(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/422 20140101AFI20231108BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20231108BHJP
A63F 13/56 20140101ALI20231108BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20231108BHJP
【FI】
A63F13/422
A63F13/426
A63F13/56
A63F13/69
(21)【出願番号】P 2019146081
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】伊東 豊
(72)【発明者】
【氏名】尾下 智範
(72)【発明者】
【氏名】時枝 浩司
(72)【発明者】
【氏名】中村 智章
(72)【発明者】
【氏名】堀井 亮佑
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-136744(JP,A)
【文献】特開2007-105499(JP,A)
【文献】みつやサイダー,【龍が如く】 #31 壊し屋スタイルの師匠,[online],[検索日:2023年07月14日],2023年07月14日,1:00-1:05,<URL:https://www.youtube.com/watch?v=ooi334rXFzU>
【文献】Inu's Sandbox,ファイナルファンタジー V 戦闘システムの解析,[online],[検索日:2023年07月14日],2018年11月24日,7.1.2逃走処理,<URL:https://web.archive.org/web/20181124000046/http://x11.s11.xrea.com/ff5_algorithms>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F9/24
13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとのコマンドバトルを含むゲームのプログラムであって、
コンピュータを、
前記プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトとを含むゲーム空間を表示制御する表示制御手段、
前記コマンドバトルの間、前記プレイヤオブジェクトを前記ゲーム空間において自動的に移動させる移動制御手段、
前記移動制御手段により前記プレイヤオブジェクトが移動している間、プレイヤによる、予め定められた複数のコマンドの中から一つのコマンドの選択を受け付ける受付手段、
前記複数のコマンドの中で所定のコマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトに対して一の行動をさせ、且つ、前記移動制御手段により移動された当該プレイヤオブジェクトが位置する周囲の
前記敵オブジェクト以外の状況に基づき、前記一の行動の態様を決定する行動制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記行動制御手段は、前記所定のコマンドとして攻撃コマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記一の行動として、前記プレイヤオブジェクトに対して前記敵オブジェクトを攻撃させ、且つ、前記移動制御手段により移動された当該プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況に基づき、前記攻撃の態様を決定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記行動制御手段は、前記攻撃コマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトとの位置関係に基づき、前記攻撃をキャンセルするか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には前記攻撃をキャンセルし、当該判定を否定判定した場合には前記攻撃をさせる、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記移動制御手段は、前記プレイヤオブジェクトが前記敵オブジェクトを攻撃した場合、当該敵オブジェクトを移動させ、
前記行動制御手段は、前記プレイヤオブジェクトの攻撃により移動された後の前記敵オブジェクトが位置する状況又は周囲の状況に基づき、前記攻撃とは別のダメージを当該敵オブジェクトに与えるか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には当該敵オブジェクトにダメージを与え、当該判定を否定判定した場合には当該敵オブジェクトにダメージを与えない、
請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、複数のプレイヤオブジェクトを表示させ、
前記移動制御手段は、前記プレイヤオブジェクトが前記敵オブジェクトを攻撃する場合に、当該プレイヤオブジェクトと当該敵オブジェクトとの間に他のプレイヤオブジェクトが存在する場合、当該プレイヤオブジェクトと当該敵オブジェクトとの間から離れるように、当該他のプレイヤオブジェクトを移動させる、
請求項2乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記行動制御手段は、前記コマンドバトルから逃げるための逃げコマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトとの位置関係に基づき、当該プレイヤオブジェクトを当該コマンドバトルから逃げさせるか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には当該プレイヤオブジェクトを当該コマンドバトルから逃げさせ、当該判定を否定判定した場合には当該プレイヤオブジェクトを当該コマンドバトルから逃げさせない、
請求項1乃至5の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記移動制御手段は、前記ゲーム空間において、前記敵オブジェクトを自動的に移動させる、
請求項1乃至6の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記行動制御手段は、前記敵オブジェクトの攻撃対象及び攻撃内容を決定し、
前記移動制御手段は、前記行動制御手段により決定された前記敵オブジェクトの攻撃対象又は攻撃内容に基づき、当該敵オブジェクトと攻撃対象の前記プレイヤオブジェクトとの距離を決定し、決定した距離となるように、当該敵オブジェクトを移動させる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プレイヤオブジェクトには、職業が設定されており、
