(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20231108BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A47J31/44 150
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2019208479
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永吉 賢也
(72)【発明者】
【氏名】持田 幸秀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 啓介
(72)【発明者】
【氏名】毛利 太一
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-222326(JP,A)
【文献】特開2002-234596(JP,A)
【文献】特開平04-142289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料供給部に配置された有底円筒状のカップに対して、飲料生成部で生成した飲料を、前記飲料供給部を構成するノズルより下方に向けて吐出して供給する飲料供給装置であって、
前記飲料供給部は、少なくとも前記カップの内部が空の場合に、前記カップの中心軸が前記ノズルの吐出方向に対して傾斜する態様で該カップを傾斜させた姿勢で載置させる載置部を備え、
前記載置部は、
前記カップの底面に接する底部と、
前記底部に左右一対となる態様で互いに前方に向けて相互間隔が漸次増大するように設けられ、かつ前記カップの外周壁部の一部に接する後壁部と
を備え、
前記後壁部は、相互間に切欠が形成されて互いに離隔した態様で前記底部に設けられたことを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料供給装置に関し、より詳細には、例えばコンビニエンスストア等の店舗に設置されるコーヒーマシン等の飲料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばコンビニエンスストア等の店舗には、コーヒーマシン等の飲料供給装置が設置されている。飲料供給装置は、利用者により飲料が選択された場合に、例えばコーヒー豆挽き及びドリッピングの抽出処理等を行って飲料を生成し、飲料供給部に配置されたカップに対して飲料を供給するものである。
【0003】
そのような飲料供給装置においては、飲料供給部にカップが配置されているか否かを検出し、カップを検出した場合にのみ飲料の供給を行うようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記飲料供給装置においては、利用者によりカップが飲料供給装置に起立姿勢で配置されるのが一般的である。カップの配置個所は、ノズルの設置個所との関係からおおよその範囲に定められているとはいえ、利用者により異なるものであり、広範なものとなっていた。そのため、飲料供給部にカップが配置されているか否かの検出においては、検出領域がカップの配置個所の全領域をカバーする必要があり、複数の検出手段を要したり、高価な検出手段を要したりして、結果的に製造コストの増大化を招来していた。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストの低減化を図ることができる飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る飲料供給装置は、飲料供給部に配置された有底円筒状のカップに対して、飲料生成部で生成した飲料を、前記飲料供給部を構成するノズルより下方に向けて吐出して供給する飲料供給装置であって、前記飲料供給部は、少なくとも前記カップの内部が空の場合に、前記カップの中心軸が前記ノズルの吐出方向に対して傾斜する態様で該カップを傾斜させた姿勢で載置させる載置部を備え、前記載置部は、前記カップの底面に接する底部と、前記底部に左右一対となる態様で互いに前方に向けて相互間隔が漸次増大するように設けられ、かつ前記カップの外周壁部の一部に接する後壁部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記飲料供給装置において、前記後壁部は、互いに離隔した態様で前記底部に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、少なくともカップの内部が空の場合に、カップの中心軸がノズルの吐出方向に対して傾斜する態様で該カップを傾斜させた姿勢で載置させる載置部は、底部がカップの底面に接するとともに、底部に左右一対となる態様で互いに前方に向けて相互間隔が漸次増大するように設けられた後壁部がカップの外周壁部の一部に接するので、該カップが転動することを規制して該カップを位置決めした状態で保持することができる。これにより、カップの検出領域を狭小なものとすることができ、複数の検出手段を必要としないばかりか、検出領域が大きい高価な検出手段を必要とせず、製造コストの低減化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である飲料供給装置の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態である飲料供給装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した飲料供給装置の要部を拡大して示す分解斜視図である。
【
図6】
図6は、
