IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

特許7379992取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法
<>
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図1
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図2
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図3
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図4
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図5
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図6
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図7
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図8
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図9
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図10
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図11
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図12
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図13
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図14
  • 特許-取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20231108BHJP
【FI】
G06Q20/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019172056
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021051354
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115417
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 弘一
(72)【発明者】
【氏名】西田 伸夫
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-114179(JP,A)
【文献】特開2017-059128(JP,A)
【文献】国際公開第2018/079167(WO,A1)
【文献】特開2016-051284(JP,A)
【文献】特開2014-191674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振込元端末である第1の通信端末、振込先端末である第2の通信端末、及び振込処理装置が接続される取引処理装置であって、
前記第2の通信端末を所持する受取人の第1の生体情報が予め記憶される記憶部と、
前記第1の通信端末から振込依頼情報、第1の位置情報、及び前記受取人の第2の生体情報を受信し、前記第2の通信端末から第2の位置情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信された振込依頼情報を前記振込処理装置へ送信する送信部と、
前記第1の通信端末と前記第2の通信端末とが相互認識域の範囲内に位置するかを前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とに基づいて判定し、判定結果を出力する判定部と、
前記判定結果が相互認識域の範囲内に位置することを示す場合、かつ、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報との一致率が閾値以上の場合に、前記振込処理装置へ前記振込依頼情報を送信するよう前記送信部を制御する制御部と、
を有し、
前記第1の生体情報と前記第2の生体情報は指紋情報、静脈情報、声紋情報、または虹彩情報であることを特徴とする取引処理装置。
【請求項2】
記判定部は、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とから前記第1の通信端末と前記第2の通信端末の間の距離を算出し、前記距離が所定以内の場合、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末は相互認識域の範囲内に位置すると判定する、
請求項1に記載の取引処理装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記振込依頼情報を識別する識別情報を前記第2の通信端末に送信し、
前記受信部は、前記第2の通信端末から近距離無線通信で前記第1の通信端末が受信した前記識別情報を前記第1の通信端末から受信し、
前記判定部は、前記第2の通信端末に送信した識別情報と、第1の通信端末から受信した前記識別情報を比較して一致する場合、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末は相互認識域の範囲内に位置すると判定する、
請求項1に記載の取引処理装置。
【請求項4】
前記相互認識域は、前記第1の通信端末を所持する振込人と前記第2の通信端末を所持する振込人とが互いの存在を認識できているだろうと推定できる距離である、請求項1~のいずれかに記載の取引処理装置。
【請求項5】
振込依頼情報を送信する送信部を有する第1の通信端末と、
振込先端末である第2の通信端末と、
前記振込依頼情報を受信する受信部を有する振込処理装置と、
前記第2の通信端末を所持する受取人の第1の生体情報が予め記憶される記憶部と、
前記第1の通信端末から前記振込依頼情報、第1の位置情報、及び前記受取人の第2の生体情報を受信し、前記第2の通信端末から第2の位置情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信された振込依頼情報を前記振込処理装置へ送信する送信部と、
前記第1の通信端末と前記第2の通信端末とが相互認識域の範囲内に位置するかを前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とに基づいて判定し、判定結果を出力する判定部と、
前記判定結果が相互認識域の範囲内に位置することを示す場合、かつ、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報との一致率が閾値以上の場合に、前記振込処理装置へ前記振込依頼情報を送信するよう前記送信部を制御する制御部と、を有し、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報は指紋情報、静脈情報、声紋情報、または虹彩情報であることを特徴とする取引処理装置と、
から構成される取引処理システム。
【請求項6】
振込元端末である第1の通信端末と、振込先端末である第2の通信端末と、振込処理装置と接続される取引処理装置の取引処理方法であって、
前記第2の通信端末を所持する受取人の第1の生体情報を記憶し、
前記第1の通信端末から振込依頼情報、第1の位置情報、及び前記受取人の第2の生体情報を受信し、前記第2の通信端末から第2の位置情報を受信し、
前記第1の通信端末と前記第2の通信端末とが相互認識域の範囲内に位置するかを前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とに基づいて判定し、判定結果を出力し、
前記判定結果が相互認識域の範囲内に位置することを示す場合、かつ、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報との一致率が閾値以上の場合に、前記振込処理装置へ前記振込依頼情報を送信し、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報は指紋情報、静脈情報、声紋情報、または虹彩情報である、
取引処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正な金融取引を防止可能な取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電話や文書等を用いて相手をだまし、金銭の振込を要求する、所謂振り込め詐欺等の不正な金融取引が社会問題となっている。そして、振り込め詐欺を防止するため、様々な対策が講じられている。振り込め詐欺防止に関する技術が記載された文献として、下記の特許文献1が挙げられる。特許文献1には、端末に記憶された振込取引情報に基づき、サーバが、振込取引情報に含まれる振り込み先が過去に振り込みを行った履歴のある振り込み先であるか否かを判定し、過去に振り込みを行った履歴のある振り込み先である場合に振込を実行する、技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-108068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
振り込め詐欺を行う者が、過去に振り込みを受け取った履歴のある端末を盗難し、当該履歴の振込元の端末に電話や文書等を用いて振り込め詐欺を行った場合、振り込み履歴のある端末同士であるため振込が実行され、振り込め詐欺が行え得る。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、本発明の目的は、振込先の端末と振込元の端末とが相互認識域の範囲内に位置する場合に取引を実行することで、振り込め詐欺を防止することの可能な、簡易で新規かつ改良された取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、振込元端末である第1の通信端末、振込先端末である第2の通信端末、及び振込処理装置が接続される取引処理装置であって、前記第2の通信端末を所持する受取人の第1の生体情報が予め記憶される記憶部と、前記第1の通信端末から振込依頼情報、第1の位置情報、及び前記受取人の第2の生体情報を受信し、前記第2の通信端末から第2の位置情報を受信する受信部と、前記受信部で受信された振込依頼情報を前記振込処理装置へ送信する送信部と、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末とが相互認識域の範囲内に位置するかを前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とに基づいて判定し、判定結果を出力する判定部と、前記判定結果が相互認識域の範囲内に位置することを示す場合、かつ、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報との一致率が閾値以上の場合に、前記振込処理装置へ前記振込依頼情報を送信するよう前記送信部を制御する制御部と、を有し、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報は指紋情報、静脈情報、声紋情報、虹彩情報であることを特徴とする取引処理装置が提供される。
【0007】
また、本発明の他の観点によれば、振込依頼情報を送信する送信部を有する第1の通信端末と、振込先端末である第2の通信端末と、前記振込依頼情報を受信する受信部を有する振込処理装置と、前記第2の通信端末を所持する受取人の第1の生体情報が予め記憶される記憶部と、前記第1の通信端末から前記振込依頼情報、第1の位置情報、及び前記受取人の第2の生体情報を受信し、前記第2の通信端末から第2の位置情報を受信する受信部と、前記受信部で受信された振込依頼情報を前記振込処理装置へ送信する送信部と、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末とが相互認識域の範囲内に位置するかを前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とに基づいて判定し、判定結果を出力する判定部と、前記判定結果が相互認識域の範囲内に位置することを示す場合、かつ、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報との一致率が閾値以上の場合に、前記振込処理装置へ前記振込依頼情報を送信するよう前記送信部を制御する制御部と、を有し、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報は指紋情報、静脈情報、声紋情報、または虹彩情報であることを特徴とする取引処理装置と、から構成される取引処理システムが提供される。
【0008】
