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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/20 20060101AFI20231108BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20231108BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B65G21/20 Z
B65G54/02
B65G47/14 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019144768
(22)【出願日】2019-08-06
(65)【公開番号】P2021024709
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】中西 裕一
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-151721(JP,U)
【文献】特開2001-129492(JP,A)
【文献】特開昭55-130401(JP,A)
【文献】特開2016-124675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/20
B65G 54/02
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の載置空間内において荷物を載置し、所定の経路を移動して前記荷物を搬送する搬送台車と、
前記経路に沿った前記搬送台車の走行による前記載置空間の軌跡である軌跡空間の側方に固定的に配置され、前記搬送台車の前記経路に沿って前記軌跡空間の外側から前記軌跡空間に当接するまで徐々に近づく傾斜部を有する押込手段と、
を備える搬送システム。
【請求項2】
前記軌跡空間の側方に配置され、前記搬送台車に荷物を供給する供給装置を備え、
前記押込手段は、
前記供給装置の外側の側方に固定される
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記押込手段の前記傾斜部は、
前記搬送台車の前記経路に沿う方向の一方向、および他方向のうち、前記方向に向かって徐々に前記軌跡空間に近づく第一傾斜部と、前記他方向に向かって徐々に前記軌跡空間に近づく第二傾斜部とを備える
請求項1または2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記傾斜部は、
荷物との接触摩擦を軽減するために回転する回転部材を備える
請求項1から3のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記供給装置は、
前記搬送台車への荷物の供給完了を検出する検出センサを備え、
前記押込手段の前記傾斜部は、
前記軌跡空間に対し前記検出センサと同じ位置、または前記検出センサより遠い位置から前記軌跡空間に至るまで配置される
請求項2に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記押込手段は、
前記経路の湾曲部分と直線部分との境界部分に配置される
請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物を載置して搬送する搬送台車を備えた搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の位置に荷物を載置し所定の経路に沿って荷物を搬送する搬送台車を備えた搬送システムが存在している。例えば、地上一次式リニアモータを利用することにより、外部から電力を供給することなく、また走行用のバッテリーを備える事なく搬送台車を走行させ、搬送台車に載置された荷物を搬送する搬送システムが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-123003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、搬送台車に載置されている荷物の位置がずれている場合、搬送台車の走行中は荷物の位置を修正する駆動力を発生させることができず、搬送台車は、重心が偏った状態で走行を続行していた。これにより、荷物が落下したり、荷物が経路近傍の構造部材と接触したり、搬送台車が転倒するなどの懸念が生じていた。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、走行中に荷物の位置を矯正する駆動力を発生させる事ができなくても搬送台車の走行中に搬送台車に載置された荷物の位置を矯正することができる搬送システムの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の1つである搬送システムは、所定の載置空間内において荷物を載置し、所定の経路を移動して前記荷物を搬送する搬送台車と、前記経路に沿った前記搬送台車の走行による前記載置空間の軌跡である軌跡空間の側方に固定的に配置され、前記搬送台車の前記経路に沿って前記軌跡空間の外側から前記軌跡空間に当接するまで徐々に近づく傾斜部を有する押込手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、軌跡空間の近傍に配置された押込手段により搬送台車上の荷物の位置を修正することができ、搬送システムの安定的な稼働を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る搬送システムの一部を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る搬送システムの走行台車を経路に向かって示す側面図である。
