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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】水力発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/14 20060101AFI20231108BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H02K1/14 C
H02K7/18 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019071046
(22)【出願日】2019-04-03
(65)【公開番号】P2020099170
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】P 2018234501
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 恵仁斉
(72)【発明者】
【氏名】古井 直子
(72)【発明者】
【氏名】畠山 真
(72)【発明者】
【氏名】金城 政信
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-089429(JP,A)
【文献】特開2004-064966(JP,A)
【文献】特開平08-116659(JP,A)
【文献】特開2003-189584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/00- 1/16
H02K 1/18- 1/26
H02K 1/28- 1/34
H02K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口と流出口とを連通させる流路と、
前記流路を流れる水の水流の作用を受けて回転する受力体と、
前記受力体に設けられた磁石と、
前記磁石の磁力を受けて発電を行うコイルと、
前記コイルを上下から挟み込む上ヨーク及び下ヨークを備え、
前記上ヨーク及び前記下ヨークが夫々櫛歯を備え
前記上ヨーク及び前記下ヨークの位置を決める位置決め手段を備え、
前記下ヨークは、前記上ヨークの周縁部に設けられた張り出し部が圧入される凹み部を
備えており、
前記位置決め手段は、上部に前記コイル、前記上ヨーク及び前記下ヨークが載置されたケースを備え、
前記ケースは、前記コイル、前記上ヨーク及び前記下ヨークが載置された面から前記コイルの穴に向けて突出し、その内側で前記磁石が回転するキャンケースを備え、
前記キャンケースの一部が隆起して構成された隆起部が、前記上ヨークの前記櫛歯と前記下ヨークの前記櫛歯の両方と接触し、介在するように固定されることを特徴とする水力発電機。
【請求項2】
流入口と流出口とを連通させる流路と、
前記流路を流れる水の水流の作用を受けて回転する受力体と、
前記受力体に設けられた磁石と、
前記磁石の磁力を受けて発電を行うコイルと、
前記コイルを上下から挟み込む上ヨーク及び下ヨークを備え、
前記上ヨーク及び前記下ヨークが夫々櫛歯を備え
前記櫛歯の間に磁性を帯びない材料からなるスペーサーを備え、
前記下ヨークは、前記上ヨークの周縁部に設けられた張り出し部が圧入される凹み部を備えており、
前記スペーサーは、上部に前記コイル、前記上ヨーク及び前記下ヨークが載置されたケースを備え、
前記ケースは、前記コイル、前記上ヨーク及び前記下ヨークが載置された面から前記コイルの穴に向けて突出し、その内側で前記磁石が回転するキャンケースを備え、
前記キャンケースの一部が隆起して構成された隆起部が、前記上ヨークの前記櫛歯と前記下ヨークの前記櫛歯の両方と接触し、介在するように固定されることを特徴とする水力発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水力発電機に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来から発電機はコイルを金属製のヨークで挟み込むことで、磁力と電力の変換を行っているものが一般的であった。
