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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】情報管理システム、および端末装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/57 20060101AFI20231108BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20231108BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H04M1/57
H04M1/00 R
H04Q3/58 101
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019116806
(22)【出願日】2019-06-24
(65)【公開番号】P2021002815
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】加納 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】土肥 聖道
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-314691(JP,A)
【文献】特開2008-118511(JP,A)
【文献】特開平11-098252(JP,A)
【文献】特開2001-230870(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0190743(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105407242(CN,A)
【文献】特開2000-332898(JP,A)
【文献】特開2013-162243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048- G06F 3/04895
G06Q 10/00 - G06Q 10/10
G06Q 30/00 - G06Q 30/08
G06Q 50/00 - G06Q 50/20
G06Q 50/26 - G06Q 99/00
G16Z 99/00
H04M 1/00
H04M 1/24 - H04M 3/00
H04M 3/16 - H04M 3/20
H04M 3/38 - H04M 3/58
H04M 7/00 - H04M 7/16
H04M 11/00 - H04M 11/10
H04M 99/00
H04Q 3/58 - H04Q 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線網に接続される主装置と、前記主装置にネットワークを介して接続される複数台の端末装置と、を備える情報管理システムであって、
前記主装置は、
前記電話回線網を介した着信に基づき着信に対応する電話番号を出力する応答処理部を備え、
前記端末装置のそれぞれは、
前記電話番号を取得する取得部と、
前記電話番号に対応する発信元情報と前記端末装置を識別する端末情報とを関連付ける関連情報を記憶する記憶手段と、
前記電話番号の取得に応じて表示画面中にポップアップ表示される第一画面を表示、または第一画面よりも大きな第二画面を前記表示画面の中央に表示する表示部と、
前記取得部が取得した電話番号に対応する発信元情報が、前記関連情報に基づき自己と関連付けられていると判断した場合、前記表示部に前記第二画面を表示させる選択部と、を備え
前記表示部は、
前記第一画面を表示させてから所定時間経過後に前記第一画面を消滅させ、前記第二画面に対する操作によって前記第二画面を消滅させ
情報管理システム。
【請求項2】
前記端末装置と前記ネットワークを介して接続されるネットワーク接続記憶装置を備え、
前記ネットワーク接続記憶装置は、
前記端末装置の前記表示部がそれぞれ機能しているか否かを取得して端末状態情報を生成する状態情報処理部を備え、
前記端末装置の取得部は、
前記主装置に接続される他の端末装置の取得部が機能しているか否かを示す端末状態情報を取得し、
前記選択部は、前記取得部が取得した電話番号に対応する発信元情報が、前記関連情報に基づき他の端末装置と関連付けられていると判断し、かつ前記端末状態情報に基づき前記他の端末装置の取得部が機能していないと判断した場合、前記表示部に前記第二画面を表示させる
請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
電話回線網に接続される主装置にネットワークを介して接続される端末装置であって、
着信に基づいて前記主装置が出力する電話番号を取得する取得部と、
前記電話番号に対応する発信元情報と前記端末装置を識別する端末情報とを関連付ける関連情報を記憶する記憶手段と、
前記電話番号の取得に応じて表示画面中にポップアップ表示される第一画面を表示、または第一画面よりも大きな第二画面を前記表示画面の中央に表示する表示部と、
前記取得部が取得した電話番号に対応する発信元情報が、前記関連情報に基づき自己と関連付けられていると判断した場合、前記表示部に前記第二画面を表示させる選択部と、を備え
前記表示部は、
前記第一画面を表示させてから所定時間経過後に前記第一画面を消滅させ、前記第二画面に対する操作によって前記第二画面を消滅させ
端末装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記主装置に接続される他の端末装置の取得部が機能しているか否かの状態を示す端末状態情報を取得し、