図3】実施の形態に係る搬送システムの載置空間の軌跡である軌跡空間を示す斜視図である。
図4】実施の形態に係る搬送システムの押込手段を示す平面図である。
図5】搬送システムの別例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係る搬送システムの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0011】
図1は、搬送システムの一部を示す斜視図である。搬送システム100は、所定の経路に沿って荷物200を搬送することができるシステムであり、搬送台車110と、押込手段120とを備えている。搬送システム100は、独立して荷物200を搬送することができる搬送台車110を備えていれば特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、搬送システム100は、経路を形成する2本の走行レール101に沿って複数の搬送台車110をリニアモータによって走行させるシステムであり、供給装置130を備えている。搬送システム100は、保持した荷物200を経路(図1はオーバル形状の経路の一部を示す)に沿って搬送し、供給装置130から供給された荷物200を搬送台車110で搬送し、所定の搬出装置(不図示)において荷物200を搬出するシステムとなっている。なお、供給装置130、および搬出装置に対応する位置においては、荷物200を受け取るために搬送台車110は停止する場合がある。
【0012】
走行レール101は、搬送台車110が走行する経路を形成するための部材である。走行レール101の形状などは特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、長尺状の部材であり、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属により構成される。なお、走行レール101は、その他の金属、樹脂により構成してもよい。本実施の形態では、図1に一部省略して示しているが、走行レール101は、平面視長円環状で断面が矩形の2本の平行な部材で構成されている。また、内側に配置される走行レール101の少なくとも一方には、リニアモータを構成するコイルユニット102が取り付けられている。
【0013】
図2は、搬送台車を経路に向かって示す図である。搬送台車110は、予め定められた載置空間111の中において荷物200を載置状態で保持し、走行レール101によって定められた経路を移動して保持した荷物200を搬送する装置である。搬送台車110は、電力を外部から受電せず、また蓄電装置を備えることなく、コイルユニット102からの磁気作用によって荷物200を搬送する推力を得ている。具体的に搬送台車110は、永久磁石を有する可動子112を備え、搬送台車110の経路に沿って所定間隔で並んで配置されるコイルユニット102からの磁気作用により可動子112が走行方向の推力を発生させて搬送台車110を経路に沿って走行させ、荷物200を搬送する。
【0014】
ここで、載置空間111とは、搬送台車110上の空間であって、正常状態の荷物200が載置される空間である。載置空間111から一部が外れて荷物111が載置された場合、搬送台車110が走行中に荷物111が載置空間111から外れた場合など経路そばに設置されている設備などに荷物200が触れる恐れがある。
【0015】
可動子112は、例えば、複数の永久磁石により構成される。可動子112を構成する複数の永久磁石は、搬送台車110に対し走行方向に並んで配置される。本実施の形態の場合、可動子112の複数の永久磁石は、コイルユニット102を挟むように配置される。つまり、可動子112の永久磁石は、コイルユニット102の上下両側において、複数の永久磁石が走行方向に並んで配置されている。コイルユニット102の一方側に並ぶ複数の永久磁石は、コイルユニット102に対向する側にN極と、S極とが交互に向いているように配置され、他方側に並ぶ永久磁石は、N極とS極との並びが一方側と異なるように配置される。なお、可動子112は、上下2段の永久磁石に限らずに、1段の永久磁石により構成されていてもよい。
【0016】
搬送台車110は、構造的基礎となる基台113を備える。基台113には、可動子112の他、移載機構114と、移載用可動子115とが取り付けられている。また、搬送台車110の基台113の下部には、走行レール101上に載置されて転がる車輪117が取り付けられている。
【0017】
移載機構114は、経路の側方に配置される供給装置130から荷物200を受け取って荷物200を搬送台車110内の載置空間111内まで移動させる。なお、搬送台車110は、外部から電力が供給されていないため、荷物200が載置空間111内に載置されたか否かを検出するセンサを搬送台車110に設けることは困難である。従って、荷物200の載置状態は、移載機構114の動作時間などにより類推される。また、移載機構114は、搬送台車110が搬送した荷物200を搬出装置(図示せず)まで移動させる。移載機構114の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、移載機構114は、搬送台車110の経路と直交する方向に荷物を移動させることができるいわゆるベルトコンベアである。なお、移載機構114は上記に限定されるものでは無く、例えばベルトを備えない、ローラコンベヤなどでもかまわない。