前記行動制御手段は、前記所定のコマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトの職業に基づき、前記一の行動の態様を変更する、
請求項1乃至7の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コマンドバトルは、前記プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトが予め定められた順番で行動するターン制のコマンドバトルである、
請求項1乃至9の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとのコマンドバトルを含むゲームを提供する情報処理装置であって、
前記プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトとを含むゲーム空間を表示制御する表示制御手段と、
前記コマンドバトルの間、前記プレイヤオブジェクトを前記ゲーム空間において自動的に移動させる移動制御手段と、
前記移動制御手段により前記プレイヤオブジェクトが移動している間、プレイヤによる、予め定められた複数のコマンドの中から一つのコマンドの選択を受け付ける受付手段と、
前記複数のコマンドの中で所定のコマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトに対して一の行動をさせ、且つ、前記移動制御手段により移動された当該プレイヤオブジェクトが位置する周囲の
前記敵オブジェクト以外の状況に基づき、前記一の行動の態様を決定する行動制御手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤが操作するプレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとを戦闘させる方式として、所謂コマンドバトルと称される方式が採用されている。このコマンドバトルでは、予め定められた複数のコマンドの中から一のコマンドがプレイヤによって選択され、選択されたコマンドに対応する行動がプレイヤオブジェクトによって実行される。例えば、ユーザによって「たたかう」のコマンドが選択された場合、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトに対して攻撃の行動を行う。
【0003】
これに関し、特許文献1には、プレイヤからブーストアイテムの利用要求があった場合、選択されたコマンドに対応する行動として、利用要求がなかった場合の行動よりもコマンドバトルにおいて有利なブースト行動を実行させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、プレイヤがコマンドを選択している間は、プレイヤオブジェクトは移動することができず、その周囲の状況は変化しないため、臨場感に欠けていた。この結果、プレイヤオブジェクトの行動の態様も固定化され、ゲームの興趣性が低下してしまうという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コマンドバトルの興趣性を向上するプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとのコマンドバトルを含むゲームのプログラムであって、コンピュータを、プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトとを含むゲーム空間を表示制御する表示制御手段、前記コマンドバトルの間、前記プレイヤオブジェクトを前記ゲーム空間において自動的に移動させる移動制御手段、前記移動制御手段により前記プレイヤオブジェクトが移動している間、プレイヤによる、予め定められた複数のコマンドの中から一つのコマンドの選択を受け付ける受付手段、前記複数のコマンドの中で所定のコマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトに対して一の行動をさせ、且つ、前記移動制御手段により移動された当該プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況に基づき、前記一の行動の態様を決定する行動制御手段、として機能させる。
【0008】
また、本発明の第二態様に係るプログラムでは、前記行動制御手段は、前記所定のコマンドとして攻撃コマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記一の行動として、前記プレイヤオブジェクトに対して前記敵オブジェクトを攻撃させ、且つ、前記移動制御手段により移動された当該プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況に基づき、前記攻撃の態様を決定する。
【0009】
また、本発明の第三態様に係るプログラムでは、前記行動制御手段は、前記攻撃コマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトとの位置関係に基づき、前記攻撃をキャンセルするか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には前記攻撃をキャンセルし、当該判定を否定判定した場合には前記攻撃をさせる。
【0010】
また、本発明の第四態様に係るプログラムでは、前記移動制御手段は、前記プレイヤオブジェクトが前記敵オブジェクトを攻撃した場合、当該敵オブジェクトを移動させ、前記行動制御手段は、前記プレイヤオブジェクトの攻撃により移動された後の前記敵オブジェクトが位置する状況又は周囲の状況に基づき、前記攻撃とは別のダメージを当該敵オブジェクトに与えるか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には当該敵オブジェクトにダメージを与え、当該判定を否定判定した場合には当該敵オブジェクトにダメージを与えない。
【0011】
また、本発明の第五態様に係るプログラムでは、前記表示制御手段は、複数のプレイヤオブジェクトを表示させ、前記移動制御手段は、前記プレイヤオブジェクトが前記敵オブジェクトを攻撃する場合に、当該プレイヤオブジェクトと当該敵オブジェクトとの間に他のプレイヤオブジェクトが存在する場合、当該プレイヤオブジェクトと当該敵オブジェクトとの間から離れるように、当該他のプレイヤオブジェクトを移動させる。
【0012】
また、本発明の第六態様に係るプログラムでは、前記行動制御手段は、前記コマンドバトルから逃げるための逃げコマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトとの位置関係に基づき、当該プレイヤオブジェクトを当該コマンドバトルから逃げさせるか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には当該プレイヤオブジェクトを当該コマンドバトルから逃げさせ、当該判定を否定判定した場合には当該プレイヤオブジェクトを当該コマンドバトルから逃げさせない。
