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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】中間転写装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20231108BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G21/16 180
G03G21/16 120
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019170174
(22)【出願日】2019-09-19
(65)【公開番号】P2021047308
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(72)【発明者】
【氏名】市来 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】原 創太
(72)【発明者】
【氏名】大木 友也
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-133733(JP,A)
【文献】特開2013-029705(JP,A)
【文献】特開2016-136186(JP,A)
【文献】特開2007-292960(JP,A)
【文献】特開2005-165090(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0196646(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 13/02
G03G 13/14-13/16
G03G 15/00
G03G 15/02
G03G 15/14-15/16
G03G 21/00
G03G 21/10-21/12
G03G 21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環移動し第1の転写位置においてトナー像の転写を受け該トナー像が被転写体に転写される第2の転写位置に到達するまでの間該トナー像を保持する無端のベルトと、
前記ベルトの循環移動方向に関する前記第2の転写位置よりも下流側であって前記第1の転写位置よりも上流側に配置された、転写後の残存トナーを該ベルトから除去する第1の清掃部と、
前記循環移動方向に関する前記第1の清掃部よりも下流側かつ前記第1の転写位置よりも上流側であって、さらに該ベルトよりも上部に配置された、前記第1の清掃部による除去の後の残滓を該ベルトから除去する第2の清掃部とを備え、
前記第2の清掃部が、
前記循環移動方向に交わる幅方向に延びて前記ベルトに接する接触清掃部と、
前記接触清掃部を支持するとともに前記幅方向へのスライドによる画像形成装置本体への着脱の案内を受ける支持案内受け部とを備えたことを特徴とする中間転写装置。
【請求項2】
前記接触清掃部がロール形状の部材を有し、
前記支持案内受け部が、前記部材を、前記幅方向の両端部に配置された軸受けを介して支持することを特徴とする請求項に記載の中間転写装置。
【請求項3】
前記軸受けが、前記ベルト側が開いた軸受けであって、前記部材が、前記ベルトに押されることにより該軸受けに支持されていることを特徴とする請求項に記載の中間転写装置。
【請求項4】
前記接触清掃部の、前記ベルトに触れる表面が、発泡材料からなることを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の中間転写装置。
【請求項5】
前記接触清掃部が、前記循環移動方向に配列されたロール形状の複数本の部材を備えたことを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の中間転写装置。
【請求項6】
前記複数本の部材の各々の、前記ベルトに触れる表面が、発泡材料からなることを特徴とする請求項に記載の中間転写装置。
【請求項7】
前記複数本の部材のうちの前記循環移動方向最上流に配置された第1の部材の、前記ベルトに触れる表面が、第1の発泡材料からなり、
前記複数本の部材のうちの前記第1の部材よりも前記循環移動方向下流側に配置された少なくとも1本の第2の部材の、前記ベルトに触れる表面が、第1の発泡材料よりも表面の凹凸が細かい第2の発泡材料からなることを特徴とする請求項に記載の中間転写装置。