前記選択部は、前記取得部が取得した電話番号に対応する発信元情報が、前記関連情報に基づき他の端末装置と関連付けられていると判断し、かつ前記端末状態情報に基づき前記他の端末装置の取得部が機能していないと判断した場合、前記表示部に前記第二画面を表示させる
請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記第二画面に含まれる表示項目数は、前記第一画面に含まれる表示項目数よりも多い請求項3または4に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話回線網に接続される情報管理システム、および情報管理システムを構成する端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電話とコンピュータとを統合し効率的な顧客対応を実現したCTI(Computer Telephony Integration)システムが、コールセンター等において既に導入されている。 例えば特許文献1には、着信があると、電話鳴動とともに表示装置上に着信表示のためのウインドウを開く技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-293929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、端末装置は、電話対応以外の業務にも使用されている場合が多く、着信の度に表示装置に着信を示すウインドウが大きく開くと作業の邪魔になる。一方、担当顧客からの着信であるにも関わらず着信を示すウインドウが小さいと着信に気付くのが遅れ速やかな対応ができないという課題がある。
【0005】
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、発信元情報により着信時の表示態様を変更することができる情報管理システム、および端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の1つである情報管理システムは、電話回線網に接続される主装置と、前記主装置にネットワークを介して接続される複数台の端末装置と、を備える情報管理システムであって、前記主装置は、前記電話回線網を介した着信に基づき着信に対応する電話番号を出力する応答処理部を備え、前記端末装置のそれぞれは、前記電話番号を取得する取得部と、前記電話番号に対応する発信元情報と前記端末装置を識別する端末情報とを関連付ける関連情報を記憶する記憶手段と、前記電話番号の取得に応じて表示画面中にポップアップ表示される第一画面、または第一画面よりも大きな第二画面を表示する表示部と、前記取得部が取得した電話番号に対応する発信元情報が、前記関連情報に基づき自己と関連付けられていると判断した場合、前記表示部に前記第二画面を表示させる選択部と、を備える。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の1つである端末装置は、電話回線網に接続される主装置にネットワークを介して接続される端末装置であって、着信に基づいて前記主装置が出力する電話番号を取得する取得部と、前記電話番号に対応する発信元情報と前記端末装置を識別する端末情報とを関連付ける関連情報を記憶する記憶手段と、前記電話番号の取得に応じて表示画面中にポップアップ表示される第一画面、または第一画面よりも大きな第二画面を表示する表示部と、前記取得部が取得した電話番号に対応する発信元情報が、前記関連情報に基づき自己と関連付けられていると判断した場合、前記表示部に前記第二画面を表示させる選択部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る情報管理システムによれば、端末装置に関連する発信元情報の場合は、着信を示す比較的大きな第二画面を表示し、それ以外の場合は比較的小さな第一画面を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る情報管理システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る主装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態に係る端末装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態に係る関連情報の内容を示す図である
図5】実施の形態に係る表示手段に第一画面を表示させた場合を示す図である。
図6】実施の形態に係る表示手段に第二画面を表示させた場合を示す図である。
図7】実施の形態に係る第一画面の表示項目を示す図である。
図8】実施の形態に係る第二画面の表示項目を示す図である。
図9】実施の形態に係るネットワーク接続記憶装置の機能構成を示すブロック図である。
図10】実施の形態に係る情報管理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図11】他の例の情報管理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る情報管理システムの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0012】
図1を用いて、実施の形態に係るネット端末装置を備えた情報管理システムの構成の概要について説明する。同図に示すように、情報管理システム200は、電話回線網300を介した着信に基づき発信元情報を管理することができるシステムであり、ネットワーク接続記憶装置100、主装置210、端末装置221、電話機230を備えている。