【0013】
また、本発明の第七態様に係るプログラムでは、前記移動制御手段は、前記ゲーム空間において、前記敵オブジェクトを自動的に移動させる。
【0014】
また、本発明の第八態様に係るプログラムでは、前記行動制御手段は、前記敵オブジェクトの攻撃対象及び攻撃内容を決定し、前記移動制御手段は、前記行動制御手段により決定された前記敵オブジェクトの攻撃対象又は攻撃内容に基づき、当該敵オブジェクトと攻撃対象の前記プレイヤオブジェクトとの距離を決定し、決定した距離となるように、当該敵オブジェクトを移動させる。
【0015】
また、本発明の第九態様に係るプログラムでは、前記プレイヤオブジェクトには、職業が設定されており、前記行動制御手段は、前記所定のコマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトの職業に基づき、前記一の行動の態様を変更する。
【0016】
また、本発明の第十態様に係るプログラムでは、前記コマンドバトルは、前記プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトが予め定められた順番で行動するターン制のコマンドバトルである。
【0017】
また、本発明の第十一態様に係る情報処理装置は、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとのコマンドバトルを含むゲームを提供する情報処理装置であって、前記プレイヤオブジェクトと前記敵オブジェクトとを含むゲーム空間を表示制御する表示制御手段と、前記コマンドバトルの間、前記プレイヤオブジェクトを前記ゲーム空間において自動的に移動させる移動制御手段と、前記移動制御手段により前記プレイヤオブジェクトが移動している間、プレイヤによる、予め定められた複数のコマンドの中から一つのコマンドの選択を受け付ける受付手段と、前記複数のコマンドの中で所定のコマンドを前記受付手段が受け付けた場合、前記プレイヤオブジェクトに対して一の行動をさせ、且つ、前記移動制御手段により移動された当該プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況に基づき、前記一の行動の態様を決定する行動制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの全体構成及びハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】ゲーム装置の機能的構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るゲーム装置において、コマンドバトルのバトル処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4A】表示装置に表示されるゲーム空間の一例を示す図であって、攻撃前のプレイヤオブジェクトの周囲の状況を示す図である。
【
図4B】
図4Aに示す状況からプレイヤオブジェクトが攻撃する様子を示すゲーム空間の図である。
【
図5A】表示装置に表示されるゲーム空間の他の例を示す図であって、攻撃前のプレイヤオブジェクトの周囲の状況を示す図である。
【
図5B】
図5Aに示す状況からプレイヤオブジェクトが攻撃する様子を示すゲーム空間の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0021】
<全体構成及びハードウェア構成>
図1は、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)に係るゲームシステム1の全体構成及びハードウェア構成の一例を示す図である。
【0022】
図1に示すように、ゲームシステム1は、例えば、ゲーム装置10と、表示装置20と、を備える。
【0023】
ゲーム装置10は、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとのコマンドバトルを含むゲームをプレイヤに提供する情報処理装置である。ゲーム装置10としては、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられるが、本実施形態では、ゲーム装置10が家庭用ゲーム装置である場合を説明する。また、ゲームとしては、コマンドバトルを含むものであれば特に限定されないが、本実施形態では、ゲームが、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトが予め定められた順番で行動するターン制のコマンドバトルロールプレイングゲームである場合を説明する。また、プレイヤオブジェクトや敵オブジェクトとしては、例えば、キャラクタや乗物等が挙げられる。また、プレイヤオブジェクトや敵オブジェクトにはヒットポイントを含む複数のパラメータが設定されており、コマンドバトルは、例えば、いずれかのヒットポイントがゼロになると終了する。
【0024】
表示装置20は、有線又は無線を介してゲーム装置10に接続されており、ゲーム装置10からの出力信号に基づき、ゲーム画面を表示する。
【0025】
以上のようなゲームシステム1において、ゲーム装置10は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)12と、メモリ14と、入力装置16と、読込装置18と、を備える。なお、ゲーム装置10が表示装置20を備えていてもよい。
【0026】
CPU12は、プログラムを実行することにより、各種の機能手段(機能的構成)として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0027】
メモリ14は、記憶装置の一つであり、例えばプログラムが展開される。
【0028】
入力装置16は、例えば、プレイヤによる指示を入力するための複数のボタンを有するコントローラである。本実施形態のゲームでは、複数のボタンにそれぞれ予め定められたコマンドが割り当てられており、コマンドバトルにおいて、プレイヤは、複数のボタンの何れか一つを押下することで、複数のコマンドの中から一つのコマンドの選択を行うことができる。
【0029】
読込装置18は、プログラムが記憶された可搬記憶媒体を読み込むための装置である。
【0030】
なお、ゲーム装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワーク上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図1は、ゲーム装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、ゲーム装置10は、ゲーム装置が一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0031】