【請求項8】
前記接触清掃部が、ブレード形状の部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の中間転写装置。
【請求項9】
前記接触清掃部が、ブレード形状の部材に加え、さらにロール形状の部材を有することを特徴とする請求項に記載の中間転写装置。
【請求項10】
前記支持案内受け部の前記幅方向へのスライドを案内することにより、請求項1からのうちのいずれか1項に記載の中間転写装置の着脱を案内する案内部を備えた画像形成装置本体を備え、該画像形成装置本体に装着された該中間転写装置を用いて用紙上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記案内部が、前記支持案内受け部を介して前記接触清掃部を前記ベルトに向けて押しあてることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
循環移動しトナー像の転写を受けそのトナー像が被転写体に転写されるまでの間トナー像を保持する無端のベルトを備えた中間転写装置を備えた画像形成装置が知られている。
また、画像形成装置本体に着脱される着脱方式の中間転写装置を備えた画像形成装置も知られている。
【0003】
中間転写装置には、転写後の残存トナーをベルトから除去するクリーニングブレード等の清掃部が備えられている。
【0004】
ここで、特許文献1には、ゴムブレードと、その上流側に配置された脂粉除去部材としてのブラシローラとを備えた構成が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、クリーニングブレードと、その下流側に配置されたクリーニングブラシ102とを備えた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-215938号公報
【文献】特開2000-275983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
クリーニングブレード等でベルトを清掃する清掃部を備えても、そこをすり抜けたトナーの破片や外添剤といった微小な残滓がベルトと転写ロール等との間で押圧されてベルトに強く付着し、クリーニング不良を引き起こすおそれがある。
【0008】
本発明は、画像形成装置本体への着脱式の中間転写装置において、ベルトに接触清掃部を押し当てるにあたり画像形成装置本体への着脱の案内を受ける支持案内受け部を利用しない場合と比べ簡易な構成で押し当ててすり抜けた残滓を清掃する構成を備えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、
循環移動し第1の転写位置においてトナー像の転写を受け該トナー像が被転写体に転写される第2の転写位置に到達するまでの間該トナー像を保持する無端のベルトと、
前記ベルトの循環移動方向に関する前記第2の転写位置よりも下流側であって前記第1の転写位置よりも上流側に配置された、転写後の残存トナーを該ベルトから除去する第1の清掃部と、
前記循環移動方向に関する前記第1の清掃部よりも下流側かつ前記第1の転写位置よりも上流側あって、さらに該ベルトよりも上部に配置された、前記第1の清掃部による除去の後の残滓を該ベルトから除去する第2の清掃部とを備え、
前記第2の清掃部が、
前記循環移動方向に交わる幅方向に延びて前記ベルトに接する接触清掃部と、
前記接触清掃部を支持するとともに前記幅方向へのスライドによる画像形成装置本体への着脱の案内を受ける支持案内受け部とを備えたことを特徴とする中間転写装置である。
【0011】
請求項に係る発明は、
前記接触清掃部がロール形状の部材を有し、
前記支持案内受け部が、前記部材を、前記幅方向の両端部に配置された軸受けを介して支持することを特徴とする請求項に記載の中間転写装置である。
【0012】
請求項に係る発明は、
前記軸受けが、前記ベルト側が開いた軸受けであって、前記部材が、前記ベルトに押されることにより該軸受けに支持されていることを特徴とする請求項に記載の中間転写装置である。
【0013】
請求項に係る発明は、
前記接触清掃部の、前記ベルトに触れる表面が、発泡材料からなることを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の中間転写装置である。
【0014】
請求項に係る発明は、