また、本発明の他の観点によれば、振込元端末である第1の通信端末と、振込先端末である第2の通信端末と、振込処理装置と接続され取引処理装置の取引処理方法であって、前記第2の通信端末を所持する受取人の第1の生体情報を記憶される記憶し、前記第1の通信端末から振込依頼情報、第1の位置情報、及び前記受取人の第2の生体情報を受信し、前記第2の通信端末から第2の位置情報を受信し、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末とが相互認識域の範囲内に位置するかを前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とに基づいて判定し、判定結果を出力し、前記判定結果が相互認識域の範囲内に位置することを示す場合、かつ、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報との一致率が閾値以上の場合に、前記振込処理装置へ前記振込依頼情報を送信し、前記第1の生体情報と前記第2の生体情報は指紋情報、静脈情報、声紋情報、虹彩情報である取引処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、振込先の端末と振込元の端末とが相互認識域の範囲内に位置する場合に取引を実行することで、振り込め詐欺を防止することの可能な、簡易で新規かつ改良された取引処理装置、取引処理システム、及び取引処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るインターネットバンキングシステム1の構成の概要を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るインターネットバンキングサーバ2の構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る顧客情報テーブル220の構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る取引情報テーブル2200の構成の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る勘定系サーバ3の構成を示すブロック図である。
図6】第1の実施形態に係る取引履歴テーブル320の構成の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る登録口座情報テーブル3200の構成の一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る振込元端末4の構成を示すブロック図である。
図9】第1の実施形態に係る振込先端末5の構成を示すブロック図である。
図10】第1の実施形態に係るインターネットバンキングシステム1の主たる動作の処理フローの例を示す図である。
図11】第1の実施形態に係る振込先照会結果が未登録の場合のインターネットバンキングシステム1の主たる動作の処理フローの例を示す図である。
図12】第2の実施形態に係るインターネットバンキングサーバ200の構成を示すブロック図である。
図13】第2の実施形態に係る振込元端末400の構成を示すブロック図である。
図14】第2の実施形態に係る振込先端末500の構成を示すブロック図である。
図15】第2の実施形態に係るインターネットバンキングシステム1の主たる動作の処理フローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成または論理的意義を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成または論理的意義を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0013】
[1.第1の実施形態]
[1.1 インターネットバンキングシステム1の構成例]
[1.1.1 インターネットバンキングシステム1の構成]
図1は、本発明の実施形態に係るインターネットバンキングシステム1の構成の概要を示す図である。インターネットバンキングシステム1は、インターネットバンキングサーバ2と、勘定系サーバ3と、振込元端末4と、振込先端末5と、通信網6と、専用網7とで構成される。以下に、本実施形態に係るインターネットバンキングシステム1に含まれる各構成の概要について説明する。
【0014】
<インターネットバンキングサーバ2>
インターネットバンキングサーバ2は、後述の振込元端末4や振込先端末5等の端末から通信網6を介して接続(アクセス)され、新規口座の開設や、出金・振込等の取引や各種のサービスを振込元端末4や振込先端末5に提供するサーバ装置である。また、インターネットバンキングサーバ2は、後述の勘定系サーバ3と専用網7を介して接続し、振込元端末4や振込先端末5等の端末から実行する取引内容を示す取引情報を受信する度に、勘定系サーバ3に取引情報を送信する機能を有する。取引情報は、振込取引の場合、振込元の口座番号情報、振込元の名義情報、振込先の口座番号情報、振込先の名義情報、振込金情報の情報が含まれる。また、インターネットバンキングサーバ2は、振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置するかを判定する機能を有する。相互認識域は3mから20mの領域である。なお、一般に、相互認識域は知り合いかどうかわかり、相手の顔の表情も分かる距離を示すので3mより20mの領域になる。ここでは屋外でのインターネットバンキングに関するサービス提供を考慮するので、3mより20mの領域では、振込元端末4を使用する顧客と振込先端末5を使用する顧客との間に例えば複数の第3者が存在して相手の顔が見れずに知り合いであるかどうかが分からない可能性もあるため、相互認識域を最短距離の3mとして説明をする。
【0015】
<勘定系サーバ3>
勘定系サーバ3は、後述の専用網7を介してインターネットバンキングサーバ2と接続し、インターネットバンキングサーバ2から取引情報を受信し、取引情報に基づき取引処理を行い、各登録口座の口座情報を管理する管理装置である。
【0016】
<振込元端末4>
振込元端末4は、銀行に口座を開設している顧客、或いは銀行に口座を開設する顧客が使用する通信装置である。かかる振込元端末4の一例として、スマートフォン、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistants)等の移動体通信端末がある。このような移動体通信端末の他、パーソナルコンピューターの固定端末、さらには、タブレット端末やスレート端末等を採用することもできる。振込元端末4を使用する顧客は端末上で動作するブラウザ等を通じて、インターネットバンキングに関するサービスを受ける。振込元端末4を使用する顧客は振込取引の振込元である振込人である。振込元端末4は振込人による振込取引の取引情報の入力を受け付け、位置情報取得機能を使用して振込元端末4の位置情報を取得する機能を有する。振込元端末4は位置情報取得機能により取得された位置情報と取引情報とをインターネットバンキングサーバ2に送信する機能を有する。
【0017】
<振込先端末5>
振込先端末5は、銀行に口座を開設している顧客、或いは銀行に口座を開設する顧客が使用する通信装置である。かかる振込先端末5の一例は振込元端末4と同様である。振込先端末5を使用する顧客は端末上で動作するブラウザ等を通じて、インターネットバンキングに関するサービスを受ける。振込先端末5を使用する顧客は振込取引の振込先である受取人である。振込先端末5は受取人による入力を受け付け、位置情報取得機能を使用して振込先端末5の位置情報を取得する機能を有する。振込先端末5は位置情報取得機能により取得された位置情報をインターネットバンキングサーバ2に送信する機能を有する。本発明において、受取人は既に口座を開設しており、また後述の生体情報を口座開設時に登録済みであることが前提となる。
【0018】
<通信網6>
通信網6は、インターネットバンキングサーバ2と、振込元端末4と、振込先端末5とを接続する。通信網6は、有線又は無線であって、電話回線網、インターネット、衛星通信網等の公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の任意の通信ネットワークから構成される。また、通信網6は、IP-VPN(Internet Protocol‐Virtual Private Network)の専用回線網を含んでもよい。また、通信網6に対して、何らかのセキュリティ手段(例えば、Secure Sockets Layer(SSL))が施されていてもよい。
【0019】
<専用網7>
専用網7は、インターネットバンキングサーバ2と、勘定系サーバ3とを接続する。専用網7は、有線又は無線であって、例えば、IP-VPN(Internet Protocol‐Virtual Private Network)、専用回線、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等の任意の通信ネットワークから構成される。また、専用網7に対して、何らかのセキュリティ手段(例えば、Secure Sockets Layer(SSL))が施されていてもよい。
【0020】
[1.1.2 インターネットバンキングサーバ2の構成例]
本実施形態に係るインターネットバンキングサーバ2の構成の詳細について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るインターネットバンキングサーバ2の構成を示すブロック図である。図2に示すように、インターネットバンキングサーバ2は、通信部20と、制御部21と、記憶部22と、ログイン認証部23と、取引情報照会部24と、メッセージ生成部25と、相互認識域判定部26と、生体情報処理部27と、取引実行通知部28と、新規登録依頼部29とを有する。以下に、インターネットバンキングサーバ2の各機能部について説明する。
【0021】
通信部20は、通信網6を通じて振込元端末4と振込先端末5と接続され、専用網7を通じて勘定系サーバ3と接続されるインターフェースである。通信部20は、後述の制御部21の制御情報に基づいて各種情報を勘定系サーバ3、振込元端末4、振込先端末5に送信し、勘定系サーバ3、振込元端末4、振込先端末5から受信した情報を制御部21に出力する機能を有する。例えば、通信部20は、振込元端末4から取引情報、位置情報を受信し、勘定系サーバ3に取引情報を送信する。本実施の形態において、振込元端末4から受信する取引情報は振込取引の情報である。また、振込元端末4から受信する位置情報を、後述の振込先端末5から受信する位置情報と区別するため、振込元端末位置情報とする。
【0022】
また、通信部20は、インターネットバンキングサービス利用の認証情報として振込元端末4からログインIDとログインパスワードの情報を受信する。また、通信部20は、勘定系サーバ3から取引ナンバー情報、連絡先情報を受信する。取引ナンバー情報は、後述の勘定系サーバ3で付与される各取引の識別情報である。連絡先情報は、勘定系サーバ3で取引情報が受信されると取引情報に基づき特定される振込元端末4のメールアドレス情報と、振込先端末5のメールアドレス情報である。また、通信部20は、勘定系サーバ3へ振込先照会依頼を送信し、勘定系サーバ3から振込先照会結果を受信する。振込先照会依頼は、勘定系サーバ3に対して、取引情報に含まれる振込先が登録振込先であるか否かを問い合わせる照会依頼である。振込先照会結果は、振込先照会依頼に基づき、勘定系サーバ3で取引情報に含まれる振込先が登録振込先であるか否かを判定した結果情報である。振込先照会結果は、取引情報に含まれる振込先が登録振込先であることを示す登録済みと、取引情報に含まれる振込先が登録振込先でないことを示す未登録がある。
【0023】
また、通信部20は、振込先端末5へ位置情報取得許可メッセージを送信し、振込先端末5から位置情報を取得する。振込先端末5から受信する位置情報を、前述の振込元端末位置情報と区別するため振込先端末位置情報とする。また、通信部20は、振込元端末4へ新規登録メッセージを送信し、振込元端末4から生体情報を受信する。振込元端末4から受信する生体情報を受取人生体情報とする。受取人生体情報は指紋情報である。
【0024】
また、通信部20は、勘定系サーバ3へ登録生体情報送信依頼を送信し、勘定系サーバ3から登録生体情報を受信する。登録生体情報送信依頼は、勘定系サーバ3に対して、取引情報に含まれる振込先の受取人の登録生体情報を送信するように依頼する情報である。登録生体情報は、登録生体情報送信依頼に基づき、勘定系サーバ3で特定された取引情報に含まれる振込先の受取人の登録生体情報である。登録生体情報は指紋情報である。
【0025】
また、通信部20は、勘定系サーバ3へ取引実行通知を送信し、勘定系サーバ3から取引結果通知を受信する。取引実行通知は、勘定系サーバ3に対して、取引情報に基づき取引を実行するように依頼する通知である。取引結果通知は、勘定系サーバ3で実行した取引結果の通知である。本実施の形態は振込取引なので、取引結果は振込完了、または振込未完である。また、通信部20は、勘定系サーバ3から受信した取引結果通知を振込元端末4へ送信する。また、通信部20は、勘定系サーバ3へ新規登録依頼を送信する。新規登録依頼は、振込先である受取人を登録振込先として登録する依頼である。
【0026】
制御部21は、インターネットバンキングサーバ2の動作を全般的に制御するプログラムにより実現される。制御部21は、通信部20で出力された情報を各部に制御情報とともに転送する機能を有し、各部で出力された情報を通信部20、または各部に制御情報とともに転送する機能を有する。例えば、制御部21は、通信部20で出力された取引情報を記憶部22に格納する。
【0027】
記憶部22は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等である。記憶部22には、インターネットバンキングサーバ2を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。記憶部22には、位置情報取得許可メッセージの定型文章情報が格納される。記憶部22には、新規登録メッセージの定型文章情報が格納される。記憶部22には、エラーメッセージの定型文章情報が格納される。エラーメッセージとは、振込先端末位置情報が振込先端末5から取得出来なかった場合、または後述の相互認識域判定部26において振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置しないと判定された場合、または後述の生体情報処理部27において受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値以上でないと判定された場合に、振込人に対して取引エラーであることを示すメッセージである。位置情報取得許可メッセージの定型文章情報、新規登録メッセージの定型文章情報、エラーメッセージの定型文章情報については後述する。また、記憶部22には、顧客情報テーブル220、取引情報テーブル2200が格納される。各テーブルの構成について各図を参照して説明をする。