このような場合、ヨークの櫛歯同士の距離が短いと不慮に接触してしまい、磁路が短絡してしまうといった問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、ヨークの間隔をなるべく狭くしながら、かつ短絡しないように構成することで効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、流入口と流出口とを連通させる流路と、前記流路を流れる水の水流の作用を受けて回転する受力体と、前記受力体に設けられた磁石と、前記磁石の磁力を受けて発電を行うコイルと、前記コイルを上下から挟み込む上ヨーク及び下ヨークを備え、前記上ヨーク及び前記下ヨークが夫々櫛歯を供え、前記上ヨーク及び前記下ヨークの位置を決める位置決め手段を備えたことを特徴とする水力発電機である。
このように構成することにより、ヨーク同士が直接接触することがなくなり短絡を抑制できる。また、短絡の恐れがなくなることから、ヨーク同士の間隔を狭くすることができるようになり、発電効率が向上することが期待できる。
【0005】
上記目的を達成するための請求項2記載の発明は、流入口と流出口とを連通させる流路と、前記流路を流れる水の水流の作用を受けて回転する受力体と、前記受力体に設けられた磁石と、前記磁石の磁力を受けて発電を行うコイルと、前記コイルを上下から挟み込む上ヨーク及び下ヨークを備え、前記上ヨーク及び前記下ヨークが夫々櫛歯を供え、前記櫛歯の間に磁性を帯びない材料からなるスペーサーを備えたことを特徴とする水力発電機である。
このように構成することにより、ヨーク同士が直接接触することがなくなり短絡を抑制できる。また、短絡の恐れがなくなることから、ヨーク同士の間隔を狭くすることができるようになり、発電効率が向上することが期待できる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ヨーク同士が直接接触することがなくなり短絡を抑制できる。また、短絡の恐れがなくなることから、ヨーク同士の間隔を狭くすることができるようになり、発電効率が向上することが期待できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例における水力発電機1を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例における水力発電機1を示す分解斜視図である。
図3】本発明の実施例における下ケース4を示す分解斜視図である。
図4】本発明の実施例におけるロータ8を示す分解斜視図である。
図5】本発明の実施例におけるロータ8を示す断面図である。
図6】本発明の実施例における上ケース2を示す分解斜視図である。
図7】本発明の実施例におけるコイルユニット6を示す分解斜視図である。
図8】本発明の実施例における水力発電機1を自動水栓装置の機能部10に取り付けた様子を示した斜視図である。
図9】本発明の実施例におけるコイルユニット6を示す断面図である。
図10】本発明の実施例におけるヨーク同士の接続の様子を示した模式図である。
図11】本発明の水力発電機1の変形例における上ヨーク62、下ヨーク64と、上ケース2の勘合の様子を示した模式図である。
図12】本発明の実施例におけるコネクタ接続部7の上面図を示す。
図13】本発明の実施例におけるボビン66の斜視図を示す。
図14】本発明の変形例1におけるコネクタ接続部7の斜視図を示す。
図15】本発明の変形例2におけるコネクタ接続部7の斜視図を示す。
図16】本発明の変形例3における水力発電機10の外観斜視図を示す。
図17】本発明の変形例3における水力発電機10の分解斜視図を示す。
図18】本発明の変形例3における流路規制部材48の下面図および下ケース4の上面図を夫々示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0008】
図1に本発明の実施例における水力発電機1の全体図を示す。発電機1は大きく、上ケース2と下ケース4の結合により構成されており、下ケース4に設けられた流入口40から水を取り入れ、同じく下ケース4に設けられた流出口42から水を流出させる構造となっている。
【0009】
図2に水力発電機1の分解斜視図を示す。上ケース2と下ケース4は、下ケース4に設けられたねじ部44に対して、上ケース2に設けられたねじ部20がねじ込まれることで、互いに結合するように構成されている。この際、上ケース2に取り付けられたOリング22が、下ケース4の壁部46に対して接触することによって互いに水密に軸シールするように構成されている。
【0010】