前記接触清掃部が、前記循環移動方向に配列されたロール形状の複数本の部材を備えたことを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の中間転写装置である。
【0015】
請求項に係る発明は、
前記複数本の部材の各々の、前記ベルトに触れる表面が、発泡材料からなることを特徴とする請求項に記載の中間転写装置である。
【0016】
請求項に係る発明は、
前記複数本の部材のうちの前記循環移動方向最上流に配置された第1の部材の、前記ベルトに触れる表面が、第1の発泡材料からなり、
前記複数本の部材のうちの前記第1の部材よりも前記循環移動方向下流側に配置された少なくとも1本の第2の部材の、前記ベルトに触れる表面が、第1の発泡材料よりも表面の凹凸が細かい第2の発泡材料からなることを特徴とする請求項に記載の中間転写装置である。
【0017】
請求項に係る発明は、
前記接触清掃部が、ブレード形状の部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の中間転写装置である。
【0018】
請求項に係る発明は、
前記接触清掃部が、ブレード形状の部材に加え、さらにロール形状の部材を有することを特徴とする請求項に記載の中間転写装置である。
【0019】
請求項10に係る発明は、
前記支持案内受け部の前記幅方向へのスライドを案内することにより、請求項1からのうちのいずれか1項に記載の中間転写装置の着脱を案内する案内部を備えた画像形成装置本体を備え、該画像形成装置本体に装着された該中間転写装置を用いて用紙上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置である。
【0020】
請求項11に係る発明は、
前記案内部が、前記支持案内受け部を介して前記接触清掃部を前記ベルトに向けて押しあてることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の中間転写装置および請求項10の画像形成装置によれば、接触清掃部を支持する支持部と画像形成装置本体への着脱の案内を受ける案内受け部とを別々に備えた場合と比べ、簡易な構成で接触清掃部が支持され、すり抜けた残滓を清掃することができる。
【0022】
請求項の中間転写装置および請求項10の画像形成装置によれば、第2の清掃部が、ベルトよりも下部に配置されている場合と比べ、残滓をベルトから安定的に除去することができる。
【0023】
請求項の中間転写装置によれば、ロール形状でない場合と比べ、ベルトの円滑な循環が妨げられない。
【0024】
請求項の中間転写装置によれば、ロール形状の部材を一周に亘って閉じた軸受けで支持する構成と比べ、支持案内受け部をベルトに近づけて小型化を図ることができる。
【0025】
請求項の中間転写装置によれば、ベルトに触れる表面が発泡材料ではない場合と比べ、残滓が効率的に除去される。
【0026】
請求項の中間転写装置によれば、接触清掃部がロール形状の1本の部材からなる場合と比べ、残滓が効率的に除去される。
【0027】
請求項の中間転写装置によれば、ベルトに触れる表面が発泡材料ではない場合と比べ、残滓が効率的に除去される。
【0028】
請求項の中間転写装置によれば、複数本の部材のベルトに触れる表面がいずれも同じ発泡材料からなる場合と比べ、除去される残滓の種類が分担されて残滓が効率的に除去される。
【0029】
請求項の中間転写装置によれば、ブレード形状の部材を含まない場合と比べ、ブレード形状の部材により効率的に除去される種類の残滓が効率的に除去される。
【0030】
請求項の中間転写装置によれば、ブレード形状の部材のみの場合と比べ、ロール形状の部材により効率的に除去される種類の残滓が効率的に除去される。
【0031】
請求項11の画像形成装置によれば、支持案内受け部を介して接触清掃部をベルトに向けて押しあてる構造の案内部ではない場合と比べ、支持案内受け部の強度を下げて軽い中間転写装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態としての画像形成装置の外観斜視図である。
図2図1に外観を示した画像形成装置の内部構成を示した模式図である。
図3】画像形成装置本体の筐体とその筐体に装着される中間転写部を示した斜視図である。
図4】装置筐体を不図示として、フレームガイドと中間転写部を示した斜視図である。
図5図4に示した円Rの部分の拡大図である。