【0028】
図3は、本実施形態に係る顧客情報テーブル220の構成の一例を示す図である。図3に示すように、顧客情報テーブル220は、ログインID221、ログインパスワード222、ログイン情報223、金融機関コード、支店番号、口座番号224、名義人名225の項目で構成される。ログインID221とログインパスワード222には、口座開設時に自動的に割り当てられたログインIDとログインパスワードの情報、或いは顧客自身によって設定されたログインIDとログインパスワードの情報が格納される。金融機関コードと支店番号と口座番号224と名義人名225には、口座開設時に設定された金融機関コード情報と支店番号情報と口座番号情報と名義人名情報とが格納される。ログイン情報223には、後述のログイン認証部23から出力されるログイン状態情報が格納される。ログイン状態情報とは、ログイン、ログオフの情報である。
【0029】
図4は、本実施形態に係る取引情報テーブル2200の構成の一例を示す図である。図4に示すように、取引情報テーブル2200は、取引ナンバー2201、取引情報2202、振込先照会結果2203、連絡先情報、振込元端末位置2204、振込元端末位置取得時刻、振込先端末位置2205、振込先端末位置取得時刻、受取人生体情報2206、受取人生体情報取得時刻、登録生体情報2207、相互認識域判定結果2208、生体情報判定結果2209、取引結果2210の項目で構成される。取引ナンバー2201には、勘定系サーバ3から受信した取引ナンバー情報が格納される。取引情報2202には、振込元端末4から受信した取引情報が格納される。振込先照会結果2203には、勘定系サーバ3から受信した振込先照会結果が格納される。連絡先情報には、勘定系サーバ3から受信した連絡先情報が格納される。振込元端末位置2204には、振込元端末4から受信した振込元端末位置情報が格納される。振込元端末位置取得時刻には、振込元端末4が取得した位置情報の取得時刻情報が格納される。当該取得時刻情報は、振込元端末位置情報と一緒に振込元端末4から送信される。
【0030】
振込先端末位置2205には、振込先端末5から受信した振込先端末位置情報が格納される。振込先端末位置取得時刻には、振込先端末5が取得した位置情報の取得時刻情報が格納される。当該取得時刻情報は、振込先端末位置情報と一緒に振込先端末5から送信される。受取人生体情報2206には、振込元端末4から受信した受取人生体情報が格納される。には、振込元端末4が取得した受取人生体情報の取得時刻情報が格納される。当該取得時刻情報は、受取人生体情報と一緒に振込元端末4から送信される。登録生体情報2207には、勘定系サーバ3から受信した登録生体情報が格納される。相互認識域判定結果2208には、後述の相互認識域判定部26の判定結果が格納される。生体情報判定結果2209には、後述の生体情報処理部27の判定結果が格納される。取引結果2210には、勘定系サーバ3から受信した取引結果通知が格納される。なお、受取人生体情報と登録生体情報のバイナリデータは別のDBに格納しておき、格納先へのアドレス情報を取引情報テーブル2200に格納するようにしてもよい。
【0031】
図2に戻り、ログイン認証部23は、顧客情報テーブル220に格納されるログインID221、ログインパスワード222を参照して、振込元端末4から受信したログインIDとログインパスワードの情報と比較し、ログインIDとログインパスワードの組を認証する機能を有する。また、ログイン認証部23は、ログイン状態情報を顧客情報テーブル220で管理する機能を有する。
【0032】
取引情報照会部24は、振込先照会依頼を勘定系サーバ3へ送信する機能を有する。
【0033】
メッセージ生成部25は、振込先照会結果に基づき、位置情報取得許可メッセージ、新規登録メッセージを生成する機能を有する。振込先照会結果が登録済みの場合、メッセージ生成部25は、位置情報取得許可メッセージを生成する。位置情報取得許可メッセージは、振込先端末5を使用する受取人に振込先端末5の位置情報の取得許可を問うメッセージである。メッセージ生成部25は、位置情報取得許可メッセージを生成する際、記憶部22に格納される位置情報取得許可メッセージの定型文章情報を参照する。振込先照会結果が未登録の場合、メッセージ生成部25は、新規登録メッセージを生成する。新規登録メッセージは、振込元端末4を使用する振込人に対し、振込先である受取人を登録振込先として登録するために受取人の生体情報取得を促すメッセージである。メッセージ生成部25は、新規登録メッセージを生成する際、記憶部22に格納される新規登録メッセージの定型文章情報を参照する。メッセージ生成部25は、振込先端末位置情報が取得出来なかった場合、または相互認識域判定結果が振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置しないことを示す場合、または生体情報判定結果が受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値以上でなかったことを示す場合に、エラーメッセージを生成する機能を有する。メッセージ生成部25は、エラーメッセージを生成する際、記憶部22に格納されるエラーメッセージの定型文章情報を参照する。各メッセージの詳細について説明をする。
【0034】
位置情報取得許可メッセージの定型文章情報は、「新規の振込がございます。位置情報を取得しても良いですか。」といったテキストデータである。メッセージ生成部25は、当該テキストデータと、振込先端末5において受取人が位置情報を取得する、又は位置情報を取得しないことを示す選択可能なボタンとして「許可する」ボタンと「許可しない」ボタンの情報を含めて位置情報取得許可メッセージとして生成する。また、メッセージ生成部25は、位置情報取得許可メッセージをHTML形式のメールで生成し、上述の「許可する」ボタンが選択された場合に、振込先端末5の位置情報取得機能を起動して取得した位置情報を、位置情報取得許可メッセージと一緒に送信した取引ナンバー情報とともにインターネットバンキングサーバ2に返信するようなコマンド情報を含めて生成する。当該コマンド情報には位置情報取得機能を起動する際に、位置情報取得許可メッセージと一緒に送信した取引ナンバーをパラメーターとして渡すような情報も含められる。
【0035】
新規登録メッセージの定型文章情報は、「新規振込先を登録しますか。」と、「お近くにいる受取人の生体情報を取得してください(ボタンに指を翳して下さい)。」といったテキストデータである。メッセージ生成部25は、「新規振込先を登録しますか。」のテキストデータと、振込元端末4において振込人が新規振込先を登録する、又は新規振込先を登録しないことを示す選択可能なボタンとして「登録する」ボタンと「登録しない」ボタンの情報を含めて位置情報取得許可メッセージとして生成する。また、新規登録メッセージの定型文章情報には、振込人が「登録する」ボタンを選択した際に次の新規登録メッセージに切り換わるような制御情報が含まれる。メッセージ生成部25は、「お近くにいる受取人の生体情報を取得してください(ボタンに指を翳して下さい)。」のテキストデータと、振込元端末4の生体情報取得機能を起動して取得した生体情報を、新規登録メッセージと一緒に送信した取引ナンバー情報とともにインターネットバンキングサーバ2に返信するようなコマンド情報を含めて切り替え後の新規登録メッセージとして生成する。
【0036】
エラーメッセージの定型文章情報は、「取引を中止します。」といったテキストデータである。
【0037】
相互認識域判定部26は、振込元端末位置情報と、振込先端末位置情報とを比較して振込元端末4と振込先端末5の間の距離を算出し、当該距離が所定長さ以内の場合、振込元端末4と振込先端末5は相互認識域の範囲内に位置すると判定し、当該距離が所定長さ以上の場合、振込元端末4と振込先端末5は相互認識域の範囲内に位置しないと判定する機能を有する。
【0038】
生体情報処理部27は、登録生体情報送信依頼を勘定系サーバ3へ送信する機能と、受取人生体情報と登録生体情報を比較して一致率が閾値以上であるか否かを判定する機能を有する。閾値は、登録口座保持者本人であると判定できる値であればよく、本実施例においては90%である。生体情報処理部27は、受取人生体情報から指紋情報の特徴点を抽出し、登録生体情報から指紋情報の特徴点を抽出し、抽出した特徴点を比較して、特徴点の一致率が90%以上である場合に、登録口座保持者本人であると判定する。
【0039】
取引実行通知部28は、相互認識域判定結果、または生体情報判定結果に基づき、勘定系サーバ3へ取引実行通知を送信する機能を有する。相互認識域判定結果が振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置することを示す場合、または生体情報判定結果が受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値以上であることを示す場合に、取引実行通知部28は勘定系サーバ3へ取引実行通知を送信する。
【0040】
新規登録依頼部29は、生体情報判定結果に基づき、勘定系サーバ3へ振込先である受取人を登録振込先として登録する新規登録依頼を送信する機能を有する。生体情報判定結果が受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値以上であることを示す場合に、新規登録依頼部29は新規登録依頼を勘定系サーバ3へ送信する。
【0041】
[1.1.3 勘定系サーバ3の構成例]
本実施形態に係る勘定系サーバ3の構成の詳細について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る勘定系サーバ3の構成を示すブロック図である。図5に示すように、勘定系サーバ3は、通信部30と、制御部31と、記憶部32と、登録振込先判定部33と、登録生体情報処理部34と、取引処理部35と、新規振込先登録部36と、取引結果通知部37とを有する。以下に、勘定系サーバ3の各機能部について説明する。
【0042】
通信部30は、専用網7を通じてインターネットバンキングサーバ2と接続されるインターフェースである。通信部30は、後述の制御部31の制御情報に基づいて各種情報をインターネットバンキングサーバ2に送信し、インターネットバンキングサーバ2から受信した情報を制御部31に出力する機能を有する。例えば、通信部30は、インターネットバンキングサーバ2から取引情報を受信する。
【0043】
また、通信部30は、インターネットバンキングサーバ2から振込先照会依頼を受信し、インターネットバンキングサーバ2へ振込先照会結果と、取引ナンバー情報と、連絡先情報とを送信する。また、通信部30は、インターネットバンキングサーバ2から登録生体情報送信依頼を受信し、インターネットバンキングサーバ2へ登録生体情報を送信する。また、通信部30は、インターネットバンキングサーバ2から取引実行通知を受信し、インターネットバンキングサーバ2へ取引結果通知を送信する。また、通信部30は、インターネットバンキングサーバ2から新規登録依頼を受信する。
【0044】
制御部31は、勘定系サーバ3の動作を全般的に制御するプログラムにより実現される。制御部31は、通信部30で出力された情報を各部に制御情報とともに転送する機能を有し、各部で出力された情報を通信部30、または各部に制御情報とともに転送する機能を有する。例えば、制御部31は、通信部30で出力された取引情報毎に取引ナンバー情報を付与し、付与した取引ナンバー情報とともに取引情報を記憶部22に格納する。
【0045】
記憶部32は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等である。記憶部32には、勘定系サーバ3を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。また、記憶部32には、取引履歴テーブル320、登録口座情報テーブル3200が格納される。各テーブルの構成について各図を参照して説明をする。
【0046】
図6は、本実施形態に係る取引履歴テーブル320の構成の一例を示す図である。図6に示すように、取引履歴テーブル320は、取引ナンバー321、取引情報322、振込先照会結果323、取引結果324の項目で構成される。取引ナンバー321と取引情報322には、制御部31で付与された取引ナンバー情報と、取引ナンバー付与対象である取引情報が格納される。振込先照会結果323には、後述の登録振込先判定部33で判定された判定結果である振込先照会結果が格納される。取引結果324には、後述の取引処理部35で実行された取引結果が格納される。
【0047】
図7は、本実施形態に係る登録口座情報テーブル3200の構成の一例を示す図である。図7に示すように、登録口座情報テーブル3200は、金融機関コード、支店番号、口座番号、名義人名、ログインID、ログインパスワード、登録生体情報3201、口座残高3202、連絡先情報3203、住所3204、登録振込先情報3205の項目で構成される。金融機関コード、支店番号、口座番号、名義人名、ログインID、ログインパスワードに格納される情報は、上述の顧客情報テーブル220と同じである。登録生体情報3201には、口座開設時に登録する顧客の生体情報が登録生体情報として格納される。口座残高3202には、口座毎の残高情報が格納される。連絡先情報3203には、顧客が所持する端末のメールアドレス情報が格納される。住所3204には、顧客の住所情報が格納される。登録振込先情報3205には、過去に取引を行った際に登録した受取人の名義人名、口座番号の情報が格納される。なお、登録生体情報のバイナリデータは別のDBに格納しておき、格納先へのアドレス情報を登録口座情報テーブル3200に格納するようにしてもよい。
【0048】
