図示しないモールド樹脂で被覆されている。
【0014】
すなわち、図1に示す半導体デバイス1は、実施形態に係る半導体装置である半導体チップ3をパッケージに実装してなるデバイスである。なお、図1に示すパッケージ構造は一例であり、図1に示すQFP(Quad Flat Package)のようなリードフレーム型のパッケージであってもよく、BGA(Ball Grid Array)、PGA(Pin Grid Array)のようなフェイスダウン型のパッケージであってもよい。
【0015】
このうち、半導体チップ3は、図2に示すように、半導体基板31と、電極パッド32と、パッシベーション膜33と、第1導体層34と、第2導体層35と、電極パッド32とリード4とを接続しているボンディングワイヤー51と、を備えている。以下、各部について説明する。
【0016】
半導体基板31は、例えば図示しない集積回路が形成されているSi基板やその他の半導体材料で構成されている板状の小片である。
【0017】
電極パッド32は、集積回路の外部接続用の電極となるパッドである。電極パッド32は、膜状をなし、半導体基板31上に所定の間隔を開けて複数配置されている。
【0018】
電極パッド32の主材料は、導電性材料であれば特に限定されないが、AlまたはAl合金であるのが好ましい。これらは、導電性が高いため、電極パッド32の主材料として有用である。なお、本明細書において主材料とは、含有率が80質量%以上の構成材料のことをいう。
【0019】
電極パッド32の厚さは、0.1μm以上5.0μm以下であるのが好ましく、0.5μm以上4.5μm以下であるのがより好ましい。電極パッド32の厚さを前記範囲内に設定することにより、電極パッド32の表面がエッチング等の処理に供された場合でも、導電性が低下しない程度の厚さを維持することができる。
【0020】
パッシベーション膜33は、半導体基板31上、および、電極パッド32の半導体基板31とは反対の面322上に設けられている。そして、パッシベーション膜33は、その厚さ方向からの平面視において、電極パッド32と重なる開口部332を有している。なお、開口部332は、パッシベーション膜33が電極パット32と平面視で重なる部分を、所定形状にエッチングすることで形成される。従って、平面視で、電極パッド32の開口部332の内側には、パッシベーション膜33が形成されていないことになる。換言すれば、開口部332は、電極パッド32の外縁よりも内側に設けられ、電極パッド32の中央部326をパッシベーション膜33より露出させている。パッシベーション膜33は、半導体基板31上から電極パッド32の側面を経て、電極パッド32の外縁部324に重なるまで延在していることになる。
【0021】
パッシベーション膜33の主材料は、絶縁性材料であれば特に限定されないが、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のような無機材料の他、有機材料等が挙げられる。
【0022】
パッシベーション膜33の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上5.0μm以下であるのが好ましく、0.3μm以上3.0μm以下であるのがより好ましい。
【0023】
第1導体層34は、開口部332内の、電極パッド32の半導体基板31とは反対の面である中央部326上に設けられている。第1導体層34は、図2に示すように、開口部332を充填するとともに、開口部332の外側、具体的には電極パッド32の外縁部324を覆っているパッシベーション膜33上にも延在しているのが好ましい。このような構成によれば、電極パッド32と第1導体層34とでパッシベーション膜33を挟み込むことができる。
【0024】
第1導体層34の主材料は、導電性材料であれば特に限定されないが、NiまたはNi合金であるのが好ましい。これらは、電極パッド32の構成材料として用いられることが多いAlやAl合金との接合性が良好であるため、第1導体層34の主材料として有用である。
【0025】
第1導体層34の厚さは、2.0μm以上10.0μm以下であるのが好ましく、3.0μm以上5.0μm以下であるのがより好ましい。第1導体層34の厚さをこの範囲内にすることにより、第1導体層34に十分な緩衝機能を付与することができる。これにより、例えば第1導体層34上にボンディングワイヤー51を接合する際、大きな荷重が加わっても、その荷重が電極パッド32側に伝わりにくくなる。その結果、電極パッド32や半導体基板31の荷重による影響を緩和することができる。
【0026】
第2導体層35は、図3に示すように、電極パッド32とパッシベーション膜33との間に設けられている。具体的には、第2導体層35は、電極パッド32の外縁部324と、それを覆っているパッシベーション膜33と、の間に位置している。したがって、第2導体層35は、電極パッド32の中央部326上には設けられておらず、外縁部324上に選択的に設けられている。なお、第2導体層35については、後に詳述する。