上ケース2と下ケース4の間に、狭持されるようにしてロータ8が設けられているロータ8は、その上部にマグネット80を、下部に水流をうけるフィン82をそれぞれ備えており、水流によって回転するように構成されている。
【0011】
図3に下ケース4の分解斜視図を示す。下ケース4の内部には流路規制部材48が挿入されており、これらによって流路が形成されている。流入口40から流入した水は、流路規制部材48に流入し、図示していないノズルによって加速されてロータ8へと噴流がぶつけられる。また、流路規制部材48にはシャフト50が圧入されており、このシャフト50を軸として、ロータ8が回転するように構成されている。
【0012】
図4にロータ8の分解斜視図を示す。ロータ8は、フィン82と底板84が互いにスナップフィットで固定されて形成されている。フィン82はその下部に羽板822を有しており、この部分に水流が衝突することによって、回転する。また、底板84は羽板822に衝突した水が拡散せず、回転方向に流れやすいように構成されており、これによって水流の力を、ロータ8の回転へと効率よく変換できるように構成されている。
【0013】
また、フィン82の上部には、マグネット80が同じくスナップフィットによって固定されている。このように、スナップフィットで固定することによって簡便に、ガタなく固定を行うことができるようになる。
【0014】
図5に、シャフト50に取り付けられた状態のロータ8の断面図を示す。フィン82の内部には円筒上の中空空間が設けられており、この部分にシャフト50を挿入することによって、回転可能に保持されるのである。このとき、ロータ8の両端側をもっとも狭く形成し、その間は、両端部よりも広く形成してある。このように構成することによって、シャフト50の両端側で接触して軸が大きくぶれるのを抑制できると同時に、中ほどはシャフトとロータ8内部の接触しないように構成することで、摩擦を抑制し、より効率的な回転、発電ができるように構成されている。
【0015】
図6に上ケース2の分解斜視図を示す。上ケース2はその上部にコイルユニット6が載置されるように構成されている。その状態で、上ケース2に対して、樹脂材料にて封止する所謂、ポッティングを行うことで、水密性を確保することが出来る。このとき、コイルユニット6からはコネクタ接続部7がポッティング層を突き抜けて外部に向かって伸びている。
【0016】
図7にコイルユニット6の分解斜視図を示す。コイルユニット6はボビン66に取り付けられたコイル60を、上ヨーク62と下ヨーク64で挟み込むような構成となっている。ボビン66の天面にはコイル60の端部が巻きつけられ、そこへコネクタ接続部7が設けられている。生み出された電力はこのコネクタ接続部7を通じて、外部へと伝達される仕組みとなっている。
【0017】
上ケース2には、先述したコネクタ接続部7を通すためのコネクタ接続部24が設けられている。このコネクタ接続部24は略円形の上ケース2の円周部から張り出すように構成されている。
【0018】
図8(a)に自動水栓10の機能部にとりつけられた水力発電機を、図8(b)に水力発電機周辺の拡大図を夫々しめす。水力発電機1が取り付けられた際に、この張り出したコネクタ接続部24が器具側の当接部100と接触して、上ケース2の回転を抑制することができる。これにより、上ケース2と下ケース4を相対的に回転することによるねじ固定で構成した場合であっても、使用中に上ケース2と下ケース4が回転してねじ締結が解除されてしまうことを抑制することができるようになる。
【0019】
図9にボビン66と下ヨーク64との位置決めの様子を示す。ボビン66はその柱部662に、周方向に並んだ突部664を有している。この突部662の間に下ヨーク64の櫛歯642がはまりこむことによって、下ヨーク64とボビン66とが周方向で位置決めされる。同様の仕組みで、上ヨーク62とボビン66も位置決めがなされる。これにより、上ヨーク62と下ヨーク64とが互いに相対的な位置決めがなされることになる。つまり、上ヨーク62の櫛歯622と下ヨーク64の櫛歯642の距離が決まる。このような構成とすることによって、櫛歯間の距離をつめながらも、互いの一ずれによって、接触してしまい、磁路が短絡してしまうことを抑制することができる。換言するならば、磁路の短絡を心配することなく、櫛歯間の距離をつめることができるようになり、発電効率の向上に寄与することができるようになる。
【0020】