図5に戻り、登録振込先判定部33は、振込先照会依頼に基づき、取引情報に含まれる振込先が登録振込先であるか否かを判定する機能を有する。登録振込先判定部33は、記憶部32の登録口座情報テーブル3200の登録振込先情報3205を参照して取引情報に含まれる振込先が登録振込先であるか否かを判定する。
【0049】
登録生体情報処理部34は、登録生体情報送信依頼に基づき、取引情報に含まれる振込先である受取人の登録生体情報を特定する機能を有する。登録生体情報処理部34は、記憶部32の登録口座情報テーブル3200の登録生体情報3201を参照して取引情報に含まれる振込先である受取人の登録生体情報を特定する。
【0050】
取引処理部35は、取引実行通知に基づき、取引に応じた処理を実行する機能を有する。
【0051】
新規振込先登録部36は、新規登録依頼に基づき、振込先である受取人の名義人名、口座番号の情報を登録振込先として登録する機能を有する。新規振込先登録部36は、記憶部32の登録口座情報テーブル3200の登録振込先情報3205に振込先である受取人の名義人名、口座番号の情報を格納し登録する。
【0052】
取引結果通知部37は、取引処理部35で実行された処理の取引結果をインターネットバンキングサーバ2へ送信する機能を有する。
【0053】
[1.1.4 振込元端末4の構成例]
図8は、本実施形態に係る振込元端末4の構成を示すブロック図である。図8に示すように、振込元端末4は、通信部40と、制御部41と、記憶部42と、操作表示部43と、位置情報取得部44と、生体情報取得部45とを有する。以下に、振込元端末4の各機能部について説明する。
【0054】
通信部40は、通信網6を通じてインターネットバンキングサーバ2と接続されるインターフェースである。通信部40は、後述の制御部41の制御情報に基づいて各種情報をインターネットバンキングサーバ2に送信し、インターネットバンキングサーバ2から受信した情報を制御部41に出力する機能を有する。例えば、通信部40は、取引情報、振込元端末位置情報をインターネットバンキングサーバ2に送信する。
【0055】
また、通信部40は、インターネットバンキングサーバ2から新規登録メッセージを受信し、後述の生体情報取得部45で取得した受取人生体情報をインターネットバンキングサーバ2へ送信する。また、通信部40は、インターネットバンキングサーバ2からエラーメッセージ、取引結果通知を受信する。
【0056】
制御部41は、振込元端末4の動作を全般的に制御するプログラムにより実現される。制御部41は、通信部40で出力された情報を各部に制御情報とともに転送する機能を有し、各部で出力された情報を通信部40、または各部に制御情報とともに転送する機能を有する。例えば、制御部41は、後述の操作表示部43で入力された取引情報と、位置情報取得部44で取得した位置情報と位置情報取得時刻情報とを、通信部40を通じてインターネットバンキングサーバ2に送信する。
【0057】
記憶部42は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等である。記憶部42には、振込元端末4を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。
【0058】
操作表示部43は、タッチパネル型のディスプレイで構成される。操作表示部43は、インターネットバンキングにより提供されるサービス情報画面、新規登録メッセージ、
エラーメッセージ、取引結果通知を表示する機能と、振込人による操作入力を受け付ける機能とを有する。操作表示部43は、サービス情報画面で表示される取引メニューの中から振込人により振込メニューを選択されることで、振込の取引情報の入力を受け付ける。
【0059】
位置情報取得部44は、振込元端末4の位置情報を取得する機能を有する。位置情報取得部44は、例えばGPS(Global Positioning System)などの測位衛星から測位信号を受信して、振込元端末4の現在位置を測位する。
【0060】
生体情報取得部45は、受取人生体情報を取得するセンサである。当該センサは、例えばボタン式のセンサとして操作表示部43の下部に位置する。本実施の形態では生体情報は指紋情報である。なお、指紋情報に限らず、生体情報は静脈情報、または声紋情報、または虹彩情報であってもよい。その場合、勘定系サーバ3の登録口座情報テーブル3200の登録生体情報3201には口座開設時に登録する顧客の静脈情報、または声紋情報、または虹彩情報が格納される。
【0061】
[1.1.5 振込先端末5の構成例]
図9は、本実施形態に係る振込先端末5の構成を示すブロック図である。図9に示すように、振込先端末5は、通信部50と、制御部51と、記憶部52と、操作表示部53と、位置情報取得部54と、を有する。以下に、振込先端末5の各機能部について説明する。
【0062】
通信部50は、通信網6を通じてインターネットバンキングサーバ2と接続されるインターフェースである。通信部50は、後述の制御部51の制御情報に基づいて各種情報をインターネットバンキングサーバ2に送信し、インターネットバンキングサーバ2から受信した情報を制御部41に出力する機能を有する。例えば、通信部50は、インターネットバンキングサーバ2から位置情報取得許可メッセージを受信し、振込先端末位置情報をインターネットバンキングサーバ2に送信する。
【0063】
制御部51は、振込先端末5の動作を全般的に制御するプログラムにより実現される。制御部51は、通信部50で出力された情報を各部に制御情報とともに転送する機能を有し、各部で出力された情報を通信部50、または各部に制御情報とともに転送する機能を有する。例えば、制御部51は、通信部50で出力された位置情報取得許可メッセージを後述の操作表示部53に表示させる。
【0064】
記憶部52は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等である。記憶部52には、振込先端末5を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。
【0065】
操作表示部53は、タッチパネル型のディスプレイで構成される。操作表示部53は、位置情報取得許可メッセージを表示する機能と、受取人による操作入力を受け付ける機能とを有する。
【0066】
位置情報取得部54は、振込先端末5の位置情報を取得する機能を有する。位置情報取得部54は、上述の位置情報取得部44の構成と同じである。
【0067】
[1.2.1 インターネットバンキングシステム1の主たる動作例]
次に、第1の実施形態に係るインターネットバンキングシステム1の主たる動作例について図10を参照しながら詳細に説明する。図10は、インターネットバンキングシステム1の主たる動作の処理フローの例を示す図である。また、各動作の処理フローの詳細を説明するために、図2図9を適宜参照しながら説明をする。
【0068】
振込元端末4は、インターネットバンキングのサービスにおいて振込取引を行うためにログインの操作を振込人より受け付け、ログインする(STEP1000)。詳細には、振込元端末4の操作表示部43は、振込人によるログインIDとログインパスワードの入力を受け付け、ログインIDとログインパスワードの情報を制御部41に出力する。振込元端末4の制御部41は、受領したログインIDとログインパスワードの情報をインターネットバンキングサーバ2に送信するよう制御する制御情報と、ログインIDとログインパスワードの情報とを通信部40に出力する。振込元端末4の通信部40は、インターネットバンキングサーバ2にログインIDとログインパスワードの情報とを送信する。
【0069】
インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、振込元端末4からログインIDとログインパスワードの情報を受信し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、受領したログインIDとログインパスワードの情報をログイン認証部23に出力する。インターネットバンキングサーバ2のログイン認証部23は、記憶部22の顧客情報テーブル220に格納されるログインID221、ログインパスワード222を参照して、制御部21から受領したログインIDとログインパスワードの情報と比較する。比較した結果、一致するログインIDとログインパスワードの組が顧客情報テーブル220に格納されている場合、ログイン認証部23はログイン成功の認証結果を制御部21に出力し、顧客情報テーブル220のログイン情報223にログインのログイン状態情報を格納する。比較した結果、一致するログインIDとログインパスワードの組が顧客情報テーブル220に格納されていない場合は、ログイン失敗のログイン認証結果を制御部21に出力する。
【0070】
インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、ログイン認証部23からログイン認証結果を受領し、ログイン成功の場合に通信部20を通じて振込元端末4に対してインターネットバンキングのサービスの提供を開始する。ログイン失敗の場合、インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、ログイン失敗の旨を示すエラーメッセージを生成するよう制御する制御情報をメッセージ生成部25に出力する。インターネットバンキングサーバ2のメッセージ生成部25は記憶部22に格納されるエラーメッセージの定型文章情報を参照してエラーメッセージを生成し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、メッセージ生成部25からエラーメッセージを受領し、通信部20を通じて振込元端末4にエラーメッセージを送信する。
【0071】
ログイン成功の場合に、振込元端末4は、振込人による振込の取引情報の入力を受け付ける(STEP1001)。詳細には、振込元端末4の操作表示部43は、取引情報として振込元の口座番号情報と、振込元の名義情報と、振込先の口座番号情報と、振込先の名義情報と、振込金情報の入力を受け付け、取引情報を制御部41に出力する。振込元端末4の制御部41は、操作表示部43から取引情報を受領すると、振込元端末位置情報を取得するよう制御する制御情報を位置情報取得部44に出力する。
【0072】
振込元端末4は、振込元端末位置情報を取得する(STEP1002)。詳細には、振込元端末4の位置情報取得部44は、受領した制御情報に基づき、現在の振込元端末4の振込元端末位置情報を取得し、振込元端末位置情報を制御部41に出力する。振込元端末4の制御部41は、受領した振込元端末位置情報と取引情報とをインターネットバンキングサーバ2に送信するよう制御する制御情報と、振込元端末位置情報と、取引情報とを通信部40に出力する。振込元端末4の通信部40は、インターネットバンキングサーバ2に取引情報と振込元端末位置情報とを送信する。
【0073】
振込元端末4から取引情報と振込元端末位置情報とを受信すると、インターネットバンキングサーバ2は、振込先照会依頼と取引情報を勘定系サーバ3へ送信する(STEP1003)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、振込元端末4から取引情報と振込元端末位置情報とを受信し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、通信部20から取引情報と振込元端末位置情報とを受領すると、振込先照会依頼を勘定系サーバ3へ送信するよう制御する制御情報と、取引情報とを取引情報照会部24に出力する。インターネットバンキングサーバ2の取引情報照会部24は、受領した制御情報に基づき、振込先照会依頼と取引情報とを勘定系サーバ3へ送信する。
【0074】
インターネットバンキングサーバ2から振込先照会依頼と取引情報とを受信すると、勘定系サーバ3は取引ナンバー情報を付与し、付与した取引ナンバー情報とともに取引情報を格納する(STEP1004)。詳細には、勘定系サーバ3の通信部30は、インターネットバンキングサーバ2から振込先照会依頼と取引情報とを受信し、制御部31に出力する。勘定系サーバ3の制御部31は、受領した取引情報に取引ナンバー情報を付与し、付与した取引ナンバー情報を記憶部32の取引履歴テーブル320の取引ナンバー321に格納し、取引ナンバーを付与した対象の取引情報を記憶部32の取引履歴テーブル320の取引情報322に格納する。
【0075】
勘定系サーバ3は、受信した振込先照会依頼に基づき、取引情報に含まれる振込先が登録振込先であるか否かを判定する(STEP1005)。詳細には、勘定系サーバ3の制御部31は、取引情報に含まれる振込先が登録振込先であるか否かを判定するよう制御する制御情報と、取引情報とを登録振込先判定部33に出力する。勘定系サーバ3の登録振込先判定部33は、取引情報に含まれる振込元の口座番号情報をキーに登録口座情報テーブル3200を検索し、登録振込先情報3205の項目に取引情報に含まれる振込先の口座番号情報が登録されているかを判定する。勘定系サーバ3の登録振込先判定部33は、判定結果である振込先照会結果を制御部31に出力する。勘定系サーバ3の制御部31は、受領した振込先照会結果を記憶部32の取引履歴テーブル320の振込先照会結果323に格納する。
【0076】
勘定系サーバ3は、受信した取引情報に基づき、連絡先情報を特定する(STEP1006)。詳細には、勘定系サーバ3の制御部31は、取引情報に含まれる振込元の口座番号情報と、振込先の口座番号情報とをキーに登録口座情報テーブル3200を検索し、登録口座情報テーブル3200の連絡先情報3203より振込元端末4のメールアドレス情報と、振込先端末5のメールアドレス情報を特定する。勘定系サーバ3の制御部31は、付与した取引ナンバー情報と、特定した連絡先情報と、振込先照会結果とをインターネットバンキングサーバ2へ送信するよう制御する制御情報を通信部30に出力する。勘定系サーバ3の通信部30は、インターネットバンキングサーバ2に取引ナンバー情報と連絡先情報と振込先照会結果とを送信する。