<機能的構成>
図2は、ゲーム装置10の機能的構成の一例を示す図である。
【0032】
図2に示すように、ゲーム装置10は、機能的構成として、記憶手段40と、進行手段42と、表示制御手段44と、移動制御手段46と、受付手段48と、行動制御手段50と、終了手段52と、を備える。記憶手段40は、例えば、メモリ14で実現される。その他の機能的構成は、例えば、CPU12が、読込装置18を制御して可搬記憶媒体を読み込み、当該可搬記憶媒体に格納されたプログラムをメモリ14に展開して実行することにより実現される。
【0033】
記憶手段40は、例えば、プレイヤのゲームの進行状況を示すプレイデータ40Aを記憶する機能を有する。
【0034】
進行手段42は、ゲームを進行する機能を有する。
【0035】
表示制御手段44は、一又は複数のプレイヤオブジェクトと一又は複数の敵オブジェクトとを含むゲーム空間を表示装置20に表示制御する機能を有する。具体的には、表示制御手段44は、ゲーム空間を示すデータ信号を表示装置20に出力する。
【0036】
移動制御手段46は、コマンドバトルの間、プレイヤオブジェクトをゲーム空間において自動的に移動させる機能を有する。また、移動制御手段46は、コマンドバトルの間、敵オブジェクトも自動的に移動させてもよい。ここで、「自動的」とは、プレイヤによる入力装置16の操作を伴うことなく処理が実行されるさまをいう。また、移動制御手段46は、コマンドバトルの間、プレイヤの操作によるプレイヤオブジェクトの移動を禁止する。
【0037】
また、移動制御手段46は、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトを攻撃した場合、例えば攻撃方向(プレイヤオブジェクトとは反対方向)等に当該敵オブジェクトを移動させてもよい。具体的には、移動制御手段46は、敵オブジェクトを攻撃方向に飛ばしたり、敵オブジェクトを地面に倒したり、後ろに歩かしたりして移動させる。
【0038】
また、移動制御手段46は、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトを攻撃する場合に、当該プレイヤオブジェクトと当該敵オブジェクトとの間に他のプレイヤオブジェクトが存在する場合、当該プレイヤオブジェクトと当該敵オブジェクトとの間から離れるように、当該他のプレイヤオブジェクトを移動させてもよい。
【0039】
また、移動制御手段46は、行動制御手段50により決定された敵オブジェクトの攻撃対象又は攻撃内容に基づき、敵オブジェクトとプレイヤオブジェクトとの距離を決定し、決定した距離となるように、敵オブジェクトを移動させてもよい。
【0040】
受付手段48は、移動制御手段46によりプレイヤオブジェクトが移動している間、プレイヤによる、予め定められた複数のコマンドの中から一つのコマンドの選択を入力装置16から受け付ける機能を有する。上記「複数のコマンド」としては、例えば、プレイヤオブジェクトに対して敵オブジェクトへの攻撃を指示する攻撃コマンド、プレイヤオブジェクトに対して敵オブジェクトからの防御を指示する防御コマンド、プレイヤオブジェクトに対して技(又は魔法)の発動を指示する技コマンド、プレイヤオブジェクトに対してアイテムの使用を指示するアイテムコマンド、プレイヤオブジェクトに対してコマンドバトルから逃げることを指示する逃げコマンド等が挙げられる。また、受付手段48は、プレイヤから攻撃コマンド、技コマンド、アイテムコマンドの選択を受け付けた場合、プレイヤによる、各コマンドの対象となるオブジェクトの指定を入力装置16から受け付ける機能を有してもよい。具体的には、受付手段48は、攻撃コマンドを受け付けた場合、攻撃対象である敵オブジェクトの指定を受け付け、技コマンド又はアイテムコマンドを受け付けた場合、技(又は魔法)又は使用されるアイテムの対象であるプレイヤオブジェクト又は敵オブジェクトの指定を受け付けてもよい。
【0041】
行動制御手段50は、複数のコマンドの中で所定のコマンドを受付手段48が受け付けた場合、プレイヤオブジェクトに対して一の行動をさせ、且つ、移動制御手段46により移動された当該プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況に基づき、一の行動の態様を決定する機能を有する。上記「一の行動」としては、上述した、攻撃、防御、技発動、アイテム使用、逃げる等の行動が挙げられる。本実施形態では、行動制御手段50は、所定のコマンドとして攻撃コマンドを受付手段48が受け付けた場合、一の行動として、プレイヤオブジェクトに対して攻撃対象である敵オブジェクトを攻撃させ、且つ、移動制御手段46により移動された当該プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況に基づき、攻撃の態様を決定する。具体的には、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況が、自転車や看板等の物体が地面に存在するという状況である場合、プレイヤオブジェクトにその物体を持たせて、その物体を使用して敵オブジェクトを攻撃させる攻撃態様を決定する。また、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況が、階段や踏み台等の段差が存在するという状況である場合、プレイヤオブジェクトに段差を利用させてジャンプ攻撃をさせる攻撃態様を決定する。また、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況が、物体や段差が何も存在しない状況である場合、プレイヤオブジェクトに殴る蹴る等の予め定められた通常の攻撃をさせる攻撃態様を決定する。
【0042】
また、行動制御手段50は、攻撃コマンドを受付手段48が受け付けた場合、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとの位置関係に基づき、攻撃をキャンセルするか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には攻撃をキャンセルし、当該判定を否定判定した場合には攻撃をさせてもよい。具体的には、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとの位置関係が、それらの間に他の敵オブジェクトや障害物が存在するという位置関係である場合、攻撃をキャンセルすると肯定判定してもよい。この場合、他の敵オブジェクトがプレイヤオブジェクトに対して攻撃又は/及び妨害してもよい。また、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとの位置関係が、閾値以上距離が離れているという位置関係である場合、攻撃をキャンセルすると肯定判定してもよい。