【0027】
また、図2に示す半導体チップ3は、さらに、第3導体層36および第4導体層37を備えている。
【0028】
このうち、第3導体層36は、第1導体層34上、すなわち第1導体層34の電極パッド32とは反対の面上に設けられている。この第3導体層36は、第1導体層34と第4導体層37との間に介在し、双方の密着性を高め、かつ、第1導体層34が第4導体層37へ拡散するのを防ぐバリア層としての役割を果たす。
【0029】
第3導体層36の主材料は、導電性材料であって、かつ、第1導体層34および第4導体層37の双方と密着性が良好な材料であれば、特に限定されないが、例えばPdまたはPd合金が挙げられる。
【0030】
第3導体層36の厚さは、10nm以上500nm以下であるのが好ましく、30nm以上300nm以下であるのがより好ましい。これにより、前述した密着性やバリア性を高める効果が十分に発揮される。
【0031】
なお、第3導体層36は、必要に応じて設けられればよく、例えば第1導体層34と第4導体層37との密着性が良好である場合や、第1導体層34とボンディングワイヤー51等との接触抵抗が小さい場合には、省略されてもよい。
【0032】
また、第4導体層37は、第3導体層36上、すなわち第3導体層36の第1導体層34とは反対の面上に設けられている。この第4導体層37は、例えばボンディングワイヤー51の接合に寄与する。これにより、ボンディングワイヤー51との接触抵抗を低下させることができる。
【0033】
第4導体層37の主材料は、導電性材料であって、かつ、例えばボンディングワイヤー51のように半導体チップ3との電気的接続を図る部材との接触抵抗が低い材料であれば、特に限定されないが、例えばAuまたはAu合金が挙げられる。
【0034】
第4導体層37の厚さは、10nm以上500nm以下であるのが好ましく、30nm以上300nm以下であるのがより好ましい。これにより、前述した接触抵抗を低下させる効果が十分に発揮される。
【0035】
なお、第4導体層37は、必要に応じて設けられればよく、例えば第1導体層34とボンディングワイヤー51等との接触抵抗が小さい場合には、省略されてもよい。
【0036】
ボンディングワイヤー51は、その一端が半導体チップ3の第4導体層37と接合され、他端がリード4と接合されている。
【0037】
ボンディングワイヤー51の主材料は、導電性材料であれば特に限定されないが、CuまたはCu合金、AuまたはAu合金、AlまたはAl合金等が挙げられる。
【0038】
以上、半導体チップ3について説明したが、続いて、ダイパッド2およびリード4について説明する。
【0039】
ダイパッド2は、半導体チップ3を支持、固定する部材である。また、リード4は、ダイパッド2に隣り合うように設けられ、ボンディングワイヤー51を介して半導体チップ3と電気的に接続される。そして、リード4は、例えば図示しないモールド樹脂の外側まで延在しており、半導体デバイス1の外部接続端子となる。
【0040】
ここで、図4は、図2に示す半導体チップ3の変形例である。
図4では、前述したボンディングワイヤー51に代えて、スタッドバンプ52が配置されている。スタッドバンプ52は、例えばフリップチップボンディングにより、半導体チップ3を各種基板や各種パッケージに実装する際に用いられる。
【0041】
スタッドバンプ52の主材料も、ボンディングワイヤー51の主材料と同様、導電性材料であれば特に限定されないが、CuまたはCu合金、AuまたはAu合金、AlまたはAl合金等が挙げられる。
【0042】
以上のように、半導体チップ3(半導体装置)は、電極パッド32の半導体基板31とは反対側の面側に、第1導体層34、第3導体層36および第4導体層37を介して設けられているボンディングワイヤー51またはスタッドバンプ52を備えている。これにより、ワイヤーボンディングやフリップチップボンディングによって、半導体チップ3を実装することができる。なお、実装の際には、電極パッド32に荷重が加わるが、主に第1導体層34が設けられていることにより、その荷重を緩和することができる。これにより、実装時の荷重に伴う悪影響を軽減することができる。また、この効果により、電極パッド32の厚さを必要以上に厚くする必要がないため、半導体チップ3の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0043】
<半導体装置の製造方法>
次に、実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0044】
図5は、図2に示す半導体チップ3を製造する方法を示す工程図である。図6ないし図14は、それぞれ図2に示す半導体チップ3の製造方法を説明するための図である。なお、図7ないし図14は、それぞれ図6のC-C線断面図に相当する領域を示している。