図6】中間転写部が装置筐体内に差し込まれた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態としての画像形成装置の外観斜視図である。
【0035】
この画像形成装置1は、スキャナ10とプリンタ20を備えている。
【0036】
スキャナ10は、この画像形成装置1の骨組みである装置筐体90の上に載せられており、プリンタ20は、装置筐体90内に構成されている。
【0037】
図2は、図1に外観を示した画像形成装置の内部構成を示した模式図である。
【0038】
プリンタ20は、ほぼ横に1列に配列された4つの像形成部50Y,50M,50C,50Kを有する。これらの像形成部50Y,50M,50C,50Kでは、それぞれ、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の各色トナーによるトナー像が形成される。ここでは、これらの像形成部50Y,50M,50C,50Kに共通の説明については、トナーの色の区別を表わす、Y,M,C,Kの符号を省略し、像形成部50と表記する。像形成部以外の他の構成要素についても同様である。
【0039】
各像形成部50には、像保持体51が備えられている。この像保持体51は、駆動力を受けて矢印A方向に回転しながら、その表面に静電潜像が形成され、さらに現像によりトナー像が形成される。
【0040】
各像形成部50に備えられている各像保持体51の周りには、帯電器52、露光器53、現像器54、1次転写器62、およびクリーナ55が備えられている。ここで、1次転写器62は、像保持体51との間に、後述する中間転写ベルト61を挟んだ位置に置かれている。この1次転写器62は、像形成部50ではなく、後述する中間転写部60に備えられている要素である。
【0041】
帯電器52は、像保持体51の表面を一様に帯電する。
【0042】
露光器53は、一様に帯電された像保持体51に、画像信号に基づいて変調された露光光を照射して、像保持体51上に静電潜像を形成する。
【0043】
現像器54内には、キャリアと各像形成部50に応じた色のトナーとを含む現像剤が収容されている。この現像器54内には、像保持体51上に形成された静電潜像を、各像形成部50に応じた色のトナーで現像して、像保持体51上にトナー像を形成する。
【0044】
1次転写器62は、像保持体51上に一時的に保持されたトナー像を、後述する中間転写ベルト61上に転写する。
【0045】
クリーナ55は、転写後の像保持体51上の残留トナー等を像保持体51上から取り除く。
【0046】
4つの像形成部50の上部には、着脱式の中間転写部60が配置されている。そして、この中間転写部60には、中間転写ベルト61が備えられている。この中間転写ベルト61は、駆動ロール63a、従動ロール63b、張架ロール63c等の複数のロールに支持されている。そして、この中間転写ベルト61は、駆動ロール63aに駆動されて、4つの像形成部50に備えられている4つの像保持体51に沿う経路を含む循環経路上を、矢印B方向に循環移動する。
【0047】
各像保持体51上のトナー像は1次転写器62の作用により、中間転写ベルト61上に順次重なるように転写される。そして、中間転写ベルト61上に転写されたトナー像は、その中間転写ベルト61により、2次転写位置T2に搬送される。この2次転写位置T2には2次転写器71が備えられており、中間転写ベルト61上のトナー像は、その2次転写器71の作用により、その2次転写位置T2に搬送されてきた用紙P上に転写される。用紙Pの搬送については後述する。用紙Pへのトナー像の転写後の中間転写ベルト61上に残存するトナー等は、第1クリーナ64により、その中間転写ベルト61から取り除かれる。
【0048】
この中間転写部60にはさらに、中間転写ベルト61の上部に、第2クリーナ65が備えられている。この第2クリーナ65では、第1クリーナ64で中間転写ベルト61上から取り除ききれなかったトナーの破片や外添剤等の残滓が取り除かれる。
【0049】
ここで、この中間転写部60は、本発明の中間転写装置の一例に相当する。また、中間転写ベルト61は、本発明にいうベルトの一例に相当する。さらに、第1クリーナ64および第2クリーナ65は、本発明にいう、それぞれ第1の清掃部および第2の清掃部の各一例に相当する。
【0050】