図3に示した載置部にカップが載置された状態を示す側面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示した載置部の要部における拡大横断面図である。
【
図9】
図9は、
図3に示した載置部にカップが載置された状態を示す側面図である。
【
図13】
図13は、
図2に示した制御部が実施する飲料供給制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【
図15】
図15の(a)は、傾斜姿勢のカップに飲料を吐出する状態を模式的に示し、
図15の(b)は、起立姿勢のカップに飲料を吐出する状態を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料供給装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
図1及び
図2は、それぞれ本発明の実施の形態である飲料供給装置を示すもので、
図1は、外観構成を示す斜視図であり、
図2は、制御系を模式的に示すブロック図である。
【0013】
ここで例示する飲料供給装置は、例えばコンビニエンスストア等の店舗に設置されるコーヒーマシンであり、例えばコーヒー豆挽き及びドリッピングの抽出処理を行って、容器である有底円筒状のカップCに、例えばカフェラテ等の乳飲料を含んだコーヒー飲料を供給するものである。このような飲料供給装置は、装置本体1を備えている。
【0014】
ここでカップCとしては、コールド飲料専用のものと、ホット飲料専用のものとがある。コールド飲料専用のカップCは、無色で透明な透明樹脂製のものであり、飲料が供給される以前の状態で予め内部に氷(図示せず)が入ったものである。このコールド飲料専用のカップCは、内部の氷が融解しないように冷凍庫の内部で冷凍保管されている。ホット飲料専用のカップCは、白色で不透明な紙製のものであり、コールド飲料専用のカップCと略同じ形状、略同じ大きさに形成されている。このホット飲料専用のカップCは、内部が空の状態で常温保管されている。
【0015】
装置本体1は、本体キャビネット10及び前面扉20を備えている。本体キャビネット10は、前面が開口した略直方状の形態を成すものである。この本体キャビネット10の内部には、飲料(例えばカフェラテ等のコーヒー飲料)を生成する飲料生成部11が設けてある。
【0016】
前面扉20は、本体キャビネット10の前面の開口を閉塞するのに十分な大きさを有する扉体である。この前面扉20は、本体キャビネット10の前方側の一側縁部において、上下方向に沿って延在する図示せぬ軸部の中心軸回りに揺動可能に設けてあり、本体キャビネット10の前面の開口を開閉することが可能である。
【0017】
かかる前面扉20は、前面が接客面を構成しており、表示部21及び開閉扉22が設けてある。表示部21は、例えば液晶タッチパネルで構成されており、各種情報を表示するとともに、タッチ操作等の入力操作が可能な入力部21aを有している。
【0018】
開閉扉22は、例えば透明な樹脂等の透光性材料により構成されるものであり、
図3に示すように、飲料供給部23の入口231を覆うのに十分な大きさを有している。この開閉扉22は、左側端部が前面扉20に軸支されており、前後方向に沿って揺動可能なものである。つまり、開閉扉22は、飲料供給部23に近接離反する態様で前後方向に沿って揺動可能であり、飲料供給部23に近接する態様で後方に揺動する場合に飲料供給部23の入口231を閉成させることが可能であり、飲料供給部23から離隔する態様で前方に揺動する場合に入口231を開成させることが可能である。
【0019】
飲料供給部23は、表示部21の下方側に凹部を設けることにより構成してある。この飲料供給部23は、ノズル232、ステージ233、後壁234、側壁235及び載置部236を有している。
【0020】
ノズル232は、飲料生成部11で生成された飲料を鉛直方向の下向きに吐出するものである。ステージ233は、ノズル232の下方域に設けてある。このステージ233には、ノズル232から吐出されてカップCに供給されなかった飲料を通過させる通過孔233aが形成してあり、その下方には飲料を貯留するためのトレイ(図示せず)が設けてある。後壁234は、ステージ233の後面を覆うものである。側壁235は、ステージ233の両側面を覆うものである。
【0021】
載置部236は、
図4に示すように、例えば樹脂材により成形したもので、左右一対となる態様で上方に向けて突出する取付片236aに形成された取付孔を貫通する揺動軸部材2361が、側壁235に架設されることで、該揺動軸部材2361の中心軸回りに該揺動軸部材2361とともに揺動可能に設けてある。
【0022】
この載置部236は、底部236b及び後壁部236c,236dを有している。底部236bは、カップCを載置させるためのものである。後壁部236c,236dは、底部236bに対して左右一対となる態様で互いに離隔した態様で設けてある。これら後壁部236c,236dは、前方に向けて相互間隔が漸次増大するように設けてある。
【0023】
かかる載置部236は、常態においては、図示せぬ付勢手段により付勢、あるいは自重により、
図5に示すように底部236bが前方に向かうに連れて漸次上方に傾斜する傾斜姿勢(第1状態)となるものである。この載置部236は、
図6に示すように、底部236bにホット飲料専用のカップCが載置された場合にも傾斜姿勢を維持する。すなわち、載置部236は、載置されたカップCの内部が空の場合には傾斜姿勢となるものである。
【0024】
ところで、