【0045】
実施形態に係る半導体装置の製造方法を適用した半導体チップ3の製造方法は、図5に示すように、準備工程S01と、反射防止膜形成工程S02と、絶縁膜形成工程S03と、絶縁膜パターニング工程S04と、第2導体層形成工程S05と、第1導体層形成工程S06と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
【0046】
[1]準備工程S01
まず、図6に示す半導体ウエハー310を用意する。この半導体ウエハー310は、矩形状をなす複数のチップ領域30を有している。これらのチップ領域30は、それぞれ、個片化により半導体チップ3となる領域である。各チップ領域30には、図6および図7に示すように、電極パッド32が形成されている。なお、半導体ウエハー310が有するチップ領域30の数は1つであってもよい。
【0047】
[2]反射防止膜形成工程S02
次に、図8に示すように、電極パッド32上を覆うように反射防止膜350を形成する。反射防止膜350は、第2導体層35を形成するための膜であり、電極パッド32よりも光反射率が低い膜である。このような反射防止膜350は、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法のような各種蒸着法により成膜される。そして、得られた蒸着膜を、必要に応じてフォトリソグラフィーおよびエッチング等によりパターニングすることにより、反射防止膜350が得られる。
【0048】
[3]絶縁膜形成工程S03
次に、図9に示すように、半導体ウエハー310上および反射防止膜350上に、絶縁膜330を形成する。絶縁膜330は、パッシベーション膜33を形成するための膜である。絶縁膜330は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)のような蒸着法により成膜される。
【0049】
[4]絶縁膜パターニング工程S04
次に、絶縁膜330をパターニングする。絶縁膜330のパターニングでは、まず、図10に示すように、絶縁膜330を覆うようにフォトレジスト膜91を成膜する。
【0050】
続いて、図11に示すように、マスク92の透光部922を介してフォトレジスト膜91に光Lを照射し、フォトリソグラフィー処理、すなわち露光、現像処理を施す。これにより、フォトレジスト膜91が例えば感光性がポジ型であれば、図12に示すように、感光した部分が除去され、フォトレジスト膜91のパターニングがなされる。
【0051】
続いて、パターニングされたフォトレジスト膜91をマスクとして、絶縁膜330にエッチング処理を施す。エッチング処理には、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずれか一方または双方が用いられる。これにより、図13に示すように、絶縁膜330に開口部332が形成され、パッシベーション膜33が得られるとともに、開口部332内には電極パッド32が露出する。
【0052】
ここで、フォトリソグラフィー処理において用いる光Lは、フォトレジスト膜91に照射されるとともに、フォトレジスト膜91および絶縁膜330を透過して、反射防止膜350にも照射される。その際、仮に、反射防止膜350が存在していない場合、光Lは、電極パッド32に照射されることとなる。ところが、電極パッド32には、AlやAl合金等、比較的反射率の高い材料が用いられている。このため、照射された光Lは、電極パッド32で反射し、フォトレジスト膜91のうち、マスク92の遮蔽部924で覆われている部分にも照射されてしまうことがある。そうすると、意図していない部分にも露光処理がなされてしまい、絶縁膜330のパターニング精度が低下するという問題を生じる。
【0053】
そこで、本実施形態では、前述したように、電極パッド32上に反射防止膜350を形成している。このような反射防止膜350をあらかじめ形成しておくことにより、電極パッド32の反射率を下げることができる。これにより、光Lの反射を抑制することができ、フォトレジスト膜91の露光、現像処理における分解能の低下を抑制することができる。
【0054】
[5]第2導体層形成工程S05
次に、開口部332に対応する領域の反射防止膜350を除去する。具体的には、絶縁膜330に開口部332が形成され、パッシベーション膜33が得られると、続いて、そのパッシベーション膜33をマスクとして、反射防止膜350にエッチング処理を施す。エッチング処理には、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずれか一方または双方が用いられる。このようにして反射防止膜350をパターニングすることができ、反射防止膜350のうち、電極パッド32の中央部326に対応する部分に位置する開口部352を形成することができる。一方、反射防止膜350のうち、電極パッド32の外縁部324に対応する部分、すなわち、電極パッド32とパッシベーション膜33とで挟まれた部分には、反射防止膜350が残存する。この反射防止膜350が図13に示す第2導体層35となる。