中間転写部60の上部には、各色のトナーが収容されたトナーカートリッジ100が備えられている。現像器54内のトナーが現像により消費されると、対応する色のトナーを収容したトナーカートリッジ100から、トナーが、不図示のトナー補給路を通って現像器54に補給される。トナーカートリッジ100は装置筐体90に対し着脱自在に構成されており、空になると取り出されて、新たなトナーカートリッジ100が装着される。
【0051】
用紙トレイ21からは、ピックアップロール24により用紙Pが1枚取り出され、搬送ロール25により、搬送路99上を矢印C方向に、タイミング調整ロール26まで搬送される。このタイミング調整ロール26まで搬送されてきた用紙Pは、そのタイミング調整ロール26により、中間転写ベルト61上のトナー像が2次転写位置T2に到達するタイミングに合わせて2次転写位置T2に到達するように、その2次転写位置に向かって送り出される。タイミング調整ロール26により送り出された用紙Pは、2次転写位置T2において、2次転写器71の作用により、中間転写ベルト61からトナー像の転写を受ける。トナー像の転写を受けた用紙Pは、2次転写器71の上方に配置されている定着器72に向かって用紙ガイド73に案内されながらさらに矢印D方向に搬送される。
【0052】
矢印D方向に搬送されて定着器72に到達した用紙P上のトナー像は、この定着器72により加熱および加圧を受けて、その用紙P上に定着される。これにより、用紙P上には、定着されたトナー像からなる画像がプリントされる。定着器72によりトナー像の定着を受けた用紙Pは、搬送ロール27によりさらに搬送され、排紙ロール28により、排紙口29から排紙トレイ22上に送り出される。
【0053】
次に、中間転写部60の、特に第2クリーナ65の構造について説明する。
【0054】
図3は、画像形成装置本体の筐体とその筐体に装着される中間転写部を示した斜視図で
ある。
【0055】
画像形成装置本体の装置筐体90内には、2本のフレームガイド91A,91Bが備えられている。これらのフレームガイド91A,91Bは、その後端部が装置筐体90に固定されて前方に延びている。中間転写部60は、これらのフレームガイド91A,91Bに案内されながら、矢印Xの向きに装置筐体90内に差し込まれる。この中間転写部60は、装置本体内に収容されて像保持体51や2次転写器71等に接する。このため、装置本体内のそれらの部材に公差があってもそれらの部材に倣うことができるように、各部が互いに少し動き得るガタを持った構成となっている。
【0056】
図4は、装置筐体を不図示として、フレームガイドと中間転写部を示した斜視図である。
【0057】
また、図5は、図4に示した円Rの部分の拡大図である。
【0058】
さらに、図6は、中間転写部が装置筐体内に差し込まれた状態の断面図である。
【0059】
装置筐体側のフレームガイド91A,91Bは、図6に示すように、断面が横向きのU字形に近い形状を有している。その2本のフレームガイド91A,91Bに、中間転写部60のフレームが差し込まれ、さらに、中間転写部60の前壁66から挿し込みの向きに突き出た位置決めボス(不図示)がフレームガイド91A,91Bの位置決め孔92に挿し込まれる。
【0060】
ここで、2本のフレームガイド91A,91Bのうちの一方のフレームガイド91Aには、第2クリーナ65のフレーム81が差し込まれる。上述の通り、中間転写部60は、その中間転写部60を構成する部材間にガタを持たせている。
【0061】
ここで、第2クリーナ64には、2本のクリーニングロール82A,82Bが備えられている。これらのクリーニングロール82A,82Bは、予め定められたクリーニング性能を発揮するためには、中間転写ベルト61に予め定められた強さで接している必要がある。これを実現するにあたり、第2クリーナ65のフレーム81を中間転写ベルト61の内側の本体フレーム69にしっかりと固定して、この画像形成部60自体の構造で、2本のクリーニングロール82A,82Bを中間転写ベルト61に押し当てることが考えられる。ただし、この場合、この実施形態よりも複雑なフレーム構造となって重量が増し大型化するおそれがある。そこで、本実施形態では、これを実現するために、第2クリーナ65のフレーム81が差し込まれるフレームガイド91Aを利用している。すなわち、本実施形態では、第2クリーナ65のフレーム81は、この中間転写部60が装置筐体90内に差し込まれて装置筐体90内で固定されることにより、フレームガイド91Aを介して本体フレーム69に固定される。すなわち、フレームガイド91Aは、第2クリーナ65のフレーム81を介してクリーニングロール82A,82Bを中間転写ベルト61に押し当てている。本実施形態では、このようにしてフレームガイド91Aを利用することで、クリーニングロール82A,82Bを予め定められた強さで中間転写ベルト61に押し当て、予め定められたクリーニング性能を発揮する構成としている。この構成により、フレームガイド91Aを利用しない場合と比べ第2クリーナ65のフレーム81の強度を下げ、軽い中間転写部60となっている。