図6に示したように、ホット飲料専用のカップCが載置される場合、底部236bはカップCの底面に接している。また後壁部236c,236dは、互いに前方に向けて相互間隔が漸次増大するように設けてあるので、
図7に示すようにそれぞれがカップCの外周壁部の一部に接している。これにより載置部236は、カップCを傾斜した姿勢で転動することを規制した状態で、つまり位置決めした状態で保持することができる。
【0025】
そのような載置部236は、傾斜姿勢にある場合、
図8に示すように水平面Gに対して傾斜角αで底部236bが傾斜している。すなわち、ノズル232が鉛直方向の下向きに飲料を吐出するので、載置部236は、ホット飲料専用のカップCの中心軸C1がノズル232の吐出方向(鉛直方向)Hに対して後方に傾斜角α(20°~45°)で傾斜している。そして、そのような傾斜角αで傾斜姿勢にある場合、ノズル232から吐出される飲料がカップCの内周壁部の任意個所に当接することを許容している。
【0026】
そのような載置部236は、
図9に示すように、底部236bにコールド飲料専用のカップC、すなわち重量が予め決められた大きさ(例えば100g程度;以下、所定値ともいう)以上となるカップCが載置された場合、カップCの中心軸C1がノズル232の吐出方向H(鉛直方向)に平行となる起立姿勢(第2状態)となるものである。また載置部236は、
図10に示すように、ホット飲料専用のカップCの内部にノズル232より飲料が投入される結果、投入量の増大に応じてカップCの重量が所定値以上となる場合、カップCの中心軸C1がノズル232の吐出方向Hに平行となる起立姿勢となるものである。
【0027】
つまり、載置部236は、傾斜姿勢と起立姿勢との間で揺動可能に設けてあり、カップCの内部が空の場合には傾斜姿勢となる一方、カップCの重量が所定値以上となる場合には起立姿勢となるものである。尚、
図4等に示すように揺動軸部材2361の左端部分にはダンパ部材2362が連係しており、傾斜姿勢から起立姿勢への揺動においてはその揺動速度が減速されるようにしてある。
【0028】
図2に示すように、飲料供給装置は、カップ検出部31と、姿勢検出部32と、扉開閉検知部33と、扉開閉ロック機構34と、制御部40とを備えている。
【0029】
カップ検出部31は、例えば光センサ等により構成されるもので、飲料供給部23におけるカップCの配置の有無、すなわち載置部236にカップCが載置されたか否かを検出するものである。かかるカップ検出部31は、カップCの有無の検出結果を制御部40に与えるものである。
【0030】
姿勢検出部32は、載置部236が傾斜姿勢にあるか、起立姿勢にあるかを検出するものである。より詳細に説明すると、姿勢検出部32は、例えば光センサ等により構成されるもので、
図5等に示すように載置部236の後方域に設けてある。そして、姿勢検出部32は、載置部236が傾斜姿勢にある場合、
図11に示すように発光要素321と受光要素322との間に該載置部236の被検出部236eが介在せずにオン状態となり、制御部40に姿勢検出信号を与えるものである。その一方、姿勢検出部32は、載置部236が起立姿勢にある場合、
図12に示すように発光要素321と受光要素322との間に被検出部236eが介在することでオフ状態となり、制御部40に対する姿勢検出信号の出力を停止するものである。
【0031】
扉開閉検知部33は、飲料供給部23の入口231の近傍に設けてあり、例えば光センサ等で構成してある。この扉開閉検知部33は、開閉扉22による入口231の開閉を検知するものであり、より詳細には、入口231が閉成、すなわち開閉扉22が閉となるか否かを検知するものである。かかる扉開閉検知部33は、開閉扉22が閉となるか否かの検知結果を制御部40に与えるものである。
【0032】
扉開閉ロック機構34は、飲料供給部23の入口231の近傍に設けてある。この扉開閉ロック機構34は、入口231を閉成する開閉扉22が閉となる状態を保持させて該開閉扉22が前方に向けて揺動することを規制するロック状態と、該開閉扉22が前方に向けて揺動することを許容する解除状態との間で択一的に切替可能なものである。かかる扉開閉ロック機構34の切り替えは、制御部40から与えられる指令に応じて行われる。
【0033】
制御部40は、上述した飲料生成部11、表示部21、カップ検出部31、姿勢検出部32、扉開閉検知部33、扉開閉ロック機構34に電気的に接続してあり、同じく電気的に接続された記憶部41に記憶されたプログラムやデータに従って、これら各部の動作を統括的に制御するもので、特徴的なものとして判定部40aを有している。
【0034】
尚、制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0035】
判定部40aは、後述するカップ判定処理において、姿勢検出部32からの姿勢検出信号の有無により、カップCの種類を判定するものである。
【0036】
図13は、
図2に示した制御部40が実施する飲料供給制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる飲料供給制御処理の処理内容を説明しながら飲料供給装置の動作について説明する。
【0037】
この飲料供給制御処理において制御部40は、カップ検出部31によりカップCが載置部236に載置されたと検出されたか否かを判断する(ステップS101)。すなわち、カップCが飲料供給部23に有ると検出されたか否かを判断する。
【0038】
カップCが有ると検出された場合(ステップS101:Yes)、制御部40は、扉開閉検知部33の検知結果をもとに、開閉扉22が閉であるか否かを判断する(ステップS102)。開閉扉22が閉でない場合(ステップS102:No)には、ステップS102の判断処理を繰り返す。