【0043】
また、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトの攻撃により移動された後の敵オブジェクトが位置する状況又は周囲の状況に基づき、攻撃とは別のダメージを敵オブジェクトに与えるか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には当該敵オブジェクトにダメージを与え、当該判定を否定判定した場合には当該敵オブジェクトにダメージを与えない。具体的には、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトの攻撃により移動された後の敵オブジェクトが位置する状況又は周囲の状況が、敵オブジェクトが壁等の物体に接触する位置や周囲に存在する車等の物体が向かってくると接触する位置という状況である場合、攻撃とは別のダメージを敵オブジェクトに与えると肯定判定する。
【0044】
また、行動制御手段50は、敵オブジェクトの攻撃対象及び攻撃内容を決定する。この際、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトの現在又は過去の行動に応じて、敵オブジェクトの攻撃対象及び攻撃内容を決定してもよい。具体的には、行動制御手段50は、敵オブジェクトの攻撃対象が一のプレイヤオブジェクトであった場合において、他のプレイヤオブジェクトに攻撃された場合、敵オブジェクトの攻撃対象を他のプレイヤオブジェクトに決定する。また、行動制御手段50は、敵オブジェクトの攻撃対象を、当該敵オブジェクトに一番近いプレイヤオブジェクトに決定してもよい。
【0045】
また、プレイヤオブジェクトには、予め用意された複数の職業のうち一の職業が設定されており、行動制御手段50は、所定のコマンドを受付手段48が受け付けた場合、プレイヤオブジェクトの職業に基づき、一の行動の態様を変更してもよい。具体的には、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトが職業に応じた所定の物体を既に所持している場合は、プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況が、自転車や看板等の他の物体が地面に存在するという状況であるときでも、所定の物体から他の物体に持ち替えることはせず、所定の物体をそのまま使用して攻撃するよう攻撃態様を変更してもよい。また、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトが位置する周囲の状況が、自転車や看板等の物体が存在するという状況である場合において、プレイヤオブジェクトが体力系の職業が設定されているときは、プレイヤオブジェクトに両手を用いて物体を持ち上げて攻撃させる攻撃態様、プレイヤオブジェクトが魔法系の職業が設定されているときは、プレイヤオブジェクトに魔法を使用させて物体を持ち上げて攻撃させる攻撃態様に変更してもよい。
【0046】
また、行動制御手段50は、コマンドバトルから逃げるための逃げコマンドを受付手段48が受け付けた場合、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとの位置関係に基づき、プレイヤオブジェクトをコマンドバトルから逃げさせるか否かを判定してもよい。そして、行動制御手段50は、上記判定を肯定判定した場合には、プレイヤオブジェクトをコマンドバトルから逃げさせ、上記判定を否定判定した場合には、プレイヤオブジェクトをコマンドバトルから逃げさせないようにする。具体的には、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクトが閾値以上の人数の敵オブジェクトに囲まれているという位置関係である場合やプレイヤオブジェクトが敵オブジェクトから閾値未満の距離にいる場合は、コマンドバトルから逃げさせないと否定判定してもよい。また、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトから閾値以上の距離離れているという位置関係である場合は、コマンドバトルから逃げさせると肯定判定してもよい。
【0047】
終了手段52は、全てのプレイヤオブジェクトに設定されたヒットポイント、又は、全ての敵オブジェクトに設定されたヒットポイントがゼロになると、コマンドバトルを終了する。また、終了手段52は、行動制御手段50によりプレイヤオブジェクトがコマンドバトルから逃げると、コマンドバトルを強制的に終了する。
【0048】
<バトル処理>
図3は、本実施形態に係るゲーム装置10において、コマンドバトルのバトル処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の内容及び順番は適宜変更することができる。
【0049】
(ステップSP10)
表示制御手段44は、コマンドバトルのためのゲーム空間であって、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトとを含むゲーム空間を表示装置20に表示制御する。
【0050】
図4Aは、表示装置20に表示されるゲーム空間100Aの一例を示す図であって、攻撃前のプレイヤオブジェクト102の周囲の状況を示す図である。
【0051】
図4Aに示すように、ゲーム空間100Aは、プレイヤオブジェクト102と、敵オブジェクト104と、を含む。本実施形態では、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104はそれぞれ複数存在するが、
図4Aを含む図面上では、一のプレイヤオブジェクト102と一の敵オブジェクト104のみ図示している。
【0052】
図3に戻って、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP12)
移動制御手段46は、プレイヤオブジェクト102及び敵オブジェクト104に対し、ゲーム空間100Aにおいて移動を開始させる。続いて、移動制御手段46は、コマンドバトルが終了するまでの間、プレイヤオブジェクト102及び敵オブジェクト104をゲーム空間100Aにおいて自動的に移動させる。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP14)
進行手段42は、現在の行動対象の順番を初期値(ゼロ)からインクリメントしながら、行動対象数の分だけ、すなわち、コマンドバトルに参加しているプレイヤオブジェクト102及び敵オブジェクト104の数分だけ、ステップSP14~ステップSP44の間の処理を繰り返す。
【0055】
(ステップSP16)
進行手段42は、現在の行動対象の順番が、プレイヤオブジェクト102の順番であるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP20の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP18の処理に移行する。