【0062】
ここで、本実施形態におけるフレームガイド91Aは、本発明にいう案内部の一例に相当し、第2クリーナ65のフレーム81は、本発明にいう支持案内受け部の一例に相当する。また、クリーニングロール82A,82Bは、本発明にいう接触清掃部の一例に相当する。
【0063】
この第2クリーナ65の2本のクリーニングロール82A,82Bは、軸821の周りを発泡材料822で取り巻いた構造を有する。そして、これら2本のクリーニングロール82A,82Bの軸821は、その軸方向の手前側と奥側の両端部の配置された軸受け83に支持されている。ここで、この軸受け83は、中間転写ベルト61側が開いた軸受けであって、クリーニングロール82A,82Bは、ばね84により、軸受け83を介して中間転写ベルト61に押し当てられている。そして、中間転写ベルト61を挟んでクリーニングロール82A,82Bと対向する位置には、クリーニングロール82A,82Bが押されたことによる中間転写ベルト61の変形を抑える裏あてロール68が配置されている。ここで、中間転写ベルト61側が開いた軸受け83を採用したことにより軸821を中間転写ベルト61に近づけることができ、軸821を一周に亘って取り巻いた軸受けを採用した場合よりも小径のクリーニングロールを採用して全体の小型化が図られている。また、本実施形態では、クリーニングロールを2本備えたことにより1本のみ備えるよりも残滓が効率的に除去される。また、本実施形態ではクリーニングロール82A,82Bを発泡材料で構成したことにより、発泡による凹凸を利用して、発泡材料を採用しない場合と比べ、残滓が効率的に除去される。さらに、本実施形態では、ロール形状の接触清掃部を採用したことにより、ロール形状ではない接触清掃部を採用した場合と比べ、中間転写ベルト61の循環移動が円滑となる。さらに、本実施形態では、第2クリーナ65は中間転写ベルト61の上部に配置されている。これにより、第2クリーナ65を中間転写ベルト61の下部に配置するよりも、クリーニングロール82A,82Bが中間転写ベルト61に安定的に押し当てられ、残滓を中間転写ベルト61から安定的に除去することができる。
【0064】
ここで、2本のクリーニングロール82A,82Bを、1種類の発泡部材、すなわち表面の凹凸の細かさが同じ発泡部材で構成してもよいが、2本のクリーニングロール82A,82B間で、表面の凹凸が細かさが異なる2種類の発泡部材を使い分けてもよい。この場合、中間転写ベルト61の循環移動方向に関し上流側にあるクリーニングロール82Bよりも下流側にあるクリーニングロール82Aの方を、表面の凹凸も細かい発泡部材を使ったクリーニングロールとする。こうすることで、上流側のクリーニングロール82Bで比較的大粒の残滓が取り除かれ、下流側のクリーニングロール82Aでさらに小粒の残滓が取り除かれる。こうすることにより、残滓が粒の大きさにより2種類に分担されて、さらに効率よく残滓が取り除かれる。
【0065】
なお、ここに示した実施形態の第2クリーナ65では、接触清掃部としてのクリーニングロール82A,82Bが備えられているが、本発明にいう接触清掃部は、ロール形状であることは必ずしも必要ではなく、ブレード形状の接触清掃部を含んでいてもよい。その場合、ブレード形状の部材を含まない場合と比べ、ブレード形状の部材により効率的に除去される種類の残滓が効率的に除去される。また、ブレード形状の接触清掃部とロール形状の接触清掃部の双方を備えていてもよい。その場合、ブレード形状の接触清掃部とロール形状の接触清掃部とでさらに効率的に残滓が除去される。
【符号の説明】
【0066】
1 画像形成装置
10 スキャナ
20 プリンタ
60 中間転写部
61 中間転写ベルト
64 第1クリーナ
65 第2クリーナ
66 前壁
81 フレーム
82A,82B クリーニングロール
821 軸
822 発泡材料
83 軸受け
84 ばね
90 装置筐体
91A,91B フレームガイド
92 位置決め孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6