【0055】
なお、反射防止膜350は非常に薄いため、開口部332を形成する段階で一緒に除去されてしまってもよい。つまり、絶縁膜パターニング工程S04と第2導体層形成工程S05とが同時に行われてもよい。
【0056】
ウエットエッチングで用いるエッチング液としては、例えば、ドライエッチング後残渣除去剤、レジスト剥離液、バンプ工程用レジスト剥離液等が用いられる。また、エッチング液は、有機系であるのが好ましく、pHは、10以上13以下程度の強アルカリ性であるのが好ましい。
【0057】
また、上述した強アルカリ性のエッチング液を使用した後、必要に応じて、pHが7.5以上9.0以下程度の弱アルカリ性のエッチング液を使用するようにしてもよい。これにより、電極パッド32の表面が除去されるため、その際に反射防止膜350もより確実に除去される。
その後、フォトレジスト膜91を除去する。
【0058】
なお、反射防止膜350の主材料および第2導体層35の主材料は、TiN、TiONまたはTi合金であるのが好ましい。これらは、電極パッド32よりも光Lの反射率が低いため、絶縁膜330のパターニング精度を低下させにくい。このため、反射防止膜350の主材料および第2導体層35の主材料として有用である。
【0059】
反射防止膜350および第2導体層35の厚さは、10nm以上100nm以下であるのが好ましく、20nm以上30nm以下であるのがより好ましい。反射防止膜350および第2導体層35の厚さをこの範囲内にすることにより、上述したような反射防止膜として十分に機能するとともに、膜厚がバラついたときでも途切れにくくなる。
【0060】
ここで、反射防止膜350は、前述したような反射を防止する機能を有し、その点で有用であるものの、一方で、電極パッド32の半導体基板31とは反対側の面に配設されていると、第1導体層34の形成や電極パッド32と第1導体層34との接合を阻害するという問題を生じる。
【0061】
かかる懸念に対し、本工程では、上述したようにして、開口部332内に位置する反射防止膜350を除去する。これにより、電極パッド32が露出するため、後述する工程において開口部332内に第1導体層34を形成することにより、電極パッド32と第1導体層34とを直接に接触させることができる。その結果、電極パッド32と第1導体層34との接合強度の低下を抑制することができ、第1導体層34の成形時の不具合や剥離等の不具合の発生を抑制することができる。
【0062】
[6]第1導体層形成工程S06
次に、図14に示すように、開口部332内に露出させた電極パッド32上に第1導体層34を形成する。第1導体層34は、例えばめっき法、特に無電解めっき法により成膜される。
【0063】
続いて、第3導体層36および第4導体層37を順次形成する。これらは、めっき法、特に無電解めっき法により成膜される。
【0064】
以上のようにして図6に示すチップ領域30が形成された半導体ウエハー310が得られる。その後、半導体ウエハー310を切断して個片化することにより、半導体基板31を含む半導体チップ3が得られる。
【0065】
その後、半導体チップ3をダイパッド2上に載置するとともに、ボンディングワイヤー51により、半導体チップ3とリード4とを接続する。そして、図示しないモールド樹脂で被覆することにより、半導体チップ3(半導体装置)が得られるとともに、半導体デバイス1が得られる。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、電極パッド32を有する半導体ウエハー310を用意する準備工程S01と、電極パッド32上に、電極パッド32より光反射率が低い反射防止膜350を形成する反射防止膜形成工程S02と、半導体ウエハー310上および反射防止膜350上に絶縁膜330を形成する絶縁膜形成工程S03と、絶縁膜330をパターニングして開口部332を形成し、パッシベーション膜33を得る絶縁膜パターニング工程S04と、開口部332の内側に対応する領域の反射防止膜350を除去し、断面視で電極パッド32とパッシベーション膜33との間に設けられる第2導体層35を得る第2導体層形成工程S05と、電極パッド32の開口部332の内側に対応する領域に第1導体層34、第3導体層36および第4導体層37を形成する第1導体層形成工程S06と、を有する。
【0067】
以上のような半導体装置の製造方法によれば、電極パッド32上に反射防止膜350を設けているため、絶縁膜330のパターニングを高精度に行うことができ、寸法精度の高いパッシベーション膜33が得られる。また、電極パッド32上に位置する反射防止膜350を除去する工程を含むため、電極パッド32と第1導体層34との接合強度の低下を抑制することができる。その結果、電極パッド32同士のピッチが短い場合でも、信頼性の高い半導体チップ3を歩留まりよく製造することができる。