【0077】
インターネットバンキングサーバ2は、勘定系サーバ3から取引ナンバー情報と連絡先情報と振込先照会結果とを受信すると、振込先照会結果の確認を行う(STEP1007)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、受領した取引ナンバー情報と連絡先情報と振込先照会結果を制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、受領した取引ナンバー情報を取引情報テーブル2200の取引ナンバー2201に格納し、取引情報を取引情報テーブル2200の取引情報2202に格納し、振込先照会結果を取引情報テーブル2200の振込先照会結果2203に格納し、連絡先情報を取引情報テーブル2200の連絡先情報の項目に格納し、振込元端末位置情報と当該振込元端末位置情報の振込元端末位置取得時刻とを、取引情報テーブル2200の振込元端末位置22004と振込元端末位置取得時刻の項目に格納する。取引ナンバー情報と連絡先情報と振込先照会結果と取引情報と振込元端末位置情報とを記憶部22の取引情報テーブル2200に格納すると、制御部21は、振込先照会結果を参照して、取引情報の振込先が登録済みか未登録であるかの確認を行う。
【0078】
インターネットバンキングサーバ2は、確認の結果、振込先照会結果が未登録の場合に処理を図10に示す「A」に進め、振込先照会結果が登録済みの場合にSTEP1009に進める(STEP1008)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、振込先照会結果が未登録の場合に図10に示す「A」に進むように制御し、振込先照会結果が登録済みの場合にSTEP1009に進むように制御する。図10に示す「A」は、図11に示すフローに進むことを示す。図11は後述する。
【0079】
振込先照会結果が登録済みの場合、インターネットバンキングサーバ2は、位置情報取得許可メッセージを生成する(STEP1009)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、振込先照会結果が登録済みであることを確認すると、位置情報取得許可メッセージを生成する制御情報をメッセージ生成部25に出力する。インターネットバンキングサーバ2のメッセージ生成部25は、記憶部22の位置情報取得許可メッセージの定型文章情報を参照して位置情報取得許可メッセージを生成し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、連絡先情報から振込先端末5のメールアドレス情報を抽出し、振込先端末5のメールアドレス宛に位置情報取得許可メッセージと取引ナンバー情報とを振込先端末5に送信するよう制御する制御情報と、振込先端末5のメールアドレス情報と、位置情報取得許可メッセージと、取引ナンバー情報を通信部20に出力する。インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、位置情報取得許可メッセージと取引ナンバー情報とを振込先端末5に送信する。
【0080】
振込先端末5は、インターネットバンキングサーバ2から位置情報取得許可メッセージと取引ナンバー情報とを受信し、位置情報取得許可メッセージを表示する(STEP1010)。詳細には、振込先端末5の通信部50は、インターネットバンキングサーバ2から位置情報取得許可メッセージと取引ナンバー情報とを受信し、制御部51に出力する。振込先端末5の制御部51は、受領した位置情報取得許可メッセージを操作表示部53に出力する。振込先端末5の操作表示部53は、位置情報取得許可メッセージを表示する。上述の通り、位置情報取得許可メッセージには「新規の振込がございます。位置情報を取得しても良いですか。」といったテキストデータと、「許可する」ボタンと「許可しない」ボタンの情報と、上述のコマンド情報が含まれている。
【0081】
振込先端末5は、受取人による操作入力を受け付ける(STEP1011)。詳細には、振込先端末5の操作表示部53は、「許可する」ボタン、または「許可しない」ボタンの操作入力を受け付け、受け付けた情報を受付情報として制御部51に出力する。受付情報は、「許可する」ボタンが選択されたことを示す許可選択と、「許可しない」ボタンが選択されたことを示す許可非選択がある。
【0082】
振込先端末5は、受付情報が許可選択なのか、許可非選択なのかを確認し、許可非選択の場合に処理をSTEP1013に進め、許可選択の場合にSTEP1015に進める(STEP1012)。詳細には、振込先端末5の制御部51は、受付情報が許可非選択の場合にSTEP1013に進むように制御し、受付情報が許可選択の場合にSTEP1015に進むように制御する。振込先端末5の制御部51は、受付情報が許可非選択の場合に、「許可しない」ボタンが選択されたことを示す許可非選択の受付情報をインターネットバンキングサーバ2に送信するよう制御する制御情報と、許可非選択の受付情報と、取引ナンバー情報とを通信部50に出力する。振込先端末5の通信部50は、許可非選択の受付情報と取引ナンバー情報をインターネットバンキングサーバ2に送信する。
【0083】
インターネットバンキングサーバ2は、振込先端末5から取引ナンバー情報と、許可非選択の受付情報を受信すると、エラーメッセージを生成する(STEP1013)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、受領した取引ナンバー情報と、許可非選択の受付情報を制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、許可非選択の受付情報から振込先端末位置情報が振込先端末5から取得出来なかったと判断し、エラーメッセージを生成する制御情報をメッセージ生成部25に出力する。インターネットバンキングサーバ2のメッセージ生成部25は、記憶部22のエラーメッセージの定型文章情報を参照してエラーメッセージを生成し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、取引ナンバー情報から記憶部22の取引情報テーブル2200の連絡先情報を参照して振込元端末4のメールアドレス情報を抽出し、振込元端末4のメールアドレス宛にエラーメッセージを送信するよう制御する制御情報と、振込元端末4のメールアドレス情報と、エラーメッセージを通信部20に出力する。インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、エラーメッセージを振込元端末4に送信する。
【0084】
振込元端末4は、インターネットバンキングサーバ2からエラーメッセージを受信し、エラーメッセージを表示する(STEP1014)。詳細には、振込元端末4の通信部40は、インターネットバンキングサーバ2からエラーメッセージを受信し、制御部41に出力する。振込元端末4の制御部41は、受領したエラーメッセージを操作表示部43に出力する。振込元端末4の操作表示部43は、エラーメッセージを表示する。
【0085】
STEP1012において、受付情報が許可選択の場合、振込先端末5は振込先端末位置情報を取得する(STEP1015)。詳細には、位置情報取得許可メッセージの「許可する」ボタンが選択された場合に、位置情報取得許可メッセージに含まれるコマンド情報により、振込先端末5の位置情報取得部54が起動して振込先端末5の振込先端末位置情報を取得し、取得した振込先端末位置情報を取引ナンバー情報とともにインターネットバンキングサーバ2へ自動送信する。
【0086】
インターネットバンキングサーバ2は、振込元端末4の振込元端末位置情報と、振込先端末5の振込先端末位置情報を比較し、2つの端末が相互認識域の範囲内に位置するか否かを判定する(STEP1016)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、振込先端末5から振込先端末位置情報と取引ナンバー情報とを受信し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、取引ナンバー情報に基づき振込先端末位置情報と当該振込先端末位置情報の振込先端末位置取得時刻とを、取引情報テーブル2200の振込先端末位置2205と振込先端末位置取得時刻の項目に格納する。制御部21は、取引ナンバー情報に基づき取引情報テーブル2200から振込元端末位置情報を抽出し、振込先端末位置情報と、振込元端末位置情報とを相互認識域判定部26に出力する。インターネットバンキングサーバ2の相互認識域判定部26は、振込先端末位置情報と振込元端末位置情報を受領すると、2つの端末が相互認識域の範囲内に位置するか否か、つまり本実施の形態の3m以内に位置するかどうかを判定し、相互認識域判定結果を制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、相互認識域判定結果を記憶部22の取引情報テーブル2200の相互認識域判定結果2208に格納する。また、制御部21は、取引情報テーブル2200から振込元端末位置取得時刻と振込先端末位置取得時刻とを抽出し、相互認識域判定部26に出力してもよい。相互認識域判定部26は、上述の2つの端末が相互認識域の範囲内に位置するか否かを判定する前に、振込元端末位置取得時刻と振込先端末位置取得時刻との差の時間が所定時間内か否かを判定してもよい。相互認識域判定部26は、振込元端末位置取得時刻と振込先端末位置取得時刻との差の時間が所定時間内の場合に、上述の2つの端末が相互認識域の範囲内に位置するか否かを判定する。所定時間とは、例えば3秒である。そのため、振込元端末4は、取引情報を送信してから所定間隔で振込元端末位置情報を取得し、取得した都度振込元端末位置情報をインターネットバンキングサーバ2に送信してもよい。
【0087】
インターネットバンキングサーバ2は、相互認識域判定結果が振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置しないことを示す場合に処理をSTEP1018に進め、相互認識域判定結果が振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置することを示す場合にSTEP1019進める(STEP1017)。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、相互認識域判定結果が振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置しないことを示す場合にSTEP1018に進むように制御し、振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置することを示す場合にSTEP1019に進むように制御する。詳細には、相互認識域判定結果が振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置しないことを示す場合、STEP1013と同様に、インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、エラーメッセージを生成する制御情報をメッセージ生成部25に出力し、メッセージ生成部25で生成されたエラーメッセージを振込元端末4に送信するよう制御する。
【0088】
振込元端末4は、インターネットバンキングサーバ2からエラーメッセージを受信し、エラーメッセージを表示する(STEP1018)。STEP1018の詳細は、STEP1014と同一である。
【0089】
STEP1017において、相互認識域判定結果が振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置することを示す場合に、インターネットバンキングサーバ2は勘定系サーバ3に取引実行通知を送信する(STEP1019)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、取引実行通知部28に勘定系サーバ3へ取引実行通知を送信するよう制御する制御情報と、取引実行の対象である取引の取引ナンバーを出力する。インターネットバンキングサーバ2の取引実行通知部28は、受領した取引ナンバー情報と、取引実行通知を勘定系サーバ3へ送信する。
【0090】
勘定系サーバ3は、インターネットバンキングサーバ2から取引ナンバー情報と取引実行通知を受信し、取引ナンバー情報より取引情報を特定し、当該取引を実行する(STEP1020)。詳細には、勘定系サーバ3の通信部30は、インターネットバンキングサーバ2から取引ナンバー情報と取引実行通知を受信し、制御部31に出力する。勘定系サーバ3の制御部31は、取引ナンバー情報に基づき取引履歴テーブル320から取引情報を特定し、特定した取引情報を処理するよう制御する制御情報と、取引情報を取引処理部35に出力する。勘定系サーバ3の取引処理部35は、取引情報に基づき処理をする。本実施の形態では振込処理であるので振込人の口座残高から振込金額を減額し、振込先である受取人の口座残高に振込金額を増額させる。
【0091】
勘定系サーバ3は、取引結果通知をインターネットバンキングサーバ2に送信する(STEP1021)。詳細には、勘定系サーバ3の取引処理部35は、取引結果を制御部31に出力する。勘定系サーバ3の制御部31は、記憶部32の取引履歴テーブル320の取引結果324に取引結果を格納し、インターネットバンキングサーバ2に取引結果通知を送信するよう制御する制御情報と、受領した取引結果と、取引ナンバー情報とを、取引結果通知部37に出力する。勘定系サーバ3の取引結果通知部37は、取引結果通知と、取引ナンバー情報とをインターネットバンキングサーバ2に送信する。
【0092】