【0056】
(ステップSP18)
行動制御手段50は、現在の行動対象である敵オブジェクト104に対して所定の行動をさせる。本実施形態では、行動制御手段50は、現在の行動対象である敵オブジェクト104に対して事前に決定した攻撃対象及び攻撃内容に基づき、プレイヤオブジェクト102を攻撃させる。続いて、行動制御手段50は、次回の敵オブジェクト104の攻撃対象及び攻撃内容を決定する。そして、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP20)
受付手段48は、移動制御手段46によりプレイヤオブジェクト102及び敵オブジェクト104が移動している間、プレイヤによる、予め定められた複数のコマンドの中から一つのコマンドの選択を受け付ける。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0058】
(ステップSP22)
行動制御手段50は、攻撃コマンドを受付手段48が受け付けたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP26の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP24の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP24)
行動制御手段50は、受付手段48が受け付けたコマンドに応じた行動制御を行動対象のプレイヤオブジェクト102に対して行う。例えば、行動制御手段50は、防御コマンドに応じてプレイヤオブジェクト102に対して防御させ、技コマンドに応じてプレイヤオブジェクト102に対して技を発動させ、逃げコマンドに応じてプレイヤオブジェクト102に対してコマンドバトルから逃げさせる。ここで、行動制御手段50は、コマンドバトルから逃げるための逃げコマンドを受付手段48が受け付けた場合、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104との位置関係に基づき、プレイヤオブジェクト102をコマンドバトルから逃げさせるか否かを判定し、肯定判定した場合にのみ、プレイヤオブジェクト102をコマンドバトルから逃げさせてもよい。そして、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0060】
(ステップSP26)
行動制御手段50は、移動制御手段46により移動された行動対象のプレイヤオブジェクト102が現在位置する周囲の状況を取得する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP28)
行動制御手段50は、取得した周囲の状況に基づき、攻撃の態様を決定する。そして、処理は、ステップSP30の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP30)
行動制御手段50は、行動対象のプレイヤオブジェクト102と攻撃対象の敵オブジェクト104との位置関係に基づき、攻撃をキャンセルするか否かを判定(決定)する。具体的には、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104との間に他の敵オブジェクト104が存在する場合には、攻撃をキャンセルすると肯定判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP32の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP34の処理に移行する。
【0063】
(ステップSP32)
行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102の攻撃をキャンセルする。この際、他の敵オブジェクト104がプレイヤオブジェクト102の攻撃を妨害するようなキャンセル演出を行わせる。そして、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0064】
(ステップSP34)
移動制御手段46は、行動対象のプレイヤオブジェクト102と攻撃対象の敵オブジェクト104との間に他のプレイヤオブジェクト102が存在するか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP36の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP38の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP36)
移動制御手段46は、行動対象のプレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104との間から離れるように、他のプレイヤオブジェクト102を移動させる。そして、処理は、ステップSP38の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP38)
行動制御手段50は、ステップSP28で決定した攻撃の態様で、プレイヤオブジェクト102に対して敵オブジェクト104を攻撃させる。これ伴い、行動制御手段50は、例えば、攻撃するプレイヤオブジェクト102に設定されている攻撃力と、攻撃された敵オブジェクト104に設定されている防御力とに基づき、敵オブジェクト104に与えるダメージを算出する。続いて、行動制御手段50は、攻撃された敵オブジェクト104に設定されているヒットポイントから、算出したダメージを減算する。さらに続いて、移動制御手段46は、攻撃された敵オブジェクト104をプレイヤオブジェクト102とは反対方向に移動させる。
【0067】
ここで、
図4Bは、
図4Aに示す状況からプレイヤオブジェクト102が攻撃する様子を示すゲーム空間100Bの図である。
図5Aは、表示装置20に表示されるゲーム空間100Cの他の例を示す図であって、攻撃前のプレイヤオブジェクト102の周囲の状況を示す図である。
図5Bは、
図5Aに示す状況からプレイヤオブジェクト102が攻撃する様子を示すゲーム空間100Dの図である。
【0068】
図4Aに示すように、プレイヤオブジェクト102が現在位置する周囲の状況が、物体がない状況である場合、行動制御手段50は、
図4Bに示すように、プレイヤオブジェクト102が敵オブジェクト104に素手で殴るような態様で、プレイヤオブジェクト102に対して敵オブジェクト104を攻撃させる。
【0069】
また、
図5Aに示すように、プレイヤオブジェクト102が現在位置する周囲の状況が、物体106が地面に存在する状況である場合、行動制御手段50は、
図5Bに示すように、プレイヤオブジェクト102が物体106を拾って持ち、それを敵オブジェクト104にぶつけるような態様で、プレイヤオブジェクト102に対して敵オブジェクト104を攻撃させる。