【0068】
また、以上のような半導体チップ3(半導体装置)は、半導体基板31と、半導体基板31上に設けられている電極パッド32と、半導体基板31上および電極パッド32の半導体基板31側とは反対の側の面上に設けられ、平面視で電極パッド32の一部と重なる開口部332を有するパッシベーション膜33と、平面視での開口部332の内側において、電極パッド32の半導体基板31側とは反対の側の面上に設けられている第1導体層34と、断面視で電極パッド32とパッシベーション膜33との間に設けられ、電極パッド32よりも光反射率が低い第2導体層35と、を備えている。
【0069】
このような半導体チップ3によれば、電極パッド32とパッシベーション膜33との間に、電極パッド32よりも光Lの反射率が低い第2導体層35を選択的に設けているため、製造時には、第2導体層35が有する光反射率が低いという特長を活かしつつ、その一方で、第2導体層35による電極パッド32と第1導体層34との接合を阻害するという悪影響を排除することができる。よって、パッシベーション膜33のパターニング精度が高く、かつ、電極パッド32とその上に設けられる第1導体層34との接合強度が高い半導体チップ3を実現することができる。その結果、電極パッド32同士のピッチが短い場合でも、信頼性の高い半導体チップ3が得られる。
【0070】
なお、上記において「平面視」とは、パッシベーション膜33の厚さ方向から見ることをいう。また、「断面視」とは、パッシベーション膜33の厚さ方向と直交する方向から見ることをいう。
【0071】
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る半導体装置およびその製造方法について説明する。
図15は、第2実施形態に係る半導体装置の部分拡大図である。
【0072】
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図15において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
【0073】
第2実施形態は、電極パッド32、第1導体層34および第2導体層35の構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
【0074】
すなわち、図15では、電極パッド32の第2導体層35が設けられている第2部分328の厚さが、第1導体層34が設けられている第1部分327の厚さより厚くなっている。このように第2部分328の厚さが厚いことにより、電極パッド32の外縁部の厚さを確保することができるので、電極パッド32の信頼性を高めることができる。一方、第1部分327の厚さが薄いことにより、表面に付着していた第2導体層35が確実に除去されていることになるため、電極パッド32と第1導体層34との接合強度を高めることができる。
【0075】
第1部分327の厚さt1は、少なくとも0.2μm以上であるのが好ましい。これにより、第1部分327の機械的強度を確保することができ、信頼性を高めることができる。
【0076】
第1部分327の厚さt1と第2部分328の厚さt2との差は、特に限定されない。これにより、第1部分327において第2導体層35をより確実に除去するとともに、第2部分328の厚さを確保することができる。
【0077】
また、図15では、第1部分327がパッシベーション膜33の開口部332よりも外側に入り込んでいる。換言すれば、相対的に厚さが薄い第1部分327に対してパッシベーション膜33がオーバーラップしている。これにより、第1部分327上に設けられた第1導体層34も、第1部分327とパッシベーション膜33との間に入り込むように設けられている。
【0078】
このような構成によれば、第1導体層34は、パッシベーション膜33を挟み込んだ状態になる。つまり、第1導体層34は、パッシベーション膜33よりも図15の下方に位置する電極パッド32側に入り込むとともに、パッシベーション膜33よりも図15の上側に覆いかぶさっている。このため、断面視で電極パッド32とパッシベーション膜33との間にも第1導体層34が設けられることになり、パッシベーション膜33を第1導体層34でクランプすることができる。その結果、第1導体層34の機械的特性の向上や剥離の抑制等が可能となる。
【0079】
なお、図15に示すような第1部分327および第2部分328は、次のようにして製造される。
【0080】