インターネットバンキングサーバ2は、勘定系サーバ3から取引結果通知を受領し、振込元端末4に取引結果通知を転送する(STEP1022)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、勘定系サーバ3から取引結果通知と取引ナンバー情報を受信し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、取引ナンバー情報に基づき記憶部22の取引情報テーブル2200の取引結果2210に取引結果通知を格納する。制御部21は、取引結果通知を振込元端末4に送信するよう制御する制御情報と、取引結果通知とを通信部20に出力する。インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、取引結果通知を振込元端末4に送信する。
【0093】
振込元端末4は、インターネットバンキングサーバ2から受信した取引結果通知を表示する(STEP1023)。振込元端末4の通信部40は、インターネットバンキングサーバ2から取引結果通知を受信し、制御部41に出力する。振込元端末4の制御部41は、受領した取引結果通知を操作表示部43に出力する。振込元端末4の操作表示部43は、取引結果通知を表示する。
【0094】
[1.2.2 振込先照会結果が未登録の場合のインターネットバンキングシステム1の主たる動作例]
次に、STEP1008の、振込先照会結果が未登録の場合の処理について図11を参照しながら詳細に説明する。図11は、振込先照会結果が未登録の場合のインターネットバンキングシステム1の主たる動作の処理フローの例を示す図である。また、各動作の処理フローの詳細を説明するために、図2図9を適宜参照しながら説明をする。
【0095】
振込先照会結果が未登録の場合、インターネットバンキングサーバ2は、新規登録メッセージを生成する(STEP1024)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、振込先照会結果が未登録であることを確認すると、新規登録メッセージを生成する制御情報をメッセージ生成部25に出力する。インターネットバンキングサーバ2のメッセージ生成部25は、記憶部22の新規登録メッセージの定型文章情報を参照して新規登録メッセージを生成し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、連絡先情報から振込元端末4のメールアドレス情報を抽出し、振込元端末4のメールアドレス宛に新規登録メッセージと取引ナンバー情報とを振込元端末4に送信するよう制御する制御情報と、振込元端末4のメールアドレス情報と、新規登録メッセージと、取引ナンバー情報を通信部20に出力する。インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、新規登録メッセージと取引ナンバー情報とを振込元端末4に送信する。
【0096】
振込元端末4は、インターネットバンキングサーバ2から新規登録メッセージと取引ナンバー情報とを受信し、新規登録メッセージを表示する(STEP1025)。詳細には、振込元端末4の通信部40は、インターネットバンキングサーバ2から新規登録メッセージと取引ナンバー情報とを受信し、制御部41に出力する。振込元端末4の制御部41は、受領した新規登録メッセージを操作表示部43に出力する。振込元端末4の操作表示部43は、新規登録メッセージを表示する。上述の通り、新規登録メッセージには「新規振込先を登録しますか。」といったテキストデータと、「登録する」ボタンと「登録しない」ボタンの情報と、「登録する」ボタンを選択した際に次の新規登録メッセージに切り換わるような制御情報と、切り替え後の新規登録メッセージとして「お近くにいる受取人の生体情報を取得してください(ボタンに指を翳して下さい)。」のテキストデータと、コマンド情報が含まれている。
【0097】
振込元端末4は、振込人による操作入力を受け付ける(STEP1026)。詳細には、振込元端末4の操作表示部43は、「登録する」ボタン、または「登録しない」ボタンの操作入力を受け付け、受け付けた情報を受付情報として制御部41に出力する。受付情報は、「登録する」ボタンが選択されたことを示す登録選択と、「登録しない」ボタンが選択されたことを示す登録非選択がある。
【0098】
振込元端末4は、受付情報が登録選択なのか、登録非選択なのかを確認し、登録非選択の場合に処理をSTEP1028に進め、登録選択の場合にSTEP1030に進める(STEP1027)。詳細には、振込元端末4の制御部41は、受付情報が登録非選択の場合にSTEP1028に進むように制御し、受付情報が登録選択の場合にSTEP1030に進むように制御する。振込元端末4の制御部41は、受付情報が登録非選択の場合に、「登録しない」ボタンが選択されたことを示す登録非選択の受付情報をインターネットバンキングサーバ2に送信するよう制御する制御情報と、登録非選択の受付情報と、取引ナンバー情報とを通信部40に出力する。振込元端末4の通信部40は、登録非選択の受付情報と取引ナンバー情報をインターネットバンキングサーバ2に送信する。
【0099】
インターネットバンキングサーバ2は、振込元端末4から取引ナンバー情報と、登録非選択の受付情報を受信すると、エラーメッセージを生成する(STEP1028)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、受領した取引ナンバー情報と、登録非選択の受付情報を制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、登録非選択の受付情報から振込元端末4において新規登録の希望がなかったと判断し、エラーメッセージを生成する制御情報をメッセージ生成部25に出力する。インターネットバンキングサーバ2のメッセージ生成部25は、記憶部22のエラーメッセージの定型文章情報を参照してエラーメッセージを生成し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、取引ナンバー情報から記憶部22の取引情報テーブル2200の連絡先情報を参照して振込元端末4のメールアドレス情報を抽出し、振込元端末4のメールアドレス宛にエラーメッセージを送信するよう制御する制御情報と、振込元端末4のメールアドレス情報と、エラーメッセージを通信部20に出力する。インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、エラーメッセージを振込元端末4に送信する。
【0100】
振込元端末4は、インターネットバンキングサーバ2からエラーメッセージを受信し、エラーメッセージを表示する(STEP1029)。STEP1029の詳細は、STEP1014と同一である。
【0101】
STEP1027において、受付情報が登録選択の場合に、振込元端末4は受取人生体情報を取得する(STEP1030)。詳細には、新規登録メッセージで「登録する」ボタンが選択された場合に、新規登録メッセージに含まれる制御情報により、「お近くにいる受取人の生体情報を取得してください(ボタンに指を翳して下さい)。」の表示が振込元端末4の操作表示部43に表示され、振込先端末5の生体情報取得部45が起動して受取人生体情報を取得し、取得した受取人生体情報を取引ナンバー情報とともにインターネットバンキングサーバ2へ自動送信する。実際には、振込人は近くにいる受取人に対して自端末である振込元端末4の生体情報取得部45であるボタン式のセンサに指を翳すように促し、受取人生体情報である指紋情報を取得する。
【0102】
振込元端末4から受取人生体情報と取引ナンバー情報とを受信すると、インターネットバンキングサーバ2は、登録生体情報送信依頼と取引ナンバー情報を勘定系サーバ3へ送信する(STEP1031)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、振込元端末4から受取人生体情報と取引ナンバー情報とを受信し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、取引ナンバー情報に基づき、受領した受取人生体情報と、当該受取人生体情報の受取人生体情報取得時刻情報とを取引情報テーブル2200の受取人生体情報2206と受取人生体情報取得時刻の項目に格納する。制御部21は、登録生体情報送信依頼を勘定系サーバ3へ送信するよう制御する制御情報と、取引ナンバー情報とを生体情報処理部27に出力する。インターネットバンキングサーバ2の生体情報処理部27は、受領した制御情報に基づき、登録生体情報送信依頼と取引ナンバー情報とを勘定系サーバ3へ送信する。
【0103】
インターネットバンキングサーバ2から登録生体情報送信依頼と取引ナンバー情報とを受信すると、勘定系サーバ3は取引ナンバー情報に基づき、登録生体情報を特定する(STEP1032)。詳細には、勘定系サーバ3の通信部30は、インターネットバンキングサーバ2から登録生体情報送信依頼と取引ナンバー情報とを受信し、制御部31に出力する。勘定系サーバ3の制御部31は、記憶部32の取引履歴テーブル320の取引ナンバー321を参照して受領した取引ナンバー情報から取引情報を特定するよう制御する制御情報を登録生体情報処理部34に出力する。勘定系サーバ3の登録生体情報処理部34は、受領した取引ナンバー情報と同一の取引情報を記憶部32の取引履歴テーブル320から特定し、特定した取引情報に含まれる振り込み先の情報を参照して記憶部32の登録口座情報テーブル3200の登録生体情報3201から受取人の登録生体情報を特定する。
【0104】
勘定系サーバ3は、特定した登録生体情報をインターネットバンキングサーバ2に送信する(STEP1033)。詳細には、勘定系サーバ3の制御部31は、特定した登録生体情報をインターネットバンキングサーバ2へ送信するよう制御する制御情報と、特定した登録生体情報と、取引ナンバー情報とを通信部30に出力する。勘定系サーバ3の通信部30は、インターネットバンキングサーバ2に取引ナンバー情報と登録生体情報とを送信する。
【0105】
インターネットバンキングサーバ2は、受取人生体情報と、登録生体情報を比較し、2つ生体情報の一致率が閾値以上であるか否かを判定する(STEP1034)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の通信部20は、勘定系サーバ3から取引ナンバー情報と登録生体情報とを受信し、制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、取引ナンバー情報に基づき登録生体情報を、取引情報テーブル2200の登録生体情報2207に格納する。制御部21は、取引ナンバー情報に基づき取引情報テーブル2200から受取人生体情報を抽出し、受取人生体情報と、登録生体情報とを生体情報処理部27に出力する。インターネットバンキングサーバ2の生体情報処理部27は、受取人生体情報と登録生体情報とを受領すると、各生体情報の特徴点を抽出し、抽出した特徴点を比較して、特徴点の一致率が90%以上であるか否かを判定し、生体情報判定結果を制御部21に出力する。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、生体情報判定結果を記憶部22の取引情報テーブル2200の生体情報判定結果2209に格納する。
【0106】
インターネットバンキングサーバ2は、生体情報判定結果が受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値未満であることを示す場合に処理をSTEP1036に進め、生体情報判定結果が受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値以上であることを示す場合にSTEP1037に進める(STEP1035)。インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、生体情報判定結果が受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値未満であることを示す場合にSTEP1036に進むように制御し、生体情報判定結果が受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値以上であることを示す場合にSTEP1037に進むように制御する。詳細には、生体情報判定結果が受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値未満であることを示す場合、STEP1013と同様に、インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、エラーメッセージを生成する制御情報をメッセージ生成部25に出力し、メッセージ生成部25で生成されたエラーメッセージを振込元端末4に送信するよう制御する。
【0107】
振込元端末4は、インターネットバンキングサーバ2からエラーメッセージを受信し、エラーメッセージを表示する(STEP1036)。STEP1036の詳細は、STEP1014と同一である。
【0108】
STEP1035において、生体情報判定結果が受取人生体情報と登録生体情報の一致率が閾値以上であることを示す場合に、インターネットバンキングサーバ2は勘定系サーバ3に取引実行通知と新規登録依頼を送信する(STEP1037)。詳細には、インターネットバンキングサーバ2の制御部21は、受取人が振込元端末4の相互認識域の範囲内に位置しなければ取得し得ない受取人生体情報を振込元端末4から受信した場合、振込元端末4と振込先端末5とが相互認識域の範囲内に位置すると判断し、新規登録依頼部29に勘定系サーバ3へ新規登録依頼を送信するよう制御する制御情報と、新規登録依頼の対象である取引の取引ナンバーを出力する。インターネットバンキングサーバ2の新規登録依頼部29は、受領した取引ナンバー情報と、新規登録依頼を勘定系サーバ3へ送信する。勘定系サーバ3への取引実行通知の詳細は、STEP1019と同一である。
【0109】