【0013】
図2は、主装置の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、主装置210は、電話回線網300を介して外線電話との間の通話である外線通話の中継、または電話機230および電話機230の間の通話である内線通話の中継を行う構内交換機(PBX)である。また、主装置210は、所定の電話機230と所定の電話機230にひも付けられた所定の端末装置221との関係を示す接続関係情報を記憶手段に記憶している。
【0014】
主装置210は、電話回線網を介した着信から応答終了までの情報を処理してLAN(Local Area Network)310に出力する応答処理部211を備えている。応答処理部211は、着信があった場合、着信を示す電話番号をLAN310に出力する。なお、主装置210は、電話番号、および電話番号とひも付けられた発信元情報を含む電話帳レコードを記憶手段に記憶しており、応答処理部211は、着信を示す情報として電話番号の他に発信元を示すユニークな発信元情報、相手先の名前、ふりがななどを出力してもかまわない。
【0015】
また、応答処理部211は、電話機230が着信に応答した場合、接続関係情報に基づき応答した電話機230に紐付けられた端末装置221に応答したことを示す応答情報をネットワークを介して出力してもよい。また、応答処理部211は、所定の電話機230における応答が終了した場合、応答の終了を示す終了情報をネットワークを介して出力してもよい。
【0016】
図3は、端末装置の機能構成を示すブロック図である。端末装置221は、ソフトウエアにより種々の機能を実現することができるいわゆるコンピュータであり、管理ソフトウエアを実行することにより取得部224と、記憶部225と、記憶手段と、表示部226と、選択部227と、が実現される。端末装置221は、LAN310を介して主装置210、およびネットワーク接続記憶装置100と接続されている。なお、管理ソフトウエアは、ネットワーク接続記憶装置100から取得し、端末装置221にインストールしても構わない。また、端末装置221としては、具体的には携帯型個人情報端末であるPDA(Personal Digital Assistants)、据え置き型のデスクトップコンピュータや、ノートブックコンピュータなどを例示することができる。また、LAN310は、有線のLANだけでなく、無線LANも含まれる。
【0017】
取得部224は、着信に基づき主装置210の応答処理部211から出力された電話番号を取得する。本実施の形態の場合、情報管理システム200は、複数台の端末装置221を備えており、各端末装置221の取得部224は、それぞれ電話番号を主装置210から取得する。
【0018】
本実施の形態の場合、取得部224は、発信元情報と端末装置221を識別する端末情報とが関連付けられた関連情報をネットワーク接続記憶装置100などから取得する。図4は、関連情報の内容を示す図である。同図に示すように、関連情報は、電話番号と、発信元情報と、端末情報と、担当者の情報と、を含んでいる。なお、図4には、関連情報に端末状態情報(詳細は後述)が付加されている。また、端末装置221において関連情報の少なくとも一部、例えば担当者情報を変更することができる。また、変更した関連情報を出力部228によりネットワーク接続記憶装置100に出力し、情報管理システム200は、備えている他の端末装置221に対し変更後の関連情報を同期させることができる。
【0019】
また、取得部224は、主装置210に接続される他の端末装置221の取得部224が機能しているか否かを示す端末状態情報をネットワーク接続記憶装置100から取得する。取得部224は、定期的に端末状態情報を取得し、他の端末装置221の状態をモニタリングする。
【0020】
なお、取得部224は、着信に対する応答を示す応答情報、および前記応答の終了を示す終了情報を主装置210の応答処理部211から取得してもかまわない。
【0021】
記憶部225は、取得部224が取得した関連情報を記憶手段に記憶させる。また本実施の形態の場合、記憶部225は、取得部224が取得した端末状態情報を関連情報に付加した形で記憶手段に記憶させる。
【0022】
記憶手段は、磁気、光、光磁気、半導体などによりデジタルデータを記憶する装置であり、例えばハードディスクドライブやSSD(Solid State Disk)を例示することができる。
【0023】
表示部226は、取得部224による電話番号の取得に基づき選択部227の選択に応じて表示手段223に表示される表示画面中に第一画面(図5参照)、または第一画面よりも大きな第二画面(図6参照)をポップアップ表示する処理部である。ポップアップ表示とは、作業中のアクティブな表示領域(ウインドウ)に重ねて第一画面、または第二画面を表示手段223に表示することを意味している。なお、アクティブな表示領域が小さい場合などにおいて、第一画面、または第二画面がアクティブな表示領域に重ならない場合もポップアップ表示に含まれる。本実施の形態の場合、表示部226は、第一画面を表示する場合は、図5に示すように、表示手段223の表示画面の隅に表示させるいわゆるトースト表示で第一画面を表示させ、第二画面を表示する場合は、図6に示すように第二画面を表示画面の中央部に表示させている。このように表示部226は、第一画面と第二画面の表示態様も相違させている。また、表示手段223は、第一画面を表示させてから所定時間経過後には第一画面を消滅させている。表示手段223は、第二画面については時間に基づいて消滅させることはなく、第二画面に対する操作などによって消滅させる。このように表示部226は、第一画面と第二画面の表示時間も相違させている。