【0039】
一方、制御部40は、開閉扉22が閉である場合(ステップS102:Yes)には、カップ判定処理を実施する(ステップS103)。
【0040】
図14は、
図13におけるカップ判定処理の処理内容を示すフローチャートである。このカップ判定処理において制御部40は、姿勢検出部32から姿勢検出信号の入力が有るか否かを判断する(ステップS103a)。
【0041】
姿勢検出信号の入力が有る場合(ステップS103a:Yes)、制御部40は、判定部40aを通じて載置されたカップCがホット飲料専用のものと判定し(ステップS103b)、その後に手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0042】
一方、姿勢検出信号の入力が無い場合(ステップS103a:No)、制御部40は、判定部40aを通じて載置されたカップCがコールド飲料専用のものと判定し(ステップS103c)、その後に手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0043】
そのようにしてカップ判定処理を行った制御部40は、表示部21に対して、該カップ判定処理で判定した種類のカップCに対応した飲料、すなわち供給すべき飲料(ホットカフェラテ飲料又はアイスカフェラテ飲料)の表示と、確認の文言が表示された入力部21aのタッチを案内する案内表示を行う(ステップS104)。
【0044】
その後、制御部40は、入力部21aがタッチされたか否かを判断する(ステップS105)。入力部21aがタッチされない場合(ステップS105:No)、制御部40は、ステップS105の判断処理を繰り返す。一方、入力部21aがタッチされた場合(ステップS105:Yes)、制御部40は、扉開閉ロック機構34を用いて開閉扉22を閉状態にロックし(ステップS106)、飲料生成部11に対して、供給する飲料の生成及び供給の処理を行わせる(ステップS107)。
【0045】
その後、制御部40は、飲料生成部11による飲料供給が終了したか否かを判断する(ステップS108)。飲料供給が終了していない場合(ステップS108:No)には、制御部40は、ステップS107に戻って飲料の生成及び供給の処理を続行する。
【0046】
一方、飲料供給が終了した場合(ステップS108:Yes)には、制御部40は、扉開閉ロック機構34による開閉扉22の閉状態のロックを解除し(ステップS109)、その後に手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施の形態である飲料供給装置においては、載置部236が傾斜姿勢と起立姿勢との間で揺動可能に設けてあり、載置されたカップCの内部が空となる場合には、
図15の(a)に示すように傾斜姿勢となって該カップCの内周壁部の任意個所にノズル232から吐出された飲料が当接することを許容するので、ノズル232より吐出される飲料の落下距離(吐出距離)L1を低減させることができる。しかも、カップCに投入される飲料の投入量の増大によりカップCの重量が所定値以上となる場合には、
図15の(b)に示すように起立姿勢となるので、既にカップCに投入された飲料によりノズル232より吐出される飲料の落下距離L2が増大して過大なものとなることはない。これにより、ノズル232より吐出される飲料の吐出距離L1,L2を低減させつつ必要以上に増大することを抑制でき、該飲料に乳飲料が含まれていたとしても、カップCの飲料の液面に大きな泡が発生することを抑制することができる。これにより、上記飲料供給装置によれば、カップCの飲料の品質の低下を抑制することができる。
【0048】
上記飲料供給装置によれば、カップCの内部が空の場合に傾斜姿勢となることで、カップCの中心軸C1がノズル232の吐出方向Hに対して傾斜する態様で該カップCを傾斜させた姿勢にさせる載置部236は、底部236bがカップCの底面に接し、それぞれの後壁部236c,236dがカップCの外周壁部の一部に接するので、該カップCを位置決めした状態で保持することができる。これにより、カップ検出部31によるカップCの検出領域を狭小なものとすることができ、製造コストの低減化を図ることができる。
【0049】
上記飲料供給装置によれば、載置部236が傾斜姿勢と起立姿勢との間で揺動可能に設けてあり、載置されたカップCの内部が空となる場合には傾斜姿勢となる一方、載置されたカップCの重量が予め決められた大きさ以上となる場合には起立姿勢となり、姿勢検出部32が、載置部236が傾斜姿勢及び起立姿勢のいずれかであることを検出し、判定部40aが、姿勢検出部32により載置部236が傾斜姿勢であると検出された場合には、カップCには氷が入れられていないものと判定する一方、姿勢検出部32により載置部236が起立姿勢であると検出された場合には、該カップCには氷が入れられているものと判定することにより、該カップCの種類を判定するので、カップCの材質や表面状態による影響を受けることが無く、しかもカメラ等の高価な撮像手段を必要とせずに、カップCの種類を良好に判定することができる。
【符号の説明】
【0050】
1…装置本体、10…本体キャビネット、11…飲料生成部、20…前面扉、21…表示部、22…開閉扉、23…飲料供給部、231…入口、232…ノズル、233…ステージ、234…後壁、235…側壁、236…載置部、236b…底部、236c,236d…後壁部、236e…被検出部、31…カップ検出部、32…姿勢検出部、33…扉開閉検知部、34…扉開閉ロック機構、40…制御部、40a…判定部、41…記憶部、C…カップ。