勘定系サーバ3は、インターネットバンキングサーバ2から取引ナンバー情報と取引実行通知と新規登録依頼を受信し、取引ナンバー情報より取引情報を特定して当該取引を実行し、取引ナンバー情報より新規登録対象を特定して新規登録を実行する(STEP1038)。詳細には、勘定系サーバ3の通信部30は、インターネットバンキングサーバ2から取引ナンバー情報と取引実行通知と新規登録依頼を受信し、制御部31に出力する。勘定系サーバ3の制御部31は、取引ナンバー情報に基づき取引履歴テーブル320から取引情報を特定し、特定した取引情報の振込先である受取人の名義人名、口座番号の情報、振込元である振込人の口座番号の情報を新規登録依頼とともに新規振込先登録部36に出力する。この際に、制御部31は新規登録依頼に基づき、振込先である受取人の名義人名、口座番号の情報を登録振込先として登録するよう制御する制御情報も新規振込先登録部36に出力する。勘定系サーバ3の新規振込先登録部36は、記憶部32の登録口座情報テーブル3200の登録振込先情報3205に振込先である受取人の名義人名、口座番号の情報を格納し登録する。取引実行の詳細は、STEP1020と同一である。
【0110】
STEP1039、STEP1040、STEP1041は、STEP1021、STEP1022、STEP1023と同一である。
【0111】
[1.3 第1の実施形態のまとめ]
以上述べたように、本実施の形態によれば、振込元端末と振込先端末の位置情報に基づき、2つの端末が相互認識域の範囲内に位置する場合に振込を実行することで振り込め詐欺を防止する。また、振込人と受取人とが相互認識域の範囲内に位置しなければ取得し得ない受取人の生体情報を振込元端末から受信した場合に振込を実行することで振り込め詐欺を防止する。相互認識域の範囲内に位置するということは、お互いを認識できているであろうと推定される距離にいるということであり、事前に振込先を登録しているということは顔見知りである確率が高い。また、新規に振込先を登録する場合に受取人の生体情報を必要とすることでお互いを認識できているであろうと推定される距離まで近づかなければならない。このような仕組みは、振り込め詐欺を行うリスクを高め、振り込め詐欺防止に繋がる。
【0112】
[2.第2の実施形態]
第1の実施形態では、振込元端末位置情報と振込先端末位置情報に基づいて2つの端末が相互認識域の範囲内に位置するかを判断したが、第2の実施形態においては、近距離無線通信を利用して2つの端末が相互認識域の範囲内に位置するかを判断する。振込元端末と振込先端末との間で近距離無線の通信が確立し、通信確立の情報に基づいて2つの端末が相互認識域の範囲内に(近距離通信範囲内)に位置するかを判断する。以下に、第2の実施形態の構成について説明をする。
[2.1 インターネットバンキングシステム1の構成例]
[2.1.1 インターネットバンキングシステム1の構成]
第2の実施形態のインターネットバンキングシステム1は、インターネットバンキングサーバ200と、勘定系サーバ300と、振込元端末400と、振込先端末500と、通信網6と、専用網7とで構成される。第2の実施形態においては、第1の実施形態のインターネットバンキングサーバ2と、振込元端末4と、振込先端末5の構成が異なる。勘定系サーバ3、通信網6、専用網7は、第2の実施形態においても第1の実施形態と同一である。以下に、第1の実施形態との差分を中心に第2の実施形態における構成を説明する。
【0113】
[2.1.2 インターネットバンキングサーバ200の構成例]
本実施形態に係るインターネットバンキングサーバ200の構成の詳細について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係るインターネットバンキングサーバ200の構成を示すブロック図である。図12に示すように、インターネットバンキングサーバ200は、通信部201と、制御部202と、記憶部203と、ログイン認証部204と、取引情報照会部205と、メッセージ生成部206と、相互認識域判定部207と、生体情報処理部208と、取引実行通知部209と、新規登録依頼部210とを有する。以下に、インターネットバンキングサーバ200の各機能部について説明する。
【0114】
通信部201は、通信網6を通じて振込元端末400と振込先端末500と接続され、専用網7を通じて勘定系サーバ300と接続されるインターフェースである。通信部201は、振込先端末500へ近距離無線通信開始メッセージを送信し、振込元端末400から近距離無線通信接続情報を受信する点で第1の実施形態と異なる。近距離無線通信開始メッセージは、振込先端末500を使用する受取人に振込先端末500の近距離無線通信機能を起動して近くの端末と近距離無線通信を開始することを問うメッセージである。近距離無線通信接続情報は、振込元端末400と振込先端末500との間で通信が確立して接続が成功したことを示す情報である。通信部201に関するその他の構成については、第1の実施形態の通信部20と同一である。
【0115】
制御部202は、インターネットバンキングサーバ200の動作を全般的に制御するプログラムにより実現される。制御部202は、近距離無線通信開始メッセージを生成するよう後述のメッセージ生成部206を制御する点や、近距離無線通信接続情報に基づき後述の相互認識域判定部207に2つの端末の位置が相互認識域の範囲内にあるか否かを判定するよう制御する点で第1の実施形態と異なる。制御部202に関するその他の構成については、第1の実施形態の制御部21と同一である。
【0116】
記憶部203は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等である。記憶部203には、インターネットバンキングサーバ200を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。記憶部203は、近距離無線通信開始メッセージの定型文章情報が格納される点で第1の実施形態と異なる。近距離無線通信開始メッセージの定型文章情報は、「新規の振込がございます。近くの端末と近距離無線通信を開始しても良いですか。」といったテキストデータである。記憶部203に関するその他の構成については、第1の実施形態の記憶部22と同一である。
【0117】
ログイン認証部204と取引情報照会部205は、第1の実施形態のログイン認証部23と取引情報照会部24と同一である。
【0118】
メッセージ生成部206は、振込先照会結果に基づき、近距離無線通信開始メッセージ、新規登録メッセージを生成する機能を有する。振込先照会結果が登録済みの場合、メッセージ生成部206は、近距離無線通信開始メッセージを生成する。メッセージ生成部206は、近距離無線通信開始メッセージを生成する際、記憶部203に格納される近距離無線通信開始メッセージの定型文章情報を参照する。メッセージ生成部206は、当該テキストデータと、振込先端末500において受取人が位置情報を取得する、又は位置情報を取得しないことを示す選択可能なボタンとして「開始する」ボタンと「開始しない」ボタンの情報を含めて近距離無線通信開始メッセージとして生成する。また、メッセージ生成部206は、近距離無線通信開始メッセージをHTML形式のメールで生成し、上述の「開始する」ボタンが選択された場合に、振込先端末500の近距離無線通信機能を起動して近距離無線通信接続要求の送信を開始させるコマンド情報と、当該通信を受信した振込元端末400の近距離無線通信機能を起動し近距離無線通信接続情報をインターネットバンキングサーバ200へ返信するようなコマンド情報を近距離無線通信接続要求に含めて生成する。メッセージ生成部206に関するその他の構成については、第1の実施形態のメッセージ生成部25と同一である。
【0119】
相互認識域判定部207は、近距離無線通信接続情報に基づき2つの端末の位置が相互認識域の範囲内に位置するか否かを判定する機能を有する。相互認識域判定部207は、近距離無線通信接続情報を受信し、近距離無線通信接続情報と一緒に受信した取引ナンバー情報が、先立って振込先端末500に近距離無線通信開始メッセージと一緒に送信した取引ナンバー情報と一致する場合、振込元端末400と振込先端末500は近距離通信範囲内、つまり相互認識域の範囲内に位置すると判断する。
生体情報処理部208と取引実行通知部209と新規登録依頼部210は、第1の実施形態の生体情報処理部27と取引実行通知部28と新規登録依頼部29と同一である。
【0120】
[2.1.3 振込元端末400の構成例]
図13は、本実施形態に係る振込元端末400の構成を示すブロック図である。図13に示すように、振込元端末400は、通信部401と、制御部402と、記憶部403と、操作表示部404と、生体情報取得部405と、近距離無線通信処理部406と、を有する。振込元端末400は、第1の実施形態の位置情報取得部44に相当する位置情報取得機能を備えず、近距離無線通信処理部406を有する点で第1の実施形態と異なる。以下に、振込元端末400の各機能部について説明する。
【0121】
通信部401と制御部402と記憶部403と操作表示部404と生体情報取得部405は、第1の実施形態の通信部40と制御部41と記憶部42と操作表示部43と生体情報取得部45と同一である。
【0122】
近距離無線通信処理部406は、振込先端末500と接続されるインターフェースである。近距離無線通信処理部406は、近距離無線通信機能を提供する。かかるインターフェースは、例えば、Bluetooth(登録商標)またはNFC(Near Field Communication)、Felica(登録商標)等の近距離無線通信インターフェースである。近距離無線通信処理部406は、振込先端末500から近距離無線通信接続要求を受信し、近距離無線通信の近距離無線通信接続要求に含まれるコマンド情報に基づき、近距離無線通信を開始して振込先端末500との通信接続が成功した場合に近距離無線通信接続情報を送信する機能を有する。
【0123】
[2.1.4 振込先端末500の構成例]
図14は、本実施形態に係る振込先端末500の構成を示すブロック図である。図14に示すように、振込先端末500は、通信部501と、制御部502と、記憶部503と、操作表示部504と、近距離無線通信処理部505と、を有する。振込先端末500は、第1の実施形態の位置情報取得部54に相当する位置情報取得機能を備えず、近距離無線通信処理部505を有する点で第1の実施形態の振込先端末5と異なる。以下に、振込先端末500の各機能部について説明する。
【0124】
通信部501は、通信網6を通じてインターネットバンキングサーバ200と接続されるインターフェースである。通信部50は、インターネットバンキングサーバ200から近距離無線通信開始メッセージを受信する点で第1の実施形態と異なる。通信部501に関するその他の構成については、第1の実施形態の通信部50と同一である。
【0125】
制御部502は、振込先端末500の動作を全般的に制御するプログラムにより実現される。制御部502は、受信した近距離無線通信開始メッセージを後述の操作表示部504に表示するよう制御する点で第1の実施形態と異なる。制御部502に関するその他の構成については、第1の実施形態の制御部51と同一である。
【0126】
記憶部503は、第1の実施形態の記憶部52と同一である。
【0127】
操作表示部504は、タッチパネル型のディスプレイで構成される。操作表示部504は、近距離無線通信開始メッセージを表示する機能と、受取人による操作入力を受け付ける機能とを有する。
【0128】
近距離無線通信処理部505は、通信網を通じて振込元端末400と接続されるインターフェースである。かかるインターフェースは、例えば、Bluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Felica(登録商標)等の近距離無線通信インターフェースである。近距離無線通信処理部505は、インターネットバンキングサーバ200から受信した近距離無線通信メッセージに含まれるコマンド情報に基づき、近距離無線通信を開始する。近距離無線通信の範囲は、例えば3mであり、その範囲は予め近距離無線通信処理部505に設定されている。
[2.2 インターネットバンキングシステム1の主たる動作例]
次に、第2の実施形態に係るインターネットバンキングシステム1の主たる動作例について図15を参照しながら詳細に説明する。図15は、インターネットバンキングシステム1の主たる動作の処理フローの例を示す図である。また、各動作の処理フローの詳細を説明するために、図2図14を適宜参照しながら説明をする。特に、図12との差異を中心に説明をする。
【0129】
図15に示すSTEP2000は、第1の実施形態の図12に示すSTEP1000と同一である。図15に示すSTEP2001では、第1の実施形態のSTEP1001と同様に、振込元端末400が振込人による振込の取引情報の入力を受け付ける。さらに、STEP2001では、振込元端末400がインターネットバンキングサーバ200に取引情報を送信する。図15に示すSTEP2002~STEP2006までは、第1の実施形態のSTEP1003~1007と同一である。
【0130】
図15に示すSTEP2007から詳細に説明する。インターネットバンキングサーバ200は、確認の結果、振込先照会結果が未登録の場合に処理を図10に示す「A」に進め、振込先照会結果が登録済みの場合にSTEP2008に進める(STEP2007)。インターネットバンキングサーバ200の制御部202は、振込先照会結果が未登録の場合に図10に示す「A」に進むように制御し、振込先照会結果が登録済みの場合にSTEP2008に進むように制御する。
【0131】
振込先照会結果が登録済みの場合、インターネットバンキングサーバ200は、近距離無線通信開始メッセージを生成する(STEP2008)。詳細には、インターネットバンキングサーバ200の制御部202は、振込先照会結果が登録済みであることを確認すると、近距離無線通信開始メッセージを生成する制御情報をメッセージ生成部206に出力する。インターネットバンキングサーバ200のメッセージ生成部206は、記憶部203の近距離無線通信開始メッセージの定型文章情報を参照して近距離無線通信開始メッセージを生成し、制御部202に出力する。インターネットバンキングサーバ200の制御部202は、STEP2007で勘定系サーバ300から受信した連絡先情報から振込先端末500のメールアドレス情報を抽出し、振込先端末500のメールアドレス宛に近距離無線通信開始メッセージと取引ナンバー情報とを振込先端末500に送信するよう制御する制御情報と、振込先端末500のメールアドレス情報と、近距離無線通信開始メッセージと、取引ナンバー情報を通信部201に出力する。インターネットバンキングサーバ200の通信部201は、近距離無線通信開始メッセージと取引ナンバー情報とを振込先端末500に送信する。