【0024】
表示部226は、図7に示す第一画面、および図8に示す第二画面のように、取得部224が取得した電話番号を第一画面、および第二画面に含ませている。また、表示部226は、記憶手段に記憶された関連情報、または主装置210から送られてくる発信元情報に基づき電話番号に関連付けられた発信元情報の1つである相手先名を第一画面、および第二画面に含ませている。表示部226は、担当者名も第一画面、および第二画面に含ませている。さらに、表示部226は、電話番号に関連する名刺情報を表示するためのリンク(名刺)、電話番号に関連する電子ファイルが格納されるフォルダを示すリンク(バインダ)、過去に記入されたメモなどを第二画面に含ませており、表示項目数は第一画面よりも第二画面の方が多い。
【0025】
選択部227は、取得部224が取得した電話番号に対応する発信元情報が、記憶手段に記憶された関連情報に基づき自己と関連付けられていると判断した場合、表示部226に第二画面を表示させる。具体的に例えば、一の端末装置221の端末情報がT101の場合において、この端末装置221の取得部224が着信情報である電話番号として「012-3456-7890」を取得部224が取得すると、選択部227は、図4に示す関連情報から電話番号に対応し発信元情報である○○(株)に関連する端末情報がT101であると特定する。また、選択部227は、自己の端末装置221の端末情報がT101であることを事前に取得しており、発信元情報が自己と関連付けられていると判断し、選択部227は、表示部226に第二画面を表示させる情報を出力する。
【0026】
一方、他の端末装置221の端末情報がT105の場合において、電話番号として「012-3456-7890」を取得部224が取得すると、選択部227は、図4に示す関連情報から電話番号に対応し発信元情報である○○(株)に関連する端末情報がT101であると特定する。また、選択部227は、自己の端末装置221の端末情報がT105であることを事前に取得しており、発信元情報が自己と関連付けられていないと判断し、選択部227は、表示部226に第一画面を表示させる情報を出力する。
【0027】
本実施の形態の場合、選択部227は、取得部224が取得した電話番号に対応する発信元情報が、関連情報に基づき他の端末装置と関連付けられていると判断し、かつ端末状態情報に基づき他の端末装置の取得部224が機能していないと判断した場合、自己の表示部226に第二画面を表示させる。具体的に例えば、一の端末装置221の端末情報がT101の場合において、この端末装置221の取得部224が着信情報である電話番号として「034-5678-9012」を取得部224が取得すると、選択部227は、図4に示す関連情報から電話番号に対応し発信元情報である(株)△△に関連する端末情報がT102であると特定する。さらに、選択部は、関連情報に付加されている端末状態情報からT102の端末装置221の取得部224が停止していることを示す情報を取得した場合、自己の表示部226に第一画面ではなく第二画面を表示させる。
【0028】
この場合、取得部224の機能が停止しているT102以外であって、取得部224が稼働中の全ての端末装置221は、着信情報の取得に基づき第二画面が表示される。
【0029】
取得部224の機能が停止している状態とは、実際に取得部224の機能だけが停止している場合ばかりでなく、ネットワーク接続記憶装置100、他の端末装置221から取得部224が機能していないように見える場合も含まれる。具体的に例えば、取得部224が機能していない場合とは、端末装置221において管理ソフトウエアが実行されていない状態、端末装置221自体が起動していない状態、管理ソフトウエアがネットワーク接続記憶装置100にログインしていない状態、LAN310に障害が発生している場合などを例示することができる。
【0030】
図9は、ネットワーク接続記憶装置の機能構成を示すブロック図である。同図に示すようにネットワーク接続記憶装置100は、電話回線網300に接続される主装置210、複数の端末装置221とLAN310などのネットワークを介して接続されるいわゆるNAS(Network Attached Storage)であって、サーバ装置110と、記憶手段とを備えている。
【0031】
サーバ装置110は、主装置210に接続されて通信により情報を送受信することができ、複数の端末装置221とLAN310を介して接続され端末装置221との間でも情報を送受信することができるいわゆるコンピュータである。サーバ装置110は、ソフトウエアを実行することにより実現される機能部として、状態情報処理部111を備えている。本実施の形態の場合、サーバ装置110は、さらに同期部112を備えている。
【0032】
状態情報処理部111は、端末装置221のそれぞれを端末情報に基づいて識別し、各端末装置221の取得部224がそれぞれ機能しているか否かを取得して端末状態情報を生成する。本実施の形態の場合、端末装置221において実行される管理ソフトウエアは、ネットワーク接続記憶装置100にそれぞれログインすることにより、サーバ装置110とのデータの入出力経路を確立し、ネットワーク接続記憶装置100が備える記憶手段との間でデータの入出力を行うことができる。従って、状態情報処理部111は、端末装置221の管理ソフトウエアがログインしているか否かの情報に基づいて各端末装置221の取得部224がそれぞれ機能しているか否かを取得している。具体的には、端末装置221がログインすることにより、状態情報は稼働となり、端末装置221がログアウトすることにより状態情報は停止となる。なお、端末装置221がログアウトせずにシャットダウンした場合なども状態情報を停止に変更してもよい。