図10にヨーク同士の接続の様子を模式的に示す。上ヨーク62はその周縁部に張り出し部624を有している。下ヨーク64には凹み部644が設けられており、この凹み部644は上部が狭く、下部が広い、逆台形の断面を有している。上ヨーク62の張り出し部624が、下ヨーク64に設けられた凹み部644に圧入されることによって、お互いに締結される。上ヨーク62と下ヨーク64は互いに磁路を形成するために、できる限り密着していることが好ましく、このような構成をとることによって、お互いの密着性を担保することができるようになる。
【0021】
図11(a)に本発明の水力発電機1の変形例における上ヨーク62、下ヨーク64と、上ケース2の勘合の様子を、図11(b)に上ケースを示す。上ケース2はそのキャンケース24の一部が隆起して隆起部26を構成している。この隆起部26が上ヨーク62の櫛歯622と下ヨーク64の櫛歯642との両方と接触し、介在するように固定される。このように構成することで、櫛歯同士が物理的に接触することを抑制でき、磁路の短絡を抑制することができる。また、櫛歯間を狭くすることができるようになり、発電効率の向上に寄与することができるようになる。
【0022】
変形例においては、上ヨーク62の櫛歯622と下ヨーク64の櫛歯642との間に、下ケース2の隆起部26が介在する構成としたが、隆起部26の変わりに、ボビン66とは独立した樹脂部材をかませてもよい。また、樹脂に限られるものではなく、磁性を帯びない(磁化されない)材料で構成すればよい。
【0023】
また、このさいに隆起部26がリブとして作用するので、強度を保ちながらもキャンケース24の側面を薄く構成することができるようになる。キャンケース24の側面を薄く構成することによって、内側で回転するマグネット80とコイル60との距離が短くなり、発電効率を上昇させることができるようになる。
【0024】
またこのときに、上ケース2のキャンケース24の天面は側面よりも厚く構成することが好ましい。天面は水圧の力を受ける上に、その外部に補強などが存在しないためである。
【0025】
なお、本変形例においては隆起部26が、上下の櫛歯に沿うような形として例示したが、隆起部26は必ずしも櫛歯に沿う必要はなく、上下の櫛歯に点接触する矩形や円形の突起であってもよい。
【0026】
図12にコネクタ接続部7の上面図を示す。コイル60で発生した電流を外部に取り出すために、コネクタ接続部7が必要となる。これは、少なくとも、ボビン66と上ヨーク62を貫通して外部へと至る流路が必要になる。つまり、上ヨーク62には、コネクタ貫通部624が設けられ、外部へと電流を流すコネクタ接続部7が露出する状態として構成されている。
【0027】
このコネクタ貫通部624は、上ヨーク62の櫛歯622と下ヨーク64の櫛歯642の間に形成される磁路にとって抵抗となるため、この間には設けないことが好ましい。具体的には、上ヨーク62の径方向で、中間付近にコネクタを設ける場合は、櫛歯622の背後の領域を避ける。
【0028】
そのほか、上ヨーク62の径方向で外側(周縁部付近)に設ける場合は、櫛歯622の背後に設けることが好ましい。(櫛歯622から出発した磁路は、櫛歯624へとむけて斜め方向に形成されるためである)
【0029】
そのほかの候補としては、櫛歯622から隣接する櫛歯622への磁路の短絡を抑制するための切り欠き626の後ろ側で、なるべく切り欠き626の近くに設けることも好ましい。
【0030】
図13にボビン66の斜視図を示す。ボビン66にはコネクタ接続部7を形成するために、ピン70が差し込まれている。このピン70にコイル60の始端と終端を絡ませることによって、電流が取り出される。また、ピン70のコイル60が絡まるのとは逆の短部、ボビン66外側端部には、リードワイヤ72がはんだづけによって接続されている。電流はこのリードワイヤ72を通じて外部へと流れていくのである。
【0031】
図14(a)には、コネクタ接続部7の変形例1を示す。この変形例1においては、ボビン66の側面方向から、図14(b)に示すような接続端子74が挿入して固定される。そして、この接続端子にリードワイヤ72とコイル60が夫々接続されることによって、コネクタ接続部7を形成している。このように構成することによって、コネクタ接続部7の電流取り出し方向を側面方向とすることができる。
【0032】