【0070】
図3に戻って、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0071】
(ステップSP40)
行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102の攻撃により移動された後の敵オブジェクト104が位置する状況又は周囲の状況に基づき、攻撃とは別のダメージを敵オブジェクト104に与えるか否かを判定する。具体的には、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102の攻撃により移動された後の敵オブジェクト104が位置する状況又は周囲の状況が、壁や木等の物体に接触する状況や周囲に存在する車等の物体が向かってくると接触する状況である場合、攻撃とは別のダメージを敵オブジェクト104に与えると肯定判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP42の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP44の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP42)
行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102の攻撃により移動された敵オブジェクト104に追加ダメージを与える。すなわち、行動制御手段50は、敵オブジェクト104に設定されているヒットポイントを、ステップSP38の減算から更に減算する。そして、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP44)
処理は、行動対象の順番が行動対象数の最大値となるまで、ステップSP14の処理に戻り、行動対象の順番が行動対象数の最大値となった場合、ステップSP46の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP46)
終了手段52は、敵オブジェクト104のヒットポイントを全てゼロにしたという条件等、予め定められた終了条件を満たしたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、終了手段52がコマンドバトルを終了することで、
図3に示す一連のバトル処理が終了し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP14の処理に戻る。
【0075】
<効果>
以上、本実施形態では、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104とのコマンドバトルを含むゲームのプログラムであって、コンピュータとしてのゲーム装置10を、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104とを含むゲーム空間100A~100Dを表示制御する表示制御手段44、コマンドバトルの間、プレイヤオブジェクト102をゲーム空間100A~100Dにおいて自動的に移動させる移動制御手段46、移動制御手段46によりプレイヤオブジェクト102が移動している間、プレイヤによる、予め定められた複数のコマンドの中から一つのコマンドの選択を受け付ける受付手段48、複数のコマンドの中で所定のコマンドを受付手段48が受け付けた場合、プレイヤオブジェクト102に対して一の行動をさせ、且つ、移動制御手段46により移動された当該プレイヤオブジェクト102が位置する周囲の状況に基づき、一の行動の態様を決定する行動制御手段50、として機能させる。
【0076】
この構成によれば、プレイヤがコマンドを選択する間も、プレイヤオブジェクト102の周囲の状況が随時変化するため、臨場感を引き出すことができる。また、コマンドバトルでありながらも、コマンドを選択したタイミングの周囲の状況に応じて行動の態様が変化するので、変化に富んだバトルとなり、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【0077】
また、本実施形態では、行動制御手段50は、所定のコマンドとして攻撃コマンドを受付手段48が受け付けた場合、一の行動として、プレイヤオブジェクト102に対して敵オブジェクト104を攻撃させ、且つ、移動制御手段46により移動された当該プレイヤオブジェクト104が位置する周囲の状況に基づき、攻撃の態様を決定する。
【0078】
この構成によれば、プレイヤオブジェクト102の周囲の状況に基づき、攻撃の態様が変化するので、コマンドバトルでありながらも、変化に富んだ攻撃となり、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【0079】
また、本実施形態では、行動制御手段50は、攻撃コマンドを受付手段48が受け付けた場合、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104との位置関係に基づき、攻撃をキャンセルするか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には攻撃をキャンセルし、当該判定を否定判定した場合には攻撃をさせる。
【0080】
この構成によれば、コマンドバトルでありながらも、攻撃がキャンセルされることがあり、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【0081】
また、本実施形態では、移動制御手段46は、プレイヤオブジェクト102が敵オブジェクト104を攻撃した場合、当該敵オブジェクト104を移動させ、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102の攻撃により移動された後の敵オブジェクト104が位置する状況又は周囲の状況に基づき、攻撃とは別のダメージを敵オブジェクト104に与えるか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には当該敵オブジェクト104にダメージを与え、当該判定を否定判定した場合には当該敵オブジェクト104にダメージを与えない。
【0082】
この構成によれば、コマンドバトルでありながらも、敵オブジェクト104の状況又は周囲の状況に応じて別のダメージを与えることができるので、臨場感を一層引き出すことができ、もって、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【0083】
また、本実施形態では、表示制御手段44は、複数のプレイヤオブジェクト102を表示させ、移動制御手段46は、プレイヤオブジェクト102が敵オブジェクト104を攻撃する場合に、当該プレイヤオブジェクト102と当該敵オブジェクト104との間に他のプレイヤオブジェクト102が存在する場合、当該プレイヤオブジェクト102と当該敵オブジェクト104との間から離れるように、当該他のプレイヤオブジェクト102を移動させる。