【0018】
移載用可動子115は、搬送台車110の走行方向に延在する状態で搬送台車110の基台113に取り付けられる丸棒状の部材であり、磁気作用により動作して移載機構114を駆動する部材である。移載用可動子115は、移載用固定子103からの磁気作用による磁力を受けることで回転動作する部材であり、周方向にN極とS極とが交互に並ぶように複数の永久磁石が周方向に取り付けられている。具体的に例えると、移載用可動子115は、ブラシレスモータのロータと同様の構造、機能を有している。
【0019】
移載用固定子103は、経路に対し固定的に配置される部材であり、一部が切り欠かれた環状の部材である。移載用固定子103は、搬送台車110が供給装置130から荷物200を受け取ることができる位置に配置されている。また、搬出装置に対応する位置にも配置されている。移載用固定子103は、搬送台車110の走行時において、搬送台車110に取り付けられている移載用可動子115を通過させることができるように断面の一部が切り欠かれた円環状(断面C字状)の部材である。移載用固定子103は、挿入された移載用可動子115の周面に対向するように端面が配置された複数のコイルを周方向に並べて備えており、移載用固定子103の各コイルで発生させる磁界を制御することにより、挿入された移載用可動子115に磁気を作用させ任意の方向に回転させることが可能となっている。
【0020】
図3は、載置空間の軌跡である軌跡空間を示す斜視図である。供給装置130は、軌跡空間116の側方近傍にまで延在するように配置され、搬送台車110の載置空間111に移載機構114を介して荷物200を供給する装置である。供給装置130の種類は、特に限定されるものでは無いが、本実施の形態の場合、ベルトコンベアが採用されている。供給装置130の搬入方向は、搬送システム100の経路に直交するように配置されている。供給装置130は、ベルトコンベアの両側方に荷物200の落下を防止する壁部材131を備えている。
【0021】
供給装置130は、搬送台車110への荷物200の供給完了を検出する検出センサ140を備えている。検出センサ140の種類は特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、検出センサ140は、レーザ光141を用いた光電センサである。検出センサ140は、供給装置130の壁部材131の内側に取り付けられている。検出センサ140は、荷物200によってレーザ光141が途切れた情報、およびレーザ光を再び受光した情報を出力する。搬送システム100は、レーザ光を再び受光した後のコンベヤの動作時間により搬送システム100への荷物200の供給完了を検出する。
【0022】
図4は、押込手段を示す平面図である。押込手段120は、図4に示すように、水平面内(図4中XY平面)の経路(図4中Y軸方向)と直交する方向(図4中X軸方向)において搬送台車110の載置空間111からはみ出た荷物200を載置空間111内に押し戻すことができる傾斜部123を備えた部材、または機構である。押込手段120は、走行レール101に沿った搬送台車110の走行による載置空間111の軌跡である軌跡空間116の外側の側方に固定的に配置されている。本実施の形態の場合、押込手段120は、供給装置130の壁部材131の外側に固定されている。これにより、供給装置130から供給された荷物200が載置空間111に移載できていなかった場合でも、搬送台車110の加速中に荷物200を押し込むことが可能となる。従って、荷物200に与える衝撃を抑制しながら荷物200の位置を整えることができる。
【0023】
押込手段120の傾斜部123は、搬送台車110の経路(図4の場合Y軸方向)に沿う一方または他方に徐々に進むに従い、軌跡空間116の外側から軌跡空間116に当接するまで徐々に近づくように配置されている。押込手段120の1つである第一傾斜部121は、Y軸方向の負の向きに徐々に進むに従い軌跡空間116に徐々に近づくように傾き、第二傾斜部122は、Y軸方向の正の向きに徐々に進むに従い軌跡空間116に徐々に近づくように傾いている。また、第一傾斜部121、および第二傾斜部122の軌跡空間116に当接する部分は共通部分となっている。
【0024】
第一傾斜部121、および第二傾斜部122は、軌跡空間116に対し検出センサ140より遠い位置から軌跡空間116に至るまで配置されている。本実施の形態の場合、検出センサ140はレーザ光141を利用するものであり、第一傾斜部121、および第二傾斜部122は、検出センサ140のレーザ光141の光軸の延長線と交差するように配置されている。これにより、搬送台車110上であって検出センサ140近傍で止まってしまった荷物200の位置も押込手段120によって確実に矯正することができる。
【0025】
また、第一傾斜部121、および第二傾斜部122は、それぞれ回転部材124を備えている。回転部材124は、荷物200と押込手段120との接触摩擦を軽減するために回転する部材である。回転部材124の種類は特に限定されるものではなく、本実施の形態の場合、鉛直軸(図中Z軸)を回転軸として自在に回転する回転ローラが採用されており、複数の回転部材124が傾斜部123の傾斜方向に沿って並べて配置されている。第一傾斜部121と第二傾斜部122との共通部分には1つの回転部材124が配置されている。なお、回転部材124の回転軸は、鉛直軸に対して斜めに配置されてもよい。また、本実施の形態の場合、第一傾斜部121、および第二傾斜部122としてローラコンベアを起立させた場合を例示したが、例えば第一傾斜部121、および第二傾斜部122はベルトコンベアを起立させたものなどでも構わない。