まず、前述した第1導体層形成工程S06において、第1導体層34の形成に先立ち、電極パッド32に対してエッチング処理を施す。エッチング処理は、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずれか一方または双方が用いられる。エッチング処理が施されると、電極パッド32のうち、パッシベーション膜33の開口部332に対応する部分がエッチングされ、その部分の厚さが減少する。なお、このエッチングにおいて、エッチング量を増やすことにより、いわゆるサイドエッチングも進行する。サイドエッチングとは、電極パッド32のうち、パッシベーション膜33で覆われている部分もエッチングされることをいう。また、電極パッド32がエッチングされることにより、その上に設けられている第2導体層35も除去される。これにより、図15に示す第1部分327および第2部分328が形成される。
【0081】
第1導体層34が入り込んでいる長さL1は、特に限定されないが、0.03μm以上0.5μm以下であるのが好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であるのがより好ましい。これにより、第1導体層34と電極パッド32とでパッシベーション膜33をより確実にクランプすることができ、前述した剥離等を抑制することができる。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0082】
<電子デバイス>
次に、実施形態に係る電子デバイスについて説明する。
【0083】
図16は、実施形態に係る電子デバイスである発振器を示す断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図16の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
【0084】
図16に示す発振器8は、振動子82と、前述した実施形態に係る半導体装置である半導体チップ3と、これらを収容するパッケージ86と、を有している。
【0085】
振動子82としては、例えば水晶振動子等が挙げられる。また、半導体チップ3は、振動子82を発振させる発振回路の他、必要に応じて設けられる温度補償回路、出力回路、逓倍回路等を含んでいる。
【0086】
パッケージ86は、上面に開口する凹部862と、下面に開口する凹部864と、外部接続端子866と、を有している。そして、凹部862内には、振動子82が収容されている。また、凹部862は、蓋体88で封止されている。一方、凹部864には、半導体チップ3が収容されている。そして、半導体チップ3は、スタッドバンプ842を有しており、凹部864の底面に対してフリップチップボンディングによって実装されている。
【0087】
以上のように、発振器8(電子デバイス)は、振動子82を備え、半導体チップ3(半導体装置)は、振動子82を発振させる発振回路を含んでいる。半導体チップ3は、前述したように、電極パッド32同士のピッチが短い場合でも、信頼性が高い。このため、小型化および高密度化が可能でかつ信頼性の高い発振器8を実現することができる。
【0088】
なお、発振器8としては、例えば、水晶発振器(SPXO)、電圧制御水晶発振器(VCXO)、温度補償水晶発振器(TCXO)、電圧制御型SAW発振器(VCSO)、恒温槽一体型水晶発振器(OCXO)、SAW発振器(SPSO)、MEMS発振器、原子発振器等であってもよい。
【0089】
また、実施形態に係る電子デバイスとしては、発振器8以外に、例えば、ジャイロセンサー、力覚センサー、感圧センサー、圧力センサー、画像センサー、測距センサー等の各種センサー等が挙げられる。これにより、小型が可能でかつ信頼性の高い電子デバイスを実現することができる。
【0090】
<電子機器>
図17は、実施形態に係る電子機器であるモバイル型のパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
【0091】
図17において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、その作動を制御するための半導体デバイス1が内蔵されている。
【0092】
図18は、実施形態に係る電子機器である携帯電話機を示す平面図である。
図18において、携帯電話機1200は、図示しないアンテナ、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200には、その作動を制御するための半導体デバイス1が内蔵されている。
【0093】
図19は、実施形態に係る電子機器であるデジタルスチールカメラを示す斜視図である。
【0094】
図19において、デジタルスチールカメラ1300におけるケース1302の背面には表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側、すなわち図中裏面側には、光学レンズのような撮像光学系やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。そして、撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押すと、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。このようなデジタルスチールカメラ1300には、その作動を制御するための半導体デバイス1が内蔵されている。