【0033】
同期部112は、状態情報処理部111で生成された状態情報を各端末装置221に出力する。本実施の形態の場合、ログインしている全ての端末装置221に状態情報を出力する。状態情報を出力するタイミングは特に限定されるものではないが、例えば、端末装置221がログインし、状態情報の一部が稼働に変更になったタイミング、および状態情報の一部が停止に変更になったタイミングを例示することができる。さらに、定期的に状態情報を出力してもかまわない。
【0034】
また、同期部112は、電話番号、発信元情報、端末情報、担当者情報が関連付けられた関連情報を各端末装置221に出力する。本実施の形態の場合、ログインしている全ての端末装置221に状態情報を出力する。状態情報の出力は、関連情報に付加した形で出力してもよく、単独で出力してもかまわない。状態情報を出力するタイミングは特に限定されるものではないが、例えば、いずれかの端末装置221で更新された関連情報を取得したタイミングを例示することができる。さらに、定期的に状態情報を出力してもかまわない。
【0035】
記憶手段は、状態情報、関連情報などを記憶する。なお、記憶手段は、端末装置221に実行させる管理ソフトウエアを記憶してもかまわない。管理ソフトウエアは、取得部224、記憶部225、表示部226、選択部227などを端末装置221によって実現させるソフトウエアである。なお、管理ソフトウエアは、複数のオペレーティングシステムや複数のバージョンに対応した複数のソフトウエアを含んでいても構わない。また、記憶手段は、端末装置221と電話機230との対応関係を示す情報を記憶してもかまわない。
【0036】
次に、情報管理システム200の処理の流れを説明する。図10は、情報管理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0037】
主装置210は、電話回線網300を介して外線電話からの着信があると(S101)、端末装置221に一斉に電話番号などを出力する(S102)。各端末装置221の取得部224は、電話番号を取得し、関連情報に基づき取得した電話番号に対応する発信元情報が自己と関連付けられているか否かを判断する(S103)。自己と関連していると判断した場合(S103:Yes)、選択部227は、表示部226に第二画面をポップアップ表示させる(S104)。一方、自己と関連していないと判断した場合(S103:No)、さらに、取得した電話番号に対応する他の端末装置が稼働中か停止中かを状態情報に基づき確認する(S105)。電話番号に対応する他の端末装置が稼働中の場合、選択部227は表示部226に第一画面を表示させる(S106)。表示部226は、所定時間経過後に第一画面を消滅させる(S107)。一方、電話番号に対応する他の端末装置が停止中の場合(S105)、選択部227は表示部226に第二画面を表示させる(S104)。
【0038】
以上により、オペレータが別の業務で端末装置221を使用中に着信があった場合に、発信元の担当者が操作する端末装置221には、比較的大きな第二画面が表示され、電話の応答を促すことができる。一方、担当ではないオペレータが作業している端末装置221には、比較的小さな第一画面がポップアップ表示されるため、オペレータは作業が妨げられることはない。
【0039】
また、第二画面を画面の中央にポップアップ表示することにより、電話の応答を確実に促すことができ、発信元が長時間待たされることを抑制できる。また、第二画面の表示項目が多いため、応答に必要な電子ファイルにアクセスしたり名刺を閲覧したりすることが可能となる。
【0040】
さらに、担当者が不在の場合など管理ソフトウエアが停止している場合、他のオペレータの端末装置221に第二画面が表示され、応答を促すことができる。従って、担当者不在の場合でも発信元を待たせることなく対応することができる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0042】
例えば、情報管理システム200は、状態情報処理部111を備えなくてもかまわない。この場合、図11に示すように、端末装置221は、自己と関連する場合は(S103:Yes)、第二画面をポップアップ表示し(S104)、関連しない場合は(S103:No)、第一画面をポップアップ表示する(S106)。
【0043】
また、表示部226は、第一画面を所定時間で消滅させなくてもよい。この場合、例えばオペレータのGUIによる操作により第一画面を消滅させてもよい。
【0044】
また、1つの発信元情報に複数の端末装置221が割り当てられ、割り当てられた複数の端末装置221が稼働している場合、これらの端末装置221に第二画面が表示される。この場合、いずれかの端末装置221に対応する担当者が電話に応答した場合、他の担当者の端末装置221に表示される第二画面を消滅刺せてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、構内交換機、NAS、電話機、情報端末を備えるシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
100 ネットワーク接続記憶装置
110 サーバ装置
111 状態情報処理部
112 同期部
200 情報管理システム
210 主装置
211 応答処理部
221 端末装置
223 表示手段
224 取得部
225 記憶部
226 表示部
227 選択部
228 出力部
230 電話機
300 電話回線網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11