【0026】
上記実施の形態で説明した搬送システム100によれば、供給装置130から搬送台車110へ荷物200を供給する際に、供給装置130が備えるコンベヤと荷物200とのスリップ等で荷物200の一部が載置空間111からがはみ出していた場合に、搬送台車110が走行を開始すると荷物200のはみ出た部分が押込手段120の傾斜部123に当接する。搬送台車110の速度が徐々に増加するに従い徐々に荷物200が載置空間に押し込まれ、傾斜部123を通過すると荷物200は正常範囲である載置空間111内に収まる。また、搬送台車110の移載機構114の移載ミスなどにより荷物200が載置空間111内に載置されていない状態となった場合でも、同様に押込手段120の傾斜部123により、載置空間111からはみ出した荷物200を載置空間111内に収めることができる。
【0027】
また、搬送台車110の推力によってはみ出した荷物200を載置空間111に押し込むため、外部から電力が供給されず、またバッテリーも備えない搬送台車110でも走行中に荷物200の位置を矯正することが可能となる。
【0028】
また、押込手段120を供給装置130の外側に取り付けたことで、荷物200のはみ出しの発生が多いと考えられる荷物200の移載直後に荷物200の位置を矯正するため、その後に荷物200を安定して搬送することができる。また、荷物200の載置終了後に搬送台車110が加速する途中、つまり最高速度に達する前に荷物200の位置を矯正することができるため、押込手段120が荷物200に与える衝撃を抑制することが可能となる。
【0029】
また、押込手段120が第一傾斜部121と、第一傾斜部121と面対称に配置される第二傾斜部122とを備えることで、搬送台車110の走行の向きにかかわらず荷物200の位置を矯正することができる。また、供給装置130の両側に押込手段120を配置することにより、経路を往復走行する搬送台車110の場合においてはいずれの方向から搬送台車110が近づいてきた場合でも荷物200の位置を矯正することができ、はみ出た荷物200と供給装置130とが衝突することを押込手段120により回避することができる。
【0030】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0031】
例えば、押込手段120は、供給装置130に取り付けられるばかりでなく、図5に示すように、経路の湾曲部分と直線部分との境界部分などに独立して固定されていてもかまわない。これにより、遠心力などにより載置空間111からずれた荷物200の位置を早期の段階で矯正することが可能となる。例えば湾曲部分においては搬送台車110の速度を低下させ、湾曲部分の出口から直線部分にかけて搬送台車110を加速させている場合、加速しきる最高速度の前において荷物200の位置を矯正することができる。
【0032】
また、搬送台車110は、上記実施の形態のように走行レール101に沿って走行し荷物200を搬送する有軌条台車ばかりでなく、地図情報、床面に設けられたマーカーなどに基づき仮想的に形成された経路を自律的に走行する無軌条台車であってもかまわない。また、搬送台車110は、外部から走行用の電力の供給を受ける、走行用のバッテリーを搭載するものでもかまわない。
【0033】
また、搬送台車110は、リニアモータで駆動するものではなく、搬送台車110が駆動源や駆動車輪を備えて走行するものであってもよい。搬送台車110は、連結される荷載置台車を前側、および後側の少なくとも一方に備え、周回移動するものであってもかまわない。
【0034】
また、搬送台車110が一方にのみ通過する一方通行の経路においては、押込手段120は、第一傾斜部121、および第二傾斜部122の一方のみを配置すればよい。また、一方通行の経路の近傍に供給装置130が配置されている場合、押込手段120は供給装置130の下流側のみに配置してもかまわない。つまり、一方通行の場合は供給装置130の下流側のみに第一傾斜部121のみを配置すればよい。
【0035】
また、押込手段120の傾斜部123は、回転ローラを備えない平面でもよく、図5に示すように曲面でもかまわない。また、荷物200の高さが決まっているような場合であれば、押込手段120は、ガイドバーのような棒状の部材でもよい。
【0036】
また、押込手段120は、供給装置130自体に取り付けるのではなく、供給装置130近傍の他の装置に固定されてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、荷物を搬送する搬送台車が走行する物流拠点や工場などに利用可能である。
【符号の説明】
【0038】
100 搬送システム
101 走行レール
102 コイルユニット
103 移載用固定子
110 搬送台車
111 載置空間
112 可動子
113 基台
114 移載機構
115 移載用可動子
116 軌跡空間
117 車輪
120 押込手段
121 第一傾斜部
122 第二傾斜部
123 傾斜部
124 回転部材
130 供給装置
131 壁部材
140 検出センサ
141 レーザ光
200 荷物
図1
図2
図3
図4
図5