【0095】
以上のような電子機器は、半導体チップ3(半導体装置)を含む半導体デバイス1を備える。半導体デバイス1は、小型化および高密度化が可能で、かつ、信頼性の高いものであることから、電子機器の信頼性を向上させることができる。
【0096】
なお、半導体デバイス1を備える電子機器は、図17のパーソナルコンピューター、図18の携帯電話機、図19のデジタルスチールカメラの他、例えば、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチを含む時計、例えばインクジェットプリンターのようなインクジェット式吐出装置、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル端末、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、通信機能を含む電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡のような医療機器、魚群探知機、各種測定機器、車両、航空機、船舶のような計器類、携帯端末用の基地局、フライトシミュレーター等であってもよい。
【0097】
<移動体>
図20は、実施形態に係る移動体である自動車を示す斜視図である。
【0098】
図20に示す自動車1500には、前述した半導体デバイス1が内蔵されている。半導体デバイス1は、例えば、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ブレーキシステム、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
【0099】
以上のような移動体は、半導体チップ3(半導体装置)を含む半導体デバイス1を備える。半導体デバイス1は、小型化および高密度化が可能で、かつ、信頼性の高いものであることから、移動体の信頼性を向上させることができる。
【0100】
なお、半導体デバイス1を備える移動体は、図20に示す自動車の他、例えばロボット、ドローン、二輪車、航空機、船舶、電車、ロケット、宇宙船等であってもよい。
【0101】
以上、本発明の半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイス、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、前記実施形態の構成要素は、同様の機能を有する任意の構成要素に置換することができる。また、前記実施形態には、他の任意の構成要素が付加されていてもよい。さらに、本発明の半導体装置の製造方法は、前記実施形態に任意の工程が付加されたものであってもよい。また、前述した各工程の順序は入れ替わっていてもよく、複数の工程が同時または時間的に重複して行われてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…半導体デバイス、2…ダイパッド、3…半導体チップ、4…リード、8…発振器、30…チップ領域、31…半導体基板、32…電極パッド、33…パッシベーション膜、34…第1導体層、35…第2導体層、36…第3導体層、37…第4導体層、51…ボンディングワイヤー、52…スタッドバンプ、82…振動子、86…パッケージ、88…蓋体、91…フォトレジスト膜、92…マスク、310…半導体ウエハー、322…面、324…外縁部、326…中央部、327…第1部分、328…第2部分、330…絶縁膜、332…開口部、350…反射防止膜、352…開口部、842…スタッドバンプ、862…凹部、864…凹部、866…外部接続端子、922…透光部、924…遮蔽部、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1108…表示部、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1208…表示部、1300…デジタルスチールカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1310…表示部、1500…自動車、L…光、S01…準備工程、S02…反射防止膜形成工程、S03…絶縁膜形成工程、S04…絶縁膜パターニング工程、S05…第2導体層形成工程、S06…第1導体層形成工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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