【0084】
この構成によれば、臨場感を一層引き出すことができ、もって、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【0085】
また、本実施形態では、行動制御手段50は、コマンドバトルから逃げるための逃げコマンドを受付手段48が受け付けた場合、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104との位置関係に基づき、プレイヤオブジェクト102をコマンドバトルから逃げさせるか否かを判定し、当該判定を肯定判定した場合には当該プレイヤオブジェクト102を当該コマンドバトルから逃げさせ、当該判定を否定判定した場合には当該プレイヤオブジェクト102を当該コマンドバトルから逃げさせない、
【0086】
この構成によれば、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104との位置関係に基づき、プレイヤオブジェクト102がコマンドバトルから逃げれるか逃げれないかが決まるので、臨場感を一層引き出すことができ、もって、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【0087】
また、本実施形態では、移動制御手段46は、ゲーム空間において、敵オブジェクト104を自動的に移動させる。
【0088】
この構成によれば、コマンドを選択している間も敵オブジェクト104が移動しているので、臨場感を一層引き出すことができ、もって、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【0089】
また、本実施形態では、行動制御手段50は、敵オブジェクト104の攻撃対象及び攻撃内容を決定し、移動制御手段46は、行動制御手段50により決定された敵オブジェクト104の攻撃対象又は攻撃内容に基づき、敵オブジェクト104とプレイヤオブジェクト102との距離を決定し、決定した距離となるように、敵オブジェクト104を移動させる。
【0090】
この構成によれば、臨場感を一層引き出すことができ、もって、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【0091】
また、本実施形態では、プレイヤオブジェクト102には、職業が設定されており、行動制御手段50は、所定のコマンドを受付手段48が受け付けた場合、プレイヤオブジェクト102の職業に基づき、一の行動の態様を変更する。
【0092】
この構成によれば、職業に基づき一の行動の態様が変更されるので、行動のバリエーションが増え、もって、コマンドバトルの興趣性を向上することができる。
【0093】
また、本実施形態では、コマンドバトルは、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104が予め定められた順番で行動するターン制のコマンドバトルである。
【0094】
この構成によれば、リアルタイムなバトルに比べて、初心者に優しいゲームを提供することができる。
【0095】
<変形例>
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0096】
例えば、上記実施形態では、ゲームがコマンドバトルを含むゲームである場合を説明したが、バトルのシステムを、コマンドバトル又はリアルタイムバトル(プレイヤによる入力装置16に対する移動操作に基づき、プレイヤオブジェクトの移動を制御しながら進行させるバトル)にプレイヤが切り替えることができるようにしてもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102が位置する周囲の状況に基づき、一の行動の態様を決定する場合を説明したが、プレイヤオブジェクト102が位置する周囲の状況又は/及び敵オブジェクト104が位置する周囲の状況に基づき、一の行動の態様を決定してもよい。具体的には、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102が位置する周囲の状況が、スタンガンが落ちているという状況で、敵オブジェクト104が位置する周囲の状況が、水たまりにいるという状況では、スタンガンを水たまりに投げて攻撃する攻撃態様を決定してもよい。一方で、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102が位置する周囲の状況が、スタンガンが落ちているという状況で、敵オブジェクト104が位置する周囲の状況が、水たまりにいないという状況では、スタンガンをそのまま相手に接触させる攻撃態様を決定してもよい。
【0098】
また、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102の移動速度や、プレイヤオブジェクト102と敵オブジェクト104との相対速度に基づき、一の行動の態様を決定してもよい。また、行動制御手段50は、行動対象のプレイヤオブジェクト102に設定されたレベル、又は/及び、行動先の敵オブジェクト104に設定されたレベルに基づき、一の行動の態様を決定してもよい。また、行動制御手段50は、プレイヤに設定されたランクに基づき、一の行動の態様を決定してもよい。また、行動制御手段50は、ゲーム空間100A~100Dの種類に基づき、一の行動の態様を決定してもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102が位置する周囲の状況に基づき、攻撃の態様を決定する場合を説明したが、プレイヤオブジェクト102が位置する周囲の状況に基づき、アイテムの使用態様を決定してもよい。また、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102が位置する周囲の状況に基づき、技の態様を決定してもよい。また、行動制御手段50は、プレイヤオブジェクト102が位置する周囲の状況に基づき、逃げる態様を決定してもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、移動制御手段46は、行動対象のプレイヤオブジェクト102と攻撃対象の敵オブジェクト104との間に他のプレイヤオブジェクト102が存在する場合、他のプレイヤオブジェクト102を移動させる場合を説明したが、プレイヤオブジェクト102が他のプレイヤオブジェクト102を飛び越えるように、プレイヤオブジェクト102を移動させてもよい。この場合、行動制御手段50は、飛び越える際にジャンプ攻撃をさせる攻撃態様を決定してもよい。
【符号の説明】
【0101】
10…ゲーム装置(コンピュータ、情報処理装置)、44…表示制御手段、46…移動制御手段、48…受付手段、50…行動制御手段