【0132】
振込先端末500は、インターネットバンキングサーバ200から近距離無線通信開始メッセージと取引ナンバー情報とを受信し、近距離無線通信開始メッセージを表示する(STEP2009)。詳細には、振込先端末500の通信部501は、インターネットバンキングサーバ200から近距離無線通信開始メッセージと取引ナンバー情報とを受信し、制御部502に出力する。振込先端末500の制御部502は、受領した近距離無線通信開始メッセージを操作表示部504に出力する。振込先端末500の操作表示部504は、近距離無線通信開始メッセージを表示する。上述の通り、近距離無線通信開始メッセージには「新規の振込がございます。近くの端末と近距離無線通信を開始しても良いですか。」といったテキストデータと、「開始する」ボタンと「開始しない」ボタンの情報と、コマンド情報が含まれている。
【0133】
振込先端末500は、受取人による操作入力を受け付ける(STEP2010)。振込先端末500の操作表示部504は、「開始する」ボタン、または「開始しない」ボタンの操作入力を受け付け、受け付けた情報を受付情報として制御部502に出力する。受付情報は、「開始する」ボタンが選択されたことを示す開始選択と、「開始しない」ボタンが選択されたことを示す開始非選択がある。
【0134】
振込先端末500は、受付情報が開始選択なのか、開始非選択なのかを確認し、開始非選択の場合に処理をSTEP2012に進め、開始選択の場合にSTEP2014に進める(STEP2011)。詳細には、振込先端末500の制御部502は、受付情報が開始非選択の場合にSTEP2012に進むように制御し、受付情報が開始選択の場合にSTEP2014に進むように制御する。振込先端末500の制御部502は、受付情報が開始非選択の場合に、「開始しない」ボタンが選択されたことを示す開始非選択の受付情報をインターネットバンキングサーバ200に送信するよう制御する制御情報と、開始非選択の受付情報と、取引ナンバー情報とを通信部501に出力する。振込先端末500の通信部501は、開始非選択の受付情報と取引ナンバー情報をインターネットバンキングサーバ200に送信する。
【0135】
インターネットバンキングサーバ200は、振込先端末500から取引ナンバー情報と、開始非選択の受付情報を受信すると、エラーメッセージを生成する(STEP2012)。詳細には、インターネットバンキングサーバ200の通信部201は、受領した取引ナンバー情報と、開始非選択の受付情報を制御部202に出力する。インターネットバンキングサーバ200の制御部202は、開始非選択の受付情報から振込先端末500が近距離無線通信を開始しなかったと判断し、エラーメッセージを生成する制御情報をメッセージ生成部206に出力する。インターネットバンキングサーバ200のメッセージ生成部206は、記憶部203のエラーメッセージの定型文章情報を参照してエラーメッセージを生成し、制御部202に出力する。インターネットバンキングサーバ200の制御部202は、取引ナンバー情報から記憶部203の取引情報テーブル2200の連絡先情報を参照して振込元端末400のメールアドレス情報を抽出し、振込元端末400のメールアドレス宛にエラーメッセージを送信するよう制御する制御情報と、振込元端末400のメールアドレス情報と、エラーメッセージを通信部201に出力する。インターネットバンキングサーバ200の通信部201は、エラーメッセージを振込元端末400に送信する。
【0136】
振込元端末400は、インターネットバンキングサーバ200からエラーメッセージを受信し、エラーメッセージを表示する(STEP2013)。詳細には、振込元端末400の通信部401は、インターネットバンキングサーバ200からエラーメッセージを受信し、制御部402に出力する。振込元端末400の制御部402は、受領したエラーメッセージを操作表示部404に出力する。振込元端末400の操作表示部404は、エラーメッセージを表示する。
【0137】
STEP2011において、受付情報が開始選択の場合、振込先端末500は近距離無線通信接続要求の送信を開始する(STEP2014)。詳細には、近距離無線通信開始メッセージの「開始する」ボタンが選択された場合に、近距離無線通信開始メッセージに含まれるコマンド情報により、振込先端末500の近距離無線通信処理部505が起動して近距離無線通信接続要求を、取引ナンバー情報とともに送信する。
【0138】
振込元端末400は、振込先端末500から近距離無線通信接続要求を受信すると、近距離無線通信接続情報をインターネットバンキングサーバ200に送信する。(STEP2015)。詳細には、振込元端末400の近距離無線通信処理部406は、振込先端末500から近距離無線通信接続要求を受信する。近距離無線通信処理部406は、近距離無線通信接続要求に含まれるコマンド情報に基づき、近距離無線通信を開始し、振込先端末500との通信接続が成功したことを確認すると、近距離無線通信接続情報をインターネットバンキングサーバ200に取引ナンバー情報とともに送信する。なお、振込先端末500は近距離無線通信接続要求とともに取引ナンバー情報を送信したが、これに限定されない。近距離無線通信接続要求を受信した振込元端末400が近距離無線通信を開始して通信接続が成功したタイミングで振込先端末500は取引ナンバー情報を送信してもよい。
【0139】
インターネットバンキングサーバ200は、振込元端末400から近距離無線通信接続情報と取引ナンバー情報を受信すると、2つの端末が相互認識域の範囲内に位置するかを判定する(STEP2016)。詳細には、インターネットバンキングサーバ200の通信部201は、振込元端末400から近距離無線通信接続情報と取引ナンバー情報とを受信し、制御部202に出力する。インターネットバンキングサーバ200の制御部202は、取引ナンバー情報に基づき近距離無線通信接続情報を記憶部203に格納する。制御部202は、振込元端末400から受信した取引ナンバー情報と、振込先端末500に送信した取引ナンバー情報と、近距離無線通信接続情報とを相互認識域判定部207に出力する。インターネットバンキングサーバ200の相互認識域判定部207は、振込元端末400から受信した取引ナンバー情報と、振込先端末500に送信した取引ナンバー情報が同一であるかを判定する。相互認識域判定部207は、近距離無線通信接続情報を受信し、取引ナンバー情報が同一であると判定した場合、2つの端末が相互認識域の範囲内に位置する、つまり近距離無線通信範囲内に位置すると判定する。相互認識域判定部207は、相互認識域判定結果を制御部202に出力する。インターネットバンキングサーバ200の制御部202は、相互認識域判定結果を記憶部203の取引情報テーブル2200の相互認識域判定結果2208に格納する。
【0140】
図15に示すSTEP2017~STEP2023までは、第1の実施形態のSTEP1017~1023と同一である。
[2.3 2の実施形態のまとめ]
以上述べたように、本実施の形態によれば、振込元端末と振込先端末とが近距離無線通信を確立できるほどの相互認識域の範囲内に位置しなければ取得し得ない情報を振込先端末に送信し、その後振込元端末から当該情報を受信した場合に振込を実行することで振り込め詐欺を防止する。近距離無線通信を確立できるほどの相互認識域の範囲内に近づく必要があり、振り込め詐欺を行うリスクを高め、振り込め詐欺防止に繋がる。
【0141】
[2.むすび]
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0142】
例えば、第1の実施形態においては、インターネットバンキングサーバ2が登録生体情報送信依頼を勘定系サーバ3に送信し、勘定系サーバ3から受信した登録生体情報と受取人生体情報を比較したが、インターネットバンキングサーバ2は受取人生体情報を勘定系サーバ3に送信し、勘定系サーバ3においてインターネットバンキングサーバ2から受信した受取人生体情報と登録生体情報を比較してもよい。その場合、勘定系サーバ3は生体情報判定結果をインターネットバンキングサーバ2に送信する。また、登録生体情報と受取人生体情報を比較し生体情報判定結果を出力する認証サーバを設けて、インターネットバンキングサーバ2は当該認証サーバに受取人生体情報を送信し、勘定系サーバ3は登録生体情報を当該認証サーバに送信してもよい。その場合、認証サーバは生体情報判定結果をインターネットバンキングサーバ2と勘定系サーバ3に送信する。
【0143】
例えば、第2の実施形態においては、振込元端末400から受信した取引ナンバー情報と、振込先端末500に送信した取引ナンバー情報が同一であり、且つ近距離無線通信接続情報を受信したことで2つの端末が相互認識域の範囲内に位置すると判定したが、取引ナンバー情報に代えてQRコード(登録商標)情報であってもよい。その場合、インターネットバンキングサーバ200は取引情報に基づきQRコード情報に生成するQRコード情報生成部と、生成したQRコード情報を送受信する通信部と、受信したQRコード情報と送信したQRコード情報を比較して一致する場合に2つの端末が相互認識域の範囲内に位置すると判定する相互認識域判定部を備える。また、振込先端末500はインターネットバンキングサーバ200からQRコード情報を受信する通信部と、受信したQRコード情報を表示する操作表示部を備える。振込元端末400は、QRコード情報を表示した振込先端末500の操作表示部を撮像する撮像部と、撮像部で撮像した振込先端末500の操作表示部の画像をインターネットバンキングサーバ200に送信する通信部を備える。インターネットバンキングサーバ200の相互認識域判定部は、振込元端末400から受信した画像からQRコード情報を抽出し、抽出したQRコード情報と振込先端末500に送信したQRコード情報を比較して一致する場合に、2つの端末が相互認識域の範囲内に位置すると判定する。
【0144】
また、第1の実施形態と第2の実施形態では、振込元端末と振込先端末とが相互認識域の範囲内に位置することを振込実行の条件とし、相互認識域の範囲内に位置しない場合はエラーメッセージを振込元端末に送信したが、振込金額が少額の場合、2つの端末が相互認識域の範囲内に位置しなくても振込実行してもよい。一方で、振込金額が高額で2つの端末が相互認識域の範囲内に位置しない場合に、エラーメッセージを振込元端末に送信する。これは、振り込め詐欺で要求される金額は高額である場合が多く、当該傾向を考慮すると、高額で2つの端末が相互認識域の範囲内に位置しない場合は取引を実行しないことで振り込め詐欺の被害に逢うのを防止する。また、少額の場合は、例えばお小遣いの授受などが考えられるので相互認識域の範囲内に位置しなくとも取引を成立させても問題は少ないと考えられる。
【0145】
また、第1の実施形態と第2の実施形態では、振込先の新規登録を行う場合に受取人生体情報を振込元端末で取得したが、振込先が登録済みの場合に受取人生体情報を振込元端末で取得してもよい。この場合、インターネットバンキングサーバは、振込先照会結果が登録済みであることを確認すると、振込先端末に位置情報取得許可メッセージ、または近距離無線通信開始メッセージを送信するとともに、振込元端末に受取人の生体情報取得を促すメッセージを送信する。インターネットバンキングサーバは振込先端末から位置情報、または振込元端末から取引ナンバー情報と近距離無線通信接続情報、受取人生体情報を受信する。インターネットバンキングサーバは2つの端末が相互認識域の範囲内に位置し、且つ受取人生体情報と登録生体情報との一致率が閾値以上の場合に取引を実行させる。インターネットバンキングサーバは、振込元端末と振込先端末とが相互認識域の範囲内に位置し、振込人と受取人とが確実にお互いを認識できている状況であることが認識できたうえで取引を実行させることができ、これにより端末を盗難し、振込人の相互認識域の範囲内に位置する場所で詐欺を行おうとしても受取人生体情報が必要なため振り込め詐欺を防止することができる。
【0146】
また、第1の実施形態では、振込元端末と振込先端末とが相互認識域の範囲内に位置することを振込実行の条件としたが、それに加えて特定の場所に位置する場合に振込実行してもよい。特定の場所とは例えば自宅である。この場合、インターネットバンキングサーバは勘定系サーバから連絡先情報と一緒に住所情報を受信する。住所情報とは、振込人自宅の住所情報と受取人自宅の住所情報である。その後、インターネットバンキングサーバは振込先端末位置情報を取得し、振込元端末位置情報と振込先端末位置情報に基づき2つの端末が相互認識域の範囲内に位置するか否かを判定する。また、振込元端末位置情報と振込先端末位置情報のどちらか一方が住所情報と一致するかを判定する。インターネットバンキングサーバは2つの端末が相互認識域の範囲内にあり、且つ住所情報と端末位置情報が一致する場合に取引を実行させる。これにより端末を盗難して振り込め詐欺を行う者は、端末の正規所有者の自宅に行く必要があるため振り込め詐欺を防止することができる。
【0147】
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に、または個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0148】
1 インターネットバンキングシステム
2、200 インターネットバンキングサーバ
3、300 勘定系サーバ
4、400 振込元端末
5、500 振込先端末
6 通信網
7 専用網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15