図15(a)には、コネクタ接続部7の変形例2を示す。この変形例2においては、ボビン66へコネクタ76が直接固定される。接続する際に、コネクタ76のピンコンタクト78を挿入後に折り曲げることによって、コネクタ76を固定することができるのである。そして、この折り曲げられたピンコンタクト78にコイル60の始端と終端を夫々接続することによって、外部へ電流を取り出すコネクタ接続部7が形成される。このように形成することによって、水力発電機1の製造時に、リードワイヤを接続する必要がなくなり、製造が容易になる。
【0033】
なお、本発明において上ケース2は、コイルユニット6を載置した後に、全体をポッティングすることで、コイルユニット6を防水、防滴するような構造としている。このように、コイルユニット6と水との接触を遮断することによって、コイルユニット6が錆びてしまうことを抑制できるようになる。また、ポッティング以外の手段として、上ケース2にコイルユニット6を載置した後に、パッキンつきの蓋体をかぶせることによって防水構造としてもよい。
【0034】
なお、本発明においてシャフト50の摩擦を低減するために、両もち構造としているが、シャフト50の摩擦低減のためには、そのほかにも点接触、線接触として接触面積を減らすことが考えられる。さらには、シャフトの周囲に球状をいれたり、ボールベアリング他の摺動構造を採用したりすることによって、摩擦を低減してもよい。
【0035】
また、ロータ8の上下方向の摩擦に関しても、ワッシャを利用して摩擦を低減したり、ビードをたてて摩擦を低減したりしてもよい。
【0036】
図16に本発明の変形例3における水力発電機10の外観斜視図を示す。実施例における水力発電気1と同一の部材については、同一の符号を付し、説明は省略する。
水力発電機10においては、ポッティング層の変わりに、防水カバー3が設けられている点で実施例と相違する。また、水力発電機1では、上ケース2のねじ部20と、下ケース4のねじ部44とが互いに螺合することによって結合していたが、変形例3における水力発電機10では、ビス21によって上ケース2と下ケース4とが結合されている。
【0037】
図17に本発明の水力発電機10の分解斜視図を示す。先述したように、上ケース2の上に、防水カバー3を設けている。このとき、防水カバー3は、金型内に上ケース2及びその内部に位置するコイルユニット6を位置させた状態で射出成形を行う、所謂モールド成形によって、上ケース2と一体的に形成される。
【0038】
上ケース2と一体成形した防水カバー3には、ビス貫通孔30が、下ケース4には、ビスがねじ込まれるビス穴41が、夫々設けられている。両者は対応する位置に設けられており、上ケース2と一体成形した防水カバー3と下ケース4とを、接合させた状態で、ビス貫通孔30を貫通して、ビス孔41へと図示していないビス21を螺合させることによって、上ケース2と一体成形した防水カバー3と下ケース4とが結合される。
【0039】
図18(a)に流路規制部材48の下面図を、図18(b)に下ケース4の上面図を夫々示す。流路規制部材48はその外周面が略円形に設けられており、下ケース4内部で回転してしまう恐れがある。これを回避するために、流路規制部材48には位置決め凹部486が、下ケース4には位置決め凸部49が夫々設けられており、互いに対応する位置で挿入することによって、互いの流路が接続されて水を正しく導くことが出来るように構成されるのである。なお、位置決め凹部486と位置決め凸部49は互いに回転非対象の位置に設けられており、円周方向で一義的に位置決めが出来るように構成されている。なお、位置決め凹部486は、流路規制部材48全体を均肉化するための、いわゆる肉盗みをかねている。
【符号の説明】
【0040】
1 発電機
2 上ケース
20 ねじ部
21 ビス
22 Oリング
24 コネクタ接続部
26 キャンケース
28 隆起部(スペーサー)
3 防水カバー
30 ビス貫通孔
4 下ケース
40 流入口
41 ビス孔
42 流出口
44 ねじ部
46 壁部
48 流路規制部材
480 流路
482 噴流ノズル
484 軸受け
486 位置決め凹部
49 位置決め凸部
50 シャフト
6 コイルユニット
60 コイル
62 上ヨーク
622 櫛歯
624 コネクタ貫通部
64 下ヨーク
66 ボビン
662 柱部
664 突部
68 キャンケース
7 コネクタ接続部
70 ピン
72 リードワイヤ
74 接続端子
76 コネクタ
78 ピンコンタクト
8 ロータ(受力体)
80マグネット
82 フィン
84 底板
86 逆流防止フィン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18